以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[システム概要]
本実施形態に係る保全業務支援システムは、生産財機械等の産業用機械の保全業務を支援するためのシステムである。
生産財機械等の保全業務とは、例えば、メーカー等の生産活動におけるエネルギー動力源としてのプロセスガス圧縮機や化学プラント等の製造・生産装置といった、一般に、非汎用で一品一様な、それ故、高額な産業用機械製品において、当該機械製品の性能を長期維持するため定期的にプラントを停止し、当該機械製品を分解・解体しての機能点検作業や、機能復旧のための補修工事作業を行うことである。
また、生産財機械等の保全業務は、対象機械そのものが一品一様であるがため、その保全業務も一品一様で、かつ複雑多岐な業務内容になる傾向・要素が強く、例えば建設機械(ショベル)等の準汎用機械製品に比べ、保全業務の標準化がしにくく、その結果、1回の保全業務に要する時間(リードタイム)も一定時間を必要とする、といった特徴がある。
一方で、機械設備の所有者(主に、企業)は、生産機械設備停止による生産ロス(機会損出)を最小化したいため、保全業務委託者先メーカーまたは保全業務代行業者に対して、保全業務のリードタイム最小化を期待することが多い。保全業務委託者先メーカーまたは保全業務代行業者は、その顧客からの要請に応えるため、ITを活用し、作業品質も維持しながらの、業務の効率化・標準化に取り組んでいるが、前記の通り、業務そのものが一品一様で、かつ複雑多岐な業務内容であるため、そのシステム開発をオンプレミス型システムにて進めると高額となる課題があった。そのため、従来のようなグローバルスタンダード・クラウド型業務基盤システムを土台に業務効率化・標準化システムを構築して、業務改善・保全業務リードタイム短縮を図ろうとする場合、一品一様な保全業務内容であるため、なかなか改善効果が得られにくく、長期化するといった課題があった。具体的には、一般に、業務改善・業務効率化・リードタイム短縮は、業務プロセス内にITを組み込みながら、業務改善のためのPDCAサイクルをまわすことで実現されるが、標準パッケージを利用してのシステム構築のため、システム化範囲が制限され、現場担当者にて業務改善PDCAサイクルをまわそうとすると、保全業務実務以外のデータ分析作業等が発生し、IT活用支援者等の応援がないと、業務改善PDCAサイクルの実践が進まず、その結果、改善効果が得られにくい、長期化するといった、といった悪循環に陥りやすい点が課題であった。
そこで、本実施形態は、従来のようなグローバルスタンダード・クラウド型業務基盤システムを土台にした、業務効率化・標準化システム構築手法をとりながらも、同様な保全業務を行う関係者・担当者同士で、IT活用による業務改善ポイントを相互にコミュニケーションすることで、前記の負担を軽減し、業務改善PDCAサイクルの実践を、作業者が実行しやすくし、業務改善・業務効率化・リードタイム短縮の達成までに要する時間やコストを早期化・圧縮可能とする、生産財機械等の保全業務改善・業務効率化支援システムと、その活用方法に関するものである。
本実施形態で対象とする保全業務支援システムでは、類似な業務を行う異なる2つ以上の組織において、同一のビジネスプラットフォームを、それぞれの業務において導入・活用させる。それぞれの組織において、システムを活用した業務改善活動を推進する中で、その業務改善内容を相互共有しあい、それぞれの業務や業務改善内容に関する、長所・短所の気づきの機会を与え、その内容を、自己および他者の業務プロセスの改善情報として参照し蓄積可能とすることで、従来技術の課題を解決するものである。それぞれの業務や業務改善内容に関する、長所・短所の気づきを、相互共有する手段や方法に、特徴がある。
以下に、本実施形態の構成を整理して説明する。
[システム構成]
図1は、実施形態に係る保全業務支援システム100の構成例を示す図である。保全業務支援システム100は、保全業務支援装置1、データベース2、及び複数の端末3を備えている。保全業務支援装置1及び複数の端末3は、インターネット(ワイドエリアネットワーク)等の通信ネットワークに接続されており、相互にデータ通信が可能である。
保全業務支援装置1は、例えばサーバー型コンピュータ等のコンピュータである。端末3は、例えばラップトップ型コンピュータ又はデスクトップ型コンピュータ等のコンピュータである。1つの端末3は、拠点Aに配置された端末であり、拠点Aのユーザに使用される。他の端末は、拠点Bに配置された端末である。拠点Bのユーザに使用される。拠点の数は2つに限らず、3以上であってもよく、特に限定されない。
保全業務支援装置1は、データベース2にアクセス可能である。データベース2は、保全業務支援装置1の内部に設けられてもよいし、保全業務支援装置1の外部に設けられ、通信ネットワークを通じてアクセスされてもよい。
保全業務支援装置1は、例えばHTTPデーモンを起動しており、端末3からブラウザを介して送信された処理要求(HTTPリクエスト)を受け付けると、処理要求に応じた処理結果(HTTPレスポンス)を端末3に返答する。
例えば、保全業務支援装置1は、ウェブページ記述言語で記述されたページデータを処理結果として端末3に送信し、端末3は、保全業務支援装置1から受信したページデータを表すページ画像を自機の表示部に出力する。
図2は、保全業務支援装置1の構成例を示すブロック図である。保全業務支援装置1の制御部10は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。制御部10のCPUは、ROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。
制御部10は、データ取得部11、保存処理部12、データ読出部13、及びデータ供給部14を備えている。これらの機能部は、制御部10のCPUがROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行することによって実現される。
プログラムは、例えば光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して供給されてもよい。
本実施形態において、データ構造は、例えば下記のとおりである。
「保全業務」は、複数の「主業務プロセス」に要素分解される。さらに、「主業務プロセス」は、複数の「サブ業務プロセス」に要素分解される。
「サブ業務プロセス」のそれぞれには、「作業項目」、「作業箇所」、「状態評価項目」、「作業措置項目」が関連付けられている。
「作業項目」では、例えば「点検部位Aの分解作業」など、部位毎の作業が特定される。「作業箇所」は、部位の中の具体的な作業箇所を表す。
「状態評価項目」は、状態評価データの一例であり、ユーザにより評価された作業箇所の状態を表す。「作業措置項目」は、作業処置データの一例であり、ユーザにより実施された作業箇所への処置を表す。
[データベース]
図3は、データベース2の例を示す図である。データベース2は、保全業務情報管理DB21、主業務プロセス情報管理DB22、サブ業務プロセス情報管理DB23、作業項目情報管理DB24、作業箇所情報管理DB25、作業箇所別評価項目情報管理DB26、作業箇所別処置項目情報管理DB27、組織orエリア別/保全業務別/主業務プロセス構成情報管理DB28、組織orエリア別/主業務プロセス別/サブ業務プロセス構成情報管理DB29、組織orエリア別/サブ業務プロセス別/作業項目構成情報管理DB30、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31、組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32、組織orエリア別/顧客情報管理DB33、組織orエリア別/保全業務受注情報管理DB34、組織orエリア情報管理DB35、組織別作業者情報管理DB36、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37、作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38を含んでいる。
図4に示すように、保全業務情報管理DB21は、保全業務に関する情報を管理するためのデータベースであり、「保全業務ID」、「保全業務名称」、「保全業務内容」を含んでいる。
図5に示すように、主業務プロセス情報管理DB22は、主業務プロセスに関する情報を管理するためのデータベースであり、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「主業務プロセス名称」、「主業務プロセス内容」を含んでいる。
図6に示すように、サブ業務プロセス情報管理DB23は、サブ業務プロセスに関する情報を管理するためのデータベースであり、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「サブ業務プロセス名称」、「サブ業務プロセス内容」を含んでいる。
図7に示すように、作業項目情報管理DB24は、作業項目に関する情報を管理するためのデータベースであり、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」、「作業項目名称」、「作業項目内容」を含んでいる。
図8に示すように、作業箇所情報管理DB25は、作業箇所に関する情報を管理するためのデータベースであり、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「作業箇所名称」、「作業箇所内容」を含んでいる。
図9に示すように、作業箇所別評価項目情報管理DB26は、作業箇所別の評価項目に関する情報を管理するためのデータベースであり、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「状態評価項目ID」、「状態評価項目名称」を含んでいる。
図10に示すように、作業箇所別処置項目情報管理DB27は、作業箇所別の処置項目に関する情報を管理するためのデータベースであり、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「作業処置項目ID」、「作業処置項目名称」を含んでいる。
図11に示すように、組織orエリア別/保全業務別/主業務プロセス構成情報管理DB28は、拠点(組織又はエリア)別かつ保全業務別の主業務プロセスの構成に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織IDorエリアID」、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」を含んでいる。
図12に示すように、組織orエリア別/主業務プロセス別/サブ業務プロセス構成情報管理DB29は、拠点別かつ主業務プロセス別のサブ業務プロセスの構成に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織IDorエリアID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」を含んでいる。
図13に示すように、組織orエリア別/サブ業務プロセス別/作業項目構成情報管理DB30は、拠点別かつサブ業務プロセス別の作業項目の構成に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織IDorエリアID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」を含んでいる。
図11-14に示す「組織IDorエリアID」は、拠点(組織又はエリア)を識別するための拠点識別データの一例である。
図14に示すように、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31は、拠点別かつ作業箇所別の状態評価項目に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「顧客ID」、「保全業務オーダー番号」、「作業者ID」、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「状態評価項目ID」、「登録日」、「判断根拠情報」、「判断根拠補足情報」を含んでいる。
「判断根拠情報」は、ユーザにより入力されたコメントであり、具体的には、状態評価項目を選択した判断根拠の情報をテキストで表す。「判断根拠補足情報」は、ユーザにより撮影された画像データであり、具体的には、状態評価項目を選択した判断根拠を補足するための画像データである。
図15に示すように、組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32は、拠点別かつ作業箇所別の作業処置項目に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「顧客ID」、「保全業務オーダー番号」、「作業者ID」、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「作業処置項目ID」、「登録日」、「判断根拠情報」、「判断根拠補足情報」を含んでいる。
「判断根拠情報」は、ユーザにより入力されたコメントであり、具体的には、状態評価項目を選択した判断根拠の情報をテキストで表す。「判断根拠補足情報」は、ユーザにより撮影された画像データであり、具体的には、状態評価項目を選択した判断根拠を補足するための画像データである。
図16に示すように、組織orエリア別/顧客情報管理DB33は、拠点別の顧客情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「顧客ID」、「顧客名称」、「納入オーダー番号」、「機械No」、「機種情報」、「機種ID」を含んでいる。
図17に示すように、組織orエリア別/保全業務受注情報管理DB34は、拠点別の保全業務の受注に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「顧客ID」、「保全業務オーダー番号」、「保全業務ID」、「保全業務実施日」を含んでいる。
図18に示すように、組織orエリア情報管理DB35は、拠点に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「組織orエリアの名称」を含んでいる。
図19に示すように、組織別作業者情報管理DB36は、拠点別の作業者に関する情報を管理するためのデータベースであり、「組織orエリアID」、「作業者ID」、「システムログインパスワード」、「作業者氏名」、「作業者の職種・職位情報」、「作業者の業務経験属性」を含んでいる。
図31に示すように、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37は、作業箇所別の状態評価項目のメッセージ交換に関する情報を管理するためのデータベースであり、「シリアル番号」、「組織orエリアID」、「保全業務オーダー番号」、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「状態評価項目コメント情報」、「登録者・組織orエリアID」、「作業者ID」、「参照した保全業務オーダー番号」、「参照した保全業務ID」、「参照した主業務プロセスID」、「参照したサブ業務プロセスID」、「参照した作業項目ID」、「参照した作業箇所ID」を含んでいる。
図32に示すように、作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38は、作業箇所別の作業処置内容のメッセージ交換に関する情報を管理するためのデータベースであり、「シリアル番号」、「組織orエリアID」、「保全業務オーダー番号」、「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」、「作業箇所ID」、「作業処置項目コメント情報」、「登録者・組織orエリアID」、「作業者ID」、「参照した保全業務オーダー番号」、「参照した保全業務ID」、「参照した主業務プロセスID」、「参照したサブ業務プロセスID」、「参照した作業項目ID」、「参照した作業箇所ID」を含んでいる。
[画面表示]
図20-図22は、端末3の表示部に表示される顧客別保全業務内容一覧画面、保全業務別・主業務プロセス選択画面、及び保全業務別・サブ業務プロセス選択画面の表示例を示す図である。
図20に示すように、顧客別保全業務内容一覧画面は、顧客情報欄51を含んでいる。顧客情報欄51は、組織orエリア別/顧客情報管理DB33(図16参照)等に基づいて作成される。顧客情報欄51は、例えば顧客名称、納入オーダー番号、機械No等を含んでいる。
また、顧客別保全業務内容一覧画面は、保全業務欄52を含んでいる。保全業務欄52は、組織orエリア別/保全業務受注情報管理DB34(図17参照)等に基づいて作成される。保全業務欄52は、各保全業務の保全業務名称や、各保全業務に含まれる主業務プロセスを参照するための参照ボタン521を含んでいる。
ユーザの操作により参照ボタン521が選択されると、図21に示す保全業務別・主業務プロセス選択画面に遷移する。
図21に示すように、保全業務別・主業務プロセス選択画面は、顧客情報欄51に加えて、主業務プロセス欄53を含んでいる。主業務プロセス欄53は、主業務プロセス情報管理DB22(図5参照)、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)及び組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図15参照)等に基づいて作成される。
主業務プロセス欄53は、保全業務に含まれる各主業務プロセスの主業務プロセス名称や、各主業務プロセスに含まれるサブ業務プロセスを参照するための参照ボタン531を含んでいる。
ユーザの操作により参照ボタン531が選択されると、図22に示す保全業務別・サブ業務プロセス選択画面に遷移する。
図22に示すように、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面は、顧客情報欄51に加えて、サブ業務プロセス欄54及び作業項目欄55を含んでいる。
サブ業務プロセス欄54及び作業項目欄55は、サブ業務プロセス情報管理DB23(図6参照)、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)及び組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図15参照)に基づいて作成される。
サブ業務プロセス欄54には、選択された主業務プロセスに含まれる複数のサブ業務プロセスが表示される。また、サブ業務プロセス欄54には、複数のサブ業務プロセスから1つのサブ業務プロセスを選択するためのカーソル541が表示される。
作業項目欄55には、選択されたサブ業務プロセスに含まれる作業項目が表示される(各作業項目では、点検部位が特定されている)。また、作業項目欄55には、作業開始ボタン551が表示される。ユーザの操作により作業開始ボタン551が選択されると、後述の保全業務作業遂行画面(図23参照)に遷移する。
また、作業項目欄55は、作業項目に含まれる作業箇所を表す作業箇所欄552を含んでいる。作業箇所欄552は、状態評価項目及び作業処置項目の内容をテキストで表す内容表示欄553、及び画像を参照するための画像表示ボタン554を含んでいる。
[状態評価・作業処置の入力]
以下、何れかの拠点において状態評価データ及び作業処置データが入力される場合の例について説明する。図23は、保全業務作業遂行画面の表示例を示す図である。保全業務作業遂行画面は、上述の保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)の作業開始ボタン551がユーザの操作により選択された場合に表示される。
保全業務作業遂行画面は、顧客情報欄51、サブ業務プロセス欄54、及び作業項目欄55に加えて、状態評価情報入力欄56及び作業処置情報入力欄57を含んでいる。
状態評価情報入力欄56及び作業処置情報入力欄57は、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)及び組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図15参照)等に基づいて作成される。
状態評価情報入力欄56は、状態評価データを入力するための入力欄、すなわちユーザにより評価された作業箇所の状態を入力するための入力欄である。状態評価情報入力欄56に入力された状態評価データは、端末3から保全業務支援装置1に送信される。具体的には、状態評価情報入力欄56は、状態評価選択欄561、判断根拠入力欄562、及び補足画像添付欄563を含んでいる。
状態評価選択欄561は、作業箇所の状態に該当する状態評価項目をユーザに選択させるための選択欄である。判断根拠入力欄562は、状態評価選択欄561における選択の判断根拠を表すコメントをユーザに入力させるための入力欄である。補足画像添付欄563は、状態評価時の作業箇所を撮影した画像データをユーザに添付させるための添付欄である。
作業処置情報入力欄57は、作業処置データを入力するための入力欄、すなわちユーザにより実施された作業箇所への処置を入力するための入力欄である。作業処置情報入力欄57に入力された作業処置データは、端末3から保全業務支援装置1に送信される。具体的には、作業処置情報入力欄57は、作業処置選択欄571、判断根拠入力欄572、及び補足画像添付欄573を含んでいる。
作業処置選択欄571は、実施した作業処置に該当する作業処置項目をユーザに選択させるための選択欄である。判断根拠入力欄572は、作業処置選択欄571における選択の判断根拠を表すコメントをユーザに入力させるための入力欄である。補足画像添付欄573は、作業処置時の作業箇所を撮影した画像データをユーザに添付させるための添付欄である。
図24及び25は、保全業務支援システム100において実現される、実施形態に係る保全業務支援方法の手順例を示すフロー図である。保全業務支援装置1の制御部10は、これらの図に示す処理をプログラムに従って実行することにより、データ取得部11及び保存処理部12として機能する。
以下の説明では、例えば拠点Aの作業者(ユーザ)が使用する拠点Aの端末3と、保全業務支援装置1との間でデータを送受信するものとする。
まず、制御部10は、端末3を使用する作業者による認証情報入力を受付け、ログイン処理を行う(S11)。
次に、制御部10は、組織orエリア別/顧客情報管理DB33(図16参照)及び組織orエリア別/保全業務受注情報管理DB34(図17参照)から作業者が所属する組織のデータを抽出し、作業者が所属する組織の顧客別保全業務内容一覧画面(図20参照)のデータを端末3に送信し、作業者による顧客の選択を受付ける(S12)。
次に、制御部10は、選択された顧客の保全業務内容一覧画面(不図示)のデータを端末3に送信し、作業者による保全業務・整備オーダー番号の選択を受付け、組織orエリア別/保全業務別/主業務プロセス構成情報管理DB(図11参照)から作業者が所属する組織のデータを抽出し、選択された保全業務の保全業務別・主業務プロセス選択画面(図21参照)のデータを端末3に送信する(S13)。
次に、制御部10は、保全業務別・主業務プロセス選択画面(図21参照)で作業者による主業務の選択(参照ボタン531に対する操作)を受付け、組織orエリア別/主業務プロセス別/サブ業務プロセス構成情報管理DB29(図12参照)から作業者が所属する組織のデータを抽出し、選択された主業務プロセスの保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)のデータを端末3に送信する(S14)。
次に、制御部10は、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)で作業者によるサブ業務の選択(カーソル541による選択)を受付け、組織orエリア別/サブ業務プロセス別/作業項目構成情報管理DB30、作業箇所別状態評価項目情報管理DB31、作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図13-15参照)から作業者が所属する組織のデータを抽出し、選択されたサブ業務プロセスの作業項目欄55のデータを端末3に送信する(S15)。
次に、制御部10は、選択されたサブ業務プロセスの作業項目欄55において状態評価項目が未登録の作業箇所があるか否かを判定する(S16)。
状態評価項目が未登録の作業箇所がある場合(S16:YES)、制御部10は、状態評価項目が未登録の作業箇所の作業項目欄55に作業開始ボタン551を表示し、作業者による作業開始ボタン551の操作を受付ける(S17)。
次に、制御部10は、作業開始ボタン551の操作を受付けると、選択された作業項目の作業箇所情報及び状態評価項目情報を作業箇所情報管理DB25(図8参照)及び作業箇所別評価項目情報管理DB26(図9参照)から抽出し、保全業務作業遂行画面(図23参照)の状態評価情報入力欄56のデータを端末3に送信し、状態評価情報入力欄56への入力を受付け、入力された状態評価データを端末3から取得し、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)に保存する(S18;データ取得部11及び保存処理部12としての処理、すなわち第1データ取得部及び第1保存処理部としての処理)。
作業者は、端末3に表示された保全業務作業遂行画面(図23参照)に従って業務遂行する。業務遂行時に、作業者は、作業箇所の状態を評価し、評価結果を状態評価情報入力欄56に入力する。具体的には、作業者は、状態評価選択欄561において作業箇所の状態に該当する状態評価項目を選択するとともに、判断根拠入力欄562に選択の判断根拠を表すコメントを入力し、補足画像添付欄563に状態評価時の作業箇所を撮影した画像データを添付する。これにより、状態評価データは、作業箇所の状態を表す状態評価項目、判断根拠を表すコメント、及び作業箇所の画像データを含む。
一方、状態評価項目が未登録の作業箇所がない場合(S16:NO)、制御部10は、選択されたサブ業務プロセスの作業項目欄55において作業処置項目が未登録の作業箇所があるか否かを判定する(S19)。
作業処置項目が未登録の作業箇所がある場合(S19:YES)、制御部10は、選択された作業項目の作業箇所情報及び作業処置項目情報を作業箇所情報管理DB25(図8参照)及び作業箇所別処置項目情報管理DB27(図10参照)から抽出し、保全業務作業遂行画面(図23参照)の作業処置情報入力欄57のデータを端末3に送信するとともに、状態評価選択欄561で選択されている状態評価項目に対応する作業処置項目を作業処置選択欄571において自動選択表示した状態とする(S20)。
例えば、状態評価選択欄561で「損傷、汚れ、歪み等が無し」が選択されている場合には、作業処置選択欄571において「手入れ後、再使用」が自動選択表示される。また、状態評価選択欄561で「損傷、汚れ、歪み等が有り」が選択されている場合には、作業処置選択欄571において「補修」が自動選択表示される。
なお、本実施形態では、状態評価項目と作業処置項目とを一対一で対応する形でデータ管理するが、これに限らず、状態評価項目と作業処置項目とをマスター管理してもよい。
次に、制御部10は、作業処置情報入力欄57への入力を受付ける(S21)。作業者は、作業処置選択欄571に自動選択表示された作業処置項目に沿って業務遂行可能か否かを判断し、業務遂行可能であると判断した場合には、当該作業処置項目を業務遂行するとともに、作業処置選択欄571の作業処置項目を変更せずに、判断根拠入力欄572に判断根拠を表すコメントを入力し、補足画像添付欄573に作業箇所を撮影した画像データを添付する。
一方、作業者は、業務遂行可能でないと判断した場合には、作業処置選択欄571に自動選択表示された作業処置項目とは異なる作業処置項目を業務遂行するとともに、作業処置選択欄571の作業処置項目を変更し、判断根拠入力欄572に判断根拠を表すコメントを入力し、補足画像添付欄573に作業箇所を撮影した画像データを添付する。
次に、制御部10は、作業処置情報入力欄57に入力された作業処置データを端末3から取得し、組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図15参照)に保存する(S22,S23;データ取得部11及び保存処理部12としての処理、すなわち第1データ取得部及び第1保存処理部としての処理)。
具体的には、制御部10は、作業処置選択欄571に自動選択表示された作業処置項目に変更がなかった場合には、自動選択表示された作業処置項目、判断根拠を表すコメント、及び作業箇所の画像データを、作業処置データとして保存する(S22)。
一方、制御部10は、作業処置選択欄571に自動選択表示された作業処置項目に変更があった場合には、新たに選択された作業処置項目、判断根拠を表すコメント、及び作業箇所の画像データを、作業処置データとして保存する(S23)。
なお、作業処置項目が未登録の作業箇所がない場合(S19:NO)、すなわち保全業務作業遂行画面(図23参照)に一覧表示中の選択中の作業項目に関する全作業箇所の状態評価データと作業処置データが登録された場合、制御部10は、当該作業項目に係る保全業務は完了とし、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)での当該作業項目の作業開始ボタン551を非表示とし(S24)、処理を終了する。
[状態評価・作業処置の参照]
以下、何れかの拠点において状態評価データ及び作業処置データが参照される場合の例について説明する。図26は、保全業務作業遂行画面の他の表示例を示す図である。同図に示す保全業務作業遂行画面は、他の拠点で入力された状態評価データ及び作業処置データが存在する場合に表示される。
図26に示すように、保全業務作業遂行画面は、基本的な構成は上述の保全業務作業遂行画面(図23参照)と同様であるが、顧客情報欄51、サブ業務プロセス欄54、作業項目欄55、状態評価情報入力欄56、作業処置情報入力欄57に加えて、他の拠点で入力された状態評価及び作業処置を検索するための他拠点情報検索欄58を含んでいる。
他拠点情報検索欄58は、拠点選択欄581、機種選択欄582、及び情報参照ボタン583を含んでいる。拠点選択欄581は、参照したい拠点をユーザに選択させるための選択欄である。機種選択欄582は、参照したい機種をユーザに選択させるための選択欄である。
情報参照ボタン583は、選択可能な拠点の情報を検索するためのボタンである。ユーザの操作により情報参照ボタン583が選択されると、図27に示す参照候補一覧画面に遷移する。
図27は、参照候補一覧画面の表示例を示す図である。参照候補一覧画面は、業務共通拠点欄61、項目共通拠点欄62、及び他拠点参照ボタン63を含んでいる。業務共通拠点欄61及び項目共通拠点欄62には、保全業務作業遂行画面(図26参照)における拠点選択欄581及び機種選択欄582の選択内容に基づく検索結果が表示される。
業務共通拠点欄61には、保全業務内容が同じ情報が含まれる。業務共通拠点欄61の各項目611には、拠点名、保全業務情報、及び機種情報が表示される。項目共通拠点欄62には、保全業務内容は異なるが、同じ作業項目に関する情報が含まれる。項目共通拠点欄62の各項目621にも、拠点名、保全業務情報、及び機種情報が表示される。
他拠点参照ボタン63は、業務共通拠点欄61及び項目共通拠点欄62に含まれる拠点を参照するためのボタンである。ユーザの操作により他拠点参照ボタン63が選択されると、図28に示す他拠点業務内容参照画面に遷移する。
具体的には、他拠点参照ボタン63が選択されると、他拠点業務内容参照画面の取得要求が端末3から保全業務支援装置1に送信される。この取得要求は、選択中の作業項目を特定するための作業項目データを含んでいる。
図28は、他拠点業務内容参照画面の表示例を示す図である。他拠点業務内容参照画面は、拠点情報欄71、サブ業務プロセス欄74、作業項目欄75、状態評価情報表示欄76、及び作業処置情報表示欄77を含んでいる。拠点情報欄71は、選択された他拠点の拠点名及び機種情報を含んでいる。
サブ業務プロセス欄74、作業項目欄75、状態評価情報表示欄76、及び作業処置情報表示欄77は、保全業務作業遂行画面(図23参照)のサブ業務プロセス欄54、及び作業項目欄55、状態評価情報入力欄56、及び作業処置情報入力欄57にそれぞれ対応する。
状態評価情報表示欄76は、他拠点において保全業務作業遂行画面(図23参照)の状態評価情報入力欄56に入力された状態評価データを表示するための表示欄である。具体的には、状態評価情報表示欄76は、状態評価表示欄761、判断根拠表示欄762、及び補足画像参照欄763を含んでいる。
状態評価表示欄761は、他拠点において選択された状態評価項目を表示する。判断根拠表示欄762は、他拠点において入力された判断根拠を表すコメントを表示する。補足画像参照欄763は、他拠点において添付された画像データを参照するための参照欄である。
状態評価情報表示欄76は、さらに、状態評価情報表示欄76に表示された状態評価データについてのコメントを入力するためのコメント入力欄765、及び当該コメントを保存するための保存ボタン766を含んでいる。保存ボタン766が操作されると、コメント入力欄765に入力されたコメントデータは、端末3から保全業務支援装置1に送信される。
作業処置情報表示欄77は、他拠点において保全業務作業遂行画面(図23参照)の作業処置情報入力欄57に入力された作業処置データを表示するための表示欄である。具体的には、作業処置情報表示欄77は、作業処置表示欄771、判断根拠表示欄772、及び補足画像参照欄773を含んでいる。
作業処置表示欄771は、他拠点において選択された作業処置項目を表示する。判断根拠表示欄772は、他拠点において入力された判断根拠を表すコメントを表示する。補足画像参照欄773は、他拠点において添付された画像データを参照するための参照欄である。
作業処置情報表示欄77は、さらに、作業処置情報表示欄77に表示された作業処置データについてのコメントを入力するためのコメント入力欄775、及び当該コメントを保存するための保存ボタン776を含んでいる。保存ボタン776が操作されると、コメント入力欄775に入力されたコメントデータは、端末3から保全業務支援装置1に送信される。
図29及び30は、保全業務支援システム100において実現される、実施形態に係る保全業務支援方法の手順例を示すフロー図である。保全業務支援装置1の制御部10は、これらの図に示す処理をプログラムに従って実行することにより、データ読出部13及びデータ供給部14として機能する。
以下の説明では、例えば拠点Bの作業者(ユーザ)が使用する拠点Bの端末と、保全業務支援装置1との間でデータを送受信するものとする。
まず、制御部10は、S11-S15の処理を実行する。これらは、上記図24のS11-S15の処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。
次に、制御部10は、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)を、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)の表示内容に係る「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」及び「作業項目ID」で、AND検索する(S31)。
次に、制御部10は、前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在するか否かを判定する(S32)。
前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在する場合(S32:YES)、制御部10は、検索ヒットしたレコード群の組織ID及び組織orエリア情報管理DB35(図18参照)に基づいて、参照可能な他拠点業務内容(結果)データが存在する他拠点の一覧を保全業務作業遂行画面(図26参照)の拠点選択欄581に表示するためのデータを端末3に送信する(S33)。
次に、制御部10は、端末3を使用する作業者による、拠点選択欄581に表示される他拠点の一覧からの拠点の選択を受付ける(S34)。
次に、制御部10は、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)を、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)の表示内容に係る「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」、「作業項目ID」及び「選択された拠点の組織ID(拠点識別データ)」で、再度AND検索する(S35)。
次に、制御部10は、検索ヒットしたレコード群の他拠点(他組織・他エリア)の顧客ID及び組織orエリア別/顧客情報管理DB33(図16参照)に基づいて、参照可能な他拠点業務内容(結果)データの機種の一覧を保全業務作業遂行画面(図26参照)の機種選択欄582に表示するためのデータを端末3に送信する(S36)。ここでは、保全業務作業中の自拠点顧客と同じ機種IDのものに、一覧内でその内容が分かるようにマークを付ける。
次に、制御部10は、端末3を使用する作業者による、機種選択欄582に表示される機種の一覧からの機種の選択、及び情報参照ボタン583に対する操作を受付け、参照候補一覧画面(図27参照)のデータを端末3に送信する(S37)。
次に、制御部10は、参照候補一覧画面(図27参照)の他拠点参照ボタン63に対する操作を受付け、選択された他拠点に関する他拠点業務内容参照画面(図28)のデータを端末3に送信する(S38)。ここで、他拠点業務内容参照画面は、自拠点に関する保全業務作業遂行画面(図26参照)とは別にポップアップ表示される。
具体的には、他拠点参照ボタン63が操作されると、選択中の作業項目を表す作業項目データ及び選択された他拠点を表す拠点識別データが特定された取得要求が、端末3から保全業務支援装置1に送信される。制御部10は、取得要求に応じて、作業項目データ及び拠点識別データに関連付けられた状態評価データ及び作業処置データを、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)及び組織orエリア別/作業箇所別作業処置項目情報管理DB32(図15参照)から読み出し、他拠点業務内容参照画面(図28)のデータを生成し、端末3に送信する(データ読出部13及びデータ供給部14としての処理、すなわち第1データ読出部及び第1データ供給部としての処理)。
作業者は、端末3に表示された保全業務作業遂行画面(図23参照)に従い、かつ選択した他拠点に関する他拠点業務内容参照画面(図28参照)を参考にしながら、業務遂行する。
次に、制御部10は、他拠点業務内容参照画面(図28参照)の保存ボタン766又は776に対する操作を受付けると、コメント入力欄765又は775に入力されたコメントデータを、メッセージ交換情報管理DB37又は38(図31又は図32参照)に保存する(S39)。
具体的には、他拠点業務内容参照画面(図28参照)の状態評価情報表示欄76のコメント入力欄765に状態評価データについてのコメントデータが入力され、保存ボタン766が操作されると、コメントデータが端末3から保全業務支援装置1に送信される。制御部10は、端末3から送信されたコメントデータを取得し、状態評価データと関連付けて作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37(図31参照)に保存する(データ取得部11及び保存処理部12としての処理、すなわち第2データ取得部及び第2保存処理部としての処理)。
また、他拠点業務内容参照画面(図28参照)の作業処置情報表示欄77のコメント入力欄775に作業処置データについてのコメントデータが入力され、保存ボタン776が操作されると、コメントデータが端末3から保全業務支援装置1に送信される。制御部10は、端末3から送信されたコメントデータを取得し、作業処置データと関連付けて作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38(図32参照)に保存する(データ取得部11及び保存処理部12としての処理、すなわち第2データ取得部及び第2保存処理部としての処理)。
なお、上記S32において、前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在しない場合(S32:NO)、制御部10は、組織orエリア別/作業箇所別状態評価項目情報管理DB31(図14参照)を、選択中の「作業項目ID」のみで検索する(S40)。
次に、制御部10は、前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在するか否かを判定する(S41)。
前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在する場合(S41:YES)、制御部10は、検索ヒットしたレコード群の組織ID及び組織orエリア情報管理DB35(図18参照)に基づいて、参照可能な他拠点業務内容(結果)データが存在する他拠点を抽出し、抽出された他拠点が拠点選択欄581に表示する拠点一覧に存在しない場合には項目追加し(S42)、上記S34に遷移する。
一方、制御部10は、前記検索条件でヒットするレコード(自拠点を除く)が存在しない場合(S41:NO)、制御部10は、検索結果なし表示のためのデータを端末3に送信する(S43)。
[コメントの参照]
以下、状態評価データ及び作業処置データを入力した拠点において、他の拠点で入力されたコメントデータが参照される場合の例について説明する。図33は、保全業務作業遂行画面の他の表示例を示す図である。同図に示す保全業務作業遂行画面は、状態評価データ又は作業処置データについての他の拠点で入力されたコメントデータが存在する場合に表示される。
図33に示すように、保全業務作業遂行画面は、基本的な構成は上述の保全業務作業遂行画面(図23参照)と同様であるが、顧客情報欄51、サブ業務プロセス欄54、作業項目欄55、状態評価情報入力欄56、作業処置情報入力欄57に加えて、他の拠点で入力されたコメントデータが存在することを通知するためのコメント通知欄59を含んでいる。
コメント通知欄59は、自拠点で過去に登録された状態評価データ又は作業処置データについて他拠点でコメントデータが登録されたことを通知するための文字列、及びコメントデータを参照するためのコメント参照ボタン591を含んでいる。ユーザの操作によりコメント参照ボタン591が選択されると、図34に示すコメント参照画面に遷移する。
図34は、コメント参照画面の表示例を示す図である。コメント参照画面は、作業箇所毎のコメント表示欄81を含んでいる。コメント表示欄81は、作業箇所を表示する作業箇所表示欄811、状態評価項目に関するコメントデータを表示する状態評価コメント欄812、及び作業処置項目に関するコメントデータを表示する作業処置コメント欄813を含んでいる。
状態評価コメント欄812及び作業処置コメント欄813のうち、コメントデータを含むものは、コメントデータの詳細を参照するためのコメント参照ボタン815を含んでいる。
図35は、保全業務支援システム100において実現される、実施形態に係る保全業務支援方法の手順例を示すフロー図である。保全業務支援装置1の制御部10は、これらの図に示す処理をプログラムに従って実行することにより、データ読出部13及びデータ供給部14として機能する。
まず、制御部10は、S11-S15の処理を実行する。これらは、上記図24のS11-S15の処理と同じであるため、詳細な説明を省略する。
次に、制御部10は、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37(図31参照)及び作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38(図32参照)を、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)の表示内容に係る「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」及び「作業項目ID」で、AND検索する(S51)。なお、本例ではAND検索とするが、これに限らず、作業項目IDのみで検索してもよい。
次に、制御部10は、他拠点の作業者によりコメントデータが登録されているか否かを判定する(S52)。
他拠点の作業者によりコメントデータが登録されている場合(S52:YES)、制御部10は、保全業務作業遂行画面(図33参照)にコメント通知欄59を表示するためのデータ(通知データの一例)を端末3に送信し、作業者によるコメント参照ボタン591の選択を受付ける(S53)。なお、本例では、コメント通知欄59が保全業務作業遂行画面(図33参照)に表示されているが、これに限らず、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)等に表示されてもよい。
次に、制御部10は、作業者によるコメント参照ボタン591の選択を受付けると(S54:YES)、再度、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37(図31参照)及び作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38(図32参照)を、保全業務別・サブ業務プロセス選択画面(図22参照)の表示内容に係る「保全業務ID」、「主業務プロセスID」、「サブ業務プロセスID」及び「作業項目ID」でAND検索し、その検索結果に基づいてコメント参照画面(図34参照)のデータを生成し、端末3に送信する(S55)。
具体的には、制御部10は、保全業務作業遂行画面(図33参照)のコメント参照ボタン591が操作されると、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37(図31参照)及び作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38(図32参照)から、選択中の作業項目を表す作業項目データ等に関連付けられたコメントデータを読み出し、端末3に供給する(データ読出部13及びデータ供給部14としての処理、すなわち第2データ読出部及び第2データ供給部としての処理)。
また、制御部10は、コメント参照画面(図34参照)のコメント参照ボタン815が操作されると、他拠点において作業者によりコメントデータが入力されたときの他拠点業務内容参照画面(図28参照)のデータを端末3に送信する。
また、制御部10は、コメント参照ボタン815が操作されたときに表示される他拠点業務内容参照画面(図28参照)において、他拠点の作業者により入力されたコメントデータに対するコメントデータの入力を可能とし、端末3から送信されたコメントデータを取得し、作業箇所別状態評価項目メッセージ交換情報管理DB37(図31参照)又は作業箇所別作業処置内容メッセージ交換情報管理DB38(図32参照)に保存してもよい(データ取得部11及び保存処理部12としての処理、すなわち第3データ取得部及び第3保存処理部としての処理)。
上記S52において他拠点の作業者によりコメントデータが登録されていない場合(S52:NO)、上記S54において作業者によるコメント参照ボタン591の選択がない場合(S54:NO)、又は上記S55においてコメント参照画面(図34参照)を送信した後、制御部10は、上記S16(図24参照)へ遷移する。
以上に説明した実施形態によれば、類似な業務を行う異なる2つ以上の拠点にて保全業務を遂行し、その保全業務のやり方や結果を、相互に情報共有することが可能となる。すなわち、本システムを利用することで、保全業務作業者が、作業遂行時にオンデマンドで、類似業務を行う他組織作業者の保全業務内容や記録を参照しながら、業務改善活動を実行でき、その結果、業務改善・業務効率化・リードタイム短縮の達成までに要する時間やコストの早期化・圧縮効果が期待されるとともに、若手保全マンの人材育成の早期化も期待できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。