JP7210311B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動圧縮機に関するものである。
特許文献1では、モータにおけるステータの中性点を、絶縁された止め具に挿入し、その止め具をステータに取り付けている。
特開平6-22484号公報
ステータコアに取り付けるインシュレータを、スロットごとに分割して成形した場合、ステータの中性点を収容部材に収容し、この収容部材を一部のインシュレータに取り付けることが考えられるが、収容部材の配置によっては大型化を招く可能性がある。
本発明の課題は、中性点を収容する収容部材の取付け構造において、大型化を抑制することである。
本発明の一態様に係る電動圧縮機は、
モータのステータに含まれ、コイルが巻かれるスロットごとに個別に成形された複数の巻枠部材と、
巻枠部材におけるモータ軸方向の一端に当接させてあり、通電端子が接続されるコネクタ部材と、
コイルの中性点が収容され、コネクタ部材におけるモータ軸方向の他方側に配置され、巻枠部材におけるモータ軸方向の一端よりもコネクタ部材の側に出っ張らないように、巻枠部材におけるモータ軸方向の一端側に嵌り合う収容部材と、を備える。
本発明によれば、収容部材を巻枠部材に嵌め合わせ、コネクタ部材の側に出っ張らないように配置したため、大型化を抑制することができる。
圧縮機における軸方向に沿った断面図である。 ステータを示す図である。 インシュレータを示す図である。 中性点ボックスを示す図である。 中性点ボックスを嵌め合わせた状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
《一実施形態》
《構成》
図1は、圧縮機における軸方向に沿った断面図である。
圧縮機11(電動圧縮機)は、例えばカーエアコンの冷媒回路で用いられる電動型のスクロール圧縮機である。すなわち、車両に搭載され、内蔵したモータによって駆動されるときに、冷媒を吸入し、圧縮してから排出する。
圧縮機11は、気密性が保たれたステータハウジング12の内部に、モータ13が収容されている。モータ13は、ステータハウジング12の内周面に固定されたステータ14と、ステータ14の内側に配置された回転自在のロータ15と、を備える。
ステータ14は、ステータコア21と、インシュレータ22(巻枠部材)と、コイル23と、を備える。ステータコア21は、円環状に形成され、ステータハウジング12の内周面に固定される。インシュレータ22は、コイル23が巻かれる巻枠部材であり、ステータコア21の内周面に形成された溝に取り付けられる。ステータハウジング12の内部では、回転軸25が回転自在に支持されており、この回転軸25に、永久磁石からなるロータ15が固定されている。
ステータハウジング12の前側には、インバータ収容部26が形成されており、インバータ収容部26の内部には、モータ13の駆動回路27が収容されている。駆動回路27は、通電端子28を介してコイル23に接続される。
図2は、ステータを示す図である。
ここでは、コイル23の図示を省略している。インシュレータ22は、例えば合成樹脂で成形された絶縁部材であり、コイル23が巻かれるスロットごとに個別に成形され、夫々、ステータコア21に取り付けられている。ここでは、三相12スロットの例を示している。
一部のインシュレータ22には、軸方向の前側に、クラスタハウジング31(コネクタ部材)が嵌め合わされている。クラスタハウジング31は、三相分をまとめたコネクタ部材であり、軸方向の前側から通電端子28が接続される。
一部のインシュレータ22には、中性点ボックス(収容部材)24が嵌め合わされている。コイル23は、Y結線により各相の一端が中性点で接続されており、中性点は、例えば捩じり接続のうえ半田付けされ、中性点ボックス24内でモールド樹脂によって固定されている。
中性点ボックス24は、クラスタハウジング31における軸方向の後側に配置されている。さらに、インシュレータ22における軸方向の前端よりもクラスタハウジング31の側に出っ張らないように、二つのインシュレータ22における軸方向の前端側に嵌め込まれている。
図3は、インシュレータを示す図である。
図中の(a)は、径方向の内側、及び軸方向の前側から見た斜視図であり、図中の(b)は、径方向の外側、及び軸方向の前側から見た斜視図である。インシュレータ22は、軸方向の前端、且つ径方向の外側となる位置に、突出板32が形成されている。突出板32は、軸方向の前側に向かって突出しており、面方向が径方向と直交するように配置されている。突出板32の先端には、部分的に軸方向の後側に凹んだ切欠状の凹部33が形成されている。インシュレータ22は、軸方向の前端、且つ径方向の内側となる位置に、からげ用の突起部34が形成されている。突起部34は、基準面35から軸方向の前側に向かって突出しており、先端部は、軸方向から見て略T字状に形成され、基端側にコイル23の一端側が係留される。軸直角方向から見て、突出板32の先端位置と突起部34の先端位置は略同等である。
図4は、中性点ボックスを示す図である。
図中の(a)は、径方向の内側、及び軸方向の前側から見た斜視図であり、図中の(b)は、径方向の外側、及び軸方向の前側から見た斜視図である。中性点ボックス24は、軸方向の前側が開放された有底の容器であり、隣接した二つのインシュレータ22に嵌め込むため、軸方向から見て鈍角(ここでは150度)に屈曲した形状とされている。
中性点ボックス24は、径方向の外側となる位置に、各インシュレータ22における突出板32の凹部33に嵌り合う鍔部41が形成されている。ここでは、一つのインシュレータ22に対して一つの鍔部41が形成されており、合わせて二つの鍔部41がある。各鍔部41は、中性点ボックス24における軸方向の前端から、軸直角方向(又は径方向)に突出している。各鍔部41の厚さは、凹部33の深さに対応している。
中性点ボックス24は、径方向の内側となる位置に、脚部42が形成されている。ここでは、一つのインシュレータ22に対して二つの脚部42が形成されており、合わせて四つの脚部42がある。各脚部42は、各インシュレータ22における突起部34を挟んだ両側の位置から軸方向の後側に向かって突出している。
図5は、中性点ボックスを嵌め合わせた状態を示す図である。
図中の(a)は、径方向の内側から見た斜視図であり、図中の(b)は、径方向の外側から見た斜視図である。中性点ボックス24を嵌め合わせるインシュレータ22は、所定位置に配置された二つだけである。中性点として引き出すコイル23は、短いほど耐振性に優れるため、最終縛り位置を基点とし、そこから180度以内の角度範囲内で選ぶことが好ましい。
該当するインシュレータ22に中性点ボックス24を嵌め合わせると、中性点ボックス24は、突出板32の凹部33に鍔部41が嵌り合い、且つ脚部42の先端が基準面35に当接する。このとき、軸直角方向から見て、中性点ボックス24における軸方向の前端面は、突出板32の先端位置、及び突起部34の先端位置と略同等であり、少なくとも軸方向の前側に飛び出ることはない。
クラスタハウジング31は、中性点ボックス24の半分を隠し、残りの半分を露出させる位置に取り付けられる。このとき、クラスタハウジング31の後端面は、突出板32の先端、及び突起部34の先端に当接する。なお、中性点は、クラスタハウジング31によって隠されていない露出領域から中性点ボックス24へと差し込まれる。
このように、中性点ボックス24は、インシュレータ22に嵌め込まれると共に、クラスタハウジング31によって押さえられることで、軸方向及び軸直角方向の位置が規制される。
《作用》
次に、一実施形態の主要な作用効果について説明する。
中性点ボックス24を一部のインシュレータ22に取り付けることが考えられるが、中性点ボックス24の配置によっては大型化を招く可能性がある。
そこで、中性点ボックス24をインシュレータ22に嵌め合わせ、且つクラスタハウジング31の側に出っ張らないように配置している。これにより、特に軸方向の大型化を抑制することができる。クラスタハウジング31における軸方向の後側で、且つインシュレータ22における突出板32と突起部34との間は、元々、デッドスペースであるため、ここを有効利用している。中性点ボックス24は、突出板32と突起部34との間に配置され、且つクラスタハウジング31によって押さえられている。これにより、中性点ボックス24の軸方向及び軸直角方向の位置を規制することができる。
インシュレータ22に中性点ボックス24を嵌め合わせると、突出板32の凹部33に鍔部41が嵌り合う。このように、インシュレータ22の凹部33によって中性点ボックス24の鍔部41が支持されるため、中性点ボックス24の軸方向及び軸直角方向の位置を規制することができる。突出板32は、クラスタハウジング31を取り付ける目的で既存のインシュレータ22にも形成されている。したがって、既存の突出板32を利用できるため、大幅な設計変更が求められることはない。
また、脚部42が基準面35に当接する。このように、インシュレータ22の基準面35によって中性点ボックス24の脚部42が支持されるため、中性点ボックス24の軸方向の位置を規制し、姿勢を安定化させることができる。突起部34は、コイル23を係留する目的で既存のインシュレータ22にも形成されている。したがって、既存の突起部34をそのまま利用できるため、大幅な設計変更が求められることはない。
また、インシュレータ22を一スロットごとに取付けできるように12分割しており、その一部に中性点ボックス24を嵌め合わせることになる。中性点ボックス24を取り付けるインシュレータ22と、中性点ボックス24を取り付けないインシュレータ22とを個別に成形すると、コストの増大を招き、部品管理も煩雑になる。
そこで、中性点ボックス24を取り付けるインシュレータ22と、中性点ボックス24を取り付けないインシュレータ22とを、全て同一形状にした。これにより、コストの増大を抑制し、部品管理の簡素化を図ることができる。
また、中性点は、中性点ボックス24に収容され、モールド樹脂によって固定されている。これにより、中性点を堅固に支持することができる。
また、クラスタハウジング31は、隣接する二つのインシュレータ22に対して嵌め合わされているため、軸方向及び軸直角方向の位置を効果的に規制することができる。
《変形例》
一実施形態では、三相のコネクタ部材を一体化させたクラスタハウジング31について説明したが、これに限定されるものではない。各相のコネクタ部材を分離して形成してもよい。
一実施形態では、三相交流のモータ13について説明したが、これに限定されるものではなく、単相交流としてもよい。
一実施形態では、スクロール式の電動圧縮機について説明したが、これに限定されるものではなく、斜板式など、任意の電動圧縮機に適用することができる。
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
11…圧縮機、12…ステータハウジング、13…モータ、14…ステータ、15…ロータ、21…ステータコア、22…インシュレータ、23…コイル、24…中性点ボックス、25…回転軸、26…インバータ収容部、27…駆動回路、28…通電端子、31…クラスタハウジング、32…突出板、33…凹部、34…突起部、35…基準面、41…鍔部、42…脚部

Claims (5)

  1. モータのステータに含まれ、コイルが巻かれるスロットごとに個別に成形された複数の巻枠部材と、
    前記巻枠部材におけるモータ軸方向の一端に当接させてあり、通電端子が接続されるコネクタ部材と、
    前記コイルの中性点が収容され、前記コネクタ部材におけるモータ軸方向の他方側に配置され、前記巻枠部材におけるモータ軸方向の一端よりも前記コネクタ部材の側に出っ張らないように、前記巻枠部材におけるモータ軸方向の一端側に嵌り合う収容部材と、を備えることを特徴とする電動圧縮機。
  2. 前記巻枠部材は、
    モータ軸方向の一方側に向かって突出し、前記コネクタ部材に当接する先端に凹部が形成された突出板を備え、
    前記収容部材は、
    モータ軸直角方向に突出し、前記凹部に嵌り合う鍔部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  3. 前記巻枠部材は、
    基準面からモータ軸方向の一方側に向かって突出し、基端側に前記コイルの一端側が係留される突起部を備え、
    前記収容部材は、
    モータ軸方向の他方側に向かって突出し、先端が前記基準面に当接する脚部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動圧縮機。
  4. 前記収容部材は、一部の前記巻枠部材におけるモータ軸方向の一端側に嵌め合わされ、
    前記収容部材が嵌め合わされる前記巻枠部材と、前記収容部材が嵌め合わされない前記巻枠部材とが、全て同一形状であることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の電動圧縮機。
  5. 前記中性点は、前記収容部材に収容され、モールド樹脂によって固定されることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の電動圧縮機。
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