以下では、添付図面を参照して本出願の技術的解決策について説明する。
本出願の実施形態の技術的解決策は、汎欧州デジタル移動電話方式(global system for mobile communications、GSM)、符号分割多元接続(code division multiple access、CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(wideband code division multiple access、WCDMA(登録商標))システム、汎用パケット無線サービス(general packet radio service、GPRS)システム、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、LTE周波数分割複信(frequency division duplex、FDD)システム、LTE時分割複信(time division duplex、TDD)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(universal mobile telecommunication system、UMTS)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(worldwide interoperability for microwave access、WiMAX)通信システム、第5世代(5th generation、5G)システム、またはnew radio(new radio、NR)システムなどの様々な通信システムに適用され得る。
本出願の実施形態の理解を容易にするために、まず、図1に示される通信システムが例として使用されて、本出願の実施形態が適用可能な通信システムを詳細に説明する。図1は、本出願の一実施形態におけるプリコーディングベクトルを示すための方法が適用可能である通信システム100の概略図である。図1に示されるように、通信システム100は、少なくとも1つのネットワーク装置、例えば、図1に示されるネットワーク装置110を含みうる。通信システム100は、少なくとも1つの端末装置、例えば、図1に示される端末装置120をさらに含みうる。ネットワーク装置110および端末装置120は、無線リンクを介して互いに通信しうる。ネットワーク装置110または端末装置120などの各通信装置に対して複数のアンテナを構成しうる。通信システム100内の各通信装置について、構成された複数のアンテナは、信号を送信するように構成された少なくとも1つの送信アンテナと、信号を受信するように構成された少なくとも1つの受信アンテナとを含み得る。したがって、通信システム100内の通信装置、例えば、ネットワーク装置110および端末装置120は、マルチアンテナ技術を使用して互いに通信しうる。
通信システム内のネットワーク装置は、無線トランシーバ機能を有する任意の装置であってもよいことを理解されたい。ネットワーク装置には、進化型ノードB(evolved Node B,eNB)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller,RNC)、ノードB(NodeB,NB)、基地局コントローラ(base station controller,BSC)、基地トランシーバ局(base transceiver station,BTS)、ホームノードB(例えば、home evolved NodeB、またはhome Node B,HNB)、ベースバンドユニット(baseband unit,BBU)、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity,WiFi)システムのアクセスポイント(access point,AP)、ワイヤレスリレーノード、ワイヤレスバックホールノード、送信ポイント(transmission point,TP)、送信および受信ポイント(transmission and reception point,TRP)などが含まれるが、これらに限定されない。あるいは、ネットワーク装置は、NRシステムなどの5GシステムのgNBもしくは送信ポイント(TRPまたはTP)は、5Gシステムの基地局の1つのアンテナパネルまたはアンテナパネルのグループ(複数のアンテナパネルを含む)であってもよく、またはgNBもしくは送信ポイントを構成するベースバンドユニット(BBU)、または分散型ユニット(distributed unit,DU)などのネットワークノードあってもよい。
いくつかの展開では、gNBは、集中型ユニット(centralized unit,CU)およびDUを含んでもよい。gNBは、無線周波数ユニット(radio unit,RU)をさらに含んでもよい。CUはgNBの一部の機能を実装し、DUはgNBの一部の機能を実装する。例えば、CUは、無線リソース制御(radio resource control,RRC)層とパケットデータ収束プロトコル(packet data convergence protocol,PDCP)層の機能を実装し、DUは、無線リンク制御(radio link control,RLC)層、メディアアクセス制御(media access control,MAC)層、および物理(physical,PHY)層の機能を実装する。RRC層の情報は、最終的にPHY層の情報に変換されるか、またはPHY層の情報から変換される。したがって、このアーキテクチャでは、RRC層信号などの上位層信号も、DUによって送信された、またはDUおよびRUによって送信されたと見なすことができる。ネットワーク装置は、CUノード、DUノード、またはCUノードおよびDUノードを含む装置であり得ることが理解され得る。さらに、CUは、アクセスネットワーク(radio access network,RAN)内のネットワーク装置であってもよく、またはコアネットワーク(core network,CN)内のネットワーク装置であってもよい。これは本出願では限定されない。
無線通信システムにおける端末装置は、ユーザ機器(user equipment、UE)、アクセス端末、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイルコンソール、リモート局、リモート端末、モバイル装置、ユーザ端末、端末、ワイヤレス通信装置、ユーザエージェント、またはユーザ装置と呼ばれる場合もあることをさらに理解されたい。本出願の実施形態における端末装置は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(pad)、無線トランシーバ機能を備えたコンピュータ、仮想現実(virtual reality,VR)端末装置、拡張現実(augmented reality,AR)端末装置、産業用制御(industrial control)の無線端末、自動運転(self driving)の無線端末、遠隔医療(remote medical)の無線端末、スマートグリッド(smart grid)の無線端末、輸送安全性(transportation safety)の無線端末、スマートシティ(smart city)の無線端末、スマートホーム(smart home)の無線端末などであってもよい。本出願の実施形態では、適用シナリオは限定されない。
図1は、理解を容易にするための例示的な単純化された概略図にすぎないことを理解されたい。通信システム100は、図1に示されていない別のネットワーク装置または別の端末装置をさらに含んでもよい。
本出願の実施形態の理解を容易にするために、以下で、ダウンリンク信号が送信される前の物理層におけるダウンリンク信号の処理プロセスを簡単に説明する。後述するダウンリンク信号の処理プロセスは、ネットワーク装置によって実行されてもよく、またはネットワーク装置に配置されたチップによって実行されてもよいことを理解されたい。説明を容易にするために、以下では、ネットワーク装置およびネットワーク装置内に配置されたチップをまとめてネットワーク装置と呼ぶ。
ネットワーク装置は、物理チャネル上のコードワード(code word)を処理することができる。コードワードは、符号化(例えば、チャネル符号化を含む)によって得られた符号化ビットであってもよい。コードワードは、スクランブルビットを生成するためにスクランブル(scrambling)される。変調シンボルを取得するために、スクランブルビットに対して変調マッピング(modulation mapping)が実行される。変調シンボルは、層マッピング(layer mapping)により、複数の層(layer)にマッピングされる。この層はまた、トランスポート層と呼ばれる。プリコードされた信号を取得するために、層マッピングにより得られた変調シンボルをプリコーディング(precoding)する。プリコーディングされた信号は、REマッピングにより複数のリソース要素(resource element,RE)にマッピングされる。これらのREは、その後、REに対して直交周波数分割多重(orthogonal frequency division multiplexing,OFDM)変調が実行された後、アンテナポート(antenna port)を介して送信される。
上記のダウンリンク信号の処理プロセスは、説明のための例にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成するものではないことを理解されたい。ダウンリンク信号の具体的な処理プロセスについては、現在の技術を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では具体的なプロセスの詳細な説明を省く。
本出願の実施形態の理解を容易にするために、以下では、本出願の実施形態で使用される用語をまず簡単に説明する。
1.プリコーディング技術:チャネル状態が分かっている場合、ネットワーク装置は、受信装置によるチャネル間の影響を排除する複雑さを低減するために、プリコーディングされた送信される信号がチャネルに適応するように、チャネルと一致するプリコーディング行列を使用して送信される信号を処理することができる。したがって、送信される信号がプリコーディングされた後、受信された信号の品質(例えば、信号対干渉電力と雑音比(signal to interference plus noise ratio,SINR))が改善される。したがって、送信装置と複数の受信装置との間の送信は、プリコーディング技術を使用することによって同じ時間周波数リソース上で実施することができる。すなわち、マルチユーザ多入力多出力(multiple user multiple input multiple output,MU-MIMO)が実施される。プリコーディング技術の関連する説明は、理解を容易にするための単なる例であり、本出願の実施形態の保護範囲を限定することを意図するものではないことに留意されたい。特定の実装プロセスでは、送信装置は別の方法でプリコーディングをさらに実行することができる。例えば、チャネル情報(例えば、これに限定されないが、チャネル行列)を学習することができない場合、予め設定されたプリコーディング行列を使用して、または重み付け処理によってプリコーディングが実行される。簡潔にするために、プリコーディング方法の具体的な内容は本明細書ではこれ以上説明されない。
2.プリコーディング行列インジケータ(precoding matrix indicator,PMI):プリコーディング行列インジケータを使用してプリコーディング行列を示すことができる。プリコーディング行列は、例えば、各サブバンドのチャネル行列に基づいて端末装置によって決定されたプリコーディング行列であってもよい。チャネル行列は、チャネル推定などを介して、またはチャネル相反性に基づいて端末装置によって決定され得る。しかしながら、端末装置によってプリコーディング行列を決定するための具体的な方法は、前述の説明に限定されないことを理解されたい。特定の実装形態については、現在の技術を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細を網羅的に説明しない。
例えば、プリコーディング行列は、チャネル行列またはチャネル行列の共分散行列に対して特異値分解(singular value decomposition,SVD)を実行することによって取得されてもよいし、チャネル行列の共分散行列に対して固有値分解(eigenvalue decomposition,EVD)を実行することによって取得されてもよい。これは本出願では限定されない。プリコーディング行列を決定する前述の列挙された方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではないことを理解されたい。プリコーディング行列を決定する方法については、現在の技術を参照されたい。簡潔にするために、プリコーディング行列を決定する具体的なプロセスの詳細な説明は、本明細書では省略する。
端末装置は、サブバンドごとにプリコーディング行列を量子化することができ、PMIを使用して量子化値をネットワーク装置に送信することができ、その結果、ネットワーク装置は、PMIに基づいて、端末装置によって決定されたプリコーディング行列と同じまたは同様のプリコーディング行列を決定する。例えば、ネットワーク装置は、PMIに基づいて各サブバンドのプリコーディング行列を直接決定してもよく、またはPMIに基づいて各サブバンドのプリコーディング行列を決定し、次いでさらなる処理を実行してもよく、例えば、最終的に使用されるプリコーディング行列を決定するために、異なるユーザのプリコーディング行列に対して直交化処理を実行する。したがって、ネットワーク装置は、送信される信号に対してプリコーディング処理を実行するために、各サブバンドのチャネルに適応するプリコーディング行列を決定することができる。PMIに基づいてネットワーク装置によって各サブバンドに使用されるプリコーディング行列を決定するための具体的な方法については、現在の技術を参照することを理解されたい。これは理解を容易にするための例にすぎず、本出願に対するいかなる限定も構成すべきではないことを理解されたい。
結論として、端末装置によって決定されるプリコーディング行列は、フィードバックされるプリコーディング行列として理解され得る。端末装置は、ネットワーク装置がPMIに基づいてプリコーディング行列を復元するように、PMIを使用してフィードバックされるプリコーディング行列を示すことができる。PMIに基づいてネットワーク装置によって復元されたプリコーディング行列は、フィードバックされるプリコーディング行列と同じまたは同様であり得ることが理解され得る。
ランク(rank)が1である場合に2つのレベルを使用してフィードバックされるプリコーディング行列の簡単な例を以下に示す。
Wは、1つのトランスポート層、1つのサブバンド、および2つの偏波方向でフィードバックされるプリコーディング行列を表す。W1は広帯域を用いてフィードバックされてもよく、W2はサブバンドを用いてフィードバックされてもよい。v0~v3は、W1に含まれるビームベクトルであり、複数のビームベクトルは、例えば、複数のビームベクトルの組み合わせのインデックスを用いて示されてもよい。上記のプリコーディング行列では、2つの偏波方向のビームベクトルは同じであり、ビームベクトルv0~v3は2つの偏波方向の両方で使用される。a0~a7は、W1に含まれる広帯域振幅係数であり、広帯域振幅係数の量子化値を用いて示すことができる。c0~c7は、W2に含まれるサブバンド係数であり、各サブバンド係数は、サブバンド振幅係数およびサブバンド位相係数を含みうる。例えば、c0~c7は、それぞれサブバンド振幅係数α0~α7およびサブバンド位相係数Φ0~Φ7を含んでもよく、それぞれサブバンド振幅係数α0~α7の量子化値およびサブバンド位相係数Φ0~Φ7の量子化値を用いて示されてもよい。フィードバックされるプリコーディング行列は、複数のビームベクトルの加重和と考えることができることが分かる。
上記のプリコーディング行列は、1つのトランスポート層でのフィードバックに基づいて取得され、したがって、プリコーディングベクトルとも呼ばれる場合があることを理解されたい。トランスポート層の数が増加すると、端末装置は各トランスポート層に基づいて別々にフィードバックを実行することができる。1つのサブバンドのプリコーディング行列は、各トランスポート層でフィードバックを介して取得されたプリコーディングベクトルに基づいて構築され得る。例えば、4つのトランスポート層がある場合、プリコーディング行列は、4つのトランスポート層にそれぞれ対応する4つのプリコーディングベクトルを含み得る。
トランスポート層の数が増加するにつれて、端末装置のフィードバックオーバーヘッドも増加する。例えば、4つのトランスポート層がある場合、a0~a7およびc0~c7のフィードバックオーバーヘッドは、1つのトランスポート層のフィードバックオーバーヘッドの最大4倍である。言い換えれば、端末装置が各トランスポート層に基づいて前述の広帯域フィードバックおよびサブバンドフィードバックを実行する場合、トランスポート層の数が増加するにつれてフィードバックオーバーヘッドが増加する。サブバンドの数が多いほど、フィードバックオーバーヘッドが大きく増加する。したがって、PMIフィードバックオーバーヘッドを低減することができる方法を提供することが期待される。
PMIを使用してプリコーディング行列をフィードバックする前述の列挙された方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。例えば、代替として、端末装置は、PMIを使用してチャネル行列をネットワーク装置にフィードバックしてもよく、ネットワーク装置は、プリコーディング行列を決定するために、PMIに基づいてチャネル行列を決定してもよい。これは本出願では限定されない。
3.プリコーディングベクトル:本出願の実施形態では、プリコーディングベクトルは、プリコーディング行列におけるベクトル、例えば列ベクトルによって決定され得る。具体的には、プリコーディング行列は、1つまたは複数の列ベクトルを含むことができ、各列ベクトルは、1つのプリコーディングベクトルを決定するために使用されることができる。プリコーディング行列が1つの列ベクトルのみを含む場合、プリコーディング行列はプリコーディングベクトルと呼ばれることもある。
プリコーディング行列は、1つまたは複数のトランスポート層でプリコーディングベクトルまたはプリコーディングベクトルによって決定され得、プリコーディング行列における各ベクトルは1つのトランスポート層に対応し得る。プリコーディングベクトルは、N1×1の次元を有し得ると仮定する。トランスポート層の数がR(Rは正の整数)である場合、プリコーディング行列はN1×Rの次元を有することができる。トランスポート層の数は、ランクインジケータ(rank indicator,RI)を使用して示すことができ、N1はアンテナポートの数を表すことができ、N1は正の整数である。
送信アンテナに対して複数の偏波方向が構成される場合、プリコーディングベクトルは、あるいは、1つの偏波方向における1つのトランスポート層でのプリコーディング行列の成分であってもよい。偏波方向の数をP(Pは正の整数)とし、1つの偏波方向におけるアンテナポートの数をN2とする。この場合、1つのトランスポート層に対応するプリコーディングベクトルの次元は、(P×N2)×1であり、1つの偏波方向におけるプリコーディングベクトルの次元はN2×1であってもよく、ここでN2は正の整数である。
したがって、プリコーディングベクトルは、1つのトランスポート層に対応してもよく、1つのトランスポート層における1つの偏波方向に対応してもよく、または別のパラメータに対応してもよい。これは本出願では限定されない。
4.アンテナポート:アンテナポートは、略してポートと呼ばれる場合がある。アンテナポートは、受信装置によって識別される送信アンテナ、または空間的に区別され得る送信アンテナとして理解され得る。1つのアンテナポートが仮想アンテナごとに構成されてもよく、各仮想アンテナは複数の物理アンテナの重み付き組み合わせであってよく、各アンテナポートは1つの基準信号に対応し得る。したがって、各アンテナポートは、基準信号ポート、例えば、CSI-RSポートまたはサウンディング基準信号(sounding reference signal,SRS)ポートと呼ばれる場合がある。
5.ビームおよびビームベクトル:ビームは、空間内の方向に形成された信号強度の分布として理解することができる。ビームフォーミングの技術は、ビームフォーミング(またはビームフォーミングと呼ばれる)技術または別の技術であってもよい。ビームフォーミング技術は、具体的には、デジタルビームフォーミング技術、アナログビームフォーミング技術、またはハイブリッドデジタル/アナログビームフォーミング技術であってもよい。本出願の実施形態では、デジタルビームフォーミング技術を使用してビームを形成することができる。
ビームベクトルは、ビームに対応してもよく、プリコーディング行列におけるプリコーディングベクトルであってもよく、またはビームフォーミングベクトルであってもよい。ビームベクトル内の各要素は、各アンテナポートの重みを表すことができる。異なるアンテナポートにおける重み付き信号は、比較的強い信号強度を有する領域を形成するために重畳される。
本出願の実施形態では、ビームベクトルは空間ベクトルと呼ばれることもある。任意選択で、ビームベクトルの長さ(または次元)は、1つの偏波方向におけるアンテナポートの数である。
ビームベクトルの長さをNsとする。ビームベクトルは、次元がNs×1の列ベクトルであってもよいし、次元が1×Nsの行ベクトルであってもよい。これは本出願では限定されない。
6.周波数領域ユニット:周波数領域ユニットは周波数領域リソースのユニットであり、異なる周波数領域リソース粒度を表すことができる。周波数領域ユニットは、サブバンド、リソースブロック(resource block,RB)、サブキャリア、リソースブロックグループ(resource block group,RBG)、プリコーディングリソースブロックグループ(precoding resource block group,PRG)などを含み得るが、これらに限定されない。
7.周波数領域ベクトル:周波数領域ベクトルは、本出願の実施形態で提案され、周波数領域におけるチャネルの変更規則を示すために使用されるベクトルである。周波数領域ベクトルは、具体的には、各周波数領域ユニット上の各ビームベクトルの重み係数の変更規則を表すために使用され得る。この変更規則は、多経路遅延に関連し得る。信号が無線チャネル上で送信される場合、異なる伝搬経路上に異なる送信遅延が存在し得る。したがって、異なる伝搬経路上の遅延の変更規則を表すために、異なる周波数領域ベクトルを使用することができる。
周波数領域ベクトルの次元は、CSI測定が実行される必要がある周波数領域ユニットの数であり得る。CSI測定を実行する必要がある周波数領域ユニットの数は異なる瞬間に異なる可能性があるため、周波数領域ベクトルの次元も変化し得る。言い換えれば、周波数領域ベクトルの次元は可変である。
任意選択で、周波数領域ベクトルの長さ(または次元)は、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅に含まれる周波数領域ユニットの数である。
CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅は、基準信号を送信するために使用される帯域幅であってもよい。ここでの基準信号は、チャネル測定に使用される基準信号、例えばCSI-RSであってもよい。CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅は、例えば、パイロット送信帯域幅(または測定帯域幅と呼ばれる)以下であり得る。NRシステムでは、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅を示すために使用される信号は、例えば、CSI周波数占有範囲(CSI-Frequency Occupation)であってもよい。
CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅は、説明を簡単にするためだけに命名されており、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。本出願は、別の名称を使用することによって同じ意味を表す可能性を排除しない。
任意選択で、周波数領域ベクトルの長さは、報告される周波数領域ユニットの数および報告される周波数領域ユニットの位置を示すために使用される信号の長さである。
NRシステムでは、報告される周波数領域ユニットの数および報告される周波数領域ユニットの位置を示すために使用される信号は、報告帯域(reporting band)であり得る。例えば、信号は、ビットマップを使用して、報告される周波数領域ユニットの数および報告される周波数領域ユニットの位置を示すために使用され得る。したがって、周波数領域ベクトルの次元は、ビットマップ内のビット数であり得る。reporting bandは、信号の可能な名称にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではないことを理解されたい。本出願は、同じまたは同様の機能を実装するために別の名前を使用して信号を命名する可能性を排除しない。
任意選択で、周波数領域ベクトルの長さは、報告される周波数領域ユニットの数である。
例えば、報告される周波数領域ユニットの数は、報告帯域の前述の信号を使用して示すことができる。報告される周波数領域ユニットの数は、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅内の周波数領域ユニットの全部または一部であり得る。あるいは、報告される周波数領域ユニットの数は、報告帯域のシグナリング長と同じであってもよく、報告帯域のシグナリング長より短くてもよい。これは本出願では限定されない。
周波数領域ベクトルの長さが前述の列挙された項目のうちの1つであることがプロトコルで定義される場合、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅を示すために使用される信号、または報告される周波数領域ユニットの数および報告される周波数領域ユニットの位置を示すために使用される信号のいずれかが、周波数領域ベクトルの長さを暗黙的に示すために使用されると見なされ得る。区別および説明を容易にするために、周波数領域ベクトルの長さに使用される指示情報は、第5の指示情報として示される。第5の指示情報は、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅を示すために使用される信号であってもよく、報告される周波数領域ユニットの数および報告される周波数領域ユニットの位置を示すために使用される信号であってもよく、または将来のプロトコルで新たに追加される信号であってもよい。これは本出願では限定されない。
周波数領域ベクトルの長さをNfとすると、周波数領域ベクトルは、次元がNfx 1の列ベクトルであってもよいし、次元が1×Nfの行ベクトルであってもよい。これは本出願では限定されない。
8.空間周波数行列および空間周波数成分行列:説明を簡単にするために、以下では、送信アンテナの偏波方向の数は1であると仮定する。
送信アンテナが1つの偏波方向を有する場合、偏波方向の空間周波数行列は、1つのトランスポート層における異なる周波数領域ユニット上のプリコーディングベクトルを使用することによって構築され得る。
本出願の実施形態では、例えば、端末装置は、チャネル測定などによって各周波数領域ユニット上のフィードバックされるプリコーディング行列を決定することができる。各周波数領域ユニット上のフィードバックされるプリコーディング行列は、各トランスポート層に対応する空間周波数行列を取得するために処理される。例えば、1つのトランスポート層について、すべての周波数領域ユニット上のフィードバックされるプリコーディングベクトルは、空間周波数行列を取得するために結合され得る。空間周波数行列は、フィードバックされる空間周波数行列と呼ばれる場合がある。端末装置は、1つまたは複数の空間周波数成分行列の加重和を使用してフィードバックされる空間周波数行列を示すことができる。言い換えれば、フィードバックされる空間周波数行列は、1つまたは複数の空間周波数成分行列のほぼ加重和であり得る。1つまたは複数の空間周波数成分行列は、所定の空間周波数成分行列集合から選択されてもよく、または所定のビームベクトル集合内のビームベクトルおよび所定の周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルに基づいて決定されてもよい。これは本出願では限定されない。
可能な設計では、空間周波数行列は、Ns×Nfの次元を有する行列であってもよい。すなわち、空間周波数行列は、長さがNsであるNf個の列ベクトルを含みうる。Nf個の列ベクトルはNf個の周波数領域ユニットに対応してもよく、各列ベクトルは対応する周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよい。
例えば、空間周波数行列は、Hと表されてもよく、ここで
である。h
0~
はN
f個の周波数領域ユニットに対応するN
f個の列ベクトルであり、各列ベクトルはN
sの長さを有することができる。N
f個の列ベクトルは、N
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するためにそれぞれ使用され得る。
空間周波数行列は、1つまたは複数の空間周波数成分行列のほぼ加重和であり得る。
実施形態では、1つの空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルによって一意に決定され得る。例えば、ビームベクトルと周波数領域ベクトルの両方が列ベクトルである場合、1つの空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルと1つの周波数領域ベクトルの共役転置との積であり得る。ビームベクトルが列ベクトルであり、周波数領域ベクトルが行ベクトルである場合、1つの空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルと1つの周波数領域ベクトルとの積であり得る。したがって、各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの次元を有する行列であってもよい。
別の可能な設計では、空間周波数行列は、(Ns×Nf)×1の次元を有する行列であってもよく、または空間周波数行列は、Ns×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。言い換えれば、空間周波数行列は、Ns×Nfの長さを有する1つの列ベクトルのみを含んでもよい。この場合、空間周波数行列は空間周波数ベクトルと呼ばれることもある。
例えば、空間周波数行列は、Hと表されてもよく、ここで
である。行列中のベクトルは、上記で詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
空間周波数ベクトルは、1つまたは複数の空間周波数成分ベクトルのほぼ加重和であり得る。
実施形態では、1つの空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルによって一意に決定され得る。例えば、ビームベクトルと周波数領域ベクトルの両方が列ベクトルである場合、1つの空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルと1つの周波数領域ベクトルとのクロネッカー積であってもよいし、1つの周波数領域ベクトルと1つのビームベクトルとのクロネッカー積であってもよい。したがって、各空間周波数成分ベクトルはまた、Ns×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。この場合、空間周波数成分行列は空間周波数成分ベクトルと呼ばれることもある。
空間周波数成分ベクトルが周波数領域ベクトルとビームベクトルとのクロネッカー積によって決定される場合、複数の空間周波数成分ベクトルの加重和によって決定される空間周波数ベクトルは、各々がNsの長さを有するNf個の列ベクトルを順次接続することによって得ることができる。Nf個の列ベクトルはNf個の周波数領域ユニットに対応してもよく、各列ベクトルは対応する周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよい。
空間周波数成分ベクトルがビームベクトルと周波数領域ベクトルとのクロネッカー積によって決定される場合、複数の空間周波数成分ベクトルの加重和によって決定される空間周波数ベクトルは、各々がNfの長さを有するNs個の列ベクトルを順次接続することによって得ることができる。各列ベクトル内のNf個の要素は、Nf個の周波数領域ユニットに対応し得る。Ns個の列ベクトルのすべての中の第nfの要素は、Nsの長さを有するベクトルを取得するために順次接続されてもよく、ベクトルは、第nfの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよい。0≦nf≦Nf-1であり、nfは整数である。
上記は、理解を容易にするために、1つの偏波方向の空間周波数行列のいくつかの可能な形態、例えば、Ns×Nfの次元を有する行列またはNs×Nfの長さを有するベクトルを説明しているにすぎないことを理解されたい。ただし、これは本出願の制限を構成するものではない。偏波方向の数が1より大きい場合、空間周波数行列は依然として上記に列挙されたいくつかの形式で表すことができるが、空間周波数行列の次元は偏波方向の数によって変化し得る。例えば、偏波方向の数が2である場合、空間周波数行列は、2Ns×Nfの次元を有する行列であってもよいし、2Ns×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。2は2つの偏波方向があることを示す。
しかしながら、空間周波数成分行列は、依然としてNs×Nfの次元を有する行列またはNs×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。したがって、各偏波方向の空間周波数行列は、複数の空間周波数成分行列の加重和によって表され得る。言い換えれば、各偏波方向の空間周波数行列は、複数の空間周波数成分行列の加重和として近似的に表され得る。異なる偏波方向に使用される複数の空間周波数成分行列は同じであってもよく、または複数の偏波方向は複数の同じ空間周波数成分行列を共有してもよい。言い換えれば、同じトランスポート層における複数の偏波方向の空間周波数行列または空間周波数ベクトルは、同じグループのビームベクトルおよび同じグループの周波数領域ベクトルを使用して構築され得る。しかしながら、異なる偏波方向における空間周波数成分行列の重み係数は異なり得る。
本出願の実施形態では、ビームベクトルおよび周波数領域ベクトルに対して演算を実行することによって取得され得る基本ユニットは、空間周波数基本ユニット、例えば、空間周波数成分行列または空間周波数成分ベクトルであり得る。空間周波数基本ユニットは、1つの偏波方向に対応し得る。複数の偏波方向の空間周波数行列を形成するために、基本ユニットの加重和をつなぎ合わせることができる。
空間周波数行列の特定の形態は、前述の例に限定されないことをさらに理解されたい。簡潔にするために、例はさらに、本明細書において一つずつ列挙されない。空間周波数成分行列がビームベクトルと周波数領域ベクトルの共役転置との積であり、空間周波数成分行列が周波数領域ベクトルとビームベクトルのクロネッカー積である2つの形式を参照して、端末装置がプリコーディングベクトルを示し、ネットワーク装置がプリコーディングベクトルを決定する具体的なプロセスは、以下の実施形態で詳細に説明される。ただし、これは本出願の制限を構成するものではない。同じ概念に基づいて、当業者は、空間周波数成分行列に対して同等の変形または交換を実行することができる。同等の変形および交換は、本出願の保護範囲内に含まれるものとする。
上述したように、ダウンリンクチャネル測定では、PMIに基づいてネットワーク装置によって決定されたプリコーディング行列と端末装置によって決定されたプリコーディング行列との間のより高い近似は、データ送信のためにネットワーク装置によって決定されたプリコーディング行列がチャネル状態により適応し得ることを示す。このようにして、信号受信品質を改善することができる。
スペクトルリソース利用を改善し、通信システムのデータ送信能力を改善するために、ネットワーク装置は、複数のトランスポート層を使用して端末装置にデータを送信することができる。しかしながら、トランスポート層の数が増加すると、各トランスポート層に基づいて端末装置によって実行されるフィードバックによって引き起こされるオーバーヘッドが増加する。サブバンドの数が多いほど、フィードバックオーバーヘッドが大きく増加する。したがって、フィードバックオーバーヘッドを低減することができる方法を提供することが期待される。
これを考慮して、本出願は、PMIフィードバックオーバーヘッドを低減するために、プリコーディングベクトルを示し、および決定するための方法を提供する。
本出願の実施形態の理解を容易にするために、以下の説明が提供される。
まず、本出願の実施形態では、送信アンテナの偏波方向の数はP(P≧1、かつPは整数)であり、トランスポート層の数はR(R≧1、かつRは整数)であると仮定する。
実施形態では、説明を容易にするために、付番が含まれる場合、番号は連続していてもよく、0から開始してもよい。例えば、R個のトランスポート層は、第0のトランスポート層から第(R-1)のトランスポート層を含むことができ、P個の偏波方向は、第0の偏波方向から第(P-1)の偏波方向を含みうる。当然、特定の実装形態はこれに限定されない。例えば、番号は連続し、1から開始してもよい。上述の説明はすべて、本出願の本実施形態で提供される技術的解決策を簡単に説明するために提供されるが、本出願の範囲を限定することは意図されていないことに留意されたい。
第2に、本出願の実施形態では、行列およびベクトルの変換は多くの場所に関係し、したがって、理解を容易にするために、本明細書では統一された説明が提供される。上付き文字Tは転置を示す。例えば、ATは、行列(またはベクトル)Aの転置を表す。上付き文字*は、共役転置を表す。例えば、A*は、行列(またはベクトル)Aの共役転置を表す。簡潔にするために、以下では同じまたは同様の場合の説明を省略する。
第3に、以下の実施形態では、ビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの両方が列ベクトルである例が、本出願で提供される実施形態を説明するために使用される。ただし、これは本出願の制限を構成するものではない。同じ概念に基づいて、当業者は、より可能な表現をさらに見出すことができる。
第4に、行列のクロネッカー(Kronecker)積演算が本出願の実施形態に含まれる。本出願の実施形態では、クロネッカー積演算は、
で表すことができる。例えば、行列AおよびBのクロネッカー積は、
と表すことができる。
クロネッカー積は、行列におけるすべての要素に別の行列を乗算することによって得られるブロック行列である。例えば、kp×ql次元行列は、k×l次元行列Aとp×q次元行列Bとのクロネッカー積によって得られる。詳細は以下の通りである:
クロネッカー積の具体的な定義については、現在の技術を参照されたい。簡潔にするために、本明細書では詳細をさらに説明しない。
第5に、本出願の実施形態では、ベクトル間の投影は多くの場所に関係する。例えば、ベクトルaをベクトルbに射影することは、ベクトルaとベクトルbとの内積を計算することとして理解され得る。
第6に、本出願の実施形態では、「示すために使用される」は、「を直接示すために使用される」および「間接的に示すために使用される」を含みうる。例えば、情報Iを示すために1つの指示情報が使用されることが記載されている場合、指示情報は、Iを直接的に示すために、またはIを間接的に示すために使用され得る。これは、指示情報がIを必ず搬送することを意味しない。
指示情報によって示される情報は、指示される情報と呼ばれる。特定の実装プロセスでは、指示される情報を示す多くの方法がある。例えば、指示される情報自体または指示される情報のインデックスなどの指示される情報は、直接示されてもよい。あるいは、指示される情報は、他の情報を示すことによって間接的に示されてもよく、他の情報と指示される情報との間には関連関係がある。あるいは、指示される情報の一部のみが示されてもよく、指示される情報の他の部分は予め知られているかまたは合意されている。例えば、特定の情報はまた、指示オーバーヘッドをある程度低減するために、様々な情報の予め合意された(例えば、プロトコルで規定されている)配置シーケンスを使用して示されてもよい。さらに、すべての情報の共通部分をさらに識別し、統一された方法で示すことができ、同じ情報を別々に示すことによって生じる指示オーバーヘッドを低減することができる。例えば、当業者は、プリコーディング行列がプリコーディングベクトルによって形成され、プリコーディング行列における各プリコーディングベクトルが、組成または別の属性に関して同じ部分を有し得ることを理解し得る。
加えて、特定の指示方法は、代替的に、様々な既存の指示方法、例えば、これらに限定されないが、前述の指示方法およびそれらの様々な組み合わせであってもよい。様々な指示方法の詳細については、現在の技術を参照されたい。ここでは詳細をさらに説明しない。上記の説明から、例えば、同じタイプの複数の情報を示す必要がある場合、異なる情報を示す方法は異なり得ることが分かる。特定の実装プロセスでは、特定の要件に従って必要な指示方法を選択することができる。選択された指示方法は、本出願の実施形態では限定されない。このようにして、本出願の実施形態に含まれる指示方法は、指示される当事者が指示される情報を知ることを可能にすることができる様々な方法を網羅するものとして理解されるべきである。
さらに、指示される情報は、別の同等の形態で存在してもよい。例えば、行ベクトルは列ベクトルとして表されてもよく、行列は行列の転置行列を使用して表されてもよく、または行列はベクトルまたは配列の形で表されてもよく、ベクトルまたは配列は行列の行ベクトルまたは列ベクトルを接続することによって形成されてもよく、2つのベクトルのクロネッカー積はまた、ベクトルと別のベクトルの転置ベクトルとの積などの形で表されてもよい。本出願の実施形態で提供される技術的解決策は、様々な形態を網羅するものとして理解されるべきである。例えば、本出願の実施形態に含まれるいくつかまたはすべての特徴は、特徴の様々な表現を網羅するものとして理解されるべきである。
指示される情報は、全体として送信されてもよいし、別々に送信するために複数のサブ情報に分割されてもよい。さらに、サブ情報の送信周期および/または送信機会は、同じであっても異なっていてもよい。具体的な送信方法は、本出願では限定されない。サブ情報の送信周期および/または送信機会は、予め定義されてもよく、例えば、プロトコルに従って予め定義されてもよく、または受信側装置に構成情報を送信することによって送信側装置によって構成されてもよい。構成情報は、例えば、無線リソース制御シグナリング、例えば、RRCシグナリング、MAC層シグナリング、例えば、MAC-CEシグナリング、および物理層シグナリング、例えば、ダウンリンク制御情報(downlink control information,DCI)のうちの1つ、または少なくとも2つの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
第7に、本出願における多くの特徴(例えば、クロネッカー積、PMI、周波数領域ユニット、ビーム、ビームベクトル、およびビームベクトルの重み係数)の定義は、例を使用して特徴の機能を説明するために使用されているにすぎない。特徴の詳細な内容については、現在の技術を参照されたい。
第8に、以下の実施形態における「第1」、「第2」、「第3」、および「第4」という用語、ならびに様々なシーケンス番号は、単に説明を容易にするために区別するために使用されており、本出願の実施形態の範囲を限定するために使用されていない。例えば、シーケンス番号は、異なる指示情報または異なるトランスポート層を区別するために使用される。
第9に、以下の実施形態では、「予め取得」は、ネットワーク装置のシグナリングによって示されること、または例えばプロトコルで定義されるなど、予め定義されることを含みうる。前述の「予め定義」は、対応するコードまたは対応する表を装置(例えば、端末装置とネットワーク装置とを含む)に予め記憶することによって、または関連情報を示すために使用できる別の方法で実装することができる。前述の「予め定義」の具体的な実装形態は、本出願では限定されない。
第10に、本出願の実施形態に含まれる記憶装置は、1つまたは複数のメモリ内の記憶装置であり得る。1つまたは複数のメモリは、別々に配置されてもよく、エンコーダもしくはデコーダ、プロセッサ、または通信装置に統合されてもよい。あるいは、1つまたは複数のメモリの一部は別々に配置されてもよく、1つまたは複数のメモリの一部は、デコーダ、プロセッサ、または通信装置に統合される。メモリは、どのような形態の記憶媒体であってもよい。これは本出願では限定されない。
第11に、実施形態における「プロトコル」は、通信分野における標準プロトコルであり得、例えば、LTEプロトコル、NRプロトコル、および将来の通信システムに適用される関連プロトコルを含み得る。これは本出願では限定されない。
第12に、「少なくとも1つ」は1つまたは複数を示し、「複数の」は2以上を示す。用語「および/または」は、関連付けられた対象間の、関連付けの関係を記述し、3つの関係を示し得る。例えば、Aおよび/またはBは、以下の場合を、すなわち、Aのみが存在する場合、AおよびBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を示し得、その場合、AおよびBは、単数または複数であり得る。記号「/」は通常、関連付けられた対象間の「または」関係を示す。「以下のアイテム(ピース)の少なくとも1つ」または同様の表現は、単一のアイテム(ピース)または複数のアイテム(ピース)の任意の組み合わせを含む、これらのアイテムの任意の組み合わせを意味する。例えば、a、b、およびcのうちの少なくとも1つとは、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、またはa、b、およびcを表し、a、b、およびcは各々、単数形または複数形であり得る。
以下、添付の図面を参照して、本出願の実施形態で提供されるプリコーディングベクトルを示し、および決定するための方法を詳細に説明する。
本出願の実施形態で提供される方法は、マルチアンテナ技術を使用して通信が実行されるシステム、例えば、図1に示される通信システム100に適用され得ることを理解されたい。通信システムは、少なくとも1つのネットワーク装置および少なくとも1つの端末装置を含み得る。ネットワーク装置および端末装置は、マルチアンテナ技術を使用することにより互いに通信し得る。
本出願の実施形態で提供される方法のコードを記録するプログラムを実行して、本出願の実施形態で提供される方法に従って通信を実行することができる限り、本出願の実施形態で提供される方法の実行本体の具体的な構造は、以下の実施形態では特に限定されないことをさらに理解されたい。例えば、本出願の実施形態において提供される方法の実行本体は、端末装置もしくはネットワーク装置、または端末装置もしくはネットワーク装置内にあり、プログラムを呼び出し、実行することができる機能モジュールであってよい。
一般性を失うことなく、本出願の実施形態で提供されるプリコーディングベクトルを示し、および決定するための方法を詳細に説明するために、以下の例としてネットワーク装置と端末装置との間の対話が使用される。
図2は、本出願の一実施形態による、プリコーディングベクトルを示し、および決定するための、装置対話の観点からの方法200の概略フローチャートである。図に示すように、方法200は、ステップ210からステップ230を含みうる。以下では、方法200の各ステップを詳細に説明する。
理解を容易にするために、端末装置が、1つまたは複数のトランスポート層のうちの1つと、トランスポート層における1つまたは複数の偏波方向のうちの1つとに基づいてプリコーディングベクトルを示し、ネットワーク装置がプリコーディングベクトルを決定する具体的なプロセスを最初に詳細に説明する。トランスポート層の数および送信アンテナの偏波方向の数は、本出願では限定されないことを理解されたい。以下の例では、1つのトランスポート層は1つまたは複数のトランスポート層のいずれか1つであってもよく、1つの偏波方向は1つまたは複数の偏波方向のいずれか1つであってもよい。
ステップ210で、端末装置は第1の指示情報を生成し、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL1個(L1≧1、かつL1は整数)のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK1個(K1≧1、かつK1は整数)の周波数領域ベクトル、ならびにL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対応するL1×K1個の空間周波数成分行列におけるT1個(T1≧1、かつT1は整数)の空間周波数成分行列を示すために使用される。T1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対応するM1個(M1=L1×K1)の空間周波数成分行列で決定することができる。言い換えれば、T1個の空間周波数成分行列は、M1個の空間周波数成分行列の部分集合であり得る。本明細書のM1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを別々にトラバースすることによって取得することができる。
ビームベクトル集合内の選択されたL
1個のビームベクトルは、
と表され、周波数領域ベクトル集合内の選択されたK
1個の周波数領域ベクトルは、
と表されると仮定する。
端末装置は、最初に0~L1-1の範囲内のすべてのビームベクトルをトラバースし、次に0~K1-1の範囲内のすべての周波数領域ベクトルをトラバースして、M1個の空間周波数成分行列を取得することができる。
一例としてビームベクトルと周波数領域ベクトルの共役転置との積を使用して、M
1個の空間周波数成分行列は、
を含みうる。
あるいは、端末装置は、最初に0~K1-1の範囲内のすべての周波数領域ベクトルをトラバースし、次に0~L1-1の範囲内のすべてのビームベクトルをトラバースして、M1個の空間周波数成分行列を取得してもよい。
例としてビームベクトルと周波数領域ベクトルの共役転置との積をさらに使用して、M
1個の空間周波数成分行列は、
を含みうる。
空間周波数成分行列の前述の列挙された形態は単なる例であり、本出願に対するいかなる限定も構成すべきではないことを理解されたい。前述の規則に基づいて、M1個の空間周波数成分行列は、代替的に、周波数領域ベクトルとビームベクトルとのクロネッカー積を使用して取得されてもよい。
M1個の空間周波数成分行列の各々は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定することができ、M1=L1×K1であることが分かる。
第1の指示情報がT1個の空間周波数成分行列を示すために使用されるとき、第1の指示情報は、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列の相対位置(例えば、相対インデックスまたは相対番号)を示すために使用され得る。例えば、端末装置は、ビットマップ、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列の組み合わせのインデックス、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列の各々のインデックスなどを使用してT1個の空間周波数成分行列を示すことができる。
端末装置がビットマップを使用してT
1個の空間周波数成分行列を示す場合、M
1個のビットは、M
1個の空間周波数成分行列におけるT
1個の空間周波数成分行列の相対位置
を示すために使用され得る。加えて、端末装置は、
ビットを使用してL
1個のビームベクトルをさらに示し、
ビットを使用してK
1個の周波数領域ベクトルを示すことができる。したがって、端末装置は、
ビットを使用してT
1個の空間周波数成分行列を示すことができる。
しかしながら、T1個の空間周波数成分行列がビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合で直接示される場合、引き起こされるオーバーヘッドは異なる。例えば、ビームベクトル集合はL0個のビームベクトルを含み、周波数領域ベクトル集合はK0個の周波数領域ベクトルを含み、L0≧L1、K0≧K1、およびL0×K0>L1×K1である。L0個のビームベクトルおよびK0個の周波数領域ベクトルは、L0×K0空間周波数成分行列に対応し得る。
端末装置がL
0×K
0個の空間周波数成分行列におけるT
1個の空間周波数成分行列の相対位置を直接示す場合、各空間周波数成分行列が別々に示されるとき、
ビットが必要とされ得る。指示のためにビットマップが使用される場合、L
0×K
0ビットが使用され得る。
場合によっては、例えば、L1の値および/またはK1の値が比較的小さい場合、フィードバックオーバーヘッドを大幅に低減することができる。
例えば、ビームベクトル集合が16個のビームベクトルを含み、周波数領域ベクトル集合が10個の周波数領域ベクトルを含み、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を使用して構築された160個の空間周波数成分行列から15個の空間周波数成分行列が選択されると仮定する。
現在の技術では、各空間周波数成分行列が別々に示される場合、各空間周波数ベクトル行列には
ビット、すなわち8ビットが必要であり、15個の空間周波数ベクトル行列のフィードバックには120ビットが必要である。15個の空間周波数成分行列がビットマップを使用して示される場合、フィードバックには160ビットが必要である。
15個の空間周波数成分行列の組み合わせのインデックスがフィードバックされる場合、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合内のベクトルはペアで結合され得るため、端末装置およびネットワーク装置は、組み合わせとインデックスとの間の多くの1対1の対応関係を予め記憶する必要があり得る。
しかしながら、この実施形態では、比較的強いビームベクトルの一部および比較的強い周波数領域ベクトルの一部が、最初に16個のビームベクトルおよび10個の周波数領域ベクトルにおいて示され得、次いで、15個の空間周波数成分行列が、比較的強いビームベクトルの一部および比較的強い周波数領域ベクトルの一部から選択され得る。
例えば、8つのビームベクトルおよび5つの周波数領域ベクトルが選択されると仮定すると、8つのビームベクトルおよび5つの周波数領域ベクトルは、それぞれ
ビットおよび
ビット、すなわち、それぞれ14ビットおよび8ビットを使用してフィードバックされ得る。8つのビームベクトルと5つの周波数領域ベクトルとを組み合わせることによって得られた40個の空間周波数成分行列において、端末装置は、選択された15個の空間周波数成分行列をさらに示すことができる。端末装置がビットマップを使用して15個の空間周波数成分行列を示す場合、40ビットが指示に使用され得る。この場合、15個の空間周波数成分行列は、62ビットを使用してフィードバックされ得る。前述の方法と比較して、この方法はオーバーヘッドを大幅に削減することができる。
上記で列挙されたビームベクトルの数、周波数領域ベクトルの数、および空間周波数成分行列の数、ならびに引き起こされるビットオーバーヘッドは単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。
T1個の空間周波数ベクトル対を示すための前述の列挙された方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことをさらに理解されたい。端末装置によってT1個の空間周波数ベクトル対を示すための具体的な方法は、本出願では限定されない。
この実施形態では、T1個の空間周波数成分行列の加重和を使用して、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定することができる。具体的には、T1個の空間周波数成分行列の加重和を使用して、空間周波数行列を構築することができる。空間周波数行列は、1つまたは複数の周波数領域ユニットに対応する1つまたは複数の列ベクトルを含むことができ、各列ベクトルは、対応する周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。以上、空間周波数行列とプリコーディングベクトルとの関係について詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
空間周波数行列は、T
1個の空間周波数成分行列のほぼ加重和であり得る。例えば、空間周波数行列はHと表されてもよく、ここで
である。
は、T
1個の空間周波数成分行列のうちの第t
1の空間周波数成分行列を表し、
は、第t
1の空間周波数成分行列の重み係数
を表す。
端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を予め決定してもよいし、T1個の空間周波数成分行列を生成するために使用される空間周波数ベクトル対を予め決定してもよく、次いで、T1個の空間周波数成分行列またはT1個の空間周波数ベクトル対の重みをさらに決定してもよい。端末装置は、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重みをネットワーク装置に示すか、またはT1個の空間周波数ベクトル対および空間周波数ベクトル対の重みをネットワーク装置に示すことができ、その結果、ネットワーク装置は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを復元する。
したがって、第1の指示情報によって示されるT1個の空間周波数成分行列は、空間周波数成分行列の重みを参照してプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。空間周波数成分行列の重みは各々、第1の指示情報を使用して示されてもよく、または他の情報を使用して示されてもよい。これは本出願では限定されない。各空間周波数成分行列の重みを示すための具体的な方法については、現在の技術を参照されたい。
この実施形態では、T1個の空間周波数成分行列の各々は、T1個の空間周波数ベクトル対における1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルによって一意に決定され得る。したがって、端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を直接示してもよいし、T1個の空間周波数ベクトル対を示すことによってT1個の空間周波数成分行列を間接的に示してもよいし、T1個の空間周波数ベクトル対を直接示してもよい。T1個の空間周波数ベクトル対は、T1個の空間周波数成分行列の等価形態と考えることができる。
一実装形態では、T1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対応するM1個の空間周波数成分行列から選択される。M1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを使用して決定され、各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用して一意に決定されてもよく、M1=L1×K1である。
したがって、T1個の空間周波数成分行列は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルに基づいて決定され得る。端末装置は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに基づいてT1個の空間周波数成分行列を示すことができる。
別の実装形態では、T1個の空間周波数ベクトル対は、L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを組み合わせることによって得られたM1個の空間周波数ベクトル対から選択されてもよい。M1個の空間周波数ベクトル対の各々は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを用いて一意に決定することができ、M1=L1×K1である。
したがって、T1個の空間周波数ベクトル対は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルと周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルとを結合することによって得られたM1個の空間周波数ベクトル対から選択され得る。T1個の空間周波数ベクトル対は、M1個の空間周波数ベクトル対における空間周波数ベクトル対の一部であってもよい。端末装置は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに基づいて、またはM1個の空間周波数ベクトル対に基づいて、T1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。
L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であってもよく、および/またはK1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部であってもよい。具体的には、L1個のビームベクトルがビームベクトル集合内のすべてのビームベクトルである場合、K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部にすぎず、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合内のすべての周波数領域ベクトルである場合、L1個のビームベクトルはビームベクトル集合内のビームベクトルの一部にすぎず、L1個のビームベクトルがビームベクトル集合内のビームベクトルの一部である場合、K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部またはすべてであってもよく、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部である場合、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のビームベクトルの一部または全部であってもよい。
ビームベクトル集合はL0個のビームベクトルを含み、周波数領域ベクトル集合はK0個の周波数領域ベクトルを含むと仮定する。この場合、L0≧L1、K0≧K1であり、L0、L1、K0、およびK1は、同時にL0=L1、K0=K1を満たさない。
L1個のビームベクトルがビームベクトル集合内のビームベクトルの一部である場合、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合から選択されたL1個の比較的強いビームベクトルであってもよい。K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部である場合、K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合から選択されたK1個の比較的強い周波数領域ベクトルであり得る。L1個の比較的強いビームベクトルは、比較的大きな重み係数を有するL
1 個のビームベクトルとして理解されてもよく、K1個の比較的強い周波数領域ベクトルは、比較的大きな重み係数を有するK1個のビームベクトルとして理解されてもよい。これは、比較的大きな重み係数を有するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルが線形結合において比較的大きな重みを占有し、またプリコーディングベクトルのおおよその精度に比較的大きな影響を与えるためである。以下で、特定の実装形態を参照して、L1個の比較的強いビームベクトルおよびK1個の比較的強い周波数領域ベクトルについて詳細に説明する。L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルの詳細な説明は、ここでは一時的に省略する。
結論として、端末装置は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルを予め決定し、加重加算に使用されるT1個の空間周波数成分行列の選択範囲を、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを使用して構築されたM1個の空間周波数成分行列の範囲に狭め、M1個の空間周波数成分行列からT1個の空間周波数成分行列を選択し、T1個の空間周波数成分を示すことができ、それにより、T1個の空間周波数成分行列のフィードバックオーバーヘッドを低減するのに役立つ。
M1個の空間周波数成分行列の概念は、理解を容易にするためにのみ本明細書に導入されていることに留意されたい。これは、端末装置がM1個の空間周波数成分行列を確実に生成することを意味しない。あるいは、端末装置は、L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを組み合わせることによってM1個の空間周波数ベクトル対を取得してもよい。しかしながら、M1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを使用して、またはM1個の空間周波数ベクトル対を使用して構築されてもよいことが理解されよう。言い換えれば、M1個の空間周波数ベクトル対とM1個の空間周波数成分行列とは相互に変換されてもよい。したがって、M1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対応すると考えられ得る。M1は、M1個の空間周波数成分行列(空間周波数成分ベクトルまたは空間周波数ベクトル対)とL1個のビームベクトルとの間、およびM1個の空間周波数成分行列とK1個の周波数領域ベクトルとの間の対応関係を反映するためにのみ導入され、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではない。
L1、K1、およびT1の値は、ネットワーク装置によって示されてもよく、または予め定義されてもよく、例えば、プロトコルで定義されてもよく、または端末装置によって決定され、次いでネットワーク装置に報告されてもよく、または前述の列挙された方法を組み合わせることによって構成されてもよい。
L1およびK1の値がネットワーク装置によって示される場合、任意選択で、方法は、端末装置が第2の指示情報を受信するステップであって、第2の指示情報がL1、K1、およびM1のうちの少なくとも2つの値を示すために使用される、ステップをさらに含む。これに対応して、ネットワーク装置は第2の指示情報を送信する。
任意選択で、第2の指示情報は、上位層シグナリング、例えばRRCメッセージで搬送される。
L1およびK1の値が端末装置によって決定され、報告される場合、任意選択で、方法は、端末装置が第2の指示情報を送信するステップであって、第2の指示情報が、L1、K1、およびM1の1つまたは複数の値を示すために使用される、ステップをさらに含む。これに対応して、ネットワーク装置は第2の指示情報を受信する。
任意選択で、第2の指示情報は、アップリンク制御情報(uplink control information,UCI)、例えばCSIで搬送される。
L1、K1、およびM1は、M1=L1×K1を満たすので、L1、K1、およびM1のうちのいずれか2つの値を求めれば、他方の値も求めることができる。
L1、K1、およびM1の値を示すために使用される情報は、同じ情報であってもよいし、異なる情報であってもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
任意選択で、L1またはK1のいずれかの値は、例えばプロトコルで定義されるように予め定義されてもよく、L1またはK1の他方の値は、シグナリングを使用してネットワーク装置によって示される。
例えば、L1の値はシグナリングを使用してネットワーク装置によって示されてもよく、K1の値はプロトコルで定義されてもよい。K1の値は、本出願では限定されない。
別の例として、L
1の値はシグナリングを使用してネットワーク装置によって示されてもよく、K
1の計算式またはK
1の値がパラメータの値であることはプロトコルで定義されてもよい。例えば、K
1の値は周波数領域ベクトルの長さN
fであり、またはK
1の計算式、例えば
がプロトコルで定義され得る。この場合、K
1の値は、第5の指示情報を使用して暗黙的に示されることが理解されよう。
は切り上げを示し、
は切り捨てを示し、[]は四捨五入を示す。
さらに別の例では、K1の値はシグナリングを使用してネットワーク装置によって示されてもよく、L1の値はプロトコルで定義されてもよい。L1の値は、本出願では限定されない。
さらに別の例として、K
1の値はシグナリングを使用してネットワーク装置によって示されてもよく、L
1の値はパラメータの値またはL
1の計算式であり、プロトコルで定義されてもよい。例えば、1つの偏波方向におけるアンテナポートの数N
sであるL
1の値、またはL
1の計算式、例えば、
がプロトコルで定義され得る。この場合、L
1の値は、単一の偏波方向におけるアンテナポートの数を示すために使用される指示情報を使用することによって暗黙的に示されると理解され得る。
プロトコルで定義されたL1またはK1の前述の列挙された値および計算式は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。
任意選択で、L1またはK1のいずれかの値は、予め定義、例えばプロトコルで定義されてもよく、L1およびK1の他方の値は、端末装置によって決定され、シグナリングを使用して端末装置によって報告される。
上記は、プロトコルでの定義の方法およびネットワーク装置による指示の方法を参照してL1およびK1を決定するプロセスを詳細に説明した。プロトコルでの定義の方式および端末装置による指示の方式を参照してL1およびK1を決定するプロセスも同様である。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
L1およびK1の一方は、プロトコルで定義されてもよいし、プロトコルのパラメータの値として定義されてもよいし、L1およびK1の計算式がプロトコルで定義されてもよいので、第2の指示情報は、L1およびK1の他方の値を示すために使用されてもよい。例えば、K1の値はプロトコルで定義され、第2の指示情報はL1の値のみを示すために使用される。あるいは、L1の値はプロトコルで定義され、第2の指示情報はK1の値のみを示すために使用される。
L1、K1、およびM1は、M1=L1×K1を満たすので、L1、K1、およびM1のうちのいずれか2つの値を求めれば、他方の値も求めることができる。例えば、K1がプロトコルで定義されている場合、第2の指示情報は、M1の値を示すことによってL1の値を間接的に示すために使用されてもよい。プロトコルでL1が定義されている場合、第2の指示情報はまた、M1の値を示すことによってK1の値を間接的に示すために使用されてもよい。
第2の指示情報を搬送するために使用される前述の列挙されたシグナリングは単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。第2の指示情報を搬送する特定のシグナリングは、本出願では限定されない。
T1の値がネットワーク装置によって示される場合、任意選択で、方法は、端末装置が第3の指示情報を受信するステップであって、第3の指示情報がT1の値を示すために使用される、ステップをさらに含む。これに対応して、ネットワーク装置は第3の指示情報を送信する。
任意選択で、第3の指示情報は、上位層シグナリング、例えばRRCメッセージで搬送される。
T1の値が端末装置によって決定され、報告される場合、任意選択で、方法は、端末装置が第3の指示情報を送信するステップであって、第3の指示情報がT1の値を示すために使用される、ステップをさらに含む。これに対応して、ネットワーク装置は第3の指示情報を受信する。
任意選択で、第3の指示情報は、UCI、例えばCSIで搬送される。
第3の指示情報に使用される前述の列挙されたシグナリングは単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。第3の指示情報を搬送する特定のシグナリングは、本出願では限定されない。
第2の指示情報および第3の指示情報は、同じ情報であってもよいし、異なる情報であってもよいことをさらに理解されたい。これは本出願では限定されない。
L1、K1、およびT1の値を決定した後、端末装置は、第1の指示情報を生成するために、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を決定することができる。
任意選択で、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T1個の空間周波数成分行列の加重和は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルはM1個の空間周波数成分行列に対応し、T1個の空間周波数成分行列はM1個の空間周波数成分行列の一部であり、M1個の空間周波数成分行列の各々は、L1個のビームベクトルのうちの1つとK1個の周波数領域ベクトルのうちの1つとによって一意に決定され、M1=L1×K1であり、L1個のビームベクトルはビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK1個の周波数領域ベクトルは周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部であり、M1、L1、K1およびT1はすべて正の整数である。
任意選択で、K1個の周波数領域ベクトルは予め構成される。例えば、K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの全部または一部であり得る。
例えば、K1=K0がプロトコルで予め定義されてもよい。すなわち、プロトコルでは、周波数領域ベクトル集合の全体集合がデフォルトでK1個の周波数領域ベクトルとして使用される。別の例では、K1の値はプロトコルで予め定義されてもよく、K1個の周波数領域ベクトルとして使用される周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルは予め指定されてもよい。さらに別の例では、K1の値はプロトコルで予め定義されてもよく、K1個の周波数領域ベクトルは、シグナリングを使用してネットワーク装置によって予め示されてもよい。
言い換えれば、端末装置がK1個の周波数領域ベクトルを報告する必要がないことがプロトコルで予め定義されてもよい。K1個の周波数領域ベクトルは、予め指定されてもよく、例えば、プロトコルで定義されてもよく、またはネットワーク装置によって構成されてもよい。これは本出願では限定されない。
任意選択で、端末装置が、パラメータの異なる値に基づいて、報告される必要があるベクトルを決定することもプロトコルで予め定義されてもよい。
上述したように、L0≧L1、K0≧K1であり、L0、L1、K0、K1は、同時にL0=L1およびK0=K1を満たさない。L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合の全体集合であってもよく、またはK1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合の全体集合であってもよい。任意選択で、端末装置は、L1およびK1の値に基づいて、ビームベクトル集合の全体集合を選択するか、または周波数領域ベクトル集合の全体集合を選択するかを決定してもよい。L1個のビームベクトルがビームベクトル集合の全体集合である場合、端末装置はL1個のビームベクトルを報告しない場合がある。K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合の全体集合である場合、端末装置はK1個の周波数領域ベクトルを報告しない場合がある。
一実装形態では、ネットワーク装置は、シグナリング、例えば第2の指示情報を使用してK1の値を構成することができる。K1がK0に等しくなるように構成されている場合、端末装置は、デフォルトでK1個の周波数領域ベクトルとして設定された周波数領域ベクトル集合の全体集合を使用することができる。あるいは、ネットワーク装置は、追加のシグナリングを使用してK1の値を示さなくてもよい。例えば、L1の値のみが第2の指示情報に示される。言い換えれば、任意選択で、第2の指示情報は、L1の値を示すために使用される。これは、ネットワーク装置が、第2の指示情報を使用して、K1の値がK0であることを暗黙的に示すと理解され得る。
端末装置は、受信したシグナリングに基づいて、K1個の周波数領域ベクトルを報告するかどうかを決定することができる。例えば、K1=K0であると判定された場合、K1個の周波数領域ベクトルは報告されなくてもよい。あるいは、K1=K0であると判定した場合、ネットワーク装置は、K1個の周波数領域ベクトルとして設定された周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルを直接使用してもよい。
別の実装形態では、K1の値は、プロトコルで固定値として定義されてもよい。K1の値がK0と定義される場合、端末装置は、デフォルトでK1個の周波数領域ベクトルとして設定された周波数領域ベクトル集合の全体集合を使用することができ、K1個の周波数領域ベクトルを報告する必要はない。
同様に、一実装形態では、ネットワーク装置は、シグナリング、例えば第2の指示情報を使用してL1の値を構成することができる。L1がL0に等しくなるように構成されている場合、端末装置は、デフォルトでL1個のビームベクトルとして設定されたビームベクトル集合の全体集合を使用することができる。あるいは、ネットワーク装置は、追加のシグナリングを使用してL1の値を示さなくてもよい。例えば、K1の値のみが第2の指示情報に示される。言い換えれば、任意選択で、第2の指示情報はK1の値を示すために使用される。この場合、これは、ネットワーク装置が、第2の指示情報を使用して、L1の値がL0であることを暗黙的に示すこととして理解され得る。
端末装置は、受信したシグナリングに基づいて、L1個のビームベクトルを報告するかどうかを決定することができる。例えば、L1=L0と判定された場合、L1個のビームベクトルは報告されなくてもよい。あるいは、L1=L0であると判定した場合、ネットワーク装置は、L1個のビームベクトルとして設定されたビームベクトル集合内のビームベクトルを直接使用してもよい。
別の実装形態では、L1の値は、プロトコルにおいて固定値として定義されてもよい。L1の値がL0と定義される場合、端末装置は、デフォルトでL1個のビームベクトルとして設定されたビームベクトル集合の全体集合を使用することができ、L1個のビームベクトルを報告する必要はない。
さらに、L1、K1、およびT1の値がすべてネットワーク装置によって構成される場合、端末装置は、ネットワーク装置によって構成されたパラメータに基づいて、報告される必要があるベクトルを決定することができる。任意選択で、代替として、端末装置が、ネットワーク装置によって構成された異なるパラメータに基づいて、報告される必要があるベクトルを決定することがプロトコルで予め定義されてもよい。
例えば、ネットワーク装置がシグナリングを使用してL1、K1、およびT1の値を示す場合、端末装置は、デフォルトでL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対を報告してもよい。ネットワーク装置がシグナリングを使用してL1およびT1の値を示す場合、端末装置はデフォルトでK1=K0を考慮することができる。具体的には、周波数領域ベクトル集合内のすべてのK0個の周波数領域ベクトルをK1個の周波数領域ベクトルとして使用することができる。端末装置は、L1個のビームベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを報告してもよい。ネットワーク装置がシグナリングを使用してK1およびT1の値を示す場合、端末装置はデフォルトでL1=L0を考慮することができる。具体的には、ビームベクトル集合内のすべてのL0個のビームベクトルをL1個のビームベクトルとして使用することができる。端末装置は、K1個の周波数領域ベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを報告してもよい。ネットワーク装置がシグナリングを使用してL1およびK1の値を示す場合、端末装置は、デフォルトでL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対して加重加算を直接実行してもよく、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルのみを報告してもよく、T1個の空間周波数ベクトル対を報告する必要はない。
上記は、ネットワーク装置が異なるパラメータを構成するときに端末装置によって決定および報告される必要があるベクトルを列挙していることを理解されたい。ただし、これは本出願の制限を構成するものではない。
以下では、L1≠L0およびK1≠K0である例を使用して、端末装置により、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重みを決定および示すための具体的な方法を詳細に説明する。
端末装置は、予め記憶されたベクトル集合に基づいて、対応する実装形態におけるT1個の空間周波数成分行列を決定してもよい。例えば、端末装置は、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を予め記憶し、実装形態1に基づいてT1個の空間周波数ベクトル対を決定してもよい。あるいは、端末装置は、空間周波数成分行列集合を予め記憶し、実装形態2に基づいてT1個の空間周波数成分行列を決定してもよい。
ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合は、空間周波数成分行列集合に変換されてもよく、またはその逆であってもよいことに留意されたい。ビームベクトル集合内の任意のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の任意の周波数領域ベクトルを使用して、空間周波数成分行列集合内の1つの空間周波数成分行列を取得することができる。空間周波数成分行列集合内の任意の空間周波数成分行列は、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルによって一意に決定されてもよい。
したがって、空間周波数ベクトル行列集合内の各空間周波数ベクトル行列に対応するインデックスもまた、ビームベクトル集合内のビームベクトルのインデックスおよび周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルのインデックスに変換されてもよい。言い換えれば、空間周波数ベクトル行列集合内の任意の空間周波数成分行列は、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一緒に示されてもよい。
この実施形態では、端末装置は、以下の実装形態のいずれかで、ビームベクトル集合内の少なくともL1個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルを使用することによってT1個の空間周波数成分行列を示すことができる:
実装形態1:T1個の空間周波数成分行列は、M1個の空間周波数ベクトル対によって決定されてもよく、M1個の空間周波数ベクトル対は、L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを組み合わせることによって取得されてもよい。端末装置は、M1個の空間周波数ベクトル対において、T1個の空間周波数成分行列を生成するために使用されるT1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。
実装形態2:T1個の空間周波数成分行列は、M1個の空間周波数成分行列から選択されてもよく、M1個の空間周波数成分行列は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルによって決定されてもよい。端末装置は、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列を示すことができる。端末装置およびネットワーク装置によってベクトル集合または行列集合を予め記憶する方法は、本出願では限定されないことに留意されたい。例えば、端末装置とネットワーク装置の両方が、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を予め記憶してもよい。あるいは、端末装置とネットワーク装置の両方が空間周波数成分行列集合を予め記憶してもよい。あるいは、端末装置は、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を予め記憶してもよく、ネットワーク装置は、空間周波数成分行列集合を予め記憶してもよい。あるいは、端末装置は空間周波数成分行列集合を予め記憶してもよく、ネットワーク装置はビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を予め記憶してもよい。
ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合は空間周波数成分行列集合に変換することができ、またはその逆も可能であるため、空間周波数成分行列集合およびビームベクトル集合が決定されると、周波数領域ベクトル集合を推定することができるか、または、空間周波数成分行列集合および周波数領域ベクトル集合が決定されると、ビームベクトル集合を推定することができる。したがって、端末装置およびネットワーク装置によって予め記憶されたベクトル集合の具体的な形態は、本出願では限定されない。
本出願の実施形態の理解を容易にするために、以下の説明では、端末装置が第1の指示情報を生成する具体的なプロセスが、ベクトル集合または行列集合の特定の形式を参照して、上記で列挙された2つの実装形態に基づいて説明される。
実装形態1
端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を決定するために、予め記憶されたビームベクトル集合、予め記憶された周波数領域ベクトル集合、および所定の空間周波数行列に基づいてM1個の空間周波数ベクトル対を決定し得る。
端末装置によって決定されたN
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、
と表されると仮定する。N
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、空間周波数行列Hを構築するために使用されてもよく、ここで
または
である。
上記で列挙された2つの形態の空間周波数行列は、相互に変換されてもよいことに留意されたい。端末装置は、対応する形式の空間周波数行列を生成するために、予め記憶されたベクトル集合に基づいて、構築される必要がある空間周波数行列の形式を決定し得る。例えば、端末装置がビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合を予め記憶する場合、空間周波数行列
を生成することができる。端末装置が空間周波数成分行列集合を予め記憶する場合、空間周波数行列
を生成することができる。
この実施形態では、端末装置は、N
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルに基づいて、N
s×N
fの次元を有する空間周波数行列Hを構築することができ、
である。
可能な設計では、ビームベクトル集合はNs個のビームベクトルを含みうる。すなわち、L0=Nsである。各ビームベクトルの次元はNsであってもよく、各ビームベクトルは2次元(2 dimension,2D)-DFT行列から取得されてもよい。2Dは、2つの異なる方向、例えば、水平方向および垂直方向を表すことができる。
例えば、N
s個のビームベクトルは、
と表すことができる。行列B
sは、L
0個のビームベクトルを使用して構築することができ、
である。
別の可能な設計では、ビームベクトル集合は、オーバーサンプリング係数Osを使用してOs×Ns個のビームベクトルに拡張されてもよい。この場合、ビームベクトル集合はOs個の部分集合を含み得、各部分集合はNs個のビームベクトルを含み得る。すなわち、L0=Os×Nsである。ビームベクトル集合内の各ビームベクトルの次元はNsであり得、各ビームベクトルはオーバーサンプリングされた2D-DFT行列から取得され得る。オーバーサンプリング係数Osは正の整数である。具体的には、Os=O1×O2であり、O1は水平方向のオーバーサンプリング係数であり、O2は垂直方向のオーバーサンプリング係数であってもよい。O1≧1、O2≧1であり、O1とO2は同時に1になることはできず、両方とも整数である。
例えば、ビームベクトル集合の第o
s(0≦o
s≦O
s-1であり、o
sは整数である)の部分集合内のN
s個のビームベクトルは、
と表され得る。この場合、行列
は、第o
sの部分集合内のN
s個のビームベクトルに基づいて構築することができ、ここで
である。
可能な設計では、周波数領域ベクトル集合はNf個の周波数領域ベクトルを含みうる。すなわち、K0=Nfである。各周波数領域ベクトルの次元はNfであってもよく、各周波数領域ベクトルはDFT行列から取得されてもよい。
例えば、N
f個の周波数領域ベクトルは、
と表すことができる。行列B
fは、N
f周波数領域ベクトルに基づいて構築することができ、
である。
別の可能な設計では、周波数領域ベクトル集合は、オーバーサンプリング係数Ofを使用して、Of×Nf周波数領域ベクトルに拡張され得る。この場合、周波数領域ベクトル集合はOf個の部分集合を含むことができ、各部分集合はNf個の周波数領域ベクトルを含みうる。すなわち、K0=Of×Nfである。周波数領域ベクトル集合内の各周波数領域ベクトルの次元はNfであってもよく、各周波数領域ベクトルはオーバーサンプリングされたDFT行列から取得されてもよい。オーバーサンプリング係数Ofは正の整数である。
例えば、周波数領域ベクトル集合内の第o
f(0≦o
f≦O
f-1であり、o
sは整数である)の部分集合内のN
f個の周波数領域ベクトルは、
と表され得る。この場合、行列
は、第o
fの部分集合内の
N
f 個のビームベクトルに基づいて構築することができ、ここで
である。
以下では、オーバーサンプリングレートが考慮されるとき、およびオーバーサンプリングレートが考慮されないときに、端末装置によってT1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定および示すための具体的な方法を個別に説明する。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、端末装置は、以下に示すステップ1-iからステップ1-vを使用して、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定することができる。
ステップ1-i:端末装置は、空間周波数行列H、ビームベクトル集合に基づいて構築された行列、および周波数領域ベクトル集合に基づいて構築された行列に基づいて重み係数行列を決定し得る。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、ビームベクトル集合はNs個のビームベクトルを含むことができ、構築された行列はBsであり、周波数領域ベクトル集合はNf個の周波数領域ベクトルを含むことができ、構築された行列はBfである。端末装置は、W=Bs
*HBfを使用して行列Wを決定することができる。行列Wは重み係数行列と呼ばれてもよく、重み係数行列の次元はNs×Nfであってもよい。行列WのNs行は、ビームベクトル集合(またはビームベクトル集合を使用して構築された行列Bs)のNs個のビームベクトルに対応し得る。行列WのNf列は、周波数領域ベクトル集合内のNf個の周波数領域ベクトル(または周波数領域ベクトル集合に基づいて構築された行列Bf)に対応し得る。行列における各係数は、1つの空間周波数ベクトル対に対応し得る。
ステップ1-ii:端末装置は、ビームベクトル集合からL1個の比較的強いビームベクトルを選択し、周波数領域ベクトル集合からK1個の比較的強い周波数領域ベクトルを選択することができる。
端末装置は、行列W内のNs個の行に対してモジュロ演算を別々に実行し、各行のモジュラスに従って比較的大きいモジュラスを有するL1個の行を決定することができる。行列WにおけるL1個の行の行番号は、ビームベクトル集合におけるL1個の相対的に強いビームベクトルのシーケンス番号であってもよいし、BsにおけるL1個の相対的に強いビームベクトルの列番号であってもよい。さらに、端末装置は、行列WのNf列に対してモジュロ演算を別々に実行し、各列のモジュラスに従って比較的大きいモジュラスを有するK1個の列を決定することができる。行列W内のK1個の列の列番号は、周波数領域ベクトル集合内のK1個の比較的強い周波数領域ベクトルのシーケンス番号またはBf内のK1個の比較的強い周波数領域ベクトルの列番号であり得る。
ビームベクトル集合内のL1個の比較的強い行および周波数領域ベクトル集合内のK1個の比較的強い列を決定するために端末装置によって使用される前述の特定の方法は、理解を容易にするための一例にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。ビームベクトル集合内のL1個の比較的強い行および周波数領域ベクトル集合内のK1個の比較的強い列を決定するために端末装置によって使用される特定の方法については、現在の技術を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細に説明はされない。
重み係数行列を使用してL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定するための前述の方法は、理解を容易にするために示された可能な実装形態にすぎないが、これは、端末装置がL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定するときに重み係数行列を確実に生成することを示すものではないことをさらに理解されたい。例えば、各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、複数の投影値を含むアレイ集合を取得するために、ビームベクトル集合内の各ビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の各周波数領域ベクトルに別々に投影される。アレイ集合内の要素は、前述の重み係数行列における行(または列)の要素を順次接続することによって取得することができる。
ステップ1-iii:端末装置は、ビームベクトル集合で決定されたL1個の相対的に強いビームベクトルと、周波数領域ベクトル集合で決定されたK1個の相対的に強い周波数領域ベクトルとを組み合わせることによって、M1個の空間周波数ベクトル対を取得することができる。
M1個の空間周波数ベクトル対の各々は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを含みうる。各空間周波数ベクトル対のビームベクトルは、前述のL1個のビームベクトルから取得することができ、各空間周波数ベクトル対の周波数領域ベクトルは、前述のK1個の周波数領域ベクトルから取得することができる。L1個のビームベクトルの1つとK1個の周波数領域ベクトルの1つとを組み合わせて、固有の空間周波数ベクトル対を得ることができる。言い換えれば、M1個の空間周波数ベクトル対の各々は、L1個のビームベクトルのうちの1つとK1個の周波数領域ベクトルのうちの1つとによって一意に決定される。任意の2つの空間周波数ベクトル対は、含まれるビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの少なくとも一方に差を有する。したがって、L1×K1個の空間周波数ベクトル対は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルによって決定され得る。すなわち、M1=L1×K1である。
一方、ビームベクトル集合内のNs個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のNf個の周波数領域ベクトルを組み合わせて、Ns×Nf個の空間周波数ベクトル対を得ることができる。したがって、M1個の空間周波数ベクトル対は、Ns×Nf個の空間周波数ベクトル対の部分集合と考えることができ、M1<Ns×Nfである。言い換えれば、端末装置は、ビームベクトル集合と周波数領域ベクトル集合とを組み合わせることによって得られる空間周波数ベクトル対集合の部分集合において、線形重み付けに使用されるT1個の空間周波数ベクトル対、すなわち、端末装置によって報告される必要があるT1個の空間周波数ベクトル対を決定することができる。言い換えれば、選択されたT1個の空間周波数ベクトル対は、L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを結合することによって得られたM1個の空間周波数ベクトル対から選択される。
ステップ1-iv:端末装置は、M1個の空間周波数ベクトル対のうちのT1個の空間周波数ベクトル対を決定することができる。T1個の空間周波数ベクトル対は、T1個の空間周波数成分行列を決定するために使用され得る。
端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を生成するために、M1個の空間周波数ベクトル対からT1個の比較的強い空間周波数ベクトル対を選択し得る。T1個の比較的強い空間周波数ベクトル対は、M1の空間周波数ベクトル対において重み係数が比較的大きいモジュラスを有する空間周波数ベクトル対であってもよい。すなわち、選択されたT1個の空間周波数ベクトル対のいずれか1つの重み係数のモジュラスは、残りのM1-T1個の空間周波数ベクトル対のいずれか1つの重み係数のモジュラス以上である。
上記の説明で決定された行列W内のL1個の相対的に強い行およびK1の相対的に強い列に基づいて、端末装置は、L1×K1(すなわち、M1)の重み係数を決定することができる。M1個の重み係数は、M1個の空間周波数ベクトル対と1対1に対応し得る。端末装置は、M1個の重み係数の中で比較的大きいモジュラスを有するT1個の重み係数を決定することができる。選択されたT1個の重み係数のいずれか1つのモジュラスは、残りのM1ーT1個の重み係数のいずれか1つのモジュラス以上である。T1個の重み係数は、T1個の空間周波数成分行列の重み係数であり得る。
L1×K1個の重み係数のうちのT1個の重み係数の位置を使用して、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれるT1個のビームベクトルおよびT1個の周波数領域ベクトルを決定することができる。
一実装形態では、端末装置は、行列Wから、比較的大きなモジュラスを有するL1個の行および比較的大きなモジュラスを有するK1個の列を抽出して、L1×K1の次元を有する行列を取得することができる。区別および説明を容易にするために、L1×K1の次元を有する行列はW’と示される。行列W’は、行列Wの部分行列と考えることができる。端末装置は、比較的大きなモジュラスを有するT1個の要素を選択するために、行列W’内の各要素に対してモジュロ演算を実行することができる。行列W’内のT1個の要素の位置は、L1個のビームベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれるビームベクトルの位置、およびK1個の周波数領域ベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれる周波数領域ベクトルの位置を決定するために使用され得る。具体的には、行列W’内のT1個の要素の行番号は、L1個のビームベクトルのうちの選択されたT1個のビームベクトルのシーケンス番号であってもよく、行列W’内のT1個の要素の列番号は、K1個の周波数領域ベクトルのうちの選択されたT1個の周波数領域ベクトルのシーケンス番号であってもよい。
別の実装形態では、予め定義された規則、例えば、第1の行、次いで列、または第1の列、次いで行に従って、端末装置は、L1×K1個の重み係数を含む配列を取得するために、行列Wから抽出された比較的大きなモジュラスを有するL1個の行および比較的大きなモジュラスを有するK1個の列を順次配置することができる。端末装置は、比較的大きなモジュラスを有するT1個の要素を選択するために、アレイ内の各要素に対してモジュロ演算を実行することができる。アレイ内のT1個の要素の位置は、L1個のビームベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれるビームベクトルの位置、およびK1個の周波数領域ベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれる周波数領域ベクトルの位置を決定するために使用され得る。
T
1個の空間周波数ベクトル対は、T
1個の空間周波数成分行列を決定するために使用され得る。ステップ1-ivで端末装置によって選択されたT
1個の空間周波数ベクトル対のT
1個のビームベクトルは、
と表され、T
1個の空間周波数ベクトル対のT
1個の周波数領域ベクトルは、
と表されると仮定する。空間周波数成分行列は
であってもよく、ここで
であり、t
1=0、1、...、T
1-1である。
はN
s×N
fの次元を有する行列であってもよく、
はN
s×N
fの長さを有するベクトルであってもよい。
端末装置は、上記のT1個の空間周波数ベクトル対に基づいてT1個の空間周波数成分行列を必ずしも生成しないことを理解されたい。ここでは、単に理解を容易にするために、空間周波数ベクトル対と空間周波数成分行列との間のいくつかの可能な変換の方法が示されている。
ステップ1-v:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対を示すために、第1の指示情報を生成する。
ステップ1-iからステップ1-ivで決定されたL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対に基づいて、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの位置情報、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの位置情報、およびT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報がL
1個のビームベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL
1個のビームベクトルの組み合わせのインデックスを示すために使用され得る。例えば、複数のビームベクトルの複数の組み合わせがプロトコルで予め定義されてもよく、各組み合わせは1つのインデックスに対応してもよい。L
1個のビームベクトルは、複数の組み合わせのうちの1つであってもよいし、複数の組み合わせのうちの1つに近接していてもよい。第1の指示情報は、組み合わせのインデックスを示すことによってL
1個のビームベクトルを示すことができる。言い換えれば、ビームベクトル集合内のL
1個のビームベクトルの位置情報は、ビームベクトル集合内のL
1個のビームベクトルの組み合わせのインデックスであってもよい。この場合、端末装置は、
ビットを使用してビームベクトル集合内のL
1個のビームベクトルを示すことができる。
は切り上げを表す。
任意選択で、第1の指示情報がK
1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は、周波数領域ベクトル集合内のK
1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックスを示すために使用され得る。例えば、複数のビームベクトルの複数の組み合わせがプロトコルで予め定義されてもよく、各組み合わせは1つのインデックスに対応してもよい。K
1個の周波数領域ベクトルは、複数の組み合わせのうちの1つであってもよく、または複数の組み合わせのうちの1つに近接していてもよい。第1の指示情報は、組み合わせのインデックスを示すことによってK
1個の周波数領域ベクトルを示すことができる。言い換えれば、周波数領域ベクトル集合内のK
1個の周波数領域ベクトルの位置情報は、周波数領域ベクトル集合内のK
1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックスであってもよい。この場合、端末装置は、
ビットを使用して周波数領域ベクトル集合内のK
1個の周波数領域ベクトルを示すことができる。
L1個のビームベクトルの組み合わせのインデックスを示すことによってL1個のビームベクトルを示すための方法、およびK1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックスを示すことによってK1個の周波数領域ベクトルを示すための方法は、可能な実装形態にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。例えば、第1の指示情報がL1個のビームベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報はまた、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの各々のインデックスを示すために使用されてもよく、または、第1の指示情報がK1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報はまた、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの各々のインデックスを示すために使用されてもよい。L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを示す具体的な方法は、本出願では限定されない。
任意選択で、第1の指示情報は、以下の方式のいずれか1つでT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用されてもよい。
方式1:M1個の空間周波数ベクトル対におけるT1個の空間周波数ベクトル対は、ビットマップ(bitmap)を使用して示される。
方式2:M1個の空間周波数ベクトル対のうちのT1個の空間周波数ベクトル対の組み合わせのインデックスが示される。
方式3:L1個のビームベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対の各々に対応するビームベクトルの位置、およびK1個の周波数領域ベクトルのうちの、T1個の空間周波数ベクトル対の各々に対応する周波数領域ベクトルの位置が示される。
方式4:T1個の空間周波数ベクトル対の各々の、M1個の空間周波数ベクトル対における位置が示される。
前述の4つの方式を参照して、以下で、第1の指示情報を使用してT1個の空間周波数ベクトル対を示すための具体的な方法を詳細に説明する。
方式1では、端末装置は、M1ビットのビットマップを使用して、M1個の空間周波数ベクトル対におけるT1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。ビットマップ内の各ビットは、M1個の空間周波数ベクトル対のうちの1つに対応し得る。各ビットは、対応する空間周波数ベクトル対がT1個の空間周波数ベクトル対のうちの1つとして選択されるかどうかを示すために使用され得る。あるいは、各ビットは、対応する空間周波数ベクトル対がT1個の空間周波数ベクトル対に属するかどうかを示すために使用されてもよい。例えば、ビットが「0」に設定されている場合、それは、対応する空間周波数ベクトル対がT1個の空間周波数ベクトル対に属さないことを示す。ビットが「1」に設定されている場合、対応する空間周波数ベクトル対がT1個の空間周波数ベクトル対に属することを示す。
ビットマップ内のM1ビットとM1個の空間周波数ベクトル対との間の対応関係は、M1個の空間周波数ベクトル対におけるビームベクトルと周波数領域ベクトルとの組み合わせ方法に対応する。例えば、M1ビットに対応するM1個の空間周波数ベクトル対は、最初にK1個の周波数領域ベクトルをトラバースし、次いでL1個のビームベクトルをトラバースする順序で配置されてもよく、または最初にL1個のビームベクトルをトラバースし、次いでK1個の周波数領域ベクトルをトラバースする順序で配置されてもよい。
ビームベクトル集合内の選択されたL
1個のビームベクトルは、
と表され、周波数領域ベクトル集合内の選択されたK
1個の周波数領域ベクトルは、
と表されると仮定する。
K
1個の周波数領域ベクトルが最初にトラバースされ、次いでL
1個のビームベクトルがトラバースされる場合、M
1個の空間周波数ベクトル対の配置順序は、
であり得る。合計M
1個の空間周波数ベクトル対がある。簡潔にするために、例はさらに、本明細書において一つずつ列挙されない。ビットマップ内のM
1ビットは、M
1個の空間周波数ベクトル対と1対1に対応する。
ビットマップ内のM
1ビットのうちの第0のビットから第(K
1-1)のビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。第K
1のビットから第(2K
1-1)のビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。類推すると、第[(L
1-1)×K
1]ビットから第(L
1×K
1-1)ビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。
L
1個のビームベクトルが最初にトラバースされ、次いでK
1個の周波数領域ベクトルがトラバースされる場合、M
1個の空間周波数ベクトル対の配置順序は、
であり得る。合計M
1個の空間周波数ベクトル対がある。簡潔にするために、例は、本明細書において一つずつ列挙されない。ビットマップ内のM
1ビットは、M
1個の空間周波数ベクトル対と1対1に対応する。
ビットマップ内のM
1ビットのうちの第0のビットから第(L
1-1)のビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。第L
1のビットから第(2L
1-1)のビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。類推すると、第[L
1×(K
1-1)]ビットから第(L
1×K
1-1)ビットは、空間周波数ベクトル対
と1対1に対応する。
M1ビットとM1個の空間周波数ベクトル対との間の前述の列挙された1対1の対応関係は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。M1ビットとM1個の空間周波数ベクトル対との間の対応関係は、本出願では限定されない。加えて、M1個の空間周波数ベクトル対の配置方法は、本出願では限定されない。上記は、M1ビットとM1個の空間周波数ベクトル対との1対1の対応関係を説明することを容易にするためだけに、M1ビットと1対1の対応関係にあるM1個の空間周波数ベクトル対の2つの可能な配置方法を示している。
方式2では、端末装置は、M
1個の空間周波数ベクトル対のT
1個の空間周波数ベクトル対の組み合わせのインデックスを使用して、T
1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。言い換えれば、端末装置は、L
1個のビームベクトルとK
1個の周波数領域ベクトルとを結合することによって得られたM
1個の空間周波数ベクトル
対に基づいて、複数の空間周波数ベクトル対の複数の組み合わせを予め決定することができる。各組み合わせは、1つのインデックスに対応することができる。T
1個の空間周波数ベクトル対は、複数の組み合わせのうちの1つであってもよいし、複数の組み合わせのうちの1つに近接していてもよい。第1の指示情報は、組み合わせのインデックスを示すことによってT
1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。したがって、端末装置は、
ビットを使用してM
1個の空間周波数ベクトル対のうちのT
1個の空間周波数ベクトル対を示すことができる。
方式3では、端末装置は、L
1個のビームベクトルのうちのT
1個のビームベクトルの位置とK
1個の周波数領域ベクトルのうちのT
1個の周波数領域ベクトルの位置とを別々に示すことができ、T
1個のビームベクトルとT
1個の周波数領域ベクトルとが組み合わされて、T
1個の空間周波数ベクトル対が取得される。端末装置は、
ビットを使用してL
1個のビームベクトルのうちの各ビームベクトルの位置を示すことができ、端末装置は、
ビットを使用してK
1個の周波数領域ベクトルのうちの各周波数領域ベクトルの位置を示すことができる。
方式4では、端末装置は、M
1個の空間周波数ベクトル対におけるT
1個の空間周波数ベクトル対の各々の位置を示すことができる。本明細書では、M
1個の空間周波数ベクトル対における各空間周波数ベクトル対の位置は、M
1個の空間周波数ベクトル対における各空間周波数ベクトル対の相対位置、またはローカル(local)位置として理解され得る。例えば、端末装置は、M
1個の空間周波数ベクトル対における各空間周波数ベクトル対のインデックスを示すことができる。この場合、端末装置は、
ビットを使用してM
1個の空間周波数ベクトル対における空間周波数ベクトル対のインデックスを示すことができる。
上記で列挙されたいくつかの方式では、空間周波数ベクトル対は、空間周波数成分行列(行列形式またはベクトル形式を含む)の形式で表されてもよく、またはビームベクトルと周波数領域ベクトルとを組み合わせたベクトル対の形式で表されてもよい。これは本出願では限定されない。
T1個の空間周波数ベクトル対を示すための上記で列挙された方法では、端末装置は、M1個の空間周波数ベクトル対のT1個の空間周波数ベクトル対の相対位置(例えば、相対インデックスまたは相対番号)を使用してT1個の空間周波数ベクトル対を示すか、またはL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルのT1個の空間周波数ベクトル対の相対位置(例えば、相対インデックスまたは相対番号)を使用してT1個の空間周波数ベクトル対を示すことが分かる。選択範囲が狭くなるため、T1個の空間周波数ベクトル対を示すことによって生じるオーバーヘッドも低減される。
T1個の空間周波数ベクトル対を示すための前述の列挙された方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。例えば、各ビームベクトルに対応する空間周波数ベクトル対の数はK1であり、L1個のビームベクトルに対応するL1×K1個の空間周波数ベクトル対において、端末装置は、各ビームベクトルに基づいて、プリコーディングベクトルを決定するために加重加算のために選択された空間周波数成分対を報告してもよい。例えば、空間周波数ベクトル対にあり、ビームベクトルに対応する選択された空間周波数ベクトル対の数が同じである、すなわち、T1/L1である場合、端末装置は、各ビームベクトルに基づいて、同じビームベクトルに対応するK1個の空間周波数ベクトル対におけるT1/L1個の選択された空間周波数ベクトル対の組み合わせのインデックスを示すことができる。K1個の空間周波数ベクトル対にあり、ビームベクトルに対応する選択された空間周波数ベクトル対の数が互いに異なる場合、端末装置は、各ビームベクトルに基づく選択された空間周波数ベクトル対の数と、同じビームベクトルに対応するK1個の空間周波数ベクトル対のうちの選択された空間周波数ベクトル対の組み合わせのインデックスとを報告してもよい。
端末装置によってT1個の空間周波数ベクトル対を示すための方法は、本出願の上記で列挙された方法に限定されないことを理解されたい。簡潔にするために、例はさらに、本明細書において一つずつ列挙されない。端末装置によってT1個の空間周波数ベクトル対を示すための具体的な方法は、本出願では限定されない。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報をさらに含む。
端末装置は、ステップ1-ivで決定されたT1個の空間周波数ベクトル対の重み係数に基づいて、T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報を生成することができる。
任意選択で、端末装置は、ステップ1-ivで決定されたT1個の空間周波数ベクトル対の重み係数に基づいて、正規化によってT1個の重み係数を示してもよい。
具体的には、端末装置は、T1個の重み係数のうちの最大モジュラスを有する重み係数(例えば、最大重み係数と表記される)を決定し、行列W’の中の最大重み係数の位置を示すことができる。次いで、端末装置は、最大重み係数に対する残りのT1-1個の重み係数の各々の相対値をさらに示すことができる。例えば、端末装置は、各相対値の量子化値のインデックスを使用して残りのT1-1個の重み係数を示すことができる。例えば、複数の量子化値と複数のインデックスとの間の1対1の対応関係をコードブックに予め定義することができ、端末装置は、1対1の対応関係に基づいて、最大重み係数に対する重み係数の相対値をネットワーク装置にフィードバックすることができる。したがって、端末装置によってフィードバックされる重み係数は、ステップ1-ivで決定された重み係数と同じまたは同様であり得、したがって、重み係数の量子化値と呼ばれる。重み係数の量子化値を示す情報は、重み係数の量子化情報と称されてもよい。量子化情報は、例えば、量子化値のインデックスであってもよい。
正規化によって重み係数を示すことは、可能な実装形態にすぎず、本出願に対するいかなる限定も構成すべきではないことを理解されたい。端末装置によって重み係数を示すための具体的な方法については、現在の技術の方法を参照されたい。簡潔にするために、ここでは詳細に説明はされない。
本明細書で言及される正規化は、各偏波方向、各トランスポート層、またはすべてのトランスポート層に基づいて最大重み係数を決定することであってもよく、その結果、正規化は、各偏波方向、各トランスポート層、またはすべてのトランスポート層などの異なる範囲で実行されることに留意されたい。
端末装置によってL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、T1個の空間周波数ベクトル対、および空間周波数ベクトル対の重み係数を決定するための前述の方法は単なる例であり、本出願に対する制限を構成するものではないことをさらに理解されたい。
例えば、任意選択で、端末装置は、代替的に、L1個のビームベクトルの各々について広帯域振幅係数を決定しフィードバックしてもよい。この場合、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルの広帯域振幅係数の量子化情報をさらに含みうる。
任意選択で、端末装置は、最初にL1個のビームベクトルを選択し、次いで、各ビームベクトルに対してK1個の周波数領域ベクトルを選択し、各ビームベクトルおよびビームベクトルに対応する周波数領域ベクトルを含む空間周波数ベクトルに対応する重み係数をさらに決定してもよい。すなわち、L1×K1個の重み係数の合計が存在する。
この場合、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルのうちの各ビームベクトルおよび各ビームベクトルに対応する周波数領域ベクトルを示すために特に使用される。可能な設計は、選択されたL1個のビームベクトルのうちの少なくとも2つが異なる周波数領域ベクトルに対応するシナリオに適用されてもよく、特に、選択されたL
1 個のビームベクトルのうちの少なくとも2つが異なる周波数領域ベクトルに対応し、比較的少ない数のビームベクトルが選択される、または言い換えれば、L1の値が比較的小さい(すなわち、空間スパース性は比較的良好である)シナリオに適用されてもよい。任意選択で、第1の指示情報は、各ビームベクトルに対応する周波数領域ベクトルの数を示すためにさらに使用される。任意選択で、少なくとも2つのビームベクトルは、異なる数の周波数領域ベクトルに対応する。
周波数領域ベクトルが各ビームベクトルに対して選択され、少なくとも2つのビームベクトルに対して選択された周波数領域ベクトルが異なる場合、M1個の空間周波数ベクトル対のT1個の空間周波数ベクトル対を決定した後、端末装置は、各ビームベクトルに基づいて選択された空間周波数ベクトル対を別々に示すことができる。例えば、各ビームベクトルに基づいて、端末装置は、指示のために上記で列挙された方式1から方式4のいずれか1つを使用することができる。
少なくとも2つのビームベクトルが異なる数の周波数領域ベクトルに対応する場合、端末装置が指示に方式2を使用するとき、端末装置は、各ビームベクトルに対応する周波数領域ベクトルの数をさらに示すことができる。
少なくとも2つのビームベクトルに対応する空間周波数ベクトル対における選択された空間周波数ベクトル対の数が異なる場合、端末装置が指示に方式2を使用するとき、端末装置は、各ビームベクトルに対応する空間周波数ベクトル対における選択された空間周波数ベクトル対の数をさらに示すことができる。
任意選択で、端末装置は、代替として、最初にK個の周波数領域ベクトルを選択し、次いで、各周波数領域ベクトルに対してL個のビームベクトルを選択し、各周波数領域ベクトルおよび周波数領域ベクトルに対応するビームベクトルを含む空間周波数ベクトル対に対応する重み係数をさらに決定してもよい。すなわち、合計L×K個の重み係数が存在する。
この場合、第1の指示情報は、具体的には、K個の周波数領域ベクトルのうちの各周波数領域ベクトルおよび各周波数領域ベクトルに対応するビームベクトルを示すために使用される。可能な設計は、選択されたK個の周波数領域ベクトルのうちの少なくとも2つに対応するビームベクトルが異なるシナリオに適用されてもよく、特に、選択されたK個の周波数領域ベクトルのうちの少なくとも2つに対応するビームベクトルが異なり、比較的少ない数の周波数領域ベクトルが選択される、または言い換えれば、Kの値が比較的小さい(すなわち、周波数領域スパース性は比較的良好である)シナリオに適用されてもよい。任意選択で、第1の指示情報は、各周波数領域ベクトルに対応するビームベクトルの数を示すためにさらに使用される。任意選択で、少なくとも2つの周波数領域ベクトルは、異なる数のビームベクトルに対応する。
ビームベクトルが各周波数領域ベクトルに対して選択され、少なくとも2つの周波数領域ベクトルに対して選択されたビームベクトルが異なる場合、M1個の空間周波数ベクトル対のT1個の空間周波数ベクトル対を決定した後、端末装置は、各周波数領域ベクトルに基づいて選択された空間周波数ベクトル対を別々に示すことができる。例えば、各周波数領域ベクトルに基づいて、端末装置は、指示のために上記で列挙された方式1から方式4のいずれか1つを使用することができる。
少なくとも2つの周波数領域ベクトルが異なる数のビームベクトルに対応する場合、端末装置が指示に方式2を使用するとき、端末装置は、各周波数領域ベクトルに対応するビームベクトルの数をさらに示すことができる。
少なくとも2つのビームベクトルに対応する空間周波数ベクトル対における選択された空間周波数ベクトル対の数が異なる場合、端末装置が指示に方式2を使用するとき、端末装置は、各ビームベクトルに対応する空間周波数ベクトル対における選択された空間周波数ベクトル対の数をさらに示すことができる。
加えて、上述したように、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のいくつかまたはすべてのビームベクトルであってもよく、すなわち、L1≦Nsであってもよい。K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の一部またはすべての周波数領域ベクトル、すなわち、K1≦Nfであり得る。ただし、L1、K1、Ns、Nfは、L1=Ns、K1=Nfを同時に満たすものではない。
L1=Nsの場合、第1の指示情報は、K1個の周波数領域ベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを示すことができ、追加情報を使用してL1個のビームベクトルを示さない。言い換えれば、第1の指示情報は、K1個の周波数領域ベクトル対およびT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用される。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、L1個のビームベクトルはビームベクトル集合の全体集合であると見なされ得る。
K1=Nfの場合、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを示すことができ、追加情報を使用してK1個の周波数領域ベクトルを示さない。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合の全体集合であると見なされ得る。
T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことをさらに理解されたい。これは本出願では限定されない。
オーバーサンプリングレートが考慮される場合、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合に含まれるベクトルについて、以下の3つの可能な場合があり得る:
ケース1:ビームベクトル集合は、オーバーサンプリング係数Osを使用してOs×Ns個のビームベクトルに拡張され、周波数領域ベクトル集合は、オーバーサンプリング係数Ofを使用してOf×Nf個の周波数領域ベクトルに拡張される。
ケース2:ビームベクトル集合は、オーバーサンプリング係数Osを使用してOs×Ns個のビームベクトルに拡張され、周波数領域ベクトル集合はNf個の周波数領域ベクトルを含む。
ケース3:ビームベクトル集合はNs個のビームベクトルを含み、周波数領域ベクトル集合はオーバーサンプリング係数Ofを使用することにより、Of×Nf個の周波数領域ベクトルに拡張される。
前述の3つの可能なケースについて、端末装置の処理方法は同じであり得る。以下では、端末装置がT1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定する具体的なプロセスを詳細に説明するための例としてケース1を使用する。
端末装置は、以下に示すステップ2-iからステップ2-viを使用して、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を具体的に決定することができる。
ステップ2-i:端末装置は、空間周波数行列H、ビームベクトル集合に基づいて構築された行列、および周波数領域ベクトル集合に基づいて構築された行列に基づいて重み係数行列を決定し得る。
ビームベクトル集合がオーバーサンプリング係数O
sを使用してO
s×N
s個のビームベクトルに拡張され、周波数領域ベクトル集合がオーバーサンプリング係数O
fを使用してO
f×N
f個の周波数領域ベクトルに拡張される場合、ビームベクトル集合はO
s個の部分集合を含むことができ、行列
は第o
sの部分集合に基づいて構築することができる。周波数領域ベクトル集合はO
f個の部分集合を含むことができ、第o
fの部分集合に基づいて行列
を構築することができる。端末装置は、
を使用して行列
を決定することができる。行列
は、第o
sの部分集合および第o
fの部分集合に対応する重み係数行列と考えることができ、行列の次元はN
s×N
fとすることができる。行列
内のN
s個の行は、ビームベクトル集合内の第o
sの部分集合内のN
s個のビームベクトル(または第o
sの部分集合によって構築された行列
)に対応することができる。行列
内のN
f列は、周波数領域ベクトル集合内の第o
fの部分集合(または第o
fの部分集合に基づいて構築された行列
)内のN
f個の周波数領域ベクトルに対応し得る。行列
内の各係数は、1つの空間周波数ベクトル対に対応することができる。
ステップ2-ii:端末装置は、ビームベクトル集合内のOs個の部分集合および周波数領域ベクトル集合内のOf個の部分集合に基づいて空間周波数ベクトル対のOs×Of個のグループを決定することができ、空間周波数ベクトル対の各グループはT1個の空間周波数ベクトル対を含む。
具体的には、端末装置は、o
sの値に対して0からO
s-1まで別々にトラバースし、o
fの値に対して0からO
f-1までトラバースし、以下のステップ:行列
に基づいてL
1個の相対的に強い行およびK
1個の相対的に強い列を決定するステップと、第o
sの部分集合内のL
1個の相対的に強いビームベクトルおよび第o
fの部分集合内のK
1個の相対的に強い周波数領域ベクトルを決定するステップとを繰り返し実行して空間周波数ベクトル対のO
s×O
f個のグループを決定することができる。L
1個のビームベクトルとK
1個の周波数領域ベクトルとを組み合わせて、M
1個の空間周波数ベクトル対を得ることができる。さらに、端末装置は、行列
内のL
1個の相対的に強い行およびK
1個の相対的に強い列に基づいて決定されるL
1×K
1に基づいてT
1個の相対的に強い空間周波数ベクトル対を決定し得る。
端末装置が重み係数行列Wに基づいてL1個の相対的に強いビームベクトルおよびK1個の相対的に強い周波数領域ベクトルを決定し、次いでT1個の相対的に強い空間周波数ベクトル対を決定する具体的なプロセスは、前述のステップ1-iiからステップ1-vで詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ステップ2-iii:端末装置は、T1個の空間周波数ベクトル対および空間周波数ベクトル対の重み係数を決定するために、Os×Of個の空間周波数ベクトル対のグループの重み係数に基づいて、最も強い空間周波数ベクトル対のグループを選択することができる。
端末装置は、ステップ2-iiで決定された空間周波数ベクトル対のOs×Of個のグループに基づいて空間周波数ベクトル対の最強グループを決定することができ、空間周波数ベクトル対の最強グループ内のT1個の空間周波数ベクトル対が、T1個の空間周波数成分行列を生成するために使用され得る。例えば、端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を生成するために、空間周波数ベクトル対のOs×Of個のグループ内の空間周波数ベクトル対の各グループの重み係数のモジュラスの和を別々に計算し、モジュラスの和が最も大きい空間周波数ベクトル対のグループを選択することができる。空間周波数ベクトル対のグループの重み係数は、T1個の空間周波数成分行列の重み係数である。
端末装置がT1個の空間周波数ベクトルに基づいてT1個の空間周波数成分行列を生成する具体的なプロセスは、前述のステップ1-vで詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
T1個の空間周波数ベクトル対に含まれるT1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合の同じ部分集合からのものであるため、T1個の空間周波数ベクトル対を決定するとき、端末装置は、T1個のビームベクトルが属する部分集合も決定することができる。このようにして、部分集合内のL1個の比較的強いビームベクトルを決定することができる。
同様に、T1個の空間周波数ベクトル対に含まれるT1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合の同じ部分集合からのものであるため、T1個の空間周波数ベクトル対を決定するとき、端末装置は、T1個の周波数領域ベクトルが属する部分集合も決定することができる。このようにして、部分集合内のK1個の比較的強い周波数領域ベクトルを決定することができる。
重み係数行列を使用してL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定するための前述の方法は、理解を容易にするために示された可能な実装形態にすぎないが、これは、端末装置がL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定するときに重み係数行列を確実に生成することを示すものではないことを理解されたい。例えば、各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、複数の投影値を含むアレイ集合を取得するために、ビームベクトル集合の任意の部分集合内の各ビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合の任意の部分集合内の各周波数領域ベクトルに別々に投影される。アレイ集合内の要素は、前述の重み係数行列における行(または列)の要素を順次接続することによって取得することができる。
ステップ2-iv:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対を示すために、第1の指示情報を生成する。
ステップ2-iからステップ2-iiiで決定されたL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対に基づいて、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの位置情報、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの位置情報、およびT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報がL1個のビームベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルが属する部分集合および部分集合内のL1個のビームベクトルのインデックスを示すために特に使用されてもよく、またはL1個のビームベクトルが属する部分集合および部分集合内のL1個のビームベクトルの組み合わせのインデックスを示すために特に使用されてもよい。
任意選択で、第1の指示情報がK1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は、K1個の周波数領域ベクトルが属する部分集合および部分集合内のK1個の周波数領域ベクトルのインデックスを示すために特に使用されてもよく、またはK1個の周波数領域ベクトルが属する部分集合および部分集合内のK1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックスを示すために特に使用されてもよい。
第1の指示情報がT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用されるとき、特定の指示方式は、上述した方式1から方式4のいずれか1つであり得る。以上、方式1~方式4について詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報をさらに含む。
T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
ケース2では、ビームベクトル集合はオーバーサンプリング係数O
sを使用してO
s×N
s個のビームベクトルに拡張され、周波数領域ベクトル集合はN
f個の周波数領域ベクトルを含むので、端末装置は行列
および行列B
fを構築することができる。次いで、端末装置は、o
sの値に対して0からO
s-1までトラバースし、
を用いてT
1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定することができる。
ケース3では、ビームベクトル集合はN
f個の周波数領域ベクトルを含み、周波数領域ベクトル集合はオーバーサンプリング係数O
fを使用してO
f×N
f個の周波数領域ベクトルに拡張されるため、端末装置は行列B
sおよび行列
を構築することができる。次いで、端末装置は、o
fの値に対して0からO
f-1までトラバースし、
を用いてT
1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定することができる。
端末装置が、ケース2およびケース3におけるT1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定するための具体的な方法は、ケース1で説明した具体的な方法と同様である。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
前述の技術的解決策に基づいて、端末装置は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために、第1の指示情報を生成することができる。
ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を決定するための前述の方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。上述したように、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のいくつかまたはすべてのビームベクトルであってもよく、すなわち、L1≦L0であり得る。K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内のいくつかまたはすべての周波数領域ベクトル、すなわち、K1≦K0であり得る。ただし、L1、K1、L0およびK0は、同時にL1=L0、K1=K0を満たさない。
上述したように、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のいくつかまたはすべてのビームベクトルであってもよく、すなわち、L1≦L0であり得る。K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内のいくつかまたはすべての周波数領域ベクトル、すなわち、K1≦K0であり得る。ただし、L1、K1、L0およびK0は、同時にL1=L0、K1=K0を満たさない。
ビームベクトル集合または周波数領域ベクトル集合がオーバーサンプリングされるとき、L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合の部分集合(例えば、直交グループ)またはビームベクトル集合の部分集合内のいくつかのビームベクトルであってもよく、K1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合の部分集合(例えば、直交グループ)または周波数領域ベクトル集合の部分集合内のいくつかの周波数領域ベクトルであってもよい。ただし、L1、K1、L0およびK0は、同時にL1=L0、K1=K0を満たさない。
任意選択で、L1個のビームベクトルがビームベクトル集合の部分集合であり、第1の指示情報がL1個のビームベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報はビームベクトル集合の選択された部分集合のみを示すために使用されてもよく、L1個のビームベクトルは追加情報を使用して示されない。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、L1個のビームベクトルはビームベクトル集合の選択された部分集合であると見なされ得る。
任意選択で、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合の部分集合であり、第1の指示情報がK1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は周波数領域ベクトル集合の選択された部分集合のみを示すために使用されてもよく、K1個の周波数領域ベクトルは追加情報を使用して示されない。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合の選択された部分集合であると見なされ得る。
任意選択で、L1個のビームベクトルがビームベクトル集合の全体集合である場合、すなわち、L1=L0である場合、第1の指示情報は、K1個の周波数領域ベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを示すことができ、追加情報を使用してL1個のビームベクトルを示さない。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、L1個のビームベクトルはビームベクトル集合内のすべてのビームベクトルであると見なされ得る。任意選択で、K1個の周波数領域ベクトルが周波数領域ベクトル集合の全体集合である場合、すなわち、K1=K0である場合、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびT1個の空間周波数ベクトル対のみを示すことができ、追加情報を使用してK1個の周波数領域ベクトルを示さない。ネットワーク装置が第1の指示情報を受信すると、デフォルトでは、K1個の周波数領域ベクトルは周波数領域ベクトル集合内のすべての周波数領域ベクトルであると見なされ得る。
様々なケースで第1の指示情報を使用することによって示される前述の列挙された特定の内容は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。例えば、端末装置は、上記で列挙されたケースを区別せずに、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数ベクトル対を直接示すことができる。
実装形態2
端末装置は、予め記憶された空間周波数成分行列集合および所定の空間周波数行列に基づいてM1個の空間周波数成分行列を決定し、T1個の空間周波数成分行列をさらに決定することができる。
本実施形態では、端末装置によって予め記憶された空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの次元を有する行列であってもよいし、Ns×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。2つのケースを参照して、以下では、端末装置がT1個の空間周波数成分行列を決定する具体的なプロセスを詳細に個別に説明する。
ケースA:空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの長さを有するベクトルである。
端末装置によって決定されたN
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、
と表されるものと仮定する。ケースAでは、端末装置は、N
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルに基づいて、N
s×N
fの長さを有する空間周波数行列Hを構築することができ、
である。区別を容易にするために、以下では、長さがN
s×N
fである空間周波数行列を空間周波数ベクトルと呼ぶ。
以下、空間周波数成分行列の詳細について説明する。
可能な設計では、空間周波数成分行列集合はNs×Nf個の空間周波数成分行列を含み得る。各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの長さを有するベクトルであってもよい。以下では、区別および説明を容易にするために、長さがNs×Nfである空間周波数成分行列を空間周波数成分ベクトルと呼ぶ。これに対応して、空間周波数成分行列集合は、空間周波数成分ベクトル集合と呼ばれる場合がある。空間周波数成分ベクトル集合から選択されたT1個の空間周波数成分ベクトルの加重和を構築して、空間周波数ベクトルを取得することができる。T1個の空間周波数成分ベクトルの加重和を使用した構築によって得られた空間周波数ベクトルは、端末装置によって決定された前述の空間周波数ベクトルと同じまたは同様であり得る。
本出願のこの実施形態では、空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルによって一意に決定され得る。言い換えれば、空間周波数成分ベクトル集合内の任意の2つの空間周波数成分ベクトルは異なり、任意の2つの空間周波数成分ベクトルは、対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの少なくとも一方に差を有する。
具体的には、空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルと周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルとのクロネッカー積であってもよいし、周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルとビームベクトル集合内の1つのビームベクトルとのクロネッカー積であってもよい。上記で構築された空間周波数ベクトルに対応するために、空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、周波数領域ベクトルとビームベクトルとのクロネッカー積を使用して一意に決定され得る。
上述したように、オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、ビームベクトル集合はNs個のビームベクトルを含むことができ、周波数領域ベクトル集合はNf個の周波数領域ベクトルを含みうる。この場合、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合に基づいて決定され得る。すなわち、空間周波数成分ベクトル集合は、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含んでもよい。各空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルに対応してもよく、または各空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを組み合わせることによって得られた空間周波数ベクトル対に対応してもよい。
空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、1つのインデックスに対応し得る。空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルは、空間周波数成分ベクトル集合内のインデックスを使用して示されてもよく、または空間周波数成分ベクトルを生成するために使用され得るビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、それぞれビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合内のインデックスを使用して示されてもよい。空間周波数成分ベクトル集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルのインデックスは、M1個の空間周波数成分ベクトルの1次元インデックスと考えることができる。M1個の空間周波数成分ベクトルに含まれるビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合それぞれにおけるインデックスは、M1個の空間周波数成分ベクトルの2次元インデックスと考えることができる。1次元インデックスと2次元インデックスは、予め定義された変換規則に従って相互に変換されてもよい。
具体的には、mは空間周波数成分ベクトル集合における空間周波数成分ベクトルのインデックスであり、0≦m≦Ns×Nf-1であり、mは整数であると仮定する。nsは、ビームベクトル集合内のビームベクトルのインデックスであり、0≦ns≦Ns-1であり、nsは整数である。nfは周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルのインデックスであり、0≦nf≦Nf-1であり、nfは整数である。
例えば、Ns個のビームベクトルのうちの第0のビームベクトルと、Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第0の周波数領域ベクトルから第(Nf-1)の周波数領域ベクトルまでのクロネッカー積を使用して決定されたNf個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックス0~Nf-1に対応し得る。Ns個のビームベクトルのうちの第1のビームベクトルと、Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第0の周波数領域ベクトルから第(Nf-1)の周波数領域ベクトルとのクロネッカー積を使用して決定されたNf個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックスNf~2Nf-1に対応することができる。同様に、Ns個のビームベクトルのうちの第nsのビームベクトルと、Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第0の周波数領域ベクトルから第(Nf-1)の周波数領域ベクトルとのクロネッカー積を使用して決定されたNf個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックスns×Nfから(ns+1)×Nf-1に対応し得る。区別および説明を容易にするために、付番規則は規則1として表され得る。
したがって、空間周波数成分ベクトル集合内のN
s×N
f個の空間周波数成分ベクトルについて、第mの空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内の第n
sのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の第n
fの周波数領域ベクトルを使用して示すことができると仮定する。
であり、n
s=mod(m,N
f)である。
は切り捨てを表し、mod()はモジュロ演算を表す。
ビームベクトル集合内のNs個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のN
f
個の周波数領域ベクトルについて、ビームベクトル集合内の第nsのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の第nfの周波数領域ベクトルを使用して構築された空間周波数成分ベクトルは、第mの空間周波数成分ベクトルを使用して示すことができ、m=nf+ns*Nfである。別の例では、Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第0の周波数領域ベクトルとNs個のビームベクトルのうちの第0のビームベクトルから第(Ns-1)のビームベクトルとのクロネッカー積を使用して決定されたNs個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックス0からNs-1に対応し得る。Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第1の周波数領域ベクトルと、Ns個のビームベクトルのうちの第0のビームベクトルから第(Ns-1)のビームベクトルとのクロネッカー積を使用して決定されたNs個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックスNsから2Ns-1に対応し得る。類推すると、Nf個の周波数領域ベクトルのうちの第nfの周波数領域ベクトルとNs個のビームベクトルのうちの第0のビームベクトルから第(Ns-1)のビームベクトルとのクロネッカー積を使用して決定されたNs個の空間周波数成分ベクトルは、1次元インデックスnf×Nsから(nf+1)×Ns-1に対応し得る。区別および説明を容易にするために、付番規則は規則2として表されてもよい。
したがって、空間周波数成分ベクトル集合内のN
s×N
f個の空間周波数成分ベクトルについて、第mの(0≦m≦N
s×N
f-1)の空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内の第n
sのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の第n
fの周波数領域ベクトルを使用して示すことができる。
であり、n
f=mod(m,N
s)である。
ビームベクトル集合内のNs個のビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のNs個のビームベクトルについて、ビームベクトル集合内の第nsのビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の第nfの周波数領域ベクトルを使用して構築された空間周波数成分ベクトルは、第mの空間周波数成分ベクトルを使用して示すことができ、m=ns+nf*Nsである。
空間周波数成分ベクトル集合内の空間周波数成分ベクトルに付番する上記で列挙された2つの方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。端末装置およびネットワーク装置は、予め合意された規則に従って空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルに番号を付けることができる。各空間周波数成分ベクトルとネットワーク装置によって定義されたインデックスとの対応関係は、各空間周波数成分ベクトルと端末装置によって定義されたインデックスとの対応関係と一致する。
オーバーサンプリングレートが考慮される場合、空間周波数成分ベクトル集合に含まれるベクトルについて以下の3つの可能な場合があり得る。
ケース1:空間周波数成分ベクトル集合を、オーバーサンプリング係数OsおよびOfを用いてOs×Ns×Of×Nf個の空間周波数成分ベクトルに拡張する。この場合、空間周波数成分ベクトル集合はOs×Of個の部分集合を含み、各部分集合はNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含みうる。
ケース2:空間周波数成分ベクトル集合を、オーバーサンプリング係数Osを用いてOs×Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルに拡張する。この場合、空間周波数成分ベクトル集合はOs個の部分集合を含み、各部分集合はNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含みうる。
ケース3:空間周波数成分ベクトル集合を、オーバーサンプリング係数Ofを用いて、Of×Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルに拡張する。この場合、空間周波数成分ベクトル集合はOf個の部分集合を含み、各部分集合はNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含みうる。
前述の3つの場合において、オーバーサンプリング係数Osは、ビームベクトル集合のオーバーサンプリング係数であってもよく、オーバーサンプリング係数Ofは、周波数領域ベクトル集合のオーバーサンプリング係数であってもよい。空間周波数成分ベクトル集合のオーバーサンプリング係数をOcとすると、Oc=Os×Of、Oc>1であり、Ocは正の整数である。オーバーサンプリングレートが存在する場合、OsおよびOfは同時に1に設定されない。
オーバーサンプリングレートが考慮される場合、ビームベクトル集合の各部分集合および周波数領域ベクトル集合の各部分集合は、空間周波数成分ベクトルの複数のグループを取得するために別々に決定されてもよく、空間周波数成分ベクトルの各グループはNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含む。空間周波数成分ベクトルの各グループ内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスを付番するための規則は、オーバーサンプリングレートが考慮されないときに使用される前述の付番規則と同じであり得る。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
以下では、オーバーサンプリングレートが考慮されるとき、およびオーバーサンプリングレートが考慮されないときに、端末装置によってT1個の空間周波数成分ベクトルおよび空間周波数成分ベクトルの重み係数を決定および示すための具体的な方法を個別に説明する。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、端末装置は、以下に示すステップ3-iからステップ3-ivを使用して、T1個の空間周波数成分ベクトルおよび空間周波数成分ベクトルの重み係数を決定することができる。
ステップ3-i:端末装置は、前述の空間周波数ベクトルおよび空間周波数成分ベクトル集合に基づいて重み係数行列を決定することができる。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、空間周波数成分ベクトル集合はNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを含み得る。端末装置は、所定の空間周波数ベクトルをNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルに別々に射影してもよい。すなわち、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルのそれぞれの共役転置に空間周波数ベクトルを乗算してNs×Nf個の射影値を得る。Ns×Nf個の射影値の配置順序は、空間周波数成分ベクトル集合におけるNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルの配置順序に対応する。
端末装置は、Ns×Nf個の投影値を、予め指定された配置順序に従って、かつ空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルの配置順序に基づいて、次元がNs×Nfである行列に配置することができる。
具体的には、空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスが1次元インデックスであり、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスに付番するための規則が前述の規則1に基づいて決定される場合、Ns×Nf個の投影値内の第1の投影値から開始して、端末装置は、Ns個の行を取得するために、Nf個の連続する投影値すべてを行として使用することができ、各行はNf個の投影値を含む。Ns行は上から下に向かって順に配置され、次元がNs×Nfの行列Wが得られてもよい。
空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスが1次元インデックスであり、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスに付番するための規則が、Ns×Nf個の射影値内の第1の射影値から始めて、前述の規則2に基づいて決定される場合、端末装置は、Nf個の列を取得するために、Ns個の連続する射影値ごとに列として使用することができ、各列はNs個の射影値を含む。Nf列は左から右へ順に配置され、次元がNs×Nfの行列Wが求められてもよい。
空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルのインデックスが2次元インデックスである場合、端末装置は、2次元インデックスに基づいてNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルを行列形式に直接配置することができる。例えば、同じインデックスnsを有する空間周波数成分ベクトルは同じ行に配置され、同じインデックスnfを有する空間周波数成分ベクトルは同じ列に配置される。
次元がNs×Nfの行列Wは、重み係数行列と称されてもよい。行列W内のNs×Nf個の重み係数は、空間周波数成分ベクトル集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルに対応し得、Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルの各々の重み係数を表し得る。
ステップ3-ii:端末装置は、重み係数行列に基づいてM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定することができる。
端末装置は、行列W内のNs個の行に対してモジュロ演算を別々に実行し、各行のモジュラスに従って比較的大きいモジュラスを有するL1個の行を決定することができる。比較的大きなモジュラスを有するL1個の行は、比較的強いL1個の行である。さらに、端末装置は、行列WのNf列に対してモジュロ演算を別々に実行し、各列のモジュラスに従って比較的大きいモジュラスを有するK1個の列を決定することができる。比較的大きなモジュラスを有するK1個の列は、比較的強いK1個の列である。端末装置は、行列W内のL1個の相対的に強い行およびK1個の相対的に強い列の位置に基づいて、予め定義された変換規則に従って、空間周波数成分ベクトル集合内のM1の相対的に強い空間周波数成分ベクトルを決定し得る。
実際には、空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内の各ビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内の各周波数領域ベクトルを使用して決定され得る。M1個の空間周波数成分ベクトルは、ビームベクトル集合内のL1個の比較的強いビームベクトルおよび周波数領域ベクトル集合内のK1個の比較的強い周波数領域ベクトルに基づいて決定され得る。行列W内の上記で決定されたL1個の比較的強い行の行番号は、ビームベクトル集合内のL1個の比較的強いビームベクトルのシーケンス番号であってもよく、行列W内のK1個の比較的強い列の列番号は、周波数領域ベクトル集合内のK1個の比較的強い周波数領域ベクトルのシーケンス番号であってもよい。
端末装置が、M1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定するために、重み係数行列に基づいてL1個の比較的強い行およびK1個の比較的強い列を決定するための前述の具体的な方法は、理解を容易にするための一例にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではないことを理解されたい。本出願は、端末装置が別の方法でM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定する可能性を排除しない。端末装置によって決定されたM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルが、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを使用して構築され得ることを条件として、すべての方法が本出願の保護範囲内に入るべきである。
ステップ3-iii:端末装置は、M1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルのうちのT1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定し得る。
端末装置は、M1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数のモジュラスに基づいてT1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定することができる。例えば、選択されたT1個の空間周波数成分ベクトルのいずれか1つの重み係数のモジュラスは、残りのM1~T1個の空間周波数成分ベクトルのいずれか1つのモジュラス以上である。さらに、T1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数も決定することができる。
ステップ3-iv:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分ベクトルを示すために、第1の指示情報を生成する。
前述のステップ3-iからステップ3-iiiで決定されたM1個の空間周波数成分ベクトルおよびT1個の空間周波数成分ベクトルに基づいて、第1の指示情報は、空間周波数成分ベクトル集合または空間周波数成分ベクトル集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報、およびT1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、第1の指示情報は、具体的に、M1個の空間周波数成分ベクトルの2次元インデックス、すなわち、M1個の空間周波数成分ベクトルに含まれるL1個のビームベクトルの、ビームベクトル集合内のインデックス、およびM1個の空間周波数成分ベクトルに含まれるK1個の周波数領域ベクトルの、周波数領域ベクトル集合内のインデックスを示すために使用され得る。
第1の指示情報を使用してL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを示すための具体的な方法、およびビットオーバーヘッドは、前述の実装形態1で詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、第1の指示情報がM
1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、第1の指示情報は、具体的に、空間周波数成分ベクトル集合または空間周波数成分ベクトル集合の部分集合内のM
1個の空間周波数成分ベクトルのインデックスを示すために使用され得る。上述したように、複数の空間周波数成分ベクトルのインデックスを付番するための規則がプロトコルにおいて予め定義されてもよく、端末装置およびネットワーク装置は、同じ付番規則に基づいて空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルのインデックスを決定し得る。すなわち、M
1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルのインデックスであってもよい。この場合、端末装置は、M
1個の空間周波数成分ベクトルの各々を
ビットを用いて示すことができる。
任意選択で、第1の指示情報がM
1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、第1の指示情報は、具体的に、空間周波数成分ベクトル集合内のM
1個の空間周波数成分ベクトルの組み合わせのインデックスを示すために使用され得る。例えば、複数の空間周波数成分ベクトルの複数の組み合わせがプロトコルに予め定義されてもよく、各組み合わせは1つのインデックスに対応する。M
1個の空間周波数成分ベクトルは、複数の組み合わせのうちの1つであってもよいし、複数の組み合わせのうちの1つに近接していてもよい。第1の指示情報は、組み合わせのインデックスを示すことによってM
1個の空間周波数成分ベクトルを示すことができる。すなわち、M
1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、空間周波数成分ベクトル集合内のM
1個の空間周波数成分ベクトルの組み合わせのインデックスであってもよい。この場合、端末装置は、
ビットを使用して空間周波数成分ベクトル集合内のM
1個の空間周波数成分ベクトルを示すことができる。
空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定されるため、第1の指示情報が空間周波数成分ベクトル集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルの位置を示すために使用されることは、第1の指示情報が、各空間周波数成分ベクトルに対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合内および周波数領域ベクトル集合内のそれぞれの位置を間接的に示すために使用されることとしても理解され得ることに留意されたい。言い換えれば、M1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に相互に変換されてもよく、またはその逆であってもよい。あるいは、M1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報と等価であってもよい。言い換えれば、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを間接的に示すために使用される。
M1個の空間周波数成分ベクトルを示すための前述の列挙された2つの方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。あるいは、第1の指示情報は、別の方式でM1個の空間周波数成分ベクトルを示してもよい。
任意選択で、第1の指示情報は、以下の方式のいずれか1つでT1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されてもよい。
方式1:M1個の空間周波数成分ベクトルのうちのT1個の空間周波数成分ベクトルは、ビットマップ(bitmap)を使用して示される。
方式2:M1個の空間周波数成分ベクトルのうちのT1個の空間周波数成分ベクトルの組み合わせのインデックスが示される。
方式3:L1個のビームベクトルのうちの、T1個の空間周波数成分ベクトルに対応するビームベクトルの位置、およびK1個の周波数領域ベクトルのうちの、T1個の空間周波数成分ベクトルに対応する周波数領域ベクトルの位置が示される。
方式4:T1個の空間周波数ベクトル対の各々の、M1個の空間周波数ベクトル対における位置が示される。
以上、方式1、方式2、方式3、および方式4、ならびに方式1、方式2、方式3、および方式4によって別々に引き起こされるビットオーバーヘッドに基づいてT1個の空間周波数ベクトル対を示す具体的なプロセスについて詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報をさらに含む。
第1の指示情報がT1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数を示すために使用される具体的なプロセスは、前述の実装形態1で詳細に説明されている。実装形態2における、第1の指示情報がT1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数を示すために使用される特定の方式は、実装形態1で提供される特定の方式と同じであり得る。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
T1個の空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
オーバーサンプリングレートが考慮される場合、端末装置は、以下に示すステップ4-iからステップ4-ivを使用して、T1個の空間周波数成分ベクトルおよび空間周波数成分ベクトルの重み係数を特に決定することができる。
ステップ4-i:端末装置は、空間周波数成分ベクトル集合内の空間周波数ベクトルおよび各部分集合に基づいて複数の重み係数行列を決定することができる。
空間周波数成分ベクトル集合がオーバーサンプリング係数Ocを使用してOc×Ns×Nf個の空間周波数成分ベクトルに拡張される場合、空間周波数成分ベクトル集合はOc個の部分集合を含みうる。端末装置は、所定の空間周波数ベクトルを各部分集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルに別々に射影して、Oc個の射影値グループを取得することができ、各射影値グループはNs×Nf個の射影値を含む。各投影値群について、Ns×Nf個の投影値の配置順序は、空間周波数成分ベクトル集合の各部分集合におけるNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルの配置順序に対応する。
端末装置は、Ns×Nf個の投影値を、予め指定された配置順序に従って、各部分集合内のNs×Nf個の空間周波数成分ベクトルの配置順序に基づいて、次元がNs×Nfである行列に配置することができる。したがって、Oc個の部分集合に対応するOc個の行列を取得することができ、各行列は1つの部分集合に対応することができ、各行列は部分集合に対応する重み係数行列と呼ぶことができる。上記では、空間周波数成分ベクトル集合内の空間周波数成分ベクトルのインデックスを付番するための規則を参照して行列を構築するための具体的な方法について詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
O
c個の部分集合に対応するO
c個の重み係数行列は、o
c=0、1、...、およびO
c-1と表され得る。行列
において、N
s×N
f個の重み係数は、空間周波数成分ベクトル集合内の第o
cの部分集合内のN
s×N
f個の空間周波数成分ベクトルに対応することができ、部分集合内のすべての空間周波数成分ベクトルの重み係数を表すことができる。
ステップ4-ii:端末装置は、空間周波数成分集合内のOc個の部分集合に基づいて空間周波数成分ベクトルのOc個のグループを決定することができ、空間周波数成分ベクトルの各グループはT1個の空間周波数成分ベクトルを含みうる。
端末装置は、o
cの値を求めて0からO
c-1までトラバースし、以下のステップ、すなわち、行列
に基づいてL
1個の相対的に強い行およびK
1個の相対的に強い列を決定するステップを繰り返し実行して、第o
cの部分集合内のM
1の相対的に強い空間周波数成分ベクトルを決定することができる。端末装置は、M
1個の空間周波数成分ベクトルのうちのT
1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルをさらに決定することができる。
端末装置が重み係数行列に基づいてM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定し、M1の空間周波数成分ベクトルのうちのT1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定する前述の具体的なプロセスは、ステップ3-iiおよびステップ3-iiiで詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ステップ4-iii:端末装置は、T1個の空間周波数成分ベクトルを決定するために、空間周波数成分ベクトルのOc個のグループの重み係数に基づいて、最も強い空間周波数成分ベクトルのグループを選択することができる。
端末装置は、ステップ4-iiで決定されたOc個のグループ空間周波数成分ベクトルに基づいて、空間周波数成分ベクトルの最も強いグループを決定することができる。例えば、端末装置は、空間周波数成分ベクトルのOc個のグループ内の空間周波数成分ベクトルの各グループの重み係数のモジュラスの和を計算し、モジュラスの和が最も大きい空間周波数成分ベクトルのグループを空間周波数成分ベクトルの最強グループとして決定することができる。したがって、T1個の空間周波数成分ベクトルおよび空間周波数成分ベクトルの重み係数を決定することができる。
T1個の空間周波数成分ベクトルは同じ部分集合からのものであるため、T1個の空間周波数成分ベクトルを決定するとき、端末装置は、T1個の空間周波数成分ベクトルが属する部分集合も決定することができる。このようにして、部分集合内のM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定することができる。
ステップ4-iv:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分ベクトルを示すために、第1の指示情報を生成する。
前述のステップ4-iからステップ4-iiiで決定されたM1個の空間周波数成分ベクトルおよびT1個の空間周波数成分ベクトルに基づいて、第1の指示情報は、空間周波数成分ベクトル集合または空間周波数成分ベクトル集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報、およびT1個の空間周波数ベクトル成分を示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用される場合、第1の指示情報は、M1個の空間周波数成分ベクトルに含まれるL1個のビームベクトルの、ビームベクトル集合内の位置情報およびM1個の空間周波数成分ベクトルに含まれるK1個の周波数領域ベクトルの、周波数領域ベクトル集合内の位置情報を示すために特に使用されてもよく、M1個の空間周波数成分ベクトルが属する部分集合および部分集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルのインデックスを示すために特に使用されてもよく、またはM1個の空間周波数成分ベクトルが属する部分集合および部分集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルの組み合わせのインデックスを示すために特に使用されてもよい。
ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの位置情報は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルのインデックス、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの組み合わせのインデックス、L1個のビームベクトルが属する部分集合のインデックスおよび部分集合内のL1個のビームベクトルのインデックス、またはL1個のビームベクトルが属する部分集合のインデックスおよび部分集合内のL1個のビームベクトルの組み合わせのインデックスであってもよい。
周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの位置情報は、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルのインデックス、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックス、K1個の周波数領域ベクトルが属する部分集合のインデックスおよび部分集合内のK1個の周波数領域ベクトルのインデックス、またはK1個の周波数領域ベクトルが属する部分集合のインデックスおよび部分集合内のK1個の周波数領域ベクトルの組み合わせのインデックスであってもよい。
空間周波数成分ベクトル集合内の各空間周波数成分ベクトルは、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定されるため、第1の指示情報が空間周波数成分ベクトル集合内のM1個の空間周波数成分ベクトルの位置を示すために使用されることは、第1の指示情報が、各空間周波数成分ベクトルに対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合内および周波数領域ベクトル集合内のそれぞれの位置を間接的に示すために使用されることとしても理解され得ることに留意されたい。言い換えれば、M1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に相互に変換されてもよく、またはその逆であってもよい。あるいは、M1個の空間周波数成分ベクトルの位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報と等価であってもよい。言い換えれば、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを間接的に示すために使用される。
第1の指示情報がT1個の空間周波数成分ベクトルを示すために使用されるとき、特定の指示方式は、上述した方式1から方式4のいずれか1つであり得る。以上、方式1、方式2、方式3、および方式4に基づいてT1個の空間周波数成分ベクトルを別々に示す具体的なプロセス、ならびに方式1、方式2、方式3、および方式4によって別々に引き起こされるビットオーバーヘッドについて詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数の量子化情報をさらに含む。
第1の指示情報がT1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数を示すために使用される具体的なプロセスは、前述の実装形態1で詳細に説明されている。実装形態2における、第1の指示情報がT1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数を示すために使用される特定の方式は、実装形態1で提供される特定の方式と同じであり得る。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
T1個の空間周波数成分ベクトルの重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
ケースB:空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの次元を有する行列である。
端末装置によって決定されたN
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルは、
と表されると仮定する。ケースBでは、端末装置は、N
f個の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルに基づいて、N
s×N
fの次元を有する空間周波数行列Hを構築することができ、
である。
以下、空間周波数成分行列の詳細について説明する。
可能な設計では、空間周波数成分行列集合はNs×Nf個の空間周波数成分行列を含み得る。各空間周波数成分行列は、Ns×Nfの次元を有する行列であってもよい。空間周波数成分行列集合から選択されたT1個の空間周波数成分行列の加重和を使用して、空間周波数行列を構築することができる。T1個の空間周波数成分行列の加重和を使用することによる構築によって得られる空間周波数行列は、端末装置によって決定される前述の空間周波数行列と同じまたは同様であり得る。
本出願のこの実施形態では、空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、ビーム行列集合内の1つのビーム行列および周波数領域行列集合内の1つの周波数領域行列によって一意に決定され得る。言い換えれば、空間周波数成分行列集合内の任意の2つの空間周波数成分行列は異なり、任意の2つの空間周波数成分行列は、対応するビーム行列および周波数領域行列の少なくとも一方に差を有する。具体的には、空間周波数成分行列集合における各空間周波数成分行列は、ビームベクトル集合内のビームベクトルと周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの共役転置との積であってもよい。
上述したように、オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、空間周波数成分行列集合はNs×Nf個の空間周波数成分行列を含みうる。各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルに対応してもよく、または各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを組み合わせることによって得られた空間周波数ベクトル対に対応してもよい。
空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、1つの1次元インデックスに対応してもよく、または1つの2次元インデックスに対応してもよい。すなわち、空間周波数成分行列集合内のNs×Nf個の空間周波数成分行列は、空間周波数成分行列集合または空間周波数成分行列集合の部分集合内のインデックスを使用して示されてもよく、または空間周波数成分行列を生成するために使用され得るビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、それぞれビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合内のインデックスを使用して示されてもよい。前述のケースAでは、各空間周波数成分行列と1次元インデックスとの対応関係、および1次元インデックスと2次元インデックスとの変換規則について、付番規則1および付番規則2を参照して詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
オーバーサンプリングレートを考慮する場合、空間周波数成分行列集合は、オーバーサンプリング係数Ocを使用してOc×Ns×Nf個の空間周波数成分行列に拡張することができる。空間周波数成分行列集合はOc個の部分集合を含むことができ、各部分集合はNs×Nf個の空間周波数成分行列を含みうる。各部分集合内の空間周波数成分行列のインデックスに付番するための規則は、オーバーサンプリングレートが考慮されないときに使用される付番規則と同じであり得る。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
以下では、オーバーサンプリングレートが考慮されるとき、およびオーバーサンプリングレートが考慮されないときに、端末装置によってT1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定および示すための具体的な方法を個別に説明する。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、端末装置は、以下に示すステップ5-iからステップ5-ivを使用して、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定することができる。
ステップ5-i:端末装置は、空間周波数行列および空間周波数成分行列集合に基づいて重み係数を決定し得る。
オーバーサンプリングレートが考慮されない場合、空間周波数成分行列集合はNs×Nf個の空間周波数成分行列を含み得、各空間周波数成分行列の次元はNs×Nfであり得る。端末装置は、所定の空間周波数行列およびNs×Nf個の空間周波数成分行列に基づいてNs×Nf個の重み係数を決定することができる。
具体的には、端末装置は、N
s×N
f個の空間周波数成分行列に対応するN
s×N
f値を取得するために、各空間周波数成分行列の各要素の共役と空間周波数行列の対応する要素との積を別々に合計し得る。例えば、空間周波数成分行列
集合の1つの空間周波数成分行列の要素は、a
p,q(p=0,1,...,N
s-1、およびq=0,1,...,N
f-1)と表され、空間周波数行列の要素は、b
p,qと表される。したがって、各空間周波数成分行列の要素と空間周波数行列の対応する要素との共役の積和は、
と表すことができる。
は、要素a
p,qの共役を表す。このステップは、N
s×N
f個の値を取得するために、空間周波数成分行列
集合におけるN
s×N
f個の空間周波数成分行列に対して繰り返し実行される。N
s×N
f個の値は、N
s×N
fの重み係数と考えることができる。
前述のステップは、行列演算を実行することによって実装されてもよい。例えば、Ns×Nf個の値は、各空間周波数成分行列の共役転置と空間周波数行列との積のトレースを計算することによって得ることができる。
次いで、端末装置は、予め指定された配置順序に従って、かつ空間周波数成分行列集合内のNs×Nf個の空間周波数成分行列の配置順序に基づいて、Ns×Nf個の値をその次元がNs×Nfである行列に配置することができる。端末装置が、予め指定された順序に従って、Ns×Nf個の値をその次元がNs×Nfである行列に配置する具体的なプロセスは、前述のケースAで詳細に説明されている。簡潔にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
次元がNs×Nfの行列Wは、重み係数行列と称されてもよい。行列W内のNs×Nf個の重み係数は、空間周波数成分行列集合内のNs×Nf個の空間周波数成分行列に対応することができ、Ns×Nf個の空間周波数成分行列の各々の重み係数を表すことができる。
ステップ5-ii:端末装置は、重み係数行列に基づいてM1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定し得る。
重み係数行列に基づいてM1個の空間周波数成分行列を決定するために端末装置によって使用される特定の方法は、前述のケースAのステップ3-iiで重み係数行列に基づいてM1個の比較的強い空間周波数成分ベクトルを決定するために端末装置によって使用される特定の方法と同じである。特定の方法は上記で詳細に説明されているので、簡潔にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ステップ5-iii:端末装置は、M1個の空間周波数成分行列のうちのT1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定し得る。
端末装置は、M1個の空間周波数成分行列の重み係数のモジュラスに基づいて、T1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定し得る。例えば、選択されたT1個の空間周波数成分行列のいずれか1つの重み係数のモジュラスは、残りのM1-T1個の空間周波数成分行列のいずれか1つのモジュラス以上である。さらに、T1個の空間周波数成分行列の重み係数も決定することができる。
ステップ5-iv:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために、第1の指示情報を生成する。
前述のステップ5-iからステップ5-iiiで決定されたM1個の空間周波数成分行列およびT1個の空間周波数成分行列に基づいて、第1の指示情報は、空間周波数成分行列集合または空間周波数成分行列集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数成分行列の重み係数の量子化情報をさらに含む。
前述のケースAでは、第1の指示情報を使用してM1個の空間周波数成分行列、T1個の空間周波数成分行列、および空間周波数成分行列の重み係数を示すための具体的な方法、およびビットオーバーヘッドについて詳細に説明した。ビットオーバーヘッド、およびケースBの第1の指示情報を使用してM1個の空間周波数成分行列、T1個の空間周波数成分行列、および空間周波数成分行列の重み係数を示すための具体的な方法は、ケースAに示された方法と同じである。簡潔にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定されるため、第1の指示情報が空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置を示すために使用されることは、第1の指示情報が、各空間周波数成分行列に対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合内および周波数領域ベクトル集合内のそれぞれの位置を間接的に示すために使用されることとしても理解され得ることに留意されたい。言い換えれば、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に相互に変換されてもよく、またはその逆であってもよい。あるいは、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報と等価であってもよい。言い換えれば、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分行列を示すために使用されるとき、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを間接的に示すために使用される。
T1個の空間周波数成分行列の重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
オーバーサンプリングレートが考慮される場合、端末装置は、以下に示すステップ6-iからステップ6-ivを使用して、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を特に決定することができる。
ステップ6-i:端末装置は、空間周波数ベクトルおよび空間周波数成分行列集合内の各部分集合に基づいて複数の重み係数行列を決定することができる。
空間周波数成分行列集合がオーバーサンプリング係数Ocを使用してOc×Ns×Nf個の空間周波数成分行列に拡張される場合、空間周波数成分行列集合はOc個の部分集合を含みうる。端末装置は、所定の空間周波数行列およびOc個の部分集合に基づいて重み係数のOc個のグループを決定することができ、重み係数の各グループはNs×Nf個の重み係数を含む。端末装置によって重み係数の各グループを決定するための具体的な方法については、ステップ5-iの前述の実装形態を参照されたい。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。重み係数の各グループについて、Ns×Nf個の値の配置順序は、空間周波数成分行列集合の各部分集合内のNs×Nf個の空間周波数成分行列の配置順序に対応する。
端末装置は、予め指定された配置順序に従って、各部分集合内のNs×Nf個の空間周波数成分行列の配置順序に基づいて、Ns×Nf個の重み係数をその次元がNs×Nfである行列に配置することができる。したがって、Oc個の部分集合に対応するOc個の行列を取得することができ、各行列は1つの部分集合に対応することができ、各行列は部分集合に対応する重み係数行列と呼ぶことができる。上記では、空間周波数成分行列集合内の空間周波数成分行列のインデックスを付番するための規則を参照して行列を構築するための具体的な方法について詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
O
c個の部分集合に対応するO
c個の重み係数行列は、o
c=0、1、...、およびO
c-1と表され得る。行列
において、N
s×N
f個の重み係数は、空間周波数成分行列集合内の第o
cの部分集合内のN
s×N
f個の空間周波数成分行列に対応することができ、部分集合内のすべての空間周波数成分行列の重み係数を表すことができる。
ステップ6-ii:端末装置は、空間周波数成分集合内のOc個の部分集合に基づいて空間周波数成分行列のOc個のグループを決定することができ、空間周波数成分行列の各グループはT1個の空間周波数成分行列を含みうる。
端末装置は、o
cの値を求めて0からO
c-1までトラバースし、以下のステップ、すなわち、行列
に基づいてL
1個の相対的に強い行およびK
1個の相対的に強い列を決定するステップを繰り返し実行して、第o
cの部分集合内のM
1個の相対的に強い空間周波数成分行列を決定することができる。端末装置は、M
1個の空間周波数成分行列のうちのT
1個の比較的強い空間周波数成分行列をさらに決定することができる。
端末装置が重み係数行列に基づいてM1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定し、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定する前述の具体的なプロセスは、ステップ3-iiおよびステップ3-iiiで詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ステップ6-iii:端末装置は、T1個の空間周波数成分行列を決定するために、空間周波数成分行列のOc個のグループの重み係数に基づいて、最も強い空間周波数成分行列のグループを選択することができる。
端末装置は、ステップ6-iiで決定されたOc個のグループ空間周波数成分行列に基づいて、空間周波数成分行列の最も強いグループを決定し得る。例えば、端末装置は、空間周波数成分行列のOc個のグループ内の空間周波数成分行列の各グループの重み係数のモジュラスの和を計算し、モジュラスの和が最大である空間周波数成分行列のグループを空間周波数成分行列の最強グループとして決定することができる。したがって、T1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数を決定することができる。
T1個の空間周波数成分行列は同じ部分集合からのものであるため、T1個の空間周波数成分行列を決定するとき、端末装置は、T1個の空間周波数成分行列が属する部分集合も決定することができる。このようにして、部分集合内のM1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定することができる。
ステップ6-iv:端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために、第1の指示情報を生成する。
前述のステップ6-iからステップ6-iiiで決定されたM1個の空間周波数成分行列およびT1個の空間周波数成分行列に基づいて、第1の指示情報は、空間周波数成分行列集合または空間周波数成分行列集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報を含み得る。
任意選択で、第1の指示情報は、T1個の空間周波数成分行列の重み係数の量子化情報をさらに含む。
前述のケースAでは、第1の指示情報を使用してM1個の空間周波数成分行列、T1個の空間周波数成分行列、および空間周波数成分行列の重み係数を示すための具体的な方法、およびビットオーバーヘッドについて詳細に説明した。ビットオーバーヘッド、およびケースBの第1の指示情報を使用してM1個の空間周波数成分行列、T1個の空間周波数成分行列、および空間周波数成分行列の重み係数を示すための具体的な方法は、ケースAに示された方法と同じである。簡潔にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定されるため、第1の指示情報が空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置を示すために使用されることは、第1の指示情報が、各空間周波数成分行列に対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合内および周波数領域ベクトル集合内のそれぞれの位置を間接的に示すために使用されることとしても理解され得ることに留意されたい。言い換えれば、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に相互に変換されてもよく、またはその逆であってもよい。あるいは、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報と等価であってもよい。言い換えれば、第1の指示情報がM1個の空間周波数成分行列を示すために使用されるとき、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを間接的に示すために使用される。
T1個の空間周波数成分行列の重み係数の量子化情報は、第1の指示情報で搬送されてもよいし、追加情報で搬送されてもよいことを理解されたい。これは本出願では限定されない。
重み係数行列を使用してL1個の相対的に強い行およびK1個の相対的に強い列を決定するための前述の方法は、理解を容易にするために示された可能な実装形態にすぎず、これは、端末装置がL1個の相対的に強い行およびK1個の相対的に強い列を決定するときに重み係数行列を確実に生成することを示すものではないことをさらに理解されたい。例えば、端末装置は、各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルおよび空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列に基づいて複数の重み係数を決定し得る。複数の重み係数は配列集合を形成してもよく、配列集合内の要素は、前述の重み係数行列における行(または列)内の要素を順次接続することによって取得されてもよい。
別の例では、端末装置によってビームベクトルを取得する方法については、NRプロトコルで定義されたタイプIIコードブックフィードバック方式を参照されたい。周波数領域ベクトルは、周波数領域における変更規則を取得するために、同じ偏波方向の同じトランスポート層における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルの少なくとも1つの成分(例えば、これに限定されないが、ビームベクトルのものであり、プリコーディングベクトルを構成する重み係数)を比較することによって取得される。周波数領域ベクトルの同じグループを異なる偏波方向で使用することができる。
M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定するために端末装置によって使用される前述の列挙された特定の方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことをさらに理解されたい。端末装置は、現在の技術の方法を参照することによって、M1個の空間周波数成分行列のT1個の比較的強い空間周波数成分行列を決定し得る。簡潔にするために、ここでは詳細に説明はされない。
T1個の空間周波数ベクトル対(またはT1個の空間周波数成分ベクトル、またはT1個の空間周波数成分行列)の重み係数を決定および示すための上記で列挙された具体的な方法および上記で列挙されたシグナリングは単なる例であることをさらに理解されたい。T1個の空間周波数ベクトル対(またはT1個の空間周波数成分ベクトル、またはT1個の空間周波数成分行列)の重み係数を決定および示すための具体的なシグナリングおよび具体的な方法は、本出願では限定されず、現在の技術のものと同じであってもよい。
空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列は、1つのビームベクトルおよび1つの周波数領域ベクトルを使用することによって一意に決定されるため、第1の指示情報が空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置を示すために使用されることは、第1の指示情報が、各空間周波数成分行列に対応するビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの、ビームベクトル集合内および周波数領域ベクトル集合内のそれぞれの位置を間接的に示すために使用されることとしても理解され得ることに留意されたい。言い換えれば、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に相互に変換されてもよく、またはその逆であってもよい。
異なる場合の端末装置の前述の列挙された実装形態に基づいて、端末装置は、選択されたL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列、ならびに空間周波数成分行列の重み係数を示すために、第1の指示情報を生成することができる。
ステップ220において、端末装置は、第1の指示情報を送信する。これに対応して、ステップ220において、ネットワーク装置は、第1の指示情報を受信する。
具体的には、第1の指示情報は、PMIであってもよいし、PMI内のいくつかの情報要素であってもよいし、他の情報であってもよい。これは本出願では限定されない。第1の指示情報は、現在の技術の1つまたは複数のメッセージで搬送され、端末装置によってネットワーク装置に送信されてもよいし、本出願で新たに設計され、端末装置によってネットワーク装置に送信された1つまたは複数のメッセージで搬送されてもよい。例えば、端末装置は、物理アップリンク共有チャネル(physical uplink share channel,PUSCH)または物理アップリンク制御チャネル(physical uplink control channel,PUCCH)などの物理アップリンクリソースを使用してネットワーク装置に第1の指示情報を送信することができ、その結果、ネットワーク装置は、第1の指示情報に基づいてプリコーディングベクトルを復元する。
物理アップリンクリソースを使用してネットワーク装置に第1の指示情報を送信するために端末装置によって使用される具体的な方法は、現在の技術の方法と同じであり得る。簡潔にするために、特定の送信プロセスの詳細な説明はここでは省略される。
ステップ230で、ネットワーク装置は、第1の指示情報に基づいて1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定する。
ステップ210では、端末装置が2つの異なる実装形態に基づいて第1の指示情報を生成し得ることを説明した。実装形態では、第1の指示情報において、L1個のビームベクトルを示すために使用される情報とK1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される情報とは異なっていてもよく、同じであってもよい。以下で、ネットワーク装置が第1の指示情報に基づいて1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定する具体的なプロセスを詳細に説明する。
任意選択で、第1の指示情報は、L1個のビームベクトルの位置情報、K1個の周波数領域ベクトルの位置情報、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報を含む。
第1に、ネットワーク装置は、L1個のビームベクトルの位置情報およびK1個の周波数領域ベクトルの位置情報に基づいて、選択されたL1個のビームベクトルおよび選択されたK1個の周波数領域ベクトルを決定することができる。
例えば、ネットワーク装置は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトルの組み合わせの、第1の指示情報を使用して示されるインデックスと、ビームベクトルの組み合わせとインデックスとの間の予め定義された対応関係とに基づいて、ビームベクトル集合内の選択されたL1個のビームベクトルを決定することができる。さらに、ネットワーク装置は、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトルの組み合わせの、第1の指示情報を使用して示されるインデックスと、周波数領域ベクトルの組み合わせとインデックスとの間の所定の対応関係とに基づいて、周波数領域ベクトル集合内の選択されたK1個の周波数領域ベクトルを決定することができる。L1個のビームベクトルとK1個の周波数領域ベクトルとを組み合わせて、M1個の空間周波数ベクトル対を得ることができる。
次いで、ネットワーク装置は、T1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報に基づいて、M1個の空間周波数ベクトル対におけるT1個の空間周波数成分行列を決定することができる。
上述したように、第1の指示情報は、異なる方法でネットワーク装置にT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用され得る。例えば、方式1では、第1の指示情報は、ビットマップを使用してM1個の空間周波数ベクトル対における選択されたT1個の空間周波数ベクトル対を示すために使用され、ネットワーク装置は、ビットマップ内のビットとM1個の空間周波数ベクトル対との1対1の対応関係に基づいて、選択されたT1個の空間周波数ベクトル対を決定することができる。方式2では、第1の指示情報は、M1個の空間周波数ベクトル対におけるT1個の空間周波数ベクトル対の組み合わせのインデックスを使用してT
1 個の空間周波数ベクトル対を示すために使用され、ネットワーク装置は、空間周波数ベクトル対の組み合わせとインデックスとの間の予め定義された対応関係に基づいてT1個の空間周波数ベクトル対を決定することができる。方式3では、第1の指示情報は、T1の空間周波数ベクトル対の各々に含まれるビームベクトルの位置およびT1の空間周波数ベクトル対の各々に含まれる周波数領域ベクトルの位置を使用することによってT1の空間周波数ベクトル対を示すために使用され、ネットワーク装置は、ビームベクトルの位置情報および周波数領域ベクトルの位置情報に基づいてT1のビームベクトルおよびT1の周波数領域ベクトルを決定し、T1の空間周波数ベクトル対を取得するためにT1のビームベクトルおよびT1の周波数領域ベクトルをさらに組み合わせることができる。
次いで、ネットワーク装置は、各空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化された情報に基づいて、各空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化値を決定することができる。上述したように、各空間周波数ベクトル対の重み係数は、第1の指示情報または他の情報で搬送されてもよい。例えば、ネットワーク装置は、複数の量子化値と複数のインデックスとの間の予め定義された1対1の対応関係に基づいて、各空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化値を決定することができる。
空間周波数行列は、T
1個の空間周波数ベクトル対と、各空間周波数ベクトル対の重み係数の量子化値とに基づいて決定される。例えば、ネットワーク装置は、以下の式に基づいて空間周波数行列を決定することができる:
はT
1個のビームベクトルのうちの第t
1のビームベクトルを表し、
はT
1個の周波数領域ベクトルのうちの第t
1の周波数領域ベクトルを表す。
は、第t
1の空間周波数成分行列に対応する重み係数を表す。式中の空間周波数行列Hは、端末装置によって決定された空間周波数行列と同じまたは同様であり得、第1の指示情報に基づいてネットワーク装置によって復元された空間周波数行列である。空間周波数行列はN
f個の周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを構築することによって取得され得るので、ネットワーク装置は、行列H内の第n
fの列ベクトルに基づいて、第n
fの周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを決定し得る。
あるいは、ネットワーク装置は、T
1個の空間周波数ベクトル対を決定した後にT
1個の空間周波数成分行列を生成してもよい。例えば、T
1個の空間周波数成分行列のうちの第t
1の空間周波数成分行列は、
と表すことができ、
などである。
次いで、ネットワーク装置は、T
1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数の量子化値に基づいて空間周波数行列を決定することができる。例えば、ネットワーク装置は、以下の式に基づいて空間周波数行列Hを決定することができる:
式中のパラメータは、上記で詳細に説明した。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ネットワーク装置は、空間周波数行列に基づいて、各周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを決定することができる。
空間周波数行列がその次元がNs×Nfである行列である場合、行列における各列ベクトルは1つの周波数領域ユニットに対応し得、対応する周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。空間周波数行列が長さがNs×Nfのベクトルである場合、ベクトルのうちの第(nf×Ns)の要素を第[(nf+1)Ns-1]の要素に順次接続することによって得られる列ベクトルは、第nfの周波数領域ユニットに対応する列ベクトルであり得る。
空間周波数行列の第nfの列ベクトルが例として使用される。ネットワーク装置は、第nfの周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを決定するために、第nfの列ベクトルに対して正規化処理を実行し得る。正規化処理は、例えば、列ベクトル内の要素の累乗の和が1に等しくなるように、第nfの列ベクトルに正規化係数を乗算することであってもよい。正規化係数は、例えば、列内の要素のモジュラスの和の平方根の逆数であってもよい。正規化係数の具体的な値および正規化処理の具体的な方法は、本出願では限定されない。
任意選択で、第1の指示情報は、M1個の空間周波数成分行列の位置情報と、T1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報とを含む。
上述したように、M1個の空間周波数成分行列の位置情報は、M1個の空間周波数成分行列の1次元インデックスであってもよいし、M1個の空間周波数成分行列の2次元インデックスであってもよい。
M1個の空間周波数成分行列の位置情報がM1個の空間周波数成分行列の1次元インデックスであり、ネットワーク装置によって予め記憶されたベクトル集合が空間周波数成分行列集合である場合、ネットワーク装置は、1次元インデックスに基づいて空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列を直接決定することができる。
M1個の空間周波数成分行列の位置情報がM1個の空間周波数成分行列の1次元インデックスであり、ネットワーク装置によって予め記憶されたベクトル集合がビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合である場合、ネットワーク装置は、1次元インデックスと2次元インデックスとの間の変換のための予め定義された規則に基づいて、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合において、M1個の空間周波数成分行列を生成するために使用されるL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定することができる。
M1個の空間周波数成分行列の位置情報がM1個の空間周波数成分行列の2次元インデックスであり、ネットワーク装置によって予め記憶されたベクトル集合がビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合である場合、ネットワーク装置は、2次元インデックスに基づいてビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合において、M1個の空間周波数成分行列を生成するために使用されるL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを直接決定することができる。
M1個の空間周波数成分行列の位置情報がM1個の空間周波数成分行列の2次元インデックスであり、ネットワーク装置によって予め記憶されたベクトル集合が空間周波数成分行列集合である場合、ネットワーク装置は、1次元インデックスと2次元インデックスとの間の変換のための予め定義された規則に基づいて、空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列を決定することができる。
次いで、ネットワーク装置は、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列をさらに決定することができ、空間周波数成分行列の重み係数の量子化情報に基づいて、空間周波数成分行列の重み係数の量子化値をさらに決定することができる。
ネットワーク装置によって、T
1個の空間周波数成分行列および空間周波数成分行列の重み係数の量子化値に基づいて空間周波数行列を決定するための具体的な方法は、上記で詳細に説明されている。例えば、ネットワーク装置は、式
に基づいて空間周波数行列を決定することができる。
次いで、ネットワーク装置は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定することができる。ネットワーク装置により、空間周波数行列に基づいてプリコーディングベクトルを決定するための具体的な方法は、上記で詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するための上記で列挙された2つの具体的な方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる限定も構成するべきではないことを理解されたい。ネットワーク装置は、空間周波数行列を生成せずに、端末装置によって示されるL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに基づいて、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを直接決定することができる。
例えば、ネットワーク装置は、以下の式に基づいて第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトル
を決定することができる:
は正規化係数であり、
であり、
は選択されたT
1個のビームベクトルのうちの第t
1のビームベクトルを表し、
は
の共役を表し、
は選択されたT
1個の周波数領域ベクトルのうちの第t
1の周波数領域ベクトル
内の第n
fの要素を表し、
は第t
1のビームベクトル
および第t
1の周波数領域ベクトル
内の第n
fの要素
に対応する重み係数を表し、重み係数は、例えば、振幅係数および位相係数を含みうる。
前述の式は、以下の式にさらに変換することができる:
は、選択されたT
1個のビームベクトルのうちの第t
1のビームベクトルおよび広帯域振幅係数によって決定され、重み係数
は
を満たすことができる。
上述したように、周波数領域ベクトルの長さNfは、端末装置のために構成されたCSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅に含まれる周波数領域ユニットの数、またはreporting bandのシグナリング長、または報告されるべき周波数領域ユニットの数であり得ることに留意されたい。周波数領域ベクトルの長さが、端末装置のために構成されたCSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅に含まれる周波数領域ユニットの数またはreporting bandのシグナリング長である場合、報告される周波数領域ユニットの数はNf以下であり得る。したがって、ネットワーク装置は、報告される周波数領域ユニットのものであり、reporting bandまたは他のシグナリングによって示される位置に基づいて、各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定することができる。
周波数領域ベクトルの長さが、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅に含まれる周波数領域ユニットの数またはreporting bandのシグナリング長に基づいて決定される場合、複数の連続する周波数領域ユニット内のチャネルの変更規則は、周波数領域ベクトルを使用することによって反映され得る。周波数領域ベクトルの長さが報告される周波数領域ユニットの数に基づいて決定される方法と比較して、この方法は、CSI測定リソースの周波数領域占有帯域幅内の周波数領域ユニットの数またはreporting bandのシグナリング長に基づいて決定された周波数領域ベクトルが周波数領域におけるチャネルの変更規則をより正確に反映することができ、フィードバックに基づいて復元されたプリコーディングベクトルもチャネルにより適応可能であることを保証する。
ネットワーク装置が、第1の指示情報に基づいて、第nfの周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを決定する、上記で列挙された特定の方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる限定も構成するべきではないことを理解されたい。本出願は、ネットワーク装置が、別の方法で第1の指示情報に基づいて、第nfの周波数領域ユニットに対応するプリコーディングベクトルを決定する可能性を排除しない。
前述の技術的解決策に基づいて、端末装置は、ネットワーク装置がプリコーディングベクトルを復元するのを助けるために、少ない数のビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列をネットワーク装置に示す。周波数領域ベクトルは、周波数領域におけるチャネルの異なる変更規則を記述するために使用され得る。端末装置は、1つまたは複数の周波数領域ベクトルの線形重畳を通じて周波数領域におけるチャネルの変化をシミュレートすることができ、その結果、周波数領域ユニット間の関係が完全に調査され、周波数領域の連続性が利用され、複数の周波数領域ユニット上の変更規則は、比較的少ない数の周波数領域ベクトルを使用して記述される。現在の技術と比較して、本出願は、各周波数領域ユニットに基づいて重み係数が独立して報告されることを必要とせず、周波数領域ユニットの増加はフィードバックオーバーヘッドの増加を引き起こさない。したがって、フィードバック精度を確保しながら、フィードバックオーバーヘッドを大幅に削減することができる。
しかしながら、ビームベクトル集合は比較的多くのビームベクトルを含むことがあり、周波数領域ベクトル集合は比較的多くの周波数領域ベクトルを含むことがあるため、比較的少ない数のビームベクトルおよび比較的少ない数の周波数領域ベクトルがビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合において直接示される場合、比較的高いビットオーバーヘッドが発生することがあるか、または端末装置およびネットワーク装置は、ビームベクトルの組み合わせとインデックスとの間の多くの対応関係、および周波数領域ベクトルの組み合わせとインデックスとの間の多くの対応関係を予め定義する必要がある。
しかしながら、本出願のこの実施形態では、端末装置は、加重加算に使用されるビームベクトルおよび周波数領域ベクトルの選択範囲を、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを使用して構築されたM1個の空間周波数成分行列の範囲に狭める。すなわち、端末装置は、まず、既存のベクトル集合から比較的小さい範囲のベクトルを選択し、次いで、その範囲からT1個の空間周波数成分行列を選択し、T1個の空間周波数成分行列を示す。一方では、T1個の空間周波数成分行列を直接示すことによって引き起こされる比較的高いフィードバックオーバーヘッドを回避することができる。一方、端末装置とネットワーク装置との両方に多くの対応関係を記憶する必要はない。
端末装置が1つのトランスポート層で1つの偏波方向のプリコーディングベクトルを示し、ネットワーク装置がプリコーディングベクトルを決定する具体的なプロセスは、図2を参照して詳細に上述されている。しかしながら、この方法は、1つのトランスポート層または1つの偏波方向がある場合に適用可能であるだけでなく、複数のトランスポート層または複数の偏波方向がある場合にも適用可能であることを理解されたい。
同じトランスポート層の場合、複数の偏波方向に対して選択されたT1個の空間周波数成分行列(またはT1個の空間周波数ベクトル対)は同じであり得る。すなわち、同じT1個の空間周波数成分行列(またはT1個の空間周波数ベクトル対)が複数の偏波方向で共有されるか、または異なる空間周波数成分行列(または空間周波数ベクトル対)が複数の偏波方向で別々に使用され得る。
以下では、説明を容易にするために、複数の偏波方向または複数のトランスポート層がある場合を、空間周波数成分行列を例にして説明する。空間周波数成分行列は、上記で列挙された行列形式またはベクトル形式を含みうる。空間周波数成分行列は、単に可能な形態であり、空間周波数ベクトル対の形態で表されてもよいことが理解されよう。言い換えれば、以下の説明における空間周波数成分行列は、空間周波数ベクトル対に置き換えられてもよい。
任意選択で、第1の指示情報は、1つまたは複数の偏波方向における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを示すために使用される。
複数の偏波方向が同じT1個の空間周波数成分行列を共有する場合、T1個の空間周波数成分行列を決定するために使用されるL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルもまた、複数の偏波方向で共有され得る。この場合、複数の偏波方向に対応する複数の第1の指示情報において、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報は共有されてもよい。例えば、端末装置は、複数の偏波方向のそれぞれで使用されるT1個の空間周波数成分行列を示すために、長さがL1×K1であるビットマップを使用することができる。
第1の指示情報が、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すためにのみ使用される場合、端末装置は、複数の偏波方向に対して1つの第1の指示情報のみを生成および送信し得る。第1の指示情報がT1個の空間周波数成分行列の重み係数を示すためにさらに使用される場合、端末装置は、各偏波方向に対して1つの第1の指示情報を送信し得る。複数の偏波方向に対応する複数の第1の指示情報では、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される情報は共有され得るので、端末装置は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を一度だけ示すことができ、異なる偏波方向に対応する空間周波数成分行列の重み係数は、異なる第1の指示情報を使用することによって別々に示され得る。簡潔にするために、以下では同じまたは同様の場合の説明を省略する。
端末装置は、複数の偏波方向において、偏波方向に基づいて決定されるL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を使用することができる。端末装置がL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を決定する際に基づく特定の偏波方向は、例えばプロトコルで定義されるように予め定義されてもよい。これは本出願では限定されない。
あるいは、端末装置は、空間周波数成分行列の複数のグループを取得するために、各偏波方向に基づいてT1個の空間周波数成分行列を決定し得る。端末装置は、複数の偏波方向で使用するために、空間周波数成分行列の複数のグループから空間周波数成分行列のグループを選択する。選択された空間周波数成分行列のグループの重み係数のモジュラスの和は、1つまたは複数の残りの空間周波数成分行列のグループのうちの任意の空間周波数成分行列のグループの重み係数のモジュラスの和以上であり得る。
異なる空間周波数成分行列が複数の偏波方向で別々に使用される場合、異なる偏波方向で使用される空間周波数成分行列の数は同じであっても異なっていてもよい。すべての偏波方向の空間周波数成分行列を決定するために使用されるビームベクトルの数は同じであっても異なっていてもよく、すべての偏波方向の空間周波数成分行列を決定するために使用される周波数領域ベクトルの数は同じであっても異なっていてもよい。これは本出願では限定されない。この場合、複数の偏波方向に対応する複数の第1の指示情報において、ビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列に関する、異なる偏波方向に対応する情報は、互いに異なっていてもよい。端末装置は、各偏波方向に基づいて、選択されたビームベクトル、選択された周波数領域ベクトル、および加重加算に使用される空間周波数成分行列を別々に示すことができる。端末装置が各偏波方向に基づいて、加重加算に使用されるビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列を決定する具体的な方法は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列が1つの偏波方向に基づいて決定される前述の具体的な方法と同じである。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
一般に、同じL1個のビームベクトル、同じK1個の周波数領域ベクトル、および同じT1個の空間周波数成分行列は、複数の偏波方向で共有され得る。以下では、複数の偏波方向が同じL1個のビームベクトル、同じK1個の周波数領域ベクトル、および同じT1個の空間周波数成分行列を共有する例を説明のために使用する。
偏波方向の数は2であり、2つの偏波方向で同じL1個のビームベクトルおよび同じK1個の周波数領域ベクトルが共有されると仮定する。2つの偏波方向の加重加算に使用されるT1個の空間周波数成分行列も同じである。
ネットワーク装置は、以下の式に基づいて第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定することができる:
は、第1の偏波方向の第t
1のビームベクトルおよび第t
1の周波数領域ベクトルにおける第n
fの要素
に対応する重み係数を表し、
は、第2の偏波方向の第t
1のビームベクトル
および第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素
に対応する重み係数を表す。
前述の式は、以下の式にさらに変換することができる:
は、第1の偏波方向の選択されたT
1個のビームベクトルのうちの第t
1のビームベクトルおよび広帯域振幅係数
に基づいて決定され、
は、第2の偏波方向の選択されたT
1個のビームベクトルのうちの第t
1のビームベクトルおよび広帯域振幅係数
に基づいて決定され、
は、第1の偏波方向の
および第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素に対応する重み係数を表し、
は、第2の偏波方向の
および第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素
に対応する重み係数を表す。
任意選択で、2つの偏波方向は、同じL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を共有する。端末装置が方式1でビットマップを使用してT1個の空間周波数成分行列を示すとき、具体的には、長さがL1×K1であるビットマップが指示に使用され得る。
任意選択で、2つの偏波方向は、同じL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを共有する。端末装置は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに基づいて、各偏波方向の1つまたは複数の空間周波数成分行列を決定することができる。2つの偏波方向で決定された空間周波数成分行列の総数は、例えば、S1と表され得る。S1の値は2T1であり得、端末装置は、各偏波方向においてT1個の比較的強い空間周波数成分行列を別々に決定し得る。2つの偏波方向の第1の偏波方向のT1個の空間周波数成分行列は、2つの偏波方向の第2の偏波方向のT1個の空間周波数成分行列と同じであっても異なっていてもよい。これは本出願では限定されない。あるいは、S1の値は2T1でなくてもよく、端末装置は、2つの偏波方向に基づいて、S1個の比較的強い空間周波数成分行列を一緒に決定してもよい。端末装置が2つの偏波方向に基づいてS1個の比較的強い空間周波数成分行列を一緒に決定する場合、第1の偏波方向および第2の偏波方向の空間周波数成分行列の総数はS1であり得る。加えて、第1の偏波方向の空間周波数成分行列の数は、第2の偏波方向の空間周波数成分行列の数と同じであっても異なっていてもよい。これは本出願では限定されない。
S1個の空間周波数成分行列を示すとき、端末装置は、上記で列挙された方式1から方式4のいずれか1つを依然として使用してS1個の空間周波数成分行列を示すことができる。方式1のビットマップが指示に使用される場合、ビットマップの長さは2L1×K1ビットであり得る。あるいは、2つの偏波方向に対応するビットマップが指示に別々に使用されてもよい。
任意選択で、偏波方向の数が2であるとき、第3の指示情報はまた、S1の値を示すために使用されてもよい。
端末装置が各偏波方向に基づいて空間周波数成分行列を決定し報告する場合、S1は偶数、例えば2T1であり得る。端末装置が2つの偏波方向に基づいて空間周波数成分行列を一緒に決定し報告する場合、S1は奇数または偶数であり得る。これは本出願では限定されない。
任意選択で、2つの偏波方向は同じL1個のビームベクトルを共有し、端末装置は、各偏波方向に基づいてK1個の周波数領域ベクトルおよびT1個の空間周波数成分行列を決定し得る。
任意選択で、2つの偏波方向は同じL1個のビームベクトルを共有し、端末装置は、各偏波方向に基づいてK1個の周波数領域ベクトルを決定し、2つの偏波方向に基づいて2T1個の比較的強い空間周波数成分行列を一緒に決定してもよい。
任意選択で、第1の指示情報を使用して示されるT1個の空間周波数成分行列は、複数のトランスポート層のうち第1のトランスポート層に関連付けられる。言い換えれば、第1の指示情報を使用して示されるT1個の空間周波数成分行列は、第1のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。
第1のトランスポート層は、1つのトランスポート層であってもよいし、複数のトランスポート層であってもよい。これは本出願では限定されない。言い換えれば、第1の指示情報は、1つまたは複数のトランスポート層における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。
結論として、第1の指示情報は、1つまたは複数のトランスポート層における各周波数領域ユニットの1つまたは複数の偏波方向および/またはプリコーディングベクトルを示すために使用され得る。具体的には、第1の指示情報は、1つまたは複数の偏波方向における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよく、1つまたは複数のトランスポート層における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよく、または1つまたは複数のトランスポート層の各々における1つまたは複数の偏波方向における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用されてもよい。
さらに、方法は、端末装置が第4の指示情報を生成するステップであって、第4の指示情報が、ビームベクトル集合内のL2個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK2個の周波数領域ベクトル、およびT2個の空間周波数成分行列を示すために使用される、ステップをさらに含む。T2個の空間周波数成分行列の加重和は、第2のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。言い換えれば、第4の指示情報を使用して示されるL2個のビームベクトル、K2個の周波数領域ベクトル、およびT2個の空間周波数成分行列は、第2のトランスポート層に関連付けられる。
任意選択で、第4の指示情報は、L2個のビームベクトルおよびT2個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T2個の空間周波数成分行列の加重和は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L2個のビームベクトルおよびK2個の周波数領域ベクトルはM2個の空間周波数成分行列に対応し、T2個の空間周波数成分行列はM2個の空間周波数成分行列の一部であり、M
2 個の空間周波数成分行列の各々は、L2個のビームベクトルの1つとK2個の周波数領域ベクトルの1つとによって一意に決定され、M2=L2×K2であり、L2個のビームベクトルはビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK2個の周波数領域ベクトルは周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部であり、M2、L2、K2、およびT2はすべて正の整数である。
任意選択で、K2個の周波数領域ベクトルは予め構成される。例えば、K2個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの全部または一部であってもよい。
例えば、K2=K0がプロトコルに予め定義されてもよい。すなわち、プロトコルでは、周波数領域ベクトル集合の全体集合がデフォルトでK2個の周波数領域ベクトルとして使用される。別の例では、K2の値はプロトコルで予め定義されてもよく、K2個の周波数領域ベクトルとして使用される周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルは予め指定されてもよい。さらに別の例では、K
2 個の値はプロトコルで予め定義されてもよく、K2個の周波数領域ベクトルはシグナリングを使用してネットワーク装置によって予め示されてもよい。
言い換えれば、端末装置がK2個の周波数領域ベクトルを報告する必要がないことが予め定義され得る。K2個の周波数領域ベクトルは、予め指定されてもよく、例えば、プロトコルで定義されてもよく、またはネットワーク装置によって構成されてもよい。これは本出願では限定されない。
任意選択で、K2個の周波数領域ベクトルはK1個の周波数領域ベクトルと同じである。任意選択で、K2個の周波数領域ベクトルはK1個の周波数領域ベクトルとは異なる。
任意選択で、K2個の周波数領域ベクトルは、K1個の周波数領域ベクトルの部分集合である。
上記では、第1の指示情報を参照して、異なるパラメータが構成されるときに端末装置によって報告される異なるパラメータ値およびベクトルについて詳細に説明した。第4の指示情報を生成および送信するとき、端末装置は、上記と同じ方法で処理を実行することができる。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、第2のトランスポート層は、複数のトランスポート層のうちの第1のトランスポート層以外の1つまたは複数のトランスポート層である。言い換えれば、第4の指示情報は、1つまたは複数のトランスポート層における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用され得る。具体的には、第4の指示情報は、第2のトランスポート層の各々における1つまたは複数の偏波方向における各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを示すために使用され得る。
可能な設計では、L1=L2、K1=K2、およびT1=T2である。言い換えれば、複数のトランスポート層について、任意の2つのトランスポート層で決定されるビームベクトルの数は同じであり、任意の2つのトランスポート層で決定される周波数領域ベクトルの数は同じであり、任意の2つのトランスポート層で決定される空間周波数成分行列の数は同じである。
この設計では、任意選択で、トランスポート層は、同じL1個のビームベクトル、同じK1個の周波数領域ベクトル、および同じT1個の空間周波数成分行列を共有してもよい。この場合、第4の指示情報は、L1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用される、第1の指示情報内の情報と同じであり得る。この場合、第1の指示情報および第4の指示情報は同じ指示情報であり得る。
加えて、前述の情報が異なるトランスポート層および/または異なる偏波方向によって共有されるとき、1つの指示情報のみが生成および送信され得る。
任意選択で、トランスポート層は、同じL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを共有するが、それぞれのT1個の空間周波数成分行列を使用することができる。言い換えれば、第1のトランスポート層のT1個の空間周波数成分行列は、第2のトランスポート層のT1個の空間周波数成分行列とは異なる。この場合、第4の指示情報は、第1の指示情報内のL1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを示すために使用される情報と同じであり得、第1の指示情報および第4の指示情報は、対応するトランスポート層でT1個の空間周波数成分行列を示すために使用され得る。
任意選択で、各トランスポート層は、それ自体のL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、またはT1個の空間周波数成分行列を使用する。言い換えれば、第1のトランスポート層のL1個のビームベクトルは第2のトランスポート層のL1個のビームベクトルと異なり、第1のトランスポート層のK1個の周波数領域ベクトルは第2のトランスポート層のK
1
個の周波数領域ベクトルと異なり、第1のトランスポート層のT1個の空間周波数成分行列は第2のトランスポート層のT1個の空間周波数成分行列と異なる。この場合、第1の指示情報および第2の指示情報は、対応するトランスポート層にあるL1個のビームベクトル、K1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用され得る。
さらに、L1、K1、およびT1の値は、トランスポート層の数の増加と共に変化し得る。例えば、トランスポート層の数が予め設定された閾値よりも大きいとき、L1、K1、およびT1のうちの少なくとも1つが減少することがプロトコルで予め定義されてもよい。
例えば、トランスポート層の数が2より大きい場合、T1は減少され得る。例えば、T1は、T1/2またはT1/3に低減され得る。
別の例では、トランスポート層の量が2より大きい場合、L1およびT1の両方が減少され得る。例えば、L1をL1/2に減少させ、T1をT1/2に減少させることができるか、または、L1をL1/3に減少させ、T1をT1/3に減少させることができる。
さらに別の例では、トランスポート層の量が2より大きい場合、K1およびT1の両方が減少され得る。例えば、K1をK1/2に減少させることができ、T1をT1/2に減少させることができるか、または、K1をK1/3に減少させることができ、T1をT1/3に減少させることができる。
さらに別の例では、トランスポート層の量が2より大きい場合、L1、K1、およびT1のすべてを減少させることができる。例えば、L1をL1/2に減少させ、K1をK1/2に減少させ、T1をT1/2に減少させることができるか、または、L1をL1/3に減少させ、K1をK1/3に減少させ、T1をT1/3に減少させることができる。
上記で列挙された予め設定された閾値は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではないことを理解されたい。L1、K1、およびT1を減少させるための上記で列挙された方法は単なる例であり、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことをさらに理解されたい。L1、K1、およびT1が減少した後に取得された前述の予め設定された閾値および特定の値は、プロトコルで予め定義されてもよい。
L1、K1、およびT1の値は、トランスポート層の量によって変化し得るが、変更後に得られたL1、K1、およびT1、ならびに変更後に得られたL2、K2、およびT2は、依然としてL1=L2、K1=K2、およびT1=T2を満たし得ることに留意されたい。
第1のトランスポート層および第2のトランスポート層は、異なるトランスポート層におけるL1とL2、K1とK2、およびT1とT2との間の値の関係を説明するために上記の例として使用されているが、これは本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことをさらに理解されたい。トランスポート層の数は2に限定されず、2より多くてもよい。例えば、トランスポート層の数は3、4などである。これは本出願では限定されない。
別の可能な設計では、L1>L2、K1>K2、およびT1>T2である。言い換えれば、複数のトランスポート層について、少なくとも2つのトランスポート層で決定されるビームベクトルの数は異なり、少なくとも2つのトランスポート層で決定される周波数領域ベクトルの数は異なり、または少なくとも2つのトランスポート層で決定される空間周波数成分行列の数は異なる。
任意選択で、トランスポート層の数が予め設定された閾値より大きい場合、いくつかのトランスポート層における空間周波数成分行列の数、ビームベクトルの数、および周波数領域ベクトルの数のうちの少なくとも1つを減少させることができる。
例えば、トランスポート層の数が予め設定された閾値よりも大きい場合、いくつかのトランスポート層における空間周波数成分行列の数は半分にされ得る。言い換えれば、第1のトランスポート層における空間周波数成分行列の数T1は、第2のトランスポート層における空間周波数成分行列の数T2の2倍であり得る。第1のトランスポート層は、例えば、SVDプロセスにおけるより大きい固有値に対応する固有ベクトルに基づいて決定されたプリコーディングベクトルに対応してもよく、第2のトランスポート層は、例えば、SVDプロセスにおけるより小さい固有値に対応する固有ベクトルに基づいて決定されたプリコーディングベクトルに対応してもよい。第1のトランスポート層は、1つのトランスポート層を示してもよいし、同じ特性を有する複数のトランスポート層を示してもよい。第2のトランスポート層は、1つのトランスポート層を示してもよいし、同一の特性を有する複数のトランスポート層を示してもよい。
第1のトランスポート層が複数のトランスポート層を示すとき、複数のトランスポート層に対応するように、第1のトランスポート層のプリコーディングベクトルを示すために使用される複数の第1の指示情報が存在し得る。複数のトランスポート層がビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列を共有する場合、複数の第1の指示情報内のビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列を示すために使用される情報は共有され得る。この場合、1つの第1の指示情報のみが生成され、送信され得る。
同様に、第2のトランスポート層が複数のトランスポート層を示すとき、複数のトランスポート層に対応するように、第2のトランスポート層のプリコーディングベクトルを示すために使用される複数の第4の指示情報が存在し得る。複数のトランスポート層がビームベクトル、周波数領域ベクトル、または空間周波数成分行列を共有する場合、複数の第4の指示情報内のビームベクトル、周波数領域ベクトル、または空間周波数成分行列を示すために使用される情報は共有され得る。この場合、1つの第4の指示情報のみが生成され、送信され得る。
固有値に基づくトランスポート層の前述の分割は、可能な実装形態にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではない。例えば、トランスポート層を分割するための別の基準は、プロトコルで予め定義されてもよい。これは本出願では限定されない。
例えば、トランスポート層の数は4であり、予め設定された閾値は2である。この場合、4つのトランスポート層のうちの第2のトランスポート層および第3のトランスポート層における空間周波数成分行列の量は半分にすることができ、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層における空間周波数成分行列の量は変化しないままである。第0のトランスポート層および第1のトランスポート層は、第1のトランスポート層の2つの例であってもよく、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層は、第2のトランスポート層の2つの例であってもよい。
同じ方法に基づいて、いくつかのトランスポート層におけるビームベクトルの数および/または周波数領域ベクトルの数も減少させることができる。簡潔にするために、例はさらに、本明細書において一つずつ列挙されない。
さらに、トランスポート層の数が予め設定された閾値よりも大きく、いくつかのトランスポート層における空間周波数成分行列の数、ビームベクトルの数、および周波数領域ベクトルの数のうちの少なくとも1つが減少するとき、端末装置は、第2のトランスポート層で、第1のトランスポート層にあるいくつかの空間周波数成分行列を使用することができる。この場合、端末装置は、例えば、ビットマップまたは空間周波数成分行列のインデックスを使用することによって第4の指示情報において、第2のトランスポート層で使用されるいくつかの空間周波数成分行列のみを示すことができ、選択されたビームベクトルおよび選択された周波数領域ベクトルを繰り返し示さない。したがって、フィードバックオーバーヘッドを低減することができる。この場合、端末装置は、第2のトランスポート層で使用されるいくつかの空間周波数成分行列の、第1のトランスポート層で使用される空間周波数成分行列における相対位置を示すことができ、相対位置は、相対番号または相対インデックスなどのローカル(local)位置と呼ばれる。
少なくとも2つのトランスポート層のビームベクトルの数が異なる場合、または少なくとも2つのトランスポート層で決定された周波数領域ベクトルの数が異なる場合、または少なくとも2つのトランスポート層で決定された空間周波数成分行列の数が異なる場合、端末装置は、第1の指示情報および第4の指示情報を使用して、対応するトランスポート層にある選択されたビームベクトル、選択された周波数領域ベクトル、および選択された空間周波数成分行列、ならびに空間周波数成分行列の重み係数を別々に示すことができることが理解されよう。
前述の方法を組み合わせて使用できることを理解されたい。例えば、トランスポート層の数は4であり、第0のトランスポート層と第1のトランスポート層の両方が第1のトランスポート層であってもよい。第0のトランスポート層および第1のトランスポート層は、同じビームベクトルおよび同じ周波数領域ベクトルを共有することができる。第0のトランスポート層および第1のトランスポート層に対応する2つの第1の指示情報が第0のトランスポート層および第1のトランスポート層でビームベクトルおよび周波数領域ベクトルを示すために使用される場合、L1個のビームベクトルを1回示すための指示情報およびK1個の周波数領域ベクトルを1回示すための指示情報のみが生成され得る。しかしながら、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用される空間周波数成分行列は、異なるビットマップを使用することによって別々に示されてもよい。第0のトランスポート層に対応する第1の指示情報は、第0のトランスポート層用の空間周波数成分行列を示すために使用されるビットマップを含み得る。第1のトランスポート層に対応する第1の指示情報は、第1のトランスポート層用の空間周波数成分行列を示すために使用されるビットマップを含み得る。
第2のトランスポート層および第3のトランスポート層の両方は、第2のトランスポート層であってもよい。第2のトランスポート層および第3のトランスポート層はまた、同じビームベクトルおよび同じ周波数領域ベクトルを共有してもよく、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用されるビームベクトルは、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用されるビームベクトルの部分集合であってもよく、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用される周波数領域ベクトルはまた、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用される周波数領域ベクトルの部分集合であってもよい。確かに、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用されるビームベクトルは、代替的に、第2のトランスポート層および/または第3のトランスポート層に基づいて端末装置によって決定されてもよく、必ずしも第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用されるビームベクトルの部分集合ではない。第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用される周波数領域ベクトルは、代替的に、第2のトランスポート層および/または第3のトランスポート層に基づいて端末装置によって決定されてもよく、必ずしも第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用される周波数領域ベクトルの部分集合ではない。これは本出願では限定されない。
第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用されるビームベクトルが、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用されるビームベクトルの部分集合であり、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層によって使用される周波数領域ベクトルが、第0のトランスポート層および第1のトランスポート層で使用される周波数領域ベクトルの部分集合である場合、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層のそれぞれに対応する2つの第4の指示情報が、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層のビームベクトルおよび周波数領域ベクトルを示すために使用されるとき、L2個のビームベクトルおよびK2個の周波数領域ベクトルを1回示すための指示情報のみが生成され得る。L2個のビームベクトルおよびK2個の周波数領域ベクトルは、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルで示されてもよい。例えば、L1個のビームベクトルのうちのL2個のビームベクトルの相対位置を示すことができ、K1個の周波数領域ベクトルのうちのK2個の周波数領域ベクトルの相対位置を示すことができる。しかしながら、第2のトランスポート層および第3のトランスポート層で使用される空間周波数成分行列は、異なるビットマップを使用することによって別々に示されてもよい。第2のトランスポート層に対応する第4の指示情報は、第2のトランスポート層用の空間周波数成分行列を示すために使用されるビットマップを含み得る。第3のトランスポート層に対応する第4の指示情報は、第3のトランスポート層用の空間周波数成分行列を示すために使用されるビットマップを含み得る。
トランスポート層の数は端末装置によって決定され得るので、ネットワーク装置が上位層シグナリングを使用してL1、K1、およびT1を示すとき、トランスポート層の数を予め決定することはできないことに留意されたい。したがって、ネットワーク装置は、L1、K1、およびT1のうちの少なくとも2つに対して1つの値を別々に示すことができ、端末装置は、トランスポート層の数および所定の規則に基づいて、L1、K1、またはT1の値を変更する必要があるかどうかを判定することができる。
トランスポート層の数をRとし、偏波方向の数を2とする。ネットワーク装置は、以下の式に基づいて、第rのトランスポート層における第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定することができる:
は第rのトランスポート層に対応する正規化係数であり、
であり、
は第rのトランスポート層における第t
1のビームベクトルであり、
は第rのトランスポート層における第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素であり、
は第rのトランスポート層における第1の偏波方向における第t
1のビームベクトル
および第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素
に対応する重み係数を表し、
は第rのトランスポート層における第2の偏波方向における第t
1のビームベクトル
および第t
1の周波数領域ベクトル
における第n
fの要素
に対応する重み係数を表す。
同じL
1個のビームベクトルおよびK
1個の周波数領域ベクトルが各トランスポート層で共有される場合、前述の式は以下のように簡略化され得る:
さらに、ネットワーク装置は、以下の式に基づいて第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディング行列を決定することができる:
は、第0のトランスポート層における第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを表し、
は、第(R-1)のトランスポート層における第n
fの周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを表す。
前述の技術的解決策に基づいて、端末装置は、1つまたは複数のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディング行列をネットワーク装置に示すことができる。
したがって、端末装置は、ネットワーク装置がプリコーディングベクトルを復元するのを助けるために、少ない数のビームベクトル、周波数領域ベクトル、および空間周波数成分行列をネットワーク装置に示す。周波数領域ベクトルは、周波数領域におけるチャネルの異なる変更規則を記述するために使用され得る。端末装置は、1つまたは複数の周波数領域ベクトルの線形重畳を通じて周波数領域におけるチャネルの変化をシミュレートすることができ、その結果、周波数領域ユニット間の関係が完全に調査され、周波数領域の連続性が利用され、複数の周波数領域ユニット上の変更規則は、比較的少ない数の周波数領域ベクトルを使用して記述される。現在の技術と比較して、本出願は、各周波数領域ユニットに基づいて重み係数が独立して報告されることを必要とせず、周波数領域ユニットの増加はフィードバックオーバーヘッドの増加を引き起こさない。したがって、フィードバック精度を確保しながら、フィードバックオーバーヘッドを大幅に削減することができる。
上記で提供されたプリコーディングベクトルを示すための方法は可能な実装形態にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成するべきではないことを理解されたい。例えば、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルを決定した後、端末装置は、L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルに対応するM1個の空間周波数成分行列に対して別々に重み係数をフィードバックすることができる。端末装置は、フィードバックオーバーヘッドを低減するために、M1個の空間周波数成分行列におけるT1個の空間周波数成分行列の重み係数に比較的高いフィードバック精度を使用し、残りのM1-T1個の空間周波数成分行列の重み係数に比較的低いフィードバック精度を使用することができる。具体的には、T1個の空間周波数成分行列のいずれか1つの重み係数の量子化ビット数は、残りのM1-T1個の空間周波数成分行列のいずれか1つの重み係数の量子化ビット数より大きくてもよい。引き起こされるフィードバックオーバーヘッドは、上記で提供された方法によって引き起こされるフィードバックオーバーヘッドよりもわずかに高いが、ネットワーク装置によって復元されたプリコーディング行列は、端末装置によって決定されたプリコーディング行列に近くなり得る。したがって、近似精度が高くなる。
上記で提供されたプリコーディング行列を示し、および決定するための方法は、多くの連続する周波数領域ユニットが存在する場合に特に適用可能であることに留意されたい。この方法では、周波数領域ユニット間の相関を十分に使用することができ、フィードバックオーバーヘッドを低減することができ、それによって複数の周波数領域ユニットの独立したフィードバックによって引き起こされる大規模なオーバーヘッドを低減することができる。
しかしながら、場合によっては、いくつかの周波数領域ユニットが存在するか、または周波数領域ユニットが不連続である。各周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを示すために各周波数領域ユニットを独立してフィードバックする既存の方法が使用される場合、比較的低いフィードバックオーバーヘッドが生じる可能性がある。加えて、周波数領域ユニットが不連続である場合、各周波数領域ユニットの独立したフィードバックによって比較的高い近似精度を保証することができる。したがって、本出願はPMIフィードバック方法をさらに提供し、その結果、異なるシナリオを参照してプリコーディングベクトルをフィードバックモードでフィードバックすることができ、それによっておおよその精度を保証し、フィードバックオーバーヘッドを低減する。
以下で、図3を参照して、本出願の別の実施形態によるPMIフィードバック方法を詳細に説明する。
図3は、本出願の別の実施形態による、装置相互作用の観点からのPMIフィードバック方法300の概略フローチャートである。図に示すように、方法300は、ステップ310からステップ340を含みうる。以下では、方法300の各ステップを詳細に説明する。
この実施形態では、端末装置は、PMIを使用してプリコーディング行列をネットワーク装置に示すことができることに留意されたい。PMIは、前述の方法200において第1の指示情報および/または第4の指示情報を含むことができ、プリコーディング行列を示すために使用され、第1の指示情報および第4の指示情報とは異なる他の情報をさらに含みうる。これは本出願では限定されない。さらに、PMIは、プリコーディング行列を示すために使用される情報の名称にすぎず、本出願に対するいかなる制限も構成すべきではない。本出願は、PMIの機能と同じまたは同様の機能を表すために別の名前が将来のプロトコルで定義される可能性を排除しない。
ステップ310で、ネットワーク装置は第6の指示情報を生成し、第6の指示情報はPMIフィードバックモードを示すために使用される。
この実施形態では、PMIフィードバックモードは、上記で提供されたフィードバックモードであってもよく、または別のフィードバックモードであってもよい。具体的には、PMIフィードバックモードは、第1のフィードバックモードまたは第2のフィードバックモードであってもよい。第1のフィードバックモードは、ビームベクトル集合のみに基づいてPMIがフィードバックされるモードであってもよい。第2のフィードバックモードは、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合に基づいてPMIがフィードバックされるモードであってもよく、空間周波数成分行列集合に基づいてPMIがフィードバックされるモードであってもよい。
空間周波数成分行列集合はビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合に関連付けられているので、第2のフィードバックモードでは、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合に基づいてPMIをフィードバックすることは、空間周波数成分行列集合に基づいてPMIをフィードバックすることと等価であると見なされ得る。加えて、ビームベクトル集合および周波数領域ベクトル集合は空間周波数成分行列集合に変換することができ、またはその逆も可能であるため、第2のフィードバックモードは、ビームベクトル集合および空間周波数成分行列集合に基づいてPMIをフィードバックすること、または周波数領域ベクトル集合および空間周波数成分行列集合に基づいてPMIをフィードバックすることであるとさらに考えることができる。これは本出願では限定されない。
第1のフィードバックモードで設定されたビームベクトルのみに基づいてPMIがフィードバックされることは、第2のフィードバックモードに対するものである。第2のフィードバックモードと比較して、第1のフィードバックモードは、PMIがビームベクトル集合のみに基づいてフィードバックされ得ることを保証し、追加のベクトル集合または行列集合を提供する必要はない。言い換えれば、第1のフィードバックモードと第2のフィードバックモードとの違いは、第1のフィードバックモードが周波数領域ベクトル集合に基づいていないが、第2のフィードバックモードが周波数領域ベクトル集合に基づいていることである。
別の観点から、第1のフィードバックモードは周波数領域ユニット独立フィードバックモードであってもよく、第2のフィードバックモードは周波数領域ユニット合同フィードバックモードであってもよい。
可能な実装形態では、例えば、第1のフィードバックモードについては、NRプロトコルTS38.214 R15で定義されたタイプIIコードブックに基づいてPMIがフィードバックされるフィードバックモードを参照されたい。第2のフィードバックモードは、例えば、方法200を参照して上述したフィードバックモードであってもよい。第1のフィードバックモードと比較して、第2のフィードバックモードは、周波数領域ユニット合同フィードバックモードとして理解され得る。上記の説明から、第2のフィードバックモードでは、周波数領域の連続性に基づいて、周波数領域フィードバックオーバーヘッドを低減するために、周波数領域ユニット間の関係を使用して複数の周波数領域ユニットが一緒にフィードバックされることが分かる。特に、第1のフィードバックモードと比較して、報告される周波数領域ユニットの数が比較的多い場合、第2のフィードバックモードは、フィードバックオーバーヘッドを大幅に低減することができる。
この実施形態では、第6の指示情報は、フィードバックモードを明示的に示すために使用され得る。例えば、フィードバックモードを示すために指示ビットまたは指示フィールドが使用されてもよい。例えば、指示ビットが「0」に設定されると、第1のフィードバックモードが使用されることを示し、指示ビットが「1」に設定されると、第2のフィードバックモードが使用されることを示す。あるいは、指示ビットが「1」に設定されると、第1のフィードバックモードが使用されることを示し、指示ビットが「0」に設定されると、第2のフィードバックモードが使用されることを示す。これは本出願では限定されない。
第6の指示情報はまた、他の情報を使用してフィードバックモードを暗黙的に示すために使用されてもよい。例えば、ネットワーク装置が端末装置に周波数領域ベクトルの長さを示すとき、ネットワーク装置は、第2のフィードバックモードに基づいてプリコーディングベクトルをフィードバックするように端末装置に要求すると考えることができる。この場合、周波数領域ベクトルの長さを示すために使用される前述の第5の指示情報は、第6の指示情報の一例として理解され得る。
空間周波数成分ベクトルの長さは、周波数領域ベクトルの長さとビームベクトルの長さの両方によって決定され得ることに留意されたい。したがって、ネットワーク装置が端末装置に周波数領域ベクトルの長さを示すとき、端末装置は、ポート選択ベクトルおよび周波数領域ベクトルに基づいてPMIをフィードバックしてもよいし、空間周波数ベクトルに基づいてPMIをフィードバックしてもよい。これは本出願では限定されない。
ステップ320で、ネットワーク装置は第6の指示情報を送信する。これに対応して、端末装置は第6の指示情報を受信する。
任意選択で、第6の指示情報はRRCメッセージで搬送される。
ネットワーク装置によって端末装置に第6の指示情報を送信するための具体的な方法は、現在の技術におけるネットワーク装置によって端末装置にシグナリングを送信する方法と同じであり得る。簡潔にするために、送信方法の具体的なプロセスの詳細な説明はここでは省略する。
ステップ330において、端末装置は、第6の指示情報によって示されるフィードバックモードに基づいてPMIを生成する。
端末装置は、第6の指示情報によって示されるフィードバックモードに基づいてPMIを生成することができる。端末装置が第1のフィードバックモードに基づいてPMIを生成するとき、端末装置がPMIを生成する具体的なプロセスは、現在の技術と同じであり得る。簡潔にするために、ここでは詳細に説明はされない。端末装置が第2のフィードバックモードに基づいてPMIを生成するとき、特定の実装プロセスは前述の方法200で詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
ステップ340において、端末装置はPMIを送信する。これに対応して、ネットワーク装置はPMIを受信する。
端末装置は、ネットワーク装置がプリコーディング行列を決定するように、PMIをネットワーク装置に送信することができる。ネットワーク装置は、第6の指示情報を送信する前述のネットワーク装置であってもよいし、別のネットワーク装置であってもよい。これは本出願では限定されない。端末装置によって図に示されたネットワーク装置にPMIを送信するステップは一例にすぎず、本出願に対するいかなる限定も構成すべきではないことを理解されたい。
次いで、ネットワーク装置は、データ送信に使用されるプリコーディング行列を決定するために、PMIに基づいてプリコーディング行列を決定することができる。ネットワーク装置は、異なるフィードバックモードを使用してPMIに基づいてプリコーディング行列を決定することができる。端末装置が第1のフィードバックモードに基づいてPMIを生成するとき、ネットワーク装置がPMIに基づいてプリコーディング行列を決定する具体的なプロセスは、現在の技術と同じであり得る。簡潔にするために、ここでは詳細に説明はされない。端末装置が第2のフィードバックモードに基づいてPMIを生成するとき、ネットワーク装置がPMIに基づいてプリコーディング行列を決定する具体的なプロセスは、前述の方法200で詳細に説明されている。簡略にするために、ここで再度詳細に説明はされない。
前述の方法に基づいて、端末装置は、ネットワーク装置の指示に従って、対応するフィードバックモードを使用してPMIをフィードバックすることができる。複数のフィードバックモードを導入することによって異なる測定ケースを使用することができ、フィードバック精度とフィードバックオーバーヘッドの両方を考慮することができ、それによってそれらの間のバランスを達成することができる。
前述のプロセスのシーケンス番号は、前述の実施形態における実行順序を意味しないことを理解されたい。処理の実行順序は、処理の機能および内部論理に従って決定されるべきであり、本出願の実施形態の実装プロセスに対するいかなる制限としても解釈されるべきではない。
図2および図3を参照して、上記は、本出願の実施形態で提供されるプリコーディングベクトルを示しおよび決定するための方法を詳細に記載している。以下では、図4から図6を参照して、本出願の実施形態における通信装置を詳細に説明する。
図4は、本願の一実施形態による通信装置の概略ブロック図である。図に示すように、通信装置1000は、通信ユニット1100および処理ユニット1200を含みうる。
可能な設計では、通信装置1000は、前述の方法の実施形態における端末装置に対応してもよく、例えば、端末装置であってもよく、または端末装置に配置されたチップであってもよい。
具体的には、通信装置1000は、本出願の実施形態における方法200または方法300の端末装置に対応し得る。通信装置1000は、端末装置によって実行される図2の方法200または図3の方法300を実行するように構成されたユニットを含み得る。加えて、通信装置1000内のユニットならびに前述の他の動作および/または機能は、図2の方法200または図3の方法300の対応する手順を実装することを別々に意図している。
通信装置1000が図2の方法200を実行するように構成される場合、通信ユニット1100は、方法200のステップ220を実行するように構成されてもよく、処理ユニット1200は、方法200のステップ210を実行するように構成されてもよい。
具体的には、処理ユニット1200は、第1の指示情報を生成するように構成されてもよく、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T1個の空間周波数成分行列の加重和は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルはM1個の空間周波数成分行列に対応し、T1個の空間周波数成分行列はM1個の空間周波数成分行列の一部であり、M1個の空間周波数成分行列の各々は、L1個のビームベクトルの1つとK1個の周波数領域ベクトルの1つとによって一意に決定され、M1=L1×K1である。L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部である。M1、L1、K1、T1は、いずれも正の整数である。通信ユニット1100は、第1の指示情報を送信するように構成されてもよい。
任意選択で、通信ユニット1100は、第2の指示情報を受信するようにさらに構成され、第2の指示情報は、M1、L1、およびK1のうちの1つまたは複数の値を示すために使用される。
任意選択で、通信ユニット1100は、第3の指示情報を受信するようにさらに構成され、第3の指示情報がT1の値を示すために使用される。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列は、空間周波数成分行列集合または空間周波数成分行列集合の部分集合から選択され、空間周波数成分行列が、ビームベクトル集合内のビームベクトルと、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルとによって決定され、空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列が、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルと、周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルとによって一意に決定される。
第1の指示情報は、空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報、または空間周波数成分行列集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報を含む。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列の各々は、L1個のビームベクトルのうちの1つとK1個の周波数領域ベクトルのうちの1つの共役転置との積によって決定される。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列の各々は、K1個の周波数領域ベクトルのうちの1つとL1個のビームベクトルのうちの1つとのクロネッカー積によって決定される。
任意選択で、T1個の空間周波数成分行列の加重和は、第1のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。
任意選択で、処理ユニット1200は、第4の指示情報を生成するようにさらに構成され、第4の指示情報は、ビームベクトル集合内のL2個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK2個の周波数領域ベクトル、およびT2個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T2個の空間周波数成分行列の加重和は、第2のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L2個のビームベクトルおよびK2個の周波数領域ベクトルはM2個の空間周波数成分行列に対応し、T2個の空間周波数成分行列はM2個の空間周波数成分行列の一部であり、M2個の空間周波数成分行列の各々は、L2個のビームベクトルの1つとK2個の周波数領域ベクトルの1つとによって一意に決定され、M2=L2×K2であり、L2個のビームベクトルはビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK2個の周波数領域ベクトルは周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部であり、M2、L2、K2、およびT2はすべて正の整数である。通信ユニット1100は、第4の指示情報を送信するようにさらに構成される。
任意選択で、L1=L2、K1=K2、およびT1=T2である。
任意選択で、L1>L2、K1>K2、またはT1>T2である。
通信装置1000が図3の方法300を実行するように構成される場合、通信ユニット1100は、方法300のステップ320およびステップ340を実行するように構成されてもよく、処理ユニット1200は、方法300のステップ330を実行するように構成されてもよい。
各ユニットが前述の対応するステップを実行する具体的なプロセスは、前述の方法の実施形態で詳細に説明されており、簡潔にするために、ここでは詳細を説明しないことを理解されたい。
通信装置1000が端末装置である場合、通信装置1000の通信ユニット1100は、図5に示される端末装置2000のトランシーバ2020に対応してもよく、通信装置1000の処理ユニット1200は、図5に示される端末装置2000のプロセッサ2010に対応してもよいことをさらに理解されたい。
通信装置1000が端末装置に配置されたチップである場合、通信装置1000の通信ユニット1100は入力/出力インタフェースであり得ることをさらに理解されたい。
別の可能な設計では、通信装置1000は、前述の方法の実施形態におけるネットワーク装置に対応してもよく、例えば、ネットワーク装置であってもよく、またはネットワーク装置に配置されたチップであってもよい。
具体的には、通信装置1000は、本出願の実施形態における方法200または方法300のネットワーク装置に対応し得る。通信装置1000は、ネットワーク装置によって実行される図2の方法200または図3の方法300を実行するように構成されたユニットを含み得る。加えて、通信装置1000内のユニットならびに前述の他の動作および/または機能は、図2の方法200または図3の方法300の対応する手順を実装することを別々に意図している。
通信装置1000が図3の方法300を実行するように構成される場合、通信ユニット1100は、方法200のステップ220を実行するように構成されてもよく、処理ユニット1200は、方法200のステップ230を実行するように構成されてもよい。
具体的には、通信ユニット1100は、第1の指示情報を受信するように構成されてもよく、第1の指示情報は、ビームベクトル集合内のL1個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK1個の周波数領域ベクトル、およびT1個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T1個の空間周波数成分行列の加重和は、1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L1個のビームベクトルおよびK1個の周波数領域ベクトルはM1個の空間周波数成分行列に対応し、T1個の空間周波数成分行列はM1個の空間周波数成分行列の一部であり、M1個の空間周波数成分行列の各々は、L1個のビームベクトルの1つとK1個の周波数領域ベクトルの1つとによって一意に決定され、M1=L1×K1である。L1個のビームベクトルは、ビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK1個の周波数領域ベクトルは、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部である。M1、L1、K1、T1は、いずれも正の整数である。
処理ユニット1200は、第1の指示情報に基づいて1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するように構成されてもよい。
任意選択で、通信ユニット1100は、第2の指示情報を送信するようにさらに構成され、第2の指示情報は、M1、L1、およびK1のうちの1つまたは複数の値を示すために使用される。
任意選択で、通信ユニット1100は、第3の指示情報を送信するようにさらに構成され、第3の指示情報がT1の値を示すために使用される。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列は、空間周波数成分行列集合または空間周波数成分行列集合の部分集合から選択され、空間周波数成分行列が、ビームベクトル集合内のビームベクトルと、周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルとによって決定され、空間周波数成分行列集合内の各空間周波数成分行列が、ビームベクトル集合内の1つのビームベクトルと、周波数領域ベクトル集合内の1つの周波数領域ベクトルとによって一意に決定される。
第1の指示情報は、空間周波数成分行列集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報、または空間周波数成分行列集合の部分集合内のM1個の空間周波数成分行列の位置情報を含む。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列の各々は、L1個のビームベクトルのうちの1つとK1個の周波数領域ベクトルのうちの1つの共役転置との積によって決定される。
任意選択で、M1個の空間周波数成分行列の各々は、K1個の周波数領域ベクトルのうちの1つとL1個のビームベクトルのうちの1つとのクロネッカー積によって決定される。
任意選択で、T1個の空間周波数成分行列の加重和は、第1のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。
任意選択で、通信ユニット1100は、第4の指示情報を受信するようにさらに構成され、第4の指示情報は、ビームベクトル集合内のL2個のビームベクトル、周波数領域ベクトル集合内のK2個の周波数領域ベクトル、およびT2個の空間周波数成分行列を示すために使用され、T2個の空間周波数成分行列の加重和は、第2のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するために使用される。L2個のビームベクトルおよびK2個の周波数領域ベクトルはM2個の空間周波数成分行列に対応し、T2個の空間周波数成分行列はM2個の空間周波数成分行列の一部であり、M2個の空間周波数成分行列の各々は、L2個のビームベクトルの1つとK2個の周波数領域ベクトルの1つとによって一意に決定され、M2=L2×K2であり、L2個のビームベクトルはビームベクトル集合内のビームベクトルの一部であり、および/またはK2個の周波数領域ベクトルは周波数領域ベクトル集合内の周波数領域ベクトルの一部であり、M2、L2、K2、およびT2はすべて正の整数である。処理ユニット1200は、第4の指示情報に基づいて第2のトランスポート層における1つまたは複数の周波数領域ユニットのプリコーディングベクトルを決定するようにさらに構成される。
任意選択で、L1=L2、K1=K2、およびT1=T2である。
任意選択で、L1>L2、K1>K2、またはT1>T2である。
通信装置1000が図3の方法300を実行するように構成される場合、通信ユニット1100は、方法300のステップ320およびステップ340を実行するように構成されてもよく、処理ユニット1200は、方法300のステップ310を実行するように構成されてもよい。
通信装置1000がネットワーク装置である場合、通信装置1000の通信ユニットは、図6に示されるネットワーク装置3000のトランシーバ3200に対応してもよく、通信装置1000の処理ユニット1200は、図6に示されるネットワーク装置3000のプロセッサ3100に対応してもよいことをさらに理解されたい。
通信装置1000がネットワーク装置に配置されたチップである場合、通信装置1000内の通信ユニット1100は入力/出力インタフェースであり得ることをさらに理解されたい。
図5は、本出願の一実施形態による端末装置2000の概略構成図である。端末装置2000は、図1に示すシステムに適用可能であり得、前述の方法実施形態における端末装置の機能を実行し得る。図に示すように、端末装置2000は、プロセッサ2010およびトランシーバ2020を備える。任意選択で、端末装置2000はメモリ2030をさらに備える。プロセッサ2010、トランシーバ2020、およびメモリ2030は、内部接続経路を使用して制御信号および/またはデータ信号を転送することによって互いに通信し得る。メモリ2030は、コンピュータプログラムを記憶するように構成される。プロセッサ2010は、信号を送受信するようにトランシーバ2020を制御するために、メモリ2030からコンピュータプログラムを呼び出し、コンピュータプログラムを実行するように構成される。任意選択で、端末装置2000は、無線信号を使用することによって、トランシーバ2020によって出力されるアップリンクデータまたはアップリンク制御信号を送信するように構成されたアンテナ2040をさらに備えることができる。
プロセッサ2010およびメモリ2030は、単一の処理装置に統合されてもよい。プロセッサ2010は、前述の機能を実装するためにメモリ2030に記憶されたプログラムコードを実行するように構成される。特定の実装形態では、メモリ2030はまた、プロセッサ2010に統合されてもよく、またはプロセッサ2010から独立していてもよい。プロセッサ2010は、図4の処理ユニットに対応し得る。
トランシーバ2020は、図4の通信ユニットに対応し得、トランシーバユニットとも呼ばれ得る。トランシーバ2020は、受信機(または受信機もしくは受信機回路と呼ばれる)および送信機(または送信機もしくは送信機回路と呼ばれる)を含みうる。受信機は信号を受信するように構成され、送信機は信号を送信するように構成される。
図5に示される端末装置2000は、図2の方法実施形態において端末装置によって実行される各プロセスを実装することができることを理解されたい。端末装置2000内のモジュールの動作および/または機能は、前述の方法の実施形態における対応する手順を実装することを意図している。詳細については、前述の方法実施形態における説明を参照されたい。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明は適宜省略される。
プロセッサ2010は、端末装置の内部で実装され、前述の方法の実施形態で説明された動作を実行するように構成されてもよい。トランシーバ2020は、端末装置によってネットワーク装置に情報を送信し、または端末装置によってネットワーク装置から情報を受信し、前述の方法の実施形態で説明された、動作を実行するように構成されてもよい。詳細については、前述の方法実施形態における説明を参照されたい。ここで再度詳細に説明はされない。
任意選択で、端末装置2000は、端末装置内の様々な成分または回路に電力を供給するように構成された電源2050をさらに含み得る。
また、端末装置の機能をより完全なものにするために、端末装置2000は、入力ユニット2060、表示ユニット2070、音声回路2080、カメラ2090、センサ2100などのうちの1つまたは複数をさらに含み、音声回路は、スピーカ2082、マイクロフォン2084などをさらに含んでもよい。
図6は、本出願の一実施形態によるネットワーク装置の概略構成図であり、例えば基地局の概略構造図であってもよい。基地局3000は、図1に示すシステムに適用可能であり得、前述の方法実施形態におけるネットワーク装置の機能を実行し得る。図示されるように、基地局3000は、1または複数の遠隔無線ユニット(remote radio unit,RRU)3100、および1または複数のベースバンドユニット(BBU)(分散ユニット(DU)とも称され得る)3200を含み得る。RRU 3100はトランシーバユニットと呼ばれることがあり、図4の通信ユニット1200に対応する。任意選択で、トランシーバユニット3100は、トランシーバマシン、トランシーバ回路、トランシーバなどと呼ばれてもよく、少なくとも1つのアンテナ3101と無線周波数ユニット3102とを含んでもよい。任意選択で、トランシーバユニット3100は、受信ユニットおよび送信ユニットを含んでもよい。受信ユニットは、受信機(または受信機もしくは受信回路と呼ばれる)に対応することができ、送信ユニットは、送信機(または送信機もしくは送信回路と呼ばれる)に対応することができる。RRU3100は、主に、無線周波数信号を受信および送信し、無線周波数信号とベースバンド信号との間の変換を実行するように構成され、例えば、指示情報を端末装置に送信するように構成される。BBU3200は、例えば、ベースバンド処理を実行し、基地局を制御するように主に構成される。RRU3100およびBBU3200は、物理的に一緒に配置されてもよく、物理的に別々に配置されてもよく、具体的には、基地局は分散基地局である。
BBU3200は、基地局の制御センタであるか、または処理ユニットと呼ばれることがある。BBUは、図4の処理ユニット1100に対応することができ、主に、ベースバンド処理機能、例えば、チャネル符号化、多重化、変調、または拡散を実装するように構成される。例えば、BBU(処理ユニット)は、前述の指示情報を生成するなどの前述の方法実施形態におけるネットワーク装置の動作手順を実行するために基地局を制御するように構成されてもよい。
一例では、BBU3200は1つまたは複数のボードを含んでもよく、複数のボードは、単一のアクセス規格を有する無線アクセスネットワーク(例えばLTEネットワーク)を共同でサポートしてもよく、または異なるアクセス規格を有する無線アクセスネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワークまたは別のネットワーク)を別々にサポートしてもよい。BBU3200は、メモリ3201とプロセッサ3202とをさらに含む。メモリ3201は、必要な命令および必要なデータを記憶するように構成される。プロセッサ3202は、必要な動作を実行するように基地局を制御するように構成され、例えば、前述の方法実施形態におけるネットワーク装置に関する動作手順を実行するように基地局を制御するように構成される。メモリ3201およびプロセッサ3202は、1つまたは複数のボードを担当してもよい。換言すると、メモリとプロセッサはそれぞれのボード上に別々に配置されてよい。あるいは、複数のボードは同じメモリおよび同じプロセッサを共有してもよい。さらに、必要な回路が各ボードにさらに配置されてもよい。
図6に示される基地局3000は、図2の方法実施形態のネットワーク装置に関連するプロセスを実装することができることが、理解されるべきである。基地局3000内のモジュールの動作および/または機能は、前述の方法実施形態中の対応する手順を実装することを意図している。詳細については、前述の方法実施形態における説明を参照されたい。繰り返しを避けるため、ここでは詳細な説明は適宜省略される。
BBU 3200は、ネットワーク装置内で実装され、前述の方法実施形態で説明された動作を実行するように構成されてもよい。RRU 3100は、動作であって、ネットワーク装置によって端末装置に情報を送信し、またはネットワーク装置によって端末装置から情報を受信し、前述の方法の実施形態で説明された、動作を実行するように構成されてもよい。詳細については、前述の方法実施形態における説明を参照されたい。ここで再度詳細に説明はされない。
本出願の一実施形態は、プロセッサとインタフェースとを含む、処理装置をさらに提供する。プロセッサは、任意の前述の方法実施形態における方法を実行するように構成される。
処理装置は1つまたは複数のチップであってもよいことを理解されたい。例えば、処理装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array,FPGA)、特定用途向け集積チップ(application specific integrated circuit,ASIC)、システムオンチップ(system on chip,SoC)、中央処理装置(central processor unit,CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor,NP)、デジタル信号処理回路(digital signal processor,DSP)、マイクロコントローラユニット(micro controller unit,MCU)、プログラマブルコントローラ(programmable logic device,PLD)、または別の統合チップであってもよい。
一実装プロセスでは、前述の方法におけるステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路を使用することにより、またはソフトウェアの形態の命令を使用することによって実装することができる。本出願の実施形態を参照して開示された方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行されてもよく、プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、書込み可能読取り専用メモリ、電気的消去書込み可能メモリ、レジスタといった、当分野の成熟した記憶媒体に配置されていてよい。記憶媒体は、メモリ内に配置され、プロセッサは、メモリ内の情報を読み出し、プロセッサのハードウェアと共に前述の方法におけるステップを遂行する。繰り返しを避けるために、ここで再度詳細に説明はされない。
本出願の実施形態におけるプロセッサは、集積回路チップであってもよく、信号処理能力を有することに留意されたい。実装プロセスでは、前述の方法の実施形態におけるステップは、プロセッサ内のハードウェア集積論理回路により、またはソフトウェアの形で命令により完了されてもよい。プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブル論理装置、個別ゲートもしくはトランジスタ論理装置、または個別ハードウェア成分であってよい。本出願の実施形態で開示された方法、ステップ、および論理ブロック図を実装または実行することができる。汎用プロセッサはマクロプロセッサであってよく、またはプロセッサは任意の従来のプロセッサなどであってよい。本出願の実施形態を参照して開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサによって直接実行および完了されてもよいし、または復号プロセッサのハードウェアおよびソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行および完了されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読取り専用メモリ、書込み可能読取り専用メモリ、電気的消去書込み可能メモリ、レジスタといった、当分野の成熟した記憶媒体に配置されていてよい。記憶媒体は、メモリ内に配置され、プロセッサは、メモリ内の情報を読み出し、プロセッサのハードウェアと共に前述の方法におけるステップを遂行する。
本出願の実施形態のメモリは揮発性メモリであっても不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含んでもよいと考えることができる。不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(read-only memory,ROM)、プログラム可能な読み出し専用メモリ(programmable ROM、PROM)、消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(erasable PROM、EPROM)、電気的消去可能でプログラム可能な読み出し専用メモリ(electrically EPROM、EEPROM)、またはフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリはランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)であってもよく、外部キャッシュとして使用される。例示的な説明によって、ただし限定的な説明にはよらずに、多くの形態のRAM、例えば、スタティック・ランダムアクセスメモリ(static RAM、SRAM)、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(dynamic RAM、DRAM)、シンクロナス・ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM、SDRAM)、ダブルデータレート・シンクロナス・ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(double data rate SDRAM、DDR SDRAM)、拡張シンクロナス・ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(enhanced SDRAM,ESDRAM)、同期リンク・ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(synchlink DRAM、SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバス・ランダムアクセスメモリ(direct rambus RAM、DR RAM)が使用されてもよい。本明細書に記載のシステムおよび方法のメモリは、これらおよび別の適切なタイプの任意のメモリを含むが、これらに限定されないことに留意されたい。
本出願の実施形態で提供される方法に基づいて、本出願はコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラムコードを含む。コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、図2に示す実施形態のいずれか1つの方法を実施することが可能にされる。
本出願の実施形態で提供される方法によれば、本出願はコンピュータ可読媒体をさらに提供する。コンピュータ可読媒体はプログラムコードを記憶する。プログラムコードがコンピュータ上で実行されると、コンピュータは、図2に示す実施形態のいずれか1つの方法を実施することが可能にされる。
本出願の実施形態で提供される方法によれば、本出願はシステムをさらに提供する。本システムは、前述の1つまたは複数の端末装置と1つまたは複数のネットワーク装置とを含む。
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェアが実施形態を実装するために使用される場合、実施形態の全部または一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピュータにロードされて実行される場合、本出願の実施形態に係るプロシージャや機能が全部発生したり部分的に発生したりする。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラマブル装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(digital subscriber line,DSL))または無線(赤外線、ラジオ、マイクロ波など)方式で送信されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる任意の使用可能な媒体、または、1つまたは複数の使用可能な媒体を統合した、サーバやデータセンタなどのデータ記憶装置であり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光学媒体(例えば、高密度デジタルビデオディスク(digital video disc,DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disc,SSD))などであってもよい。
前述の装置の実施形態におけるネットワーク装置および端末装置は、方法の実施形態におけるネットワーク装置または端末装置に対応し、対応するモジュールまたはユニットは、対応するステップを実行する。例えば、通信ユニット(トランシーバ)は、方法実施形態における受信ステップまたは送信ステップを実行し、処理ユニット(プロセッサ)は、送信または受信ステップ以外のステップを実行してもよい。特定のユニットの機能については、対応する方法実施形態を参照されたい。1つまたは複数のプロセッサが存在してもよい。
本明細書で使用される「成分」、「モジュール」、「システム」などの用語は、コンピュータに関連したエンティティ、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または実行されているソフトウェアを示すのに使用される。例えば、成分は、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであってもよいが、これらに限定されない。図示するように、コンピューティング装置と、コンピューティング装置で実行されているアプリケーションとの両方が成分であってもよい。1つまたは複数の成分は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在してもよく、成分は、1つのコンピュータ上に配置されてもよく、および/または2つ以上のコンピュータ間に分散されてもよい。さらに、これらの成分は、様々なデータ構造を記憶する様々なコンピュータ可読媒体から実行され得る。例えば、成分は、ローカル処理および/またはリモート処理を使用することによって、および、例えば、1つまたは複数のデータパケットを有する信号(例えば、ローカルシステム、分散システム、および/または信号を使用することによって別のシステムと相互通信するインターネットなどのネットワークを介して、別の成分と相互通信する2つの成分からのデータ)に従って、通信することができる。
本明細書に開示された実施形態に記載された様々な例示的な論理ブロック(illustrative logical block)およびステップ(step)との組み合わせは、電子ハードウェア、またはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせによって実装されてよいことを当業者なら認識されよう。機能がハードウェアとソフトウェアのどちらによって実行されるかは、技術的解決策の特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定の各アプリケーションのために説明した機能を実装するために異なる方法を使用することができるが、このような実装形態が本出願の範囲外であると考えられるべきではない。
説明を簡便にするために、記載のシステム、装置、およびユニットの詳細な動作プロセスについては、前述の方法実施形態における対応するプロセスを参照すべきことが当業者には明確に理解されよう。
本出願において提供される実施形態では、開示されるシステム、装置、および方法は、別の方式で実装され得ることが理解されるべきである。例えば、記載された装置の実施形態は単なる例である。例えば、ユニットの分割は、単なる論理的機能分割であって、実際の実装時には他の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたは成分は、別のシステムに組み合わされてもよい、もしくは統合されてもよいし、またはいくつかの機能は無視されてもよい、もしくは実行されなくてもよい。さらに、提示されたまたは述べられた相互結合または直接的な結合もしくは通信接続は、いくつかのインタフェースを使用して実装されてもよい。装置間またはユニット間の間接結合または通信接続は、電気的形態、機械的形態、または別の形態として実現されてもよい。
別々の部分として説明されているユニットは、物理的に分離されていてもいなくてもよく、また、ユニットとして提示されている部分は、物理的なユニットであってもなくてもよいし、1つの位置に配置されてもよいし、または複数のネットワークユニットに分散されてもよい。ユニットの一部または全部は、実施形態の解決策の目的を達成するために実際の要求に基づいて選択されてもよい。
さらに、本出願の実施形態の機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよいし、またはこれらのユニットのそれぞれは、物理的に単独で存在してもよいし、または2つ以上のユニットが、1つのユニットに統合される。
上記の実施形態では、機能ユニットの機能の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェアが実施形態を実装するために使用される場合、実施形態の全部または一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実装され得る。コンピュータプログラム製品は1つまたは複数のコンピュータ命令(プログラム)を含む。プログラム命令またはコンピュータプログラムがコンピュータにロードされて実行されると、本願の実施形態による手順または機能がすべてもしくは部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラマブル装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに、有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、もしくはデジタル加入者線(DSL))または無線(例えば、赤外線、電波、およびマイクロ波など)方式で送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる任意の使用可能な媒体、または、1つまたは複数の使用可能な媒体を統合した、サーバやデータセンタなどのデータ記憶装置であり得る。使用可能媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気ディスク)、光学媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid state disk、SSD))などであってよい。
これらの機能がソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売もしくは使用される場合、これらの機能はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。そうした理解に基づき、本出願の技術的解決策を本質的に、または現在の技術に寄与する部分を、または技術的な解決策の一部を、ソフトウェア製品の形態で実現することができる。ソフトウェア製品は記憶媒体に記憶されており、(パーソナルコンピュータ、サーバ、もしくはネットワーク装置とすることができる)コンピュータ装置に、本出願の各実施形態で記述されている方法のステップの全部または一部を実行するよう指示するためのいくつかの命令を含む。記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、磁気ディスク、光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる何らかの媒体を含む。
上記の説明は本願の特定の実装形態にすぎず、本願の保護範囲を制限することを意図するものではない。本願で開示される技術的範囲内で当業者によって容易く考え出されるバリエーションや代替は、本願の保護範囲に入るものとする。したがって、本願の保護範囲は請求項の保護範囲に従うものとする。