JP7222929B2 - フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇及びトコフェロール類減少の抑制方法 - Google Patents

フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇及びトコフェロール類減少の抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇及びトコフェロール類減少の抑制方法に関し、より詳細には粗原油の精製工程を調整した調製油を使用することを特徴とする抑制方法に関する。
フライ、天ぷら等の揚げ物を調理するための油として、大豆油、菜種油等の食用油脂が使用されている。これらの食用油脂は、安価で取り扱い(ハンドリング)が良好であるものの、加熱調理時に、着色、粘度上昇、加熱臭等を生じる。
食用油脂で揚げ物を調理する際の加熱着色を抑制する先行技術として、特許文献1は、精製された食用油脂に圧搾油及び/又は抽出油、脱ガム油などのリン由来成分を添加することにより揚げ物用油脂組成物の加熱耐性を向上させる方法を提案する。特許文献1の発明によれば、揚げ物用油脂組成物の加熱安定性を向上させ、特に加熱着色及び加熱臭の抑制をすることができる。
アニシジン価は、油脂の酸化が進むと生成するアルデヒド含有量をあらわす数値であり、油脂劣化の指標の一つとなる。フライ調理時の油脂のアニシジン価上昇を抑制することが、フライ調理用油脂組成物の劣化を抑制するのに有効であると考えられる。
精製油脂には、油糧原料に天然に含まれるトコフェロール類が残存している。精製油脂中のトコフェロール類は、加熱等によって消失してゆく。トコフェロール類は、食用油脂の酸化防止作用を有するので、フライ調理時の食用油脂中のトコフェロール類減少を抑制することが、フライ調理用油脂組成物の劣化を抑制するのに有効であると考えられる。
特開2009-050234号公報(加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法)
特許文献1の発明は、アニシジン価上昇の抑制やトコフェロール類減少の抑制に向けられていない。そこで、本発明の目的は、フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇及び/又はトコフェロール類減少の抑制方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を鋭意検討した結果、精製工程を特定の条件に調整して得られる調製油を食用油脂に添加することにより、フライ調理時の油脂組成物のアニシジン価上昇やトコフェロール類減少を抑えるのに有効であることを発見し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇の抑制方法であって、
食用油脂に調製油を添加することを含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の吸光度は、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.030以上であることを特徴とする、前記抑制方法に関する。
特許文献1は、脱ガム油、脱酸工程のみを除いた粗精製油のような中間的油脂を記載するものの、本発明で規定するような吸光度差を示す調製油は全く開示されていない。
前記吸光度差は、0.045以上であることが好ましい。
前記(4)は、実施の脱臭工程であることが好ましい。
前記脱臭工程は、水蒸気の使用量が0.1質量%以上10質量%以下、脱臭温度が210℃以上300℃以下、及び脱臭時間が10分以上240分以下の条件で実施されることが好ましい。
前記油糧原料は、特に大豆、菜種、及びパーム果肉から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記食用油脂は、特に大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油は、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
上記アニシジン価上昇の抑制方法において、前記調製油由来のリン分が前記フライ調理用油脂組成物中0.01質量ppm以上10質量ppm以下となるように前記食用油脂に添加してもよい。
前記(3)は、実施の脱色工程であることが好ましい。
本発明は、また、フライ調理用油脂組成物のトコフェロール類減少の抑制方法であって、食用油脂に調製油を添加することを含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記トコフェロール類減少の抑制方法を提供する。本明細書において、トコフェロール類とは、α、β、γ及びδ-トコフェロール並びにα、β、γ及びδ-トコトリエノールを意味する。
前記吸光度差は、0.045以上であることが好ましい。
前記(4)は、実施の脱臭工程であることが好ましい。
前記脱臭工程は、水蒸気の使用量が0.1量%以上10質量%以下、脱臭温度が210℃以上300℃以下、及び脱臭時間が10分以上240分以下の条件で実施されることが好ましい。
前記油糧原料は、特に大豆、菜種、及びパーム果肉から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
前記食用油脂は、特に大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油は、0.05質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
上記トコフェロール類減少の抑制方法において、前記調製油由来のリン分が前記フライ調理用油脂組成物中0.01質量ppm以上10質量ppm以下となるように前記食用油脂に添加してもよい。
本発明は、また、フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇抑制剤であって、
前記アニシジン価上昇抑制剤は、調製油を含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記アニシジン価上昇抑制剤を提供する。
本発明は、また、フライ調理用油脂組成物のトコフェロール類減少抑制剤であって、
前記トコフェロール類減少抑制剤は、調製油を含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記トコフェロール類減少抑制剤を提供する。
本発明のフライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇の抑制方法、及びアニシジン価上昇抑制剤によれば、フライ調理用油脂組成物を例えば30時間のような長時間、食材のフライ調理に用いても、油脂組成物のアニシジン価上昇は、前記調製油を添加していない対照油と比べて有意に抑制される。このアニシジン価上昇の抑制は、フライ調理用油脂組成物の延命に大いに寄与する。
また、本発明のフライ調理用油脂組成物のトコフェロール類減少の抑制方法、及びトコフェロール類減少抑制剤によれば、フライ調理用油脂組成物を例えば30時間のような長時間、食材のフライ調理に用いても、油脂組成物中のトコフェロール類減少は、前記調製油を添加していない対照油と比べて有意に抑制される。このトコフェロール類減少の抑制は、フライ調理用油脂組成物の延命に大いに寄与する。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。本発明の加熱時におけるフライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇の抑制方法(以下、本発明1という)は、食用油脂に調製油を添加する工程を含む。前記食用油脂は、フライ調理用油脂組成物のベース油となるものである。食用油脂は、通常、精製油である。前記食用油脂の例は、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、紅花油、亜麻仁油、ゴマ油、米油、落花生油、ヤシ油等の植物油脂、豚脂、牛脂、鶏脂、乳脂等の動物油脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド並びにこれらに分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油脂が挙げられる。これらの食用油脂は、一種単独でも二種以上の併用でもよい。食用油脂は、大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、グレープシード油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、大豆油、菜種油及びパーム系油脂から選ばれる少なくとも一種を含むことがより好ましい。食用油脂は、大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油の含有量の合計が、60質量%以上100質量%以下であることが好ましく、75質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、90質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。ここでいうパーム系油脂とは、パーム油及びパーム油の加工油脂を意味する。
前記食用油脂は、好ましくは融点が10℃以下、より好ましくは0℃以下である。なお、本明細書で、融点は、上昇融点を意味する。上昇融点は、基準油脂分析試験法2.2.4.2-1996に則って測定することができる。
前記食用油脂の前記フライ調理用油脂組成物に対する含有量は、通常、80質量%以上でよく、好ましくは85質量%以上であり、特に好ましくは88質量%以上である。食用油脂の含有量の上限は特にないが、食用油脂と調製油の合計が100質量%以下である。
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、(1)脱ガム工程、(2)実施又は未実施の脱酸工程、(3)実施又は未実施の脱色工程、及び(4)実施又は未実施の脱臭工程を経たものである。
前記油糧原料の例は、大豆、菜種、パーム果肉、コーン、オリーブ、グレープシード、ゴマ、紅花、ひまわり、綿実、米、落花生、パーム核、ヤシ、亜麻仁等を含む。前記油糧原料は、大豆、菜種、及びパーム果肉から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、大豆及び菜種から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
上記粗原油は、上記油糧原料を圧搾抽出及び/又は溶剤抽出にかけることにより得られる。圧搾抽出は、油糧原料に高圧を加えて細胞中の油分を搾り取ることにより行うものである。圧搾抽出は、ゴマのような比較的油分の高い油糧原料に向いている。溶剤抽出は、油糧原料を圧扁もしくは圧搾抽出後の残渣に溶剤を接触させ、油分を溶剤溶液として抽出し、得られる溶液から溶剤を留去して油分を得ることにより行う。溶剤抽出は、大豆のような油分の少ない油糧原料に向いている。溶剤には、ヘキサン等の有機溶剤が使用される。
(1)の脱ガム工程は、油分中に含まれるリン脂質を主成分とするガム質を水和除去する工程である。本発明において、脱ガム工程の処理条件は、特に制限されず、汎用の条件を使用可能である。例えば、水の使用量は、粗原油に対して、通常、1質量%以上5質量%以下、好ましくは1.5質量%以上3質量%以下である。適宜、シュウ酸、クエン酸、リン酸等の酸の水溶液からなる脱ガム助剤を添加してもよい。脱ガム温度は、通常、40℃以上95℃以下でよく、好ましくは60℃以上95℃以下である。粗原油に水蒸気又は水を加えて攪拌することにより、ガム質が水和して水溶性となり、水層へ移る。撹拌時間は、通常、1分以上60分以下である。この水層は遠心分離機等で分離除去され、脱ガム油が得られる。
(2)の脱酸工程は、炭酸ナトリウムや苛性ソーダといったアルカリの水溶液で処理することにより油分中に含まれる遊離脂肪酸をセッケン分として除去する工程である。本発明において、脱酸工程の処理条件は、特に制限されず、汎用の条件を使用可能である。例えば、3質量%以上40質量%以下のアルカリ水溶液を、脱ガム油に対して、通常、0.1質量%以上5質量%以下、好ましくは0.5質量%以上3質量%以下となるように添加する。脱酸温度は、通常、20℃以上120℃以下でよく、好ましくは35℃以上95℃以下である。油脂に不溶の上記セッケン分は、遠心分離機等で分離除去され、脱酸油が得られる。
本発明1は、(2)の脱酸工程を実施しないことが好ましい。
前記脱酸工程は、アルカリを用いない物理的精製法でもよい。物理的精製法には、水蒸気蒸留法や分子蒸留法がある。
(3)の脱色工程は、油分中に含まれる色素を減圧下で、活性白土、活性炭等へ吸着させて除去する工程である。脱色工程は、通常、無水下で行われるが、水の存在下で行ってもよい。通常の精製工程における脱色工程の条件は、活性白土の使用量が油脂に対して、0.05質量%以上5質量%以下であり、脱色温度が60℃以上120℃以下であり、そして、脱色時間が5分以上120分以下である。脱色工程で色素の付着した活性白土等は、減圧濾過等により除去され、脱色油が得られる。
本発明1においては、活性白土が脱ガム油又は脱酸油に対して0.05質量%以上2質量%以下であること好ましく、0.05質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上0.7質量%以下であることがさらに好ましく、0.05質量%以上0.6質量%以下であることがさらにより好ましい。また、脱色温度は、70℃以上120℃以下であることが好ましく、75℃以上110℃以下であることがより好ましい。またさらに、脱色時間は、5分以上80分以下であることが好ましく、5分以上60分以下であることがより好ましい。このような条件下で緩和な脱色工程を実施するか、又は未実施とすると、本発明で規定する範囲の吸光度差を有する調製油が容易に得られる。
(4)の脱臭工程は、減圧下で水蒸気蒸留することによって油分中に含まれる有臭成分を除去する工程である。通常の精製条件の脱臭工程は、油脂に対して水蒸気の使用量が0.1質量%以上10質量%以下、脱臭温度が210℃以上300℃以下、減圧度150Pa以上1000Pa以下、脱臭時間10分以上240分以下で行う。なお、本発明1においては水蒸気の使用量は、脱ガム油、脱酸油又は脱色油に対して、好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以上5質量%以下である。脱臭温度は、好ましくは200℃以上300℃以下、より好ましくは230℃以上300℃以下、さらに好ましくは240℃以上280℃以下である。減圧度は、温度に依存するが、好ましくは200Pa以上800Pa以下である。また、脱臭時間は、脱臭温度及び減圧度に依存するが、好ましくは20分以上240分以下である。特に、油脂に対して水蒸気の使用量が0.3質量%以上5質量%以下、脱臭温度が240℃以上280℃以下、そして脱臭時間が20分以上240分以下の強化した精製条件にて行うことにより、フライ調理用油脂組成物の加熱時のにおいを抑制することができる。
本発明1は、(4)の脱臭工程を実施することが好ましい。
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.030以上であり、0.045以上であることが好ましく、0.065以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。前記吸光度差が0.030以上であることにより、高いアニシジン価上昇の抑制効果が得られるとともに、食用油脂に対する調製油の添加量を抑えることができる。前記吸光度差の上限は、通常、2.0以下であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.0以下である。
なお、(2)が実施又は未実施の脱酸工程、且つ、(3)が実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱色油の算出値を意味する。(2)が実施の脱酸工程、且つ、(3)が未実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱酸油の算出値を意味する。(2)が未実施の脱酸工程、且つ、(3)が未実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱ガム油の算出値を意味する。
前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油は、通常、0.05質量%以上20質量%以下でよく、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以上12質量%以下であり、さらにより好ましくは0.45質量%以上12質量%以下である。
前記調製油は、調製油由来のリン分が油脂組成物中、好ましくは0.01質量ppm以上10質量ppm以下、さらに好ましくは0.1質量ppm以上10質量ppm以下となるように添加されてもよい。
上記フライ調理用油脂組成物は、シリコーンを含んでいてもよい。シリコーンは、通常、フライ調理用の食用油脂に配合される種類のシリコーンを用いることができる。シリコーンの25℃における動粘度は、10cSt以上1200cSt以下であることが好ましく、80cSt以上1200cSt以下であることがより好ましく、400cSt以上1200cSt以下であることがさらに好ましく、900cSt以上1100cSt以下であることが特に好ましい。前記シリコーンは、フライ調理用油脂組成物中に0.5質量ppm以上10質量ppm以下含まれることが好ましく、1質量ppm以上5質量ppm以下含まれることがより好ましく、2質量ppm以上4質量ppm以下含まれることがさらに好ましく、3質量ppm含まれることが特に好ましい。
上記フライ調理用油脂組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、食用油脂に添加される汎用の助剤を添加することができる。そのような助剤の例には、トコフェロール等の抗酸化剤;香料;乳化剤等が挙げられる。
上記フライ調理用油脂組成物は、食材や調理方法に応じて、例えば140℃以上200℃以下の温度にて、フライ調理に用いることができる。フライ食品の例として、唐揚げ、コロッケ、天ぷら、野菜や魚介類の素揚げ、カツ、フリッター、揚げ菓子又は揚げパン、揚げ麺等が挙げられる。
本発明は、また、フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇抑制剤であって、
前記アニシジン価上昇抑制剤は、調製油を含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記アニシジン価上昇抑制剤を提供する。前記調製油の内容は、上記アニシジン価上昇の抑制方法で説明したものと同じなので、説明を省略する。
前記アニシジン価上昇抑制剤中の前記調製油の担体(希釈剤)は、通常、食用油脂であり、その具体例は、前記フライ調理用油脂組成物のベース油で例示したものと同様である。前記アニシジン価上昇抑制剤に適宜添加される助剤の例には、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、香料、生理活性物質等が挙げられる。
前記アニシジン価上昇抑制剤中の前記調製油の含有量は、通常、5質量%以上100質量%以下でよく、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上100質量%以下である。
本発明によるアニシジン価上昇の抑制は、例えば以下の方法で評価可能である。以降、アニシジン価を単にAnVと称することがある。
1.アニシジン価(AnV)の測定
AnVは、試料中のカルボニル化合物とp-アニシジンとを作用させた時の350nmの吸光係数E1% 1cmを100倍したものとして定義される。フライ調理試験後の試験油のAnVを基準油脂分析試験法2.5.3-2013に準じて、可視紫外分光光度計を用いて測定する。
2.AnV上昇抑制率の算定
対照油の測定結果を基準としたAnV上昇抑制率を、以下に示す式:
Figure 0007222929000001
を用いて算出する。
本発明によれば、本発明に従う調製油を含まない対照油を基準としたAnV上昇抑制率は、調製油の添加量、食材、フライ調理温度等に応じて変わるが、通常、0.2~20%程度となる。
また、本発明の加熱時におけるフライ調理用油脂組成物のトコフェロール類減少の抑制方法(以下、本発明2という)は、食用油脂に調製油を添加する工程を含む。前記食用油脂は、本発明1の実施の形態で挙げたものと同じである。
前記食用油脂の前記フライ調理用油脂組成物に対する含有量は、通常、80質量%以上でよく、好ましくは85質量%以上であり、特に好ましくは90質量%以上である。食用油脂の含有量の上限は特にないが、食用油脂と調製油の合計が100質量%以下である。
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、(1)脱ガム工程、(2)実施又は未実施の脱酸工程、(3)実施又は未実施の脱色工程、及び(4)実施又は未実施の脱臭工程を経たものである。前記油糧原料及び前記粗原油は、本発明1の実施の態様で挙げたものと同じである。
また、本発明2の(1)の脱ガム工程、(2)の脱酸工程、(3)の脱色工程及び(4)の脱臭工程は、上述した本発明1の実施の態様と同じ精製条件にて行うことができる。本発明2は、(2)の脱酸工程を実施しないことが好ましく、また、(4)の脱臭工程を実施することが好ましい。
本発明2の前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.030以上であり、0.045以上であることが好ましく、0.065以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。前記吸光度差が0.030以上であることにより、高いトコフェロール類減少の抑制効果が得られるとともに、食用油脂に対する調製油の添加量を抑えることができる。前記吸光度差の上限は、通常2.0以下であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.0以下である。
なお、(2)が実施又は未実施の脱酸工程、且つ、(3)が実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱色油の算出値を意味する。(2)が実施の脱酸工程、且つ、(3)が未実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱酸油の算出値を意味する。(2)が未実施の脱酸工程、且つ、(3)が未実施の脱色工程の場合、前記吸光度差は、前記脱ガム油の算出値を意味する。
前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油は、通常、0.05質量%以上20質量%以下でよく、好ましくは0.05質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上15質量%以下であり、さらに好ましくは0.25質量%以上12質量%以下であり、さらにより好ましくは0.45質量%以上12質量%以下である。
前記調製油は、調製油由来のリン分が油脂組成物中、好ましくは0.01質量ppm以上10質量ppm以下、さらに好ましくは0.1質量ppm以上10質量ppm以下となるように添加されてもよい。
上記フライ調理用油脂組成物は、シリコーンを含んでいてもよい。シリコーンは、通常、フライ調理用の食用油脂に配合される種類のシリコーンを用いることができる。シリコーンの25℃における動粘度は、10cSt以上1200cSt以下であることが好ましく、80cSt以上1200cSt以下であることがより好ましく、400cSt以上1200cSt以下であることがさらに好ましく、900cSt以上1100cSt以下であることが特に好ましい。前記シリコーンは、フライ調理用油脂組成物中に0.5質量ppm以上10質量ppm以下含まれることが好ましく、1質量ppm以上5質量ppm以下含まれることがより好ましく、2質量ppm以上4質量ppm以下含まれることがさらに好ましく、3質量ppm含まれることが特に好ましい。
上記フライ調理用油脂組成物には、本発明の効果を阻害しない限り、食用油脂に添加される汎用の助剤を添加することができる。そのような助剤の例には、トコフェロール等の抗酸化剤;香料;乳化剤等が挙げられる。
上記フライ調理用油脂組成物は、食材や調理方法に応じて、例えば140℃以上200℃以下の温度にて、フライ調理に用いることができる。フライ食品の例として、唐揚げ、コロッケ、天ぷら、野菜や魚介類の素揚げ、カツ、フリッター、揚げ菓子又は揚げパン、揚げ麺等が挙げられる。
本発明は、また、フライ調理用油脂組成物のトコフェロール類減少抑制剤であって、
前記トコフェロール類減少抑制剤は、調製油を含み、
前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
(1)脱ガム工程、
(2)実施又は未実施の脱酸工程、
(3)実施又は未実施の脱色工程、及び
(4)実施又は未実施の脱臭工程
を経たものであり、
前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記トコフェロール類減少抑制剤を提供する。前記調製油の内容は、上記トコフェロール類減少の抑制方法で説明したものと同じなので、説明を省略する。
前記トコフェロール類減少抑制剤中の前記調製油の担体(希釈剤)は、通常、食用油脂であり、その具体例は、前記フライ調理用油脂組成物のベース油で例示したものと同様である。前記トコフェロール類減少抑制剤に適宜添加される助剤の例には、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、香料、生理活性物質等が挙げられる。
前記トコフェロール類減少抑制剤中の前記調製油の含有量は、通常、5質量%以上100質量%以下でよく、好ましくは10質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上100質量%以下である。
本発明によるトコフェロール類減少の抑制は、例えば以下の方法で評価可能である。以降、トコフェロール類を単にTocと称することがある。
1.トコフェロール類(Toc)の測定
試験油に内部標準物質(2,2,5,7,8-pentamethyl-6-hydroxychroman、例えば和光純薬工業株式会社製)を加えたものをヘキサンに溶解して分析サンプルとする。分析サンプルのトコフェロール類をHPLCで分析する。予めビタミンE定量用標準試薬(例えば和光純薬工業株式会社製)を用いて作成しておいた検量線に、内部標準物質と各トコフェロールとの質量比を当てはめることにより、試験油中のトコフェロール類を定量する。
2.Toc減少抑制率の算定
対照油でのTocの減少を基準とした、試験油のToc減少抑制率を、以下に示す式:
Figure 0007222929000002
を用いて算出する。
本発明によれば、本発明に従う調製油を含まない対照油を基準としたToc減少抑制率は、調製油の添加量、食材、フライ調理温度等に応じて変わるが、通常、0.5~40%程度となる。
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。なお、各表のリン分(質量ppm)については、検出限界未満を「0」と表記した。また、各表の油脂組成物のリン分(質量ppm)は、調製油のリン分と添加量から算出した値である。
〔調製例〕精製油及び調製油の調製
表1に示す精製油を用意し、そして表1に示す精製工程の特徴に従って調製油を調製した。
Figure 0007222929000003
上記精製油及び調製油の吸光度差の算出及びリン分の測定は、以下の方法により行った。
(吸光度差)
対照用及び測定用石英セル(1cm)にイソオクタン(分光分析用試薬、和光純薬工業株式会社製)を入れ、紫外可視分光光度計(製品名「SHIMADZU UV-2450」、株式会社島津製作所製)を用いて600~750nmの範囲でベースライン補正を行った。次に、測定用石英セルに試験油脂を入れ吸光度を測定した。750nmにおける吸光度をゼロとしたときの660nmにおける吸光度(吸光度差)を記載した。
(リン分)
試験油脂をキシレンで希釈し、ICP発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクサイエンス社製)で分析した。また、定量にあたっては、CONOSTAN(登録商標) Oil Analysis Standard(SCP SCIENCE社製)を使用した。
〔実施例1~3〕調製油の脱色工程変更試験
(1)フライ用油脂組成物の調製
ベース油となる上記精製菜種油に、表2に示す調製油を2質量%となるように添加することにより、フライ用油脂組成物を調製した。以降、ベース油を対照油といい、ベース油に調製油が添加された油脂組成物を試験油という。
(2)フライ調理試験
上記試験油及び対照油のフライ調理試験を以下の手順で行った。なお、対照油のフライ調理試験も試験毎に行った。他の実施例も同様である。
まず、フライ調理試験の揚げ種として、以下の加工食品:
唐揚げ:製品名「若鶏唐揚げ(GX388)」(味の素冷凍食品株式会社製)、
ポテトコロッケ:製品名「NEWポテトコロッケ60(GC080)」(約60g/個、味の素冷凍食品株式会社製)を用意した。
電気フライヤー(製品名:FM-3HR、マッハ機器株式会社製)に、試験油又は対照油を3.4kg投入し、180℃の揚げ温度まで昇温した。昇温後、電気フライヤーに、唐揚げ又はポテトコロッケを以下に示す要領で投入して、揚げ調理を1日10時間で延べ30時間行った。
(フライ条件)
唐揚げ:揚げ質量400g/回、揚げ時間5分/回、揚げ回数5回/日(1~3日目に実施)、
ポテトコロッケ:揚げ数量5個/回、揚げ時間5分/回、揚げ回数2回/日(1日目のみ実施)
(3)油脂組成物のアニシジン価上昇及びトコフェロール類減少の抑制の評価
フライ調理試験後の試験油及び対照油をサンプリングして、以下の方法でアニシジン価上昇及びトコフェロール類減少の抑制の効果を評価した。
(フライ調理時の油脂組成物のアニシジン価上昇の抑制の評価)
1.アニシジン価(AnV)の測定
上記フライ調理試験後の試験油及び対照油のAnVを基準油脂分析試験法2.5.3-2013に準じてAnVを求めた。
2.AnV上昇抑制率の算定
対照油の測定結果を基準としたAnV上昇抑制率を、以下に示す式:
Figure 0007222929000004
を用いて算出した。結果を表2に示す。
(フライ調理時の油脂組成物のトコフェロール類減少の抑制の評価)
1.トコフェロール類の測定
10mLメスフラスコに試験油又は対照油を約0.2g精秤し、内部標準物質(2,2,5,7,8-pentamethyl-6-hydroxychroman、例えば、和光純薬工業株式会社製、10.2μg/mLヘキサン、)を1mL加え、ヘキサンでメスアップしたものを分析サンプルとした。分析サンプルのTocをHPLCで分析した。HPLC条件を以下に示す。
カラム:InertSil(登録商標)NH2(2.1mm×250mm、5μm)
カラム温度:60℃
検出器:SHIMADZU蛍光検出器RF-10AXL
検出波長:Ex295nm、Em325nm
移動相:ヘキサン98容量%:2-プロパノール2容量%
(トコトリエノールの分析時にはヘキサン99容量%:2-プロパノール1容量%)
注入量:2μL
流速:0.5mL/分
ビタミンE定量用標準試薬(和光純薬工業株式会社製)を用いて作成した検量線に、内部標準物質と各トコフェロール類との質量比を当てはめることにより、試験油又は対照油に含まれるTocを定量した。なお、トコトリエノールの標準試薬が入手困難なため、α、β、γ及びδ-トコトリエノール定量値は、それぞれ、ビタミンE定量用標準試薬中のα、β、γ及びδ-トコフェロールを用いて算出した。
2.Toc減少抑制率の算定
対照油でのTocの減少を基準とした、試験油のToc減少抑制率を、以下に示す式:
Figure 0007222929000005
を用いて算出した。結果を表2に示す。
Figure 0007222929000006
実施例1~3のように、本発明に従う吸光度差を有する調製油が添加された試験油では、AnV上昇が、対照油(脱ガム工程、脱酸工程、脱色工程及び脱臭工程を通常の条件で行った精製菜種油)と比べて1.8~5.7%抑制された。本発明に従って脱色工程後に一定の吸光度差を有するように調製された調製油には、フライ調理時の油脂組成物のAnV上昇を抑制する機能があることが判明した。
本発明に従う調製油が添加された油脂組成物を用いた実施例1~3では、対照油と比べてToc減少が抑制された。したがって、本発明に従って脱色工程後に一定の吸光度差を有する調製油には、フライ調理時の油脂組成物のToc減少を抑制する機能があることが判明した。
〔実施例4~6〕調製油の脱臭工程変更試験(1)
本発明に使用する調製油が、その精製工程において脱臭工程を経ることが必須か否かを試験するために、緩和な脱色工程を経ており脱臭工程を経ていない調製油3、脱色工程及び脱臭工程を経ていない調製油4、及び脱色工程を経ておらず脱臭工程は経ている調製油6をベース油に1.6又は2.0質量%になるよう添加した試験油を調製した。試験油のフライ調理試験及び評価を、実施例1と同一の操作で行った。結果を表3に示す。
Figure 0007222929000007
実施例4及び5に示すように、本発明で規定する吸光度差を有する調製油を含む試験油は、脱臭工程を経ていなくとも、フライ調理時のAnV上昇及びToc減少が対照油と比べて改善された。さらに、実施例5と実施例6とを対比すると、脱臭工程を経た調製油を含む実施例6の試験油の方が、AnV上昇及びToc減少の抑制率が高い。したがって、本発明に用いる調製油は、脱臭工程を経ている方が好ましいといえる。
〔実施例7~9〕調製油の脱臭工程変更試験(2)
本発明に使用する調製油の脱臭工程における精製条件を検討するために、通常の脱臭工程を経た調製油8、及び、強化した脱臭工程を経た調製油9及び10をベース油に2.0質量%になるように添加した試験油を調製した。これらの試験油のフライ調理試験及び評価を実施例1と同じ手順で実施した。結果を表4に示す。
Figure 0007222929000008
表4に示すように、いずれの脱臭条件においても、試験油のフライ調理時のAnV上昇及びToc減少は、対照油と比べて抑制された。実施例7と実施例8及び9とを対比すると、脱臭条件がより強化した実施例8及び9の方が、試験油のAnV上昇抑制率とToc減少抑制率が増大した。
〔実施例10~12〕調製油の脱酸工程変更試験
本発明に使用する調製油が、その精製工程において脱酸工程を経ることが必須か否かを試験するために、本発明が規定する吸光度差を有するが脱酸工程を経ていない調製油11~13をベース油に2.0質量%になるように添加した試験油を調製した。これらの試験油のフライ調理試験及び評価を、実施例1と同一の操作で行った。結果を表5に示す。
Figure 0007222929000009
表5に示すように、本発明に使用する調製油は、脱酸工程を実施していなくともAnV上昇抑制効果及びToc減少抑制効果が得られることが判明した。実施例7及び11を比較すると、AnV上昇抑制率については脱酸工程を経ていることが好ましく、Toc減少抑制率については脱酸工程を経ていないことが好ましいことがわかる。
〔実施例13~16〕調製油の添加量変更試験
本発明のフライ用油脂組成物中の調製油の添加量を変更する試験を行った。具体的には、菜種粗原油の精製工程において脱色工程を実施しない調製油7の添加を表6に示す添加量でベース油に添加した試験油を調製した。これらの試験油のフライ調理試験及び評価を実施例1と同一の操作で行った。結果を表6に示す。
Figure 0007222929000010
表6に示すように、本発明に従う調製油を添加した試験油を用いてフライ調理を行うと、フライ調理試験後の油脂組成物のAnV上昇及びToc減少は、対照油と比べて抑制された。実施例13~16の結果から、フライ調理用油脂組成物中の調製油は、0.3質量%以上10.1質量%以下で効果が得られ、0.7質量%以上10.1質量%以下でより高い効果が得られ、6.0質量%以上10.1質量%以下でさらに高い効果が得られた。
〔実施例17〕ベース油変更試験
実施例3において、ベース油を変更する試験を行った。ベース油として精製パームオレインを用意した。この精製パームオレインは、Tocとしてトコフェロールよりもトコトリエノールを多く含む。実施例3において、ベース油を精製菜種油から精製パームオレインに変更した以外は、実施例3と同一の手順で調製油をベース油に2.0質量%になるように添加して試験油を調製した。この試験油のフライ調理試験及び評価を、実施例1と同一の操作で行った。結果を表7に示す。
Figure 0007222929000011
表7に示すように、ベース油を精製菜種油から精製パームオレインに変更しても、フライ調理時の油脂のAnV上昇及びToc減少を抑制することができた。実施例3及び17を比較すると、ベース油は、AnV上昇抑制の点でパーム油が好ましく、Toc低減抑制の点で菜種油が好ましい。
〔実施例18〕調製油の油糧原料の変更試験
調製油の油糧原料を菜種から大豆に変更する試験を行った。大豆由来で脱色工程未実施の調製油14をベース油に10質量%となるように添加した試験油を調製した。また、通常の精製工程を経た大豆油(調製油15)を精製菜種油に10質量%となるように添加した比較例10の対照油を調整した。この試験油及び対照油のフライ調理試験を実施例1と同一の操作で行った。結果を表8に示す。
Figure 0007222929000012
表8に示すように、調製油の油糧原料を菜種から大豆に変更しても、フライ調理試験後の油脂組成物のAnV上昇及びToc減少を抑制することができた。実施例16及び18を比較すると、調製油の油糧原料は菜種が好ましいことがわかる。

Claims (19)

  1. フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇の抑制方法であって、
    食用油脂に調製油を添加することを含み、
    前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
    (1)脱ガム工程、
    (2)実施又は未実施の脱酸工程、
    (3)実施又は未実施の脱色工程、及び
    (4)実施又は未実施の脱臭工程
    を経たものであり、
    前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記アニシジン価上昇の抑制方法。
  2. 前記吸光度差が0.045以上である、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  3. 前記(4)が実施の脱臭工程である、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  4. 前記脱臭工程は、
    水蒸気の使用量が0.1質量%以上10質量%以下、
    脱臭温度が210℃以上300℃以下、及び
    脱臭時間が10分以上240分以下の条件で実施されることを特徴とする、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  5. 前記油糧原料は、大豆、菜種、及びパーム果肉から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  6. 前記食用油脂は、大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる少なくとも一種が含まれる、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  7. 前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油が、0.05質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  8. 前記調製油由来のリン分が前記フライ調理用油脂組成物中0.01質量ppm以上10質量ppm以下となるように前記食用油脂に添加することを特徴とする、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  9. 前記(3)が実施の脱色工程である、請求項1に記載のアニシジン価上昇の抑制方法。
  10. フライ調理用油脂組成物のフライ調理によるトコフェロール類減少の抑制方法であって、
    食用油脂に調製油を添加することを含み、
    前記調製油は、大豆、菜種、コーン、オリーブ、ゴマ、紅花、ひまわり、綿実、米、落花生、パーム核、ヤシ及び亜麻仁からなる群から選ばれる少なくとも一種の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
    (1)脱ガム工程、
    (2)実施又は未実施の脱酸工程、
    (3)実施又は未実施の脱色工程、及び
    (4)実施又は未実施の脱臭工程
    を経たものであり、
    前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記トコフェロール類減少の抑制方法。
  11. 前記吸光度差が0.45以上である、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  12. 前記(4)が実施の脱臭工程である、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  13. 前記脱臭工程は、
    水蒸気濃度0.3量%以上10質量%以下、
    210℃以上300℃以下、及び
    20分以上240分以下
    の条件で実施されることを特徴とする、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  14. 前記油糧原料は、大豆、菜種、及びパーム果肉から選ばれる少なくとも一種である、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  15. 前記食用油脂は、大豆油、菜種油、パーム系油脂、コーン油、ヒマワリ油、オリーブ油、綿実油、及び紅花油から選ばれる少なくとも一種である、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  16. 前記フライ調理用油脂組成物中の前記調製油が、0.05質量%以上20質量%以下である、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  17. 前記調製油由来のリン分が前記フライ調理用油脂組成物中0.01質量ppm以上10質量ppm以下となるように前記食用油脂に添加することを特徴とする、請求項10に記載のトコフェロール類減少の抑制方法。
  18. フライ調理用油脂組成物のアニシジン価上昇抑制剤であって、
    前記アニシジン価上昇抑制剤は、調製油を含み、
    前記調製油は、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
    (1)脱ガム工程、
    (2)実施又は未実施の脱酸工程、
    (3)実施又は未実施の脱色工程、及び
    (4)実施又は未実施の脱臭工程
    を経たものであり、
    前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記アニシジン価上昇抑制剤。
  19. フライ調理用油脂組成物のフライ調理によるトコフェロール類減少抑制剤であって、
    前記トコフェロール類減少抑制剤は、調製油を含み、
    前記調製油は、大豆、菜種、コーン、オリーブ、ゴマ、紅花、ひまわり、綿実、米、落花生、パーム核、ヤシ及び亜麻仁からなる群から選ばれる少なくとも一種の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において、順に、
    (1)脱ガム工程、
    (2)実施又は未実施の脱酸工程、
    (3)実施又は未実施の脱色工程、及び
    (4)実施又は未実施の脱臭工程
    を経たものであり、
    前記調製油の前記(3)の工程後の、イソオクタンを対照とした波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が、0.030以上であることを特徴とする、前記トコフェロール類減少抑制剤。
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