JP7213132B2 - 減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法 - Google Patents
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Description
(1)減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法であって、
15℃における密度が0.93~1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.0質量%以下である減圧蒸留装置用原料油を90~99容量%含有するとともに、
接触分解軽油、潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトおよび混合キシレンを蒸留分離する装置より得られるトルエン留分から選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40~80質量%である燃料油基材を1~10容量%含有する洗浄用原料油を、
減圧蒸留装置の原料油熱交換器に流通する
ことを特徴とする減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法、
(2)前記減圧蒸留装置の原料油熱交換器に対し、減圧蒸留装置用被処理油のみを流通させた後、前記洗浄用原料油を流通させる処理を繰り返し行う上記(1)に記載の洗浄方法、
(3)前記洗浄方法が以下の式(I)
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用原料油を流通させる前に流通させた減圧蒸留装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用原料油を流通させたときの洗浄用原料油の流通量(L)、Cは前記洗浄用原料油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用原料油を流通させることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の洗浄方法
を提供するものである。
15℃における密度が0.93~1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.0質量%以下である減圧蒸留装置用原料油を90~99容量%含有するとともに、
接触分解軽油、潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトおよび混合キシレンを蒸留分離する装置より得られるトルエン留分から選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40~80質量%である燃料油基材を1~10容量%含有する洗浄用原料油を、
減圧蒸留装置の原料油熱交換器に流通する
ことを特徴とするものである。
洗浄用原料油を構成する減圧蒸留装置用原料油のアスファルテン含有量が上記範囲内にあることにより、熱交換器に付着する汚れを低減または抑制し易くなる。
なお、本出願書類において、沸点範囲は、JIS K2254:1998により測定される値を意味する。
なお、本出願書類において、90容量%留出温度は、JIS K2254:1998で測定される値を意味する。
燃料油基材の芳香族分含有量が上記範囲内にあることにより、洗浄用原料油が優れた溶解力を発揮して、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
燃料油基材の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、熱交換器の汚れ原因と考えられる重質なワックス留分の含有量が抑制され、効果的に汚れを低減することができる。
燃料油基材のアスファルテン含有量が上記範囲内であることにより、原料油熱交換器に付着する汚れを容易に低減または抑制することができる。
燃料油基材が上記留分を含むことにより、減圧蒸留処理への影響を抑制しつつ、原料油の処理量をさほど落とすことなく、減圧蒸留装置の連続運転を止めずに原料油熱交換器に付着した汚れを低減させることができる。
接触分解軽油の芳香族分含有量が上記範囲内であることにより、混合された減圧蒸留装置用原料油の溶解力が向上し、効果的に原料油熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
接触分解軽油の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、原料油に混合する際、重質なワックスの含有量が容易に抑制され、効果的に汚れを低減できる。
接触分解軽油のアスファルテン含有量が上記範囲内にあることにより、原料油熱交換器に付着する汚れを容易に低減または抑制することができる。
上記フルフラール等で抽出した残分は、ラフィネートと称される潤滑油基油として使用されることから、エキストラクトは工業的には潤滑油製造工程で得られるものである。
エキストラクトの芳香族分含有量が上記範囲内にあることにより、混合された減圧蒸留装置用原料油の溶解力が向上し、効果的に原料油熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
エキストラクトの90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、原料油に混合する際、重質なワックスの含有量が容易に抑制され、効果的に汚れを低減できる。
エキストラクトのアスファルテン含有量が上記範囲内であることにより、原料油熱交換器に付着する汚れを低減または抑制することができる。
混合キシレンを蒸留分離する装置とは、重質改質ナフサを蒸留して、o-キシレン及びp-キシレンを主成分とした混合キシレンを得るための装置であり、副生物としてトルエンを蒸留分離することができる。
トルエン留分の芳香族分含有量が上記範囲内にあることにより、混合された減圧蒸留装置用原料油の溶解力が容易に向上し、効果的に原料油熱交換器に付着した汚れを低減することができる。
減圧蒸留装置用被処理油としては、上述した減圧蒸留装置用原料油と同様のものを挙げることができる。
減圧蒸留装置用被処理油の流通後の洗浄用原料油の流通は定期的に行ってもよいし、非定期的に行ってもよいが、定期的に行うことが好ましい。
このように、減圧蒸留装置用被処理油の流通と、洗浄用原料油の流通を交互に行うことにより、減圧蒸留装置装置の連続運転を止めずに原料油熱交換器に付着した十分にかつ簡便に低減することができる。
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用原料油を流通させる前に流通させた減圧蒸留装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用原料油を流通させたときの洗浄用原料油の流通量(L)、Cは前記洗浄用原料油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用原料油を流通させることが好ましい。
式(I)において、減圧蒸留装置用被処理油のみを流通させた後、洗浄用原料油を流通させる処理を繰り返し行ったときは、減圧蒸留装置用被処理油のみの流通とその直後の洗浄用原料油の流通を1つの処理として、各処理時における、減圧蒸留装置用被処理油の流通量をV1(L)、洗浄用原料油の流通量をV2(L)として、上記比を算出する。
(1)基材
減圧蒸留装置の原料油(被処理油)として、表1に示す物性を有する常圧蒸留残渣油(ABM)を用意するとともに、燃料油基材Bとして、表1に示す物性を有する接触分解軽油(LCO)を用意した。
上記常圧蒸留残渣油(ABM)を90容量%、LCOを10容量%の割合で混合して洗浄用原料油とした。
図1に概略断面図で示すように、原料油タンクT1に貯蔵されホットプレートHPにより70℃に加温された1.2Lの上記常圧蒸留残渣油(ABM)を、同じく(図示しない)リボンヒーターにより流路全体が70℃に維持された流通配管c(直径6.5mm)内に毎分10mLで送液しつつ、上記常圧蒸留残渣油(ABM)の流通配管内に各々ヒーターロッドR(ステンレス鋼製、長さ200mm、直径6mm)を配置した加熱ヒーターHT1および加熱ヒーターHT2でそれぞれ設定温度T1(170℃)、T2(300℃)で順次加熱して上記原料油タンクT1に返送する操作を370分間継続した後、バルブV1を切り替え、洗浄タンクT2に貯蔵された洗浄用原料油を毎分10mLで10分間通油した。この際バルブV2を開くことで洗浄用原料油が原料タンクに混入しないようにする。10分後バルブV1を原料油タンクT1側に戻し、流路内の洗浄油が完全に排出されたのちバルブV2を閉じ、原料油の通油を再開し、260分間継続した。上記加熱ヒーターHT2の原料油出口に配置された原料油温度計測手段TM2outで原料油のヒーター出口温度T3を測定したときの結果を表2に示す。
原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)の送液を運転開始から500分間継続した後に、洗浄用原料油を毎分10mLで10分間通油する以外は実施例1と同じ条件でヒーター出口温度T3を測定した。結果を表2に示す。
原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)の送液を運転開始から300分間継続した後に、洗浄用原料油を毎分10mLで10分間通油し、その後原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)を60分間通油した。その後、洗浄油原料油を毎分10mLで10分間通油し、原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)を60分間通油した。さらにその後、洗浄用原料油を毎分10mLで10分間通油し、原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)を60分間通油した。さらにその後、洗浄用原料油を毎分10mLで通油し、原料油である常圧蒸留残渣油(ABM)を120分間通油した以外は実施例1と同じ条件でヒーター出口温度T3を測定した。結果を表2に示す。
洗浄用原料油を通油しない以外は実施例1と同じ条件でヒーター出口温度T3を測定した。結果を表2に示す。
一方、表2より、比較例1は洗浄用原料油を混合しないために、ヒーター出口温度が測定期間中にほぼ減少傾向にあり、測定開始時点から約50℃も低下していることが分かる。
このため、減圧蒸留装置の原料油熱交換器への原料油の供給を極く短時間だけ洗浄用原料油に切り替えることにより、汚れの付着を運転中に低減することができ、減圧蒸留装置の原料油熱交換器への汚れの付着を十分にかつ簡便に抑制し得ることが分かる。
また実施例3のように洗浄用原料油を繰り返し通油することで、熱交換器による汚れ付着がより効果的に軽減され、減圧蒸留装置および原料油熱交換器の連続運転の期間を容易に延長することができることが分かる。
一方、比較例1では、洗浄油原料油を投入していないことにより、原料油の流通量が増えるとともに付着した汚れが低減されることなく、その結果、ヒーター出口温度が下降していることがわかる。
V1、V2 :切り替えバルブ
HP :ホットプレート
c :流通配管
HT1、HT2 :加熱ヒーター
R :ヒーターロッド
P :ポンプ
Claims (3)
- 減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法であって、
15℃における密度が0.93~1.00g/cm3、アスファルテン含有量が5.0質量%以下である減圧蒸留装置用原料油を90~99容量%含有するとともに、
接触分解軽油、潤滑油を製造する際のフルフラール抽出工程により得られるエキストラクトおよび混合キシレンを蒸留分離する装置より得られるトルエン留分から選ばれる少なくとも1種以上の炭化水素油を含み、芳香族分含有量が40~80質量%である燃料油基材を1~10容量%含有する洗浄用原料油を、
減圧蒸留装置の原料油熱交換器に流通する
ことを特徴とする減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法。 - 前記減圧蒸留装置の原料油熱交換器に対し、減圧蒸留装置用被処理油のみを流通させた後、前記洗浄用原料油を流通させる処理を繰り返し行う請求項1に記載の洗浄方法。
- 前記洗浄方法が以下の式(I)
{(V2×C)/V1}≧0.20 (I)
(ただし、V1は、洗浄用原料油を流通させる前に流通させた減圧蒸留装置用被処理油の流通量(L)、V2は前記洗浄用原料油を流通させたときの洗浄用原料油の流通量(L)、Cは前記洗浄用原料油中の燃料油基材の含有割合(容量%)である。)
を満たすように洗浄用原料油を流通させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の洗浄方法。
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JP2019085216A JP7213132B2 (ja) | 2019-04-26 | 2019-04-26 | 減圧蒸留装置の原料油熱交換器の洗浄方法 |
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JP2003213470A (ja) | 2002-01-23 | 2003-07-30 | Kurita Engineering Co Ltd | 石油精製プラントの洗浄方法 |
US20090038995A1 (en) | 2007-08-06 | 2009-02-12 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Method for reducing oil fouling in heat transfer equipment |
CN102216428A (zh) | 2008-11-24 | 2011-10-12 | 埃克森美孚研究工程公司 | 从高溶解分散能力(hsdp)原油中分离组分的方法 |
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JP2012509954A (ja) | 2008-11-24 | 2012-04-26 | エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー | 高溶解分散能(hsdp)原油から成分を分離して使用する方法 |
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