JP7203564B2 - ボールベアリング、当該ベアリングを含んだクラッチスラストベアリングデバイス、および当該デバイスを含んだ駆動ラインシステム - Google Patents

Description

本発明はボールベアリング、および当該ベアリングを含んだクラッチスラストベアリングデバイスに関する。本発明は、当該デバイスを含んだ駆動ラインシステムにも関し、このシステムは、自動車の全輪駆動の駆動ラインシステムに設けられている。

自動車のための全輪駆動の駆動ラインシステムは、一般的に二次または後側駆動軸に連結された一次前側駆動軸を備えている。

四輪自動車の二輪のみが駆動輪として動作している場合、後側駆動軸および後輪を含んだ後部駆動システムは、前側駆動軸および前輪を含んだ前部駆動システムから接続解除され得る。さらに、自動車の運転モードに依存して、後輪の１つのみまたは両方を接続解除することが望まれ得る。

この目的のために、後部駆動システムに後部駆動モジュールを設けることが知られており、この後部駆動モジュールはクラッチスラストデバイスを含み、前側軸と後側軸との間に、および２つの後輪の間にトルクを分配している。クラッチスラストデバイスは、後部駆動システムを接続解除して、車輪を駆動ラインに非連結とすることも可能である。２つのクラッチを含み、各クラッチが駆動ラインから１つの後輪を接続解除することが可能な後部駆動モジュールも知られている。

そのような後部駆動モジュールは、オフロード能力および高いオンロード性能を備えた、特に効果的な安定性、効果的な動的運転性、および低い燃料消費も備えた自動車を可能にしている。

有利には、クラッチスラストデバイスは、周知の多板タイプのものであり、クラッチベアリングとハウジングとの間のキャビティ内に配置された軸方向可動ピストンを含み、ピストンキャビティは油圧流体源に接続され、油圧流体源は、キャビティ内に可変に加圧流体を提供して、前述のピストンを軸方向に移動させ得る。クラッチスラストデバイスは、クラッチベアリングに軸方向の予備荷重を与える弾性付勢部材をさらに含んでいる。このクラッチベアリングは、ピストンの動作によって軸方向に移動可能であり、そのとき連結部材をプレートに係合させるように作用する。複数のニードルを備えたクラッチベアリングを使用することが知られている。

そのような後部駆動モジュールの性能のさらなる改善、特にモジュール内、特にクラッチベアリング内の摩擦トルクの制限によって、自動車の燃料消費をさらに低減させることが望まれている。

本発明の目的は、特に自動車の駆動ラインシステムの後部駆動モジュール内に使用するためのボールベアリングを提案することによって、これらの欠点を克服することであり、軸方向可動ピストンから弾性付勢部材への軸方向力の伝達を可能にして、摩擦トルクを減少させ、製造工程を容易に且つ低コストにすることである。

この目的のために、本発明は、固定内側リング、回転可能な外側リング、およびこれらのリングの間に形成された軌道チャンバ内に配置された一連のボールを備えたボールベアリングに関する。固定内側リングは、ボールのための内側軌道を形成した外側トロイド面のトロイド部と、このトロイド部から径方向外向きに延びた径方向部であって、この径方向部は、軸方向可動ピストンに対して接触することが可能な軸接触面を備えた径方向部と、を備えている。回転可能な外側リングは、ボールのための外側軌道を形成した内側トロイド面のトロイド部と、トロイド部の内側から径方向内向きに延びた径方向部と、トロイド部の外側から固定内側リングに向かって軸方向に延びた軸方向部と、を備えている。

本発明によれば、回転可能な外側リングには環状シールドが設けられ、この環状シールドは、略径方向に延びた前側シールド部および後側シールド部を備え、回転可能な外側リングは、前側シールド部と後側シールド部との間において軸方向に固定されている。シールドは中間シールド部も備え、この中間シールド部は、前側および後側シールド部を接続することによって略軸方向に延び、この中間シールド部は、回転可能な外側リングを径方向に覆っている。中間シールド部には、一体に接続され且つ互いに向かって折り畳まれた２つの外向きの径方向フランジが設けられている。１つの径方向フランジは、弾性付勢部材に対して接触するために設けられた軸接触面を備えている。

有利であるが強制的ではない、本発明のさらなる態様によれば、そのようなボールベアリングは、以下の特徴の１つまたはいくつかを統合し得る。
・ ボールベアリングは、各ボールを受容した複数のポケットを備えた環状ケージをさらに備えている。
・ 内側リングおよび外側リングは、鍛鋼から形成されている。
・ 後側シールド部は軌道チャンバ内に径方向に延び、これによりボールを保持している。
・ 後側シールド部は、回転可能な外側リングの軸部分の端部を軸方向に覆っている。
・ 前側シールド部は、回転可能な外側リングの径部分を軸方向に覆っている。
・ 前側シールド部は、連結部材に対して接触するために設けられた軸接触面を備えている。
・ 回転可能な外側リングの径部分は、連結部材に対して接触するために設けられた軸接触面を備えている。
・ 中間シールド部の径方向フランジは、折りたたまれて互いに直接接触している。

本発明は、クラッチスラストベアリングデバイスにも関し、このデバイスは、ハウジングと、前述の実施形態のいずれかによるボールベアリングと、に間のキャビティ内に配置された軸方向可動ピストンであって、ピストンキャビティは油圧流体源に接続されており、この油圧流体源は、加圧流体を可変にキャビティ内へと供給して、ピストンを軸方向に移動させる、軸方向可動ピストン、およびボールベアリングに軸方向の予備荷重を与えた弾性付勢部材であって、ボールベアリングは、ピストンの移動によって軸方向に移動することが可能であり、そのとき弾性付勢部材を圧縮して、連結部材を作動させて、プレートに係合させる、弾性付勢部材、を備えている。

有利には、弾性付勢部材は波形バネである。

本発明は、選択的に、少なくとも１つの車輪を駆動ラインシステムに接続または駆動ラインシステムから接続解除するための、本発明によるそのようなクラッチスラストベアリングデバイスを備えた、自動車の駆動ラインシステムにも関する。

有利には、駆動ラインシステムは、前側駆動軸および前輪を含んだ前部駆動システム、ならびに後側駆動軸、後部駆動モジュール、および後輪を含んだ後部駆動システムを備え、後部駆動モジュールには、本発明による、複数のクラッチスラストベアリングデバイスが直列に設けられ、各クラッチスラストベアリングデバイスは、後輪の１つを選択的に接続または接続解除することが可能である。

本発明は、本発明の目的を拘束することの無い、例示として添付された独特の図に応じて、ここに説明されている。

本発明によるボールベアリングを備えたクラッチスラストベアリングデバイスの軸方向断面を示した図である。

クラッチスラストベアリングデバイス１は、図示されていない自動車の駆動ラインシステム内に、有利に統合されている。クラッチスラストベアリングデバイス１は基本的に環状であり、中心軸と中心合わせされている。

クラッチスラストベアリングデバイス１は、固定ハウジング３、ボールベアリング４、例えば波形バネのような、破線によって示された弾性付勢部材７、および破線によって示され且つ係合プレートのために設けられた連結部材８を備え、これらの固定ハウジング３およびボールベアリング４は、キャビティ５を形成し、このキャビティ内に、軸方向可動ピストン６が配置されている。

ハウジング３は固定され、有利には駆動ラインシステムに設けられた後部駆動モジュールの一部である。ハウジングは、中心軸に中心合わせされた環状キャビティ５を備えている。キャビティ５は、２つの側壁９、１０、および底面１１の間に形成され、このキャビティ５は、ボールベアリング４に対して軸方向に開放されている。

ピストン６は環状であり、中心軸に中心合わせされており、ハウジング３のキャビティ５内に配置されている。ピストン６は、キャビティ５の２つの側壁９、１０の間に径方向に延びた略径方向の部分１２を備えている。有利には、ピストン６は、径方向の部分１２の内側ボアに設けられた内部シール手段１３をさらに備え、このシール手段には、キャビティ５の側壁９とスライドするように接触したシールリップが設けられている。ピストンは、径方向の部分１２の外側に設けられた外部シール手段１４も備え、このシール手段には、キャビティ５の側壁１０とスライドするように接触したシールリップが設けられている。

ピストン６、側壁９および１０、ならびに底面１１は、シールされたキャビティ１５を形成している。少なくとも１つのチャネル１６が、ハウジング３を通じて設けられ、これによりシールされたキャビティ１５を油圧流体源（図示略）と接続しており、流体源はシールされたキャビティ１５内に加圧流体を可変的に供給して、ピストン６を軸方向に移動させ得る。

本実施形態においては、ピストン６の略径方向の部分１２は、ボールベアリング４に適合された凹部を備えた形状を備えている。それとは異なり、略径方向の部分１２は、他の任意の適切な形状を備え得る。

ボールベアリング４は環状であり、中心軸に中心合わせされている。ボールベアリング４は、ハウジング３のキャビティ５内に少なくとも部分的に配置され、ピストン６は、キャビティ５の底面１１とボールベアリング４との間に軸方向に挿入されている。キャビティ５の側壁９、１０は、ボールベアリング４の側方誘導を可能にしている。

ボールベアリング４は、固定内側リング１７、回転可能な外側リング１８、およびリング１７と１８との間に形成された軌道チャンバ２０内に配置された、一連のボール１９を備えている。リング１７、１８の間に回転要素としてのボール１９が設けられたボールベアリング４は、ローラまたはニードルが設けられた他のタイプの回転ベアリングと比較して、摩擦トルクが減少されている。

固定内側リング１７は、ボール１９のための内側軌道を形成した外側トロイド面のトロイド部２１、およびこのトロイド部２１から径方向外向きに延びた径方向部２２を備えている。この径方向部２２は、軸方向可動ピストン６に対して接触した軸接触面２３を備えている。ボールベアリング４は、ピストン６の動作を、固定内側リング１７の軸接触面２３へと伝達することにより、軸方向に移動するように設定されている。

回転可能な外側リング１８は、ボール１９のための外側軌道を形成した内側トロイド面のトロイド部２４、このトロイド部２４の内側から径方向内向きに延びた径方向部２５、およびトロイド部２４の外側から固定内側リング１７に向かって軸方向に延びた軸方向部２６、を備えている。

有利には、ボールベアリング４は、各ボール１９を受容した複数のポケットを備えた環状ケージ２７をさらに備えている。そのときボール１９は、周方向に均等に離間されて保持されている。

本発明によれば、回転可能な外側リング１８には、環状シールド３０が設けられている。

環状シールド３０は、前側シールド部３１および後側シールド部３２を備え、これらの部分は中心軸の周りに環状であり、両方が略径方向に延びている。回転可能な外側リング１８は、これらの前側シールド部３１と後側シールド部３２との間に軸方向に固定されている。より詳細には、前側シールド部３１は、前側軸側の回転可能な外側リング１８の径方向部２５に対して、軸方向に接触している。後側シールド部３２は、前側軸側とは反対の後側軸側の回転可能な外側リング１８の軸方向部２６の端縁に対して、軸方向に接触している。

有利には、前側シールド部３１は、回転可能な外側リング１８の径方向部２５を完全に覆っており、クラッチスラストデバイス１の係合プレートと係合するために設けられた連結部材８に対して接触する軸接触面３３を備えている。

図示されていない代替例として、前側シールド部３１は、リング１８の径方向部２５を完全に覆っていなくてもよい。別の代替例として、前側シールド部３１は、リング１８のトロイド部２１の外側面と協働してもよい。別の代替例として、回転可能な外側リング１８の径方向部２５は、クラッチスラストデバイス１のプレートと係合するために設けられた連結部材８に対して接触する軸接触面３３を備えていてもよい。

有利には、後側シールド部３２は、軌道チャンバ２０内において径方向に延びて、これによりボール１９を保持している。

環状シールド３０は中間シールド部３４も備え、この部分は中心軸の周りに環状であり、且つ前側シールド部３１および後側シールド部３２を接続することによって略軸方向に延びている。中間シールド部３４は、回転可能な外側リング１８を径方向に覆っている。したがって、回転可能な外側リング１８は、軸方向および径方向において環状シールド３０内に配置されている。

中間シールド部３４には、径方向フランジによって互いに接続された２つの軸方向部３５、３６が設けられ、そのフランジは、互いに一体に接続されて且つ折り重なった、２つの外向きの径方向フランジ部３７および３８によって形成されている。より詳細には、第１軸方向部３５はフランジに対して前側軸側に配置され、径方向前側シールド部３１に接続されている。第２軸方向部３６は、第１軸方向部３５とは反対側に、フランジに対して後側軸側に配置され、径方向後側シールド部３２に接続されている。第１径方向部３７は、第１軸方向部３５から径方向外向きに延び、第２径方向部３８は、第２軸方向部３６から径方向外向きに延び、これらの径方向フランジ部３７、３８は、一体に接続されている。両方の径方向フランジ部３７、３８は同じ方向において径方向に延び、互いに折り重なっている。中間シールド部３４は、前側シールド部３１と後側シールド部３２との間に略軸方向に延び、径方向フランジ部３７、３８によって形成されたフランジが設けられている。

有利には、中間シールド部３４の径方向フランジ部３７、３８は、折り畳まれて互いに直接接触している。代替的に、フランジは接触することなく、互いに向かって折り畳まれている。

第１径方向部３７は、前側軸側に向かって方向付けられた軸方向面３９を備え、この面３９は、弾性付勢部材７に対して接触する軸接触面を形成している。

第１軸方向部３５は、弾性付勢部材７を中心合わせして案内することを可能にしている。

有利には、中間シールド部３４の前側軸側に設けられた第１軸方向部３５は、軸方向の反対側である後側に設けられた第２軸方向部３６の直径よりも小さい直径を有する。この配置は、弾性付勢部材７と接触する軸接触面３９の径方向長さの増大に寄与することを可能にしている。

本発明により、ピストン６の軸方向移動は、固定内側リング１７の軸接触面２３、ボール１９、回転可能なリング１８、および環状シールド３０の仲介によって、ならびに回転可能な外側リング１８の径方向部２５と前側シールド部３１との、ひいては前側シールド部３１に接続された中間シールド部３４の軸接触面３９との連続した接触によって、弾性付勢部材７の圧縮へと変換されることが可能である。

有利には、内側リング１７および外側リング１８は、鍛鋼から形成されている。リング１７、１８は、有利に金属ブランクシートから打ち抜かれ、単純な且つコスト効果の高い構成である。クラッチスラストベアリングデバイスは、接続および接続解除機能を確実にするための、追加の要素または複雑な形状の要素を必要としていない。

クラッチスラストベアリングデバイス１は、以下のように作動する。

ピストン６の軸方向移動はボールベアリング４に伝達され、後部駆動モジュールの駆動ラインシステムへの接続／接続解除は、シールされたチャンバ１５内への加圧流体の供給によって作動される。

加圧流体が、ハウジング３のチャネル１６を通じてシールされたチャンバ１５内に供給された場合、ピストン６はこの流体によって押される。ピストン６は、固定内側リング１７の接触面２３の仲介により、軸方向の前進をボールベアリング４に伝達する。環状シールド３０の前側シールド部３１の接触面３３は、プレート（図示略）に係合して一輪を自動車の駆動ラインシステムに接続する連結部材８に作用する。弾性付勢部材７は、ボールベアリング４の軸方向の前進によって、すなわち中間シールド部３４の折り畳まれたフランジ３７、３８の接触面３９の仲介によって、軸方向に圧縮される。

加圧流体が、前述のシールされたチャンバ１５にもはや供給されなくなった場合、弾性付勢部材７は、フランジ３７、３８の面３９の仲介により、ボールベアリング４を押して軸方向に後退させる。前側シールド部３１の接触面３３は、もはや連結部材８に作用しなくなり、一輪を前述の駆動ラインシステムから接続解除する。ピストン６は、内側リング１７の接触面２３の仲介によって初期位置に押し戻され、シールされたチャンバ１５内の流体はチャネル１６を通じて除去される。

本発明の代表的且つ非限定的な例は、添付図を参照して、これまでに詳細に記述された。この詳細な記載は、単に本教示の好適な態様を実施するために、当業者にさらに詳細に教えることを目的としており、本発明の範囲を限定することを目的としていない。さらに、追加の特徴およびこれまでに開示された教示の各々は、他の特徴および教示とは別個に、または組み合わせて使用されて、改良されたボールベアリングを提供し得る。

さらに、前述された代替的な例の多様な特徴ならびに以下の多様な独立および従属請求項は、本教示の有用な追加の実施形態を提供するために、特別に且つ明確に列挙されていない方法において組み合わせられ得る。

１ ・・・クラッチスラストベアリングデバイス
３ ・・・固定ハウジング
４ ・・・ボールベアリング
５ ・・・キャビティ
６ ・・・軸方向可動ピストン
７ ・・・弾性付勢部材
８ ・・・連結部材
９、１０ ・・・側壁
１１ ・・・底面
１２ ・・・径方向の部分
１３ ・・・内部シール手段
１４ ・・・外部シール手段
１５ ・・・シールされたキャビティ
１７ ・・・固定内側リング
１８ ・・・回転可能な外側リング
１９ ・・・ボール
２０ ・・・軌道チャンバ
２１、２４ ・・・トロイド部
２２、２５ ・・・径方向部
２３ ・・・軸接触面
２６ ・・・軸方向部
２７ ・・・環状ケージ
３０ ・・・環状シールド
３１ ・・・前側シールド部
３２ ・・・後側シールド部
３３ ・・・軸接触面
３４ ・・・中間シールド部
３５ ・・・第１軸方向部
３６ ・・・第２軸方向部
３７ ・・・第１径方向フランジ部
３８ ・・・第２径方向フランジ部
３９ ・・・軸方向面

Claims (9)

1. ボール（１９）のための内側軌道を形成した外側トロイド面のトロイド部（２１）、および該トロイド部（２１）から径方向外向きに延びた径方向部（２２）であって、軸接触面（２３）を備えた前記径方向部（２２）が、軸方向可動ピストン（６）に対して接触することが可能である径方向部（２２）、を備えた、固定内側リング（１７）と、
   ボール（１９）のための外側軌道を形成した内側トロイド面のトロイド部（２４）、該トロイド部（２４）の内側から径方向内向きに延びた径方向部（２５）、および前記トロイド部（２４）の外側から前記固定内側リング（１７）に向かって軸方向に延びた軸方向部（２６）、を備えた、回転可能な外側リング（１８）と、
   前記リング（１７、１８）の間に形成された軌道チャンバ（２０）内に配置された一連のボール（１９）と、
   を備えたボールベアリング（４）であって、
   前記回転可能な外側リング（１８）には環状シールド（３０）が設けられ、該環状シールドは、
   略径方向に延びた前側シールド部（３１）および後側シールド部（３２）であって、前記回転可能な外側リング（１８）は、前記前側シールド部（３１）と前記後側シールド部（３２）との間において軸方向に固定された、前側シールド部（３１）および後側シールド部（３２）と、
   前記前側および後側シールド部（３１、３２）を接続することによって略軸方向に延びた中間シールド部（３４）であって、該中間シールド部は前記回転可能な外側リング（１８）を径方向に覆い、一体に接続され且つ互いに向かって折り畳まれた２つの外向きの径方向フランジ（３７、３８）が設けられ、１つの前記径方向フランジ（３７）は、弾性付勢部材（７）に対して接触するために設けられた軸接触面（３９）を備えた、中間シールド部（３４）と、
   を備えている、ボールベアリング（４）。
2. 前記後側シールド部（３２）は、前記軌道チャンバ（２０）内において径方向に延び、これにより前記ボール（１９）を保持している、請求項１に記載のボールベアリング。
3. 前記内側リング（１７）および前記外側リング（１８）は、鍛鋼から形成されている、請求項１または請求項２に記載のボールベアリング。
4. 前記前側シールド部（３１）は、連結部材（８）に対して接触するために設けられた軸接触面（３３）を備えている、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載のボールベアリング。
5. 前記中間シールド部（３４）の径方向フランジ（３７、３８）は、折り畳まれて互いに直接接触している、請求項１から請求項４のいずれか一項に記載のボールベアリング。
6. ハウジング（３）と、
   請求項１から請求項５のいずれか一項に記載のボールベアリング（４）と、
   前記ハウジング（３）と前記ボールベアリング（４）との間のピストンキャビティ（５）内に配置された軸方向可動ピストン（６）であって、前記ピストンキャビティ（５）は油圧流体源に接続されており、該油圧流体源は、加圧流体を可変に前記キャビティ（５）内へと供給して、前記ピストン（６）を軸方向に移動させ得る、軸方向可動ピストン（６）と、
   前記ボールベアリング（４）に軸方向の予備荷重を与えた弾性付勢部材（７）であって、前記ボールベアリング（４）は、前記ピストンの移動によって軸方向に移動することが可能であり、そのとき前記弾性付勢部材（７）を圧縮する、弾性付勢部材（７）と、
   プレートを係合するために設けられた連結部材（８）と、
   を備えている、クラッチスラストベアリングデバイス（１）。
7. 前記弾性付勢部材（７）は波形バネである、請求項６に記載のクラッチスラストベアリングデバイス。
8. 請求項６または請求項７に記載のクラッチスラストベアリングデバイスを備えた、自動車の駆動ラインシステムであって、選択的に、少なくとも１つの車輪を前記駆動ラインシステムに接続または前記駆動ラインシステムから接続解除するための、自動車の駆動ラインシステム。
9. 前側駆動軸および前輪を含んだ前部駆動システム、ならびに後側駆動軸、後部駆動モジュール、および後輪を含んだ後部駆動システムを備え、前記後部駆動モジュールには、複数のクラッチスラストベアリングデバイス（１）が直列に設けられ、各クラッチスラストベアリングデバイスは、前記後輪の１つを選択的に接続または接続解除することが可能である、請求項８に記載の駆動ラインシステム。

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