JP7213701B2 - 加工装置、加工方法、加工プログラム、及び検査装置 - Google Patents

加工装置、加工方法、加工プログラム、及び検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、分類器の機械学習に用いる学習用データを加工する加工装置、加工方法、及び加工プログラムに関する。また、物品の検査を行う検査装置に関する。
画像に被写体として含まれる物品の状態を分類する分類器の機械学習に用いられる学習用データは、画像と、その画像に被写体として含まれる物品の状態を人が分類した結果を示すタグと、により構成される。このような学習用データからなる学習用データセットを用いて機械学習を行った分類器は、画像に被写体として含まれる物品の状態を、人と同様に分類することができる。
特許文献1には、画像に被写体として含まれる物品の欠陥を分類する分類方法が開示されている。特許文献1に記載の分類方法では、画像の特徴量に基づいて、その画像に被写体として含まれる物品の欠陥を分類している。この分類には、画像の特徴量に基づく欠陥の分類結果(ユーザカテゴリ)と、人による欠陥の分類結果(サブカテゴリ)との間の、予め求められた対応関係が利用される。
特開2001-134763号公報(2001年5月18日公開)
上述したように、学習用データに含まれるタグは、物品の状態を人が分類した結果を示す。このため、学習用データに含まれるタグは、物品の状態を分類する人の特性や体調などにより、揺らぐことがある。学習用データに含まれるタグにこのような揺らぎがあると、分類器の分類精度を向上させる妨げになることがある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、学習用データに含まれるタグの揺らぎを取り除くことができる、学習用データの加工装置、加工方法、及び加工プログラムを実現することにある。また、そのような加工装置を備えた検査装置を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加工装置は、物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データを加工する加工装置において、上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、該画像の少なくとも1つの特徴量に基づいて判定する判定部と、上記学習用データに含まれるタグを、上記判定部にて判定された状態を示すタグに置き換える加工部と、を備えている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加工方法は、物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データを加工する加工方法において、上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、該画像の少なくとも1つの特徴量に基づいて判定する判定ステップと、上記学習用データに含まれるタグを、上記判定ステップにて判定された状態を示すタグに置き換える加工ステップと、を含んでいる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る加工プログラムは、コンピュータを請求項1から3の何れか1項に記載の加工装置として動作させる加工プログラムであって、上記コンピュータを上記加工装置の各部として機能させる。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る検査装置は、物品の検査を行う検査装置であって、上記物品を被写体として含む画像を参照して該物品の状態を分類する分類処理を、機械学習により定められるアルゴリズムに従い実行する分類器と、請求項1から3の何れか1項に記載の加工装置と、上記加工装置にて加工された学習用データを用いて上記分類器に機械学習を行わせる学習制御部と、を備えている。
これらの構成によれば、学習用データに含まれるタグの揺らぎを取り除くことができる。
本発明の一態様に係る加工装置において、上記学習用データを含む学習用データセットを参照して、上記特徴量からなる特徴量ベクトルを要素とする特徴量空間を、それぞれが物品の状態に対応する少なくとも2つの部分空間に分割する分割部を更に備え、上記判定部は、上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、上記部分空間のうち、該画像の上記特徴量からなる特徴量ベクトルが含まれる部分空間に対応する物品の状態であると判定する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、より簡単な処理で学習用データに含まれるタグの揺らぎを取り除くことができる。
本発明の一態様に係る加工装置において、上記分割部は、上記学習用データセットに含まれる各学習用データについて、該学習用データに含まれるタグが示す物品の状態と、上記部分空間のうち、該学習用データに含まれる画像の上記特徴量からなる特徴量ベクトルが属する部分空間に対応する物品の状態とが一致することを正解として、上記判定部は、上記特徴量空間を上記部分空間に分割する超平面を、正解率を最大化するように決定する、ことが好ましい。
上記の構成によれば、より簡単な処理でより確実に学習用データに含まれるタグの揺らぎを取り除くことができる。
本発明の一態様によれば、学習用データに含まれるタグの揺らぎを取り除くことができる、学習用データの加工装置、加工方法、及び加工プログラムを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、そのような加工装置を備えた検査装置を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る加工装置の物理的構成を示すブロック図である。 図1に示す加工装置の機能的構成を示すブロック図である。 図1に示す加工装置が実行する加工方法の流れを示すフローチャートである。 図3に示す分割ステップにおける分割処理の一例を示す模式図である。 図3に示す判定ステップにおける判定処理及び加工ステップにおける加工処理の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る検査装置の機能的構成を示すブロック図である。 図6に示す検査装置の実施例における、学習用データセットに属する各学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルの分布を示すグラフである。 図6に示す検査装置の実施例における、分割部が特徴量空間を分割した結果を示すグラフである。
〔第1の実施形態〕
(加工装置の物理的構成)
本発明の第1の実施形態に係る加工装置1の物理的構成について、図1を参照して説明する。図1は、加工装置1の物理的構成を示すブロック図である。
加工装置1は、図1に示すように、バス10と、主メモリ11と、プロセッサ12と、補助メモリ13と、入出力インターフェース14と、を備えたコンピュータである。主メモリ11、プロセッサ12、補助メモリ13、及び入出力インターフェース14は、バス10を介して互いに接続されている。主メモリ11としては、例えば、単一又は複数の半導体RAM(random access memory)が用いられる。プロセッサ12としては、例えば、単一又は複数のマイクロプロセッサ、単一又は複数のデジタルシグナルプロセッサ、単一又は複数のマイクロコントローラ、又はこれらの組み合わせが用いられる。補助メモリ13としては、例えば、単一又は複数のHDD(Hard Disk Drive)、単一又は複数のSSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせが用いられる。また、補助メモリ13の一部又は全部は、通信インタフェース(図示せず)を介して接続されたネットワーク上のストレージであってもよい。入出力インターフェース14としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、赤外線やBluetooth(登録商標)等の近距離通信インターフェース、又はこれらの組み合わせが用いられる。
入出力インターフェース14には、例えば、入力装置20及び出力装置30が接続される。入力装置20としては、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、又はこれらの組み合わせ等が用いられる。出力装置30としては、例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ、又はこれらの組み合わせが用いられる。なお、加工装置1は、ノート型コンピュータのように、入力装置20として機能するキーボート及びタッチパッド、並びに、出力装置30として機能するディスプレイを内蔵していてもよい。また、加工装置1は、スマートフォン又はタブレット型コンピュータのように、入力装置20及び出力装置30として機能するタッチパネルを内蔵していてもよい。
補助メモリ13には、後述する加工方法S1をプロセッサ12に実行させるためのプログラムPが格納されている。プロセッサ12は、補助メモリ13に格納されたプログラムPを主メモリ11上に展開し、主メモリ11上に展開されたプログラムPに含まれる各命令を実行することによって、後述する加工方法S1に含まれる各ステップを実行する。また、補助メモリ13には、後述する加工方法S1を実行するためにプロセッサ12が参照する各種データが格納されている。
なお、ここでは、内部記憶媒体である補助メモリ13に格納されているプログラムPに従ってプロセッサ12が後述する加工方法S1を実行する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、外部記録媒体に格納されているプログラムPに従ってプロセッサ12が後述する加工方法S1を実行する形態を採用してもよい。この場合、外部記録媒体としては、コンピュータが読み取り可能な「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブル論理回路などを用いることができる。あるいは、通信インタフェース(図示せず)を介して接続されるネットワーク上から取得したプログラムPに従ってプロセッサ12が後述する加工方法S1を実施する形態を採用してもよい。この場合、ネットワークとしては、例えば、インターネット、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、又はこれらの少なくとも一部の組み合わせ等などを用いることができる。
また、ここでは、単一のコンピュータを用いて加工装置1を実現する形態について説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに通信可能に構成された複数のコンピュータを用いて加工装置1を実現する形態を採用してもよい。この場合、後述する加工方法S1を構成する各ステップを、これらのコンピュータにより並列的に実行することが可能になる。
(加工装置の機能的構成)
加工装置1の機能的構成について、図2を参照して説明する。図2は、加工装置1の機能的構成を示すブロック図である。
加工装置1は、図2に示すように、分割部101と、判定部102と、加工部103と、を備えている。これらのブロックは、上述したプロセッサ12が上述したプログラムPの命令を実行することにより実現される機能ブロックである。
加工装置1は、物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データを加工する加工方法S1を、学習用データセットを参照して実施する装置である。ここで、学習用データセットは、物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データの集合である。
分割部101は、学習用データセットを参照して、画像の特徴量x1,x2,…,xnにより構成される特徴量空間Xを、画像に被写体として含まれる物品の状態に対応する部分空間S1,S2,…Smに分割するブロックである。ここで、nは、特徴量の個数を表す2以上の自然数であり、mは、物品の個数を表す2以上の自然数である。特徴量空間Xは、特徴量ベクトル(x1,x2,…,xn)を要素とするn次元ベクトル空間である。
本実施形態において、分割部101は、n次元の特徴量空間Xをnー1次元の超平面によって部分空間S1,S2,…Smに分割する。部分空間S1,S2,…Smの境界となる超平面は、例えば、学習用データセットに含まれる各学習用データについて、その学習用データに含まれるタグが示す状態が状態iであるとき、その学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルが状態iに対応する部分空間Siに含まれることを正解として、正解率が最も高くなるように定められる。
判定部102は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれる画像の特徴量x1,x2,…,xnを参照して、その画像に被写体として含まれる物品の状態を判定するブロックである。
本実施形態において、判定部102は、学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、以下のように判定する。まず、判定部102は、その学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトル(x1,x2,…,xn)を算出する。次に、判定部102は、その特徴量ベクトル(x1,x2,…,xn)が部分空間S1,S2,…Smの何れに属するかを特定する。そして、判定部102は、その特徴量ベクトル(x1,x2,…,xn)が属する部分空間Siに対応する状態iを、その画像に被写体として含まれる物品の状態であると判定する。
加工部103は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれるタグを、判定部102にて判定された状態を示すタグに置き換えるブロックである。学習用データセットに属する各学習用データは、加工部103にて加工された後、画像を入力とし、その画像に被写体として含まれる物品の状態を出力とする分類器の機械学習に用いられる。
(加工方法の流れ)
加工装置1が実行する加工方法S1の流れについて、図3~図7を参照して説明する。
図3は、加工方法S1の流れを示すフローチャートである。加工方法S1は、図3に示すように、分割ステップS101と、判定ステップS102と、加工ステップS103と、を含んでいる。
分割ステップS101は、画像の特徴量x1,x2,…,xnにより構成される特徴量空間Xを、画像に被写体として含まれる物品の状態に対応する部分空間S1,S2,…Smに分割する分割処理を、学習用データセットを参照して分割部101が実行するステップである。
図4は、特徴量の個数nが2であり、状態の個数mが2である場合について、分割ステップS101における分割処理の一例を示す模式図である。この場合、特徴量空間Xは、平面(2次元ベクトル空間)であり、部分空間S1,S2の境界は、直線(1次元超平面)Lとなる。図4において、白丸は、状態1を示すタグと共に学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルを示し、黒丸は、状態2を示すタグと共に学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルを示す。分割部101は、学習用データに含まれるタグが示す状態が状態iであるとき、その学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルが状態iに対応する部分空間Siに含まれることを正解として、正解率が最も高くなるように直線Lを定める。分割部101は、上述した正解率が最も高くなるように、特徴量空間Xを2つの部分空間S1,S2に分割する直線Lを定める。この直線Lが等式a0+a1x1+a2x2=0により表される場合、一方の部分空間S1は、不等式a0+a1x1+a2x2>0により表され、他方の部分空間S2は、不等式a0+a1x1+a2x2<0により表される。
図4に示すように、状態1を示すタグと共に学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトル(白丸)の大部分は、状態1に対応する部分空間S1に含まる。また、状態2を示すタグと共に学習用データに含まれる特徴量ベクトル(黒丸)の大部分は、状態2に対応する部分空間S2に含まれる。これらの学習用データは、その学習用データを作成する際に行われる人による分類作業が正しく行われた学習用データであると考えられる。一方、状態1を示すタグと共に学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトル(白丸)のうち、直線Lの近傍にある特徴量ベクトルの一部は、状態2に対応する部分空間S2に含まる。また、状態2を示すタグと共に学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトル(黒丸)のうち、直線Lの近傍にある特徴量ベクトルの一部は、状態1に対応する部分空間S1に含まれる。これらの学習用データは、その学習用データを作成する際に行われる人による分類作業が正しく行われなかった学習用データであると考えられる。
判定ステップS102は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を判定する判定処理を、その画像の特徴量x1,x2,…,xnを参照して判定部102が実行するステップである。
加工ステップS103は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれるタグを、判定部102にて判定された状態を示すタグに置き換える加工処理を、加工部103が実行するステップである。
図5は、特徴量の個数nが2であり、状態の個数mが2である場合について、判定ステップS102における判定処理及び加工ステップS103における加工処理の一例を示す模式図である。図5に示す例では、タグTaと共に学習用データDaに含まれる画像Iaの特徴量ベクトルXaが特徴量空間Xにおいて部分空間S1に属している。このため、判定ステップS102において、画像Iaに被写体として含まれる物品の状態が状態1であると判定され、加工ステップS103において、タグTaが状態1を示すタグT1に設定される。同様に、タグTbと共に学習用データDbに含まれる画像Ibの特徴量ベクトルXbが特徴量空間Xにおいて部分空間S2に属している。このため、判定ステップS102において、画像Ibに被写体として含まれる物品の状態が状態2であると判定され、加工ステップS103において、タグTbが状態2を示すタグT2に設定される。
〔第2の実施形態〕
本実施形態では、第1の実施形態に係る加工装置1を用いて、物品の検査を行う検査装置2を構成する実施形態について説明する。
(検査装置の構成)
検査装置2の機能的構成について、図6を参照して説明する。図6は、検査装置2の機能的構成を示すブロック図である。なお、検査装置2の物理的構成については、図1を参照して説明した加工装置1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
検査装置2は、図6に示すように、加工装置1を含む。すなわち、検査装置2は、上述した分割部101と、判定部102と、加工部103と、を備えている。また、検査装置2は、さらに、分類器201と、学習制御部202とを備えている。
分割部101は、与えられた学習用データセットを参照して、画像の特徴量x1,x2,…,xnにより構成される特徴量空間Xを、画像に被写体として含まれる物品の状態に対応する部分空間S1,S2,…Smに分割するブロックである。判定部102は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれる画像の特徴量x1,x2,…,xnを参照して、その画像に被写体として含まれる物品の状態を判定するブロックである。加工部103は、学習用データセットに属する各学習用データについて、その学習用データに含まれるタグを、判定部102にて判定された状態を示すタグに置き換えるブロックである。
分類器201は、物品を被写体として含む画像を参照して該物品の状態を分類する分類処理を、学習済みモデル(機械学習により定められるアルゴリズム)を用いて実行するブロックである。学習済みモデルとしては、例えば、CNN(Convolutional neural network)などのニューラルネットワークが用いられる。学習制御部202は、加工部103にて加工された学習用データを用いて分類器201に機械学習を行わせるブロックである。
(実施例)
画像に被写体として含まれる物品の欠陥を、2種類の異常(以下、異常A及び異常Bと記載)に分類する実施例について説明する。
本実施例においては、学習用データセットとして、欠陥を有する物品を被写体として含む画像と、その欠陥を人が分類した結果を示すタグとを含む、4000個の学習用データの集合を用いた。また、本実施例においては、特徴量として、欠陥の色の濃さを表す特徴量Xと、欠陥の色の濃さを周囲の色の濃さで除算した商(欠陥の色濃さ/周囲の色の濃さ)を表す特徴量Yと、を用いた。
図7は、学習用データセットに属する各学習用データに含まれる画像の特徴量ベクトルの分布を示すグラフである。同グラフにおいて、灰色の点は、異常Aを示すタグと共に学習用データに含まれる画像(すなわち、人が異常Aに分類した欠陥を含む被写体として含む画像)の特徴量ベクトルを表し、黒色の点は、異常Bを示すタグと共に学習用データに含まれる画像(すなわち、人が異常Bに分類した欠陥を被写体として含む画像)を表す。
図8は、分割部101が特徴量空間Xを分割した結果を示すグラフである。同グラフにおいて、直線Y=0.19513X+90.797は、分割部101が定めた異常Aに対応する領域SAと異常Bに対応する領域SBとの境界を表す。この直線Y=0.19513X+90.797の決定には、LDA(Linear Discriminant Analysis)と呼ばれる機械学習法を用いた。
図8によれば、人が異常Aに分類した欠陥を被写体として含む画像の一部が、異常Bに対応する領域SBに含まれており、人が異常Bに分類した欠陥を被写体として含む画像の一部が、異常Aに対応する領域SAに含まれていることが分かる。これらの画像は、学習用データを作成する際に行われる人による分類作業が正しく行われなかった画像であると考えられる。加工部103は、これらの画像と共に学習用データに含まれているタグを、判定部102の判定結果に応じて置き換える。すなわち、領域SAに含まれる画像と共に学習用データに含まれているタグを、異常Aを表すタグに置き換え、領域SBに含まれる画像と共に学習用データに含まれているタグを、異常Bを表すタグに置き換える。
加工部103により加工される前の学習用データを用いて機械学習を行った分類器201の分類精度と、加工部103により加工された後の学習用データを用いて機械学習を行った分類器201の分類精度とを比較した。この比較には、学習用データセットとは独立なテスト用データセットを用いた。ここで、分類精度とは、人による判定結果を正解とする、分類器201による分類結果の正解率のことを指す。その結果、加工部103により加工される前の学習用データを用いて機械学習を行った分類器201の分類精度は、97.3%であった。一方、加工部103により加工された後の学習用データを用いて機械学習を行った分類器201の分類精度は、98.2%であった。すなわち、学習用データの加工により、分類器201の分類精度が0.9%向上することが確かめられた。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 加工装置
2 検査装置
10 バス
11 主メモリ
12 プロセッサ
13 補助メモリ
14 入出力インターフェース
20 入力装置
30 出力装置
101 分割部
102 判定部
103 加工部
201 分類器
202 学習制御部

Claims (6)

  1. 物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データを加工する加工装置において、
    上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、該画像の少なくとも1つの特徴量に基づいて判定する判定部と、
    上記学習用データに含まれるタグを、上記判定部にて判定された状態を示すタグに置き換える加工部と、
    を備え
    上記画像には、欠陥を有する前記物品が被写体として含まれ、
    前記判定部が参照する前記少なくとも1つの特徴量には、前記欠陥の色の濃さを表す特徴量と、前記欠陥の色の濃さを周囲の色の濃さで除算した商を表す特徴量と、が含まれる、
    ことを特徴とする加工装置。
  2. 上記学習用データを含む学習用データセットを参照して、上記特徴量からなる特徴量ベクトルを要素とする特徴量空間を、それぞれが物品の状態に対応する少なくとも2つの部分空間に分割する分割部を更に備え、
    上記判定部は、上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、上記部分空間のうち、該画像の上記特徴量からなる特徴量ベクトルが含まれる部分空間に対応する物品の状態であると判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
  3. 上記分割部は、上記学習用データセットに含まれる各学習用データについて、該学習用データに含まれるタグが示す物品の状態と、上記部分空間のうち、該学習用データに含まれる画像の上記特徴量からなる特徴量ベクトルが属する部分空間に対応する物品の状態とが一致することを正解として、上記判定部は、上記特徴量空間を上記部分空間に分割する超平面を、正解率を最大化するように決定する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の加工装置。
  4. 物品を被写体として含む画像と人が分類した該物品の状態を示すタグとを含む学習用データを加工する加工方法において、
    上記学習用データに含まれる画像に被写体として含まれる物品の状態を、該画像の少なくとも1つの特徴量に基づいて判定する判定ステップと、
    上記学習用データに含まれるタグを、上記判定ステップにて判定された状態を示すタグに置き換える加工ステップと、を含み、
    上記画像には、欠陥を有する前記物品が被写体として含まれ、
    前記判定ステップが参照する前記少なくとも1つの特徴量には、前記欠陥の色の濃さを表す特徴量と、前記欠陥の色の濃さを周囲の色の濃さで除算した商を表す特徴量と、が含まれる、
    ことを特徴とする加工方法。
  5. コンピュータを請求項1から3の何れか1項に記載の加工装置として動作させる加工プログラムであって、上記コンピュータを上記加工装置の各部として機能させることを特徴とする加工プログラム。
  6. 物品の検査を行う検査装置であって、
    上記物品を被写体として含む画像を参照して該物品の状態を分類する分類処理を、機械学習により定められるアルゴリズムに従い実行する分類器と、
    請求項1から3の何れか1項に記載の加工装置と、
    上記加工装置にて加工された学習用データを用いて上記分類器に機械学習を行わせる学習制御部と、を備えている、
    ことを特徴とする検査装置。
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