JP7210997B2 - 監視システム - Google Patents

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本発明は、監視システムに関する。
研削盤や旋盤等の加工装置が備える回転軸や駆動軸等の装置要素は、外部要因(温度等)、工具(砥石等)や治具の摩耗等の経年変化によって状態が変化する。装置要素の変化は、ワークの加工状態の変化となって現れる場合がある。加工状態の変化は、加工するワークの品質異常に繋がるおそれがある。このため、加工装置が備える装置要素の状態変化を監視することは、ワークの品質管理において重要である。
特開2006-173373号公報(特許文献1)は、加工装置の異常を監視する機構を備えたシステムを提案している。このシステムは、加工装置の状態を表す値を測定し、予め設定された判定基準を用いて加工装置の異常を検知する。
特開2006-173373号公報
加工装置の状態を表す値として、例えば、回転軸や駆動軸の振動の振幅値がある。この値が判定基準を超えると加工装置の異常が検出される。つまり、従来の技術では、異常が発生すると、その異常を検知可能であるが、異常発生の予兆を捉えることは困難である。そのため、異常発生によって、長時間にわたって加工装置を停止させることは避けられず、生産能率が低くなる。
そこで、本発明は、加工装置の異常発生の予兆を捉えることが可能となる監視システムを提供することを目的とする。
本発明の監視システムは、複数の装置要素を有して構成され、ワークの加工を行うと共に、当該ワークの加工により得られる当該装置要素の状態を示す加工データを出力する加工装置と、前記ワークの検査を行い、当該ワークの検査データを出力する検査装置と、前記加工データ及び検査データを前記ワーク毎に前記加工装置及び前記検査装置から取得し、当該加工データ及び当該検査データを処理する処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記ワークの品質に影響を与える可能性のある前記加工データ及び加工後の前記ワークの品質に関する前記検査データから入力データを取得する前処理部と、複数のワークについての前記入力データを処理対象のデータとして用いて、当該入力データの特徴を示す特徴情報として、前記検査データと前記加工データとの相関を示す関数を取得する調査処理部と、前記調査処理部にて用いていない前記入力データと、前記特徴情報との類似性を示す第一の指標を求め、当該特徴情報の適否を判定する第一判定部と、前記第一判定部により適すると判定された前記特徴情報と、前記調査処理部及び前記第一判定部にて用いていない前記入力データとの類似性を示す第二の指標を求め、当該第二の指標に基づいて前記加工装置の異常の兆候の有無を判定する第二判定部と、を有する。
加工装置が備える装置要素の状態は、ワークの品質に影響を与える可能性がある。そこで、前記監視システムによれば、処理装置は、ワークの加工により得られる装置要素の状態を示す加工データ、及び、当該ワークの検査データから、入力データを取得する。入力データが処理対象のデータとして用いられ、入力データの特徴を示す特徴情報が取得され、その特徴情報の適否が判定される。加工装置が備える装置要素の状態が変化していなければ、適すると判定された特徴情報と、前記調査処理部及び前記第一判定部にて用いていない新たに取得された入力データとの類似性は高い。つまり、前記類似性が高いと判定された場合は、装置要素の状態が変化しておらず、加工装置において異常の兆候が無いと推定される。これに対して、適すると判定された特徴情報と、前記調査処理部及び前記第一判定部にて用いていない新たに取得された入力データとの類似性が低いと判定された場合は、装置要素の状態が変化していて、異常の兆候が発生していると推定される。このように前記監視システムによれば、加工装置の装置要素、特に前記判定の対象となる特徴情報を取得する基となった装置要素について、異常発生の予兆を捉えることが可能となる。
また、好ましくは、前記第二判定部は、前記第二の指標と閾値とを比較し、当該第二の指標が当該閾値以下となる回数が所定数以上である場合に、前記加工装置に異常の兆候が有ると判定する。
この場合、加工装置において異常発生の予兆が無い状態で、偶発的に第二の指標が閾値以下となった場合に、異常の予兆が有ると誤って判定されるのを防ぎ、判定の精度を上げることが可能となる。
また、好ましくは、前記第一判定部は、前記特徴情報が不適であると判定すると、前記前処理部は、前記入力データを取得するための条件を変更して、前記加工データから前記入力データを取得する。
この場合、条件が変更されて、入力データが新たに(追加的に)取得される。このため、新たに取得された入力データが処理対象のデータとして用いられて、入力データの特徴を示す特徴情報が再び取得される。そして、この特徴情報の適否が判定される。このため、特徴情報が不適であると判定された場合であっても、新たに別の特徴情報が得られることで、その特徴情報は適すると判定される可能性が生まれる。
また、好ましくは、前記特徴情報は、前記検査データと前記加工データとの相関を示す回帰関数である。
この場合、第一判定部は、回帰関数の取得のためとは別に得られている前記入力データと、当該回帰関数との類似性を示す第一の指標として相関係数を求める。この相関係数が高ければ(1に近ければ)、前記回帰関数は適していると判定される。
また、前記調査処理部は、機械学習を用いて前記特徴情報を取得するのが好ましい。この場合、入力データを様々に組み合わせた特徴情報が容易に短時間で生成可能であり、適する特徴情報を取得できる可能性が高くなる。
本発明の監視システムによれば、加工装置における異常発生の予兆を捉えることが可能となる。
監視システムの一例を示す説明図である。 加工装置の一部を示す説明図である。 加工データの一つである、砥石軸用モータの電流値の説明図である。 加工データの一つである、主軸の振動の説明図である。 監視方法を示すフロー図である。 監視方法を示すフロー図である。
〔監視システムの全体構成について〕
図1は、監視システムの一例を示す説明図である。監視システム10は、加工装置12と、検査装置14と、処理装置16とを備える。加工装置12は、ワーク7を加工する装置である。本実施形態の加工装置12は、研磨装置である。ワーク7は、例えば円環状の部材であり、本実施形態では、転がり軸受に用いられる軌道輪(外輪)である。加工装置(研磨装置)12は、砥石18を有し(図2参照)、円環状であるワーク7の内周面を砥石18により研磨する。
図1において、加工装置12によって所定の加工が行われたワーク7は、検査装置14に搬入される。検査装置14はワーク7の検査を行う。検査項目は、例えば、ワーク7の直径(内径及び外径)、真円度、円筒度等の形状に関する項目である。加工装置12と検査装置14とは同じ製造ラインに設置されている。
処理装置16は、コンピュータにより構成される。処理装置16は、加工装置12及び検査装置14と通信可能であり、各種データの送受信を行う。処理装置16は、プロセッサー及び記憶装置55を有する。記憶装置55に記憶されているコンピュータプログラムを前記プロセッサーが実行することで、複数の機能部が得られる。処理装置16は、前記機能部として、前処理部20、調査処理部21、第一判定部22、及び第二判定部23を備える。これら機能部については後に説明する。
加工装置12は、ワーク7の加工(研磨加工)を行うと共に、加工データD1を出力する。加工データD1は、加工装置12が備える主軸29等の装置要素の状態を示すデータであり、ワーク7を加工している際に、又は、ワーク7の加工の前後の状態より、得られる。加工装置12の装置要素及び加工データD1の具体例については後に説明する。加工装置12は、加工データD1を出力するために通信部24(通信インターフェース)を有する。加工装置12から出力された加工データは、処理装置16に入力される。
検査装置14は、加工装置12によって加工されたワーク7の検査を行い、このワーク7の検査データD2を出力する。検査データD2は、加工後のワーク7の品質に関連するデータである。検査装置14は、検査データD2を出力するために通信部25(通信インターフェース)を有する。検査装置14から出力された検査データD2は、処理装置16に入力される。
処理装置16は、加工データD1及び検査データD2を入力するために通信部26(通信インターフェース)を有する。処理装置16は、取得した加工データD1及び検査データD2を処理し、加工装置12が備える前記装置要素の異常の兆候の有無を判定する処理を実行する。
〔加工装置12について〕
図2は、加工装置12の一部を示す説明図である。加工装置12は、ワーク7を主軸ユニット27に取り付けるためのチャック28、チャック28と一体回転する主軸29、主軸29を回転させる主軸用モータ30、砥石18、砥石18と一体回転する砥石軸31、砥石軸31を回転させる砥石軸用モータ32、砥石18のドレッシングを行う工具(ドレッサ)33、工具33と一体回転するロータリディスク軸34、ロータリディスク軸34を回転させるドレス用モータ35、切り込み軸36によって駆動する切り込み用アクチュエータ37、及び、スライド軸38によって駆動するスライド用アクチュエータ39を有する。
主軸29が回転することでワーク7が主軸29の中心線回りに回転する。砥石軸31が回転することで砥石18が回転する。ロータリディスク軸34が回転することで工具33が回転する。スライド用アクチュエータ39は、砥石18、砥石軸31、及び砥石軸用モータ32を含む砥石ユニット40を、ワーク7の中心線に平行な方向に沿って直線的に移動させる。この移動によって、砥石18が、ワーク7の内周面(又は外周面)に対向する加工位置と、砥石18がワーク7から離れた退避位置との間を移動する。切り込み用アクチュエータ37は、主軸ユニット27を、ワーク7の径方向に平行な方向に沿って直線的に移動させる。この移動量に応じて、ワーク7に対する砥石18の切り込み量が決まる。
加工装置12は、更に、装置要素として、ワーク7の加工位置にクーラントを供給するクーラント装置41、ワーク7の寸法を計測する定寸装置42、ワーク7の加工雰囲気温度を計測する温度計43、クーラント装置41のクーランドの温度を計測する温度計44、及び、加工領域に対してワーク7の搬入及び搬出を行うシリンダ45を備える。
加工装置12は、更に、複数のセンサを備える。各センサは、加工装置12が備える主軸29等の前記装置要素の状態を検出する。前記センサには、主軸用モータ30の電流値を計測するセンサ50a、砥石軸用モータ32の電流値を計測するセンサ50b、ドレス用モータ35の電流値を計測するセンサ50c、切り込み軸36を駆動するためのモータの電流値を計測するセンサ50d、及び、スライド軸38を駆動するためのモータの電流値を計測するセンサ50eが含まれる。センサ50a~50eは、電流計により構成される。各モータの負荷抵抗が電流値として取得される。
前記センサには、切り込み軸36の駆動位置又は駆動ストロークを計測する位置センサ51a、スライド軸38の駆動位置又は駆動ストロークを計測する位置センサ51b、及び、定寸装置42によるワーク7の測定対象位置を計測する位置センサ51cが含まれる。切り込み軸36の駆動位置及び駆動ストロークは、ワーク7の位置(つまり、切り込み位置)及び切り込み量に相当する。スライド軸38の駆動位置及び駆動ストロークは、砥石18の位置及び移動ストロークに相当する。
前記センサには、主軸29の振動を計測する振動センサ52a、砥石軸31の振動を計測する振動センサ52b、ロータリディスク軸34の振動を計測する振動センサ52c、切り込み軸36の振動を計測する振動センサ52d、及び、スライド軸38の振動を計測する振動センサ52eが含まれる。更に、前記センサには、電圧計53a、濃度計53b、及び圧力計53cが含まれる。チャック28はマグネット式であり、チャック力はマグネットに作用させる電圧と相関がある。電圧計53aは、チャック力として、前記電圧を計測する。濃度計53bは、クーラント装置41のクーラントの濃度を計測する。シリンダ45は流体式であり、圧力計53cは、シリンダ45の流体の圧力を計測する。
加工装置12は、主軸29等の前記装置要素の状態を検出するためのセンサとして機能する演算部(演算器)54を更に有する。演算部54は、切り込み軸36の駆動ストロークに応じて、つまり、位置センサ51aの検出信号に基づいて、ワーク7の加工工程を示す工程情報を取得する。加工工程には、加工開始から順に、割り出し工程、準急工程、黒皮工程、粗工程、仕上げ工程、及びスパークアウト工程が含まれる。各工程によって切り込み軸36の駆動位置が異なることから、演算部54は、位置センサ51aの検出信号に基づいて、現在、どの工程にあるのかを判定することができ、工程情報を取得する。例えば、各工程には符号(数字)が割り当てられていて、工程情報として符号(数字)が取得される。各工程については、後に説明する。
演算部54は、定寸装置42により得られたデータと、切り込み軸36の駆動ストローク(位置センサ51aの検出信号)とに基づいて、加工効率(加工能率とも称する)を算出する。前記駆動ストロークと、定寸装置42により得られたワーク7の実際の半径についての加工量とが同じ値である場合、加工効率は100%であり、前記加工量が前記駆動ストロークの半分である場合、加工効率は50%である。
前記工程情報を取得する演算部54と、前記加工効率を算出する演算部54とは別であってもよい。
前記センサ50a~50e、51a~51c、52a~52e、電圧計53a、濃度計53b、圧力計53c、及び演算部54により取得される情報(データ)それぞれが、前記「加工データD1」である。加工データD1は、ワーク7の品質に影響を与える可能性のあるパラメータである。各センサ等によって加工データD1が取得されると、その加工データD1は、ワーク7(ワーク7の識別データ)と対応付けられて処理装置16に出力される。識別データは、ワーク7が加工された年月日と時間とによるデータであってもよい。
加工装置12における加工工程について説明する。割り出し工程では、砥石18がワーク7に非接触である。準急工程では、砥石18がワーク7の内周面のうち、軌道の軸方向隣の肩部に接触する。黒皮工程では、砥石18がワーク7の内周面に対して全体的に接触する。粗工程では、砥石18がワーク7の内周面に対して全体的に接触し、所定の研磨量が得られるまで研磨する。仕上げ工程では、ワーク7の内周面が所望の精度となるまで研磨する。スパークアウト工程で、砥石18がワーク7から離れる。
以上のように、加工装置12は、主軸29等の複数の装置要素を有して構成される。加工装置12は、ワーク7の加工を行うと共に、前記装置要素の状態を示す加工データD1を出力する。加工データD1は、ワーク7の加工により得られるデータである。加工装置12によってワーク7が加工される毎に、当該ワーク7の様々な加工データD1が前記センサ等によって取得される。ワーク7の加工データD1は、当該ワーク7の識別データと対応付けされる。識別データと対応付けられた加工データD1が処理装置16に出力される。
〔検査装置14について〕
検査装置14(図1参照)は、加工済みのワーク7の形状に関する検査を実行し、検査結果を示す検査データD2を生成する。検査装置14は、例えばワーク7の寸法を測定する測定部(測定器)15aと、測定部15aの測定結果に基づいて検査データD2を生成する処理部15bとを有する。検査装置14によってワーク7が検査される毎に、当該ワーク7の検査データD2が取得される。検査装置14が有する装置は、前記測定部(測定器)15a等以外であってもよい。ワーク7の検査データD2は、当該ワーク7の識別データと対応付けされる。識別データと対応付けられた検査データD2が処理装置16に出力される。
〔処理装置16について〕
処理装置16は、加工データD1及び検査データD2を取得すると、これらデータD1,D2と対応付けられているワーク7の識別データに基づいて、ワーク7毎に(識別データ毎に)加工データD1及び検査データD2を記憶装置55に記憶する。例えば100個のワーク7について加工及び検査が行われた場合、一つのワーク7についての加工データD1及び検査データD2を一組とすると、100組のデータが記憶される。なお、言うまでもなく、全てのワーク7のデータを記憶させる必要はなく、一部のワーク7のデータであってもよい。
前記のとおり、処理装置16は、プロセッサーがプロブラムを実行することで得られる機能部として、前処理部20、調査処理部21、第一判定部22、及び、第二判定部23を備える。
前処理部20が有する機能について説明する。
図3は、加工データD1の一つである、センサ50bにより計測された砥石軸用モータ32の電流値(電流値データ)の説明図である。この加工データD1は、ワーク7の加工の開始から終了までの間の時系列データである。前処理部20は、加工データD1を、加工工程毎に分割する。図3では、説明を容易とするために、第一工程(黒皮工程)、第二工程(粗工程)、第三工程(仕上げ工程)が示される。加工データD1が、第一工程、第二工程、及び第三工程に分割される。前処理部20は、分割した各データから、入力データを生成する。例えば分割された各データの信号レベルに基づいて入力データを生成する。また、一つの工程を更に複数に分割し、その分割した領域毎のデータから入力データを生成してもよい。例えば、第二工程(粗工程)を2のn乗の数(例えば256)の領域に分割し、領域毎の入力データを取得してもよい。
入力データとしては、例えば、前記信号レベルの平均値、最大値、最小値、中央値、標準偏差、変化の割合(傾き)、面積(積分値)、及び、微分値のうちの少なくとも一つである。このように、前処理部20は、加工データD1に対して各種の処理を行い、加工データD1から入力データを取得する。電流値についての加工データD1の場合、前処理部20は、加工データD1を分割し、分割したデータの信号レベルを数値化した入力データとして取得する。
図4は、加工データD1の一つである、センサ52aにより計測された主軸29の振動(振動波形データ)の説明図である。この加工データD1は、ワーク7の加工の開始から終了までの間の時系列データである。前処理部20は、この加工データD1を周波数解析し(FFT処理し)、周波数毎の信号レベル(強度)についての入力データを生成する。なお、周波数解析の前に、前記の場合と同様、加工データD1を例えば工程毎に分割し、分割したデータを周波数解析してもよい。このように、前処理部20は、加工データD1に対して各種の処理を行い、加工データD1から入力データを取得する。振動についての加工データD1の場合、前処理部20は、加工データD1を周波数解析して得たデータの信号レベルを数値化した入力データとして取得する。
その他の加工データD1についても様々な入力データに変換される。入力データは、数値のデータとなる。
入力データは、分割された領域別(工程別)に、一つの変数とする他に、複数の変数により構成されたデータであってもよい。前記変数の例として、信号レベルの平均値、変化の割合(傾き)、面積(積分値)等である。または、入力データは、信号レベル等の値の二乗項であってもよく、交互作用項であってもよい。
前処理部20は、検査データD2から入力データを取得する。各ワーク7の検査データD2に、複数の検査項目のデータが含まれている場合、検査データD2を検査項目毎の入力データに変換してもよい。検査項目が一つの場合、検査データD2をそのまま入力データとして取得する。
加工データD1及び検査データD2それぞれから生成された各入力データは、記憶装置55に、ワーク7(ワーク7の識別データ)と対応付けられて記憶される。
調査処理部21が有する機能について説明する。
記憶装置55には、複数のワーク7についての入力データが記憶されている。調査処理部21は、複数のワーク7の入力データを処理対象のデータとして用いて、回帰分析を実行する。回帰分析としては、単回帰であってもよく、重回帰、lasso回帰、elasticnet回帰であってもよい。本実施形態では、処理対象のデータは、記憶装置55に記憶されている複数(100個)のワーク7についての入力データの内の、一部(10個)のワーク7についての入力データを除くデータとする。つまり、前記一部を除く所定数(90個)のワーク7についての入力データを処理対象のデータとする。前記所定数のワーク7それぞれについての入力データの中から、複数種類の入力データが選択される。回帰分析により、これら複数種類の入力データの回帰関数(回帰直線又は回帰曲線)が得られる。例えば、加工データD1から得られた入力データと検査データD2から得られた入力データとが選択される。この場合、加工データD1から得られた入力データと検査データD2から得られた入力データとの相関や傾向を示す関数(回帰関数)が得られる。図3及び図4それぞれから得られた入力データが選択され、これらの相関や傾向を示す関数(回帰関数)が得られてもよい。
回帰関数の取得の例を説明する(elasticnet回帰)。
処理対象のデータ(学習データ)の数が、90個のワーク7によるものとする。例えば、X1、nは特徴量1として傾きであり、X2、nは特徴量2として面積であり、X3、nは特徴量3として平均であり、交互作用(特徴量4)としてX1,n・X2,n、X1,n・X3,n、X2,n・X3,nが用いられるとする。これらが加工データD1に基づく入力データである。処理対象となる入力データは次のようになる。
=X1,1、X2,1、X3,1、X1,1・X2,1、X1,1・X3,1、X2,1・X3,1
=X1,2、X2,2、X3,2、X1,2・X2,2、X1,2・X3,2、X2,2・X3,2
・・・
90=X1,90、X2,90、X3,90、X1,90・X2,90、X1,90・X3,90、X2,90・X3,90
、n ・・・ n90は、全てワーク7毎に検査データD2と紐付けられている。
偏回帰係数として、前記のX1,1、X2,1 ・・・に対して品質(検査データD2)に対する寄与度(数値)が算出される。例えば、Xの寄与度が0.1であり、Xの寄与度が0.2である。
この場合、回帰関数(回帰式)として、例えば次の式が得られる。
Y=0.1X+0.2X+ ・・・+(切片)
一般的な回帰関数(回帰式)は、次の式(1)により表される。
y(予測値)=(特徴量1の偏回帰係数)×(特徴量1)
+(特徴量2の偏回帰係数)×(特徴量2)
・・・
+(特徴量mの偏回帰係数)×(特徴量m)
+(切片)
回帰関数は、選択された複数種類の入力データについての特徴(相関や傾向)を示す特徴情報である。以下において、前記回帰関数(特徴情報)を予測関数とも称する。前処理部20により様々な種類の入力データが取得される(例えば、図3及び図4参照)。そこで、調査処理部21は、組み合わせた複数種類の入力データを一組とすると、複数組についての予測関数を取得する。生成された予測関数は、記憶装置55に記憶される。このように、調査処理部21は、複数のワーク7についての入力データを処理対象のデータとして用いて、入力データの特徴を示す特徴情報を取得する。
調査処理部21が実行する処理は、回帰分析以外(例えばMT法)であってもよい。特徴を示す特徴情報は、数式によって表現されるものであってもよく、それ以外の形式によるものであってもよい。複数のワーク7についての一種類の入力データから、その入力データの特徴情報として特徴量(例えば、ベクトル)が取得されてもよい。また、回帰分析は、前記プロセッサーが行う機械学習によって実行されるのが好ましい。検査データD2と、予め設定されている許容値のデータとから、その検査データD2のワーク7が良品であるか不良品であるかの判定が処理装置16により実行可能である。このため、良品のワーク7の入力データを教師データとして用い、教師有りの機械学習とすることができる。これにより、入力データを様々組み合わせた回帰関数(モデル)が容易に生成可能であり、適する回帰関数を取得することができる可能性が高くなる。この調査処理部21によれば、検査データD2と、その検査データD2と相関の強い加工データD1とに基づく入力データの特徴情報(回帰関数)を取得することができる可能性が高くなる。
第一判定部22が有する機能について説明する。
前記のとおり、本実施形態では、予測関数を得るために用いられた処理対象のデータは、一部を除く所定数(90個)のワーク7についての入力データである。そこで、第一判定部22は、前記一部の入力データを「実測値」として用い、この一部の入力データと、前記予測関数との相関を求める。なお、前記実測値として用いる入力データは、新たに別で取得した加工データD1及び検査データD2から変換した入力データであってもよい。前記のとおり、予測関数は、調査処理部21によって、様々な入力データの組に関して取得されている。第一判定部22は、取得されている全ての予測関数について、その予測関数と対応する入力データ(実測値)との相関が求められる。つまり、予測関数から算出された予測値と、この予測関数の基となった入力データと種類が同じである入力データ(実測値)とから、第一の相関係数が算出される。ここでの相関係数は、実測値としての入力データと、予測関数との類似性を示す指標である。
第一の相関係数の算出の例について説明する。
予測関数である回帰関数(回帰式)つまり前記式(1)を使用して、前記一部である10個のワーク7についてのデータ10個の予測値(式(1)のyの値)を算出する。
そして、前記予測関数から算出された予測値と、入力データ(実測値)とから、第一の相関係数が算出される。
相関係数の計算式は、次のとおりである。実測値をxとし、予測値をyとすると、
(相関係数)=(xとyの共分散)/〔(xの標準偏差)×(yの標準偏差)〕
更に、第一判定部22は、算出した第一の相関係数と、予め設定されている閾値(例えば0.9)との比較を行い、この比較の結果に基づいて、予測関数の適否を判定する。この適否は、取得された予測関数が、前記実測値に倣ったものであるか否かの確認である。取得された予測関数が前記実測値に倣っている場合、相関係数は高い。これに対して、取得された予測関数が前記実測値に倣っていない場合、相関係数は低い。このように、第一判定部22は、調査処理部21にて用いていない実測値としての入力データ、つまり、予測関数(特徴情報)の取得のためとは別に得られている実測値としての入力データと、予測関数(特徴情報)との類似性を示す(第一の)指標として(第一の)相関係数を求める。そして、第一判定部22は、この相関係数と閾値(例えば0.9)とを比較することで、この相関係数を求める対象となった予測関数(特徴情報)の適否を判定する。第一判定部22により適すると判定された予測関数、具体的には閾値0.9以上である予測関数は「有効予測関数(有効な特徴情報)」と定義され、記憶装置55に記憶される。有効予測関数が、加工装置12によって新たに多くのワーク7を加工する実際の運用(生産)の際に用いられる。なお、ここで得られた有効予測関数は、一つであってもよく、複数であってもよい。また、有効予測関数が複数の場合、その全てが用いられてもよく、又は、相関係数の高い上位のいくつか(例えば上位の一つ又は二つ)が選択されて用いられてもよい。
検査データD2に基づく入力データと加工データD1に基づく入力データとの組み合わせにより予測関数が取得され、その予測関数が適していると判定された場合、その予測関数(有効予測関数)が取得されたということは、ワーク7の品質と相関のある(相関の強い)装置要素の加工データD1が抽出されたことを意味する。抽出された加工データD1に基づく予測関数(有効予測関数)を用いて、後に説明するが、加工装置12の異常の兆候の有無が判定される。第一判定部22によれば、検査データD2と相関のある加工データD1(この加工データD1に基づく入力データ)の特徴が、予測関数(有効予測関数)として取得される。
第二判定部23が有する機能について説明する。
加工装置12によって新たにワーク7を加工する実際の生産が開始されると(後述の運用工程)、各ワーク7についての加工データD1及び検査データD2が取得される。これら加工データD1及び検査データD2を処理装置16が取得する。前記のとおり、前処理部20によって、加工データD1及び検査データD2から入力データが取得される。このようにして、新たな入力データが取得される。
第二判定部23は、前記有効予測関数と、その有効予測関数と対応する新たに取得された入力データとの相関を求める。つまり、有効予測関数から算出された予測値と、新たに取得された入力データとから第二の相関係数が算出される。前記新たに取得された入力データは、有効予測関数の基となった入力データと種類が同じである。この相関係数の算出は、新たな入力データが取得される毎に行われ、全ての有効予測関数について行われる。ここでの相関係数は、有効予測関数と、新たに取得された入力データとの類似性を示す指標である。第二の相関係数の算出は、第一の相関係数の算出と同様の演算により行われる。
更に、第二判定部23は、算出した第二の相関係数と、閾値(例えば0.4)とを比較し、所定回数(例えば10回)について連続して第二の相関係数が当該閾値(0.4)を下回った場合、加工装置12において異常の兆候が有ると判定する。この判定がされると、第二判定部23は、異常信号を生成し、異常信号によって、例えば処理装置16のディスプレイに異常発生の旨の表示が行われる。これにより、管理者は加工装置12の異常の兆候を知ることが可能となる。このように、第二判定部23は、第一判定部22により適すると判定された有効予測関数(有効な特徴情報)と、調査処理部21及び第一判定部22にて用いていない入力データ、つまり、新たに取得された入力データとの類似性を示す第二の指標としての第二の相関係数を求める。そして、第二判定部23は、この第二の相関係数に基づいて、加工装置の異常の兆候の有無を判定する。特に、有効予測関数を取得する基となる入力データに該当する装置要素に関して、異常の兆候の有無が判定される。
前記のように、第二判定部23は、第二の指標としての第二の相関係数と、閾値(0.4)とを比較し、第二の相関係数が当該閾値以下となる回数が所定数(例えば10回)以上である場合に、加工装置12(加工装置12のいずれかの装置要素)に異常の兆候が有ると判定する。新たに取得された入力データが、有効予測関数との相関が低く、このようなデータが(例えば10回)連続した場合、異常の兆候が有ると判定される。
以上のように、処理装置16は、加工データD1及び検査データD2をワーク7毎に加工装置12及び検査装置14から取得する。処理装置16は、これら加工データD1及び検査データD2を処理することで、加工装置12の異常の兆候の有無を判定する。
〔加工装置12の監視手段について〕
以上の構成を備える監視システム10が実行する加工装置12の監視方法について説明する。図5及び図6は、前記監視方法を示すフロー図である。監視方法には、事前に実施される、データ収集工程、前処理工程、及び調査処理工程が含まれる。監視方法には、更に、運用工程が含まれる。運用工程は、実際に製品とするワーク7の加工が行われる状態であり、この運用工程において、加工装置12の監視が実際に行われる。以下、各工程について説明する。
〔データ収集工程〕
加工データD1及び検査データD2の収集が開始される(ステップS1)。加工装置12より各センサ等からのデータが収集される(ステップS2)。このデータは加工データD1であり、例えば、砥石軸31についての情報、ロータリディスク軸(R/D軸)34についての情報、主軸29について情報、及び、工程情報等である。検査装置14よりワーク7の品質測定結果が収集される(ステップS3)。例えば、ワーク7の直径(内径、外径)、真円度、円筒度等の計測が検査装置14において行われ、検査データD2が収集される。ワーク7毎に加工データD1と検査データD2とが対応付けられ(紐付けられ)、記憶される(ステップS4)。所定数(例えば100個)のワーク7について、加工データD1及び検査データD2が得られると、データ収集工程が終了する(ステップS5)。処理装置16は、取得した検査データD2を、許容値のデータと比較することにより、良品データと不良品データとの判別を行う機能を備え、その判別のデータを検査データD2に含ませることができる。
〔前処理工程〕
所定数のワーク7についての加工データD1及び検査データD2が得られると、前処理工程が開始される(ステップS6)。本実施形態では、前記所定数のうちの一部以外のデータが用いられて、前処理工程が行われる。前処理工程では、加工データD1が工程毎に分割される(ステップS7)。この処理は、図3により説明したとおりである。前処理部20は、加工データD1に対して分割の処理を行い、更に、分割したデータから入力データを生成する(ステップS8)。検査データD2からも入力データが生成される。ワーク7毎に、検査データD2に基づく入力データと、加工データD1に基づく入力データとが対応付けられて記憶される。所要の入力データが全て取得されると(ステップS9)、調査処理工程が開始される。
〔調査処理工程〕
調査処理工程では、入力データについての特徴を示す特徴情報として、回帰関数(予測関数とも称する。)が取得される。加工データD1は複数種類存在することから、入力データも複数種類存在し、これに応じて回帰関数は複数取得される。複数の回帰関数の中から、別に取得された入力データとの相関が強い回帰関数を、有効な特徴情報として取得する。この回帰関数を取得する処理は、前記のとおり、機械学習により行われるのが好ましい(ステップS10)。特徴情報として回帰関数を取得するために、本実施形態では、回帰分析が行われる(ステップS11)。
このように、複数のワーク7についての入力データが処理対象のデータとして用いられ、調査処理部21によって、入力データの特徴を示す特徴情報が取得される。本実施形態の特徴情報は、取得された入力データの中から選択された複数種類の入力データについての回帰関数(予測関数とも称する。)である。複数種類の入力データを一つの組とすると、複数の組についての回帰分析が行われ、複数の予測関数が得られる(図6のステップS12)。
ステップS5(図5)では、所定数(100個)のワーク7について、加工データD1及び検査データD2が取得されている。前記のとおり、この所定数のうちの一部を残すデータが用いられて、前記前処理工程が行われている。そこで、前記一部を変換して得た入力データを実測値として用い、この一部の入力データ(実測値)と、ステップS12で得られている予測関数から算出された予測値とから相関係数が算出される。ここで用いられる入力データ(実測値)は、予測関数の基となった入力データと種類が同じである。例えば、前記粗工程において砥石軸用モータ32(図2参照)の電流値の加工データD1から取得された入力データに基づいて、予測関数が得られている場合、実測値としての入力データも、前記粗工程において砥石軸用モータ32の電流値の加工データD1から新たに取得された入力データである。取得されている全ての予測関数について、それぞれ予測値が算出されて、実測値との相関が求められる(相関係数が算出される)。
複数の予測関数の中から、算出された相関係数が閾値(0.9)以上となる予測関数を抽出する(ステップS14)。抽出された予測関数が有効予測関数とされる。抽出される予測関数(有効予測関数)は一つであってもよく、複数であってもよい。有効予測関数は、処理装置16の記憶装置55に記憶される。
複数の予測関数の中に、算出された相関係数が閾値(0.9)以上となる予測関数(つまり、有効予測関数)が存在していない場合(ステップS14でNoの場合)、前処理工程(ステップS6)に戻る。更に、この場合、入力データを生成する条件を変更して(ステップS15)、入力データを生成する(ステップS6~S9)。例えば、工程の分割数や変数の数を変更したりする。新たに生成した入力データを用いて、前記調査処理(ステップS10~)が再び実行される。つまり、前記のとおり説明したS10~S14と同様、新たに生成した入力データを用いて、回帰分析が行われ、予測関数が取得される。新たに取得された予測関数から算出された予測値と、実測値とから相関係数が算出され、相関係数が閾値(0.9)以上である予測関数を、有効予測関数とする。有効予測関数が得られるまで、前記処理が繰り返し実行される。
〔運用工程〕
ステップS14でYesの場合、加工装置12において、ワーク7の加工が進められ、加工されたワーク7が検査装置14によって検査される。加工装置12によるワーク7の加工によって、新たな加工データD1が取得され、検査装置14によるワーク7の検査によって、新たな検査データD2が取得される。運用工程において新たに取得した加工データD1及び検査データD2を、運用加工データ及び運用検査データと称する。運用加工データ及び運用検査データが、前処理部20により前記前処理工程と同様の処理により、入力データに変換される。この入力データを、運用入力データと称する。有効予測関数から算出された予測値と、運用入力データとから相関係数が算出される(ステップS16)。この運用入力データは、有効予測関数の基となった入力データと種類が同じである。例えば、前記粗工程において砥石軸用モータ32(図2参照)の電流値の加工データD1から取得された入力データに基づいて、有効予測関数が得られている場合、運用入力データも、前記粗工程において砥石軸用モータ32の電流値の加工データD1から新たに取得された入力データである。
相関係数の算出は、ワーク7が加工され運用入力データが生成される毎に行われる。そこで、算出された相関係数が時系列に並べられる(ステップS17)。相関係数が閾値0.4以下であって(ステップS18でYes)、更に、閾値0.4以下の相関係数が10回連続すると(ステップS19でYes)、第二判定部23によって、加工装置12(加工装置12のいずれかの装置要素)に異常の兆候が有ると判定される。この場合、第二判定部23は、異常信号を生成し、異常信号によって、例えば処理装置16のディスプレイに異常発生の旨の表示が行われる(ステップS20)。これにより、管理者は加工装置12の異常の兆候を知ることが可能となる。
〔本実施形態の監視システム10について〕
以上のように、本実施形態の監視システム10は、加工装置12と、検査装置14と、処理装置16とを備える。処理装置16は、前処理部20と、調査処理部21と、第一判定部22と、第二判定部23とを有する。前処理部20は、加工データD1及び検査データD2から入力データを取得する。調査処理部21は、複数のワーク7についての入力データを処理対象のデータとして用いて、当該入力データの特徴を示す特徴情報を取得する。第一判定部22は、調査処理部21にて用いていない入力データと、前記特徴情報との類似性を示す第一の指標を求め、当該特徴情報の適否を判定する。第二判定部23は、第一判定部22により適すると判定された特徴情報と、調査処理部21及び第一判定部22にて用いていない入力データ(新たに取得された入力データ)との類似性を示す第二の指標を求め、この第二の指標に基づいて加工装置12の異常の兆候の有無を判定する。
特に本実施形態では、前記特徴情報は、取得された入力データの中から選択された複数種類の入力データについての回帰関数である。また、前記第一の指標、及び前記第二の指標は相関係数である。この場合、第一判定部22は、回帰関数の取得のためとは別に得られている入力データと、当該回帰関数との類似性を示す第一の指標として相関係数を求める。この相関係数が高ければ(1に近ければ)、前記回帰関数は適していると判定される。
加工装置12が備える主軸29等の装置要素の状態は、ワーク7の品質に影響を与える可能性がある。そこで、前記実施形態の監視システム10によれば、処理装置16は、ワーク7を加工している際に(又はワーク7の加工の前後の状態より)得られる装置要素の状態を示す加工データD1、及び、当該ワーク7の検査データD2から、入力データを取得する。入力データが処理対象のデータとして用いられ、入力データの特徴を示す特徴情報が取得され、その特徴情報の適否が判定される。加工装置12が備える装置要素の状態が変化していなければ、適すると判定された特徴情報と、調査処理部21及び第一判定部22にて用いていない入力データ(新たに取得された入力データ)との類似性は高い。つまり、前記類似性が高いと判定された場合は、装置要素の状態が変化しておらず、異常の兆候が無いと推定される。これに対して、適すると判定された特徴情報と、調査処理部21及び第一判定部22にて用いていない入力データ(新たに取得された入力データ)との類似性が低いと判定された場合は、装置要素の状態が変化していて、異常の兆候が発生していると推定される。このように前記監視システム10によれば、加工装置12の装置要素、特に前記判定の対象となる特徴情報を取得する基となった装置要素について、異常発生の予兆を捉えることが可能となる。
また、本実施形態では、前記運用工程において(ステップS18、S19)、前記第二の指標としての相関係数と閾値(0.4)とが比較され、この相関係数が閾値(0.4)以下となる回数が所定数(10回)以上である場合に、第二判定部23は、加工装置12に異常の兆候が有ると判定するように構成されている。この構成によれば、加工装置12において異常発生の予兆が無い状態で、偶発的に相関係数が閾値(0.4)以下となった場合に、異常の予兆が有ると誤って判定されるのを防ぎ、判定の精度を上げることが可能となる。
また、本実施形態では、調査処理工程において、第一判定部23によって、前記特徴情報が不適であると判定されると、前処理部20は、加工データD1から入力データを取得するための条件を変更して、加工データD1から入力データを取得するように構成されている。この場合、条件が変更されて、入力データが新たに(追加的に)取得される。このため、新たに取得された入力データが処理対象のデータとして用いられて、入力データの特徴を示す特徴情報が再び取得される。そして、この特徴情報の適否が判定される。このため、特徴情報が不適であると判定された場合であっても、新たに別の特徴情報が得られることで、その特徴情報は適すると判定される可能性が生まれる。
以上のように、本実施形態の監視システム10によれば、加工装置12において異常の予兆を監視することができるので、異常発生によって長時間にわたって加工装置12を停止させる前に、メンテナンスの実施が可能となり、生産効率を高めることが可能となる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
7:ワーク 10:監視システム 12:加工装置
14:検査装置 16:処理装置 20:前処理部
21:調査処理部 22:第一判定部 23:第二判定部
D1:加工データ D2:検査データ

Claims (5)

  1. 複数の装置要素を有して構成され、ワークの加工を行うと共に、当該ワークの加工により得られる当該装置要素の状態を示す加工データを出力する加工装置と、
    前記ワークの検査を行い、当該ワークの検査データを出力する検査装置と、
    前記加工データ及び検査データを前記ワーク毎に前記加工装置及び前記検査装置から取得し、当該加工データ及び当該検査データを処理する処理装置と、を備え、
    前記処理装置は、
    前記ワークの品質に影響を与える可能性のある前記加工データ及び加工後の前記ワークの品質に関する前記検査データから入力データを取得する前処理部と、
    複数のワークについての前記入力データを処理対象のデータとして用いて、当該入力データの特徴を示す特徴情報として、前記検査データと前記加工データとの相関を示す関数を取得する調査処理部と、
    前記調査処理部にて用いていない前記入力データと、前記特徴情報との類似性を示す第一の指標を求め、当該特徴情報の適否を判定する第一判定部と、
    前記第一判定部により適すると判定された前記特徴情報と、前記調査処理部及び前記第一判定部にて用いていない前記入力データとの類似性を示す第二の指標を求め、当該第二の指標に基づいて前記加工装置の異常の兆候の有無を判定する第二判定部と、
    を有する、監視システム。
  2. 前記第二判定部は、前記第二の指標と閾値とを比較し、当該第二の指標が当該閾値以下となる回数が所定数以上である場合に、前記加工装置に異常の兆候が有ると判定する、請求項1に記載の監視システム。
  3. 前記第一判定部は、前記特徴情報が不適であると判定すると、前記前処理部は、前記入力データを取得するための条件を変更して、前記加工データから前記入力データを取得する、請求項1又は2に記載の監視システム。
  4. 前記特徴情報は、前記検査データと前記加工データとの相関を示す回帰関数である、請求項1~3のいずれか一項に記載の監視システム。
  5. 前記調査処理部は、機械学習を用いて前記特徴情報を取得する、請求項1~4のいずれか一項に記載の監視システム。
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