JP7213134B2 - 杭打機及び杭打機の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、杭打機及び杭打機の使用方法に関し、詳しくは、車体上の足場から作業者の転落を防止する手摺装置を備えた杭打機及び杭打機の使用方法に関する。
従来から、大型の杭打機やクローラクレーンなどの建設機械では、上部旋回体の幅方向中央に設けられたガントリやウインチなどの作業装置と、上部旋回体の両側部に設けられてエンジンや油圧ポンプ、制御機器などの各種機器を収納したハウス(収納室)とを備えている。このため、作業者がハウスの上面に上がって各種機器の保守を行ったり、車体上の後部へ移動したりすることができるように、ハウスの上面は、平坦なデッキ状に形成されている。また、保守作業は、足場となるデッキ部分の位置が所定の高さを超えると高所作業になることから、ハウスの周縁には、転落防止用の手摺りが設置されていることが一般的である。
転落防止用の手摺りは、作業者の安全を確保する上で必要な設備である。一方で、現場移動(輸送)のことを考えれば、高さ寸法や幅寸法などの制約を受けないように、手摺りは取り外し可能な構造であることが望ましい(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この場合、手摺りを着脱する際に、作業者は重量のある手摺りを両手で持って作業する必要があるため、作業負担が大きく、誤って手摺りを落下させてしまうおそれもある。そこで、車体から分離せずに運搬可能なように、手摺りの上下複数箇所に折曲部を設けて、車幅方向内側に倒すことが可能な可倒式の構造とし、手摺りの高さを抑えつつ、折り畳まれた部分がガントリなどの他の部材と干渉することを防止できるクレーンの手摺装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、デッキ部分の作業スペースには、様々な理由から付属物が配置されているため、手摺りを内側に折り畳むことができない場合もある。そこで、手摺りをデッキ部分の上方に向けて立設させる「手摺位置」と、この立設状態を解除する「手摺解除位置」とに変更可能に備え、手摺りの基本部材となる複数の支持柱を、例えば、上下方向に出し入れ自在な出入柱式として構成したり、デッキ部分の周縁に沿わせて倒立自在な倒立柱式として構成したりすることで、デッキ上の限られたスペースであってもコンパクトに設置可能な油圧ショベルの手摺装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
このように、建設機械に備わる手摺りには、足場からの転落防止を図るとともに、不使用時には折り畳むなどして、使い勝手が悪くならないような改良がなされてきた。特に折り畳み式の構造では、手摺り全体がデッキ上にとどまることから、作業の邪魔にならず、さらには起こし動作や倒し動作も短時間で行いたいなどのニーズが高い。そこで、折曲部に簡便なピン式連結構造を採用し、現場移動の前後において、ピンを抜き差しするだけの簡単な操作で起立位置又は倒伏位置に固定でき、デッキ上のスペースを損なうことなく、運搬も安全に行える自走式高所作業車の手摺装置が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2015-21232号公報 特開2017-30971号公報 特開2011-58267号公報(図2,図4)
"Product Review: Aichi SV3246C Scissor Lift"、[online]、平成23年5月27日、Lift and Access、[平成31年3月11日検索]、インターネット<https://www.youtube.com/watch?v=IJQjF8w1lwE>
上述したように、現場に搬入して使用される建設機械の手摺りには、取り扱いが容易な可倒式の構造を採用することが便宜である。しかし、特許文献2に記載された可倒式の手摺装置では、手摺りを内側に折り畳むため、起こし動作において、手摺りの一側部に手を掛けて持ち上げる他なく、一人では作業負担が大きい。しかも、車体後部上においては、二人で行えるだけの作業スペースが確保できないという不都合がある。さらに、膝を曲げてかがむような低い位置にピン孔があると、ピンを抜き差しする動作に不自由をきたすおそれもあり、結果的に作業性の低下につながる。
このようなことから、非特許文献1に代表される可倒式の手摺装置では、取り扱いの容易性に鑑み、ピン孔を手摺りの高い位置に設けている。しかも、手摺りを車体前後方向に倒すように構成することで、倒した手摺りによって足場が浸食されたり車幅が広がったりする不都合がなくなり、実用的なものとなっている。そこで、このような周知の手摺構造を杭打機やクローラクレーンの手摺りに採用することが考えられる。しかしながら、これら大型の建設機械では、上述の転落防止措置を施すために、かえって不安定な足場(高所)に立たされるといった矛盾を含んでおり、このような矛盾を解消する必要性の観点からは、可倒式の手摺装置を単純に採用したのでは、その目的を達成することができない。
そこで本発明は、手摺りを倒したり、起こして元の状態に戻したりする動作に伴う高所作業をなくして、安全かつ容易に取り扱うことが可能な手摺装置を備えた杭打機及び杭打機の使用方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、クローラを備えた下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けられた作業装置と、前記上部旋回体の両側部に設けられたハウスと、該ハウスの天板上面に設けられた手摺装置と備え、前記上部旋回体に前記下部走行体を走行させる操作及び前記作業装置を作動させる操作がなされる運転室が設置された杭打機において、前記手摺装置は、前記天板上面の外縁部に前後方向に互いに離間させて設けた一対の下部支柱部と、該一対の下部支柱部の上端部に支持ピンで下端部が連結された一対の上部支柱部と、該一対の上部支柱部の上端部に支持ピンで水平に架け渡されるように連結された手摺本体とを備え、前側の上部支柱部に対応する上下の支持ピン同士のピン間距離と、後側の上部支柱部に対応する上下の支持ピン同士のピン間距離とが等しい長さに設定され、前記前側の上部支柱部と前記後側の上部支柱部とが相対性を保って前後方向に揺動することにより、前記手摺本体が水平を保ったままで前後方向及び上下方向に移動可能な平行リンクが構成され、前記下部支柱部の上端部には、下側の支持ピンの周方向に延びる円弧長孔状のガイド孔が設けられ、前記上部支柱部の下部に設けたガイドピンが前記ガイド孔に係合して前記下側の支持ピンの軸まわりに円弧移動可能に形成されることにより、前記上部支柱部の揺動角度範囲が設定され、前記一対の上部支柱部が前記揺動角度範囲のうちの下限角度にそれぞれ到達することで、前記手摺本体が法令上の特殊車両に分類される限界高さよりも低くなる倒伏位置と、前記一対の上部支柱部が前記揺動角度範囲のうちの上限角度にそれぞれ到達することで、前記手摺本体が前記限界高さよりも高くなる起立位置とに移動可能に構成され、前記ガイド孔は、前記ガイドピンの進入及び退出を許容する縦長孔部を有し、該縦長孔部に前記ガイドピンが進入して係合することにより、前記上部支柱部を前記上限角度に保持可能に形成されていることを特徴としている。
また、前記揺動角度範囲は、70度~90度の範囲内にあることを特徴としている。さらに、前記ガイド孔は、前記手摺本体を前記起立位置に移動した状態で、前記天板上面と前記手摺本体の上面との間の中間高さ位置に設けられていることを特徴としている。
また、本発明の杭打機の使用方法は、前記杭打機の使用方法であって、作業現場から搬出する前の段階として、前記手摺本体の下面に当接可能な当接部を備えた起こし棒を用意する段階と、地上にいる作業者が前記起こし棒を操作して前記起立位置にある前記手摺本体を押し上げることにより、前記ガイドピンを前記縦長孔部から退出させて前記一対の上部支柱部の保持状態を解除する段階と、前記手摺本体の自重の作用で前記一対の上部支柱部を揺動させて前記手摺本体を前記倒伏位置に移動させる段階とを含み、前記作業現場に搬入した後の段階として、前記起こし棒を用意する段階と、前記地上にいる作業者が前記起こし棒を操作して前記倒伏位置にある前記手摺本体を押し上げることにより、前記一対の上部支柱部を揺動させて前記手摺本体を前記起立位置に移動させる段階と、前記手摺本体の自重の作用で前記ガイドピンを前記縦長孔部に進入させて前記一対の上部支柱部を前記保持状態にする段階とを含むことを特徴としている。
さらに、前記起こし棒は、不使用時に前記ハウス内に収納され、前記起こし棒を用意する段階には、前記作業者が前記クローラ上に上がって、前記ハウス内から前記起こし棒を取り出す段階が含まれ、前記地上にいる作業者に代えて、クローラ上にいる作業者が前記起こし棒を操作することを特徴としている。
本発明によれば、ハウスの天板に設置した手摺装置が、その上部を平行リンクで構成することによって手摺本体を前後方向及び上下方向に移動可能に構成し、さらには平行リンクの固定端側の位置に円弧長孔状のガイド孔を有し、該ガイド孔がガイドピンを介して係合する上部支柱部の揺動上限角度と揺動下限角度とをそれぞれ定めているので、手摺本体を上部支柱部の揺動下限角度に対応する倒伏位置と揺動上限角度に対応する起立位置との間で円滑に移動させることができる。これにより、手摺本体を下方から支持して上下移動させる押し上げ操作が簡単に行えるので、手摺装置を倒したり、起こして元の状態に戻したりする際に、ハウスの天板に上る必要がなくなり、すなわち、転落防止措置を施すために作業者が不安定な足場(高所)に立たされるという矛盾を解消し、手摺装置を安全かつ容易に取り扱うことができる。
とりわけ、手摺装置をハウスの天板の外縁部に、つまり上部旋回体の外側縁部において、前後方向に揺動可能に設置しているので、倒した手摺装置によって足場が浸食されたり車幅が広がったりすることはなく、手摺装置をハウス上の限られたスペースであってもコンパクトに設置できることは勿論、たとえ地上にいる作業者であっても、起こし棒などの治具を用いさえすれば手摺本体の高さに支障なく届き、さらには、手摺装置を起こす際に、押し上げ操作の途中で、起こし棒の支持位置が内側に移動して操作不能に陥るおそれもないので、起こし棒による操作を安定して行うことができる。
また、ガイド孔には、ガイドピンが進入して係合することにより、上部支柱部を上限角度に保持可能な縦長孔部を有して形成されているので、上限角度に到達した上部支柱部についてガイドピンの進入動作を手摺本体の自重を利用して行えるようになる。すなわち、手摺本体の押し上げと上部支柱部の保持とが時系列的に連続する動作関係に立ち、手摺本体を倒伏位置から起立位置へ移行させたり、その逆を行って起立位置から元の倒伏位置に戻したりする動作を迅速に行うことができる。
本発明の一形態例を示す杭打機であって手摺装置を起立位置に保持した状態を示す側面図である。 同じく平面図である。 同じく要部側面図である。 同じく要部拡大側面図である。 図4のV-V断面図である。 同じく手摺装置を起立位置に保持した状態を示す杭打機の側面図である。 同じく要部側面図である。
図1乃至図7は、本発明の杭打機の一形態例を示している。杭打機11は、主な構成要素として、図1及び図2に示すように、クローラ12aを備えた下部走行体12の上部に、旋回ベアリング13を介して上部旋回体14が旋回可能に設けられており、上部旋回体14の前部には、リーダなどの杭打用の作業装置(図示せず)が着脱可能に設けられている。また、上部旋回体14の後端下部には、着脱可能なアウトリガボックス(図示せず)上にカウンタウエイト(図示せず)が載置されている。さらに、上部旋回体14の後部上方には、起伏可能なガントリ(図示せず)が設けられ、上部旋回体14の幅方向中央にはウインチ搭載部15が設けられている。
上部旋回体14のフロアフレーム14a上には、右側部に運転室16や機器収納ハウス17が、左側部にエンジンや油圧ポンプを収納したエンジン収納ハウス18が設けられ、機器収納ハウス17及びエンジン収納ハウス18の側面には、複数の点検扉19や梯子20が設けられている。また、エンジン収納ハウス18の前部にはフロアフレーム14aからエンジン収納ハウス18の天板18aに移動するための階段21が設けられている。これにより、杭打機11の操作者や作業者は、地上からクローラ12aの上面を経由して、例えば、運転室16に搭乗し、操作席から下部走行体12を走行させる操作や作業装置を作動させる操作を行ったり、あるいは、各ハウス17,18の天板17a,18aに上ってエアクリーナや排気管といった付属物22の保守やガントリの組み立てなどの各種作業を行ったりすることが可能になっている。
天板17a,18a上での作業は、高所作業となることから、天板17a,18aの外縁部に前後方向(図1及び図2において左右方向)に並べて設置した複数の手摺装置23により、作業中の転落防止措置がなされている。各手摺装置23は、パイプ材などを組み合わせて形成されることによって安全基準に対応するもので、上下方向の高さ寸法を共通にして前後方向の幅寸法が異なる種類のものが用いられている。ここで、以下では、エンジン収納ハウス18側に設置された手摺装置23の一つについて、その詳細な構造を説明する。
手摺装置23は、図3に示すように、天板18a上面の外縁部にボルト締結されるとともに、前後方向に互いに離間させて設けた一対の下部支柱部24,24と、該一対の下部支柱部24,24の上端部に下支持ピン25で下端部が連結された一対の上部支柱部26,26と、該一対の上部支柱部26,26の上端部に上支持ピン27,27で水平に架け渡されるように連結された手摺本体28とを備え、全体として、手摺本体28の両端の位置が上支持ピン27の位置よりも水平方向に突出させて枠組みがなされており、両下部支柱部24,24間には、中桟に相当するワイヤー29及び幅木に相当する平板30が取り付けられている。
また、下部支柱部24、上部支柱部26及び手摺本体28は、図4及び図5に示すように、手摺機能の確保が可能な十分な強度を有する薄肉軽量の鋼製角パイプからなり、上部支柱部26の上下端を、手摺本体28の下面に設けた二股状の連結部31と、下部支柱部24の上端部に設けた二股状のガイド部32とにそれぞれ差し込んだ状態で、上支持ピン27及び下支持ピン25によって揺動可能に支持されている。ここで、前側の上部支柱部26に対応する上下支持ピン25,27同士のピン間距離と、後側の上部支柱部26に対応する上下支持ピン25,27同士のピン間距離とが等しい長さに設定されており、前側の上部支柱部26と後側の上部支柱部26とが相対性を保って前後方向に揺動することにより、手摺本体28が水平を保ったままで前後方向及び上下方向に移動可能な平行リンクが構成されている。
上部支柱部26の上端部には、前記上支持ピン27を貫通させて前記連結部31とのピン結合を可能にする円筒形状のピン孔26aが設けられている。また、上部支柱部26の下端部には、前記下支持ピン25を貫通させて前記ガイド部32とのピン結合を可能にするとともに、このピン結合がなされた状態で下支持ピン25を上下方向に移動可能にする縦長孔26b,26bが設けられている。さらに、上部支柱部26の下部であって前記縦長孔26b,26bから所定の上方位置には、ガイドピン33を貫通させる円筒形状のピン孔26cが設けられている。
ガイド部32は、下部支柱部24の一側面の幅寸法に対応して形成された同一形状の2枚の板片同士を、互いに向かい合わせて下部支柱部24の上端部に固着したもので、下部支柱部24の上端から所定の上方位置に下支持ピン25を貫通させるピン孔32a,32aが設けられている。また、前記板片にはピン孔32a,32aの直上の位置から周方向の時計回りに延びる円弧長孔状のガイド孔32b,32bが設けられている。ここで、上部支柱部26の両側に突出したガイドピン33の両端部がガイド孔32bの円弧長孔部32cに係合して下支持ピン25の軸まわりに円弧移動可能に形成されることにより、上部支柱部26の揺動角度範囲が、図3の角度Aで示すように、例えば、略80度に設定されている。
これにより、前後一対の上部支柱部26,26が前記揺動角度範囲のうちの下限角度に、つまり円弧長孔部32cの下端にそれぞれ到達することで、図6に示すように、輸送車の荷台上で、手摺本体28が法令上の特殊車両に分類される限界高さよりも低くなる倒伏位置と、前後一対の上部支柱部26,26が揺動角度範囲のうちの上限角度に、つまり円弧長孔部32cの上端にそれぞれ到達することで、手摺本体28が前記限界高さよりも高くなる起立位置(図3の実線,図1)とに移動可能になっている。ここで、起立位置では、手摺本体28の高さ位置、すなわち、天板18a上面と手摺本体28の上面との間の高さ寸法が、例えば、900mmに設定されており、この起立位置で、ガイド孔32bが設けられている高さ位置が、天板18a上面と手摺本体28の上面との間の中間高さ位置に、例えば、450mmに設定されている。
また、前記ガイド孔32bは、円弧長孔部32cの上端から下方に延びるとともに、ガイドピン33の進入及び退出を許容する縦長孔部32dを有している。この縦長孔部32dは、上部支柱部26の縦長孔26bの長さ寸法に対応する長さ寸法に設定され、ガイドピン33が進入して係合することにより、上部支柱部26の揺動を規制して前記上限角度に保持可能に形成されている。ここで、上部支柱部26の揺動規制を解除する動作や、手摺装置23を倒したり、起こして元の使用状態に戻したりする動作を行う場合には、例えば、手摺本体28の下面に当接可能な二股状の当接部34aを備えた起こし棒34を使用する(図3)。
このように形成された杭打機11は、作業現場間を移動する輸送時に、リーダやガントリなどの重量物を上部旋回体14から取り外した状態とし、起立位置にある手摺装置23を倒伏位置に折り畳む作業が行われる。この折り畳み作業は、用意した起こし棒34を、地上にいる作業者が操作することによって行われるが、起こし棒34を、不使用時にエンジン収納ハウス18に収納している場合には、作業者はクローラ12a上に上がってハウス内から起こし棒34を取り出し、クローラ12a上にいる作業者が起こし棒34を操作することによって手摺装置23が折り畳まれる。
手摺装置23を折り畳む作業は、まず、起こし棒34を上下方向に操作して、図3及び図4に示すように、起立位置にある手摺本体28を押し上げる。この押し上げ動作に伴って前後一対の上部支柱部26,26の下端がガイド部32,32の中間部に引き上げられる。このとき、下支持ピン25が上部支柱部26の縦長孔26b内を下方へ移動するとともに、ガイドピン33が縦長孔部32dから退出して円弧長孔部32cの上端に到達することで、上部支柱部26の揺動規制が解除される。ここで、起こし棒34を後方に僅かに傾けて、この状態のままで押し上げ動作を継続させると、押し上げ力の水平成分によって生じた回転力が作用して上部支柱部26が後方へ傾き始め、ガイドピン33が縦長孔部32dから退出して円弧長孔部32cに係合した状態、すなわち、揺動角度範囲の上限角度での保持を解除した状態となる。
この状態で、押し上げ動作を止めて、起こし棒34を下ろすと、手摺本体28の自重による回転モーメントの作用で、上部支柱部26がガイドピン33を円弧長孔部32cに沿わせて後方へ揺動される。そして、上部支柱部26は、ガイドピン33が円弧長孔部32cの下端に当接することによって揺動が規制される。すなわち、揺動角度範囲の下限角度で保持され、その結果、図7に示すように、手摺本体28が倒伏位置に保持される。こうして、手摺本体28は、上部支柱部26が設定された揺動角度(略80度)分だけ後方へ揺動することによって起立位置から倒伏位置へ移動される。ここで、隣接する手摺装置23同士の関係では、起立位置と倒伏位置との両位置において、互いに干渉を避けつつ、手摺本体28の端部同士の間に設けた隙間Lを最小に維持している。そして、全ての手摺装置23を折り畳んだ後、上部旋回体14からクローラ12aが分離され、それぞれが輸送車の荷台に別々に搭載されて現場から搬出される。
別の現場に搬入された杭打機11は、上述と逆の手順で組み立てて使用される。このとき、手摺装置23を起こして元の使用状態に戻すこととなるが、この場合であっても、起こし棒34を上下方向に操作して、倒伏位置にある手摺本体28を押し上げる動作が行われる。これにより、円弧長孔部32cに沿ってガイドピン33が移動することで、上部支柱部26の起こし動作(揺動)が案内され、さらには、押し上げ動作を止めて、起こし棒34を下ろすことで、ガイドピン33が、手摺本体28の自重の作用で円弧長孔部32cの上端位置から縦長孔部32dに進入して縦長孔部32dの下端に係合する。こうして、上部支柱部26は、揺動が規制されて上限角度で保持される結果、手摺本体28が起立位置において、手摺機能を発揮できる状態となる。
このように、機器収納ハウス17及びエンジン収納ハウス18の天板17a,18aに設置した手摺装置23が、その上部を平行リンクで構成することによって手摺本体28を前後方向及び上下方向に移動可能に構成し、さらには平行リンクの固定端側の位置に、つまりガイド部32の位置に円弧長孔状のガイド孔32bを有し、該ガイド孔32bがガイドピン33を介して係合する上部支柱部26の揺動上限角度と揺動下限角度とをそれぞれ定めているので、手摺本体28を上部支柱部26の揺動下限角度に対応する倒伏位置と揺動上限角度に対応する起立位置との間で円滑に移動させることができる。これにより、手摺本体28を下方から支持して上下移動させる押し上げ操作が簡単に行えるので、手摺装置23を倒したり、起こして元の状態に戻したりする際に、ハウス17,18の天板17a,18aに上る必要がなくなり、すなわち、転落防止措置を施すために作業者が不安定な足場(高所)に立たされるという矛盾を解消し、手摺装置23を安全かつ容易に取り扱うことができる。
とりわけ、手摺装置23をハウス17,18の天板17a,18aの外縁部に、つまり上部旋回体14の外側縁部において、前後方向に揺動可能に設置しているので、倒した手摺装置23によって足場が浸食されたり車幅が広がったりすることはなく、手摺装置23をハウス上の限られたスペースであってもコンパクトに設置できることは勿論、たとえ地上にいる作業者であっても、起こし棒34などの治具を用いさえすれば手摺本体28の高さに支障なく届き、さらには、手摺装置23を起こす際に、押し上げ操作の途中で、起こし棒34の支持位置が内側に移動して操作不能に陥るおそれもないので、起こし棒34による操作を安定して行うことができる。
また、ガイド孔32bには、ガイドピン33が進入して係合することにより、上部支柱部26を上限角度に保持可能な縦長孔部32dを有して形成されているので、上限角度に到達した上部支柱部26についてガイドピン33の進入動作を手摺本体28の自重を利用して行えるようになる。すなわち、手摺本体28の押し上げと上部支柱部26の保持とが時系列的に連続する動作関係に立ち、手摺本体28を倒伏位置から起立位置へ移行させたり、その逆を行って起立位置から元の倒伏位置に戻したりする動作を迅速に行うことができる。
さらに、上部支柱部26の揺動角度範囲が70度~90度の範囲内にあって、手摺本体28を起立位置に移動した状態で、ガイド孔32bを天板17a,18a上面と手摺本体28の上面との間の中間高さ位置に設けているので、起伏動作による手摺本体28の高低差を大きく確保しつつ、下方からの押し上げ動作も少ない労力で行える可倒式手摺装置のピン結合構造(平行リンク構造)を得ることができる。そして、この構造と相俟って、地上から行う起こし棒34による操作を確実なものとすることができる。しかも、クローラ12a上に上がって作業を行うのであれば、起こし棒34は、比較的に短尺に形成した場合であっても手摺本体28の高さに容易に届き、不使用時にはハウス17,18内にコンパクトに収納できることから好都合である。
なお、本発明は、建設機械として杭打機を例示したが、アースドリルやクレーンなど、クローラ式走行体を備えた各種の大型建設機械に適用することができる。また、手摺装置の数や平行リンクを構成する支柱部の数は任意であり、使用される環境下で所定の法令制限を満足させる構成であればよく、例えば、手摺本体を運転室の屋根の部分よりも低くなる倒伏位置と、高くなる起立位置とに移動可能に構成することで、輸送時(倒伏位置)においては法令上の特殊車両に分類される限界高さを満足させることができる。また、各部材は、安価で手摺構造としての製作も容易な角パイプで形成することが好適であるが、これに限らず、丸パイプや板材を曲げて形成したものなどが採用できる。さらに、中桟をパイプ材で形成することも可能であるが、この場合、幅木の取り付け構造と同様にボルト止めを採用すれば、幅違いの手摺装置を安価に製作でき、保守においても優れた手摺構造を実現することができる。
加えて、上部支柱部の揺動角度範囲は、90度を超えない範囲で適宜に設定することができ、70度~90度の範囲が好適であるが、略80度とすればより好適である。また、ピンの抜き差しを要しない本発明の構成では、上下支持ピンやガイドピンは、その位置を手摺装置の起伏動作が円滑に行える位置に設けてさえいればよく、固定手段には割りピンやベータピンなどによる一般的な方法を採用することができる。さらに、ガイド孔の高さ位置は、天板上面と手摺本体の上面との間の中間高さ位置に設けたものに限らず、手摺本体側に、すなわち上部側に寄せて設けてもよい。この場合、手摺上部を軽量に構成できることから、押し上げ操作が極めて容易になるといった利点がある。加えて、起こし棒には伸縮式や折り畳み式など様々なものが採用でき、その操作は車体を輸送車の荷台に搭載した状態で行ってもよい。つまり状況に応じて、地上やクローラ上、あるいはフロアフレームに設けた作業ステップ上などから起こし棒を操作することができる。
11…杭打機、12…下部走行体、12a…クローラ、13…旋回ベアリング、14…上部旋回体、14a…フロアフレーム、15…ウインチ搭載部、16…運転室、17…機器収納ハウス、17a…天板、18…エンジン収納ハウス、18a…天板、19…点検扉、20…梯子、21…階段、22…付属物、23…手摺装置、24…下部支柱部、25…下支持ピン、26…上部支柱部、26a…ピン孔、26b…縦長孔、26c…ピン孔、27…上支持ピン、28…手摺本体、29…ワイヤー、30…平板、31…連結部、32…ガイド部、32a…ピン孔、32b…ガイド孔、32c…円弧長孔部、32d…縦長孔部、33…ガイドピン、34…起こし棒、34a…当接部

Claims (5)

  1. クローラを備えた下部走行体と、該下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、該上部旋回体の前部に設けられた作業装置と、前記上部旋回体の両側部に設けられたハウスと、該ハウスの天板上面に設けられた手摺装置と備え、前記上部旋回体に前記下部走行体を走行させる操作及び前記作業装置を作動させる操作がなされる運転室が設置された杭打機において、
    前記手摺装置は、前記天板上面の外縁部に前後方向に互いに離間させて設けた一対の下部支柱部と、該一対の下部支柱部の上端部に支持ピンで下端部が連結された一対の上部支柱部と、該一対の上部支柱部の上端部に支持ピンで水平に架け渡されるように連結された手摺本体とを備え、
    前側の上部支柱部に対応する上下の支持ピン同士のピン間距離と、後側の上部支柱部に対応する上下の支持ピン同士のピン間距離とが等しい長さに設定され、前記前側の上部支柱部と前記後側の上部支柱部とが相対性を保って前後方向に揺動することにより、前記手摺本体が水平を保ったままで前後方向及び上下方向に移動可能な平行リンクが構成され、
    前記下部支柱部の上端部には、下側の支持ピンの周方向に延びる円弧長孔状のガイド孔が設けられ、前記上部支柱部の下部に設けたガイドピンが前記ガイド孔に係合して前記下側の支持ピンの軸まわりに円弧移動可能に形成されることにより、前記上部支柱部の揺動角度範囲が設定され、
    前記一対の上部支柱部が前記揺動角度範囲のうちの下限角度にそれぞれ到達することで、前記手摺本体が法令上の特殊車両に分類される限界高さよりも低くなる倒伏位置と、前記一対の上部支柱部が前記揺動角度範囲のうちの上限角度にそれぞれ到達することで、前記手摺本体が前記限界高さよりも高くなる起立位置とに移動可能に構成され、
    前記ガイド孔は、前記ガイドピンの進入及び退出を許容する縦長孔部を有し、該縦長孔部に前記ガイドピンが進入して係合することにより、前記上部支柱部を前記上限角度に保持可能に形成されていることを特徴とする杭打機。
  2. 前記揺動角度範囲は、70度~90度の範囲内にあることを特徴とする請求項1の杭打機。
  3. 前記ガイド孔は、前記手摺本体を前記起立位置に移動した状態で、前記天板上面と前記手摺本体の上面との間の中間高さ位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の杭打機。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の杭打機の使用方法であって、作業現場から搬出する前の段階として、前記手摺本体の下面に当接可能な当接部を備えた起こし棒を用意する段階と、地上にいる作業者が前記起こし棒を操作して前記起立位置にある前記手摺本体を押し上げることにより、前記ガイドピンを前記縦長孔部から退出させて前記一対の上部支柱部の保持状態を解除する段階と、前記手摺本体の自重の作用で前記一対の上部支柱部を揺動させて前記手摺本体を前記倒伏位置に移動させる段階とを含み、前記作業現場に搬入した後の段階として、前記起こし棒を用意する段階と、前記地上にいる作業者が前記起こし棒を操作して前記倒伏位置にある前記手摺本体を押し上げることにより、前記一対の上部支柱部を揺動させて前記手摺本体を前記起立位置に移動させる段階と、前記手摺本体の自重の作用で前記ガイドピンを前記縦長孔部に進入させて前記一対の上部支柱部を前記保持状態にする段階とを含むことを特徴とする杭打機の使用方法。
  5. 前記起こし棒は、不使用時に前記ハウス内に収納され、前記起こし棒を用意する段階には、前記作業者が前記クローラ上に上がって、前記ハウス内から前記起こし棒を取り出す段階が含まれ、前記地上にいる作業者に代えて、クローラ上にいる作業者が前記起こし棒を操作することを特徴とする請求項4記載の杭打機の使用方法。
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