JP7219850B1 - 紫外線遮光用インク組成物、及びそれを用いたエンボス表面を有する基材の製造方法 - Google Patents

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【課題】紫外線を適度に遮光することができる印刷層を形成することができる、インクジェット印刷用の紫外線遮光用インク組成物を提供すること;及び、当該インク組成物を用いて、所望のエンボス表面を有する基材を製造する方法を提供すること。【解決手段】インクジェット印刷するための紫外線遮光用インク組成物であって:55.0質量%以上の光重合性モノマーと、3.0質量%以上かつ15.0質量%未満の紫外線吸収剤と、10.0質量%以上かつ30.0質量%未満の非重合性材料とを含み、前記光重合性モノマーにおける多官能モノマーの含有割合が、前記光重合性モノマーに対して50.0質量%以上であるインク組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線を遮光するための印刷層を形成するためのインク組成物(紫外線遮光用インク組成物)、及びそれを用いてエンボス表面を有する基材を製造する方法に関する。
物品の表面に凹凸模様を施すためのエンボス加工方法が知られている。例えば、紫外線遮断性インクを印刷した透明ベルトなど通して、被加工物表面に塗布された紫外線硬化性樹脂組成物に紫外線を照射して、紫外線硬化性樹脂組成物の一部だけを硬化させてエンボス状に加工する方法(特許文献1);基板に塗布した光硬化性樹脂塗料に、紫外線吸収剤を混入したインクを印刷し、光を照射することによって、印刷部分を凹状にしてエンボス状に加工する方法(特許文献2);物体表面の模様部分に紫外線吸収剤を存在させ、さらに紫外線硬化型不飽和ポリエステル樹脂膜を塗布した後に、紫外線を照射することで樹脂膜の一部を硬化させて凹凸状にする方法(特許文献3及び4);紫外線吸収剤を含むインクで印刷された模様面に、紫外線感光硬化樹脂膜で被覆した後、紫外線を照射することで樹脂膜を硬化させ、印刷模様に合致した凹部を形成することでエンボス状に加工する方法(特許文献5)などが知られている。
さらに近年では、インクジェット印刷技術などを用いたデジタルエンボス加工方法も提案されている。デジタルエンボス加工によれば、様々なエンボス形状を簡便かつ低コストで作成することができる。例えば、所望の形状をスキャナーで読み込み、それをインクジェット印刷で再現することで、多種多様な加工製品を少量生産することもできる。
デジタルエンボス加工方法として、例えば、加工対象物(1)の表面に形成した液状層(2)に、アクリレート化合物からなる液滴(3)をデジタルテンプレート(digital template)に合わせてスプレーして、更に液状層(2)と液滴(3)をUV硬化させることで加工対象物(1)の表面を形状加工する方法(特許文献6);物体表面に光重合性を有する樹脂膜Aを塗布形成し、樹脂膜Aの表面の一部に、光架橋性モノマー又はオリゴマーを含む液体Bを塗布して、樹脂膜A及び液体Bを重合させ、液体Bの重合物と樹脂膜Aの硬化物の一部を機械的に除去することで、三次元構造(three dimensional structure)を有する樹脂膜Aの硬化物を得る方法(特許文献7、8);などが提案されている。
また、紫外線吸収剤と膜形成能を有する樹脂とを含有する、画像を保護するための保護液を、画像にインクジェット印刷することで画像を光劣化から保護する方法が知られている(特許文献9)。
特開昭53-51253号公報 特開昭48-4602号公報 特開昭48-64163号公報 特開昭50-3139号公報 特開昭48-22143号公報 欧州特許第3109056号明細書 国際公開第2020/039361号 国際公開第2018/069874号 特開2000-225695号公報
前述の通り、光硬化後の樹脂層の一部を機械的に除去する工程を含むデジタルエンボス加工方法が提案されているが(特許文献7及び8参照)、これらの方法によって所望のエンボス形状を得ることは困難であった。すなわち、紫外線を遮光するために印刷されたインク組成物が:1)紫外線を十分に遮光できずに、光重合性樹脂からなる下地層を完全に光硬化させてしまい、下地層を除去することができなかったり;2)紫外線を過剰に遮光してしまい、光硬化させるべき光重合性樹脂からなる下地層を十分に硬化させることができずに液状として残存してしまい、下地層を必要以上に除去してしまったり;3)インク組成物がインクジェットで印刷するための印刷適性を有しておらず、適切にインクジェット印刷をすることが困難であったりする場合があった。
そこで本発明は、まず、インクジェット印刷することができ、かつ紫外線を適度に遮光することができる印刷層を形成することができる紫外線遮光用インク組成物を提供することを課題とする。更には、当該紫外線遮光用インク組成物を用いて、所望のエンボス表面を有する基材を製造する方法を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、以下に示す紫外線遮光用インク組成物に関する。
[1]インクジェット印刷するための紫外線遮光用インク組成物であって:
前記インク組成物に対して、55.0質量%以上の光重合性モノマーと、3.0質量%以上かつ15.0質量%未満の紫外線吸収剤と、10.0質量%以上かつ30.0質量%未満の非重合性材料とを含み、
前記光重合性モノマーにおける多官能モノマーの含有割合が、前記光重合性モノマーに対して50.0質量%以上である、紫外線遮光用インク組成物。
[2]前記非重合性材料は、非重合性高分子化合物と、非重合性低分子化合物と、を含む、前記[1]に記載の紫外線遮光用インク組成物。
[3]光重合性化合物を含む未硬化状態のコート膜にインクジェット印刷するための、前記[1]又は[2]に記載の紫外線遮光用インク組成物。
[4]前記コート膜が光重合開始剤を含む、前記[3]に記載の紫外線遮光用インク組成物。
また本発明は、以下に示すエンボス表面を有する基材の製造方法に関する。
[5]基材上にコーティングされた、光重合性化合物を含む未硬化状態のコート膜に、[1]に記載の紫外線遮光用インク組成物をインクジェット印刷する工程Aと;前記紫外線遮光用インク組成物で印刷された前記コート膜に、紫外線を照射する工程Bと;前記紫外線遮光用インク組成物で印刷された領域の前記コート膜を除去する工程Cと、を具備する、エンボス表面を有する基材の製造方法。
[6]前記コート膜の厚みが30μm以上である、前記[5]に記載の製造方法。
[7]前記工程Cは、機械的に除去する工程である、前記[5]又は[6]に記載の製造方法。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、光重合性樹脂からなる下地層(コート膜ともいう)にインクジェットにより印刷することができ;当該印刷層上から紫外線を照射すると、当該印刷層自体が重合して固化するとともに、当該印刷層が下地層への紫外線照射を適度に遮ることで、下地層を完全に硬化させることなく、半硬化の状態で固化させることができる(つまり、完全には光硬化されないが固化可能な程度に光硬化される)。一方で、紫外線遮光用インク組成物で印刷されていない領域の下地層は、紫外線照射により完全に光硬化されるため;下地層の硬化物の硬度の違いにより、下地層の一部を機械的に除去することができる。その結果、凹凸模様が形成しやすく、物品に所望のエンボス加工を施すことができる。
エンボス表面を有する基材の製造フローを示す図である。 得られたエンボス形状を示す図(写真)である。図2における1はアルファベット文字の “S” を作図した例;2は “A” を作図した例;3は “K” を作図した例;4は “A” を作図した例である。
[1.紫外線遮光用インク組成物]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、1)光重合性モノマーと、2)紫外線吸収剤と、3)非重合性材料と、を含み、更に4)他の成分を含んでいてもよい。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、インクジェット法で印刷されたのち、紫外線を照射されることで光重合性モノマーが重合して固化することができるが、その固化の程度は、機械的に除去可能な程度の固化である。また、本発明の紫外線遮光用インク組成物は、紫外線吸収剤を含有するため、紫外線遮光用インク組成物の印刷層が形成された領域の下地となる層(下地層)に紫外線が過剰に照射されないようにすることができる。その結果、下地層が光硬化される樹脂で構成されていたとしても、完全には硬化されずに、機械的に除去可能な程度に下地層を半硬化の状態とすることができる。
[1-1.光重合性モノマー]
紫外線遮光用インク組成物に含まれる光重合性モノマーは、光ラジカル重合性を有するモノマー、又は光カチオン重合性を有するモノマーであることが好ましく;光ラジカル重合性を有するモノマーであることがより好ましい。紫外線遮光用インク組成物は、少なくとも多官能の光重合性モノマーを含み、多官能の光重合性モノマーと単官能の光重合性モノマーとを組み合わせて含んでいてもよい。
[1-1-1.多官能の光重合性モノマー(多官能モノマー)]
多官能の光重合性モノマーとは、エチレン性不飽和結合を2つ以上備えた化合物である。多官能の光重合性モノマーは、例えば下記の多官能(メタ)アクリレート系化合物やビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物などである。
多官能(メタ)アクリレート系化合物は、2官能であっても、3官能以上であってもよい。2官能の(メタ)アクリレート系化合物の例には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオ-ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2-メチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレートなど、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトールなどの多価アルコールのジ(メタ)アクリレートなどが含まれる。
3官能の(メタ)アクリレート系化合物の例には、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなど;及びこれらの3EO(エチレンオキサイド)変性物、6EO変性物、9EO変性物(3EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3EO変性トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、3EO変性トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレートなど)が含まれる。
4官能以上の(メタ)アクリレート系化合物の例には、トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレートなどが含まれる。
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物の例には、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1-ビニロキシメチルプロピル、(メタ)アクリル酸-2-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-3-メチル-3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジメチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸-6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸-4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-3-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-2-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸-p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-m-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-o-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)エチルなどが含まれる。
紫外線遮光用インク組成物に含まれる多官能の光重合性モノマーは、その臭気が抑制されたモノマーであることが好ましい。紫外線遮光用インク組成物は、光照射によって半硬化の状態になり、完全には硬化されないからである。多官能の光重合性モノマーは、好ましくは、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(2官能)、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート(2官能)、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(3官能)などが例示される。
[1-1-2.単官能の光重合性モノマー(単官能モノマー)]
単官能の光重合性モノマーは、例えば、不飽和カルボン酸系化合物、アルキル(メタ)アクリレート系化合物、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、ハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物、エーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物、その他の(メタ)アクリレート系化合物、スチレン系化合物、N-ビニル系化合物、アリレート系化合物、その他のエチレン性不飽和結合を1つ備えた化合物である。
単官能の不飽和カルボン酸系化合物の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸、それらの塩及びそれらの酸無水物などが含まれる。
単官能のアルキル(メタ)アクリレート系化合物の例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが含まれる。
単官能のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物の例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、2-エチルヘキシルEO変性(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールEO変性アクリレート、p-クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレートなどの(ポリ)アルキレングリコール変性(メタ)アクリレート類などが含まれる。
単官能のハロゲン含有(メタ)アクリレート系化合物の例には、トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、2,2,2-トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H -ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2,6-ジブロモ-4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6-トリブロモフェノール3EO(エチレンオキサイド)付加(メタ)アクリレートなどが含まれる。
単官能のエーテル基含有(メタ)アクリレート系化合物の例には、1,3-ブチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、クレジルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸-2-(ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート(EO繰返し単位数400、700など)、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート(エトキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレートなど)、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート(エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレートなど)、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、エトキシ化コハク酸(メタ)アクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレートなどのアルコキシ系及び又はフェノキシ系(メタ)アクリレート類などが含まれる。
単官能のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物の例には、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2-(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレートなどが含まれる。
その他の単官能の(メタ)アクリレート系化合物の例には、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシエチル(メタ)アクリレート、ジフェニル-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、カプロラクトン変性-2-(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシ-1-(メタ)アクリロキシ-3-メタクリロキシプロパン、アクリオロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトールアクリレート、エチルジグリコールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド4級塩、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、クレゾール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、(2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル(メタ)アクリレート、1-(メタ)アクリロイルピペリジン-2-オン、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル、N-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、γ-ブチロラクトン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、イミドアクリレート、(メタ)アクリル酸ビニル、マレイミドなどが含まれる。
単官能のスチレン系化合物の例には、スチレン、ビニルトルエン、p-ヒドロキシスチレン、p-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブトキシスチレン、p-t-ブトキシカルボニルスチレン、p-t-ブトキシカルボニルオキシスチレン、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテン、ジビニルベンゼンなどが含まれる。
単官能のN-ビニル系化合物の例には、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニルカルバゾール、ビニルメチルオキサゾリジノンなどが含まれる。
単官能のアリレート系化合物の例には、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、イソシアヌル酸トリアリレートなどが含まれる。
その他の単官能モノマーの例には、酢酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバル酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、アジピン酸ジビニル、クロトン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、三員環化合物類(例えば、ビニルシクロプロパン類、1-フェニル-2-ビニルシクロプロパン類、2-フェニル-3-ビニルオキシラン類、2,3-ジビニルオキシラン類など)、環状ケテンアセタール類(例えば、2-メチレン-1,3-ジオキセパン、ポジオキソラン類、2-メチレン-4-フェニル-1,3-ジオキセパン、4,7-ジメチル-2-メチレン-1,3-ジオキセパン、5,6-ベンゾ-2-メチレン-1,3-ジオセパンなど)などが含まれる。
紫外線遮光用インク組成物に含まれる単官能の光重合性モノマーは、その臭気が抑制されたモノマーであることが好ましい。紫外線遮光用インク組成物は、光照射によって半硬化の状態になり、完全には硬化されないからである。単官能の光重合性モノマーは、好ましくは、アクリロイルモルフォリン、N-ビニルカプロラクタム、4-ヒドロキシブチルアクリレートなどが例示される。
[1-1-3.光重合性モノマーの含有量及び組成など]
本発明の紫外線遮光用インク組成物における光重合性モノマーの含有量は、55.0質量%以上であり、好ましくは60.0質量%以上、より好ましくは70.0質量%以上であり、80.0質量%以上であってもよく;一方、通常は90.0質量%以下であり、好ましくは85質量%以下である。光重合性モノマーの含有量を55.0質量%以上とすることで、紫外線照射により紫外線遮光用インク組成物の印刷層が、光重合性モノマーの重合により固化することが可能となる。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は光重合性モノマーを含むが、少なくとも多官能モノマーを含み、多官能モノマーと単官能モノマーとを組み合わせてもよい。より具体的に、光重合性モノマーのうちの50.0質量%以上が多官能モノマーであり、好ましくは60.0質量%以上であり、より好ましくは70.0質量%以上であり、特に好ましくは80.0質量%以上であり、光重合性モノマーの全てが多官能モノマーであってもよい。光重合性モノマーのうちの50.0質量%以上が多官能モノマーであると、紫外線遮光用インク組成物の印刷層に紫外線が照射されることで、重合が進みやすく固化しやすい。多官能モノマーの割合が低すぎると、印刷層の表層は固化されるが、印刷層の内層が固化せずに液状のまま残存することがある。
[1-2.紫外線吸収剤]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は紫外線吸収剤を含む。紫外線吸収剤が、紫外線を吸収することで、1)紫外線遮光用インク組成物中の光重合性モノマーが過剰に励起状態になることを防ぐとともに、2)紫外線遮光用インク組成物が印刷された領域の下地層に紫外線の一部が到達することを抑制することができる。そのため、紫外線照射により、紫外線遮光用インク組成物の印刷層が重合して固化するとともに、光硬化性樹脂である下地層が完全に硬化することを防ぎ、半硬化の状態とすることができる。
紫外線吸収剤は一般的に、ベンゾトリアゾール(BTZ)系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、高分子系紫外線吸収剤などに分類されるが;本発明の紫外線遮光用インク組成物は、いずれの種類の紫外線吸収剤を含有してもよいし、1種又は複数種の紫外線吸収剤を含みうる。
ベンゾトリアゾール(BTZ)系紫外線吸収剤の例には、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-t-ブチル-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ペンチル-2-ヒドロキシフェニル-2-ベンゾトリアゾール、2-(2-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(3,4,5,6-テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチロキシフェニル)-2-ベンゾトリアゾール、及び2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)-2-ベンゾトリアゾールなどが含まれる。ベンゾトリアゾール(BTZ)系紫外線吸収剤は、市場から入手することも可能であり、Sumisorb 200、Sumisorb 250、Sumisorb 300、Sumisorb 340、及びSumisorb 350(住友化学社)、TINUVIN PS、TINUVIN 99-2、TINUVIN 234、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 384、TINUVIN 384-2、TINUVIN 571、TINUVIN 900、TINUVIN 928、及びTINUVIN 1130(BASF社)、アデカスタブ LA-32、アデカスタブ LA-29、アデカスタブLA-31、アデカスタブ LA-31RG、アデカスタブ LA-31G、アデカスタブ LA-36、アデカスタブ LA-36RG(ADEKA社)、並びにSEESORB 701、SEESORB 703、SEESORB 704、SEESORB 706、SEESORB 707、及びSEESORB 709(シプロ化成社)などとして入手できる。
ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤の例には、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-エトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、及び2,4-ジフェニル-6-(2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジンなどが含まれる。ヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤は市場から入手することも可能であり、TINUVIN 400、TINUVIN 405、TINUVIN 460、TINUVIN 477、TINUVIN 479、TINUVIN 777、及びTINUVIN 1577ED(BASF社)、並びにアデカスタブ LA‐F70(ADEKA社)などとして入手可能である。
サリチル酸系紫外線吸収剤の例には、サリチル酸フェニル、サリチル酸-p-t-ブチルフェニル、2-4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどが含まれる。サリチル酸系紫外線吸収剤は、市場から入手することも可能であり、Sumisorb 400(住友化学社)、及びSEESORB 201、SEESORB 202、SEESORB 712(シプロ化成社)などとして入手可能である。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例には、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-ベンジロキシベンゾフェノン、及び1,4-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ブタンなどが含まれる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、市場から入手することも可能であり、Sumisorb 130(住友化学社)、アデカスタブ 1413(ADEKA社)、並びにSEESORB 100、SEESORB 101、SEESORB 106、SEESORB 107、SEESORB 101S、SEESORB 102、SEESORB 103、SEESORB 105、SEESORB 151(シプロ化成社)などが含まれる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤の例には、エチル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシルなどが含まれる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤は市場から入手可能であり、SEESORB 501、SEESORB 502(シプロ化成社)、Uvinul 3039、Uvinul 3035(BASF社)などが含まれる。
高分子系紫外線吸収剤とは、紫外線吸収剤として作用する骨格(前述のベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系など)を側鎖に有するアクリル系単量体と他のエチレン系不飽和化合物(アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの誘導体、スチレン、酢酸ビニルなど)との共重合体であり得る。高分子系紫外線吸収剤の例には、コーティング用高分子紫外線吸収剤ULS-700、ULS-1700、ULS-383MA、ULS-1383MA、ULS-383MG、ULS-385MG、ULS-1383MG、ULS-1385MG、ULS-635MH、ULS-933LP、ULS-935LH、ULS-1935LH、HC-935UE、XL-504、XL-524、XL-547、XL-729、XL-730など(一方社油脂工業社)、及び高分子紫外線吸収樹脂塗料NCI-905-20EM及びNCI-905-20EMA(スチレンモノマーとベンゾトリアゾール系モノマーの共重合体でできた高分子紫外線吸収剤)(ニッコー化学研究所社)などが挙げられる。
本発明の紫外線遮光用インク組成物における紫外線吸収剤の含有割合は、3.0質量%以上であり、好ましくは4.0質量%以上であり;一方、15.0質量%未満であり、好ましくは12.0質量%以下である。紫外線吸収剤の含有割合が3.0質量%以上であると、紫外線遮光能が十分になり、紫外線遮光用インク組成物自体の過剰な重合や、紫外線遮光用インク組成物の印刷層の下地層への紫外線照射が適度に抑制される。一方、紫外線吸収剤の含有割合が15.0質量%未満であると、紫外線遮光用インク組成物の印刷層を通して紫外線が下地層へ適度に照射され、下地層が半硬化の状態で固化することが可能となる。
本発明の紫外線遮光用インク組成物における紫外線吸収剤は、光安定化剤とは区別される。光安定化剤とは、紫外線が照射されることで発生したラジカルを消去する剤であり、紫外線吸収剤のようにラジカルの発生自体を抑制するものとは異なる。本発明の紫外線遮光用インク組成物は、少なくとも紫外線吸収剤を含むが、それとともに光安定化剤を含んでいてもよい。
光安定化剤の例には、ヒンダードアミン系化合物(HALS: Hindered Amine Light Stabilizer)が含まれ;具体的には、4-ベルゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメルチピペリジン、ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)マロネート、ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)フタレート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルベンゾエート、4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチル-ピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペジル)セパケート、ビス-(2,2,6,6-トラメチル-4-メチルピペリジル)セパケート、ジ-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)-2-n-ブチル-2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-カルボニルオキシピペリジノ)-p-ジメチルベンジル、2,2,4,4-テトラメチル-7-オキサ-3,20-ジアザ-21-オキソ-ジスビロ[5・1・9・19]ヘネイコン、ピス-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セパケート、ジメチルスクシネート、2-(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニル)エチノール縮合物、[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル-(4-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル)イミノ)-ヘキサメチレン-(4-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル)イミノ)]が含まれる。
[1-3.非重合性材料]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、光重合性モノマー及び紫外線吸収剤とともに、非重合性材料を含有する。紫外線遮光用インク組成物が非重合性材料を含有すると、光重合性モノマーが重合して固化したインク組成物の硬度を低下させることができ、好ましくは、固化したインク組成物に「脆さ」を付与することができる。それにより、固化した印刷層を被印刷物から除去又は剥離しやすくなる。非重合性材料は、非重合性高分子化合物と非重合性低分子化合物とを組み合わせて含むことが好ましい。紫外線遮光用インク組成物の粘度を調整しやすくするためである。
[1-3-1.非重合性材料としての高分子化合物]
非重合性材料としての高分子化合物は、架橋基などを有しておらず、紫外線遮光用インク組成物の他の成分(とりわけ、光重合性モノマー)と反応して結合したりしないことが好ましい。非重合性材料としての高分子化合物は、熱可塑性樹脂であることが好ましく、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン-アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル-アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステルなどが挙げられる。また、比較的低分子量の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン‐無水マレイン酸共重合体、カルナバワックスなどの動植物系ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
[1-3-2.非重合性材料としての低分子化合物]
非重合性材料としての低分子化合物は、紫外線遮光用インク組成物の他の成分と反応しない低分子化合物であることが好ましいが、例えば、1)昇華性を有する物質(昇華性物質)、2)テルペン類が好適に挙げられる。
昇華性物質としては、アリザリン、アロキサン、アマンタジン、(3α,5α)-アンドロスト-16-エン-3-オール〔(3α,5α)-Androst-16-en-3-ol〕、アントラキノン、カフェイン、クロラニル、クロロアセトアミド、p-ジクロロベンゼン、エモジン、ホモエリオジクチオール(Homoeriodictyol)、キュバン、システアミン、エスクレチン、グアニン、ヘキサクロロエタン、イサチン、ルミフラビン、無水マレイン酸、1,4-ナフトキノン、ニンビオール、フェナジン、フタルイミド、2,5-ピペラジンジオン、1H-プリン、パープリン、ピレン、モルダントバイオレット26(Quinalizarin)、p-ベンゾキノン、サッカリン、ソラソジン、無水コハク酸、テバイン、キサンチン(Xanthine)、カンフル(d-Canphor)などが挙げられる。
テルペン類としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、テレビン油、フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、ミルセン、アロオシメン、カンフェン、ボルニレン、パラメンテン-1、パラメンテン-2、パラメンテン-3、パラメンタジエン、パラメンタン、2-カレン、3-カレン、ツジャンなどのモノテルペン炭化水素;α-ターピネオール、β-ターピネオール、γ-ターピネオール、4-ターピネオール、パラメンテノール、パラメンタノール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、シトロネロール、アロシメノール、ミルセノール、カルベオール、メントール、ボルネオール、イソボルネオール、フェンチルアルコール、ベルベノールなどのモノテルペンアルコール;シトラール、シトロネラールなどのテルペンアルデヒド;イソプレゴン、カルボン、カンファー(樟脳白油)などのテルペンケトン;パラメンタンジオールなどのテルペンジオール;1,4-シネオール、1,8-シネオールなどのテルペンエーテル;ロンギホレン、カリオフィレン、カジネン、ツヨプセン、セドレン、クロベン、ロンギピネンなどのセスキテルペン炭化水素;エレモール、カジノール、ユーデスモールなどのセスキテルペンアルコールなどが挙げられる。
紫外線遮光用インク組成物は、非重合性材料としての低分子化合物であるメントールを含有することが好ましい場合がある。
[1-3-3.非重合性材料の含有量や組成など]
紫外線遮光用インク組成物における非重合性材料の含有量は、紫外線照射により紫外線遮光用インク組成物を固化させたときに、当該固化物に「脆さ」を付与できるように設定されることが好ましい。したがって、紫外線遮光用インク組成物は非重合性材料を10.0質量%以上含有し、好ましくは15.0質量%以上であり、20.0質量%以上含有する場合もある。一方で、非重合性材料の含有量が多すぎると、紫外線遮光用インク組成物の粘度が上昇したり、非重合性材料の一部がインク組成物に溶解しなくなったりして、インクジェットによる印刷が不安定になる(吐出安定性が低下する)ことがあるため、当該含有量を30.0質量%未満とする。
また、非重合性材料としての高分子化合物は、紫外線遮光用インク組成物の粘度を特に上昇させやすいため、低分子化合物と組み合わせることで高分子化合物の量を調整することが好ましい。
[1-4.他の成分]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、表面張力を調整するための表面調整剤を含有してもよい。後述の通り、紫外線遮光用インク組成物は、表面張力が高い方が好ましい場合があるため、表面張力を高める表面調整剤を含みうる。表面張力を高める表面調整剤は、例えば、アミン化合物、ポリエーテルマクロマー変性ポリアクリレート(BYK3560(ビックケミー社)として入手可能)、ポリエーテルシリコンマクロマー変性ポリアクリレート(BYK3565(ビックケミー社)として入手可能)などである。紫外線遮光用インク組成物が表面調整剤を含有する場合に、その含有量は0.01~1.0質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、着色剤(好ましくは染料)を含有してもよい。紫外線遮光用インク組成物によって印刷された部位を視認しやすくして、除去するべき部位を認識しやすくするためである。紫外線遮光用インク組成物が染料を含有する場合に、その含有量は0.01~2.0質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、通常は溶媒を含まないが;粘度の調整などが必要な場合には、少量(例えばインク組成物に対して5質量%以下)の有機溶媒を含有してもよい。
[1-5.紫外線遮光用インク組成物の物性]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、インクジェット法によって印刷されるため、その粘度(25℃)は、10cps以上であることが好ましく、より好ましくは12cps以上であり;一方、約30cps以下であることが好ましい。当該粘度は、例えば、E型粘度計(25℃、ローター回転速度10rpm)で測定された数値である。
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、その表面張力が高い方が好ましい場合がある。本発明の紫外線遮光用インク組成物は、液状の膜又は層(下地層)の上に印刷される場合がある。その場合に、表面張力が高い紫外線遮光用インク組成物は、液状の膜又は層との相溶性が低くなるため、液状の膜又は層(下地層)と混じり合わなくなる。それにより、所望の領域に選択的に紫外線遮光用インク組成物を印刷することが可能となり、当該領域を選択的に紫外線から遮光することが可能となる。
紫外線遮光用インク組成物は、極性基(ヒドロキシ基、アミノ基、芳香族基など)を有する光重合性モノマーを含有すると、通常は、その表面張力が高まりやすい。
[1-6.紫外線遮光用インク組成物の製造]
本発明の紫外線遮光用インク組成物は、任意の方法で製造することができる。例えば、光重合性モノマー中に、非重合性材料を添加混合し、好ましくは溶解させ、更に紫外線吸収剤やその他の成分を混合することで、紫外線遮光用インク組成物を得ることができる。
[2.エンボス表面を有する基材の製造方法]
本発明のエンボス表面を有する基材の製造方法は、1)基材表面に光重合性化合物を含む組成物を塗布してコート膜をコーティングするコーティング工程と、2)基材上にコーティングされた、光重合性化合物を含む未硬化状態のコート膜に、紫外線遮光用インク組成物をインクジェット印刷する印刷工程と、3)前記紫外線遮光用インク組成物で印刷された前記コート膜に、紫外線を照射する照射工程と、4)前記紫外線遮光用インク組成物で印刷した領域の前記コート膜を除去する除去工程と、を具備し;更に、5)エンボス構造の表面に他の層を形成するなどの仕上げ工程などを含んでいてもよい。
以下、図1を参照しつつ、エンボス表面を有する基材の製造方法を説明する。
[2-1.コーティング工程]
コーティング工程は、基材(1)の表面にコート膜(2-1)をコーティングする工程である(図1(a)参照)。基材(1)とは、その表面にエンボス構造を形成したい部材であればよく、その材質は特に限定されず;プラスチックス、金属、木材、紙、セメント、石膏、岩石、ガラス、セラミックなど、特に限定されない。また、エンボス構造を形成したい基材表面は、濡れ性を高めるための表面処理がなされていることが好ましい場合がある。基材の表面にコート膜をコーティングしやすくするためである。
[2-1-1.コーティングされる光硬化性樹脂組成物]
基材(1)の表面にコーティングされるコート膜(2-1)は、光硬化性樹脂組成物からなることが好ましい。光硬化性樹脂組成物は、光重合性化合物(好ましくは光硬化性を有するモノマー又はオリゴマー)を含み、更に光重合開始剤を含むことが好ましく、充填剤や表面調整剤を含むことができる。
光硬化性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物は光硬化性樹脂であることが好ましく、例えば光硬化性のジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂などが含まれる。なかでも、ラジカル重合可能な樹脂として、ジアリルフタレート樹脂、ビニルモノマー又はアクリル樹脂(アクリレートモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アミノアクリレート、シリコンアクリレート、ポリイソプレンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート)などが挙げられる。光硬化性樹脂組成物における光重合性化合物の含有量は、目安として70質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり;一方、目安として95質量%以下であり、より好ましく90質量%以下である。
光硬化性樹脂組成物は、1又は2種以上の光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オンなどが含まれる。このような光重合開始剤は市場から入手することもでき、たとえば、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819(以上、BASF社)、DETX(Lamberti社)などの商品名で入手することができる。
コーティングされる光硬化性樹脂組成物における光重合開始剤の含有量は、光硬化性樹脂組成物の所望の硬化速度に応じて設定されればよいが、目安として、1質量%以上であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上であり;また、10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7質量%以下である。
光硬化性樹脂組成物は、その表面張力が低い方が好ましく;そのため、表面張力を下げるための表面調整剤を含みうる。このような表面調整剤は、光硬化性樹脂組成物のレベリング性、スリッピング性を高める。表面調整剤の例には、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤などが含まれる。表面張力を下げるための表面調整剤の具体例には、ビックケミー社製のBYKシリーズ(BYK377など)、EVONIK社製のTEGOシリーズ、共栄社化学社製のポリフローシリーズなどが挙げられる。光硬化性樹脂組成物が表面調整剤を含む場合に、その含有量は0.01~1.0質量%の範囲であることが好ましい。
光硬化性樹脂組成物に充填剤(フィラー)を含有させることで、硬化物の物性(硬度など)を調整することができる。例えば、硬化物の耐摩耗性を高めるために酸化アルミニウムなどを、変形性(レオロジー)を調整するためにタルクを、脆さを低減するためにシリカを、増量剤として炭酸カルシウムを、着色するための着色剤を配合することができる。さらに、光硬化性樹脂組成物は、チキソトロピック剤を含有することで、未硬化状態のコート膜の形状を保持しやすくなり、所望の形状のエンボス構造を形成しやすくなる場合がある。
光硬化性樹脂組成物につや消し剤を含有させてもよい。つや消し剤は、硬化物表面を微細に粗面化(マット加工ともいう)するための剤であり;その例には、樹脂ビーズ、及びシリカや酸化アルミニウムなどの無機ビーズが含まれる。
また光硬化性樹脂組成物は、通常は、溶媒(硬化後に除去される成分)は含まないが;ただし、コート特性を得るためなどの目的で少量の溶媒を含んでいてもよい。
[2-1-2.コート膜]
基材(1)の表面にコーティングされるコート膜(2-1)の厚みは、形成したいエンボス表面の形状に応じて設定すればよく、コート膜(2-1)の厚みが大きいほど高低差のあるエンボス表面を形成することができる。コート膜(2-1)の厚みは30μm以上とすることができ、100μm以上とすることができ、200μm程度にすることもできる。コート膜(2-1)の厚みの上限は、製造されるエンボス表面を有する基材の用途によって適宜設定される。
なお、コート膜(2-1)を構成する光硬化性樹脂組成物は完全に光硬化されることで、鉛筆硬度2H以上を有する硬化物(2-2)を与えることが好ましい。硬化物(2-2)の硬度の具体的な硬度は、製造されるエンボス表面を有する基材の用途に応じて調整されればよい。
[2-2.印刷工程]
印刷工程は、基材(1)の表面にコーティングしたコート膜(2-1)上に、紫外線遮光用インク組成物(3-1)をインクジェット印刷する工程である(図1(b)参照)。紫外線遮光用インク組成物は、前述の[1.紫外線遮光用インク組成物]において説明したものであることが好ましい。
インクジェット印刷のための手法は特に限定されない。例えば、インクジェット印刷の方式は、マルチパスモード(シリアルヘッドモード)、シングルパスモード(ラインヘッドモード)のいずれであってもよい。
紫外線遮光用インク組成物が印刷した領域が、形成されるエンボス形状の凹部となるため、所望のエンボス形状に合わせて印刷すればよい。紫外線遮光用インク組成物の単位面積当たりの印刷塗布量は、所望の印刷領域を完全に覆うことができる塗布量とし、かつ紫外線遮光用インク組成物(3-1)を印刷した領域のコート膜(2-1)が、半硬化の状態となる量に設定されればよい。単位面積当たりの印刷塗布量が多ければ、コート膜(2-1)の硬化反応が進行しにくく;少なければ、硬化反応が進行しやすい。
[2-3.照射工程]
照射工程は、紫外線遮光用インク組成物(3-1)で印刷されたコート膜(2-1)に紫外線を照射する工程である(図1(c)参照)。紫外線を照射する露光機(4)は特に限定されず、所定の露光量の紫外線を照射できる露光機であればよいが、生産性を踏まえれば短時間で所定の紫外線光量を照射できることが好ましい。コート膜(2-1)のうち、紫外線遮光用インク組成物(3-1)が印刷されていない領域には、紫外線が直接照射されるため、光硬化が十分に進行し、完全な硬化物(2-2)となる。一方、コート膜(2-1)のうち、紫外線遮光用インク組成物(3-1)が印刷された領域は、紫外線遮光用インク組成物(3-1)の印刷層を介して紫外線が照射されため、光硬化が完全には進行しないが、半硬化物(2-3)となり固化する。また、紫外線遮光用インク組成物(3-1)も、紫外線が照射されることによって硬化物(3-2)となる。
コート膜に照射する紫外線の露光量は、コート膜(2-1)が完全な硬化物(2-2)になる程度の量とすればよいが;紫外線の露光量が過剰になると、半硬化物(2-3)の光硬化が進み、完全化硬化物となる恐れがある。そのため、紫外線の露光量は、紫外線遮光用インク組成物(3-1)の印刷層がない領域のコート膜(2-1)が、完全な硬化物(2-2)となる必要十分な量とすることが好ましい。つまり、紫外線の露光量は、紫外線遮光用インク組成物(3-1)の光硬化のしやすさ、紫外線遮光用インク組成物(3-1)の印刷量に応じて適宜設定される。
コート膜(2-1)の硬化物(2-2)の硬度は、エンボス加工された物質の用途によって異なるが、通常は、鉛筆硬度で2H以上であることが好ましい。一方、コート膜(2-1)の半硬化物(2-3)の硬度は、硬化物(2-2)の硬度よりも低ければよい。つまり、半硬化物(2-3)の硬度は、鉛筆硬度で2H未満であればよいが、硬化物(2-2)の硬度に応じて、より高い硬度を有しうる。つまり、a)硬化物(2-2)の硬度が高ければ、半硬化物(2-3)の硬度も高くなりうるし、また、b)以下の除去工程における除去手段の除去能力(剥ぎ取り能力)が高ければ、半硬化物(2-3)の硬度も高くなりうる。
[2-4.除去工程]
除去工程は、照射工程によって形成された半硬化物(2-3)と硬化物(3-2)を除去する工程である(図1(d)参照)。一方、コート膜(2-1)の硬化物(2-2)は、その硬度が高いため、除去工程によって除去されない。これらの除去は機械的に行われ、好ましくは、コート膜にブラシ(5)やパッドを擦り付けることによって行われうる。ブラシ(5)やパッドの材質は、例えば、鋼、真鍮、ナイロン繊維、ポリエステル繊維などであり得るが、特に限定されない。また、他の除去形態として、高圧エアジェットや高圧ウォータージェットなどにより、半硬化物(2-3)と硬化物(3-2)を除去してもよいし;接着ローラーや接着テープで半硬化物(2-3)と硬化物(3-2)を剥ぎ取ることにより除去してもよい。
半硬化物(2-3)と硬化物(3-2)が除去されることで、除去された部分が凹部となり、基板(1)の表面にエンボス構造が形成される。
[2-5.仕上げ工程]
基板(1)の表面に形成されたエンボス構造に、耐候性、耐摩擦性、耐摩耗性、耐溶剤性を付与するために、任意のコート層(6)を塗布形成してもよい(図1(e)参照)。また、ワニスの塗布膜を形成するなどして、所望の外観(明度、輝度、彩度など)に調整することができる。その他、任意の仕上げ処理を行うことができる。
このようにして製造されるエンボス形状を形成した物品は、任意の建材(床材、壁材、フローリング材など)、ベースボード、家具などのための、いわゆる化粧板として用いることができる。
以下において、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明がこれら実施例によって限定して解釈されてはならない。実施例の記載において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
[A.紫外線遮光用インク組成物の調製]
紫外線遮光用インク組成物の調製に用いた材料を以下に示す。
[A-1.光重合性モノマー]
・1,6-ヘキサンジオールジアクリレート:
・ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート((PO)NPGDA):Miramer M216(東洋ケミカルズ社)
・トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート((EO)TMPTA):Miramer M3130(東洋ケミカルズ社)
・アクリロイルモルフォリン:
・N-ビニルカプロラクタム:
・4-ヒドロキシブチルアクリレート:
[A-2.非重合性材料]
・アクリルポリマー:DEGALAN LP 66/02N (EVONIK社) ガラス転移温度75℃、分子量(DIN規格)60000
・L-メントール:
[A-3.紫外線吸収剤など]
・ヒドロキシフェニルトリアジン (HPT) 系紫外線吸収剤:TINUVIN400 (BASF社)
・ベンゾトリアゾール (BZT) 系紫外線吸収剤:TINUVIN384 (BASF社)
・ヒンダードアミン系光安定化剤 (HALS):TINUVIN123 (BASF社)
Figure 0007219850000002
[A-4.紫外線遮光用インク組成物の調製プロセス]
表2及び表3に示す処方に合わせて、光重合性モノマーと、非重合性材料と、紫外線吸収剤又は光安定化剤を混合して、実施例1~9及び比較例1~7の紫外線遮光用インク組成物を得た。なお、非重合性材料であるアクリルポリマー(DEGALAN LP 66/02N)は、光重合性モノマーに加熱溶解させてから、他の材料と混合した。
[B.エンボス表面を有する基材の製造]
基材としてMDF(ミディアム・デンシティ・ファイバーボード;中質繊維版)を用意し;当該基材の表面に、表1に示す組成の光硬化性樹脂組成物をロールコーターで塗布してコート膜(膜厚50μm)をコーティングした。(未硬化状態のままの)コート膜の上に、調製した紫外線遮光用インク組成物をインクジェット印刷した。印刷は、リコーGEN6ヘッド搭載のUVインクジェットインク印刷評価装置(300dpi、液滴量(5pL~50pL))を用いて、図2に示すように、アルファベット文字を作図した。インクジェット印刷したインク組成物は、作図すべき領域を完全に覆うようにシングルパス、80~100%ベタ印刷にて印刷した。印刷後、100mJ/cm2の紫外線を照射した。硬化後の樹脂表面を、プラスチック製のブラシでブラッシングすることで、上記印刷部分の樹脂を剥離・除去した。
Figure 0007219850000003
[C.評価]
[C-1.紫外線遮光用インク組成物の粘度]
各実施例及び比較例で得られたインク組成物の粘度(cps)を、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度10rpmの条件で測定した。
[C-2.エンボス適性:剥離性]
ブラッシングによる作業性及び剥離状態から、以下の基準で評価した。
◎:印刷部分のみが容易にきれいに削り取れた
〇:印刷部分のみがきれいに削り取れた
△:印刷部分の一部が削り取れず、削り残りがあった
×:印刷部分がほとんど削り取れなかった、または必要以上の領域が除去された
[C-3.エンボス適性:形状]
ブラッシング後の状態を視認して、以下の基準で評価した。
〇:凹部で示される文字が作図通りにきれいに表現できていた
×:凹部で示される文字が作図通りにならず、作図よりもつぶれたり、拡がった文字になった
[C-4.吐出安定性]
〇:印刷の乱れがなく、安定して吐出できた
△:印刷の乱れが若干あったが、ほぼ安定して吐出できた
×:印刷の乱れがあったか、または、安定して吐出できなかった
Figure 0007219850000004
Figure 0007219850000005
表3の比較例1に示されるように、合計35.0質量%の非重合性材料を含む紫外線遮光用インク組成物は、非重合性材料の一部がインク組成物中で十分に相溶せず、溶解しなかったため、インクジェットによる吐出が安定せず、作図に沿った印刷ができなかった。そのため、エンボス形状を作成することができなかった。一方、表2の実施例3に示されるように、合計25.0質量%の非重合性材料を含む紫外線遮光用インク組成物は、インクジェットによる吐出は安定し、エンボス適性も非常によいことがわかる。
表3の比較例2に示されるように、光安定化剤を含むが、紫外線吸収剤を含まない紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成したところ、コート膜が完全に硬化してしまい、ブラッシングによってコート膜を削り取ることができず、エンボス形状とならなかった。同様に、表3の比較例3に示されるように、2.0質量%の紫外線吸収剤を含む紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成したところ、コート膜が完全に硬化してしまい、ブラッシングによる除去作業によってコート膜を削り取ることができず、エンボス形状とならなかった。つまり、“A”の文字を作図した図2(4)に示す通り、比較例2及び3では文字部分のコート膜を削り取ることができず、文字を認識しにくい状態となった。
一方、表3の比較例4に示されるように、15.0質量%の紫外線吸収剤を含む紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成したところ、コート膜が十分に硬化せずに液状のまま残存しており、ブラッシングによる除去作業でコート膜の未硬化部分を除去することができなかった(図2(1))。
これに対して、表2の実施例1~9のように、3.0~12.0質量%の紫外線吸収剤を含む紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成したところ、コート膜が半硬化の状態で固化し、ブラッシングによって除去することができ、作図通りのエンボス形状を作成できた。このように、適量の紫外線吸収剤を含む紫外線遮光用インク組成物を用いることで、エンボス形状の作成が実現できることがわかる。つまり、“A”の文字を作図した図2(2)に示すように、実施例1~9では文字部分のコート膜を選択的に削り取ることができ、文字をはっきりと認識できた。
また、表3の比較例5に示されるように、光重合性モノマーとして10.0質量%の多官能モノマーと、71.5質量%の単官能モノマーを含む紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成したところ、コート膜の表層の硬化が進行し、ブラッシングによる除去作業によって除去することができなかった(図2(4))。
これに対して、表2の実施例1~9のように、光重合性モノマーとして、少なくとも51.5質量%の多官能モノマーを含む紫外線遮光用インク組成物を用いてエンボス形状を作成すると、コート膜が半硬化して固化し、ブラッシングによって除去することができ、作図通りのエンボス形状を作成できた。このように、一定以上の多官能モノマーを含む紫外線遮光用インク組成物を用いることで、エンボス形状の作成が実現できることがわかる。
表3の比較例6及び7に示されるように、非重合性材料を含まないか(比較例6)、5.0質量%の非重合性材料を含む(比較例7)紫外線遮光用インク組成物は、粘度が低いためにインクジェットによる吐出が若干不安定となった。また、光照射によるコート膜の硬化物の硬度が必要以上に高くなり、ブラッシングによる除去によってコート膜の一部を削り取ることができなかった。つまり、“A”の文字を作図した図2(2)と“K”の文字を作図した図2(3) との対比からわかるように、比較例6及び7では、図2(3)に示すように文字部分のコート膜の一部が削り取れなかった。
これに対して、少なくとも12.5質量%の非重合性材料を含む表2の実施例1~9では、いずれも、紫外線遮光用インク組成物をインクジェットで安定して印刷することができ、かつエンボス適性も十分に良評価であった。このように、紫外線遮光用インク組成物に、ある程度の非重合性材料を含有させることで、インクジェットによる印刷が安定し、コート膜の硬化物を除去しやすくなることがわかる。
表2の実施例1及び2(紫外線吸収剤の含有量が6.0質量%)と、実施例4(紫外線吸収剤の含有量が4.0質量%)及び5(紫外線吸収剤の含有量が12.0質量%)とを対比すると、実施例1及び2の結果が、剥離性の評価において、よりよい評価となっている。このことから、紫外線吸収剤の含有量の調整により、コート膜の半硬化物の硬度を調整することができ、それによりエンボス形状が作成しやすくなることがわかる。
本発明の紫外線遮光用インク組成物によれば、任意の物品に印刷することで、物品への紫外線照射を抑制することができる。特に、本発明の紫外線遮光用インク組成物は、物品表面にエンボス形状を作成するために好適に用いることができ;エンボス形状を作成した物品は、任意の建材(床材、壁材、フローリング材など)、ベースボード、家具などのためのいわゆる化粧板として用いることもできる。
1 基材
2-1 コート膜
2-2 コート膜の完全な硬化物
2-3 コート膜の半硬化物
3-1 紫外線遮光用インク組成物
3-2 紫外線遮光用インク組成物の硬化物
4 露光機
5 ブラシ
6 任意のコート層

Claims (7)

  1. インクジェット印刷するための紫外線遮光用インク組成物であって:
    前記インク組成物に対して、55.0質量%以上の光重合性モノマーと、3.0質量%以上かつ15.0質量%未満の紫外線吸収剤と、10.0質量%以上かつ30.0質量%未満の非重合性材料とを含み、
    前記光重合性モノマーにおける多官能モノマーの含有割合が、前記光重合性モノマーに対して50.0質量%以上である、紫外線遮光用インク組成物。
  2. 前記非重合性材料は、非重合性高分子化合物と、非重合性低分子化合物と、を含む、請求項1に記載の紫外線遮光用インク組成物。
  3. 光重合性化合物を含む未硬化状態のコート膜にインクジェット印刷するための、請求項1又は2に記載の紫外線遮光用インク組成物。
  4. 前記コート膜が光重合開始剤を含む、請求項3に記載の紫外線遮光用インク組成物。
  5. 基材上にコーティングされた、光重合性化合物を含む未硬化状態のコート膜に、請求項1に記載の紫外線遮光用インク組成物をインクジェット印刷する工程Aと、
    前記紫外線遮光用インク組成物で印刷された前記コート膜に、紫外線を照射する工程Bと、
    前記紫外線遮光用インク組成物で印刷された領域の前記コート膜を除去する工程Cと、を具備する、
    エンボス表面を有する基材の製造方法。
  6. 前記コート膜の厚みが30μm以上である、請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記工程Cは、機械的に除去する工程である、請求項5又は6に記載の製造方法。
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