JP7211814B2 - 通電制御方法および電源制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスを保護するための通電制御方法および電源制御システムに関する。
車両上には様々な位置に多数の負荷が配置されており、これらの負荷にはワイヤハーネスを介して電源電力がそれぞれ供給されるようになっている。電源から負荷へ電力を供給するために、例えば、特許文献1に示すような車載システムが構成される。この特許文献1に示す車載システムは、マスタ制御部と複数のスレーブ制御部とがワイヤハーネスを介して互いに通信可能な状態で接続され、マスタ制御部および各スレーブ制御部のそれぞれが、下流側に接続された各負荷の通電のオンオフを制御するようになっている。
特許文献1のような車載システムにおいては、車両上の様々な負荷をその近傍のいずれかのスレーブ制御部またはマスタ制御部に必要に応じて接続できるので、ワイヤハーネスの構造を簡素化することができる。また、回路の短絡などに起因して負荷側に異常に大きい電流が流れる場合に、スレーブ制御部またはマスタ制御部が通電を遮断するようになっている。これにより、ワイヤハーネスを過電流から保護し、ワイヤハーネスの各部位における異常な発熱および発煙の発生を防止できる。
特開2017-92639号公報
しかしながら、上記のような車載システムの場合には、それぞれのスレーブ制御部の中にマイクロコンピュータなどの複雑な構成の電子回路を組み込む必要があるので、車両に搭載するスレーブ制御部の数を増やすと、システム全体のコストが大幅に上昇するという問題がある。特に、ワイヤハーネスの適切な保護のために高精度の計算処理を実施する場合には、それぞれのスレーブ制御部に処理能力の高いマイクロコンピュータを搭載しなければならず、各スレーブ制御部の部品コストが上昇する。
例えば、スレーブ制御部が、検出した電流が事前に定めた閾値を超えた場合に負荷への通電を遮断するような単純な制御のみを行うようにした場合、スレーブ制御部は、必ずしも高価な部品を搭載する必要はない。しかし、このような単純な制御は、ワイヤハーネスをその特性に合わせて適切に保護することができない。すなわち、このようなスレーブ制御部は、実際にワイヤハーネスから発煙が発生するまでに電流容量および時間に十分な余裕があるにもかかわらず、一時的な電流の増大や、ノイズの発生などに反応して負荷の通電を遮断する可能性がある。その結果、通電の遮断が頻繁に発生し、車両の所望の動作が得られない可能性がある。逆に、通電を遮断するまでの所要時間が長く設定されると、ワイヤハーネスからの発煙を防止できない可能性が生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイヤハーネスの保護を高精度で実施すると共に、必要なハードウェアのコスト上昇を抑制可能な通電制御方法および電源制御システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る通電制御方法および電源制御システムは、下記(1)~(5)を特徴としている。
(1) ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有する電源制御システムを制御し、前記複数の電源制御部の下流側の負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するための通電制御方法であって、
前記複数の電源制御部を、マスタ電源制御部、および1つ以上のスレーブ電源制御部として割り当て、
前記スレーブ電源制御部における通電状態情報を前記スレーブ電源制御部から前記マスタ電源制御部へ定期的に通知し、
前記マスタ電源制御部が、前記スレーブ電源制御部から受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を実施し、
前記計算の結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部が前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令を送信し、
前記スレーブ電源制御部が、少なくとも前記遮断命令を受信した場合に下流側の負荷への電力供給を遮断する、
ことを特徴とする通電制御方法。
(2) 前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知し、
前記スレーブ電源制御部が、前記マスタ電源制御部からの前記確認情報の通信途絶の有無を判別し、
前記スレーブ電源制御部が前記確認情報の通信途絶を検知した場合には、前記スレーブ電源制御部が前記遮断命令とは無関係な自律保護制御を実行して、前記スレーブ電源制御部の下流側のワイヤハーネスを保護する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の通電制御方法。
(3) ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有し、前記複数の電源制御部のそれぞれが少なくとも下流側の負荷通電異常に対してワイヤハーネスを保護する保護機能を有する電源制御システムであって、
前記複数の電源制御部として、マスタ電源制御部と、1つ以上のスレーブ電源制御部とを有し、
前記スレーブ電源制御部における通電状態情報を前記マスタ電源制御部へ定期的に通知する通電状態送信部と、
受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を前記マスタ電源制御部側で実施する保護計算部と、
前記保護計算部の計算結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令を送信する遮断命令送信部と、
前記スレーブ電源制御部が少なくとも前記遮断命令を受信した場合に、下流側の負荷への電力供給を遮断するスレーブ遮断制御部と、
を備えることを特徴とする電源制御システム。
(4) 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知する確認信号送信部を備え、
前記スレーブ電源制御部は、
前記マスタ電源制御部からの前記確認情報を受信すると共に、前記確認情報の通信途絶の有無を判別する通信途絶判別部と、
前記確認情報の通信途絶を検知した場合に、前記遮断命令とは無関係な自律保護制御を実行して下流側のワイヤハーネスを保護する自律保護制御部とを備える、
ことを特徴とする上記(3)に記載の電源制御システム。
(5) 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に比べて処理能力の高い計算機のハードウェアを備える、
ことを特徴とする上記(3)または(4)に記載の電源制御システム。
上記(1)の構成の通電制御方法によれば、負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するために高精度の計算処理を行う場合であっても、マスタ電源制御部側がこの計算処理を集中的に行うことが可能である。したがって、高性能のコンピュータをマスタ電源制御部だけに搭載しておけば、スレーブ電源制御部側に高性能の部品を搭載する必要はなく、多数のスレーブ電源制御部を装備する場合でもシステム全体のコスト上昇を大幅に抑制できる。
上記(2)の構成の通電制御方法によれば、マスタ電源制御部とスレーブ電源制御部との間で通信ができない状況が発生した場合であっても、スレーブ電源制御部が自律保護制御を実行するので、ワイヤハーネスを保護できる。また、自律保護制御は一時的な制御であるため、高い処理能力を要しない簡易制御で実現することにより、スレーブ電源制御部における部品コストの上昇を抑制できる。
上記(3)の構成の電源制御システムによれば、負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するために高精度の計算処理を必要とする場合であっても、この計算処理をマスタ電源制御部側だけで集中的に行うことが可能である。したがって、高性能のコンピュータをマスタ電源制御部に搭載しておけば、スレーブ電源制御部側に高性能の部品を搭載する必要はなく、多数のスレーブ電源制御部を装備する場合でもシステム全体のコスト上昇を大幅に抑制できる。
上記(4)の構成の電源制御システムによれば、マスタ電源制御部とスレーブ電源制御部との間で通信ができない状況が発生した場合であっても、スレーブ電源制御部が自律保護制御を実行するので、ワイヤハーネスを保護できる。また、自律保護制御は一時的な制御であるため、高い処理能力を要しない簡易制御で実現することにより、スレーブ電源制御部における部品コストの上昇を抑制できる。
上記(5)の構成の電源制御システムによれば、前記スレーブ電源制御部に関する部品コストを削減できるので、多数のスレーブ電源制御部を装備する場合でもシステム全体のコスト上昇を大幅に抑制できる。
本発明の通電制御方法および電源制御システムによれば、ワイヤハーネスの保護を高精度で実施すると共に、必要なハードウェアのコスト上昇を抑制できる。すなわち、負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するために高精度の計算処理を必要とする場合でも、この計算処理をマスタ電源制御部側だけで集中的に行うことが可能であり、高性能のコンピュータをマスタ電源制御部側に搭載すれば、スレーブ電源制御部側に高性能の部品を搭載する必要はない。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態における電源制御システムの構成例を示すブロック図である。 図2は、図1の電源制御システムの主要部の概要を示すブロック図である。 図3は、マスタ電源ボックスおよびスレーブ電源ボックスの詳細な機能構成例を示すブロック図である。 図4は、図1の電源制御システムの動作例を示すタイムチャートである。 図5は、スレーブ電源ボックス内部における主要な動作を示すフローチャートである。 図6は、ワイヤハーネスの発煙特性および図1の電源制御システムが高精度の保護を実施する場合の動作特性の例を示すグラフである。 図7は、スレーブ電源ボックスが簡易な保護を実施する場合の動作特性の例を示すタイムチャートである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<電源制御システムの構成例>
図1は、本発明の実施形態における電源制御システム100の構成例を示すブロック図である。
図1に示した電源制御システム100は、オプション装備を含む様々な種類の電装品を車両に搭載する際に、電源電力の供給を行ったり、負荷の通電のオンオフ等を制御する制御信号を伝送するための電気接続を実現するための構成を含んでいる。
図1に示した例では、負荷41、42、および43として、3つの電装品を接続する場合を想定している。なお、実際に接続される電装品の数、種類、接続位置などは、このシステムを搭載する車両の仕様、すなわち車種の違い、仕向地の違い、グレードの違いなどにより変化する。負荷41~43の代表例としては、エアコン、ヘッドランプ等の照明装置、パワーウインドゥ装置、ドアロック装置、パワースライドドア装置、ドアクローザー装置、ドアミラー装置、サンシェード装置などがある。
上記のような各電装品は、例えば電気モータ、ランプ、リレーのような電気的に駆動可能な負荷を内蔵しているので、車両側から電源電力を供給すると共に、通電のオンオフ等を外部から制御する必要がある。
また、上記のような電装品は、例えば車種の違いに応じて搭載の有無が決まったり、ユーザの選択可能なオプション装備として用意される場合がある。したがって、負荷41~43の各々は、実際には搭載されない場合もあるし、種類の異なる補機が必要に応じて接続される場合もある。
そこで、電源制御システム100は、各負荷41~43を、ワイヤハーネスW/Hの任意の箇所に後付けで接続できるように構成されている。実際には、ワイヤハーネスW/Hの途中の複数の箇所にマスタ電源ボックス20、および複数のスレーブ電源ボックス30(1)、30(2)、・・・が接続され、これらのいずれかの下流側に各負荷41~43が必要に応じて接続される。後述するように、マスタ電源ボックス20、および各スレーブ電源ボックス30は、マスタおよびスレーブの制御部としての機能を内蔵している。
したがって、接続対象の電装品毎に幹線から分岐したサブハーネスを用意しておかなくても、各負荷41~43はワイヤハーネスW/Hに直接的に接続されるので、ワイヤハーネスの構成を簡素化することができる。また、負荷を接続しない場合に、付け捨てになる部品(サブハーネス等)が増えることもない。
図1に示した電源制御システム100の例では、ワイヤハーネスW/Hは、電源線W1、通信線W2、及びアース線W3の3本の電線で構成されている。なお、アース接続については、各電源ボックスの近傍や、各電装品の近傍で車体アース25と接続することが可能であるため、必ずしもワイヤハーネスW/Hにアース線を含める必要はない。
ワイヤハーネスW/Hの電源線W1には、車両上の主電源であるバッテリー等の出力から、ジャンクションボックス10の内部で分配された1つの系統の電源電力、例えば+12Vの直流電圧が供給される。
ワイヤハーネスW/Hの通信線W2は、各電源ボックス20、30の間でデータ通信を行うための伝送路を形成する。例えば、マスタ電源ボックス20及び各スレーブ電源ボックス30は、CAN (Controller Area Network)、あるいはCXPI(Clock Extension Peripheral Interface)、LIN(Local Interconnect Network)のような通信規格に従って通信するためのインタフェースを内蔵しており、マスタ電源ボックス20及び各スレーブ電源ボックス30は、通信線W2を経由して相互にデータ通信を行うことができる。
<電源制御システムの主要部の概要>
図2は、図1の電源制御システムの主要部の概要を示すブロック図である。
マスタ電源ボックス20は、CPU21、半導体スイッチ22、およびトランシーバ23を内蔵している。
CPU21は、マイクロコンピュータを主体とする電子回路により構成されている。本実施形態では、CPU21は、電源制御システム100全体の制御、およびワイヤハーネス保護のための精度の高い計算処理を単独で実施する。したがって、CPU21は比較的高い処理性能を有している。
半導体スイッチ22は、例えば市販のIPD(インテリジェントパワーデバイス)のように、比較的大きな電力のオンオフを電気的な制御で切り替え可能な半導体デバイスである。図2に示した例では、半導体スイッチ22の制御入力端子がCPU21の出力ポートと接続されている。また、半導体スイッチ22の出力端子には、ワイヤハーネスW/Hの一部分である保護対象電線W11を経由して負荷41が接続されている。半導体スイッチ22の電源入力端子には、電源線W1等から電源電力が供給される。
トランシーバ23は、上記CAN、CXPI、LIN等の通信機能を実現する通信デバイスである。
図2に示したスレーブ電源ボックス30は、トランシーバ31、制御ロジック32、および半導体スイッチ33を内蔵している。
トランシーバ31は、上記CAN、CXPI、LIN等の通信機能を実現する通信デバイスであり、通信線W2を経由して、スレーブ電源ボックス30とマスタ電源ボックス20との間でデータ通信を行うための機能を実現する。
半導体スイッチ33は、半導体スイッチ22と同様に比較的大きな電力のオンオフを電気的な制御で切り替え可能な半導体デバイスである。図2に示した例では、半導体スイッチ33の制御入力端子が制御ロジック32の出力ポートと接続されている。また、半導体スイッチ33の出力端子には、ワイヤハーネスW/Hの一部分である保護対象電線W12を経由して負荷42が接続されている。半導体スイッチ33の電源入力端子には、電源線W1等から電源電力が供給される。
制御ロジック32は、スレーブ電源ボックス30に必要とされる制御機能を実現する電子回路であり、アナログ回路、デジタル回路、マイクロコンピュータなどのいずれでも実現可能である。但し、本実施形態では電源制御システム100が全体として高精度の制御を実施する場合であっても、スレーブ電源ボックス30に要求される処理能力は比較的低いので、制御ロジック32は比較的低コストの電子回路で構成できる。
後述するように、制御ロジック32の主な機能は、保護対象電線W12の保護である。例えば、負荷42の短絡などが発生して保護対象電線W12に異常に大きい負荷電流iLが流れた時に、半導体スイッチ33は、通電を遮断して、保護対象電線W12がジュール熱で発熱し発煙状態に至ることを防止する。
この保護機能を実現するために、制御ロジック32は、負荷電流iLの検出値をトランシーバ31および通信線W2を用いてマスタ電源ボックス20へ送信する。この信号が負荷電流値信号SG1であり、定期的に送信される。負荷電流値信号SG1の送信周期は、例えば200[ms]以下とする。
マスタ電源ボックス20内のCPU21は、通信線W2を経由して受信した負荷電流値信号SG1に基づいて、保護対象電線W12の通電状況や発煙の可能性の状況を把握し、保護対象電線W12に対する通電遮断の必要性の有無を識別する。CPU21は、この処理の際に高度な計算処理を実施することにより、保護対象電線W12の保護を適切に実施する。
CPU21は、保護対象電線W12の通電遮断が必要になると判断すると、遮断命令信号SG2を生成し、これをトランシーバ23および通信線W2を用いてスレーブ電源ボックス30へ送信する。スレーブ電源ボックス30内の制御ロジック32は、遮断命令信号SG2に従って半導体スイッチ33を制御し、保護対象電線W12の通電を遮断する。
なお、マスタ電源ボックス20内のCPU21は、マスタ電源ボックス20自身の下流側に接続された保護対象電線W11および負荷41についても、スレーブ側の負荷と同様の保護を実施する。また、CPU21が十分に高い処理能力を有する場合には、同時に多数のスレーブ電源ボックス30のそれぞれの下流側に接続された保護対象電線W12を保護できる。
<詳細な機能構成例>
図3は、マスタ電源ボックス20およびスレーブ電源ボックス30の詳細な機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、マスタ電源ボックス20は、確認信号送信部21a、電線保護計算部21b、遮断命令送信部21c、負荷制御部21d、電流検出部21e、および通電遮断部21fを内部に備えている。これらの各機能は、例えばCPU21が所定のソフトウェアを実行することにより実現できる。
確認信号送信部21aは、後述する確認信号SG01を定期的にマスタ電源ボックス20から各スレーブ電源ボックス30に向けて送出するための機能である。スレーブ電源ボックス30は、この確認信号SG01を定期的に受信することにより、マスタ電源ボックス20との間で通信ができる状態であることを把握できる。
電線保護計算部21bは、それぞれの保護対象電線W12に通電している電流値に基づいて、発熱量を精密に算出し、保護対象電線W12に発煙が生じる前に、それを保護するための遮断命令を生成する。遮断命令送信部21cは、電線保護計算部21bの生成した遮断命令を、トランシーバ23および通信線W2を用いて送信する。すなわち、遮断命令送信部21cは、図2に示した遮断命令信号SG2を送信する。
負荷制御部21dは、例えばユーザのスイッチ操作などに応じて生成される負荷操作信号SG21に従い、半導体スイッチ22のオンオフを制御するための信号を生成し、その信号を半導体スイッチ22の制御端子22cに印加する。したがって、ユーザの操作等により負荷41に対する電力供給のオンオフを制御できる。
電流検出部21eは、半導体スイッチ22および保護対象電線W11を通過して負荷41に流れる電流の大きさを検出する機能を有している。電流検出部21eが検出した電流値の情報は電線保護計算部21bに入力され、保護対象電線W11の保護のために必要な計算を行う際に利用される。
通電遮断部21fは、保護対象電線W11を発煙から保護するための遮断命令を電線保護計算部21bが生成したときに、この遮断命令に従って、半導体スイッチ22の通電を遮断するための信号を制御端子22cに印加する。なお、通電遮断部21fが出力する信号は負荷制御部21dの出力よりも優先度が高く、負荷制御部21dの出力がオン状態であっても、通電遮断部21fの出力する信号により半導体スイッチ22の通電が遮断される。
一方、スレーブ電源ボックス30は、電流検出部32a、電流値情報送信部32b、イベント情報送信部32c、通電遮断部32d、負荷制御部32e、通信途絶判別部32f、および自律保護制御部32gを内部に備えている。これらの各機能は、制御ロジック32内部の回路により実現される。
電流検出部32aは、半導体スイッチ33および保護対象電線W12を通過して負荷42に流れる電流の大きさを検出する機能を有している。電流検出部32aが検出した電流値の情報は、電流値情報送信部32bおよび自律保護制御部32gに入力され、保護対象電線W12の保護のために利用される。
電流値情報送信部32bは、電流検出部32aが検出した電流値の情報を、トランシーバ31および通信線W2を用いて定期的に送出する。つまり、電流値情報送信部32bは、図2に示した負荷電流値信号SG1を送信する。
イベント情報送信部32cは、スレーブ電源ボックス30の最新の状態や発生したイベントを表すイベント情報を、所定の条件を満たした時にトランシーバ31および通信線W2を用いて送信する。例えば、イベント情報送信部32cは、負荷42への通電がオンに切り替わったことを示すイベント情報や、保護のために半導体スイッチ33を遮断したことを示すイベント情報を送信する。
通電遮断部32dは、マスタ電源ボックス20から自ノード宛ての遮断命令信号SG2をトランシーバ31が受信した場合に、この遮断命令信号SG2に従い、半導体スイッチ33の通電を遮断するための信号を制御端子33cに印加する。なお、通電遮断部32dの出力は、負荷制御部32eの出力信号よりも優先される。
負荷制御部32eは、例えばユーザのスイッチ操作などに応じて生成される負荷操作信号SG22に従い、半導体スイッチ33のオンオフを制御するための信号を生成し、この信号を半導体スイッチ33の制御端子33cに印加する。したがって、ユーザの操作等により負荷42に対する電力供給のオンオフが制御される。
通信途絶判別部32fは、マスタ電源ボックス20から定期的に送信される確認信号SG01をトランシーバ31が受信しているかどうかを調べることにより、通信途絶状態か否かを判別し、この判別結果を自律保護制御部32gに与える。すなわち、通信途絶判別部32fは、何らかの通信障害が発生し、スレーブ電源ボックス30とマスタ電源ボックス20とが通信できない状態になったことを検知すると、自律保護制御部32gの制御をアクティブな状態に切り替える。スレーブ電源ボックス30とマスタ電源ボックス20とが通信できる通常の状態では、通信途絶判別部32fの指示により自律保護制御部32gの動作は無効化される。
自律保護制御部32gは、スレーブ電源ボックス30とマスタ電源ボックス20とが通信できない時に、自立的な制御により下流の保護対象電線W12を保護する。すなわち、スレーブ電源ボックス30とマスタ電源ボックス20とが通信できなくなると、マスタ電源ボックス20は、保護対象電線W12に過大な電流が流れたとしても、電流の状態を把握できず、また、スレーブ電源ボックス30は、マスタ電源ボックス20からの遮断命令信号SG2を受信できなくなる。このような状況において、自律保護制御部32gは、保護対象電線W12を過電流から保護する。
なお、自律保護制御部32gは、比較的簡易な制御のみを実施するようにし、複雑な計算のような高い処理能力を要しないものとする。そのため、自律保護制御部32gの機能は、例えば低コストのアナログ回路、デジタル回路、マイクロコンピュータなどのいずれかのハードウェアを利用して容易に実現できる。
実際に自律保護制御部32gに必要とされる機能は、電流検出部32aが検出した電流値と、事前に定めた電流の閾値とを比較して、過電流を検知した場合に半導体スイッチ33を遮断するための動作である。但し、負荷42の通電を開始した直後に発生する一時的な突入電流に反応して誤動作するのを避けるために、通電開始から一定時間の間は保護動作を無効化する。また、ノイズの影響で誤動作するのを避けるために、自律保護制御部32gは、簡易な構成のフィルタを用いて検出した電流値を平均化処理する。
したがって、マスタ電源ボックス20とスレーブ電源ボックス30とが通信できない状況であれば、保護対象電線W12に過電流が流れた時に、通電遮断部32dが遮断制御を行わなくても、自律保護制御部32gがその出力信号で半導体スイッチ33を遮断する。
<電源制御システムの動作例>
図4は、図1の電源制御システム100の動作例を示すタイムチャートである。
図4中の最上部に示すように、マスタ電源ボックス20から送出される確認信号SG01は、一定の制御周期T0で定期的に通信線W2上に現れる。したがって、スレーブ電源ボックス30の通電遮断部32dは、受信した確認信号SG01を監視して、これを受信している間は、通信状態が正常であるとみなすことができる。
負荷制御部32eが負荷操作信号SG22に従って、半導体スイッチ33および負荷42をオンに切り替える時(通電開始時:t02)には、この動作開始を表すイベント情報SG02が、スレーブ電源ボックス30内のイベント情報送信部32cによって送信され、これが通信線W2上に現れる。
したがって、スレーブ電源ボックス30内においては、スイッチ制御状態SG03として示すように、時刻t02で半導体スイッチ(IPD)33がオンに切り替わる。また、負荷電流値SG04として示すように、時刻t02から半導体スイッチ33に電流が流れ、この電流値が電流検出部32aで検出される。
電流検出部32aが検出した電流値は、一定の制御周期T1毎に、例えば平均化されるように集計され、その結果が電流値情報送信部32bにより負荷電流値信号SG1として定期的に送信される。したがって、マスタ電源ボックス20は、電源線W1を介して負荷電流値信号SG1を受信し、スレーブ側の保護対象電線W12に流れている電流値を定期的に把握できる。
また、マスタ電源ボックス20内の電線保護計算部21bは、受信した負荷電流値信号SG1の値に基づいて処理PR1を実行することができる。すなわち、保護対象電線W12を発煙から保護するために必要な計算処理を電線保護計算部21bが時刻t04から開始する。具体的には、保護対象電線W12の固有の発煙特性のカーブ(図6参照)と、電流値およびその変化と時間経過とに基づいて、発煙状態になる前の適切なタイミングで遮断命令を電線保護計算部21bが生成する。
図4に示した例では、時刻t05の近傍で負荷42に短絡(ショート)が発生した場合を想定しているので、その次の時刻t06で送信される負荷電流値信号SG1に短絡の影響が反映される。つまり、異常に増大した電流値が時刻t6でスレーブ電源ボックス30から送信される。したがって、マスタ電源ボックス20内の電線保護計算部21bが時刻t06以降に遮断命令を生成し、時刻t07で遮断命令送信部21cが遮断命令信号SG2を通信線W2に送出する。
スレーブ電源ボックス30内では、時刻t07で遮断命令信号SG2を受信すると、通電遮断部32dが直ちに半導体スイッチ33を遮断する。これにより、保護対象電線W12が発煙から保護される。
<スレーブ側の主要な動作>
スレーブ電源ボックス30内部における主要な動作を図5に示す。図5の動作について以下に説明する。
スレーブ電源ボックス30内の負荷制御部32eは、負荷操作信号SG22による負荷オン指示をステップS11で検知すると、ステップS12で半導体スイッチ33をオンに切り替えて負荷42の通電を開始する。この場合、イベント情報送信部32cがステップS13で通電開始のイベント情報を送信し、電流値情報送信部32bが電流検出部32aの検出した電流値をステップS14で定期的に送信する。
また、スレーブ電源ボックス30内の負荷制御部32eは、負荷操作信号SG22による負荷オフ指示をステップS15で検知すると、ステップS16で半導体スイッチ33をオフに切り替えて負荷42の通電を終了する。この場合、イベント情報送信部32cがステップS17で通電終了のイベント情報を送信する。なお、電流値情報送信部32bからの電流値の送信は停止する。
スレーブ電源ボックス30内の通電遮断部32dは、マスタ電源ボックス20が送信した遮断命令信号SG2をステップS18で検知すると、ステップS19で直ちに半導体スイッチ33を遮断して負荷42の通電を止める。また、この場合は通電を遮断したことを示すイベント情報をステップS20でイベント情報送信部32cが送信する。
一方、マスタ電源ボックス20が確認信号SG01の送信を停止するか、又はスレーブ電源ボックス30が確認信号SG01を受信できない状態になると、通電遮断部32dはステップS21で通信途絶を検知して、自律保護制御部32gの動作をアクティブに切り替える。その結果、自律保護制御部32gは、ステップS22で自律的な制御を実施して保護対象電線W12を保護する。
<動作特性の例>
ワイヤハーネスの発煙特性および図1の電源制御システムが高精度の保護を実施する場合の動作特性の例を図6に示す。
図6において、横軸は保護対象電線W12に流れる電流値、縦軸は時間をそれぞれ表している。図6に示した特性カーブC0は、保護対象電線W12が発煙を開始する条件の電流値と時間の関係を表している。また、特性カーブC1は、電線保護計算部21bが高精度の計算処理を実施した場合に適用可能な電流の閾値と時間との関係を表している。また、特性カーブC2は、比較的単純な制御により保護対象電線W12を保護する場合の電流閾値と時間との関係を表している。
図1~図5に示した電源制御システム100においては、改良前の特性カーブC2と比べて発煙特性の特性カーブC0に近い特性カーブC1を利用できるので、より適切なタイミングで半導体スイッチ33を遮断制御することができる。
図6の例では、85[A]の電流が600[ms]の時間だけ継続して流れる前に通電を遮断することにより、特性カーブC0の条件を満たし、保護対象電線W12の発煙を防止できる状況を想定している。ここで、電流値が比較的小さい領域(例えば40~60[A]程度の範囲)では、特性カーブC0には発煙までの時間的な余裕が十分にある。しかし、電源制御システムが改良前の特性カーブC2を利用する場合には、時間的に余裕がある場合でも、電流値が閾値を超えると300[ms]程度の短時間で遮断されてしまうので、遮断が頻繁に発生したり、誤動作が生じる可能性がある。
一方、電源制御システムが特性カーブC1を利用する場合には、実際の特性カーブC0を考慮して、電流値が閾値を超えてから遮断実行までの時間を遅らせることができる。つまり、検出された電流値の増大が一時的なものであったり、ノイズの影響受けたような場合には、600[ms]の時間に近づくまで電流を遮断せずに待機することができるので、遮断が頻繁に発生したり、誤動作が生じるのを避けることができる。電源制御システムは、このような計算を、マスタ電源ボックス20側の電線保護計算部21bによって集中的に実施する。
<簡易保護の場合の動作特性例>
スレーブ電源ボックス30が簡易な保護を実施する場合の動作特性の例を図7に示す。すなわち、マスタ電源ボックス20とスレーブ電源ボックス30との間で通信ができないときに、自律保護制御部32gが図7に示した閾値Lmを利用して半導体スイッチ33の遮断制御を実施する。
図7において、横軸は時間、縦軸は電流値をそれぞれ表している。また、特性カーブC0は、保護対象電線W12の発煙特性を表している。図7中に示した負荷電流iLの波形のように、負荷の通電開始時には一時的に大きな突入電流が流れる。したがって、通電開始から一定時間のマスク期間Twの間は、負荷電流iLの値が閾値Lmを超えても無視するように自律保護制御部32gが処理する。
また、比較的短い時間だけであれば、負荷電流iLの値が閾値Lmを超えても保護対象電線W12が発煙することはない。したがって、検出した負荷電流iLの値の平均化処理などによりフィルタリングを実施する。例えば、自律保護制御部32gは、10[ms]程度の時定数のフィルタを用いて負荷電流iLの値を平均化してから、その結果と閾値Lmとを比較して、通電遮断の可否を判断する。
以上説明したように、電源制御システム100においては、保護対象電線W12の発煙を防止するために高精度の制御を実施できるので、負荷42に対する通電の遮断が頻繁に発生したり誤動作するのを避けることができる。しかも、保護対象電線W12の保護のために必要な高度な計算処理をマスタ電源ボックス20側で集中的に実施できるので、高性能なCPU等を各スレーブ電源ボックス30に搭載する必要がない。そのため、多数のスレーブ電源ボックス30を搭載するシステムの場合でも、車両全体のコスト上昇を抑制できる。
また、マスタ電源ボックス20とスレーブ電源ボックス30との間で通信ができない状況が生じた場合でも、自律保護制御部32gが自律的な制御を実施するので、保護対象電線W12を発煙しないように確実に保護できる。また、マスタ電源ボックス20側に高性能なCPU21を搭載することにより、多数のスレーブ電源ボックス30のそれぞれの下流側に接続される保護対象電線W12を集中的に管理できる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る通電制御方法および電源制御システムの特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有する電源制御システムを制御し、前記複数の電源制御部の下流側の負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するための通電制御方法であって、
前記複数の電源制御部を、マスタ電源制御部(マスタ電源ボックス20)、および1つ以上のスレーブ電源制御部(スレーブ電源ボックス30)として割り当て、
前記スレーブ電源制御部における通電状態情報(負荷電流値信号SG1)を前記スレーブ電源制御部から前記マスタ電源制御部へ定期的に通知し(S14)、
前記マスタ電源制御部が、前記スレーブ電源制御部から受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を実施し(電線保護計算部21b)、
前記計算の結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部が前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令(遮断命令信号SG2)を送信し(遮断命令送信部21c)、
前記スレーブ電源制御部が、少なくとも前記遮断命令を受信した場合に下流側の負荷への電力供給を遮断する(通電遮断部32d、S18、S19)、
ことを特徴とする通電制御方法。
[2] 前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知し(確認信号送信部21a)、
前記スレーブ電源制御部が、前記マスタ電源制御部からの前記確認情報の通信途絶の有無を判別し(通信途絶判別部32f、S21)、
前記スレーブ電源制御部が前記確認情報の通信途絶を検知した場合には、前記スレーブ電源制御部が前記遮断命令とは無関係な自律保護制御(自律保護制御部32g、S22)を実行して、前記スレーブ電源制御部の下流側のワイヤハーネス(保護対象電線W12)を保護する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の通電制御方法。
[3] ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有し、前記複数の電源制御部のそれぞれが少なくとも下流側の負荷通電異常に対してワイヤハーネスを保護する保護機能を有する電源制御システムであって、
前記複数の電源制御部として、マスタ電源制御部(マスタ電源ボックス20)と、1つ以上のスレーブ電源制御部(スレーブ電源ボックス30)とを有し、
前記スレーブ電源制御部における通電状態情報を前記マスタ電源制御部へ定期的に通知する通電状態送信部(電流値情報送信部32b)と、
受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を前記マスタ電源制御部側で実施する保護計算部(電線保護計算部21b)と、
前記保護計算部の計算結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令を送信する遮断命令送信部(21c)と、
前記スレーブ電源制御部が少なくとも前記遮断命令を受信した場合に、下流側の負荷への電力供給を遮断するスレーブ遮断制御部(通電遮断部32d)と、
を備えることを特徴とする電源制御システム。
[4] 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知する確認信号送信部(21a)を備え、
前記スレーブ電源制御部は、
前記マスタ電源制御部からの前記確認情報を受信すると共に、前記確認情報の通信途絶の有無を判別する通信途絶判別部(32f)と、
前記確認情報の通信途絶を検知した場合に、前記遮断命令とは無関係な自律保護制御を実行して下流側のワイヤハーネスを保護する自律保護制御部(32g)とを備える、
ことを特徴とする上記[3]に記載の電源制御システム。
[5] 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に比べて処理能力の高い計算機のハードウェア(CPU21)を備える、
ことを特徴とする上記[3]または[4]に記載の電源制御システム。
10 ジャンクションボックス
20 マスタ電源ボックス
21 CPU
21a 確認信号送信部
21b 電線保護計算部
21c 遮断命令送信部
21d 負荷制御部
21e 電流検出部
21f 通電遮断部
22 半導体スイッチ
22a,33a 電源入力端子
22b,33b 出力端子
22c,33c 制御端子
23 トランシーバ
25 アース
30 スレーブ電源ボックス
31 トランシーバ
32 制御ロジック
32a 電流検出部
32b 電流値情報送信部
32c イベント情報送信部
32d 通電遮断部
32e 負荷制御部
32f 通信途絶判別部
32g 自律保護制御部
33 半導体スイッチ
41,42,43 負荷
100 電源制御システム
W/H ワイヤハーネス
W1 電源線
W2 通信線
W3 アース線
W11,W12 保護対象電線
iL 負荷電流
SG1 負荷電流値信号
SG2 遮断命令信号
SG21,SG22 負荷操作信号
SG01 確認信号
SG02 イベント情報
SG03 スイッチ制御状態
SG04 負荷電流値
PR1 処理
T0,T1 制御周期
Vb 電源ライン

Claims (5)

  1. ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有する電源制御システムを制御し、前記複数の電源制御部の下流側の負荷通電異常からワイヤハーネスを保護するための通電制御方法であって、
    前記複数の電源制御部を、マスタ電源制御部、および1つ以上のスレーブ電源制御部として割り当て、
    前記スレーブ電源制御部における通電状態情報を前記スレーブ電源制御部から前記マスタ電源制御部へ定期的に通知し、
    前記マスタ電源制御部が、前記スレーブ電源制御部から受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を実施し、
    前記計算の結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部が前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令を送信し、
    前記スレーブ電源制御部が、少なくとも前記遮断命令を受信した場合に下流側の負荷への電力供給を遮断する、
    ことを特徴とする通電制御方法。
  2. 前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知し、
    前記スレーブ電源制御部が、前記マスタ電源制御部からの前記確認情報の通信途絶の有無を判別し、
    前記スレーブ電源制御部が前記確認情報の通信途絶を検知した場合には、前記スレーブ電源制御部が前記遮断命令とは無関係な自律保護制御を実行して、前記スレーブ電源制御部の下流側のワイヤハーネスを保護する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通電制御方法。
  3. ワイヤハーネスに接続された複数の負荷への電力供給をそれぞれ制御可能な複数の電源制御部を有し、前記複数の電源制御部のそれぞれが少なくとも下流側の負荷通電異常に対してワイヤハーネスを保護する保護機能を有する電源制御システムであって、
    前記複数の電源制御部として、マスタ電源制御部と、1つ以上のスレーブ電源制御部とを有し、
    前記スレーブ電源制御部における通電状態情報を前記マスタ電源制御部へ定期的に通知する通電状態送信部と、
    受信した前記通電状態情報に基づいて、前記スレーブ電源制御部におけるワイヤハーネス保護のための計算を前記マスタ電源制御部側で実施する保護計算部と、
    前記保護計算部の計算結果が所定の保護条件を満たす場合に、前記マスタ電源制御部から前記スレーブ電源制御部に所定の遮断命令を送信する遮断命令送信部と、
    前記スレーブ電源制御部が少なくとも前記遮断命令を受信した場合に、下流側の負荷への電力供給を遮断するスレーブ遮断制御部と、
    を備えることを特徴とする電源制御システム。
  4. 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に対して所定の確認情報を定期的に通知する確認信号送信部を備え、
    前記スレーブ電源制御部は、
    前記マスタ電源制御部からの前記確認情報を受信すると共に、前記確認情報の通信途絶の有無を判別する通信途絶判別部と、
    前記確認情報の通信途絶を検知した場合に、前記遮断命令とは無関係な自律保護制御を実行して下流側のワイヤハーネスを保護する自律保護制御部とを備える、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電源制御システム。
  5. 前記マスタ電源制御部は、前記スレーブ電源制御部に比べて処理能力の高い計算機のハードウェアを備える、
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電源制御システム。
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