JP7217833B1 - モータ駆動装置、電気定数測定方法および冷凍機器 - Google Patents

モータ駆動装置、電気定数測定方法および冷凍機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 測定結果の誤差を抑制し、モータの電気定数を高精度に検出できるモータ駆動装置、方法および冷凍機器を提供すること。【解決手段】 モータ駆動装置は、モータ41へ出力する電力を変換するインバータ45と、インバータ45からモータ41に出力される電流を検出する電流検出手段と、インバータ45の動作を制御する制御部46とを含む。制御部46は、モータ41の回転座標におけるq軸の電流平均値を所定範囲内とし、回転座標におけるd軸の電流として直流電流と正弦波状の交流電流とを出力し、直流電流が交流電流の振幅より大きくなるように制御し、電流検出手段が検出した電流を用いて、モータ41の電気定数を演算する。【選択図】 図2

Description

本発明は、モータ駆動装置、電気定数測定方法およびモータ駆動装置を備えた冷凍機器に関する。
モータは、家庭用電気機器や産業機器等に広く使用されている。モータ駆動装置は、モータを駆動し、制御する装置であり、モータの電気定数を使用して制御を行う。モータの電気定数としては、巻線抵抗、誘起電圧定数、巻線インダクタンス、慣性モーメント(イナーシャ)等がある。
モータの電気定数は、予め手動で測定し、測定結果を設定しておくことで、モータの制御に使用することができる。しかしながら、モータが製品に組み込まれた状態、例えばモータが圧縮機内部に内蔵された状態で、手動で測定するには、製品の解体等を必要とし、作業時間とコストがかかる。また、手動で測定すると、製品によって測定結果にバラツキが生じる。
そこで、モータ駆動装置が備えるインバータと制御器を用いて、モータの電気定数を自動で測定する技術が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特許第4475528号公報 特許第5130980号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された技術では、インバータの出力電圧に、電流がゼロ付近の出力誤差が発生するため、測定結果に誤差が発生してしまうという問題があった。
また、上記の特許文献2に記載された技術では、インバータの出力電圧をステップ状に変化させ、電流変化を検出することで、モータ巻線のインダクタンスを推定するが、電流変化が速いことから、電流変化を高精度に検出することが困難であるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑み、モータへ出力する電力を変換する電力変換手段と、
電力変換手段からモータへ出力される電流を検出する電流検出手段と、
電力変換手段の動作を制御する制御手段と
を含み、
制御手段が、モータの回転座標におけるq軸の電流平均値を所定範囲内とし、該回転座標におけるd軸の電流として直流電流と正弦波状の交流電流とを出力し、該直流電流が該交流電流の振幅より大きくなるように制御し、電流検出手段により検出された電流を用いて、モータの電気定数を演算する、モータ駆動装置が提供される。
本発明によれば、測定結果の誤差を抑制し、モータの電気定数を高精度に検出することが可能となる。
冷凍機器の構成例を示した図。 モータ駆動装置の構成例を示した図。 制御部の機能構成の一例を示したブロック図。 モータ定数測定部の構成例を示したブロック図。 モータ電流制御部の構成例を示したブロック図。 PIS制御部の構成例を示したブロック図。 モータ定数演算部の構成例を示したブロック図。 一般的なインバータ回路の一例を示した図。 インバータ回路のデッドタイム、ターンオン・オフ、電圧ドロップの影響について説明する図。 モータの電流波形を例示した図。 Ld測定モードとLq測定モードに対応する3相電流の電流波形を例示した図。 電気定数としてモータ定数の測定の流れを示したフローチャート。 Ld測定モードとLq測定モードに対応する3相電流の電流波形の別の例を示した図。 制御部の別の構成例を示したブロック図。 d軸電流に直流成分を導入した場合と導入しない場合のモータ軸の位相と3相電流波形を示した図。 モータ軸に0.1Nm負荷を印加した場合の電流波形とLd、Lq測定結果を示した図。
図1は、冷凍機器の構成例を示した図である。冷凍機器10は、温度を調和する装置であり、例えば空気調和装置、冷凍機、冷蔵庫等である。冷凍機器10は、例えば、第1の筐体11内に、第1の熱交換器12と、第1のファン13と、第1のファンモータ14とを備え、第2の筐体20内に、第2の熱交換器21と、第2のファン22と、第2のファンモータ23と、圧縮機24と、減圧機構25と、モータ駆動装置26とを備える。
第1の筐体11内の第1の熱交換器12は、配管30、31により、第2の筐体20内の圧縮機24と減圧機構25とに接続される。第2の筐体20内の第2の熱交換器21は、配管32、33により、第2の筐体内の圧縮機24と減圧機構25とに接続される。
圧縮機24は、配管30内の冷媒を吸引し、昇圧し、配管32を介して第2の熱交換器21へ向けて吐出する。第2の熱交換器21は、第2のファン22により冷媒と対象空間外の空気との間で熱交換を行い、冷媒を空冷して凝縮させる。
冷媒は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロオレフィン(HFO)等を使用することができる。HFCの種類としては、R-410A、R-32、R-134a等を挙げることができ、HFOの種類としては、R-1234yf等を挙げることができる。これらの冷媒は、塩素原子を有しないため、オゾン層破壊について一定の抑止効果を有している。
凝縮した冷媒は、配管33を介して減圧機構25へ送られる。減圧機構25では、凝縮した冷媒を減圧する。減圧された冷媒は、配管31を介して第1の熱交換器12へ送られる。
第1の熱交換器12では、第1のファン13により取り込まれた、対象空間内の空気と、減圧された冷媒との間で熱交換を行い、冷媒が蒸発して空気を冷却する。冷却された空気は、対象空間内へ戻される。
第1のファン13には、第1のファンモータ14が接続され、第2のファン22には、第2のファンモータ23が接続される。第1のファンモータ14、第2のファンモータ23および圧縮機24に内蔵されたモータは、モータ駆動装置26により駆動され、制御される。
モータ駆動装置26は、商用交流電源から供給された交流電力を各周波数の交流電力に変換し、第1のファンモータ14、第2のファンモータ23および圧縮機24に内蔵されたモータへ出力する。第1のファンモータ14、第2のファンモータ23および圧縮機24に内蔵されたモータは、モータ駆動装置26により駆動制御され、それぞれ所定の回転数で回転するように第1のファン13、第2のファン22および圧縮機24を動作させる。
図1に示した例では、冷凍機器10は、第1の筐体11内の第1の熱交換器12を蒸発器として使用し、第1の筐体11が設置される空間内の空気を冷却する機能のみを有する機器とされている。しかしながら、冷凍機器10は、四方弁を設け、冷媒が流れる方向を変えることにより、第1の熱交換器12を凝縮器として使用し、第1の筐体11が設置される空間内の空気を暖める機能も有していてもよい。
図2は、モータ駆動装置26の構成例を示した図である。モータ駆動装置26は、商用交流電源40から交流電力が供給され、特定の周波数の交流電力に変換し、モータ41に出力する。モータ41は、交流電力の入力を受けて、ファン等の交流電力を消費する負荷42を駆動する。負荷42がファンである場合、所定の回転数で回転する。
モータ駆動装置26は、整流回路43と、平滑コンデンサ44と、電力を変換する変換手段として機能するインバータ45と、インバータ45を制御する制御手段として機能する制御部46とを備える。モータ駆動装置26は、さらに、シャント抵抗47と、増幅器48と、電圧検出手段49とを備える。
整流回路43は、半導体スイッチング素子を用いて、電流を一方向にだけ流し、交流電力を直流電力へ変換する。平滑コンデンサ44は、変換した直流電力に発生した微小な電圧変動成分である電圧リップルを除去する。
インバータ45は、直流電力を所定の周波数の交流電力に変換する。インバータ45は、半導体スイッチング素子(IGBTやMOSFET等)とダイオードが逆並列に接続される2つのアーム回路を含む。2つのアーム回路は、上アームと下アームが直列に接続される直列接続回路であり、平滑コンデンサ44の一対の正負端子間に接続される。
インバータ45は、直流電力を3相交流電力に変換する3相インバータであり、直列接続回路を交流の相数分である3つ備える。3つの直列接続回路のそれぞれの上アームと下アームは、平滑コンデンサ44の高電位側および低電位側に接続される。上アームと下アームとを接続する接続点(直列接続点)50は、交流端子に接続され、交流端子には3相モータであるモータ41が接続される。
インバータ45の低電位側の母線は、電流検出用のシャント抵抗47を介して平滑コンデンサ44の負端子に接続される。シャント抵抗47により検出される電流検出信号(母線電流信号)は、増幅器48を介して制御部46に入力される。ここでは、シャント抵抗47を使用して電流を検出しているが、シャント抵抗47に代えて、電流センサ等の他の電流検出手段を用いてもよい。電圧検出手段49により検出された電圧検出信号(直流電圧信号)は、母線電流信号と同様、制御部46に入力される。増幅器48および電圧検出手段49の出力信号(母線電流信号および直流電圧信号)は、制御部46において行われるデジタル演算のために、サンプリングおよびホールド回路とA/D変換器等により、デジタル信号へ変換される。
制御部46は、マイクロコンピュータやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の半導体演算装置を用い、モータ駆動装置26全体の制御および上記のデジタル演算を行う。
図3は、図2に示した制御部46の機能構成の一例を示したブロック図である。制御部46は、上記のマイクロコンピュータ等が所定のプログラムを実行することにより、各ブロックが示す機能を実現する。なお、各ブロックが示す機能は、所定のプログラムにより実現してもよいが、その一部もしくは全部を、特定の回路等のハードウェアを用いて実現してもよい。
制御部46は、回転子がモータ軸を中心として回転するモータ41の回転座標系におけるdq軸座標でのベクトル制御により、モータ41に印加する電圧指令信号を演算し、インバータ45へ入力するPWM(Pulse Width Modulation)制御信号を生成する。PWM信号は、方形波の周波数を固定し、電圧がHighの時間の割合を変えることで負荷42に入力する電力を制御する信号である。
制御部46は、各機能を実現するための機能部として、電圧制御部60と、2軸/3相変換部61と、3相/2軸変換部62と、電流再現演算部63と、PWM制御部64と、モータ定数測定部65とを備える。制御部46は、モータ41の電気定数としてモータ定数を測定するモータ定数測定モードと、モータ41の通常運転を行うモータ通常運転モードの2つのモードを備え、切替部66~68によりモードを切り替える。モータ通常運転モードにする場合、切替部66~68のスイッチをa側の端子に接続することにより切替部66~68をa側に設定し、モータ定数測定モードにする場合、切替部66~68をb側に設定する。
電流再現演算部63は、増幅器48から出力された母線電流信号ishと、2軸/3相変換部61から出力された3相電圧指令v 、v 、v とを用いて、インバータ45からの3相電流i、i、iを再現する。母線電流信号ishから3相電流を再現する方法は公知であるため、ここではその詳細な説明は省略する。また、ここでは、シャント抵抗47により検出される母線電流信号ishから3相電流を再現する方式を採用しているが、これに限られるものではない。したがって、シャント抵抗47に代えて、電流センサ等の電流検出手段を用いて、インバータ45の出力である交流電流(3相電流)を検出してもよい。この場合、電流検出手段が検出した3相電流を3相/2軸変換部62に入力すればよい。
3相/2軸変換部62は、電流再現演算部63により再現された3相電流i、i、iと、モータ41の位相θdcとに基づき、モータ等の回転体の電流成分であるd軸電流idcとq軸電流iqcとを、下記式1、式2により演算する。下記式1は、3相/2軸変換を表し、下記式2は、回転座標系への変換を表す。なお、式中では、「I」等と大文字で示しているが、小文字の「i」等と同じ意味である。
Figure 0007217833000002
Figure 0007217833000003
電圧制御部60は、外部からの速度指令ωと、上記式1、式2により演算されたd軸電流idc、q軸電流iqcとに基づき、電圧指令vdc 、vqc 、ならびにモータ位相θdcを演算する。なお、モータ41を駆動するための電圧指令とモータ位相の演算方法は公知であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
2軸/3相変換部61は、dq軸の電圧指令vdc 、vqc と、モータ位相θdcとを用いて、下記式3、式4により、3相電圧指令v 、v 、v を算出する。下記式3は、回転座標系から固定座標系への変換を表し、下記式4は、2軸/3相変換を表す。
Figure 0007217833000004
Figure 0007217833000005
モータ通常運転モードである場合、切替部66~68をa側に設定するため、PWM制御部64の出力によりモータ制御が行われる。一方、モータ定数測定モードである場合、切替部66~68をb側に設定するため、モータ定数測定部65の出力によりモータ制御が行われる。
図4は、図3に示したモータ定数測定部65の構成例を示した図である。モータ定数測定部65は、信号生成部70と、乗算部71~74と、周期積分部75~78と、モータ電流制御部79と、モータ定数演算部80と、切替部81、82とを含む。
信号生成部70は、所定周波数ωatの正弦波信号sin(ωatt)と余弦波信号cos(ωatt)を生成する。周波数ωatは、例えば設定された任意の周波数(Hz)であり、tは時間(s)である。信号生成部70は、生成した正弦波信号をモータ電流制御部79と乗算部71、73へ入力し、生成した余弦波信号を乗算部72、74へ入力する。切替部81、82は、d軸インダクタンス(Ld)測定モードとq軸インダクタンス(Lq)測定モードの切り替えを行う。切替部81、82をA側に設定することで、Ld測定モードに切り替え、切替部81、82をB側に設定することで、Lq測定モードに切り替えることができる。
乗算部71は、モータ電流制御部79から出力された電圧指令vdc 、vqc と正弦波信号とを乗算する。乗算部72は、モータ電流制御部79から出力された電圧指令vdc 、vqc と余弦波信号とを乗算する。乗算部73は、d軸電流idc、q軸電流iqcと正弦波信号とを乗算する。乗算部74は、d軸電流idc、q軸電流iqcと余弦波信号とを乗算する。
周期積分部75~78は、乗算部71~74の乗算結果の直流成分を取り出す。モータ電流制御部79は、d軸電流idc、q軸電流iqcと、信号生成部70により生成された正弦波信号とを用いて、dq軸電圧指令vdc 、vqc を生成する。モータ定数演算部80は、周期積分部75~78の出力に基づき、モータ定数として、モータ巻線抵抗R1、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqを演算する。
モータ定数測定部65は、信号生成部70で正弦波信号と余弦波信号とを生成し、これらの信号を用いて、モータ電流制御部79から出力された電圧指令vdc 、vqc に対して、簡易的なフーリエ変換処理を実行する。具体的には、Ldを測定する場合、切替部81をA側に設定し、Ld測定モードに切り替える。乗算部71、72を使用して、d軸の電圧指令vdc を、正弦波信号および余弦波信号と乗算する。そして、周期積分部75、76を使用して、乗算部71、72の乗算結果の直流成分を取り出し、モータ定数演算部80に入力する。
同様にして、Lqを測定する場合、切替部81をB側に設定し、Lq測定モードに切り替える。乗算部71、72を使用して、q軸の電圧指令vqc を、正弦波信号および余弦波信号と乗算する。そして、周期積分部75、76を使用して、乗算部71、72の乗算結果の直流成分を取り出し、モータ定数演算部80に入力する。
モータ定数測定部65は、交流電流の振幅を算出するため、d軸電流idc、q軸電流iqcに対して、簡易的なフーリエ変換処理を実行する。具体的には、Ldを測定する場合、切替部82をA側に設定し、Ld測定モードに切り替える。乗算部73、74を使用して、d軸電流idcを、信号生成部70により生成された正弦波信号および余弦波信号と乗算する。そして、周期積分部77、78を使用して、乗算部73、74の乗算結果の直流成分を取り出し、モータ定数演算部80に入力する。
同様にして、Lqを測定する場合、切替部82をB側に設定し、Lq測定モードに切り替える。乗算部73、74を使用して、q軸電流iqcを、信号生成部70により生成された正弦波信号および余弦波信号と乗算する。そして、周期積分部77、78を使用して、乗算部73、74の乗算結果の直流成分を取り出し、モータ定数演算部80に入力する。
モータ定数演算部80は、Ld測定モードにおいて、周期積分部75、77の出力に基づき、R1とLdとを演算する。また、モータ定数演算部80は、Lq測定モードにおいて、周期積分部76、78の出力に基づき、R1とLqとを演算する。
周期積分部75~78で行われる直流成分を取り出す積分処理における積分時間は、所定周波数ωatに対応する周期の整数倍の時間に設定される。積分時間は、長くすると、直流成分の算出精度が高くなるが、測定時間が長くなる。このため、積分時間を所定の時間に設定することができ、一般には、所定周波数ωatに対応する周期の10倍の時間に設定すれば、実用的な精度を確保することができる。なお、積分時間は、所定周波数ωatに対応する周期の10倍の時間に限定されるものではない。
図5は、図4に示したモータ電流制御部79の構成例を示した図である。モータ電流制御部79は、乗算部90、91と、加算部92と、減算部93、94と、切替部95、96と、PIS制御部97、98とを含む。
乗算部90、91は、入力された正弦波信号を、d軸、q軸の電流指令の交流成分の振幅値Id_at_amp、Iq_at_ampと乗算する。加算部92は、乗算部90の乗算結果と、d軸の電流指令の直流成分の大きさId_at_dc_Ldとを加算する。切替部95、96は、A側に設定してLd測定モードに切り替え、B側に設定してLq測定モードに切り替えることにより、dq軸電流指令を切り替えることができる。減算部93は、切替部95の出力(id_at )からd軸電流idcを減算する。減算部94は、切替部96の出力(iq_at )からq軸電流iqcを減算する。
PIS制御部97は、減算部93の減算結果を用いて、d軸の電圧指令vdc を算出する。PIS制御部98は、減算部94の減算結果を用いて、q軸の電圧指令vqc を算出する。
Ld測定モード時のdq軸電流指令(id_at 、iq_at )は、下記式5により算出される。
Figure 0007217833000006
Lq測定モード時のdq軸電流指令(id_at 、iq_at )は、下記式6により算出される。
Figure 0007217833000007
PIS制御部97、98は、d軸電流idc、q軸電流iqcが、上記式5、式6で算出されたdq軸電流指令に追従するように、それぞれの電流差分を算出し、算出した電流差分に基づき、dq軸電圧指令vdc 、vqc を演算する。
図6は、図5に示したPIS制御部97、98の構成例を示した図である。PIS制御部97、98は、いずれも同じ構成であるため、ここでは、PIS制御部97についてのみ説明する。PIS制御部97は、PI制御部100と、S制御部101とを含む。PI制御部100は、比例積分(PI)制御を行い、入力された電流差分を小さくするように制御を行う。S制御部101は、正弦波伝達関数(S)を使用した制御を行う。
S制御部101で使用される伝達関数G(s)は、制御ゲインK、K、K、Kと、ラプラス演算子sとを用いて、下記式7を使用して算出することができる。
Figure 0007217833000008
上記式7中、右辺の第3項には、周波数ωatの信号成分のみに対して大きな増幅ゲインがあるため、d軸電流idc、q軸電流iqcの周波数ωatの交流成分を精度良く制御することができる。
図7は、図4に示したモータ定数演算部80の構成例を示した図である。モータ定数演算部80は、振幅演算部110と、定数演算部111とを含む。振幅演算部110は、周期積分部77、78の出力に基づき、d軸電流、q軸電流の交流成分の振幅を演算する。定数演算部111は、周期積分部75、76の出力、振幅演算部110の演算結果に基づき、モータ定数を演算する。モータ定数は、例えばモータ巻線抵抗R1、d軸インダクタンスLd、q軸インダクタンスLqである。
Ld測定モード時、振幅演算部110および定数演算部111は、下記式8~式10を用いて、R1、Ldを算出することができる。なお、下記式8~式10中、S1~S4は、周期積分部75~78の出力である。
Figure 0007217833000009
Figure 0007217833000010
Figure 0007217833000011
PIS制御部97により算出されたd軸電流と、上記式5により算出されたd軸電流指令の差分が十分に小さい場合、上記式8の演算結果に代えて、上記式5で使用するId_at_ampを、上記式9および式10中のId_ampとして使用してもよい。差分が十分に小さいとは、例えば、差分が所定の閾値より小さい場合である。
同様にして、Lq測定モード時、振幅演算部110および定数演算部111は、下記式11~式13を用いて、R1、Lqを算出することができる。なお、下記式11~式13中、S1~S4は、周期積分部75~78の出力である。
Figure 0007217833000012
Figure 0007217833000013
Figure 0007217833000014
PIS制御部98により算出されたq軸電流と、上記式6により算出されたq軸電流指令の差分が十分に小さい場合、上記式11の演算結果に代えて、上記式6で使用するIq_at_ampを、上記式12および式13中のIq_ampとして使用してもよい。
なお、モータ巻線抵抗R1は、上記式9と上記式12により2つ得られることになる。演算結果は、いずれか一方のみを使用してもよいが、演算結果の精度を向上させるために、2つの結果を平均してもよい。
ところで、モータ41が、第1の筐体11内や第2の筐体20内に組み込まれた場合、モータ41から突出するモータ軸にファン等が取り付けられており、外部に露出していないため、分解することなくモータ軸を機械装置等で固定することはできない。また、モータ41の負荷条件、例えば圧縮機24内部に圧力差がある場合、モータ軸が所定の位相に止まらないことがある。
モータ41の回転子は、q軸電流により発生するトルクによって回転し、d軸電流に直流電流を流すことで、モータ41の回転子の位置を決めることができる。d軸電流の直流電流の位置決め効果を利用すれば、機械装置等でモータ軸を固定しなくても、また、圧縮機24の内部に圧力差がある場合でも、モータ軸を所定の位相に固定することができる。そこで、測定中、d軸電流に直流成分を流し、モータ41の回転子を固定する。
図8は、一般的なインバータ回路の一例を示した図である。インバータ回路は、図8(a)に示すように、スイッチング素子として上アームと下アームにトランジスタ120、121を有し、トランジスタ120、121に並列にダイオード122、123が接続されている。インバータ回路は、トランジスタ120がOFFで、トランジスタ121がONのとき、図8(a)の破線で示すように、電流iXSが、ダイオード123を介して図示しない負荷へ向けて流れる。
トランジスタ120をOFFからONに、トランジスタ121をONからOFFに同時に切り替えると、トランジスタ120、121が瞬間的に同時にON状態になり、電源からトランジスタ120、121の両方を通して電流が流れる短絡が発生し、インバータ回路が故障するおそれがある。このため、トランジスタ120、121が同時にON状態になることを回避するために、トランジスタ120、121の両方がOFFになる時間としてデッドタイムが設けられる。
トランジスタ120、121には、スイッチング特性として、切り替えが発生し、電圧が立ち上がり始めるまで、もしくは立ち下がり始めるまでの遅延時間、所定の電圧に立ち上がるまで、もしくは立ち下がるまでのターンオン・オフ時間がある。また、トランジスタ120、121は、それ自体が電気抵抗となり、電圧ドロップが発生する。
図9は、インバータ回路のデッドタイム、ターンオン・オフ、電圧ドロップの影響について説明する図である。図9は、電流と電圧との関係を示した図である。破線がインバータ回路の理想的な出力特性を示す線で、実線がインバータ回路の実際の出力特性を示す線である。実際の出力特性では、デッドタイム等の影響で、ゼロ付近の電流において電圧が負から正(もしくは正から負)に非線形に変化し、それがインバータ回路の出力電圧に誤差を発生させる要因となっている。
また、図9を参照すると、電流軸に電圧指令の波形が示され、電圧軸に電流波形が示され、それらの波形は正負対称となっている。これは、周期的に電流が流れる方向が変わることを意味している。
このように、電流、電圧の波形が正負対称で、電流がゼロ付近において電圧が非線形に変化することで誤差が発生する。このため、電流、電圧の波形が測定時に常に正もしくは負で、非線形に変化しないようにすることができれば、誤差を抑制することができる。
電流、電圧の波形を正もしくは負にするには、3相電流の流れ方向を一定に保持すること(電流方向を固定すること)が必要である。電流方向は、図9に示すように、dq軸の正弦波の交流成分の振幅値より大きい直流成分を導入し、嵩上げすることにより一定の流れ方向に固定することができる。
図10は、モータ41の電流波形を例示した図である。モータ41が停止状態から、最初に、モータ41のd軸電流に直流電流を徐々に増加するように流す。これにより、モータ41の回転子を所定の位置に移動させる。このときのモードが、位置決めモードである。次に、Ld測定モードにおいて、d軸電流の直流成分の量を一定に保持した状態で、d軸に所定量の交流電流を流す。このとき、検出される交流電流の電流値と、交流の電圧指令値とを用いて、Ldインダクタンスを算出する。その後、Lq測定モードにおいて、d軸電流を一定値にし、q軸電流に所定量の交流電流を流す。このとき、検出される交流電流の電流値と、交流の電圧指令値とを用いて、Lqインダクタンスを算出する。
モータ定数測定モードのモータ位相θdcは、固定値θdc_atに設定する。θdc_atは、3相電流の流れ方向を一定にしやすくするため、0°あるいは60°の整数倍にする。θdc_atが0°の場合、3相電流i、i、iと、q軸電流iqcとの関係は、下記式14で表すことができる。
Figure 0007217833000015
上記式14から、Ld測定時にはq軸電流iqc=0であるため、i=i=-i/2=-idc/2となる。また、上記式14から、Lq測定時にはd軸電流idcが直流電流であり、q軸電流iqcが交流電流であるため、iが直流電流、i、iが同じ直流量の偏移をもつ同じ振幅の交流電流である。
モータ定数の演算には、dq軸電圧指令vdc 、vqc を使用する。このため、電圧指令値と実際の出力電圧とがほぼ同じであれば、高い精度で電圧指令値からモータ定数を演算することができる。
ところが、実際の出力電圧には、デッドタイム、パワー素子のターンオン・ターンオフ時間および電圧ドロップの影響があり、特に電流のゼロクロス(交流電圧のゼロ地点)付近で、電圧指令値との間に誤差が発生する。これでは、高い精度でモータ定数を演算することができない。
しかしながら、本方法では、モータ定数測定中に、d軸電流の直流成分の量を調整し、3相電流の流れ方向を一定に保持することができるため、電流ゼロクロス付近のインバータ45の出力電圧の誤差を抑制することができる。
具体的には、Ld測定モードとLq測定モードのd軸電流の直流成分の量Id_at_dc_Ld、Iq_at_qc_Lqを、下記式15で示す範囲に設定することで、3相電流の流れ方向を一定にすることができる。
Figure 0007217833000016
図10を参照すると、最初にモータ41が停止状態(時間軸の約0.1秒まで)から約0.53秒まで、d軸電流指令id_at を徐々に増加し、モータ41の回転子の位置をd軸に移動させる。その後、制御モードが位置決めモードからLd測定モードとLq測定モードに順番に遷移し、切替部66~68、81、82、96、97は、それぞれのモードに従って切り替える。ここでは、先にLd測定モードでモータ定数を測定し、その後にLq測定モードでモータ定数を測定しているが、この順番に限定されるものではなく、先にLq測定モードで測定し、その後にLd測定モードで測定を行ってもよい。
モータ定数を測定した後は、測定結果を電圧制御部60へ出力し、モードをモータ定数測定モードから通常運転モードへ変更する。
図11は、Ld測定モードとLq測定モードに対応する3相電流i、i、iの電流波形を例示した図である。図11の上から順に、電流iの波形、電流iの波形、電流iの波形を示す。図11の波形を参照すると、モータ定数測定中に、上記の直流成分を導入することにより、u相電流Iが常に正値、v相電流Iとw相電流Iが常に負値であり、各相の電流流れ方向が一定であることが分かる。
これまでに説明してきたように、モータ41が起動前に、モータ41を駆動するインバータ45から、直流成分と交流成分とを含むd軸電流を流して、モータ巻線抵抗R1とd軸インダクタンスLdを測定し、直流成分のd軸電流と交流成分のq軸電流を流して、モータ巻線抵抗R1とq軸インダクタンスLqを測定することができる。
また、d軸電流の直流成分の大きさを調整することにより、3相電流の流れ方向を一定にすることで、デッドタイムやパワー素子特性に起因するインバータ45の出力電圧の誤差を抑制し、高精度にモータ定数を自動測定することができる。
図12は、電気定数としてモータ定数の測定の流れを示したフローチャートである。この処理は、例えば冷凍機器10の主電源をONにしたとき、ステップ100から開始する。なお、これは一例であるので、毎回主電源をONにしたときに実施することに限定されるものではなく、何回かに1回実施する、半年に1回実施する等であってもよい。
ステップ101では、q軸電流の電流平均値を所定範囲内、すなわちほぼゼロとし、d軸に直流電流を流し、直流成分を導入する。所定範囲は、これに限られるものではないが、例えば、定格電流の5%や10%の範囲内とすることができる。これにより、モータ41の回転子を固定する。
ステップ102で、d軸に正弦波状の交流成分を導入し、直流成分と交流成分の合計値を設定する。ここでは、d軸の電流指令の直流成分を交流成分の振幅より大きく設定し、3相電流の流れ方向を一定にする。ステップ103で、Ld測定として、d軸の交流成分の電圧指令と検出電流とに基づき、モータ巻線抵抗R1とd軸インダクタンスLdを演算する。
次に、ステップ104で、d軸電流を一定の直流電流とし、q軸電流を正弦波状の交流成分のみに設定する。ここでは、d軸の電流指令の直流成分をq軸の交流成分の振幅の2倍より大きく設定し、3相電流の流れ方向を一定にする。ステップ105で、Lq測定として、q軸の交流成分の電圧指令と検出電流とに基づき、モータ巻線抵抗R1とq軸インダクタンスLqを演算する。
d軸電流を一定の直流電流とした場合、u相電流が正の電流となり、v相電流とw相電流がほぼ同じ波形となり、これらが重なり合うと2倍の振幅になる。すると、d軸の電流指令の直流成分は、q軸の交流成分の振幅の2倍より大きくなければ、3相電流の流れ方向が一定にならない。このため、ステップ104では、d軸の電流指令の直流成分をq軸の交流成分の振幅の2倍より大きく設定することとしている。
これらの演算が終了したところで、ステップ106へ進み、モータ定数の測定を終了する。なお、先にd軸に対するモータ定数を測定し、その後にq軸に対するモータ定数を測定することに限らず、先にq軸に対するモータ定数を測定し、その後にd軸に対するモータ定数を測定してもよい。
図10および図11に示した電流制御は、図6に示したPIS制御部97により実施され、図13に示すように、d軸に直流電流を流し、モータ41の回転子の位置決めを実施するとともに、電流指令値と検出電流から、モータ巻線抵抗R1を算出することができる。そして、交流成分を導入して、Ldを測定するが、交流成分の振幅の大きさを調整して、それぞれの振幅に対応する複数回のd軸インダクタンスを演算して測定し、磁気飽和の影響を磁気飽和特性として測定することができる。
モータ41に使用されるコイル(インダクタ)は、磁気飽和許容電流の最大値を超えると磁気飽和を起こし、インダクタンスが減少する。すると、インピーダンスが小さくなり、コイルに流れる電流が急激に増加し、効率低下や異常動作が発生するおそれがある。磁気飽和特性は、このような磁気飽和を起こしていないかどうかを確認する指標であり、直流成分と交流成分の合計量と、演算したd軸インダクタンスとの関係から測定することができる。
その後、d軸電流を一定の直流電流とし、q軸電流を正弦波状の交流成分のみに設定してLq測定を実施するが、交流成分の振幅の大きさを調整して、それぞれの振幅に対応する複数回のq軸インダクタンスを演算して測定し、磁気飽和の影響を磁気飽和特性として測定することができる。
図13に示す例では、Ld測定およびLq測定において、交流成分の振幅を3段階に分けて測定しているが、3段階に限定されるものではなく、4段階以上に分けて測定してもよい。なお、2段階以下では電流飽和特性を測定することが困難であるため、3段階以上に分けることが望ましい。
図14は、制御部46の第2の構成例を示したブロック図である。制御部46は、図3に示した第1の構成例と同様、電圧制御部60と、2軸/3相変換部61と、3相/2軸変換部62と、電流再現演算部63と、PWM制御部64と、モータ定数測定部65とを備える。これらの機能部については、既に説明したので、ここではその説明を省略する。
制御部46は、これらの機能部に加えて、記憶部130と、モータ41の状態を推定する推定部131とを備える。記憶部130は、例えば非揮発性メモリを使用して実現され、製品としての冷凍機器の製造時あるいは出荷時において、モータ定数を測定した結果(初期測定結果)を記憶する。推定部131は、製品の使用時に、モータ定数の新しい測定結果を、記憶部130に記憶された初期測定結果と比較し、その比較結果に基づき、モータ41の状態を推定する。
推定部131は、例えば測定したモータ巻線抵抗R1やインダクタンスLd、Lqが、初期測定結果より20%以上小さい場合、モータ巻線に線間短絡が発生したと推定し、初期測定結果より20%以上大きい場合、モータ配線の接触不良が発生したと推定することができる。ここでは、20%を閾値として用いているが、閾値は20%に限定されるものではない。
このようなモータ定数の変化量を測定することにより、製品の故障判断や不具合原因の究明に活用することができる。
図15は、d軸電流に直流成分を導入した場合と導入しない場合のモータ軸の位相と3相電流波形を示した図である。これらの位相と電流波形は、モータ軸に0.1Nm負荷を印加した場合の位相(機械角度)と電流の測定結果を示したものである。図16(a)は、直流成分を導入しない場合の位相と電流波形を示し、図16(b)は、直流成分を導入した場合の位相と電流波形を示す。
図15(a)に示すように、直流成分を導入しない場合、モータ軸が約-70°までずれている。一方、図15(b)に示すように、直流成分を導入した場合、機械角度が約1°以内に固定することができていることが分かる。
また、図15(a)に示すように、直流成分を導入しない場合、電流波形は、モータ軸のずれにより、3相電流が正と負の両方の流れを生じているのが分かる。一方、図15(b)に示すように、直流成分を導入した場合、モータ軸が固定されているため、3相電流が正もしくは負のいずれかとなり、3相電流の流れ方向を一定に保持することができていることが分かる。
図16は、モータ軸に0.1Nm負荷を印加した場合の電流波形を示した図である。図16(a)は、d軸電流に直流成分を導入せず、3相電流に正負がある場合の結果を示し、図16(b)は、d軸電流に直流成分を導入し、3相電流の流れ方向を固定した場合の結果を示す。
図16(a)、(b)中、iは、i電流を示し、iは、i電流を示し、iは、i電流を示す。これらの電流を基に、Ld、Lqを演算することができる。初期設定結果として設定されている値と、この演算により得られた値との差が、Ld、Lq測定誤差となる。
図16(a)に示す3相電流に正負がある場合、Ld測定誤差は+21.7%で、Lq測定誤差は+25.1%であった。一方、図16(b)に示す3相電流の流れ方向を固定した場合、Ld測定誤差は-0.4%で、Lq測定誤差は+0.8%であった。これらの結果から、3相電流の流れ方向を固定することで、Ld、Lq測定誤差を十分に抑制できることが分かる。
以上のことから、d軸電流の直流成分の位置決め効果により、モータ41の回転子を固定することができ、モータ41が圧縮機等に内蔵された状態でも、モータ定数を測定することが可能となる。また、インバータ出力誤差の影響を抑制して、電流ひずみを低減し、モータ定数の測定精度を向上させることができる。
また、モータ定数の測定結果を、冷凍機器等に実装される制御パラメータとして設定することで、モータ駆動することができ、制御パラメータの事前調整や設定作業が不要になる。
これまで本発明のモータ駆動装置、電気定数測定方法およびそのモータ駆動装置を備えた冷凍機器について上述した実施形態をもって詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
したがって、本発明のモータ駆動装置を備えた冷凍機器以外の機器も提供することができる。本発明のモータ駆動装置が適用可能な冷凍機器以外の機器としては、例えば、洗濯機、掃除機、送風機、圧縮機、ポンプ等が挙げられる。また、モータ駆動装置が備える電流検出手段39は、シャント抵抗に代えて、電流トランス(CT)によって検出してもよい。この場合、電流検出箇所をインバータ45の出力部としてもよい。また、モータ41は、永久磁石同期モータに限定されるものではなく、埋込磁石型のモータであってもよいし、表面磁石型のモータであってもよい。
10…冷凍機器
11…第1の筐体
12…第1の熱交換器
13…第1のファン
14…第1のファンモータ
20…第2の筐体
21…第2の熱交換器
22…第2のファン
23…第2のファンモータ
24…圧縮機
25…減圧機構
26…モータ駆動装置
30~33…配管
40…商用交流電源
41…モータ
42…負荷
43…整流回路
44…平滑コンデンサ
45…インバータ
46…制御部
47…シャント抵抗
48…増幅器
49…電圧検出手段
50…直列接続点
60…電圧制御部
61…2軸/3相変換部
62…3相/2軸変換部
63…電流再現演算部
64…PWM制御部
65…モータ定数測定部
66~68…切替部
70…信号生成部
71~74…乗算部
75~78…周期積分部
79…モータ電流制御部
80…モータ定数演算部
81、82…切替部
90、91…乗算部
92…加算部
93、94…減算部
95、96…切替部
97、98…PIS制御部
100…PI制御部
101…S制御部
110…振幅演算部
111…定数演算部
120、121…トランジスタ
122、123…ダイオード
130…記憶部
131…推定部

Claims (8)

  1. モータへ出力する電力を変換する電力変換手段と、
    前記電力変換手段から前記モータに出力される電流を検出する電流検出手段と、
    前記電力変換手段の動作を制御する制御手段と
    を含み、
    前記制御手段が、前記モータの回転座標におけるq軸の電流平均値を所定範囲内とし、前記回転座標におけるd軸の電流として直流電流と正弦波状の交流電流とを出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅より大きくなるように制御し、前記電流検出手段が検出した前記電流を用いて、前記モータの電気定数を演算する、モータ駆動装置。
  2. モータへ出力する電力を変換する電力変換手段と、
    前記電力変換手段から前記モータに出力される電流を検出する電流検出手段と、
    前記電力変換手段の動作を制御する制御手段と
    を含み、
    前記制御手段が、前記モータの回転座標におけるd軸の電流として直流電流を出力し、前記回転座標におけるq軸の電流として正弦波状の交流電流を出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅の2倍より大きくなるように制御し、前記電流検出手段が検出した前記電流を用いて、前記モータの電気定数を演算する、モータ駆動装置。
  3. 前記制御手段が、前記d軸の電流と前記q軸の電流の電流指令値と、前記電流検出手段により検出された前記d軸の電流と前記q軸の電流の検出結果との差分を算出し、算出した前記差分に基づき、前記電力変換手段から出力される出力電圧を調整する、請求項1または請求項2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記制御手段が、前記モータの電気定数を記憶する記憶手段と、前記演算手段により演算された電気定数と、前記記憶手段に記憶された電気定数とに基づき、前記モータの状態を推定する推定手段とを含む、請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  5. 熱交換器と、
    冷媒を圧縮するとともに、前記熱交換器を介して前記冷媒を循環する圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動する第1のモータと、
    前記熱交換器に送風するファンと、
    前記ファンを駆動する第2のモータと、
    前記第1のモータと前記第2のモータとを駆動するモータ駆動装置と
    を含み、
    前記モータ駆動装置が、
    前記第1のモータと前記第2のモータに出力する電力を変換する電力変換手段と、
    前記電力変換手段から前記第1のモータと前記第2のモータに出力される電流を検出する電流検出手段と、
    前記電力変換手段の動作を制御する制御手段と
    を含み、
    前記制御手段が、前記第1のモータと前記第2のモータの回転座標におけるq軸の電流平均値を所定範囲内とし、前記回転座標におけるd軸の電流として直流電流と正弦波状の交流電流とを出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅より大きくなるように制御し、前記電流検出手段が検出した前記電流を用いて、前記第1のモータと前記第2のモータの電気定数を演算する、冷凍機器。
  6. 熱交換器と、
    冷媒を圧縮するとともに、前記熱交換器を介して前記冷媒を循環する圧縮機と、
    前記圧縮機を駆動する第1のモータと、
    前記熱交換器に送風するファンと、
    前記ファンを駆動する第2のモータと、
    前記第1のモータと前記第2のモータとを駆動するモータ駆動装置と
    を含み、
    前記モータ駆動装置が、
    前記第1のモータと前記第2のモータに出力する電力を変換する電力変換手段と、
    前記電力変換手段から前記第1のモータと前記第2のモータに出力される電流を検出する電流検出手段と、
    前記電力変換手段の動作を制御する制御手段と
    を含み、
    前記制御手段が、前記第1のモータと前記第2のモータの回転座標におけるd軸の電流として直流電流を出力し、前記回転座標におけるq軸の電流として正弦波状の交流電流を出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅の2倍より大きくなるように制御し、前記電流検出手段が検出した前記電流を用いて、前記第1のモータと前記第2のモータの電気定数を演算する、冷凍機器。
  7. モータへ出力する電力を変換する電力変換手段と、電流検出手段と、制御手段とを含むモータ駆動装置により、前記モータの電気定数を測定する方法であって、
    前記制御手段が、前記モータの回転座標におけるq軸の電流平均値を所定範囲内とし、前記回転座標におけるd軸の電流として直流電流と正弦波状の交流電流とを出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅より大きくなるように制御するステップと、
    前記電流検出手段が、前記電力変換手段から前記モータに出力される電流を検出するステップと、
    前記制御手段が、検出された前記電流を用いて、前記モータの電気定数を演算するステップと
    を含む、電気定数測定方法。
  8. モータへ出力する電力を変換する電力変換手段と、電流検出手段と、制御手段とを含むモータ駆動装置により、前記モータの電気定数を測定する方法であって、
    前記制御手段が、前記モータの回転座標におけるd軸の電流として直流電流を出力し、前記回転座標におけるq軸の電流として正弦波状の交流電流を出力し、前記直流電流が前記交流電流の振幅の2倍より大きくなるように制御するステップと、
    前記電流検出手段が、前記電力変換手段から前記モータに出力される電流を検出するステップと、
    前記制御手段が、検出された前記電流を用いて、前記モータの電気定数を演算するステップと
    を含む、電気定数測定方法。
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