JP7214621B2 - 認識可能な厚さの要素を含む消費者物品の変形容器 - Google Patents

Description

本発明は、容器の表面に取り付けられた認識可能な厚さを有する追加的要素を含む層状ブランクを折り畳むことによって形成された消費財用の容器に関連する。本明細書で使用される「認識可能な厚さを有する要素」という表現は、約５０マイクロメートル～約５００マイクロメートルの厚さを有する任意の三次元要素を意味する。一つのこうした要素の一例が、無線周波数識別（ＲＦＩＤ）要素である。本発明の容器には、喫煙物品などの細長い消費財用の容器としての特定の用途がある。

喫煙物品は典型的に、ボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿ってボックスにヒンジ付けされたリッドとを備える、剛直なヒンジリッド容器内にパッケージされる。ボックス内に収容されている喫煙物品の束は一般的に、金属化紙、金属箔、またはその他の柔軟なシート材料の内側ライナー、またはパッケージ内に包装される。ヒンジリッド容器と内側パッケージのどちらもブランクから形成されている。輸送中、および包装機械に供給されている時に、ブランクは相互に重なり合って積み重ねられ、平坦な状態にあることが好ましい。

こうした容器は補強部材を備えることがよくあり、これは内側パッケージの外側に配置された内側フレームとして、または内側パッケージの内側に配置された補強材として提供されうる。これは、輸送中に容器内の喫煙物品をより適切に保護する目的で、パッケージの圧縮に対する抵抗を改善するためである。加えて、一つのこうしたヒンジリッド容器は、ボックスの前部壁の上縁端を少なくとも部分的に越えて延びて、閉位置にある時にリッド前部壁に対して位置しうる平坦な表面を提供する内側フレームを備えうる。これは、リッドが閉位置にある時に、一つのこうした配置を提供された容器が実質的に平面の前方表面を消費者に提示するため、一般的に望ましい。補強部材は典型的に、内側パッケージの前部壁に対して位置する補強用前部壁を少なくとも備える。最も一般的には、一つのこうした補強部材はカラーとして提供され、このカラーは、補強用前部壁に従属する、それぞれの折り目の周りで折り畳まれて内側パッケージの側壁に対して位置する側壁をさらに含む。従って、使用時に、一つのこうした補強部材は、三つの側上の喫煙物品の束を囲む。

無線周波数要素は、情報が印刷される必要性なしに、大量の情報へのアクセスを可能にすることで知られている。従って、とりわけ無線周波数要素が容器の外部表面で見えないように、無線周波数要素を備える消費者物品用の容器を提供することが望ましいことになり、その理由は、このスペースがブランディング情報や印刷されるその他の情報に使われる方が良いためである。ところが、上述のタイプの容器を形成するためにブランク上に認識可能な厚さを有する要素を提供することは、ブランクの成形性に影響しうる。さらに、これは望ましくないことに、製造プロセスの複雑さを増大させうる。

さらに、認識可能な厚さを有する要素の存在は、容器が形成される層状ブランクの厚さを局所的に増大させることになり、ブランクが一つのこうした要素を含む場合、ブランクを交互に重ね合わせることがあまり容易ではなくなりうる。これは、ブランクの保管中および輸送中に、および容器を形成するためにブランクが高速で包装機械に供給される時に、問題を引き起こしうる。

従って、認識可能な厚さを有する要素を含む消費財用の斬新で改良された容器を提供することが望ましいであろう。特に、こうした容器にとって、容器内に保持された消費者物品が、潜在的に有害な圧縮荷重から効果的に保護されることを確実にすることが望ましいであろう。さらに、複数の前記ブランクが簡単に積み重ねられる、パレット化される、輸送される、容器を形成するための包装機械に供給されることができるように、一つのこうした容器を形成するためのブランクを提供することが望ましいであろう。加えて、既存の装置に大規模な修正を加える必要なく容易に製造することができる消費財用の一つのこうした容器を提供することが望ましいであろう。

本発明の一つの態様によると、消費財用容器が提供されていて、容器は、あるブランク厚さを有する層状ブランクから形成されている。容器は、約５０マイクロメートル～約５００マイクロメートルの厚さを有する三次元要素を含み、三次元要素は容器の第一の壁の内表面の取り付け領域に提供された接着剤によって容器に取り付けられている。さらに容器は、取り付け領域以外の、容器の内表面の領域で厚さ補正手段を備える。

本発明の別の態様によると、消費財用の容器を形成するためのブランクが提供されており、ブランクは、基体厚さを有する層状基体と、約５０マイクロメートル～約５００マイクロメートルの厚さを有する三次元要素とを備え、三次元要素は層状基体に取り付けられている。この要素は層状基体の第一の表面の取り付け領域に提供された接着剤によって、容器に取り付けられている。加えてブランクは、取り付け領域以外の、層状基体の第一の表面の領域で厚さ補正手段を備える。

当然のことながら、本発明の一つの態様に関連して説明した任意の特徴は、本発明のその他の任意の態様にも等しく適用できる。

本明細書で使用される「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「上部」、「下部」および「側部」という用語は、容器が直立の位置にあり、容器のアクセス開口部が容器の上部にある時の、本発明による容器の一部分とその構成要素の相対的な位置を意味する。本発明による容器を説明する時、説明される容器の向きに関係なく、これらの用語が使用される。外側ヒンジリッド・ハウジングの後部壁は、ヒンジ線を含む壁である。

本発明による容器を説明する時、「長軸方向の」という用語は、底部から上部への方向、またはその逆の方向を意味し、一方「横断する」という用語は、長軸方向と直角を成す方向を意味する。例えば、「容器の長軸方向軸」は、底部から上部に、またはその逆で上部から底部に延びる軸である。

「幅」という用語は、横断方向に測定した要素（無線周波数要素や、ブランクのパネル、または容器の壁など）の寸法を説明するために使用される。「パネル」という用語は、組み立てられた容器の壁を形成するために使用されるブランクの一部分に言及するために本明細書を通して使用される。パネルは、一つ以上の折り目に沿って一つ以上の他のパネルに従属してもよい。「折り目」という用語は、二つの隣接するパネルの間の折り曲げに言及する。容器を形成する時、隣接するパネルは、その共通の折り目に沿って折り畳まれ、これは容器の、またはその部分の縁端を画定しうる。組み立てられた容器において、「壁」は一つのパネル、または（例えば、接着剤によって）互いに取り付けられた幾つかの重なったパネルで形成されてもよい。さらに、壁は二つ以上の隣接しているまたは重なっているパネルで形成されてもよい。

「高さ」という用語は、要素の幅に直角を成す方向に測定される、一つのこうした要素の寸法を説明するために使用される。容器の要素を説明する時は概して、平坦な状態の要素について言及される。

本発明による容器を形成するためのブランクにおいて、「長軸方向軸」という用語は、平坦な状態にあるブランクを横切って、組み立てられた容器内で長軸方向に対して実質的に平行な方向に延びるブランクの軸を特定するために使用される。従って、例えばブランクの長軸方向軸は、ブランク前方パネルを横切って、対応する容器前部壁を基準にして取られた長軸方向と平行な方向に延びる。一方、「横断軸」という用語は、平坦な状態にあるブランクを横切って、長軸方向軸と直角を成す方向に延びるブランクの軸を特定するために使用される。

一つのこうしたブランクは、長軸方向軸に沿って測定された、ブランクの対向する端間の最大距離に対応する「長軸方向寸法」を有する。さらに、一つのこうしたパネルは、長軸方向軸と直角を成す方向に沿って測定された、ブランクの対向する端間の最大距離に対応する「横断寸法」を有する。

長方形において、長軸方向寸法および横断方向は概して、その長方形の高さおよび幅に対応する。ところが、消費者物品用の実質的に平行六面体の容器を形成するためのブランクは典型的に、ほぼ四辺形の形状を有するが、定型的な長方形の完全な対称性を概して示さないことがある。従って、本明細書で使用される「長軸方向寸法」および「横断寸法」という用語は、ブランクの寸法、とりわけブランクが正確に長方形であった場合に、ブランクの高さおよび幅に対応する、実質的に四辺形のブランクの寸法を特定する。本明細書で使用される「長軸方向軸の中点」という用語は、本発明による容器を形成するためのブランクの長軸方向軸の中点、すなわち長軸方向軸の両方の終点から等距離にある地点を特定する。一つのこうしたブランクの長軸方向軸の終点は、ブランクの長軸方向寸法に対応する距離によって分離されたブランクの対向する縁端にある。長軸方向軸の中点は、長軸方向軸を二分し、そのため長軸方向軸の中点といずれかの終点との間の距離は実質的に、ブランクの長軸方向寸法の半分である。

本明細書で使用される「取り付け領域」という用語は、三次元要素の周囲を囲むブランクの最小領域を意味する。

「ブランクの構成要素と長軸方向軸の中点との間の距離」は、構成要素の中心点から測定される。構成要素は、例えば三次元要素でもよく、そのため三次元要素の幾何学的中心、または取り付け領域の幾何学的中心について言及されてもよい。同様に、「ブランクの二つの構成要素間の距離」は、構成要素のそれぞれの中心点から測定される。従って、例えば三次元要素と三次元パッチ部材の間の距離は、要素の中心点とパッチ部材の中心点の間で測定される。

「厚さ」という用語は、無線周波数要素などの三次元要素の高さと幅の両方と直角を成す方向の寸法を説明するために使用される。容器に取り付けられた時、三次元要素は、取り付け領域を含む容器の内表面により画定される平面から、要素厚さに実質的に対応する高さだけ突き出す。

パッケージまたはヒンジリッド容器が形成されうる層状ブランクに関連して、「厚さ」という用語は、ブランクの対向する内表面と外表面の間の距離を特定する。

本明細書で使用される「認識可能な厚さを有する要素」という表現は、約５０マイクロメートル～約５００マイクロメートルの厚さを有する任意の三次元要素を意味する。一つのこうした要素の一例が、無線周波数識別（ＲＦＩＤ）要素である。

約５０マイクロメートル未満の厚さを有する要素を、消費者物品用の容器を形成するためのブランクに取り付けることは、ブランクの成形しやすさの低減に関係する問題を事実上引き起こさず、またはブランクの積み重ねの容易さに著しく影響を及ぼしたり、組み立てられた容器内の消費者物品に圧縮荷重の印加を引き起こしたりしないことが観察されている。

一部の実施形態において、要素の認識可能な厚さは、少なくとも約５０マイクロメートルであることが好ましく、少なくとも約１００マイクロメートルであることがより好ましく、少なくとも約１５０マイクロメートルであることがなおさらに好ましい。加えて、または別の方法として、認識可能な厚さは、約５００マイクロメートル未満であることが好ましく、約４００マイクロメートル未満であることがより好ましく、約３００マイクロメートル未満であることがなおさらに好ましい。

「内表面」という用語は本明細書全体を通して、容器が閉位置にある時に、その容器の内部に向かって（例えば、消費財に向かって）面する、組み立てられた容器の構成要素の表面を意味するために使用される。「外表面」という用語は本明細書全体を通して、その容器の外部に向かって面する容器の構成要素の表面を意味するために使用される。例えば、容器の前部壁は、容器および消費財の内側を向いている内表面と、消費財から遠ざかる方を向いている外表面とを有する。注目すべきは、内表面または外表面が容器の組立に使用されるブランクの一定の側に必ずしも相当しないことである。消費財の周辺でブランクがどのように折り畳まれるかに応じて、ブランクの同じ側にある領域は、容器の内側に面する可能性も外側に面する可能性もある。

「ヒンジ線」という用語は、ヒンジリッド・ハウジングを開くために、リッドが周りを旋回しうる線を意味する。ヒンジ線は、例えば容器の後部壁を形成するパネル内の折り目またはスコアラインであってもよい。

本発明による容器は、あるブランク厚さを有する層状ブランクから形成されている。容器は、約５０マイクロメートル～約５００マイクロメートルの範囲の厚さを有する三次元要素を備える。これは、消費者物品用の容器の製造に典型的に使用されるブランクの厚さと実質的に同程度の厚さを有する要素を含む。既存の容器とは対照的に、本発明によると、要素は容器の第一の壁の内表面の取り付け領域に提供された接着剤によって容器に取り付けられ、また容器は追加的要素の厚さを補正するための手段を含む。厚さ補正手段はその全体が、取り付け領域以外の容器の内表面の領域に提供される。本発明によると、厚さ補正手段は取り付け領域以外の位置で容器の内表面に提供されていて、前記位置で容器の厚さが所定の量だけ増大して、三次元要素の影響を少なくとも部分的に相殺するようになっている。当然のことながら、この補正が有効となるためには、厚さ補正手段は認識可能な厚さの要素と重なってはならない。従って、厚さ補正手段の全体は、取り付け領域以外の容器の内表面の領域上に延びる。言い換えれば、三次元要素の下にある容器の内表面の任意の部分はまた、厚み補正手段の下にはない。従って、補正手段が提供される領域内において、容器の局所厚さは、ブランク厚さと厚さ補正手段の厚さの合計に実質的に対応する。

従って、下記に詳細に説明する通り、本発明による容器によって、有利なことに、容器の表面上の認識可能な厚さの追加的要素に起因する局所厚さの増加の影響を少なくとも部分的に相殺または補正することが可能である。これは有利なことに、容器のブランクの厚さの不均一性を均一にすることに寄与する。

認識可能な厚さの要素を含む容器を形成するためのブランクの厚さは、平均して、より平らにされるため、多くのブランクをパレット化して同時に輸送できるように、複数のブランクを安定した方法で互いに積み重ねることは、より容易である。さらに、本発明による容器を形成するためのブランクの積み重ねは、より秩序正しくかつ安定しているため、こうしたブランクを包装機械に供給することはまた、より容易であり、そのため製造プロセスの信頼性もまた、より高くなる。

加えて、本発明による容器において、追加的要素は有利なことに、容器の通常の使用中に外側から見えない。従って同時に、容器の外表面のスペースは、ブランディング情報や印刷されるその他の情報のために、より効果的に使用されうる。

最後に、本発明による容器およびブランクは、製造が簡単で、かつ既存の装置の大規模な修正を必要としない。

ブランクに取り付けられた要素は、任意の認識可能な厚さ、すなわち要素が取り付けられるブランクの厚さに匹敵する程度の厚さを有する任意の三次元要素としうる。好ましい実施形態において、要素は無線周波数（識別）要素であり、一般にＲＦＩＤタグとも呼ばれる。ＲＦＩＤタグまたはその他の無線周波数要素は、製品に関する情報（例えば、製品のアイデンティティおよび信憑性に関する情報）を保存できる。典型的に、一つのこうしたタグは、アンテナまたは誘導コイルに接続された集積回路を含む。ＲＦＩＤリーダーは、アンテナまたはコイルで受信される無線周波数信号を送信することによってタグを調べるために使用される。そうした信号に応答して、ＲＦＩＤはタグ内に保存されている情報を含む信号をＲＦＩＤリーダーに返す。

要素は、層状ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、また要素と層状ブランクの長軸方向軸の中点との間の距離は、ブランクの長軸方向寸法の約２０パーセント未満であることが好ましい。従って、本発明による容器は、ブランクから効果的に形成されていて、ここで認識可能な厚さの要素は実質的に中央の位置を占める。要素はブランクの長軸方向軸上に位置付けられているだけでなく、中央ブランク横断軸の両側で延びるブランク表面の中央の帯内に要素が配置されることが確実にされる。このことは、長軸方向軸上の認識可能な厚さの要素の位置が、ブランクの重力中心の近くにあるため、有利であると理解される。従って、下記に詳細に説明する通り、本発明による容器を形成するためのブランクは、とりわけ安定しており、保管および搬送が容易であるだけでなく、折り畳まれて容器に形成されるための包装機械への供給も容易である。

理論に拘束されることを望むものではないが、当然のことながら、ブランクの表面に取り付けられた認識可能な厚さの要素（無線周波数要素など）の存在は概して、層状基体の成形しやすさの局所的な低下を引き起こす。加えて、ブランクの表面上の位置で認識可能な厚さの要素を供給することによって、消費者物品用の容器を形成するためのブランクの表面は、従来的なブランクの場合と同じくらいに平らではない。従って、認識可能な厚さの要素を含む二つのブランクが、互いに積み重ねられる時、上部にあるブランクは、底部にあるブランク上の要素の追加的な局所厚さを収容するために、わずかに湾曲する傾向にある。この効果は、複数のブランクが相互に積み重ねられる時に伝搬される傾向にあり、消費者物品用の容器を形成するためのブランクが保管、輸送（例えば、パレット上で）されるか、または容器を形成するために包装機械に供給される時でも通常はそうである。

発明者らは、要素が層状ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、また要素と層状ブランクの長軸方向軸の中点との間の距離が、ブランクの長軸方向寸法の約２０パーセント未満である場合、上述の望ましくない効果が最小化され、かつブランクの積み重ねがとりわけ安定することを見いだした。これは、ブランクの局所化された湾曲が概して、ブランクの重力中心の近くの位置で、および各ブランクの対称の中心をおおまかに画定する位置で発生するためであると理解される。これは、保管および輸送の段階から実際の製造作業まで、製造プロセス全体を著しく容易にし、より信頼性の高いものにする。

一部の実施形態において、厚さ補正手段は、取り付け領域の周り、すなわち認識可能な厚さの要素の周りに延びる容器の第一の壁の内表面の少なくとも領域に施された被覆層を含む。一つのこうした被覆層は、ワニスまたは紫外線（ＵＶ）被覆成分を含みうる。一つのこうした成分は、例えばポリエチレン、炭酸カルシウムおよびカオリナイトなど、紙や厚紙を被覆するための、当業者に周知の幾つかの化合物のうち一つ以上を含みうる。これらの化合物は、紙や厚紙への接着を助けるために、精製されて、増粘剤と混合されてもよい。ＵＶ被覆は、紙や厚紙を光沢または無光沢仕上げにすることができる。

一部の実施形態において、被覆層は、取り付け領域の周りに延びる容器の第一の壁の内表面の有限部分にのみ延びうる。別の方法として、被覆層は、取り付け領域の周りに延びる容器の第一の壁の内表面全体に実質的に延びてもよい。

その他の実施形態において、被覆層は容器の第一の壁の周囲を越えて延びてもよく、また容器の内表面を（組み立てられた容器内で）画定するブランクの表面全体に延びてもよい。これは有利なことに、被覆層が、例えばデボス加工や切除プロセスの前にブランク表面全体に実質的に均一に施されうるという点で、製造プロセスを簡略化する。

被覆層の厚さは、要素厚さの少なくとも約７０パーセントの厚さであることが好ましい。従って、被覆層によって厚さの増加分の一部分のみが補正されるが、それでもなお、こうした度合いの補正が、ブランクの安定した積み重ねの形成を容易にするのに十分であることが見いだされている。被覆層の厚さは、要素厚さの少なくとも約８０パーセントの厚さであることがより好ましい。被覆層の厚さは、要素厚さの少なくとも約９０パーセントの厚さであることがなおさらに好ましい。

特定の好ましい実施形態において、被覆層の厚さは、要素厚さと実質的に等しい。これは、局所的に増大した厚さ全体を実質的に相殺するという点で有利である。

被覆層は取り外し可能であることが好ましい。これは、とりわけ複数のブランクが互いに積み重ねられる必要がある時（すなわち保管中および輸送中）に、認識可能な厚さを有する追加的要素を含むブランクの平らでない表面を補正する必要性が感じられる点で有利である。こうした段階中に、さらなる層は有利なことに、ブランクの保管中および輸送中に、層状基体の表面を保護しうる。ところが、追加的要素を含むブランクを包装機械に供給する時は代わりに、取り付け領域外での層状ブランクの本来の厚さを回復することが好ましい場合がある。これは、例えば包装機械で規定されている製造要件に関連する理由のため、および組み立てられた容器が特定の視覚的影響を有することを確実にするため、または組み立てられた容器の全体的な重量を減少させるためでありうる。

被覆層の代わりに、厚さ補正手段は、取り付け領域以外の位置で容器の内表面に配置された三次元パッチ部材を含みうる。

三次元パッチは、ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、かつ要素と三次元パッチの間の距離はブランクの長軸方向寸法の少なくとも約３５パーセントであることが好ましい。従って、折り畳まれていないブランクの重力中心が、ブランクの長軸方向軸に実質的に沿って、要素とパッチ部材の間の位置に配置されるように、特定の度合いの対称性を有する配置が有利に達成される。要素と三次元パッチの間の距離は、ブランクの長軸方向寸法の少なくとも約４０パーセントであることがより好ましく、ブランクの長軸方向寸法の少なくとも約４５パーセントであることがなおさらに好ましい。

パッチ部材は、第一の壁以外の容器の壁の内表面に配置されることが好ましい。パッチ部材は、第一の壁と反対側の容器の壁の内表面に配置されることがなおさらに好ましい。例えば、要素が後部壁に取り付けられる場合、パッチ部材は前部壁に取り付けられる。

一つのこうしたパッチ部材を（組み立てられた容器内で）壁の内表面を画定するブランクの同一表面上に提供することによって、ブランクまたは容器の厚さの不均一性の少なくとも部分的な低減が達成される。例えば、要素が容器の後部壁の内表面に取り付けられる場合、補正用パッチ部材も、容器の前部壁の内表面に取り付けられている。

パッチ部材の幅は、ブランクの横断寸法よりも小さいことが好ましい。加えて、または別の方法として、パッチの高さは、パッチ部材が配置されるブランクパネルの長軸方向寸法よりも小さいことが好ましい。好ましい実施形態において、パッチ部材は、認識可能な厚さの要素の形状およびサイズに匹敵する形状およびサイズを有する。

パッチ部材の厚さは、要素厚さの少なくとも約７０パーセントの厚さであることが好ましい。従って、パッチ部材は厚さの増加分を部分的にのみ補正する。ところが、こうした程度の補正はブランクの安定した積み重ねの形成を容易にするのに十分であることが見いだされている。パッチ部材の厚さは、要素厚さの少なくとも約８０パーセントの厚さであることがより好ましい。パッチ部材の厚さは、要素厚さの少なくとも約９０パーセントの厚さであることがなおさらに好ましい。一部の特定の好ましい実施形態において、パッチ部材の厚さは、要素厚さと実質的に等しい。これは、要素およびパッチ部材の組み合わせが、隆起した表面を画定し、その上に別のブランクが平坦な状態に近似した状態で位置することができるという点で有利である。

要素が容器の第一の壁に取り付けられる場合、パッチ部材は容器の別の壁の内表面に配置されることが好ましく、第一の壁の反対側の壁に配置されることがより好ましい。例えば、要素が容器の後部壁の内表面に取り付けられる場合、パッチ部材は容器の前部壁の内表面に取り付けられる。従って、特定の度合いの対称性を有する配置が有利に達成され、ここでブランクの重力中心は、ブランクの長軸方向軸に実質的に沿って、要素とパッチ部材の間の位置に配置される。従って、複数のブランクは依然として、非常に容易に相互に積み重ねられることができ、保管、輸送、および包装機械へのブランクの供給で有利である。

パッチ部材は取り外し可能であることが好ましい。例えば、パッチ層は取り外し可能なステッカーとして提供されてもよい。本明細書で使用される「取り外し可能」という用語は、二つの基体が、どちらの基体にも一切の損傷をもたらすことなく、相互に分離されることができるように、二つの基体の間、例えばパッチ部材と容器が形成されるブランクの表面との間の接続を形成する能力のある一般的に低粘着性の接着剤によって表面に貼り付けられたステッカーを説明する。

好ましい実施形態において、容器は、容器の前部壁の内表面に対して位置する少なくとも前部壁を含む補強部材をさらに含む。こうした実施形態において、要素は容器の取り付け領域内に、補強部材の前部壁の底部端からのある距離に配置されることが好ましい。

要素の上方端および補強部材の底部端からの距離は、少なくとも約１ミリメートルであることがより好ましく、少なくとも約５ミリメートルであることがなおさらに好ましい。

本発明による容器は、消費財用の容器を形成するためのブランクを折り畳むことによって形成されてもよく、ブランクは、基体厚さを有する層状基体と、基体厚さと実質的に同程度の厚さを有する三次元要素とを含み、要素は層状基体に取り付けられている。要素は、層状基体の第一の表面の取り付け領域に提供された接着剤によって基体に取り付けられている。加えて、ブランクは、取り付け領域以外の層状基体の第一の表面の領域にある厚さ補正手段を含み、厚さ補正手段の全体は、取り付け領域以外の第一の表面の領域上に延びる。

容器がブランクから組み立てられる時、要素が取り付けられるブランクの第一の表面は容器の内側に面する。言い換えれば、認識可能な厚さの追加的要素は、追加的要素が組み立てられた容器において、容器の前記壁の内表面に取り付けられるように、容器の壁を形成するためのブランクパネルの側面に取り付けられている。

要素は、層状ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、また要素と層状ブランクの長軸方向軸の中点との間の距離は、ブランクの長軸方向寸法の約２０パーセント未満であることが好ましい。要素は、層状ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、また要素と層状ブランクの長軸方向軸の中点との間の距離は、ブランクの長軸方向寸法の約１５パーセント未満であることがより好ましく、ブランクの長軸方向寸法の約１０パーセント未満であることがなおさらに好ましい。

例えば、一実施形態において、層状ブランクの長軸方向寸法は約２００ミリメートルであり、長軸方向軸の中点は層状ブランクのどちらの端からも約１００ミリメートルのところにあり、また認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から約４０ミリメートル以下の距離に位置する。認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から約３０ミリメートル以下の距離に位置することがより好ましい。認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から２０ミリメートル以下の距離に位置することがなおさらに好ましい。

別の実施形態において、層状基体の長軸方向寸法は約２５０ミリメートルであり、長軸方向軸の中点は、層状ブランクのどちらの端からも約１２５ミリメートルのところにあり、また認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から約５０ミリメートル以下の距離に位置する。認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から約３７．５ミリメートル以下の距離に位置することがより好ましい。認識可能な厚さの要素は長軸方向軸上に、中点から２５ミリメートル以下の距離に位置することがなおさらに好ましい。

一部の実施形態において、厚さ補正手段は、取り付け領域の周りに延びる層状基体の第一の表面の少なくとも領域上に施された被覆層を含む。別の方法として、厚さ補正手段は、層状基体の第一の表面上に、取り付け領域以外の位置に配置された三次元パッチ部材を備えてもよい。

容器内の消費財は、まとめて束ねられて、金属箔または金属化紙のパッケージ内に包まれることが好ましい。パッケージ材料は、金属化ポリエチレンフィルムおよびライナー材料のラミネートとして形成されうる。パッケージ材料は、スーパー仕上げグラシンペーパーでもよい。さらに、パッケージ材料には、印刷受容性のトップコートを提供してもよい。

一つのこうしたパッケージは、ボックスと、ヒンジリッド容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿ってボックスにヒンジ付けされたリッドとを備える、ヒンジリッド容器内に受けられてもよい。ヒンジリッド容器は、厚紙、板紙、プラスチック、金属、またはその組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な材料または材料の組み合わせの層状ブランクから形成されてもよい。ブランクは、約１００グラム／平方メートル～約３５０グラム／平方メートルの重さを有する層状の厚紙ブランクであることが好ましい。

ヒンジリッド容器は随意に外側ラッパーを含んでもよく、これは例えば高密度または低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、またはその組み合わせなどの透明高分子フィルムであることが好ましく、また外側ラッパーは従来的な方法で施される。外側ラッパーは開封テープを含んでもよい。さらに、外側ラッパーには画像、消費者情報、またはその他のデータを印刷してもよい。

パッケージおよび外側のヒンジリッド容器は、幅の狭い二つの壁によって間隙を介した、幅の広い二つの壁を備える直方体であることが好ましい。

本発明による容器は、細長い喫煙物品（例えば、紙巻たばこ、葉巻たばこ、またはシガリロなど）用の容器としての特定の用途がある。当然のことながら、その寸法を適切に選択することによって、本発明による容器は、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリムまたはスーパースリムの紙巻たばこ用に設計されてもよい。別の方法として、その他の消費財を容器内に収容してもよい。

寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、異なる合計数の喫煙物品、または異なる配置の喫煙物品を保持するように設計されてもよい。例えば、寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計１０～３０の喫煙物品を保持するように設計されてもよい。喫煙物品は、喫煙物品の合計数に応じて、異なる並べ方で配置されてもよい。

ここで、例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながらさらに本発明を説明する。

図１は、本発明による容器を形成するためのブランクの概略上面図である。 図２は、図１のブランクの細部の概略側面断面図である。 図３は、本発明による容器を形成するためのブランクの変形体の上面図である。

本発明による容器は、図１に示す層状ブランク１００から形成されうる。より詳細には、図１の層状ブランク１００は、フィルター付き紙巻たばこなどの喫煙物品を収容するために一般に使用されているタイプの平行六面体のヒンジリッド容器を形成するためのものである。層状ブランク１００は、標準的な装置を使用して組み立てられて、充填されてもよい。図２は、図１のブランク１００の細部の断面図を示す。

ブランク１００は、約３２０マイクロメートルの厚さＴ１を有する層状基体１０２を含む。層状基体１０２は、長軸方向軸２００、長軸方向寸法２０２および横断寸法２０４を有する。さらに、ブランク１００は、約２００マイクロメートルの厚さＴ２を有する平行六面体の形状の要素１０４を含む。図２に示す通り、要素１０４は、層状基体１０２の第一の表面１０８の取り付け領域１０６上に提供された接着剤によって、層状基体１０２に取り付けられている。容器が層状ブランク１００から形成される時、第一の表面１０８は容器の内側に面する。

図１に図示した通り、要素１０４は、層状基体１０２の長軸方向軸２００に沿った位置にあり、かつ要素１０４と層状基体の長軸方向軸２００の中点２０６との間の距離は、層状基体１０２の長軸方向寸法２０２の約１５パーセント未満である。より詳細には、要素１０４は無線周波数要素を含み、長軸方向軸２００に対して対称の形状である。層状基体の長軸方向寸法２０２は約２５０ミリメートルである。長軸方向軸の中点２０６は、層状基体のどちらの端からも約１２５ミリメートルのところにある。要素１０４と中点２０６の間の距離は、約１２ミリメートルである（合計約２５ミリメートルに達する層状基体の長軸方向寸法の１０パーセント）。

図２に示す通り、ブランク１００は、取り付け領域１０８の周りに延びる層状基体１０２の第一の表面１０８の領域にあるワニスを含むさらなる層１１２を含む。図２に図示した実施形態において、さらなる層１１２の厚さＴ３は、要素厚さＴ２と実質的に同じ大きさである。従って、さらなる層は有利なことに、要素厚さの全体について補正する。さらなる層１１２は、容器を形成するための包装機械にブランク１００を供給する直前に、層状基体１０２から取り外される。

図３は、本発明による消費者物品用の容器を形成するためのブランク３００の変形体を示す。ブランク３００は層状基体３０２および認識可能な厚さ３０４の平行六面体の要素を備え、要素３０４はブランク３００の第一の表面の取り付け領域に取り付けられ、その中に受けられる。

ブランク３００は、取り付け領域の周りに延びるさらなる層の代わりに、取り付け領域以外の位置で層状基体の第一の表面上に配置された三次元パッチ部材３１２の形態の厚さ補正部材を含むという点で、図１および図２のブランク１００とは異なる。

Claims (12)

1. 消費財用の容器を形成する方法であって、前記方法が、ブランクを折り畳んで前記容器を形成することを備え、前記ブランクは、基体厚さを有する層状基体と５０マイクロメートル～５００マイクロメートルの厚さを有する三次元要素を含み、前記層状基体の第一の表面の取り付け領域に提供された接着剤によって前記三次元要素が前記層状基体に取り付けられ、
   前記ブランクが取り外し可能な厚さ補正手段を備え、その全体が前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域に提供されて、前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域内において、前記ブランクの全体の厚さが前記基体厚さと厚さ補正手段の厚さの合計であるようにし、
   前記方法が更に、
   前記ブランクを折り畳んで前記容器を形成する前に前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域内の前記ブランクの全体の厚さを前記基体厚さに戻すように前記厚さ補正手段を取り外すことを備える、方法。
2. 前記要素が、前記ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、前記要素と前記ブランクの前記長軸方向軸の中点との間の距離が、前記ブランクの長軸方向寸法の２０パーセント未満である、請求項１に記載の方法。
3. 前記厚さ補正手段が、前記取り付け領域の周りに延びる前記層状基体の第一の表面の少なくとも領域に施された被覆層を含む、請求項１または２に記載の方法。
4. 前記厚さ補正手段が、前記取り付け領域以外の位置で前記層状基体の第一の表面に配置された三次元パッチ部材を含む、請求項１または２に記載の方法。
5. 前記厚さ補正手段が前記要素厚さの少なくとも７０パーセントの厚さを有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記厚さ補正手段が前記要素厚さと等しい厚さを有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記三次元パッチが前記ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、かつ前記要素と前記三次元パッチの間の距離が前記ブランクの長軸方向寸法の少なくとも３５パーセントである、請求項４～６のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記消費財が喫煙物品である、請求項１～７のいずれか一項に記載の方法。
9. 消費財用の容器を形成するためのブランクであって、前記ブランクが、基体厚さを有する層状基体と、５０マイクロメートル～５００マイクロメートルの厚さを有する三次元要素とを備え、前記要素が前記層状基体に取り付けられていて、
   前記要素が、前記層状基体の第一の表面の取り付け領域に提供された接着剤によってブランクに取り付けられ、
   前記ブランクが、前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域にある厚さ補正手段を備え、前記厚さ補正手段の全体が、前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域上に延び、前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域において、前記ブランクの全体の厚さが前記基体厚さと厚さ補正手段の厚さの合計であるようにし、
   前記厚さ補正手段が、前記ブランクを折り畳んで前記容器を形成する前に前記取り付け領域以外の前記層状基体の第一の表面の領域内の前記ブランクの全体の厚さを前記基体厚さに戻すように取り外し可能である、ブランク。
10. 前記要素が、層状ブランクの長軸方向軸に沿った位置にあり、前記要素と、前記層状ブランクの前記長軸方向軸の中点との間の距離が、前記ブランクの長軸方向寸法の２０パーセント未満である、請求項９に記載のブランク。
11. 前記厚さ補正手段が、前記取り付け領域の周りに延びる前記層状基体の前記第一の表面の少なくとも領域に施された被覆層を含む、請求項９または１０に記載のブランク。
12. 前記厚さ補正手段が、前記取り付け領域以外の位置の前記層状基体の前記第一の表面上に配置された三次元パッチ部材を含む、請求項９または１０に記載のブランク。

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