以下に、本発明の実施例を詳しく説明し、前記実施例の例が図面に示され、最初から最後まで同じ又は類似の符号は、同じ又は類似の素子または同じ又は類似の機能を有する素子を表す。以下に、図面を参照して説明された実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためのものにすぎず、本発明を限定するものとは理解することができない。
以下に、図1~図3の説明を参照して本発明の実施例に係る熱交換器アセンブリ100及び空気調和機の室内機1000を説明する。
図1に示すように、本発明の実施例に係る空気調和機の室内機1000は、筐体200、ファン300及び熱交換器アセンブリ100を含む。空気調和機の室内機1000は、壁掛け式分離型空気調和機の室内機であるが、他の空気調和機の室内機又は室内ユニットであってもよく、ここでは限定されない。
具体的には、図1を参照して、筐体200は、吸気口201及び排気口202を含み、吸気口201は、筐体200の上側に設けられ、排気口202は、筐体200の下側に設けられる。一般的には、筐体200の前後方向に沿う幅寸法は800mm以下であり、筐体200の上下方向に沿う高さ寸法は300mm以下である。ファン300は、筐体200の内部に設けられ、吸気口201から排気口202に流れるように空気流を駆動する。ファン300は、貫流型ファン300であるが、他のファン300、例えば、軸流型ファン300であってもよい。
図1に示すように、本出願の一実施例は、熱交換器アセンブリ100を壁掛け式空気調和機の室内機1000に適用するものであり、空気調和機の室内機1000は、筐体200及び筐体200の内部に位置するファン300を含み、熱交換器アセンブリ100は、筐体200の内部に設けられ、ファン300の吸気側に位置し、ファン300によって吸い込まれた空気を熱交換し、部屋の冷房又は暖房効果を実現する。ここで、ファン300は、貫流型ファン300であってもよい。
空気調和機の室内機1000の作動時に、モータが、ファン300を回動させるように駆動し、ファン300の作用で、吸気口201から排気口202に流れるように空気流を駆動し、空気流が吸気口201に入った後に熱交換器アセンブリ100と熱交換を行い、熱交換された空気流は、ファン300の作用で排気口202に流れる。排気口202に導風アセンブリが設けられてもよく、導風アセンブリは、空気流を室内の必要な位置にガイドすることができ、例えば、空気流を上方にガイドするか、又は空気流を下方にガイドするか、又は空気流を左側又は右側にガイドする。
なお、当該熱交換器アセンブリ100は、一体型空気調和機又は空気調和機の室内機1000又は空気調和機の室外機に適用できる。
図1に示すように、本発明の実施例に係る熱交換器アセンブリ100は、メイン熱交換器1及び補助熱交換器2を含む。
具体的には、メイン熱交換器1は、前側熱交換器11及び後側熱交換器12を含み、前側熱交換器11は、後側熱交換器12の前側に位置する。前側熱交換器11は、上側熱交換部111及び下側熱交換部112を含み、上側熱交換部111の上端(図1に示す上方)が後側熱交換器12の上端(図1に示す上方)に接続され、下側熱交換部112の上端(図1に示す上方)が上側熱交換部111の下端(図1に示す下方)に一体に接続される。ここで、下側熱交換部112が上側熱交換部111に一体に接続されるとは、下側熱交換部112と上側熱交換部111のフィンが一体型部品であることを意味する。各フィンは、いずれも下側熱交換部112に位置する前側熱交換領域及び上側熱交換部111に位置する中間熱交換領域を含む。下側熱交換部112と上側熱交換部111とを一体とすることにより、下側熱交換部112と上側熱交換部111との製造の困難性を低減させるとともに、熱交換器アセンブリ100全体の組立を容易にし、工数を節約し、製造コストを低減させることができる。
ファン300の形状により適合させ、さらにファン300に近づけるために、前側熱交換器11の内側面は、前方に向かって凸となる円弧面に設計することができ、後側熱交換器12の内側面は、熱交換器アセンブリ100を通過する空気流をよりスムーズにするために、後側に向かって凸となる円弧面に設計することができ、このように設計することにより、ファン300の同じ運転電力の下で、熱交換器アセンブリ100を通過する空気流の流速をより大きくすることができ、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を高めることができる。
下側熱交換部112、上側熱交換部111及び後側熱交換器12は、少なくとも部分的にファン300を取り囲み、下側熱交換部112は、ファン300の前下方に設けられ、上側熱交換部111は、ファン300の前上方に設けられ、下側熱交換部112と吸気口201との間に位置する。上側熱交換部111は、上端が後方に傾斜し、下端が下側熱交換部112の上端に接続され、後側熱交換器12は、ファン300の後上方に設けられ、上端が前方に傾斜し、上側熱交換部111の上端に接続される。
後側熱交換器12及び上側熱交換部111は、側面視でファン300を上方からカバーする略逆V字状に形成されている。前側熱交換器11と後側熱交換器12との接続部は、メイン熱交換器1の吸気口201に最も近い部位である。具体的には、後側熱交換器12及び上側熱交換部111の接続部と吸気口201との間の距離は、メイン熱交換器1の他のいずれの部分と吸気口201との間の距離よりも短い。
なお、図1に示すように、空気調和機の室内機1000は、組み立て完了後、ユーザ側に向かう側を前側とし、壁に向かう側を後側とし、壁掛け式空気調和機の室内機1000は、上部に吸気口201、下部に排気口202が設けられる、すなわち、熱交換器アセンブリ100がファン300の上流側に位置する通常の構成を採用する。
前側熱交換器11は、第1の熱交換チューブ113と第2の熱交換チューブ114とを含む。つまり、前側熱交換器11の熱交換チューブは、第1の熱交換チューブ113と第2の熱交換チューブ114との2種類のタイプのチューブを含む。ここで、第1の熱交換チューブ113の本数は複数であってもよく、第2の熱交換チューブ114の本数は複数であってもよく、複数の第1の熱交換チューブ113と複数の第2の熱交換チューブ114とで前側熱交換器11のすべての熱交換チューブを構成する。後側熱交換器12は、第3の熱交換チューブ121を含み、第3の熱交換チューブ121は、複数であってもよい。なお、後側熱交換器12の熱交換チューブは、第3の熱交換チューブ121のようなタイプのチューブのみを有してもよい。もちろん、後側熱交換器12の熱交換チューブは、他のタイプのチューブを含んでもよく、ここでは限定されない。
補助熱交換器2は、メイン熱交換器1の風上側に設けられている。メイン熱交換器1は、風上側及び風下側を有し、気流の流れ方向において、風下側が風上側よりも下流側に位置し、風上側が風下側よりも上流側に位置する。図1に示すように、ファン300が吸気口201から排気口202に流れるように空気流を駆動し、熱交換器アセンブリ100がファン300の上流側に設けられるので、メイン熱交換器1のファン300から遠い側は風上側であり、メイン熱交換器1のファン300に近い側は風下側である。補助熱交換器2をメイン熱交換器1の風上側に設けることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換能力を高めることができる。
補助熱交換器2は、第4の熱交換チューブ21を有し、第4の熱交換チューブ21は、複数であってもよい。なお、補助熱交換器2の熱交換チューブは、第4の熱交換チューブ21のようなタイプのチューブのみを有してもよい。もちろん、補助熱交換器2の熱交換チューブは、他のタイプのチューブを含んでもよく、ここでは限定されない。
熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒は、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21からメイン熱交換器1の第1の熱交換チューブ113、第2の熱交換チューブ114、及び第3の熱交換チューブ121に流れる。風の配置に応じて、吸気口201に近い箇所では空気流の流れが速く、吸気口201から遠い箇所では空気流の流れが比較的遅く、空気流の流れが速い箇所での冷媒と空気流との温度差が、空気流の流れが比較的遅い箇所での冷媒と空気流との温度差よりも大きい場合、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率が良い。そのため、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、熱交換器アセンブリ100の吸気口201に近い部分から熱交換器アセンブリ100の吸気口201から遠い部分に流れることで、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21からメイン熱交換器1の第1の熱交換チューブ113、第2の熱交換チューブ114、及び第3の熱交換チューブ121に流れることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をよりよくすることができる。
暖房時に、冷媒が先に小管径の管路を流れてから大管径の管路を流れる方が、冷媒が先に大管径の管路を流れてから小管径の管路を流れるよりもエネルギー効率が高く、逆に、冷房時に、冷媒が先に大管径の管路を流れてから小管径の管路に流入する方が、冷媒が先に小管径の管路を流れてから大管径の管路を流れるよりもエネルギー効率が高く、冷媒が気体状態から液体状態になる過程で徐々に管径が小さくなるようにして、冷媒と熱交換チューブの壁面との接触熱交換面積を大きくする。
そのため、第4の熱交換チューブ21の管径を第3の熱交換チューブ121の管径よりも大きくし、第3の熱交換チューブ121の管径を第2の熱交換チューブ114の管径と等しくし、第2の熱交換チューブ114の管径を第1の熱交換チューブ113の管径よりも大きくすることで、熱交換器アセンブリ100のエネルギー効率をより向上させることができる。また、小管径の熱交換チューブを採用することにより、熱交換チューブの材料を減らすことができ、熱交換器アセンブリ100全体のコストを大幅に削減することができるが、冷媒が小管径の熱交換チューブを流れる場合、熱交換抵抗が大きく、圧力損失が大きく、冷媒の循環に不利であるため、熱交換器アセンブリ100のコストと冷媒循環流動効率の問題を包括的に考慮する必要がある。このように、前側熱交換器11の内部に第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114が設けられ、後側熱交換器12の内部に第3の熱交換チューブ121が設けられ、補助熱交換器2の内部に第4の熱交換チューブ21が設けられ、第4の熱交換チューブ21の管径を第3の熱交換チューブ121の管径よりも大きくし、第3の熱交換チューブ121の管径を第2の熱交換チューブ114の管径と等しくし、第2の熱交換チューブ114の管径を第1の熱交換チューブ113の管径よりも大きくすることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率の向上を確保するとともに、熱交換器アセンブリ100の製造コストを低減することができる。
ここで、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21は、熱交換器アセンブリ100の冷房時に熱交換に関与し、熱交換器アセンブリ100の暖房時に過冷却区間の延長区間となり、省エネエネルギー効率を効果的に向上させることができる。
本発明の実施例に係る熱交換器アセンブリ100は、メイン熱交換器1の風上側に補助熱交換器2を設け、前側熱交換器11の内部に第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を設け、後側熱交換器12の内部に第3の熱交換チューブ121を設け、補助熱交換器2の内部に第4の熱交換チューブ21を設け、第4の熱交換チューブ21の管径を第3の熱交換チューブ121の管径より大きくし、第3の熱交換チューブ121の管径を第2の熱交換チューブ114の管径と等しくし、第2の熱交換チューブ114の管径を第1の熱交換チューブ113の管径より大きくし、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21からメイン熱交換器1の第1の熱交換チューブ113、第2の熱交換チューブ114及び第2の熱交換チューブ114に流れるようにすることにより、このような構造及び流路は、熱交換チューブの長さを増加させることなく、熱交換器アセンブリ100の取り付けスペースを増加させることなく、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を向上させるとともに、コストを節約することができる。
本発明のいくつかの実施例において、図1に示すように、下側熱交換部112と上側熱交換部111の下端部分とが第1の領域115として構成され、上側熱交換部111の残り部分が第2の領域116として構成され、第1の領域115及び第2の領域116は、いずれも第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を含む。すなわち、前側熱交換器11は、2つの領域に分割され、下側熱交換部112の全領域と上側熱交換部111の下部領域とが第1の領域115に属し、上側熱交換部111の上部領域が第2の領域116に属する。第1の領域115において、第2の熱交換チューブ114が第1の熱交換チューブ113の風下側に位置し、第2の領域116において、第2の熱交換チューブ114が第1の熱交換チューブ113の風上側に位置する。熱交換器アセンブリ100の熱交換流路は、第1の流路3と、第2の流路4と、第3の流路5と、第4の流路6と、を含み、第1の流路3は、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21を通り、第2の流路4は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブ121を通り、第3の流路5は、後側熱交換器12における残りの第3の熱交換チューブ121と、第2の領域116の第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114と、を通り、第4の流路6は、第1の領域115の第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を通り、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒は、第1の流路3、第2の流路4、第3の流路5及び第4の流路6を順に流れる。熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が全体として、流れ中に先に大管径の管路を流れてから小管径の管路に流れることで、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を向上させることができる。
それに応じて、熱交換器アセンブリ100の暖房時に、冷媒は、第4の流路6、第3の流路5、第2の流路4及び第1の流路3を順に流れる。熱交換器アセンブリ100の暖房時に、冷媒は、流れ中に、全体として小管径の管路を先に流れてから大管径の管路に流れるので、暖房性能を効果的に向上させることができ、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をよりよくすることができる。
図1に示すように、第1の領域115及び前記第2の領域116は、いずれも3列の熱交換チューブを有し、第1の領域115は、風上側に位置する2列の第1の熱交換チューブ113及び風下側に位置する1列の第2の熱交換チューブ114を含み、第2の領域は、風上側に位置する2列の第2の熱交換チューブ114及び風下側に位置する1列の第1の熱交換チューブ113を含む。なお、第1の領域115では、風上側から風下側への方向にそれぞれ1列の第1の熱交換チューブ113、1列の第1の熱交換チューブ113、及び1列の第2の熱交換チューブ114の3列の熱交換チューブを有し、第2の領域116では、風上側から風下側への方向にそれぞれ1列の第2の熱交換チューブ114、1列の第2の熱交換チューブ114、及び1列の第1の熱交換チューブ113の3列の熱交換チューブを有する。これにより、熱交換チューブのレイアウトが容易になり、冷媒流路の設置が容易になるとともに、空気調和機のエネルギー効率を向上させることができる。
さらに、図2に示すように、第3の流路5は、第1の主要流路51、第1の分岐流路52、第2の分岐流路53、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56を含み、第1の主要流路51は、第2の領域116の第2の熱交換チューブ114を通り、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53は、いずれも第2の領域116の第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を通り、第1の主要流路51、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53は、第2の領域116のすべての第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を構成する。なお、第1の主要流路51は、第2の領域116における一部の第2の熱交換チューブ114を通り、第1の分岐流路52は、第2の領域116における一部の第2の熱交換チューブ114及び一部の第1の熱交換チューブ113を通り、第2の分岐流路53は、第2の領域116における残りの第2の熱交換チューブ114及び残りの第1の熱交換チューブ113を通る。第1の主要流路51、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53とで、第2の領域116のすべての第2の熱交換チューブ114を分担し、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53とで、第2の領域116のすべての第1の熱交換チューブ113を分担する。
第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56は、後側熱交換器12における残りの第3の熱交換チューブ121を構成する。なお、第2の流路4は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブ121を通り、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56は、後側熱交換器12における残りの第3の熱交換チューブ121を構成し、第2の流路4、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56とで、後側熱交換器12のすべての第3の熱交換チューブ121を構成する。
熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒は、第1の主要流路を流れてから、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53に同時に分流し、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53から合流してから、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56に同時に分流する。これから分かるように、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が補助熱交換器から後側熱交換器12と前側熱交換器11の上部とに流れ、熱交換器アセンブリ100の吸気口201に近い部分から、熱交換器アセンブリ100の吸気口201から遠い部分に流れることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。
それに応じて、熱交換器アセンブリ100の暖房時に、冷媒が第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56に同時に流入した後、合流してから第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53に同時に分流し、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53から合流後の冷媒が第1の主要流路51に流入する。
さらに、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との熱交換チューブの本数が同じであり、さらに、第1の分岐流路52の第1の熱交換チューブ113の本数と第2の分岐流路53の第1の熱交換チューブ113の本数とが同じであり、第1の分岐流路52の第2の熱交換チューブ114の本数と第2の分岐流路53の第2の熱交換チューブ114の本数とが同じである。一般的に、隣接する2つの分岐流路の熱交換チューブの本数の差が3以下であれば、熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。第1の分岐流路52と第2の分岐流路53とを、同じ本数の第1の熱交換チューブ113と同じ本数の第2の熱交換チューブ114とを有するように設けることにより、熱交換のエネルギー効率がよりよいことを満たした上で、流路の設計をより簡素化することができる。
図2に示す例において、後側熱交換器12及び前側熱交換器11は、いずれも3列の熱交換チューブを含み、後側熱交換器12の3列の熱交換チューブは、いずれも第3の熱交換チューブ121であり、前側熱交換器11の第2の領域116の熱交換チューブは、第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114であり、第2の領域116の前側熱交換器11の風上側に近い2列の熱交換チューブは第2の熱交換チューブ114であり、前側熱交換器11の風下側に近い1列の熱交換チューブは第1の熱交換チューブ113である。具体的には、前側熱交換器11の風上側に近い2列の熱交換チューブは、各列がそれぞれ2つの第2の熱交換チューブ114を有し、前側熱交換器11の風下側に近い側の熱交換チューブは2つの第1の熱交換チューブ113を有する。第1の主要流路51は、第2の領域116における前側熱交換器11の風上側に近い2つの第2の熱交換チューブ114を通り、第1の分岐流路52は、第2の領域116の中間列の上部の1つの第2の熱交換チューブ114と、熱交換器の風下側に近い列の上部に位置する1つの第1の熱交換チューブ113と、を順に通り、第2の分岐流路53は、第2の領域116の中間列の下部の1つの第2の熱交換チューブ114と、熱交換器の風下側に近い列の下部に位置する1つの第1の熱交換チューブ113と、を順に通る。これから分かるように、第1の分岐流路52は、1つの第2の熱交換チューブ114及び1つの第1の熱交換チューブ113を通り、第2の分岐流路53は、1つの第2の熱交換チューブ114及び1つの第1の熱交換チューブ113を通る。
さらに、第1の分岐流路52、第2の分岐流路53、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56の間に分配器を設けて接続することができるので、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53から分配器に流れる冷媒が第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56に同時に流れることができ、複数の配管の接続を容易にするとともに、分流を容易にすることができる。もちろん、第1の主要流路51と第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との間に分配器を設けてもよく、第1の主要流路51内の冷媒が分配器を介して第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53に同時に分流する。
さらに、後側熱交換器12の第3の熱交換チューブ121は、風上列熱交換チューブ、中間列熱交換チューブ及び風下列熱交換チューブを含む。なお、風上列熱交換チューブ、中間列熱交換チューブ及び風下列熱交換チューブは、空気流の流れ方向に順に設けられる。例えば、図2に示す例において、後側熱交換器12は3列の熱交換チューブを含み、風上列熱交換チューブは、後側熱交換器12の風上側に位置し、風下列熱交換チューブは、後側熱交換器12の風下側に位置し、中間列熱交換チューブは、風上列熱交換チューブと風下列熱交換チューブとの間に位置している。第2の流路4が風上列熱交換チューブを通り、後側熱交換器12の風上側での空気流の流速が風下側の流速よりも速いため、後側熱交換器12の風上側では、冷媒と空気流との温度差がより大きい必要があり、そうすれば熱交換器アセンブリ100のエネルギー効率がよりよくなる。風上列熱交換チューブが後側熱交換器12の風上側に位置しているため、風量が冷媒のより高いエネルギーに適合し、第2の流路4が、風上列熱交換チューブを通ってから第1の主要流路51と、第1の主要流路51によって分流された第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53と、を通って合流して第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56に再分流することにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をよりよくすることができる。
第3の流路5は、中間列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121を通ってから風下列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121に流れる。なお、第3の流路5の後側熱交換器12に位置する分岐流路は、中間列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121を通ってから風下列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121に流れる第3の分岐流路54、第4の分岐流路55、及び第5の分岐流路56である。これにより、第3の分岐流路54又は第4の分岐流路55又は第5の分岐流路56が中間列熱交換チューブを通った後に風下列熱交換チューブを通る可能性が回避され、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56における冷媒の流れ方向が変更される可能性が低くなり、3つの流路の設計が簡素化される。同時に、後側熱交換器12を風上側から風下側に向かって、後側熱交換器12の長手方向の同一直線における各箇所での冷媒温度を略同一とし、同一直線におけるほぼ同じ空気流の流速を一致させることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をさらに向上させることができる。
さらに、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56における第3の熱交換チューブ121の本数は、同じである。一般的に、隣接する2つの分岐流路の熱交換チューブの本数の差が3以下であれば、熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。第3の分岐流路54、第4の分岐流路55、及び第5の分岐流路56の第3の熱交換チューブ121の本数を同数とすることにより、熱交換のエネルギー効率がよりよいことを満たした上で、流路の設計をより簡素化することができる。
具体的には、図2に示す例において、第3の分岐流路54、第4の分岐流路55及び第5の分岐流路56は、いずれも3つの第3の熱交換チューブ121を通る。第2の流路4は、風上列の4つの第3の熱交換チューブ121を通る。
本発明の他の実施例において、図3に示すように、第3の流路5は、第1の主要流路51、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53を含み、第1の主要流路51は、第2の領域116の第2の熱交換チューブ114を通り、第1の分岐流路52は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブの121と、第2の領域116の第2の熱交換チューブ114及び第1の熱交換チューブ113と、を通り、第2の分岐流路53は、後側熱交換器12における残りの第3の熱交換チューブ121と、第2の領域116における残りの第2の熱交換チューブ114及び残りの第1の熱交換チューブ113と、を通る。なお、第1の主要流路51は、第2の領域116における一部の第2の熱交換チューブ114を通り、第1の分岐流路52は、第2の領域116における一部の第2の熱交換チューブ114及び第1の熱交換チューブ113を通り、第2の分岐流路53は、第2の領域116における残りの第2の熱交換チューブ114及び第1の熱交換チューブ113を通る。第1の主要流路51、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53で、第2の領域116のすべての熱交換チューブを分担する。第2の流路4は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブ121を通り、第1の分岐流路52は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブ121を通り、第2の分岐流路53は、後側熱交換器12における一部の第3の熱交換チューブ121を通る。第2の流路4、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53で、後側熱交換器12のすべての第3の熱交換チューブ121を分担する。
熱交換器アセンブリ100の冷房時には、冷媒が第1の主要流路51を流れてから、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53に同時に分流する。これから分かるように、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が、補助熱交換器2から後側熱交換器12及び前側熱交換器11の上部に流れ、熱交換器アセンブリ100の吸気口201に近い部分から、熱交換器アセンブリ100の吸気口201から遠い部分に流れることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。また、第1の主要流路51がその後第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との2つの分岐流路に分割することにより、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との流量を向上させることができ、同じ面積で暖房時の熱交換性能を向上させることができる。
それに応じて、熱交換器アセンブリ100の暖房時には、冷媒が先に第1の分岐流路52と第2の分岐流路53とに同時に流れ、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53から流出した冷媒が合流して第1の主要流路51に流れる。
表1に、図2に示す例と図3に示す例のエネルギー効率を示す。図3に示す例と図2に示す例は、いずれもエネルギー効率が高いことが分かる。
ここで、第1の主要流路51と第1の分岐流路52と第2の分岐流路53とは、分配器を介して接続可能であり、第1の主要流路51から分配器に流れる冷媒は、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53にそれぞれ流れることができる。
さらに、図3に示すように、第1の分岐流路52は、後側熱交換器12の一部の第3の熱交換チューブ121を通る第1のサブ分岐流路521と、第2の領域116における一部の第2の熱交換チューブ114及び一部の第1の熱交換チューブ113を通る第2のサブ分岐流路522と、を含み、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が第1のサブ分岐流路521と第2のサブ分岐流路522とを順に流れる。第2の分岐流路53は、後側熱交換器12における残りの第3の熱交換チューブ121を通る第3のサブ分岐流路531と、第2の領域116における残りの第2の熱交換チューブ114及び残りの第1の熱交換チューブ113を通る第4のサブ分岐流路532と、を含み、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が第3のサブ分岐流路531と第4のサブ分岐流路532とを順に流れる。冷媒が流れる中に、冷媒が、先に後側熱交換器12の第3の熱交換チューブ121を流れてから、前側熱交換器11の第2の領域116の第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114に流れるので、熱交換効果を高めることができる。
ここで、第1のサブ分岐流路521、第3のサブ分岐流路531及び第2の流路4で、後側熱交換器12のすべての第3の熱交換チューブ121を構成し、第2のサブ分岐流路522、第4のサブ分岐流路532及び第1の主要流路51で、第2の領域116のすべての第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を構成する。
熱交換器アセンブリ100の暖房時に、冷媒は、先ず第4のサブ分岐流路532及び第3のサブ分岐流路531にそれぞれ流れ、続いて第1のサブ分岐流路521及び第2のサブ分岐流路522を順に流れ、最後に合流した後に第1の主要流路51に流れる。
さらに、図3に示すように、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との熱交換チューブの本数は同じであり、第1の分岐流路52と第2の分岐流路53との管径の大きい熱交換チューブの本数は同じであり、管径の小さい熱交換チューブの本数も同じである。具体的には、第1の分岐流路52は、後側熱交換器12の4つの第3の熱交換チューブ121と、第2の領域116の2つの第2の熱交換チューブ114及び1つの第1の熱交換チューブ113と、を通り、第2の分岐流路53は、後側熱交換器12の5つの第3の熱交換チューブ121と、第2の領域116の1つの第2の熱交換チューブ114及び1つの第1の熱交換チューブ113と、を通る。一般的に、隣接する2つの分岐流路の熱交換チューブの本数は2つずつの差が3以下であれば、熱交換のエネルギー効率がよりよくなる。第1の分岐流路52と第2の分岐流路53の熱交換チューブの本数を同数とすることにより、熱交換のエネルギー効率がよりよいことを満たした上で、流路の設計をより簡素化することができる。
熱交換器アセンブリ100の冷房時には、第2のサブ分岐流路522の冷媒が第2の熱交換チューブ114及び第1の熱交換チューブ113を順に流れ、第4のサブ分岐流路532の冷媒が第2の熱交換チューブ114及び第1の熱交換チューブ113を順に流れる。これにより、熱交換効果を向上させることができる。
図3に示す例において、後側熱交換器12及び前側熱交換器11は、いずれも3列の熱交換チューブを含む。後側熱交換器12の3列の熱交換チューブはいずれも第3の熱交換チューブ121である。前側熱交換器11の第2の領域116の熱交換チューブは第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114であり、第2の領域116の前側熱交換器11の風上側に近い2列の熱交換チューブは第2の熱交換チューブ114であり、前側熱交換器11の風下側に近い1列の熱交換チューブは第1の熱交換チューブ113である。具体的には、前側熱交換器11の風上側に近い2列の熱交換チューブは、各列それぞれが2つの第2の熱交換チューブ114を有し、前側熱交換器11の風下側に近い側の熱交換チューブは、2つの第1の熱交換チューブ113を有する。第1の主要流路51は、第2の領域116の前側熱交換器11の風上側の上部に近い1つの第2の熱交換チューブ114を通る。第1の分岐流路52は、後側熱交換器12の第3の熱交換チューブ121を通ってから、第2の領域116の風上側に近い列の下部の1つの第2の熱交換チューブ114と、中間列の下部の1つの第2の熱交換チューブ114と、熱交換器の風下側に近い列の下部に位置する1つの第1の熱交換チューブ113と、を順に通る。第2の分岐流路53は、後側熱交換器12の第3の熱交換チューブ121を通ってから、第2の領域116の中間列の上部の1つの第2の熱交換チューブ114と、熱交換器の風下側に近い列の上部に位置する1つの第1の熱交換チューブ113と、を順に通る。
第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53は、風の分布を考慮して、定格冷房運転条件で両分岐流路が合流する前の温度差が0.5℃未満となるように、クロス分流の形態を採用し、両分岐流路の熱交換の均一性を確保して冷房の熱交換性能を向上させる。
さらに、図3に示すように、後側熱交換器12の第3の熱交換チューブ121は、風上列熱交換チューブ、中間列熱交換チューブ及び風下列熱交換チューブを含み、なお、風上列熱交換チューブ、中間列熱交換チューブ及び風下列熱交換チューブは、空気流の流れ方向に順に設けられる。例えば、図3に示す例において、後側熱交換器12は、3列の熱交換チューブを含み、風上列熱交換チューブは、後側熱交換器12の風上側に位置し、風下列熱交換チューブは、後側熱交換器12の風下側に位置し、中間列熱交換チューブは、風上列熱交換チューブと風下列熱交換チューブとの間に位置している。第2の流路4は、風上列熱交換チューブを通る。後側熱交換器12の風上側の空気流の流速が風下側の流速よりも速いため、後側熱交換器12の風上側では、冷媒と空気流との温度差がより大きい必要があり、そうすれば熱交換器アセンブリ100のエネルギー効率がよりよくなる。風上列熱交換チューブが後側熱交換器12の風上側に位置しているので、風量が冷媒のより高いエネルギーに適合し、第2の流路4が風上列熱交換チューブを通ってから、第1の主要流路51と、第1の主要流路51によって分流された第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53とを通ることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をよりよくすることができる。
第3の流路5は、中間列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121を通ってから風下列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121に流れる。なお、第3の流路5の後側熱交換器12に位置する一部の第1の分岐流路52、すなわち、第1のサブ分岐流路521と、一部の第2の分岐流路53、すなわち、第3のサブ分岐流路531とは、いずれも中間列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121を通ってから、風下列熱交換チューブにおける第3の熱交換チューブ121に流れる。これにより、第1の分岐流路52又は第2の分岐流路53が中間列熱交換チューブを通った後に、風下列熱交換チューブを通る可能性が回避され、第1の分岐流路52及び第2の分岐流路53における冷媒の流れ方向が変更される可能性が低くなり、両流路の設計が簡素化される。同時に、後側熱交換器12において、風上側から風下側に向かって、後側熱交換器12の長手方向の同一直線における各箇所での冷媒温度を略同一とし、同一直線におけるほぼ同じ空気流の流速を一致させることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をさらに向上させることができる。
本発明のいくつかの実施例において、図2及び図3に示すように、第4の流路6は、第1の領域115のすべての第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を構成する第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66を含む。
表2から分かるように、第3の流路5から流出する冷媒を6つに分割すると、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率が最も良くなるので、第4の流路6を6つ、すなわち、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65、及び第11の分岐流路66に分割することにより、熱交換器のエネルギー効率を向上させることができる。また、分岐流路が比較的多く、圧力損失が少なくなる。
さらに、図2及び図3に示すように、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路内の冷媒は、いずれも第1の熱交換チューブ113から第2の熱交換チューブ114に流れる。なお、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路は、いずれも第1の領域115の風上側から風下側に流れる。
これにより、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66が、前側熱交換器11の風上側のすべての熱交換チューブを通ってから、前側熱交換器11の風下側熱交換チューブに流れる必要がある可能性を回避することができ、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66において、冷媒が前側熱交換器11の風上側のすべての熱交換チューブを流れ終えるために、冷媒の流れ方向を変更する必要がある可能性が低減され、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66の流路の設計が簡素化される。同時に、前側熱交換器11において、風上側から風下側に向かって、前側熱交換器11の長手方向の同一直線における各箇所での冷媒温度を略同一とし、同一直線におけるほぼ同じ空気流の流速を一致させることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をさらに向上させることができる。また、6つの分岐流路に分割される形態を採用して、分岐流路を増やして圧力損失を低減し、風量の減衰に応じて風下側に管径の大きい熱交換チューブを配置し、風上側に小管径の熱交換チューブを配置して、内部排気の圧力損失を低減させ、熱交換性能を向上させる。
これにより、熱交換器アセンブリ100の暖房時に、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路内の冷媒は、いずれも第2の熱交換チューブ114から第1の熱交換チューブ113に流れ、前側熱交換器11の第1の領域115の風下側から風上側に流れる。なお、熱交換器アセンブリ100の暖房時に、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66に入った冷媒は気体であり、気体冷媒が放熱して液体冷媒となる。気体冷媒の体積が比較的大きく、相対的に管径の大きい第2の熱交換チューブ114に入ることにより、冷媒の流速が大きくなりすぎて圧力損失が大きくなることを回避できる。また、表3を参照すると、暖房時に冷媒が先に大管径に入ってから小管径に入る方が、冷媒が直接小管径に入るよりもエネルギー効率が高い。これにより、熱交換器アセンブリ100の暖房時に、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路内の冷媒は、いずれも第2の熱交換チューブ114から第1の熱交換チューブ113に流れ、前側熱交換器11の第1の領域115の風下側から風上側に流れ、エネルギー効率が高い。
さらに、図2及び図3に示すように、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路における熱交換チューブの本数は同じであり、各分岐流路における第1の熱交換チューブ113の本数は同じであり、第2の熱交換チューブ114の本数も同じである。具体的には、図2及び図3に示す例において、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66のうちの各分岐流路における第1の熱交換チューブ113の本数は2本であり、第2の熱交換チューブ114の本数は1本である。これにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を向上させるとともに、第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66の流路の設計を簡素化することができる。
ここで、第4の流路6における第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66と、第3の流路5とは、分配器を介して接続可能であり、第3の流路5から流出した冷媒は、第4の流路6の第6の分岐流路61、第7の分岐流路62、第8の分岐流路63、第9の分岐流路64、第10の分岐流路65及び第11の分岐流路66にそれぞれ同時に流入可能である。
本発明のいくつかの実施例において、図1に示すように、補助熱交換器2は、後側熱交換器12の風上側に位置する第1の補助熱交換器22と、上側熱交換部111の風上側に位置する第2の補助熱交換器23と、を含む。第1の流路3は、第1の補助熱交換器22の第4の熱交換チューブ21と第2の補助熱交換器23の第4の熱交換チューブ21とを順に通るか、または、第1の流路3は、第2の補助熱交換器23の第4の熱交換チューブ21と第1の補助熱交換器22の第4の熱交換チューブ21とを順に通る。後側熱交換器12及び上側熱交換部111は、空気流の流速がより大きい吸気口201に近く、冷媒と空気流の温度差に対する要件がより高いため、後側熱交換器12の風上側に第1の補助熱交換器22を設け、上側熱交換部111の風上側に第2の補助熱交換器23を設けることにより、熱交換器アセンブリ100のエネルギー効率をよりよくすることができる。
選択的に、補助熱交換器2は、1~6本の第4の熱交換チューブ21を有し、これにより補助熱交換器2の構造を簡素化し、補助熱交換器2の熱交換効果を向上させ、空気調和機のエネルギー効率を向上させることができる。
さらに、図1に示すように、第1の補助熱交換器22は2本の第4の熱交換チューブ21を含み、第2の補助熱交換器23は、1本の第4の熱交換チューブ21を含み、補助熱交換器2は、合計3本の第4の熱交換チューブ21を備えている。
本発明のいくつかの実施例において、第4の熱交換チューブ21の管径は、7mmであり、第3の熱交換チューブ121及び第2の熱交換チューブ114の管径は、6.35mmであり、第1の熱交換チューブ113の管径は、5mmである。なお、管径が7mmの管径、管径が6.35mmの管径及び管径が5mmの管径の熱交換チューブは、いずれも従来技術で広く使用されている熱交換チューブであるので、これら3つタイプの管径の熱交換チューブを採用することにより、熱交換チューブの入手困難性を低減するのに有利であり、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を確保しつつ、熱交換器アセンブリ100の製造コストを低減できる。
本発明のいくつかの実施例において、冷房及び暖房の省エネルギー効率の向上を実現するために、前側熱交換器11は、空気流の流れ方向において、熱交換チューブを少なくとも3列有し、各列の熱交換チューブが第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114の少なくとも一方を含み得、及び/又は、後側熱交換器12は、空気流の流れ方向において、第2の熱交換チューブ114を少なくとも3列有する。これにより、熱交換チューブの列数が少なすぎて熱交換が不十分になることや、熱交換チューブが過剰に設けられて無駄になることを防止することができる。
本発明のいくつかの実施例において、熱交換器アセンブリ100の熱交換チューブの本数は40本以上である。これにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をよりよくすることができる。
本発明の実施例に係る空気調和機の室内機1000は、筐体200、ファン300及び上記熱交換器アセンブリ100を含む。
具体的には、筐体200は、吸気口201及び排気口202を有し、ファン300は、筐体200の内部に設けられ、吸気口201から排気口202に流れるように空気流を駆動し、熱交換器アセンブリ100は、筐体200の内部に設けられ、ファン300の吸気側に位置する。
空気調和機の室内機1000の作動時に、モータが、ファン300を回動させるように駆動し、ファン300の作用で、吸気口201から排気口202に流れるように空気流を駆動し、空気流が吸気口201に入った後に熱交換器アセンブリ100と熱交換を行い、熱交換された空気流は、ファン300の作用で排気口202に流れる。排気口202に導風アセンブリが設けられてもよく、導風アセンブリは、空気流を室内の必要な位置にガイドすることができ、例えば、空気流を上方にガイドするか、又は空気流を下方にガイドするか、又は空気流を左側又は右側にガイドする。
本発明の実施例に係る空気調和機の室内機1000は、上記熱交換器アセンブリ100を設けることで、メイン熱交換器1の風上側に補助熱交換器2を設け、前側熱交換器11の内部に第1の熱交換チューブ113及び第2の熱交換チューブ114を設け、後側熱交換器12の内部に第3の熱交換チューブ121を設け、補助熱交換器2の内部に第4の熱交換チューブ21を設け、第4の熱交換チューブ21の管径を第3の熱交換チューブ121の管径より大きくし、第3の熱交換チューブ121の管径を第2の熱交換チューブ114の管径と等しくし、第2の熱交換チューブ114の管径を第1の熱交換チューブ113の管径より大きくし、熱交換器アセンブリ100の冷房時に、冷媒が、補助熱交換器2の第4の熱交換チューブ21からメイン熱交換器1の第1の熱交換チューブ113、第2の熱交換チューブ114及び第3の熱交換チューブ121に流れるようにすることにより、このような構造及び流路は、熱交換チューブの長さを増加させることなく、熱交換器アセンブリ100の取り付けスペースを増加させることなく、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率を向上させるとともに、コストを節約することができる。
本発明のいくつかの実施例において、ファン300は、115mm~128mmの間の直径を有する貫流型ファン300を選択する。
さらに、後側熱交換器12と上下方向との間の角度が48°以下であり、熱交換器アセンブリ100が空気調和機の室内機1000に適用される場合に、後側熱交換器12がファン300を半分取り囲むようにすることにより、熱交換器アセンブリ100の熱交換のエネルギー効率をさらに高めることができるとともに、後側熱交換器12で発生した結露を後側熱交換器12に沿って流下させることに寄与する。
さらに、メイン熱交換器1と前記ファン300との間の距離を10mm以上とすることにより、空気流をメイン熱交換器1と十分に熱交換させてからファン3003によって吹き飛ばすことができ、ファン300が運転中にメイン熱交換器1に衝突する可能性を低減することができる。
さらに、筐体の前後方向に沿う幅寸法は800mm以下であり、筐体の上下方向に沿う高さ寸法は300mm以下であり、これにより空気調和機の室内機1000の寸法をより適切にし、空気調和機の室内機1000全体の寸法を小さくすることができる。
本発明のいくつかの実施例において、前側熱交換器11の上側熱交換部111と下側熱交換部112との間に夾角があり、前側熱交換器11は、ファン300から離れる方向に突出している。表4を参照すると、本出願の熱交換器アセンブリ100は、従来の三折型熱交換器に比べてエネルギー効率が高い。
本発明の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などによって示される方位や位置関係は、図面に基づいて示される方位や位置関係であり、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、示される装置や素子が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作することを示すか、又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものと理解することはできない。さらに、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つ又は複数の当該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本発明の説明において、別段の記載がない限り、「複数」とは、2以上を意味する。
本発明の説明においては、なお、特に明示的な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は、一般的に理解されるべきであり、例えば、固定的に接続されていてもよいし、着脱可能に接続されていてもよいし、又は一体に接続されていてもよいし、機械的に接続されていてもよいし、電気的に接続されていてもよいし、直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよいし、又は2つの要素の内部の連通であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」又は「いくつかの例」などを参照する説明は、当該実施例又は例と組み合わせて説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態又は例を指しているとは限らない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な形で組み合せられてもよい。
本発明の実施例が示されて説明されているが、当業者であれば、本発明の原理及び目的を逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換や変形を行うことができ、本発明の範囲が請求項及びその均等物によって限定されることを理解することができる。