JP7271872B2 - 異常判定装置、異常判定システムおよび異常判定方法 - Google Patents

異常判定装置、異常判定システムおよび異常判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、異常判定装置、異常判定システムおよび異常判定方法に関するものである。
特許文献1には、工作機械の工具の異常を検出する装置が記載されている。当該装置は、振動情報、切削力情報、音情報等の状態データを用いて、機械学習により正常モデルを生成し、正常モデル作成後における加工時に検出された状態データと正常モデルとに基づいて検出した状態データが正常か異常かを診断する。
特許文献2には、加工中の異常や工作機械の故障を監視する装置が記載されている。当該装置は、工作機械の振動を検出し、加工前の振動の特徴量と加工中の振動の特徴量とを抽出し、ニューラルネットワークを適用することで特徴量の分類結果を取得し、当該分類結果に基づいて異常の有無を判定する。
また、特許文献3には、びびり振動や工具摩耗/破損の発生を抑制する加工条件調整機能を有する数値制御装置が記載されている。当該装置は、機械学習により、びびり振動等の発生を抑制するように加工条件の調整量を決定する。
特開2018-24055号公報 特開2008-137102号公報 特開2017-45300号公報
特許文献1,2に記載されているように、工作機械に取り付けられたセンサにより検出されたデータを用いて、機械学習により、正常/異常を判定することができる。しかしながら、特許文献1においては、測定されたデータそのものを用いて機械学習を行っており、当該データは、例えば、変数が非常に多数となっており、変数が多いことは、学習モデルを用いた予測精度の低下の原因となる。
一方、特許文献2においては、ニューラルネットワークの入力データとして、振動データそのものを用いるのではなく、振動の特徴量を用いている。これにより、上記のように、変数が少なくなることで、学習モデルによる予測精度を向上させることができる。ここで、特許文献2において、特徴量は、予め設定された特徴量とされている。しかしながら、特徴量をどのように設定するかは、容易ではない。特徴量の抽出の仕方によっては、却って、学習モデルを用いた予測精度が低下するおそれがある。
また、機械学習による学習モデルを用いて正常および異常を判定する場合において、検出された状態データに対して、特徴量の抽出の他にも、種々の予備処理を行うこともできる。そして、処理の種類によっては、上記と同様に、処理の仕方によって、学習モデルを用いた予測精度が低下するおそれがある。
本発明は、機械学習による学習モデルを用いて正常および異常を判定する場合に、判定の予備処理を行う場合に、正常および異常の判定予測を高精度にすることができる予備処理を行う異常判定装置、異常判定システムおよび異常判定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
波形データとしての前記第一状態データに対して周波数解析を行うことで前記第一状態データの周波数毎のパワースペクトル情報を生成し、当該パワースペクトル情報としての前記第一状態データを取得する前処理部と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
を備え
前記第一学習モデル生成部は、前記前処理部により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第一学習モデルを生成し、
前記第一予測部は、前記前処理部により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第二状態データを予測する、異常判定装置にある
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
を備え、
前記第二学習モデル生成部は、
生成する前記第二学習モデルを、排他識別による前記第二学習モデルと相対識別による前記第二学習モデルとで切り替え、
異常に関する前記品質データの累積数が基準値以下である場合には、正常のみに関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による前記第二学習モデルを生成し、
異常に関する前記品質データの累積数が前記基準値より多い場合には、正常および異常に関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による前記第二学習モデルを生成する、異常判定装置にある。
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
を備え、
前記第二学習モデル生成部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関する前記第二学習モデルを生成し、
前記第二予測部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類のうち、何れの分類に属するかを予測する、異常判定装置にある。
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
を備え、
前記処理装置は、対象物に対して前記所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械であり、
前記第一状態データは、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含み、
前記品質データは、前記対象物の正常および異常に関するデータである、異常判定装置にある。
当該異常判定装置によれば、第二予測部が、第二状態データと第二学習モデルを用いて、品質データが属する分類、すなわち、所定の処理が正常および異常であるかを判定している。そして、第二状態データは、処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データではなく、第一状態データを変換したデータである。第二状態データは、第一予測部によって、第一状態データと第一学習モデルを用いることで得られるデータである。
つまり、第一状態データと第一学習モデルを用いて第二状態データを生成する第一段階の処理を行い、第一段階の処理の後に、第二状態データと第二学習モデルを用いて正常および異常の判定を行うための第二段階の処理が行われる。このように、当該異常判定装置は、複数段階で、機械学習の学習モデルを適用している。従って、正常および異常の判定予測を高精度に行うことができる。
本発明に係る異常判定システムは、所定の処理を実行する複数の処理装置と、前記複数の処理装置と通信可能に設けられ、前記複数の処理装置のそれぞれによる前記所定の処理の実行時に前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを収集するサーバと、上記の異常判定装置であって、前記サーバに収集された前記第一状態データに基づいて処理される前記異常判定装置とを備える。これにより、多数の第一状態データを収集することができるため、より高精度な正常および異常の判定が可能となる。
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
波形データとしての前記第一状態データに対して周波数解析を行うことで前記第一状態データの周波数毎のパワースペクトル情報を生成し、当該パワースペクトル情報としての前記第一状態データを取得する前処理工程と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
を備え
前記第一学習モデル生成工程は、前記前処理工程により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第一学習モデルを生成し、
前記第一予測工程は、前記前処理工程により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第二状態データを予測する、異常判定方法にある
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
を備え、
前記第二学習モデル生成工程は、
生成する前記第二学習モデルを、排他識別による前記第二学習モデルと相対識別による前記第二学習モデルとで切り替え、
異常に関する前記品質データの累積数が基準値以下である場合には、正常のみに関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による前記第二学習モデルを生成し、
異常に関する前記品質データの累積数が前記基準値より多い場合には、正常および異常に関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による前記第二学習モデルを生成する、異常判定方法にある。
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
を備え、
前記第二学習モデル生成工程は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関する前記第二学習モデルを生成し、
前記第二予測工程は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類のうち、何れの分類に属するかを予測する、異常判定方法にある。
本発明に係る他の態様は、処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
を備え、
前記処理装置は、対象物に対して前記所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械であり、
前記第一状態データは、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含み、
前記品質データは、前記対象物の正常および異常に関するデータである、異常判定方法にある。
当該異常判定方法によれば、上記異常判定装置と同様の効果を奏する。
異常判定システム1の構成を示す図である。 第一例の異常判定装置100を示すブロック図である。 第一状態データの第一例を示す図である。 第一状態データの第二例を示す図である。 前処理部105における前処理を示すフローチャートである。 第一状態データを示すグラフである。 周波数解析によるパワースペクトル情報を示すグラフである。 正規化処理後のパワースペクトル情報を示すグラフである。 第一学習モデル生成部106による出力データ(第二状態データ)であるパワースペクトル情報を示すグラフである。 第一学習モデル生成部106における第一学習データと出力データ(第二状態データ)を示す図である。 第二学習モデル生成部109における第二学習データの第一例を示す図である。 第二学習モデル生成部109における第二学習データの第二例を示す図である。 第二学習モデル生成部109による処理を示すフローチャートである。 第二例の異常判定装置200を示すブロック図である。 第一学習モデル生成部206における第一学習データ(第一状態データ)、第一学習データ(加工条件)および出力データ(第二状態データ)を示す図である。 第二学習モデル生成部209における第二学習データの第一例を示す図である。 第二学習モデル生成部209における第二学習データの第二例を示す図である。
(1.異常判定装置100,200の適用対象)
異常判定装置100,200は、所定の処理を実行する処理装置10を対象として、処理装置10による所定の処理についての正常および異常の判定を行う。処理装置10は、例えば、工作物を加工するための工作機械、成形品の成形するための成形機、搬送物を搬送するための搬送機等である。所定の処理とは、工作物の切削加工または研削加工、成形品の成形、搬送物の搬送等である。
異常の対象は、切削加工または研削加工の場合には、びびり振動が発生していること、すなわち加工の対象物(工作物)にびびり模様が生じていること等である。その他に、振動に起因する異常を対象とする。本実施形態においては、異常判定装置100,200の適用対象としての処理装置10は、対象物(工作物)の切削加工または研削加工を行う工作機械を例にあげる。
(2.異常判定システム1の構成)
異常判定システム1の構成について、図1を参照して説明する。異常判定システム1は、所定の処理を実行する複数の処理装置(工作機械)10,10,10,10と、検査装置20と、サーバ30と、異常判定装置100,200とを備える。処理装置10は、例えば、切削加工を行うマシニングセンタまたは旋盤、若しくは、研削加工を行う研削盤等である。図1においては、処理装置10は、マシニングセンタを例にあげる。
処理装置10は、工作物Wを加工工具Tにより切削加工を行う。処理装置10は、センサ11を備える。センサ11は、例えば、加工により生じる音波を検出する音波センサ、加工により生じる振動を検出する振動センサ、加工負荷を検出するセンサ等である。加工負荷を検出するセンサは、例えば、加工工具Tを回転駆動するためのモータの電流を検出するセンサ、工作物Wを支持する移動体を駆動するためのモータの電流を検出するセンサ、力センサ等である。
処理装置10は、さらに、センサ11により検出された各種情報に基づいて、工作物Wに対する加工工具Tの位置および姿勢を制御する制御装置12を備える。制御装置12は、予め設定された加工条件に基づいて制御する。加工条件は、加工工具Tの種類、工作物Wの材質、加工の開始から終了までの加工工程(荒加工、仕上げ加工等)等を含む。
検査装置20は、複数の処理装置10により処理された対象物(工作物)Wの品質検査を行う。品質検査は、形状検査、表面粗さの検査、びびり模様の有無等を行う。検査装置20は、測定の他、工作物Wの画像を取得することもできる。
サーバ30は、複数の処理装置10および検査装置20と通信可能に設けられている。サーバ30は、複数の処理装置10のそれぞれにおける加工条件、および、複数の処理装置10のそれぞれによる所定の処理の実行時に処理装置10に取り付けられたセンサ11により検出された第一状態データを収集する。さらに、サーバ30は、検査装置20による検査結果である品質データを収集する。
異常判定装置100,200は、サーバ30に収集された加工条件、第一状態データ、品質データに基づいて処理され、複数の処理装置10による所定の処理についての正常および異常を判定する。
(3.異常判定システム1の他の例)
図1においては、サーバ30が各種データを収集するものとした。この他に、複数の処理装置10のそれぞれにデータ収集装置(図示せず)を備え、各データ収集装置が、対応する処理装置10に関するデータを収集するようにしてもよい。この場合、各データ収集装置が、検査装置20による検査結果である品質データも収集することができる。そして、異常判定装置100,200は、各データ収集装置により収集されたデータを用いて、正常および異常の判定を行うことができる。
また、異常判定装置100,200は、データ収集装置と同様に、複数の処理装置10のそれぞれに設けられるようにしてもよい。この場合、各異常判定装置100,200が、各処理装置10による所定の処理についての正常および異常を判定することができる。
(4.第一例の異常判定装置100の構成)
第一例の異常判定装置100の構成について、図2を参照して説明する。なお、第一例の異常判定装置100による方法(異常判定方法)についても合わせて説明する。
異常判定装置100は、機械学習の学習フェーズにおいて機能する部分と、機械学習の推論フェーズにおいて機能する部分とを備える。推論フェーズが実行されている最中においても、学習フェーズが実行されることで、学習モデルが更新されるようにすることができる。以下に、学習フェーズと推論フェーズとに分けて説明する。なお、図2において、実線矢印は、学習フェーズにおいて機能する処理の流れを示し、破線矢印は、推論フェーズにおいて機能する処理の流れを示す。
(4-1.学習フェーズ)
異常判定装置100は、図2に示すように、学習フェーズとして機能する部分として、品質データ取得部101、品質データ記憶部102、第一状態データ取得部103、第一状態データ記憶部104、前処理部105、第一学習モデル生成部106、第一学習モデル記憶部107、第二状態データ記憶部108、第二学習モデル生成部109、および、第二学習モデル記憶部110を備える。
品質データ取得部101は、処理装置10が所定の処理を実行した場合に、所定の処理についての正常および異常に関する品質データを取得する(品質データ取得工程)。具体的には、品質データ取得部101は、検査装置20による検査結果としての品質データを取得する。本実施形態においては、品質データは、サーバ30(図1に示す)に記憶されているため、品質データ取得部101は、当該品質データをサーバ30から取得する。ただし、品質データ取得部101は、各処理装置10から直接取得することもできる。
また、処理装置10は、工作物(対象物)Wに対して所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械である。そして、品質データは、工作物Wの正常および異常に関するデータとしている。特に、品質データは、工作物Wに生じるびびり模様の程度に関するデータとする。
品質データ取得部101が取得した品質データは、品質データ記憶部102に記憶される(品質データ記憶工程)。品質データ記憶部102において、品質データは、工作物Wに対応付けられて記憶されている。つまり、品質データは、後述する第一状態データに対応付けられて記憶されていることになる。
第一状態データ取得部103は、処理装置10による所定の処理の実行時に、処理装置10に取り付けられたセンサ11により検出された第一状態データを取得する(第一状態データ取得工程)。本実施形態においては、第一状態データは、サーバ30(図1に示す)に記憶されているため、第一状態データ取得部103は、当該第一状態データをサーバ30から取得する。ただし、第一状態データ取得部103は、各処理装置10から直接取得することもできる。
ここで、上述したように、処理装置10は、工作物Wに対して所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械とする。そして、第一状態データは、工作物W毎に取得される。第一状態データ取得部103が取得した第一状態データは、第一状態データ記憶部104に、工作物Wと対応付けられて記憶される(第一状態データ記憶工程)。
なお、品質データ記憶部102および第一状態データ記憶部104は、別々の記憶部(データベース)である場合を例にあげるが、これらが一体となった記憶部(データベース)とすることもできる。一体となった記憶部に記憶される場合、品質データおよび第一状態データが、それぞれの工作物Wに対応付けられて記憶されることになる。
ここで、第一状態データは、図3に示すように、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含む。つまり、第一状態データは、1個の工作物Wを加工開始から加工終了までにおいて、時間の経過に伴う挙動を示すデータである。
なお、第一状態データとして、音波、振動、加工負荷の全てに関する波形データを用いることもできる。ここで、センサ11が音波センサである場合には、第一状態データは、音波に関する波形データとなる。センサ11が振動センサである場合には、第一状態データは、振動に関する波形データとなる。また、センサ11が加工負荷を検出するセンサである場合には、第一状態データは、加工負荷に関する波形データとなる。
第一状態データは、図3に示すように、上記の波形データの他に、または、上記の波形データに換えて、工作物Wの表面粗さに関する波形データを含むようにすることもできる。工作物Wの表面粗さに関する波形データは、通常は、検査装置20による検査によって得られる情報である。ただし、処理装置10の内部に表面粗さを測定することが可能なセンサが設けられている場合には、処理装置10に取り付けられた当該センサによって、表面粗さに関する波形データが取得される。
また、第一状態データは、図4に示すように、波形データに加えて、工作物Wの表面の画像に関する波形外データを含むようにしてもよい。画像に関する波形外データには、輝度によりびびり模様を判定することができるデータとすることもできるし、色彩によりびびり模様を判定することができるデータとすることもできる。例えば、工作物Wの表面にびびり模様が存在する場合には、画像に関するデータが、びびり模様の方向に沿って走査されたた場合の輝度データまたは色彩データとする。これにより、画像に関するデータが、ビビり模様の判定が可能なデータとなる。
前処理部105は、第一状態データ記憶部104に記憶されている第一状態データに対して所定の前処理を行うことで、データ形式を変換する(前処理工程)。そして、前処理部105は、変換した第一状態データを第一状態データ記憶部104に記憶する。
前処理部105による前処理について、図5を参照して説明する。前処理部105は、第一状態データ記憶部104に記憶されている波形データとしての第一状態データを取得する(S11)。波形データとしての第一状態データは、図6に示すように、時間に対する値として表される。
続いて、前処理部105は、波形データとしての第一状態データに対して周波数解析を行うことで、第一状態データの周波数毎のパワースペクトル情報を生成する(S12)。このようにして、パワースペクトル情報としての第一状態データが生成される。パワースペクトル情報としての第一状態データは、図7に示すように、周波数に対する値として表される。
続いて、前処理部105は、正規化する処理を行うことにより、正則化されたパワースペクトル情報としての第一状態データを生成する(S13)。正則化とは、最大値を1とする処理である。例えば、周波数解析されたパワースペクトル情報としての第一状態データの最大値がnである場合には(図7に示す)、n分の1の処理を施すことにより、正則化される。正則化されたパワースペクトル情報としての第一状態データは、図8に示すように、周波数に対する値として表され、最大値が1となる。
続いて、前処理部105は、正則化されたパワースペクトル情報としての第一状態データを、第一状態データ記憶部104に記憶する(S14)。ここで、正則化される前のパワースペクトル情報としての第一状態データも、第一状態データ記憶部104に記憶してもよい。
第一学習モデル生成部106は、第一状態データを第一学習データとする機械学習により、第一状態データを変換した第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する(第一学習モデル生成工程)。第一学習モデル生成部106にて用いられる第一状態データは、前処理部105により生成された第一状態データを用いるのが良い。すなわち、第一学習モデル生成部106にて用いられる第一状態データは、正則化されたパワースペクトル情報としての第一状態データとするのが良い。正則化されたデータを用いることで、工作物W毎のデータのバラツキの影響を抑制することができる。さらに、パワースペクトル情報を用いることで、後述する機械学習の処理が容易となる。ただし、正則化される前のパワースペクトル情報としての第一状態データを用いることもできるし、波形データとしての第一状態データを用いることもできる。
そして、第一学習モデル生成部106は、第一状態データを第一学習データとする機械学習により、第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する。図9に示すように、第一学習モデルにより生成される第二状態データは、図8に示すパワースペクトル情報としての第一状態データの中から一部の特徴量として抽出されたパワースペクトル情報である。
つまり、図10に示すように、第一学習モデルにおける第一学習データは、P個のパワースペクトル情報であるのに対して、第一学習モデルにより生成される出力データ(第二状態データ)は、Q個のパワースペクトル情報である。ここで、Qは、Pよりも極めて小さな値である。換言すると、第一学習モデルは、次元数Pの第一状態データを、低次元化された次元数Qの第二状態データを生成するためのモデルである。また、ここでの次元数が、後述する第二学習モデルを用いた処理における変数の数に相当する。
ここで、次元数を少なくするため、P個の第一状態データから一部であるQ個を抽出する際には、第一状態データの中で特徴的なデータを抽出する必要がある。しかし、特徴的なデータを決定することは容易ではない。そこで、特徴的なデータを決定するために、機械学習を用いている。つまり、第一学習モデルは、第一状態データに含まれる複数の変数の中から特徴変数(特徴周波数)を抽出し、特徴変数(特徴周波数)に対応する値を第二状態データとして生成するためのモデルである。
第一学習モデルは、例えば、Lasso回帰(L1正則化とも称する)を用いる。つまり、第一学習モデルは、低次元化する手段として、Lasso回帰を使用することで、一部のパラメータをゼロとすることで、特徴選択を行うことができる。そして、多数の第一状態データを用いて機械学習を行うことで、特徴変数(特徴周波数)を選択することが可能となる。
そして、第一学習モデル生成部106により生成された第一学習モデルは、第一学習モデル記憶部107に記憶される(第一学習モデル記憶工程)。ここで、第一学習モデル生成部106は、後述する推論フェーズにおいても、継続して第一学習モデルの生成を行うことができる。この場合、第一学習モデルが逐次更新されることになる。機械学習においては、学習データが多いほど、学習モデルを高精度にすることができる。そこで、第一学習モデルを更新し続けることにより、使用し続けるほど、高精度な結果を得ることができるようになる。
さらに、第一学習モデル生成部106が学習フェーズにおいて学習することによって得られる出力データとしての第二状態データは、第二状態データ記憶部108に記憶される。第二状態データは、第二状態データ記憶部108に、工作物Wと対応付けられて記憶される。
第二学習モデル生成部109は、第二状態データ記憶部108に記憶されている第二状態データと、品質データ記憶部102に記憶されている品質データとを第二学習データとする機械学習を行う。第二学習モデル生成部109は、当該機械学習により、第二状態データと品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する(第二学習モデル生成工程)。生成された第二学習モデルは、第二学習モデル記憶部110に記憶される(第二学習モデル記憶工程)。第二学習モデルは、分類分けを行うためのモデルが適用される。第二学習モデルは、例えば、サポートベクターマシーン(SVM)等を適用する。
第二学習データの第一例には、図11に示すように、波形データに基づいて得られたQ個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、びびり模様の程度を示す値としての品質データとが含まれる。つまり、第二学習モデルは、パワースペクトル情報と、びびり模様の程度を示す値との関係を表すモデルである。そして、びびり模様の程度を示す値としての品質データは、正常と異常の2種類に分類分けするためのデータとする。つまり、第二学習モデルが、品質データが属する分類として、正常と異常の2種類の分類に関するモデルとなる。
この他に、第二学習モデルは、品質データに属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関するモデルとしてもよい。この場合、正常であっても、正常範囲の境界付近に位置する場合と、正常範囲の中央付近に位置する場合とを区別することができる。また、異常を複数段階に分類することにより、軽度の異常と重度の異常とを区別することができる。異常の程度に応じた対処方法を実行することができる。
また、第二学習データの第二例には、図12に示すように、波形データに基づいて得られたQ個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、波形外データに基づいて得られたQ1個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、びびり模様の程度を示す値としての品質データとが含まれる。この場合、第二学習モデルは、波形データに基づいたパワースペクトル情報と、波形外データに基づいたパワースペクトル情報と、びびり模様の程度を示す値との関係を表すモデルである。
このように複数種のパワースペクトル情報を用いることにより、より高精度に品質データとの関係を学習することができる。ここで、波形外データに基づいたパワースペクトル情報も、上述した波形データに基づいたパワースペクトル情報と同様に得られる。つまり、Q1は、Qとは同一値としてもよいし、異なる値としてもよい。
次に、第二学習モデル生成部109の詳細な処理について、図13を参照して説明する。第二学習モデル生成部109は、異常データの累積数に応じて、生成する第二学習モデルを、排他識別による第二学習モデルと相対識別による第二学習モデルとで切り替える。
図13に示すように、第二学習モデル生成部109は、品質データ記憶部102に記憶されている異常に関する品質データ(異常データと称する)の累積数を取得する(S21)。続いて、第二学習モデル生成部109は、異常データの累積数が基準値より多いか否かを判定する(S22)。第二学習モデル生成部109は、異常データの累積数が基準値以下である場合には(S22:No)、正常のみに関する品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による第二学習モデルを生成する(S23)。一方、第二学習モデル生成部109は、異常データの累積数が基準値より多い場合には(S22:Yes)、正常に関する品質データおよび異常に関する品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による第二学習モデルを生成する(S24)。
ここで、上記の切り替え処理は、正常に関する品質データ(正常データと称する)となる累積数が、異常データの累積数よりも、多くなることを前提としている。つまり、データの蓄積初期においては、正常データは多数取得できたとしても、異常データは、正常データに比べて十分に取得することができない。そこで、データの蓄積初期においては、正常データが十分に蓄積できているため、正常データのみを用いて排他識別を行うための第二学習モデルが生成される。
一方、データの蓄積を継続することによって、異常データが十分な累積数を取得することができる状態となる。その場合には、正常データと異常データとを用いて、相対識別を行うための第二学習モデルが生成される。そして、相対識別を行うための第二学習モデルが生成された後は、当該第二学習モデルが、排他識別を行うための第二学習モデルに置換して、第二学習モデル記憶部110に記憶される。
(4-2.推論フェーズ)
次に、異常判定装置100の機械学習の推論フェーズにおいて機能する部分について、図2を参照して説明する。異常判定装置100は、図2に示すように、推論フェーズとして機能する部分として、第一状態データ取得部103、第一状態データ記憶部104、前処理部105、第一学習モデル記憶部107、第一予測部111、第二状態データ記憶部108、第二学習モデル記憶部110、第二予測部112、および、出力部113を備える。
ここで、第一学習モデル記憶部107および第二学習モデル記憶部110には、上述した学習フェーズにおいて、第一学習モデルおよび第二学習モデルが記憶されている。さらに、推論フェーズが実行されている最中においても、学習フェーズが実行される。従って、第一学習モデル記憶部107に記憶される第一学習モデル、および、第二学習モデル記憶部110に記憶される第二学習モデルは、更新されていく。
また、推論フェーズにおいて、判定タイミングにおける第一状態データが、第一状態データ取得部103により取得され、第一状態データ記憶部104に記憶される。さらに、前処理部105が、第一状態データ記憶部104に記憶された第一状態データに対して前処理を行うことにより、前処理後の第一状態データが第一状態データ記憶部104に記憶されている。また、品質データが、品質データ取得部101により取得され、品質データ記憶部102に記憶されている。この点は、学習フェーズと同様である。
推論フェーズ特有の構成である第一予測部111、第二予測部112、出力部113について、説明する。第一予測部111は、第一状態データを、第一状態データ記憶部104から取得する。つまり、第一予測部111は、判定タイミングにおける第一状態データを第一入力データとして取得する。ここで、第一状態データである第一入力データは、前処理部105により生成されたP個のパワースペクトル情報としての第一状態データを用いる。
そして、第一予測部111は、取得した第一入力データと第一学習モデル記憶部107に記憶されている第一学習モデルを用いて、第一入力データに対応する第二状態データを予測する(第一予測工程)。第一学習モデルは、上述したように、第一状態データを入力した場合に第二状態データを出力するモデルである。従って、第一学習モデルを用いて、第一状態データを入力することにより、第二状態データが出力される。
つまり、第一予測部111は、図9に示すような、低次元化された第二状態データを得る。なお、第一予測部111は、学習フェーズにおいて適用した第一状態データの種類が用いられる。すなわち、第一予測部111は、図3または図4に示すように、1種類の波形データに基づくパワースペクトル情報を用いることもできるし、複数の情報を用いることもできる。第一予測部111が出力する第二状態データは、第二状態データ記憶部108に記憶される。
第二予測部112は、第一予測部111によって予測された第二状態データを第二入力データとして、第二状態データ記憶部108から取得する。第二予測部112は、当該第二入力データと第二学習モデル記憶部110に記憶されている第二学習モデルを用いて、第二入力データに対応する品質データが属する分類を予測する(第二予測工程)。第二学習モデルは、上述したように、第二状態データと品質データとに関するモデルである。従って、第二学習モデルを用いて、第二状態データを入力することにより、品質データに関する情報、すなわち品質データが属する分類分けが可能な情報が出力される。
従って、第二予測部112は、判定タイミングにおける第一状態データが、品質データが属する分類として、正常と異常の2種類の分類に分けることができる。つまり、当該第一状態データに対応付けられた工作物Wに、びびり模様が存在しない正常状態であるか、びびり模様が存在する異常状態であるかを分類分けすることができる。
また、第二学習モデルが、品質データに属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関するモデルである場合には、工作物Wが、当該多段階のうち何れの分類に属するかを予測することができる。
出力部113は、第二予測部112が判定した工作物Wの正常/異常について出力する。出力部113は、表示装置(図示せず)への表示による出力等を行う。出力部113は、異常判定装置100の表示装置等に出力するようにしてもよいし、対象の処理装置10の表示装置等に出力するようにしてもよいし、サーバ30等その他の管理装置の表示装置等に出力するようにしてもよい。また、出力部113は、作業者または管理者が所有する携帯端末に出力することもできる。
(5.効果)
異常判定装置100によれば、第二予測部112が、第二状態データと第二学習モデルを用いて、品質データが属する分類、すなわち、所定の処理が正常および異常であるかを判定している。そして、第二状態データは、処理装置10に取り付けられたセンサ11により検出された第一状態データではなく、第一状態データを変換したデータである。第二状態データは、第一予測部111によって、第一状態データと第一学習モデルを用いることで得られるデータである。
つまり、第一状態データと第一学習モデルを用いて第二状態データを生成する第一段階の処理を行い、第一段階の処理の後に、第二状態データと第二学習モデルを用いて正常および異常の判定を行うための第二段階の処理が行われる。このように、異常判定装置100は、複数段階で、機械学習の学習モデルを適用している。従って、正常および異常の判定予測を高精度に行うことができる。
(6.第二例の異常判定装置200の構成)
第二例の異常判定装置200の構成について、図14を参照して説明する。なお、第二例の異常判定装置200による方法(異常判定方法)についても合わせて説明する。
異常判定装置200は、第一例と同様に、機械学習の学習フェーズにおいて機能する部分と、機械学習の推論フェーズにおいて機能する部分とを備える。推論フェーズが実行されている最中においても、学習フェーズが実行されることで、学習モデルが更新されるようにすることができる。以下に、学習フェーズと推論フェーズとに分けて説明する。なお、図14において、実線矢印は、学習フェーズにおいて機能する処理の流れを示し、破線矢印は、推論フェーズにおいて機能する処理の流れを示す。また、第一例と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
(6-1.学習フェーズ)
異常判定装置200は、図14に示すように、学習フェーズとして機能する部分として、品質データ取得部101、品質データ記憶部102、加工条件取得部221、加工条件記憶部222、第一状態データ取得部103、第一状態データ記憶部104、前処理部105、第一学習モデル生成部206、第一学習モデル記憶部107、第二状態データ記憶部108、第二学習モデル生成部209、および、第二学習モデル記憶部110を備える。
加工条件取得部221は、処理装置10の制御装置12に記憶されている加工条件を取得する(加工条件取得工程)。加工条件は、例えば、加工工具Tの種類、工作物Wの材質、加工の開始から終了までにおけるタイミング等に関する情報である。また、加工条件は、設定される主軸回転数等の処理装置1の各種動作条件等であってもよい。加工条件は、荒加工、仕上げ加工等の加工工程を含むようにしてもよい。取得した加工条件は、加工条件記憶部222に記憶される(加工条件記憶工程)。
第一学習モデル生成部206は、第一例の第一学習モデル生成部106に対して、加工条件に応じて機械学習を行うことにより、加工条件に応じた第一学習モデルを生成する点が相違する。すなわち、第一学習モデル生成部206は、第一状態データおよび加工条件を第一学習データとする機械学習により、第一状態データを変換した第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する(第一学習モデル生成工程)。
図15に示すように、第一学習モデルにおける第一学習データは、第一状態データに関するデータと、加工条件に関するデータとを含む。第一状態データとしての第一学習データは、P個のパワースペクトル情報である。加工条件としての第一学習データは、加工工具Tの種類、工作物Wの材質、加工のタイミング等である。また、第一学習モデルにより生成される出力データ(第二状態データ)は、Q個のパワースペクトル情報である。また、第一学習モデルは、第一状態データに含まれる複数の変数の中から特徴変数(特徴周波数)を抽出し、特徴変数(特徴周波数)に対応する値を第二状態データとして生成するためのモデルである。つまり、第一学習モデルは、第一例と同様に、低次元化するためのモデルである。
第二学習モデル生成部209は、第一例の第二学習モデル生成部109に対して、加工条件に応じて機械学習を行うことにより、加工条件に応じた第二学習モデルを生成する点が相違する。すなわち、第二学習モデル生成部209は、第二状態データおよび加工条件を第二学習データとする機械学習により、品質データが属する分類分けを行うための第二学習モデルを生成する。
第二学習データの第一例には、図16に示すように、波形データに基づいて得られたQ個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、びびり模様の程度を示す値としての品質データと、加工条件とが含まれる。加工条件には、加工工具Tの種類、工作物Wの材質、加工のタイミング等が含まれる。つまり、第二学習モデルは、パワースペクトル情報と、びびり模様の程度を示す値と、加工条件との関係を表すモデルである。
第二学習モデルは、品質データが属する分類として、正常と異常の2種類の分類に関するモデルとしてもよいし、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関するモデルとしてもよい。
また、第二学習データの第二例には、図17に示すように、波形データに基づいて得られたQ個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、波形外データに基づいて得られたQ1個のパワースペクトル情報としての第二状態データと、びびり模様の程度を示す値としての品質データと、加工条件とが含まれる。この場合、第二学習モデルは、波形データに基づいたパワースペクトル情報と、波形外データに基づいたパワースペクトル情報と、びびり模様の程度を示す値と、加工条件との関係を表すモデルである。
このように複数種のパワースペクトル情報を用いることにより、より高精度に品質データとの関係を学習することができる。ここで、波形外データに基づいたパワースペクトル情報も、上述した波形データに基づいたパワースペクトル情報と同様に得られる。
(6-2.推論フェーズ)
次に、異常判定装置200の機械学習の推論フェーズにおいて機能する部分について、図14を参照して説明する。異常判定装置200は、図14に示すように、推論フェーズとして機能する部分として、加工条件取得部221、加工条件記憶部222、第一状態データ取得部103、第一状態データ記憶部104、前処理部105、第一学習モデル記憶部107、第一予測部211、第二状態データ記憶部108、第二学習モデル記憶部110、第二予測部212、および、出力部113を備える。
第一予測部211は、第一例の第一予測部111に対して、加工条件に応じた第二状態データを予測する点において相違する。第一予測部211は、判定タイミングにおける第一状態データおよび加工条件を第一入力データとして取得し、第一入力データと第一学習モデルを用いて、第一入力データに対応する第二状態データを予測する(第一予測工程)。
第二予測部212は、第一例の第二予測部112に対して、加工条件に応じた品質データが属する分類を予測する点において相違する。第二予測部212は、第二状態データおよび加工条件を第二入力データとして取得し、第二入力データと第二学習モデルを用いて、第二入力データに対応する品質データが属する分類を予測する(第二予測工程)。
このように、第二例の異常判定装置200は、加工条件を考慮して、品質データが属する分類、すなわち、加工が正常であったか、異常であったかを判定することができる。すなわち、加工条件を考慮して、より詳細に、分類分けを行うことができるため、例えば、加工工具Tに種類に応じて、正常/異常の判定が可能となる。
1:異常判定システム、 10:処理装置、 11:センサ、 12:制御装置、 20:検査装置、 30:サーバ、 100,200:異常判定装置、 101:品質データ取得部、 102:品質データ記憶部、 103:第一状態データ取得部、 104:第一状態データ記憶部、 105:前処理部、 106,206:第一学習モデル生成部、 107:第一学習モデル記憶部、 108:第二状態データ記憶部、 109,209:第二学習モデル生成部、 110:第二学習モデル記憶部、 111,211:第一予測部、 112,212:第二予測部、 113:出力部、 221:加工条件取得部、 222:加工条件記憶部、 T:加工工具、 W:工作物(対象物)

Claims (18)

  1. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
    波形データとしての前記第一状態データに対して周波数解析を行うことで前記第一状態データの周波数毎のパワースペクトル情報を生成し、当該パワースペクトル情報としての前記第一状態データを取得する前処理部と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
    を備え
    前記第一学習モデル生成部は、前記前処理部により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第一学習モデルを生成し、
    前記第一予測部は、前記前処理部により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第二状態データを予測する、異常判定装置。
  2. 前記第一学習モデルは、前記第一状態データに含まれる複数の変数の中から特徴変数を抽出し、前記特徴変数に対応する値を前記第二状態データとして生成するためのモデルである、請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 前記前処理部は、正規化する処理を行うことにより、正則化された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを生成する、請求項1または2に記載の異常判定装置。
  4. 前記第二学習モデル生成部は、
    生成する前記第二学習モデルを、排他識別による前記第二学習モデルと相対識別による前記第二学習モデルとで切り替え、
    異常に関する前記品質データの累積数が基準値以下である場合には、正常のみに関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による前記第二学習モデルを生成し、
    異常に関する前記品質データの累積数が前記基準値より多い場合には、正常および異常に関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による前記第二学習モデルを生成する、請求項1-の何れか一項に記載の異常判定装置。
  5. 前記第二学習モデル生成部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関する前記第二学習モデルを生成し、
    前記第二予測部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類のうち、何れの分類に属するかを予測する、請求項1-の何れか一項に記載の異常判定装置。
  6. 前記処理装置は、対象物に対して前記所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械であり、
    前記第一状態データは、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含み、
    前記品質データは、前記対象物の正常および異常に関するデータである、請求項1-の何れか一項に記載の異常判定装置。
  7. 前記第一状態データは、前記波形データに加えて、前記対象物の画像に関する波形外データを含む、請求項に記載の異常判定装置。
  8. 前記第一学習モデル生成部および前記第二学習モデル生成部は、加工条件に応じて機械学習を行うことにより、前記加工条件に応じた前記第一学習モデルおよび前記第二学習モデルを生成し、
    前記第一予測部および前記第二予測部は、前記加工条件に応じた前記第二状態データおよび前記品質データが属する分類を予測する、請求項6または7に記載の異常判定装置。
  9. 前記加工条件は、加工工具の種類、前記対象物の材質、加工の開始から終了までにおけるタイミングの何れか一つである、請求項に記載の異常判定装置。
  10. 前記品質データは、前記対象物に生じるびびり模様の程度に関するデータである、請求項6-9の何れか一項に記載の異常判定装置。
  11. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
    を備え、
    前記第二学習モデル生成部は、
    生成する前記第二学習モデルを、排他識別による前記第二学習モデルと相対識別による前記第二学習モデルとで切り替え、
    異常に関する前記品質データの累積数が基準値以下である場合には、正常のみに関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による前記第二学習モデルを生成し、
    異常に関する前記品質データの累積数が前記基準値より多い場合には、正常および異常に関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による前記第二学習モデルを生成する、異常判定装置。
  12. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
    を備え、
    前記第二学習モデル生成部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関する前記第二学習モデルを生成し、
    前記第二予測部は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類のうち、何れの分類に属するかを予測する、異常判定装置。
  13. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得部と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得部と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成部と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成部と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測部と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測部と、
    を備え、
    前記処理装置は、対象物に対して前記所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械であり、
    前記第一状態データは、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含み、
    前記品質データは、前記対象物の正常および異常に関するデータである、異常判定装置。
  14. 所定の処理を実行する複数の処理装置と、
    前記複数の処理装置と通信可能に設けられ、前記複数の処理装置のそれぞれによる前記所定の処理の実行時に前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを収集するサーバと、
    請求項1-13の何れか一項に記載の異常判定装置であって、前記サーバに収集された前記第一状態データに基づいて処理される前記異常判定装置と、
    を備える、異常判定システム。
  15. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
    波形データとしての前記第一状態データに対して周波数解析を行うことで前記第一状態データの周波数毎のパワースペクトル情報を生成し、当該パワースペクトル情報としての前記第一状態データを取得する前処理工程と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
    を備え
    前記第一学習モデル生成工程は、前記前処理工程により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第一学習モデルを生成し、
    前記第一予測工程は、前記前処理工程により生成された前記パワースペクトル情報としての前記第一状態データを用いて前記第二状態データを予測する、異常判定方法。
  16. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
    を備え
    前記第二学習モデル生成工程は、
    生成する前記第二学習モデルを、排他識別による前記第二学習モデルと相対識別による前記第二学習モデルとで切り替え、
    異常に関する前記品質データの累積数が基準値以下である場合には、正常のみに関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより排他識別による前記第二学習モデルを生成し、
    異常に関する前記品質データの累積数が前記基準値より多い場合には、正常および異常に関する前記品質データを用いて機械学習を行うことにより相対識別による前記第二学習モデルを生成する、異常判定方法。
  17. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
    を備え
    前記第二学習モデル生成工程は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類に関する前記第二学習モデルを生成し、
    前記第二予測工程は、前記品質データが属する分類として、正常における複数段階の分類、および、異常における複数段階の分類のうち、何れの分類に属するかを予測する、異常判定方法。
  18. 処理装置による所定の処理の実行時に、前記処理装置に取り付けられたセンサにより検出された第一状態データを取得する第一状態データ取得工程と、
    前記所定の処理についての正常および異常に関する品質データであって、前記第一状態データに対応付けられた前記品質データを取得する品質データ取得工程と、
    前記第一状態データを第一学習データとする機械学習により、前記第一状態データに含まれる変数の数を削減することにより低次元化された第二状態データを生成するための第一学習モデルを生成する第一学習モデル生成工程と、
    前記第二状態データと前記品質データとを第二学習データとする機械学習により、前記第二状態データと前記品質データが属する分類とに関する第二学習モデルを生成する第二学習モデル生成工程と、
    判定タイミングにおける前記第一状態データを第一入力データとして、前記第一入力データおよび前記第一学習モデルを用いて、前記第一入力データに対応する前記第二状態データを予測する第一予測工程と、
    前記第二状態データを第二入力データとして、前記第二入力データおよび前記第二学習モデルを用いて、前記第二入力データに対応する前記品質データが属する分類を予測する第二予測工程と、
    を備え
    前記処理装置は、対象物に対して前記所定の処理として切削加工または研削加工を行う工作機械であり、
    前記第一状態データは、切削加工または研削加工に起因して発生する音波、振動、加工負荷の何れかに関する波形データを含み、
    前記品質データは、前記対象物の正常および異常に関するデータである、異常判定方法。
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