JP7205536B2 - 画像表示装置、及び画像表示ユニット - Google Patents

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Description

本技術は、画像表示装置、及び画像表示ユニットに関する。
従来、プロジェクタ等の画像表示装置が多く用いられている。特許文献1に記載の投影装置では、色合成プリズムの合成光の出射側と、投射レンズの入射側との間に、RGB全ての投射光を全方位に対して均一に無偏光化することが可能な偏光変換部が配置される。これにより、3Dメガネを傾けない状態での3D画像の色ムラを完全に消滅し、かつ3Dメガネを傾けた状態での3D画像の色ムラ及び輝度落ちを消滅することが可能となる。この結果、3D画質を大幅に向上させることが可能となる(特許文献1の明細書段落[0154][0155]図20等)。
特開2013-113984号公報
このように高品質の画像を表示可能な技術が求められている。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、高品質の画像を表示することが可能な画像表示装置、及び画像表示ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る画像表示装置は、偏光子と、偏光変換素子と、1/4波長板とを具備する。
前記偏光子は、所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる。
前記偏光変換素子は、前記偏光子を透過する前記直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する。
前記1/4波長板は、前記偏光変換素子から出射される前記無偏光状態の光の光路上に配置される。
この画像表示装置では、偏光子を透過する直線偏光が無偏光状態の光に変換される。無偏光状態の光の光路上には1/4波長板が配置される。これにより光路を逆向きに進行する無偏光状態の光の反射成分が、偏光子により再び反射されてしまうことを防止することが可能となる。この結果、高品質の画像を表示することが可能となる。
前記画像表示装置は、さらに、入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子と、前記画像光を投射する投射部とを具備してもよい。この場合、前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置されてもよい。また前記1/4波長板は、前記偏光変換素子と、前記投射部との間に配置されてもよい。
前記偏光変換素子は、光学軸を有してもよい。この場合、前記1/4波長板は、前記1/4波長板の光学軸の方向が前記偏光変換素子の光学軸の方向に対応するように配置されてもよい。
前記1/4波長板は、前記1/4波長板の光学軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置されてもよい。
前記偏光子は、透過軸を有し、前記偏光子の透過軸の方向が前記偏光変換素子の光学軸の方向に対応するように配置されてもよい。
前記偏光子は、前記偏光子の透過軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置されてもよい。
前記偏光変換素子は、一軸性結晶材料、又は一軸性有機材料により構成されてもよい。
前記偏光子は、偏光板であってもよい。
本技術の一形態に係る画像表示ユニットは、前記偏光子と、前記偏光変換素子と、前記1/4波長板とを具備する。
前記画像表示ユニットは、さらに、入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子を具備してもよい。この場合、前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置されてもよい。
以上のように、本技術によれば、高品質の画像を表示することが可能となる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術の一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す概略図である。 偏光スクランブラーの偏光特性を説明するためのグラフである。 偏光スクランブラーと、1/4波長板との配置関係について説明するための図である。 反射型光変調素子から投射光学系までの光路を主に示す図である。 反射型光変調素子から投射光学系までの光路を進む画像光に対する偏光特性を説明するための図である。 反射型光変調素子から投射光学系までの光路を往復する反射成分に対する偏光特性を説明するための模式図である。 比較例として挙げる画像表示装置の構成例を示す図である。 画像生成部の他の構成例を示す概略図である。 画像生成部の他の構成例を示す概略図である。 画像生成部の他の構成例を示す概略図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[画像表示装置]
図1は、本技術の一実施形態に係る画像表示装置の構成例を示す概略図である。画像表示装置100は、例えばプレゼンテーション用、もしくはデジタルシネマ用のプロジェクタとして用いられる。その他の用途に用いられる画像表示装置にも、以下に説明する本技術は適用可能である。
画像表示装置は100、光源部101と、照明光学系110と、画像生成部130と、投射光学系140とを有する。
光源部101は、白色光Wを生成して照明光学系110に出射する。光源部101には、例えばLED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)等の固体光源、又は水銀ランプやキセノンランプ等が配置される。
例えばRGBの各色の光をそれぞれ出射可能なRGB用の固体光源が用いられ、これらの出射光が合成されて白色光Wが生成されてもよい。または青色の波長帯域の光を出射する固体光源と、青色光により励起されて黄色の蛍光を発する蛍光体とが配置されてもよい。この場合、青色光と黄色光とが合成されて白色光Wが出射される。
照明光学系110は、インテグレータ素子111と、偏光変換素子112と、偏光素子113及び114と、集光レンズ115と、クロスダイクロイックミラー116と、反射ミラー117及び118と、ダイクロイックミラー119と、リレーレンズ120、121及び122とを有する。
インテグレータ素子111は、第1及び第2のフライアイレンズ111a及び111bを有する。これら第1及び第2のフライアイレンズ111a及び111bを白色光Wが透過することにより、白色光Wの輝度ムラが低減される。
偏光変換素子112は、インテグレータ素子111を介して入射する白色光Wの偏光状態を揃える機能を有する。偏光変換素子112としては、PSコンバーター等の任意の光学素子が用いられてよい。偏光変換素子112を通った白色光Wは、集光レンズ115を介してクロスダイクロイックミラー116に出射される。
クロスダイクロイックミラー116は、集光レンズ115から出射された白色光Wを、長波長側の赤色光Rと、短波長側の緑色光G及び青色光Bとに分光する。クロスダイクロイックミラー116により分光された赤色光Rは、反射ミラー117により反射されて偏光素子113に入射する。偏光素子113により偏光状態が揃えられた赤色光Rは、リレーレンズ120を介して、画像生成部130に出射される。なお偏光素子113としては、偏光板等の任意の光学素子が用いられてよい。
クロスダイクロイックミラー116により分光された緑色光G及び青色光Bは、反射ミラー118により反射されて偏光素子114に入射する。偏光素子114により偏光状態が揃えられた緑色光G及び青色光Bは、ダイクロイックミラー119により、長波長側の緑色光Gと、短波長側の青色光Bとに分光される。
ダイクロイックミラー119により分光された緑色光Gはリレーレンズ121を介して、画像生成部130に出射される。ダイクロイックミラー119により分光された青色光Bはリレーレンズ122を介して、画像生成部130に出射される。
画像生成部130は、RGBの各色用に配置される反射型偏光素子131(131R、131G、131B)、反射型光変調素子132(132R、132G、132B)、波長板133(133R、133G、133B)、及び偏光板134(134R、134G、134B)を有する。また画像生成部130は、色合成プリズム135、偏光スクランブラー136、1/4波長板137を有する。
反射型偏光素子131は、ワイヤグリッド偏光子である。本実施形態では、図1に示すリレーレンズ120~122の各々から、反射型偏光素子131の光学面に対してP偏光となるように、RGBの各光が出射される。
反射型偏光素子131Rは、赤色光RのP偏光成分を波長板133Rに向けて出射する。波長板133Rは、黒輝度の浮きを補償する補償板として機能し、入射する赤色光Rの偏光方向を回転させて、反射型光変調素子132Rへ出射する。偏光方向の回転角度は、高精度の画像が投射されるように、適宜設定される。
反射型光変調素子132Rは、外部から供給される赤色光Rに対応した画像信号に基づいて、入射する赤色光Rを変調して反射する。変調された赤色光Rは、赤色画像を構成する画像光として出射される(以下、同じ符号を用いて画像光Rと記載する)。反射型光変調素子132Rとしては、典型的には、反射型液晶パネルが用いられるが、これに限定される訳ではない。
反射型光変調素子132Rにより出射された画像光Rは、波長板133Rを介して、反射型偏光素子131Rに入射する。画像光RのS偏光成分が光学面により反射され、画像光Rの光路上に配置された偏光板134Rに入射する。
偏光板134Rは、画像光Rの偏光状態を揃えて不要光をカットする。本実施形態では、偏光板134Rの透過軸(偏光軸)と平行な偏光方向を有する直線偏光が、偏光板134Rを透過して出射される。偏光板134Rから出射された画像光Rは、色合成プリズム135に出射される。
緑色光G及び青色光Bも同様に、反射型光変調素子132G及び132Bにより変調され、緑色画像を構成する画像光G、及び青色画像を構成する画像光Bとして出射される。画像光G及びBは反射型偏光素子131G及び131Bにより反射され、画像光G及びBの各々の光路上に配置された偏光板134G及び134Bに入射する。画像光G及びBは、偏光板134G及び134Bの各々の透過軸に平行な偏光方向を有する直線偏光として、色合成プリズム135に出射される。
本実施形態では、偏光板134(134R、134G、134B)として、無機偏光板が用いられる。もちろんこれに限定されず、任意の構成を有する偏光板が用いられてよい。
本実施形態において、反射型光変調素子132(132R、132G、132B)は、入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子に相当する。また偏光板134(134R、134G、134B)は、所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる偏光子に相当する。偏光子として、偏光板以外の光学素子が用いられる場合もあり得る。
色合成プリズム135は、例えば複数のガラスプリズム(4つの略同型状の直角二等辺プリズム)を接合することによって構成される。各ガラスプリズムの接合面には、所定の光学特性を有する2つの干渉膜が形成される。そのうちの第1の干渉膜は、青色光Bを反射し、赤色光R及び緑色光Gを透過させる。第2の干渉膜は、赤色光Rを反射し、青色光B及び緑色光Gを透過させる。
画像光R及びBは接合面により反射され、画像光Gは接合面を透過する。これにより画像RGBが同一光路上に合成され、カラー画像を構成する画像光10が生成される。画像光10は、偏光スクランブラー136に出射される。
偏光スクランブラー136は、入射する光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する。本実施形態では、偏光板134R、134G及び134Bを透過して合成された画像光10(画像光R、G、B)の偏光状態が変換され、無偏光状態の光として出射される。
無偏光状態の光とは、偏光していない状態の光であり、例えば自然光等が含まれる。また偏光方向が全方向に対して略均一に分布する光も、無偏光状態の光に含まれる。また様々な偏光状態の光を含む光も、無偏光状態の光に含まれる。また偏光成分の強度が互いに略等しく、偏光方向が互いに異なる複数の光を含む光も、無偏光状態の光に含まれる。
図2は、偏光スクランブラー136の偏光特性を説明するためのグラフである。偏光スクランブラー136としては、典型的には、光学軸を有し、入射する光の直交する2つの偏光成分に位相差(光路差)をつけて、偏光状態を変換することが可能な素子が用いられる。このような素子の厚みを適宜設計することで、入射する光の波長ごとに偏光状態が異なるように、入射する光の偏光状態を変換することが可能となる。
この結果、所定の波長帯域に含まれる光(複数の波長光を含む光)を入射させると、様々な偏光状態の光を含む無偏光状態の光を生成することが可能となる。なお光学軸とは、遅相軸(slow軸)あるいは進相軸(fast軸)に相当する。
図2Aに示すように、2枚の偏光板15及び16を、各々の透過軸15a及び16aが互いに略直交となるように配置した。そしてその間に、偏光スクランブラー136を配置して、波長ごとのクロスニコル透過率を測定した。
図2Bに示すように、波長ごとに透過率が周期的に大きく変化することが分かる。透過率の変化は、偏光状態の変化に相当する。例えば透過率が0%に近い値となる波長光は、偏光状態は変換されない。すなわち偏光スクランブラー136を透過した光は、偏光板15の透過軸15aに平行な偏光方向を有する直線偏光となる。
透過率が100%に近い値となる波長光は、偏光方向が略90度回転される。すなわち偏光スクランブラー136透過した光は、偏光板16の透過軸16aに平行な偏光方向を有する直線偏光となる。
図2Bに模式的に示すように、透過率が50%に近い値となる波長光は、偏光スクランブラー136により円偏光に変換される。透過率が0%から50%までの範囲に対応する波長光は、縦長の楕円偏光(透過軸15aに平行な偏光成分が多い楕円偏光)に変換される。透過率が50%から100%までの範囲に対応する波長光は、横長の楕円偏光(透過軸16aに平行な偏光成分が多い楕円偏光)に変換される。
このように偏光スクランブラー136に入射する光は、各波長で異なる偏光状態に変換される。破線で囲まれた赤色波長帯域17R、緑色波長帯域17G、及び青色波長帯域17Bの各々において、様々な偏光状態の光が含まれることになる。この結果、各色の画像光R、G、Bは、偏光スクランブラー136により、無偏光状態の光R1、G1、B1に変換される。
偏光スクランブラー136は、例えば一軸性結晶材料により構成される。水晶、サファイア、ニオブ酸リチウム、及びイットリウムバナデート等の、素材自体に軸を有する無機材質を用いることが可能である。この場合、偏光スクランブラー136の厚みは、例えば0.5mm以上に設定されるが、所望の偏光特性が発揮されるように任意に設計されてよい。厚みが適宜設定された水晶板等を用いることが可能である。
また偏光スクランブラー136は、例えば一軸性有機材料により構成することも可能である。例えばポリカーボネートやポリオレフィン等の有機フィルムにより、偏光スクランブラーを実現することも可能である。この場合、偏光スクランブラー136の厚みは、例えば1.0mm以上に設定されるが、所望の偏光特性が発揮されるように任意に設計されてよい。
その他、偏光スクランブラー136を実現するために、任意の構成が採用されてよい。水晶、波長板フィルム、無機位相差膜等を用いた任意の波長板を、偏光スクランブラー136として用いることが可能である。なお多層フィルム、多層無機蒸着膜、多層水晶の各構成にて、偏光スクランブラー136を形成したところ、吸湿や劣化等に対する耐性は、多層水晶の構成が高かった。この点も鑑み、高輝度モデルの画像表示装置に対しては、水晶等の無機材質を用いた偏光スクランブラー136が有効であると考えられる。もちろん本技術の適用が、この材料や構成に限定される訳ではない。
図1に示す1/4波長板137は、偏光スクランブラー136から出射される無偏光状態の光である画像光10の光路上に配置される。また1/4波長板137は、偏光スクランブラー136と、投射光学系140との間に配置される。
本実施形態では、透光材料からなる土台部の一方の面部に偏光スクランブラー136が接続される。1/4波長板137は、土台部の他方の面に、偏光スクランブラー136と対向するように接続される。1/4波長板137を光路上に配置するための構成は限定されず、任意設計されてよい。
1/4波長板137は、入射する光の偏光面に90度の位相差を与える。1/4波長板137の具体的な構成は限定されず、任意に設計されてよい。
本実施形態において、偏光スクランブラー136は、偏光子を透過する直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する偏光変換素子に相当する。また1/4波長板137は、偏光変換素子から出射される無偏光状態の光の光路上に配置される1/4波長板に相当する。
図3は、偏光スクランブラー136と、1/4波長板137との配置関係について説明するための図である。本実施形態では、1/4波長板137は、1/4波長板137の光学軸137aの方向が、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向に対応するように配置される。具体的には、図3に示すように、1/4波長板137は、1/4波長板137の光学軸137aの方向と偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向との角度差が略45度となるように配置される。
図3に示すように、所定の方向(図中では左右方向)を0度として、左回りの方向を正の角度方向とする。図3Aに示すように、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向が、45度に設定される。この場合、1/4波長板137の光学軸137aは、90度又は0度に設定される。
図3Bに示すように、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向が、90度に設定される。この場合、1/4波長板137の光学軸137aは、45度又は135度に設定される。図3Cに示すように、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向が、70度に設定される。この場合、1/4波長板137の光学軸137aは、25度又は115度に設定される。
もちろんここで例示した角度設定に限定されず、1/4波長板137の光学軸137aの方向と、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向との角度差が略45度となるのであれば、任意の構成が採用可能である。
偏光スクランブラー136から、無偏光状態の光として出射される画像光10(画像光R、G、B)は、1/4波長板137により偏光状態が変換される。1/4波長板137により偏光状態が変換された画像光10も、無偏光状態の光として、投射光学系140に出射される。
投射光学系140は、偏光スクランブラー136及び1/4波長板137により無偏光状態の光に変換された画像光10を、所定の倍率に拡大して、スクリーン等の被投射物に投射する。これによりカラー画像が表示される。投射光学系140は、例えば複数の投射レンズ等を含み、具体的な構成は適宜設計されてよい。本実施形態において、投射光学系140は、画像光を投射する投射部に相当する。
画像光10を無偏光状態の光に変換することで、スクリーン等の被投射物の反射特性に起因した色ムラや輝度落ちの発生等を防止することが可能である。例えば被投射物に入射する光の入射角度と偏光状態とに応じて、光の反射率が異なる場合があり得る。この場合、RGBの画像光の各々の偏光状態に差異がある場合には、各色の光の反射率がばらついてしまい、色ムラや輝度落ちが発生してしまう。本実施形態では、画像光10が無偏光状態の光に変換されるので、各色の光の反射率が略同等となり、色ムラや輝度落ちが防止される。
また3Dメガネにより所定の偏光状態の光を透過させ、右目画像及び左目画像として視聴させるシステムがある。このようなシステムにおいても、画像光10を無偏光状態の光に変換することで、色ムラや輝度落ちを十分に防止することが可能である。また超短焦点プロジェクタ等により画像を表示する場合にも、本技術を適用することで、色ムラや輝度落ちを十分に防止することが可能である。
なお本実施形態では、反射型光変調素子132、波長板133、及び偏光板134、色合成プリズム135、偏光スクランブラー136、及び1/4波長板137により、画像表示ユニットが実現される。この画像表示ユニットが、画像表示装置100から交換可能に構成されてもよい。
図4~図6は、投射光学系140により反射される画像光10の反射成分について説明するための模式図である。
図4は、反射型光変調素子132から投射光学系140までの光路を主に示す図である。図4では、説明を分かりやすくするために、緑色の画像光Gのみが図示されているが、もちろん他の色の画像光についても、同様の作用効果となる。
図5は、反射型光変調素子132から投射光学系140までの光路を進む画像光に対する偏光特性を説明するための図である。図5では、画像光10が進む反射型光変調素子132から投射光学系140までの光路(往路)と、投射光学系140により反射される反射成分が逆向きに進む光路(復路)とが、直線状に模式的に図示されている。
また図5の枠20~24内には、各色の画像光及び反射成分の偏光状態が模式的に図示されている。枠20~24内の偏光状態は、各色光に含まれるある光に着目し、その偏光状態の変化を示した図である。
反射型光変調素子132Gにより出射された画像光Gは、波長板133G及び反射型偏光素子131Gを介して、偏光板134Gに入射する。ここでは画像光Gは、反射型偏光素子131の光学面に対してS偏光となる状態で、偏光板134Gに入射する。偏光板134Gから、同じくS偏光の状態の画像光Gが出射される。図5の枠20に示すように、RGBの各色光において、偏光板134の透過軸134aに平行な偏光方向を有する直線偏光が出射される。
偏光板134Gから出射された画像光Gは、色合成プリズム135を介して、偏光スクランブラー136に入射する。画像光Gは、偏光スクランブラー136により無偏光状態の光に変換される。もちろんRGBの各色光が、無偏光状態の光に変換される。
図5の枠21に示す例では、青色の画像光Bは、直線偏光からP偏光成分を多く含む楕円偏光に変換されている。緑色の画像光Gは、直線偏光から円偏光に変換されている。赤色の画像光Rは、S偏光成分を多く含む楕円偏光に変換される。もちろん図2に例示するように、RGBの各色光において、様々な偏光状態の光が含む無偏光状態の光に変換されている。
図4に示すように、偏光スクランブラー136により無偏光状態の光に変換された画像光Gは、1/4波長板137を透過する。1/4波長板137からは、無偏光状態の光として、画像光Gが出射される。偏光スクランブラー136及び1/4波長板137により、画像光Gが無偏光状態の光に変換されるということも可能である。
図5の枠22に示す例では、1/4波長板137により、RGBの各色光が枠21とは異なる直線偏光に近い楕円偏光(図5では直線偏光で模式的に表現している)にそれぞれ変換されている。もちろんRGBの各色光において、様々な偏光状態の光が含む無偏光状態の光となっている。
図4に示すように、投射光学系140により反射された反射成分G'が生じたとする。この場合、反射成分G'は、偏光状態を略維持した状態で、1/4波長板137に再び入射する。その結果、図5の枠23に示すように、RGBの各色光において、偏光状態が変換される。
図5に示すように、RGBの各色光は、1/4波長板137を2回透過することになる。従ってRGBの各色光が1/2波長板150を透過することと略等しい偏光特性が発揮される。すなわち反射成分Gに対しては、偏光スクランブラー136の光学軸136aと略45度交差する方向に光学軸150aが設定された1/2波長板150を透過することと略等しくなる。
1/2波長板150は、入射する光の偏光面に180度の位相差を与える。従って、図5の枠23に示すように、RGBの各色光は、枠21に示す偏光状態とは逆回りの円偏光及び楕円偏光となる。図4に示すように、1/4波長板137を透過した反射成分G'は、無偏光状態の光として、偏光スクランブラー136に入射する。
図6は、反射型光変調素子132から投射光学系140までの光路を往復する反射成分に対する偏光特性を説明するための模式図である。図6A~Cに示す各部材の配置関係は、図3A~Cに示す配置関係に対応する。
投射光学系140に反射される前の画像光10に対する偏光スクランブラー136の偏光特性と、投射光学系140により反射された反射成分に対する偏光スクランブラー136の偏光特性との関係に着目する。
投射光学系140により反射された反射成分は、偏光スクランブラー136を透過した後から考えると、1/4波長板137を2回透過することになる。すなわち偏光スクランブラー136を透過した後に、1/2波長板150を透過したことと略等しくなる。そしてその後に、偏光スクランブラー136に再び入射する。
従って図5及び図6に示すように、反射成分に対しては、偏光スクランブラー136の光学軸136aと略45度交差する方向に光学軸155aが設定された偏光スクランブラー155を透過することと略等しい偏光特性が発揮される。従って、入射光に対する位相差が打ち消し合うことになり、偏光スクランブラーの効果が打ち消される。
この結果、RGBの各色光において、往路の偏光スクランブラー136に入射する前の偏光状態と略等しい偏光状態に変換される。図5の枠24に示す各色光は、枠20に示す偏光状態と略等しく偏光状態となる。
図5に示すように、投射光学系140により反射された反射成分に対しては、軸無しの光学部材を透過することと略等しい偏光特性となり、偏光状態の変換が行われないことと略等価となる。従って図4に示すように、偏光スクランブラー136から出射される反射成分G'は、略S偏光となり、偏光板134Gでほとんど反射されることなく透過する。RGBの各色光においても同様であり、反射成分は、偏光光134を透過して反射型光変調素子132に戻される。
図7は、比較例として挙げる画像表示装置900の構成例を示す図である。この画像表示装置900では、偏光スクランブラー936と投射光学系940との間に、1/4波長板が配置されない構成を有する。
この場合、反射型光変調素子932Gから出射された画像光Gのうち、投射光学系940により反射された反射成分G'は、偏光スクランブラー936を透過した後も無偏光状態の光となる。従って、偏光板934Gの裏面反射等により、反射成分G'のうちP偏光成分が偏光板934Gにより反射される。反射されたP偏光成分は、偏光スクランブラー136により無偏光状態の光に変換され、投射光学系940によりスクリーン等に投射される。
従って、画像表示装置900では、投射光学系940により反射された反射成分は、ゴースト成分となってしまい、スクリーン等に投射されてしまう。このことはRGBの各色光に対して同様に発生してしまう。この結果、表示される画像の品質が大きく低下してしまう。
これに対して本実施形態に係る画像表示装置100では、RGBの各色光において、投射光学系140により反射される反射成分は、偏光板134によりほとんど反射されることなく、偏光板134を透過する。従って偏光板134の裏面反射等を起因としたゴースト成分の発生を十分に抑制することが可能となり、非常に高品質の画像を表示することが可能となる。
また、図5に示す偏光板134を、偏光板134の透過軸134aの方向が偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向に対応するように配置する。これにより偏光スクランブラーの効果が十分に発揮され、色ムラや輝度落ちの発生等を十分に防止することが可能となることが分かった。具体的には、偏光板134の透過軸134aの方向と、偏光スクランブラー136の光学軸136aの方向との角度差が略45度となるように構成することで、色ムラや輝度落ちの発生等を十分に防止することが可能となった。
以上、本実施形態に係る画像表示装置100では、偏光板134を透過する直線偏光が無偏光状態の光に変換される。無偏光状態の光の光路上には1/4波長板137が配置される。これにより光路を逆向きに進行する無偏光状態の光の反射成分が、偏光板134により再び反射されてしまうことを防止することが可能となる。従って、偏光スクランブラーの効果を維持しながら、反射ゴーストを十分に低減することが可能となる。この結果、高品質の画像を表示することが可能となる。
<その他の実施形態>
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
図8~図10は、画像生成部の他の構成例を示す概略図である。図8に示す画像生成部230のように、反射型偏光素子231(231R、231G、231B)として、ワイヤグリッド偏光子に代えて、プリズム型のビームスプリッタ等の他の偏光素子が用いられてもよい。また反射型光変調素子232(232R、232G、232B)が配置される向きも限定されず、適宜設計されてよい。
上記の実施形態と同様に、画像光10(画像光R、G、B)の光路上に、偏光板234(234R、234G、234B)、偏光スクランブラー236、及び1/4波長板237を配置する。これにより投射光学系240により反射される反射成分による反射ゴーストを十分に低減することが可能となり、高品質な画像を表示することが可能となる。
図9に示す画像生成部330のように、透過型光変調素子332(332R、332G、332B)が用いられてもよい。例えば透過型光変調素子332を挟むように偏光板や補償板が配置される。その他、任意の構成が採用されてよい。画像光R、Bの光路において、上記の実施形態と同様に偏光板334(334R、334B)、偏光スクランブラー336、及び1/4波長板337を配置する。これにより投射光学系340により反射される反射成分による反射ゴーストを十分に低減することが可能となり、高品質な画像を表示することが可能となる。なお画像光Gの光路上に、他の画像光R、Bと同様に偏光板が配置されてもよい。この場合でも、偏光スクランブラー336、及び1/4波長板337が配置されるので、反射ゴーストを十分に低減可能である。
図10に示す画像生成部430では、反射型光変調素子432Gにより変調された緑色の画像光Gが、反射型偏光素子431Gにより反射され色合成プリズム435に入射する。反射型光変調素子432Rにより変調された赤色の画像光R及び反射型光変調素子432Bにより変調された青色の画像光Bは、反射型偏光素子431RBにより同じ光路に沿って出射され、色合成プリズム435に入射する。
このような構成においても、画像光10(画像光R、G、B)の光路上に、偏光板434(434G、434RB)、偏光スクランブラー436、及び1/4波長板437をこの順番で配置する。これにより投射光学系440により反射される反射成分による反射ゴーストを十分に低減することが可能となり、高品質な画像を表示することが可能となる。
偏光スクランブラーの光学軸の方向と1/4波長板の光学軸の方向との対応関係について、上記では、互いの角度差を略45度に設定する場合を説明した。これに限定されず、例えば60度から30度の範囲に設定することでも反射ゴーストの低減効果は発揮される。表示される画像の画質の許容範囲に基づいて、45度の角度差を基準として角度差の許容範囲が適宜設定されればよい。そしてその許容範囲に含まれる任意の値が選択されてよい。
偏光子の透過軸の方向と偏光スクランブラーの光学軸の方向との対応関係についても同様である。上記では、互いの角度差を略45度に設定する場合を説明したが、これに限定されない。表示される画像の画質の許容範囲に基づいて、角度差の許容範囲が適宜設定され、その許容範囲に含まれる任意の値が選択されてよい。
偏光板と色合成プリズムとの間に、偏光方向を回転可能な1/2波長板等の光学素子が配置されてもよい。例えば色合成プリズムの接合面の光学特性に対応するように各色の画像光の偏光方向を変換させる。これにより画像の高輝度化を図ることが可能となる。なおこの場合、偏光板と1/4波長板等の光学素子とにより、本技術に係る偏光子が構成されるとも言える。
光変調素子として、液晶パネルの他、ジタルマイクロミラーデバイス(DMD)等の任意のデバイスが用いられてよい。
各図面を参照して説明した画像表示装置、光源部、照明光学系、画像生成部、投射光学系等の各構成等はあくまで一実施形態であり、本技術の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変形可能である。すなわち本技術を実施するための他の任意の構成が採用されてよい。
本開示において、「略同型状」「略均一」「略等しい」「略直交」「略90度」「略45度」「略同等」「略維持」「略等価」「略S偏光」等は、「完全同型状」「完全均一」「完全等しい」「完全直交」「完全90度」「完全45度」「完全同等」「完全維持」「完全等価」「完全S偏光」を基準とした所定の範囲(例えば±10%の範囲)を意味する概念である。これらの概念を単に「同型状」「均一」「等しい」「直交」「90度」「45度」「同等」「維持」「等価」「S偏光」等を言うことも可能である。
以上説明した本技術に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる偏光子と、
前記偏光子を透過する前記直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する偏光変換素子と、
前記偏光変換素子から出射される前記無偏光状態の光の光路上に配置される1/4波長板と
を具備する画像表示装置。
(2)(1)に記載の画像表示装置であって、さらに、
入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子と、
前記画像光を投射する投射部と
を具備し、
前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置され、
前記1/4波長板は、前記偏光変換素子と、前記投射部との間に配置される
画像表示装置。
(3)(1)又は(2)に記載の画像表示装置であって、
前記偏光変換素子は、光学軸を有し、
前記1/4波長板は、前記1/4波長板の光学軸の方向が前記偏光変換素子の光学軸の方向に対応するように配置される
画像表示装置。
(4)(3)に記載の画像表示装置であって、
前記1/4波長板は、前記1/4波長板の光学軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置される
画像表示装置。
(5)(3)又は(4)に記載の画像表示装置であって、
前記偏光子は、透過軸を有し、前記偏光子の透過軸の方向が前記偏光変換素子の光学軸の方向に対応するように配置される
画像表示装置。
(6)(5)に記載の画像表示装置であって、
前記偏光子は、前記偏光子の透過軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置される
画像表示装置。
(7)(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記偏光変換素子は、一軸性結晶材料、又は一軸性有機材料により構成されている
画像表示装置。
(8)(1)から(7)のうちいずれか1つに記載の画像表示装置であって、
前記偏光子は、偏光板である
画像表示装置。
(9)所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる偏光子と、
前記偏光子を透過する前記直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する偏光変換素子と、
前記偏光変換素子から出射される前記無偏光状態の光の光路上に配置される1/4波長板と
を具備する画像表示ユニット。
(10)(9)に記載の画像表示ユニットあって、さらに、
入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子を具備し、
前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置される
画像表示ユニット。
R、G、B…画像光
R1、G1、B1…無偏光状態の光
G'…反射成分
10…画像光
100…画像表示装置
101…光源部
110…照明光学系
130、230、330、430…画像生成部
132、232、432…反射型光変調素子
134、234、334、434…偏光板
136、236、336、436…偏光スクランブラー
136a…偏光スクランブラーの光学軸
137、237、337、437…1/4波長板
137a…1/4波長板の光学軸
140、240、340、440…射光学系
332…透過型光変調素子

Claims (5)

  1. 所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる偏光子と、
    光学軸を有し、前記偏光子を透過する前記直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子から出射される前記無偏光状態の光の光路上に配置される1/4波長板と
    入射する光を変調して画像光を出射する光変調素子と、
    前記画像光を投射する投射部と
    を具備し、
    前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置され、
    前記1/4波長板は、前記偏光変換素子と前記投射部との間に、前記1/4波長板の光学軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置される
    画像表示装置。
  2. 請求項に記載の画像表示装置であって、
    前記偏光子は、透過軸を有し、前記偏光子の透過軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置される
    画像表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像表示装置であって、
    前記偏光変換素子は、一軸性結晶材料、又は一軸性有機材料により構成されている
    画像表示装置。
  4. 請求項1から3のうちいずれか1項に記載の画像表示装置であって、
    前記偏光子は、偏光板である
    画像表示装置。
  5. 画像光を投射する投射部に前記画像光を出射する画像表示ユニットであって、
    所定の偏光方向を有する直線偏光を透過させる偏光子と、
    光学軸を有し、前記偏光子を透過する前記直線偏光の偏光状態を変換して、無偏光状態の光として出射する偏光変換素子と、
    前記偏光変換素子から出射される前記無偏光状態の光の光路上に配置される1/4波長板と
    入射する光を変調して前記画像光を出射する光変調素子と、
    を具備し、
    前記偏光子は、前記光変調素子から出射される前記画像光の光路上に配置され、
    前記1/4波長板は、前記偏光変換素子と前記投射部との間に、前記1/4波長板の光学軸の方向と前記偏光変換素子の光学軸の方向との角度差が略45度となるように配置される
    画像表示ユニット。
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