JP7206461B1 - ばね式耳掛けめがね - Google Patents

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Abstract

【課題】蔓で胸ポケット等着衣にクリップ留めしても、脱落を防ぐための機能がなく、また、水平視野よりもレンズの上部が透視視界となっていた点を改善した、ばね式耳掛けめがねを提供する。【解決手段】本発明は、基端にスプリングを設けた一方の蔓を着衣から外に出して着衣にクリップ留めし、一方の蔓の凸部と他方の蔓の隆起部の間に着衣を表裏から挟んで固定状として、体勢の上下逆転にも脱落を防ぎ、水平視界付近以上をレンズ部分の無い裸眼による視野とした。【選択図】図2

Description

耳掛け部のある蔓の一方で着衣にクリップ掛けして、その蔓の基端のスプリングの閉鎖効果により、脱落を防ぎ、レンズの水平視界以上を裸眼による視野としためがねに関する。
従来の耳掛け部のある蔓のめがねは、胸ポケット等着衣に一方の蔓をクリップ機能部として取り付けても脱落を防ぐための機能がなく、また、水平視野よりも上、及び下が共にレンズの透視視界となっていたのが多かった。
発明が解決しようとする課題
前記一方の蔓をクリップ機能部として便宜的に胸ポケット等着衣にめがねをクリップ取り付けしても、耳掛け部分のある双方の蔓が着衣の内外で手掛かりなくその着衣に滑らかに当接していた場合、体勢の傾きにより脱落しやすく、ならば、と着衣のポケット内等にその全体を収納するとレンズが他の混蔵物により傷付くおそれがあるためメガネケースに格納してから収納するなどしたが、そのケースが収納内底部に沈み込んで速やかな取出しが困難であったり、逆に体勢により不如意に外に転げ落ちたりしたため、取り出して周辺に置いて、その場所を忘れたりして即応の装着態勢が整わないなどもどかしいものであった。
従来より耳掛けのカーブ部分を有する蔓の基端にスプリングを付設しためがねはあったが、そのスプリングの機能は蔓を閉鎖させて無駄な開閉を無くしめがね全体の拠有空間を縮小させる目的であり、たとえば、使用者が胸ポケットなどにその片蔓でクリップ掛けしてみても使用者の態様変化によりめがねは易々と脱落していたのはその蔓のスプリングが、脱落防止機能を有しなかったからである。
また、特許6281827の両蔓の先端が付き合わされた前記スプリングが無い短蔓めがねは、衣服を両蔓の先端でクランク屈曲させることにより蔓の先端と衣服との摩擦により脱落を防ぐ機能であったが、着衣状態の変化により前記クリップ中のクランク屈曲が不如意に解除されるとその摩擦が無くなり脱落した。
また、従来の老眼鏡使用者は、手元の対象物を老眼鏡の凸レンズの下部分で透視し、目を上げてより遠景を見るとき、そのレンズの上部分は不要ばかりか、視点をぼやかすものであるため、めがねを手でずらしたり、顔を俯けてめがねの上縁越しに裸眼で見て、凸レンズ機能を除外するなどしていたが、煩雑であり、それに対応して別注により、レンズの上部を部分的に素通しガラス状態等とするめがねもあったが、そのための製作時間と費用が必要であったし、湯気などの曇りにより、そのレンズの全面の視界が透視不能となったり、あるいは、敏感な上まぶたへの風のさわやかな吹き抜け感を損なうものであった。また、縦幅が短く横幅が長い老眼鏡は上縁越しに見るための顔を俯ける角度は小さいが、細長いなりに水平視界以上にも凸レンズ部分があり、水平視線における鮮明な遠景視界を阻害するものであった。
課題を解決するための手段
本発明のめがねはその問題解決のため、耳掛け部のある双方の蔓の基端に蔓を閉鎖させるばね、すなわちスプリングがあり、蔓の閉鎖時、一方の蔓の内側と他方の蔓の外側を密着せしめる密着領域内に限らず、一方の蔓の側面に設けた凸部が他方の蔓の側面の当接所に接し、及び、その当接所の近隣の隆起部が前記一方の蔓の側面に接し、その双方の蔓の間に繊維を介在させればスプリングの閉鎖機能により凸部の突き出しが該繊維の面を窪ませ、裏面からその窪みの近隣を隆起部の突き出しが窪ませ、よって繊維は両面から緊迫摩擦を受けて、いわば地形学上の褶曲形状をなして該両面上での凸部と隆起部の自由な移動を困難とする。
以上の構成により着衣等に蔓でクリップ掛けされたそのめがねは着衣等からの脱落を防ぐのである。
そうして、脱落を防いだめがねの一部個所を掴んでスプリングにより発生する緊迫摩擦を上回る力で着衣から引き離せばめがねは使用可能となる。
当接所は凸部が接する箇所を称し、凸部と隆起部は類似形状であっても良く、凸部と隆起部が接近するほど前記褶曲形状の屈曲度合いが高くなり、よって緊迫摩擦も強くなり、脱落を防ぐ効果がより大きくなる。
そうして前記スプリングの閉鎖機能により、両蔓で着衣の厚薄に順応して繊維を挟みつけるのである。
凸部と当接所の関係は、一方の蔓の凸部を蔓の外側に設ければ当接所は他方の蔓の内側にあり、逆に凸部を内側に設ければその当接所は他方の蔓の外側にあることとなり、凸部を内側に設けためがねを装着して、双方の凸部が装着者の頭部のこめかみ辺りを左右方向から押す位置であれば蔓の弾力に加えて装着力と装着感を強化し、凸部を外側に設けた場合は同様に内側にある当接所の近隣の隆起が、装着者の頭部を左右方向から押して装着力と装着感を強化することになる。
前記こめかみ辺りを押す場合の皮膚に接する部分の面積を大や小とすれば、単位面積当たりの挿圧力が弱や強となるので蔓の弾力もふまえ、装着者の装着感に適応した蔓の内側の凸部や隆起の該面積と形状を実現することとなる。
文中、繊維は着衣の部分のことをいう。
以上の構成の凸部と隆起を蔓の一部としてプラスチック材の一体成型生産にすればコストは低廉化する。
双方の蔓を閉じてめがね本体を胸ポケット等着衣の内とした場合、一方の蔓を着衣外に出してめがねを着衣にクリップ掛けする。
特願2021-135938は、スプリングの閉鎖機能が一方の蔓の内側と他方の蔓の外側を密着せしめる密着領域、をもたらしその密着領域内において一方の蔓の凸部が他方の蔓の当接部に当接するものであったが、本発明は前記密着領域内に限定せず、密着領域内外の広範囲で凸部と隆起を設定可能とすることにより、以下例記、密着領域外の一方の蔓の耳掛け部のカーブ部分に設けた凸部と、他方の蔓をその凸部に対応しての形状により可能となる箇所に当接所とその近隣の隆起部を設け、あるいは、デザイン的要求から円柱形状とした双方の蔓が閉鎖して接する場合、その密着領域はほぼ直線形状のわずかな幅であるが、凸部の基礎をその域内からはみ出させて耐久力のある物理的な強度を得ることを可能とし、また前記説明と重複する部分もあるが、両蔓の閉鎖時、直線的部分の無い両蔓であって中間点のみを対比的にわずかな面積の密着領域とし、一方の蔓の密着領域外に凸部を設け、他方の蔓をその凸部に対応した形状による当接所及び隆起部とした自由度の高いデザインと強度を両立させたメガネを提供することが可能となるものである。
二つの物体の接触面に働く摩擦力αと、接触面に垂直に作用する圧力による垂直抗力β、の要素による前記繊維面と凸部の先又は隆起部の先の概略質量M、による摩擦係数Naの総合摩擦力Paを考査すれば、*を以下文中、乗算表記として
スプリング効果の無い摩擦係数N1を
P1=M*N1=α+β(β→0)と表記し
前記、蔓のスプリング閉鎖機能による着衣面と凸部の先による窪みの曲面角度をTとすれば着衣面と凸部の先との摩擦係数N2は
P2=M*N2=α+β*T/90と表記して、PaはP2>P1で表される。
さらに、前記蔓の当接部の近隣の隆起部の先により同様に裏面から繊維を窪ませて褶曲形状の屈曲とした着衣表裏面と凸部の先と隆起の先との合計摩擦係数をN3とすれば同様にして
P3=M*N3=2(α+β*T/90)として概略算出され
PaはP3>P2>P1と表される。
なお、摩擦力は摩擦抵抗値としてもよい。
N1は前記従来のめがねの一方の蔓を便宜的に胸ポケット等着衣にクリップ取り付けして、めがね本体と蔓が着衣の内外で手掛かりなくその着衣に滑らかに当接していた場合であり
N2は蔓のスプリング閉鎖機能が着衣片面のみを蔓の凸部の先で押圧して、その窪みの曲面角度をTとした場合の摩擦係数を表し
N3は本発明の前記蔓の当接部の近隣の繊維を裏面からも押す隆起部の先による褶曲形状の表裏面と凸部の先とその類似形状の場合の隆起部の先との摩擦係数を表し、すなわち、本発明の蔓のスプリング閉鎖機能により着衣と蔓の間に特段の緊迫摩擦力がたゆみなく発生し、着衣等への蔓のクリップ掛けのみで、以後めがねの脱落を防ぎ、特許6281827において、めがねをクリップ掛けした後、着衣を両短蔓の先端でクランク屈曲させる操作等、従来の各種クリップ掛けめがねがクリップ掛けした後、着衣に蔓で固定するための各対応操作や運動態様等により該操作の不如意の解除の発生等の煩雑さを解消した。
着衣の材質や凸部や隆起部の態様によりPa値は変化するが、同一条件下であればその不等式は維持される。
前記の理論上、凸部の数とそれに対応する隆起部の数が増加すればその複数の各組み合わせにより、めがねは一層強力に着衣に保持されることとなる。
スプリング閉鎖機能が蔓の閉鎖時だけでなくその開閉領域全域に及ぶ場合、双方の蔓はスプリングの効果により、めがねの装着状態において蔓の弾力性と共に左右から頭部を圧迫してめがねを保持する。
鼻パッドの上部をレンズ上端よりも上として、その装着者の水平視線の瞳孔位置以上をレンズ部分の無い裸眼視界となるように調整すれば、その下部の凸レンズ部分で手元の対象物を透視可能とする。
特許6281827の両蔓の先端が付き合わされた短蔓めがねは、後記、静謐な環境下で使用する装着者の水平視線の瞳孔位置以上を裸眼視界としていたが、本発明の耳掛け部のある蔓はその裸眼視界を静謐な環境下のみならず動的環境下でも安定した装着状態を提供するのである。
発明の効果
本発明の、凸部と隆起部を耳掛け部のある両蔓の密着領域内外の広範囲部分に於いて設け得るとしためがねは、前記胸ポケット等着衣に任意の蔓でクリップ留めされるため、着衣へのめがねの取り付け確保が容易な習慣となり、他に収納場所を必要とせず、即応の使用装着態勢が整う。
また、めがね本体を襟元等着衣外とし、一方の蔓を着衣内に差し入れて前記様クリップ留めしても同様に即応の使用装着態勢が得られる。
本発明の水平視界以下にレンズ部分を設定した老眼鏡使用の場合、パソコンのキーボード操作や新聞購読等手元視界はレンズ部分で透視し、モニター画面や遠景視認等の目を上げての視野はレンズ上端以上で裸眼の視界とする、等が可能となり、その繰り返しにめがねを手でずらしたり、顔を俯けてめがねの上縁越しに見たりして凸レンズ機能部分を除外するなどの煩雑さがなくなり、および上部を部分的に素通しガラス状態等とした前記別注のめがねも不要となる。
本発明の蔓の機能は、近視用めがね、その他めがね類にも採用可能である。特願2021-102780、名称スプリング短蔓めがねにおける、耳掛けのカーブ部分を除去して短縮した蔓の凸部と隆起云々、の記述は、手元視野を凝視するため静謐な環境で使用する老眼鏡に適用するものであり、他のめがね類で使用される高気温の環境や運動時の負荷で汗をかいて濡れた皮膚やあるいは動的環境下に対し、耳掛け部が無くこめかみと蔓との接触摩擦のみの装着状態では、保持力が不足して容易に脱落し、とりわけ前記汗をかいて濡れて滑りやすくなった皮膚においては、該短縮しためがねは静謐な体勢であってもその自重により装着者のこめかみから易々と脱落して時に毀損する場合もあり、また、特願2021-108157、名称重ね直蔓めがねの耳掛け部分のカーブを含め直線状にした蔓は装着者の耳介の上部に蔓が直線状に接触し、その先端側に耳介後部に引っ掛かり状態とする機能が消滅しているため濡れた皮膚やあるいは動的環境に対して充分な保持力が不足して脱落するなど、めがねの機能を継続して発揮できない場合があるが、従来の耳掛け部が、装着者の耳介の上部に接触して耳介後部で下方にカーブして耳介に引っ掛かり状態となり、あるいは耳介後部で頭部を水平に周回する方向にカーブして、高気温の環境や運動時の負荷で汗をかいて濡れた皮膚やあるいは動的環境においても装着時のめがねの脱落を防いで来た経緯があり、強い日差しの高温下で使用して汗に濡れたサングラスの例では、日陰に入れば取り外して胸ポケット等に片蔓で暫時クリップ掛けした場合、態勢の変化により脱落するなどの煩雑さがあったし、その他めがね類でも同様であったが、本件出願の蔓の密着領域内外の広範囲部分において凸部と隆起部を設定しためがねを、任意の蔓で着衣の外からあるいは内からクリップ掛けすれば、前記スプリングのたゆみない閉鎖機能が着衣からの脱落を防ぎ、そうして引っ掛かり状態にカーブする耳掛け部の形状は耳介への装着状態に安定した効果を実現したのである。
また、特願2021-109622、名称ばね式クリップめがねは、短蔓めがねの装着者の水平視線の瞳孔位置以上をレンズ部分の無い裸眼視界とし、その下部の凸レンズ部分を手元の対象物への透視視界としていたが、いずれも汗をかかない静謐な環境で使用下の短蔓めがねの老眼鏡に適用されるものであり、一方本発明の耳掛けのカーブ部分は高気温の環境や動的環境においても安定した装着効果を可能とするのである。
本発明の実施の一例の形態を図1、図2、図3、に基づいて説明する。
図1はスプリング112,122を取り付けた各基端113,123から伸びてなかば畳まれた双方の蔓11、12の各内側に向けて設けた凸部1111,1211と互いの他方の蔓の各外側に向けて設けた隆起部1212,1112が蔓の閉鎖時各近隣可能として、耳掛け先端11 1のある一方の蔓11の外側に耳掛け先端121のある他方の蔓12があるとした、耳掛けのあるめがね1。
図2は鼻パッド5の上部がレンズ上端221よりも上位置にあって、水平視界以下にレンズ22を設定してレンズ上端221以上の遠景を裸眼で見ることを可能として双方の蔓13、14の各基端133,143に各スプリング132,142が取り付いて各蔓の外側に向けて設けた凸部1311,1411と各蔓の内側に向けて設けた隆起部1412,1312が蔓の閉鎖時各互いに近隣する、耳掛けのあるめがね3の蔓14を半ば引き開いている。
図3は双方の蔓13、14の基端133,143に各スプリング132,142が取り付いためがね3が着衣4の胸ポケット側着衣41の内側にあり、蔓13を胸ポケット側着衣41から外に出して基端133側でクリップ掛けし、外向きの凸部1411と着衣外の蔓13の内向きの隆起部1312で裏表から胸ポケット側着衣41を挟み褶曲形状に屈曲させて耳掛けのあるめがね3を保持した概略断面図。
本発明のめがねの概略図 水平視界以下にレンズ部分を設定した本発明のめがねの概略図 本発明の胸ポケット側着衣にめがねを蔓でクリップ留めした概略断面図。
1めがね
3めがね
4着衣
5鼻パッド
11蔓
12蔓
13蔓
14蔓
22レンズ
41胸ポケット側着衣
111先端
112スプリング
113基端
121先端
122スプリング
123基端
132スプリング
133基端
142スプリング
143基端
221レンズ上端
1111凸部
1112隆起部
1211凸部
1212隆起部
1311凸部
1312隆起部
1411凸部
1412隆起部

Claims (2)

  1. 耳掛け部のある双方の蔓の基端にスプリングを設け、蔓の閉鎖時、一方の蔓の凸部が他方の蔓の当接所に接し、及び、その当接所の近隣の隆起部が前記一方の蔓に接し、その双方の蔓の間に繊維を介在させれば前記スプリングの閉鎖機能により凸部の先が該繊維の面を窪ませ、裏面からその窪みの近隣を隆起部の先が窪ませれば、該繊維は両面から緊迫摩擦を受けて、いわば地形学上の褶曲形状をなして該両面上での凸部と隆起部の自由な移動を困難としためがね。
  2. 鼻パッドの上部がレンズ上端よりも上位置にあって、装着者の水平視線の瞳孔位置以上を裸眼視界とした請求項1記載のめがね。
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