JP7220288B2 - 光ファイバセンシングシステム、方法、構造及び用途 - Google Patents

光ファイバセンシングシステム、方法、構造及び用途 Download PDF

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Description

本開示は、一般に、光通信および光センシングシステム、方法及び構造に関する。より詳細には、本開示は、分布型光ファイバセンシングシステム、方法及び構造、ならびにその用途を記載する。
光センシングおよび通信技術で知られているように、分布型光ファイバセンシングは、一般に局内に配置されたインタロゲータが能動的に光信号を生成し、それらを光ファイバに取り込み、その後、ファイバの長さに沿って発生する反射信号を検出する、いくつかの関連技術を含む。このような反射は、例えば、ファイバ及び/又はセンサがその長さに沿って配置された環境状態を変化させる結果として生じる。したがって、光ファイバは、反射信号を介して、環境/感覚データをインタロゲータに送り返し、インタロゲータは、信号処理技術を使用して、ファイバの長さに沿った環境状態に関する貴重な情報を決定/導出する。
現在実施されているように、分布型光ファイバセンシング(DOFSまたはDFS)は、地震検出を含む、インフラストラクチャモニタリング、侵入検出、および環境モニタリングのような多様な用途において広範囲に適用可能性を見出している。この適用の重要性を考慮すると、改善された光ファイバセンシングシステム、方法、および構造は、当該技術分野への好適な追加を表すであろう。
当技術分野の進歩は、後方散乱信号のコヒーレント検出を採用する改良された光ファイバセンシングシステム、方法、および構造に向けられた本開示の態様に従ってなされる。
従来技術とは全く対照的に、本開示の態様によるシステム、方法、および構造は、有利には、IおよびQ信号の両方を2つの偏波で検出およびデジタル化するように構成された偏波ダイバーシティコヒーレント受信器を使用するコヒーレント検出器を使用する。
動的ファイバ歪みを決定するために差動ビーティング(differential beating)を光学的に行う代わりに、信号ビーティング(signal beating)が、偏波が多様な信号を用いてDSPで行われる。これは、有利なことに、本開示によるシステム、方法、および構造が、複数の偏波状態対についてビーティング結果を得ることを可能にし、したがって、偏波誘起フェージング効果(polarization induced fading effect)を効果的に低減する。
先行技術において教示され開示されるような偏波スイッチングを使用することと比較して、本開示によるコヒーレントベースの多重偏波DSP処理を使用するシステム方法及び構造は、より速いセンシング速度およびより効率的なフィルタリングを提供する。
本開示の一態様による例示的構成において、光検出器は、増幅レイリー反射信号と局部発振器(LO)との積を検出する。この発明の方法では、光増幅器によって生成されたASE信号は、直接検波のように信号帯域まで増大され落ちることはない。電気的光検出信号のSNRは、光検出前の光SNRと同じになる。したがって、帯域外ASEノイズは、デジタル化後に電気フィルタとデジタルフィルタにより効果的に除去できる。これは、長距離または高空間分解能の用途におけるDAS設計に対して、より高いSNRおよびより良い性能を有利に提供する。
本開示のより完全な理解は、添付の図面を参照することによって実現され得る。
図1は、本開示の態様による、コヒーレント検出を使用する分布型ファイバセンシング配置の例示的なシステムアーキテクチャ構成の概略図を示す。
図2は、本開示の態様による、コヒーレント検出ベースの分布型ファイバセンシングのための例示的なフロントエンドデジタル信号処理(DSP)の概略図を示す。
図3は、本開示の態様による、複素数値x[n]およびy[n]からの4つの差動ビート積項(differential beat product terms)の計算を示す一対のプロットを示す。
図4は、本開示の態様による、位置に関して、ビート積信号(beat-product signal)をシリアルからパラレルに変換する処理をグラフで示す。
図5は、本開示の態様による多偏波状態合成の処理を示す。
図6は、双方向デュアル使用ファイバアーキテクチャの例示的配置の概略図を示し、ここで、本開示の態様による非線形相互作用を緩和するために、通信およびセンシング用途が異なる波長上に共存し、センシングパルスおよび通信チャネルが光ファイバ内で異なる方向に伝搬する。
図7(A)は、フェンスに取り付けられたDOFSシステムの写真図である。 図7(B)は、本開示の態様による機械学習によって分類され得る、異なる振動事象について記録された一連の「ウォーターフォール」プロットを示す。
図8(A)は、本開示の態様による、車両の交通パターンを示すウォーターフォールプロットである。 図8(B)は、本開示の態様による、車両の方向および平均速度を決定するための例示的な機械学習フローを示す。 図8(C)は、本開示の態様による、DOFSシステムに対して対向伝播するPS‐144QAMチャネルの一対のコンステレーション図を示す。
図9(A)は、本開示の態様による、ブリッジ構造の状態(health)を監視するDOFSの例示的なアプリケーションの概略図である。 図9(B)は、本開示の態様による、リノベーションの前後の「異常スコア」の分布を示すブリッジの状態のAI分類の棒グラフを示す。
図10(A)は、本開示の態様による、波長マルチプレクサ/デマルチプレクサが、アップストリーム(US)およびダウンストリーム(DS)およびセンシングチャネルを結合し、各ONUにおける反射型SOAが、各個々の分布ファイバ上のDOFSを可能にする、DOFS対応のPONのための例示的な実験装置の概略図であり、 図10(B)は、本開示の態様による、USおよびDSスペクトルを示す電力対波長のプロットである。
図11(A)は、本開示の態様による、6-Gbaud PAM-4信号に対するBER対受信電力のプロットである。 図11(B)は、本開示の態様による、分布ファイバ♯1および♯2のSOAが連続的にスイッチオンされたときにセンシングチャネルによって捕捉されたOTDRトレースである。 図11(C)は、本開示の態様による位相進展のプロットである。 図11(D)は、本開示の態様による、ファイバ♯1および♯2で測定されたそのスペクトルのプロットである。 図11(E)は、本開示の態様による、測定された位相振幅対印加された圧電電圧のプロットである。
図12(A)は、本開示の態様による、レイリー後方散乱のコヒーレント検出に基づくDASと、振動源の速度が勾配によって推測され得る振動によって衝突されたファイバ位置における対応する振幅トレースとを使用して、歩行、サイクリング、および運転についてそれぞれ記録されたウォーターフォールプロットである。 図12(B)は、本開示の態様による、レイリー後方散乱のコヒーレント検出に基づくDASと、振動源の速度が勾配によって推測され得る振動によって衝突されたファイバ位置における対応する振幅トレースとを使用して、歩行、サイクリング、および運転についてそれぞれ記録されたウォーターフォールプロットである。 図12(C)は、本開示の態様による、レイリー後方散乱のコヒーレント検出に基づくDASと、振動源の速度が勾配によって推測され得る振動によって衝突されたファイバ位置における対応する振幅トレースとを使用して、歩行、サイクリング、および運転についてそれぞれ記録されたウォーターフォールプロットである。
例示的な実施形態は、図面および詳細な説明によってより完全に説明される。しかしながら、本開示による実施形態は、様々な形態で具現化されてもよく、図面および詳細な説明に記載された特定のまたは例示的な実施形態に限定されない。
以下は、単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者は、本明細書では明示的に説明または図示されていないが、本開示の原理を具体化し、その精神および範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが理解されよう。
さらに、本明細書に列挙されたすべての実施例および条件付き用語は、読者が本開示の原理および本技術を促進するために本発明者によって寄与された概念を理解するのを助けるための教育目的のためだけのものであることが意図され、そのような具体的に列挙された実施例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。
さらに、本開示の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する本明細書のすべてのステートメントは、その構造的および機能的同等物の両方を包含することが意図される。さらに、そのような均等物は、現在知られている均等物と、将来開発される均等物、すなわち、構造にかかわらず、同じ機能を実行する開発された任意の要素との両方を含むことが意図される。
したがって、たとえば、本明細書の任意のブロック図が、本開示の原理を実施する例示的な回路の概念図を表すことが、当業者には理解されよう。
本明細書で特に明記しない限り、図面を構成する図は、一定の縮尺で描かれていない。
いくつかの追加の背景として、分布型ファイバセンシングは、一般に、光信号を能動的に生成し、それらの信号を光ファイバに取り込み、続いて、ファイバに沿って発生する反射信号を検出する、局の内部に便宜的に及び/又は中央に配置されるインタロゲータシステムを含むシステムおよび方法をさらに記述することから始める。動作上、このようなファイバは、反射信号を介してインタロゲータに環境情報を送り返すか、さもなければ伝える受動リンクとして働く。反射/受信信号を処理することによって、インタロゲータは、ファイバ全体に沿った環境状態に関する情報を導出する。
有利には、分布型ファイバセンシング(DFS)システムは、インフラストラクチャモニタリング、侵入検知、および地震検知を含む環境モニタリングのような広範囲の用途において展開することができる。分布型音響センシング(DAS)および分布型振動センシング(DVS)の場合、後方レイリー散乱効果を使用してファイバ歪みの変化を検出し、一方、ファイバ自体が、光センシング信号をインタロゲータに戻すための伝送媒体として働く。得られた動的歪信号は、その位置情報とともにファイバに沿った振動および音響信号を検出するために使用される。
レイリー散乱はランダム効果であり、信号フェージングの影響を受けやすいので、DASとDVSの両方は、従来の直接検波方式で強い偏波フェージングを経験する。より詳細には、動的ファイバ歪みの検出は、戻された光信号の信号ビーティングを必要とする。ファイバからの戻された光信号は、典型的には、ランダムに偏波され、したがって、信号ビーティング生成物は、偏波配向が整合されていない場合には、フェードすることができる。これは、センシング測定において不安定性を引き起こすか、または「ブラインドスポット」を作り出す。
DASおよびDVSシステム設計におけるさらに別の重要な要因は、インタロゲータのセンシング距離(すなわち、インタロゲータの感知動作への/からの距離)である。後方レイリー散乱信号は、典型的な通信信号と比較して、典型的にはるかに弱く、それらは、一般に、ファイバ伝搬における往復移動のために、2倍のファイバ損失を経験するであろう。EDFAまたはラマン増幅のような光増幅方式は、センシング信号と比較して広帯域である、付加された光ASEノイズでセンシング信号を増幅することができる。光信号を直接検波するには、光学フィルタを介してASEノイズを除去する必要がある。それにもかかわらず、光学フィルタの通過帯域は、典型的には、信号帯域よりも10~100倍広いので、ASEノイズを効果的に除去することはできない。このように、そのようなシステムの性能は、インタロゲータ距離が増加するか、または複数の増幅器がセンシングシステムに使用される場合に、急速に劣化するであろう。
直接検波ベースのDASおよびDVSシステムにおいて、偏波フェージング効果は、センシングシステムの偏波感受性の性質(polarization sensitive nature)を低減することによって軽減することができる。したがって、1つの従来技術のアプローチは、異なるフレームでDVS(位相感知OTDR)システムに適用される直交偏波を有する質問パルスを使用し、直交パルスの測定結果は、最終的なセンシングデータを生成するために平均化される。別のアプローチでは、光FBGによって反射されたビーティング信号を得るために、予め割り当てられた偏波状態を用いたデュアルパルス質問方法を同じフレームで適用した。もちろん、同じ方法をFBGなしのDASに適用することができるが、4つのフレームが、偏波状態のペアに対する全てのビーティング結果を得るために必要とされる。これらの実施態様では、追加のコストのために追加の偏波スイッチング構成要素が必要とされるだけでなく、1つの偏波に敏感でないトレースを得るために複数のフレームが必要とされるので、全体のセンシング速度が低減する。
直接検波DAS/DVSシステムにおける別の欠点は、帯域外ASEノイズは、光検出前に光学フィルタによってきれいにフィルタリングできないことである。残りの広帯域ASEノイズは、二乗則光検出後、ベースバンド付近に戻り、センシング信号と干渉する。位相発生キャリア(phase-generated carrier)と呼ばれる方式は、1つの局所ビーティング光路に位相変調を適用するが、I/Q位相検出のためにビーティング信号をオフセット周波数にシフトする。この方法はまた、ASEビートノイズ効果が最も高いDCから信号をシフトさせる。しかしながら、光検出信号は、フィルタリングが不十分なために、元の光信号と比較して、依然として、はるかに高いノイズフロアを示す。
このようなセンサシステムに関連するこれらおよび他の問題を考慮すると、これらおよび他の注目された問題を取り除くコヒーレント検出ベースのDAS構成を提示する。本開示の態様による発明者らのコヒーレント検出ベースのDASプラットフォームでは、偏波ダイバーシティコヒーレント受信器が、2つの偏波におけるIおよびQ信号を検出し、デジタル化するために使用される。動的ファイバ歪を決定するために差動ビーティングを光学的に行う代わりに、信号ビーティングが、偏波が多様な信号を用いてDSPで行われる。これにより、多重偏波状態対に対するビーティング結果を得ることができ、したがって、偏波誘起フェージング効果を効果的に低減することができる。
従来技術における偏波切替を使用するのと比較して、発明者らのコヒーレントベースの多重偏波DSP処理は、1つの質問フレームのみが必要であるため、より高速なセンシング速度を可能にする。ファイバ通信におけるコヒーレント検出技術の進歩により、市販の統合コヒーレント受信器(ICR)のコストは、方向検出ベースのDAS受信器に匹敵する。偏波スイッチング構成要素を使用する必要なしに、本開示の態様による発明者らのコヒーレントベースのシステムは、かなりのコスト上の利点も提供する。
有利なことに、コヒーレント検出を使用することによって、フィルタリングをより効率的に実行することも可能になる。光検出器は、増幅レイリー反射信号と局部発振器(LO)の積を検出する。このように、光増幅器によって生成されるASE信号は、直接検波の場合のように、増大されて信号帯域に落ちることはない。電気的光検出信号のSNRは、光検出前の光SNRと同じになる。したがって、帯域外ASEノイズは、デジタル化後に電気フィルタとデジタルフィルタにより効果的に除去できる。これは、本開示の態様によるDAS構成に対して(特に長距離又は高空間分解能の用途において)、より高いSNR及びより良い性能を、有利にかつ驚くほどに提供する。
図1は、本開示の態様によるコヒーレント検出を使用する分布型ファイバセンシング配置の例示的なシステムアーキテクチャ構成の概略図を示す。この図に関連して、Δtのパルス幅およびRperiodの繰り返し率を有する光質問パルスは、音響光学変調器(AOM)または半導体光増幅器(SOA)を有利に含む、高消光比を有する光変調器によって生成されることに留意されたい。増幅後、パルスは被測定ファイバ(FUT)に向けられる。FUTから受信したレイリー反射信号は、光サーキュレータを介してコヒーレント受信器に向けられる。光プリアンプおよび光帯域通過フィルタ(OBPF)の後、それ(信号)は、コヒーレント検出のための光ハイブリッドに導かれる。
動作上、狭い線幅(1~10kHz)のレーザが、パルス発生とホモダイン検出の両方で使用され、それによって、LOレーザによって発生される固有の位相ノイズを最小化することができる。市販の光ハイブリッドは、2つの直交偏波および直交位相(0度および90度)でLOを信号と混合し、光検出のための全部で4つの混合信号(xi(t)、xq(t)、yi(t)、およびyq(t))を生成する。光検出器と光ハイブリッドは、集積コヒーレント受信器(ICR)として知られるコヒーレント通信システムにおいて、しばしば一体化される。
発明者らのコヒーレント検出DASプラットフォームの一つの利点は、ASEノイズ除去能力である。典型的な光学フィルタリングは、通過帯域幅の~10GHz程度の狭いものしか提供できない。DAS/DVSシステム信号帯域幅は、典型的には10~100MHzのオーダーであるパルス幅の逆数に比例する。光フィルタリングだけでは、光増幅によって発生する帯域外ASEノイズを完全に除去することはできない。直接検波では、フィルタ処理されていないノイズは、二乗則光検出後に信号帯域に落ち込み、検出信号のSNRを悪化させる。しかしながら、本開示の態様によるコヒーレント検出において、フィルタ処理されていないASEノイズは、光検出後も帯域外にとどまり、次いで、デジタル化前に電気フィルタによって、または4つのADCを使用してデジタル化した後に、DSP内のデジタルフィルタによって除去することができる。
次いで、4つのデジタル化された信号レーンは、xおよびy偏波のための2つの複素値レーンに結合される。任意の周波数オフセット補正が適用され、パルス変調中に作成された周波数オフセットがAOMによって作成された場合、それを除去する。デジタル帯域通過フィルタhBPF[n]を使用して、光学フィルタおよび電気フィルタによって残された残留帯域外ASEノイズを除去することができる。その係数は、インタロゲーションに使用されるパルス幅に応じて最適化できる。図2は、本開示の態様による、コヒーレント検出ベースの分布型ファイバセンシングのための例示的なフロントエンドデジタル信号処理(DSP)の概略図を示す。
次に、2つの別々の位置における複素値レイリー反射信号間のビート積(beat products)を用いて動的フィバ歪を計算する。図3に、本開示の態様による、複素値x[n]及びy[n]からの4つの差動ビート積項(differential beat product terms)の計算を示す一対のプロットを示す。
図3に示すように、m個のサンプルによって分離された、2つの複素値サンプル間のビート積を用いて、ファイバセクションに沿った累積歪みを決定する。従来の直接検波DASでは、物理干渉計を用いて差動ビーティングを得た。この方法は、偏波フェージングの影響を受けやすく、これは2つの位置のレイリー信号が整列していない場合に生じる。発明者らのコヒーレントDASプラットフォームでは、レイリー信号を二つの直交偏波で捕捉できるので、DSPで、全部で4つのビーティング積
Figure 0007220288000001
を一度に計算することができ、それらの全てをファイバ歪計算に使用し、偏波フェージングを避けることができる。コヒーレントDASプラットフォームを使用する別の利点は、ゲージサンプル長mをDSP内で動的にチューニングできることであり、したがって、歪み測定の感度と空間分解能を適用要件に応じて調整できる。
4つのビート積項
Figure 0007220288000002
をフレームごとに取得した後、発明者らのアルゴリズムは、各インタロゲーションフレームで受信されたように、位置の直列シーケンスからのビート信号の各々を、図4に示すように、並列位置シーケンスに変換する。図4は、本開示の態様による、ビート積信号を位置に関して直列から並列に変換するプロセスをグラフィカルに示す。プロセスの出力は、データトレースを
Figure 0007220288000003
のビート積ベクトルに配置する。出力トレースのサンプリングレートは、インタロゲーションの繰り返しレートであり、フレームレートとして知られている。
次に、並列化したビート積ベクトルを各異なる位置で別々に処理し、動的ファイバ歪みを計算する。多重偏波状態合成と呼ばれる方法は、図5に示されるように、たった1つの
Figure 0007220288000004
に4つのビート積結果
Figure 0007220288000005
を適切に重み付けし、組み合わせることによって、DASシステムにおける偏波フェージングを緩和する上で鍵となる。図5は、本開示の態様による多重偏光状態合成の方法を示す。
まず、ローパスフィルタhLPF[m]を用いて、4つのベクトルそれぞれの平均を求める時間平均化ステップを行う。次に、平均化されたベクトルの複素共役は、4つの積の全てが合計される前に、内積(inner product)を使用して対応するベクトルと乗算される。内積乗算は、2つの機能を実行する。第1に、内積乗算は、4つのベクトルの各々に重み付けを提供し、より大きなビーティング値(より少ないフェード)を有するものが、より多く最終結果に寄与するようにする。第2に、内積乗算は、4つのベクトル全てを回転させ、全てが同じ方向を指し、したがって、それらは、信号キャンセルなしに加算できる。この工程の後、1つの複素値ベクトル
Figure 0007220288000006
のみが、位置pにおけるファイバ歪み信号を表す。
MPSB処理後、最も高い空間解像度を維持するか、または空間解像度を低減するために追加の空間平均化を行うかを決定することができる。出力処理において、DASシステムのために何を表示することができるかを決定することができる。複素値ベクトルに対して処理を行うか、複素ベクトルの位相をとるかのいずれかを選択することができる。カラー2Dマップは、距離と時間に対するパワーの動的歪みパワーをプロットし、いわゆる「ウォーターフォールプロット」となる。スペクトログラムは、FFT後のスペクトルパワーを距離と周波数に対してプロットすることによって得ることができる。または、表示のために、時間的または周波数トレースを関心のある位置に直接プロットすることができるだけである。
本開示の態様によるコヒーレントDASプラットフォームの1つの追加の特徴は、DVSまたは位相検出OTDRとして機能するように修正することもできることである。差動ビート積を計算する代わりに、図2のx[n]とy[n]の合成電力を計算することができる。得られた信号は、直接検波DVSにおける光検出信号と物理的意味が同じであるが、コヒーレント検出プラットフォームは、はるかに高いSN比でさらなる信号フィルタリングを行うことを可能にする。この特徴は、DSPリソースが限られているが、振動検出のために高いSNRが必要とされる用途において有用である。
用途-環境モニタリング
図6は、双方向デュアル使用ファイバアーキテクチャの例示的配置の概略図を示し、ここで、本開示の態様による非線形相互作用を緩和するために、通信およびセンシング用途が異なる波長上に共存し、センシングパルスおよび通信チャネルが光ファイバ内で異なる方向に伝搬する。
双方向デュアル使用ファイバアーキテクチャ。図6は、データ通信チャネルおよびDFOSが同じ光ファイバ上に共存する双方向デュアル使用ジシステムの本開示の態様によるアーキテクチャを示す。このシステムは、2つのノード間の双方向通信をサポートするファイバ対を含み、この2つのノードは、データセンタまたはアドドロップ/リピータサイトに配置することができる。
観測できるように、通信チャネルおよびセンシングパルスが、各ファイバ内で反対方向に移動して相互の非線形干渉を低減し、両システムが低損失でCバンドで動作することを可能にする。このような構成によれば、ダイプレクサは、通信およびセンシング信号を多重化/逆多重化するために使用される。これは、有利には、図(下)に示すように、ブースタ増幅器からの帯域外増幅自然放出(ASE)ノイズが、実質的に低い電力で通信チャネルと共伝搬するDFOSシステムの弱いレイリー逆反射をスワップするのを防止する。通常、ケーブル毎に1つのファイバセンシングインタロゲータしか必要とされない。図に示すように、バックアップシステムとして、または異なる環境パラメータ、例えば温度に対する異なるDFOSシステムとして、戻りファイバ上に第2のDFOSシステムを配置することが可能である。
光ファイバセンサ用途-侵入検知。図7(A)は、フェンスに取り付けられたDOFSシステムの写真図である。図7(B)は、本開示の態様による機械学習によって分類することができる、異なる振動事象について記録された一連の「ウォーターフォール」プロットを示す。
光ファイバセンサの一つの重要な用途は、重要施設における不正侵入の検出である。ペリメータフェンス上に光ファイバケーブルを敷設する(図7(A))ことにより、従来の防犯カメラの配備に比べ、低コストで広域にわたる振動を検出することができる。侵入検出における重要な課題は、自然環境(風、雨など)の摂動ならびに小動物の動きによって引き起こされる誤警報を抑制することである。これは、光ファイバセンサがパワー人工知能(AI)を利用して異なる事象を分類できるところである。
図7(B)は、実験的なレイリーベースの分布型振動センサ(DVS)によって測定された「ウォーターフォールプロット」上に見られる異なる振動パターンの実施例を示す。光ファイバセンサは生データを生成し、生データはトレーニングやイベント分類のためにAIに供給される。
光ファイバセンサ用途-道路交通監視。本開示の態様による光ファイバセンサ配置のための第2の用途は、車両交通の監視である。これは、多くの光ファイバケーブルが主要幹線道路の近くに配備されるので、特に魅力的であり、実行可能である。車両交通は、時間とともに位置が変化する振動を作り出す。
図8(A)は、車両の交通パターンをウォーターフォールプロットであり、図8(B)は、車両の方向および平均速度を決定するための例示的な機械学習フローを示し、図8(C)は、DOFSシステムに対して対向伝播するPS-144QAMチャネルの一対のコンステレーション図を示し、すべて本開示の態様による。
図8(A)のウォーターフォールプロットは、首都圏の55kmファイバケーブル上のレイリーベースのDVSを使用して記録された。横軸と縦軸はそれぞれファイバの位置と時間を示す。したがって、車両の速度は、振動の特徴の勾配から推測することができる。すなわち、急な勾配は、より遅い交通(渋滞)を示し、浅い勾配は、より速い交通(スムーズな流れ)を示す。正および負の勾配は、異なる進行方向を示す。侵入検知と同様に、図示のような「ウォーターフォールプロット」は、AIのトレーニングデータとして使用することができ、そして、図8(B)に例示されているように、高い精度で平均車両速度をモニタリングすることができる。
この実験的フィールド試験では、DFOS適用は、92×48のG帯域チャネルの各々がネットデータレート≧400Gb/sおよび8.3b//Hzの平均スペクトル効率(SE)でPS144QAMを搬送する高密度WDM(DWDM)トラフィックの全C帯域38-Tb/s伝送と共存した。同時DOFSを可能にするために、図7に3つの50GHzチャネルのスペクトルホールをリザーブした。
図8(C)は、背中合わせ構成で、かつ110km伝播後(2つの55kmスパンが連結され、スパンの1つに双方向アーキテクチャが実装されている)のPS-144QAMのうちの1つのコンスタレーション図を示す。センシングパルスの発射パワーは、通信とDOFSシステムの両方の最適動作のために調整した。センシングパルスの存在は、伝送チャネルの信号品質に知覚可能な差を生じなかった。エラーフリー動作(pre-FEC BER < 2.2x10-2)を達成し、この方式の実現可能性を実証した。
光ファイバセンサ用途-インフラストラクチャヘルスモニタリング。本開示の態様によるシステムの第3の用途は、ブリッジなどの主要インフラストラクチャの状態(health)を監視することである。構造物の固有振動数は、各振動数に伴う減衰特性と同様に、物理的劣化に伴って変化する。したがって、振動特性のこれらの変化のリアルタイムモニタリングにDOFSを使用することが可能である。まず、人間の検査の助けを借りて、基準構造の劣化の異なる状態に対する訓練データセットが生成される。AIが生データ上でトレーニングされると、単一の光ケーブルによって横断されるときに、多数の類似の構造を低コストで監視することが可能である。
図9(A)は、ブリッジ構造の状態を監視するDOFSの例示的な適用の概略図であり、図9(B)は、リノベーションの前後の「異常スコア」の分布を示すブリッジの状態のAI分類の棒グラフを示し、本開示の態様による。図9(B)は、日本の鉄道ブリッジについて記録されたフィールドデータを示す。修理の前後の「異常スコア」の分布について明確な差が観察され、RAPID機械学習を使用して構造の状態の1クラス分類を可能にする。
用途-PON経由の光ファイバセンシングおよびモバイルフロントホール。当業者には容易に認識され理解されるように、集中無線アクセスネットワーク(C‐RAN)アーキテクチャは、5Gモバイルフロントホール通信を提供する際に重要な役割を果たす。受動光ネットワーク(PON)を用いて、大量のバックホールファイバを配備することなく、遠隔無線ヘッド(RRH)のクラスタから集中ベースバンドユニット(BBU)へ接続を行うことができ、従って好ましい選択である。配備されると、C‐RANは、都市および郊外において数マイルごとに分配され、人口の多いエリアにおいてカバレージを提供する。通信事業者にとっては、投資を保護するためのネットワークインフラストラクチャモニタリング能力を持ち、高密度に分布したネットワークから環境データを収集することによって付加価値を求めることが必要である。分布型光ファイバセンシング(DFOS)システムは、インフラストラクチャの状態監視、交通識別、および地震検出などの広範囲の用途に使用することができる。
前述したように、分布型音響センシング(DAS)では、光パルス列がファイバ内に発射され、レイリー後方散乱がファイバ歪みの動的変化を測定するために使用される。電気通信と比較して、後方散乱のラウンドトリップの性質は、損失がdBで2倍になるので、DASをケーブルに沿った信号減衰に対してより敏感にする。これにより、PON上のDASは困難になる。これは、通常、PONは、スプリッタ比率が1×32または1×64の受動スプリッタを使用して、フィーダケーブルからの信号を、広い地理的エリアに広がっている顧客に「ラストマイル(last mile)」接続を提供する分布ケーブルに分配するためである。1×32のスプリッタ単独のラウンドトリップ損失は~30dBであるため、光回線端末(OLT)とエンドユーザの光ネットワークユニット(ONU)の間のラウンドトリップ損失は通常~40dBであり、DFOSシステムを実装することは困難である。すべてのONUにDOFSインタロゲータを配置することは高費用過ぎるため、信号対ノイズ比(SNR)をブーストし、かつ、PONスプリッティング損失を克服してOLTからのインタロゲーションを可能にするために、パルス信号符号化が最初に探索された。しかしながら、このアプローチは、受動スプリッタの後に個々の分布ファイバを識別することができない。別のアプローチでは、ブルリアン後方散乱に基づくDOFSは、それぞれが異なるブルリアン周波数シフトを持つ、経路毎に異なるファイバを用いることにより、個々の分布ファイバの識別を可能にした。しかしながら、このようなスキームを実施することは、非常にコストがかかり、既に配備されている既存のPONと互換性もない。
このことを念頭に置いて、ONUにおいて低コストの反射型半導体光増幅器(RSOA)を追加することにより、本開示の態様によるDFOSと互換性があるPONを作ることが可能であることを示す。各ONUで外部制御がRSOAをオン/オフして各個別分布ファイバ上のDOFSを可能にする時間領域多重化(TDM)方式を使用することが有利である。ここで示し、記述するように、発明者らは、異なる分布ファイバ上に2つの圧電振動源を配置し、干渉なしでそれらを同時に測定した場合、1mの分解能でDASを成功裏に実施したので、発明者らの実験結果は、1×32のスプリッタのラウンドトリップ損失を克服することができたことを示す。また、道路横の埋設ケーブルについても、同様のシステムを用いて、歩行者及び車両交通からの振動を検知することができた。DASシステムは、フロントホールアクセスに使用できる双方向PAM4ベースの10Gb/s通信リンクと共存した。
ハイブリッドデータ伝送/センシングPONアーキテクチャ。図10(A)は、波長マルチプレクサ/デマルチプレクサが、アップストリーム(US)およびダウンストリーム(DS)およびセンシングチャネルを結合し、各ONUにおける反射型SOAが、各個々の分布ファイバ上のDOFSを可能にする、DOFS対応のPONのための例示的な実験装置の概略図であり、図10(B)は、USおよびDSスペクトルを示す電力対波長のプロットであり、いずれも本開示の態様による。
図10(A)に示したハイブリッド伝送/センシングPONアーキテクチャは、光回線端末(OLT)、センシングチャネル(1550nm)、および10Gb/sのアップストリーム(1561nm)およびダウンストリーム(1546nm)のチャネルが、波長マルチプレクサを使用して結合されることを示す。PONは、4.4kmのスプールフィーダファイバ、続いて1×32の受動スプリッタ、続いて1.6km長の分布ファイバから構成される。光ネットワークユニット(ONU)は波長デマルチプレクサで構成され、アップストリーム(US)とダウンストリーム(DS)のポートはそれぞれ、PAM4の受信器(Rx)と送信機(Tx)に接続され、センシングポートはRSOAによって終端される。RSOAが1つの特定のONUでオンされると、順方向伝搬センシングパルスは増幅され反射され、それ自身の光時間領域反射率測定(OTDR)信号を生成する逆方向伝搬センシングパルスになる。この二次OTDR信号は、最初、順方向伝搬し、RSOAに衝突すると増幅され、OLTに向かって反射する。
図11(A)は、6-Gbaud PAM-4信号に対するBER対受信電力のプロットであり、図11(B)は、分布ファイバ♯1および♯2のSOAが連続的にスイッチオンされたときにセンシングチャネルによって捕捉されたOTDRトレースであり、図11(C)は、位相進展のプロットであり、図11(D)は、ファイバ♯1および♯2で測定されたそのスペクトルのプロットであり、図11(E)は、測定された位相振幅対印加された圧電電圧のプロットであり、すべて本開示の態様による。
OLTで測定したOTDRトレースのサンプルを図11(B)に示す。オンにされている1つのONUのRSOAに対応する各「フレーム」において、トレースの初期部分(A)は、フィーダファイバのレイリー後方散乱である。次いで、1.6kmの分布ファイバ(B)の弱い後方散乱(1×32のスプリッタによる)が続く。逆方向伝搬センシングパルスによって作られた分布ファイバの増幅された二次後方散乱は、(C)に従う。示したアーキテクチャを使用して、そのONU内のRSOAをオン/オフすることによって、各分布ファイバに選択的に質問することができる。本開示の態様によれば、OLTにおいてマスタコントローラを使用して、RSOAをオン/オフすることができる。特定の分布ファイバが質問されると、他のすべてのONUにおけるRSOAは、それらが所望の分布ファイバのOTDRと干渉しないようにオフにされなければならない。31本の他の分布ファイバの各々は、順方向伝搬センシングパルスからのレイリー後方散乱に寄与するので、これらの合計は、図11(B)の(B)と重複する干渉である。この干渉がDASに使用される所望の部分(C)に広がらないことを保証するために、全ての分布ファイバが同じ長さであることを保証することが必要である。
実験結果は、まず、図10(A)に示すハイブリッドPON/DASアーキテクチャ上で6-Gbaud PAM4の伝送を行うことによって決定された。図11(A)は、センシング信号が存在する場合と存在しない場合の、バックツーバック(back-to-back)、アップストリームおよびダウンストリームの伝送のためのBER対受信電力を示す。低い累積波長分散(CD)のために、観察可能な伝送ペナルティはない。加えて、センシングパルス列の存在は、性能上、無視できるほどの影響であり、発明者らの方式におけるデータ伝送のセンシングとの適合性を証明した。
2018年1月、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、5Gフロントホールに使用されるイーサネット(登録商標)共通公衆無線インタフェース(eCPRI)に関する仕様の第1版を発表した。25G eCPRIは、ほぼ確実に、5Gフロントホールインタフェースとして指定されている。25Gシングルチャネルインタフェースは、5Gフロントホールの主流インタフェースとなる。DOPS関数の正しい動作を検証するために、レイリー後方散乱のOTDRをコヒーレントに検出することによって、分布音響センシング(DAS)を行った(図11(B))。図に示すように、2つの圧電ファイバストレッチャが、2本の分布ファイバの入力に挿入される。
各ファイバストレッチャの駆動信号は、振幅5V、周波数100Hz、133Hzにそれぞれ設定されている。100ns持続時間(空間分解能~1m)のセンシングパルスを10kHzの繰返し率でPONに発射した。2本の分布ファイバの端部のRSOAは、1パルスおきに連続的にオンになり、その結果、各ファイバで5kHzの音響サンプリングレートが得られる。音響信号により発生した光位相変化は、コヒーレントOTDRのオフラインのデジタル信号処理(DSP)によって測定される。フロントエンドDSP動作は、2mの差分長を有する干渉計の再サンプリング、フィルタリング、およびDSPエミュレーションを含む。そして、各距離における差動ビート信号のパワーを正規化し、続いて帯域通過フィルタリングを行って、異なるファイバ位置に対する時間における振動振幅の進展を示す「ウォーターフォールプロット」を生成する。5kHzのフレームレートは、2.5kHzまでの音響周波数を測定できることを意味する。
図11(C)は、各分布ファイバ(振幅~4.3rad)について圧電ストレッチャーの位置で測定された音響位相を示す。図11(D)は、同じ位置における音響スペクトルを示す。ノイズフロアは、~0.35
Figure 0007220288000007
の歪みレベルに対応する。分布ファイバの1つで駆動信号の振幅を掃引し、音響位相の振幅を測定し、その結果を図11(E)に示す。
最後に、DOPSを使用して、1×32のスプリッタの出力と分布ファイバのうちの1つとの間に400m長の埋め込み光ファイバケーブルを接続することによって、現実世界の振動を測定した(図10(A))。ケーブルは、約50cmの深さに埋設されている。(a)歩行する、及び(b)~1mの距離で埋設ケーブルのそばをゆっくりサイクリングする、並びに(c)~5mの距離でケーブルのそばを運転することによって発生した振動を測定した。
図12(A)、図12(B)、および図12(C)は、本開示の態様による、レイリー後方散乱のコヒーレント検出に基づくDASと、振動源の速度が勾配によって推測され得る振動によって衝突されたファイバ位置における対応する振幅トレースとを使用して、歩行、サイクリング、および運転についてそれぞれ記録されたウォーターフォールプロットである。
図に示されるように、「ウォーターフォール」プロットがDOPSによって記録され、実数/虚数波形が、示される位置で記録される。ウォーターフォールプロットの勾配は、振動源の速度を推測するために使用できる。急勾配/浅勾配は、それぞれ低速/高速の動きに対応する。歩行、サイクリングおよび運転の推定速度は、それぞれ~0.5m/s、2.5m/sおよび10m/sであった。この時点で、発明者らは、10Gb/sでの同時5Gモバイルバックホール伝送および各分布ファイバの分布型光ファイバセンシングを可能にする新しいPONアーキテクチャを実証した。可能にする技術は、各ONUに配置されたRSOAであり、これを選択的にオンにして、各分布ファイバに質問可能な逆方向伝搬センシングパルスを発生させることができる。アップストリームおよびダウンストリームのデータチャネル、ならびにセンシングチャネルは、3つの別個の波長上に共存する。このアーキテクチャを用いたコヒーレントOTDRに基づく分布型音響センシング(DAS)の実証に成功した。
この時点で、いくつかの特定の例を使用して本開示を提示したが、当業者は、本教示がそのように限定されないことを認識するであろう。従って、この開示は、本明細書に添付される特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。

Claims (13)

  1. ある長さの光ファイバと、
    光パルスを発生し、それら光パルスを前記光ファイバに取り込み、前記光ファイバから、前記光ファイバに沿って発生する前記光パルスのレイリー反射信号を受信する光インタロゲータユニットと、を有する、改良された光ファイバセンシングシステムにおいて、
    前記受信したレイリー反射信号から光検出のための4つの混合信号(x i (t)、x q (t)、y i (t)、y q (t))のセットを生成し、該4つの混合信号を個別にデジタル化し、該4つのデジタル化された信号を結合して2つの複素値信号とし、前記光ファイバの長さに沿った2つの位置で前記複素値信号間のビート積を用いてファイバ歪みを決定するように構成されたコヒーレント受信器のユニットを有し、
    前記コヒーレント受信器は、増幅された自然放出(ASE)ノイズが分散型音響センサ(DAS)信号または分散型振動センサ(DVS)信号と干渉しないように構成されていることを特徴とする改良された光ファイバセンシングシステム。
  2. 共通の(同一の)レーザ源が、インタロゲータパルスの生成に用いられ、かつ前記コヒーレント受信器のための局部発振器(LO)として使用されることをさらに特徴とする、請求項1に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  3. 両偏波でI/Qビーティング信号の両方を受信する90度ハイブリッドを有することをさらに特徴とする、請求項2に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  4. 帯域外ノイズ信号を除去するための1つ以上の電気フィルタを有することをさらに特徴とする、請求項1に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  5. 当該システムは、二重偏波I/Q信号から複数の差動ビート積項を決定するように構成されることをさらに特徴とする、請求項3に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  6. 当該システムは、電気的/デジタルフィルタリングに続くデジタル信号処理(DSP)を介して両偏波で前記I/Qビーティング信号からの光信号パワーを決定するように構成されていることをさらに特徴とする、請求項3に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  7. 前記レイリー反射信号がレイリー後方散乱信号であり、前記レイリー後方散乱信号は侵入検出を示すことをさらに特徴とする、請求項1に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  8. 前記レイリー反射信号がレイリー後方散乱信号であり、前記レイリー後方散乱信号はインフラストラクチャ要素の状態を示すことをさらに特徴とする、請求項1に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  9. 前記光ファイバは、受動光ネットワーク(PON)の一部であり、光ファイバセンシング信号と連動した同時データ伝送をサポートすることをさらに特徴とする、請求項1に記載の改良された光ファイバセンシングシステム。
  10. ある長さの光ファイバと、光パルスを発生し、それら光パルスを前記光ファイバに取り込み、前記光ファイバから、前記光ファイバに沿って発生する前記光パルスのレイリー反射信号を受信する光インタロゲータユニットと、を有する、光ファイバセンシングシステムのための光ファイバセンシング方法であって、
    前記受信したレイリー反射信号から光検出のための4つの混合信号(x i (t)、x q (t)、y i (t)、y q (t))のセットを生成し、
    前記4つの混合信号を個別にデジタル化し、該4つのデジタル化された信号を結合して2つの複素値信号とし、
    前記光ファイバの長さに沿った2つの位置で前記複素値信号間のビート積を用いてファイバ歪みを決定することを含み、
    前記レイリー反射信号は2つの直交偏波で受信され、4つのビーティング積
    Figure 0007220288000008
    が同時にデジタル信号プロセッサで決定され、該4つのビーティング積のすべてが前記ファイバ歪みの決定に使用される、光ファイバセンシング方法。
  11. ビート積ベクトル
    Figure 0007220288000009
    が前記光ファイバの各位置で別々に処理されて当該位置の動的ファイバ歪みが決定されるように、ビート信号を前記光ファイバに沿った位置の直列シーケンスから並列位置シーケンスに変換することを含む、請求項10に記載の光ファイバセンシング方法。
  12. 前記ビート積ベクトル
    Figure 0007220288000010
    を組み合わせて単一の結果
    Figure 0007220288000011
    にすることを含む、請求項11に記載の光ファイバセンシング方法。
  13. ローパスフィルタを使用して前記ビート積ベクトル
    Figure 0007220288000012
    を平均化し、各ベクトルの平均を決定し、平均化されたベクトルの複素共役に、内積を使用して対応するベクトルを乗算し、前記4つのビーティング積を合計して、1つの単一の結果のベクトル
    Figure 0007220288000013
    が位置pにおける前記ファイバ歪みを表すことを含む、請求項12に記載の光ファイバセンシング方法。
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