JP7212784B2 - 照明システム - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月31日に出願された日本国特許出願2019-141612号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体をここに参照のために取り込む。
本開示は、照明システムに関する。
照射光のスペクトルを制御することにより、観察対象物の見え方を調整する照明装置の技術が提案されている(例えば、特許文献1-3参照)。
特開2100-40241号公報 特開2011-76987号公報 特開2014-238989号公報
本開示の一実施形態に係る照明システムは、照明装置と、情報取得部と、制御部とを備える。照明装置は、スペクトルを変更可能な照明光を射出する。情報取得部は、利用者の眼の状態に関する第1情報を眼の検査装置から取得する。制御部は、前記第1情報に基づいて、前記照明装置から射出される前記照明光の前記スペクトルを調整する。前記第1情報は、利用者の年齢に関する第2情報を含む。前記制御部は、前記第2情報に基づき、年齢による波長ごとの眼の光の透過率の低下を補償するように、前記照明装置を制御する。
図1は、一実施形態に係る照明システムの構成を示すブロック図である。 図2は、図1の発光部の構成例を示す外観斜視図である。 図3は、図2のA-A断面図である。 図4は、図3の丸囲み部の拡大図である。 図5は、紫色光のスペクトルを表すグラフである。 図6は、青、青緑、緑及び赤の蛍光のスペクトルを表すグラフである。 図7は、近赤外の蛍光スペクトルを表すグラフである。 図8Aは、サンプルがリング照明で照明される構成例を示す断面図である。 図8Bは、図8Aの照明装置20をサンプル側から見た図である。 図9は、図1の照明システムにより照明を行う手順を示すフローチャートである。 図10は、照明光のスペクトルを決定する手順を示すフローチャートである。 図11は、照明装置の射出する照明光のスペクトルの一例を示すグラフである。
人間は、眼の状態によって、ものの見え方が変わることが知られている。例えば、人間の眼は、加齢とともに光の透過率が低下する。透過率が低下すると、通過する波長が異なるものとなる。そのため、人間が視認するものの色合いは、年齢によって変化する。このため、個人の眼の状態が異なっても、観察対象物を理想的な色合いで視認できることが求められている。
したがって、これらの点に着目してなされた本開示の実施形態に係る照明システムは、利用者の眼の状態に基づいて、観察対象物の色の視認性を改善することができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものである。図面上の寸法及び比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
図1に示されるように、一実施形態に係る照明システム1は、照明装置20と、制御装置30とを備える。照明装置20は、観察対象物であるサンプル50を照明する。制御装置30は、一以上の情報提供手段40から、サンプル50を観察する利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を取得し、照明装置20がサンプル50に向けて射出する光のスペクトルを決定する。照明装置20がサンプル50に向けて射出する光は、照明光とも称される。制御装置30は、利用者の第1情報に基づいて、照明光のスペクトルを決定してよい。
照明装置20は、発光部10を備える。照明装置20は、発光部10を制御するための制御部を有してよい。
発光部10は、後述するように、所定のスペクトルで特定される光を射出する。所定のスペクトルは、例えば、360nm~430nmの波長領域(第1の波長領域)にピーク波長を有するとともに、360nm~780nmの波長領域(第2の波長領域)にピーク波長を有してよい。360nm~430nmの波長領域にピーク波長を有する光は、紫色光ともいう。360nm~430nmの波長領域は、紫色光領域ともいう。360nm~780nmの波長領域にピーク波長を有する光は、可視光ともいう。360nm~780nmの波長領域は、可視光領域ともいう。光を特定するスペクトルは、例えば、分光測光装置などにより分光法を用いて測定される。
制御装置30は、情報取得部31、制御部32、及び記憶部33を含む。
情報取得部31は、外部から利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を取得する。利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)は、利用者の眼の見え方に関連する情報であれば、如何なる情報も含みうる。利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)は、利用者の年齢に関する情報(第2情報)、利用者の眼の病気及び治療に関する情報(第3情報)、利用者の先天的属性に関する情報(第4情報)、及び、利用者の周囲の環境に関する情報(第5情報)の少なくとも何れかを含む。
利用者の年齢に関する情報(第2情報)は、利用者の年齢、または、年齢を連続する複数年ごとに区分した年齢の範囲を含む。利用者の年齢の範囲は、利用者が、例えば、20~29歳、30~39歳、40~49歳、50~59歳、60~69歳等の範囲の何れに属するかを示す。年齢の範囲は、「年齢層」ということもできる。
年齢の情報は、見え方に影響を与える大きな要因の一つであることが知られている。一般に、人間の眼は、年齢が高いほど光の透過率が低下する。光の透過率とは、外部から眼球に入射する光が、角膜、眼房水、水晶体、硝子体等を透過して網膜に到達するまでの透過率である。人間の眼は、加齢とともに、特に短波長の光の透過率が低下する。例えば、文献に基づき、本願発明者らが検討したところによれば、光の波長が600nmのとき、20歳の人の眼の光の透過率を1とすると、40歳の人の眼の光の透過率は約0.98、60歳の人の眼の光の透過率は、約0.93となる("A computerized approach to transmission and absorption characteristics of the human eye", CIE 203: 2012 (incl. Erratum), ISBN 978-3-902842-43-5参照)。すなわち、600nmでは、年齢によって眼の光の透過率にそれほどの差異は生じない。しかし、光の波長が500nmのとき、20歳の人の眼の光の透過率を1とすると、40歳の人の眼の光の透過率は約0.90、60歳の人の眼の光の透過率は、約0.76となる。さらに、光の波長が400nmのとき、20歳の人の眼の光の透過率を1とすると、40歳の人の眼の光の透過率は約0.50、60歳の人の眼の光の透過率は、約0.20となる。すなわち、高齢になるほど、短波長側の光の透過率が低下する。このことから、60歳の人は、20歳の人よりも観察対象物を赤みがかった色で見ていると考えられる。
利用者の眼の病気及び治療に関する情報(第3情報)は、例えば、白内障、色覚異常等の眼の見え方に影響を与える病気の有無及びその進行度、または、手術歴の有無等の情報を含む。例えば、白内障になると水晶体が黄色く変色し、特に青色等の短波長の光が透過しにくくなる。また、白内障の手術では、着色した水晶体を取り除き新たに眼内レンズを移植するので、遮られていた青色の光が網膜に届くようになる。従って、高齢者であっても、白内障の手術を受けると色の見え方が改善する。一方、色覚異常の人は、特定の色が見えにくい場合がある。色覚異常では、色を感じる視細胞である3種類の錐体細胞のうち、1つ以上が十分機能していない場合がある。
利用者の先天的属性に関する情報(第4情報)は、例えば、人種、性別等の情報を含む。人種の情報は、瞳の色に関連づけられる情報である。瞳の色には、黒色、茶色、黄色、青等の種々の色がある。例えば、日本人にはこげ茶色又は黒色の瞳の人が多く、北ヨーロッパ系の人種には青色又は緑色に近い色の瞳の人が多い。瞳の色は、眼の光彩に含まれる色素によって決定される。瞳の色によって、網膜に到達する光の波長帯域ごとの透過率が異なりうる。また、性別の違いは、色の見え方に影響を与えている可能性がある。研究によれば、女性は男性よりも青、緑、黄色の識別能力が高いということが報告されている(例えば、インターネットウェブサイトhttps://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2197888/Men-women-really-DO-things-differently-Our-brains-process-colours-different-ways.html参照)。
利用者の周囲の環境に関する情報(第5情報)は、湿度、温度、季節等の情報を含む。周囲の環境の違いは、人間のものの見え方を変化させることがあることが知られている。湿度、温度、季節等の要件に応じて、人間の脳は自動的に見え方を調整する可能性がある。
情報取得部31は、外部の情報提供手段40から利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を取得してよい。情報取得部31は、当該外部の情報提供手段40とのインタフェースを含んでよい。情報取得部31は、インタフェースを介して、有線又は無線によって、情報提供手段40と通信可能に接続されてよい。インタフェースは、LAN(Local Area Network)等の通信インタフェースを含んでよい。インタフェースは、4G(4th Generation)若しくは5G(5th Generation)又はLTE(Long Term Evolution)等の種々の通信方式による通信を実現してもよい。インタフェースは、赤外線通信又はNFC(Near Field Communication)通信等の非接触通信の通信インタフェースを備えてもよい。インタフェースは、RS232C又はRS485等のシリアル通信規格に基づく信号を入出力可能なポートを含んでもよい。インタフェースは、外部の情報媒体に格納された利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を読み出すことのできる、読み出し装置を含んでよい。
情報取得部31が、情報を取得することができる情報提供手段40には、情報処理装置41、検査装置42、情報媒体43、センサ44等を含む。
情報処理装置41は、コンピュータ、携帯型情報端末及び携帯電話等を含む。情報処理装置41は、例えば、利用者に対する問診を行う問診プログラムを搭載してよい。問診プログラムは、例えば、対話形式で利用者から眼の状態に関する情報(第1情報)を収集する。問診プログラムは、例えば利用者に年齢を質問し、利用者からの回答を受ける。問診プログラムは、利用者に、眼の見え方、白内障等の病歴及び治療歴、等を質問し、利用者から回答を受ける。問診プログラムは、例えば、利用者に、人種、眼の色、性別等を質問し、利用者から回答を受ける。また、問診プログラムは、利用者の眼の見え方を調べる検査を含んでよい。検査は、例えば、コンピュータのディスプレイ上に、色覚異常等を調べるためのテストパターンを表示して、利用者に見え方を質問することにより行うことができる。検査結果は、利用者の症状に応じて数値化されてよい。
このようにして、情報処理装置41は、利用者の年齢に関する情報(第2情報)、利用者の眼の病気及び治療に関する情報(第3情報)、及び、利用者の先天的属性に関する情報(第4情報)の何れか1つ以上を取得し得る。情報取得部31は、情報処理装置41から、これらの情報を所定の質問に対する利用者の回答データ等として取得することができる。また、情報処理装置41は、カレンダーを内蔵し、利用者の周囲の環境に関する情報(第5情報)中の季節の情報を情報取得部31に提供してよい。
検査装置42は、利用者の眼の状態を検査する装置である。検査装置42は、白内障等の症状、及び、色覚異常等の有無及び程度を検査する。情報取得部31は、検査装置42から、利用者の眼の病気及び治療に関する情報(第3情報)を取得し得る。
情報媒体43は、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を格納するとともに、情報取得部31の有する読み出し装置により情報の読み出しが可能な、可搬性の媒体である。情報媒体43は、例えば、接触型のICカード、非接触型のICカード、可搬型の半導体メモリを含む。情報媒体43は、情報処理装置41及び検査装置42で取得した利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を格納してよい。
センサ44は、1つ以上の利用者の周囲の環境に関する情報(第5情報)を取得する。センサ44は、例えば、湿度センサ及び温度センサを含む。センサ44は、また、周囲の明るさを測定するセンサを含んでよい。
情報提供手段40は、上記の他、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)であれば、如何なる情報を提供するものも含む。
制御部32は、照明システム全体を制御する。制御部32は、照明装置20が射出する光のスペクトルを調整するスペクトル調整部34を含む。制御部32は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。プロセッサは、制御部32の種々の機能を実現するプログラムを実行しうる。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。
制御部32は、情報取得部31から利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を受け取ることができる。制御部32は、有線または無線のインタフェースを介して、照明装置20の発光部10を制御することができる。制御装置30と照明装置20との通信は、制御装置30と情報提供手段40との間の通信と、同様の技術を採用しうる。
スペクトル調整部34は、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)に基づいて、照明装置20から射出される照明光のスペクトルを調整可能に構成される。このとき制御部32は、第1情報が、標準値とのギャップが小さいとき、スペクトルを調整不要と判断する場合がある。例えば、利用者が若い場合である。制御部32が、調整不要と判断した場合、スペクトル調整部34によるスペクトルの調整は行われない。このようにスペクトルの調整を行わないという行為も、スペクトルの調整に含まれる。
記憶部33は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んでよいし、半導体メモリ又は磁気メモリ等のメモリを含んでもよい。記憶部33は、各種情報及び制御部32で実行されるプログラム等を格納する。記憶部33は、制御部32のワークメモリとして機能してよい。記憶部33の少なくとも一部は、制御部32と別体で構成されてもよい。記憶部33は、複数の利用者ごとに利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を予め記憶したテーブルを有してよい。
図2、図3及び図4に示されるように、発光部10は、発光素子3と、波長変換部材6とを備える。発光部10は、素子基板2と、枠体4と、封止部材5とをさらに備えてもよい。
発光素子3は、360nm~430nmの波長領域にピーク波長を有する光を射出する。発光素子3は、例えば図5にグラフとして示されているスペクトルを有する光を射出できる。図5のグラフにおいて、横軸及び縦軸はそれぞれ、発光素子3が発光する光の波長及び相対強度を表している。相対強度は、ピーク波長の強度に対する強度の比として表される。図5のグラフによれば、発光素子3は、λxで表される波長をピーク波長として有する光を射出する。λxで表される波長は、360nm~430nmの波長領域(第1の波長領域)に含まれる。つまり、発光素子3は、360nm~430nmの波長領域にピーク波長を有する光を射出する。360nm~430nmの波長領域にピーク波長を有する光は、紫色光ともいう。360nm~430nmの波長領域は、紫色光領域ともいう。
波長変換部材6は、発光素子3から波長変換部材6に入射してきた光を、可視光領域(第2の波長領域)にピーク波長を有する光に変換し、変換した光を射出する。可視光は、紫色光を含むとする。可視光領域は、紫色光領域を含むとする。
発光部10は、複数の波長変換部材6を有してよい。複数の波長変換部材6は、それぞれ異なるピーク波長を有する光を射出してよい。発光部10は、各波長変換部材6が射出する光の強度を制御することによって、種々のスペクトルを有する光を射出できる。
素子基板2は、例えば、絶縁性を有する材料で形成されてよい。素子基板2は、例えば、アルミナ若しくはムライト等のセラミック材料、ガラスセラミック材料、又は、これらの材料のうち複数の材料を混合した複合系材料等で形成されてよい。素子基板2は、熱膨張を調整することが可能な金属酸化物微粒子を分散させた高分子樹脂材料等で形成されてもよい。
素子基板2は、素子基板2の主面2A又は素子基板2の内部に、素子基板2に実装している発光素子3等の部品を電気的に導通する配線導体を備えてよい。配線導体は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、又は銅等の導電材料で形成されてよい。配線導体は、例えば、タングステンの粉末に有機溶剤が添加された金属ペーストを、素子基板2となるセラミックグリーンシートに所定パターンで印刷し、複数のセラミックグリーンシートを積層して、焼成することにより形成されてよい。配線導体は、酸化防止のために、その表面に、例えば、ニッケル又は金等のめっき層が形成されてよい。
素子基板2は、発光素子3が発光する光を効率良く外部へと放出させるため、配線導体、及びめっき層と間隔を空けて、金属反射層を備えてもよい。金属反射層は、例えば、アルミニウム、銀、金、銅又はプラチナ等の金属材料で形成されてよい。
本実施形態において、発光素子3は、LEDであるとする。LEDは、P型半導体とN型半導体とが接合されたPN接合中で、電子と正孔とが再結合することによって、外部へと光を発光する。発光素子3は、LEDに限られず、他の発光デバイスであってもよい。
発光素子3は、素子基板2の主面2A上に実装される。発光素子3は、素子基板2に設けられる配線導体の表面に被着するめっき層上に、例えば、ろう材又は半田等を介して、電気的に接続される。素子基板2の主面2A上に実装される発光素子3の個数は、特に限定されるものではない。
発光素子3は、透光性基体と、透光性基体上に形成される光半導体層とを含んでよい。透光性基体は、例えば、有機金属気相成長法、又は分子線エピタキシャル成長法等の化学気相成長法を用いて、その上に光半導体層を成長させることが可能な材料を含む。透光性基体は、例えば、サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、シリコンカーバイド、シリコーン、又は二ホウ化ジルコニウム等で形成されてよい。透光性基体の厚みは、例えば、50μm以上1000μm以下であってよい。
光半導体層は、透光性基体上に形成される第1半導体層と、第1半導体層上に形成される発光層と、発光層上に形成される第2半導体層とを含んでよい。第1半導体層、発光層、及び第2半導体層は、例えば、III族窒化物半導体、ガリウム燐若しくはガリウムヒ素等のIII-V族半導体、又は、窒化ガリウム、窒化アルミニウム若しくは窒化インジウム等のIII族窒化物半導体等で形成されてよい。
第1半導体層の厚みは、例えば、1μm以上5μm以下であってよい。発光層の厚みは、例えば、25nm以上150nm以下であってよい。第2半導体層の厚みは、例えば、50nm以上600nm以下であってよい。
枠体4は、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化イットリウム等のセラミック材料で形成されてよい。枠体4は、多孔質材料で形成されてよい。枠体4は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化イットリウム等の金属酸化物を含む粉末を混合した樹脂材料で形成されてよい。枠体4は、これらの材料に限られず、種々の材料で形成されてよい。
枠体4は、素子基板2の主面2Aに、例えば、樹脂、ろう材又は半田等を介して、接続される。枠体4は、発光素子3と間隔を空けて、発光素子3を取り囲むように素子基板2の主面2A上に設けられる。枠体4は、内壁面が、素子基板2の主面2Aから遠ざかる程、外方に向かって広がるように傾斜して設けられている。内壁面は、発光素子3が発光する光を反射させる反射面として機能する。内壁面は、例えば、タングステン、モリブデン、又はマンガン等の金属材料で形成される金属層と、金属層を被覆し、ニッケル又は金等の金属材料で形成されるめっき層とを含んでよい。めっき層は、発光素子3が発光する光を反射する。
枠体4の内壁面の形状は、平面視において、円形状であってよい。内壁面の形状が円形状であることによって、枠体4は、発光素子3が発光する光を略一様に、外方に向かって反射させることができる。枠体4の内壁面の傾斜角度は、素子基板2の主面2Aに対して、例えば、55度以上70度以下の角度に設定されていてよい。
封止部材5は、素子基板2及び枠体4で囲まれる内側の空間に、枠体4で囲まれる内側の空間の上部の一部を残して充填されている。封止部材5は、発光素子3を封止するとともに、発光素子3が発光する光を透過させる。封止部材5は、例えば、光透過性を有する材料で形成されてよい。封止部材5は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂若しくはエポキシ樹脂等の光透過性を有する絶縁樹脂材料、又は光透過性を有するガラス材料、等で形成されてよい。封止部材5の屈折率は、例えば、1.4以上1.6以下に設定されていてよい。
発光部10が封止部材5を備える場合、発光素子3から射出された紫色光は、封止部材5を通過して波長変換部材6に入射する。上述したように、波長変換部材6は、発光素子3から入射してきた紫色光を、可視光領域に含まれる種々のピーク波長を有する光に変換する。発光素子3は、射出した紫色光が波長変換部材6に入射するように位置する。言い換えれば、波長変換部材6は、発光素子3から射出された光が入射してくるように位置する。図2から図4に例示されている構成において、波長変換部材6は、素子基板2及び枠体4で囲まれる内側の空間の上部の一部に、封止部材5の上面に沿って位置している。この例に限定されることなく、例えば、波長変換部材6は、素子基板2及び枠体4で囲まれる内側の空間の上部からはみ出すように位置してもよい。
図4に示されるように、波長変換部材6は、透光性を有する透光部材60と、第1蛍光体61、第2蛍光体62、第3蛍光体63、第4蛍光体64及び第5蛍光体65とを備えてよい。第1蛍光体61、第2蛍光体62、第3蛍光体63、第4蛍光体64及び第5蛍光体65は、単に蛍光体ともいう。蛍光体は、透光部材60の内部に含有されているとする。蛍光体は、透光部材60の内部で略均一に分散されていてよい。蛍光体は、波長変換部材6に入射してきた紫色光を、360nm~780nmの波長領域に含まれるピーク波長を有する光に変換し、変換した光を射出する。
透光部材60は、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂若しくはエポキシ樹脂等の透光性を有する絶縁樹脂、又は透光性を有するガラス材料等で形成されていてよい。
蛍光体は、入射してきた紫色光を種々のピーク波長を有する光に変換する。図6及び図7のグラフに、蛍光体の蛍光スペクトルの一例が示されている。図6及び図7のグラフにおいて、横軸及び縦軸はそれぞれ、蛍光体が射出する光の波長及び相対強度を表している。
第1蛍光体61は、図6のグラフでλ1として表されている第1ピーク波長を有してよい。第1ピーク波長は、400nm~500nmの波長領域内の波長であるとする。第1蛍光体61は、例えば青色の光を射出する。第1蛍光体61は、例えば、BaMgAl1017:Eu、又は(Sr,Ca,Ba)10(POCl:Eu,(Sr,Ba)10(POCl:Eu等を用いることができる。
第2蛍光体62は、図6のグラフでλ2として表されている第2ピーク波長を有してよい。第2ピーク波長は、450nm~550nmの波長領域内の波長であるとする。第2蛍光体62は、例えば青緑色の光を射出する。第2蛍光体62は、例えば、(Sr,Ba,Ca)(POCl:Eu,SrAl1425:Eu等を用いることができる。
第3蛍光体63は、図6のグラフでλ3として表されている第3ピーク波長を有してよい。第3ピーク波長は、500nm~600nmの波長領域内の波長であるとする。第3蛍光体63は、例えば緑色の光を射出する。第3蛍光体63は、例えば、SrSi(O,Cl):Eu、(Sr,Ba,Mg)SiO:Eu2+、又はZnS:Cu,Al、ZnSiO:Mn等を用いることができる。
第4蛍光体64は、図6のグラフでλ4として表されている第4ピーク波長を有してよい。第4ピーク波長は、600nm~700nmの波長領域内の波長であるとする。第4蛍光体64は、例えば赤色の光を射出する。第4蛍光体64は、例えば、YS:Eu、Y:Eu、SrCaClAlSiN:Eu2+、CaAlSiN:Eu、又はCaAlSi(ON):Eu等を用いることができる。
第5蛍光体65は、図7のグラフでλ5として表されている第5ピーク波長、及び、λ6として表されている第6ピーク波長を有してよい。第5ピーク波長及び第6ピーク波長は、680nm~800nmの波長領域内の波長であるとする。第5蛍光体65は、例えば近赤外光を射出する。近赤外光は、680~2500nmの波長領域の光を含んでよい。第5蛍光体65は、例えば、3Ga12:Cr等を用いることができる。
波長変換部材6が含有する蛍光体の種類の組み合わせは、特に限定されない。図3及び図4の領域Xに示されるように、波長変換部材6は、第1蛍光体61、第2蛍光体62、第3蛍光体63、第4蛍光体64及び第5蛍光体65を有してよい。波長変換部材6は、他の種類の蛍光体を有してもよい。
本実施形態に係る発光部10は、波長変換部材6を有することによって、種々のスペクトルを有する光を射出できる。例えば、発光部10は、正午の平均的な太陽光のスペクトルに近いスペクトルを有する光を射出することができる。また、発光部10は、CIE(国際照明委員会:Commission internationale de l'eclairage)により規定された標準イルミナントに近いスペクトルを有する光を射出することができる。
発光部10は、複数の波長変換部材6を備えてよい。各波長変換部材6は、蛍光体の組み合わせが異なっていてもよい。複数の波長変換部材6は、蛍光体の組合せが異なることにより、可視光領域(第2の波長領域)のピーク波長が互いに異なる二以上の波長変換部材6を含んでよい。発光部10は、各波長変換部材6に対して紫色光を射出する発光素子3を備えてよい。発光部10は、各波長変換部材6に入射する紫色光の強度を制御することによって、種々のスペクトルを有する光を射出できる。
照明装置20は、複数の発光部10を有してよい。複数の発光部10は、それぞれ異なるスペクトルを有する光を射出してよい。制御部32は、それぞれの発光部10が射出する光の強度をそれぞれ独立に制御してもよいし、関連づけて制御してもよい。制御部32は、複数の発光部10をそれぞれ制御することによって、複数の発光部10が射出する光を合成した光のスペクトルを制御することができる。複数の発光部10が射出する光は、合成光ともいう。照明装置20は、合成光を照明光として射出することができる。
一例として、以下の説明では、照明装置20は、利用者に正午の平均的な太陽光に近い光であると視認されるスペクトルを有する光を合成する。以下において、実際の太陽光に近い所定のスペクトルを有する光を標準光とよぶ。例えば、照明装置20は、それぞれ、赤色の波長(600~700nm)、緑色の波長(500~600nm)及び青色の波長(400~500nm)の光の強度を標準光と比較して高くした、互いに異なるスペクトルの光を射出する複数の発光部10を含んでよい。照明装置20は、さらに他のスペクトルの光を射出する発光部10を有してよい。例えば、青色のスペクトルが高い発光部10の強度を、他の種類の発光部10よりも強くすることにより、照明装置20の合成光のスペクトルの中で青色の波長光の強度が相対的に高くなる。
照明装置20は、図8A及び図8Bに示されるように、サンプル50を囲むように配置されるリング状の筐体24を備えてよい。サンプル50は、サンプルホルダ210上に載置されてよい。リング状の筐体24は、リング状に配列された複数の発光部10を搭載することによって、リング照明を構成するともいえる。光学系220は、リング状の筐体24の内側に位置する。筺体24は、光学系220に対して、固定ピンによる締め付け、ネジ止め、等の適宜な方法で相対的に固定される。各発光部10は、筺体24の形成するリングを含む面に直交する方向に照明光を射出するように配置されてよい。あるいは、各発光部10は、リングの内側に向けて斜めに照明光を射出するように配置されてよい。照明光がサンプル50に入射する方向は、光学系220の光軸に対して所定の角度を有してよい。これによって、光学系220で結像される像は、照明による影を含みにくくなる。
このようなリング状の筺体24を有する照明装置20は、光学顕微鏡に適用されうる。顕微鏡に適用される照明装置20は、例えば、リング状の筺体24が対物レンズの光軸を中心に円環状に位置するように配置される。
照明装置20において、サンプル50に対して照明光を入射させる構成は、上述の例に限られない。照明装置20は、種々の形態で構成されてよい。照明装置20は、照明光がサンプル50に入射する方向を制御してよい。
次に、本実施形態の照明システム1が、サンプル50を照明する方法の一例を、図9のフローチャートを参照して説明する。照明システム1は、サンプル50を観察するための照明光を射出するように構成される。以下に、照明システム1は、光学顕微鏡用の照明に適用される照明システム1であるものとして説明する。
まず、情報取得部31は、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を取得する(ステップS101)。一例として、顕微鏡を利用する利用者は、予め情報処理装置41の問診プログラム、検査装置42による眼の状態の検査等により、眼の状態に関する情報を(第1情報)格納したICカードを有するものとする。利用者は、情報取得部31に含まれるICカードリーダにICカードを挿入する。これによって、情報取得部31は、ICカードに蓄積された情報を読み出し、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を取得する。なお、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)は、予め利用者ごとに記憶部33に登録されていてよい。その場合、ICカードは、利用者の識別情報を含む。制御部32が、ICカードから取得した利用者の識別情報に基づいて、利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)を、記憶部33から読み出すことができる。
眼の状態に関する情報(第1情報)を取得する方法は、上述のものに限られない。例えば、利用者は、顕微鏡を利用する際に、情報取得部31から年齢を入力するようにすることができる。この場合、情報取得部31は、年齢を入力するためのタッチパネル又はテンキー等を有してよい。あるいは、照明システム1は、初めてシステムを利用する利用者が、情報取得部31に通信回線により接続された情報処理装置41を用いて、問診プログラムに答えることにより、眼の状態に関する情報(第1情報)が記憶部33に蓄積されるように構成されてよい。
利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)の取得は、利用者の年齢に関する情報(第2情報)、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)、利用者の属性等に関する情報(第4情報)、及び、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)の取得を含んでよい。各情報の取得は、この順序と異なる順序で行ってよい。各情報の取得は、同時に実行されてよい。また、各情報の全てを取得する必要はない。
利用者の眼の状態に関する情報(第1情報)の中で、年齢に関する情報(第2情報)は、特に色の視認性に与える影響が大きい。前述のように、加齢とともに、人間の眼は、短波長の光の透過率が低下し、青及び緑の領域の光の視認性が低下する。このため、本実施形態において、年齢に関する情報(第2情報)は、最も重要な因子として取り扱われる。また、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)は、眼の色の識別に与える影響が大きいので、年齢に関する情報(第2情報)に準じた重要な因子として扱われる。利用者の属性等に関する情報(第4情報)と、利用者の周囲の環境に関する情報(第5情報)は、色の視認性に影響を与える補助的因子として扱われてよい。
次に、制御部32は、情報取得部31から眼の状態に関する情報(第1情報)を取得する。これに基づいて、制御部32のスペクトル調整部34は、照明光のスペクトルを決定する(ステップS102)。
ステップS102のスペクトル調整部34によるスペクトルの決定手順を、図10を参照して説明する。本実施形態では、情報取得部31は、少なくとも利用者の年齢に関する情報(第2情報)を取得するものとする。まず、スペクトル調整部34は、利用者の年齢に関する情報(第2情報)に基づいて、照明装置20の照明光のスペクトルの調整を行う(ステップS201)。
スペクトル調整部34は、利用者の眼の感度が低い波長の光の強度を強くするように、照明装置20の照明光のスペクトルを決定する。例えば、スペクトル調整部34は、20歳の健康な人の見え方を目標として、利用者がサンプル50を観察するときの見え方が、この目標の見え方となるように、照明装置20の照明光のスペクトルを調整する。スペクトルの決定は、例えば、各発光部10を調整する調整パラメータを決定することにより行ってよい。調整パラメータは、複数の発光部10のそれぞれについて発光素子3の発光強度を制御するためのパラメータである。スペクトル調整部34は、調整パラメータを計算により算出してよい。或いは、スペクトル調整部34は、記憶部33に予め格納された年齢ごとの調整パラメータのテーブルから、利用者の年齢又は年齢層に対応する調整パラメータを読み出してよい。
図11は、情報取得部31が年齢に関する情報(第2情報)を取得した場合の、スペクトル調整部34により調整され、照明装置20が射出する照明光のスペクトルの一例を示す。スペクトル調整部34は、年齢による波長ごとの眼の光の透過率の低下を補償するように、スペクトルを決定する。この図において、横軸は照明光の波長を示す。また、縦軸の強度は、相対的な強度を示す。図11において、実線は、20歳の人がサンプル50を観察する際に照射される標準光のスペクトルである。また、破線と一点鎖線は、それぞれ40歳と60歳の人がサンプル50を観察する場合の照明光のスペクトルである。スペクトル調整部34は、40歳及び60歳の人に、20歳の人と同じ色合いでサンプル50を観察できるようにするため、青及び緑を含む短波長の領域で照明光の強度を強くするように調整している。
ステップS201の後、スペクトル調整部34は、情報取得部31で取得した情報に眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)が含まれるか確認する(ステップS202)。情報取得部31で取得した情報に眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)が含まれる場合、スペクトル調整部34は、次のステップS203に進む。情報取得部31で取得した情報に眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)が含まれない場合、スペクトル調整部34は、ステップS204に進む。
ステップS203において、スペクトル調整部34は、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)に基づいて、ステップS201で決定したスペクトルの調整パラメータを修正する。眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)は、眼の見え方に大きく影響を与える因子なので、調整パラメータを決定するうえで十分考慮されることができる。
例えば、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)に基づき、利用者に、白内障により水晶体を摘出、交換した治療歴がある場合、水晶体の変色による短波長領域の光の吸収は少なくなっている。このため、照明装置20が、同じ年齢の人と比較して、短波長の領域の照明光を強くする必要性は低くなる。
また、例えば、スペクトル調整部34は、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)から、利用者の眼の錐体細胞のうち、500nm~600nmの波長域に感受性を有するM錐体が十分に機能していないという情報を取得し得る。そのような場合、スペクトル調整部34は、照明光のスペクトルの緑色の波長の光の強度が強くなるように、発光部10を制御することができる。
ステップS203の後またはステップS202で「No」の場合、スペクトル調整部34は、情報取得部31で取得した情報に、利用者の属性に関する情報(第4情報)及び利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)が含まれるか確認する(ステップS204)。情報取得部31で取得した情報に利用者の属性に関する情報(第4情報)及び/又は、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)が含まれる場合、スペクトル調整部34は、次のステップS205に進む。情報取得部31で取得した情報に利用者の属性に関する情報(第4情報)及び/又は、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)が含まれない場合、スペクトル調整部34は、ステップS206に進む。
ステップS205において、スペクトル調整部34は、利用者の属性に関する情報(第4情報)及び/又は、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)に基づいて、調整パラメータをさらに調整する。利用者の属性に関する情報(第4情報)及び、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)は、利用者のサンプル50の見え方に影響を与える可能性があるので、照明光のスペクトルの決定において考慮されうる。
例えば、利用者の属性に関する情報(第4情報)から、利用者の瞳の色が青である場合、利用者が観察するサンプル50の色は、黒又は茶色の瞳の人が視認するよりも青みがかって見える。このため、スペクトル調整部34は、照明光に含まれる青色波長の光の強度を低下させるように調整パラメータを修正してよい。
以上のように、スペクトル調整部34は、年齢に関する情報(第2情報)に基づく照明光のスペクトルに対し、他の情報(第3~第5情報等)に基づいて、調整を加え、照明光のスペクトルを決定することができる(ステップS206)。
スペクトル調整部34が、最終的に照明光のスペクトルを決定すると、制御部32は、決定したスペクトルとなるように、照明装置20の各発光部10を制御して、照明光を射出させる(ステップS103)。より具体的には、決定した調整パラメータに従って、制御部32は、各発光部10の発光素子3の発光する光の強度を制御することにより、照明装置20から射出される照明光のスペクトルを調整する。このようにして、利用者の眼の状態に応じて、スペクトルを調整した照明光により、サンプル50が照明される。
以上説明したように、本実施形態に係る照明システム1によれば、利用者の眼の状態に基づいて、観察対象物の色の視認性を改善することができる。特に、照明システム1は、年齢に関する情報(第2情報)に基づいて、青及び緑などの比較的短波長の領域の光の強度を強くした照明光を射出するので、これらの色の光の加齢による眼の光の透過率の低下を補うことができる。これによって、年齢の高い利用者が使用する場合でも、20歳の利用者が視認する色合いに近づけた色合いで、サンプル50を観察することができる。
また、本実施形態の照明システム1によれば、眼の病気及び治療等に関する情報(第3情報)及び利用者の属性に関する情報(第4情報)に基づいて、照明光のスペクトルを調整することができる。これによって、照明システム1は、利用者の個別の状態及び状況に対応してサンプル50の色の視認性を改善することができる。
また、本実施形態の照明システム1によれば、利用者の周囲の環境等に関する情報(第5情報)に基づいて、照明光のスペクトルをさらに調整することができる。利用者の周囲の環境に、利用者のサンプル50の見え方に影響を与える要因が存在する場合、それに応じて照明光のスペクトルを調整して、さらに色の視認性を改善することが期待できる。
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示において「第1」及び「第2」等の記載は、当該構成を区別するための識別子である。本開示における「第1」及び「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1分類は、第2分類と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。本開示における「第1」及び「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。
上記実施形態において、照明装置20は顕微鏡に用いられるものとしたが、これに限られない。本開示の照明装置20は、顕微鏡以外の種々の用途に使用することが可能である。例えば、照明装置20は、自動車等の工業製品における外観検査の工程に使用されてよい。また、照明装置20は、チーズなどの酪農製品及び野菜等の農産物の検査の工程に使用されてよい。
上記実施形態において、照明装置20の発光部10は、制御装置30の制御部32により制御されるものとした。しかし、照明システム1の構成はこのような構成に限られない。照明装置20は、発光部10を制御する制御部を含んでよい。その場合、照明装置20の制御部は、制御装置30の制御部32から照明光の目標とするスペクトルを示す信号を受け取り、これに従って、各発光部10を制御してよい。また、照明システム1の構成要素を、全て照明装置20に内蔵させることもできる。
1 照明システム
10 発光部(2:素子基板、2A:主面、3:発光素子、4:枠体、5:封止部材、6:波長変換部材、60:透光部材、61~65:第1~第5蛍光体)
20 照明装置
30 制御装置
31 情報取得部
32 制御部
33 記憶部
34 スペクトル調整部
40 情報提供手段
41 情報処理装置
42 検査装置
43 情報媒体
44 センサ

Claims (12)

  1. スペクトルを変更可能な照明光を射出する照明装置と、
    利用者の眼の状態に関する第1情報を眼の検査装置から取得する情報取得部と、
    前記第1情報に基づいて、前記照明装置から射出される前記照明光の前記スペクトルを調整する制御部と
    を備え、
    前記第1情報は、利用者の年齢に関する第2情報を含み、
    前記制御部は、前記第2情報に基づき、年齢による波長ごとの眼の光の透過率の低下を補償するように、前記照明装置を制御する照明システム。
  2. 前記第1情報は、利用者の眼の病気及び治療に関する第3情報、及び、利用者の先天的属性に関する第4情報の少なくとも何れかを含む請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記第3情報は、白内障の症状及び治療歴並びに色覚異常の情報の少なくとも何れかを含む請求項に記載の照明システム。
  4. 前記第4情報は、利用者の人種、眼の色、及び、性別の少なくとも何れかを含む請求項または請求項に記載の照明システム。
  5. 前記情報取得部は、前記第1情報を、所定の質問に対する利用者の回答データとして取得する請求項1からの何れか一項に記載の照明システム。
  6. 前記第1情報は、利用者の周囲の環境に関する第5情報を含む請求項1からの何れか一項に記載の照明システム。
  7. 前記第5情報は、利用者の周囲の温度及び湿度の情報を含む請求項に記載の照明システム。
  8. 前記照明装置は、少なくとも1つの発光部を備え、
    該発光部は、第1の波長領域にピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子が発光する光を第2の波長領域にピーク波長を有する光に変換する複数の波長変換部材とを備えており、
    前記複数の波長変換部材は、前記第2の波長領域のピーク波長が互いに異なる二以上の前記波長変換部材を含む、請求項1からの何れか一項に記載の照明システム。
  9. 前記第1の波長領域は、360nm~430nmであり、前記第2の波長領域は、360nm~780nmである請求項に記載の照明システム。
  10. 前記照明装置は、前記発光部を複数有しており、
    前記発光部は射出する光のスペクトルが互いに異なるとともに、前記制御部はそれぞれの前記発光部の前記発光素子の発光する光の強度を制御することにより、前記照明装置から射出される前記照明光の前記スペクトルを調整する、請求項またはに記載の照明システム。
  11. 前記照明装置は、前記発光部を複数有しており、
    複数の前記発光部は、リング状に配置される前記請求項から10の何れか一項に記載の照明システム。
  12. 顕微鏡に使用される請求項1から11の何れか一項に記載の照明システム。
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