JP7204328B2 - 異常検知装置、異常検知システム、異常検知方法、及び、プログラム - Google Patents

異常検知装置、異常検知システム、異常検知方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、異常検知装置、異常検知システム、異常検知方法、及び、プログラムに関する。
現在、空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを収集し、収集した空調データに基づいて空調システムの異常を検知する技術が知られている。例えば、特許文献1には、上記設定値に対応する運転条件を考慮して上記測定値に対応する運転状態データを比較することにより、空気調和装置の異常を検知する異常検知システムが記載されている。
特許文献1に記載された異常検知システムは、運転条件を示す運転条件データと運転状態データとを蓄積し、現在の運転状態データと、蓄積された運転状態データのうち、運転条件が現在の運転状態データと類似する運転状態データとを比較する。ここで、特許文献1には、この運転条件が、室内ユニットの起動状態、室内ユニットの運転モード、外気温度及び室内温度の少なくとも1つであることが記載されている。また、特許文献1には、この運転状態データが、空気調和装置の冷凍サイクルの過冷却度、低圧圧力、高圧圧力、外気温度、室内温度及び圧縮機回転数の少なくとも1つであることが記載されている。
特開2006-275411号公報
ここで、運転状態データは、特許文献1に記載された運転条件に依存するだけではなく、空調対象空間の熱負荷にも依存する。つまり、運転条件が同じであっても、空調対象空間の熱負荷が異なる場合、運転状態データは異なる。しかしながら、特許文献1に記載された異常検知システムでは、空調対象空間の熱負荷が考慮されておらず、異常検知の精度を高めることができなかった。このため、空調システムの異常を高い精度で検知する技術が望まれている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、空調システムの異常を高い精度で検知する異常検知装置、異常検知システム、異常検知方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る異常検知装置は、
少なくとも1つの空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得するデータ取得手段と、
前記空調データに基づいて、前記空調データの取得時における前記空調データの取得元の空調システムの空調対象空間の熱負荷を算出する熱負荷算出手段と、
前記空調データを、前記空調データに含まれる設定値と前記空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類するデータ分類手段と、
前記データ取得手段が前記少なくとも1つの空調システムのうち第1の空調システムから前記空調データである第1の空調データを取得した場合、前記第1の空調データに含まれる測定値と、前記2以上のグループのうち前記第1の空調データが属するグループである第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、前記第1の空調システムに異常があるか否かを判別する異常判別手段と、
前記異常判別手段が前記第1の空調システムに異常があると判別した場合、予め定められた情報を表示する表示手段と、
前記第1のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、前記標準値を算出する標準値算出手段と、を備え、
前記設定値には、設定温度が含まれ、
前記測定値には、吸込温度が含まれ、
前記標準値算出手段は、前記少なくとも1つの空調システムのうち第2の空調システムから取得された空調データが前記第1のグループに属し、前記第2の空調システムと前記少なくとも1つの空調システムのうち第3の空調システムとが隣接し、前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、
(A)前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第1の温度差が、前記第3の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第2の温度差より大きい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外して、前記標準値を算出
(B)前記第1の温度差が前記第2の温度差よりも小さい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外せずに、前記標準値を算出する
本発明では、取得された空調データに含まれる測定値と、設定値と熱負荷とが考慮されて特定される標準値と、に基づいて、空調システムに異常があるか否かが判別される。従って、本発明によれば、空調システムの異常を高い精度で検知することができる。
実施形態1に係る異常検知システムの構成図 実施形態1に係る異常検知装置の機能ブロック図 空調データを示す図 標準値算出用データを示す図 異常報知画面を示す図 実施形態1に係る異常検知装置が実行する異常検知処理を示すフローチャート 図7に示す熱負荷算出処理を示すフローチャート 図7に示す標準値算出処理を示すフローチャート 図7に示す異常判別処理を示すフローチャート 実施形態2に係る異常検知装置が実行する熱負荷算出処理を示すフローチャート 実施形態3に係る異常検知装置の機能ブロック図 実施形態3に係る異常検知装置が実行する標準値算出処理を示すフローチャート 実施形態4に係る異常検知システムの構成図 実施形態4に係る異常検知装置の機能ブロック図 実施形態4に係る異常検知装置が実行する制御内容決定処理を示すフローチャート
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る異常検知システム1000について説明する。異常検知システム1000は、少なくとも1つの空調システム300から取得される空調データに基づいて、少なくとも1つの空調システム300の異常を検知するシステムである。より詳細には、まず、異常検知システム1000は、少なくとも1つの空調システム300から取得された空調データを蓄積する。そして、異常検知システム1000は、検知対象の空調システム300から取得した空調データと、蓄積された空調データのうち、比較対象の空調データとに基づいて、検知対象の空調システム300が異常であるか否かを判別する。蓄積された空調データは、設定値と熱負荷とによりグループ分けされる。比較対象の空調データは、蓄積された空調データのうち、検知対象の空調システム300から取得された空調データと同一のグループに属する空調データである。
空調データは、空調制御に関する設定値(以下、単に「設定値」という。)と、空調制御に関する測定値(以下、単に「測定値」という。)と、を含む。設定値は、空調制御時における空調設定の内容を示す値である。設定値は、例えば、運転モード、設定温度、風向、風速の少なくとも1つを示す値である。運転モードは、例えば、冷房、暖房、除湿、又は、送風の種別である。設定温度は、例えば、空調において設定される目標温度である。風向は、例えば、室内機310から放出される風の向きである。風速は、例えば、室内機310から放出される風の速さである。
測定値は、空調システム300の運転状態を検出するためのセンサにより測定される値である。測定値は、例えば、吸込温度、吹出温度、膨張弁の圧力、冷媒の温度の少なくとも1つを示す値である。吸込温度は、例えば、室内機310が吸い込む空気の温度である。吹出温度は、例えば、室内機310が吹き出す空気の温度である。膨張弁の圧力は、例えば、熱交換器が備える膨張弁に加わる圧力である。冷媒の温度は、例えば、熱交換器が備える配管に流れる冷媒の温度である。
ここで、空調設定の内容が変われば、基本的に、センサにより測定される値も変わる。つまり、測定値は、設定値に依存する。また、空調対象空間の熱負荷の量(以下、適宜、「熱負荷」という。)が変われば、基本的に、センサにより測定される値も変わる。つまり、測定値は、熱負荷にも依存する。このため、空調システム300の異常を検知する場合、取得された空調データに含まれる測定値が、空調システム300に異常がないときに蓄積された空調データのうち、設定値と熱負荷とが取得された空調データと同程度である空調データに含まれる測定値と同程度であるか否かを判別することが好適である。そこで、本実施形態では、蓄積された空調データを、設定値と熱負荷とで分類し、取得された空調データに含まれる測定値と、蓄積された空調データのうち、取得された空調データと同じグループに属する空調データに含まれる測定値から求められる標準値とを比較する構成とする。
図1に示すように、異常検知システム1000は、異常検知装置100と、表示装置200と、を備える。異常検知装置100と表示装置200とは、図示しないネットワークを介して相互に接続される。異常検知装置100と少なくとも1つの空調システム300とは、データ収集装置340と広域ネットワーク600とを介して相互に接続される。
異常検知装置100は、異常検知システム1000の中核をなす装置であり、少なくとも1つの空調システム300の異常を検知する。異常検知装置100は、ある空調システム300から取得した空調データに含まれる測定値が、この取得した空調データが属するグループに対応付けられた標準値と大幅に異なる状態が継続した場合、この空調システム300に異常があると判別する。なお、蓄積される空調データは、基本的に、空調システム300が正常であるときに取得される空調データであり、蓄積される空調データに含まれる測定値が正常であることが前提である。空調システム300の異常は、例えば、ファンの変形、圧縮機の故障、冷媒の液漏れ、循環する空気の漏れ、センサの取り付け位置又は角度の異常、配管中の異物の存在である。異常検知装置100は、空調データに含まれる測定値を判別することにより、これらの異常を検知する。
異常検知装置100は、予め定められた周期で、データ収集装置340に空調データを要求し、データ収集装置340から空調システム300の空調データを取得する。この周期は、例えば、1分である。異常検知装置100は、例えば、プロセッサ11と、フラッシュメモリ12と、LED(Light Emitting Diode)13と、第1通信インターフェース14と、第2通信インターフェース15と、を備える。
プロセッサ11は、異常検知装置100の全体の動作を制御する。プロセッサ11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、RTC(Real Time Clock)などを内蔵したCPU(Central Processing Unit)である。なお、CPUは、例えば、ROMに格納されている基本プログラムに従って動作し、RAMをワークエリアとして使用する。フラッシュメモリ12は、各種の情報を記憶する不揮発性メモリである。フラッシュメモリ12は、例えば、プロセッサ11が実行するアプリケーションプログラムと、空調機システムから取得された空調データと、を記憶する。
LED13は、プロセッサ11による制御に従って発光する素子である。LED13は、予め定められた点灯パターンで発光することにより、空調システム300に異常があることをユーザに知らせる機能を有する。異常検知装置100が備えるLED13の個数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。第1通信インターフェース14は、異常検知装置100を表示装置200に接続するためのインターフェースである。第1通信インターフェース14は、例えば、USB(Universal Serial Bus)用のインターフェースである。第2通信インターフェース15は、異常検知装置100を広域ネットワーク600に接続するためのインターフェースである。第2通信インターフェース15は、例えば、NIC(Network Interface Card)などのLAN(Local Area Network)インターフェースを備える。
表示装置200は、ユーザに各種の情報を提示する画面を表示する装置である。表示装置200は、例えば、異常検知装置100による指示に従って、空調システム300に異常があることを報知する画面(以下、適宜「異常報知画面」という。)を表示する。表示装置200は、例えば、プロセッサ21と、タッチスクリーン22と、通信インターフェース23と、を備える。
プロセッサ21は、表示装置200の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、例えば、ROM、RAM、及び、RTCなどを内蔵したCPUである。タッチスクリーン22は、表示装置200のユーザインターフェースである。タッチスクリーン22は、ユーザによりなされた操作を検知し、検知の結果を示す信号をプロセッサ21に供給する。また、タッチスクリーン22は、プロセッサ21による制御に従って、ユーザに情報を提示する画面を表示する。タッチスクリーン22は、LED13に比べて、より詳細な情報を提示することができる。通信インターフェース23は、表示装置200を異常検知装置100に接続するためのインターフェースである。通信インターフェース23は、例えば、USB用のインターフェースである。
空調システム300は、空調対象空間の空調を実行するシステムであり、異常の検知対象のシステムである。空調システム300は、室内機310と、室外機320と、システムコントローラ330と、を備える。室内機310は、空調対象空間の内部に配置される空調機である。室外機320は、空調対象空間の外部に配置される空調機である。室内機310と室外機320とは、測定値を取得するためのセンサを備える。また、室内機310は、室内機310が備えるリモートコントローラから、ユーザから受け付けた操作の内容を示す情報を取得する。システムコントローラ330は、空調システム300の全体的な動作を制御する装置である。室内機310と室外機320とシステムコントローラ330とは、無線通信又は有線通信により相互に通信可能である。本実施形態では、同様の構成を有する2つ以上の空調システム300が、同一のビル内に存在するものとする。
システムコントローラ330は、リモートコントローラがユーザから受け付けた操作、又は、予め定められた空調制御プログラムに従って、制御内容を示す設定値を決定する。そして、システムコントローラ330は、決定した設定値に従って、室内機310と室外機320とを制御する。また、システムコントローラ330は、室内機310に取り付けられたセンサと室外機320に取り付けられたセンサとから測定値を取得する。システムコントローラ330は、設定値と測定値とを含む空調データを記憶する記憶装置を備える。この記憶装置は、例えば、フラッシュメモリである。
データ収集装置340は、空調システム300から空調データを取得し、取得した空調データを異常検知装置100に供給する。例えば、データ収集装置340は、予め定められた周期で、システムコントローラ330から空調データを取得し、収集した空調データを蓄積する。この周期は、例えば、10秒である。また、データ収集装置340は、異常検知装置100からの要求に従って、蓄積した空調データのうち最新の空調データを、広域ネットワーク600を介して異常検知装置100に送信する。データ収集装置340は、例えば、データ収集装置340の全体の動作を制御するプロセッサと、空調データを蓄積するフラッシュメモリと、データ収集装置340を広域ネットワーク600に接続するための通信インターフェースと、を備える。
次に、図2を参照して、異常検知装置100の機能について説明する。図2に示すように、異常検知装置100は、機能的には、データ取得部101と、データ記憶部102と、熱負荷算出部103と、データ分類部104と、標準値算出部105と、標準値記憶部106と、異常判別部107と、表示部108と、転送部109と、を備える。データ取得手段は、例えば、データ取得部101に対応する。熱負荷算出手段は、例えば、熱負荷算出部103に対応する。データ分類手段は、例えば、データ分類部104に対応する。標準値算出手段は、例えば、標準値算出部105に対応する。異常判別手段は、例えば、異常判別部107に対応する。異常検知装置が備える表示手段は、例えば、表示部108に対応する。
データ取得部101は、少なくとも1つの空調システム300から空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得する。例えば、データ取得部101は、データ収集装置340を介して、全ての空調システム300から、1分毎に空調データを取得する。データ取得部101の機能は、例えば、プロセッサ11と第2通信インターフェース15とが協働することにより実現される。
データ記憶部102は、データ取得部101が取得した空調データを記憶する。ここで、図3を参照して、空調データについて説明する。空調データは、設定温度(℃)と風向と風速とを示す設定値と、吸込温度(℃)と吹出温度(℃)とを示す測定値と、を含む。空調データは、システム識別子と、取得時刻を示す値と、熱負荷(kcal/h)を示す値とに対応付けられて記憶される。
システム識別子は、空調データの取得元の空調システム300を識別するための識別子である。取得時刻は、データ取得部101が空調システム300から空調データを取得した時刻である。本実施形態では、取得時刻と、空調データに含まれる設定値を使用して空調制御した時刻(以下、適宜、「使用時刻という。」)と、空調データに含まれる測定値が測定された時刻(以下、適宜、「測定時刻という。」)とがほぼ同じであるものとする。熱負荷は、空調データの取得時における空調データの取得元の空調システム300の空調対象空間の熱負荷である。
熱負荷は、例えば、冷房時、発熱体又は日射による空調対象空間への発熱量の総和である。熱負荷は、例えば、暖房時、空調対象空間から床又は壁などの物体への放熱量の総和である。本実施形態では、空調システム300の空調対象空間の熱負荷は、一定ではなく、時刻によって変化するものとする。データ記憶部102は、例えば、空調システム300毎に、空調データを管理する。データ記憶部102の機能は、例えば、プロセッサ11とフラッシュメモリ12とが協働することにより実現される。
熱負荷算出部103は、空調データに基づいて、空調データの取得時における空調データの取得元の空調システム300の空調対象空間の熱負荷を算出する。例えば、空調データが、設定値として設定温度を含み、測定値として吸込温度を含んでいる場合、熱負荷算出部103は、設定温度の変更時における、吸込温度の変化の速さに基づいて、熱負荷を算出する。ここで、熱負荷が大きい程、吸込温度の変化が遅く、熱負荷が小さい程、吸込温度の変化が速いと考えられる。そこで、熱負荷算出部103は、吸込温度の変化が速い程、熱負荷が小さくなるように熱負荷を算出する。例えば、熱負荷算出部103は、設定温度の変更時における、設定温度と吸込温度との差を、吸込温度が設定温度に到達するまでに要した時間で除算した値を求める。そして、熱負荷算出部103は、この値の逆数に予め定められた比例定数を乗算することにより熱負荷を求める。熱負荷算出部103の機能は、例えば、プロセッサ11の機能により実現される。
データ分類部104は、空調データを、空調データに含まれる設定値と、空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類する。つまり、データ分類部104は、設定値と熱負荷との双方が同程度である空調データが同一のグループに属するように、空調データを分類する。例えば、データ分類部104は、まず、蓄積された空調データを、熱負荷により3つの熱負荷グループに分類する。
熱負荷による分類では、例えば、階層的併合法により、空調データが分類される。階層的併合法では、全空調データの中から最も熱負荷が近い2つの空調データを1つの熱負荷グループとして結合する処理を、熱負荷グループの数が3つに至るまで繰り返す。そして、3つの熱負荷グループは、平均熱負荷が大きいものから順に、熱負荷大の熱負荷グループ、熱負荷中の熱負荷グループ、熱負荷小の熱負荷グループに設定される。なお、熱負荷グループの個数は、3つに限定されず、2つ、或いは、4つ以上であってもよい。熱負荷グループの個数は、例えば、空調データの個数が多い程、多く設定されてもよい。また、熱負荷による分類において、一般的な分類手法を採用することができる。例えば、k-平均法を採用してもよい。或いは、熱負荷の出現分布から、極大値の間に存在する極小値でカットすることにより、グループ分けしてもよい。
そして、データ分類部104は、3つの熱負荷グループのそれぞれについて、空調データを設定値により更に分類する。設定値による分類では、例えば、設定値が同一である空調データが同一のグループに属するように、空調データが分類される。或いは、例えば、設定値の差が閾値以下である空調データが同一のグループに属するように、空調データが分類されてもよい。データ分類部104の機能は、例えば、プロセッサ11の機能により実現される。
標準値算出部105は、標準値の算出対象のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、標準値の算出対象のグループに対応する標準値を算出する。ここでは、判別対象の空調データである第1の空調データが属するグループが、標準値の算出対象のグループであるものとする。以下、標準値の算出対象のグループを、適宜、第1のグループという。標準値は、測定値の判別に用いられる値であり、測定値の標準的な値である。例えば、第1のグループに対応する標準値を求める場合、標準値算出部105は、第1のグループに属する空調データに含まれる測定値の中央値を、第1のグループに対応する標準値として算出する。或いは、標準値算出部105は、第1のグループに属する空調データに含まれる測定値の平均値又は最頻値を、第1のグループに対応する標準値として算出してもよい。
図4に、標準値の算出に用いられるデータである標準値算出用データを示す。標準値算出用データは、基本的に、標準値の算出対象のグループに含まれる空調データである。従って、標準値算出用データは、設定値と熱負荷との双方が同程度である空調データの集まりである。図4には、熱負荷が大であり、設定温度が26℃であり、風向が水平であり、風速が最大である空調データのグループに対応する標準値の算出に用いられる標準値算出用データを示している。図4に示す例では、吸込温度と吹出温度との2つが測定値である。この場合、標準値算出部105は、吸込温度の標準値と吹出温度の標準値とを算出する。標準値算出部105の機能は、例えば、プロセッサ11の機能により実現される。
標準値記憶部106は、標準値算出部105によりグループ毎に算出された標準値を記憶する。標準値記憶部106の機能は、例えば、プロセッサ11とフラッシュメモリ12とが協働することにより実現される。
異常判別部107は、データ取得部101が第1の空調システムから第1の空調データを取得した場合、第1の空調データに含まれる測定値と、第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、第1の空調システムに異常があるか否かを判別する。第1の空調システムは、少なくとも1つの空調システム300のうち異常判別対象の空調システム300である。つまり、第1の空調システムは、判別対象の空調データである第1の空調データの取得元の空調システム300である。
異常判別部107は、例えば、第1の空調データに含まれる測定値と第1のグループに対応する標準値との差が予め定められた閾値以上である時間が予め定められた時間以上である場合、第1の空調システムに異常があると判別する。つまり、異常判別部107は、測定値と標準値とが剥離した状態が一定時間継続した場合、この測定値を含む空調データの取得元の空調システム300に異常があると判別する。
例えば、測定値が吹出温度である場合、異常判別部107は、吹出温度と標準値との差が5℃以上である状態が5分以上維持された場合、第1の空調システムに異常があると判別する。なお、第1の空調システムから1分毎に空調データが取得される場合、標準値との差が5℃以上である吹出温度を含む空調データが5回連続で取得された場合、第1の空調システムに異常があると判別される。なお、判別に用いる時間は、5分に限定されず、30秒、又は、10分であってもよい。判別に用いる時間は、例えば、空調データが取得されるサンプリング周期などに応じて調整される。異常判別部107の機能は、例えば、プロセッサ11の機能により実現される。
表示部108は、異常判別部107が第1の空調システムに異常があると判別した場合、予め定められた情報を表示する。表示される情報は、異常があることを報知する情報であれば、どのような情報であってもよい。例えば、表示部108が1つのLED13を含む場合、表示部108は、LED13を点灯させることにより、ユーザに、いずれかの空調システム300に異常があることを知らせることができる。或いは、表示部108は、LED13を予め定められた点滅パターンで点滅させることにより、どの空調システム300に異常があるのかを知らせることができる。或いは、例えば、表示部108が2つ以上のLED13を含む場合、表示部108は、複数のLED13を予め定められた点灯パターン又は点滅パターンで点灯又は点滅させることにより、どの空調システム300に異常があるのかを知らせることができる。表示部108の機能は、例えば、プロセッサ11とLED13とが協働することにより実現される。
転送部109は、異常判別部107が第1の空調システムに異常があると判別した場合、第1の空調システムに異常があることを報知する情報(以下、適宜「異常報知情報」という。)を、表示装置200に送信する。この異常報知情報は、例えば、第1の空調システムのシステム識別情報を含む。転送部109の機能は、例えば、プロセッサ11と第1通信インターフェース14とが協働することにより実現される。
次に、表示装置200の機能について説明する。表示装置200は、機能的には、通信部201と、表示部202と、を備える。表示装置が備える表示手段は、例えば、表示部202に対応する。
通信部201は、異常検知装置100と通信する。例えば、通信部201は、転送部109により送信された異常報知情報を受信する。通信部201の機能は、例えば、通信インターフェース23の機能により実現される。
表示部202は、各種の情報を表示する。例えば、表示部202は、通信部201が受信した異常報知情報に基づいて、異常報知画面を表示する。図5に、異常報知画面である画面400を示す。画面400は、例えば、システム識別子が1である空調システムAを示すアイコン411と、システム識別子が2である空調システムBを示すアイコン412と、空調システムAに異常があることを示すアイコン420と、異常内容を説明する文字列が表示される領域430と、を含む。
このように、表示部202は、表示部108よりも、詳細に異常の内容を報知することができる。なお、図2において、空調システム300Aは、空調システムAを示し、空調システム300Bは、空調システムBを示す。空調システム300Aと空調システム300Bとは、適宜、空調システム300と総称される。表示部202の機能は、例えば、プロセッサ21とタッチスクリーン22とが協働することにより実現される。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、異常検知装置100が実行する異常検知処理について説明する。異常検知処理は、例えば、異常検知装置100の電源が投入されると開始される。
まず、プロセッサ11は、空調システム300から空調データを収集する(ステップS101)。例えば、プロセッサ11は、全ての空調システム300に対応するデータ収集装置340に対してデータ要求情報を送信し、データ収集装置340を介して全ての空調システム300から空調データを収集する。プロセッサ11は、例えば、1分毎に、全ての空調システム300から空調データを収集する。なお、データ収集装置340は、異常検知装置100からデータ要求情報を受信した場合、空調システム300から収集し蓄積した空調データのうち最新の空調データを、異常検知装置100に送信する。
プロセッサ11は、ステップS101の処理を完了すると、熱負荷算出処理を実行する(ステップS102)。熱負荷算出処理に関しては、図7に示すフローチャートを参照して、詳細に説明する。
まず、プロセッサ11は、収集した空調データを1つ選択する(ステップS201)。プロセッサ11は、ステップS201の処理を完了すると、選択した空調データの取得元の空調システム300において、設定温度の変更が反映されたか否かを判別する(ステップS202)。
例えば、プロセッサ11は、選択した空調データの取得元の空調システム300から最近取得した空調データの履歴を参照して、この空調システム300において、最近、設定温度が変更されたか否かを判別する。そして、プロセッサ11は、最近、設定温度が変更されたと判別した場合、最後に取得された空調データ、つまり、選択した空調データを参照して、設定温度の変更が反映されたか否かを判別する。例えば、プロセッサ11は、選択した空調データに含まれる設定温度と選択した空調データに含まれる吸込温度との差が閾値以下であるか否かを判別する。そして、プロセッサ11は、この差がこの閾値以下であると判別した場合、設定温度の変更が反映されたとみなす。
プロセッサ11は、設定温度の変更が反映されたと判別すると(ステップS202:YES)、吸込温度の変化の速さから熱負荷を算出する(ステップS203)。例えば、プロセッサ11は、設定温度の変更時における、設定温度と吸込温度との差を、設定温度の変更時から現在時刻までの時間で除算することで、吸込温度の変化の速さを算出する。つまり、プロセッサ11は、吸込温度の変化量を吸込温度の変化に要した時間で除算することで、吸込温度の変化の速さを算出する。そして、プロセッサ11は、吸込温度の変化の速さの逆数に予め定められた係数を乗算することにより、熱負荷を算出する。
プロセッサ11は、設定温度の変更が反映されていないと判別すると(ステップS202:NO)、直近の熱負荷を特定する(ステップS204)。つまり、プロセッサ11は、設定温度が変更されていない場合、又は、設定温度の変更の反映が完了していない場合、選択した空調データの取得元の空調システム300について最後に算出された熱負荷を、現時点における熱負荷として採用する。
プロセッサ11は、ステップS203の処理、又は、ステップS204の処理を完了した場合、算出又は特定された熱負荷を、選択した空調データと対応付けて記憶する(ステップS205)。プロセッサ11は、ステップS205の処理を完了すると、未選択の空調データがあるか否かを判別する(ステップS206)。プロセッサ11は、未選択の空調データがあると判別すると(ステップS206:YES)、ステップS201に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、未選択の空調データがないと判別すると(ステップS206:NO)、ステップS102の熱負荷算出処理を完了する。
プロセッサ11は、ステップS102の処理を完了すると、標準値算出処理を実行する(ステップS103)。標準値算出処理に関しては、図8に示すフローチャートを参照して、詳細に説明する。なお、標準値は、空調データのグループ毎に算出される。一方、空調データのグループは、空調データが追加されると変更される。従って、標準値は、空調データが取得される毎に、算出されることが好適である。つまり、標準値算出処理は、空調データが取得される毎に実行される。
まず、プロセッサ11は、全ての空調データを熱負荷で3つの熱負荷グループに分類する(ステップS301)。例えば、プロセッサ11は、上述した階層的併合法により、空調データを熱負荷により分類する。プロセッサ11は、ステップS301の処理を完了すると、全ての空調データを設定値で更に分類する(ステップS302)。つまり、プロセッサ11は、熱負荷で分類された空調データを設定値で更に分類する。例えば、プロセッサ11は、同じ熱負荷グループに属し、異なる設定値を含む空調データを、異なるグループに分類する。
プロセッサ11は、ステップS302の処理を完了すると、熱負荷と設定値とで分類されたグループ毎に、測定値の標準値を算出する(ステップS303)。例えば、プロセッサ11は、1つのグループを選択する処理と、選択したグループに属する空調データに含まれる測定値の中央値を選択したグループに対応する標準値として算出する処理とを、全てのグループが選択されるまで繰り返す。プロセッサ11は、ステップS303の処理を完了すると、算出された標準値をグループと対応付けて記憶する(ステップS304)。プロセッサ11は、ステップS304の処理を完了すると、ステップS103の標準値算出処理を完了する。
プロセッサ11は、ステップS103の処理を完了すると、異常判別処理を実行する(ステップS104)。異常判別処理に関しては、図9に示すフローチャートを参照して、詳細に説明する。
まず、プロセッサ11は、収集した空調データを1つ選択する(ステップS401)。プロセッサ11は、ステップS401の処理を完了すると、選択した空調データが属するグループを特定する(ステップS402)。プロセッサ11は、ステップS402の処理を完了すると、特定したグループの要素数が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS403)。つまり、プロセッサ11は、特定したグループに含まれる空調データの個数がある程度多い場合、特定したグループについて算出された標準値の信頼性が高いとみなして、異常判別処理を実行する。一方、プロセッサ11は、特定したグループに含まれる空調データの個数が少なすぎる場合、特定したグループについて算出された標準値の信頼性が低いとみなして、異常判別処理を実行しない。
プロセッサ11は、特定したグループの要素数が閾値以上でないと判別すると(ステップS403:NO)、ステップS401に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、特定したグループの要素数が閾値以上であると判別すると(ステップS403:YES)、選択した空調データに含まれる測定値と特定したグループについて算出された標準値との差を算出する(ステップS404)。プロセッサ11は、ステップS404の処理を完了すると、この差が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS405)。
プロセッサ11は、この差が閾値以上であると判別すると(ステップS405:YES)、カウンタ値をインクリメントする(ステップS406)。このカウンタ値は、空調システム300毎に設けられたカウンタの値である。このカウンタは、測定値が標準値から剥離している時間をカウントするためのカウンタである。一方、プロセッサ11は、この差が閾値以上でないと判別すると(ステップS405:NO)、カウンタ値をクリアする(ステップS407)。
プロセッサ11は、ステップS406の処理が完了すると、カウンタ値が閾値以上であるか否かを判別する(ステップS407)。例えば、1分毎に空調データが取得され、測定値が標準値から剥離している時間が5分以上であるか否かを判別したい場合、この閾値は5に設定される。プロセッサ11は、ステップS407を完了した場合、又は、カウンタ値が閾値以上でないと判別した場合(ステップS408:NO)、選択した空調データの取得元の空調システム300が正常であると判別する(ステップS409)。一方、プロセッサ11は、カウンタ値が閾値以上であると判別した場合(ステップS408:YES)、選択した空調データの取得元の空調システム300が異常であると判別する(ステップS410)。
プロセッサ11は、ステップS409の処理又はステップS410の処理を完了すると、判別結果を記憶する(ステップS411)。例えば、プロセッサ11は、選択した空調データの取得元の空調システム300を示すシステム識別子と判別結果を示す情報とを対応付けて、フラッシュメモリ12に記憶する。
プロセッサ11は、ステップS411の処理を完了すると、未選択の空調データがあるか否かを判別する(ステップS412)。プロセッサ11は、未選択の空調データがあると判別すると(ステップS412:YES)、ステップS401に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、未選択の空調データがないと判別すると(ステップS412:NO)、ステップS104の異常判別処理を完了する。
プロセッサ11は、ステップS104の処理を完了すると、判別結果を表示する(ステップS105)。例えば、プロセッサ11は、いずれかの空調システム300が異常である場合、LED13を点灯させ、全ての空調システム300が正常である場合、LED13を点灯させない。例えば、空調システム300毎にLED13が設けられている場合、プロセッサ11は、異常がある空調システム300に対応するLED13だけ点灯させる。
プロセッサ11は、ステップS105の処理を完了すると、異常があるか否かを判別する(ステップS106)。プロセッサ11は、異常がないと判別すると(ステップS106:NO)、ステップS101に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、異常があると判別すると(ステップS106:YES)、異常報知画面を表示する(ステップS107)。例えば、プロセッサ11は、いずれかの空調システム300に異常がある場合、第1通信インターフェース14を介して表示装置200に異常報知情報を送信する。一方、表示装置200は、異常検知装置100から異常報知情報を受信すると、異常の内容を示す異常報知画面を表示する。
このように、プロセッサ11は、異常を検知しない場合、LED13を点灯させないことにより、異常が検知されないことをユーザに報知する。一方、プロセッサ11は、異常を検知した場合、LED13を点灯させることにより、異常が検知されたことをユーザに報知し、更に、異常の内容を詳細に知らせる異常報知画面を表示装置200に表示させる。プロセッサ11は、ステップS107の処理を完了すると、ステップS101に処理を戻す。
以上説明したように、本実施形態では、取得された空調データに含まれる測定値と、設定値と熱負荷とが考慮されて特定される標準値と、に基づいて、空調システム300に異常があるか否かが判別される。より詳細には、本実施形態では、少なくとも1つの空調システム300から取得された空調データは設定値と熱負荷とにより分類され、第1の空調システムから取得された第1の空調データに含まれる設定値と、第1の空調データが属する第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、第1の空調システムに異常があるか否かが判別される。従って、本実施形態によれば、空調システム300の異常を高い精度で検知することができる。
また、本実施形態では、設定値と熱負荷とが同程度であれば、異常検知対象以外の空調システム300から取得された空調データも、標準値の算出に用いられる。従って、本実施形態によれば、速やかに精度の高い標準値を用意することができる。
また、本実施形態では、取得された空調データに含まれる測定値に基づいて、測定値の標準値が算出される。従って、本実施形態によれば、簡単な構成で、異常を判別するために用いる標準値を求めることができる。
また、本実施形態では、設定温度の変更時における、吸込温度の変化の速さに基づいて、熱負荷が算出される。従って、本実施形態によれば、特別な構成を追加することなく、空調データの分類に用いる熱負荷を算出することができる。特別な構成は、例えば、高価なサーモセンサ又は画像センサである。
また、本実施形態では、空調データに含まれる測定値と標準値との差が予め定められた閾値以上である時間が予め定められた時間以上である場合、空調システム300に異常があると判別される。従って、本実施形態によれば、誤判定される確率を低くすることができる。
(実施形態2)
実施形態1では、設定温度の変更時における、吸込温度の変化の速さに基づいて、熱負荷が算出される例について説明した。本発明において、熱負荷を算出する手法は、適宜、調整することができる。本実施形態では、吸込温度の変動回数に基づいて、熱負荷が算出される例について説明する。以下、本実施形態に係る熱負荷算出処理について説明する。なお、異常検知システム1000の構成は、基本的に、実施形態1で示した構成と同様である。
本実施形態に係る異常検知装置100は、図7に示す熱負荷算出処理に代えて、図10に示す熱負荷算出処理を実行する。
まず、プロセッサ11は、収集した空調データを1つ選択する(ステップS501)。プロセッサ11は、ステップS501の処理を完了すると、直近の一定期間内に設定温度の変更がないか否かを判別する(ステップS502)。
例えば、プロセッサ11は、選択した空調データの取得元の空調システム300から最近取得した空調データの履歴を参照して、この空調システム300において、最近、設定温度が変更されたか否かを判別する。例えば、プロセッサ11は、この空調システム300において、1時間前から現在に至るまでの間、設定温度の変更がないか否かを判別する。なお、この期間の長さは、1時間ではなく、30分であってもよい。この期間の長さは、例えば、空調設定の変更に対する応答性を考慮して決定される。
プロセッサ11は、直近の一定期間内に設定温度の変更がないと判別すると(ステップS502:NO)、温度変動回数をカウントする(ステップS503)。例えば、プロセッサ11は、上記一定期間において、吸込温度が設定温度から閾値以上剥離した回数をカウントする。この一定期間の長さは、例えば、1時間である。また、この閾値は、例えば、0.5℃である。プロセッサ11は、ステップS503の処理を完了すると、温度変動回数から熱負荷を算出する(ステップS504)。
ここで、熱負荷が大きい程、単位時間当たりの空調対象空間への発熱量、又は、単位時間当たりの空調対象空間からの放熱量が大きくなり、温度変動回数が多くなると考えられる。そこで、プロセッサ11は、温度変動回数が多い程、熱負荷が大きくなるように、熱負荷を算出する。例えば、プロセッサ11は、温度変動回数に予め定められた係数を乗算した値を熱負荷として算出する。
プロセッサ11は、直近の一定期間内に設定温度の変更があると判別すると(ステップS502:YES)、直近の熱負荷を特定する(ステップS505)。つまり、プロセッサ11は、設定温度の変更がある場合、選択した空調データの取得元の空調システム300について最後に算出された熱負荷を、現時点における熱負荷として採用する。
プロセッサ11は、ステップS504の処理、又は、ステップS505の処理を完了した場合、算出又は特定された熱負荷を、選択した空調データと対応付けて記憶する(ステップS506)。プロセッサ11は、ステップS506の処理を完了すると、未選択の空調データがあるか否かを判別する(ステップS507)。プロセッサ11は、未選択の空調データがあると判別すると(ステップS507:YES)、ステップS501に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、未選択の空調データがないと判別すると(ステップS507:NO)、ステップS102の熱負荷算出処理を完了する。
本実施形態では、設定温度が変更されない予め定められた長さの期間における吸込温度の変動回数に応じて、熱負荷が算出される。従って、本実施形態によれば、設定温度が頻繁に変更されない空調システム300の熱負荷を容易に算出することができる。
(実施形態3)
実施形態1では、ある空調システム300の空調が他の空調システム300の空調に影響を与えている場合においても、この影響を考慮せずに標準値を算出する例について説明した。本実施形態では、この影響を考慮して標準値を算出する例について説明する。本実施形態では、隣接する空調システム300の空調の影響を受けている空調システム300から取得された空調データを、標準値の算出に用いない例について説明する。なお、本実施形態では、空調システム300の個数は、2以上であることが前提である。
図11に示すように、本実施形態に係る異常検知装置120は、機能的には、データ取得部101と、データ記憶部102と、熱負荷算出部103と、データ分類部104と、標準値算出部105と、標準値記憶部106と、異常判別部107と、表示部108と、転送部109とに加え、配置情報記憶部110を更に備える。
配置情報記憶部110は、2以上の空調システム300が配置された位置を示す情報である配置情報を記憶する。配置情報は、少なくとも、2以上の空調システム300から選択される2つの空調システム300が、互いに隣接しているか否かを示す情報である。例えば、空調システムAが備える室内機310と空調システムBが備える室内機310との距離が10m以内である場合、空調システムAと空調システムBとが隣接しているものとみなす。配置情報記憶部110の機能は、例えば、フラッシュメモリ12の機能により実現される。
ここで、標準値算出部105は、第2の空調システムと第3の空調システムとが隣接し、第2の空調システムにおける設定温度と第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、第1の温度差第2の温度差より大きい場合、第2の空調システムから取得された空調データを除外して、標準値を算出する。第2の空調システムは、2以上の空調システム300のうちいずれかの空調システム300である。第3の空調システムは、2以上の空調システム300のうち第2の空調システム以外の空調システム300である。第1の温度差は、第2の空調システムにおける設定温度と第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である。第2の温度差は、第3の空調システムにおける設定温度と第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である。
第1の温度差第2の温度差より大きい場合、第3の空調システムにおける設定温度が第2の空調システムの吸込温度に与える影響が、無視できない程大きいと考えられる。そこで、このような場合、第2の空調システムから取得された空調データを除外して、標準値が算出されることが好適である。
本実施形態では、異常検知装置120は、図8に示す標準値算出処理に代えて、図12に示す標準値算出処理を実行する。
まず、プロセッサ11は、2以上の空調システム300の中から、基準空調システムと隣接空調システムとの組み合わせを特定する(ステップS601)。基準空調システムは、上記第2空調システムである。また、隣接空調システムは、上記第3空調システムである。本実施形態では、基準空調システムは、空調システムAであり、隣接空調システムは空調システムBであるものとする。
プロセッサ11は、ステップS601の処理を完了すると、1つの組み合わせを選択する(ステップS602)。プロセッサ11は、ステップS602の処理を完了すると、直近の一定期間内に設定温度の変更があるか否かを判別する(ステップS603)。例えば、プロセッサ11は、直近の1時間に、基準空調システムと隣接空調システムとのいずれかにおいて、設定温度が変更されたか否かを判別する。
プロセッサ11は、直近の一定期間内に設定温度の変更がないと判別すると(ステップS603:NO)、基準空調システムから最後に取得された空調データと隣接空調システムとに基づいて、第1の温度差と第2の温度差とを算出する(ステップS604)。プロセッサ11は、ステップS604の処理を完了すると、第1の温度差が第2の温度差よりも大きいか否かを判別する(ステップS605)。
プロセッサ11は、第1の温度差が第2の温度差よりも大きいと判別すると(ステップS605:YES)、基準空調システムから最後に取得された空調データを削除する(ステップS606)。例えば、設定温度が変更されない場合において、基準空調システムの設定温度が28℃、基準空調システムの吸込温度が26℃、隣接空調システムの設定温度が25℃の場合、第1の温度差は2℃、第2の温度差は1℃である。この場合、隣接空調システムの設定温度が基準空調システムの吸込温度に大きく影響を与えていると考えられるため、基準空調システムから最後に取得された空調データを削除する。なお、プロセッサ11は、空調データをフラッシュメモリ12から削除することに代えて、空調データにフラグを付してもよい。このフラグは、標準値算出処理に用いないことを示すフラグである。
プロセッサ11は、第1の温度差が第2の温度差以下であると判別した場合(ステップS605:NO)、又は、ステップS606の処理を完了した場合、未選択の組み合わせがあるか否かを判別する(ステップS607)。プロセッサ11は、未選択の組み合わせがあると判別すると(ステップS607:YES)、ステップS602に処理を戻す。一方、プロセッサ11は、未選択の組み合わせがないと判別すると(ステップS607:NO)、全ての熱負荷を3つの熱負荷グループに分類する(ステップS608)。
プロセッサ11は、ステップS608の処理を完了すると、全ての空調データを設定値で更に分類する(ステップS609)。プロセッサ11は、ステップS609の処理を完了すると、分類されたグループ毎に測定値の標準値を算出する(ステップS610)。プロセッサ11は、ステップS610の処理を完了すると、算出された標準値をグループと対応付けて記憶する(ステップS611)。プロセッサ11は、ステップS611の処理を完了すると、標準値算出処理を完了する。
本実施形態では、隣接する空調システム300による空調の影響を強く受けている空調システム300から取得された空調データが除外されて、測定値の標準値が算出される。従って、本実施形態によれば、標準値の精度を更に高めることができる。
(実施形態4)
実施形態1では、第1の空調システムの異常が検知された場合、異常を報知する例について説明した。本実施形態では、第1の空調システムの制御内容と第1の空調システムと隣接する第4の空調システムの制御内容とが類似し、第1の空調システムの異常が検知された場合、第1の空調システムによる空調制御を停止するとともに、第4の空調システムに対する空調制御を負荷が増大するように変更する例について説明する。なお、制御内容が類似することは、例えば、運転モードが同一であることを意味する。以下、第1の空調システムが空調システムAであり、第4の空調システムが空調システムBであるものとする。なお、本実施形態では、空調システム300の個数は、2以上であることが前提である。
図13に示すように、本実施形態に係る異常検知システム1100は、異常検知装置130を備え、表示装置200を備えていないものとする。また、本実施形態では、データ収集装置340が設けられず、システムコントローラ330が、直接、広域ネットワーク600に接続されるものとする。
図14に示すように、本実施形態に係る異常検知装置130は、機能的には、データ取得部101と、データ記憶部102と、熱負荷算出部103と、データ分類部104と、標準値算出部105と、標準値記憶部106と、異常判別部107と、表示部108と、転送部109と、配置情報記憶部110と、に加え、制御内容決定部111と、通信部112と、を更に備える。制御内容決定手段は、例えば、制御内容決定部111に対応する。また、通信手段は、例えば、通信部112に対応する。
制御内容決定部111は、異常判別部107が第1の空調システムに異常があると判別した場合、第4の空調システムに対する制御内容を決定する。第4の空調システムに対する制御内容により示される制御は、例えば、第1の空調システムが実行していた空調を第4の空調システムが補助する制御である。例えば、第1の空調システムと第4の空調システムとの双方が冷房していた場合、第4の空調システムによる冷房を強めることが好適である。制御内容決定部111の機能は、例えば、プロセッサ11の機能により実現される。
通信部112は、異常判別部107が第1の空調システムに異常があると判別した場合、制御停止を指示する情報を第1の空調システムに送信し、制御内容決定部111が決定した制御内容を示す情報を第4の空調システムに送信する。通信部112の機能は、例えば、プロセッサ11と第2通信インターフェース15とが協働することにより実現される。
次に、図15を参照して、異常検知装置130が実行する制御内容決定処理について説明する。制御内容決定処理は、例えば、図6におけるステップS107の処理、つまり、異常報知画面を表示する処理に代えて実行される。
まず、プロセッサ11は、異常と判別された空調システム300を停止する(ステップS701)。つまり、プロセッサ11は、第2通信インターフェース15を介して、第1の空調システムに制御停止を指示する情報を送信する。一方、第1の空調システムが備えるシステムコントローラ330は、第1の空調システムの空調を停止する。
プロセッサ11は、ステップS701の処理を完了すると、異常と判別された空調システム300と隣接する空調システム300があるか否かを判別する(ステップS702)。プロセッサ11は、異常と判別された空調システム300と隣接する空調システム300がないと判別すると(ステップS702:NO)、制御内容決定処理を完了する。一方、プロセッサ11は、異常と判別された空調システム300と隣接する空調システム300があると判別すると(ステップS702:YES)、隣接する空調システム300の負荷が増大するように設定温度を変更する(ステップS703)。例えば、異常と判別された空調システム300と隣接する空調システム300とが27℃の設定温度で冷房運転していた場合、隣接する空調システム300の設定温度を26℃に変更する。
プロセッサ11は、ステップS703の処理を完了すると、隣接する空調システム300に設定温度を含む情報を送信する(ステップS704)。例えば、プロセッサ11は、第2通信インターフェース15を介して、第4の空調システムに、変更後の設定温度を示す情報を送信する。一方、第4の空調システムが備えるシステムコントローラ330は、この情報を受信すると、変更後の設定温度で空調制御する。プロセッサ11は、ステップS704の処理を完了すると、制御内容決定処理を完了する。
以上説明したように、本実施形態では、第1の空調システムの制御内容と第4の空調システムと隣接する第4の空調システムの制御内容とが類似し、第1の空調システムに異常が検知された場合、第1の空調システムの制御が停止され、第4の空調システムの負荷が増大するように第4の空調システムへの制御内容が変更される。従って、本実施形態によれば、ユーザの快適性を担保しつつ異常のある空調システム300を運転させることのリスクを低減することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。
実施形態1では、取得された空調データを、直ちに、標準値の算出に用いる例について説明した。本発明において、取得された空調データを、直ちには、標準値の算出に用いなくてもよい。取得された空調データは、正常な空調データではない可能性があるためである。この場合、取得された空調データは、異常判別時に、熱負荷と設定値とにより分類される。例えば、取得された空調データについて算出された熱負荷が15であり、熱負荷グループAの平均熱負荷が10であり、熱負荷グループBの平均熱負荷が30である場合、取得された空調データは、熱負荷グループAに分類される。そして、取得された空調データは、更に、設定値が一致するグループに分類される。このように、取得された空調データは、設定値が一致し、熱負荷の平均値が最も近いグループに分類される。そして、取得された空調データに含まれる測定値は、このグループに対応付けられた標準値と比較される。
実施形態1では、空調システム300の個数が2以上である例について説明した。本発明において、空調システム300の個数が1つでもよい。また、本発明において、空調システム300に2つ以上の室内機310が含まれていてもよい。また、本発明において、異常検知システム1000は、表示装置200を備えず、表示装置200の機能を備える異常検知装置100を備えてもよい。この場合、例えば、異常検知装置100は、LED13に代えて、タッチスクリーン22を備え、異常報知画面を表示する。また、本発明において、異常検知装置100又は表示装置200は、空調システム300に組み込まれていてもよい。例えば、異常検知装置100又は表示装置200は、システムコントローラ330に組み込まれていてもよい。また、本発明において、異常検知装置100又は表示装置200は、データ収集装置340に組み込まれていてもよい。
本発明に係る異常検知装置100の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る異常検知装置100として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、空調システムの異常を検知する異常検知システムに適用可能である。
11,21 プロセッサ、12 フラッシュメモリ、13 LED、14 第1通信インターフェース、15 第2通信インターフェース、22 タッチスクリーン、23 通信インターフェース、100,120,130 異常検知装置、101 データ取得部、102 データ記憶部、103 熱負荷算出部、104 データ分類部、105 標準値算出部、106 標準値記憶部、107 異常検知部、108,202 表示部、109 転送部、110 配置情報記憶部、111 制御内容決定部、112 通信部、200 表示装置、201 通信部、300,300A,300B 空調システム、310 室内機、320 室外機、330 システムコントローラ、340 データ収集装置、400 画面、411,412,420 アイコン、430 領域、600 広域ネットワーク、1000,1100 異常検知システム

Claims (8)

  1. 少なくとも1つの空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得するデータ取得手段と、
    前記空調データに基づいて、前記空調データの取得時における前記空調データの取得元の空調システムの空調対象空間の熱負荷を算出する熱負荷算出手段と、
    前記空調データを、前記空調データに含まれる設定値と前記空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類するデータ分類手段と、
    前記データ取得手段が前記少なくとも1つの空調システムのうち第1の空調システムから前記空調データである第1の空調データを取得した場合、前記第1の空調データに含まれる測定値と、前記2以上のグループのうち前記第1の空調データが属するグループである第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、前記第1の空調システムに異常があるか否かを判別する異常判別手段と、
    前記異常判別手段が前記第1の空調システムに異常があると判別した場合、予め定められた情報を表示する表示手段と、
    前記第1のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、前記標準値を算出する標準値算出手段と、を備え、
    前記設定値には、設定温度が含まれ、
    前記測定値には、吸込温度が含まれ、
    前記標準値算出手段は、前記少なくとも1つの空調システムのうち第2の空調システムから取得された空調データが前記第1のグループに属し、前記第2の空調システムと前記少なくとも1つの空調システムのうち第3の空調システムとが隣接し、前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、
    (A)前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第1の温度差が、前記第3の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第2の温度差より大きい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外して、前記標準値を算出
    (B)前記第1の温度差が前記第2の温度差よりも小さい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外せずに、前記標準値を算出する、
    異常検知装置。
  2. 前記熱負荷算出手段は、前記設定温度の変更時における、前記吸込温度の変化の速さに基づいて、前記熱負荷を算出する、
    請求項1に記載の異常検知装置。
  3. 前記熱負荷算出手段は、前記設定温度が変更されない予め定められた時間内に前記設定温度と前記吸込温度との差が予め定められた閾値を超えた回数に基づいて、前記熱負荷を算出する、
    請求項1又は2に記載の異常検知装置。
  4. 前記異常判別手段が前記第1の空調システムに異常があると判別した場合、前記少なくとも1つの空調システムのうち、前記第1の空調システムと隣接する第4の空調システムに対する制御内容を決定する制御内容決定手段と、
    前記異常判別手段が前記第1の空調システムに異常があると判別した場合、制御停止を指示する情報を前記第1の空調システムに送信し、前記制御内容決定手段が決定した制御内容を示す情報を前記第4の空調システムに送信する通信手段と、を更に備える、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の異常検知装置。
  5. 前記異常判別手段は、前記第1の空調データに含まれる測定値と前記標準値との差が予め定められた閾値以上である時間が予め定められた時間以上である場合、前記第1の空調システムに異常があると判別する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の異常検知装置。
  6. 異常検知装置と表示装置とを備える異常検知システムであって、
    前記異常検知装置は、
    少なくとも1つの空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得するデータ取得手段と、
    前記空調データに基づいて、前記空調データの取得時における前記空調データの取得元の空調システムの空調対象空間の熱負荷を算出する熱負荷算出手段と、
    前記空調データを、前記空調データに含まれる設定値と前記空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類するデータ分類手段と、
    前記データ取得手段が前記少なくとも1つの空調システムのうち第1の空調システムから前記空調データである第1の空調データを取得した場合、前記第1の空調データに含まれる測定値と、前記2以上のグループのうち前記第1の空調データが属するグループである第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、前記第1の空調システムに異常があるか否かを判別する異常判別手段と、
    前記第1のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、前記標準値を算出する標準値算出手段と、を備え、
    前記表示装置は、
    前記異常判別手段が前記第1の空調システムに異常があると判別した場合、予め定められた情報を表示する表示手段を備え、
    前記設定値には、設定温度が含まれ、
    前記測定値には、吸込温度が含まれ、
    前記標準値算出手段は、前記少なくとも1つの空調システムのうち第2の空調システムから取得された空調データが前記第1のグループに属し、前記第2の空調システムと前記少なくとも1つの空調システムのうち第3の空調システムとが隣接し、前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、
    (A)前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第1の温度差が、前記第3の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第2の温度差より大きい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外して、前記標準値を算出
    (B)前記第1の温度差が前記第2の温度差よりも小さい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外せずに、前記標準値を算出する、
    異常検知システム。
  7. 少なくとも1つの空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得し、
    前記空調データに基づいて、前記空調データの取得時における前記空調データの取得元の空調システムの空調対象空間の熱負荷を算出し、
    前記空調データを、前記空調データに含まれる設定値と前記空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類し、
    前記少なくとも1つの空調システムのうち第1の空調システムから前記空調データである第1の空調データが取得された場合、前記第1の空調データに含まれる測定値と、前記2以上のグループのうち前記第1の空調データが属するグループである第1のグループに対応する算出される標準値と、に基づいて、前記第1の空調システムに異常があるか否かを判別し、
    前記第1のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、前記標準値を算出し、
    前記設定値には、設定温度が含まれ、
    前記測定値には、吸込温度が含まれ、
    前記少なくとも1つの空調システムのうち第2の空調システムから取得された空調データが前記第1のグループに属し、前記第2の空調システムと前記少なくとも1つの空調システムのうち第3の空調システムとが隣接し、前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、
    (A)前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第1の温度差が、前記第3の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第2の温度差より大きい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外して、前記標準値を算出
    (B)前記第1の温度差が前記第2の温度差よりも小さい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外せずに、前記標準値を算出する、
    異常検知方法。
  8. コンピュータを、
    少なくとも1つの空調システムから空調制御に関する設定値と空調制御に関する測定値とを含む空調データを取得するデータ取得手段、
    前記空調データに基づいて、前記空調データの取得時における前記空調データの取得元の空調システムの空調対象空間の熱負荷を算出する熱負荷算出手段、
    前記空調データを、前記空調データに含まれる設定値と前記空調データについて算出された熱負荷とに基づいて、2以上のグループに分類するデータ分類手段、
    前記データ取得手段が前記少なくとも1つの空調システムのうち第1の空調システムから前記空調データである第1の空調データを取得した場合、前記第1の空調データに含まれる測定値と、前記2以上のグループのうち前記第1の空調データが属するグループである第1のグループに対応する標準値と、に基づいて、前記第1の空調システムに異常があるか否かを判別する異常判別手段、
    前記第1のグループに属する空調データに含まれる測定値に基づいて、前記標準値を算出する標準値算出手段、として機能させるプログラムであって、
    前記設定値には、設定温度が含まれ、
    前記測定値には、吸込温度が含まれ、
    前記標準値算出手段は、前記少なくとも1つの空調システムのうち第2の空調システムから取得された空調データが前記第1のグループに属し、前記第2の空調システムと前記少なくとも1つの空調システムのうち第3の空調システムとが隣接し、前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第3の空調システムにおける設定温度とが変更されない場合において、
    (A)前記第2の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第1の温度差が、前記第3の空調システムにおける設定温度と前記第2の空調システムにおける吸込温度との温度差である第2の温度差より大きい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外して、前記標準値を算出
    (B)前記第1の温度差が前記第2の温度差よりも小さい場合、前記第1のグループに属する空調データから、前記第2の空調システムから取得された空調データを除外せずに、前記標準値を算出する、
    プログラム。
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