JP7203293B1 - オゾン供給装置及びオゾン供給方法 - Google Patents

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Abstract

オゾン発生器(2)で発生させたオゾンガスをオゾン吸着塔(3)に吸着させ、オゾン吸着塔(3)を通過した出口ガスをガスタンク(4)に貯留する吸着工程の後、貯留ガスをガスタンク(4)からオゾン吸着塔(3)に向けて流すことでオゾン吸着塔(3)に吸着されたオゾンを脱着し、供給対象にオゾンガスを供給する供給工程を行う。

Description

本願は、オゾン供給装置及びオゾン供給方法に関するものである。
オゾンは強力な酸化剤として水環境浄化、半導体洗浄、殺菌、及びウイルス不活化処理等、多岐に渡る分野で利用されており、高効率なオゾン供給装置への要求が高まっている。オゾン発生部単体の発生オゾン濃度の上限値は体積分率20%程度であり、オゾンは自己分解する性質があるため常温での気相保管は困難である。そのため、必要に応じてオゾンを間欠的に発生させるオゾン供給装置が求められている。
このようなオゾン供給装置として、吸着現象を利用してオゾンの貯蔵および濃縮を行い、高濃度のオゾン化ガスを間欠的に供給するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2には、オゾン発生部で発生したオゾン化ガスを吸脱着塔の第1吸脱着領域および第2吸脱着領域に吸着させる吸着動作と、第1吸脱着領域からオゾン化ガスを脱着させて第2吸脱着領域で吸着させて回収する濃縮動作と、原料ガス源からの原料ガス(酸素ガス)を搬送しながら第2吸脱着領域で回収したオゾン化ガスを脱着させて第1吸脱着領域から吸脱着塔の外部に供給する供給動作を行うオゾン供給装置が開示されている。
特許5020151号公報 特許6516941号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、オゾンの脱着のために多量の酸素ガスを供給する必要があるため運転コストが高くなる。また、特許文献2の構成では、第2吸脱着領域で吸着されたオゾンの脱着に原料ガス源からの原料ガス(酸素)を搬送する必要があるため、酸素ガスの使用量が増加し運転コストが高くなるなどの問題があった。
本願は上述のような問題を解決するためになされたものであり、供給対象に必要量のオゾンを供給する際の酸素ガスの使用量を削減し、運転コストを抑制可能なオゾン供給装置及びオゾン供給方法を提供することを目的とする。
本願に開示されるオゾン供給装置は、酸素を含むガスからオゾンガスを発生させるオゾン発生器、オゾン発生器の下流に設けられ、オゾンガスを吸着する吸着剤を有するオゾン吸着塔、オゾン吸着塔の下流に前記オゾン吸着塔とは独立に設けられたガスタンク、オゾン吸着塔から供給対象にオゾンガスを供給する供給配管、オゾン発生器で発生させたオゾンガスをオゾン吸着塔に吸着させ、オゾン吸着塔を通過した出口ガスをガスタンクに貯留ガスとして貯留するオゾン吸着工程と貯留ガスをガスタンクからオゾン吸着塔に向けて流すことでオゾン吸着塔に吸着されたオゾンを脱着し、供給配管から供給対象にオゾンガスを供給するオゾン供給工程とを切り替えるために、接続された機器の制御を行う制御部、
を備えることを特徴とする。
本願に開示されるオゾン供給方法は、オゾン発生器で発生させたオゾンガスをオゾン吸着塔に吸着させ、オゾン吸着塔を通過した出口ガスをガスタンクに貯留するオゾン吸着工程の後、ガスタンクの貯留ガスをガスタンクからオゾン吸着塔に向けて流すことでオゾン吸着塔に吸着されたオゾンを脱着し、供給対象にオゾンガスを供給するオゾン供給工程を行うことを特徴とする。
本願に開示されるオゾン供給装置及びオゾン供給方法によれば、供給対象にオゾンを供給する際の酸素ガスの使用量を削減し、運転コストを抑制することができる。
実施の形態1に係るオゾン供給装置を示す構造図である。 実施の形態2に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態3に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態4に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態5に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態6に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態7に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態8に係るオゾン供給装置を示す要部の構造図である。 実施の形態に係る制御部のハードウエアの一例を示す図である。
以下、本願に係るオゾン供給装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、同一内容および相当部については同一符号を配し、その詳しい説明は省略する。以降の実施形態も同様に、同一符号を付した構成について重複した説明は省略する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のオゾン供給装置を示す構造図である。本実施の形態のオゾン供給装置100は、酸素源1、酸素源1の下流に備えられたオゾン発生器2、オゾン発生器2の下流に備えられたオゾン吸着塔3、オゾン吸着塔3の下流に備えられたガスタンク4、ガスタンク4の下流に備えられた圧力調節器11、及び制御部99を備えている。酸素源1から圧力調節器11まで、主配管6によって一連のガス流となるように接続されている。本実施の形態では、ガスタンク4は、オゾン吸着塔3とは独立に設けられている。
オゾン発生器2とオゾン吸着塔3の間の主配管6にはバルブ8が備えられている。オゾン吸着塔3と供給対象5は供給配管7によって接続されており、供給配管7にはバルブ10が備えられている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、圧力調節器11、バルブ8、バルブ10に接続され、以下で説明するオゾン吸着工程とオゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程の切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。
酸素源1は酸素を含むガスを供給する手段であり、例えばガスボンベ、液化ガス、PSA(Pressure Swing Adsorption)などのガス製造装置が使用される。酸素源1から供給されるガスとして、本実施の形態では酸素ガスを用いる場合を説明するが、実用上は少なくとも酸素を含むガスであればよく、例えば空気、酸素と不活性ガスの混合ガスなどを用いてもよい。
オゾン発生器2は酸素を含むガスからオゾンガスを生成する装置であり、一般には誘電体バリア放電、及び沿面放電などの気中放電式が好適に用いられる。
オゾン吸着塔3には、オゾンを選択的に吸着可能な吸着剤20が内包されている。吸着剤20として、例えばシリカゲルを用いることができる。
ガスタンク4は、内部にガスを貯留可能なタンクであり、例えば耐オゾン性に優れたステンレス製の容器が用いられる。また、ガスタンクは加圧及び減圧に適合した構造とすることが好適である。
供給対象5として、例えば水処理を行う反応槽、オゾン燻蒸処理用の閉鎖空間、汚泥及びセルロースなどのバイオマス処理用の処理容器、半導体及び殺菌対象物などを内包した真空容器などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
圧力調節器11は、上流(前段)側の圧力を任意に調節する機能を有し、例えばオートプレッシャーレギュレータ、または背圧レギュレータが用いられる。
次に、実施の形態1のオゾン供給装置の動作を説明する。オゾン吸着工程において、制御部99は、酸素源1から酸素ガスを供給し、オゾン発生器2でオゾンを発生させる。また、バルブ8を開き、バルブ10を閉じるとともに、圧力調節器11を制御してオゾン吸着塔3とガスタンク4の圧力が供給対象5の圧力よりも高くなるよう維持する。
酸素源1から供給された酸素ガスはオゾン発生器2において、その一部がオゾンガスに転換され、オゾン吸着塔3に供給される。オゾン吸着塔3内の吸着剤20は、オゾンガスを選択的に吸着する特性を有するため、オゾン吸着塔3にオゾンが貯蔵され、オゾン吸着塔3からの出口ガス中のオゾン濃度は、オゾン吸着塔3の入口ガス中のオゾン濃度よりも低くなる。オゾン吸着塔3の出口ガスは排出せず、ガスタンク4に貯留ガスとして貯留される。
次に、オゾン供給工程において、制御部99は、酸素源1からの酸素ガス供給とオゾン発生器2のオゾン発生を停止し、バルブ8を閉じ、バルブ10を開く。これにより、ガスタンク4内の貯留ガスをオゾン吸着塔3に供給(すなわち吸着工程と逆流)する。このとき、貯留ガス中のオゾン濃度は低いため、吸着剤20からオゾンガスが脱着する。脱着したオゾンガスは、オゾン吸着塔3から供給配管7を通って供給対象5に供給される。このようにオゾン吸着工程とオゾン供給工程を交互に行うことで、供給対象5に対し間欠的にオゾンを供給する。
本実施の形態によれば、オゾン吸着工程でガスタンク4に貯留された貯留ガスを、オゾン供給工程で用いることで、オゾン吸着塔3内のオゾンを脱着して供給対象5にオゾンを供給する。このため、オゾン供給工程では酸素源1から酸素ガスを供給する必要がなく、酸素ガス使用量が削減され運転コストが抑制される。
また、一般に酸素源1から供給されるガスの流量は、流量調節及びガス製造量の制約により、比較的小流量に制限される。一方、本実施の形態では、ガスタンク4から貯留ガスを大流量で流すことができるため、オゾン吸着塔3のオゾンを短時間で脱着し、多量のオゾンガスを間欠的に短時間で供給対象5に供給することができる。
また、吸着状態にあるオゾンは、ガス状態のオゾンと比べてエネルギー的に安定であり、自己分解速度が遅くなる。このため、オゾン吸着塔3の存在により貯蔵時のオゾンの減少を抑制し、供給対象に効率的にオゾンを供給することができる。
また、吸着剤20は、オゾンを選択的に吸着する性質を有するため、オゾン吸着塔3はオゾンを濃縮する効果が得られる。このため、ガス状態でオゾンを貯留する場合と比較して、小さな容積でより多くのオゾンを貯蔵することが可能となる。
また、吸着剤20は一般に水分を吸着しやすく、一度水分が吸着されると吸着サイトを塞ぐため、以後のオゾンの吸着性能が劣化することがある。したがってオゾン供給工程において、オゾン吸着塔3には極力水分を入れないようにする必要がある。本実施の形態によれば、オゾン吸着工程で酸素源1から供給されたガスが貯留ガスとして貯留され、オゾン供給工程でオゾン吸着塔3に供給される。このため、オゾン吸着塔3の外部から空気が入り込むことが抑制され、水分による吸着剤20の性能劣化を抑制する効果が得られる。
なお、圧力調節器11は、上流側の圧力が、あらかじめ定められた値になるように制御する機能を有しており、例えば吸着工程の初期は、ガスの流通を遮断することでオゾン吸着塔3内の圧力を増加させてガスタンク4に貯留ガスを貯留する。圧力が、あらかじめ定められた値に到達したらガスを流通させ排出することで、過剰な圧力上昇を抑制する。
実施の形態2.
図2は実施の形態2のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態では実施の形態1と比較して、供給対象が真空容器14であり、真空容器14にはバルブ13を介して真空ポンプ12が接続されている。また、ガスタンク4の下流側に、圧力調節器11の代わりにバルブ9を備えている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ9、バルブ10、バルブ13、真空ポンプ12に接続され、以下で説明するオゾン吸着工程とオゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程の切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。その他の構造は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態2の動作を説明する。オゾン吸着工程に先立ち、半導体及び殺菌対象などの被処理物を真空容器14に設置したのち、真空ポンプ12を用いて真空容器14の圧力を大気圧より低くする(真空引き工程)。続くオゾン吸着工程では、制御部99により、バルブ8とバルブ9を開くとともに、バルブ10を閉じてオゾン発生器2からオゾンガスを供給することで、オゾン吸着塔3にオゾンを吸着する。
オゾン供給工程では、制御部99により、バルブ8とバルブ9を閉じ、バルブ10を開くことでガスタンク4内の貯留ガスをオゾン吸着塔3に供給してオゾンガスを脱着させ、真空容器14に供給する。すなわち、真空容器14とガスタンク4の圧力差を利用して貯留ガスを流す。その他の動作は実施の形態1と同様である。
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、供給対象である真空容器14の圧力をガスタンク4の圧力より低くすることで、圧力差によりオゾン吸着塔3からオゾンが供給される。このため、オゾン吸着塔3、及びガスタンク4を必ずしも陽圧(大気圧以上)にする必要がなく、装置設計が容易になる。また、半導体製造工程のように不純物を減らす必要がある場合、微細孔を有する物体の殺菌処理の場合等においては、オゾン供給前に陰圧(大気圧以下)とすることで、効果的なオゾン処理が可能となる。
なお、真空ポンプ12を用いて真空容器14の真空引きを行う工程と、オゾン吸着工程を同時に行うことも可能である。これにより、オゾン処理に要する時間を短縮することができる。
実施の形態3.
図3は、実施の形態3のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態では実施の形態2と比較して、真空ポンプ12とガスタンク4を繋ぐ真空配管16と真空配管16に備えられたバルブ15を有している。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、バルブ13、バルブ15、真空ポンプ12に接続され、以下に説明する、真空引き工程、オゾン吸着工程、およびオゾン供給工程の実施、及びこれらの工程の切替えのために、接続された少なくとも1つの機器を制御する。なお、実施の形態2が備えたバルブ9を有さない。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、オゾン吸着工程の前に真空引き工程を有する。真空引き工程では、被処理物を真空容器14に収めた状態でバルブ8を閉じ、バルブ13とバルブ15を開き、真空ポンプ12を稼働させ、真空容器14とガスタンク4の内部のガスを真空排気する。
オゾン吸着工程では、バルブ10とバルブ15を閉じ、オゾン発生器2から供給されるオゾンガスをオゾン吸着塔3に吸着するとともに、オゾン吸着塔3の出口ガスを貯留ガスとしてガスタンク4に貯留する。ガスタンク4の圧力があらかじめ定められた値に到達した段階で、オゾン供給工程としてバルブ8を閉じ、バルブ10を開くことでオゾン吸着塔3から真空容器14にオゾンガスを供給する。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、オゾン吸着工程に先立ってガスタンク4内のガスを排気する真空引き工程を有するため、ガスタンク内の空気を排出し、水分含有量が少ないガスを貯留ガスとしてガスタンク4に貯留することができる。このため、オゾン供給工程において、オゾン吸着塔3に水分が入り込むことを抑制し、オゾン吸着塔3の性能劣化を抑制できる。
なお、オゾン吸着塔3とガスタンク4との間にバルブを設け、ガスタンク4の真空引き工程において、オゾン吸着塔3を切り離すようにしてもよい。これにより、ガスタンク4を真空引きする際にオゾン吸着塔3内の圧力およびガス組成が変化せず、オゾン吸着の性能を安定させることができる。
実施の形態4.
図4は、実施の形態4のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態では、ガスタンク4とオゾン発生器2の上流側を繋ぐ還流配管19を備えている。還流配管19にはバルブ18と圧縮機17が備えられている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、圧縮機17、バルブ18に接続され、以下に説明するオゾン吸着工程の実施、実施の形態1で説明されたオゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程との切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。なお、圧力調節器11は備えていない。その他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態4のオゾン吸着工程では、バルブ8を開き、オゾン吸着塔3にオゾンを吸着させるとともにガスタンク4に貯留ガスを貯留させる。ガスタンク4の圧力があらかじめ定められた値(大気圧以上)となった段階で、バルブ18を開き圧縮機17を動作させる。これにより、ガスタンク4内の貯留ガスをオゾン発生器2の上流側に還流させる。その他の動作は実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、貯留ガスの量はガスタンク4の容積と圧力で決まり、酸素源1から余剰に酸素ガスが供給された場合(すなわちオゾン吸着工程の時間が長い場合)には、ガスタンク4から排気することでガスタンク4の圧力を、あらかじめ定められた値に保持した。このため、酸素源1から供給されたガスの一部が無効消費されていた。
これに対し、本実施の形態では、実施の形態1の効果に加え、還流配管19と圧縮機17を備えるため、オゾン吸着塔3を通過後のガスを再びオゾン発生に用いることができるため、酸素使用量が抑制される。また、オゾン吸着塔3でオゾンが吸着されることから、オゾン吸着塔3の出口ガス中のオゾン濃度は低く抑えられる。このため、圧縮機及びオゾン発生器2の上流側には高い耐オゾン性能は必要なく、効率的に酸素ガスを還流して利用することができる。
実施の形態5.
図5は、実施の形態5のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。実施の形態4と比較して、本実施の形態5では、オゾン吸着塔3とガスタンク4の間の主配管6に圧縮機17が備えられている。また、ガスタンク4とオゾン発生器2の上流側を繋ぐ還流配管19にはバルブ22が備えられている。また、オゾン吸着塔3とガスタンク4の間に主配管6とは別に逆流配管23を有しており、逆流配管23にはバルブ21が備えられている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、圧縮機17、バルブ21、バルブ22に接続され、以下に説明するオゾン吸着工程、オゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程との切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。その他の構成は実施の形態4と同様である。
本実施の形態では、オゾン吸着工程において、オゾン吸着塔3の出口ガスは圧縮機17によって加圧された状態でガスタンク4に貯留ガスとして貯留される。すなわち、ガスタンク4の圧力はオゾン吸着塔3の圧力よりも高く保持される。
オゾン吸着工程においてガスタンク4の圧力があらかじめ定められた値を超えた段階でバルブ22を開き、還流配管19を通って貯留ガスをオゾン発生器2の上流側に還流する。
オゾン供給工程において、バルブ22を閉め、バルブ21を開くことでガスタンク4内の貯留ガスをオゾン吸着塔3に供給してオゾンを脱着させ、供給対象5にオゾンを供給する。その他の動作は実施の形態1と同様である。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、圧縮機17の下流側にガスタンク4が備えられるため、より高い圧力でガスタンク4にガスを貯留することができ、結果的に少ない容積でより多くの貯留ガスを貯留できる。また、ガスタンク4の圧力をオゾン吸着塔3、及びオゾン発生器2の圧力よりも高くできるため、ガスタンク4内の貯留ガスを還流させてオゾン発生に用いることができる。
また、ガスタンク4に高い圧力で貯留された貯留ガスは、オゾン供給工程において逆流配管23を通ってオゾン吸着塔3に供給されるため、高い圧力差によって高い流量で貯留ガスを流すことが可能となり、短時間で多量のオゾンを供給対象5に供給することができる。
実施の形態6.
図6は、実施の形態6のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態は、実施の形態1と比較して、オゾン吸着塔3とガスタンク4を接続する逆流配管23を主配管6とは別に備え、逆流配管23には流量調節器24が備えられている。またオゾン吸着塔3とガスタンク4の間の主配管6にはバルブ25が備えられている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、流量調節器24、バルブ25、圧力調節器11に接続され、以下に説明するオゾン吸着工程、オゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程との切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、オゾン供給工程において、バルブ25を閉じるとともに、流量調節器24で流量制御された貯留ガスが逆流配管23を通ってガスタンク4からオゾン吸着塔3に供給される。その他の動作は実施の形態1と同様である。
このように、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、流量調節器24によって供給時の貯留ガスの流量を制御できるため、供給対象5へのオゾンの供給速度、及びオゾン濃度を任意に設定することができる。
実施の形態7.
図7は、実施の形態7のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態は、オゾン吸着塔3に、オゾン吸着塔3を冷却するための温度差形成手段である冷却装置26が接続されている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、冷却装置26に接続され、以下に説明するオゾン吸着工程、オゾン供給工程の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程との切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
吸着剤20は、一般に低温ほどオゾンを多く吸着することから、オゾン吸着工程においてオゾン吸着塔3の温度を低下させることでより多くのオゾンを貯蔵することができる。一方、オゾン供給工程において、温度が高いほど吸着剤20に吸着されたオゾンの脱着が迅速に進むため、短時間で多量のオゾンの供給が可能となる。すなわち、オゾン吸着工程とオゾン供給工程で温度差を形成することが好適である。
このように、本実施の形態では、実施の形態1の効果に加え、オゾン吸着工程において、冷却装置26を稼働させてオゾン吸着塔3の温度を低下させることで、実施の形態1と比べて同じ容積のオゾン吸着塔3であっても、より多くのオゾンを吸着し貯蔵することができる。また、独立に設けられたガスタンク4は冷却されていないため、オゾン吸着塔3よりも高温状態にある。したがって、オゾン供給工程において比較的高い温度の貯留ガスがオゾン吸着に供給されるため、迅速なオゾン脱着が行われる。
実施の形態8.
図8は、実施の形態8のオゾン供給装置を示す要部の構造図である。本実施の形態は、独立に設けられたガスタンク4に温度差形成手段である加熱装置27が接続されている。制御部99は、酸素源1、オゾン発生器2、バルブ8、バルブ10、加熱装置27に接続され、以下に説明するオゾン供給工程の実施、実施の形態1で説明したオゾン吸着装置の実施、及びオゾン吸着工程とオゾン供給工程との切替えのために、接続された少なくとも1つの機器の動作を制御する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、実施の形態1の効果に加え、加熱装置27によりガスタンク4内に貯留された貯留ガスを加熱することで、オゾン供給工程において比較的高温のガスをオゾン吸着塔3に流すことができる。このため、吸着剤20からのオゾンの脱着がより迅速に進み、供給対象5に対して短時間で多量のオゾンを供給することができる。
制御部99のハードウエアの一例を図9に示す。プロセッサ101と記憶装置102から構成され、図示していないが、記憶装置はランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ101は、記憶装置102から入力されたプログラムを実行することにより、例えば、実施の形態1から実施の形態8で説明したオゾン吸着工程、オゾン供給工程のそれぞれの動作、およびオゾン吸着工程とオゾン供給工程の切替え動作を実施するために、接続された各機器の動作を制御する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ101にプログラムが入力される。また、プロセッサ101は、演算結果等のデータを記憶装置102の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。なお、制御部99は、複数のロジック回路を接続したものでもよい。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1:酸素源、2:オゾン発生器、3:オゾン吸着塔、4:ガスタンク、5:供給対象、6:主配管、7:供給配管、8、9、10:バルブ、11:圧力調節器、12:真空ポンプ、13:バルブ、14:真空容器、15:バルブ、16:真空配管、17:圧縮機、18:バルブ、19:還流配管、20:吸着剤、21:バルブ、22:バルブ、23:逆流配管、24:流量調節器、25:バルブ、26:冷却装置、27:加熱装置、99:制御部、100:オゾン供給装置。

Claims (13)

  1. 酸素を含むガスからオゾンガスを発生させるオゾン発生器、
    前記オゾン発生器の下流に設けられ、前記オゾンガスを吸着する吸着剤を有するオゾン吸着塔、
    前記オゾン吸着塔の下流に前記オゾン吸着塔とは独立に設けられたガスタンク、
    前記オゾン吸着塔から供給対象に前記オゾンガスを供給する供給配管、
    前記オゾン発生器で発生させたオゾンガスを前記オゾン吸着塔に吸着させ、前記オゾン吸着塔を通過した出口ガスを前記ガスタンクに貯留ガスとして貯留するオゾン吸着工程と前記貯留ガスを前記ガスタンクから前記オゾン吸着塔に向けて流すことで前記オゾン吸着塔に吸着されたオゾンを脱着し、前記供給配管から前記供給対象にオゾンガスを供給するオゾン供給工程とを切り替えるために、接続された機器の制御を行う制御部、
    を備えることを特徴とするオゾン供給装置。
  2. 前記ガスタンクは、前記出口ガスを、ガスを排出しない状態において、貯留することを特徴とする請求項1に記載のオゾン供給装置。
  3. 前記ガスタンクの圧力が前記供給対象の圧力よりも高くなるように圧力を調節する圧力調節器をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  4. 前記オゾン吸着塔と前記ガスタンクとの間に、前記オゾン吸着工程のガスの流れ方向とは逆の方向にガスを流すための逆流配管が備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  5. 前記逆流配管に、前記ガスタンクから前記オゾン吸着塔に流れるガスの流量を制御する流量調節器を備えることを特徴とする請求項4に記載のオゾン供給装置。
  6. 前記供給対象は真空容器であり、前記真空容器には真空ポンプが接続され、前記オゾン吸着工程の前に、前記真空ポンプを稼働させて前記真空容器の圧力を大気圧よりも低くすることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  7. 前記ガスタンクに真空ポンプが接続され、前記オゾン吸着工程の前に前記真空ポンプを可動させて、前記ガスタンクの圧力を大気圧より低くすることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  8. 前記ガスタンクに圧縮機が接続され、前記オゾン吸着工程において、前記圧縮機を稼働させて前記ガスタンク内の貯留ガスを前記オゾン発生器の上流側に還流させることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  9. 前記オゾン吸着塔と前記ガスタンクとの間に圧縮機が備えられ、前記ガスタンクと前記オゾン発生器の上流側とを接続する還流配管が備えられることを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  10. 前記オゾン吸着塔と前記ガスタンクとの温度差を形成するための温度差形成手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のオゾン供給装置。
  11. 前記温度差形成手段は、前記オゾン吸着塔に接続された冷却装置であることを特徴とする請求項10に記載のオゾン供給装置。
  12. 前記温度差形成手段は、前記ガスタンクに接続された加熱装置であることを特徴とする請求項10に記載のオゾン供給装置。
  13. オゾン発生器で発生させたオゾンガスをオゾン吸着塔に吸着させ、前記オゾン吸着塔を通過した出口ガスをガスタンクに貯留するオゾン吸着工程の後、前記ガスタンクの貯留ガスを前記ガスタンクから前記オゾン吸着塔に向けて流すことで前記オゾン吸着塔に吸着されたオゾンを脱着し、供給対象にオゾンガスを供給するオゾン供給工程を行うことを特徴とするオゾン供給方法。
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