[1.第1実施形態]
[1.1.通信装置を用いるシステムの概要]
図1は、第1実施形態に係る通信装置10を用いるシステム1の概略を示す図である。図1に示すシステム1は、通信装置10と複数の情報処理装置20_1~20_4とを備える。通信装置10は、屋内RIで複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれと通信し、無線通信網NWと複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの間の通信を中継する。なお、以下では、情報処理装置20_1~20_4を区別しない場合等において、情報処理装置20_1~20_4のそれぞれを情報処理装置20_iとも称する。iは1以上4以下の整数である。
無線通信網NWは、屋内RIの外側に設置される基地局を含む移動体通信網等の通信網である。無線通信網NWは、移動体通信網のほか、当該移動体通信網と通信して外部と無線通信を行う通信機を含んでもよい。
複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれは、例えば、ノート型PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末又は携帯型ゲーム機等の可搬型の情報端末、或いは、デスクトップ型PC等の固定型の情報端末である。複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれは、屋内RIで使用される。情報処理装置20_1~20_4のそれぞれには、通信装置10との通信に用いるID(識別子)が割り当てられている。
通信装置10は、無線通信網NWへの接続機能を備えた無線LAN(Local Area Network)ルーターである。通信装置10は、無線通信網NWと移動体通信方式で無線通信する一方、複数の情報処理装置20_1~20_4と無線LAN方式で無線通信する。通信装置10は、屋内RIを自走可能に構成される。この自走により屋内RIにおける通信装置10の位置Pを変化させることで、通信装置10と無線通信網NW及び複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの通信速度等の通信状態を変更することができる。
図2は、第1実施形態に係る通信装置10を屋内RIに配置した状態を概念的に示す図である。図2では、情報処理装置20_1及び20_2のそれぞれがノート型PCであり、情報処理装置20_1及び20_2のそれぞれがスマートフォンである場合が例示される。図2では、ある時間帯における通信装置10及び複数の情報処理装置20_1~20_4が実線で示され、他の時間帯における通信装置10及び複数の情報処理装置20_1~20_4が二点鎖線で示される。
無線通信網NWの通信に用いる電波の周波数帯域が高くなるほど、当該電波の直進性が高くなるため、当該電波が屋内RIで減衰しやすく、通信装置10と無線通信網NWとの通信状態が通信装置10の位置Pの影響を受けやすい。そこで、通信装置10は、無線通信網NW及び複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの通信状態に関する情報を所定の時間帯ごとに履歴情報として記憶しておき、当該履歴情報に基づいて移動する。後に詳述するが、当該履歴情報には、複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの時間帯ごとの通信量に関する情報が含まれる。このため、時間帯ごとに、複数の情報処理装置20_1~20_4に必要な通信量に適した目的位置PTに通信装置10を配置することができる。また、当該履歴情報には、無線通信網NWとの通信速度とに関する時間帯ごとの情報が含まれる。このため、時間帯ごとに、前述の複数の情報処理装置20_1~20_4を必要な通信量に応じて配置することができる。
図3は、第1実施形態に係る通信装置10の構成を示すブロック図である。図3に示す通信装置10は、処理装置110と記憶装置120と送受信装置130と入力装置140と出力装置150と検出装置160と移動機構170とを備える。これらは、単体又は複数のバスで相互に接続される。
処理装置110は、通信装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば単数又は複数のチップで構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
記憶装置120は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムP1を含む複数のプログラム、及び処理装置110が使用する履歴情報D1を含む各種のデータを記憶する。記憶装置120は、「記憶部」の一例である。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の記憶回路の1種類以上で構成される。なお、制御プログラムP1及び履歴情報D1については、後に詳述する。
送受信装置130は、他の装置と通信する機器である。送受信装置130は、第1通信部131と第2通信部132とを備える。第1通信部131は、無線通信網NWと通信する通信回路である。第1通信部131と無線通信網NWの基地局との間の通信方式は、例えば、LTE4G、5G等の無線通信方式である。第2通信部132は、複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれと通信する通信回路である。第2通信部132と複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの間の通信方式は、例えば、IEEE802.11規格に対応したWi-Fi(登録商標)等の無線通信方式である。
入力装置140は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。例えば、入力装置140は、通信装置10の電源のオン又はオフを指定する電源ボタン、リセットボタン等を含む。また、入力装置140は、後述する準備モードと運用モードとを切り替えるスイッチを含む。入力装置140は、ユーザの操作に応じた入力情報を処理装置110に出力する。
出力装置150は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプ等)である。例えば、出力装置150は、通信装置10と複数の情報処理装置20_1~20_4との通信状態をユーザに知らせるための装置である。より具体的には、例えば、出力装置150は、5個のLEDランプを備える。当該5個のLEDランプのうちの1つは、無線通信網NWとの間の通信状態を示すLEDランプであり、点滅状態で不良、点灯状態で良好を示す。当該5個のLEDランプのうちの残りの4つは、情報処理装置20_1~20_4との間の通信状態を点灯数に応じて示す。以上のような複数のLEDランプを出力装置150として用いることで、通信装置10と無線通信網NW又は情報処理装置20_1~20_4との通信状態をユーザに視覚的にわかりやすく知らせることができる。なお、出力装置150は、入力装置140と一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
検出装置160は、屋内RIにおける通信装置10の位置Pを検出する位置検出機能と、屋内RIにおける物体を認識する物体認識機能と、を有する装置である。例えば、検出装置160は、加速度センサ及び角速度センサ等の慣性センサを備えており、屋内RIにおける通信装置10の位置P(より具体的には送受信装置130のアンテナの位置)に応じた信号を出力する。また、例えば、検出装置160は、TOF(Time Of Flight)センサ等の物体認識センサ(環境認識センサ)を備えており、屋内RIにおける通信装置10の周囲にある物体の三次元的な位置及び形状に関する物体情報を含む信号を出力する。当該物体情報は、当該物体認識センサに設定された座標系の座標値を示す。当該座標値は、後述の位置検出部113に設定されている座標系に対応付けられている。なお、検出装置160は、前述のセンサのほかに、圧力センサ等の他のセンサを有してもよい。屋内RIにおける通信装置10の位置Pは、圧力センサの検出結果を用いても求めることが可能である。また、屋内RIの地図情報が通信装置10に予め設定されているか、又は、通信装置10が当該地図情報を外部から取得可能である場合には、前述の物体認識機能又は物体認識センサを省略してもよい。
移動機構170は、処理装置110による制御のもと、屋内RIにおいて通信装置10を移動させる機構である。例えば、移動機構170は、無人搬送車、ドローン等の飛行体、又は歩行型ロボット等である。図2には、移動機構170が無人搬送車である場合が例示される。当該無人搬送車は、例えば、車輪と、車輪を駆動するモータと、モータを駆動する駆動回路と、を備える。なお、移動機構170は、通信装置10を無軌道で移動させる構成に限定されず、例えば、レール等の軌道に沿って通信装置10を移動させる構成でもよい。
[1.2.通信装置の機能]
処理装置110は、記憶装置120から読み取った制御プログラムP1を実行することによって、第1計測部111、第2計測部112、位置検出部113、目標位置推定部114、通信速度推定部115、個別領域特定部116、判定部117、移動制御部118及び通信速度制御部119として機能する。
第1計測部111は、第1通信部131が無線通信網NWから受信した信号の強度に基づいて、第1通信部131と無線通信網NWとの間で通信可能な第1通信速度DWを計測する。例えば、第1通信部131は、第1通信部131から受信強度に関する情報を取得し、当該受信強度が強いほど通信速度が高いことを示す情報を生成する。当該情報は、所定の時間帯ごとに、当該時間帯に対応付けられて、履歴情報D1に含まれる通信速度DWとして記憶装置120に記憶される。
第2計測部112は、第2通信部132と複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの第2通信速度DL1~DL4を計測する。例えば、第2通信部132は、各情報処理装置20_1~20_4に対する第2通信部132の送信量に関する情報を所定の時間帯ごとに取得し、当該時間帯あたりの送信量が多いほど通信速度が高いことを示す情報を生成する。当該情報は、所定の時間帯ごとに、当該時間帯に対応付けられて、履歴情報D1に含まれる第2通信速度DL1~DL4として記憶装置120に記憶される。以下では、第2通信速度DL1~DL4のそれぞれを第2通信速度DLiともいう。
位置検出部113は、屋内RIにおける通信装置10の位置Pを検出する。位置Pは、より具体的には、屋内RIにおける第1通信部131及び第2通信部132の送受信点(アンテナの位置)であるともいえる。位置検出部113には、2次元又は3次元の座標系が予め設定されており、位置検出部113で検出される位置Pは、当該座標系の座標値で示される。位置検出部113は、後述の準備モードにおいて、検出装置160からの信号に基づいて、屋内RIにおける通信装置10の周囲にある物体の三次元的な位置及び形状を障害物情報として検出し、その障害物情報を前述の座標系に付加して、屋内RIの地図を示す地図情報を作成する。また、位置検出部113は、後述の運用モードにおいて、検出装置160からの信号と当該地図情報とに基づいて、通信装置10の位置Pを検出する。運用モードにおける位置検出部113の検出結果は、所定の時間帯ごとに、当該時間帯に対応付けられて、履歴情報D1に含まれる位置情報PAとして記憶装置120に記憶される。なお、運用モードにおいて、障害物情報を取得してもよく、その障害物情報を用いて地図情報を更新してもよい。
目標位置推定部114は、屋内RIにおける通信装置10の目標位置PTを所定の時間帯ごとに推定する。目標位置推定部114は、履歴情報D1を用いずに当該目標位置PTを決定する第1モードと、履歴情報D1を用いて当該目標位置PTを決定する第2モードと、を有する。これらのモードは、履歴情報D1の情報量に応じて切り替えられる。例えば、目標位置推定部114は、履歴情報D1の情報量が所定量以上か否かを判定し、判定結果が否定である場合、第1モードを実行し、判定結果が肯定である場合、第2モードを実行する。第1モードにおいて、目標位置推定部114は、例えば、前述の地図情報に基づく地図内の所定の複数の地点から所定時間毎に所定の順序で1つずつを選択して目標位置PTとして設定する。一方、第2モードにおいて、目標位置推定部114は、後述する重複領域Aoにおいて、第1計測部111で計測された通信速度から複数の情報処理装置20_1~20_4について第2計測部112で計測された通信速度の合計を差し引いた値が最大となる通信装置10の位置Pを目標位置PTとして所定の時間帯ごとに推定する。
通信速度推定部115は、履歴情報D1に基づいて、第2通信部132と複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの通信に必要な通信速度D’L1~D’L4を時間帯ごとに推定する。以下では、通信速度D’L1~D’L4のそれぞれを通信速度D’Liともいう。
図4は、履歴情報D1の一例を示す図である。図4に示すように、履歴情報D1は、第1計測部111の計測結果である第1通信速度DW、第2計測部112の計測結果である第2通信速度DLi、及び位置検出部113の検出結果である位置情報PAを所定の時間帯ごとに対応付けた情報を含む。図4では、当該時間帯が10分ごとであるが、当該時間帯の幅及び間隔は、任意である。
例えば、通信速度推定部115は、履歴情報D1に含まれる時間帯ごとの第2通信速度DL1~DL4に基づいて、必要な通信速度D’L1~D’L4を推定する。必要な通信速度D’Liは、第2通信速度DLiを超えない範囲で決定される。また、同じ時間帯の第2通信速度DLiが複数ある場合、必要な通信速度D’Liは、同じ時間帯の複数の第2通信速度DLiの平均値、中央値又は最頻値等の統計値であってもよいし、同じ時間帯の複数の第2通信速度DLiのうちの最大値であってもよい。
個別領域特定部116は、複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれについて個別領域AL_1~AL_4を時間帯ごとに特定する。個別領域AL_1~AL_4は前述の必要な通信速度D’L1~D’L4を得ることが可能な通信装置10の位置Pの範囲である。当該特定は、履歴情報D1における、第2計測部112の計測結果と位置検出部113の検出結果とに基づいて行われる。例えば、個別領域特定部116は、履歴情報D1に含まれる位置情報PAのうち、履歴情報D1の第2通信速度DLiが通信速度D’Li以上となる位置情報PAをすべて取得し、これらの位置情報PAに基づく位置を所定範囲内で包含する領域を個別領域AL_1~AL_4として特定する。以下では、個別領域AL_1~AL_4のそれぞれを個別領域AL_iともいう。
判定部117は、前述の必要な通信速度D’Liを実現し得る通信装置10の位置Pが存在するか否かを判定する。具体的には、まず、判定部117は、履歴情報D1に基づいて、第1通信速度DWが複数の情報処理装置20_1~20_4についての第2通信速度DLiの合計よりも大きくなる通信装置10の位置Pの範囲である通信領域Cを求める。そして、判定部117は、通信領域Cと個別領域AL_iのすべてとが重なる領域である重複領域Aoの有無を時間帯ごとに判定する。
図5は、個別領域AL_i(AL_1~AL_4)と通信領域Cと重複領域Aoとの関係を概念的に示す図である。図5では、個別領域AL_1~AL_4のそれぞれが破線で示され、個別領域AL_1~AL_4が互いに重なる領域が実線で示され、通信領域Cが一点鎖線で示され、重複領域Aoがハッチングを施した範囲で示される。図5に示すように、重複領域Aoは、個別領域AL_1~AL_4が互いに重なる領域と、通信領域Cとが重なる領域である。なお、図5では、説明の便宜上、各領域の形状が単純化されているが、実際の各領域の形状は、履歴情報D1に含まれる位置情報PAのうち各領域の条件を満たす位置情報PAが示す位置に応じた形状である。
移動制御部118は、判定部117の判定結果に基づいて移動機構170を時間帯ごとに制御する。特に、移動制御部118は、判定部117の判定結果が肯定である場合、移動機構170を制御して、通信装置10を重複領域Aoに位置させる。また、移動制御部118は、地図情報を作成するための移動機構170の制御を行う準備モードと、地図情報を用いて移動機構170の制御を行う運用モードと、を有する。これらのモードは、例えば、入力装置140のスイッチ等により切り替えられる。また、準備モードから運用モードへの切り替えは、地図情報の作成後に自動的に行われる。準備モードでは、目標位置推定部114で決定した目標位置PTを用いずに、屋内RIをくまなく通信装置10を移動させる。例えば、準備モードでは、予め設定された所定の移動パターンに従い、検出装置160の検出結果に基づいて屋内RIの障害物を避けるように、通信装置10を移動させる。運用モードでは、地図情報を用いて、目標位置推定部114で決定した目標位置PTに通信装置10を移動させる。なお、本実施形態では、移動制御部118は、移動機構170の移動制御以外の制御又は処理も適宜に行う。
通信速度制御部119は、前述の必要な通信速度D’Liを調整する。具体的には、通信速度制御部119は、判定部117の判定結果が否定である場合、必要な通信速度D’Liを低下させる。このとき、通信速度制御部119は、予め設定された規則に従って、必要な通信速度D’Liを低下させる。例えば、通信速度制御部119は、複数の情報処理装置20_1~20_4についての必要な通信速度D’Liのうち、最も高い通信速度を他の通信速度に比べて小さい割合で低下させる。より具体的に説明すると、例えば、情報処理装置20_1の通信速度D’L1が100Mbps、情報処理装置20_2の通信速度D’L2が60Mbps、情報処理装置20_3の通信速度D’L3が5Mbpsであった場合を想定する。この場合、例えば、通信速度D’L1を99Mbps(1%低下)、通信速度D’L2を54Mbps(10%低下)、通信速度D’L3を2.5Mbps(50%低下)とする。さらに、通信速度D’L1は低下させず(0%)、通信速度D’L2及び通信速度D’L3を低下させてもよい。
また、通信速度制御部119は、複数の情報処理装置20_1~20_4についての必要な通信速度D’Liを、複数の情報処理装置20_1~20_4の装置ごとに予め定められた割合で低下させてもよい。より具体的に説明すると、例えば、父親が管理する情報処理装置20_1は0%、母親が管理する情報処理装置20_2は10%低下、子供が管理する情報処理装置20_3は50%低下とする。
[1.3.通信装置の動作]
図6は、第1実施形態に係る通信装置10の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、通信装置10では、まず、移動制御部118が、準備モードの指示があるか否かを判断する(S1)。準備モードの指示がある場合、移動制御部118は、通信装置10の移動モードを準備モードに設定し、予め設定された所定の移動パターンに従って通信装置10を移動させる(S2)。このとき、位置検出部113は、検出装置160から屋内RIにおける障害物情報を取得する(S3)。その後、位置検出部113は、その障害物情報を用いて、屋内RIの地図を示す地図情報を生成する(S4)。次に、位置検出部113は、生成した地図情報を記憶装置120に記憶し(S5)、準備モードを終了させる(S6)。準備モードの終了後、移動制御部118は、通信装置10の電源スイッチ等に基づいて、終了指示があるか否かを判断し(S7)、終了指示がある場合、通信装置10の動作を終了し、一方、終了指示がない場合、前述のステップS1に戻る。
一方、準備モードの指示がない場合、移動制御部118は、通信装置10の移動モードを運用モードの第1モードに設定し(S8及びS9)、通信装置10を第1モードで移動させる(S10)。
図7は、第1実施形態に係る通信装置10の第1モードにおける動作を示すフローチャートである。図7に示すように、第1モードでは、まず、第1計測部111が第1通信速度DWを計測するとともに、第2計測部112が第2通信速度DLiを計測する(S101)。これらの計測結果は、それぞれ、記憶装置120に記憶される。次に、位置検出部113が送信装置10の位置Pを検出する(S102)。この検出結果は、記憶装置120に記憶される。その後、移動制御部118は、所定の時刻であるか否かを判断し(S103)、所定の時刻となるまで、前述のステップS101及び102を繰り返す。当該所定の時刻は、履歴情報D1の各時間帯の長さごとの時刻である。
所定の時刻である場合、第1計測部111が、計測した時間帯での第1通信速度DWを算出するとともに、第2計測部112が、計測した時間帯での通信装置10の位置Pを算出する。このとき、第1計測部111は、当該時間帯の長さにわたって記憶装置120に記憶された第1通信速度DWを統計処理等する。また、第2計測部112は、当該時間帯の長さにわたって記憶装置120に記憶された位置Pを統計処理等する。その後、第1計測部111が、算出した第1通信速度DWを履歴情報D1の要素として記憶装置120に記憶させるとともに、第2計測部112が、算出した位置Pを履歴情報D1の要素である位置情報PAとして記憶装置120に記憶させる(S105)。
次に、目標位置推定部114が、地図情報に基づく地図内の所定の複数の地点から所定時間毎に所定の順序で1つずつを選択して目標位置PTとして設定する(S106及びS017)。その後、移動制御部118は、移動機構170を制御して、目標位置PTに送受信点を移動させる(S108)。送受信点を目標位置PTに移動させた後、移動制御部118は、通信装置10の電源スイッチ等に基づいて、終了指示があるか否かを判断し(S109)、終了指示がある場合、第1モードを終了し、一方、終了指示がない場合、前述のステップS101に戻る。
図6に戻り、第1モードは、履歴情報D1の情報量が所定量以上となるまで繰り返される(S11)。履歴情報D1の情報量が所定量以上となった場合、移動制御部118は、通信装置10の移動モードを運用モードの第2モードに設定し(S12)、通信装置10を第2モードで移動させる(S13)。
図8及び図9は、第1実施形態に係る通信装置10の第2モードにおける動作を示すフローチャートである。図8に示すように、第2モードでは、前述の第1モードのステップS101~S105と同様のステップS201~S205が実行される。ステップS205の実行後、通信速度推定部115が履歴情報D1に基づいて必要な通信速度D’L1~D’L4を時間帯ごとに推定する(S206)。次に、個別領域特定部116が個別領域AL_1~AL_4を時間帯ごとに特定する(S207)。その後、判定部117が個別領域AL_1~AL_4と通信領域Cとの重複領域Aoの有無を判定する(S208)。
重複領域Aoがある場合、図9に示すように、目標位置推定部114は、重複領域Ao内の目標位置PTを推定する(S210)。その後、移動制御部118は、前述の第1モードのステップS108と同様、移動機構170を制御して、目標位置PTに送受信点を移動させる(S211)。送受信点を目標位置PTに移動させた後、移動制御部118は、通信装置10の電源スイッチ等に基づいて、終了指示があるか否かを判断し(S212)、終了指示がある場合、第2モードを終了し、一方、終了指示がない場合、前述のステップS201に戻る。
図6に戻り、第2モードは、入力装置140のリセットスイッチ等に基づいて、履歴情報D1がリセットされるまで繰り返される(S14)。履歴情報D1がリセットされた場合、移動制御部118は、前述のステップS8に移行する。
以上の通信装置10では、移動制御部118が、判定部117の判定結果が肯定である場合、通信装置10の位置Pを履歴情報D1に基づく重複領域Aoに位置させるので、位置と通信速度が変化する複数の情報処理装置20_1~20_4が存在する場合であっても、通信装置10を適切な位置に移動できる。
また、前述のように、目標位置推定部114が、重複領域Aoにおいて、第1通信速度DWから複数の情報処理装置20_1~20_4についての第2通信速度DL1~DL4の合計を差し引いた値が最大となる通信装置10の位置Pを目標位置PTとして所定の時間帯ごとに推定する。そして、移動制御部118は、判定部117の判定結果が肯定である場合、通信装置10の位置Pを目標位置PTに位置させる。このため、複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれの実際の通信速度が必要な通信速度D’L1~D’L4を満たす。
さらに、前述のように、通信速度制御部119が、判定部117の判定結果が否定である場合、判定部117の判定結果が肯定となるまで、必要な通信速度D’L1~D’L4を低下させる。この結果、通信装置10の位置Pを履歴情報D1のみに基づいて最適化できない場合でも、通信装置10と無線通信網NW及び複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの通信状態ができるだけ最適に近い状態となる。
ここで、通信速度制御部119は、例えば、複数の情報処理装置20_1~20_4についての必要な通信速度D’L1~D’L4のうち、最も高い通信速度を他の通信速度に比べて小さい割合で低下させる。高い通信速度を必要とする場合は、例えば、動画を視聴が該当する。動画の視聴において、通信速度を大きく低下させると、動画の再生が一時停止するなど、動画の再生品質が著しく低下することがある。一方、Webページの閲覧は、動画の再生と比較すると、通信速度が低い。Webページの閲覧において通信速度が低下しても、動画の再生と比較すれば、品質の低下の程度は小さい。即ち、必要な通信速度が大きいほど、通信速度の低下に伴う品質の低下の影響が大きい。前述のように最も高い通信速度を他の通信速度に比べて小さい割合で低下させるので、システム全体の品質の低下を抑制することができる。
また、通信速度制御部119は、複数の情報処理装置20_1~20_4についての必要な通信速度D’L1~D’L4を、複数の情報処理装置20_1~20_4の装置ごとに予め定められた割合で低下させる。このため、父親の利用する情報処理装置についての必要な通信速度を、子供の利用する情報処理装置の必要な通信速度と比較して、小さな割合で通信速度を低下できる。以上のように必要な通信速度D’L1~D’L4を低下させることで、複数の情報処理装置20_1~20_4を使用する各ユーザの要求にできるだけ応えることが可能となる。
[2.第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図10は、第2実施形態における通信装置10Aのブロック図である。図10に示すように、通信装置10Aは、前述の第1実施形態の制御プログラムP1に代えて、制御プログラムP2を記憶装置120に記憶した以外は、前述の第1実施形態の通信装置10と同様である。なお、記憶装置120に制御プログラムP2を記憶したことに伴い、記憶装置120には、第1実施形態の履歴情報D2に代えて、履歴情報D2及びマップ情報D3が記憶される。
処理装置110は、記憶装置120から読み取った制御プログラムP2を実行することによって、前述の第1実施形態の処理装置110の機能に加えて、取得部181、マップ情報生成部182及び送信制御部183として機能する。
取得部181は、複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれから、屋内RIにおける情報処理装置20_iの位置に関する位置情報PBiと、情報処理装置20_iと第2通信部132との受信強度に関する品質情報IRiと、を取得する。この取得は、例えば、情報処理装置20_iがNFC(Near Field Communication)機能を有する場合、入力装置140にもNFC機能を実装しておき、入力装置140に情報処理装置20_iを接触させることで行われる。位置情報PBi及び品質情報IRiは、所定の時間帯ごとに、当該時間帯に対応付けられて、履歴情報D2に含まれる情報DTiとして記憶装置120に記憶される。受信強度は、第2通信部132と複数の情報処理装置20_1~20_4のそれぞれとの通信品質の一例である。なお、当該通信品質は、受信強度に限定されず、例えば、スループット又はエラーレート等であってもよい。
図11は、第2実施形態における履歴情報D2の一例を示す図である。図11に示すように、履歴情報D2は、前述の第1実施形態の履歴情報D1に加えて、位置情報PBi及び品質情報IRiを所定の時間帯ごとに対応付けた情報DTiを含む。図11では、履歴情報D1と情報DTiとの時間帯ごとの対応が一対一であるが、これに限定されず、任意である。
位置情報PBiは、例えば、情報処理装置20_iが角速度センサ等の慣性センサとNFC機能とを有する場合、次のように生成(更新)できる。まず、入力装置140にもNFC機能を実装しておき、入力装置140に情報処理装置20_iを接触させることで、通信装置10の位置情報PAを位置情報PBiとして情報処理装置20_iに取得させる。情報処理装置20_iは、加速度センサの検出結果を積分処理することで、通信装置10からの相対的な位置を算出し、当該位置と通信装置10の位置とに基づいて、屋内RIにおける情報処理装置20_iの位置情報PBiを生成(更新)する。
マップ情報生成部182は、位置検出部113の検出結果と、取得部181で取得した位置情報PBi及び品質情報IRiとの関係を所定の時間帯ごとに示すマップ情報D3を生成する。マップ情報D3は、所定の時間帯ごとに、当該時間帯に対応付けられて、記憶装置120に記憶される。マップ情報D3の生成は、所定時間ごとに定期的に行ってもよいし、情報処理装置20_iからの指示に基づくタイミングで行ってもよい。
送信制御部183は、マップ情報D3を複数の情報処理装置20_1~20_4のうちの1以上に送信する処理を第2通信部132に実行させる。マップ情報D3の送信は、所定時間ごとに定期的に行ってもよいし、情報処理装置20_iからの指示に基づくタイミングで行ってもよい。
図12は、マップ情報D3を用いて表示されるマップMPの一例を模式的に示す図である。図12に示すように、マップMPは、情報処理装置20_iの表示パネルに表示される。図12に示すマップMPは、通信装置10からの信号の受信強度の強さを示す画像GRを含む。画像GRは、領域GR1、GR2、GR3及びGR4を含む。領域GR1、GR2、GR3及びGR4は、この順に受信強度が強いことを示し、例えば、受信強度の程度に応じて互いに異なる色又は濃淡で表される。図12に示す例では、マップMPには、画像GRのほかに、情報処理装置20_iの位置を示す画像GDが含まれる。画像GDは、情報処理装置20_1の位置を示す画像GD1と、情報処理装置20_2の位置を示す画像GD2と、情報処理装置20_3の位置を示す画像GD3と、情報処理装置20_4の位置を示す画像GD4と、を含む。さらに、マップMPには、通信装置10の位置Pも表示される。
図13は、第2実施形態に係る通信装置10Aの第2モードにおける動作を示すフローチャートである。図13に示すように、本実施形態の第2モードでは、ステップS202とS203との間にマップ処理(S300)を実行する以外は、前述の第1実施形態の第2モードと同様である。
図14は、第2実施形態に係る通信装置10Aのマップ処理を示すフローチャートである。図14に示すように、マップ処理では、まず、取得部181が複数の情報処理装置20_1~20_4から位置情報PBi及び品質情報IRiを取得し、取得した位置情報PBi及び品質情報IRiを記憶装置120に記憶させる(S301)。次に、マップ情報生成部182が、マップ情報D3の送信の指示の有無を判断する(S302)。マップ情報生成部182は、マップ情報D3の送信の指示がない場合、マップ処理を終了する。
マップ情報生成部182は、マップ情報D3の送信の指示がある場合、マップ情報D3を生成し、記憶装置120に記憶させる(S303)。そして、送信制御部183は、生成したマップ情報D3を第2通信部132に送信させ(S304)、マップ処理を終了する。
以上の通信装置10Aでは、必要に応じて、複数の情報処理装置20_1~20_4のうちの1以上にマップMPを表示させることができる。このため、過去又は将来の時間帯における通信装置10の通信状態及び通信装置10の位置Pをユーザに視覚的にわかりやすく知らせることができる。この結果、ユーザの判断でより最適な通信状態を得ることができる。
[3.変形例]
本発明は、以上に例示した各実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
(1)上述した実施形態において、通信装置10は、無線通信網NWと通信する無線ルーターであったが、これに限定されず、無線ルーターを介して無線通信網NWと通信する中継機であってもよい。また、無線通信網NWと複数の情報処理装置20_iとの間の通信を複数の通信装置10を介して中継してもよい。
(2)上述した実施形態において、通信速度推定部115は、履歴情報D1を学習した学習モデルに基づいて、必要な通信速度D’L1~D’L4を推定してもよい。この場合、複数の情報処理装置20_iを使用する各ユーザの要求に応じた通信状態を提供しやすいという利点がある。例えば、履歴情報D1における時間帯及び情報処理装置20_1~20_4ごとのIDを入力データとし、履歴情報D1における通信速度DLiをラベルデータとする教師データを用いて機械学習を行って、学習モデルを得る。また、例えば、当該学習モデルの作成のためのモードを運用モードの前に実行し、当該学習モデルの構築後、運用モードにて当該学習モデルを用いて通信装置の位置を推定する。
ここで、時間帯は、図4に示すように曜日、月、及び日を含んでもよいし、これらの一部を含んでもよいし、曜日、月、及び日を含まなくもよい。また、学習モデルとしては、SVM(support vector machine)を用いてもよい。
(3)上述した実施形態において、判定部117は、履歴情報D1を学習した学習モデルに基づいて、第1通信速度DWを推定してもよい。例えば、履歴情報D1における時間帯及び位置情報PAを入力データとし、第1通信速度DWをラベルデータとする教師データを用いて機械学習を行って、学習モデルを得る。また、例えば、当該学習モデルの作成のためのモードを運用モードの前に実行し、当該学習モデルの構築後、運用モードにて当該学習モデルを用いて第1通信速度DWを推定する。例えば、通信装置10と無線通信網と通信に5Gを採用する場合、通信にはミリ波が用いられる。ミリ波は直進性が高く、受信強度は天候に左右されるといった性質がある。雨の降りやすい梅雨の季節は、秋と比較して第1通信速度DWが低下する傾向がある。学習モデルは、時間帯及び位置情報PAと第1通信速度DWとの関係を学習済みであるので、学習モデルを用いることによって、季節を考慮した第1通信速度DWを推定できる。更に、学習モデルの入力データとして、天候を示す天候データを追加してもよい。この場合には、天候も考慮した第1通信速度DWを推定できる。
(4)上述した実施形態において、移動機構170及び記憶装置120(記憶部)の一方又は両方は、通信装置10の外部に設けられてもよい。また、記憶装置120の一部又は全部は、通信装置10の外部のサーバー等に設けてもよい。
(5)上述した各実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
また、上述した各実施形態の説明に用いた「装置」という文言は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。
(6)上述した各実施形態における処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
(7)上述した各実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
(8)上述した各実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
(9)上述した各実施形態では、記憶装置120は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、ネットワークから送信されても良い。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されても良い。
(10)上述した各実施形態において、説明した情報及び信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上述の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
(11)図2に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組合せによって実現される。また、各機能は、単体の装置によって実現されてもよいし、相互に別体で構成された2個以上の装置によって実現されてもよい。
(12)上述した各実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称によって呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順又は機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
(13)上述した各実施形態において、情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
(14)上述した各実施形態において、通信装置10は、移動局である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
(15)上述した各実施形態において、「接続された(connected)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」されると考えることができる。
(16)上述した各実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
(17)本明細書で使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
(18)上述した各実施形態において「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
(19)本願の全体において、例えば、英語におけるa、an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数を含む。
(20)本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないことは当業者にとって明白である。本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示的な説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味を有さない。また、本明細書に例示した態様から選択された複数の態様を組合わせてもよい。