JP7222805B2 - 炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品およびその製造方法 - Google Patents

炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐食性、導電性、気密性、成形性等を要求される部材として使用される薄板に関する。
例えば水素ガス・酸素ガスとの接触面積の大きい金属製の燃料電池用セパレータとするのに適した薄板の製造方法等に関するものである。
金属製セパレータの高性能化、コンパクト化のためには、セパレータ形状の精密化が要求される。そのため、セパレータとしての能力を上げるには流路接触面積を大きくすることが要求され、流路接触面積が大きくなるにつれて、ガス流路、MEAとの接触面積が広がり、セパレータの高性能化が図られる。そこで、セパレータの溝幅や溝深さを極力小さくすることは可能ではあるが、生産性、平坦度が落ちる。そのため精密プレス技術を駆使し、製品の精度上昇と薄型化を狙ったセパレータの開発が進められている。
特許文献1では、ステンレスを母体として適用し、導電性を兼ね合わせるために、析出物で不動態内部を貫通させ、ステンレス内部と表面の導電性を高める製造方法が報告されている。
しかしながらステンレスの肉厚を薄くするには複数回以上の冷間圧延工程が必要であるが、冷間圧延工程で析出物が板貫通割れの起点となる可能性がある。更に、ステンレスは高強度であるためプレス成形時はスプリングバックやねじれ等、プレス不良が発生し易い等、指摘されている。
そのためプレス工程も複数回行う必要があるが、2回目以降のプレスの際は位置合わせが難しく、生産性の大幅な低下を招き、その改善が要求される。
又、特許文献2では、耐食性に優れ軽量なチタン基材の表層に導電性を高めるために、その表面に炭素層を形成する手法が、特許文献3では、表層に白金族元素を濃化させる手法が公開されている。
しかしながら、チタンのヤング率は小さく、スプリングバックが起き易い等、ステンレスよりプレス加工しにくい。また、チタンは高価な材料である。
特許文献4、5では、金属ガラス材料によるセパレータについて、過冷却相体温度域での成形性、耐食性、接触抵抗、発電特性が報告されている。この金属ガラスは過冷却液相状態を持つため、過冷却液相温度域へ保持することで複雑な形状への加工が容易である特性を有している。
しかしながら、過冷却液相温度域は狭く、金属ガラスは限定された成分組成であるため高価であり、工業材料としては扱い難い欠点がある。
更に、特許文献6では、溝加工した非晶質薄板を作製するための、製造装置・製造方法について公開されており、PEFC用セパレータに必要な溝加工薄板を得ることが可能である。その特徴は、噴射ガンにて噴射された飛行粉末粒子を急冷しながら基材表面に成膜を行い、成膜温度を保持したまま溝の付いた溝ロールで圧延し、最後は基材から離型して溝付きの非晶質の薄板を得るものである。
特許第6112262号公報 特開2013-109891号公報 特開2014-075287号公報 特開2007-83692号公報 特開2011-249247号公報 特開2013-221167号公報
このような状況の中で、金属製の燃料電池用セパレータについては、薄肉化をはかること、溝幅・溝深さを微細にして水素・酸素との接触面積を大きくすることが重要であり、同時に耐食性、導電性、成形性、気密性を全て要求を満たすことも不可欠である。
しかしながら、従来の技術では、そのような燃料電池用セパレータを低コストで能率的に製造することは極めて難しかった。
そこで、本発明は上記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、導電性、耐積層強度、耐食性及び耐久性などに優れた高品質の、従来製造技術による急冷箔帯よりは遥かに厚肉板材が得られる超急冷遷移制御噴射法を用いた炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品およびその製造方法を提供するものである。
本発明の炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品における第1の発明は、所望の高さ及び幅の凹凸状部を両面に備えた微細な3次元表面形状を有する薄板状の非晶質金属を基板とし、
前記基板の表端面に不動態層表層域が存在し、前記不動態層表層域を貫通して前記不動態層表層域下の前記非晶質金属と導通するよう凹凸を有する面の凸状部上の表層を含む凹凸を有する面の表層に存在し、且つ固溶することなく存在している導電A膜の一部分が表面に露出部を有し、
前記基板の表端面と対向する基板の裏面を覆うように、前記導電A膜とは異相の炭素質材料層、且つ付着積層の導電B膜を備えることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品である。
本発明の第の発明は、第1の発明における表端面の前記導電A膜が、凹凸を有する面の凸状部上の表層にのみ、導電A膜が固溶することなく存在していることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品である。
本発明の第の発明は、第1及び第2の発明における導電A膜のある面の反対面に、存在する導電B膜が、接着、固着物質等での化学的に付着、又は圧下成形等の機械的に付着させた炭素質材料被膜であることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品である。
本発明の第の発明は、第1から第3の発明における導電A膜及び導電B膜が、燃料電池使用環境下において、劣化が見られず、且つ前記非晶質金属の耐食性、熱安定性、及び導電性を有した炭素質材料であることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品である。
本発明の第の発明は、第1から第の発明における導電B膜が、炭素繊維を含有した炭素質材料であることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品である。
また、本発明の第の発明は、炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品およびその製造方法で、基板の表端面に、導電A膜の露出部を有する不動態層表層域を備え、前記基板の裏面に導電B膜を備える複層薄板状成形品の製造方法であって、以下の(1)~(10)の工程を経て製造されることを特徴とするものである。
(記)
(1)目的とする3次元表面形状に対する反転表面形状を有する基材に、導電性材料Aを、前記基材の凹凸状部を有する面の表層の凹状部を含む前記基材の凹凸状部、又は前記基材の凹凸状部を有する面の表層の凹状部のみに積層して導電A膜を形成する。
(2)前記導電A膜が積層された3次元表面形状を有する基材を所望温度に昇温する。
(3)表層に不動態層を形成して耐食性を発揮する非晶質金属を構成する原料金属材料粉粒体を、火炎と共に噴射し、前記火炎の熱により溶融して形成された前記原料金属材料粉粒体の溶融物が、前記火炎内を飛行しつつ、前記火炎毎、冷媒により冷却されて基材表面に皮膜を形成する急冷溶射ガンを用い、前記原料金属材料粉粒体を溶解、且つ混合する。
(4)前記溶解、且つ混合した原料金属材料粉粒体が、基材(成形金型)に到達する以前から、原料金属材料粉粒体の周囲に向けて噴射された所望冷媒の噴流により原料金属材料粉粒体の冷却を開始する。
(5)所望の凝固状態又は半凝固状態に至った該原料金属材料粉粒体を、前記基材の微細な3次元表面形状の凹凸状部に凝着積層させ、その凹凸状部の凹部を充満させると共に、凹凸状部が埋設する積層厚さになるまで噴射吹付けを行い、凝着積層された非晶質金属の皮膜を形成する。
(6)所望の温度まで冷却する。
(7)冷却後、前記皮膜の表端面(凹凸状部)と対向する裏面に、炭素質材料層となる導電性材料Bと粘結剤の混合体又は導電性材料Bのみを、積層凝固させて導電B膜を形成する。
(8)前工程で混合体を用いて導電B膜を形成した場合には、前記導電B膜中の粘結剤を乾燥させて導電B膜を固化する。
(9)前記固化した導電B膜の背面を切削法、研削法、研磨法の面加工によって平滑化、又は、必要な形状を付与する。
(10)導電A膜、皮膜、導電B膜から成る積層体である炭素質材料層を形成した複層薄板状成形品を、基材から離型して回収する。
本発明に係る炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品およびその製造方法によれば、表端面と対向する裏面は噴射による積層粉末にちかい金属母相表面となっており、覆うようにカーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブなどの導電性材料Bを均一かつ強固に接着、固着物質等での化学的、又は圧下成形等の機械的に付着積層させることで、内部の空隙を減少すること無しに気密性及び導電性の確保が可能である。
この本発明に係る炭素質材料層を備えた製品の薄板状成形品では、さらに凹凸状部を備えた微細な3次元表面形状の表面と、その反対側の裏面との間で接触抵抗がより低い薄板状成形品を、容易に製造することができ、さらに導電性材料にカーボンナノチューブなどの繊維材を含有し均一かつ強固に付着積層させることで柔軟性と強度を向上させる事が可能である。
本発明に係る製造方法により薄板状成形品の表端面と対向する裏面は、噴射による積層粉末にちかい金属母相表面となっており、その表面を覆うように導電性材料をスプレー法、塗布法、或いは金属母相と同様に、噴射により付着定着させて所望の面平坦度に研削または切削することを特徴とするもので、加圧成形による空隙減少及び平滑化を必要とせず導電性材料積層後に切削、研削、研磨によって平滑化を行なうものである。
本発明による溝付き薄板の製造方法は、導電性材料成分を反転3次元表面形状の凹部底面に予め配置させた後、凝固状態又は半凝固状態に至った原料金属材料粉粒体を噴射させて凝着積層させることを特徴とする。
この本発明に係る製造方法により、凹凸状部を備えた微細な3次元表面形状の表面とその反対側の裏面との間で接触抵抗がより低い薄板状成形品を、容易に製造することができる。
又、強化繊維としては、カーボンナノチューブの他に炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、高分子繊維などが利用可能で、その繊維仕様は短繊維、長繊維、長繊維織布を含有させることで、柔軟性の向上、硬度向上を可能とする。
更には、加圧成形がいらない為、工程の簡素化を可能とし、工業上顕著な効果を奏するものである。
超急冷遷移制御噴射装置(急冷溶射ガン)の使用状況を示す側面図である。 本発明で使用する超急冷遷移制御噴射法を実施するための大型超急冷遷移制御噴射機用の溶射ガンの一例を示す概略図で、(a)は水ミストの噴射口を含む全体の正面図、(b)は側面図である。 本実施態様で使用する金型表面の拡大外観図である。 本発明に係る製造工程を示すフロー図である。 本実施態様に係る製造プロセス概要図である。
本発明に係る炭素質材料層を備えた製品である薄板状成形品およびその製造方法ついて、図3、図4及び図5を参照して以下に説明する。
[炭素質材料層を備えた薄板状成形品の製造方法]
本実施態様に係る炭素質材料層を備えた製品である薄板状成形品は、その表面に凹凸状部を備える微細な3次元表面形状であることを特徴とし、図1に例示した超急冷遷移制御噴射装置(溶射ガン100)、或いは図2に例示した大型超急冷遷移制御噴射機用の溶射ガン110により製造することができる。図1中符号1は粉末供給管、2は冷却ガス供給管、4は冷却ガス噴射口、5は火炎噴射口、6は粉末噴射口、7は筐体、9は基材、Fは火炎、Gは冷却ガスである。
特に、図2の大型超急冷遷移制御噴射機用の溶射ガン110は、その底面に、材料粒子噴射口16と同軸に火炎噴射口15が配置され、又、材料粒子噴射口16及び火炎噴射口15の外周部の位置に、火炎噴射口から噴射する火炎を整流し、且つ冷却するための不活性ガス(通常は窒素ガス)の噴射口14が配置されている。さらに、同軸状に設けられた材料粒子噴射口16、火炎噴射口15及び不活性ガス噴射口14の外周部の位置には、火炎を冷却するための水ミストのミスト噴射口13を、前記直線に沿ったスリットとして、ミスト噴射ノズル12を設けている。水ミストのミスト噴射口13は、噴射するミストが前記火炎に接近し斜交するように角度を定めていて、かつその角度は材料粒子の化学成分等に応じて変更することができる。又、不活性ガス及び水ミストの作用によって、火炎(材料粒子を含む火炎)の冷却速度は40万~100万℃/秒に達することを可能とする装置である。
なお、水ミストは、高火力の火炎との接触によって酸素と水素とに分解し、火炎中の酸素量を過剰気味にするため、火炎噴射口15から噴射される酸素の量を減らし、完全燃焼に必要な酸素量の50~80%とする。また、図中溶射ガン110に設けられた11は原料粉末供給管である。
このような図1、図2に示す超急冷遷移制御噴射装置の違いは、一度に形成可能な皮膜の幅で、図1は幅15mm、図2では300mmとなっている。どちらの超急冷遷移制御噴射装置でも、同質の皮膜および薄板を得ることができるが、超急冷遷移制御噴射装置1台あたりの作製効率を重視する場合には図2の装置を利用する。
又、基材表面に、一旦溶融させた粉末材料の急冷皮膜を形成し、さらに基材から剥離させた急冷薄板の作製が可能で、非晶質になりやすい組成の粉末材料を使用する場合に非晶質の皮膜および薄板の作製に適しているが、非晶質になりにくい組成、或いは非晶質の形態を持たない組成の粉末材料を用いた場合には、微細な組織を有する結晶質の皮膜及び薄板が作製可能である。
具体的には、粉末材料は火炎に運ばれる飛行時に、その火炎中で完全に溶融し、基材への到達前から窒素ガスやミスト等の冷媒(冷却ガス)により急冷されていき、結果、基材の表面に皮膜として形成される。その皮膜は、原料の粉末材料の種類により非晶質になるもの、結晶質になるものの制御が可能である。
上記のような装置を用い、表面に凹凸状部を備えた微細な3次元表面形状を有し、燃料電池用セパレータに適合した本発明に係る炭素質材料層を形成した薄板状成形品の製造方法について、図3、図4及び図5を参照しながら説明する。
皮膜が形成される基材40の表面は、図3に示すような微細な3次元凹凸構造を有している。即ち、本実施態様における基材の皮膜形成面は、所望の皮膜表面を現出可能な形状に造形され、且つ、その凹部状幅P、及び凸部状幅Wの最小値が0.15mm、より微細には最小値が0.05mm(50μm)程度迄可能なパターンを有し、本実施態様では、このサイズに追随して皮膜表面が形成可能となっている。さらに、凸部の頂部と凹部の底部間の長さである凸部状高さDと、凸部状幅Wとの関係、D/Wが1.0を超える場合にも、皮膜の形状追随性は良好で、所望の表面形態を有した薄板の製造が可能である。
以下に、その製造工程を順に説明する。
(1)目的とする3次元表面形状に対する反転表面形状を有する余熱された基材(成形金型)40に導電性材料A(41a)を、基材(成形金型)40の凹凸状部を有する面の表層にのみ噴射・積層して導電A膜41を形成する(図4、5の「導電性材料A噴射と導電A膜の形成参照)。その際に、導電A膜を形成する「導電性材料A(41a)」を噴射するガンは、設備面や噴射する材料特性などから、必ずしも金属母相となる皮膜42を形成するために使用される急冷溶射ガン110を用いる必要は無く、導電A膜及びB膜を形成する、別の噴射だけを行なうスプレーガン120で行なっても良い。
(2)導電A膜41が積層された3次元表面形状を有する基材(成形金型)40を所望温度に昇温させる(図4の「乾燥1」参照)。
(3)表層に不動態層を形成して耐食性を発揮する非晶質金属を構成する原料金属材料粉粒体42aを、所要の溶射ガン(例えば、図1又は図2に記載の装置参照。)を用い、所望の距離及び角度で、火炎及びアシストガスと共に噴出させつつ溶解、且つ混合する(図4、5の「金属溶射と皮膜形成」を参照)。
(4)さらに溶解・混合した原料金属材料粉粒体42aが、基材(成形金型)に到達する以前から、原料金属材料粉粒体42aの周囲に向けて噴射された所望冷媒の噴流により原料金属材料粉粒体42aの冷却を開始する(図4、5の「金属溶射と皮膜形成」を参照)。
(5)所望の凝固状態又は半凝固状態に至った該原料金属材料粉粒体42aを、基材(成形金型)40の微細な3次元表面形状の凹凸状部に凝着積層させ、その凹凸状部の凹部を充満させると共に、凹凸状部が埋設する積層厚さになるまで噴射吹付けを行い、凝着積層された非晶質金属となる皮膜42を形成する(図4、5の「金属溶射と皮膜形成」を参照)。
(6)一旦所望の温度まで冷却する(図4の「冷却」を参照)。
次工程として、導電性材料Bと粘結剤の混合体の膜形成(又は導電性材料Bのみによる膜形成)を行なうことから、その作業温度及び上記皮膜の凝固状態を加味して温度を設定する。
(7)冷却後、皮膜42の表端面(凹凸状部)と対向する裏面に、炭素質材料層となる導電性材料B(43a)と粘結剤の混合体44、又は導電性材料B(43a)を噴射吹付けし、積層凝固させ、固化前の導電B膜43bを形成する(図4、5の「導電性材料Bの噴射と導電B膜(固化前)の形成」参照)。
(8)固化前の導電B膜43b中の粘結剤を乾燥させて固化し、導電B膜43(固化後)を形成する(図4、5の「乾燥」参照)。
(9)その後、導電B膜43の背面を切削法、研削法、研磨法の面加工によって平滑化、又は、必要な形状を付与する(図4、5の「導電B膜面加工」参照)。符号46は切削装置又は研削装置である。
(10)導電A膜41、皮膜42、導電B膜43から成る積層体である炭素質材料層を形成した複層薄板状成形品45を基材40から離型して回収する(図4の「製品(薄板)回収」参照)。
なお、基材40の凹凸の埋設には、複数回の金属溶射を実施して行なっても良い。更に、複数回の金属溶射を行なうような場合、溶射される金属種を変更して積層構造の皮膜とすることも可能である。
[炭素質材料層を備えた薄板状成形品]
次に、上記(1)~(10)に示す工程により作製される本発明に係る炭素質材料層を備える薄板状成形品について説明する。
本発明に係る炭素質材料層を備える複層薄板状成形品45は、所望の高さ及び幅の凹凸状部を備えた微細な3次元表面性状を有し、不動態層表層域を持つ金属材料製基板の表面に該不動態層表層域を貫通して内部の金属母相と導通する導電A膜41(例えば、WC)の一部分を不動態層表層域から突出、露出させて備え、更に表端面と対向する裏面に導電A膜41とは異相の導電B膜43(炭素質材料層:カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブなど)が均一、且つ強固に積層した複層薄板状成形物45である。
本実施態様における特徴は、複層薄板状成形物45の片面(裏面)側に炭素質材料層の導電B膜43を有する点にあり、この導電B膜43は、黒鉛粉粒体、黒鉛粉粒体と粘結剤の混合体、或いは、更に膜の強化材として繊維(長繊維、短繊維など)を含む混合体を凝固させた後、含まれている粘結剤を乾燥、除去して固化したものである。
ここで用いる粘結剤については使用する環境に応じて適宜選択して使用するが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの熱可塑性樹脂や、エラストマー系はスチレンブタジエンゴム(SBR)などのエラストマーを用いる。さらに温度環境下等により、熱硬化性樹脂系のフェノール樹脂系やエポキシ樹脂系などが利用可能である。
なお、使用する繊維の仕様は、短繊維、長繊維、長繊維織布のいずれかを用いることで、柔軟性を向上せしめ、併せて強度を保つことを可能とする。又、材質としては、カーボンナノチューブ、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、高分子繊維などが利用可能である。
使用する導電B膜43(炭素質材料層)の構成は、下記に示す4種類の構成で特に優れた特性の薄板の作製が可能である。
a.黒鉛粉粒体と粘結剤
b.黒鉛粉粒体と繊維と粘結剤
b1:bの繊維が短繊維
b2:bの繊維が長繊維
c.短繊維含有黒鉛粉粒体と長繊維織布と粘結剤
皮膜42となる金属母相の材質は、単一種類又は複数種類の金属粉、又は合金粉、又はそれらの混合粉を溶融、急冷、凝固又は半凝固せしめることで形成された、非晶質や結晶質、或いは非晶質と結晶質の入り交じった物質からなり、55%Fe10%Cr2%Mo7%Ni1.5%Mn19%P3%B2.5%Si、56.6%Fe9%Cr8%Ni2%Mo0.2%Cu2.5%Si1.5%Mn0.7%Nb19%P0.5%C、56%Fe10%Cr2%Mo8%Ni19%P1%C2.5%Si1.5%Mn、または65%Ni15%Cr16%P4%Bなどを用いることができ、さらに、例えば燃料電池セパレータ用としては、64.5%Ni、10%Cr、7.5%Mo、18%B(%はいずれもat%)からなる原料金属材料粉粒体を、搬送ガスを用いて所要の燃焼ガスと混合し、燃焼ガスの燃焼発熱を利用して該原料金属材料粉粒体を加熱・溶解すると同時に、該溶解原料金属をノズルを通して前記燃焼ガス及び前記搬送ガスと混合させつつ不活性ガスの噴射雰囲気中に噴出せしめ、該不活性ガスの噴射雰囲気中において、直径2~100μm程度の極微細溶解液滴の噴流を創製し、この極微細溶解液滴の噴流を前記大型超急冷遷移制御噴射機によって基材もしくは所望内外輪郭形状の創形薄板素材製基材に噴射し、非晶質金属被膜を形成させて製造する。
なお、前記原料金属材料粉粒体を用い、前記大型超急冷遷移制御噴射機を使用し、噴射条件を微調整させて噴射・堆積・積層させて金属ガラスとしての特性を顕著に有する非晶質金属皮膜を形成させて製造することも可能である。
さらに、金属母相は非晶質金属に限らず、用途により適宜材質を選択して粉末粉粒体を準備し、噴射により薄板を成形する。
導電A膜41となる導電性材料Aには、WC(タングステンカーバイド)が導電性や耐食性などから好ましいが、他にもNiC、WSi(タングステンシリサイド)、SiB(ホウ化ケイ素)などを使用することが可能である。
100、110 (急冷)溶射ガン(超急冷遷移制御噴射装置)
120 スプレーガン(導電A膜、B膜形成装置)
D 凸部状高さ
F 火炎
G 冷却ガス
P 凹部状幅
W 凸部状幅
1 粉末供給管
2 冷却ガス供給管
4 冷却ガス噴射口
5 火炎噴射口
6 粉末噴射口
7 筐体
9、40 基材
11 原料粉末供給管
12 ミスト噴射ノズル
13 ミスト噴射口
14 冷却ガス噴射口
15 火炎噴射口
16 粉末噴射口
42 皮膜(金属母相)
41 導電A膜
41a 導電性材料A
42a 原料金属材料粉粒体
43 導電B膜(固化後)
43a 導電性材料B
43b 導電B膜(固化前)
44 混合体(導電性材料Bと粘結剤の混合体)
45 複層薄板状成形品(微細表面成形物)
46 切削装置又は研削装置

Claims (6)

  1. 所望の高さ及び幅の凹凸状部を両面に備えた微細な3次元表面形状を有する薄板状の非晶質金属を基板とし、
    前記基板の表端面に不動態層表層域が存在し、前記不動態層表層域を貫通して前記不動態層表層域下の前記非晶質金属と導通するよう凹凸を有する面の凸状部上の表層を含む凹凸を有する面の表層に存在し、且つ固溶することなく存在している導電A膜の一部分が表面に露出部を有し、
    前記基板の表端面と対向する基板の裏面を覆うように、前記導電A膜とは異相の炭素質材料層、且つ付着積層の導電B膜を備えることを特徴とする炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品。
  2. 前記表端面における前記導電A膜が、凹凸を有する面の凸状部上の表層にのみ、導電A膜が固溶することなく存在していることを特徴とする請求項1に記載の炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品。
  3. 前記導電A膜のある面の反対面に、存在する導電B膜が、接着、固着物質等での化学的に付着、又は圧下成形等の機械的に付着させた炭素質材料被膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品。
  4. 前記導電A膜、及び導電B膜が、燃料電池使用環境下において、劣化が見られず、且つ前記非晶質金属の耐食性、熱安定性、及び導電性を有した炭素質材料であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品。
  5. 前記導電B膜が、炭素繊維を含有した炭素質材料であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の炭素質材料層を備えた複層薄板状成形品。
  6. 基板の表端面に、導電A膜の露出部を有する不動態層表層域を備え、前記基板の裏面に導電B膜を備える複層薄板状成形品の製造方法であって、
    以下の(1)~(10)の工程を経て製造されることを特徴とする複層薄板状成形品の製造方法。
    (記)
    (1)目的とする3次元表面形状に対する反転表面形状を有する基材に、導電性材料Aを、前記基材の凹凸状部を有する面の表層の凹状部を含む前記基材の凹凸状部、又は前記基材の凹凸状部を有する面の表層の凹状部のみに積層して導電A膜を形成する。
    (2)前記導電A膜が積層された3次元表面形状を有する基材を所望温度に昇温する。
    (3)表層に不動態層を形成して耐食性を発揮する非晶質金属を構成する原料金属材料粉粒体を、火炎と共に噴射し、前記火炎の熱により溶融して形成された前記原料金属材料粉粒体の溶融物が、前記火炎内を飛行しつつ、前記火炎毎、冷媒により冷却されて基材表面に皮膜を形成する急冷溶射ガンを用い、前記原料金属材料粉粒体を溶解、且つ混合する。
    (4)前記溶解、且つ混合した原料金属材料粉粒体が、基材(成形金型)に到達する以前から、原料金属材料粉粒体の周囲に向けて噴射された所望冷媒の噴流により原料金属材料粉粒体の冷却を開始する。
    (5)所望の凝固状態又は半凝固状態に至った該原料金属材料粉粒体を、前記基材の微細な3次元表面形状の凹凸状部に凝着積層させ、その凹凸状部の凹部を充満させると共に、凹凸状部が埋設する積層厚さになるまで噴射吹付けを行い、凝着積層された非晶質金属の皮膜を形成する。
    (6)所望の温度まで冷却する。
    (7)冷却後、前記皮膜の表端面(凹凸状部)と対向する裏面に、炭素質材料層となる導電性材料Bと粘結剤の混合体又は導電性材料Bのみを、積層凝固させて導電B膜を形成する。
    (8)前工程で混合体を用いて導電B膜を形成した場合には、前記導電B膜中の粘結剤を乾燥させて導電B膜を固化する。
    (9)前記固化した導電B膜の背面を切削法、研削法、研磨法の面加工によって平滑化、又は、必要な形状を付与する。
    (10)導電A膜、皮膜、導電B膜から成る積層体である炭素質材料層を形成した複層薄板状成形品を、基材から離型して回収する。
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