JP7214777B2 - 電波吸収シート、複層型電波吸収シート及び電波吸収シートの製造方法 - Google Patents

電波吸収シート、複層型電波吸収シート及び電波吸収シートの製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、電波吸収シート、複層型電波吸収シート及びその製造方法に関する。
通信の高度化に伴い、準ミリ波からミリ波帯域の電波を活用した機器の普及が広がっている。例えば、2020年から国内で商用サービスとして活用され始めた第五世代通信システム(5G)では、28GHzもしくは40GHz付近の周波数帯の活用検討が進んでいる。また、自動車においては、自動運転システムの高度化に伴い、24GHz付近の周波数を活用した準ミリ波レーダーの普及が広がっている。一方で、このような機器の内外部においての電磁干渉問題も顕在化している。そのため、電波干渉が問題となる周波数で機能する共振型の電波吸収シートの活用が急増している。電波吸収シートは厚みが薄く、通信の高度化とともに進んでいる機器の軽薄短小化にも対応し得る。
共振型の電波吸収シートは金属などの導電体の上に取り付ける、あるいは電波吸収シートの裏面に金属などの導電性を有する層を設けることで機能する。共振型の電波吸収シートは、電波吸収シートに入射する電波に対して、電波吸収シートの裏面側の導電物で反射する電波の位相が半波長ずれ、入射波と反射波が打ち消し合うことで電波吸収性を示す。電波吸収シートは、構成する基材の誘電率、透磁率及び厚みを調整することで、特定の周波数で電波吸収量のピークを持つことが知られている。特許文献1には、共振型の電波吸収シートは厚みが変化すると電波吸収性能が変化してしまうため、基材の厚みの制御が極めて重要であると記載されている。共振型の電波吸収シートはシリコーンゴムやEPDM等のゴムに対して、カルボニル鉄、フェライト及びカーボンブラック等の損失材を添加したもので構成される。中でもシリコーンゴムは耐熱性と耐寒性に優れているため、電波吸収シートの基材として採用されている例が多い。
特許第5481613号明細書
しかしながら、シリコーンゴムには低分子量の環状シロキサンが残存している。この環状シロキサンは室温環境下でシロキサンガスとして揮発してしまう。よって、シリコーンゴムを基材とする電波吸収シートでは、環状シロキサンの揮発により電波吸収シートの厚みが変化し、電波吸収性能が低下するおそれがある。また、シロキサンガスは電子機器の接点障害の原因となるため、環状シロキサンの残存量が抑えられた電波吸収シートが求められている。
本発明者らは、独自の検討により、シリコーンゴムを基材とした電波吸収シートを予め100~200℃下で所定時間熱処理して、電波吸収シートに残存する環状シロキサンを揮発させることが有効であることに想到した。しかしながら、熱処理を行う際に、電波吸収シート内で加熱ムラが起こり、該加熱ムラに起因して電波吸収シート内で環状シロキサンの残存量、膜厚及び色味にバラつきが生じてしまう。熱処理の温度を100℃よりも低くすれば、加熱ムラによる厚みや色味のバラツキを抑えることができるが、環状シロキサンの除去が不十分な状態であった。
本開示は、かかる事情に鑑みてなされたもので、環状シロキサンの含有量が抑えられ、かつ色ムラの少ない電波吸収シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した課題を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。電波吸収シートを成形した後、100℃以上200℃以下にて熱処理を行う。この際、電波吸収シートを耐熱フィルム上に載置した状態で加熱処理を行うことで、加熱ムラによる色ムラの発生を抑制しつつ、残存した環状シロキサンを十分に揮発させることができる。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1] 導電体上に接触させて用いられる共振型の電波吸収シートであって、
シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上であり、
前記基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下であり、
分光測色計にて測定した前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapが2.0以下である、電波吸収シート。
ここで、前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapは、前記電波吸収シート内における色差ΔEの最大値と最小値との差であり、前記色差ΔEは、前記電波吸収シートの色度と熱処理を施さなかった電波吸収シートの色度との差である。
[2] 前記環状シロキサン量D3~D20の合計が2600mg/kg以下である、前記[1]に記載の電波吸収シート。
[3] シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と、前記[1]又は[2]に記載の電波吸収シートとを積層させてなり、前記電波吸収シートを導電体上に接触させて用いられる、複層型電波吸収シートであって、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を26GHz以上40GHz以下の範囲内に1つ以上有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上である、複層型電波吸収シート。
[4] 共振型の電波吸収シートであって、
シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、
片面側に、導電体からなる導電体層を有し、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上であり、
前記基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下であり、
分光測色計にて測定した前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapが2.0以下である、電波吸収シート。
ここで、前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapは、前記電波吸収シート内における色差ΔEの最大値と最小値との差であり、前記色差ΔEは、前記電波吸収シートの色度と熱処理を施さなかった電波吸収シートの色度との差である。
[5] シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と、前記[1]又は[2]に記載の電波吸収シートと、導電体からなる導電体層とをこの順に積層させてなる、複層型電波吸収シートであって、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を26GHz以上40GHz以下の範囲内に1つ以上有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上である、複層型電波吸収シート。
[6] シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とする熱処理前電波吸収シートを成形し、
前記熱処理前電波吸収シートを耐熱フィルム上に、前記熱処理前電波吸収シートを互いに接触させずに載置し、100℃以上200℃以下にて1時間以上10時間以下の熱処理を施して、電波吸収シートを得る、電波吸収シートの製造方法。
本開示によれば、環状シロキサンの含有量が抑えられ、かつ色ムラの少ない電波吸収シートを提供することができる。
実施形態2に係る複層型電波吸収シートの電波吸収性能の一例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<実施形態1>
[電波吸収シート]
まず、本開示の実施形態1に係る電波吸収シートについて説明する。本開示の一実施形態に係る電波吸収シートは、
導電体上に接触させて用いられる共振型の電波吸収シートであって、
シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上であり、
前記基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下であり、
分光測色計にて測定した前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapが2.0以下である、電波吸収シートである。
ここで、前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapは、前記電波吸収シート内における色差ΔEの最大値と最小値との差であり、前記色差ΔEは、前記電波吸収シートの色度と熱処理を施さなかった電波吸収シートの色度との差である。
本実施形態に係る電波吸収シートは、導電体上に接触させて用いられる共振型の電波吸収シートである。上述したように、共振型の電波吸収シートは、金属などの導電体の上に取り付ける、あるいは電波吸収シートの裏面に金属などの導電性を有する層を設けることで機能する。
電波吸収シートは、シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とする。なお、本明細書において、シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とするとは、電波吸収シートの80重量%以上がシリコーンゴムとカルボニル鉄粉とからなることを意味する。
本電波吸収シートに使用するシリコーンゴムとしては、ミラブル状もしくは液体状の少なくとも一方又はこれらの組み合わせを使用することができる。ここでは、特にミラブル状のシリコーンゴムを使用する例について説明する。シリコーンゴムとしては、市販されている一般成形用などが使用できる。このような市販のシリコーンゴムは、加硫剤が予め配合されているものが殆どであるが、意図的に加硫特性を制御しようと考える場合以外は、市販のシリコーンゴムを購入した状態で使用することができる。
なお、市販のシリコーンゴムの中には、この環状シロキサンの含有量を抑えたシリコーンゴムも存在する。しかしながら、シリコーンゴムにカルボニル鉄粉を混ぜ合わせる工程、及び電波吸収シートを成形する工程において、シリコーンゴムが加熱されて環状シロキサンが発生してしまう。そのため、環状シロキサンの含有量を抑えたシリコーンゴム原料を使用する場合でも、シート成形後に加熱処理を行わなければならず、上述したように環状シロキサンの含有量を抑えること、かつ色ムラの少ない電波吸収シートを提供することが課題となっていた。
シリコーンゴムの硬さに特に制限はないが、デュロメータ硬度タイプAで90以下であることが好ましい。シリコーンゴムの硬さがデュロメータ硬度タイプAで90以下であれば、成形時の伸びがより良好であり、厚みのバラツキが小さくなり、最終的な電波吸収シートの加工性がより良好で、かつ電波吸収シートを凹凸面へ好適に適用することができる。シリコーンゴムの硬さの下限は特に限定されないが、デュロメータ硬度タイプAで10以上であることが好ましい。
カルボニル鉄粉は、一般的には球状であり得る。カルボニル鉄粉の平均粒径(D50)は、1μm以上であることが好ましく、また10μm以下であることが好ましい。平均粒径が1μm以上であれば、粉末の流動性及び分散性が特に良好であり、製造性が向上する。また、平均粒径が10μm以下であれば、表皮効果が抑えられて22~30GHzにおいて良好な透磁率を得ることができる。カルボニル鉄粉の平均粒径は2μm以上であることがより好ましい。また、カルボニル鉄粉の平均粒径は、5μm以下であることがより好ましい。
カルボニル鉄粉の種類は特に限定されない。カルボニル鉄粉は、磁気的な違いにより、ソフトグレード及びハードグレードに分類されるが、ソフトグレード及びハードグレードのいずれを使用することも可能である。また、カルボニル鉄粉の中には、基材となる樹脂又はゴムとの馴染みを高めるため、あるいは電気的な絶縁性を高めるために、表面にコーティング処理を施したものが市販されているが、このように表面にコーティング処理を施したカルボニル鉄粉を使用することも可能である。
カルボニル鉄粉の添加量については、特に限定されるものではない。共振型の電波吸収シートでは、狙いとする共振周波数に合わせて電波吸収シートの厚み、並びに基材の透磁率及び誘電率を調整する。したがって、狙いとする共振周波数に合わせて、カルボニル鉄粉の粒径及び添加量を決めればよい。カルボニル鉄粉の添加量は、一例においては40重量%以上であり、また90重量%以下である。
なお、必要に応じて、電波吸収性能を低下させない範囲内で、難燃剤、増量剤、可塑剤、及び酸化防止剤等の添加物を加えてもよい。ここで、電波吸収性能を低下させない範囲内とは、基材に対する添加物の含有量が20重量%以下の範囲であることを指す。
本電波吸収シートにおいては、基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下に抑えられている。そのため、本電波吸収シートにおいては、電波吸収シートの厚みが変化することが抑制され、電波吸収シートの厚みの変化に起因した電波吸収性能の低下が抑制されている。また、シロキサンガスの発生量が抑えられるため、シロキサンガスの発生により電子機器の接点障害が生じることを防ぐことができる。ここで、前記環状シロキサン量D3~D20の合計とは、3量体以上20量体以下の環状シロキサンの合計量を指す。なお、環状シロキサン量D3~D20の合計については、ガスクロマトグラフによる定量分析で測定することができる。基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20合計は、好ましくは2600mg/kg以下、より好ましくは1500mg/kg以下である。
また、本電波吸収シートにおいては、分光測色計にて測定した電波吸収シート内における色度の差ΔEgapが2.0以下に抑えられている。よって、色ムラが少なく、製品価値の高い電波吸収シートを提供することができる。電波吸収シート内における色度の差ΔEgapは、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下である。電波吸収シート内における色度の差ΔEgapの下限は特に限定されず、0であってもよいが、一例においては0.01以上であり得る。ここで、前記色差ΔEは、前記電波吸収シートの色度と熱処理を施さなかった電波吸収シートの色度との差であり、前記電波吸収シート内における色度の差ΔEgapは、前記電波吸収シート内における色差ΔEの最大値と最小値との差である。
本電波吸収シートは、垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、共振周波数での反射減衰量が15dB以上となる。共振周波数での反射減衰量が15dB以上あれば入射波の97%を吸収することができ、実用上問題ないレベルとなる。
また、電波吸収シートは金属などの導電体上に接触させて使用されることを前提としているため、電波吸収シートの裏面に粘着層などを取り付けてもよい。なお、粘着層などの取り付けによって、電波吸収シートの基材のみの場合の電波吸収特性と差異が生じるため、粘着層などを取り付ける場合は、粘着層などの厚みや透磁率・誘電率を加味して電波吸収シートの基材の設計を行うことが好ましい。また、電波吸収シートを導電体上ではないところで使用する場合には、電波吸収シートの裏面に金属などの導電体層を取り付けてもよい。
[電波吸収シートの製造方法]
次に、電波吸収シートの製造工程について述べる。本開示の一実施形態に係る電波吸収シートの製造工程は、
シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とする熱処理前電波吸収シートを成形し、
前記熱処理前電波吸収シートを耐熱フィルム上に、前記熱処理前電波吸収シートを互いに接触させずに載置し、100℃以上200℃以下にて1時間以上10時間以下の熱処理を施して、電波吸収シートを得る、電波吸収シートの製造方法である。
まず、シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを混練して、基材とする。シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを混ぜる混練は、加圧ニーダ又はオープンロールを用いて行うことができる。この際、発熱によって加硫が進まないよう、100℃以下に冷却しながら混練することが好ましい。
次いで、得られた混練物をシート状に成形して、熱処理前電波吸収シートを得る。成形の方法は特に限定されず、圧縮成形、押出成形、又はカレンダーロール成形といった何れの方法を用いてもよい。一例として、圧縮成形を用いる場合について説明する。一例においては、成形後に所定の厚みになるように彫が形成された金型に混練物を投入する。また、一例においては、シリコーンの加硫が進む温度120~200℃にて、5~30分間の圧縮成形を行う。
次いで、成形によって得られた熱処理前電波吸収シートから環状シロキサンを除去するために熱処理を行う。熱処理時に、熱処理前電波吸収シートの中で、空気と触れ合う部分と触れ合わない部分とがあると、環状シロキサンの揮発の程度にムラができるおそれがある。よって、熱処理は、熱処理前電波吸収シート同士が互いに接触しないようにした状態で行わなければならない。例えば、矩形状の熱処理前電波吸収シートでは、熱処理前電波吸収シートが1枚1枚設置でき、且つ通気性がよくなるような網状の棚を加熱炉内に設け、棚を構成する網と熱処理前電波吸収シートとの接触部分で変色が生じないように、熱処理前電波吸収シートの設置下面に耐熱フィルムを入れて、熱処理を行い得る。
耐熱フィルムとしては、通気性が有り、耐熱性が高いものであれば特に限定されない。耐熱フィルムは、一例においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びシリコーンからなる群から選ばれる少なくとも1つ又はこれらの組み合わせからなる。耐熱フィルムの耐熱性としては、100℃以上220℃以下にて溶融しないことが求められる。一例においては、耐熱フィルムは、ガラスクロスにPTFEを含浸させた日東電工製のNo.970-2ULであり得る。このような耐熱フィルム上に熱処理前電波吸収シートを載置した状態で熱処理を行うと、環状シロキサン量、厚み及び色味の均質な電波吸収シートを得ることができる。
熱処理の加熱温度は100℃以上200℃以下とする。効果的に環状シロキサンを揮発させるために、熱処理を200℃以下で行う。また、処理時間を短縮するために、熱処理の加熱温度は100℃以上とする。熱処理の処理時間としては、熱処理前電波吸収シートの厚みなどに応じて1時間以上10時間以下に設定する。このような熱処理によって、最終的な電波吸収シートに残存する環状シロキサン量D3~D20の合計が基材の質量に対して5000mg/kg以下、好ましくは2600mg/kg以下、より好ましくは1500mg/kg以下になるようにする。
<実施形態2>
次に、本開示の実施形態2について説明する。本実施形態に係る複層型電波吸収シートは、
シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と、上述した電波吸収シートとを積層させてなり、前記電波吸収シートを導電体上に接触させて用いられる、複層型電波吸収シートであって、
垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を26GHz以上40GHz以下の範囲内に1つ以上有し、
前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上である、複層型電波吸収シートである。
本実施形態に係る複層型電波吸収シートは、シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と実施形態1に係る電波吸収シートとを積層させてなる。シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜については、上記の実施形態1において説明したシリコーンゴムを用いて作製することができる。なお、ここでシリコーンゴムを基材とするとは、シリコーンゴム薄膜の90重量%以上がシリコーンゴムであることを意味する。シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜の製造方法については、カルボニル鉄粉を使用しないこと以外は、電波吸収シートの製造方法と同様である。
シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と実施形態1に係る電波吸収シートとを積層させた後、粘着剤又は粘着テープ等の層を薄膜と電波吸収シートとの間に介在させて接着し得る。このような構成とし、シリコーンゴム薄膜及び電波吸収シートの厚みを調整することによって、26GHz~40GHzにて垂直入射での反射減衰量の共振周波数を1つ以上有し、共振周波数での反射減衰量が15dB以上、少なくとも10dB以上となる、複層型電波吸収シートを得ることができる。
以下、本開示を実施例に従って説明するが、本開示はこれらに限定されない。
(実施例1)
シリコーンゴム及びカルボニル鉄を、重量比36:64で混合し、厚み1.1mmの熱処理前電波吸収シートを成形した後、耐熱フィルム上に載置して200℃にて4時間の熱処理を施して電波吸収シートを製造した。
(実施例2)
熱処理を1時間としたこと以外は実施例1と同様にして、電波吸収シートを製造した。
(実施例3)
熱処理を2時間としたこと以外は実施例1と同様にして、電波吸収シートを製造した。
(比較例1_1及び比較例1_2)
実施例1と同様に成形した熱処理前電波吸収シートを5枚重ねた状態で、200℃の熱処理を4時間施した。熱処理前電波吸収シートを5枚重ねたうちの真ん中に相当するシートが比較例1_1、一番上に相当するシートが比較例1_2である。
(比較例2)
実施例1と同様に成形した熱処理前電波吸収シートに対し、熱処理を施さずに比較例2とした。
製造した各電波吸収シート(比較例2においては熱処理前電波吸収シート)の環状シロキサン量を測定した。測定には、アジレント・テクノロジー製のガスクロマトグラフ7890Aを用いた。各電波吸収シート0.5gをアセトン5mlに浸漬し、室温で24時間放置して得られた液を用いた。カラムはアジレント・テクノロジー製のJ&W DW-5msを用い、カラム温度を50℃で5分間保持し、300℃まで10℃/minで昇温し、300℃で30分間保持して、測定を行った。キャリアガスにはヘリウムを使用し、検出器は水素炎イオン化検出器を使用した。
また、各サンプルの電波吸収性能の測定には、キーサイト製のベクトルネットワークアナライザーP5008Aを用いた。
電波吸収シートの色度測定には、東京電色製のミクロカラー測定装置TC-1800MX-IIを使用した。測定方法は反射光測定法、表色系はCIELAB、光学条件は0°-d、視野選択は2度視野、標準光はcで測定を行い、熱処理を行わなかった比較例2の15か所における平均値を基準とした色差ΔEを各サンプル15か所ずつ測定した。また、シート内での色差ΔEの最大値と最小値との差ΔEgapを求めた。
各サンプルの環状シロキサン量、電波吸収シートを製造後に測定した電波吸収性能と95℃環境下に500時間放置した後の電波吸収性能、目視による色ムラの有無、色差ΔE及びシート内色度の差ΔEgapの結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例4は実施形態2に対応する。まず、シリコーンゴムを厚み1.5mmに成形した熱処理前薄膜を製造した。また、シリコーンゴムとカルボニル鉄とを、配合比を重量比36:64として混合し、厚み3.0mmに成形した熱処理前電波吸収シートを製造した。該シリコーンゴムの熱処理前薄膜及び熱処理前電波吸収シートをそれぞれ耐熱フィルム上に載置し、200℃の熱処理をそれぞれ4時間行なって、薄膜及び電波吸収シートを得た。電波吸収シートの上に薄膜を積層し、厚み0.1mmのシリコーン系両面テープを用いて接着させた。実施例4の電波吸収性能を図1に示す。
Figure 0007214777000001
本電波吸収シートは、電子機器に装着され、これらの電子機器内で発生する電波を吸収するのに特に有効である。

Claims (6)

  1. 導電体上に接触させて用いられる共振型の電波吸収シートであって、
    シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、
    垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、
    前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上であり、
    前記基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下であり、
    分光測色計にて測定した以下の定義に従うΔEgapが2.0以下である、熱処理された電波吸収シート。
    ここで、シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、熱処理を行っていない電波吸収シートの15か所における平均値を基準とした色差ΔEを、前記熱処理された電波吸収シートの15か所について測定し、ΔEの最大値と最小値との差をΔEgapとする。
  2. 前記環状シロキサン量D3~D20の合計が2600mg/kg以下である、請求項1に記載の電波吸収シート。
  3. シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と、請求項1又は2に記載の電波吸収シートとを積層させてなり、前記電波吸収シートを導電体上に接触させて用いられる、複層型電波吸収シートであって、
    垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を26GHz以上40GHz以下の範囲内に1つ以上有し、
    前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上である、複層型電波吸収シート。
  4. 共振型の電波吸収シートであって、
    シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、
    片面側に、導電体からなる導電体層を有し、
    垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を22GHz以上30GHz以下の範囲内に有し、
    前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上であり、
    前記基材の質量に対する環状シロキサン量D3~D20の合計が5000mg/kg以下であり、
    分光測色計にて測定した以下の定義に従うΔEgapが2.0以下である、熱処理された電波吸収シート。
    ここで、シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とし、熱処理を行っていない電波吸収シートの15か所における平均値を基準とした色差ΔEを、前記熱処理された電波吸収シートの15か所について測定し、ΔEの最大値と最小値との差をΔEgapとする。
  5. シリコーンゴムを基材とするシリコーンゴム薄膜と、請求項1又は2に記載の電波吸収シートと、導電体からなる導電体層とをこの順に積層させてなる、複層型電波吸収シートであって、
    垂直入射での反射減衰量が最大となる共振周波数を26GHz以上40GHz以下の範囲内に1つ以上有し、
    前記共振周波数での反射減衰量が15dB以上である、複層型電波吸収シート。
  6. シリコーンゴムとカルボニル鉄粉とを基材とする熱処理前電波吸収シートを成形し、
    前記熱処理前電波吸収シートを、通気性を有する耐熱フィルム上に、前記熱処理前電波吸収シートを互いに接触させずに載置し、100℃以上200℃以下にて1時間以上10時間以下の熱処理を施して、電波吸収シートを得る、電波吸収シートの製造方法。
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