JP7211287B2 - 座屈応力度の推定装置、座屈応力度の推定方法、及び座屈応力度の推定プログラム - Google Patents
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Description
しかし、H形鋼の局部座屈ではウェブ及びフランジが相互に作用しあうため、従来の幅厚比区分ではH形鋼の座屈応力度(局部座屈応力度)を精度良く推定できない。H形鋼に曲げモーメントが作用したときの局部座屈の形状は、ウェブ及びフランジともに複雑な周期的挙動を示すため、(1)式であらわされるフーリエ級数を(1-1)式のように表現を変えて用いればH形鋼の板要素であるウェブ等の面外変位Wwを推定することができる(例えば、非特許文献1参照)。
ただし、bwはH形鋼の両フランジにおける厚さ方向の中心間の距離である。
本発明の座屈応力度の推定装置は、材軸方向に延びるx軸及び板幅方向に延びるy軸に沿ってそれぞれ広がるウェブ板要素と、前記ウェブ板要素を前記y軸に沿う方向に挟むように配置された第1フランジ板要素及び第2フランジ板要素と、を備え、前記ウェブ板要素の板厚方向に延びるz軸回りに曲げモーメントが作用して座屈するH形鋼の座屈応力度を推定する座屈応力度の推定装置であって、前記第1フランジ板要素は、前記曲げモーメントにより引張力を受けるとし、前記第1フランジ板要素における前記y軸に沿う方向の中心の位置を、前記y軸の原点とし、前記第1フランジ板要素から前記第2フランジ板要素に向かう向きを、前記y軸の正の向きとし、前記y軸に沿う方向における前記第1フランジ板要素の中心と前記第2フランジ板要素の中心との距離をbwとし、前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向の第1端に向かうに従い、前記z軸の正の向き及び前記z軸の負の向きに交互に波状に変位する前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向における半波長をaとしたときに、前記ウェブ板要素における前記z軸に沿う方向に向けた面外変位Wwを(2)式により推定し、かつ、前記第1フランジ板要素、前記第2フランジ板要素における前記y軸に沿う方向に向けた面外変位Wf1、Wf2を(3)式、(4)式によりそれぞれ推定する変位推定部と、前記H形鋼の前記座屈応力度を、前記面外変位Ww、前記面外変位Wf1、Wf2、及びエネルギー法に基づいて求める応力度算出部と、を備えることを特徴としている。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
これらの発明によれば、曲げモーメントが作用するH形鋼に対して、(2)式により、x軸及びy軸の所定の座標におけるウェブ板要素の面外変位Wwを推定する。(3)式に示すように、ウェブ板要素の面外変位Wwをyで一階偏微分した関数のy軸の座標に0を代入した関数に対応して第1フランジ板要素の面外変位Wf1が定まる。そして、(4)式に示すように、ウェブ板要素の面外変位Wwをyで一階偏微分した関数のy軸の座標にbwを代入した関数に対応して第2フランジ板要素の面外変位Wf2が定まる。
これらの発明によれば、まず(2)式において、半波長aを定数として扱った状態で未定係数a1,a2,b1,及びb2を求め、次に半波長aを変数として扱い、(2)式における半波長aを求める。(2)式において未定係数a1等を求める際に、一度に求める未定係数の数が4つ以下であるため、解の公式が知られている4次以下の方程式を用いてa1,a2,b1,及びb2の未定係数を容易に求めることができる。
ただし、Eは前記H形鋼のヤング係数であり、νは前記H形鋼のポアソン比であり、twは前記ウェブ板要素の厚さであり、tfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの厚さであり、bfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの幅の半分の値である。
ただし、Eは前記H形鋼のヤング係数であり、νは前記H形鋼のポアソン比であり、twは前記ウェブ板要素の厚さであり、tfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの厚さであり、bfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの幅の半分の値である。
ただし、Eは前記H形鋼のヤング係数であり、νは前記H形鋼のポアソン比であり、twは前記ウェブ板要素の厚さであり、tfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの厚さであり、bfは前記第1フランジ板要素及び前記第2フランジ板要素それぞれの幅の半分の値である。
この座屈応力度の推定装置(推定装置、以下単に推定装置と言う)は、例えば図1に示す建築物1に、鉄骨梁として用いられるH形鋼10の座屈応力度を推定するのに用いられる。H形鋼10は、第1フランジ板要素11と、第2フランジ板要素12と、第1フランジ板要素11及び第2フランジ板要素12を互いに連結するウェブ板要素13と、を備えている。なお、図1では、後述する床スラブ20を二点鎖線で示している。
H形鋼10が備える第1フランジ板要素11、第2フランジ板要素12、及びウェブ板要素13は、弾性要素である鋼板で形成されている。弾性要素は、材料非線形を考慮しない要素である。
ウェブ板要素13は、ウェブ板要素13の厚さ方向に見たときに矩形を呈する平板状に形成されている。ウェブ板要素13は、ウェブ板要素13の厚さ方向が水平面に沿うように配置されている。ウェブ板要素13は、第1フランジ板要素11の上面における幅方向の中心と、第2フランジ板要素12の下面における幅方向の中心とを連結している。
建築物1は、床スラブ20上に図示しない設備を設置する等して用いられる。
主記憶装置55は、CPU51のワークエリア等になるRAM(Random Access Memory)等である。
入出力インタフェース65は、キーボードやマウス等の入力装置66、及び表示装置67に接続される。
記録・再生装置70は、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体71に対するデータの記録や再生を行う。
なお、これらのプログラムは、CDやDVD等のディスク型の記録媒体や、図示されていない通信装置を介して外部装置から補助記憶装置60に取り込まれてもよい。
ウェブ板要素13は、ウェブ板要素13の材軸方向に延びるx軸、及びウェブ板要素13の板幅方向に延びるy軸に沿ってそれぞれ広がるとする。x軸及びy軸のうち、例えばx軸は水平面に沿って延び、y軸は上下方向に沿って延びるとする。ウェブ板要素13の板厚方向に延びる軸を、z軸とする。x軸、y軸、及びz軸は、互いに直交する。z軸に沿う方向(以下、z軸方向と言う)に見て、ウェブ板要素13は、x軸に沿う方向(以下、x軸方向と言う)に延びる辺、及びy軸に沿う方向(以下、y軸方向と言う)に延びる辺をそれぞれ有する。ウェブ板要素13の面外変位は、ウェブ板要素13のz軸方向に向けた変位である。
H形鋼10は、x軸方向に十分長いとする。ここで言うH形鋼10がx軸方向に十分長いとは、H形鋼10のx軸方向の各端に配置されy軸方向に延びる表面(以下、x軸方向の端面と言う)10aの境界条件が、座屈変形に与える影響を無視できる程度の長さをH形鋼10が有していることを意味する。
H形鋼10のx軸方向の各端面10aに作用する曲げモーメントF1は、互い等しい大きさの外力である。この例では、第1フランジ板要素11が曲げモーメントF1により引張力を受け、第2フランジ板要素12が曲げモーメントF1により圧縮力を受け、H形鋼10が下方に向かって凸となって曲がるように、H形鋼10に曲げモーメントF1が作用している。
x軸に沿って変位したウェブ板要素13の1波長分において、x軸方向の第1端とは反対の第2端をx軸の原点とし、この第2端からx軸方向の第1端に向かう向きをx軸の正の向きとする。
z軸の原点を、ウェブ板要素13のz軸方向の中心(厚さ方向の中心)とする。z軸の正の向きを、x軸の正の向き及びy軸の正の向きに対して、右手系の直交座標系を構成する向きとする。
ウェブ板要素13の厚さ(z軸方向の長さ)を、twとする。y軸方向における第1フランジ板要素11の中心と第2フランジ板要素12の中心との距離を、bwとする。
第1フランジ板要素11の幅(z軸方向の長さ)及び第2フランジ板要素12の幅は互いに等しく、第1フランジ板要素11及び第2フランジ板要素12それぞれの幅の半分のの値を、bfとする。なお、第1フランジ板要素11及び第2フランジ板要素12それぞれの幅を、Bfとする。
第1フランジ板要素11の厚さ及び第2フランジ板要素12の厚さは互いに等しく、第1フランジ板要素11及び第2フランジ板要素12それぞれの厚さを、tfとする。
H形鋼10(ウェブ板要素13、第1,2フランジ板要素11,12)のヤング係数をEとし、H形鋼10のポアソン比をνとする。
1.ウェブ板要素13の厚さは薄く、ウェブ板要素13の厚さはウェブ板要素13のx軸方向の長さ及びy軸方向の長さに比べて短い。
2.ウェブ板要素13のたわみ(座屈による面外変位)は小さく、ウェブ板要素13の厚さよりも小さい。
3.ウェブ板要素13の厚さ方向の中央面は、ウェブ板要素13の曲げによって伸縮することなく、中立面を保つ。
4.H形鋼10の断面では、曲げに対して平面保持の仮定が成立する。
5.H形鋼10の材料は、均質であり、等方性を有する。
6.H形鋼10に外力が作用したときの変位は、フックの法則に従う。
図5は、H形鋼10のx軸方向の長さが半波長aである部分のH形鋼10の全領域における面外変位Wwを示す図である。
発明者らは、三角関数を用いつつも、フーリエ級数よりも少ない項数で、x軸の座標がある値であったとき、y軸のある座標におけるz軸方向に向けたウェブ板要素13の面外変位(第1面外変位)wwを推定できる関数を複数検討した。なお、面外変位wwは、y軸の座標の関数であり、x軸の座標の関数ではない(x軸上のある座標における関数である)。
その結果、H形鋼10に曲げモーメントF1が作用する場合、x軸の座標がある値であったとき、y軸のある座標におけるz軸方向に向けたウェブ板要素13の面外変位wwは(30)式により、フーリエ級数よりも少ない項数で推定されることを見出した。ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
(30)式は、y軸の座標の累乗関数を用いた三角関数による項を含む。cos(2πyn/bw n)及びsin(πyn/bw n)は、基底となる。(30)式は、ウェブ板要素13等の板要素の面外変位の推定に好ましく用いることができる。
なお、図3の面外変位Wwは、図5の面外変位Wwをx軸方向に繰り返したものである。図3のウェブ板要素13の面外変位Wwを推定することと図5のウェブ板要素13の面外変位Wwを推定することは同義であることから、前記(31)式は図5の面外変位Wwを推定したものである。面外変位Wwは、y軸の座標及びx軸の座標それぞれの関数であり、ウェブ板要素13の座屈応力度を推定する際に用いられる。
なお、(31)式に(30)式を代入すると、(32)式が得られる。(32)式においてNが2である場合には、(33)式のように変形できる。
(34)式及び(35)式は、y軸の座標の累乗関数を用いた三角関数による項を含む。
例えば、図5のH形鋼10に曲げモーメントF1が作用する前における、第2フランジ板要素12においてx軸の座標がx0、z軸の座標がz0の部分(以下、第2推定対象部分と言う)のy軸の座標はbwである。この第2推定対象部分における面外変位Wf2は、(35-1)式により推定される。図5のH形鋼10に曲げモーメントF1が作用した後における第2推定対象部分のy軸の座標は、bwに(35-1)式により推定した面外変位Wf2を足した値となる。すなわち、曲げモーメントF1が作用した後では、第2推定対象部分は、x軸の座標がx0、y軸の座標が(bw+Wf2)、z軸の座標がz0となる位置に配置されていると推定される。
ここで、エネルギー法に基づいて、座屈変形によりウェブ板要素13内で生じる歪エネルギーUwは(37)式のように表され、第1,2フランジ板要素11,12の歪エネルギーUfは(38)式のように表される。
関数δwは、座屈が発生した時のウェブ板要素13のy軸のある座標におけるx軸方向の変位であり、第2フランジ板要素12の中心に生じるx軸方向変位をδとして(42)式のように表される。
関数δf1,δf2は、座屈が発生した時の第1,2フランジ板要素11,12のx軸方向の変位を表現した関数である。関数δf1は-δに等しく、関数δf2はδに等しい。
連立方程式の解となる未定係数an,bnの組が1つのみの場合には、an,bnの組が(55)式による座屈応力度σcrに最小の正の値を与える場合に、an,bnの組に基づいて座屈応力度σcrを求める。次に、半波長aを変数として扱い、前述のように座屈応力度σcrを求める。
また、本実施形態の推定装置50、推定方法、及び推定プログラム61における第1,2フランジ板要素11,12の厚さtf等の寸法の適用範囲は、以下のようであることが好ましい。
・第1,2フランジ板要素11,12の幅厚比(bf/tf):20以下
・ウェブ板要素13の幅厚比(bw/tw):300以下
・アスペクト比(bw/Bf):0.5以上10以下
・板厚比(tf/tw):0.5以上5.0以下
図7に、本実施形態の推定方法(推定装置50、推定プログラム61)で推定される座屈応力度と、FEM(Finite Element Method)で推定される座屈応力度と、を比較した結果を示す。Mpは、H形鋼10の全塑性モーメント(H形鋼10が完全に塑性化したときの曲げモーメント)を表す。Mcr_preは、本実施形態の推定方法で推定されるH形鋼10の座屈時の曲げモーメントを表す。Mcr_FEMは、FEMで推定されるH形鋼10の座屈時の曲げモーメントを表す。図7において、横軸は√(Mp/Mcr_pre)の値を表し、縦軸は(Mcr_pre/Mp)又は(Mcr_FEM/Mp)の値を表す。FEM及び本実施形態の推定方法で、様々な諸元のH形鋼10の座屈応力度等を推定した。
図7において、○印はFEMで推定された結果、すなわち縦軸を(Mcr_FEM/Mp)の値とした結果を表す。○印の横軸には、FEMで解析したH形鋼10と同一の諸元のH形鋼10を本実施形態の推定方法で推定した√(Mp/Mcr_pre)の値を用いた。曲線は、本実施形態の推定方法で推定された結果、すなわち縦軸を(Mcr_pre/Mp)の値とした結果を表す。
全塑性モーメントMpは、FEM及び本実施形態の推定方法によらず、材料強度に応じた一定の値となる。本実施形態の推定方法から得られる座屈時の曲げモーメントMcr_preとFEMで推定される座屈応力度を比較することで、本実施形態の推定精度を評価することができる。同一の諸元のH形鋼10に対して、FEMで推定した結果及び本実施形態の推定方法で推定した結果は、図7において横軸の値は互いに同一で、縦軸の値が誤差に応じてずれる。
面外変位Ww等を一定の精度で推定するために必要な項数が、(1-1)式のフーリエ級数を用いて推定する場合よりも、(32)式を用いて推定する場合の方が少ないため、面外変位Ww等の推定結果を物理的に理解しやすく定式化することができる。
1.ウェブ板要素13の第1,2フランジ板要素11,12に対する抵抗要素を考慮することで、第1,2フランジ板要素11,12に対して推定される座屈応力度が上昇し、安全側に評価していた従来の推定方法よりも精度良く第1,2フランジ板要素11,12の座屈応力度を推定することができる。
2.第1,2フランジ板要素11,12のウェブ板要素13に対する抵抗要素を考慮することで、ウェブ板要素13に対して推定される座屈応力度が上昇し、安全側に評価していた従来の推定方法よりも精度良くウェブ板要素13の座屈応力度を推定することができる。
3.前記1.及び2.の局部座屈に対する抵抗要素を考慮することで、単純支持条件の基で導出されたH形鋼10全体の座屈応力度に比較して、推定される座屈応力度が上昇する。
4.H形鋼10の局部座屈の挙動が複雑であるため、これまでH形鋼10の局部座屈応力度の式は導出されていなかった。しかし、累乗関数を用いることで、H形鋼10の局部座屈応力度の式を、項数が比較的少ない簡単な式として導出することができる。
6.曲げモーメントF1を受けるH形鋼10の局部座屈応力度の式と、全塑性状態に対する座屈応力度の比率の関係性から、板要素11,12,13間の相互作用を考慮した板厚比区分を設定することができる。
7.板要素11,12,13間の相互作用を考慮した幅厚比区分では、従来の幅厚比区分に比較して、ウェブ板要素13の幅厚比が大きい(ウェブ板要素13の厚さに対してウェブ板要素13の幅が広い)範囲も、耐震部材として扱うことができる可能性がある。
8.板要素11,12,13間の相互作用を考慮した幅厚比区分では、従来の推定方法に比較して、単位長さ当たりH形鋼10の質量(鋼重)が小さい部材に置き換えることが可能となり、より安価な建築物を設計することができる。
また、応力度算出部53は(応力度算出工程では)、(51)式から(54)式を用いて、(55)式による座屈応力度σcrに最小の正の値を与える実数であるan,bnに基づいて、座屈応力度σcrを求める。従って、面外変位Ww、面外変位Wf1、Wf2、及びエネルギー法に基づいて座屈応力度σcrを求める際に、数式を用いて座屈応力度σcrを正確に求めることができる。
例えば、前記実施形態では、(32)式におけるNは3以上でもよい。
座屈応力度σcrをエネルギー法に基づいて求める際には、(51)式から(55)式を用いなくてもよい。
11 第1フランジ板要素
12 第2フランジ板要素
13 ウェブ板要素
50 座屈応力度の推定装置(推定装置)
52 変位推定部
53 応力度算出部
61 座屈応力度の推定プログラム(推定プログラム)
F1 曲げモーメント
Claims (9)
- 材軸方向に延びるx軸及び板幅方向に延びるy軸に沿ってそれぞれ広がるウェブ板要素と、前記ウェブ板要素を前記y軸に沿う方向に挟むように配置された第1フランジ板要素及び第2フランジ板要素と、を備え、前記ウェブ板要素の板厚方向に延びるz軸回りに曲げモーメントが作用して座屈するH形鋼の座屈応力度を推定する座屈応力度の推定装置であって、
前記第1フランジ板要素は、前記曲げモーメントにより引張力を受けるとし、
前記第1フランジ板要素における前記y軸に沿う方向の中心の位置を、前記y軸の原点とし、
前記第1フランジ板要素から前記第2フランジ板要素に向かう向きを、前記y軸の正の向きとし、
前記y軸に沿う方向における前記第1フランジ板要素の中心と前記第2フランジ板要素の中心との距離をbwとし、
前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向の第1端に向かうに従い、前記z軸の正の向き及び前記z軸の負の向きに交互に波状に変位する前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向における半波長をaとしたときに、
前記ウェブ板要素における前記z軸に沿う方向に向けた面外変位Wwを(1)式により推定し、かつ、前記第1フランジ板要素、前記第2フランジ板要素における前記y軸に沿う方向に向けた面外変位Wf1、Wf2を(2)式、(3)式によりそれぞれ推定する変位推定部と、
前記H形鋼の前記座屈応力度を、前記面外変位Ww、前記面外変位Wf1、Wf2、及びエネルギー法に基づいて求める応力度算出部と、
を備える座屈応力度の推定装置。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
- 前記Nは2である請求項1に記載の座屈応力度の推定装置。
- 材軸方向に延びるx軸及び板幅方向に延びるy軸に沿ってそれぞれ広がるウェブ板要素と、前記ウェブ板要素を前記y軸に沿う方向に挟むように配置された第1フランジ板要素及び第2フランジ板要素と、を備え、前記ウェブ板要素の板厚方向に延びるz軸回りに曲げモーメントが作用して座屈するH形鋼の座屈応力度を推定する座屈応力度の推定方法であって、
前記第1フランジ板要素は、前記曲げモーメントにより引張力を受けるとし、
前記第1フランジ板要素における前記y軸に沿う方向の中心の位置を、前記y軸の原点とし、
前記第1フランジ板要素から前記第2フランジ板要素に向かう向きを、前記y軸の正の向きとし、
前記y軸に沿う方向における前記第1フランジ板要素の中心と前記第2フランジ板要素の中心との距離をbwとし、
前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向の第1端に向かうに従い、前記z軸の正の向き及び前記z軸の負の向きに交互に波状に変位する前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向における半波長をaとしたときに、
前記ウェブ板要素における前記z軸に沿う方向に向けた面外変位Wwを(9)式により推定し、かつ、前記第1フランジ板要素、前記第2フランジ板要素における前記y軸に沿う方向に向けた面外変位Wf1、Wf2を(10)式、(11)式によりそれぞれ推定する変位推定工程と、
前記H形鋼の前記座屈応力度を、前記面外変位Ww、前記面外変位Wf1、Wf2、及びエネルギー法に基づいて求める応力度算出工程と、
を行う座屈応力度の推定方法。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
- 前記Nは2である請求項4に記載の座屈応力度の推定方法。
- 材軸方向に延びるx軸及び板幅方向に延びるy軸に沿ってそれぞれ広がるウェブ板要素と、前記ウェブ板要素を前記y軸に沿う方向に挟むように配置された第1フランジ板要素及び第2フランジ板要素と、を備え、前記ウェブ板要素の板厚方向に延びるz軸回りに曲げモーメントが作用して座屈するH形鋼の座屈応力度を推定する推定装置用の座屈応力度の推定プログラムであって、
前記第1フランジ板要素は、前記曲げモーメントにより引張力を受けるとし、
前記第1フランジ板要素における前記y軸に沿う方向の中心の位置を、前記y軸の原点とし、
前記第1フランジ板要素から前記第2フランジ板要素に向かう向きを、前記y軸の正の向きとし、
前記y軸に沿う方向における前記第1フランジ板要素の中心と前記第2フランジ板要素の中心との距離をbwとし、
前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向の第1端に向かうに従い、前記z軸の正の向き及び前記z軸の負の向きに交互に波状に変位する前記ウェブ板要素の前記x軸に沿う方向における半波長をaとしたときに、
前記推定装置を、
前記ウェブ板要素における前記z軸に沿う方向に向けた面外変位Wwを(17)式により推定し、かつ、前記第1フランジ板要素、前記第2フランジ板要素における前記y軸に沿う方向に向けた面外変位Wf1、Wf2を(18)式、(19)式によりそれぞれ推定する変位推定部と、
前記H形鋼の前記座屈応力度を、前記面外変位Ww、前記面外変位Wf1、Wf2、及びエネルギー法に基づいて求める応力度算出部と、
して機能させる座屈応力度の推定プログラム。
ただし、Nは2以上の自然数であり、a0,an,bnは未定係数である。
- 前記Nは2である請求項7に記載の座屈応力度の推定プログラム。
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