JP7204896B2 - 旋削工具本体、旋削工具及びデータ収集システム - Google Patents

旋削工具本体、旋削工具及びデータ収集システム Download PDF

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Description

本発明は、旋削工具本体、当該旋削工具本体を含む旋削工具、及び旋削工具本体を含むデータ収集システムに関する。旋削工具は、例えば、バイトである。旋削工具本体は、例えば、切刃を備えたインサートが取り付けられるホルダである。
金属などの被削材を旋削加工する際に、旋削加工の状態を測定することが可能な旋削工具として、例えば特許文献1に記載の旋削工具が知られている。特許文献1には、本体部、切削刃、センサ部、ケーブル部材及び通信部を備え、通信部がケーブル部材に着脱可能に接続された旋削工具が記載されている。ケーブル部材は、棒状の本体部の後端から延び出ている。
特開2012-20359号公報
本開示の一態様に係る旋削工具本体は、刃部を保持する第1部材と、前記第1部材に連結されている第2部材と、前記第1部材内に位置しているセンサと、前記センサに接続されており、前記第2部材から延び出ているケーブルと、を有している。前記第2部材は、前記第1部材に対して所定の摺動軸回りに回転可能である。前記ケーブルは、前記第2部材から前記摺動軸に交差する方向へ延び出ている。
本開示の一態様に係る旋削工具は、上記旋削工具本体と、前記旋削工具本体に保持されている前記刃部と、を有している。
本開示の一態様に係るデータ収集システムは、上記旋削工具本体と、前記センサから前記ケーブルを介して出力される信号に含まれる情報を蓄積する記憶部と、を有している。
実施形態の旋削工具を示す斜視図である。 図1に示す旋削工具の分解斜視図である。 図1に示す旋削工具の側面図である。 図1に示す旋削工具を長さ方向に透視した図である。 図1のV-V線における断面の一部を示す図である。 位置決め機構の第1の例を示す断面図である。 位置決め機構の第2の例を示す分解斜視図である。 図7の位置決め機構の断面図である。 実施形態の切削加工物の製造方法を示す概略図である。 図10(a)及び図10(b)はデータ収集システムの構成の例及び他の例を示すブロック図である。
以下、実施形態に係る旋削工具について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上、実施形態を説明する上で必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。したがって、旋削工具は、参照する各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
<旋削工具>
図1は、実施形態に係る旋削工具1の外観斜視図である。図2は、旋削工具1の分解斜視図である。図3は、旋削工具1を図1の紙面上方側から見た側面図である。
旋削工具1は、工作機械に取り付けられる概略棒状のホルダ3(旋削工具本体の一例)と、ホルダ3の先端側に着脱されるインサート5とを有している。旋削工具1は、回転している被削材にインサート5を当接させることによって被削材を切削する。旋削工具1は、バイトと呼称されることもある。旋削工具1としては、例えば、外径加工用工具、内径加工用工具、溝入れ工具及び突っ切り工具などが挙げられる。
ホルダ3は、インサート5を保持する第1部材7と、第1部材7内に位置しているセンサ9と、センサ9に接続されているケーブル11と、を有している。第1部材7は、例えば、インサート5の保持の他、旋削工具1の工作機械への取り付け、及びセンサ9の保持に寄与する。センサ9は、例えば、温度等の旋削工具1の状態を示す物理量を検出する。ケーブル11は、例えば、センサ9が検出した物理量の情報を含む信号を旋削工具1の外部へ伝達することに寄与する。また、ケーブル11は、例えば、センサに電力を供給することに寄与してもよい。
また、ホルダ3は、第1部材7に連結されている第2部材13と、第2部材13に取り付けられている筒状部材15とを有している。ケーブル11は、第2部材13及び筒状部材15を経由して旋削工具1から延び出ている。第2部材13は、例えば、ケーブル11が旋削工具1から延び出る方向を調整することに寄与する。筒状部材15は、例えば、旋削工具1の防水性(液体が水でない場合もこの用語を用いるものとする。)向上に寄与する。
なお、ホルダ3のうちケーブル11以外の部分をホルダ本体3aということがある。
(第1部材の概略形状)
第1部材7は、例えば、第1端7aから第2端7bに向かって延びた棒形状である。一般的には、第1端7aが先端であり、第2端7bが後端である。第1部材7の横断面(長さ方向に直交する断面)の形状は適宜な形状とされてよい。図示の例では、第1部材7の横断面の形状は矩形状である。換言すれば、第1部材7は、概略、四角柱形状である。第1端7aから第2端7bに向かって延びた仮想直線を中心軸O1としたとき、第1部材7は、中心軸O1を有し、この中心軸O1に沿って延びているとも言える。
より詳細には、第1部材7は、第1部材7の大部分(例えば第1部材7の長さの6割以上)を占める本体7cと、本体7cに対して先端に位置し、インサート5を保持する先端部7dとを有している。本体7cは、概略、一定の横断面(ここでは矩形)で延びている。一方、先端部7dは、例えば、インサート5の種類及び/又は加工の種類等に応じた適宜な形状とされている。このような場合、中心軸O1は、本体7cに基づいて特定されてよい。例えば、中心軸O1は、本体7cの横断面(後述する空所27等の存在は無視し、本体7cの外形がなす図形とする。)の図心を通る、本体7cの長さ方向に平行な軸とされてよい。
なお、図示とは異なり、第1部材7の横断面の形状は、外縁に曲線を含む形状等の他の形状であってもよい。また、第1部材7の横断面の形状が矩形である場合において、その縦横比は適宜に設定されてよい。換言すれば、横断面の形状は、正方形であってもよいし、正方形を除く長方形であってもよい。また、第1部材7は、先端側に屈曲部分を有していてもよい。
第1部材7は、中心軸O1に沿う面(例えば平行な面)として、第1側面7eと、その反対側に位置している第2側面7fと、第1側面7eと第2側面7fとをつないでいる第3側面7g及び第4側面7hとを有している。図示の例では、上記のように、第1部材7(より厳密には本体7c)は、概略四角柱状であるから、これらの側面は、平面状であり、また、その平面形状は、第1端7aから第2端7bへの方向を長さ方向とする長方形状である。
第1部材7の大きさは特に限定されない。一例を以下に挙げる。第1端7aから第2端7bまでの長さは、50mm以上200mm以下とされてよい。第1側面7eからその反対側の第2側面7fまでの厚さ、及び/又は第3側面7gから第4側面7hまでの厚さは、それぞれ5mm以上30mm以下とされてよい。
(第1部材のインサートの取り付けに係る構成)
第1部材7のインサート5が取り付けられる部分の位置及び形状は適宜な形状とされてよい。図示の例では、第1部材7は、インサート5の少なくとも一部が収容される凹部17を有している。このような凹部17は、一般的には、ポケットと呼ばれる。凹部17の位置、形状及び大きさは、取り付けられるインサート5の形状及び大きさに応じて適宜に設定されてよい。図示の例では、凹部17は、第1側面7e、第3側面7g及び先端面(符号省略)が交わる角部に構成されており、その形状は、概略、直方体状である。
(第1部材のセンサの収容に係る構成)
第1部材7は、例えば、第1部材7の主体となる基体23と、基体23に取り付けられるカバー25とを有している。基体23は、センサ9の収容等に寄与する空所27(図示の例では凹部)を有している。この空所27は、基体23の外部へ開口しており、カバー25は、空所27を塞ぐことに寄与している。
(基体)
基体23は、第1部材7の大部分を構成しており、その外形については、既述の第1部材7の形状の説明が援用されてよい。基体23は、例えば、その全体が一体的に形成されている。第1部材7の材料は任意である。例えば、第1部材7の材料としては、鋼、鋳鉄などが挙げられる。第1部材7の靭性を高める観点から、これらの材料の中で鋼が用いられてもよい。
空所27の位置、形状及び大きさは適宜に設定されてよい。例えば、図示の例では、空所27は、インサート5(凹部17)に対して第2端7bの側に位置している。また、空所27は、第2端7bの側の端面(後端面)から離れて位置している。なお、本実施形態の説明において、空所27は、第2部材13が挿通される後述する軸支孔29を含まないものとする。
また、図示の例では、空所27は、第1側面7eに開口する凹部によって構成されている。ただし、空所27は、他の側面のいずれかに開口する凹部であってもよい。また、第2部材13の取付位置及び取付構造が図示の例とは異なる態様において、空所27は、第2端7b側の端面(後端面)に開口する凹部であってもよい。さらに、空所27は、2以上の面に開口していてもよく、別の観点では、一部又は全部が貫通孔によって構成されていてもよい。
また、図示の例では、空所27は、第1凹部27aと、第1凹部27aに対して第2端7bの側に位置しており、第1凹部27aよりも深い第2凹部27bとを有している。第1凹部27aは、例えば、センサ9を収容することに寄与する。第2凹部27bは、例えば、第2部材13と第1部材7との連結構造の一部を収容することに寄与する。
第1凹部27aの形状及び大きさは任意である。図示の例では、第1凹部27aは、概ね、比較的薄い直方体状の空間を構成する形状とされている。また、第1凹部27aは、例えば、センサ9よりも一回りだけ大きいものとされてよい。これにより、例えば、空所27の容積を小さくして、第1部材7の強度を確保することが容易化される。例えば、第1側面7eの平面視において、第1凹部27aの面積は、センサ9の面積の1.5倍以下とされてよく、第1側面7eに直交する方向において、第1凹部27aの深さは、センサ9の厚さ及びカバー25の厚さの合計の1.5倍以下とされてよい。
第2凹部27bの形状及び大きさは任意である。図示の例では、第2凹部27bは、概ね、直方体体状の空間を構成する形状とされている。また、図示の例では、第2凹部27bの大きさは、第1部材7の中心軸O1が第2凹部27bによって構成された空間を通過するように比較的大きくされている。なお、図示の例では、第1側面7eの平面視において、第1凹部27aの幅(第1部材7の長さ方向に直交する方向の長さ)と第2凹部27bの幅とは同等となっているが、両者は異なっていてもよい。また、第2凹部27bは、単にドリルで穴が形成されただけのものとされ、その形状が直方体状等の意図的な形状に整えられていないものであってもよい。
(カバー)
カバー25は、例えば、概略、平板状とされている。また、その平面視における形状及び大きさは、例えば、概ね、空所27の第1側面7eにおける開口部の形状及び大きさと同等である。そして、カバー25は、空所27の開口部内に位置して空所27を塞いでいる。
カバー25の基体23に対する固定方法は、適宜なものとされてよい。例えば、当該固定は、接着剤によってなされてもよいし、両者が直接に接合(溶接等)されることによってなされてもよいし、ねじによってなされてもよいし、爪(係合)によってなされてもよい。空所27の開口部は、カバー25によって密閉されてもよいし、密閉されなくてもよい。
カバー25の材料は任意である。例えば、カバー25の材料は、プラスチックなどの有機材料、ガラスなどの無機材料、又は、ステンレスなどの金属であってもよい。
(センサ)
センサ9は、切削加工時における旋削工具1(その任意の部位)の状態を測定することが可能な部材である。旋削工具1の状態としては、例えば、温度、加速度、振動、ひずみ、内部応力及び損耗などの物理量が挙げられる。旋削工具1の状態を測定するとは、旋削工具1における上記に代表される物理量の少なくともいずれか1つの情報を測定することを意味する。また、測定の対象は、静的な状態での情報に限定されず、動的な状態での情報、すなわち、状態の変化であってもよい。
例えば、測定対象の情報を温度とする。また、切削加工前の旋削工具1の温度が20°であって、切削加工時に旋削工具1の温度が80°に上昇したとする。このとき、切削加工前の旋削工具1の温度である20°が、温度に関する静的な状態での情報である。また、20°から80°への旋削工具1の温度の上昇が、温度に関する動的な状態での情報である。これらの情報のいずれか一方が測定されてもよく、また、両方が測定されてもよい。
例えば、ホルダ3がセンサ9として熱電対を有している場合には、第1部材7の温度を測定することが可能である。ホルダ3がピエゾ素子を用いた圧電センサを有している場合にも、加速度、振動、ひずみ及び内部応力などを測定することが可能である。また、ホルダ3がセンサ9として機能する配線回路を有していてもよい。具体的には、第1部材7の損耗に伴って配線回路が損耗し、この回路の抵抗値が変化した場合に、この抵抗値の変化によって第1部材7の損耗状態を測定してもよい。
なお、センサ9で測定され得る旋削工具1の状態は上記の物性値に限定されない。また、センサ9は上記の具体例に限定されるものではなく、上に例示した物性値を測定できる特に記載していない他の素子を用いてもよい。例えば、カメラ及びマイクが挙げられる。また、上記の説明から理解されるように、センサ9の形状は任意である。図では、センサ9を薄型の直方体状に示しているが、そのような形状に限定されない。また、センサ9は、物理量を電気信号に変換するトランスデューサーの部分だけであってもよいし(狭義のセンサであってもよいし)、トランスデューサーに加えて増幅器等を含んでいてもよい。また、センサ9は、例えば、測定された物理量に対してエッジ処理を行うことが可能なマイクロコンピューターを含んでもよい。
センサ9の第1部材7(基体23)に対する固定方法は、センサ9の種類等に応じて適宜なものとされてよい。例えば、当該固定は、接着剤によってなされてもよいし、粘着テープによってなされてもよいし、直接的な接合によってなされてもよいし、ねじによってなされてもよいし、爪(係合)によってなされてもよいし、カバー25によって押さえ付けられることによってなされてもよい。
また、特に図示しないが、センサ9は、第1凹部27aに充填された封止材(例えば樹脂)によって封止されつつ(埋設されつつ)、基体23に固定されてもよい。この封止材は、ケーブル11のセンサ9に接続されている部分も覆って構わない。また、封止材は、第2凹部27bのうちの一部にも、第2部材13の回転を阻害しないように配置されていても構わない。第1部材7と第2部材13との間の軸支構造によっては(図示の例とは異なる軸支構造では)、封止材が第2凹部27bに充填されていても構わない。
(ケーブル)
ケーブル11(信号伝達部材)は、可撓性を有する長尺状の部材であり、信号の伝達に寄与する。ケーブル11が伝達する信号は、例えば、センサ9が出力する検出信号(旋削工具1の状態に応じた信号)、及び/又はセンサ9を駆動する駆動信号(駆動電力等)である。また、ケーブル11が伝達する信号は、例えば、電気信号及び/又は光信号である。なお、上記した通り、ケーブル11は、信号の伝達に加えて、センサに電力を供給することに寄与してもよい。
ケーブル11が電気信号を伝達するものである場合、その構成としては、例えば、導電体を絶縁膜で覆ったものを挙げることができる。より詳細には、ケーブル11は、例えば、1本の線状の導電体(狭義の電線)を絶縁膜で被覆したもの(絶縁電線)であってもよいし、1本又は複数本の絶縁電線を絶縁性の外皮(シース)によって覆ったもの(ケーブルと呼ばれることもある。)であってもよいし、同軸ケーブルであってもよいし、FPC(Flexible printed circuits)によって構成されたFFC(Flexible Flat Cable)であってもよい。
また、ケーブル11が光信号を伝達するものである場合、その構成としては、例えば、光透過性材料からなるコアを当該コアよりも屈折率が低いクラッドで覆ったものを挙げることができる。より詳細には、ケーブル11は、コア及びクラッドのみからなるものであってもよいし、当該構成を樹脂及び/又は繊維等からなる1層又は複数層の外皮で覆ったものであってもよいし、フレキシブル基板状のものであってもよい。
ケーブル11は、1本のみ設けられていてもよいし(図示の例)、複数本設けられていてもよい。ケーブル11が1本のみの場合、例えば、それぞれ信号を伝達する複数の信号線(例えば複数の絶縁電線)が纏めて外皮に覆われることによってケーブル11が構成されている。ただし、センサ9としての圧電体が歪に応じて生じる電荷を不平衡信号として出力する場合等、1本のみのケーブル11が1本のみの信号線を含むことも可能である。
ケーブル11は、センサ9に接続されており、第1部材7の内部(空所27)から第1部材7の外部へ延び出ている。さらに、ケーブル11は、第2部材13の内部及び筒状部材15を経由して、ホルダ本体3aの外部へ延び出ている。その延び出る方向は、第2部材13(及び筒状部材15)によって規制されている。
(第2部材)
第2部材13は、ケーブル11のうちの当該第2部材13から延び出る部分を保持している。また、第2部材13は、第1部材7に対して摺動軸O3(図3)回りに回転可能である。従って、第2部材13の第1部材7に対する回転によって、ケーブル11がホルダ本体3aから延び出る方向を変更可能となっている。
第2部材13の第1部材7に対する位置、並びに摺動軸O3の向き及び位置は適宜に設定されてよい。図示の例では、第2部材13は、第1部材7に対して第2端7bの側(インサート5とは反対側)に位置している。摺動軸O3は、第1部材7の長さ方向(別の観点では中心軸O1)に沿う方向(例えば平行な方向)に延びている。また、図示の例では、摺動軸O3は、中心軸O1上に位置している(同軸である。)。ここでいう長さ方向(中心軸O1)に沿う方向は、例えば、長さ方向に対する傾斜角が30°以下、15°以下又は5°以下の方向とされてもよい。
なお、図示の例とは異なる態様も種々可能である。例えば、第2部材13は、第1部材7の側面(7e~7h)のいずれかに位置して、第1部材7の長さ方向に交差(例えば直交)する方向に延びる摺動軸回りに回転可能に第1部材7に連結されてもよい。また、例えば、中心軸O1に平行な摺動軸O3は、中心軸O1から離れた位置にあってもよい(偏心していてもよい。)。
第2部材13は、例えば、第1部材7の外部でケーブル11を案内する本体13aと、第1部材7との連結のための軸部13bとを有している。本体13a及び軸部13bは、例えば、一体的に構成されている。なお、第2部材13と第1部材7との連結構造を図示の構造とは異なるものとし、本体13aのみによって第2部材13を構成することも可能である。また、第2部材13は、複数の部材の組み合わせによって構成されても構わない。
また、第2部材13は、例えば、ケーブル11が挿通される孔13c(図5も参照)を有している。孔13cは、一端が第1部材7の空所27に通じているとともに、他端がホルダ本体3aの外部に通じている。より詳細には、図示の例では、上記一端は軸部13bの先端に開口しており、他端は本体13aの側面(摺動軸O3に沿う面)に開口している。孔13cのうち、本体13aの側面に開口している部分を保持孔13caということがある。
ケーブル11は、上記のような孔13cに挿通されることによって、センサ9から第2部材13を経由してホルダ本体3aの外部へ延び出る。また、ケーブル11は、保持孔13caから延び出ていることから、ケーブル11がホルダ本体3aから延び出る位置及び方向は、概略、保持孔13caが第2部材13の外部へ開口する位置及び方向とされている。従って、第2部材13の第1部材7に対する回転によって保持孔13caが開口する位置及び方向が変えられると、ケーブル11がホルダ本体3aから延び出る位置及び方向も変えられる。
なお、特に図示しないが、第2部材13の形状は、上記のような孔13cを有する形状でなくてもよい。例えば、第2部材13は、ケーブル11の第1部材7から延び出た部分を把持するU字状部位又は環状部位を有し、当該U字状部位又は環状部位の摺動軸O3回りの回転によってケーブル11が延び出る方向を変えるものであってもよい。
上記のように、ケーブル11が孔13cに挿通されずに、第2部材13の適宜な形状の部位によって保持されている場合も、ケーブル11が第2部材13から延び出ていると表現するものとする。ケーブル11が第2部材13から延び出る方向は、ケーブル11の可撓性、及びケーブル11と第2部材13との間の遊び等に起因して、厳密に特定できないことがある。厳密に特定する必要があるときは、第2部材13のケーブル11が延び出る部分を保持する部分の形状(例えば図示の例では保持孔13caの開口方向)によってケーブル11が延び出る方向が特定されてよい。
孔13c及び保持孔13caの形状及び大きさは適宜に設定されよい。例えば、孔13cは、後述する図5に示すように、一端から他端へケーブル11よりも一回り大きい概ね一定の径で延びていてよい。また、例えば、図示の例とは異なり、孔13cは、本体13aが一定の肉厚で側面及び端面を有するように、本体13a内に比較的広い空間を有していてもよい。
保持孔13caが開口する方向(別の観点ではケーブル11が第2部材13から延び出る方向)は、摺動軸O3に交差する方向(摺動軸O3に平行でない方向)である。これにより、第2部材13の摺動軸O3回りの回転によって、ケーブル11が延び出る方向が変化する。
なお、ここでいう交差は、保持孔13ca(別の観点ではケーブル11のうち第2部材13から延び出る部分)を延長した軸と、摺動軸O3とが平行でなければよい。すなわち、交差は、同一平面上における2つの軸の交差(狭義の交差)だけでなく、互いに異なる平面上における2つの軸の交差(立体交差、幾何学で言うねじれの位置)を含む。また、交差は、2軸を含む同一平面の法線方向、又は2軸を含む互いに平行な2平面の法線方向に見て、直交であってもよいし、直交でなくてもよい。後者の場合、2軸がなす角度(鋭角)は、例えば、45°以上90°未満とされてよい。
保持孔13caが開口する位置(換言すればケーブル11が第2部材13から延び出る位置)は、例えば、第2部材13(本体13a)の側面である。換言すれば、摺動軸O3から偏心した位置で摺動軸O3とは反対側に面する面である。なお、第2部材13を図示の形状とは異なる形状として、摺動軸O3上で保持孔13caを摺動軸O3に交差する方向に開口させることも可能である。
第2部材13の本体13aの外形及び大きさは適宜に設定されよい。図示の例では、本体13aの外形は、概略、摺動軸O3(中心軸O1)を軸とする円柱状とされている。その直径は、第1部材7(その本体7c)の横断面の短辺(別の観点では最小径)以下である。従って、ホルダ3を摺動軸O3に平行に透視したとき、第2部材13は、摺動軸O3回りの位置によらずに第1部材7に収まる。また、第2部材13の第1部材7とは反対側の面(後端面)は、第1部材7の長さ方向(中心軸O1)に直交する平面状である。
なお、本体13aの形状は、図示の例の他、例えば、角柱状であってもよいし、摺動軸O3回りに回転対称でない形状であってもよいし、第1部材7とは反対側の面が凸状又は凹状の形状であってもよい。また、既に述べたように、第2部材13は、孔13cを有さない形状であってもよいから、側面及び後端面を概念できる形状でなくてもよい。例えば、本体13aの形状は、第1部材7の後端面に重なる板状部位と、当該板状部位の外周側部分からホルダ3の後方へ突出するU字状部位との組み合わせのような形状であってもよい。
第2部材13の材料は任意である。例えば、当該材料としては、金属、セラミック若しくは樹脂又はこれらの組み合わせを挙げることができる。また、第2部材13の材料は、第1部材7(基体23)の材料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(筒状部材)
筒状部材15は、例えば、第2部材13の保持孔13caに挿入されている。また、筒状部材15にはケーブル11が挿通されている。換言すれば、筒状部材15は、保持孔13caの内面とケーブル11との間に介在している。これにより、例えば、保持孔13caとケーブル11との隙間が縮小され、孔13c及び空所27の密閉性が向上する。
筒状部材15の形状及び大きさは適宜に設定されてよい。図示の例では、筒状部材15は、孔13cに挿入されている部分と、第2部材13の外部へ突出している部分とを有している。図示の例では、筒状部材15は、概略円筒状とされている。なお、筒状部材15は、第2部材13の外部へ突出する部分を有していなくてもよい。
筒状部材15の外面の形状及び大きさは、例えば、少なくとも保持孔13ca内に位置する部分において、概略、保持孔13caに嵌合する大きさ及び形状とされてよい。また、筒状部材15の内面の形状及び大きさは、例えば、概略、ケーブル11が嵌合する大きさ及び形状とされてよい。従って、例えば、保持孔13caの横断面が矩形であれば、筒状部材15の外面は矩形とされてよい。また、例えば、ケーブル11がフレキシブル基板状であれば、筒状部材15のケーブル11が挿通される孔はスリット状とされてよい。
筒状部材15の材料は、可撓性を有する材料であってもよいし、弾性材料であってもよいし、剛体と捉えられるような材料であってもよい。例えば、筒状部材15の材料は、第2部材13の材料よりもヤング率が小さい(すなわち軟らかい)材料とされてよい。筒状部材15の材料としては、樹脂、セラミック又は金属を挙げることができる。筒状部材15が弾性体である場合、弾性体としては、熱硬化性エラストマー(広義のゴム)及び熱可塑性エラストマーを挙げることができる。熱硬化性エラストマーとしては、加硫ゴム(狭義のゴム)及び熱硬化性樹脂系エラストマーを挙げることができる。
筒状部材15の外面は、保持孔13caの内面に対して、当接しているだけであってもよいし、接合されていてもよい。同様に、筒状部材15の内面は、ケーブル11の外面に対して、当接しているだけであってもよいし、接合されていてもよい。また、上記のいずれの接合においても、接合は、接着剤を介してなされていてもよいし、直接になされていてもよい。当接においては、筒状部材15及び/又はケーブル11の弾性力が密着に利用されてもよい。
筒状部材15は、例えば、第2部材13の外部から保持孔13caに挿入されて第2部材13に固定される。このときの固定は、圧入によってなされていてもよいし、接着剤によってなされていてもよいし、ねじによってなされていてもよいし、爪(係合)によってなされていてもよい。なお、第2部材13及び/又は筒状部材15の形状を図示の例とは異なるものとし、孔13cの第1部材7側から筒状部材15を第2部材13内に配置してもよい。
(インサート)
インサート5は、スローアウェイチップとも呼ばれる。インサート5は、その一部又は全部によって、切削に直接に寄与する刃部5aを構成するチップである。また、インサート5は、ホルダ3に対して着脱可能となっている。
刃部5aは、例えば、切刃5bと、切刃5bを稜線として互いに交差するすくい面5c及び逃げ面5dとを有している。切刃5bは、刃部5aのうち被削材の切削に直接に寄与する。すくい面5cも切削に直接寄与し得る部分であり、また、切屑が流れる領域を有している。逃げ面5dは、刃部5aと切削仕上げ面との不必要な接触をさけることに寄与する。
インサート5の形状は、加工の種類等に応じて種々のものとされてよい。図示の例では、インサート5の形状は、四角板形状とされている。この他にも、インサート5の形状としては、三角板形状及び六角板形状等の種々のものを挙げることができる。
インサート5の大きさは特に限定されない。寸法の一例を挙げると、例えば、すくい面5cの一辺の長さは、3mm以上20mm以下とされてよい。また、例えば、すくい面5cに直交する方向で示されるインサート5の高さは、5mm以上20mm以下とされてよい。
インサート5の材料も特に限定されない。例えば、インサート5の材料としては、超硬合金及びサーメットなどが挙げられる。超硬合金の組成としては、例えば、WC-Co、WC-TiC-Co及びWC-TiC-TaC-Coが挙げられる。ここで、WC、TiC、TaCは硬質粒子であり、Coは結合相である。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料である。具体的には、サーメットとして、炭化チタン(TiC)及び/又は窒化チタン(TiN)を主成分としたチタン化合物が挙げられる。
インサート5の表面は、化学蒸着(CVD)法、又は物理蒸着(PVD)法を用いて被膜でコーティングされていてもよい。被膜の組成としては、炭化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)及びアルミナ(Al2O3)などが挙げられる。
インサート5をホルダ3に機械的に着脱するための構成も種々のものとされてよい。図示の例では、第1部材7(凹部17の内面)とでインサート5を挟み込むクランプ19と、クランプ19に挿通され、第1部材7に螺合されるねじ21とが設けられている。ねじ21が第1部材7にねじ込まれることにより、インサート5は第1部材7とクランプ19とに締め付けられて、ホルダ3に固定される。図示の例以外の構成としては、例えば、インサート5に挿通されたねじを第1部材7に螺合する構成が挙げられる。
(摺動軸とインサートとの位置関係)
図4は、旋削工具1をその長さ方向に透視した模式図である。この模式図で描かれている図形は、第1部材7の本体7cの外形、第1部材7の先端部7dの外形(旋削工具1の長さ方向に投影したときの輪郭を模式的に示す)、第2部材13の本体13a外形、インサート5が配置される凹部17の形状(旋削工具1の長さ方向に投影したときの輪郭を模式的に示す)を示している。
この図に示すように、旋削工具1の長さ方向への透視において、摺動軸O3は、例えば、凹部17から離れている。摺動軸O3が凹部17から離れている場合、摺動軸O3は、凹部17に対していずれの方向に離れていてもよい。図示の例では、摺動軸O3は、凹部17に対して、すくい面5cが面する側とは反対側(紙面下方)に離れているとともに、逃げ面5dが面する側とは反対側(紙面右側)に離れている。また、摺動軸O3と凹部17との距離は、適宜に設定されてよい。なお、図示の例とは異なり、摺動軸O3が凹部17内に位置していたり、摺動軸O3が凹部17から離れているものの、紙面上下方向又は紙面左右方向において位置が重複していたりしてもよい。
(軸支構造の例)
第2部材13を第1部材7に対して摺動軸O3回りに回転可能に連結する連結構造は、適宜なものとされてよい。以下では、種々の連結構造のうち、比較的簡素な構成の一例を示す。
図5は、図1のV-V線における断面の一部(第2部材13側部分)を示す図である。
この例では、第1部材7(基体23)に形成された軸支孔29に第2部材13の軸部13bが挿通されている。軸支孔29の横断面及び軸部13bの横断面は円形であり、軸支孔29の内面と軸部13bの外面とは軸部13bの軸回りに摺動可能である。これにより、第2部材13は、第1部材7に対して摺動軸O3(軸部13bの中心線)回りに回転可能とされている。
図示の例以外にも回転可能な構造は種々可能である。例えば、図示の例とは逆に、第1部材7に設けられた軸部が第2部材13に設けられた軸支孔に挿通されてもよい。第1部材7及び第2部材13の双方に軸支孔が形成され、双方の軸支孔に円筒状部材が挿通されてもよい。軸支孔と軸部との組み合わせに代えて、摺動軸O3を中心とする円周上において延びるレールが用いられてもよい。第1部材7及び第2部材13とは別個に構成されたヒンジが第1部材7と第2部材13とに連結されてもよい。
軸部13bは、適宜な構成によって軸支孔29からの抜け止めがなされてよい。図示の例では、軸部13bは、軸支孔29を貫通しており、その先端に概略環状の抜け止め部材31が固定されている。抜け止め部材31は、軸支孔29よりも径が大きい。これにより、軸部13bは軸支孔29から抜けなくなっている。なお、第1部材7及び第2部材13の外部で第2部材13の第1部材7から離れる移動を規制する部材を設けるなど、図示以外の方法によっても抜け止めは種々可能である。
図示の例における抜け止め部材31の軸部13bに対する固定方法は、適宜なものとされてよい。例えば、抜け止め部材31は、雌ねじ部を有し、軸部13bの外面に形成された雄ねじ部に螺合されてもよい。また、例えば、抜け止め部材31は、接着剤等によって軸部13bに接合されてもよい。また、例えば、抜け止め部材31は、概略C字状に形成され、軸部13bの外面に軸回りに延びるように形成された溝に対して、弾性変形によってC字が一旦開かれて嵌め込まれてもよい。
なお、第2部材13の第1部材7側への移動は、例えば、第2部材13の前端面(第1部材7側の面)が第1部材7の後端面(第2部材13側の面)と対向することによって規制されている。両面は、直接に当接していてもよいし、他の部材を間に介在させていてもよい。また、両面は、平面状であってもよいし、平面状でなくてもよい。
第1部材7と第2部材13との間には、両者の隙間を密閉するためのパッキン33が設けられてもよい。パッキン33の材料、形状、位置及び寸法等は適宜に設定されてよい。図示の例では、第1部材7の後端面と第2部材13の前端面との間に、軸部13b及び軸支孔29を囲むように延びる環状のパッキン33が介在している。図示の例とは異なり、又は図示の例のパッキン33に加えて、軸部13bの外面と軸支孔29の内面との間に介在する環状のパッキン、及び/又は抜け止め部材31と第1部材7との間に介在するパッキンが設けられてもよい。
パッキン33は、例えば、第2部材13の前端面に形成された溝13d内に配置されている。なお、パッキンが配置される溝は、パッキンを挟んで対向する面のいずれに形成されてもよく、また、双方に形成されてもよい。例えば、図示の例では、溝13dに代えて、又は加えて、第1部材7に溝が形成されてもよい。
(位置決め機構)
旋削工具1においては、第2部材13の第1部材7に対する摺動軸O3回りの回転の規制及び当該規制の解除が可能な位置決め機構が設けられてもよい。そのような位置決め機構は種々可能である。以下では、位置決め機構の例を2つ示す。
(位置決め機構の第1の例)
図6は、位置決め機構35の構成を示す断面図であり、図5に対応している。
位置決め機構35は、第1部材7に形成された貫通孔37と、貫通孔37に挿通されるねじ39とを有している。貫通孔37は、第1部材7のいずれかの側面から軸支孔29へ第1部材7を貫通している。また、貫通孔37は、ねじ39の雄ねじ部39aと螺合する雌ねじ部37aと、ねじ39の頭部39bを収容する収容部37bとを有している。
従って、ねじ39を雌ねじ部37aにねじ込むことによって、ねじ39の先端が軸部13bに押し付けられるとともに、軸部13bのねじ39とは反対側が軸支孔29の内面に押し付けられる。これにより、軸部13bの外面が軸支孔29の内面及び/又はねじ39の先端から受ける摩擦力が大きくなり、軸部13bの軸支孔29に対する回転が規制される。このとき、第2部材13の第1部材7に対する摺動軸O3回りの位置(ケーブル11が延び出る方向)は任意である。
なお、軸部13bの外周面にねじ39の先端が嵌合する凹部を摺動軸O3回りの方向に沿って複数設けてもよい。この場合、摩擦力に代えて、又は加えて、ねじ39と軸部13bとの係合によって、軸部13bの摺動軸O3回りの回転が規制される。この場合は、第2部材13の第1部材7に対する摺動軸O3回りの回転が規制される位置は、任意の位置ではなく、複数の凹部とねじ39との位置によって規定される複数の位置から選択される。
(位置決め機構の第2の例)
図7は、位置決め機構41の構成を示す分解斜視図である。図8は、図7のVIII-VIII線における断面図であり、図5の一部に対応している。図7においては、第1部材7を長さ方向の中途で破断して示している。
位置決め機構41は、ロータリースイッチ等で用いられている板ばね式の位置決め機構と同様の構成を有している。具体的には、位置決め機構41は、例えば、第2部材13の軸部13bが挿通される環状の部材として、抜け止め部材31に加えて、抜け止め部材31に重ねられる板ばね43と、板ばね43に重ねられる固定部材45とを有している。
板ばね43は、抜け止め部材31側に突出している複数の凸部43a(抜け止め部材31とは反対側においては凹部を構成している)を有している。複数の凸部43aは、例えば、摺動軸O3を中心とする円周上に一定のピッチで配列されている。一方、第1部材7の板ばね43と対向する対向面7kには、凸部43aが嵌合する複数の凹部7rが設けられている。複数の凹部7rは、例えば、複数の凸部43aが配列されている円周と対向する円周上に複数の凸部43aと同一のピッチで配列されている。板ばね43と対向面7kとの距離は、少なくとも凸部43aが凹部7rに位置していないとき、対向面7kによって凸部43aが押されて板ばね43が復元力を発揮する長さとされている。板ばね43と軸部13bとの相対回転は規制されている。
従って、凸部43aが凹部7rに嵌合している状態においては、第2部材13を第1部材7に対して回転させるためには、板ばね43の復元力に抗して凸部43aを凹部7rの外部へ移動させなければならない。換言すれば、凸部43aが凹部7rに嵌合しているとき、第2部材13の第1部材7に対する回転は規制される。互いに嵌合する凸部43a及び凹部7rを異ならせることにより、回転が規制される位置は変更される。
なお、凸部及び凹部の位置関係は逆であってもよい。すなわち、板ばねに凹部が設けられ、板ばねに対向する部材(ここでは第1部材7)に凸部が設けられてもよい。また、凸部の数は凹部の数よりも少なくてもよく、例えば、1つでもよい。複数の凹部の数(回転が規制される位置の数)は任意である。
板ばね43の軸部13bに対する固定方法は適宜なものとされてよい。図示の例では、板ばね43は、抜け止め部材31と固定部材45とによって挟まれて固定されている。板ばね43の軸部13bに対する回転を確実に規制するように、軸部13bにキー溝を形成し、板ばね43に上記キー溝に嵌合するキーを形成してもよい。固定部材45の軸部13bに対する固定方法は適宜なものとされてよく、上述した抜け止め部材31の軸部13bに対する固定方法の説明を援用してよい。位置決め機構41では、抜け止め部材31の軸部13bに対する軸方向の移動は固定部材45によって規制されるから、抜け止め部材31は、軸部13bに固定されずに軸部13bが挿通されているだけであってもよい。
<旋削工具を用いた旋削方法の一例>
図9は、図1~図3に例示した旋削工具1を用いて被削材101を旋削する方法(被削材101の製造方法)の一例を示す図である。ここでは、いわゆる外丸削りが行われる例が示されている。
被削材101は、ここでは不図示の工作機械によって軸O2の周りで回転されている。この状態で、旋削工具1のインサート5が被削材101の外周面側部分に当接することにより、被削材101の外周面側部分が切削される。
より詳細には、旋削工具1は、その中心軸O1が軸O2に概ね直交する向きで、かつ第1側面7e及び第2側面7fの法線が概ね軸O2に平行になる向きで配置されている。また、第3側面7gは、被削材101の回転方向とは反対側に面している。インサート5に着目して換言すれば、すくい面5cは、被削材101の回転方向とは反対側に面している。逃げ面5dは、軸O2が延びる方向に面する(ただし軸O2に直交しない)向きとされている。
そして、旋削工具1は、被削材101に対して紙面右側の位置から矢印Y2で示す向きへ移動して、被削材101に近づき、さらには当接する。これにより、切刃5bが被削材101に当接し、切刃5b(及びすくい面5c)によって被削材101の外周側部分が切削される。矢印Y2への移動が継続されることによって、切削が継続される。その後、例えば、旋削工具1は、軸O2に概ね直交し、かつ被削材101から離れる方向に移動される。これにより、旋削が終了する。
既に述べたように、旋削工具1は、外径加工用工具、内径加工用工具及び溝入れ工具及び突っ切り工具等の種々の工具とされてよい。また、例えば、外径加工用工具は、図示の例のように、軸O2が延びる方向に径が一定の形状を実現してもよいし、軸O2が延びる方向の位置によって径が変化する形状を実現してもよい。これらのことから理解されるように、上述した動作は一例に過ぎない。例えば、旋削工具1の被削材101に対する向き、旋削工具1が被削材101に対して近づく方向、旋削工具1が切削中に移動する方向、及び旋削工具1が被削材101から離れる方向は、図示の例と異なっていてよい。また、被削材101の回転開始時期及び/又は回転終了時期と、旋削工具1の被削材101に対する接触時期及び/又は離反時期との関係も上述の動作と異なっていてよい。
工作機械の旋削工具1を保持する構造は、適宜なものとされてよい。例えば、図示の例の旋削工具1は、第1部材7の第2側面7fが工作機械の保持構造が有している所定の基準面に当接されて位置決めされるとともに、第3側面7g側及び第4側面7h側から把持されることによって工作機械に保持されてよい。
被削材101の材料は任意である。当該材料の代表例としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄、又は非鉄金属などが挙げられる。
図9から理解されるように、通常、インサート5は、すくい面5cが被削材101の回転方向とは逆方向に面する向きで被削材101に当接する。また、送り速度等の加工条件にもよるが、通常、インサート5は、すくい面5cに交差する方向に相対的に大きな力(いわゆる主分力)が加えられる。従って、第1部材7は、第3側面7gに交差する方向に相対的に大きな力が加えられやすい。
<旋削工具の応用例>
図10(a)及び図10(b)は、旋削工具1の応用例としてのデータ収集システムの構成の例及び他の例を示すブロック図である。
(データ収集システムの第1の例)
図10(a)に示すデータ収集システム51は、旋削工具1と、旋削工具1が取り付けられた工作機械53と、旋削工具1のケーブル11と接続されている情報処理装置55とを有している。
ここでは、工作機械53もデータ収集システム51の一部として捉えている。ただし、旋削工具1及び情報処理装置55によって(工作機械53を除いて)データ収集システム51が構成されていると捉えられてもよい。
工作機械53は、旋盤等の種々の公知の工作機械と同様とされてよい。図10(a)では、工作機械53と情報処理装置55との間で信号の送信及び/又は受信がなされることを示す矢印が描かれている。ただし、工作機械53は、そのような送信及び/又は受信がなされない構成、又はできない構成であってもよい。
情報処理装置55は、工作機械53に隣接して配置されるなど、工作機械53(別の観点では旋削工具1)の比較的近くに配置されている。そして、情報処理装置55は、ケーブル11と直接的に接続されている。ここでの直接的な接続は、例えば、ケーブル11に設けられている不図示のコネクタと、情報処理装置55が有しているコネクタとが連結されるような接続である。なお、ケーブル11は、他のケーブル等を介して情報処理装置55と接続されていてもよい。別の観点では、センサ9からの信号は、例えば、形式が変更されることなく(変調されずに)、旋削工具1から情報処理装置55へ伝達されている。
情報処理装置55は、例えば、コンピュータを含んで構成されている。コンピュータは、CPU、RAM、ROM及び外部記憶装置を含む。そして、CPUがROM及び/又は外部記憶装置に記録されているプログラムを実行することによって、種々の処理を実行する種々の機能部が構築される。図10(a)では、機能部として、センサ9からケーブル11を介して入力される信号に含まれる情報を処理する情報処理部57が示されている。また、RAM及び/又は外部記憶装置は、センサ9からの信号に基づく情報を蓄積する記憶部59として機能する。
情報処理部57が実行する処理は、適宜なものとされてよい。例えば、情報処理部57は、センサ9から送信される情報を記憶部59に蓄積する処理を行ってよい。また、例えば、情報処理部57は、センサ9から送信される情報及び/又は記憶部59に蓄積した情報に基づいて、旋削工具1の状態を評価する処理を行ってもよい。また、例えば、情報処理部57は、上記の評価結果に基づいて、工作機械53に対して加工条件の変更を指示する信号を出力したり、ディスプレイに評価結果に基づく画像を表示させたりしてもよい。なお、情報の蓄積では、例えば、センサ9から順次送信される情報が順次記憶部59に記憶されて、時系列データが生成される。
なお、上記の説明では、情報処理装置55は、工作機械53が有している制御装置とはハードウェア的に別個の装置として説明された。ただし、情報処理装置55は、工作機械53が有している制御装置に含まれていてもよい。また、情報処理装置55は、ハードウェア的に工作機械53の制御装置とは別個に設けられていても、工作機械53の一部とみなされても構わない。
(データ収集システムの第2の例)
図10(a)に示すデータ収集システム51では、旋削工具1(ケーブル11)は、直接的に情報処理装置55と接続された。一方、図10(b)のデータ収集システム71では、旋削工具1は、通信システムを介して情報処理装置75と接続されている。別の観点では、センサ9の信号は、旋削工具1から情報処理装置75へ伝達される過程で少なくとも1回は方式が変更されている(変調されている。)。データ収集システム71の説明において、特に言及がない事項については、データ収集システム51の説明が援用されてよい。
データ収集システム71においては、具体的には、ケーブル11には、通信部73が接続されている。また、情報処理装置75は、図10(a)の情報処理装置55の構成において、ケーブル11との接続部に代えて、通信部73との間で通信を行う通信部77を有する構成である。通信部73は、例えば、センサ9からの信号を変調して送信可能である。通信部77は、例えば、通信部73からの信号を復調して情報処理部57に入力可能である。また、通信部77は、工作機械53との間で通信可能であってもよい。通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。また、通信は、その通信網にインターネットを含むものであってもよい。
情報処理装置75は、旋削工具1と通信を行うから、工作機械53に対して比較的離れて配置されてよい。例えば、情報処理装置75は、工作機械53が設置されている工場とは別の建物に配置されたり、上記工場とは別の地域に配置されたりしてよい。もちろん、情報処理装置75は、工作機械53に隣接して配置されたり、工作機械53が設置されている工場内に配置されたりするなど、工作機械53に対して比較的近くに配置されてもよい。
上記の説明では、通信部73は、(工作機械53が通信部を有している場合に)工作機械53の通信部とはハードウェア的に別個の装置として説明された。ただし、通信部73は、工作機械53が有している通信部によって構成されてもよい。すなわち、ケーブル11が工作機械53の制御装置に接続され、この制御装置が有する通信部から情報処理装置75へ情報が送信されてもよい。また、通信部73は、ハードウェア的に工作機械53の通信部とは別個に設けられていても、工作機械53の一部とみなされても構わない。
上記の説明では、情報処理装置75は、工作機械53が有している制御装置とはハードウェア的に別個の装置として説明された。ただし、通信部73が工作機械53とはハードウェア的に別個の装置である場合に、情報処理装置75は、工作機械53が有している制御装置に含まれていてもよい。また、通信部77は、工作機械53の通信部によって構成されていてもよい。情報処理装置75(通信部77)は、ハードウェア的に工作機械53の制御装置(通信部)とは別個に設けられていても、工作機械53の一部とみなされても構わない。
第1の例及び第2の例のいずれにおいても、情報処理装置(55又は75)は、複数の切削工具1と並列に接続され、複数のセンサ9から情報を受信してもよい。特に、第2の例においては、比較的多くの切削工具1と並列に接続可能である。そして、情報処理装置は、情報の蓄積によって、いわゆるビッグデータを生成してもよい。なお、逆に、1つの切削工具1から複数の情報処理装置へ情報が送信されてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、旋削工具1のホルダ3(旋削工具本体の一例)は、第1部材7と、第2部材13と、センサ9と、ケーブル11とを有している。第1部材7は、刃部5aを保持する。第2部材13は、第1部材7に連結されている。センサ9は、第1部材7内に位置している。ケーブル11は、センサ9に接続されており、第2部材13から延び出ている。第2部材13は、第1部材7に対して所定の摺動軸O3回りに回転可能である。ケーブル11は、第2部材13から摺動軸O3に交差する方向へ延び出ている。
ここで、工作機械53の種類によって旋削工具1を保持するための保持構造及びその周辺の構造は異なる。そして、保持構造及び/又はその周辺の構造によっては、ケーブル11が保持構造及び/又はその周辺の構造と干渉することある。例えば、ケーブル11が旋削工具を保持する妨げとなったり、旋削の妨げになったりすることがある。しかし、本実施形態では、第2部材13の回転によってケーブル11が延び出る方向を変更することができる。従って、例えば、工作機械53の構成に応じてケーブル11が延び出る方向を調整することができる。その結果、ケーブル11がその周囲のものに干渉する蓋然性が低減される。別の観点では、旋削工具1は、種々の工作機械53に適用することができ、汎用性が向上する。
また、本実施形態では、第1部材7は、刃部5a側から所定の長さ方向に延びている形状を有している。第2部材13は、第1部材7に対してその長さ方向の刃部5a側とは反対側(後端側)に位置している。摺動軸O3は、第1部材7の長さ方向に沿っている。
この場合、例えば、第2部材13及びケーブル11の第2部材13から延び出る部分は、極力、刃部5aから離されることになる。その結果、ケーブル11が旋削に干渉する蓋然性が低減される。また、一般に、第1部材7の側面は、旋削工具1の工作機械53に対する取付けに利用される。従って、第2部材13が第1部材7の後端側に設けられることによって、第2部材13及びケーブル11が旋削工具1の工作機械53に対する取付けの妨げになる蓋然性も低減される。また、工作機械53の旋削工具1を保持する構造は、旋削工具1に対してその軸回りに位置する部材を含むことが多い。従って、摺動軸O3が旋削工具1の長さ方向に沿っており、ケーブル11が延び出る方向を旋削工具1の軸回りの適宜な方向にすることができることによって、ケーブル11が工作機械53に干渉する蓋然性が更に低減される。
また、本実施形態では、摺動軸O3は、第1部材7の長さ方向に平行な第1部材7の中心軸O1上に位置している。
第2部材13を第1部材7に対して回転させたとき、第1部材7及び第2部材13の側面の形状にもよるが、ケーブル11の第2部材13から延び出る部分(別の観点では保持孔13ca)と第1部材7の側面との距離は変化する。ひいては、ケーブル11が旋削工具1の外部の部材に干渉する程度も変化する。しかし、上記のように摺動軸O3が中心軸O1上に位置していることにより、摺動軸O3が中心軸O1に対して偏心している態様(当該態様も本開示に係る技術に含まれる。)に比較して、上記の干渉の程度の変化が低減される。ひいては、特定の回転位置において、ケーブル11が外部に干渉する程度が特異的に大きくなる蓋然性が低減される。また、摺動軸O3が中心軸O1上にあると、軸支構造に係る強度確保が容易化される。例えば、実施形態のように軸支孔29が設けられている態様においては、軸支孔29が中心軸O1からずれると、そのずれた側においては第1部材7の肉厚が薄くなるが、そのような肉厚が薄い部分の形成が低減される。
また、本実施形態では、上記のように第2部材13が第1部材7の後端側に位置していることに加えて、第2部材13の第1部材7とは反対側の面(後端面)が第1部材7の長さ方向に直交している。
工作機械53の種類によっては、旋削工具の後端面に当接又は近接する部材が配置されることがある。第2部材13の後端面が第1部材7の長さ方向(摺動軸O3の方向)に直交する構成の場合、第2部材13の摺動軸O3回りの位置によらずに、第2部材13の後端面と上記の近接する部材との位置関係は一定である。その結果、例えば、ケーブル11が延び出る方向を所定の方向にしたときに、旋削工具1と工作機械53とが特異的に干渉する状況が生じる蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、第1部材7は、刃部5aを含むインサート5が配置される凹部17を有している。第1部材7の長さ方向に沿っている摺動軸O3は、第1部材7の長さ方向に透視して凹部17から離れている。
この場合、例えば、被削材101から第2部材13を離しやすく、ひいては、ケーブル11が切削に干渉する蓋然性が低減される。また、例えば、旋削工具1が被削材101から受ける力は、インサート5から他の部位へ伝わるから、摺動軸O3が凹部17から離れていることにより、第2部材13の軸支機構に加えられる力が低減される。その結果、例えば、旋削工具1において軸支機構の寿命が相対的に早く到来する蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、第1部材7の長さ方向に沿っている摺動軸O3に平行に透視して、第2部材13は、摺動軸O3回りの位置によらずに第1部材7に収まっている。
この場合、換言すれば、ケーブル11が延び出る方向をいずれの方向にしても、第2部材13が第1部材7の側面から突出しない。その結果、例えば、ケーブル11が延び出る方向を所定の方向にしたときに、第2部材13と工作機械53とが特異的に干渉する状況が生じる蓋然性が低減される。
また、本実施形態では、旋削工具1のホルダ3は、第2部材13の第1部材7に対する摺動軸O3回りの回転の規制及び当該規制の解除を行う位置決め機構35又は41を更に有している。
この場合、例えば、作業内容及び作業者の主観にもよるが、第2部材13の意図していない回転が生じる蓋然性が低減されることにより、旋削工具1の取り扱い性が向上する。また、例えば、旋削中に第2部材13の回転が規制されると、ケーブル11の振動も抑制されやすい。ひいては、例えば、断線の蓋然性が低減され、また、振動に起因する音の発生も低減される。
また、本実施形態では、第2部材13は、一端が第1部材7の内部に通じているとともに他端が外部に通じている孔13cを有している。ケーブル11は、孔13cに挿通されている。旋削工具1のホルダ3は、ケーブル11を覆っているとともに孔13cに嵌っている筒状部材15を有している。
この場合、ケーブル11と孔13cとの間の隙間が低減されるから、孔13cの密閉性が向上する。その結果、例えば、塵及び/又は液体が孔13c内に侵入する蓋然性が低減される。図示の例のように、塵及び/又は液体が孔13cを介して第1部材7の内部へ侵入し得る構造の場合においては、第1部材7内も塵及び/又は液体から保護される。なお、液体としては、例えば、旋削中に冷却及び/又は摩擦低減のために供給される切削剤(例えば油)が挙げられる。
また、本実施形態では、筒状部材15のヤング率は、第2部材13のヤング率よりも小さい。
この場合、例えば、筒状部材15と第2部材13との密着性を向上させ、上記の防塵及び/又は防水の効果を向上させることができる。第2部材13のヤング率を相対的に小さくする態様(この態様も本開示に係る技術に含まれる。)に比較して、例えば、旋削工具1のホルダ3の強度を向上させることができる。また、例えば、筒状部材15のヤング率が小さいことにより、筒状部材15からケーブル11に局所的に加えられる力が緩和される。これにより、ケーブル11が保護される。当該効果は、筒状部材15が保持孔13caから突出して撓み変形が可能であったり、及び/又は筒状部材15が弾性体によって構成されていたりする場合に向上する。
本開示に係る技術は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
旋削工具は、インサート(チップの一種)を着脱可能に機械的にホルダ(旋削工具本体)に取り付けるインサート式の工具に限定されない。例えば、旋削工具は、チップが旋削工具本体に溶接される溶接工具又はチップが旋削工具本体にろう付けされるろう付け工具であってもよいし、旋削工具本体の一部によって刃部が構成されるむく工具(ソリッド工具とも呼ばれる)であってもよい。
実施形態の説明及び上記の説明からも理解されるように、本開示において、旋削工具本体(より詳細には第1部材)は、刃部とは別個に構成されているものであってもよいし、刃部と一体的に構成されている(あるいは刃部を含む)ものであってもよい。すなわち、本開示において、第1部材が「刃部を保持する」という場合、上記のいずれの態様も含まれる。このような用語の用い方は、切削工具の技術分野におけるボデー(和訳すると本体になり得る)の用語の用い方と同様である。切削工具の技術分野において、ボデーの用語は、切削工具の刃部を保持する部分のうち、シャンクを除く狭い範囲を指す用語として用いられることがある。しかし、本開示においては、旋削工具本体は、ケーブル等を含んで定義されていることから明らかなように、そのような狭い範囲を指す用語としては用いられない。
また、刃部がホルダに取り付けられる場合において、刃部は、チップ(インサート等)によって構成されるものに限定されない。例えば、差込み工具のように、むく工具がホルダに取り付けられてもよい。また、旋削工具は、その外形の寸法等を調整可能な調整工具として構成されていてもよい。
実施形態では、ケーブルは、一端が第1部材内に位置している。ただし、センサを第1部材の外面近くに配置するなど、一端が第1部材内に位置しないようにすることも可能である。また、ケーブルは、センサに直接に接続されずに、例えば、第1部材から第2部材に亘って延びる金属片を介してセンサに接続されていてもよい。
1…旋削工具、3…ホルダ(旋削工具本体)、5…インサート、5a…刃部、7…第1部材、9…センサ、11…ケーブル、13…第2部材、O3…摺動軸。

Claims (11)

  1. 所定の長さ方向に延びている形状を有しているとともに、前記長さ方向に透視して第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向に臨む凹部を有しており、刃部を含むインサートが前記凹部に配置される第1部材と、
    前記第1部材に対して前記刃部側とは反対側に位置して前記第1部材に連結されている第2部材と、
    前記第1部材内に位置しているセンサと、
    前記センサに接続されており、前記第2部材から延び出ているケーブルと、
    を有しており、
    前記第2部材は、前記第1部材に対して、前記長さ方向に沿っている摺動軸回りに回転可能であり、
    前記ケーブルは、前記第2部材から前記摺動軸に交差する方向へ延び出ており、
    前記摺動軸は、前記長さ方向に透視して、前記第1方向及び前記第2方向において、前記凹部から離れている
    旋削工具本体。
  2. 前記摺動軸は、前記長さ方向に平行な前記第1部材の中心軸上に位置している
    請求項に記載の旋削工具本体。
  3. 前記第2部材の前記第1部材とは反対側の面が前記長さ方向に直交している
    請求項1又は2に記載の旋削工具本体。
  4. 前記摺動軸に平行に透視して、前記第2部材は、前記摺動軸回りの位置によらずに前記第1部材に収まっている
    請求項1~3のいずれか1項に記載の旋削工具本体。
  5. 前記第2部材の前記第1部材に対する前記摺動軸回りの回転の規制及び当該規制の解除を行う位置決め機構を更に有している
    請求項1~のいずれか1項に記載の旋削工具本体。
  6. 前記第2部材は、一端が前記第1部材の内部に通じているとともに他端が外部に通じている孔を有しており、
    前記ケーブルは、前記孔に挿通されており、
    前記ケーブルを覆っているとともに前記孔に嵌っている筒状部材が設けられている
    請求項1~のいずれか1項に記載の旋削工具本体。
  7. 前記筒状部材のヤング率は、前記第2部材のヤング率よりも小さい
    請求項に記載の旋削工具本体。
  8. 前記第1部材は、前記長さ方向に沿う側面に、
    第1凹部と、
    前記第1凹部よりも深い第2凹部と、を有している
    請求項1~7のいずれか1項に記載の旋削工具本体。
  9. 前記センサが前記第1凹部内に位置している
    請求項8に記載の旋削工具本体。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の旋削工具本体と、
    前記旋削工具本体に保持されている前記刃部と、
    を有している旋削工具。
  11. 請求項1~9のいずれか1項に記載の旋削工具本体と、
    前記センサから前記ケーブルを介して出力される信号に含まれる情報を蓄積する記憶部と、
    を有しているデータ収集システム。
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