JP2022123399A - 加工最適化システム、及び加工最適化システムによる加工最適化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工作機械の生産性向上を目的として、情報データベースに基づく加工条件の提供、AI機能を用いた加工状態の監視機能と共に、IoT機能によってデータを収集し、最も生産性の高い加工条件を提示するシステムを提供すること。【解決手段】加工データベース20と、実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化するための加工負荷測定解析手段と、加工毎に工具刃先の状態をAI画像認識によって監視し、工具刃先の損傷状態や異常を判定する刃先状態判定手段と、工作機械にIoT機能を設置し、加工毎に収集した情報(加工負荷、工具の刃先情報、工具の交換サイクル、部品の加工出来高数、1つの部品を加工する時間、工具コスト)からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、加工データベース20にフィードバックを行う修正手段を備えることを特徴とする加工最適化システムとした。【選択図】図1

Description

本発明は、AI機能、及びIoT機能を用いた工作機械の加工最適化システム、及び加工最適化システムによる加工最適化方法に関する。さらに言えば、画像認識技術等のAI機能、及びIoT機能を駆使することで工作機械の生産性向上を図るような加工最適化システム、及び加工最適化システムによる加工最適化方法に関する。
自動車部品をはじめ、家電部品、医療機器、航空・宇宙部品等、工作機械を用いて加工する部品には、高い精度が要求されるだけでなく、新たな機能性材料への置換が進められている。このため、部品加工メーカにおいては優れた加工技術のみならず、新材料の最適加工条件や工程の設定に対する迅速かつ柔軟な対応が強く求められている。また、加工部品コストの削減要求も強く、工作機械(NC旋盤)には部品1個あたりの加工時間や段取り時間の短縮を実現する高い生産性が求められている。
一方、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大に伴い社会の様相が大きく変化し始め、製造現場における働き方も変換期を迎えている。そのため、ものづくりの現場では、これまで人に大きく頼っていた作業をロボットに置き換える等、自動化、省人化、無人化が加速されることとなる。これに伴い、日本のものづくりの柔軟な対応能力を支えていた熟練者の減少は不可避であり、強みを失うことになりかねない。従って、熟練者が有する加工ノウハウの見える化をすすめると同時に、NC旋盤が熟練者に代わるノウハウの蓄積を可能とするIoTとAIを利用した新たな活用システムの開発が必要不可欠である。かかる現状を踏まえて、工作機械の(熟練工を必要としなくても)生産性の向上を図ることができるシステムが希求されている。
特許文献1には、「保守管理の増大を抑制するとともに、効率よく工具の折損を検知することを可能とした工作機械の工具折損検知装置を提供する(特許文献1:要約そのまま)。」ことを課題として、「主軸と、複数の工具を収納可能な工具マガジンと、主軸と工具マガジンとの間で工具の交換を自動的に行う自動工具交換装置とを備えた工作機械の工具折損検知装置に、自動工具交換装置によって工具マガジンから主軸へ搬送される加工前の工具と、自動工具交換装置によって主軸から工具マガジンへ搬送される加工後の工具と、を撮像する撮像装置と、撮像装置によって撮像した加工前の工具の画像と加工後の工具の画像との比較により工具の折損の検知を行う画像処理装置とを有する画像認識装置を設けた(特許文献1:要約より)。」工作機械の工具折損検知装置(特許文献1:発明の名称)が開示されている。
特開2015-131357号公報
特許文献1に係る工作機械の工具折損検知装置(特許文献1:発明の名称)は、加工前の工具の画像と、加工後の工具の画像との比較により工具の折損の検知を行うものであり、保守管理の増大を抑制するとともに、工具の折損を検知することができるものであるが、工具の損傷(摩耗を含む)状態を把握できる物では無い。要するに、単に工具の折損を検知することができるが、工具刃先の損傷(摩耗を含む)については検出できないものであり、工具の欠損(折れ)の把握のみで工具の品質管理を行うことは不十分であると言える。
本発明は工作機械の生産性向上を目的として、情報データベースに基づく加工条件の提供、AI機能を用いた加工状態の監視機能と共に、IoT機能によってデータを収集し、最も生産性の高い加工条件を提示するシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、AI機能を用いた工作機械の加工最適化システムであって、
被加工物毎の加工条件、及び加工を実施した工作機械の機種・仕様が収納されている加工データベースと、
実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化するための加工負荷測定解析手段と、
加工毎に工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視し、及び監視用センサの波形解析により使用可否を判定する刃先状態判定手段と、
工作機械にIoT機能を設置し、測定データの蓄積を行いつつ、加工毎に収集した情報からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、前記加工データベースにフィードバックを行う修正手段を備えることを特徴とする加工最適化システムであることを特徴とするものである。尚、本明細書において損傷とは、摩耗やチッピング、欠損、破損、剥離等を総称する表現である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、
前記測定データはクラウド上に蓄積する加工最適化システムであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、
前記工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視する刃先状態判定手段は、損傷した刃先の画像から使用可状態か、使用不可状態かをAIに判定させるもので、膨大な量の刃先の画像を機械学習にて学習させた学習モデルである加工最適化システムであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、
既に構築されている加工データベースから被加工物、及び工作機械の機種に適した加工条件を提示する提示ステップと、
実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化することで加工時間を短縮する微修正ステップと、
加工毎に工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視し、及び監視用センサの波形解析により、使用可否を判定する刃先状態判定ステップと、
加工毎に工作機械に設置したIoT機能で収集し集積した情報からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、前記加工データベースにフィードバックを行う修正ステップを備えることを特徴とする加工最適化システムによる加工最適化方法であることとを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項4に記載された発明において、
前記提示ステップ、前記微修正ステップ、前記刃先状態判定ステップ、前記修正ステップのサイクルを回すことで、継続的にシステムが知能化し、生産性向上に貢献する加工最適化システムによる加工最適化方法であることを特徴とするものである。
本発明に係る加工最適化システムによって、既存の加工データベースから、被加工物毎、工作機械の機種毎に適した加工条件の提案をすることができるようになり、実加工データからの加工負荷を平準化し、高効率化による加工時間の短縮ができるようになり、加工時の工具刃先の状態を小型カメラ、及び監視用センサの波形観察で監視し、AI機能(機械学習、又はディープラーニング)によって刃先の損傷状態から刃先の異常(加工性が落ちている状態)を検知することができるようになった。そして、IoT機能にて収集した情報から、AI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行うことができるようになった。さらに、既存の加工データベースに、最も生産性の高い加工条件をフィードバックすることで加工データベース自体の精度を向上させ、これらのサイクルを回すことで、継続的にシステムが知能化し、生産性向上に貢献することができるようになった。
加工最適化システムの概略図(提示ステップ)である。 加工最適化システムの概略図(微修正ステップ)である。 加工最適化システムの概略図(刃先状態判定ステップ)である。 加工最適化システムの概略図(修正ステップ)である。 構築した加工データベースからの加工条件の提案をする提示ステップを説明するための図である。 加工負荷の平準化をすることで加工時間を短縮する微修正ステップを説明するための図である。 切削工具の刃先状態と工具寿命の関係を説明するための図である。 工具刃先の損傷状態を判定するための評価項目の一例としての工具逃げ面摩耗幅と加工部品の加工個数の関係を説明するための図である。 IoT機能を用いた情報収集を説明するための図である。
<加工最適化システムの概要>
以下、本発明に係る加工最適化システムの一実施形態について、図1~図9に基づいて詳細に説明する。図1~図4は、本発明に係る加工最適化システムの概略図(提示ステップ21、微修正ステップ31、刃先状態判定ステップ41、修正ステップ51)である。
本発明に係る加工最適化システム10は、被加工物毎の加工条件(切削工具、切削速度、切込み量、送り量)、及び(過去において)加工を実施した工作機械の機種・仕様が収納されている加工データベース20と、(工作機械設置時に行った)実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化(加工負荷に余裕がある時は加工負荷を上げる処理)するための加工負荷測定解析手段30と、加工毎に工具刃先の状態をAI画像認識によって監視し、及び監視用センサの波形解析により工具刃先の損傷状態や異常を判定する刃先状態判定手段40と、工作機械にIoT機能を設置し(例えば、クラウド上に測定データの蓄積を行いつつ(クラウド上以外にもデータ蓄積手段はある))、加工毎に収集した情報(加工負荷、工具の刃先情報、工具の交換サイクル、部品の加工出来高数、1つの部品を加工する時間、工具コスト)からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、加工データベース20にフィードバックを行う修正手段50を備えている。
刃先状態判定手段40のAI画像認識は、損傷した刃先の画像から使用可状態か、使用不可状態かをAIに判定させるもので、膨大な刃先の画像データを機械学習(ディープラーニングを含む)にて学習させた学習モデルである。機械学習とは大量のデータに対し、そこに潜むパターンを覚えさせ(学習)、未知のデータを判断するルール(モデル)を獲得させる技術である。ディープラーニングは機械学習に含まれる概念であるが、簡単に言うと、コンピュータプログラムが大量のデータを独自に学習して、そのデータの特徴や傾向を見つけることであると言える。ディープラーニングは、AIが独自に学習を進めていくニューラルネットワークという技術があり、ニューラルネットワークをいくつもの層に重ねることによって、複雑なデータも学習できるという技術を応用している。
図1~図4に記載したように、加工最適化システムによる加工最適化方法は、加工データベース20から被加工物、工作機械に合った加工条件の提案をする提示ステップ21(図1参照)と、実際の加工データから加工負荷を平準化し高効率化による加工時間の短縮をする微調整ステップ31(図2参照)と、加工時の工具刃先の状態をAI機能によって監視し、及び監視用センサの波形解析により使用可否を判定する刃先状態判定ステップ41(図3参照)と、IoT機能で収集した情報からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、加工データベースにフィードバックを行う修正ステップ51(図4参照)を備えている。さらに、提示ステップ21、微調整ステップ31、刃先状態判定ステップ41、修正ステップ51のサイクルを回すことで、継続的にシステムが知能化し、顧客の生産性向上に貢献する加工最適化システム10による加工最適化方法である。
具体的には、(工作機械納入設置後の)最初に加工条件を決める際に、(工作機械を納入した顧客が)過去の実績や経験から得ていた加工条件と、加工データベース20との比較を行い、加工部品、加工を行う工作機械に適した加工条件の提案を行う(提示ステップ21)。次に提案した加工条件にて実際に加工(実加工)を行い、工作機械の各軸のロード値、電流値から加工負荷の状態を把握し、把握した加工負荷のデータより加工負荷が均一となる(平準化)条件を提案することで加工時間の短縮を図る(微調整ステップ31)。そして、加工に用いる切削工具の状態を、CCDカメラ等の小型カメラで監視すること、及び監視用センサの波形解析をすることで、工具の加工個数を把握するとともに、突発的な工具刃先の欠損による加工部品の不良を防ぐ。ここでは、監視用センサのデータ分析、刃先画像の分析をAI技術(機械学習・ディープラーニングを含む)にて行う(刃先状態判定ステップ41)。
さらに、これらの情報をIoT技術によって収集を行うことで、収集したデータよりAI技術を用いて、最も生産性が得られる加工条件の分析を行う。ここでは、工具交換サイクル、工具コスト、1つの部品を加工する時間といったコスト的な要素も加えて、最も生産性の高い加工条件の検討を行う(修正ステップ51)。ここで検討された加工条件は、加工データベース20にフィードバックされ、さらに、サイクルを回すことで継続的にシステムが知能化し、工作機械の生産性を高めていくことが可能となる。以下に、加工最適化システム10による加工最適化方法の提示ステップ21、微修正ステップ31、刃先状態判定ステップ41、修正ステップ51のそれぞれについて詳細に説明する。
<提示ステップ>
提示ステップ21では、工作機械の機種、及び被加工物に適した加工条件の提案をする。図5は、加工最適化システム10の構築した加工データベース20からの加工条件の提案(提示ステップ21)を説明するための図である。加工最適化システム10では、過去の加工実績の情報より、既にデータベース化がされている。即ち、過去の加工テスト、加工仕様図、加工を実施した工作機械の機種・仕様等のデータより、工作機械の機種、及び被加工物(被加工物情報)に対応する加工プログラム(切削工具、切削速度、切込み量、送り量)を収納した加工データベース20が構築されている。
実際に加工を実施する加工プログラムを作成する際に、図5左側に記載したように、実施する機種、被加工物を選択し、(現状の)加工条件(顧客が加工するのに使用していたプログラム:最適化されていない)より各加工条件(切削速度、切込み量、送り量)を読み込み、加工データベース20と比較し、図5右側に記載したように、(現状の)加工条件よりも生産性の高い加工条件を提案することができる(図5における提示ステップ21で提案する加工条件:加工データベース20に入っている)。即ち、現状の加工プログラムより、切削速度、切込み量、送り量と言った情報を抽出し、加工データベース20と比較するためのシステムにより、加工データベース20と比較することで、加工能率が高いか低いかの判断ができる(図5において右上に行くに連れて加工能率が高い)。即ち、現状の加工条件の中でどの条件をどの程度まで変更可能かアドバイスを行うことができる。提示ステップ21では、工作機械の機種と被加工物等の被加工物情報を選択することで、その工作機械に合った加工条件か否かの確認も可能となる。
<微調整ステップ>
微調整ステップ31では、提示ステップ21において提案された加工条件にて実際に加
工を行った上で、加工時のプログラム動作と、加工負荷(主軸モータ負荷値、各送りスラ
イド軸モータ電流値)を測定、分析し加工負荷が平準化(加工負荷に余裕がある時は加工
負荷を上げる処理:結果的には加工時間を短縮する)するような加工条件を提案する。
図6は、加工負荷の平準化をすることで加工時間を短縮する微修正ステップを説明するための図である。図6下側折れ線グラフにおいて、初期加工条件(提示ステップ21において提案された加工条件)での切削加工では、動作(1)(図6参照)の加工負荷(主軸モータ負荷値、各送りスライド軸モータ電流値)に対して、動作(2)(図6参照)での加工負荷(主軸モータ負荷値、各送りスライド軸モータ電流値)の値が低くなっている。
初期加工条件(提示ステップ21において提案された加工条件)での切削加工において、動作(2)の加工時に工作機械への加工負荷が低いということは、動作(2)において加工除去する仕事量が動作(1)に対して減少していることを示している。即ち、加工負荷に余裕があると言える。一例として、動作(2)の加工条件のひとつである送り量の値を大きくし、仕事量を増すことで動作(1)、及び動作(2)の加工負荷を平準化し、効率よく加工を行うことで、全体として加工時間の「短縮」を図ることができる(図6右側折れ線グラフ(提案する加工条件での加工負荷)参照)。
<画像認識AIシステム>
画像認識とは、画像や動画から特徴をつかみ、対象物を識別するパターン認識技術の1つである。人間は、画像に写っているものが何であるか、これまでの経験から「理解」して判断することができるが、コンピューターは画像に何が写っているかを「理解」することができない。その代わりに、大量の画像データから、対象物の特徴を学習させることで、未知の画像を与えた時に、対象物が何であるかを「確率」として表現することができるようになる。
コンピューターに対象物を認識させるためには、大量の画像データとラベル(画像データが何を表すか)を与え、対象物を学習させる必要があり、機械学習やディープラーニングが登場することになる。コンピューターは、画像データとラベルの組み合わせをもとに、ラベル毎の画像データの特徴を学習する(例えば「画像データのどの位置が濃い」といった特徴)。この学習の成果を「モデル」と言う。これらの学習モデルを搭載したコンピューターに未知の画像を与えると、コンピューターは未知の画像から対象物を認識し、対象物が何であるかを「確率」として表現することができるようになる。画像認識AIシステムは、刃先状態判定ステップ41にとっては、必須の事項である。
<刃先状態判定ステップ>
刃先状態判定ステップ41は、損傷した刃先の画像(画像解析に供する)、及び監視用センサ(波形解析に供する)から、切削工具が使用可能な状態か寿命を迎えた状態かをAIに判定させるものである。加工状態を監視する際のポイントとして、切削工具の刃先状態を把握することが最も有効な手段であり、刃先状態判定手段40として、(画像解析に供するために)切削工具刃先の加工状態監視用のCCDカメラ、及び(波形解析に供するために)工作機械に設置した監視用センサ(加速度センサ、半導体歪みセンサ、圧電素子)を備えている。加工時の工具刃先の状態を把握するために、直接工具刃先をCCDカメラで撮影し、画像解析に供するための画像データとし、工作機械に設置した監視用センサ(加速度センサ、半導体歪みセンサ、圧電素子)の信号を波形解析に供するための波形データとする。
損傷した刃先の画像から、ディープラーニングによる技法を用いて工具刃先の画像解析による異常検知を試みる。もう一つのアプローチとして、切削工具の刃先に損傷が生じると、加工負荷が変化するため、監視用センサへの信号に何らかの特徴が現れると考えられる。(AIを使用して)監視用センサへの信号のデータから波形解析を試みる。さらに、加工した際に発生する切粉の形態は、加工状態を表していることが経験上判っており、これについてもカメラでの監視による画像解析を試みる。
図7は、切削工具の刃先状態と工具寿命の関係を説明するための図である。切削工具が寿命となるのは、工具刃先の摩耗幅が一定の大きさを超えた場合(図7下側グラフ参照)と、刃先が欠損した場合(図8で言及する)である。工具刃先は使用可能な状態(図7左側に記載した「初期」のポンチ絵)から加工時間が増加するにつれて寿命に達する(図7右側に記載した「工具寿命時」のポンチ絵)ことになる。
切削工具が寿命に達すると加工部品の寸法精度、形状精度に影響を与える。加工毎に刃先の状態を監視することで、工具刃先の状態(寿命までの加工時間)を予め予測することができるので、画像を詳細に解析することで切削工具の寿命の予測(1つの切削工具による加工部品数の予測)が可能となり、切削工具の交換時期の予測が可能となり、結果的に加工精度が安定するようになる。
図8は、工具刃先の損傷状態を判定するための評価項目の一例としての工具逃げ面摩耗幅と加工部品の加工個数の関係を説明するための図である。縦軸に「工具逃げ面摩耗幅」を取り、横軸は「加工部品の加工個数」を取っている。図8では、工具刃先の状態が(加工部品の)加工個数が増加するにつれて、変化していく様子を時系列にポンチ絵にて表している。
切削工具の刃先は、工具逃げ面摩耗幅(工具刃先の損傷状態を判定するための評価項目の一例:評価項目については、これに限定されることは無い)が工具寿命の閾値(点線で記載:図8参照)を超えることにより寿命を迎えるということである。図8では、工具刃先が「初期」の状態から「工具寿命時」の状態と変遷して行く3パターンを記載している。最も左側のパターンは、工具刃先に欠損が発生したパターンである。真ん中のパターンと、右側のパターンは、工具刃先の正常の摩耗状態であるが、工具の寿命にバラツキがあることを示している。
このような画像データを大量に収集して、AI画像解析(機械学習、ディープラーニング)を行うことで、工具刃先の寿命の判定をするだけでなく、現在使用中の工具刃先が「寿命を迎えるまであとどのくらい持つのか」、即ち、「あと何個部品を加工できるのか」、「工具の交換時期はいつになるのか」までもが解るようになる。さらに、真ん中のパターンと、右側のパターンにおけるバラツキ発生の原因をAI画像解析(機械学習、ディープラーニング)によって解明することで、切削工具の寿命を遅らせることができるようになる。
<修正ステップ>
修正ステップ51では、微調整ステップ31、刃先状態判定ステップ41にて収集した情報等からAI機能を用いて最も生産性の高い加工条件の検討を行う。図9は、IoT機能を用いた情報収集を説明するための図である。収集する情報は、加工負荷、工具の刃先情報があるが、工具の交換サイクル、部品の加工出来高数、1つの部品を加工する時間、工具コストといった加工した結果となる情報も収集を行う。これらの収集した情報より、最も効率的な生産性の高い加工条件についてAI機能を用いて検討を試みる。
具体的には、データの収集には図9に示すように工作機械にIoT機能を設置して、クラウドにてデータの蓄積を行い、これらのデータを使って最適な条件の検討を試みる。ここで検討された加工条件は、加工データベースにフィードバックされ、このサイクルを回すことで、継続的に生産性を高めていくことが可能となる。
<加工最適化システムの効果>
従来、工作機械を用いて加工する際、加工条件(切削速度、送り量、切り込み等)についての詳細なデータが殆ど無く、工作機械のユーザーは、加工条件については、過去の実績や工具カタログを参照して決定することが殆どであり、初期設定のままで継続して行うことが多いという現状があった。即ち、工作機械や加工条件に合った最適な加工条件を見いだすことが困難になっていた。
本発明に係る加工最適化システムの加工データベース20により、顧客がこれまでに独自に選定していた加工条件を、加工データベース20と比較することで、選定していた加工条件が機械、加工部品材料に適しているかの判断が可能になった。さらに、実加工を行い、工作機械の各軸のロード値、電流値から加工負荷の状態を把握することで、加工負荷が均一となるような条件を提案することができるので、工作機械の能力を効率良く使うことができるようになり、結果的に加工時間の短縮を図ることができるようになった。
工具が寿命に達すると加工部品の寸法精度、形状精度に影響を与えるため、刃先の状態が監視出来れば加工精度の安定、加工部品数の予測が可能となる。そこで、刃先状態判定手段40により、加工に用いる切削工具の状態をセンサやカメラで監視する(センサの情報の分析、刃先画像の分析をAI技術にて刃先状態の監視を行う)ことで、工具の加工個数の把握、突発的な工具刃先の欠損による加工部品の不良を防ぐことができるようになった。
加工負荷、工具の刃先情報以外にも、工具の交換サイクル、部品の加工出来高数、1つの部品を加工する時間、工具コスト等の情報をIoT技術によって収集を行うことで、収集したデータよりAI技術を用いて、最も生産性が得られる加工条件の分析を行うことができるようになった。ここで検討された加工条件は、加工データベースにフィードバックされ、このサイクルを回すことで、継続的に生産性を高めていくことが可能となる。要するに、総合的に見て最も生産性の高い加工条件の検討を行うことができるようになった。即ち、切削工具の刃先情報以外にも、工具の交換サイクル、部品の加工出来高数、1つの部品を加工する時間、工具コストといった加工した結果となる情報も収集をおこない、最も効率的な生産性の高い加工条件について(AI機能を用いて)判明することができるようになった。
<加工最適化システムの変更例>
本発明に係る加工最適化システムは、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、加工データベース、提示ステップ、加工負荷測定解析手段、微調整ステップ、刃先状態判定手段、刃先状態判定ステップ、修正手段、修正ステップ等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。
本発明に係る加工最適化システムは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、特に、工作機械における加工条件の最適化を提案するシステムに関する分野における加工最適化システムとして好適に用いることができる。
10・・加工最適化システム
20・・加工データベース
21・・提示ステップ
30・・加工負荷測定解析手段
31・・微調整ステップ
40・・刃先状態判定手段
41・・刃先状態判定ステップ
50・・修正手段
51・・修正ステップ

Claims (5)

  1. AI機能を用いた工作機械の加工最適化システムであって、
    被加工物毎の加工条件、及び加工を実施した工作機械の機種・仕様が収納されている加工データベースと、
    実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化するための加工負荷測定解析手段と、
    加工毎に工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視し、及び監視用センサの波形解析により使用可否を判定する刃先状態判定手段と、
    工作機械にIoT機能を設置し、測定データの蓄積を行いつつ、加工毎に収集した情報からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、前記加工データベースにフィードバックを行う修正手段を備えることを特徴とする加工最適化システム。
  2. 前記測定データはクラウド上に蓄積することを特徴とする請求項1に記載の加工最適化システム。
  3. 前記工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視する刃先状態判定手段は、損傷した刃先の画像から使用可状態か、使用不可状態かをAIに判定させるもので、膨大な量の刃先の画像を機械学習にて学習させた学習モデルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工最適化システム。
  4. 既に構築されている加工データベースから被加工物、及び工作機械の機種に適した加工条件を提示する提示ステップと、
    実際の加工データを分析し、加工負荷を平準化することで加工時間を短縮する微修正ステップと、
    加工毎に工具刃先の損傷状態を、AIを使った画像認識によって監視し、及び監視用センサの波形解析により、使用可否を判定する刃先状態判定ステップと、
    加工毎に工作機械に設置したIoT機能で収集し集積した情報からAI機能を用いて、最も生産性の高い加工条件の検討を行い、前記加工データベースにフィードバックを行う修正ステップを備えることを特徴とする加工最適化システムによる加工最適化方法。
  5. 前記提示ステップ、前記微修正ステップ、前記刃先状態判定ステップ、前記修正ステップのサイクルを回すことで、継続的にシステムが知能化し、生産性向上に貢献する請求項4に記載の加工最適化システムによる加工最適化方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102626346B1 (ko) * 2023-09-04 2024-01-17 주식회사 올니스 공작 기계의 공구 마모 및 파손 상태 여부를 감지하는 방법 및 장치

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