JP6810481B1 - インタフェース装置及び生体群制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】生体群の移動を制御する制御システム及びそのためのインタフェース装置を提供する。【解決手段】生体群の移動を制御する制御システムのためのインタフェース装置は、制御の対象となる空間の空間画像を表示する表示部10と、表示部10に表示される空間画像において、少なくとも1つの領域R1を指定するとともに、その指定された領域R1について生体群をどのように移動させるべきかを指定する制御情報を入力するための入力部と、指定された領域R1を制御の対象となる空間における位置と対応付けて位置情報を求め、その領域R1についての制御情報を関連付けることで、領域R1ごとの制御情報を生成する制御情報生成部と、制御情報生成部によって求められた、領域ごとの制御情報を制御システムへ出力する出力部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、インタフェース装置、特に生体群の移動を制御する制御システムのためのインタフェース装置、及び生体群制御システムに関する。
本発明者らは、生簀又は水槽などの水中で、水中生物を誘導する方法及びシステムを開発してきた。例えば特許文献1には、魚を飼育するための生簀や水槽などの水中において、複数の電極を互いに離間させて配置し、これらの電極に電気パルスを印加することで水中に電界を発生させて、水中の生物、例えば魚に刺激を与えることにより魚を誘導する、というものである。
再表2017/213233号公報
かかる方法及びシステムにおいて、魚を誘導するための電界は、各電極に印加される電気パルスを個別に設定することによって制御されている。しかしながら、水中生物を誘導すべき目的地となる任意の領域を、ユーザが所望のように指定できるインタフェース装置は存在しなかった。そのため、ユーザは、実際に魚を移動させたい目標の領域や経路に対して、まず、どのような電界を発生させるべきか考え、各電極が空間内にどのように配置されているかを表す各電極の座標を把握した上で、個別の電極にどのような電気パルスを与えるべきか求め、各電気パルスのパラメータを、各電極に対して設定、入力する必要があった。さらに、目標の領域や経路を変更したい場合には、上記のような一連の作業をやり直す必要があった。
本発明は、上記の課題を解決するために、生体群の移動を制御する制御システムに対して、生体群を誘導すべき目標領域を指定することができるインタフェース装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明のインタフェース装置は、生体群の移動を制御する制御システムのためのインタフェース装置であって、前記生体群が存在し得る空間を定義する空間画像を表示する表示部と、前記表示部に表示される前記空間画像において任意の領域を指定するユーザ入力情報を取得する入力部であって、前記領域は前記生体群を誘導すべき目標領域である、入力部と、前記入力部を介して取得されたユーザ入力情報を前記空間内の座標に対応付けることにより、前記目標領域の座標を求める位置決定部と、前記位置決定部によって求められた前記目標領域の座標を含む誘導情報を出力する出力部と、を備える。
本発明のインタフェース装置によれば、ユーザが、生体群の移動を制御する制御システムに対して、生体群を誘導すべき目標領域を指定することができる。
本発明の実施形態にかかるインタフェース装置とこれに接続された生体群制御システムの例示的なブロック図を示す図である。 本発明の実施形態にかかるインタフェース装置の表示部の表示画面を例示的に示す図である。 本発明の実施形態にかかるインタフェース装置の表示部の別の表示画面を例示的に示す図である。 本発明の実施形態にかかるインタフェース装置の表示部のさらなる別の表示画面を例示的に示す図である。 インタフェース装置によって指定された領域に対して生体群制御システムが有する複数の電極にそれぞれ印加されるべき電気パルスの強度を模式的に示す図である。 生体群制御システムに印加される電気パルスを例示的に示す図である。
本明細書における実施形態では、生体群制御システム2として、水槽中にいる魚の群れの移動を制御するためのシステムを例示して説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、魚類のみならず、甲殻類、貝類、水中哺乳類、水中又は水辺に暮らす両生類、爬虫類等種々の生体群に適用できる。また、水槽に限らず、海や河川等の水中にも適用でき、また、水辺や地上にも適用できる。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施形態について説明する。本発明の位置実施形態であるインタフェース装置1は、生体群の移動を制御する制御システム2のためのインタフェース装置であって、生体群制御システム2は、制御の対象となる空間に分布して配置された複数の電極E1,1・・・・Ex,yから成る電極群60を有する。生体群制御システム2は、これらの複数の電極E1,1・・・・Ex,yに個別に電気パルスを印加して、電極同士の間に電界を発生させ、所望の電界分布を形成することにより、制御すべき生体群の各個体に刺激を与えて、各個体の移動を制御することにより生体群を所望のように移動させる、というものである。
なお、本明細書において、「制御の対象となる空間」とは、生体群制御システム2の電極群60が配置される空間であって、この電極群60の個別の電極に電気パルスが印加されることによって電界が発生し得る空間、即ち生体群の移動を制御することができる空間である。より具体的な一例として、本実施形態においては、水槽内の全体に電極群60が配置されているので、結果的に水槽内全体が制御の対象となる空間となる。
(インタフェース装置1について)
本発明にかかるインタフェース装置1は、かかる生体群制御システム2に対して、制御対象となる空間内のどの領域にどのように生体群を移動させるべきかを、ユーザが容易に所望のように指定できるようにするためのものである。
図1はインタフェース装置1の概略構成を示す。インタフェース装置1は、制御対象となる空間の画像(以下空間画像とも称する。)を表示する表示部10と、この表示部10に表示される空間画像において、少なくとも1つの領域を指定するとともに、その指定された領域について生体群をどのように移動させるべきかを指定する制御情報を入力するための入力部20と、指定された領域を制御の対象となる空間における位置と対応付けて位置情報を求め、その位置情報をその領域についての制御情報と関連付けることで、領域ごとの制御情報を生成する制御情報生成部30と、制御情報生成部によって求められた領域ごとの制御情報を制御システムへ出力する出力部と、を有する。
(表示部10及び入力部20について)
表示部10は、例えばインタフェース装置1に付属した専用の又は外付けの汎用のモニタ装置であり得る。入力部20は、例えばインタフェース装置1に付属した専用の又は外付けの汎用の、ボタン、キーボード及び/又はマウスなどの入力装置であり得る。また、表示部10及び入力部20としてタッチパネルなどのように表示部10と入力部20が一体的に設けられることもできる。ユーザは、表示部10の表示を参照しながら、入力部20を用いて、生体群を制御すべき領域を指定するための情報を入力することができ、このようにしてユーザ入力情報が取得される。
図2乃至4を参照して、表示部10に表示される内容と、入力部20を介して入力される制御情報とについて説明する。図2は、表示部10の画面に表示される種々のウィンドウを例示的に示す図であり、制御対象空間を上方からみた状態の空間ウィンドウWと、空間ウィンドウWにおいて領域を指定するために用いられるツールを選択するためのボタンを表示するツールウィンドウMと、空間ウィンドウ内に定義された各領域に関するプロパティを表示するプロパティウィンドウPとが表示されている。図3及び図4は、空間ウィンドウWの別の例を示す。図3は、制御対象空間を上方からみた状態の図であって、ループ状の領域が指定されている例を示す。図4は、制御対象空間を斜めからみた状態の図であって、制御対象空間の深さ方向が見えるように3次元的に表示した図である。
表示部20の画面には、生体群が存在する空間を表示するための空間ウィンドウWが表示されている。例えば、水槽内の魚群を制御しようとする場合であれば、水槽内の全体又は部分的領域を表す画像が表示される。図2には、水槽を上面から見た全体図が示されている。なお、図2においては、空間ウィンドウの枠は水槽の枠と一致している。ユーザは、この空間ウィンドウ内に少なくとも1つの所望の領域を指定することで、生体群が集められるべき又は侵入が阻止されるべき領域を指定することができる。
さらに、表示部20の画面には、上記の所望の領域を指定するのに用いられるツールボタンを表示するツールウィンドウMが表示されている。例えば、図2の下方に示されているツールウィンドウMには、区分M1乃至M3が設けられており、区分M1の中には左から順に、サークルボタン、通路ボタン、ループボタン、方向指示ボタン等のボタンが表示されている。
サークルボタンは、図2の空間ウィンドウWに示される領域R1、R2のような円形状の領域を指定するために用いられ、例えば、ユーザが、表示部20の画面内で、サークルボタンをクリックしてから、空間ウィンドウ内の所望の位置をクリックすると、その位置が中心点として選択され、その後、ユーザがポインタを中心点から離れるように動かすと、中心点からポインタの現在位置までの距離を半径として予測円が表示される。ユーザは、予測円を見ながら所望の位置でダブルクリックして、円形状の領域を設定する。そうすると、空間ウィンドウW内で領域R1が生成され、表示される。同様に、領域R2も指定することができる。
なお、本実施形態では、例示的に上面図として円形状の領域を示すが、実際の制御の対象となる空間は三次元であるので、この領域は円柱又は球体であり得る。指定すべき領域が、円柱であるか球体であるかは、ユーザが入力部20を介して選択することができる。あるいは、同一の又は別の空間ウィンドウWに、側面図、斜視図及び/又は深さ方向の断面を層状に示した図等を表示させて、深さ方向に異なる断面を有する三次元形状も指定することができる。例えば、樽状や瓢箪状等の形状も指定することができる。また、この領域は、上面図において、三角形、四角形、五角形等の多角形、楕円形、半円形、扇形等、任意の形状を適用することができ、かかる場合には、この領域は、制御の対象となる空間では、対応する多面体又は球体であり得る。
通路ボタンは、複数の領域をつなぐ連結通路領域を指定するために用いられる。図2の空間ウィンドウWには、領域R1と領域Fとをつなぐ領域R3、領域Fと領域R2とをつなぐ領域R4、及び、領域1と領域2とをつなぐ領域R5が表されている。例えば、ユーザは、通路ボタンをクリックしてから、連通させたい両領域の一方をクリックして選択し、その後に他方をクリックして選択することができる。連通領域の幅は、所定の初期幅を有するが、後に、ユーザの入力により又は連通する両領域のサイズとのバランスで調整されることができる。
ループボタンは、例えば図3に示されるような、循環するループ状のループ通路領域を指定するためのボタンである。上記のように、サークルボタンを用いて円形状の領域を指定するのと類似の方法で、ループ状の通路を指定することができる。即ち、まずは中心点Cを選択し、その後外半径又は外縁Oを設定し、内半径又は内縁Iを設定する、という手順でループ状の通路を定義することができる。
上記のようにして、1つ以上の領域を指定した後、その領域について、生体群をどのように移動させるべきかを指定する制御情報を入力することができる。
方向指示ボタンは、通路ボタンやループボタンで指定された領域に対して、その中を移動すべき生体群の移動方向を指定するためのボタンである。例えば、ユーザは、方向指示ボタンをクリックして選択した後に、通路内又はループ内において、ポインタPoを所定の方向へドラッグする。そうすると、そのドラッグした方向(図3において、実線の矢印D30の下方に描かれている点線の矢印)、つまりドラッグの始点から終点に向かう方向のベクトルが設定され、矢印D30が表示される。
ツールウィンドウMの区分M2には、左から順に、集合ボタン、禁止ボタン等の領域の属性を指定するためのボタンが表示されている。上述したようにサークルボタン等を用いて生成した領域に、集合ボタン又は禁止ボタンをドラッグしていくことで、その領域を、生体群が集められるべき集合領域又は生体群が侵入すべきでない禁止領域として指定することができる。
さらに、ツールウィンドウMの区分M3には、左から順に、小サイズボタン、大サイズボタンが表示されている。例えば、区分M1のサークルボタン等を用いて生成した領域へ、小サイズボタン又は大サイズボタンをドラッグすることで、その領域を、生体群全体の中で、比較的大きい個体又は比較的小さい個体に対する領域として指定することができる。例えば、領域R1が、生体群を集める領域として指定されていれば、さらに大サイズボタンで指定することにより、領域R1は、比較的大きいサイズの個体の生体群を集める領域として指定されることになる。領域R1が、生体群が侵入すべきでない領域として指定されていれば、さらに大サイズボタンで指定することにより、領域R1は比較的大きいサイズの個体の生体群が侵入すべきでない領域として指定されることになる。例えば、図2の空間ウィンドウでは、領域R1には、比較的大きい魚が集まるように、領域R2には比較的小さい魚が集まるように指定されている。
さらに、各領域に対して、個体のサイズの他に、生体の種類(例えば魚の種類)等も指定することができる。このようにして、各領域に対して、サイズ、種類等の種々の個体の特徴を指定することができる。
また、領域R1・・・Rnを指定するために、上述したツールを用いないで、ユーザがポインタを使って空間ウィンドウW内にフリーハンドで自由に描画して領域を指定することもできる。また、任意の関数等を入力して空間ウィンドウW内の領域を指定することもできる。
表示部20の画面には、さらに、空間ウィンドウWにおいて指定された各領域R1・・・Rnの座標と、各領域R1・・・Rnについての制御情報とを示すプロパティウィンドウProが示されることができる。
例えば、円形状の領域R1についてのプロパティウィンドウには、領域R1の中心点の座標X、Y、Zを示す値の欄と、領域R1の半径を示す値の欄とが表示されている。この座標X、Y、Zを表す数値は、制御空間内の所定の地点を原点とした場合の実際の寸法を表す数値、例えば、原点から座標系の各方向X,Y,Zについて、それぞれ何cmなど、で表すことができる。あるいは、例えば、電極群60の2つの電極間の標準的な間隔で規格化された指標の数値、例えば原点から座標系の各方向X,Y,Zについて、それぞれ標準的な幅の何倍など、で表すこともできる。また、プロパティウィンドウへのユーザの入力により、数値が変更されると、その数値に合わせて、空間ウィンドウWに表示されている各領域R1・・・Rnの位置や大きさ等が変更されて表示しなおされる。
さらに、プロパティウィンドウPには、領域R1・・・Rnのそれぞれの目的、即ちその領域に生体群を集めるか、侵入を阻止するか等のその領域の属性、及びその領域に対して指定された制御対象となる生体の情報、即ち生体のサイズや種類等が表示される。
図2及び図3では、空間ウィンドウWに、制御対象空間を上方から見た状態の映像が表示されている例を示したが、図4には、制御対象空間が、斜視図で3次元的に示されている。図4の空間ウィンドウWには、深さ方向Zに積層された仮想的な層L0乃至L4が示されており、各層L0乃至Lについてそれぞれ所望の領域R41乃至R43等を指定することができる。所望の層に領域を指定するために、領域を指定したい層を積層された層の中から選択し、例えば選択された層を前面又は最上面に表示して、その中で所望の領域を指定することができる。
また、上記のように、上面図や、層断面図において指定した領域を、3次元表示に合成して、ユーザが視覚的に確認しやすいように斜視図として表示し直すこともできる。あるいは、領域を指定するときから、空間ウィンドウWに、制御対象となる空間を3次元的に斜視図で示し、斜視図の角度をユーザの操作に応じて変化させながら、領域を3次元的に指定していくこともできる。
インタフェース装置1又は制御システム2は、さらに、制御対象となる空間を撮影するカメラなどの撮影手段を有することができる。この撮影手段を介して撮影されている制御対象となる空間の映像を、表示部10に表示されている空間画像に重ね合わせて表示することができる。さらに、インタフェース装置1又は制御システム2は、制御対象となる空間の、例えば雰囲気温度、雰囲気の成分(水質等)、雰囲気の状態(水流、気流、水圧、気圧等)、時刻(昼夜の別)等の、さらなる情報を取得して、表示部10に表示させることができる。
(制御情報生成部30について)
制御情報生成部30は、まず、上記のようにして入力部20を介して表示部10に表示されている空間ウィンドウ内の空間画像上で指定された領域R1・・・Rnの、制御対象領域における位置情報を求める。ここで、制御対象領域には、制御システムの電極群60の各電極E1,1・・・Ex,yが、例えばマトリクス状に整列配置されており、例えば、図2の空間ウィンドウに示されるように、空間画像にも各電極の位置が表示されている。そのため、例えば、各電極に対して座標番号などの一意の位置情報を付与し、空間画像内でどの領域にどの電極が含まれるのかを把握することによって、指定された領域R1・・・Rnを制御の対象となる空間における位置と対応付けて位置情報を求めることができる。
例えば、図2の空間ウィンドウWを例に取ると、領域に表示されている複数の電極の各々に順に行列番号E1,1・・・Ex,yを付与し、領域R1・・・Rnと、各電極の位置関係を求める。例えば、領域R1内に含まれる電極は番号Ex1,y1・・・、領域R2に含まれる電極は番号Ex2、y2・・・、と関連付けることにより、その電極の位置をそれらの領域の位置として対応付けることができる。
あるいは、電極位置と関連しないで、空間画像上の各位置と、制御対象となる空間の位置とを対応付けるテーブル又は関数等をあらかじめ用意することで、空間画像上における各領域の座標位置を直接求めることもできる。
さらに、各領域R1・・・Rnについて入力部20を介して入力された制御情報、例えば、その領域の目的(集合領域、禁止領域又は通路領域の別)、その領域の対象(どのような個体が集められ又は侵入を阻止されるべきか)、タイミング(どのようなタイミングで移動を開始又は終了すべきか)等の情報を、その領域に関連付けることで、領域ごとの制御情報を生成することができる。
制御情報には、上記のような生体群の制御をいつ実行すべきかを示す条件を指定する情報も含まれる。例えば、生体群の移動の開始又は終了の日時を設定して指定した移動を行わせたり、期間を設定して指定した移動を継続させたりするように制御することもできるし、指定された周期で指定した移動を繰り返し行わせるように制御することもできる。また、温度、水質、水流等の、別の条件が所定の状態になったら指定した移動を行わせるように制御することができる。
ユーザによる制御情報の入力が終了した後に、又は入力の途中で、入力された制御情報に基づいて、制御される生体群の移動をモデル化して示すことができる。ユーザが自分の入力結果を視覚的に把握しやすくなり、入力の誤りを発見しやすくなる。
(出力部)
このようにして生成された領域ごとの制御情報は、出力部を介してインタフェース装置1の外部に出力される。出力部は、例えば、インタフェース装置1と外部の機器との間で信号の送信及び受信を行う、有線又は無線の入出力部としてインタフェース装置1に設けられることができる。インタフェース装置1と生体群制御システム2とは、有線又は無線の汎用の接続手段によって接続されることができる。あるいは、専用の接続回線を用いて接続されることもできる。出力部は、領域ごとの制御情報の他に、種々の信号を送信及び/又は受信することができる。
(生体群制御システム)
生体群制御システムは、制御の対象となる空間内に分布して配置された複数の電極E1,1・・・・Ex,yからなる電極群60を有する。
(電極について)
電極群60の個別の電極E1,1・・・・Ex,yは、導伝性の表面を有する、ライン状又は球状の部材であることができる。ライン状の場合は、中実の棒体や、中空の管体、1本のワイヤや、撚り線及び/又は編組線などの複合ワイヤも用いられることもできる。球状の場合は、中空又は中実の球体が用いられることができる。いずれの場合も、電極E1,1・・・・Ex,yは、少なくとも表面が導伝性に形成されており、耐腐食性の表面を有することができる。例えば、水中で使用される場合は、海水、汽水、淡水等の使用されるところの水質に合わせて表面の材質を選択することができる。
電極E1,1・・・・Ex,yは、例えば本実施形態のように水槽内で用いられる場合は、水槽全体にマトリクス状に配置されることができる。水槽の内壁面に固定的に取り付けられることもできる。さらに電極E1,1・・・・Ex,yは、深さ方向には、水底から水面にわたって延在することもできるし、水底と水面との間で複数の電極E1,1・・・・Ex,yが互いに離間して配置され点在するように設けることもできる。例えば、ワイヤを水底から水面にわたって延在させる形態や、複数の、点状又は比較的短い線状の電極を水深方向に互いに離間させて配置する形態などが適用できる。
例えば、制御の対象となる空間が、海や河川などのより広い空間に設けられる場合には、水面に浮くことができる球殻状の浮きの内部に、収容/展開可能に設けられた電極を用いることができる。浮きには、例えばプロペラやジェット水流発生器のような推進手段と、GPS装置のような位置検出手段が設けられることができる。そうすると、浮きは位置検出手段を介して位置検出しながら、所定の位置まで推進手段を介して自動的に進んでいき、目的の位置に達したら、電極を展開して設置することができる。
電極E1,1・・・・Ex,yは、可撓性の編組線パイプ又はワイヤを適用することができる。この編組線パイプ又はワイヤとしては、ステンレス鋼からなる導電性の線材を編み込んだものを使用することができる。さらに、ステンレス鋼からなる線材に換えて、又は、加えて、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、チタン、銅、クロム、カーボン、及び/又はこれらを含む合金等その他の導電性材料からなる線材を編みこんだものを使用しても良い。また、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどからなる導電性の高分子材料や、高分子材料に無機及び/又は有機(例えば、カーボンなど)の導電性材料を添加した複合材料を適用することもできる。さらに、非導電性の合成樹脂からなる線材を組み合わせてもよい。これらの素線を適宜組み合わせ、その割合を選択することで、線状部72aの所定の導電性、耐食性、可撓性及び/又は伸縮性を担保することができる。また、上記の編組線パイプ又はワイヤは、耐食性のコーティングやメッキが施されていてもよい。この耐食性のコーティングは、編組線ワイヤ又はパイプは全体としてコーティングされていてもよいし、素線毎にコーティングされていてもよい。また、電極E1,1・・・・Ex,yは少なくとも表面の一部が導電性かつ耐腐食性であれば足り、内部及び表面の他の部分は、例えばプラスチックやコンクリート、土砂等の不導体であってもよい。
(受信部)
生体群制御システム2は、インタフェース装置1の出力部から送信された信号を受信するための、相応の受信部を有する。受信部は、インタフェース装置1の出力部に対応する構成を有する、専用の又は汎用の通信手段であることができる。したがって、受信部は、インタフェース装置1からの領域ごとの制御情報の他に、種々の信号を受信及び/又は送信することができる。
(電界分布決定部)
電界分布決定部は、領域ごとの制御情報に基づいて、生体群を制御するための電界分布を求め、その電界分布を形成するために、各電極に印加すべき電気パルスを決定することができるように構成されている。各電極E1,1・・・・Ex,yに異なる強度の電気パルスを印加することで、制御対象となる空間に所望の電界分布を形成することができる。
図5は、インタフェース装置によって指定された領域に対して生体群制御システムが有する複数の電極にそれぞれ印加されるべき電気パルスの強度を模式的に示す図である。図中の黒丸は制御対象となる空間に整列配置された電極E1,1・・・・Ex,yの位置を示し、その上に記載された数値は、各電極に印加されるべき電気パルスの強度の指標を例示的に示すものである。説明の単純化のために、例えば、インタフェース装置1から受信した領域ごとの制御情報において、1つの略円形状の領域R50が、生体群が集まるべき集合領域として指定されているとする。このような場合、最終的に生成されるべき電界は、領域R50内では強度がゼロであり、領域R50の外では、領域R50から離れるにつれて強度が強くなるか、又は一定の強度である、という分布を有する。いずれの場合も、領域R50のエッジ領域においては、距離の二乗に反比例して電界強度が減衰していく。
かかる電界分布を形成するための第1の態様では、例えば、領域R50内に配置されている電極は接地され(GND)、又はハイインピーダンス状態にされ(Hi−Z)、電気パルスが印加されない。かつ、領域R50の外にある電極については、領域R50からその電極までの距離に応じて、距離の遠い電極ほど強度の強い電気パルスを印加する。例えば、図5に示される電極E4,2とE5,2は、それぞれ領域R50の中心から距離S5,2とS4,2を有する。例えば、電極E5,2には、P/(S5,2−r)の強度を有する電気パルスを、電極E4,2にはP/(S4,2−r)の強度を有する電気パルスを印加することができる。ここで、Pは所定の係数、rは領域R50の半径である。
あるいは、単に領域R50内に配置されている電極は接地され(GND)、又はハイインピーダンス状態にされ(Hi−Z)、領域R50外に配置されている電極には均一の強度を有する電気パルスを印加するようにしてもよい。このようにすることで、領域R50外から領域R50内へと向かう電界の勾配が形成される。
あるいは、かかる電界を形成するための第2の態様として、整列配置された複数の電極のうちの領域R50外に配置されている電極について、他の電極を間に介さないで直接的に隣り合う各電極対の間に電気パルスを印加するようにしてもよい。領域R50外にある電極は、例えば領域R50が円形の場合には、対をなすベクトルについて、集合領域の中心からの距離を求め、この距離が半径よりも小さいか否かによって選択されることができる。この場合、各電極対のうちの一方は、接地され(GND)、又はハイインピーダンス状態にされ(Hi−Z)、他方には、所定の電気パルス(Vcc)が印加される。この電極対の中のGND側とVcc側は順次切り替えられることができる。例えば、図5に示される電極E1,6と電極E2,7の例によれば、電極E1,6と電極E2,7との間のベクトルと領域R50との間の距離S1,6−2,7(以下、「電極対と領域の中心との間の距離」と称する。)を求め、領域R50の半径rと比較し、距離S1,6−2,7が半径rより長ければ、電極E1,6と電極E2,7との間に電気パルスを印加する。この比較を、隣り合う列及び行に属する電極の全ての組み合わせについて行い、電極対と領域の中心との間の距離が、領域の半径より小さい電極対に対して、電気パルスを印加するようにしてもよい。
このように、制御対象となる空間内の指定された領域に生体群を集めようとする場合は、その領域に相当する位置に電界の無い領域を形成することで、生体群をその領域内へ誘い込むように移動させることができる(以下、このような電界の形成されていない領域を無電界領域とも称する。)。無電界領域の外、即ち、電気パルスが印加されている電極がある領域には、電界が形成されるので、生体群に刺激を与えることができるからである。電界が形成されている領域にいる生体は、刺激を感じ、その刺激から逃げようとすることで、結果的に無電界領域へと誘導されるように移動する。このようにして生体群を無電界領域に誘い込むことで、生体群の移動を制御することができる。
逆に、例えば領域R50が、生体群の侵入を阻止すべき禁止領域として指定されていれば、上記の領域R50内の電極と、領域R50外の電極とを逆にして、電気パルスを印加することができる。即ち、例えば、領域R50内の電極に所定の強度を有する電気パルスを印加し、領域R50外の電極は接地させ(GND)又はハイインピーダンスにする(Hi−Z)ようにすることができる。
なお、電極によって生体に与えられる刺激は、上述のように電界の強度、即ち電極に印加される電気パルスの強度(電流値及び/又は電圧値)にも依存するが、周波数、デューティ比など他のパラメータにも依存する。例えば、電界によって生体が実際に感じる刺激の強さ、即ち電気触覚の感じ方は、個別の生体自身の特徴(体の大きさ、成長度合い等)、その種に固有の特徴(ウロコの有無、臓器の構成、貝類、甲殻類等の身体的・器官的特徴)、水質(淡水、汽水、海水等)、温度などの外的要因による影響を受ける(特許文献1参照)。したがって、例えば制御対象となる空間内に、複数の種類の魚及び/又は異なるサイズの魚が混合している場合、それぞれの種類及び/又はサイズに対して感度の高いパラメータ(電圧、電流、周波数、デューティ比等)を選択することで、種類及び/又はサイズの異なる魚を分離させて制御することができる。
したがって、領域ごとの制御情報に、上記のような個体のサイズ、種類等の情報が指定されている場合は、電界分布決定部40は、その指定されている情報に基づいて電界分布を求める。即ち、その指定されている個体及び又は生体群に適したパラメータを有する電気パルスを選択して、各電極に印加されるべき電気パルスを決定する。
(制御の具体例)
図2の空間ウィンドウWに指定された各領域R1〜R5の例を用いて、生体群の移動を制御する例をより具体的に述べる。制御を開始する前、即ち電極に電気パルスを印加する前の電界が発生していない状態、では、生体群、この場合比較的大きな魚と比較的小さな魚の群れは、制御対象空間内に任意の状態で分布している。
かかる任意の分布状態から、領域R1に大きい魚を集め、領域R2に小さい魚を集めようとするときに、最初から領域R1とR2に無電界領域を形成し、他の領域に所定の電界を形成するように、無電界領域の電極を接地し、他の領域に配置されている電極に所定の電気パルスを印加することもできるが、次のようにすることもできる。例えば、まず、制御対象となる空間の周縁部分に配置されている電極から徐々に電気パルスを印加していき、大きい魚と小さい魚の群全体を徐々に制御対象となる空間の中心方向へ移動させていく。そうすると、無電界空間の輪郭が徐々に狭くなり、領域R1〜R5をつないだ略三角形状の領域の外周輪郭に近づいていき、大きい魚と小さい魚の群がその略三角形状の領域に集められていく。その後、略三角形状の領域内の領域R1以外の領域にある電極に、大きい魚の感度が高い電気パルスを印加する。より詳しくは、略三角形状の領域の、領域R1からより遠い位置にある電極から大きい魚の感度が高い電気パルスを印加していく。同時に又は続いて、略三角形状の領域内の領域R2以外の領域にある電極に、小さい魚の感度が高い電気パルスを印加する。より詳しくは、略三角形状の領域の、領域R2からより遠い位置にある電極から小さい魚の感度が高い電気パルスを印加していく。そうすると、略三角形状の領域内に混合して分布していた大きい魚の群と小さい魚の群は、それぞれ、領域R1(大きい魚)と領域R2(小さい魚)とに分離して集められていく。
あるいは、制御対象となる空間における現在の生体群の分布状況を検出し、現在位置から指定された領域への移動ルートを求めて、そのルートにしたがって無電解領域を移動させることにより、生体群を指定された領域へ移動させるように制御することもできる。このような場合、移動ルートとして、最短ルートを選択することもできるし、他の生体群の移動ルートや、水温等の分布、水流の状態等を考慮して求められることもできる。
現在の生体群の分布状況は、制御対象となる空間をカメラ等の撮影手段を用いて撮影した画像に基づいて、画像解析を行って検出することができる。例えば、時系列で撮影される一連の画像を比較して、移動する物体を検出することにより生体群を検出して、現在位置を取得することができる。あるいは、超音波、電磁波、光等の、反射波及び/又は透過波を検出することで、生体群の現在位置を検出することもできる。
また、電極E1,1・・・Ex,yを介して制御対象となる空間に微弱な電気信号を印加して、生体群の現在位置を検出することもできる。例えば、生体群がいない状態で、制御対象となる空間に配置されている電極に所定の電圧信号を印加した場合に、他の電極で検出される電位と、生体群がいる状態で、同様に電圧信号を印加した場合に、他の電極で検出される電位と、の間の差異から、生体群の現在位置を求めることもできる。
また、図2の領域R3〜R5のような通路領域では、その領域についての制御情報において指定されている移動方向に基づいて、通路領域内における移動の始点に相当する位置を求め、まず、領域内の始点に相当する位置に無電界領域を形成し、所定の期間が経過し生体群がその無電界領域内に集まった後に、その無電界領域をそれぞれの領域R3〜R5内で、指定されている移動方向に向けて移動させる。このようにすることで、無電界領域の移動に伴って生体群を移動させることができる。
図3のループ状の通路領域R30も同様である。先ずは、通路領域R30全体に無電界領域を形成する。その際、制御対象となる空間内の外縁部付近及び中心部付近にある電極から電気パルスを印加してき、徐々に電気パルスを印加する電極の数を増やしていくことで、無電界領域を環状に狭めて行って、指定されているループ状の通路領域R30の輪郭に近づけていくことで、通路領域R30に相当する無電界領域を形成することができる。その後、通路領域R30内にも電界の有る領域を形成し、この通路領域R30内の電界の有る領域を徐々に大きくしていくことで、通路領域R30内に無電界領域R32を形成することができる。その後、この電界の無い領域R32を通路領域R30内で移動させる。このようにして、無電界領域R30の移動に合わせて、生体群を移動させることができる。
このように、電界分布決定部40は、インタフェース装置からの領域ごとの制御情報にしたがって生体群を制御するための電界を形成するために、制御対象となる空間内にどのような電界分布を生じさせ、これをどのように変化させるべきかを求め、そのような電界を形成するために、各電極に印加すべき電気パルスを決定する。
なお、このようにして求められた電界分布及び/又は電界分布の時間的変化を、表示部10の空間ウィンドウWの空間画像に重ね合わせて表示させることができる。その際、例えば電界の異なる強度レベルに異なる色を割り当てて表示させることで、電界分布の様子を視覚的に把握しやすくなる。
また、このようにして求められた電界分布及び/又は電界分布の時間変化によって生じると予測される、生体群の移動をモデル化して模式的に表現したものを、図2の表示部10の空間ウィンドウWに重ね合わせて表示することもできる。
(電気パルス供給部)
電気パルス供給部50は、電界分布決定部40によって決定された電気パルスを各電極に個別に供給することができるように構成されたパルス発生器である。
図6は、電極手段に印加される電気パルスを例示する図である。複数の電極のうちの少なくとも1つ、特に互いに隣り合う2つの電極の一方に、例えば、図6(a)(b)又は(c)に示すような電気パルスを印加し、他方は接地する。図6(a)は方形波の例、図6(b)(c)はサイン波の例を示している。図6(a)乃至(c)はいずれも、周期T[sec]内において期間t[sec]の間だけ、波高値A[V]又は[A]の電気パルスを印加する例を示している。すなわち、この場合のデューティ比はD=t/Tとなり、周波数は1/T[Hz]となる。これらの、波高値、デューティ比、周波数、平均電圧又は平均電流等のパラメータを調節して、電気パルスに起因して発生する電界によって誘導されるべき魚に与えられる刺激の強さを設定する。
これらのパラメータは、制御されるべき生体群及び/又はその個体に応じて適した刺激となるように、電界分布決定部により決定されている。これらのパラメータは、領域ごとの制御情報に応じて、制御されるべき生体群の種類及びその種に固有の特徴(ウロコの有無、臓器の構成、貝類、甲殻類等の身体的・器官的特徴)、制御されるべき生体群の個体のサイズ、成長度合いなどの特徴、制御されるべき生体群及び/又はその個体の活動状態(例えば昼夜の別)、雰囲気の状態(水流、気流、水圧、気圧等)、雰囲気の成分(例えば、淡水、汽水、海水等の水質)、及び、これらのバランス(例えば、制御されるべき生体群及び/又はその個体自身のインピーダンスと電極間の媒質のインピーダンスとの比)に基づいて、調節し、決定することができる。このようにして、制御されるべき生体群の所望の器官に、適切な刺激を与えて、移動を制御することができる。なお、図6(c)は、期間tの中で、波高値Aが徐々に小さくなるサイン波が印加される例を示している。図6(c)では、最大波高値を波高値Aの代表値として示している。このように、波高値Aが期間t内で変化してもよい。また、波高値Aがマイナスになる場合であっても、平均電圧又は平均電流は、実効値の平均値から求められる。なお、ここでは、間欠的に印加される電気パルスの繰り返される頻度を周期Tと称し、1つの電気パルス内で印加される電圧/電流の周波数、即ち例えば図6(b)(c)のサイン波の周波数を周波数と称する。また、周期Tのうちの電気パルスが印加されていない期間の電圧/電流値は、0であってもよいし、直流又は交流のバイアス電圧/電流がかけられていてもよい。また、微弱な、直流又は交流の電流/電圧成分が重畳しているような場合も考えられる。さらに、これらのパラメータ、特に周波数について、例えば正規分布関数等を用いて、所定の幅内を変動させる(例えばf±x%の範囲で周期的に変動させる)ようにすることもできる。これらの波形は例示的なものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
パルス供給部50と電極群60とは、パルス供給部50が各電極E1,1・・・・Ex,yに個別に電気パルスを供給できるように接続されており、パルス供給部50から各電極E1,1・・・・Ex,yへシリアル又はパラレルに個別の電気パルスを供給することができる。
別の実施形態において、パルス供給部50は、各電極E1,1・・・・Ex,yに設けられることができる。このような場合、例えば、電極E1,1・・・・Ex,yには、関連する電極に電力を供給する電池モジュールが設けられており、パルス供給部50は、この電池モジュールから供給される電気を用いて、電界分布決定部40によって決定された電気パルスを生成し、その電気パルスを電極に印加することができる。例えば、電極が海や河川などのような、より広い空間に設置される場合は、電極が電池モジュールを備えていると、電界を発生させる電気パルスのための電力を賄うことができるので有利である。
電池モジュールには、太陽電池モジュール、海水電池モジュール、風力発電モジュール、潮力発電モジュール等の様々な発電方式のもモジュールを適用することができる。電池モジュールには、これらの発電モジュールの他に、蓄電池が含まれていてもよい。例えば、電池モジュールが、太陽電池セルと蓄電池とを備えていれば、太陽電池セルを用いて昼間に発電した電力を蓄電池に蓄えて、恒常的に電池モジュールを介して、電極装置に必要な電力を賄うことができる。また、電池モジュールが、潮力発電機や、風力発電機を備えているか、又は、種類の異なる複数の発電手段を備えれば、蓄電池を備えなくても、安定して電力を供給することができる。
これらの発電モジュールは、各電極E1,1・・・・Ex,yにそれぞれ設けられていてもよいし、例えば1対の又はいくつかの電極に対して1つの電池モジュールが設けられていてもよい。発電モジュールが、電極で使用される全ての電力を安定的に供給することができれば、発電モジュールを備えた電極には給電するためのケーブルを設ける必要がなくなる。特に海のような広い範囲に多数の電極装置を配置するような場合には、ケーブルを敷設する手間を省けると非常に有用である。また、1対の又はいくつかの電極に対して1つの発電モジュールが設けられていれば、1つの発電モジュールに対応するいくつかの電極同士だけを有線で接続すればよい。そうすると、養殖システムを構成する全ての電極装置に、1つ1つ電池モジュールを接続するよりは電池モジュールの数を節約でき、かつ、全ての電極装置を網羅するように広範囲にわたって給電用の電線を敷設する必要がないので、電線の敷設が容易になる。さらに、各電極に給電するためのケーブルを設けた上で、発電モジュールBMを非常時又は給電設備の故障時のバックアップ電源として使用することもできる。
さらに、電界分布決定部40と無線又は有線による通信をする通信モジュールCMが設けられることができる。この通信モジュールCMを介して、電極は、印加されるべき電気パルスを定める信号を電界分布決定部40から受信することができる。電極に設けられたパルス供給部は、電界分布決定部40から受信した、印加されるべき電気パルスを定める信号に基づいて、電池モジュールから供給される電力から、電気パルスを生成し、その電極に印加することができる。
制御情報生成部30は、上記の処理を実行できるように構成された、コンピュータにより実行可能なプログラムとして構成されており、インタフェース装置1のコントローラに実装されることができる。あるいは、生体群制御システム2に接続された汎用のコンピュータ上でインタフェース装置1のコントローラと共に実行されることもできる。
(使用例)
上述したインタフェース装置1及び生体群制御システム2を使用して生体群を制御する例を示す。図2に示される空間ウィンドウWには、領域R1〜R5が指定されている。さらに、空間ウィンドウの下側中央部には、領域Fが表されている。領域Fの近傍には給餌装置(図示せず)が設けられることができる。領域R1は比較的大きい魚が集まるように指定された領域であり、領域R2は比較的小さい魚が集まるように指定された領域である。ここで、まず、領域R1に比較的大きい魚を、領域R2に比較的小さい魚を集め、領域R1に集められた比較的大きい魚の群を領域Fに移動させ、給餌装置によって給餌する。その後、比較的大きい魚の群を元の領域R1に戻す。その後、領域R2に集められた比較的小さい魚群を領域Fに移動させ、給餌装置を介して給餌する。このように、魚をサイズによって分類して給餌することによって、魚の成長段階に合わせて別様に給餌することが可能になる。魚のサイズによって、餌の種類や量、給餌頻度などを異ならせることができる。
なお、図2では、制御対象となる空間を上方から見た上面図が示されているので、領域R1〜R5はすべて同じ深さ位置に属しているように見えるが、それぞれの領域に対して任意の深さ位置を指定することができる。
また、図3に示されるように、ループ状の通路領域R32内を通して魚を連続的に移動させことで、例えば、養殖魚に所望の量だけ運動をさせることができ、飼育される養殖魚の身が締まって味が良くなるという顕著な効果を奏する。なお、図3では領域R32をループ状の領域R30内で移動させる例だけを示したが、例えば、深さの異なる位置に別のループ状の領域を指定し、領域R32とは異なるサイズの魚を集めて、別様に運動させてもよい。成長段階により適した量の運動をさせることができる。

Claims (7)

  1. 生体群の移動を制御する制御システムのためのインタフェース装置であって、
    前記制御の対象となる空間の空間画像を表示する表示部と、
    前記表示部に表示される前記空間画像において、少なくとも1つの領域を指定するとともに、その指定された領域について前記生体群をどのように移動させるべきかを指定する制御情報を入力するための入力部と、
    前記指定された領域を前記制御の対象となる空間における位置と対応付けて位置情報を求め、その領域についての前記制御情報を関連付けることで、領域ごとの制御情報を生成する制御情報生成部と、
    前記制御情報生成部によって求められた、領域ごとの制御情報を前記制御システムへ出力する出力部と、を備える、
    インタフェース装置。
  2. 前記空間画像上で指定された領域には、少なくとも1つの、生体群が集められるべき領域が含まれる、
    請求項1記載のインタフェース装置。
  3. 前記領域ごとの制御情報には、その領域に対して制御されるべき生体群の分類を示す分類情報が含まれている、請求項1又は2記載のインタフェース装置。
  4. 前記領域ごとの制御情報には、その領域に対する制御を開始すべき1つ以上のタイミングを示すタイミング情報がさらに含まれる、
    請求項1又は2記載のインタフェース装置。
  5. 前記表示部には、前記空間画像に重ね合わせて、
    前記制御情報に基づいて生体群を制御するための電界分布及び/又は電界分布の時間的変化を表す画像、
    前記空間内に存在する前記生体群の現在の映像、
    前記制御情報に基づいて制御されるべき生体群の移動をモデル化して表す画像、
    前記空間に割り当てられた座標、及び、
    前記空間に配置される電極の位置をモデル化して表した画像、
    のうちの少なくともいずれかが、表示されている、
    請求項1乃至4いずれか1項記載のインタフェース装置。
  6. 請求項1乃至5いずれか1項記載のインタフェース装置が接続される生体群制御システムであって、
    前記空間内に分布して配置された複数の電極と、
    前記出力部から、前記領域ごとの制御情報を受信する受信部と、
    前記制御情報に基づいて生体群を制御するための電界分布を求め、各電極に印加すべき電気パルスを決定する電界分布決定部と、
    電界分布決定部によって求められた前記電界分布に対応する電界分布を発生させるために、決定された電気パルスを各電極に供給する電気パルス供給部と、を有する
    生体群制御システム。
  7. 前記制御の対象となる空間における生体群の現在の位置を検出する検出部をさらに備える、
    請求項6記載の生体群制御システム。
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