以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図31は、連結構造50を介して対地作業装置20が連結された作業機1を示す図である。作業機1の種類は、限定されないが、本実施形態の場合、作業機1はトラクタである。図31に示すように、作業機(トラクタ)1は、運転席5と、車体3と、走行装置4と、リンク機構14と、を備えている。なお、本発明の実施形態において、作業機1の運転席5に着座した作業者の前側(図31の左側)を前方、作業者の後側(図31の右側)を後方、作業者の左側(図31の手前側)を左方、作業者の右側(図31の奥側)を右方として説明する。また、前後に直交する方向である水平方向を車体幅方向B3として説明する。作業機1における車体幅方向B3の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を幅方向外方として説明する。言い換えれば、幅方向外方とは、車体幅方向B3であって作業機1の幅方向の中心から離れる方向のことである。幅方向外方とは反対の方向を幅方向内方として説明する。言い換えれば、幅方向内方とは、車体幅方向B3であって作業機1の幅方向の中心に近づく方向である。なお、図面中における矢印A1は前方を示し、矢印A2は後方を示しており、矢印B1は左方を示し、矢印B2は右方を示している。
図31に示すように、車体3は、車体フレーム10と、クラッチハウジング11と、ミッションケース12とを有している。車体フレーム10は、車体3の前後方向A3に延びている。クラッチハウジング11とミッションケース12は、前後方向A3に連設されている。具体的には、クラッチハウジング11は、車体3の後部に設けられており、クラッチを収容している。ミッションケース12は、クラッチハウジング11の後部に連結されており、トランスミッション(図示略)や後輪差動装置(図示略)等を収容している。また、作業機1は、当該作業機1を駆動するエンジン8からの動力を伝達する出力軸13を備えている。出力軸13は、例えばPTO軸であり、作業機1の後部から後方に向けて突出している。
図31に示すように、走行装置4は、車体3の前部に設けられた前輪4Aと、車体3の後部に設けられた後輪4Bとを有している。前輪4Aは、車体フレーム10に支持されている。後輪4Bは、後輪差動装置の出力軸に支持されている。なお、走行装置4は、クローラ型の装置であってもよい。
図31に示すように、車体3の後部には、運転席5や操縦装置6が設けられている。操縦装置6は、運転席5の周囲に接地されており、運転席5に着座した作業者(オペレータ)が作業機1に装備された機械、装置、器具、部材等(例えば、走行装置4、対地作業装置20等)の操作に関係する装置、部材等が集まった部位を含む。操縦装置6は、少なくともステアリング等で構成された操舵装置を含む。
図31に示すように、リンク機構14は、対地作業装置20等の作業装置を作業機1の後部に連結するための装置である。リンク機構14は、ミッションケース12に接続されている。リンク機構14は、例えば3点リンク機構であり、トップリンク15、及びロアリンク16を有している。トップリンク15は、前端部がミッションケース12の上部に枢支されている。ロアリンク16は、幅方向に一対設けられている。具体的には、ロアリンク16の前端部は、ミッションケース12の下部に枢支されている。トップリンク15の後端部とロアリンク16の後端部には、連結構造50と連結可能なジョイントが設けられている。
以下、作業機1に連結される対地作業装置20について説明する。対地作業装置20は、連結構造50等の装着構造を介して作業機1に着脱自在に連結される。対地作業装置20は、例えばサイドドライブ式のロータリ耕耘機である。以下の説明において、対地作業装置20は、サイドドライブ式のロータリ耕耘機を例に説明する。なお、対地作業装置20は、サイドドライブ式のロータリ耕耘機に限定されず、センタドライブ式のロータリ耕耘機であってよいし、対地作業装置20であればロータリ耕耘機に限定されない。
図1に示すように、対地作業装置20は、機枠21と、対地作業部41と、耕耘カバー47と、を備えている。機枠21は、作業機1のリンク機構14と連結される部分である。機枠21は、ギヤケース22と、サポートアーム24L,24Rと、伝動ケース25と、サイドフレーム26と、トップマスト27と、連結ブラケット28と、支持枠30と、昇降操作装置34と、を有している。
ギヤケース22は、作業機1の出力軸13から動力を伝達され、当該伝達された動力の変速を行う。図2に示すように、ギヤケース22は、車体幅方向B3の中央部に配置されている。ギヤケース22は、入力軸23と、複数のギヤと、当該複数のギヤを枢支する枢支軸と、を有している。入力軸(PIC軸)23は、ユニバーサルジョイント等のジョイント軸45を介して、出力軸13から動力を入力される軸である。複数のギヤは、例えばベベルギヤを含んでおり、入力軸23に入力された動力の変速及び伝達を行う。
図2に示すように、サポートアーム24L,24Rは、ギヤケース22から車体幅方向B3の一方側(左側)と他方側(右側)とに突設されている。サポートアーム24L,24Rは、ギヤケース22から一体的に延出されており、車体幅方向B3に互いに離反方向に延びている。具体的には、サポートアーム24Lは、ギヤケース22から左側に延びている。一方、サポートアーム24Rは、ギヤケース22から右側に延びている。
伝動ケース25は、サポートアーム24Lから後下方に延設されており、ギヤケース22から伝達された動力を伝達する。伝動ケース25は、ギヤケース22の複数のギヤから動力を伝達される伝動機構(図示略)を有している。伝動機構は、例えば無端状のチェーンであり、ギヤケース22から後下方に動力を伝達する。
サイドフレーム26は、サポートアーム24Rから後下方に延設されている。即ち、図2に示すように、ギヤケース22、サポートアーム24L,24R、伝動ケース25、及びサイドフレーム26は、正面視において略門形状を形成する。また、伝動ケース25の下部及びサイドフレーム26の下部は、対地作業部41を支持する。
図1に示すように、トップマスト27は、連結構造50を介して作業機1と連結される部分であり、ギヤケース22の上部から上方に延設されている。トップマスト27は、例えばギヤケース22の前部及び後部から二股状に延びている略V字形状の板状部材であり、板面が車体幅方向B3を向いて配置されている。トップマスト27は、上係合部27aを有している。上係合部27aは、連結構造50と連結される部分であり、トップマスト27の前側上部の部分である。本実施形態において、上係合部27aは、車体幅方向B3に延びている軸部である。
図1に示すように、連結ブラケット28は、連結構造50を介して作業機1と連結される部分であり、図2に示すように、サポートアーム24L,24Rに固定されている。連結ブラケット28は、サポートアーム24L,24Rの車体幅方向B3の中途部から前方に延設されており、前端部に下係合部28aを有している。下係合部28aは、連結構造50と連結される部分であり、本実施形態においては、幅方向外方に延びている軸部である。なお、対地作業装置20は、下係合部28aと上係合部27aとの位置関係に応じて標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bと、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aとに分類される。例えば、図3に示すように、標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bと、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aとは、入力軸23を基準として、上係合部27a及び下係合部28aの位置は、それぞれ距離が異なっており、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aの上係合部27aと入力軸23との間の距離は、標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bの上係合部27aと入力軸23との間の距離より長い。また、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aの下係合部28aは、入力軸23と略同一の高さに位置し、標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bの下係合部28aは、入力軸23よりも下方に位置している。
図1に示すように、支持枠30は、サポートアーム24L,24Rから後方に延設されており、様々な構造体を支持することができる。支持枠30は、一対の側部フレーム31と、連結フレーム32と、後部フレーム(ツールバー)33と、を有している。一対の側部フレーム31は、車体幅方向B3に離反しており、且つそれぞれサポートアーム24L,24Rと連結されている。具体的には、一対の側部フレーム31は、サポートアーム24L,24Rの車体幅方向B3の中途部から後方に延設されている。側部フレーム31は、前後方向A3に伸縮自在に構成されており、具体的には、アウタフレーム31aと、インナフレーム31bと、固定具(図示略)と、を有している。
アウタフレーム31aの前部は、サポートアーム24L,24Rの後部において、車体幅方向B3の軸心廻りに揺動可能に連結されている。インナフレーム31bは、アウタフレーム31aの内部に収容されており、アウタフレーム31aに対して摺動自在に取り付けられている。固定具は、インナフレーム31bのアウタフレーム31aに対する摺動を規制する。固定具は、例えばボルト等の締結部材であり、インナフレーム31bに形成された孔及びアウタフレーム31aに形成された孔に挿通することで、側部フレーム31の前後方向A3の伸縮を規制する。
連結フレーム32は、車体幅方向B3に延びており、一対の側部フレーム31の間に架設されている。連結フレーム32は、車体幅方向B3の一方側(左側)の側部フレーム31の前後方向A3の中途部と、車体幅方向B3の他方側(右側)の側部フレーム31の前後方向A3の中途部と、を連結する。
後部フレーム33は、車体幅方向B3に延びており、一対の側部フレーム31の間に架設されている。後部フレーム33は、車体幅方向B3の一方側(左側)の側部フレーム31の後部と、車体幅方向B3の他方側(右側)の側部フレーム31の後部と、を連結する。
図1に示すように、昇降操作装置34は、トップマスト27と支持枠30との間に設けられており、支持枠30をアウタフレーム31aの前部の軸心廻りに鉛直方向に揺動させる装置である。
対地作業部41は、対地作業を行う部分であり、本実施形態においては耕耘を行う。対地作業部41は、爪軸42と、耕耘爪43を有している。爪軸42は、伝動ケース25の下部とサイドフレーム26の下部との間に亘って回転自在に支持されており、伝動ケース25の伝動機構によって動力を伝達される。耕耘爪43は、爪軸42に取り付けられており、当該爪軸42の軸心廻りに回転して、耕起と砕土を行う。耕耘爪43は、爪軸42の車体幅方向B3の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されており、爪軸42の軸心から径外方に延びている。
図1に示すように、出力軸13から伝達された動力は、当該出力軸13と接続されたジョイント軸(ユニバーサルジョイント)45を介して、入力軸23に伝達される。また、入力軸23に伝達された動力は、複数のギヤ及び伝動機構を介して爪軸42に伝達され、当該動力によって耕耘爪43が爪軸42と一体となって回転する。
図1に示すように、耕耘カバー47は、対地作業部41を覆うカバーである。耕耘カバー47は、対地作業部41の上方側、後方側、及び対地作業部41の車体幅方向B3の両側の後部側を覆い、下端側には、整地カバー47aが着脱可能に取り付けられている。耕耘カバー47は、車体幅方向B3に延びる枢支軸廻りに回動自在に枢支されている。具体的には、耕耘カバー47の上端側は、伝動ケース25及びサイドフレーム26に固定された側板48に枢支されており、鉛直方向に揺動可能である。耕耘カバー47は、対地作業装置20に設けられた弾下装置49によって下方に付勢される。
以下、連結構造50について説明する。連結構造50は、連結枠51と、上連結部57と、下連結部58と、保持体60と、を備えている。図1に示すように、連結枠51は、作業機1のリンク機構14と連結され、且つ上連結部57及び下連結部58を支持する部材である。連結枠51は、角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)や、厚板鋼板を曲げ加工することで形成されている。図3、図4に示すように、連結枠51は、主枠52と、上補強材53と、下補強材54と、上部体55と、下部体56と、を有している。主枠52は、車体幅方向B3の中央部から車体幅方向B3の一方側(右側)の下側及び他方側(左側)の下側に向かって延びている部材であり、図4に示すように正面視で略山形状に形成されている。
図4に示すように、上補強材53は、車体幅方向B3に延びており、主枠52の鉛直方向の中途部において車体幅方向B3の一方側(左側)と他方側(右側)とを連結する。上補強材53の左側は、主枠52の左側と連結されており、上補強材53の右側は、主枠52の右側と連結されている。
図4に示すように、下補強材54は、車体幅方向B3に一対設けられており、主枠52と上補強材53とを連結する。具体的には、左側の下補強材54は、主枠52の左側から右方に延び、中途部で上方に屈曲しており、上補強材53に達している。一方、右側の下補強材54は、主枠52の右側から左方に延び、中途部で上方に屈曲しており、上補強材53に達している。
図4に示すように、上部体55は、主枠52の車体幅方向B3の中央に配置されている。具体的には、上部体55は、鉛直方向に延びており、上補強材53の車体幅方向B3の中央部から上方に延び、主枠52の中途部に達し、当該中途部から上方に延びている。上部体55の上部には、トップリンク15のジョイントと連結される上部ピン55aが貫通されている。
図4に示すように、下部体56は、車体幅方向B3に一対設けられており、主枠52の車体幅方向B3の両側の下部に固着されている。下部体56には幅方向外方に突出し、且つロアリンク16のジョイントと連結される下部ピン56aが設けられている。つまり、リンク機構14は、上部ピン55a及び下部ピン56aと連結することで、連結構造50と連結される。
図3に示すように、上連結部57は、上部体55から後方に延設されている部分であり、対地作業装置20の上係合部27aと係合する。
図3に示すように、下連結部58は、対地作業装置20の下係合部28aと係合し、且つ下部体56から後方に車体幅方向B3に一対延設されている。下連結部58は、後方に開放している凹部が形成されており、当該凹部に下連結部58が係合する。
図5、図6に示すように、保持体60は、ジョイント軸(ユニバーサルジョイント)45の連結具45aと連結され、当該ジョイント軸45を支持する。連結具45aは、ジョイント軸45のうち対地作業装置20側に設けられたヨークであり、先端側に設けられた連結軸45a1が入力軸23と連結される。連結軸45a1は、前後方向A3を向いて延びている略円筒形状の部分であり、外周には保持体60のベアリング部61が連結される。また、連結軸45a1は、中央部に前後方向A3に貫通する孔45a2が形成されており、当該孔45a2には入力軸23が連結される。保持体60は、ベアリング部61と、保持具62と、筒状部63と、当接壁64と、を有している。
図5、図6に示すように、ベアリング部61は、連結具45aを回転自在に支持する軸受であり、例えば、すべり軸受、玉軸受、及びころ軸受等である。ベアリング部61は、アウタレース61aと、インナレース61bと、アウタレース61a及びインナレース61bの間に配置された複数のボール61cと、を有している。アウタレース61aは、保持体60(後述の筒状部63)に内嵌されており、インナレース61bは、連結具45aの連結軸45a1に外嵌されている。インナレース61bと連結具45aは、ストッパリング65により前後移動不能に係止されている。
図6、図7に示すように、保持具62は、例えば平面視及び底面視で略門形状の部分であり、縦壁62aと一対の側壁62bとを有している。縦壁62aは、板面が前後方向A3を向いて配置されており、一対の側壁62bは、縦壁62aの車体幅方向B3の一端(左端)と他端(右端)とから後方に延設されており、車体幅方向B3に離反して配置されている。
図5、図6に示すように、筒状部63は、ベアリング部61のアウタレース61aが外嵌される中空の部分である。筒状部63は、縦壁62aから前方に延設された円筒形状であり、前後方向A3に貫通している第1挿通孔63aが形成されている。
当接壁64は、ベアリング部61のアウタレース61aの前側と当接することで、ベアリング部61が前方に脱落することを抑止する部分である。図5、図6に示すように、当接壁64は、筒状部63の後端に設けられており、図8に示すように、筒状部63の第1挿通孔63aの径内方に向かって延設されている部分である。当接壁64は、前後方向A3に開口し、且つ第1挿通孔63aと対応する第2挿通孔64aが形成されている。第2挿通孔64aの内径は、第1挿通孔63aの内径よりも小さく、連結具45aを挿通可能である。
対地作業装置20は、当該対地作業装置20が接地している接地状態と、接地していない不接地状態とに電動で切り換えることができる。具体的には、図9、図10、図11に示すように、対地作業装置20は、スタンド70と、スタンド支持部71と、摺動操作具73と、電動摺動機構75と、を備えている。スタンド70は、上端部から下端部(先端部)に延びている長尺の部材であり、鉛直方向に延びている。スタンド70は、例えば角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)から形成されている。スタンド70は、回転自在に設けられた支持輪70aを有している。スタンド70の下端部は、二股状に分かれており、支持輪70aを回転自在に挟持している。
図1に示すように、スタンド支持部71は、機枠21と連結されており、スタンド70を摺動可能に支持する。具体的には、スタンド支持部71は、上端部から下端部に延びている長尺の部材であり、鉛直方向に延びている。スタンド支持部71は、内部が中空の角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)であり、当該内部にスタンド70の上端部を挿入することで、スタンド70を摺動可能に支持する。スタンド支持部71は、内部からスタンド70を延出することでスタンド70が接地する接地状態に切り換え、内部にスタンド70を収納することでスタンド70を接地させない不接地状態に切り換え可能である。これによって、スタンド70及びスタンド支持部71は、接地状態及び不接地状態に切り換え可能である。
図1に示すように、スタンド70及びスタンド支持部71は、対地作業装置20の前部と後部とにそれぞれ一対設けられている。スタンド支持部71の上端部は、機枠21の前部と後部とにそれぞれ車体幅方向B3の一方側と他方側とに連結されている。スタンド支持部71の上端部は、例えばサポートアーム24L,24Rの下部に設けられたブラケットや支持枠30の後部フレーム33に連結されている。なお、本実施形態において、スタンド70及びスタンド支持部71は、対地作業装置20の前部と後部とにそれぞれ一対設けられているが、スタンド70及びスタンド支持部71は、対地作業装置20を接地できればよく、その数や取り付け位置は、上記構成に限定されない。
摺動操作具73は、接地状態を示す接地指令を行う操作と、不接地状態を示す不接地指令を行う操作と、を行うことができる。摺動操作具73は、接地指令を行う操作位置と、不接地指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であり、例えば切換スイッチである。摺動操作具73は、運転席5の周辺に配置されている。具体的には、摺動操作具73は、運転席5の周辺に設けられ、作業機1を操作する操縦装置6が設けられるコンソールボックス(図示略)に配置されている。なお、摺動操作具73は、運転席5の周辺に配置されていればよく、作業者が携帯可能なスイッチであってもよい。また、摺動操作具73は、切換スイッチに限定されず、切換位置を有さない押しボタンスイッチであってもよい。さらに、摺動操作具73は、接地指令を行う操作位置と、不接地指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であればよく、作業者が所持しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
電動摺動機構75は、接地指令を取得した場合、スタンド支持部71に対してスタンド70を摺動させて接地状態に切り換え、不接地指令を取得した場合、スタンド支持部71に対してスタンド70を摺動させて不接地状態に切り換える機構である。電動摺動機構75は、有線又は無線によって摺動操作具73と接続されており、摺動操作具73の接地指令及び不接地指令を取得できる。図11に示すように、電動摺動機構75は、摺動駆動モータ76と、第1伝達具77と、第2伝達具78と、を有している。
摺動駆動モータ76は、第1伝達具77を駆動させるモータであり、電動モータ(DCモータ等)や当該電動モータ及び複数のギヤから構成されているギヤードモータである。図9、図10、図11に示すように、摺動駆動モータ76は、スタンド支持部71の上方に配置され、且つ後部フレーム33に取り付けられている。また、スタンド支持部71のうち、一のスタンド支持部71に取り付けられた摺動駆動モータ76は、他のスタンド支持部71に取り付けられた摺動駆動モータ76とは、独立して駆動することができる。即ち、例えば機枠21の左後部に配置された摺動駆動モータ76は、機枠21の左前部に配置された摺動駆動モータ76とは独立して駆動可能である。
図11に示すように、第1伝達具77は、摺動駆動モータ76の駆動軸と一体回転可能に取り付けられ、且つ螺子溝が形成されている。第1伝達具77は、鉛直方向に延びる軸心廻りに回動自在に支持された軸状部材である。第1伝達具77は、鉛直方向に延びており、駆動軸とともに回転する。第1伝達具77の下側の外周には螺子溝が形成されている。
図11に示すように、第2伝達具78は、第1伝達具77の軸心線に貫通しているリング形状の部材であり、スタンド70の上部に取り付けられており、当該軸心廻りに回動不能である。第2変換具98bの内周には、第1変換具98aに形成された螺子溝と対応する螺子溝が形成されている。第2伝達具78は、第1伝達具77の外周に取り付けられており、第1伝達具77の回転に応じて、鉛直方向の一方側(上側)又は他方側(下側)にスライドする。
スタンド支持部71の接地状態と不接地状態との切り換えの流れについて、先ずスタンド70及びスタンド支持部71が、不接地状態から接地状態に切り換わる場合を説明する。作業者が摺動操作具73に対して接地指令を行う操作を行うと、摺動操作具73が電動摺動機構75に接地指令を行う。電動摺動機構75が接地指令を取得すると、摺動駆動モータ76の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1伝達具77に伝達され、第1伝達具77が軸心廻りに回転する。第1伝達具77の回転に伴い、第1伝達具77の螺子溝と第2伝達具78の螺子溝とによって第2伝達具78が鉛直方向の他方側(下側)に押し下げられる。第2伝達具78が下側に押し下げられると、当該第2伝達具78が取り付けられたスタンド70が下方にスライドする。これにより、スタンド70の下端、即ち支持輪70aが接地することで、スタンド70及びスタンド支持部71は、接地状態に切り換わる。
つぎに、スタンド支持部71の接地状態と不接地状態との切り換えの流れについて、スタンド70及びスタンド支持部71が、接地状態から不接地状態に切り換わる場合を例に説明する。作業者が摺動操作具73に対して不接地指令を行う操作を行うと、摺動操作具73が電動摺動機構75に不接地指令を行う。電動摺動機構75が不接地指令を取得すると、摺動駆動モータ76の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。摺動駆動モータ76の電気モータは、電動摺動機構75が接地指令を取得した場合とは逆方向に駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1伝達具77に伝達され、第1伝達具77が軸心廻りに回転する。つまり、第1伝達具77は、電動摺動機構75が接地指令を取得した場合とは逆方向の軸心廻りに回転する。第1伝達具77の回転に伴い、第1伝達具77の螺子溝と第2伝達具78の螺子溝とによって第2伝達具78が鉛直方向の一方側(上側)に引き上げられる。第2伝達具78が上側に引き上げられると、当該第2伝達具78が取り付けられたスタンド70が上方にスライドする。これにより、スタンド70の下端、即ち支持輪70aが地上から離反することで、スタンド70及びスタンド支持部71は、不接地状態に切り換わる。
作業機1の連結構造50は、外部の砂埃や汚れからベアリング部61をシールする部材を備えている。具体的には、図5、図6に示すように、保持体60は、第1シール部80と、第2シール部81と、有している。第1シール部80及び第2シール部81は、例えばゴムやシリコン等の比較的柔軟な樹脂材料から形成されている。
図5、図6に示すように、第1シール部80は、ベアリング部61における連結具45aの基端側(前側)をシールする。また、第1シール部80は、当接壁64及び連結具45aとの間を閉鎖する。具体的には、第1シール部80は、正面視において略円環形状の部材であり、当接壁64の第2挿通孔64aの内周に段落ち形成された凹みに取り付けられる。また、第1シール部80は、中央部が前後方向A3に貫通している孔が形成されている。孔は、前側よりも後側の内径が小さくなっており、第1シール部80の孔の後側は、連結具45aの連結軸45a1の外周と摺接する。言い換えると、第1シール部80の孔は、連結具45aの連結軸45a1の挿入方向につれて、内径が小さくなっている。
図5、図6に示すように、第2シール部81は、ベアリング部61における連結具45aの先端側(後側)をシールする。また、第2シール部81は、筒状部63及び連結具45aとの間を閉鎖し、当接壁64とともにベアリング部61を挟持する。具体的には、第2シール部81は、第1シール材82と、第2シール材83と、Oリング84と、を含んでいる。第1シール材82は、略円環形状の部材であり、中央部が前後方向A3に貫通する孔が形成されている。第1シール材82の孔は、連結軸45a1の先端(後端)に外嵌されている。また、第1シール材82の孔は、後側よりも前側の内径が小さくなっており、当該孔の前側は、連結軸45a1の外周と摺接する。
図5、図6に示すように、第2シール材83は、筒状部63の第1挿通孔63aと内嵌され、且つ第1シール材82の外周と外嵌されており、筒状部63と第1シール材82との間を密閉する。第2シール材83は、ボルト等の締結部材によって、縦壁62aに取り付け固定されている。具体的には、第2シール材83は、覆壁部83aと、挿入凸部83bと、を含んでいる。覆壁部83aは、略円環形状の部材であり、筒状部63の外周から第1挿通孔63aの径内方に向かって延びている。覆壁部83aは、中央部が前後方向A3に貫通する孔が形成されており、当該孔の内径は、連結軸45a1の外径よりも小さい。また、覆壁部83aの前側は、筒状部63の後側と当接することで、筒状部63と連結軸45a1との間の空間を狭めている。挿入凸部83bは、第1挿通孔63aと第1シール材82との間に挿入される部分であり、第1挿通孔63aと内嵌され、且つ第1シール材82の外周と外嵌される。挿入凸部83bは、覆壁部83aの前側から前方に突出している。挿入凸部83bの前側は、ベアリング部61のアウタレース61aの後側と当接しており、当接壁64とともにベアリング部61を挟持する。また、図5、図6に示すように、挿入凸部83bの外周には、周方向に沿って溝が形成されている。
図5、図6に示すように、Oリング84は、第2シール材83と第1挿通孔63aとの間に配置され、第2シール材83と筒状部63との間を閉鎖する。具体的には、Oリング84は、円環状の部材であり、挿入凸部83bに形成された溝に取り付けられる。
第1シール部80は、ベアリング部61における連結具45aの先端側をシールし、第2シール部81は、ベアリング部61における連結具45aの基端側をシールするが、図5、図8に示すように、第1シール部80、及び/又は第2シール部81には、ベアリング部61にグリスを供給する連通孔85が形成されている。本実施形態において、連通孔85は、第2シール部81に形成されている。具体的には、連通孔85は、第2シール部81のうち第2シール材83に形成されている。連通孔85は、前後方向A3に貫通する孔であり、第2シール部81が閉鎖した空間と外部とを連通する。連通孔85には、栓部材86が着脱可能に取り付けられており、ベアリング部61にグリスを供給する際には、当該栓部材86を取り外し、ベアリング部61にグリスを供給しない場合には、栓部材86を取り付けることで、筒状部63及び連結具45aとの間を閉鎖できる。栓部材86は、例えば螺子溝が形成されたボルト等の締結部材であり、連通孔85の内周には、当該螺子溝と対応する螺子溝が形成されている。
作業機1の連結構造50は、対地作業装置20との連結及び当該連結の解除を作業者が手動で行わずに、電動で行う事が出来る。図4、図12、図13に示すように、下連結部58は、ロック部材90を有しており、作業機1の連結構造50は、ロック操作具94と、電動ロック機構95と、を備えている。
ロック部材90は、対地作業装置20の下係合部28aと連結する連結位置90aと、連結を解除する解除位置90bとに切り換え可能な部材である。具体的には、ロック部材90は、一対の下連結部58において、それぞれ車体幅方向B3に延びる軸心廻りに回動自在に設けられている。ロック部材90は、下連結部58に軸部91a廻りに回動自在に取り付けられている回動部91と、回動部91から下連結部58の凹部側に延び、中途部で上方に延びているフック部92と、回動部91からフック部92の反対側に延びている延設部93とを有している。
ロック操作具94は、連結構造50と対地作業装置20との連結を示す連結指令を行う操作と、連結構造50と対地作業装置20との連結の解除を示す解除指令を行う操作と、を行うことができる。ロック操作具94は、連結指令を行う操作位置と、解除指令を行う操作位置と、の切換操作が可能な切換スイッチである。ロック操作具94は、運転席5の周辺に配置されている。具体的には、例えば、ロック操作具94は、コンソールボックスに配置されている。なお、ロック操作具94は、運転席5の周辺に配置されていればよく、作業者が携帯可能なスイッチであってもよい。また、ロック操作具94は、切換スイッチに限定されず、切換位置を有さない押しボタンスイッチであってもよい。さらに、ロック操作具94は、連結指令を行う操作位置と、解除指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であればよく、作業者が所持しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
電動ロック機構95は、連結指令を取得した場合は、ロック部材90を連結位置90aに切り換え、解除指令を取得した場合は、ロック部材90を解除位置90bに切り換える機構である。図12に示すように、電動ロック機構95は、有線又は無線によってロック操作具94と接続されており、ロック操作具94の連結指令及び解除指令を取得できる。図4、図12、図13に示すように、電動ロック機構95は、ロック駆動モータ96と、ロックリンク機構97と、を有している。
ロック駆動モータ96は、ロックリンク機構97を駆動させるモータであり、電動モータ(DCモータ等)や当該電動モータ及び複数のギヤから構成されているギヤードモータである。図4に示すように、ロック駆動モータ96は、上連結部57に対して車体幅方向B3に偏移し、且つ連結枠51の上側に配置されている。本実施形態において、ロック駆動モータ96は、駆動軸が幅方向外方の下方から幅方向内方の上方に傾斜するよう配置されており、連結枠51の幅方向の一方側(左側)に設けられている。
図13に示すように、ロックリンク機構97は、ロック部材90と揺動可能に連結され、且つ当該ロック部材90を揺動させて連結位置90aと解除位置90bとに切り換える。ロックリンク機構97は、ロック駆動モータ96の駆動力によって駆動し、ロック部材90を揺動させる。ロックリンク機構97は、駆動力変換機構98と、第1ロックリンク99と、第2ロックリンク100と、第3ロックリンク101と、を有している。
図14に示すように、駆動力変換機構98は、ロック駆動モータ96の駆動軸廻りの駆動力を所定方向にスライドする駆動力に変換する機構である。駆動力変換機構98は、第1変換具98aと、第2変換具98bと、を有している。第1変換具98aは、所定方向に延びる軸心廻りに回動自在に支持された円筒状の部材である。第1変換具98aは、ロック駆動モータ96から動力を伝達され、軸心廻りに回転する。第1変換具98aの内周には、螺子溝が形成されている。第2変換具98bは、軸心線に沿って延びる円柱状の部材であり、第1変換具98aの軸心廻りに回動不能、且つ当該軸心に沿ってスライド可能に支持されている。第2変換具98bの外周には、第1変換具98aに形成された螺子溝と対応する螺子溝が形成されている。第2変換具98bは、第1変換具98aの内部に挿入されており、第1変換具98aの回転に応じて、軸心線の一方側(前側)又は他方側(後側)にスライドする。また、第2変換具98bの前側には、第1ロックリンク99の一端部が揺動可能に連結されている。
第1ロックリンク99、第2ロックリンク100、及び第3ロックリンク101は、厚板鋼板や棒材料を曲げ加工して形成された部材であり、それぞれ車体幅方向B3の軸心廻りに揺動可能に連結されている。図14に示すように、第1ロックリンク99は、一端部99aが第2変換具98bの前側と軸部99a1廻りに揺動可能に連結されている。第1ロックリンク99は、中途部99cで複数回屈曲しており、図4に示すように、他端部99bは、一端部99aに対して幅方向内方に偏移している。具体的には、他端部99bは、連結枠51を基準とした場合、車体幅方向B3の中央部に位置している。
図12、図13に示すように、第2ロックリンク100は、一端部100aが第1ロックリンク99の他端部99bと軸部100a1廻りに揺動可能に連結されており、他端部100bが上部体55の前部に設けられたブラケット102と軸部102a廻りに揺動可能に連結されている。また、第2ロックリンク100の中途部100cは、第3ロックリンク101の中途部が揺動可能に連結されている。
図4に示すように、第3ロックリンク101は、第2ロックリンク100と揺動可能に連結され、且つ車体幅方向B3の一方側(左側)のロック部材90と、車体幅方向B3の他方側(右側)のロック部材90と、を連結する部材である。具体的には、第3ロックリンク101は、正面視において略台形状であり、左端部101aは、車体幅方向B3に延びており、左側のロック部材90の延設部93と揺動可能に連結され、右端部101bは、右側のロック部材90の延設部93と揺動可能に連結されている。また、車体幅方向B3の中途部101cは、車体幅方向B3に延びており、第2ロックリンク100の中途部100cと揺動可能に連結されている。つまり、第3ロックリンク101の左側は、左端部101aから幅方向内方(右方)の上部に延び、第3ロックリンク101の右側は、右端部101bから幅方向内方(左方)の上部に延び、第3ロックリンク101の左側及び右側は、車体幅方向B3に延びる中途部101cによって連結されている。
ロックリンク機構97の一連の流れについて、先ずロック部材90が、解除位置90bから連結位置90aに移行して、連結構造50と対地作業装置20とが連結する場合を説明する。作業者がロック操作具94に対して連結指令を行う操作を行うと、ロック操作具94が電動ロック機構95に連結指令を行う。電動ロック機構95が連結指令を取得すると、ロック駆動モータ96の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1変換具98aに伝達され、第1変換具98aが軸心廻りに回転する。第1変換具98aの回転に伴い、第1変換具98aの螺子溝と第2変換具98bの螺子溝とによって第2変換具98bが軸心線の一方側(前側)にスライドする。第2変換具98bが前側にスライドすると、第1ロックリンク99の他端部99bが軸部99a1廻りに下方に揺動し、第2ロックリンク100の一端部100aは、ブラケット102と連結された軸部102a廻りに前側に揺動する。第2ロックリンク100の揺動によって、第3ロックリンク101は、前下方に移動し、第3ロックリンク101と連結されたロック部材90の延設部93を下方に移動させる。これにより、フック部92は、回動部91の軸部91a廻りに上方へ揺動し、ロック部材90は、解除位置90bから連結位置90aに切り換わる。このため、フック部92の上端が下係合部28aを係止することで、連結構造50と対地作業装置20とが連結する。
つぎに、ロック部材90が連結位置90aから解除位置90bに移行して、連結構造50と対地作業装置20との連結を解除する場合を説明する。作業者がロック操作具94に対して解除指令を行う操作を行うと、ロック操作具94が電動ロック機構95に解除指令を行う。電動ロック機構95が解除指令を取得すると、ロック駆動モータ96の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。具体的には、電動モータは、電動ロック機構95が連結指令を取得した場合とは逆方向に駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1変換具98aに伝達され、第1変換具98aが軸心廻り、詳しくは、電動ロック機構95が連結指令を取得した場合とは逆方向に回転する。第1変換具98aの回転に伴い、第1変換具98aの螺子溝と第2変換具98bの螺子溝とによって第2変換具98bが軸心線の他方側(後側)にスライドする。第2変換具98bが後側にスライドすると、第1ロックリンク99の他端部99bが軸部99a1廻りに上方に揺動し、第2ロックリンク100の一端部100aは、ブラケット102と連結された軸部102a廻りに後側に揺動する。第2ロックリンク100の揺動によって、第3ロックリンク101は、後上方に移動し、第3ロックリンク101と連結されたロック部材90の延設部93を上方に移動させる。これにより、フック部92は、回動部91の軸部91a廻りに下方へ揺動し、ロック部材90は、連結位置90aから解除位置90bに切り換わる。このため、フック部92の上端が下係合部28aよりも下方に移動することで、連結構造50と対地作業装置20との連結が解除される。
上述した実施形態において、電動ロック機構95は、ロック操作具94の操作によってロック部材90を連結位置90aと解除位置90bとに切り換えるが、電動ロック機構95は、ロック操作具94の操作とスタンド70及びスタンド支持部71の状態(接地状態、及び不接地状態)に応じてロック部材90を連結位置90aと解除位置90bとに切り換えてもよい。具体的には、図15に示すように、作業機1の連結構造50は、ロック制御部103を備えている。ロック制御部103は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されており、電動ロック機構95の制御を行う。なお、ロック制御部103は、電動ロック機構95の制御を行うことができればよく、作業機1に設けられ且つ作業機1における走行系の制御、作業系の制御等を行う制御装置で構成されていてもよい。ロック制御部103は、ロック操作具94と通信可能に接続されており、当該ロック操作具94から連結指令及び解除指令を取得可能である。また、ロック制御部103は、スタンド70及びスタンド支持部71の状態を取得することができる。具体的には、ロック制御部103は、摺動操作具73が行った接地指令及び不接地指令に基づいて、スタンド70及びスタンド支持部71の状態を取得する。ロック制御部103は、摺動操作具73と通信可能に接続されており、当該摺動操作具73から接地指令及び不接地指令を取得可能である。なお、本実施形態において、ロック制御部103は、摺動操作具73が行った接地指令及び不接地指令に基づいて、スタンド70及びスタンド支持部71の状態を取得するが、スタンド70及び/又はスタンド支持部71に当該スタンド70及び/スタンド支持部71の状態を検出するセンサが設けられ、ロック制御部103は、当該センサから出力された信号に基づいてスタンド70及びスタンド支持部71の状態を取得してもよく、その取得手段は、上記構成に限定されない。
ロック制御部103による電動ロック機構95の制御について詳しく説明すると、ロック制御部103は、スタンド70が接地状態であり、且つロック操作具94から解除指令を取得した場合に、ロック部材90を連結位置90aから解除位置90bに切り換えるよう制御する。詳しくは、ロック制御部103は、ロック操作具94から解除指令を取得すると、摺動操作具73から接地指令が行われているか否かを確認する。摺動操作具73から接地指令が行われている場合、ロック制御部103は、スタンド70が接地状態であると判断し、ロック操作具94の解除指令に基づいて、ロック部材90を連結位置90aから解除位置90bに切り換えるよう電動ロック機構95を制御する。
一方、摺動操作具73から不接地指令が行われている場合、ロック制御部103は、スタンド70が接地状態ではないと判断し、ロック操作具94の解除指令に基づいて、電動ロック機構95を制御しない。これによって、作業機1の連結構造50は、対地作業装置20が接地状態である場合にロック部材90の切換、即ち作業機1と対地作業装置20との連結及び解除の操作を行い、対地作業装置20が不接地状態である場合には、ロック部材90の切換、即ち作業機1と対地作業装置20との連結及び解除の操作を行わない。これにより、対地作業装置20が不接地状態である場合に、作業機1との連結を解除し、対地作業装置20が脱落することを抑止できる。
また、作業機1の連結構造50は、異なる仕様の対地作業装置20との連結を容易に切り換えることができる。本実施形態において、作業機1の連結構造50は、標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bと連結する状態と、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aと連結する状態と、に切り換えることができる。上連結部57は、標準3点リンク仕様の対地作業装置20Bの上係合部27aと、特殊3点リンク仕様の対地作業装置20Aの上係合部27aと、のいずれか一方を選択的に取り付けることができる。また、保持体60は、対地作業装置20の仕様に応じて、連結構造50における位置を切り換え、ジョイント軸45の連結具45aと連結できる。
図16A等に示すように、上連結部57は、上係合部27aが係合する複数の上連結片57aを含んでいる。複数の上連結片57aは、鉛直方向に並んでおり、上部体55からそれぞれ延設され、上部体55とともに側方視で鶏冠形状を形成する。複数の上連結片57aは、それぞれ前後方向A3及び/又は鉛直方向の位置が異なって配置されており、上方に開口している凹部を形成し、対地作業装置20の上係合部27aは、当該凹部に係合する。なお、本実施形態において、複数の上連結片57aは、2つであり、対地作業装置20が標準3点リンク仕様である場合、上係合部27aは、上側の上連結片57aと係合する。一方、対地作業装置20が特殊3点リンク仕様である場合、上係合部27aは、下側の上連結片57aと係合する。
図6、図7、図8に示すように、保持体60は、第1支持軸66と、第2支持軸67と、を有している。第1支持軸66は、車体幅方向B3に延びており、筒状部63及びベアリング部61の前後方向A3の中央部より後方に偏移して配置されている。具体的には、第1支持軸66は、保持具62に一対設けられており、当該保持具62の車体幅方向B3の両側からそれぞれ幅方向外方に延設されている軸状の部分である。詳しくは、第1支持軸66は、それぞれ保持具62の側壁62bの後端から幅方向外方に延設されている。保持体60は第1支持軸66を中心に揺動可能である。
図6、図7、図8に示すように、第2支持軸67は、車体幅方向B3に延び且つ第1支持軸66とは異なる軸状の部分である。第2支持軸67は、保持具62から幅方向外方向に突出した位置決め部材である。第2支持軸67は、第1支持軸66の前上方に配置されている。
図16A、図16Cに示すように、連結構造50は、ガイド体110と、位置操作レバー114と、を有している。ガイド体110は、保持体60を第1位置60aと、第1位置60aとは異なる第2位置60bとに切り換え可能に支持する。本実施形態において、第1位置60aは、特殊3点リンク仕様である対地作業装置20Aを連結する場合の保持体60の位置である。一方、第2位置60bは、標準3点リンク仕様である対地作業装置20Bを連結する場合の保持体60の位置である。第1位置60a及び第2位置60bは、前後方向A3及び/又は鉛直方向の位置が異なっており、本実施形態において、第1位置60aの高さは、第2位置60bの高さよりも低い。また、第1位置60aの前後方向A3の位置は、第2位置60bの前後方向A3の位置よりも前方である。
図4に示すように、ガイド体110は、車体幅方向B3に離反して一対配置されており、下補強材54の幅方向内方に取り付けられている。図16A、図16Cに示すように、ガイド体110には、第1支持軸66が摺動可能な溝部111と、第1係止部112と、第2係止部113と、が形成されている。溝部111は、ガイド体110の幅方向内方側に形成されており、保持体60を第1位置60aで支持する第1部分111aと、保持体60を第2位置60bで支持する第2部分111bと、を含んでいる。第1部分111a及び第2部分111bの位置は、それぞれ第1位置60a及び第2位置60bと対応している。本実施形態において、第1部分111aの高さは、第2部分111bの高さよりも低く、第1部分111aの前後方向A3の位置は、第2部分111bの前後方向A3の位置よりも前方である。
また、図16A、図16Bに示すように、溝部111は、第1部分111aと第2部分111bとを連結する摺動部111cを含んでいる。摺動部111cは、第1部分111aから上方に直線上に延びており、中途部で後上方に湾曲し、中途部から第2部分111bに向かって後下方に湾曲している。つまり、摺動部111cは、第1部分111aから上方に延びている直線部111c1と、直線部111c1から第2部分111bに湾曲している第1湾曲部111c2と、を含んでおり、溝部111は、側方視で逆J字状の溝である。
図16A、図16Bに示すように、第1係止部112及び第2係止部113は、第2支持軸67を係止する部分である。第1係止部112及び第2係止部113は、上面から下方に窪んでおり、第2支持軸67を係止可能である。第1係止部112及び第2係止部113の前後方向A3及び/又は鉛直方向の位置は、異なって配置されている。本実施形態において、第1係止部112は、ガイド体110の前部の鉛直方向の中途部に配置されており、第1支持軸66が第1部分111aに移動している場合に第2支持軸67が係止する。即ち、保持体60が第1位置60aに位置している場合、第1支持軸66は、第1部分111aに位置し、第2支持軸67は、第1係止部112に位置する。
一方、図16A、図16Bに示すように、第2係止部113は、第1係止部112よりも上方に配置されている。詳しくは、第2係止部113は、第1係止部112の後上方であって、ガイド体110の上部の前後方向A3の中途部に配置されている。第2係止部113は、第1支持軸66が第2部分111bに移動している場合に第2支持軸67が係止する。即ち、保持体60が第2位置60bに位置している場合、第2支持軸67は、第2部分111bに位置し、第2支持軸67は、第2係止部113に位置する。
位置操作レバー114は、保持体60の位置を変更操作可能なレバーであり、図31に示すように、運転席5に向かって延びている。図16A、図16B、図16Cに示すように、位置操作レバー114は、保持体60の上部と連結されており、保持体60から上方に延び、連結構造50と連結された作業機1の運転席5の後方に延びている。位置操作レバー114は、中途部で車体幅方向B3に屈曲しており、作業者が把持する部分が形成されている。作業者は、位置操作レバー114を把持して、当該位置操作レバー114を溝部111の形状に沿って操作することで保持体60の位置を変更操作する。なお、作業機1の運転席5に着座した作業者が操作できればよく、位置操作レバー114の形状や長さは、上記構成に限定されない。
位置操作レバー114の操作について、まず保持体60を第1位置60aから第2位置60bに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに後上方に引き上げ、第2支持軸67を第1係止部112との係止から離脱させる。第2支持軸67が第1係止部112との係止から離脱すると、作業者は、位置操作レバー114を上方に引き上げ、第1支持軸66を直線部111c1に沿って摺動させて、保持体60を上方へ移動させる。第1支持軸66が第1湾曲部111c2の上端に到達すると、作業者は、位置操作レバー114を第1湾曲部111c2の湾曲に沿って操作する。これによって、第1支持軸66が第2部分111bに移動し、作業者が操作レバーを第1支持軸66廻りに前方に操作すると、第2支持軸67が第2係止部113と係止し、保持体60が第2位置60bに移動する。このため、作業者は、運転席5に着座したまま、保持体60を第1位置60aから第2位置60bに位置を切り換えることができる。
つぎに、位置操作レバー114の操作について、保持体60を第2位置60bから第1位置60aに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに後上方に引き上げ、第2支持軸67を第2係止部113との係止から離脱させる。第2支持軸67が第2係止部113との係止から離脱すると、作業者は位置操作レバー114を上方に引き上げ、第1支持軸66を第1湾曲部111c2に沿って摺動させる。第1支持軸66が第1湾曲部111c2から直線部111c1に達すると、作業者は、操作レバーを下方に操作して、第1支持軸66が直線部111c1に沿って移動し、第1部分111aに到達する。第1支持軸66が第1部分111aに到達すると、作業者は、操作レバーを第1支持軸66廻りに前方に操作し、第2支持軸67が第1係止部112と係止して、保持体60が第1位置60aに移動する。これによって、作業者は、運転席5に着座したまま、保持体60を第2位置60bから第1位置60aに位置を切り換えることができる。
なお、上述した実施形態においては、作業者が位置操作レバー114をガイド体110の溝部111の形状に沿って操作するが、連結構造50は、第1支持軸66を案内する部材を備え、保持体60の移動をスムーズにすることで位置操作レバー114の操作性を向上させるような構成であってもよい。具体的には、図17A~図17Dに示すように、連結構造50は、第1支持軸66を案内するガイド板115を備えている。
ガイド板115は、ガイド体110に揺動可能に取り付けられており、第1スリット119と第2スリット120とが形成されている。ガイド板115は、厚板鋼板を加工することで形成されている板状部材である。ガイド板115は、側方視で例えば3つの頂点(第1頂点116、第2頂点117、第3頂点118)を有する略三角形状である。第1頂点116は、ガイド板115の前側の頂点であり、第2頂点117は、ガイド板115の後側上部の頂点であり、第3頂点118は、ガイド板115の後側下部の頂点である。ガイド板115は、第1頂点116側においてガイド体110と軸部116a廻りに揺動可能に連結されている。具体的には、第1頂点116側には、車体幅方向B3に貫通する孔が形成されており、当該孔に挿通される軸部116aによって、ガイド体110と揺動可能に連結されている。
図17A~図17Dに示すように、第1スリット119は、第1支持軸66が摺動する長孔である。第1スリット119は、車体幅方向B3に貫通しており、後部に配置されており、第3頂点118側から第1頂点116側に向かって延びている。第1スリット119の前側は、保持体60が第1位置60aに位置しており、第1支持軸66が第1部分111aに位置している場合に当該第1支持軸66が位置する。一方、第1スリット119の後側は、保持体60が第2位置60bに位置しており、第1支持軸66が第2部分111bに位置している場合に当該第1支持軸66が位置する。
図17A~図17Dに示すように、第2スリット120は、第2支持軸67が摺動する長孔である。詳しくは、第2スリット120は、ガイド板115の軸部115a廻りの揺動に応じて第2支持軸67が摺動し、当該第2支持軸67は、第1係止部112と第2係止部113とのいずれか一方と係止する。第2スリット120は、車体幅方向B3に貫通しており、第2頂点117側から第1頂点116側に向かって延びている。第2スリット120の前側は、保持体60が第1位置60aに位置しており、第2支持軸67が第1係止部112に係止している場合に当該第2支持軸67が位置する。一方、第2スリット120の後側は、保持体60が第2位置60bに位置しており、第2支持軸67が第2係止部113に係止している場合に当該第2支持軸67が位置する。
位置操作レバー114の操作について、まず保持体60を第1位置60aから第2位置60bに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、図17Bに示すように、保持体60が第1位置60aに位置している状態から位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに後上方に引き上げ、第2支持軸67を第1係止部112との係止から離脱させる。第2支持軸67が第1係止部112との係止から離脱すると、第2支持軸67の移動によって、第2スリット120の上端が上方に押し上げられて、ガイド板115が軸部116a廻りに上方へ揺動する。ガイド板115が上方へ揺動すると、第2支持軸67が第2スリット120の前側から後側に移動し、第1支持軸66が第1スリット119の前側から後側に移動する。作業者は、位置操作レバー114を上方に引き上げ、第1支持軸66を直線部111c1に沿って摺動させて、保持体60を上方へ移動させる。図17Cに示すように、第1支持軸66が第1湾曲部111c2の上端に到達すると、第1支持軸66は、保持体60の自重又は位置操作レバー114の操作によって第2湾曲部111c3の上端から第2部分111bに移動し、第1スリット119の後端に達する。第1支持軸66が第1スリット119の後端に達することで、ガイド板115が軸部116a廻りに下方へ揺動し、第2支持軸67が第2スリット120の後端に案内される。第2支持軸67が第2スリット120の後端に案内されると、第2支持軸67が第2係止部113と係止し、図17Dに示すように、保持体60が第2位置60bに移動する。これによって、第1支持軸66がガイド板115の第1スリット119を摺動し、第2支持軸67が第2スリット120を摺動して、保持体60は、所定の姿勢を維持しつつ、第1位置60aから第2位置60bに位置を切り換えることができる。これによって、第1支持軸66がガイド板115の第1スリット119を摺動し、第2支持軸67が第2スリット120を摺動して、保持体60は、所定の姿勢を維持しつつ、第1位置60aから第2位置60bに位置を切り換えることができる。
つぎに、位置操作レバー114の操作について、保持体60を第2位置60bから第1位置60aに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、図17Dに示すように保持体60が第2位置60bに位置している状態から位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに後上方に引き上げ、第2支持軸67を第2係止部113との係止から離脱させる。第2支持軸67が第2係止部113との係止から離脱すると、第2支持軸67の移動によって、第2スリット120の下端が下方に押し下げられて、ガイド板115が軸部116a廻りに下方へ揺動する。ガイド板115が下方へ揺動すると、第2支持軸67が第2スリット120の後側から前側に移動し、第1支持軸66が第1スリット119の後側から前側に移動する。第2支持軸67が第2係止部113との係止から離脱すると、作業者は、位置操作レバー114を上方に引き上げ、第1支持軸66を第1湾曲部111c2に沿って摺動させて、保持体60を上方へ移動させる。図17Cに示すように、第1支持軸66が第1湾曲部111c2の上端に到達すると、作業者は、位置操作レバー114を第1湾曲部111c2の湾曲に沿って操作して、保持体60を前方へ移動させる。保持体60が前方へ移動すると、保持体60の自重、又は操作レバーの操作によって、第1支持軸66が直線部111c1に沿って下方へ移動し、第1部分111aに到達する。第1支持軸66が第1部分111aに到達すると、作業者は、操作レバーを第1支持軸66廻りに前方に操作し、第2支持軸67が第1係止部112と係止して、図17Bに示すように、保持体60が第1位置60aに移動する。これによって、第1支持軸66がガイド板115の第1スリット119を摺動し、第2支持軸67が第2スリット120を摺動して、保持体60は、所定の姿勢を維持しつつ、第2位置60bから第1位置60aに位置を切り換えることができる。
また、位置操作レバー114が保持体60ではなく、ガイド板115に対して揺動可能に取り付けられた部材に取り付けられ、保持体60の移動を一層スムーズにして、位置操作レバー114の操作性を向上させるような構成であってもよい。具体的には、図18A~図18Dに示すように、連結構造50は、案内部104を備えている。案内部104は、ガイド板115に軸部104a1廻りに揺動可能に取り付けられ且つ位置操作レバー114が取り付けられた揺動部104aと、揺動部104aから延設されており且つ第1支持軸66を案内する案内片104bとを有している。揺動部104aは、ガイド板115の軸部116aよりも後方において、当該ガイド板115に車体幅方向B3に延びる軸部104a1に揺動可能に連結されている。具体的には、揺動部104aは、ガイド板115の第1頂点116と第2頂点117との間であって、第1頂点116寄りに配置された軸において揺動可能に取り付けられている。揺動部104aの前側には位置操作レバー114が取り付けられている。
図18A~図18Dに示すように、案内片104bは、揺動部104aから延設されており且つ揺動部104aから離れる方向につれて先細り形状の部分である。案内片104bは、揺動部104aであって位置操作レバー114とは反対側から延設されている。案内片104bは、上端で第1支持軸66を押し上げ、当該第1支持軸66を案内することができる。なお、案内片104bの形状は、先細り形状に限定されず、第1支持軸66を挟持するような二股形状であってもよいし、上記形状に限定されない。
また、図18A~図18Dに示すように、摺動部111cは、直線部111c1に代えて第2湾曲部111c3を含んでいる。第2湾曲部111c3は、第1部分111aから後上方に延び、湾曲しつつ前上方に延びている。詳しくは、第2湾曲部111c3は、ガイド板115の軸部116aと中心とする円弧を描いている。つまり、摺動部111cは、第1部分111aから延びている第2湾曲部111c3と、第2湾曲部111c3から第2部分111bに湾曲している第1湾曲部111c2と、を含んでおり、溝部111は、側方視で逆クエスチョンマーク形状の溝である。
位置操作レバー114の操作について、まず保持体60を第1位置60aから第2位置60bに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに前上方に引き上げ、図18Bに示すように保持体60が第1位置60aに位置している状態から第1支持軸66を第1部分111aから第2湾曲部111c3に沿って上方に移動させる。また、位置操作レバー114の操作及び第1支持軸66の移動に伴って、ガイド板115が軸部116a廻りに上方へ揺動する。ガイド板115が軸部116a廻りに上方へ揺動すると、第2スリット120の下端が第2支持軸67を押し上げ、第2支持軸67を第1係止部112との係止から離脱させる。さらに、作業者が位置操作レバー114を前上方へ移動させると、ガイド板115が軸部116a廻りに上方へ揺動し、第1支持軸66が第1スリット119の前側から後側に移動し、第2支持軸67が第2スリット120の前側から後側に移動する。さらに、第1支持軸66が第1湾曲部111c2の上端に到達すると、作業者は、位置操作レバー114を後方に操作する。位置操作レバー114を後方へ操作すると、第1支持軸66は、保持体60の自重又は位置操作レバー114の操作によって第2湾曲部111c3の上端から第2部分111bに移動し、第1スリット119の後端に達する。第1支持軸66が第1スリット119の後端に達することで、ガイド板115が軸部116a廻りに下方へ揺動し、第2支持軸67が第2スリット120の後端に案内される。第2支持軸67が第2スリット120の後端に案内されると、第2支持軸67が第2係止部113と係止し、図18Dに示すように、保持体60が第2位置60bに移動する。つまり、保持体60は、位置操作レバー114の操作による案内部104の揺動に応じて、第1支持軸66が溝部111を摺動し、第1部分111a及び第2部分111bに移動することで、第2位置60bに位置変更可能である。これによって、位置操作レバー114の操作性を向上させつつ、第1位置60aから第2位置60bに位置を切り換えることができる。
つぎに、位置操作レバー114の操作について、保持体60を第2位置60bから第1位置60aに移動させる場合を例に説明する。運転席5に着座した作業者は、連結構造50側(後方)を向いて、位置操作レバー114を把持する。作業者は、位置操作レバー114を第1支持軸66廻りに前上方に引き上げ、図18Dに示すように保持体60が第2位置60bに位置している状態からガイド板115を軸部116a廻りに上方へ揺動させる。ガイド板115が軸部116a廻りに上方へ揺動すると、第2スリット120によって第2支持軸67が上方へ引き上げられ、当該第2支持軸67を第2係止部113との係止から離脱させる。第2支持軸67が第2係止部113との係止から離脱すると、第1スリット119によって第1支持軸66が第1部分111aから第1湾曲部111c2を沿って移動される。図18Cに示すように、第1支持軸66が第1湾曲部111c2の上端に達すると、作業者は、位置操作レバー114を上方に操作し、第1支持軸66は、保持体60の自重又は位置操作レバー114の操作によって第2湾曲部111c3を下方に移動し、第2支持軸67は、自重によって下方に移動する。第1支持軸66によって第1スリット119の下端が押し下げられ、且つ第2支持軸67によって第2スリット120の下端が押し下げられ、ガイド板115を軸部116a廻りに下方へ揺動する。第1支持軸66が第1部分111aに到達し、第2支持軸67が第1係止部112と係止して、図18Dに示すように、保持体60が第1位置60aに移動する。つまり、保持体60は、位置操作レバー114の操作による案内部104の揺動に応じて、第1支持軸66が溝部111を摺動し、第1部分111a及び第2部分111bに移動することで、第1位置60aに位置変更可能である。これによって、位置操作レバー114の操作性を向上させつつ、第2位置60bから第1位置60aに位置を切り換えることができる。
上述した作業機1の連結構造50は、作業機1のリンク機構14と連結される連結枠51と、連結枠51から延設され、且つ対地作業装置20の上係合部27aと係合する上連結部57と、連結枠51から車体幅方向B3に一対延設され、且つ対地作業装置20の下係合部28aと連結する連結位置90aと、連結を解除する解除位置90bとに切り換え可能なロック部材90を有する下連結部58と、連結を示す連結指令を行う操作と、連結の解除を示す解除指令を行う操作と、が可能なロック操作具94と、連結指令を取得した場合は、ロック部材90を連結位置90aに切り換え、解除指令を取得した場合は、ロック部材90を解除位置90bに切り換える電動ロック機構95と、を備えている。上記構成によれば、ロック操作具94を操作することで、作業機1と対地作業装置20とを連結、及び当該連結の解除を簡単に行うことができる。
また、電動ロック機構95は、ロック部材90と揺動可能に連結され、且つ当該ロック部材90を揺動させて連結位置90aと解除位置90bとに切り換えるロックリンク機構97と、ロックリンク機構97を駆動させるロック駆動モータ96と、を有しており、ロック駆動モータ96は、上連結部57に対して、車体幅方向B3に偏移して配置されている。上記構成によれば、ロック駆動モータ96が上連結部57と干渉することを抑制できる。
また、ロック駆動モータ96は、連結枠51の上側に配置されており、ロックリンク機構97は、ロック駆動モータ96から下方に延び、ロック部材90と連結されている。上記構成によれば、ロック駆動モータ96に土埃や土壌等が付着することを抑止できる。このため、ロック駆動モータ96の内部に土埃や土壌等が侵入することを回避できる。
また、ロック操作具94は、作業機1に設けられた運転席5の周辺に配置されている。上記構成によれば、作業者は、運転席5に着座しながら、作業機1と対地作業装置20とを連結、及び当該連結の解除を行うことができ、作業性を向上させることができる。
また、作業機1の連結構造50は、ロック操作具94から連結指令及び解除指令を取得し、且つ電動ロック機構95を制御するロック制御部103を備え、対地作業装置20は、接地している接地状態と、接地していない不接地状態と、を切換可能なスタンド70を有し、ロック制御部103は、スタンド70が接地状態であり、且つロック操作具94から解除指令を取得した場合に、ロック部材90を連結位置90aから解除位置90bに切り換えるよう電動ロック機構95を制御し、スタンド70が不接地状態であり、且つロック操作具94から解除指令又は連結指令を取得した場合に、電動ロック機構95を制御しない。上記構成によれば、作業機1の連結構造50は、対地作業装置20が接地状態である場合にロック部材90の切換、即ち作業機1と対地作業装置20との連結及び解除の操作を行い、対地作業装置20が不接地状態である場合には、ロック部材90の切換、即ち作業機1と対地作業装置20との連結及び解除の操作を行わない。これにより、対地作業装置20が不接地状態である場合に、作業機1との連結を解除し、対地作業装置20が脱落することを抑止できる。
また、対地作業装置20は、上係合部27a及び下係合部28aが設けられた機枠21と、機枠21に支持され、且つ対地作業を行う対地作業部41と、を有している。上記構成によれば、対地作業を行う対地作業装置20を容易に脱着できる。
また、作業機1の連結構造50は、作業機1のリンク機構14と連結される連結枠51と、鉛直方向に並んで配置され、且つ対地作業装置20の上係合部27aが係合する複数の上連結片57aを含み、且つ連結枠51から延設された上連結部57と、対地作業装置20の下係合部28aと係合し、且つ連結枠51から車体幅方向B3に一対延設された下連結部58と、作業機1の出力軸13から動力を伝達されるジョイント軸45の連結具45aと連結する第1位置60aと、連結具45aと連結し且つ第1位置60aとは異なる第2位置60bと、に位置変更可能である保持体60と、保持体60を第1位置60aで支持する第1部分111aと、保持体60を第2位置60bで支持し且つ第1部分111aとは異なる第2部分111bと、を含む溝部111が形成されたガイド体110と、保持体60の位置を変更操作可能な位置操作レバー114と、保持体60は、車体幅方向B3に延び、且つ溝部111を摺動して第1部分111aと第2部分111bとに移動可能である第1支持軸66を有しており、位置操作レバー114の操作に応じて、第1支持軸66が第1部分111a及び第2部分111bに移動することで、第1位置60a及び第2位置60bに位置変更可能である。上記構成によれば、位置操作レバー114を操作することで保持体60の位置を第1位置60aと第2位置60bとに簡単に切り換え、異なる仕様の対地作業装置20と連結できる。
また、第1部分111a及び第2部分111bは、鉛直方向及び/又は前後方向A3に位置が異なり、第1位置60a及び第2位置60bは、鉛直方向及び/又は前後方向A3に位置が異なる。上記構成によれば、保持体60の位置を第1位置60aと第2位置60bとに切り換えることで、ジョイント軸45の鉛直方向及び/又は前後方向A3の位置が仕様によって異なる対地作業装置20と連結できる。
また、作業機1の連結構造50は、ガイド体110に揺動可能に取り付けられ、且つ第1支持軸66が摺動する第1スリット119が形成されたガイド板115を備え、第1支持軸66は、ガイド板115の揺動に応じて、第1スリット119及び溝部111を摺動し、第1部分111a及び第2部分111bに移動する。上記構成によれば、第1支持軸66がガイド板115によってスムーズに摺動するため、位置操作レバー114の操作が一層簡単になる。これにより、作業者は、保持体60の位置を第1位置60aと第2位置60bとに一層簡単に切り換えることができる。
また、保持体60は、車体幅方向B3に延び且つ第1支持軸66とは異なる第2支持軸67を有しており、ガイド体110は、第2支持軸67が係止する第1係止部112と、第2支持軸67が係止し、且つ第1係止部112よりも上方に配置された第2係止部113と、を有している。上記構成によれば、保持体60は、第1支持軸66及び第2支持軸67によって支持されるため、第1位置60aに位置する場合と第2位置60bに位置する場合との両方において、姿勢を安定させることができる。このため、保持体60は、連結具45aと安定して連結することができる。
また、ガイド板115は、第2支持軸67が摺動する第2スリット120が形成されており、第2支持軸67は、ガイド板115の揺動に応じて、第2スリット120を摺動して第1係止部112と第2係止部113とのいずれか一方と係止する。上記構成によれば、第2支持軸67がガイド板115によってスムーズに摺動するため、位置操作レバー114の操作が一層簡単になる。
また、位置操作レバー114は、保持体60と連結されており、保持体60は、位置操作レバー114の操作に応じて、第1支持軸66が溝部111を摺動し、第1部分111a及び第2部分111bに移動することで、第1位置60a及び第2位置60bに位置変更可能である。上記構成によれば、位置操作レバー114の操作は、保持体60の移動軌跡と近いため、作業者は、直観的に位置操作レバー114を操作できる。
また、作業機1の連結構造50は、位置操作レバー114と連結され、且つガイド板115に対して揺動可能に取り付けられた案内部104を備え、保持体60は、位置操作レバー114の操作による案内部104の揺動に応じて、第1支持軸66が溝部111を摺動し、第1部分111a及び第2部分111bに移動することで、第1位置60a及び第2位置60bに位置変更可能である。上記構成によれば、位置操作レバー114の操作軌跡と保持体60の移動軌跡が異なり、位置操作レバー114の操作を簡略化できる。
また、位置操作レバー114は、作業機1に設けられた運転席5に向かって延びている。上記構成によれば、作業者は、運転席5に着座しながら、保持体60の位置を切り換えることができ、作業性を向上させることができる。
また、作業機1の連結構造50は、作業機1のリンク機構14と連結される連結枠51と、連結枠51から延設され、且つ対地作業装置20の上係合部27aと係合する上連結部57と、連結枠51から車体幅方向B3に一対延設され、且つ対地作業装置20の下係合部28aと連結された下連結部58と、作業機1の出力軸13から動力を伝達するジョイント軸45の連結具45aを回転自在に支持するベアリング部61を有する保持体60と、を備え、保持体60は、ベアリング部61における連結具45aの先端側をシールする第1シール部80と、ベアリング部61における連結具45aの基端側をシールする第2シール部81と、を有している。上記構成によれば、砂埃や汚れ等がベアリング部61に侵入することを抑制することができる。これによって、ジョイント軸45の連結具45aの円滑な支持と耐久性を両立することができる。
また、第1シール部80、及び/又は第2シール部81には、ベアリング部61と外部とを連通し、栓部材86が着脱可能に取り付けられた連通孔85が形成されている。上記構成によれば、ベアリング部61を砂埃や汚れ等から防護するとともに、ベアリング部61への給油を行うことができる。
また、保持体60は、ベアリング部61が外嵌される中空の筒状部63と、筒状部63から延設され、ベアリング部61と当接する当接壁64と、を有し、第1シール部80は、当接壁64と連結具45aとの間を閉鎖し、第2シール部81は、筒状部63と連結具45aとの間を閉鎖し、且つ当接壁64とともにベアリング部61を挟持する。上記構成によれば、第2シール部81は、ベアリング部61をシールするとともに、当接壁64とともにベアリング部61の挟持を兼用することができる。これにより、部品点数が過剰に増えることを回避しつつ、ベアリング部61のシールと脱落抑止を実現することができる。
また、対地作業装置20は、作業機1と連結される上係合部27aと、作業機1と連結され、且つ上係合部27aの下方に位置する下係合部28aと、を有する機枠21と、機枠21に支持され、且つ対地作業を行う対地作業部41と、接地可能なスタンド70と、機枠21と連結され、且つスタンド70を摺動可能に支持し、スタンド70を接地する接地状態と、スタンド70を接地させない不接地状態に切り換え可能なスタンド支持部71と、接地状態を示す接地指令を行う操作と、不接地状態を示す不接地指令を行う操作と、が可能な摺動操作具73と、接地指令を取得した場合は、スタンド支持部71に対してスタンド70を摺動させて接地状態に切り換え、不接地指令を取得した場合は、スタンド支持部71に対してスタンド70を摺動させて不接地状態に切り換える電動摺動機構75と、を備えている。上記構成によれば、作業者は、摺動操作具73を操作することで、対地作業装置20のスタンド支持部71を接地状態と不接地状態に切り換えることができる。これにより、対地作業装置20の接地及び不接地を簡単に切り換えることができる。
また、電動摺動機構75は、摺動駆動モータ76と、摺動駆動モータ76の駆動軸と一体回転可能に取り付けられ、且つ螺子溝が形成された第1伝達具77と、スタンド70の上部に連結され、且つ第1伝達具77と対応する螺子溝が形成された第2伝達具78と、を有し、第2伝達具78は、第1伝達具77の回転に応じて、スタンド70を摺動させる。上記構成によれば、比較的簡単な構造で摺動駆動モータ76の回転駆動力を変換し、スタンド70を摺動させることができる。これにより、電動摺動機構75をコンパクトにすることができ、組み付けが容易になり、さらには電動摺動機構75の生産性を向上させる。
また、電動摺動機構75は、スタンド支持部71に対してスタンド70を鉛直方向に摺動させる。上記構成によれば、スタンド70が傾斜方向に摺動する場合や揺動する場合に比べて当該スタンド70の摺動距離が少なくなるため、接地状態と不接地状態との切換シーケンスを短くできる。
また、スタンド70、スタンド支持部71、及び電動摺動機構75は、少なくとも機枠21の前部と後部に配置されており、機枠21の前部に配置されたスタンド70と、機枠21の後部に配置されたスタンド70は、独立して摺動可能である。上記構成によれば、機枠21の前部に配置されたスタンド70と、機枠21の後部に配置されたスタンド70と、で別々に摺動させることで、対地作業装置20の姿勢を変更することができる。
また、摺動操作具73は、作業機1に設けられた運転席5の周辺に配置されている。上記構成によれば、作業者は、作業機1から降車することなく、対地作業装置20の接地及び不接地を簡単に切り換えることができる。これにより、対地作業装置20の作業性を向上させることができる。
また、スタンド70は、先端部に回転自在に設けられた支持輪70aを有している。上記構成によれば、対地作業装置20は、接地した状態での移動が可能となり、利便性が向上する。
[第2実施形態]
図19~図22は、対地作業装置20の別の実施形態(第2実施形態)を示す。第2実施形態における対地作業装置20のスタンド170は、第1実施形態における対地作業装置20のスタンド170と異なり、機枠21に対して揺動可能に連結されている。また、対地作業装置20は、スタンド170の揺動を規制する規制状態180aと、当該規制を解除する規制解除状態180bと、を切換可能な規制具180を備えている。
以下、第2実施形態の対地作業装置20について、上述した実施形態(第1実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
具体的には、対地作業装置20は、スタンド170と、スタンド支持ブラケット171と、スタンド操作具172と、電動スタンド機構173と、規制具180と、規制操作具181と、電動規制機構182と、を備えている。スタンド170は、一端側がスタンド支持ブラケット171に支持された長尺の部材である。図19、図20に示すように、スタンド170は、例えば角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)から形成されている。スタンド170は、回転自在に設けられた支持輪170aを有している。スタンド170の他端側(先端部)は、二股状に分かれており、支持輪170aを回転自在に挟持している。また、スタンド170の一端側には、前後方向A3に貫通する規制孔170bが形成されている。規制孔170bは、スタンド170の一端側であって、揺動軸171aよりも他端側よりに配置されている。
図19、図20に示すように、スタンド支持ブラケット171は、機枠21と連結されており、スタンド170を揺動可能に支持する。具体的には、スタンド支持ブラケット171は、前後方向A3に向いている揺動軸171aの軸心廻りにスタンド170を揺動可能に支持している。スタンド支持ブラケット171は、スタンド170を幅方向内方に揺動可能に支持している。
第1実施形態同様、スタンド170及びスタンド支持ブラケット171は、対地作業装置20の前部と後部とにそれぞれ一対設けられている。スタンド支持ブラケット171は、機枠21の前部と後部とにそれぞれ車体幅方向B3の一方側(左側)と他方側(右側)とに連結されている。スタンド支持ブラケット171の上端部は、例えばサポートアーム24L,24Rの下部に設けられたブラケットや支持枠30の後部フレーム33に連結されている。なお、本実施形態において、スタンド170及びスタンド支持ブラケット171は、対地作業装置20の前部と後部とにそれぞれ一対設けられているが、スタンド170及びスタンド支持ブラケット171は、対地作業装置20を接地できればよく、その数や取り付け位置は、上記構成に限定されない。
スタンド170及びスタンド支持ブラケット171の接地状態及び不接地状態について説明すると、図19に示すように、スタンド支持ブラケット171は、接地状態において、他端側が下方を向くようスタンド170を支持する。つまり、スタンド170は、接地状態において、鉛直方向に延びて配置されており、支持輪170aが接地する。一方、図20に示すように、スタンド支持ブラケット171は、不接地状態において、他端側が幅方向内方を向くようスタンド170を支持する。つまり、スタンド170は、不接地状態において、車体幅方向B3に延びて配置されており、支持輪170aは接地せず、接地面から離反する。
スタンド操作具172は、接地状態を示す接地指令を行う操作と、不接地状態を示す不接地指令を行う操作と、を行うことができる。スタンド操作具172は、接地指令を行う操作位置と、不接地指令を行う操作位置と、の切換操作が可能な切換スイッチである。スタンド操作具172は、運転席5の周辺に配置されている。具体的には、例えば、スタンド操作具172は、コンソールボックスに配置されている。なお、スタンド操作具172は、運転席5の周辺に配置されていればよく、作業者が携帯可能なスイッチであってもよい。また、スタンド操作具172は、切換スイッチに限定されず、切換位置を有さない押しボタンスイッチであってもよい。さらに、スタンド操作具172は、接地指令を行う操作位置と、不接地指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であればよく、作業者が所持しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
電動スタンド機構173は、接地指令を取得した場合は、スタンド170を接地状態に切り換え、不接地指令を取得した場合は、スタンド170を不接地状態に切り換える。具体的には、電動スタンド機構173は、接地指令を取得した場合に、他端側が下方を向いて、支持輪170aが接地するようスタンド170を揺動させる。一方、電動スタンド機構173は、不接地指令を取得した場合に、他端側が幅方向内方を向いて、支持輪170aが接地しないようスタンド170を揺動させる。図19に示すように、電動スタンド機構173は、有線又は無線によってスタンド操作具172と接続されており、スタンド操作具172の接地指令及び不接地指令を取得できる。電動スタンド機構173は、スタンド駆動モータ174と、伝達ケース175と、揺動駆動部176と、を有している。
スタンド駆動モータ174は、揺動駆動部176を駆動させるモータであり、電動モータ(DCモータ等)や当該電動モータ及び複数のギヤから構成されているギヤードモータである。スタンド駆動モータ174は、スタンド支持ブラケット171の上方であって且つ後部フレーム33に取り付けられている。
伝達ケース175は、内部に動力を伝達する複数のギヤを有している。伝達ケース175が有する複数のギヤは、スタンド駆動モータ174の動力を変速し、揺動駆動部176に伝達する。複数のギヤは、スタンド駆動モータ174から動力を伝達される入力ギヤと、揺動駆動部176に動力を伝達する出力ギヤとを有している。
揺動駆動部176は、スタンド駆動モータ174の駆動によってスタンド170を揺動させる部分である。揺動駆動部176は、例えばスタンド170の上部において当該スタンド170と一体となって取り付けられており、伝達ケース175から伝達された動力によって揺動軸171a廻りに回動するよう取り付けられている。揺動駆動部176は、厚板鋼板から形成されており、板面が揺動軸171aの軸心方向(前後方向A3)を向いて配置され、正面視において略扇形状である。揺動駆動部176の円弧部分には、伝達ケース175の出力ギヤの外周に設けられた歯と対応する歯が設けられている。当該歯は、円弧部分の一端から他端に亘って設けられている。このため、スタンド駆動モータ174から伝達ケース175に動力が伝達され、当該動力は、出力ギヤから揺動駆動部176に伝達される。出力ギヤが回転することで揺動駆動部176は、揺動軸171a廻りに揺動し、揺動駆動部176が取り付けられたスタンド170は、揺動軸171aの軸心廻りに揺動する。これによって、揺動駆動部176は、スタンド駆動モータ174の駆動によってスタンド170を揺動させ、スタンド170を接地状態と不接地状態に切り換える。
規制具180は、スタンド170の接地状態と不接地状態との切換を規制する規制状態180aと、当該規制の解除を行う規制解除状態180bとの切換を行う。規制具180は、例えばスタンド170の揺動を規制することで、スタンド170の接地状態と不接地状態との切換を規制する規制状態180aと、当該規制の解除を行う規制解除状態180bとの切換を行う。図21、図22に示すように、規制具180は、例えば前後方向A3に延びて配置されたピンである。規制具180は、規制孔170bに挿通されることで、スタンド170の揺動を規制することができる(規制状態180a)。また、規制具180は、規制孔170bから抜去されることで、スタンド170の揺動を許容することができる(規制解除状態180b)。
規制操作具181は、スタンド170の接地状態と不接地状態との切換の規制を示す規制指令、及び当該規制の解除を示す規制解除指令を行うことができる。規制操作具181は、規制指令を行う操作位置と、規制解除指令を行う操作位置と、の切換操作が可能な切換スイッチである。規制操作具181は、運転席5の周辺に配置されている。具体的には、例えば、規制操作具181は、コンソールボックスに配置されている。なお、規制操作具181は、運転席5の周辺に配置されていればよく、作業者が携帯可能なスイッチであってもよい。また、規制操作具181は、切換スイッチに限定されず、切換位置を有さない押しボタンスイッチであってもよい。さらに、規制操作具181は、規制指令を行う操作位置と、規制解除指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であればよく、作業者が所持しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
電動規制機構182は、規制指令を取得した場合に規制具180を規制状態180aに切り換え、規制解除指令を取得した場合に規制具180を規制解除状態180bに切り換える機構である。図21、図22に示すように、電動規制機構182は、有線又は無線によって規制操作具181と接続されており、規制操作具181の規制指令及び規制解除指令を取得できる。電動規制機構182は、ブラケット183と、規制駆動モータ184と、複数の伝達ギヤ185と、ピン摺動部186と、を有している。
ブラケット183は、規制駆動モータ184、複数の伝達ギヤ185、及びピン摺動部186を支持枠30の側部フレーム31に取り付ける部材である。ブラケット183は、例えば支持枠30の側部フレーム31の後端に取り付けられている。
規制駆動モータ184は、ピン摺動部186を駆動させるモータであり、電動モータ(DCモータ等)や当該電動モータ及び複数のギヤから構成されているギヤードモータである。
複数の伝達ギヤ185は、規制駆動モータ184の動力をピン摺動部186に伝達するギヤである。複数の伝達ギヤ185は、規制駆動モータ184から動力を伝達される入力ギヤと、ピン摺動部186に動力を伝達する出力ギヤとを含んでいる。なお、本実施形態において、複数の伝達ギヤ185のうち、一部のギヤは、所定の筐体に収容され、他のギヤは、外部に露出している。
ピン摺動部186は、複数の伝達ギヤ185から伝達された動力によって、規制具180を規制孔170bに挿通、及び規制孔170bから抜去する。ピン摺動部186の後部には、規制具180が設けられている。ピン摺動部186は、前後方向A3に摺動可能に取り付けられている。ピン摺動部186には、前後方向A3に延びる長孔が形成されており、当該長孔にボルト等の取付部材を挿通することで前後方向A3に摺動可能に取り付けられている。
スタンド170及びスタンド支持ブラケット171の接地状態及び不接地状態の切り換え、並びに規制具180の規制及び規制の解除の切り換えの流れを、対地作業装置20の後部のうち、車体幅方向B3の一方側(左側)に配置されたスタンド170を例に説明する。まず、規制具180が規制状態180aから規制解除状態180bに切り換わり、スタンド170及びスタンド支持ブラケット171が、不接地状態から接地状態に切り換わり、規制具180が規制状態180aに切り換える場合を説明する。作業者は、まず規制操作具181に対して規制解除指令の操作を行う。作業者が規制操作具181を操作すると、規制操作具181が電動規制機構182に規制解除指令を行う。電動規制機構182が規制解除指令を取得すると、規制駆動モータ184の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、複数の伝達ギヤ185のうち、入力ギヤに伝達され、当該入力ギヤから動力を伝達された出力ギヤが左側面視において時計廻りに回転する。出力ギヤが時計廻りに回転すると、当該回転に伴ってピン摺動部186が前方に摺動する。図21の右図及び図22の右図に示すようにピン摺動部186が前方に摺動することで、ピン摺動部186に取り付けられた規制具180が規制孔170bから抜去されて、規制具180が規制を解除する(規制解除状態180b)。
規制具180が規制解除状態180bに切り換わると、作業者がスタンド操作具172に対して接地指令を行う操作を行う。作業者がスタンド操作具172を操作すると、スタンド操作具172が電動スタンド機構173に接地指令を行う。電動スタンド機構173が接地指令を取得すると、スタンド駆動モータ174の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、伝達ケース175内の複数のギヤのうち、入力ギヤに伝達され、当該入力ギヤに伝達された動力は、出力ギヤに伝達される。出力ギヤは、背面視において反時計廻りに回転し、出力ギヤの回転に伴って、揺動駆動部176が時計廻りに揺動する。これにより、図19に示すように、揺動駆動部176が取り付けられたスタンド170は、背面視において揺動軸171aを時計廻りに揺動する。このため、スタンド170は、揺動軸171a廻り且つ下方に揺動して、不接地状態から接地状態に切り換わる。
スタンド170が不接地状態から接地状態に切り換わると、作業者が規制操作具181に対して規制指令を行う操作を行う。作業者が規制操作具181を操作すると、規制操作具181が電動規制機構182に規制指令を行う。電動規制機構182が規制指令を取得すると、規制駆動モータ184の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、複数の伝達ギヤ185のうち、入力ギヤに伝達され、当該入力ギヤから動力を伝達された出力ギヤが左側面視において反時計廻りに回転する。出力ギヤが反時計廻りに回転すると、当該回転に伴ってピン摺動部186が後方に摺動する。図21の左図及び図22の左図に示すようにピン摺動部186が後方に摺動することで、ピン摺動部186に取り付けられた規制具180が、規制孔170bに挿通されて、規制具180がスタンド170の接地状態と不接地状態との切換の規制を行う(規制状態180a)。これによって、作業者は、対地作業装置20のスタンド170及びスタンド支持ブラケット171を不接地状態から接地状態に切り換えることができ、また不意にスタンド170が接地状態から不接地状態、また不接地状態から接地状態に切り換わることを抑止できる。
つぎに、規制具180が規制状態180aから規制解除状態180bに切り換わり、スタンド170及びスタンド支持ブラケット171が、接地状態から不接地状態に切り換わり、規制具180が規制状態180aに切り換える場合を説明する。作業者は、規制操作具181に対して規制解除指令の操作を行う。作業者が規制操作具181を操作すると、規制駆動モータ184が駆動し、図21の右図及び図22の右図に示すようにピン摺動部186が前方に摺動することで、ピン摺動部186に取り付けられた規制具180が、規制孔170bから抜去されて、規制具180が規制を解除する(規制解除状態180b)。
規制具180が規制解除状態180bに切り換わると、作業者がスタンド操作具172に対して不接地指令を行う操作を行う。作業者がスタンド操作具172を操作すると、スタンド操作具172が電動スタンド機構173に不接地指令を行う。電動スタンド機構173が不接地指令を取得すると、スタンド駆動モータ174の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、伝達ケース175内の複数のギヤのうち、入力ギヤに伝達され、当該入力ギヤに伝達された動力は、出力ギヤに伝達される。出力ギヤは、背面視において時計廻りに回転し、出力ギヤの回転に伴って、揺動駆動部176が反時計廻りに揺動する。これにより、図20に示すように、揺動駆動部176が取り付けられたスタンド170は、背面視において揺動軸171aを反時計廻りに揺動する。このため、スタンド170は、揺動軸171a廻り且つ下方に揺動して、接地状態から不接地状態に切り換わる。
スタンド170が接地状態から不接地状態に切り換わると、作業者が規制操作具181に対して規制指令を行う操作を行う。作業者が規制操作具181を操作すると、規制駆動モータ184が駆動し、図21の左図及び図22の左図に示すようにピン摺動部186が後方に摺動することで、ピン摺動部186に取り付けられた規制具180が、規制孔170bに挿通されて、規制具180がスタンド170の接地状態と不接地状態との切換の規制を行う(規制状態180a)。これによって、作業者は、対地作業装置20のスタンド170及びスタンド支持ブラケット171を接地状態から不接地状態に切り換えることができ、また不意にスタンド170が接地状態から不接地状態、また不接地状態から接地状態に切り換わることを抑止できる。
上述した実施形態において、電動規制機構182は、規制操作具181の操作によって、規制具180を規制状態180aと規制解除状態180bとに切り換えるが、電動規制機構182は、スタンド操作具172の操作に応じて規制具180の規制状態180aと規制解除状態180bとに切り換えてもよい。具体的には、図23A、図23Bに示すように、作業機1の連結構造50は、スタンド制御部187を備えている。スタンド制御部187は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成されており、電動スタンド機構173及び電動規制機構182の制御を行う。なお、スタンド制御部187は、電動スタンド機構173及び電動規制機構182の制御を行うことができればよく、作業機1に設けられ且つ作業機1における走行系の制御、作業系の制御等を行う制御装置で構成されていてもよい。スタンド制御部187は、スタンド操作具172と通信可能に接続されており、当該スタンド操作具172から接地指令及び不接地指令を取得可能である。
以下、スタンド制御部187による電動スタンド機構173及び電動規制機構182の制御について説明する。対地作業装置20の後部のうち、車体幅方向B3の一方側(左側)に配置されたスタンド170を例に、作業者がスタンド操作具172を操作して、当該スタンド操作具172が接地指令を行う場合を例に説明する。作業者がスタンド操作具172を操作すると、スタンド操作具172が接地指令を行う。スタンド操作具172が接地指令を行うと、スタンド制御部187が接地指令を取得し、規制具180が規制解除状態180bに切り換えるよう電動規制機構182を制御する。電動規制機構182は、スタンド制御部187の制御に基づいて規制駆動モータ184を駆動させ、ピン摺動部186を前方に摺動し、規制具180が規制孔170bから抜去されて、規制具180が規制解除状態180bに切り換わる。
スタンド制御部187の制御によって、電動規制機構182が規制具180を規制解除状態180bに切り換えると、スタンド制御部187は、電動スタンド機構173を制御してスタンド駆動モータ174の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。これにより、揺動駆動部176が取り付けられたスタンド170は、背面視において揺動軸171aを時計廻りに揺動して、不接地状態から接地状態に切り換わる。
スタンド制御部187の制御によって、電動スタンド機構173がスタンド170を不接地状態から接地状態に切り換えると、スタンド制御部187は、電動規制機構182を制御し、規制駆動モータ184を駆動させる。これによって、ピン摺動部186が後方に摺動し、規制具180が規制孔170bに挿通されて、規制具180が規制状態180aに切り換わる。このため、作業者は、スタンド操作具172を操作するだけで、対地作業装置20のスタンド支持ブラケット171を不接地状態から接地状態に切り換えることができ、また不意にスタンド170が接地状態から不接地状態に切り換わることを抑止できる。
つぎに、作業者がスタンド操作具172を操作して、当該スタンド操作具172が不接地指令を行う場合を例に説明する。作業者がスタンド操作具172を操作すると、スタンド操作具172が不接地指令を行う。スタンド操作具172が不接地指令を行うと、スタンド制御部187が不接地指令を取得し、規制具180が規制解除状態180bに切り換えるよう電動規制機構182を制御する。電動規制機構182は、スタンド制御部187の制御に基づいて規制駆動モータ184を駆動させ、ピン摺動部186を前方に摺動し、規制具180が規制孔170bから抜去されて、規制具180が規制解除状態180bに切り換わる。
スタンド制御部187の制御によって、電動規制機構182が規制具180を規制解除状態180bに切り換えると、スタンド制御部187は、電動スタンド機構173を制御してスタンド駆動モータ174の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。これにより、揺動駆動部176が取り付けられたスタンド170は、背面視において揺動軸171aを反時計廻りに揺動して、接地状態から不接地状態に切り換わる。
スタンド制御部187の制御によって、電動スタンド機構173がスタンド170を不接地状態から接地状態に切り換えると、スタンド制御部187は、電動規制機構182を制御し、規制駆動モータ184を駆動させる。これによって、ピン摺動部186が後方に摺動し、規制具180が規制孔170bに挿通されて、規制具180が規制状態180aに切り換わる。このため、作業者は、スタンド操作具172を操作するだけで、対地作業装置20のスタンド支持ブラケット171を接地状態から不接地状態に切り換えることができ、また不意にスタンド170が不接地状態から接地状態に切り換わることを抑止できる。
上述した対地作業装置20は、作業機1と連結される上係合部27aと、作業機1と連結され且つ上係合部27aの下方に位置する下係合部28aと、を有する機枠21と、機枠21に支持され、且つ対地作業を行う対地作業部41と、機枠21に連結され、且つ接地している接地状態と、接地していない不接地状態と、を切換可能なスタンド170と、接地状態を示す接地指令を行う操作と、不接地状態を示す不接地指令を行う操作と、が可能なスタンド操作具172と、接地指令を取得した場合は、スタンド170を接地状態に切り換え、不接地指令を取得した場合は、スタンド170を不接地状態に切り換える電動スタンド機構173と、を備えている。上記構成によれば、作業者は、スタンド操作具172を操作することで、対地作業装置20のスタンド170を接地状態と不接地状態に切り換えることができる。
また、スタンド170は、機枠21に対して、揺動可能に連結され、下方に揺動することで接地状態に切り換え、下方から側方又は上方に揺動することで不接地状態に切り換え可能であり、電動スタンド機構173は、スタンド駆動モータ174と、スタンド駆動モータ174の駆動によってスタンド170を揺動させる揺動駆動部176と、を有している。上記構成によれば、スタンド170は、揺動することで不接地状態に切り換わるため、作業者は、接地状態と不接地状態との切り換わりを容易に認識することができる。
また、スタンド170は、前後方向A3の揺動軸171a廻り且つ幅方向内方に揺動可能である。上記構成によれば、不接地状態における対地作業装置20の上下方向の長さ及び幅方向の長さをコンパクトにできる。これによって、対地作業装置20の作業中における当該対地作業装置20の取り回しを向上させることができる。
また、スタンド操作具172は、作業機1に設けられた運転席5の周辺に配置されている。上記構成によれば、作業者は、作業機1から降車することなく、対地作業装置20の接地及び不接地を簡単に切り換えることができる。これにより、対地作業装置20の作業性を向上させることができる。
また、対地作業装置20は、スタンド170の接地状態と不接地状態との切換を規制する規制状態180aと、当該規制を解除する規制解除状態180bと、の切換を行う規制具180と、規制状態180aを示す規制指令を行う操作と、規制解除状態180bを示す規制解除指令を行う操作と、が可能な規制操作具181と、規制指令を取得した場合は、規制具180を規制状態180aに切り換え、規制解除指令を取得した場合は、規制具180を規制解除状態180bに切り換える電動規制機構182と、を備えている。上記構成によれば、不意にスタンド170が接地状態から不接地状態、また不接地状態から接地状態に切り換わることを抑止できる。
また、対地作業装置20は、スタンド170の接地状態と不接地状態との切換を規制する規制状態180aと、当該規制を解除する規制解除状態180bと、の切換を行う規制具180と、規制具180を規制状態180aと、規制解除状態180bと、に切り換える電動規制機構182と、スタンド操作具172と接続され、且つ当該スタンド操作具172の操作に応じて、電動スタンド機構173及び電動規制機構182を制御するスタンド制御部187と、を備え、スタンド制御部187は、接地指令を取得した場合は、電動規制機構182を制御して、規制具180を規制解除状態180bに切り換え、且つ電動スタンド機構173を制御して、スタンド170を接地状態に切り換え、不接地指令を取得した場合は、電動規制機構182を制御して、規制具180を規制解除状態180bに切り換え、且つ電動スタンド機構173を制御して、スタンド170を不接地状態に切り換え、接地指令及び不接地指令を取得しない場合は、電動規制機構182を制御して、規制具180を規制状態180aに切り換える。上記構成によれば、不意にスタンド170が接地状態から不接地状態、また不接地状態から接地状態に切り換わることを抑止でき、規制部がスタンド170の切換を規制している場合に電動スタンド機構173が動作することを回避できる。
また、スタンド170には、貫通された規制孔170bが形成されており、規制具180は、規制孔170bに挿通、及び規制孔170bから抜去することで規制状態180aと規制解除状態180bとの切換を行うピンであり、電動規制機構182は、規制具180の規制孔170bに挿通、及び規制孔170bから抜去を行う。上記構成によれば、比較的簡単な構成で、且つ確実にスタンド170の切換を規制でき、規制具180の確実性と生産性とを両立できる。
また、規制操作具181は、作業機1に設けられた運転席5の周辺に配置されている。上記構成によれば、作業者は、作業機1から降車することなく、規制具180を規制状態180aと規制解除状態180bに簡単に切り換えることができる。これにより、対地作業装置20の作業性を向上させることができる。
また、スタンド170は、先端部に回転自在に設けられた支持輪170aを有している。上記構成によれば、対地作業装置20は、接地した状態での移動が可能となり、利便性が向上する。
[第3実施形態]
図24~図30Bは、対地作業装置20の別の実施形態(第3実施形態)を示す。図24に示すように、第3実施形態における対地作業装置20の支持脚270は、第1実施形態及び第2実施形態における対地作業装置20のスタンド70,170と異なり、機枠21に対して回動自在に連結されており、収納レバーを操作することで接地状態と収納状態に切り換え可能である。また、対地作業装置20は、接地状態と収納状態とを保持する保持状態290aと、当該保持を解除する保持解除状態290bと、を切換可能な保持部290を備えている。
以下、第3実施形態の対地作業装置20について、上述した実施形態(第1実施形態及び第2実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態及び第2実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
対地作業装置20は、支持脚270と、収納操作レバー272と、収納ワイヤ機構274と、ガスダンパ281と、保持部290と、保持操作レバー293と、保持ワイヤ機構294と、を備えている。支持脚270は、車体幅方向B3に一対並んで配置されている。図24に示すように、支持脚270は、機枠21に回動軸271a廻りに回動自在に連結されており、接地している接地状態と、回動軸271a廻りに上方に回動して収納する収納状態と、を切換可能である。以下の説明において、接地状態の車体幅方向B3の一方側(左側)の支持脚270を例に説明する。支持脚270には、キャスタ270aが設けられており、機枠21を移動可能に支持する。キャスタ270aは、例えば、支持脚270の前部と後部とにそれぞれ配置されている。図24に示すように、支持脚270は、脚部270bと、延長部270cと、基端部270dと、を有している。脚部270bは、基端部270dを介して機枠21を支持する部分である。脚部270bは、後部から前方に延び、中途部で前上方に湾曲して延びており、側方視で略L字形状であり、機枠21を前側に傾斜させて支持する。脚部270bは、角パイプ(又は丸パイプ、フラットバー等でもよい)や、厚板鋼板を曲げ加工することで形成されている。脚部270bの後部には、キャスタ270aが配置されている。
図24に示すように、延長部270cは、脚部270bの前部に取り付けられており、脚部270bの前下方にキャスタ270aと取り付ける部分である。延長部270cは、脚部270bの中途部の下側から前方に延び、中途部で後上方に屈折し、脚部270bの前部に達している。延長部270cの下部には、キャスタ270aが配置されている。
図24、図25に示すように、基端部270dは、サポートアーム24L,24Rから下方に延設されたブラケット271を介して機枠21に回動自在に取り付けられ、脚部270bの上部と連結されている。基端部270dは、前後方向A3に向いている回動軸271a廻りにブラケット271に取り付けられている。図24に示すように、基端部270dは、側方視において、回動軸271aと直交する方向、つまり後下方に延びている。また、図25に示すように、基端部270dは、正面視において、回動軸271aから幅方向外方且つ下方に延びており、中途部で下方に屈曲している。即ち、接地状態において、脚部270bは、回動軸271aよりも幅方向外方に位置している。なお、支持脚270は、接地状態において当該支持脚270の重心が回動軸271aよりも幅方向外方に位置し、収納状態において当該支持脚270の重心が回動軸271aよりも幅方向内方に位置している。
図26、図27に示すように、収納操作レバー272は、操作可能なレバーであり、例えばトップマスト27の側方に配置されたレバーブラケット273に取り付けられている。収納操作レバー272は、車体幅方向B3を向く軸部273a廻りに揺動操作可能である。収納操作レバー272は、支持脚270を接地状態に操作する操作位置(第1操作位置272a)と、支持脚270を収納状態に操作する操作位置(第2操作位置272b)とに、切り換え操作可能である。第1操作位置272aは、第2操作位置272bよりも後方の操作位置である。なお、収納操作レバー272は、対地作業装置20に単一のみ設けられており、当該単一の収納操作レバー272を操作することで、一対の支持脚270の両方を接地状態と収納状態とに操作可能である。
図25に示すように、収納ワイヤ機構274は、収納ワイヤ275と、収納リンク276と、接地付勢部材280と、を有している。収納ワイヤ275は、収納操作レバー272と連結され且つ当該収納操作レバー272の操作を伝達する。
収納リンク276は、収納ワイヤ275が伝達した操作に応じて、支持脚270を接地状態と収納状態とに切り換えるリンク機構である。図26に示すように、収納リンク276は、例えば第1リンク277と、第2リンク278と、を有している。第1リンク277は、一端部277aが支持脚270に揺動自在に連結され、他端部277bが第2リンク278と揺動自在に連結されているリンクである。第1リンク277の一端部277aは、支持脚270の基端部270dのうち回動軸271aと脚部270bとの間において、回動軸271aと平行な軸部277a1廻りに揺動自在に連結されている。第1リンク277は、中途部277cが回動軸271aから離れる方向に湾曲している。詳しくは、第1リンク277は、支持脚270が接地状態である場合において、一端部277aの軸部277a1と、他端部277bの軸部278a1と、回動軸271aが略直線状に並んでおり、中途部277cは、回動軸271aとオフセット(偏移)している。本実施形態においては、第1リンク277は、中途部277cが回動軸271aに対して上方にオフセットするよう湾曲している。
図26に示すように、第2リンク278は、一端部278aが第1リンク277の他端部277b及び収納ワイヤ275と揺動自在に連結され、他端部278bが機枠21に回動自在に取り付けられたリンクである。第2リンク278の一端部278aは、第1リンク277の他端部277bと回動軸271aと平行な軸部278a1廻りに揺動可能に連結されている。また、第2リンク278の一端部278aは、当該軸部278a1廻りに揺動可能に連結された収納ワイヤ取付部279を介して収納ワイヤ275の他端と連結されている。また、第2リンク278の他端部278bは、サポートアーム24L,24Rに設けられたブラケット271から幅方向内方(右方)に延設された保持部ブラケット298の上部において、回動軸271aと平行な軸部298a廻りに揺動可能に連結されている。
接地付勢部材280は、支持脚270が収納状態から接地状態に切り換わる方向に収納リンク276に付勢する部材である。接地付勢部材280は、例えば渦巻きばね等の弾性部材であり、自然長に戻るよう伸長することで、収納ワイヤ取付部279を幅方向外方(左側)に付勢する。詳しくは、図28A、図28Bに示すように、接地付勢部材280は、サポートアーム24L,24Rに設けられた突設部24aと収納ワイヤ取付部279との間に配置されており、支持脚270の重心が回動軸271aの外側に位置している場合において自然長である。一方、接地付勢部材280は、支持脚270が収納状態、つまり支持脚270の重心が回動軸271aの内側に位置し、収納ワイヤ取付部279が幅方向内方(右側)に移動している場合、支持脚270が収納状態から接地状態に切り換わる方向(幅方向外方)に収納ワイヤ取付部279に付勢する。
図26、図28A、図28Bに示すように、ガスダンパ281は、一端部281aが機枠21と揺動可能に連結され、他端部281bが支持脚270の中途部と揺動可能に連結されている。ガスダンパ281は、支持脚270の接地状態と収納状態との切り換わりにおいて、支持脚270の揺動を緩やかにする。ガスダンパ281の一端部281aは、前後方向A3に向いた軸部281a1廻りにサポートアーム24L,24Rと揺動可能に連結されている。また、ガスダンパ281の他端部281bは、前後方向A3に向いた軸部281b1廻りに脚部270bの上端と揺動可能に連結されている。ガスダンパ281は、支持脚270が接地状態である場合において収縮しており、支持脚270が収納状態である場合において伸長している。
図29に示すように、保持部290は、支持脚270の接地状態と収納状態とを保持する保持状態290aと、当該保持状態290aを解除する保持解除状態290bと、を切り換え可能である。図26、図28A~図29に示すように、保持部290は、被保持片291と、保持片292と、を有している。被保持片291は、支持脚270の基端部270dに設けられ、回動軸271a廻りに支持脚270と一体となって回動する。被保持片291は、基端部270dから上方に延設されており、正面視において回動軸271aを中心とする略半月形状の板状部分である。被保持片291の回動軸271aの幅方向内方側(右側)と、幅方向外方側(左側)と、に切欠き291aが形成されている。切欠き291aは、被保持片291の外周から回動軸271aに近づく方向に凹むように形成されている。
図29に示すように、保持片292は、保持状態290aにおいて被保持片291と係合して支持脚270の接地状態と収納状態とを保持し、保持解除状態290bにおいて係合から離脱して支持脚270の接地状態と収納状態との保持を解除する。本実施形態において、保持片292は、例えば被保持片291の切欠き291aに係合可能なピンであり、先端を切欠き291aに挿入し、係合することで被保持片291の回動軸271a廻りの回動、即ち、支持脚270の回動軸271a廻りの回動を阻止する。一方、保持片292は、当該係合から離脱することで、被保持片291の回動軸271a廻りの回動を許容、即ち、支持脚270の接地状態と収納状態との保持を解除する。
図26に示すように、保持操作レバー293は、操作可能なレバーであり、例えば収納操作レバー272同様、トップマスト27の側方に配置されたレバーブラケット273に取り付けられている。保持操作レバー293は、収納操作レバー272と車体幅方向B3に並んで配置されている。保持操作レバー293は、車体幅方向B3に向いている軸部273a廻りに揺動操作可能である。保持操作レバー293は、保持部290を保持状態290aに操作する操作位置(第1操作位置293a)と、保持部290を保持解除状態290bに操作する操作位置(第2操作位置293b)とに、切り換え操作可能である。第1操作位置293aは、第2操作位置293bよりも後方の操作位置である。
図29に示すように、保持ワイヤ機構294は、保持部290を保持状態290aと保持解除状態290bとに切り換える機構である。保持ワイヤ機構294は、保持ワイヤ295と、保持ワイヤ取付部296と、保持付勢部材297と、を有している。保持ワイヤ295は、保持操作レバー293と連結され且つ当該保持操作レバー293の操作を保持部290に伝達する。保持ワイヤ295の一端は、保持操作レバー293のうち、軸部273aよりも離れた位置に連結されている。
図29に示すように、保持ワイヤ取付部296は、保持ワイヤ295の他端が連結されている部分であり、保持部290と連結されている。保持ワイヤ取付部296は、例えば保持部290の基端側から当該保持部290より離れる方向に延設された部分であり、保持ワイヤ295が伝達する保持操作レバー293の操作を保持部290に伝達する。保持ワイヤ取付部296は、保持部290の移動方向に摺動可能に保持部ブラケット298に支持されている。
保持付勢部材297は、保持片292の先端を切欠き291aに挿入する方向に当該保持片292を付勢する部材である。保持付勢部材297は、例えば渦巻きばね等の弾性部材であり、自然長に戻るよう伸長することで、保持片292の先端を切欠き291aに挿入する方向に当該保持片292を付勢する。即ち、保持付勢部材297は、保持片292を先端が切欠き291aに挿入する方向に付勢するため、保持操作レバー293が操作されない場合に、保持片292は、先端が切欠き291aに挿入され、保持ワイヤ取付部296が保持片292の挿入方向に移動する。保持ワイヤ取付部296が移動することで、保持ワイヤ295が引っ張られ、保持操作レバー293は、第1操作位置293aに移動する。
支持脚270の接地状態と収納状態との切り換え、及び保持部290の保持状態290a及び保持解除状態290bとの切り換えの流れを、支持脚270のうち、車体幅方向B3の一方側(左側)に配置された支持脚270を例に説明する。まず、保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、支持脚270が収納状態から接地状態に切り換わり、保持部290が保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる場合を例に説明すると、作業者は、保持操作レバー293を第1操作位置293aから第2操作位置293bに操作する。保持操作レバー293が第2操作位置293bに操作されると、当該操作に伴い、保持ワイヤ295が保持ワイヤ取付部296を保持片292の反対側に移動する。保持ワイヤ取付部296の移動によって、保持付勢部材297が収縮し、保持片292が切欠き291aから抜去される。保持片292が被保持片291の切欠き291aから抜去されることで、当該保持片292は被保持片291との係合から離脱し、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わる。
保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わると、作業者が収納操作レバー272を第2操作位置272bから第1操作位置272aに操作する。作業者が収納操作レバー272を操作すると、接地付勢部材280が収納ワイヤ取付部279に対して幅方向外方(左方)に付勢する。接地付勢部材280により収納ワイヤ取付部279が幅方向外方(左方)に移動され、第2リンク278は、正面視において軸部298aを時計廻りに揺動する。また、第1リンク277は、幅方向外方(左方)に移動する。第1リンク277の左方への移動に伴い、支持脚270が幅方向外方に移動させられ、支持脚270の重心が回動軸271aよりも幅方向外方に移動すると、支持脚270は、自重によって正面視において回動軸271aを時計廻りに且つガスダンパ281の収縮によって緩やかに揺動する。支持脚270の揺動に伴って、第1リンク277は、回動軸271aの上方を通過して、左方に移動する。また、第1リンク277の移動に伴って、第2リンク278は、正面視において軸部298aを時計廻りに揺動する。これにより、支持脚270は、収納状態から接地状態に切り換わる。
支持脚270が収納状態から接地状態に移行すると、保持片292の先端は、被保持片291の外周を摺動する。また、支持脚270が接地状態に切り換わると、保持付勢部材297が自然長に戻るよう伸長することで、保持ワイヤ取付部296が幅方向外方に移動する。保持ワイヤ取付部296の移動によって、保持片292は、被保持片291の切欠き291aに挿入されて当該切欠き291aと係合する。これにより、保持部290は、保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる。また、保持ワイヤ取付部296の移動によって、保持ワイヤ295が保持操作レバー293を第1操作位置293aに移動させる。このため、保持操作レバー293の操作によって、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、収納操作レバー272の操作によって、支持脚270は、正面視において回動軸271aを時計廻りに揺動し、収納状態から接地状態に切り換わる。
また、保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、支持脚270が接地状態から収納状態に切り換わり、保持部290が保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる場合を説明すると、作業者は、保持操作レバー293を第1操作位置293aから第2操作位置293bに操作する。保持操作レバー293が第2操作位置293bに操作されると、当該操作に伴い、保持片292が被保持片291の切欠き291aから抜去されることで、当該保持片292は被保持片291との係合から離脱し、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わる。
保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わると、作業者が収納操作レバー272を第1操作位置272aから第2操作位置272bに操作する。作業者が収納操作レバー272を操作すると、当該操作によって、収納ワイヤ275が収納ワイヤ取付部279を幅方向内方(右方)に移動させる。収納ワイヤ取付部279が右方に移動すると、これに伴って、第2リンク278は、正面視において軸部298aを反時計廻りに揺動し、第1リンク277は、回動軸271aの上方を通過して、右方に移動する。第1リンク277が右方に移動すると、支持脚270は、回動軸271aを反時計廻りに且つガスダンパ281の伸長によって緩やかに揺動する。これによって、支持脚270は、接地状態から収納状態に切り換わる。
支持脚270が接地状態から収納状態に移行すると、保持付勢部材297が自然長に戻るよう伸長することで、保持片292は、被保持片291の切欠き291aに挿入されて当該切欠き291aと係合する。これにより、保持部290は、保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる。また、保持ワイヤ取付部296の移動によって、保持ワイヤ295が保持操作レバー293を第1操作位置293aに移動させる。このため、保持操作レバー293の操作によって、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、収納操作レバー272の操作によって、支持脚270は、正面視において回動軸271aを反時計廻りに揺動し、接地状態から収納状態に切り換わる。
また、上述した実施形態において、支持脚270は、収納ワイヤ275を含む収納ワイヤ機構274によって接地状態と収納状態とに切り換えられていたが、収納ワイヤ機構274とは別の機構によって、接地状態と収納状態とに切り換えられてもよい。具体的には、図30A及び図30Bに示すように、対地作業装置20は、収納操作具300と、電動収納機構301と、を備えている。
収納操作具300は、支持脚270の接地状態を示す接地指令、及び支持脚270の収納状態を示す収納指令を行うことができる。収納操作具300は、接地指令を行う操作位置と、収納指令を行う操作位置と、の切換操作が可能な切換スイッチである。収納操作具300は、運転席5の周辺に配置されている。具体的には、例えば、収納操作具300は、コンソールボックスに配置されている。なお、収納操作具300は、運転席5の周辺に配置されていればよく、作業者が携帯可能なスイッチであってもよい。また、収納操作具300は、切換スイッチに限定されず、切換位置を有さない押しボタンスイッチであってもよい。さらに、収納操作具300は、接地指令を行う操作位置と、収納指令を行う操作位置と、の切換操作が可能であればよく、作業者が所持しているスマートフォン等の携帯端末であってもよい。
電動収納機構301は、接地指令を取得した場合、支持脚270を接地状態に切り換え、収納指令を取得した場合、支持脚270を収納状態に切り換える機構である。以下の説明において、接地状態の車体幅方向B3の一方側(左側)の支持脚270を例について電動収納機構301を説明する。電動収納機構301は、収納駆動モータ302と、伝達部303と、第1リンク304と、第2リンク305と、を有している。
収納駆動モータ302は、伝達部303に動力を伝達し、第1リンク304及び第2リンク305を駆動させるモータであり、電動モータ(DCモータ等)や当該電動モータ及び複数のギヤから構成されているギヤードモータである。収納駆動モータ302は、サポートアーム24L,24Rの下方に配置されている。収納駆動モータ302は、保持部ブラケット298から幅方向内方に延設されたモータブラケット302aに回動軸271aと平行な軸部302a1廻りに揺動可能に取り付けられている。
図30A、図30Bに示すように、伝達部303は、収納駆動モータ302の駆動を伝達する部分であり、本実施形態において、第1伝達部303aと第2伝達部303bとを含んでいる。第1伝達部303aは、収納駆動モータ302の駆動軸と一体回転可能に取り付けられ、且つ螺子溝が形成されている。第1伝達部303aは、車体幅方向B3に延びる軸心廻りに回動自在に支持された円筒状部材である。第1伝達部303aの幅方向内方側(右側)は、収納駆動モータ302の駆動軸と連結されており、第1伝達部303aの幅方向外方側(左側)は、幅方向外方に開口している。第1伝達部303aは、車体幅方向B3に延びており、駆動軸とともに軸心廻りに回転する。第1伝達部303aの幅方向外方側(左側)の内周には、螺子溝が形成されている。
図30A、図30Bに示すように、第2伝達部303bは、車体幅方向B3に沿って延びる軸状の部材であり、幅方向内方側(右側)の外周には、第1伝達部303aに形成された螺子溝と対応する螺子溝が形成されている。第2伝達部303bの幅方向外方側(左側)は、第2リンク305と揺動可能に連結されている。第2伝達部303bの右側は、第1伝達部303aの左側の内周に取り付けられており、第1伝達部303aの回転に応じて、車体幅方向B3の一方側(左側)又は他方側(右側)にスライドする。
図30A、図30Bに示すように、第1リンク304は、一端部304aが支持脚270に揺動自在に連結され、他端部304bが第2リンク305と揺動自在に連結されているリンクである。第1リンク304の一端部304aは、支持脚270の基端部270dのうち回動軸271aと脚部270bとの間において、回動軸271aと平行な軸部304a1廻りに揺動自在に連結されている。第1リンク304は、中途部304cが回動軸271aから離れる方向に湾曲している。詳しくは、第1リンク304は、支持脚270が接地状態である場合において、一端部304aの軸部304a1と、他端部304bの軸部305a1と、回動軸271aが略直線状に並んでおり、中途部304cは、回動軸271aとオフセット(偏移)している。本実施形態においては、第1リンク304は、中途部304cが回動軸271aに対して上方にオフセットするよう湾曲している。
図30A、図30Bに示すように、第2リンク305は、一端部305aが第1リンク304の他端部304bと揺動自在に連結され、中途部305cが第2伝達部303bの幅方向外方側(左側)と揺動自在に連結され、他端部305bが機枠21に揺動自在に取り付けられたリンクである。第2リンク305の一端部305aは、第1リンク304の他端部304bと回動軸271aと平行な軸部305a1廻りに揺動可能に連結されている。また、第2リンク305の中途部305cは、当該軸部306a廻りに揺動可能に連結された伝達部ブラケット306を介して第2伝達部303bの幅方向外方側(左側)と連結されている。また、第2リンク305の他端部305bは、サポートアーム24L,24Rに設けられたブラケット271から幅方向内方(右方)に延設された保持部ブラケット298の上部において、回動軸271aと平行な軸部298a廻りに揺動可能に連結されている。
支持脚270の接地状態と収納状態との切り換え、及び保持部290の保持状態290aと保持解除状態290bとの切り換えの流れを、支持脚270のうち、車体幅方向B3の一方側(左側)に配置された支持脚270を例に説明する。まず、保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、支持脚270が収納状態から接地状態に切り換わり、保持部290が保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる場合を説明すると、作業者は、保持操作レバー293を第1操作位置293aから第2操作位置293bに操作する。保持操作レバー293が第2操作位置293bに操作されると、当該操作に伴い、保持片292が被保持片291との係合から離脱し、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わる。
保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わると、作業者が収納操作具300に対して接地指令を行う操作を行う。作業者が収納操作具300を操作すると、収納操作具300が電動収納機構301に接地指令を行う。電動収納機構301が接地指令を取得すると、収納駆動モータ302の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1伝達部303aに伝達され、第1伝達部303aが軸心廻りに回転する。第1伝達部303aが回転すると、当該回転に伴い、第1伝達部303aの螺子溝と第2伝達部303bの螺子溝とによって第2伝達部303bが幅方向内方(右方)から幅方向外方(左方)にスライドする。第2伝達部303bが左方にスライドすると、第2リンク305は、正面視において軸部298aを時計廻りに揺動する。第2リンク305の揺動に伴い、収納駆動モータ302は、反時計廻りに揺動する。また、第1リンク304は、幅方向外方(左方)に移動する。第1リンク304の左方への移動に伴い、支持脚270が正面視において回動軸271aを時計廻りに揺動する。これにより、支持脚270は、収納状態から接地状態に切り換わる。
支持脚270が収納状態から接地状態に移行すると、保持片292の先端は、被保持片291の外周を摺動し、支持脚270が接地状態に切り換わると、保持片292は、被保持片291の切欠き291aに挿入されて当該切欠き291aと係合する。これにより、保持部290は、保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる。このため、保持操作レバー293の操作によって、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、収納操作レバー272の操作によって、支持脚270は、収納状態から接地状態に切り換わる。
また、保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、支持脚270が接地状態から収納状態に切り換わり、保持部290が保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる場合を説明すると、作業者は、保持操作レバー293を第1操作位置293aから第2操作位置293bに操作する。保持操作レバー293が第2操作位置293bに操作されると、当該操作に伴い、保持片292が被保持片291との係合から離脱し、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わる。
保持部290が保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わると、作業者が収納操作具300に対して収納指令を行う操作を行う。作業者が収納操作具300を操作すると、収納操作具300が電動収納機構301に収納指令を行う。電動収納機構301が収納指令を取得すると、収納駆動モータ302の電動モータが駆動軸廻りに駆動する。収納駆動モータ302の電動モータは、電動収納機構301が接地指令を取得した場合とは逆方向に駆動軸廻りに駆動する。電動モータの回転駆動力は、第1伝達部303aに伝達され、第1伝達部303aが軸心廻りに回転する。つまり、第1伝達具77は、電動摺動機構75が接地指令を取得した場合とは逆方向に軸心廻りに回転する。第1伝達部303aが回転すると、当該回転に伴い、第1伝達部303aの螺子溝と第2伝達部303bの螺子溝とによって第2伝達部303bが幅方向外方(左方)から幅方向内方(右方)にスライドする。第2伝達部303bが右方にスライドすると、第2リンク305は、正面視において軸部298aを反時計廻りに揺動する。第2リンク305の揺動に伴い、収納駆動モータ302は、時計廻りに揺動する。また、第1リンク304は、幅方向内方(右方)に移動する。第1リンク304の右方への移動に伴い、支持脚270が正面視において回動軸271aを反時計廻りに揺動する。これにより、支持脚270は、接地状態から収納状態に切り換わる。
支持脚270が接地状態から収納状態に移行すると、保持片292の先端は、被保持片291の外周を摺動し、支持脚270が接地状態に切り換わると、保持片292は、被保持片291の切欠き291aに挿入されて当該切欠き291aと係合する。これにより、保持部290は、保持解除状態290bから保持状態290aに切り換わる。このため、保持操作レバー293の操作によって、保持部290は、保持状態290aから保持解除状態290bに切り換わり、収納操作レバー272の操作によって、支持脚270は、接地状態から収納状態に切り換わる。
上述した対地作業装置20は、作業機1と連結される上係合部27aと、作業機1と連結され且つ上係合部27aの下方に位置する下係合部28aと、を有する機枠21と、機枠21に支持され、且つ対地作業を行う対地作業部41と、基端部270dが機枠21に回動軸271a廻りに回動自在に連結され、且つ接地している接地状態と、回動軸271a廻りに回動して収納する収納状態と、を切換可能な支持脚270と、支持脚270の接地状態と収納状態とを保持する保持状態290aと、当該保持を解除する保持解除状態290bと、を切換可能な保持部290と、操作可能な収納操作レバー272と、操作可能であり、収納操作レバー272と異なる保持操作レバー293と、収納操作レバー272と連結され且つ当該収納操作レバー272の操作を伝達する収納ワイヤ275と、収納ワイヤ275が伝達した操作に応じて、支持脚270を接地状態と収納状態とに切り換える収納リンク276と、を有している収納ワイヤ機構274と、保持操作レバー293と連結され且つ当該保持操作レバー293の操作を保持部290に伝達する保持ワイヤ295を有し、保持ワイヤ295が伝達した操作に応じて、保持部290を保持状態290aと保持解除状態290bとに切り換える保持ワイヤ機構294と、を備えている。上記構成によれば、収納操作レバー272を操作することで、対地作業装置20の支持脚270を接地状態と収納状態に切り換えることができ、不意に接地状態と収納状態とに切り換わることを抑制できる。
また、収納リンク276は、一端部277aが支持脚270に揺動自在に連結された第1リンク277と、一端部278aが第1リンク277の他端部277b及び収納ワイヤ275と揺動自在に連結され、他端部278bが機枠21に揺動自在に取り付けられた第2リンク278と、を有し、第1リンク277は、中途部277cが回動軸271aから離れる方向に湾曲している。上記構成によれば、第1リンク277と回動軸271aが干渉することを回避することができる。このため、収納リンク276をコンパクトにすることができ、取り付け位置が狭小な場合であっても、当該収納リンク276と取り付けることができる。
また、対地作業装置20は、作業機1と連結される上係合部27aと、作業機1と連結され且つ上係合部27aの下方に位置する下係合部28aと、を有する機枠21と、機枠21に支持され、且つ対地作業を行う対地作業部41と、基端部270dが機枠21に回動軸271a廻りに回動自在に連結され、且つ接地している接地状態と、支持脚270を回動軸271a廻りに回動して収納する収納状態と、を切換可能な支持脚270と、支持脚270の接地状態と収納状態とを保持する保持状態290aと、当該保持を解除する保持解除状態290bと、を切換可能な保持部290と、接地状態を示す接地指令を行う操作と、収納状態を示す収納指令を行う操作と、が可能な収納操作具300と、操作可能な保持操作レバー293と、接地指令を取得した場合は、支持脚270を接地状態に切り換え、収納指令を取得した場合は、支持脚270を収納状態に切り換える電動収納機構301と、保持操作レバー293と連結され且つ当該保持操作レバー293の操作を保持部290に伝達する保持ワイヤ295を有し、保持ワイヤ295が伝達した操作に応じて、保持部290を保持状態290aと保持解除状態290bとに切り換える保持ワイヤ機構294と、を備えている。上記構成によれば、収納操作具300を操作することで、対地作業装置20の支持脚270を接地状態と収納状態に切り換えることができ、不意に接地状態と収納状態とに切り換わることを抑制できる。
また、収納操作具300は、作業機1に設けられた運転席5の周辺に配置されている。上記構成によれば、作業者は、作業機1から降車することなく、支持脚270の接地状態及び収納状態を簡単に切り換えることができる。これにより、対地作業装置20の作業性を向上させることができる。
また、電動収納機構301は、駆動する収納駆動モータ302と、収納駆動モータ302の駆動を伝達する伝達部303と、一端部304aが支持脚270に揺動自在に連結された第1リンク304と、一端部305aが第1リンク304の他端部304bと揺動自在に連結され、中途部305cが伝達部303と接続され、他端部305bが機枠21に揺動自在に取り付けられた第2リンク305と、を有し、第1リンク304は、中途部304cが回動軸271aから離れる方向に湾曲している。上記構成によれば、第1リンク304と回動軸271aが干渉することを回避することができる。このため、収納リンク276をコンパクトにすることができ、取り付け位置が狭小な場合であっても、当該収納リンク276と取り付けることができる。
また、保持部290は、支持脚270の基端部270dに設けられ、且つ回動軸271a廻りに当該支持脚270と一体となって回動する被保持片291と、保持ワイヤ295と連結され、且つ保持状態290aにおいて被保持片291と係合して支持脚270の接地状態と収納状態とを保持し、保持解除状態290bにおいて当該係合から離脱して支持脚270の接地状態と収納状態との保持を解除する保持片292と、を有している。上記構成によれば、比較的簡単な構成で、且つ確実に支持脚270の切換を規制でき、保持部290の確実性と生産性とを両立できる。
支持脚270には、キャスタ270aが設けられている。上記構成によれば、対地作業装置20は、接地した状態での移動が可能となり、利便性が向上する。
また、対地作業装置20は、一端部281aが機枠21と揺動可能に連結され、他端部281bが支持脚270の中途部と揺動可能に連結されたガスダンパ281を備えている。上記構成によれば、支持脚270の接地状態と収納状態とに切り換えを緩やかに行うことができ、急な切り換えを抑制できる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。