JP7224080B1 - デンタルフロスホルダー及びこれを用いたデンタルフロスセット - Google Patents

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Abstract

【課題】使用中に指の痛みがなく、デンタルフロスの1回の使用量が少なく、使い勝手が良く、安価に製造できるデンタルフロスホルダーを提供すること。【解決手段】デンタルフロスfを保持して使用する中空筒状体10のデンタルフロスホルダー1であって、当該中空筒状体の表面に形成されたスリット15によって舌状の舌状部14が形成されている。舌状部14は、スリット15の両端部が中空筒状体のいずれの端面にも到達しておらず、当該スリット15の両端部を結ぶラインが最短経路でないことによって形成され、中空筒状体の材質はエラストマーであることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、デンタルフロスホルダー及びこれを用いたデンタルフロスセットに関する。
歯みがきを行う際において、歯ブラシのみでは歯の汚れの60%程度しか磨けていない
といわれている。特に奥歯の隣接面(歯と歯の間)に挟まってしまった食片等は、通常の
歯ブラシによるブラッシングだけでは除去できないことが多い。また、近年スメハラ(ス
メル-ハラスメント)といった言葉があるように、臭いに関するエチケットが重要視され
ている。このような臭いに関するエチケットとして代表的なものとして口臭対策がある。
歯間の食物残渣や歯垢等を除去するためには、従来から歯間ブラシ、爪楊枝、デンタル
フロス、歯ブラシ、ゴム製のソフトピック等様々なものがある。多くの人はいずれかを毎
日のように使用している。
また、適切なデンタルフロス等によるによる歯間や歯周ポケットの清掃は、各歯や歯茎
から可能な限り多くのバクテリアを除去するためにも必要である。近年の研究によれば、
歯の衛生管理を怠ると、歯周ポケット等にフゾバクテリウム・ヌクレアタム菌が増殖し、
この菌が大腸がんの原因になるとも言われている。
歯間や歯周ポケットの清掃と口腔内を清潔に保つために、デンタルフロスが最も一般的
に使用されている。
図12に示す製品は、保持具103にデンタルフロス102が取り付けられている一般
的なデンタルフロス製品101である(特許文献1参照)。
図12のような使い捨ての保持具103を用いないデンタルフロスのみという使い方が
ある。図13は、デンタルフロスfを指先に巻く様子を示している。図13(1)のよう
に、最初に、指先にデンタルフロスfをクロスさせて巻き付け(破線円内参照)、その後
、ぐるぐると5回前後巻き付ける(図13(2)参照)。
図14は、デンタルフロスfを保持するデンタルフロスホルダー250の考案である。
デンタルフロスホルダー250は、指通し用リング210と、指通し用リング210の外
周上に連設された突出部220とを有し、突出部220にはデンタルフロスfを係合させ
るための第3係合溝226が刻設されている。また、突出部220の先端には、係合溝2
26に係合させたデンタルフロスfを挿通させるため連通部232があけられた挿通リン
グ230が設けられている。(特許文献2参照)
図15は、指にはめられた分配リング312と蓄積部材314を備える自動フロスシス
テム310を示している。分配リング312には未使用のデンタルフロスfが内部に巻か
れており、開口328からデンタルフロスfが出ている。蓄積部材314は使用後のデン
タルフロスfを開口330から内部に巻き取る。起動スイッチ318と起動スイッチ32
0を操作することによって、デンタルフロスfを自動的に排出、巻取を行う仕組みとなっ
ている。(特許文献3参照)
特開2020-89412号公報 実用新案登録第3208908号公報 特表2006-521182号公報
図12に示すデンタルフロス製品101は使い捨て的に使われるので保持具103も使
い捨てとなり、持続可能な開発目標(SDGs)のうちの持続可能な消費と生産のパター
ンを確保するという目標12を十分に満足しているとはいえないので好ましくない。
図13に示すデンタルフロスfを指に巻くタイプのものでは、使用中に指からデンタル
フロスfがずれて外れることがないようにするため、デンタルフロスfをきつく巻き付け
る必要があるが、そうすると指先が充血して痛みが発生する。それを防ぐには、ある程度
ゆるくして巻回数を増やす必要があるが、そうするとデンタルフロスの1回の使用量が長
くなり、保持具付きのデンタルフロス製品101と同じく、SDGsのうちの目標12を
十分に満足しているとはいえないので好ましくない。
図14に示すデンタルフロスホルダー250では、指通し用リング210には突出部2
20と挿通リング230が設けられているので、デンタルフロスホルダー250自体が大
きくなり使い勝手が悪くなる。
図15に示す自動フロスシステム310では、分配リング312と蓄積部材314は円
筒状であり、図14のようにデンタルフロスホルダー250自体が大きくなることはない
が、機構が複雑であり一般消費財に求められるコストの低減が出来なくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、使用中に指の痛みがな
く、デンタルフロスの1回の使用量が少なく、使い勝手が良く、安価に製造できるデンタ
ルフロスホルダーを提供することにある。
本発明(1)は、デンタルフロスを保持して使用する中空筒状体のデンタルフロスホル
ダーであって、当該中空筒状体の表面に形成されたスリットによって舌状の舌状部が形成
されているデンタルフロスホルダーである。
本発明(1)のデンタルフロスホルダーによると、直接にデンタルフロスが指に接触し
ないので使用中に指の痛みがなく、デンタルフロスを舌状部の下を潜らせてデンタルフロ
スをデンタルフロスホルダーに巻くので、少ないデンタルフロスの巻回数でしっかりとデ
ンタルフロスを保持することが出来、形状もシンプルでコンパクトになるので使い勝手が
良く安価に製造できる。なお、1つのデンタルフロスホルダーに形成される舌状部の個数
は1つに限られるものではなく、2つ以上あってもよい。
本発明(2)は、舌状部が、前記スリットの両端部が前記中空筒状体のいずれの端面に
も到達しておらず、当該スリットの両端部を結ぶラインが最短経路でなく形成され、前記
中空筒状体の材質はエラストマーである本発明(1)のデンタルフロスホルダーである。
本発明(2)は、本発明(1)の一態様であり、スリットの両端部が前記中空筒状体の
いずれの端面にも到達しておらず、当該スリットの両端部を結ぶラインが最短経路ではな
い。このスリットの両端部を結ぶラインが最短経路でないことによって舌状部が形成され
ることは後述する。1つの舌状部を形成するためのスリットの本数は1本である。このデ
ンタルフロスホルダーの材質はエラストマーであることが好ましい。エラストマーは、ゴ
ム弾性を持つ素材・材料で、エラストマーには熱硬化性エラストマーと熱可塑性エラスト
マーがある。熱硬化性エラストマーには、シリコンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴムなど
がある。熱可塑性エラストマーには、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、
エステル系、アミド系の樹脂がある。
本発明(3)は、前記デンタルフロスを前記舌状部の下面と前記中空筒状体の表面との
間の隙間に横切って挿入できる開口が前記舌状部の下面と前記中空筒状体の表面との間に
形成されている本発明(2)のデンタルフロスホルダーである。
本発明(3)では、前記デンタルフロスを前記舌状部の下面と前記中空筒状体の表面と
の間の隙間に横切って挿入できる開口が前記舌状部の下面と前記中空筒状体の表面との間
に形成されているので、デンタルフロスを舌状部の下に潜らせやすくなる。
本発明(4)は、前記スリットが2本あり両スリットの一端部が前記中空筒状体のいず
れかの同じ一端面に到達している場合であって、前記2本のスリットの他端部が前記中空
筒状体の他端面に到達していないことによって、前記舌状部が形成されている本発明(1
)のデンタルフロスホルダーである。
本発明(4)は、本発明(1)の一態様であり、2本のスリットによって形成され、両
スリットの一端部が前記中空筒状体のいずれかの同じ一端面に到達している場合である。
前記2本のスリットの他端部が前記中空筒状体の他端面に到達していないことによって、
舌状部が形成されることは後述する。
本発明(5)は、本発明(1)~(4)のいずれかのデンタルフロスホルダーとデンタ
ルフロスを有するデンタルフロスセットである。
本発明によれば、使用中に指の痛みがなく、デンタルフロスの1回の使用量が少なく、
使い勝手が良く、安価に製造できるデンタルフロスホルダーを提供することができる。
実施例1のデンタルフロスホルダーである。 実施例1のデンタルフロスホルダーに形成されるスリットの種々の形態を示す模式図である。 実施例1のデンタルフロスホルダーに形成されるスリットの種々の形態を示す模式図である。 実施例1のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスを巻く手順を示す模式図である。 実施例1のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスが取付けられた詳細を示す断面図である。 実施例2のデンタルフロスホルダーである。 実施例2のデンタルフロスホルダーに形成されるスリットの種々の形態を示す模式図である。 実施例2のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスを巻く手順を示す模式図である。 実施例2のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスが取付けられた詳細を示す断面図である。 実施例1のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスを取り付けて実際に使用している状態を示す斜視模式図である。 実施例1のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスを取り付けて実際に使用している状態を種々の角度から見たときの斜視模式図である。 特許文献1に記載のデンタルフロス製品の斜視模式図である。 デンタルフロスを指に巻く状態を示す斜視模式図である。 特許文献2に記載のデンタルフロスホルダーの正面図である。 特許文献3に記載の自動フロスシステムを実際に使用するときの斜視模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、
本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限す
ることを意図するものではない。
図1は、実施例1のデンタルフロスホルダーを示し、(1)は斜視図、(2)は正面図
、(3)は左側面図、(4)は右側面図、(5)はX-X断面図を示す。デンタルフロス
ホルダー1のホルダー本体10(中空筒状体)は筒状形状で、上側凸壁12と下側凸壁1
3を上下端に備えている。この上側凸壁12及び下側凸壁13はデンタルフロスがずれな
いようにするためであり、必ずなければならないものではない。ホルダー本体10の本体
側壁11にはスリット15が形成され、このスリット15によって舌状部14が形成され
ている。内部には指挿通穴16が空いており、指は、この指挿通穴16に挿入される。
舌状部14先端付近のほかの部分に比べて隙間が広いのはデンタルフロスを挿通しやす
くするためであって、スリット15を必ずしもこのような形状にする必要はない。
図2は、本体側壁11に形成するスリット15がどのようなスリットであればよいかを
示している。1本のスリットによって舌状部が作られるパターンを図2と図3に別々に示
す。図2においては、(1)、(2)及び(3)では舌状部が形成されるが、(4)では
舌状部が形成されない。細い矢印実線と矢印点線がフロスfであり、太い実線がスリット
を示す。
図2(1)は、スリット15がA~AにU字形に形成されており、デンタルフロス
fはAから舌状部14の下を潜ってAに出て(点線矢印)、Aに向かい、裏側を回
ってAに出て、舌状部14の上を通ってAに向かっている。図2(2)では、スリッ
ト15は、B~BにJ字形に形成され、デンタルフロスfは、B、B、B、B
、Bの順に順番に巻かれる。図2(3)では、スリット15は、C~CにJ字形
(図2(2)よりも短い)に形成され、デンタルフロスfは、C、C、C、C
の順に順番に巻かれる。図2(1)~図2(3)までは、舌状部14が確実に形成さ
れるため、デンタルフロスfは確実に舌状部14に係止されている。
図2(4)では、スリット15がD~Dに形成されており、その経路は最短経路と
なっている。つまり、最短経路になっていると舌状部14が形成されず、デンタルフロス
fは舌状部14に係止されず、デンタルフロスホルダー1はデンタルフロスfを保持する
ことができない。
図3は、本体側壁11に形成するスリット15がどのようなスリットであればよいかを
示している。図2と異なるのは、図2では舌状部14が周方向に形成されるのに対して、
図3では舌状部14が軸方向に形成されていることである。図3においても、(1)、(
2)及び(3)では舌状部14が形成されるが、(4)では舌状部が形成されない。細い
矢印実線と矢印点線がフロスfであり、太い実線がスリットを示す。
図3(1)は、スリット15がE~EにU字形に形成されており、デンタルフロス
fはEから舌状部14の下を潜ってEに出て(点線矢印)、Eに向かい、裏側を回
ってEに出て、舌状部14の上を通ってEに向かっている。図3(2)では、スリッ
ト15は、F~FにJ字形に形成され、デンタルフロスfは、F、F、F、F
、Fの順に順番に巻かれる。図3(3)では、スリット15は、G~GにJ字形
(図3(2)よりも短い)に形成され、デンタルフロスfは、G、G、G、G
の順に順番に巻かれる。図3(1)~図3(3)までは、舌状部14が確実に形成さ
れるため、デンタルフロスfは確実に舌状部14に係止されている。
図3(4)では、スリット15がHからHに向けて形成されており、その経路は最
短経路となっている。つまり、最短経路になっていると舌状部14が形成されず、デンタ
ルフロスfは舌状部14に係止されず、デンタルフロスホルダー1はデンタルフロスfを
保持することができない。
図4は、実施例1のデンタルフロスホルダー1にデンタルフロスfを巻く手順を順番に
(1)~(4)に示している。図4(1)は、デンタルフロスホルダー1にデンタルフロ
スfを近づけて開口17にはめ入れようとしているところを示している。このデンタルフ
ロスホルダー1は、図1のデンタルフロスホルダー1と少し異なっており、舌状部14の
先端部分が少し跳ね上がっており、デンタルフロスfが挿入しやすくなっている。図1の
デンタルフロスホルダー1の形状でも、本体側壁11を少し拉ぐと舌状部14の先端が跳
ね上がるので図4(1)のような状態になる。
図4(2)は、舌状部14の根元までデンタルフロスfを入れている状態を示している
。図4(3)は、デンタルフロスfを一周巻いた状態を示している。図4(4)は、さら
にデンタルフロスfを回旋して力を入れ始めている状態を示している。さらに力を加える
とデンタルフロスfからの力によって舌状部14が本体側壁11と同じ面まで押し下げら
れて、その結果、デンタルフロスfがしっかりとデンタルフロスホルダー1に係止される
ことになる。なお、図4(1)~図4(4)の操作は、図4(1)の段階で指をデンタル
フロスホルダー1に挿入しておいても可能である。
図5は、実施例1のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスが取付けられた詳細を示
す断面図である。デンタルフロスfは舌状部14の根元部分のPからクランクして曲げ
られPへ達し、PからPへ舌状部14の裏面を渡って、再び曲げられてPに達し
て本体側壁11の周りに巻かれる。この図で、力のベクトルFが、デンタルフロスfが延
びる方向(矢印方向)にかけられると、その力FはP、P、P、Pのすべての箇
所でクランクして曲げられているので、デンタルフロスfのずれる方向には力が生じない
か、きわめて小さくなる。そのために、デンタルフロスfはデンタルフロスホルダー1に
しっかりと係止されることになる。また、PからPとの間のデンタルフロスfは、指
と本体側壁11の内面との間にはさまれるので、さらにずれにくくなる。
デンタルフロスホルダーを使用しない場合は、指に5回前後巻く必要があるが、本発明
のデンタルフロスホルダーを用いると1.5回巻けばデンタルフロスがずれることなく使
用できる。成人男子の場合、指に5回巻くと1回にデンタルフロスを約80cm使用する
必要があり、本発明のデンタルフロスホルダーを使うと1回のデンタルフロスの使用量は
約34cmとなる。市販されているデンタルフロスは長さ40mのものが多いが、本発明
のデンタルフロスホルダーを使用せずに直接に指にデンタルフロスを巻くと50回で消費
してしまう。一方、本発明のデンタルフロスホルダーを使用すると約120回使用するこ
とができ、デンタルフロスを節約することができる。
図6は、実施例2のデンタルフロスホルダーを示し、(1)は斜視図、(2)は正面図
、(3)は右側面図、(4)はW-W断面図を示す。デンタルフロスホルダー2のホルダ
ー本体20は筒状形状で、上側凸壁22と下側凸壁23を上下端に備えている。この上側
凸壁22及び下側凸壁23はデンタルフロスがずれないようにするためであり、必ずなけ
ればならないものではない。ホルダー本体20の本体側壁21にはスリット25が2本形
成され、この2本のスリット25によって舌状部24が形成されている。内部には指挿通
穴26が空いており、指はこの指挿通穴26に挿入される。スリット25の下端部が拡げ
られているのはデンタルフロスを挿通しやすくするためである。
図7は、本体側壁21に形成するスリット25がどのようなスリットであればよいかを
示している。図7において、(1)、(2)では舌状部が形成されるが、(3)では舌状
部が形成されない。細い矢印実線と点線矢印がフロスfであり、太い実線がスリットを示
す。
図7(1)は、1本目のスリット25がIからIに向けて直線状に形成されており
、2本目のスリット25がIからIに向かって1本目のスリットと平行に直線状に形
成されている。デンタルフロスfはIから舌状部24の下を潜ってIに出て(点線矢
印)、Iに向かい、裏側を回ってIに出て、舌状部24の上を通ってIに向かって
いる。
図7(2)では、1本目のスリット25がJからJに向けてカーブして形成され、
2本目のスリット25がJからJに向かって形成されている。デンタルフロスfは、
、J、J、J、Jの順に順番に巻かれる。図7(1)及び図7(2)では、舌
状部24が確実に形成されるため、デンタルフロスfは確実に舌状部24に係止されてい
る。
図7(3)では、1本のスリット25がKからKに向けて形成されており、その経
路両端は本体側壁21の両端部に達している。このようなスリットの形態では、他のスリ
ットの形態にかかわらず舌状部24が形成されるもデンタルフロスfは舌状部24に係止
されずに抜けてしまい、デンタルフロスホルダー2はデンタルフロスfを保持することが
できない。
図8は、実施例2のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスfを巻く手順を順番に(
1)~(4)に示している。図8(1)は、デンタルフロスホルダー2の左側のスリット
25にデンタルフロスfをはめ入れているところを示している。
図8(2)は、舌状部24の根元までデンタルフロスfを入れている状態を示している
。図8(3)は、デンタルフロスfを一周近く巻いた状態を示している。図8(4)は、
さらにデンタルフロスfを回旋して力を入れ始めている状態を示している。なお、図8(
2)の状態にしてから指をデンタルフロスホルダー2に挿入することが可能である。
図9は、実施例2のデンタルフロスホルダーにデンタルフロスが取付けられた状態を詳
細に示す断面図である。デンタルフロスfは舌状部24の根元部分のQからクランクし
て曲げられQを通り、QからQへ舌状部24の裏面を渡って、再び曲げられてQ
に達して本体側壁21の周りに巻かれる。この図で、力のベクトルFが、デンタルフロス
fが延びる方向(矢印方向)にかけられると、その力FはQ、Q、Q、Qのすべ
ての箇所でクランクして曲げられているので、デンタルフロスfのずれる方向には力が生
じないか、きわめて小さくなる。そのため、デンタルフロスfはデンタルフロスホルダー
2にしっかりと係止されることになる。また、QからQとの間のデンタルフロスfは
、指と本体側壁21の内面との間にはさまれるので、さらにずれにくくなる。
デンタルフロスの1回の使用量の削減効果は、上述の実施例1の場合と同じである。
図10は、実施例1のデンタルフロスホルダー1を左右の手指に装着して、2つのデン
タルフロスホルダー1に取り付けられたデンタルフロスfを使って歯の歯間部33を清掃
しているところを示している。上顎30の歯肉31と歯32との間に歯周ポケットがある
が、デンタルフロスfをその歯周ポケットの中にまで入れて掃除をすることができる。
図11の(1)~(7)は、本発明のデンタルフロスホルダーとこのデンタルフロスホ
ルダーに取り付けられたデンタルフロスを用いて歯間の清掃を行っている状態を示してい
る。(1)と(2)は斜め上方から見た所、(3)は真上から見た所、(4)と(5)は
斜め下方から見た所、(6)と(7)は側面から見た所を示している。このようにデンタ
ルフロス付きデンタルフロスホルダーを装着した指を口腔内に入れなければ歯間や歯周ポ
ケットの清掃を行うことはできない。特に奥歯に対しては、さらに指を口腔内の奥に挿入
しなければ歯間等の清掃をすることができず、本願発明のコンパクトなデンタルフロスホ
ルダーを用いることによって全ての歯の歯間等をスムースに清掃をすることができる。
以上説明したように、本発明のデンタルフロスホルダーやデンタルフロスホルダーセッ
トは、使用中に指の痛みがなく、デンタルフロスの1回の使用量が少なく、使い勝手が良
く、安価に製造できる。
1 デンタルフロスホルダー
10 ホルダー本体(中空筒状体)
11 本体側壁
12 上側凸壁
13 下側凸壁
14 舌状部
15 スリット
16 指挿通穴
2 デンタルフロスホルダー
20 ホルダー本体(中空筒状体)
21 本体側壁
22 上側凸壁
23 下側凸壁
24 舌状部
25 スリット
26 指挿通穴
30 上顎
31 歯肉
32 歯
33 歯間部

Claims (5)

  1. デンタルフロスを保持す無底中空筒状体に指を貫通させ指に装着して使用するデンタルフロスホルダーであって、
    当該無底中空筒状体の表面に形成されたスリットによって舌状の舌状部が形成されていることを特徴とするデンタルフロスホルダー。
  2. 前記舌状部は、前記スリットの両端部が前記無底中空筒状体のいずれの端面にも到達しておらず、当該スリットの両端部を結ぶラインが最短経路でなく形成され、前記無底中空筒状体の材質はエラストマーである請求項1に記載のデンタルフロスホルダー。
  3. 前記デンタルフロスを前記舌状部の下面と前記中空筒状体の表面との間の隙間に横切って挿入できる開口が前記舌状部の先端に形成されている請求項2に記載のデンタルフロス
    ホルダー。
  4. 前記スリットが2本あり両スリットの一端部が前記無底中空筒状体のいずれかの同じ一端面に到達している場合であって、前記2本のスリットの他端部が前記中空筒状体の他端面に到達していないことによって、前記舌状部が形成されている請求項1に記載のデンタルフロスホルダー。
  5. 請求項1~4に記載にいずれか1項に記載のデンタルフロスホルダーとデンタルフロスを有するデンタルフロスセット。
JP2022153596A 2022-09-27 2022-09-27 デンタルフロスホルダー及びこれを用いたデンタルフロスセット Active JP7224080B1 (ja)

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