以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.位相補正
2.第1の実施の形態(位置通知システム)
3.第2の実施の形態(マルチパス対策)
4.第3の実施の形態(信号フォーマット)
5.その他
<1.位相補正>
<一般的な位相補正方法>
従来、例えば特許文献1や特許文献2に記載のように、直交周波数分割多重(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing))システム等において、受信信号の周波数ずれによる受信感度の低減抑制のために、受信側で、周波数可変発振器の発振周波数をPLL(Phase Locked Loop)で制御することにより、受信信号の位相を補正する方法があった。
つまり、図1に示される例のように、受信機が受信信号に発生した位相のずれを検出し、その位相差をフィードバックさせて受信信号の位相を補正する。このようにすることにより、受信信号の周波数ずれが補正され、周波数ずれによる受信感度の低減が抑制される。
しかしながら、受信信号を積算してSNRを向上させる受信機に対して、この方法を適用することは困難であった。このような受信機の場合、積算前の状態では正しく位相を検出することが困難であるので、積算前の値をフィードバックさせても正しく位相補正を行うことは困難である。そのため、上述の方法で受信信号の位相補正を行うためには、図2に示される例のように、積算後の値をフィードバックさせる必要があるが、正しい位相が得られなければ受信信号を正しく積算することができない。つまり、正しく積算されていない信号をフィードバックさせても正しく位相補正を行うことができないので、周波数ずれによる受信感度の低減を抑制することが困難であった。
<高感度受信機による信号受信と位相補正>
以下により具体的に説明する。例えば、特開2016-46618号公報には、長距離の無線通信を実現する技術として、例えば920Mz帯の無線電波を使って、センサなどの情報を伝送するシステムが公開されている。
このシステムでは、送信信号は、図3に示されるように、約0.2秒のフレーム単位で送信される。同じフレームを複数回繰り返し送信することもできる。1フレームは、約9600個のシンボル単位のデータにより構成される。1フレームには、送信する情報(受信側にとって未知の情報)のデータと、同期信号(受信側にとって既知の情報)が含まれる。図3の例の場合、1フレームは、4800シンボルのデータと4800シンボルの同期信号により構成される。また、1フレームにおいて、データのシンボルと同期信号のシンボルとが交互に送信される。このような送信信号が例えばπ/2shift BPSK(Binary Phase Shift Keying)により変調され、送信される。
このシステムを用いることにより、最大連続送信時間を短く設定することができ、沢山の周波数チャネルから選択して送信することができるので、混信に対してより強い送受信システムを構築することができる。また、短い時間のフレームを多数積算することにより、電波法に定められた最大送信時間の制限を超えずに、実効的なSNRを向上させることができる。このとき、同期信号がフレーム全体に分散されているので、フレーム中に位相揺らぎがあった場合においても、より適切に位相と周波数の補正を行うことができる。これらの結果、例えば、ノイズに埋もれてしまい従来の方法では復号することが困難な程微弱な受信信号であっても、より正しく復号することができるようになる。つまり、受信感度が向上し、より長距離の無線通信を実現することができる。
このような送信信号を受信する高感度受信機においては、既知の同期信号を検出することにより、データの受信感度を向上させることができる。受信感度を向上させるために、高感度受信機は、例えば、フレームの同期、シンボルの同期、およびキャリアの同期をとる。フレームの同期は約0.2秒単位で時間を合わせる。シンボルの同期は約20μ(マイクロ)秒単位で時間を合わせる。キャリアの同期は約1n(ナノ)秒単位で時間を合わせる。したがって、キャリアの同期をとることが最も高い精度が必要になる。
受信信号のSNR(Signal to Noise ratio)が良い場合において、高感度受信機は、図4に示されるように、各フレームの位相変化φ(t)を検出することができる。位相変化φ(t)が検出できれば、受信信号に対してejφ(t)の補正を施した後に合成して復号することも可能である。しかしながらSNRが低い場合、受信信号はノイズに埋もれてしまうので、位相変化φ(t)を観測することができない。このような低SNRにも対応できる高感度受信機の構成として考えられるのは、周波数ずれfΔを検出することである。相関検出などの手法により周波数ずれfΔを推定することができれば、図5に示されるように、各フレームの受信信号を2πfΔtの位相直線で補正することができる。この方法では位相変化φ(t)を直線で近似するので、位相誤差が生じてしまい、本来得られる筈の高感度が低下してしまうという欠点があった。
このような位相補正をより正しく行うために、高感度受信機では、図6に示されるように、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星から送信されるGNSS信号を利用する。GNSSは地球をとりまく人工衛星から得られる無線信号を使って位置や時刻情報を取得するシステムであり、米国、ロシア、中国及びヨーロッパ等により衛星が打ち上げられていて、一般的にはGPS(Global Positioning System)と呼ばれる場合もある。GNSS衛星は、高精度なセシウムの発振器を有しており、受信機等に通常内蔵される発振器よりも正確な時刻情報を得ることができる。このような時刻情報を用いてキャリア周波数の補正を行うことにより、送信周波数と受信周波数の中心を約±10Hz程度の精度で補正を行うことができる。
しかしながら、図5のように位相補正を行う場合、周波数fΔの発振信号が必要になるが、この周波数fΔの必要精度は約±0.2Hzである。GNSS信号を使って補正しても、十分に高い精度で補正を行うことができなかった。
さらに、受信信号の周波数ずれは様々な要因で発生する。例えば、送信機が自動車等の高速移動体に搭載されている場合、受信点において観測される信号には周波数シフト(ドップラーシフト)が発生するおそれがある。例えば、受信機に対して送信機が毎時約100キロメートルの相対速度で移動する場合、その送信機から送信される送信信号に約86Hz程度の周波数シフトが発生する可能性がある。このドップラーシフトは、受信機からみた送信機の相対移動速度で決まるので、送信機の移動方向によっても異なる値となる。以上述べたように、GNSS信号を使って周波数補正をおこなうことは可能であるが、その補正精度には限界があり、必要とされる約±0.2Hzの精度を達成することはできない。
そのため、受信機においては、受信信号の位相補正をより高精度に行うことが求められる。特に上述のような通信システムの場合、低SNRの環境における高感度な検出を特徴としており、周波数ずれによる受信感度の低減の影響は大きいため、より高精度な位相補正が求められる。
<fΔ推定>
ここで、上述の周波数fΔの補正に必要な精度は、送信フォーマットから推定することができる。上述したように、送信データは約0.2秒のフレーム単位で送信される。各フレームは、9600シンボルの情報からなり、例えば図8に示されるように、4800シンボルのデータ(受信側にとって未知の情報)と、4800シンボルの同期信号(受信側にとって既知の情報)とが1シンボルずつ交互に並ぶ。
高感度受信機は、このような信号を受信すると、図9に示されるように、その受信信号(IQ信号)から同期信号を抽出する。そして、高感度受信機は、図10に示されるように、その同期信号に既知のデータ(+1 or -1)を乗算し、チャネル情報サンプル(p(k)(0≦k≦(N-1)))を生成する。同期が取れている場合、このチャネル情報サンプル(p(k))は、図11に示されるように、全て+1(実軸上の一点)となる(そのような値を乗算する)。しかしながら、受信信号に周波数ずれがあると、このチャネル情報サンプル(p(k))は、図12に示されるように、+1(実軸)とならず、時間とともに位相が回転する。
高感度受信機は、図13に示されるように、チャネル情報サンプル(p(k))をフーリエ変換して周波数成分を求め、図13の下側のグラフのような周波数分布C(f)を得る。このグラフの場合、信号成分が特定の周波数に集中している。つまり、このグラフの最大のスペクトルが得られる周波数の分、信号の周波数がずれている。したがって、この最大のスペクトルが得られる周波数をfΔとして位相補正を行うことで、周波数ずれを抑制することができる。
上述のように、十分な精度で周波数ずれを抑制するためには、この最大のスペクトルが得られる周波数(fΔ)を約±0.2Hzの精度で特定しなければならない。しかしながら、0.2秒間のフレームから抽出されるチャネル情報サンプル(p(k))をフーリエ変換すると、その周波数分解能は5Hzである。つまり、周波数ずれを補正するには精度が足りないという問題点があった。
<複数の周波数サンプルを用いた位相補正>
受信信号に周波数ずれが生じている場合、各フレームの信号の位相φ(t)は、図14に示されるように比較的緩やかな曲線状に変化する、と仮定することができる。これに、図7を参照して説明したようなドップラーシフト(fd:最大±86Hzの定数)が加わるとすると、受信信号は、ej2πfdt+jφ(t)と表すことができる。つまり、この受信信号ej2πfdt+jφ(t)は、周波数fd(Hz)の単一キャリアをφ(t)で緩やかに位相変調した波形と捉えることができる。したがって、この受信信号ej2πfdt+jφ(t)の周波数分布を求めると、図15のように、周波数fdを中心とし、φ(t)に応じた拡がりを持つ山状のスペクトル分布が得られる。
なお、フーリエ変換(FFT(Fast Fourier Transform))は、図16のように、1フレーム分の受信信号が無限に繰り返しているものとしてフレーム単位で行うことができる。このようにFFTを行うと、上述の周波数分布は、図17のように、5Hz刻みのインパルス列として得られる。
従来のように、このようなインパルス列から1つを選択する方法では、上述のように十分な精度(誤差±0.2Hz)でピークの周波数を捉えることは困難である。しかしながら、図18に示されるように、ピークとその近傍のスペクトルにより、受信信号のスペクトル分布(山状の分布)をより正確に再現することができる。例えば、ピークのスペクトルの周波数をf1、その大きさをA1とし、その両隣のスペクトルの周波数をf0,f2、振幅をA0,A2とすると、受信信号ej2πfdt+jφ(t)は、以下の式(1)のように表すことができる。
ここでA0,A1,A2は一般に複素数であらわされる複素振幅である。つまり、複数の周波数サンプルを用いて位相補正を行うことにより、高精度に位相補正を行うことができる。したがって、周波数ずれによる受信感度の低減を抑制することができる。なお、式(1)では省略しているが、3つの異なる周波数の複素振幅A0,A1,A2を合成した結果は、緩やかな振幅変動もあらわしている。この振幅変動を使うことにより、位相だけでなく振幅変動の補正も行うことができる。従ってより高精度な補正を実現し、受信感度の低減を抑制することができる。
<2.第1の実施の形態>
<位置通知システム>
次に、本技術を適用するシステムについて説明する。図19は、本技術を適用した信号送受信システムの一実施の形態である位置通知システムの主な構成例を示す図である。図19に示される位置通知システム100は、送信装置101が自身の位置を通知するシステムである。このシステムは、例えば、対象の位置の監視や管理に利用される。図19に示されるように位置通知システム100は、送信装置101、高感度受信装置102、サーバ104、端末装置105等のデバイスを有する。送信装置101、高感度受信装置102、サーバ104、および端末装置105の数は任意であり、それぞれ、複数であってもよい。
送信装置101は、本技術を適用した送信装置の一実施の形態であり、例えば自身を識別する識別情報や自身の位置を示す位置情報等を、無線信号として送信する。高感度受信装置102は、本技術を適用した受信装置の一実施の形態であり、その無線信号を受信して送信装置101の識別情報や位置情報等を取得し、それらを、ネットワーク103を介してサーバ104に供給する。つまり、高感度受信装置102は、送信装置101から送信された情報を中継してサーバ104に伝送する中継局として機能する。サーバ104は、識別情報に位置情報を紐づけして管理することにより、各送信装置101の位置を管理する。送信装置101の位置を知りたいユーザに操作される端末装置105は、ネットワーク103を介してサーバ104にアクセスし、所望の送信装置101の識別情報を供給してその位置情報を要求する。サーバ104は、要求された識別情報に対応する位置情報を端末装置105に供給する。端末装置105は、その位置情報を取得し、例えば地図データ等とともに表示する等して、ユーザに送信装置101の位置を通知する。
このような送信装置101を、位置を監視(管理)したい対象により携帯(所持や装着等を含む)させることにより、サーバ104は、間接的にその位置監視(管理)対象の位置を管理することができる。図19の例では、ユーザが高齢者111を位置監視の対象としており、その高齢者111に送信装置101を携帯させている。上述のように、送信装置101の位置はサーバ104により管理され、端末装置105に提供される。したがって、ユーザは、端末装置105を操作して、その送信装置101を携帯している高齢者111の位置を把握することができる。
なお、位置監視の対象は、任意である。例えば、子供であってもよいし、犬や猫等の動物であってもよいし、企業の社員等であってもよい。送信装置101は、専用の装置として構成されるようにしてもよいが、例えば、携帯電話機やスマートフォンのような携帯型の情報処理装置に組み込むようにしてもよい。
送信装置101の位置情報は、送信装置101の位置を示すものであればどのような情報であってもよく、どのように生成されるようにしてもよい。例えば、送信装置101が、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からGNSS信号を受信し、そのGNSS信号に基づいて自身の位置情報(例えば、緯度および経度)を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101がGNSS以外の専用の位置特定システムを用いて自身の位置を特定するようにしてもよい。さらに、この位置情報は、例えば高感度受信装置102、サーバ104、または別途設けられた専用の情報処理装置(サーバ等)等のような、送信装置101以外において生成されるようにしてもよい。
例えば、送信装置101が受信したGNSS信号を他の装置に供給し、他の装置がそのGNSS信号から送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101がGNSS以外の専用の位置特定システムを用いて得られた情報を他の装置に供給し、他の装置がその情報に基づいて送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、他の装置が、送信装置101と高感度受信装置102との通信状況に基づいて送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。例えば、送信装置101からの信号を受信した高感度受信装置102を特定することにより、送信装置101がその高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置することを特定するようにしてもよい。さらに、その高感度受信装置102が受信した受信信号の信号強度や遅延時間等に基づいて、送信装置101のさらに詳細な位置情報を求めるようにしてもよい。また、例えば、送信装置101からの信号を受信した複数の高感度受信装置102の位置情報を用いて三角法等により送信装置101の位置情報を求めるようにしてもよい。
高感度受信装置102の設置位置は任意である。例えば、ビル、マンション、家屋等の建造物112の屋根や屋上等でもよい。建造物112は、送信装置101を携帯する位置監視対象(例えば高齢者111)が活動する可能性が高い都市部に数も多く、また、設置も容易であるので、好適である。特に、位置監視対象が人の場合、その位置監視対象の自宅は、その周辺に位置監視対象が位置する可能性がより高く、好適である。また、設置場所の確保という面についても、この位置通知サービス提供事業者が独自に場所を確保して高感度受信装置102を設置する場合よりも、同意を得やすく容易である。
なお、高感度受信装置102の設置場所は、この他にも例えば、自動車、バイク、自転車等の移動可能な物体(移動体とも称する)に設置するようにしてもよい。つまり、高感度受信装置102の位置が可変であってもよい。
ネットワーク103は、任意の通信網であり、有線通信の通信網であってもよいし、無線通信の通信網であってもよいし、それらの両方により構成されるようにしてもよい。また、ネットワーク103が、1の通信網により構成されるようにしてもよいし、複数の通信網により構成されるようにしてもよい。例えば、インターネット、公衆電話回線網、所謂3G回線や4G回線等の無線移動体用の広域通信網、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)規格に準拠した通信を行う無線通信網、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信の通信路、赤外線通信の通信路、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の規格に準拠した有線通信の通信網等、任意の通信規格の通信網や通信路がネットワーク103に含まれるようにしてもよい。
サーバ104や端末装置105は、情報を処理する情報処理装置である。サーバ104や端末装置105は、ネットワーク103に通信可能に接続されており、このネットワーク103を介してネットワーク103に接続される他の通信装置と通信を行い、情報を授受することができる。
サーバ104は、各送信装置101の位置を管理する。また、サーバ104は、送信装置101の位置情報の提供を許可するユーザも管理することができる。例えば、サーバ104は、各送信装置101の位置情報を、その送信装置101の位置情報の取得が許可されたユーザに対してのみ提供するようにすることができる。
上述のように、送信装置101から提供される情報が高感度受信装置102により中継されてサーバ104に供給されることにより、サーバ104は、送信装置101の位置を管理する。つまり、送信装置101が、いずれかの高感度受信装置102の通信可能範囲内に位置する状態において、サーバ104は、その送信装置101の位置を管理することができる。換言するに、送信装置101の位置が、いずれの高感度受信装置102の通信可能範囲からも外れると、サーバ104は、その位置を管理することができなくなる。したがって、高感度受信装置102の送信装置101との通信可能範囲網がより広範囲になる程、サーバ104は、送信装置101の位置をより正確に管理することができる。
ここで、より正確な管理とは、より広範囲において送信装置101の位置を管理する(つまり、送信装置101の位置の管理が不可能な領域を少なくする)ことを意味する。送信装置101の位置を管理可能な範囲をより広範囲とするためには、送信装置101と高感度受信装置102とがより遠くまで無線信号を送受信することができる程(各高感度受信装置102の通信可能範囲がより広い程)好ましい。送信装置101と高感度受信装置102との間の無線信号の送受信の方法は任意であり、どのような通信規格に準拠するようにしてもよいが、例えば、925MHzを含む周波数帯(920MHz帯とも称する)を用いて、長距離の通信が可能な方法で行われるようにしてもよい。
例えば、送信装置101が無線信号を送信する時刻や周波数が既知(高感度受信装置102が知っている)であれば、高感度受信装置102は、その既知の時刻および周波数において無線信号の検出を行えば良いので、検出がより容易になる。したがって、受信感度を向上させることができる。つまり、高感度受信装置102の通信可能範囲をより拡大させることができる。なお、このような時刻や周波数の制御の精度が低減すると検出がより困難になり、受信感度が低減するおそれがある。換言するに、時刻や周波数の制御精度を向上させることにより、受信感度を向上させることができる。
<無線通信>
デジタルデータを送受信する無線通信では、電波の送信電力、及び送受信で使う空中線の性能、そして転送レートにより、無線通信距離の限界が定まる。送信電力の増大は、送信機の消費電力に直結することから、自ずと限界がある。空中線の性能は、八木宇田アンテナなどを使用することにより性能向上を実現できるが、性能の高いアンテナほど構造が大きく複雑になり、使うことのできる空中線の性能は限られている。
また、送信電力は電波法により制約が設けられている。さらに、電波の周波数帯によっては、空中線の性能を含めて送信電力が電波法で規制されている。これらの結果、現実的に使うことのできる送信電力や空中線の性能には限界がある。
このような制約条件から逃れて、長距離の無線通信を実現する技術として、例えばDSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)が知られている。DSSSは、受信した信号に拡散符号を乗算しながら積算することにより、雑音の影響を排除して高感度の受信が可能とする技術である。感度は積算時間を伸ばすこと、(即ち転送レートを低下させること)により直線的に増加し、例えばDSSSを採用したGNSSでは -150dBm以下の電界強度でも信号を安定して受信することが可能となっている。
GNSSでは、送信電波が安定した位相で連続送信されている。従って低帯域のPLL(Phase Locked Loop)、あるいはDLL(Delayed Locked Loop)を採用することにより、低SNR(Signal to Noise ratio)の状態でも安定した位相同期が確立される。位相が正しければ、信号を積算検出することで微弱信号を検出することが可能となる。GNSSのように専用無線周波数帯が割り当てられている場合、このように長時間の連続送信が可能となり、微弱信号であっても安定した受信が可能となる。
ところで、例えば920Mz帯の無線電波を使って、センサなどの情報を伝送するシステムがある。920MHz帯は、総務省により2011年7月から解禁された周波数帯であり、免許不要で誰でも使うことができる。但し、規定(ARIB(Association of Radio Industries and Businesses) STD T-108)により、最大連続送信時間が4秒間に制限されている。より厳密には、ARIB STD T-108規定により、4秒間の連続送信時間が許されているのは一部の周波数領域に制限されている。つまり、連続送信時間を4秒とする場合、送受信に用いることのできる周波数チャネル数が限定される。これに対して、連続送信時間が0.4秒以下の場合、さらに多くの周波数帯で送受信が可能となる。より多くの周波数帯が使えれば、混信妨害等の影響を抑制することができる。また連続送信時間をさらに短くして0.2秒以下とすれば、短い送信休止時間で繰り返し送信することが可能とされている。
しかしながら従来のDSSS方式は、連続送信時間が長くなってしまい、0.4秒以下にすると充分な受信感度効果が得られないおそれがあった。また、送信休止時間を短くするために連続送信時間を短くして0.2秒以下とすると、さらに受信感度が低減してしまう欠点があった。
<送信装置>
図20は、送信装置101の主な構成例を示すブロック図である。送信装置101は、920MHz帯を用いて信号を送信する。したがって、送信装置101は、免許が無くても使用することができる。
この送信装置101が送信する送信信号のフレーム構造の全体図を図21に示す。図21に示されるように、送信装置101は、0.189秒(約0.2秒以下)のフレーム単位で信号を送信する。1回の連続送信時間が0.189秒とされ、連続送信時間0.2秒を下回っている。また各フレームの間には、適宜インターバルが設けられている。この結果、多くの送信チャネルを割り当てることができ、比較的空いているチャネルを選択して送信することが可能となり、より混信に強いシステムを構築することができる。本技術を適用することにより、このような短いフレーム長を使っても、高感度の送受信システムを構築することができる。
1回のデータ送信は、複数のフレームを繰り返すスーパーフレーム(Super Frame)を構成する。図21に示すスーパーフレームでは、0.189秒のフレームが20回繰り返される。ここでフレーム間のギャップは、少なくとも2ms以上の時間である。ギャップは、キャリアセンスの結果(即ちチャネルの混み具合)により毎回異なっている。送信できるフレーム数は、チャネルの混雑度合いにより若干変動する。20回のフレームで送信される信号は、以下においては同一であるものとして説明する。
送信装置101は、GNSS信号受信部201、ペイロードデータ生成部202、ID/CRC付加部203、FEC処理部204、繰り返し部205、ガードビット付加部206、キーストリーム生成部211、ANDゲート212、EXORゲート213、ゴールド符号発生部214、EXORゲート215、シンク生成部221、インターリーブ部222、変調部223、及び、周波数/タイミング制御部224を有する。
GNSS信号受信部201は、GNSS信号を受信し、そのGNSS信号に含まれる1PPS(パルス/秒)信号や現在時刻(GNSS時刻)を取得し、クロック信号として、周波数/タイミング制御部224に供給する。また、GNSS信号受信部201は、GNSS信号から、送信装置101の位置情報(緯度、経度、高度)を取得し、位置をセンシングしたセンサ情報として、ペイロードデータ生成部202に供給する。
ペイロードデータ生成部202は、GNSS信号受信部201からの位置情報から、無線信号のペイロードとなるペイロードデータを生成し、ID/CRC付加部203に供給する。なお、ペイロードデータとなる情報は、位置情報に限定されるものではない。
ID/CRC付加部203は、ペイロードデータ生成部202からのペイロードデータに、送信装置101のID(識別情報)と、CRC(Cyclic Redundancy Check)コードとを付加することで、FEC(Forward Error Correction)処理の対象となるFEC対象ユニットを生成し、FEC処理部204に供給する。なお、ID/CRC付加部203は、ペイロードデータ、又は、ペイロードデータ及びIDを対象に、CRCコードを生成する。
FEC処理部(符号化部)204は、ID/CRC付加部203からのFEC対象ユニットを対象として、FEC処理を施し、その結果得られるFECフレームを、繰り返し部205に供給する。
すなわち、FEC処理部204は、FEC対象ユニットのFEC処理として、FEC対象ユニットの誤り訂正符号化を行い、その誤り訂正符号化により得られる誤り訂正符号を、繰り返し部205に供給する。
具体的には、FEC処理部204は、例えば、FEC対象ユニットのLDPC符号化を行い、そのLDPC符号化により得られるLDPC符号を、繰り返し部205に供給する。
なお、誤り訂正符号は、LDPC符号に限定されるものではない。誤り訂正符号としては、例えば、畳み込み符号やターボ符号等を採用することができる。
繰り返し部205は、FEC処理部204からのLDPC符号を繰り返し配置した繰り返しユニットを生成し、ガードビット付加部206に供給する。
ガードビット付加部206は、繰り返し部205からの繰り返しユニットに、ガードビットを付加(挿入)し、EXORゲート213に供給する。後述する受信機において、受信信号処理においてFFT(Fast Fourier Transform)等の処理が使われる場合がある。このとき、FFTでは受信信号が繰り返し送信されたのと等価な演算がおこなわれる場合があり、受信信号の前端と後端部において誤りが生じやすくなる。そこで、ガードビットを信号列の前端と後端に付加することにより、受信機側でFFT等の信号処理を施しても、必要な信号が劣化することを防ぐことができる。
キーストリーム生成部211は、暗号化に用いるキーストリームを生成し、ANDゲート212に供給する。
ANDゲート212には、キーストリーム生成部211からのキーストリームが供給される他、EXORゲート213での暗号化の有効/無効を切り替える切り替え信号が供給される。
切り替え信号は、例えば、暗号化を有効とする場合には、論理1(例えば、Highレベル)となり、暗号化を無効とする場合には、論理0(例えば、Lowレベル)となる信号である。切り替え信号は、例えば、アプリケーションに応じて設定することができる。切り替え信号は、ガードビット付加部206からEXORゲート213に供給される繰り返しユニットの全体や、一部分の暗号化が有効になるように設定することができる。また、切り替え信号は、ガードビット付加部206からEXORゲート213に供給される繰り返しユニットの全体の暗号化が無効になるように設定することができる。
ANDゲート212は、切り替え信号と、キーストリーム生成部211からのキーストリームとの論理積を演算し、EXORゲート213に供給する。これにより、ANDゲート212からEXORゲート213に対しては、切り替え信号において暗号化が有効になっている期間だけ、キーストリームが供給される。
EXORゲート213は、カードビット付加部206からの繰り返しユニットと、ANDゲート212からのキーストリームとの排他的論理和を演算することにより、繰り返しユニットをストリーム暗号(方式)で暗号化する。EXORゲート213は、暗号化後の繰り返しユニットを、EXORゲート215に供給する。
ここで、EXORゲート213では、繰り返しユニットのうちの、ANDゲート212からのキーストリームが供給される期間、すなわち、切り替え信号が論理1になっている期間が暗号化される。したがって、EXORゲート213では、繰り返しユニットの全部又は一部が暗号化されることや、繰り返しユニットの全部が暗号化されないことがある。
ゴールド符号発生部214は、例えば、2つのM系列発生器を用いて、EXORゲート213からの繰り返しユニットと同一サイズ(ビット数)のスクランブル系列としての、例えば、ゴールド符号を発生し、EXORゲート215に供給する。
EXORゲート215は、EXORゲート213からの繰り返しユニットと、ゴールド符号発生部214からのスクランブル系列との排他的論理和を演算することにより、繰り返しユニットのスクランブルを行って、インターリーブ部222に供給する。
シンク生成部221は、例えば、M系列等の所定のPN(Pseudo Noise)系列を、同期信号として生成し、インターリーブ部222に供給する。なお、シンク生成部221で生成される同期信号は、送信装置101及び高感度受信装置102で既知の信号になっている。同期信号が、送信装置101及び高感度受信装置102で既知であることにより、高感度受信装置102では、送信装置101からの無線信号の同期を行うことができ、送信装置101からの無線信号をロバストに受信することができる。M系列の初期値は、送受信で共通の値とすれば何でも良い。またM系列の初期値を、IDに応じて変えることも可能である。
インターリーブ部222は、EXORゲート213からの繰り返しユニットとしてのビット系列d(0),d(1),...と、シンク生成部221からの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...とを交互にインターリーブ(多重化)し、そのインターリーブにより得られるインターリーブ系列r(0),d(0),r(1),d(1)...を、変調部223に供給する。
変調部223は、インターリーブ部222から供給されるインターリーブ系列を用いて、例えば、π/2 shift BPSK(π/2 Shift Binary Phase Shift Keying)変調を行い、その変調により得られる変調信号としての、例えば、920MHz帯の無線信号を送信する。なお、変調部223は、周波数/タイミング制御部224からの制御に従った送信タイミング及び送信周波数で、無線信号を送信する。
周波数/タイミング制御部224は、送信装置101のID等に応じて、変調部223が送信する無線信号の送信タイミング及び送信周波数を設定し、その送信タイミング及び送信周波数で無線信号を送信するように、変調部223を制御する。周波数/タイミング制御部224は、変調部223の制御を、GNSS信号受信部201からのクロック信号に同期して行う。すなわち、周波数/タイミング制御部224は、例えば、GNSS信号受信部201からのクロック信号に応じて、現在のタイミングが、送信装置101及び高感度受信装置102において既知の(あらかじめ決められた)タイミングであるグリッドタイミング(グリッド時間)であるかどうかを認識し、グリッドタイミングでパケットの送信が開始されるように、変調部223を制御する。
以上のようにすることにより、送信信号は、受信装置が既知である同期信号(SYNC)が、均等にばらまかれた状態で、0.2秒以下のフレームとして送信される。したがって、送信装置101は、受信感度の低減を抑制することができる。換言するに、送信装置101は、装置全体の消費電力の増大を抑制しながら、より遠距離への無線信号の送信を実現することができる。
<送信処理の流れ>
次に、以上のような送信装置101において実行される送信処理の流れの例を、図23のフローチャートを参照して説明する。送信するデータ(例えばGNSS時刻情報)が得られると、送信装置101は、送信処理を開始する。
ステップS101において、ペイロードデータ生成部202は、ペイロードデータとしてのMSDUを生成し、ID/CRC付加部203に供給して、処理は、ステップS102に進む。
ステップS102では、ID/CRC付加部203は、ペイロードデータ生成部202からのペイロードデータに、送信装置101のIDと、CRCコードとを付加することで、FEC対象ユニットとしてのPSDUを生成する。ID/CRC付加部203は、FEC対象ユニットを、FEC処理部204に供給し、処理は、ステップS102からステップS103に進む。
ステップS103では、FEC処理部204は、ID/CRC付加部203からのFEC対象ユニットのLDPC符号化を行い、そのLDPC符号化により得られるLDPC符号の1符号語分であるFECフレームを、繰り返し部205に供給して、処理は、ステップS104に進む。
ステップS104では、繰り返し部205は、FEC処理部204からのLDPC符号を繰り返し配置した繰り返しユニットを生成し、ガードビット付加部206に供給して、処理は、ステップS105に進む。
ステップS105では、ガードビット付加部206は、繰り返し部205からの繰り返しユニットに、ガードビットを付加し、EXORゲート213に供給して、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106では、EXORゲート213は、ガードビット付加部206からの繰り返しユニットを暗号化し、その結果得られる暗号ストリームを、EXORゲート215に供給する。EXORゲート215は、EXORゲート213からの暗号ストリームをスクランブルし、その結果得られるスクランブルストリームを、インターリーブ部222に供給して、処理は、ステップS106からステップS107に進む。
ステップS107では、インターリーブ部222は、EXORゲート213からのスクランブルストリームと、シンク生成部221からの同期信号とをインターリーブし、そのインターリーブにより得られるPPDUを、変調部223に供給して、処理は、ステップS108に進む。
ステップS108では、変調部223は、インターリーブ部222から供給されるPPDUを用いて、BPSK変調やチャープ変調を行うことによって、例えば、920MHz帯の無線信号を生成して送信し、処理は終了する。
<送信装置101で扱われるデータのフォーマット>
図21は、送信装置101で扱われるデータ(信号)の第1のフォーマットの例を示す図である。
ここで、新通信方式では、変調部223で行われる変調の変調レート(伝送レート)として、例えば50.8kbpsを採用した場合のデータのフォーマットを示している。
ペイロードデータは、例えば、MSDU(MAC(Media Access Control))と呼ばれる128ビットが実データ(ユーザデータ)の伝送に用いられる。
128ビットのMSDUは、ID/CRC付加部203で、送信装置101の32ビットのIDと、24ビットのCRCコードとが付加されることにより、FEC対象ユニットとしてのPSDU(Physical Layer Service Unit)と呼ばれる184ビットのユニットになる。
184ビットのPSDUは、FEC処理部204において、例えば、符号長Nが736ビットで、符号化率rが1/4のLDPC符号に符号化され、その結果、736ビット(=184×4/1)のLDPC符号(エンコードビット)となる。
次に736ビットのLDPC符号が6回繰り返され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の384ビットが繰り返されることにより、4800ビット(=736ビット×6+384ビット)の繰り返しユニットが構成される。
すなわち、繰り返しユニットは、736ビットのLDPC符号が6回繰り返し配置され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の384ビットが配置されて構成される。
繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の384ビットとしては、例えば、736ビットのLDPC符号の先頭の384ビットを採用することができる。また、繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の384ビットは、例えば、所定の最適化パターンに従って選択することができる。
繰り返しユニットについては、4ビットのガードビット(G)が、先頭と最後のそれぞれに付加される。ガードビットの付加により、4800ビットの繰り返しユニットは、4808ビット(=4800ビット+4ビット×2)の繰り返しユニットになる。
その後、第2のフォーマットでは、第1のフォーマットの場合と同様に、4808ビットの繰り返しユニットが暗号化され、暗号ストリームとされ、さらに、スクランブルされ、スクランブルストリームとされる。
スクランブルストリームは、ガードビットが付加された繰り返しユニットと同一サイズの4808ビットのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)になる。
また、シンク生成部221は、例えば、スクランブルストリームと同一サイズの4808ビットの同期信号(Sync)としてのビット系列r(0),r(1),...r(4087)を生成する。
したがって、同期信号とスクランブルストリームとの長さの比は、4808:4808=1:1である。
4808ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...r(4087)と、4808ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)とは、インターリーブ部222でインターリーブされる。その結果、同期信号としてのビットが周期的に挿入された9616ビット(=4808ビット+4808ビット)のPPDUとしてのビット系列r(0),d(0),r(1),d(1),…が生成される。
ここで、4808ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...,r(4807)と、4808ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(4807)とのインターリーブは、例えば、以下のCプログラムに従って行われる。
for(n=0; n<9616; n++) {
if ( (n % 2) ==0) PPDU(n) =r (n/2);
if ( (n % 2) ==1) PPDU(n) =d (n/2);
}
9616ビットのPPDUについては、変調部223で、50.8kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施され、無線信号となって送信される。
9616ビットのPPDUについて、50.8kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施される場合、9616ビットのPPDUの送信時間は、約189.4msとなる。ARIB規定の0.2秒を下回るので、送信休止時間を短く取って複数回繰り返し送信することが可能となる。
送信装置101は、パケットとしてのPPDUの送信を、例えば、20回繰り返し行う。この場合、PPDUの20回の送信に要する時間は、約3.78秒(=189.4ms×20)になる。このように繰り返し回数が多いことにより、例えばフェーディングなどの影響があっても、より確実に情報を伝送することができる。
<キーストリーム生成部211の構成例>
図22は、図20のキーストリーム生成部211の構成例を示すブロック図である。
図22において、キーストリーム生成部211は、キー発生部251、Nonce発生部252、ブロック暗号化部253、及び、P/S変換部254を有する。
キーストリーム生成部211は、暗号化に用いられるキーストリームを生成する。キーストリーム生成部211では、第1のフォーマットについては、1664ビットのキーストリームが生成され、第2のフォーマットについては、4808ビットのキーストリームが生成される。
キー発生部251は、128ビットの鍵情報を発生する。キー発生部251については、内部構造が非公開とされ、暗号の安全性が確保される。キー発生部251については、内部構造を容易に推測されなければ、その構成は、どのような構成であってもよい。
キー発生部251は、例えば、GNSS信号受信部201(図20)からGNSS時刻を取得し、ビット数が128ビットとなるようにゼロデータを加えることによって、鍵情報を生成(発生)することができる。キー発生部251は、生成した鍵情報を、ブロック暗号化部253に供給する。
Nonce発生部252は、128ビットのNonce(Number used ONCE) を発生する。Nonceについては、ビットクロックを128分周したタイミングごとに、異なる値となることが期待される。
Nonce発生部252は、例えば、128ビットのカウンタで構成することができる。この場合、Nonce発生部252は、例えば、無線信号の送信開始前に、カウンタを所定のカウント値に初期化し、その後は、ビットクロックを128分周したタイミングごとに、カウント値を、1ずつインクリメントすることにより、Nonceを生成することができる。Nonce発生部252は、生成したNonceを、ブロック暗号化部253に供給する。
ブロック暗号化部253は、キー発生部251からの鍵情報と、Nonce発生部252からのNonceを用いて、128ビットのブロック暗号を発生し、P/S変換部254に供給する。
ブロック暗号としては、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)符号や、CLEFIA符号等を用いることができる。
P/S変換部254は、ブロック暗号化部253からの128ビット単位のブロック暗号を、1ビット単位にP/S(Parallel to Serial)変換し、シリアル(1ビット単位)のキーストリームを生成して、ANDゲート212に供給する。
P/S変換部254は、4808ビットのキーストリームを生成する。
<高感度受信装置>
次に、高感度受信装置102について説明する。図24は、本技術を適用した信号処理装置の一実施の形態である受信装置の主な構成例を示す図である。高感度受信装置102は、送信装置101から送信された信号を受信する。したがって、その受信信号のフォーマットは、図20や図21を参照して説明したように、1フレームが9616シンボルからなり、未知の情報(データ)のシンボルと既知の情報(同期信号)のシンボルとが交互に並ぶものとする。
図24に示されるように、高感度受信装置102は、アンテナ351、低ノイズ増幅部352、バンドパスフィルタ(BPF)353、アンテナ354、GNSS受信部355、キャリア発振部356、乗算部357、90度シフタ358、乗算部359、A/D変換部360、メモリ361、および信号処理部362を有する。
低ノイズ増幅部352は、信号増幅に関する処理を行うように構成される。例えば、低ノイズ増幅部352は、アンテナ351を介して無線信号を受信し、その受信信号を増幅し、バンドパスフィルタ353に供給する。なお、この低ノイズ増幅部352は、任意の構成により実現することができる。例えば、低ノイズ増幅部352が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、低ノイズ増幅部352が、オペアンプ等を有するようにしてもよい。
バンドパスフィルタ353は、帯域制限に関する処理を行うように構成される。例えば、バンドパスフィルタ353は、受信信号から不要な周波数成分を除去し、それを乗算部357および乗算部359に供給する。なお、このバンドパスフィルタ353は、任意の構成により実現することができる。例えば、バンドパスフィルタ353が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、バンドパスフィルタ353が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
GNSS受信部355は、GNSS信号の受信に関する処理を行うように構成される。例えば、GNSS受信部355は、アンテナ354を介してGNSS衛星から送信されるGNSS信号を受信する。GNSS受信部355は、そのGNSS信号に含まれる時刻情報(GNSS時刻情報)等をキャリア発振部356に供給する。なお、GNSS受信部355は、任意の構成により実現することができる。例えば、GNSS受信部355が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、GNSS受信部355が、受信回路、信号処理回路等により構成されるようにしてもよい。
キャリア発振部356は、キャリアの生成に関する処理を行うように構成される。例えば、キャリア発振部356は、送受信で用いる所定の周波数のキャリア周波数の信号を発生させる。例えば920MHz帯で送られた信号を受信する場合、キャリア発振部356は920MHzを発振する。なお、キャリア発振部356は、GNSS受信部355から供給されるGNSS時刻情報を用いて、生成したキャリアの周波数を適宜補正しており、より正確な周波数のキャリアを生成することができる。キャリア発振部356は、その発振信号(キャリア信号)を乗算部357および90度シフタ358に供給する。
なお、このキャリア発振部356は、任意の構成により実現することができる。例えば、キャリア発振部356が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、キャリア発振部356が、発振回路を有するようにしてもよい。
乗算部357は、乗算に関する処理を行うように構成される。例えば、乗算部357は、バンドパスフィルタ353から供給される受信信号と、キャリア発振部356から供給されるキャリア信号とを乗算し、ベースバンドのInPhase信号(I信号)を生成する。乗算部357は、そのI信号をA/D変換部360に供給する。なお、この乗算部357は、任意の構成により実現することができる。例えば、乗算部357が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、乗算部357が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
90度シフタ358は、位相シフトに関する処理を行うように構成される。例えば、90度シフタ358は、キャリア発振部356から供給されるキャリア信号の位相を90度シフトする。90度シフタ358は、その位相シフトされたキャリア信号を乗算部359に供給する。なお、この90度シフタ358は、任意の構成により実現することができる。例えば、90度シフタ358が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、90度シフタ358が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
乗算部359は、乗算に関する処理を行うように構成される。例えば、乗算部359は、バンドパスフィルタ353から供給される受信信号と、90度シフタ358から供給される、90度位相シフトされたキャリア信号とを乗算し、ベースバンドのQuadrature信号(Q信号)を生成する。乗算部359は、そのQ信号をA/D変換部360に供給する。なお、この乗算部359は、任意の構成により実現することができる。例えば、乗算部359が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、乗算部359が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
A/D変換部360は、A/D変換に関する処理を行うように構成される。例えば、A/D変換部360は、供給されるI信号とQ信号をそれぞれA/D変換し、それらのデジタルデータをメモリ361に供給して記憶させる。A/D変換部360の変換レートは、送信に用いたチップレートを超えるレートが必要である。例えば、Δ=20μsとしてチップレート50K/sの送信が行われた場合、A/D変換部360は、少なくともチップレートの2倍、即ち100K Sample/s以上の変換レートでA/D変換を行う必要がある。なお、このA/D変換部360は、任意の構成により実現することができる。例えば、A/D変換部360が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、A/D変換部360が、所定のA/D変換回路により構成されるようにしてもよい。
メモリ361は、所定の記憶媒体を有し、A/D変換部360から供給されるI信号およびQ信号のデジタルデータを取得し、その記憶媒体に記憶する。この記憶媒体はどのようなものであってもよく、例えば、半導体メモリであってもよいし、ハードディスク等の磁気記録媒体であってもよいし、それら以外の記憶媒体であってもよい。A/D変換部360において、8ビット精度、変調レートに対して2倍の変換レート(101.6KHz)で、例えば20秒間A/D変換が行われた場合、メモリ361にはI信号およびQ信号を合わせて約4メガバイト(4Mbyte)のデジタルデータが蓄積される。
信号処理部362は、信号処理を行うように構成される。例えば、信号処理部362は、メモリ361に蓄積されたI信号およびQ信号のデジタルデータを読み出し、復号処理を行い、送信されたペイロードデータを復元する。信号処理部362は、復元したペイロードデータを出力する。
このようにすることにより、高感度受信装置102は、送信装置101が送信した送信信号を受信して復号することができる。つまり、高感度受信装置102は、既知である同期パタン(SYNC)が、ほぼ均等にばらまかれた状態の、0.2秒以下のフレームとして送信された送信フレームを受信して正しく復号し、送信データTMを得ることができる。したがって、高感度受信装置102は、装置全体の消費電力の増大を抑制しながら、より遠距離への無線信号の送信を実現することができる。
<信号処理部>
図25は、信号処理部362の主な構成例を示すブロック図である。図25に示されるように、信号処理部362は、分離部371、遅延部372、周波数サンプル生成部373、有意成分抽出部374、逆変換部375、フレーム同期部376、補正部377、積算部378、逆拡散部379、およびLDPC(Low Density Parity-check Codes)380を有する。
分離部371は、データの分離に関する処理を行うように構成される。例えば、分離部371は、メモリ361から読み出したデジタルデータ(IQ信号)に含まれる未知の情報(データ)と既知の情報(同期信号)とを分離する。分離部371は、分離したデータ(未知の情報)を遅延部372に供給し、分離した同期信号(既知の情報)を周波数サンプル生成部373に供給する。なお、この分離部371は、任意の構成により実現することができる。例えば、分離部371が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
遅延部372は、データの遅延に関する処理を行うように構成される。例えば遅延部372は、バッファを有し、分離部371から供給される1フレーム分のデータをそのバッファに記憶する。そして、遅延部372は、フレーム同期部376の制御に従って、記憶しているデータを補正部377に供給する。なお、この遅延部372は、任意の構成により実現することができる。例えば、遅延部372が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
周波数サンプル生成部373は、周波数サンプルの生成に関する処理を行うように構成される。例えば周波数サンプル生成部373は、分離部371から供給される同期信号から、その複素周波数サンプルを生成する。周波数サンプル生成部373は、生成した複素周波数サンプルを有意成分抽出部374に供給する。なお、この周波数サンプル生成部373は、任意の構成により実現することができる。例えば、周波数サンプル生成部373が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
有意成分抽出部374は、周波数サンプルの有意な成分の抽出に関する処理を行うように構成される。例えば、有意成分抽出部374は、周波数サンプル生成部373から供給される多数の複素周波数サンプルから有意な成分の複素周波数サンプルを複数抽出する。有意成分抽出部374は、抽出した複数の複素周波数サンプルを逆変換部375に供給する。また、有意成分抽出部374は、各フレームの複素周波数サンプルのピークを検出し、それをフレーム同期部376に通知する。なお、この有意成分抽出部374は、任意の構成により実現することができる。例えば、有意成分抽出部374が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
逆変換部375は、逆変換に関する処理を行うように構成される。例えば逆変換部375は、有意成分抽出部374から供給される周波数領域の複数の複素周波数サンプルを時間領域のチャネル情報サンプルに変換する。逆変換部375は、生成したチャネル情報サンプルを補正部377に供給する。なお、この逆変換部375は、任意の構成により実現することができる。例えば、逆変換部375が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
フレーム同期部376は、フレーム同期に関する処理を行うように構成される。例えばフレーム同期部376は、遅延部372に記憶されている1フレーム分のデータの読み出しタイミングを制御することにより、データの同期をフレーム単位でとる。例えばフレーム同期部376は、遅延部372を制御し、有意成分抽出部374からの通知に対応するタイミング(同期のとれたタイミング)で遅延部372よりデータを読み出させる。なお、このフレーム同期部376は、任意の構成により実現することができる。例えば、フレーム同期部376が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、フレーム同期部376が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
補正部377は、データの補正に関する処理を行うように構成される。例えば補正部377は、逆変換部375から供給されるチャネル情報サンプル(複数の周波数サンプルが変換されたチャネル情報サンプル)に基づいて、遅延部372から供給されるデータを補正する。例えば、補正部377は、データの位相を補正する。また、さらに補正部377がデータの振幅も補正することができるようにしてもよい。補正部377は、補正後のデータを積算部378に供給する。なお、この補正部377は、任意の構成により実現することができる。例えば、補正部377が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。
積算部378は、データの積算に関する処理を行うように構成される。例えば積算部378は、補正部377から供給されるデータを積算する。このように、短い時間のフレームを多数積算することにより、電波法に定められた最大送信時間の制限を超えずに、実効的なSNRを向上させることができる。積算部378は、積算結果を逆拡散部379に供給する。なお、この積算部378は、任意の構成により実現することができる。例えば、積算部378が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、積算部378が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
逆拡散部379は、データの逆拡散に関する処理を行うように構成される。例えば逆拡散部379は、データにGold符号を乗算する等してデータを逆拡散させる。逆拡散部379は、フレーム内に6回繰り返されたLDPC符号を積算処理することにより、SNRをさらに向上させた後、LDPC180に供給する。なお、この逆拡散部379は、任意の構成により実現することができる。例えば、逆拡散部379が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、逆拡散部379が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
LDPC380は、低密度パリティ検査符号に関する処理を行うように構成される。例えばLDPC380は、送信データに付加されたフレームチェックシーケンスを用いて誤り判定を行い、必要に応じて訂正処理を行う。LDPC380は、検査後のデータを出力する。なお、このLDPC380は、任意の構成により実現することができる。例えば、LDPC380が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、LDPC380が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
<分離部>
図26は、分離部371の主な構成例を示す回路図である。図26に示されるように分離部371は、スイッチ401を有する。スイッチ401は、1入力2出力のスイッチであり、その入力端子は、信号処理部362の入力(つまりメモリ361)に接続され、出力の一方は遅延部372に接続され、他方は周波数サンプル生成部373に接続される。スイッチ401には、メモリ361から読み出された受信信号(IQ信号)が供給される。スイッチ401は、その受信信号に含まれる未知の情報であるデータのシンボルを遅延部372に供給し、既知の情報である同期信号のシンボルを周波数サンプル生成部373に供給する。例えば同期信号とデータ(スクランブルストリーム)の長さの比が1:1である場合、スイッチ401は、シンボル間隔で交互に切り替わるように構成される。なお、このスイッチ401は、任意の構成により実現することができる。例えば、スイッチ401が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、スイッチ401がスイッチ回路等により構成されるようにしてもよい。
<周波数サンプル生成部>
図27は、周波数サンプル生成部373の主な構成例を示すブロック図である。図27に示されるように、周波数サンプル生成部373は、既知データ乗算部411および変換部412を有する。
既知データ乗算部411は、既知データの乗算に関する処理を行うように構成される。既知データ乗算部411は、分離部371から供給される同期信号の各シンボルに既知のデータ(+1 or -1)を乗算してチャネル情報サンプル(p(k)(0≦k≦(N-1)))を生成する。この既知のデータは、図10や図11を参照して説明したように、同期が取れている場合にチャネル情報サンプル(p(k))が全て+1(実軸)となるような値である。既知データ乗算部411は、既知データを乗算した同期信号(チャネル情報サンプル(p(k)))を変換部412に供給する。
なお、この既知データ乗算部411は、任意の構成により実現することができる。例えば、既知データ乗算部411が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、既知データ乗算部411が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
変換部412は、チャネル情報サンプルの変換に関する処理を行うように構成される。例えば、変換部412は、既知データ乗算部411から供給されたチャネル情報サンプルを複素周波数サンプルC(f)に変換する。つまり、図28に示されるグラフのように、複素周波数のスペクトル分布が得られる。なお、この変換方法は任意である。例えば、変換部412が、高速フーリエ変換(FFT)するようにしてもよい。例えば変換部412は、1フレーム分のチャネル情報サンプルを複素周波数サンプルC(f)に変換する。変換部412は、得られた複素周波数サンプルC(f)を有意成分抽出部374に供給する。
なお、この変換部412は、任意の構成により実現することができる。例えば、変換部412が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、変換部412が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
<有意成分抽出部>
図29は、有意成分抽出部374の主な構成例を示すブロック図である。図29に示されるように、有意成分抽出部374は、サンプルホールド部421、ピーク検出部422、および有意成分選択部423を有する。
サンプルホールド部421は、例えばバッファ等の記憶領域を有し、周波数サンプルの保持に関する処理を行うように構成される。例えばサンプルホールド部421は、周波数サンプル生成部373より供給される複素周波数サンプルC(f)を保持(ホールド)する。そして、ピーク検出部422からピーク検出の旨の通知を受けると、サンプルホールド部421は、ホールドしている複素周波数サンプルを有意成分選択部423に供給する。例えば、サンプルホールド部421は、1フレームの受信信号から得られる全ての周波数サンプルをホールドするように構成することができる。あるいは、サンプルホールド部421は、1フレームの受信信号から得られる周波数サンプルのうち、低い周波数成分のみを予め選択してホールドするように構成することも可能である。
なお、このサンプルホールド部421は、任意の構成により実現することができる。例えば、サンプルホールド部421が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、サンプルホールド部421が、メモリやスイッチ等により構成されるようにしてもよい。
ピーク検出部422は、ピークの検出に関する処理を行うように構成される。例えばピーク検出部422は、周波数サンプル生成部373より供給される複素周波数サンプルC(f)の中から振幅の大きなスペクトルを検出する。この検出するスペクトルは、例えば、周波数サンプル生成部373より供給される複素周波数サンプル群の中で最大振幅となるサンプルであってもよいし、最大に近いサンプルでもよい。また例えば、ピーク検出部422が、ノイズレベルに対して所定のレベル(例えば5dB)以上の大きさを持つスペクトルを検出するようにしてもよい。ピーク検出部422は、このように大きなスペクトルを検出すると、その旨をフレーム同期部376およびサンプルホールド部421に通知する。
上述したようにフレーム同期部376は、その通知に従って遅延部372を制御し、フレーム同期をはかる。また、サンプルホールド部421は、その通知に従って、ホールドしている複素周波数サンプルを有意成分選択部423に供給する。
なお、このピーク検出部422は、任意の構成により実現することができる。例えば、ピーク検出部422が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、ピーク検出部422が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
有意成分選択部423は、複素周波数サンプルの有意成分の選択に関する処理を行うように構成される。例えば有意成分選択部423は、サンプルホールド部421より供給される複素周波数サンプルの中から、複数の複素周波数サンプルを有意な成分として選択する。
この有意成分選択部423による複素周波数サンプルの選択の方法は任意である。図17や図18を参照して説明したように、受信信号(同期信号)の複素周波数スペクトル分布をより高精度に再現するように複数の複素周波数サンプルを選択すればよい。
例えば、有意成分選択部423は、周囲に比べて振幅が大きな複素周波数サンプルであるピークサンプルと、そのピークサンプルの周辺の複素周波数サンプルである周辺サンプルとを、有意な成分として選択するようにしてもよい。この場合、ピークサンプルは、単純に振幅最大のスペクトルを1つ選択し、次にピークスペクトルの前後に隣接する周波数のスペクトルを周辺サンプルとして2つ選択するのが最も簡単な例である。さらに高度な選択手法としては、例えば最も振幅が高いスペクトルを第1のピークサンプル、その前後に隣接する2つのスペクトルを第1の周辺サンプルとして選択し、この後に引き続いて2番目に振幅が高いスペクトルを第2のピークサンプルとして選択し、第2のピークサンプルの前後に隣接するスペクトルを第2の周辺サンプルとして選択することもできる。このとき、周辺サンプルがピークサンプルに隣接していてもよいし、していなくてもよい。また、ピークサンプルに対する周辺サンプルの数は任意である。単数であってもよいし、3以上であってもよい。
例えば、有意成分選択部423が、周囲よりも大きなスペクトルをピークサンプルf1として選択し、その両隣のスペクトルを周辺サンプルf0および周辺サンプルf2として選択するものとする。有意成分選択部423は、このように選択した複数の複素周波数サンプル(ピークサンプルf1、周辺サンプルf0、周辺サンプルf2)を逆変換部375に供給する。
なお、この有意成分選択部423は、任意の構成により実現することができる。例えば、有意成分選択部423が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、有意成分選択部423が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
<逆変換部>
図30は、逆変換部375の主な構成例について説明する図である。図30のAは、逆変換部375の主な構成例を示す回路図である。図30のAの例の場合、逆変換部375は、発振器431-1、発振器431-2、発振器431-3、および合成部432を有する。
発振器431-1は、有意成分抽出部374から供給される周辺サンプルf0(周波数f0、大きさA0の複素周波数サンプル)に対応し、その周波数f0および大きさA0の発振信号を生成する。発振器431-2は、有意成分抽出部374から供給されるピークサンプルf1(周波数f1、大きさA1の複素周波数サンプル)に対応し、その周波数f1および大きさA1の発振信号を生成する。発振器431-3は、有意成分抽出部374から供給される周辺サンプルf2(周波数f2、大きさA2の複素周波数サンプル)に対応し、その周波数f2および大きさA2の発振信号を生成する。ここで大きさ(A0,A1,A2)は一般に複素数である。
これらの発振器431-1乃至発振器431-3を互いに区別して説明する必要がない場合、発振器431と称する。つまり、逆変換部375は、有意成分抽出部374から供給される複数の複素周波数サンプル(ピークサンプルまたは周辺サンプル)のそれぞれに対応する発振器431を有する。各発振器431より出力される発振信号は、それぞれに対応する複素周波数サンプルを時間領域に変換した信号である。これらの信号は合成部432に供給される。
合成部432は、各発振器431より供給される発振信号を、例えば以下の式(2)のように合成し、その合成信号(チャネル情報サンプル)を補正部377に供給する。
なお、逆変換部375の構成は任意である。例えば、図30のBに示されるように、逆フーリエ変換部(FFT)433により構成されるようにしてもよい。逆フーリエ変換部433は、有意成分抽出部374から供給される複数の周波数サンプルを入力として逆フーリエ変換を行い、時間領域のチャネル情報サンプルに変換する。つまり、上述の式(2)と同様の合成結果が得られる。逆フーリエ変換部433は、得られたチャネル情報サンプルを補正部377に供給する。
以上のように、逆変換部375は、有意な成分の複数の複素周波数サンプルをチャネル情報サンプルm(t)に逆変換する。つまり、このチャネル情報サンプルm(t)は、受信信号の周波数ずれをより高精度に再現している。ここでチャネル情報サンプルm(t)は、一般に複素数であらわされる。
<補正部>
図31は、補正部377の主な構成例を示すブロック図である。図31に示されるように、補正部377は、位相検出部441、位相補正部442、エンベロープ生成部443、および振幅補正部444を有する。
位相検出部441は、位相の補正量の検出に関する処理を行う。例えば、位相検出部441は、逆変換部375から供給されるチャネル情報サンプルm(t)から位相の補正量θ(t)を算出する。例えば、位相検出部441は、以下の式(3)のように位相の補正量θ(t)を算出する。位相検出部441は、算出した位相の補正量θ(t)を位相補正部442に供給する。
θ(t)=tan-1m(t) ・・・(3)
以上のように、位相検出部441は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて位相の補正量を検出する。したがって、より高精度に補正量を算出することができる。
なお、この位相検出部441は、任意の構成により実現することができる。例えば、位相検出部441が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、位相検出部441が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
位相補正部442は、位相補正に関する処理を行う。例えば、位相補正部442は、位相検出部441から供給される補正量θ(t)に基づいて、遅延部372から供給されるデータに信号e-jθ(t)を乗算することにより、データの位相を補正する。位相補正部442は、補正したデータを振幅補正部444に供給する。
したがって、位相補正部442は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号を補正することができるので、図17や図18を参照して説明したように、より高精度に位相を補正することができる。したがって、受信感度の低減を抑制することができる。
なお、この位相補正部442は、任意の構成により実現することができる。例えば、位相補正部442が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、位相補正部442が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
エンベロープ生成部443は、エンベロープの生成に関する処理を行う。例えば、エンベロープ生成部443は、逆変換部375から供給されるチャネル情報サンプルm(t)を用いてそのエンベロープを生成する。また、エンベロープ生成部443は、生成したエンベロープに基づいて振幅の補正量K(t)を算出する。例えば、エンベロープ生成部443は、以下の式(4)のように振幅の補正量K(t)を算出する。エンベロープ生成部443は、算出した振幅の補正量K(t)を振幅補正部444に供給する。
以上のように、エンベロープ生成部443は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて振幅の補正量を検出する。この周波数サンプルが正しく選択されることにより、より高精度に補正量を算出することができる。
なお、このエンベロープ生成部443は、任意の構成により実現することができる。例えば、エンベロープ生成部443が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、エンベロープ生成部443が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
振幅補正部444は、振幅補正に関する処理を行う。例えば、振幅補正部444は、エンベロープ生成部443から供給される振幅の補正量K(t)に基づいて、位相補正部442より供給されるデータ(位相補正後のデータ)に補正量K(t)を乗算することにより、データの振幅を補正する。振幅補正部444は、補正したデータを積算部378に供給する。このようにして補正量K(t)を乗じながら合成することにより、最大比合成(Maximum Ratio Combining)を実現することが可能となり、良好な信号特性を得ることが出来る。
したがって、振幅補正部444は、複数の有意な周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号を補正することができるので、図17や図18を参照して説明したように、より高精度に振幅を補正することができる。したがって、低SNRの受信信号であっても受信感度の低減を抑制することができる。
なお、この振幅補正部444は、任意の構成により実現することができる。例えば、振幅補正部444が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、振幅補正部444が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
なお、位相検出部441と位相補正部442とを一体化して位相補正部451としてもよい。位相補正部451は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号の位相の補正量を算出し、その補正量を用いて受信信号の位相を補正するので、より高精度に位相補正を行うことができ、受信感度の低減を抑制することができる。
また、エンベロープ生成部443と振幅補正部444とを一体化して振幅補正部452としてもよい。振幅補正部452は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号の振幅の補正量を算出し、その補正量を用いて受信信号の振幅を補正するので、より高精度に振幅補正を行うことができ、受信感度の低減を抑制することができる。
また、位相検出部441とエンベロープ生成部443とを一体化して補正情報生成部453としてもよい。補正情報生成部453は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号の位相や振幅の補正量を算出する。したがって、より高精度に位相や振幅の補正を行わせることができ、受信感度の低減を抑制することができる。
また、位相補正部442と振幅補正部444とを一体化して補正部454としてもよい。補正部454は、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて算出された受信信号の位相や振幅の補正量を用いて、受信信号の位相や振幅を補正する。したがって、より高精度に位相や振幅の補正を行うことができ、受信感度の低減を抑制することができる。
<受信処理の流れ>
次に、このような高感度受信装置102において実行される処理について説明する。受信処理の流れの例を、図32のフローチャートを参照して説明する。
受信処理が開始されると、高感度受信装置102の低ノイズ増幅部352は、ステップS201において、アンテナ351を介して無線信号を受信する。
ステップS202において、低ノイズ増幅部352は、ステップS201において受信された無線信号である受信信号を増幅する。
ステップS203において、バンドパスフィルタ353は、ステップS202において増幅された受信信号から、不要な周波数成分を除去する。
ステップS204において、キャリア発振部356は、所定の周波数で発振し、キャリア信号を生成する。
ステップS205において、乗算部357は、受信信号に対して、そのキャリア信号を乗算することにより、I信号を生成する。
ステップS206において、90度シフタ358は、キャリア信号の位相を90度シフトする。そして、乗算部359は、受信信号に対して、その90度位相シフトされたキャリア信号を乗算することにより、Q信号を生成する。
ステップS207において、A/D変換部360は、ステップS205において生成されたI信号と、ステップS206において生成されたQ信号とをそれぞれA/D変換する。
ステップS208において、メモリ361は、ステップS208において生成された、I信号のデジタルデータとQ信号のデジタルデータをそれぞれ記憶する。
ステップS209において、信号処理部362は、そのI信号のデジタルデータとQ信号のデジタルデータをメモリ361から読み出して、復号処理を行い、それらを復号する。
全てのフレームについて受信処理が行われると、受信処理が終了する。
<復号処理の流れ>
次に、図33のフローチャートを参照して、図32のステップS209において実行される復号処理の流れの例を説明する。
復号処理が開始されると、ステップS221において、分離部371は、受信信号よりデータと同期信号とを分離する。この段階において、フレームの同期タイミングは検出されていない。そのためステップS221からステップS224までの処理は、フレーム同期信号が正しく検出されるまで何回も繰り返しおこなわれる。ステップS222において、遅延部372は、ステップS221において同期信号から分離されたデータを記憶する。
ステップS223において、周波数サンプル生成部373は、ステップS221においてデータと分離された同期信号を用いて周波数サンプルを生成する。ステップS224においてピーク検出部422は、沢山検出される周波数サンプルの振幅を計算し、それらの最大値からピーク値を求め、ピーク値が充分な振幅であるか否かを判断する。周波数サンプルのピークが充分な振幅であると判定できた場合、ステップS225に進む。ピーク値が充分な振幅であると判定できない場合においては、フレームのタイミングが正しくないことが想定されるので、処理はステップS221に戻り、フレームタイミングを変えてからデータと同期信号の分離処理をおこない、ステップS224までの処理を繰り返す。
ステップS225において、有意成分抽出部374は、ステップS223において生成された周波数サンプルの有意成分を抽出する。ステップS226において、逆変換部375は、ステップS225において抽出された周波数サンプルの有意成分を、チャネル情報サンプルに変換する。ステップS227において、フレーム同期部376は、遅延部372を制御してフレームを同期させる。
ステップS228において、補正部377は、ステップS226の処理により得られたチャネル情報サンプルを用いて、ステップS227においてフレーム同期された受信信号のデータを補正する。
ステップS229において、積算部378は、ステップS228の処理により補正された受信信号のデータを積算する。
ステップS230において、積算部378は、全てのフレームを処理したか否かを判定する。未処理のフレームが存在すると判定された場合、処理はステップS221に戻り、新たなフレームを処理対象としてステップS221乃至ステップS230の各処理が実行される。ステップS221乃至ステップS230の各処理がフレーム毎に実行され、ステップS230において全てのフレームを処理したと判定された場合、処理はステップS231に進む。
ステップS231において、逆拡散部379は、ステップS229において積算されたデータを逆拡散する。またフレーム内で6回繰り返されたLDPC符号を積算し、SNRを向上させる。ステップS232において、LDPC380は、誤り訂正処理を行い、必要に応じて誤りを訂正する。ステップS233において、LDPC380は、復号データを出力する。
ステップS233の処理が終了すると復号処理が終了し、処理は図32に戻る。
<周波数サンプル生成処理の流れ>
次に、図34のフローチャートを参照して、図33のステップS223において実行される周波数サンプル生成処理の流れの例を説明する。
周波数サンプル生成処理が開始されると、既知データ乗算部411は、ステップS241において、分離部371においてデータから分離された同期信号に既知のデータを乗算して、チャネル情報サンプルを生成する。ステップS242において、変換部412は、ステップS241において得られたチャネル情報サンプルを周波数サンプルに変換する。
ステップS242の処理が終了すると周波数サンプル生成処理が終了し、処理は図33に戻る。
<有意成分抽出処理の流れ>
次に、図35のフローチャートを参照して、図33のステップS225において実行される有意成分抽出処理の流れの例を説明する。
有意成分抽出処理が開始されると、サンプルホールド部421は、ステップS251において、周波数サンプルを記憶する。ステップS252において、ピーク検出部422は、周波数サンプルをスキャンして、ピーク振幅となる周波数成分を検出する。
ステップS253において、有意成分選択部423は、ピーク振幅となる周波数成分を含むように、複数の周波数サンプルを有意成分として選択し、抽出する。
ステップS253の処理が終了すると有意成分抽出処理が終了し、処理は図33に戻る。
<補正処理の流れ>
次に、図36のフローチャートを参照して、図33のステップS228において実行される補正処理の流れの例を説明する。
補正処理が開始されると、位相検出部441は、ステップS261において、同期信号のチャネル情報サンプルが変換された周波数サンプルの中から有意な成分として選択された複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いてデータの位相の補正量を検出する。ステップS262において、位相補正部442は、その補正量を用いてデータの位相を補正する。
ステップS263において、エンベロープ生成部443は、同期信号のチャネル情報サンプルが変換された周波数サンプルの中から有意な成分として選択された複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いてエンベロープを生成する。ステップS264において、振幅補正部444は、そのエンベロープを用いて、データの振幅を補正する。
ステップS264の処理が終了すると、補正処理が終了し、処理は図33に戻る。
以上のように各処理を実行することにより、複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いてデータ(受信信号)の位相や振幅を補正することができる。複数の周波数サンプルを用いることにより、受信信号の周波数ずれの様子をより正確に再現することができるので、より正確な補正量を求めることができる。したがって、補正部377は、より正確にデータの位相や振幅を補正することができる。したがって、高感度受信装置102は、受信感度の低減を抑制することができる。
<3.第2の実施の形態>
<マルチパスによる影響>
信号が送信装置101から高感度受信装置102に単一の経路で伝送される場合、受信信号の周波数スペクトル分布は、例えば図28に示したように、1つのピーク近傍を再現することにより、受信信号の補正をより正確に行うことができる。したがって、補正後のデータのエンベロープとコンスタレーションは、例えば図38の上の段のようになり、振幅が安定し、各シンボルの位相ずれも抑制され、各値をより容易に識別することができる。したがって、受信感度の低減を抑制することができる。
しかしながら、信号がの伝送経路が複数になる場合(所謂マルチパスが発生する場合)がある。例えば、図37の例では、自動車(送信装置101)が受信点(高感度受信装置102)から離れる方向に移動しており、そのため、信号には約-43Hzのドップラーシフトが発生している。図37の例では、さらに、マルチパスが発生している。つまり、送信装置101から送信された信号が反射物によって反射し、約+43Hzの信号が受信点に到達している。したがって、受信点においては、この信号が約+86Hzのノイズとして混入する。
このようなマルチパスが発生すると周波数スペクトル分布が、例えば図39の例のようにより複雑になる可能性がある。このような複雑な分布となると、1つのピークサンプルとその周辺サンプルのみでは、正確な再現は困難になる。そのため、補正後のデータのエンベロープとコンスタレーションは例えば図38の下の段のようになり、振幅が安定せず、各シンボルの位相ずれも抑制されない。そのため、各値の識別が困難になり、受信感度が低減するおそれがあった。また、この場合の位相を観測すると速いスピードで遷移することがあり、従来からのPLLでは全く追従させることができなかった。
<複数のピークサンプルの選択>
そこで、有意成分選択部423において、複素周波数サンプルを複数選択する際に、ピークサンプルを複数選択することができるようにしてもよい。ピークサンプルを複数選択することができるようにし、各ピークサンプルに対する周辺サンプルを選択することができるようにすることにより、より多様な周波数スペクトル分布をより正確に再現することができるようになる。つまり、より多くの複素周波数サンプルを選択することができるようにして、例えば図39のような周波数スペクトル分布もより正確に再現することができるようにする。
<有意成分抽出部>
この場合の有意成分抽出部374の主な構成例を図40に示す。図40に示されるように、この場合、有意成分抽出部374は、有意成分選択部423の代わりに、有意成分選択部503を有する。
有意成分選択部503は、サンプルホールド部421から供給される複素周波数サンプル群の中から、複数のピークサンプルとそれぞれの周辺サンプルよりなる、有意な成分の複数の複素周波数サンプルを選択する。
例えば、図40に示されるように、有意成分選択部503は、M個のピークサンプル(f01,...,fk1,...,f(M-1)1)を選択し、さらに各ピークサンプルの周辺サンプル(f00,...,fk0,...,f(M-1)0、f02,...,fk2,...,f(M-1)2)を選択する。つまり、3M個の複素周波数サンプルが選択される。
有意成分選択部503は、選択したこれらの複素周波数サンプルを逆変換部375に供給する。なお、この有意成分選択部403は、任意の構成により実現することができる。例えば、有意成分選択部403が、回路、LSI、システムLSI、プロセッサ、モジュール、ユニット、セット、デバイス、装置、またはシステム等により構成されるようにしてもよい。また、それらを複数組み合わせるようにしてもよい。その際、例えば、複数の回路、複数のプロセッサ等のように同じ種類の構成を組み合わせるようにしてもよいし、回路とLSI等のように異なる種類の構成を組み合わせるようにしてもよい。例えば、有意成分選択部403が、CPUとメモリを有し、CPUがメモリを用いてプログラムを実行することにより、上述の処理を行うようにしてもよい。
なお、第1の実施の形態の場合と同様、この有意成分選択部403による複素周波数サンプルの選択の方法は任意である。図17や図18を参照して説明したように、受信信号(同期信号)の複素周波数スペクトル分布をより高精度に再現するように複数の複素周波数サンプルを選択すればよい。
つまり、選択する複数のピークサンプルはどのように選択してもよい。例えば、スペクトルの大きい方から順に所定数選択するようにしてもよい。また、各ピークサンプルの位置関係も任意である。また、各ピークサンプルに対する周波数サンプルの位置や数も任意である。例えば、各ピークサンプルに対する周辺サンプルの位置や数が統一されていてもよいし、統一されていなくてもよい。特にフェーディングによる周波数変移幅が推定出来る場合(例えば移動速度が100Km/h以下であることが解っている場合)には、起こりうる周波数変移の最大値を算出することができる。そこで、起こりうる周波数変移の範囲内において、ピークサンプルを選択することができる。
<逆変換部>
この場合も逆変換部375の構成は、第1の実施の形態の場合(図30)と同様である。例えば図30のAの場合と同様に、発振器431を入力される複素周波数サンプルの数だけ設け、それらの出力(発振信号)を合成部432によって全て合成すればよい。図41にその場合の逆変換部375の構成例を示す。図41の例の場合、3M個の発振器431が設けられ、それぞれに入力される複素周波数サンプルの周波数や振幅に応じた発振信号を出力する。合成部432は、それらすべての発振器431の出力を合成して、チャネル情報サンプルm(t)を生成する。
もちろん、図30のBの場合と同様に、逆変換部375が逆フーリエ変換部433により構成されるようにしてもよい。図42にその場合の逆変換部375の構成例を示す。この場合も、第1の実施の形態の場合と同様、逆フーリエ変換部433は、入力される全ての周波数サンプルを逆フーリエ変換して時間領域のチャネル情報サンプルm(t)に変換する。
このようにすることにより、位相検出部441は、例えば図43に示されるような複雑な波形の位相の補正量θ(t)を算出することができる。したがって、位相補正部442は、マルチパスが発生する場合であってもより高精度に位相を補正することができる。したがって、受信感度の低減を抑制することができる。
また、エンベロープ生成部443は、例えば図44に示されるような複雑な波形のエンベロープを生成することができる。したがって、位相補正部442は、マルチパスが発生する場合であってもより高精度に振幅を補正することができる。したがって、受信感度の低減を抑制することができる。また、このようにして取得したエンベロープの情報を使って、CSI(Channel State Information)を求め、LDPC符号の誤り訂正で活用することも可能である。
位相を補正した後のコンスタレーションは例えば図45のようになる。このような信号を積算し、LDPC符号による誤り訂正を施すことにより、復号することができる。図38の下の段の場合と比べると、各シンボルの値がより容易に識別可能であることが理解される。したがって、受信感度の低減を抑制することができる。
<有意成分抽出処理の流れ>
この場合の有意成分抽出部374により実行される有意成分抽出処理の流れの例を、図46のフローチャートを参照して説明する。
有意成分抽出処理が開始されると、サンプルホールド部421は、ステップS301において、周波数サンプルを記憶する。ステップS302において、ピーク検出部422は、周波数サンプルをスキャンして、ピーク振幅となる周波数成分を複数検出する。ステップS303において、有意成分選択部503は、各ピーク振幅となる周波数成分について、そのピーク振幅となる周波数成分を含むように、複数の周波数サンプルを有意成分として選択し、抽出する。つまり、有意成分選択部503により、複数のピークサンプルと各ピークサンプルの周辺サンプルが有意成分として選択されて抽出される。
ステップS303の処理が終了すると有意成分抽出処理が終了し、処理は図33に戻る。
このように各処理を実行することにより、受信信号のより複雑な周波数ずれの様子をより正確に再現することができるので、高感度受信装置102は、受信感度の低減を抑制することができる。
<補正部>
なお、以上においては、複数の複素周波数サンプルから1つのチャネル情報サンプルを生成し、それを用いて補正を行うように説明したが、これに限らず、複素周波数サンプルを複数のグループに分けてグループ毎にデータの補正を行い、補正後に合成するようにしてもよい。
図47にその場合の信号処理部362の主な構成例を示す。図47に示されるようにこの場合も、信号処理部362の構成は、基本的に第1の実施の形態の場合(図25)と同様であるが、この場合、補正部377の代わりに、複数の補正部(補正部551-1乃至補正部551-M)と合成部552を有する。以下において、補正部551-1乃至補正部551-Mを互いに区別して説明する必要がない場合、補正部551と称する。
この場合、逆変換部375は、複数の複素周波数サンプルから複数のチャネル情報サンプルを生成する。各チャネル情報サンプルは、互いに異なる複素周波数サンプルを用いて生成される。逆変換部375は、各チャネル情報サンプルを各補正部551に供給する。
各補正部551は、互いに異なるチャネル情報サンプルに基づいて遅延部372から供給されるデータの位相や振幅を補正する。各補正部551は、補正後のデータを合成部552に供給する。合成部552は、全ての補正部551から供給される補正後のデータを合成し、その合成結果を積算部378に供給する。このようにしても、上述した他の場合と同様に、受信感度の低減を抑制することができる。
<4.第3の実施の形態>
<信号フォーマット>
以上においては、信号フォーマットの例として、未知の情報(データ)と既知の情報(同期信号)とがシンボル毎に交互に配置される例を説明したが、信号フォーマットは任意であり、これらの例に限定されない。例えば、図48のフォーマットにおいては、変調レートを6.35Kbpsまで低下させ、1フレームの長さを0.4秒以下になるように繰り返し回数を設定している。図48のフォーマットでは、1フレームの同期信号が4808シンボルに対して、データのシンボルが1664になっている。この場合は、同期信号1シンボルとデータ2シンボルとを交互に配置するようになされる。
すなわち、ペイロードデータ生成部202は、128ビットの実データを、そのまま用いて、128ビットのMSDUを構成(生成)する。128ビットのMSDUは、ID/CRC付加部203で、送信装置101の32ビットのIDと、24ビットのCRCコードとが付加されることにより、FEC対象ユニットとしてのPSDUと呼ばれる184ビットのユニットになる。
184ビットのPSDUは、FEC処理部204において、符号長Nが736ビットで、符号化率rが1/4のLDPC符号に符号化され、その結果、736ビット(=184×4/1)のLDPC符号(エンコードビット)となる。
繰り返しユニットは、736ビットのLDPC符号が2回繰り返し配置され、さらに、736ビットのLDPC符号の一部の184ビットが配置されて構成される。
繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の184ビットとしては、例えば、736ビットのLDPC符号の先頭の184ビットを採用することができる。また、繰り返しユニットに配置される736ビットのLDPC符号の一部の184ビットは、例えば、所定の最適化パターンに従って選択することができる。
繰り返しユニットには、ガードビット付加部206で、ガードビットが付加(挿入)される。すなわち、繰り返しユニットの先頭と最後とのそれぞれに、4ビットのガードビット(G)が付加される。
ガードビットの付加により、1656ビットの繰り返しユニットは、1664ビット(=1656ビット+4ビット×2)の繰り返しユニットとなる。
4ビットのガードビットとしては、例えば、4ビットの0等を採用することができる。
ここで、高感度受信装置102の信号処理部362(図24)で行われる繰り返しユニットのFFTにおいて、繰り返しユニットの端部の信号品質が劣化する。この信号品質の劣化に対する対処として、ガードビットが、繰り返しユニットの先頭と最後とのそれぞれに付加される。
繰り返しユニットについては、EXORゲート213で、キーストリームとの排他的論理和が演算され、これにより、繰り返しユニットは、暗号ストリームとなる。
暗号ストリームは、暗号化前の繰り返しユニットと同様に、1664ビットで構成される。
1664ビットの暗号ストリームは、EXORゲート215で、スクランブル系列としてのゴールド符号との排他的論理和が演算されることによりスクランブルされ、スクランブルストリームとなる。
スクランブルストリームは、スクランブル前の暗号ストリームと同様に、1664ビットのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)である。
シンク生成部221は、例えば、832ビットの同期信号(Sync)としてのビット系列r(0),r(1),...r(831)を生成する。したがって、同期信号とスクランブルストリームとの長さの比は、832:1664=1:2である。
832ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...r(831)と、1664ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)とは、インターリーブ部222でインターリーブされる。その結果、同期信号としてのビットが周期的に挿入された2496ビットのPPDU(Presentation Protocol Data Unit)としてのビット系列r(0),d(0),d(832),r(1),d(1),d(833)…が生成される。
ここで、832ビットの同期信号としてのビット系列r(0),r(1),...,r(831)と、1664ビットのスクランブルストリームとしてのビット系列d(0),d(1),...,d(1663)とのインターリーブは、例えば、以下のCプログラムに従って行われる。なお、PPDU(n)は、2496ビットのPPDUの先頭からn+1番目のビットを表し、(n % x)は、nをxで除算した余りを表す。記号 "==" は計算結果が等しいか、否かを判断することを意味する。また、nを被除数とする除算の計算(n/3等)では、小数点以下を切り捨てる。
for(n=0; n<2496; n++) {
if ( (n % 3) ==0) PPDU(n) =r (n/3);
if ( (n % 3) ==1) PPDU(n) =d (n/3);
if ( (n % 3) ==2) PPDU(n) =d (n/3+1);
}
2496ビットのPPDUについては、変調部223で、6.35kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施され、さらに、400kHz/sのチャープ変調が施される。そして、2496ビットのPPDUは、無線信号となって送信される。
2496ビットのPPDUについて、6.35kbpsのπ/2シフトBPSK変調が施される場合、2496ビットのPPDUの送信(伝送)時間は、約393.2msとなる。0.4秒以下の送信となり、920MHz帯のARIB規定を満足している。
チャープ変調において、約393.2msの送信時間のPPDUの送信開始時には、例えば、約-78.6kHzの周波数シフトが与えられる。400kHz/sのチャープ変調では、周波数が400kHz/sの変化レートで線形に変化するので、約393.2msの送信時間のPPDUの送信終了時の周波数シフトは、約+78.6kHzとなる。
例えば、キャリアの周波数(中心周波数)が925MHzである場合、チャープ変調により無線信号の信号周波数は924.9214MHzから925.0786MHzまで直線的に変化する。このチャープ変調により、6.35Kbpsの変調レートを使った場合であっても周波数利用効率が向上するので混信に強くなり、またチャープ変調の特性により同期検出にかかる演算量を軽減することも可能となる。
送信装置101は、パケットとしてのPPDUの送信を、例えば、4回繰り返し行う。この場合、PPDUの4回の送信に要する時間は、約1.57秒(=393.2ms×4)になる。
同期信号がフレーム全体に分散されるようにすることにより、フレーム中に位相揺らぎがあった場合においても、高感度受信装置102は、より適切に位相と周波数の補正を行うことができ、受信感度の低減を抑制することができる。
<5.その他>
<盗難防止システム>
以上においては、位置通知システム100を例に説明したが、本技術は、任意の通信システムに適用することができる。例えば、送信装置101は、人物だけでなく、移動体等に設置するようにしてもよい。
例えば、本技術は、図49に示されるような自動車やバイク等の盗難を防ぐための盗難防止システム800に適用することもできる。この盗難防止システム800の場合、送信装置101は、ユーザが位置を監視する対象物、例えばユーザが所有する自動車801やバイク802に設置される。送信装置101は、位置通知システム100の場合と同様に、自身の位置情報(すなわち、自動車801やバイク802の位置情報)を、適宜、高感度受信装置102に通知する。つまり、ユーザは、位置通知システム100の場合と同様に、端末装置105からサーバ104にアクセスして、自動車801やバイク802の位置を把握することができる。したがって、ユーザは、盗難にあった場合であっても、自動車801やバイク802の位置を把握することができるので、その自動車801やバイク802を容易に取り戻すことができる。
このような盗難防止システム800の場合も、送信装置101や高感度受信装置102に対して各実施の形態において上述した本技術を適用することにより、受信感度の低減を抑制することができ、自身の位置情報(すなわち、自動車801やバイク802の位置情報)を、より正確に高感度受信装置102に通知することができる。つまり、ユーザは、盗難にあった場合であっても、自動車801やバイク802の位置をより容易かつ正確に把握することができる。
<その他の通信システム>
なお、送受信される情報は任意である。例えば送信装置101が、画像、音声、測定データ、機器等の識別情報、パラメータの設定情報、または指令等の制御情報等を含む送信情報を送信するようにしてもよい。また、この送信情報には、例えば、画像と音声、識別情報と設定情報と制御情報等のように、複数種類の情報が含まれるようにしてもよい。
また、送信装置101が、例えば、他の装置から供給される情報を含む送信情報を送信することができるようにしてもよい。例えば、送信装置101が、画像、光、明度、彩度、電気、音、振動、加速度、速度、角速度、力、温度(温度分布ではない)、湿度、距離、面積、体積、形状、流量、時刻、時間、磁気、化学物質、または匂い等、任意の変数について、またはその変化量について、検出または計測等を行う各種センサから出力される情報(センサ出力)を含む送信情報を生成し、送信するようにしてもよい。
つまり、本技術は、例えば、立体形状計測、空間計測、物体観測、移動変形観測、生体観測、認証処理、監視、オートフォーカス、撮像制御、照明制御、追尾処理、入出力制御、電子機器制御、アクチュエータ制御等、任意の用途に用いられるシステムに適用することができる。
また、本技術は、例えば、交通、医療、防犯、農業、畜産業、鉱業、美容、工場、家電、気象、自然監視等、任意の分野のシステムに適用することができる。例えば、本技術は、ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等を用いる、鑑賞の用に供される画像を撮影するシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用システム、走行車両や道路を監視する監視カメラシステム、車両間等の測距を行う測距システム等の、交通の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等を用いる、セキュリティの用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、ウェアラブルカメラ等のようなスポーツ用途等向けに利用可能な各種センサ等を用いる、スポーツの用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、例えば、本技術は、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の各種センサを用いる、農業の用に供されるシステムにも適用することができる。また、例えば、本技術は、豚や牛等の家畜の状態を監視するための各種センサを用いる、畜産業の用に供されるシステムにも適用することができる。さらに、本技術は、例えば火山、森林、海洋等の自然の状態を監視するシステムや、例えば天気、気温、湿度、風速、日照時間等を観測する気象観測システムや、例えば鳥類、魚類、ハ虫類、両生類、哺乳類、昆虫、植物等の野生生物の生態を観測するシステム等にも適用することができる。
<通信装置>
さらに、送受信される無線信号や情報の仕様は任意である。また、以上においては、本技術を送信装置101や高感度受信装置102に適用する例を説明したが、本技術は、任意の送信装置、任意の受信装置、任意の送受信装置にも適用することができる。つまり、本技術は、任意の通信装置や通信システムに適用することができる。
<コンピュータ>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。また、一部の処理をハードウエアにより実行させ、他の処理をソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここでコンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等が含まれる。
図50は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
図50に示されるコンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903は、バス904を介して相互に接続されている。
バス904にはまた、入出力インタフェース910も接続されている。入出力インタフェース910には、入力部911、出力部912、記憶部913、通信部914、およびドライブ915が接続されている。
入力部911は、例えば、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部912は、例えば、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部913は、例えば、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部914は、例えば、ネットワークインタフェースよりなる。ドライブ915は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブルメディア921を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU901が、例えば、記憶部913に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース910およびバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM903にはまた、CPU901が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
コンピュータ(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア921に記録して適用することができる。その場合、プログラムは、リムーバブルメディア921をドライブ915に装着することにより、入出力インタフェース910を介して、記憶部913にインストールすることができる。また、このプログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することもできる。その場合、プログラムは、通信部914で受信し、記憶部913にインストールすることができる。その他、このプログラムは、ROM902や記憶部913に、あらかじめインストールしておくこともできる。
<補足>
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
なお、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
また、例えば、1つの装置(または処理部)として説明した構成を分割し、複数の装置(または処理部)として構成するようにしてもよい。逆に、以上において複数の装置(または処理部)として説明した構成をまとめて1つの装置(または処理部)として構成されるようにしてもよい。また、各装置(または各処理部)の構成に上述した以外の構成を付加するようにしてももちろんよい。さらに、システム全体としての構成や動作が実質的に同じであれば、ある装置(または処理部)の構成の一部を他の装置(または他の処理部)の構成に含めるようにしてもよい。
また、例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、例えば、上述したプログラムは、任意の装置において実行することができる。その場合、その装置が、必要な機能(機能ブロック等)を有し、必要な情報を得ることができるようにすればよい。
また、例えば、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。換言するに、1つのステップに含まれる複数の処理を、複数のステップの処理として実行することもできる。逆に、複数のステップとして説明した処理を1つのステップとしてまとめて実行することもできる。
コンピュータが実行するプログラムは、プログラムを記述するステップの処理が、本明細書で説明する順序に沿って時系列に実行されるようにしても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで個別に実行されるようにしても良い。つまり、矛盾が生じない限り、各ステップの処理が上述した順序と異なる順序で実行されるようにしてもよい。さらに、このプログラムを記述するステップの処理が、他のプログラムの処理と並列に実行されるようにしても良いし、他のプログラムの処理と組み合わせて実行されるようにしても良い。
本明細書において複数説明した本技術は、矛盾が生じない限り、それぞれ独立に単体で実施することができる。もちろん、任意の複数の本技術を併用して実施することもできる。例えば、いずれかの実施の形態において説明した本技術の一部または全部を、他の実施の形態において説明した本技術の一部または全部と組み合わせて実施することもできる。また、上述した任意の本技術の一部または全部を、上述していない他の技術と併用して実施することもできる。
本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) 受信信号に含まれる既知情報の周波数サンプルから抽出された有意な成分である複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する補正部
を備える信号処理装置。
(2) 前記補正部は、前記受信信号の位相を補正する
(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記補正部は、前記受信信号の振幅を補正する
(1)または(2)に記載の信号処理装置。
(4) 前記補正部は、有意な成分である複数の周波数サンプルが逆フーリエ変換されて得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する
(1)乃至(3)のいずれかに記載の信号処理装置。
(5) 前記補正部は、有意な成分である複数の周波数サンプルのそれぞれの周波数および振幅の発振信号が合成されて得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する
(1)乃至(4)のいずれかに記載の信号処理装置。
(6) 前記補正部は、周囲に比べて振幅が大きな周波数サンプルであるピークサンプルと、前記ピークサンプルの周辺の周波数サンプルである周辺サンプルとから得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する
(1)乃至(5)のいずれかに記載の信号処理装置。
(7) 前記周辺サンプルは、前記ピークサンプルの両隣の周波数サンプルである
(6)に記載の信号処理装置。
(8) 前記補正部は、複数の前記ピークサンプルと、各ピークサンプルに対する前記周辺サンプルとから得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する
(6)または(7)に記載の信号処理装置。
(9) 前記補正部は、振幅の大きい方から順に所定数の前記ピークサンプルと、各ピークサンプルに対する前記周辺サンプルとから得られるチャネル情報を用いて前記受信信号を補正する
(8)に記載の信号処理装置。
(10) 複数の前記補正部と、
各補正部の補正結果を合成する合成部と
を備え、
各補正部は、互いに異なるピークサンプルと前記ピークサンプルの周辺サンプルとを用いて前記受信信号を補正するように構成される
(8)または(9)に記載の信号処理装置。
(11) 前記受信信号は、未知の情報の間に既知の情報が定期的に挿入されている
(1)乃至(10)のいずれかに記載の信号処理装置。
(12) 前記受信信号は、所定の長さのフレームが繰り返し、各フレーム内においてシンボル単位のデータが並ぶ構成を有する
(11)に記載の信号処理装置。
(13) 前記受信信号は、各フレーム内において、未知の前記データのシンボルの間に、既知の同期信号のシンボルが挿入されている
(12)に記載の信号処理装置。
(14) 前記受信信号は、未知の前記データの1シンボルと既知の前記同期信号の1シンボルとが交互に並ぶ構成を有する
(13)に記載の信号処理装置。
(15) 前記受信信号は、未知の前記データの2シンボルと既知の前記同期信号の1シンボルとが交互に並ぶ構成を有する
(13)または(14)に記載の信号処理装置。
(16) 前記受信信号の各フレームの両端には、不要なシンボルからなるガードビットが付されている
(12)に記載の信号処理装置。
(17) 前記受信信号に含まれる未知のデータのシンボルと、既知の同期信号のシンボルとを分離する分離部と、
前記分離部により未知の前記データから分離された既知の前記同期信号のシンボルからチャネル情報を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記チャネル情報を周波数サンプルに変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記周波数サンプルから有意な成分として複数の周波数サンプルを抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された有意な成分の複数の周波数サンプルをチャネル情報に逆変換する逆変換部と
をさらに備える
(1)乃至(16)のいずれかに記載の信号処理装置。
(18) 前記変換部により変換された前記周波数サンプルを用いて、前記受信信号のフレーム単位の同期をとるフレーム同期部をさらに備える
(17)に記載の信号処理装置。
(19) 前記補正部により補正された前記受信信号を積算する積算部をさらに備える
(1)乃至(18)のいずれかに記載の信号処理装置。
(20) 受信信号に含まれる既知情報の周波数サンプルから抽出された有意な成分である複数の周波数サンプルから得られるチャネル情報を用いて受信信号を補正する
信号処理方法。
(21) 送信データの、所定数のシンボル単位のデータが連なるフレームの前後に不要なデータを付加する付加部と、
前記付加部により前記不要なデータが付加された前記フレーム単位の前記送信データを送信する送信部
を備える信号処理装置。
(22) 前記不要なデータは、複数のシンボル単位のデータよりなる
(21)に記載の信号処理装置。
(23) 前記不要なデータは、40シンボルのデータよりなる
(22)に記載の信号処理装置。
(24) 前記不要なデータは、前記フレームの識別情報の一部または全部を含む
(21)に記載の信号処理装置。
(25) 前記不要なデータは、前記フレームのヘッダ情報の一部または全部を含む
(21)に記載の信号処理装置。
(26) 前記フレーム単位の前記送信データは、受信側にとって未知のデータのシンボルの間に、受信側にとって既知の同期信号のシンボルが挿入されている
(21)に記載の信号処理装置。
(27) 前記フレーム単位の前記送信データは、未知の前記データの1シンボルと既知の前記同期信号の1シンボルとが交互に並ぶ構成を有する
(26)に記載の信号処理装置。
(28) 前記フレーム単位の前記送信データは、未知の前記データの2シンボルと既知の前記同期信号の1シンボルとが交互に並ぶ構成を有する
(26)に記載の信号処理装置。
(29) 前記送信部は、前記送信データを、前記フレーム毎に送信する
(21)に記載の信号処理装置。
(30) 前記送信部は、同一の前記フレームを複数回送信する
(21)に記載の信号処理装置。
(31) 送信データの、所定数のシンボル単位のデータが連なるフレームの前後に不要なデータを付加し、
前記不要なデータが付加された前記フレーム単位の前記送信データを送信する
信号処理方法。