JP7210070B2 - 水生生物を選別するための装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水生生物を選別するための装置に関する。
例えば、魚などの水生生物を養殖する場合、水生生物の育成過程において、水生生物をそのサイズや種類等の特徴に応じて選別する必要が生じる場合がある。従来は、かかる選別作業を、タモ網等を用いて手作業で、又は、メッシュサイズの異なる網を用いて、又は、異なるサイズの開口を有するセパレータなどを用いて(特許文献1乃至3)、水生生物がそのメッシュ又は開口を通り抜けるか、通り抜けられないか、によって、自動的に行ってきた。しかしながら、網等を用いても、セパレータ等を用いても、程度の差こそあれ、水生生物への物理的接触が多いため、選別作業の度に、水生生物の表面が傷つけられてしまう、という問題があった。水生生物の表面の傷は、出荷時の価値に影響するだけでなく、育成過程においても、感染症等のリスクを生じるため、大きな問題である。また、水生生物の成長過程において、よりよい成長を促すために、そのサイズに応じてより適正な育成環境を提供しようとすればするほど、より頻繁に選別作業を行う必要があるため、水生生物の表面が傷つけられる虞がより高まる、という背反する問題もあった。
特開2004-16170号公報 特表2003-512847号公報 特開平5-161448号公報
そこで、本発明の解決しようとする課題は、水生生物の表面の損傷を抑えつつ、選別作業を可能にすることである。
上記課題を解決するために、本発明は、異なる特徴を有する水生生物をその特徴に応じて選別するための装置であって、水生生物と水とを収容するための容器と、容器内に配置された複数の電極と、複数の電極のうちの1つ以上の電極に印加する電気パルスを制御するコントローラと、選別された水生生物を送出するための送出部と、を備え、前記の1つ以上の電極にコントローラによって制御された電気パルスが印加されることにより、容器内の水生生物を、特徴に応じて前記容器内の異なる箇所へ選択的に移動させるように電界が形成され、送出部は、前記水生生物が移動した後に、前記特徴に応じた各箇所から前記容器の外へ前記水生生物をそれぞれ送り出す、という構成を備えている。ここで、水生生物の特徴は、水生生物のサイズ及び/又は種類を含みうる。
本発明は、水生生物が、そのサイズ及び/又は種類などの特徴に応じて、電界からの刺激に対して異なる感受性を有することに基づくものである。本発明によれば、選別しようとする水生生物の特徴に応じて、水中に、異なるパラメータを有する電界を別様に分布させて生じさせることにより、水生生物が、自身の特徴に合わせて調整された電界からの刺激を感じ取って、それに応じて自ら移動する。したがって、異なる特徴を有する水生生物は、自身が感じ取った電界による刺激に応じて、対応するそれぞれの箇所へと移動する。結果として、水生生物は、特徴別に選別されることができる。本発明によれば、電界による疑似触覚を用いているため、選別時に網やセパレータなどの障害物と接触することがなく、水生生物の表面が損傷する虞を著しく低減することができる。また、水生生物の表面への損傷の懸念無く選別作業を行うことができるため、より頻繁に選別作業を行うことができ、したがって、水生生物の特徴に応じて、より現状に即した適切な成育環境を提供することができるようになる。
本発明の一実施形態による装置の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態による装置において、水生生物を送り出す様子を示す図である。 本発明の一実施形態による装置において、容器内に形成される電界の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による装置において、容器内に形成される電界の一例を示す図である。 本発明の一実施形態による装置の操作部の一例を示す図である。 本発明の別の実施形態による装置の構成を模式的に示す図である。 電極に印加される電気パルスを例示的に示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図1乃至6を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書で示す実施形態においては、水生生物として魚を、水生生物の特徴として大きさを例に挙げて説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、水生生物には、魚類のみならず、甲殻類、貝類、水中哺乳類、水中又は水上に滞在する両生類、爬虫類等種々の生物が含まれる。また、水生生物の特徴には、大きさ、種類(例えば魚の種類)等種々の特徴が含まれる。
図1は、本発明の一実施形態による装置の構成を模式的に示す図である。本発明の装置1は、異なる特徴を有する水生生物をその特徴に応じて選別するための装置である。装置1は、水生生物と水とを収容するための容器10と、容器10内に配置された複数の電極20と、複数の電極のうちの1つ以上の電極に印加する電気パルスを制御するコントローラ30と、選別された水生生物を送出するための送出部40a,40bと、を備える。
本実施形態では、容器10中に異なる大きさを有する複数の魚から成る魚群を投入し、この魚群のうちの、比較的小さい魚を図中左側の箇所P1に、比較的大きい魚を図中右側の箇所P2に選択的に移動させることにより、比較的小さい魚の群と比較的大きい魚の群に選別して、それぞれの魚群を対応する送出器(図1及び図2では網として示される)によって送り出す、という例を用いて説明する。これらの箇所P1,P2(領域P1,P2とも称する)が、選択されるべき水生生物がそれぞれ移動すべき、特徴に応じた各箇所である。
図1に示される実施形態では、容器10は、4つの側壁と1つの底板とを有する略矩形の水槽として構成されており、図示されていない水生生物と水を収容できるように構成されている。例えば容器10は、内部が視認できるように、ガラス又はアクリルなどの透明の側壁を有することができる。あるいは、側壁は不透明に構成されることもできる。本実施形態のように容器10が水槽として構成されていれば、陸上又は船上のような、周囲に水が無い環境に設置されることができる。あるいは、容器10は、海又は川のようなより広い水中に、網などによって形成された区画であってもよい。水と共に水生生物を収容することができ、少なくとも選別動作の間、一時的に水生生物の移動範囲を制限して、水生生物を留めることができればよい。その際、網の代わりに電界を用いてもよい(WO2017/213233参照)。
図1に示される実施形態では、容器10の側壁の内側表面には、複数の電極20が取り付けられている。図1では、容器10の側壁の内側表面において、それぞれ略垂直方向(紙面では上下方向)に延在する複数の電極20が、互いに平行に並べられて配置されている。図1に示される実施形態においては、各電極20は、ワイヤなどの線状部材であって、容器10の内壁面に、例えば貼り付けられ又は埋設されることにより、取り付けられている。後述するコントローラ30によって、これらの電極20のうちから、1以上の電極が選択されて、コントローラ30によって設定されたパラメータを有する電気パルスがそれぞれ印加されることにより、容器10内の異なる特徴を有する水生生物をその特徴に応じて異なる箇所P1,P2に移動させるように電界が形成される。
図1の実施形態においては、電極20は容器10の内側表面に配置されているが、電極20は、容器10の内側表面だけでなく、容器10内の任意の箇所に配置されることができる。例えば、電極20は、容器の底面にも配置されることができる。また、容器10内にマトリクス状に配置されることができる。図1の実施形態では、電極20は容器10の側壁の下端から上端近傍にわたって延在する線状に形成されているが、深さ方向に分散して設けられていてもよい。即ち、電極20が点状又は球状あるいは比較的短い線状に形成され、容器10の深さ方向にわたって、相互に間隔をあけて点在する構成を有していてもよい。
電極20には、可撓性の編組線ワイヤを適用することができる。あるいは、剛性のロッド状又はパイプ状の線材であってもよい。この編組線ワイヤとしては、ステンレス鋼からなる導電性の線材を編み込んだものを使用することができる。さらに、ステンレス鋼からなる線材に換えて、又は、加えて、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、チタン、銅、クロム、カーボン、及び/又はこれらを含む合金等の導電性材料からなる線材を編みこんだものを使用しても良い。また、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどからなる導電性の高分子材料や、高分子材料に無機及び/又は有機(例えば、カーボンなど)の導電性材料を添加した複合材料を適用することもできる。さらに、非導電性の合成樹脂からなる線材を組み合わせてもよい。これらの素線を適宜組み合わせ、その割合を選択することで、電極20の所定の導電性、耐食性、可撓性及び/又は伸縮性を担保することができる。また、上記の編組線パイプ又はワイヤは、耐食性のコーティングやメッキが施されていてもよい。この耐食性のコーティングは、編組線ワイヤ又はパイプは全体としてコーティングされていてもよいし、素線毎にコーティングされていてもよい。また、電極20は少なくとも表面の一部が導電性かつ耐腐食性であればよく、内部及び表面の他の部分は、例えばプラスチックやコンクリート等の非導体であってもよい。同様の素材及び構成を剛性の線材に用いることができる。電極の設置のしやすさを考慮して、電極を可撓性するか、剛性にするか適宜選択することができる。
さらに、図1に示される装置1は、コントローラ30を有する。コントローラ30は、容器10内の複数の電極20の少なくとも1つの電極に印加する電気パルスを制御することができるように構成されている。コントローラ30は、容器10内に配置された複数の電極20のうちのどの電極20に電気パルスを印加すべきかを決定する。電気パルスは、各電極に対して予めパラメータが設定された所定の電気パルスであってもよいし、コントローラ30が各電極20に印加されるべき電気パルスのパラメータをそれぞれ設定することもできる。コントローラ30は、容器10内の異なる特徴を有する水生生物を、それぞれの特徴に応じて容器10内の異なる箇所P1,P2へ選択的に移動させるような電界が形成されるように、電極20を選択して電気パルスを印加する。
図1の実施形態においては、容器10の底部には、選別された水生生物を送出するための送出部40a,40bが設置されている。本実施形態においては、送出部40a,40bは、それぞれ1つの開口端を有する袋状に形成された網40a,40bである。各網40a,40bの開口端には略矩形の枠が取り付けられており、この枠が引き上げられることによって、網40a,40bの中に水生生物が捕獲されるように構成されている(図2参照)。水生生物は、後述するように、各水生生物自身の特徴に応じて異なる箇所P1,P2へ選択的に移動させられるので、各網40a,40bは、これらの箇所P1,P2に対応する位置に配置されている。したがって、生成される電界によって水生生物が移動した後に、各網40a,40bを引き上げるだけで、それぞれの網40a,40bの中に特徴に応じて選別された水生生物を容易に閉じ込めることができる。その後、各網40a,40bを用いて選別された水生生物をそれぞれ、容器10の外へ送出する。
送出部40a,40bはコントローラ30と接続されることができ、コントローラ30からの指令信号に応じて、モータなどの駆動部を駆動して、網の引き上げ及び送り出し動作を行うことができるように構成されている。
図3A及び図3Bを参照して、電極20に電気パルスを印加することによって発生する電界と、かかる電界による水生生物の移動の様子を説明する。
本発明における、水生生物をその特徴に応じて異なる箇所に自ら移動させることで選別する、という技術は、基本的には、水生生物がいる水中にパラメータを調整した電界を発生させることにより、水生生物に触れられているという錯覚を起こさせるように、水生生物の感覚神経/触覚を刺激し、この刺激に反応して、例えば電界のより強い場所からより弱い場所へと、水生生物が自ら移動するように促す、というものである。なお、かかる感覚神経/触覚への刺激は、例えば、牧場における電牧器/電気牧柵や、取水口に魚が寄らないようにするための電気柵/電気カーテンとは異なり、対象となる水生生物に、所謂電気ショックを与えるものではなく、魚に火傷や麻痺等の健康上及び美感上の損傷を与えないことを前提としている。
ここで、水生生物が電界から受ける刺激の強さは、例えば上述のように電界の強度にも依存するが、周波数、デューティ比など他のパラメータにも依存する。即ち、個別の水生生物は、その種類や成長の度合いに応じて、大きさ、重さ、脂の乗り具合、健康状態、ウロコ又は(貝類、甲殻類等の)殻の有無、臓器の構成等の身体的・器官的な特徴が異なる。そして、これらの特徴に応じて、電界の種々のパラメータに対して、異なる感受性を有する。例えば、より小さい魚は又はある種の魚は、より高い周波数を有する電界への感受性が高く、より大きい魚は又は別の種の魚は、より低い周波数を有する電界への感受性が高い、というように、水生生物自身の特徴に応じて、より感じやすい電界のパラメータが異なる。
本発明はこのことを利用することで、電界を用いた水生生物の選別を可能にする。即ち、異なる特徴を有する水生生物を選別する際に、選別の指標となる特徴について異なっている水生生物の、電界に対する感度の差が大きい第1の電界パラメータを選択し、この第1のパラメータを異ならせた少なくとも2つの第1及び第2の電界を重畳的に形成し、これらの第1及び第2の電界において、それぞれ第2の電界パラメータを容器内で分布させることで、選別の指標となる特徴が異なる水生生物を、少なくとも2つの電界のうちのいずれかにおける第2のパラメータの分布に応じて移動させることで、水生生物を選別する。
これらの、第1及び第2の電界パラメータには、強度(振幅及びバイアス値を含む)、周波数、デューティ比、波形等のうちから、それぞれ少なくとも1つが選択されることができる。第1及び第2の電界パラメータは異なる種類のパラメータを含むことができる。例えば、第1のパラメータは、周波数及び/又はデューティ比であることができる。例えば、第2のパラメータは、強度であることができる。
第1及び第2の電界それぞれにおける、第2のパラメータの分布は、互いに異なる。即ち、第1及び第2の電界における第2のパラメータは、異なる勾配を有する。より詳しくは、第1及び第2の電界における第2のパラメータは、ある時点において、容器10内のそれぞれ異なる位置に、それぞれの最低値を有する。この最低値を示すそれぞれの位置に、特徴の異なる水生生物がそれぞれ選択的に集まるように移動してくることで、水生生物が選別される。
換言すると、選別の指標となる特徴が異なっている水生生物が、異なる反応を示す電界のパラメータを第1のパラメータとして利用できる。第1のパラメータが相互に異なる第1及び第2の電界を容器10内にそれぞれ生成し、第1及び第2の電界のそれぞれについて、第2のパラメータを別様に分布させることができる。第1及び第2の電界の、第2のパラメータについての分布において、それぞれの極小点又は極大点を、それぞれ異なる位置に形成することができる。異なる特徴を有する水生生物は第1及び第2の電界のうちの、いずれか自分の感度に合う方に反応して、それぞれの極小点又は極大点に移動することができる。このようにして、水生生物を特徴に応じて分類することができる。
図3A及び図3Bには、それぞれ、1つのパラメータ(第1のパラメータ)、例えばここでは周波数、について、より小さい魚がより敏感に感じる値(周波数)を有する電界(第1の電界)と、より大きい魚がより敏感に感じる値(周波数)を有する電界(第2の電界)が模式的に示されている。図3A及び図3Bにおいて、灰色で表されている領域、即ち容器10内の、領域P1,P2の外の領域は、電界が生じている領域(以下、それぞれ第1、第2の電界の電界領域とも称する)であり、領域P1,P2の中の、白色で表されている領域は電界の生じていない領域(以下、それぞれ第1、第2の無電界領域とも称する)である。そして、図3Aに示されている、領域P1の外側の、電界が生じている領域(第1の電界領域)に形成される電界は、より小さい魚がより高い感受性を有する周波数(第1のパラメータ)に合わせられており、図3Bに示されている、領域P2の外側の、電界が生じている領域(第2の電界領域)に形成される電界は、より大きい魚がより高い感受性を有する周波数(第1のパラメータ)に合わせられている。ここで、領域P1,P2はそれぞれ、対応する送出部40a,40bの各開口端に設けられた枠の上方領域の内側に入るように形成されている。送出部40a,40bの各開口端を上方へ引き上げたときに、各領域P1,P2内の魚がもれなく網としての送出部40a,40bに入るようにするためである。
図3Aに示されるような電界によれば、より小さい魚は、領域P1の外では電界による刺激を感じ、領域P1内では刺激を感じないので、このような電界を生成すると、自ら領域P1に移動してくる。この時、選別の開始時、即ち電界を生成し始めるときには、より広く、例えば容器10の略全体にわたるほど広く、領域P1を形成し、徐々に領域P1を狭くして、最終的に領域P1が送出部40aの上方空間より狭い領域に収まるようにすると、電界形成の前には容器10内で任意に分布していたより小さい魚を、スムーズに効率よく最終的な領域P1へ移動させることができる。
一方、図3Bに示されるような電界によれば、より大きい魚は、領域P2の外では電界による刺激を感じ、領域P2内では刺激を感じないので、このような電界を生成すると、自ら領域P2に移動してくる。この時、選別の開始時、即ち電界の生成し始めるときには、より広く、例えば容器10の略全体にわたるほど広く、領域P2を形成し、徐々に領域P2を狭くして、最終的に領域P2が送出部40bの上方空間より狭い領域に収まるようにすると、電界形成の前には容器10内で任意に分布していたより大きい魚を、スムーズに効率よく最終的な領域P2へ移動させることができる。
領域P1,P2の外に形成されるそれぞれの電界は、一様な強度を有することができる。あるいは、領域P1,P2の外に形成されるそれぞれの電界は、それぞれ、領域P1又はP2に近づくに従って強度が小さくなるように形成されることもできる。
これらの、図3A及び図3Bに示される電界を、容器10内で重畳的に形成することで、より小さい魚とより大きい魚を別々の箇所P1,P2にそれぞれ移動させることができる。この時、より小さい魚に対する電界(図3A)は、第1のパラメータ(例えば周波数)が、より小さい魚の感受性が高い値に設定されており、より大きい魚に対する電界(図3B)は、第1のパラメータ(例えば周波数)が、より大きい魚の感受性が高い値に設定されている。したがって、領域P1には、より小さい魚が敏感な電界は生じていないが、より大きい魚が敏感な電界は生じており、領域P2には、より大きい魚が敏感な電界は生じていないが、より小さい魚が敏感な電界は生じていることになる。しかしながら、より小さい魚は、より大きい魚が敏感な電界が有するパラメータに対しては感受性が低いので、領域P1内のより大きい魚に対する電界には反応しない。同様に、より大きい魚は、より小さい魚が敏感な電界が有するパラメータに対しては感受性が低いので、領域P2内のより小さい魚に対する電界には反応しない。したがって、より小さい魚は領域P1に、より大きい魚は領域P2に、それぞれ自ら移動して、結果としてより小さい魚とより大きい魚が選別される。
かかる電界は、容器10の内壁面に設けられた複数の電極20に電気パルスを印加することによって形成される。
図6は、電極20に印加される電気パルスを例示する図である。複数の電極のうちの少なくとも1つ、特に対をなす電極の一方に、例えば、図6(a)(b)又は(c)に示すような電気パルスを印加し、他方は接地(GND)するか又はハイインピーダンス(Hi-Z)にされる。図6(a)は方形波の例、図6(b)(c)はサイン波の例を示している。図6(a)乃至(c)はいずれも、周期T[sec]内において期間t[sec]の間だけ、波高値A[V]又は[A]の電気パルスを印加する例を示している。すなわち、この場合のデューティ比はD=t/Tとなり、周波数は1/T[Hz]となる。これらの、電気パルスの波高値、平均電圧又は平均電流、デューティ比、周波数等のパラメータを調節することで、相応に形成される電界のパラメータを調整することができる。即ち、電気パルスの波高値、平均電圧又は平均電流は、電界の強度に比例又は反比例し、電気パルスのデューティ比、周波数は、そのまま電界のデューティ比、周波数となる。したがって、電極に印加する電気パルスのパラメータを調節することで、電気パルスに起因して発生する電界のパラメータを調節し、それによって水生生物に与えられる刺激の強さを調節することができる。
これらのパラメータは、選別されるべき水生生物の特徴に応じて適した刺激となるように、設定されることができる。これらのパラメータは、選別されるべき生体群の個体のサイズ、成長度合いなどの特徴、選別されるべき水生生物の種類及びその種に固有の特徴(ウロコ又は殻の有無、臓器の構成等の身体的・器官的特徴)、選別されるべき水生生物の活動状態(例えば昼夜の別)、雰囲気の成分(例えば、淡水、汽水、海水等の水質)、及び、これらのバランス(例えば、選別されるべき水生生物自身のインピーダンスと容器10内の水のインピーダンスとの比)を考慮して、調節され、決定されることができる。このようにして、選別されるべき水生生物の所望の器官に、適切な刺激を与えて、水生生物の特徴に応じて異なる箇所へ移動させることができる。
なお、図6(c)は、期間tの中で、波高値Aが徐々に小さくなるサイン波が印加される例を示している。図6(c)では、最大波高値を波高値Aの代表値として示している。このように、波高値Aが期間t内で変化してもよい。また、波高値Aがマイナスになる場合であっても、平均電圧又は平均電流は、実効値の平均値から求められる。なお、ここでは、間欠的に印加される電気パルスの繰り返される頻度を周期Tと称し、1つの電気パルス内で印加される電圧/電流の周波数、即ち例えば図6(b)(c)のサイン波の周波数を周波数と称する。また、周期Tのうちの電気パルスが印加されていない期間の電圧/電流値は、0であってもよいし、直流又は交流のバイアス電圧/電流がかけられていてもよい。また、微弱な、直流又は交流の電流/電圧成分が重畳しているような場合も考えられる。さらに、これらのパラメータ、特に周波数について、例えば正規分布関数等を用いて、所定の幅内を変動させる(例えばf±x%の範囲で周期的に変動させる)ようにすることもできる。これらの波形は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
本実施形態において、複数の電極20は容器10の内壁面において、互いに略平行に配置されている。かかる電極配置において、上記のような電気パルスを印加する電極を適宜選択することで、例えば図3A及び図3Bに示されるような、任意の分布を有する電界を形成することができる。
図1乃至3を参照しながら、より詳細に説明する。例えば、最も簡単な例として、図1乃至3に示される容器10において、右半分にだけ電界を形成しようとする場合には、容器10の右半分に配置されている電極に電気パルスを印加することができる。その際、右半分に配置されている複数の電極の中から、少なくとも2つの電極を対として選択し、一方の電極に上記のような電気パルスを印加し、他方の電極を接地(GND)又はハイインピーダンス(Hi-Z)にすることができる。右半分に配置されている電極の中から、順次、対をなす電極を選択して、電気パルスを印加することで、容器10内の右半分に電界を形成することができる。
なお、対として選択される少なくとも2つの電極は、容器10の同一の側面に配置されている電極だけでなく、異なる側面に配置されている電極からも選択される。即ち、対向する側面同士に配置されている電極同士、互いに接続されて角をなす側面同士に配置されている電極同士も含むことができる。
装置1によって、水生生物を選別しようとするときには、容器10内には水が収容されている。したがって、対をなす電極20間に電気パルスが印加されると、容器10内の水を介して、対をなす電極間の最短距離を通って電気が主に伝搬する。即ち、対をなす電極間をつなぐ直線の近傍に電界が形成される。
したがって、例えば図3A及び図3Bに示すような、略円形状の無電界領域P1,P2を有する電界を形成しようとする場合には、対をなす電極同士をつなぐ直線が領域P1,P2の中を通らないように、電極を選択することができる。無電界領域P1,P2に近づくにつれて電界強度が弱くなるように電界を形成する場合には、対をなす電極同士とつなぐ直線と、無電解領域との間の距離を求め、この距離に応じて電気パルスの強度を調整することで、電界の強度も調整することができる。
これらの電極対は、電界を形成しようとする領域が網羅されるように順次選択して電気パルスを印加することができる。あるいは、複数の電極対を選択して、同時に電気パルスを印加することができる。
上述した第1のパラメータ(周波数)の異なる電界をそれぞれ生成するために、印加する電気パルスの対応するパラメータも相応に異ならせて設定することができる。
送出部40a,40bの配置が固定されている場合は、相応に無電界領域P1,P2の位置も予め定まるので、電気パルスを印加すべき電極対も予め定められることができる。送出部の配置が任意に変更できるときは、無電界領域P1,P2の位置も相応に変更されるべきであり、コントローラは、無電界領域の配置及び形状に基づいて、対をなす電極を求めることができるように構成されることができる。
本発明の装置1には、さらに操作部50が設けられている。図4は、コントローラ30への指示を入力するための操作部50である操作パネルを示す。操作部50はコントローラ30に接続されており、領域P1,P2にそれぞれ関連付けられた指示部52a乃至54bを有している。指示部52a乃至54bは、領域P1を形成する第1の電界と、領域P2を形成する第2の電界とのそれぞれについて、上述の第1及び第2のパラメータをそれぞれ指定するための、スイッチであり、図4では回転式のダイヤルとして示されている。
操作部50の操作パネルは、装置1の所定の位置に固定的に設けられることができる。図4に4つの回転ダイヤルとして示される指示部52a乃至54bは、送出部40a,40bの位置関係と対応させて各2つのダイヤルが配置されている。即ち、左側の列のダイヤル52a,54aが、容器10の左側の送出部40aのための、図3Aに示される電界に対応しており、右側の列のダイヤル52b,54bが、容器10の右側の送出部40bのための、図3Bに示される電界に対応している。
ダイヤル52a,52bは、送出部40a,40bそれぞれの位置に集められるべき水生生物の大きさを指定するためのダイヤルである。ユーザは、ダイヤル52a,52bをそれぞれ、左側のSと右側のBとの間で所望の位置にセットすることができる。ダイヤル52a,52bを左に回すと、対応する送出部40a,40bの位置に、サイズのより小さい魚が、右に回すとサイズのより大きい魚が集まるように電界のパラメータ(第1のパラメータ)がそれぞれ設定される。したがって、ダイヤル52aを右側のBの方へ、ダイヤル52bを左側のSの方へ回すと、左側の送出部40aの方により大きい魚が、右側の送出部40bの方により小さい魚が集められる。
ダイヤル54a,54bは、送出部40a,40bに対応するそれぞれの領域P1、P2を形成するそれぞれの電界の強度を指定するためのダイヤルである。ダイヤル54a,54bをそれぞれ左の方Lへ回すと、電界の強度は小さくなり、右の方Hへ回すと、電界の強度が大きくなる。
操作部50には、さらに、主電源ボタン56と、非常停止ボタン58とが設けられている。主電源ボタン56によって、装置1の主電源をオン/オフすることができる。さらに、非常停止ボタン58が設けられており、非常時に装置1の電源をオフすることができる。操作部50にはさらに、電極20への電気パルスの印加をオン/オフするためのオン/オフ・スイッチが設けられることができる。かかるオン/オフ・スイッチが設けられていると、予め操作パネルを介して各種のパラメータを設定し、その後オン/オフ・スイッチを介して、電極への電気パルスの印加をオンオフすることができる。
装置1にはさらに、電極20に電気パルスが印加されているかどうかを示す表示部60を有する。表示部60は、赤色のランプ62と緑色のランプ64とを有することができる。
例えば、主電源がオンになった状態(主電源ボタン56のオン)で緑色のランプが点灯し、電極に電気パルスが印加された状態(オン/オフ・スイッチのオン)で赤色のランプが点灯するように構成されることができる。表示部60は、容器10及び操作部50の近傍から視認できる位置に配置されており、装置1の周辺の人間に装置1の通電状態を表示して、報知できるように構成されることができる。代替的に又は付加的に、ブザー、メロディ等の音声を用いて、装置1の電源状態及び/又は通電状態を報知することもできる。
また、本実施形態においては操作部を、ダイヤル等を有する、ハードウェア的な操作パネルの例で示したが、操作部は、ソフトウェア的に実装されることもできる。その際、操作部は、モニタ上に表示されることもできる。
図5は、本発明による別の実施形態を示す上面図である。本実施形態は、図1及び図2の実施形態と比較して、主に送出部が異なっており、コントローラや電極などのその他の部分は同一又は同様であり、見やすさに配慮して、同一又は同様の部分は図示を省略した。以下では、先の実施形態と異なる部分について述べる。以下の説明では、図1乃至図4に示した構成要素と同一又は類似の構成要素については、同一の符号を用いる。
本実施形態において送出部40'a,40'bは、開口部として構成されており、容器10の側壁に設けられている。開口部は好ましくは、開口部を水密に密閉できる、開閉可能なシャッター(図5において点線で示されている)を有する。選別されるべき水生生物(魚として図示されている)が容器10内に投入されると、図1乃至図3に関して述べたのと同様の電界が形成され、異なる特徴を有する水生生物が異なる箇所P'1,P'2に移動する。移動後に、装置1は、送出部40'a,40'bのシャッターを開放し、水生生物は送出部40'a,40'bの開口を通って容器10の外側に送り出される。送出部40'a,40'bの先には、それぞれ選別された水生生物を受け入れる、個別の受入容器44a,44bが連結されており、送出部40'a,40'bのシャッターの開閉に応じて、容器10と連通/遮断されることができる。
送出部40'a,40'bのシャッターは、開閉自在であって、閉鎖時には水密となって水及び水生生物を通過させず、開放時には、容器10と受入容器44a,44bとの間を連通させて、水及び水生生物が移動できるようにする。送出部40'a,40'bは、コントローラ30と接続されており、コントローラ30からの指令信号に応じて、開閉動作を行うことができるように構成されている。シャッターは、スライド又は回転により開閉する板状又は絞り状の物理的なシャッター部材であってもよい。代替的に又は付加的に、上記の電気パルスを用いて相応に形成される電界をシャッターとして用いることもできる。電界によるシャッターによれば、閉鎖時つまり電界が形成されているときには、水生生物の通行のみを遮断し、水は連通させることができる。したがって、水が変わることによる水生生物へのストレスを低減することができる。
送出部40'a,40'bのシャッターが開放されると、コントローラ30は、無電界領域P'1,P'2を形成している各電界を次のように調整する。即ち、無電界領域P'1,P'2が送出部40'a,40'bに向かって徐々に近づいていき、送出部40'a,40'bの開口(シャッターが開放されている部分)に到達すると、無電界領域P'1,P'2が、送出部40'a,40'bに向かって徐々に小さくなる。このとき、それぞれの無電界領域P'1,P'2内にいる選別済みの水生生物は、無電界領域P'1,P'2内に留まろうとするため、無電界領域P'1,P'2の移動に伴って一緒に移動していく。しかして、選別済みの水生生物は、矢印42a,42bの方向にしたがって、対応するそれぞれの受入容器44a,44bの方へ進められ、容器10からそれぞれ送出される。容器10から受入容器44a,44bへの水生生物の送出が終了すると、送出部40'a,40'bのシャッターは再び閉じられ、受入容器44a,44bの対応するシャッターも閉じられる。
なお、図5においては容器10の側面に送出部40'a,40'bが示されているが、送出部40'a,40'bは容器10の底面に設けられていることもできる。送出部40'a,40'bのシャッター及びその開放時の開口の近傍には、水生生物の衝突を防ぐために電界が形成されていてもよい。
また、送出部の別の形態としては、例えば、水生生物の選別後に、容器10内の領域P1と領域P2との間、即ち、図5において容器10の中心付近に示される点線に相当する位置に、容器10内を物理的に区画する板状の部材を挿入して区画し、領域P1と領域P2とから水が排出されるのに伴って水生生物がそれぞれ送出されるようにすることもできる。例えば、容器10の、図3A、図3B、図5において示される長辺に相当する側面、即ち、領域P1とP2の両方に面する側面を、部分的又は全体的に開放することにより、選別された水生生物を、同時に又は順次、容器10の外へ、別個の受入容器に送出することができる。あるいは、部分的又は全体的に開放される面は、容器の、図3A、図3B、図5において示される短辺に相当する側面、即ち、領域P1及び領域P2のいずれかとのみ面する側面であってもよい。これらの側面の開放は、その側面を上方又は下方へスライドさせることによって、あるいは、その側面が一辺又は複数の辺を軸として回動すること(片開き又は観音開き)によって、行われることができる。側面の下部が開放される構成であれば、そこから排出される水の流れにともなって水生生物もスムーズに送出されることができる。その際、送出部40'a,40'bの開口に向かって水が流れ出るのを促すように、容器10が傾けられるか、又は底面が傾斜していると、水の流れに伴って水生生物がスムーズに送出されることができる。
送出部のさらなる別の実施形態としては、魚と水を一緒に吸い上げて移送するフィッシュポンプを用いることもできる。フィッシュポンプの吸入口を無電界領域に対応する位置に配置し、水生生物の選別が終わった後、ポンプをオンすることによって、対応する位置に移動した水生生物が吸い上げられて、容器10の外部に送出される。
あるいは、送出部には、前述した網による実施形態に代えて、水生生物を水とともにすくい上げて捕獲し、容器10の外部へ送出することができる袋を適用することもできる。送出には、目的の水生生物の種類に応じて、選別後の水生生物を容器10の外へ送出できる様々な構成を適用し得る。
さらに、装置1は、送出部として、上に例示した全ての形態(網、開口、フィッシュポンプ、袋等)複数の形態を予め備え、選別されるべき水生生物の種類に応じて、又は、操作部等を介して入力されるユーザの指示に応じて、備えられている構成の中から1つ以上の構成を選択して稼働することができる。また、このような、複数の異なる形態の送出部を、容器10内の異なる位置に配置し、使用されるべき送出部に応じて、選択されるべき水生生物が移動する目的地である特徴に応じた各箇所(領域P1,P2)を配置してもよい。例えば、容器10内に、複数の送出部として、(複数の)網の形態、(複数の)開口の形態、(複数の)フィッシュポンプの形態、(複数の)袋の形態のうちのいくつかが、それぞれ設けられており、より大きい魚とより小さい魚とに選別しようとするときに、より大きい魚に対しては、袋Aの位置に領域P1が配置され、より小さい魚に対しては、フィッシュポンプBの位置に領域P2が配置されるようにすること等が可能である。
図1乃至図5の実施形態では、容器10を横方向において並んで配置された2つの領域に、即ち図面における左右に区画して、各区画へ水生生物を選別する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、この区画の数は、第1のパラメータが異なる電界の数に相当し、各電界が対応する区画内に無電界領域を形成する。例えば、区画の数、即ち相当する異なるパラメータを有する電界の数は2つ以上であればいくつでもよい。また、区画及び無電解領域の形状も、円形又は四角形だけでなく、任意の形状を採ることができる。例えば円筒形状の容器であれば、中心軸から放射状に、扇形に区画することもできる。
また、横方向だけでなく、縦方向、即ち上下に重なり合う層状に、容器内の空間を区画することもできる。容器内を縦方向に区画しようとする場合には、複数の電極が縦方向に並ぶように配置された電極配置を元いると好適である。この場合、例えば、深さ方向の異なる位置に送出部を設けることができる。その際、水生生物の選別後に、上側の送出部の高さに合わせて、容器内を物理的に区画する板材を斜めに挿入して、傾斜した板材の低い方の近傍に、開閉自在の送出口を設けるようにすると、水の流れに伴って水生生物がスムーズに送出されることができる。無電界領域は丸でなくてもよく、ともかく電極対を適宜選択することで、任意の形状にすることができる。
さらに、送出部40a,40b,40'a,40'bの送出動作は、水生生物の選別が終わった後、コントローラ30からの指示信号によってトリガされるが、コントローラ30は、水生生物の選別の終期を、次のようにして特定することができる。例えば、電気パルスの印加開始から、予め設定された時間が経過したことを検知することにより、水生生物の選別が完了したものとみなすことができる。あるいは、装置1はさらに、容器10内を撮影する、カメラ等の撮影手段が設けられていてもよく、この撮影手段によって撮影された容器内の映像を画像解析して、選別が終了したことを検知することができる。あるいは、電極に電気パルスが印加されている間に、前記のオン/オフ・スイッチが再び操作されたことを検知したら、水生生物の選別が終了したものとみなすことができる。または、容器10内に配置された電極20や、別の電極を用いて、容器内のインピーダンス及び/又はその分布を測定して水生生物の位置を推定することによって、水生生物が対応する領域P1,P2に集まっているか否かを検出することによって、水生生物の選別が終了したか否かを判定することもできる。水生生物の選別、即ち、選別されるべき水生生物が対応する箇所(領域P1,P2等)に移動したかどうかは、容器10内の水生生物の位置を検出し、その位置が特徴に応じた各箇所(領域P1,P2)の中又はその周辺にあるかどうかによって判定することができる。水生生物の位置の検出には、上述した方法の他にも、光、熱、音波、電気、磁気等を用いた種々の方法が適用できる。
上述した複数の実施形態のうちの1つの実施形態が有する構成要素は、特に記載されていなくても、別の実施形態において述べられた構成要素と、本発明の思想の範囲内で組み合わせられることができる。

Claims (8)

  1. 異なる特徴を有する水生生物をその特徴に応じて選別するための装置であって、
    前記水生生物と水とを収容するための容器と、
    前記容器内に配置された複数の電極と、
    前記複数の電極のうちの1つ以上の電極に印加する電気パルスを制御するコントローラと、
    選別された水生生物を送出するための送出部と、を備え、
    前記の1つ以上の電極に前記コントローラによって制御された電気パルスが印加されることにより、前記容器内の水生生物を、前記特徴に応じて前記容器内の異なる箇所へ選択的に移動させるように電界が形成され、
    前記送出部は、前記水生生物が移動した後に、前記特徴に応じた各箇所から前記容器の外へ前記水生生物をそれぞれ送り出し、
    前記コントローラは、第1のパラメータを異ならせた少なくとも2種類の電界が前記容器内に重畳的に形成されるように、前記電気パルスが印加される各電極に対して電気パルスを印加し、
    前記少なくとも2種類の電界のうちの第1の電界と第2の電界とは、第2のパラメータに関して容器内で異なって分布する、
    装置。
  2. 前記特徴は、前記水生生物の、サイズ及び種類のうちの少なくとも1つを含む、
    請求項1記載の装置。
  3. 前記送出部は、前記水生生物をすくい上げて捕獲する網又は袋、前記容器に設けられた開口、及び、前記水生生物を吸い上げるポンプのうちから選択される、
    請求項1記載の装置。
  4. 前記第1のパラメータには、波形、周波数及びデューティ比のうちの少なくとも1つが含まれ、
    前記第2のパラメータには、少なくとも強度が含まれる、
    請求項記載の装置。
  5. 前記コントローラに、前記電極に印加する電気パルスを調整するための指示信号を送る操作部をさらに備える、
    請求項1記載の装置。
  6. 前記操作部には、前記異なる箇所のそれぞれに関連付けられた指示部が設けられている、
    請求項記載の装置。
  7. 前記電極に電気パルスが印加されているか否かを表す表示部をさらに備える、
    請求項1記載の装置。
  8. 前記送出部は、前記電極への電気パルスの印加の開始から所定の期間経過後に、前記水生生物の送出を開始する、
    請求項1記載の装置。
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