JP7203282B1 - 量子カスケードレーザ装置の製造方法及び量子カスケードレーザ装置 - Google Patents

量子カスケードレーザ装置の製造方法及び量子カスケードレーザ装置 Download PDF

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Abstract

本開示の量子カスケードレーザ装置の設計方法は、バリア層(1、3、5、7)とウエル層(2、4、6)が交互に複数層形成された活性領域(100)を有する量子カスケードレーザ装置の設計方法であって、ゼロからウエル層(2、4、6)の伝導帯端までのエネルギー値を有する電子を始端バリア層(1)へ入射させるステップと、終端バリア層(7)から透過する電子の透過率のエネルギー依存性を算出するステップと、電子の透過率が局所的に極大となる局所極大値のエネルギー値及び局所極大値の個数を算出するステップと、局所極大値ごとに、局所極大値となるエネルギー値を初期値として、シュレディンガー方程式を解き、シュレディンガー方程式の固有値及び固有関数を算出するステップと、局所極大値ごとに算出された固有値に基づき、遷移波長を推定するステップと、を含む。

Description

本開示は、量子カスケードレーザ装置の製造方法及び量子カスケードレーザ装置に関する。
非特許文献1に記載されているように、量子カスケードレーザ(Quantum Cascade Laser:QCL)装置は、量子閉じ込め効果により伝導帯内に形成されるサブバンドと呼ばれる電子準位間の光学遷移より中赤外光を発光する活性領域と、この活性領域に電子を注入するインジェクタ(Injector)領域で構成されるステージ(stage)を多段に重ねた層構成を有する。
上述の活性領域の構造は、発振波長を決めるうえで重要であるにもかかわらず、活性領域の設計指針はこれまで無かった。すなわち、各ウエル層厚及び各バリア層厚を予め仮定して、シュレディンガー方程式を解いてエネルギー準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を求め、上準位と下準位間の遷移波長が所望の値に近づくまで、各ウエル層厚及び各バリア層厚を繰り返し変えていくという方法で所望の発振波長となるように量子カスケードレーザの活性領域の構造を決定していた。しかしながら、このような設計方法では、予め仮定した各ウエル層厚及び各バリア層厚を有する活性領域の構造について、いくつの固有値が存在するかが不明であった。
J.Kim,M.Lerttamrab,S.L.Chuang,C.Gmachl,D.L.Sivco,F.Capasso,and A.Y.Cho,"Theoretical and experimental study of optical gain and linewidth enhancement factor of type-I quantum-cascade lasers,IEEE J.Quantum Electron.,vol.40,no.12,pp.1663-1674,2004.
従来の量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計方法は、予め仮定したウエル層厚及びガイド層厚を用いて直ちに、シュレディンガー方程式を解くことから始めるため、シュレディンガー方程式を解く上での初期値の設定が困難であった。さらに、シュレディンガー方程式を解くまでは、遷移波長に相当する上準位と下準位間のエネルギー差が分からないという問題があった。
さらに、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計に際しては、活性領域を構成する各ウエル層厚及び各バリア層厚は任意に設定が可能であるため、その組み合わせが多数生じるので、活性領域の構造を決定するまでの設計プロセスは極めて複雑であった。
本開示は上記のような問題点を解消するためになされたもので、決定すべきウエル層厚及びバリア層厚の層数を減らすことが可能となるような量子カスケードレーザ装置の設計方法を得ることを目的とする。さらに、かかる量子カスケードレーザ装置の設計方法を用いて設計された量子カスケードレーザ装置を提供することを目的とする。
本開示による量子カスケードレーザ装置の製造方法は、
バリア層とウエル層が交互に複数層形成された活性領域を有する量子カスケードレーザ装置の製造方法であって、
前記バリア層及び前記ウエル層の積層数をそれぞれ少なくともn層と設定するステップと、
前記ウエル層及び前記ウエル層に隣接するバリア層の一対を被覆層対として、前記活性領域に第1被覆層対から第n被覆層対までのn個の被覆層対を設定するステップと、
電子がトンネル可能な基準バリア層の層厚をdb0及び前記基準バリア層よりも厚い層厚を有する基準ウエル層の層厚をdw0とそれぞれ設定するステップと、
正の実数である係数aから係数aまでのn個の係数をそれぞれ設定するステップと、
前記n個の被覆層対について、k番目(1≦k≦n)の被覆層対の前記ウエル層の層厚をa×dw0及び前記バリア層の層厚をa×db0とそれぞれ設定するステップと、
一端側に設けられた前記バリア層を始端バリア層、他端側に設けられた前記バリア層を終端バリア層として、ゼロから前記ウエル層の伝導帯端までのエネルギー値を有する電子を前記始端バリア層へ仮想的に入射させるステップと、
前記終端バリア層から透過する前記電子の透過率のエネルギー依存性を算出するステップと、
前記電子の透過率が局所的に極大となる局所極大値のエネルギー値及び前記局所極大値の個数を算出するステップと、
前記局所極大値ごとに、前記局所極大値のエネルギー値を初期値としてシュレディンガー方程式を解くことにより、前記シュレディンガー方程式の固有値及び固有関数を算出するステップと、
前記局所極大値ごとに算出された前記固有値に基づき、レーザ発振波長を設定するステップと、を備え、
以上の各ステップを用いて量子カスケードレーザ装置を製造する。
本開示による量子カスケードレーザ装置は、
基板と、
前記基板上に形成された第1光閉じ込め層と、
前記第1光閉じ込め層上に形成され、複数のステージからなるコア領域と、
前記コア領域上に形成された第2光閉じ込め層と、
前記第2光閉じ込め層上に形成されたクラッド層と、を備え、
前記ステージは、
バリア層とウエル層が交互に少なくともそれぞれn層ずつ積層され、一端側に設けられた前記バリア層を始端バリア層、他端側に設けられた前記バリア層を終端バリア層とする活性領域と、
前記活性領域に電子を注入するインジェクタ領域を備え、
ゼロから前記ウエル層の伝導帯端までのエネルギー値を有する電子を前記始端バリア層へ仮想的に入射させることにより前記終端バリア層から透過する前記電子の透過率のエネルギー依存性を算出し、前記電子の透過率が局所的に極大となる局所極大値のエネルギー値及び前記局所極大値の個数を算出し、前記局所極大値ごとに、前記局所極大値のエネルギー値を初期値としてシュレディンガー方程式を解くことにより前記シュレディンガー方程式の固有値及び固有関数を算出し、前記局所極大値ごとに算出された前記固有値に基づき決定されたレーザ波長を有することを特徴とする。

本開示による量子カスケードレーザ装置の設計方法によれば、予め活性領域の構造における固有値の個数及び各固有値の近似値を算出した上で、この近似値を初期値として用いてシュレディンガー方程式を解くので、初期値の無い場合よりもシュレディンガー方程式を容易に解くことが可能となり、各固有値に対応する波動関数が容易に得られる結果、活性領域の構造に対する遷移波長を簡易に推定できるため、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計が簡易になるという効果を奏する。
本開示による量子カスケードレーザ装置によれば、ウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、ウエル層及びバリア層の層厚の設定が容易になる結果、レーザ発振波長の設計が容易な量子カスケードレーザ装置が得られるという効果を奏する。
実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置を示す概観図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の第1ステージ(First Stage)の電界印加時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域を構成するi層及び隣接するi+1層の電子波の透過及び反射を表す模式図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域における電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示す図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造の一例に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の一例の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の一例の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の他の一例の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の他の一構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の他の一構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態2の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態2の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域における電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示す図である。 実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域における電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示す図である。 実施の形態3の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域における電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示す図である。 実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の無バイアス時の伝導帯バンド構造を示す模式図である。 実施の形態3の変形例3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域における電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示す図である。 実施の形態3の変形例3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。 実施の形態3の変形例3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られる量子準位(固有値)及び波動関数(固有関数)を表す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置500を示す概観図である。実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置500は、裏面側n電極1、n型InP基板2、n型InPバッファ層3、n型GaInAs第1光閉じ込め層4、30~40の各ステージ(stage)から成るコア領域5、n型GaInAs第2光閉じ込め層6、n型InPクラッド層7、n型GaInAsコンタクト層8及び表面側n電極9で構成される。コア領域5を構成するステージ300の個数が30~40の一例を示したが、ステージ300の個数は一例に限られるわけではなく、所望のレーザ特性によって適宜、個数を調整すれば良い。
実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置500の動作時には、裏面側n電極1はマイナスにバイアスされ、表面側n電極9はプラスにバイアスされる。動作に際しては、裏面側n電極1と表面側n電極9の間に電圧を印加することにより、量子カスケードレーザ装置500に電流を注入し、レーザ発振させる。
図2は、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置500において、5.0x10V/mの電界を印加した場合のコア領域5を構成する30~40の各ステージ300の中の一つである第1ステージ300aを取り出して示した伝導帯バンド構造の模式図である。
ステージ300は、主に電子がサブバンド間(量子準位間)を遷移することで発光する活性領域100と、主に活性領域100に電子を注入するインジェクタ(Injector)領域200の二つの領域で構成される。活性領域100を構成する各層は、後述する実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法に基づき得られたものである。コア領域5は、活性領域100とインジェクタ領域200を一単位とするステージ300が複数個積層された構成となる。上述の一例では、コア領域5は、30~40の個数のステージ300が積層された構成となる。図1では、コア領域5内のn型GaInAs第1光閉じ込め層4の側から1番目のステージである第1ステージ300a、k番目のステージである第kステージ300kをそれぞれ示している。以下、第1ステージ300aを一例として、活性領域100とインジェクタ領域200の構成を説明する。
活性領域100は、層厚が2.4nmでありAl組成比が0.48のAl0.48In0.52As始端バリア層10、層厚が6.0nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層11、層厚が0.9nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層12、層が厚7.4nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層13、層厚が1.5nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層14、層厚が2.9nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層15、層厚が4.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層16の各層で構成される。なお、Al0.48In0.52As終端バリア層16は、後述のインジェクタ領域200の一部でもある。Al0.48In0.52As終端バリア層16は、活性領域100としても機能し、かつ、インジェクタ領域200としても機能するからである。
インジェクタ領域200は、層厚が4.1nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asインジェクタ領域第1ウエル層17、層厚が1.7nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52Asインジェクタ領域第1バリア層18、層厚が3.7nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asインジェクタ領域第2ウエル層19、層厚が1.2nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52Asインジェクタ領域第2バリア層20、層厚が3.4nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asインジェクタ領域第3ウエル層21、層厚が1.1nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52Asインジェクタ領域第3バリア層22、層厚が3.4nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asインジェクタ領域第4ウエル層23、層厚が1.1nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52Asインジェクタ領域第4バリア層24、層厚が2.9nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asインジェクタ領域第5ウエル層25、の各層で構成される。図2中の、層厚が2.4nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層26は第2ステージを構成する活性領域の一部である。
活性領域100とインジェクタ領域200の境界に位置するAl0.48In0.52As始端バリア層10、Al0.48In0.52As終端バリア層16及びAl0.48In0.52As始端バリア層26は、その層厚の半分をそれぞれ各領域に割り当てる方法もあるが,本開示では、両方の領域に属するものとして取り扱う。
図3は、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置500を構成する活性領域100の無バイアス時の伝導帯バンド構造である。なお、以下に説明する量子カスケードレーザ装置500の活性領域100の構成は、後述する実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法に基づき得られたものである。
図3において、量子カスケードレーザ装置500の活性領域100は、層厚が2.4nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層10、層厚が6.0nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層11、層厚が0.9nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層12、層厚が7.4nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層13、層厚が1.5nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層14、層厚が2.9nmでありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層15、層厚が4.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層16の各層で構成される。なお、Al0.48In0.52As終端バリア層16は、活性領域100の最終バリア層となる。
活性領域100の各バリア層は同一組成比の半導体層であるAl0.48In0.52As層で構成され、各ウエル層は同一組成比の半導体層であるGa0.47In0.53As層で構成される。以下、各バリア層をAl0.48In0.52Asバリア層、各ウエル層をGa0.47In0.53Asウエル層と総称する場合もある。また、半導体層の組成比を省略して、例えば、Al0.48In0.52As第1バリア層12をAlInAs第1バリア層12、Ga0.47In0.53As第1ウエル層11をGaInAs第1ウエル層11のように表記する場合もある。
後述する量子カスケードレーザ装置の設計方法における計算上の都合により、Ga組成比がそれぞれ0.47であるGa0.47In0.53Asダミーウエル層101a及びGa0.47In0.53Asダミーウエル層101bが、活性領域100の両端側にそれぞれ仮想的に設けられている。Ga0.47In0.53Asウエル層とAl0.48In0.52Asバリア層の間のエネルギー差Vは0.52eVである。このエネルギー差Vは、ゼロからウエル層の伝導帯端までのエネルギー値に相当する。なお、活性領域100は、図1の概観図に示すように、InP基板2上に積層することを想定しているものの、InP基板2のみに限定されるわけではい。
図4は、i層及び隣接するi+1層の電子波の透過及び反射を表す模式図である。i層における右向きの電子波はφ 、左向きの電子波はφ であり、i+1層における右向きの電子波はΦi+1 、左向きの電子波はΦi+1 である。
上述のi層をウエル層、i+1層をバリア層とする場合、i層の電子波は、i+1層の電子波を用いて、以下の式(1)のように表せる。
Figure 0007203282000001
式(1)において、dは、i層の層厚である。また、式(1)におけるk及びχは、以下の式(2)で表せる。
Figure 0007203282000002
同様に、i層をバリア層、i+1層をウエル層とする場合、i層の電子波は、i+1層の電子波を用いて、以下の式(3)のように表せる。
Figure 0007203282000003
活性領域100を構成する各層に上述の式(3)による計算を順次繰り返すことにより、Ga0.47In0.53Asダミーウエル層101a(仮に活性領域100を含む各層における第0番目の層とする)側から入射した電子波は、Ga0.47In0.53Asダミーウエル層101b(仮に活性領域100を含む各層における第8番目の層とする)に出射する電子波によって、以下の式(4)のように表せる。
Figure 0007203282000004
エネルギーE(0≦E≦V)の電子がAlInAs始端バリア層10に入射した場合のAlInAs始端バリア層10からの反射率をR、AlInAs終端バリア層16からの透過率をTとすると、電子の透過率Tは以下の式(5)のように表せる。
Figure 0007203282000005
AlInAs始端バリア層10に入射させる電子のエネルギーをゼロからウエル層の伝導帯端のエネルギーVまで変化させて、AlInAs終端バリア層16からの電子の透過率Tを計算すると、量子準位が存在するエネルギーでは電子の透過率Tは高く、量子準位以外のエネルギーでは電子の透過率Tは低くなる。つまり、図3において、図中の点線で示される各エネルギー値を表すE、E、E、E及びEが、活性領域100の各量子準位となる。各量子準位においては、電子の透過率Tが高くなると推定される。以下、E、E、E、E及びEを、第1量子準位E、第2量子準位E、第3量子準位E、第4量子準位E、第5量子準位Eなどとそれぞれ呼ぶ。
図5は、図3に示す活性領域100の構造における、電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示すグラフである。なお、図5の縦軸は電子の透過率Tを自然対数で表示している。また、図5の横軸は電子のエネルギー値であり、単位はエレクトロンボルト(eV)である。図5に示すとおり、電子の透過率Tには5つの局所的な極大値E、E、E、E及びEが存在することが分かる。以下、局所的な極大値を、局所極大値と呼ぶ。図3に示す活性領域100の構造に関して、実際に下記の式(6)に示すシュレディンガー方程式を解くこととする。
Figure 0007203282000006
式(6)において、m(z)は有効質量分布、V(z)はポテンシャルエネルギー分布、Eは量子準位(固有値)、u(z)は波動関数(固有関数)をそれぞれ表す。
図6及び図7に、図3に示す活性領域100の構造に関してシュレディンガー方程式を解くことにより得られた各量子準位(固有値)及び各波動関数(固有関数)を示す。図6及び図7の各図の縦軸は波動関数の強度(Intensity)、横軸は位置Zをそれぞれ表す。位置Zの単位はメートル(m)である。なお、波動関数は、下記の式(7)のように正規化している。よって、|u(z)|は、位置Zにおける電子の存在確率を表す。
Figure 0007203282000007
図6において、図6Aは第1量子準位E(E=0.061eV)の波動関数、図6Bは第2量子準位E(E=0.106eV)の波動関数、図6Cは第3量子準位E(E=0.211eV)の波動関数をそれぞれ表す。図7において、図7Aは第4量子準位E(E=0.305eV)の波動関数、図7Bは第5量子準位E(E=0.430eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第3量子準位E(E=0.211eV)と第2量子準位E(E=0.106eV)との間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第3量子準位Eと第2量子準位Eのエネルギー差は0.105eVなので、レーザ発振が生じる波長は11.7μmとなる。
式(1)から式(5)を用いて予め活性領域の構造における固有値の個数及び各固有値の近似値を算出してから、当該近似値を初期値として用いると、式(6)で表されるシュレディンガー方程式が容易に解け、各固有値に対応する波動関数を得ることができる。
なお、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法では、電界を印加しない無バイアス状態でシュレディンガー方程式を解いているが、電界を印加したバイアス状態の場合は、無バイアス状態で算出した固有値(量子準位)を初期値として解けば良い。つまり、無バイアス状態で電子の透過率Tが局所的に極大となるエネルギーを算出し、次に、局所極大値となるエネルギーを初期値として無バイアス状態でシュレディンガー方程式を解いてエネルギーの固有値を計算し、さらに、無バイアス状態での固有値を初期値として、バイアス状態でのシュレディンガー方程式を解くといった設計手法を用いれば良い。
<実施の形態1の効果>
以上、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法によると、予め活性領域の構造における固有値の個数及び各固有値の近似値を算出した上で、この近似値を初期値として用いてシュレディンガー方程式を解くので、初期値の無い場合よりもシュレディンガー方程式を容易に解くことが可能となり、各固有値に対応する波動関数が容易に得られる結果、活性領域の構造に対する遷移波長を簡易に推定できるため、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計が簡易になるという効果を奏する。
実施の形態2.
一般的な量子カスケードレーザ装置の活性領域は、ウエル層及びバリア層のそれぞれの組成比が一定で、ウエル層及びバリア層の層厚を変えた構造となっている。一方、実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置は、電子がトンネル可能な層厚である基準バリア層の層厚db0及び基準バリア層よりも厚い層厚である基準ウエル層の層厚dw0を用いると共に、活性領域110を構成するウエル層とこのウエル層の上部または下部で隣接するバリア層とを一対の被覆層対と見なして、同一被覆層対のウエル層及びバリア層の層厚は、基準ウエル層の層厚dw0と基準バリア層の層厚db0に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて同一の正の実数倍であると設定する。
例えば、ウエル層Pの層厚をd、ウエル層Pに隣接し一対の被覆層対となるバリア層Qの層厚をdとし、被覆層対のウエル層P及びバリア層Qを上述の基準ウエル層及び基準バリア層の層厚に対して係数rを用いてr倍の層厚に設定する場合、ウエル層Pの層厚dはr×dw0、バリア層Qの層厚dはr×db0にそれぞれ設定される。
図8は、実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域110の無バイアス時の伝導帯バンド構造を表す図である。活性領域110は、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層31、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層32、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層33、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層34、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層35、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層36、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第3バリア層37、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第4ウエル層38、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層39の各層で構成される。
上述の説明において、係数a、a、a、aは、それぞれ、正の実数からなる定数である。Ga0.47In0.53As第1ウエル層32とAl0.48In0.52As第1バリア層33が第1被覆層対32a、Ga0.47In0.53As第2ウエル層34とAl0.48In0.52As第2バリア層35が第2被覆層対34a、Ga0.47In0.53As第3ウエル層36とAl0.48In0.52As第3バリア層37が第3被覆層対36aをそれぞれ構成する。
活性領域110ではレーザ発振波長を9μm程度に想定しているので、基準ウエル層厚dw0及び基準バリア層厚db0を、それぞれ、8.0nm及び1.0nmに設定する。なお、AlInAs始端バリア層31及びAlInAs終端バリア層39の層厚をともに2.0nmとしているが、この層厚に限定されるものではなく、電子がトンネルできる程度の層厚であれば良い。
活性領域110の各層の層厚の一例である、a=1.0、a=1.0、a=1.0、a=1.0の場合、つまり、各ウエル層の層厚は基準ウエル層の層厚と同一であり、AlInAs始端バリア層31及びAlInAs終端バリア層39を除く各バリア層の層厚が基準バリア層の層厚と同一である場合について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
上述の設定によると、活性領域110を構成する各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層32の層厚dは8.0nm、AlInAs第1バリア層33の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層34の層厚dは8.0nm、AlInAs第2バリア層35の層厚dは1.0nm、GaInAs第3ウエル層36の層厚dは8.0nm、AlInAs第3バリア層37の層厚dは1.0nm、GaInAs第4ウエル層38の層厚dは8.0nmとなる。
活性領域110の各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を図9、図10及び図11にそれぞれ示す。
図9において、図9Aは第1量子準位E(E=0.045eV)の波動関数、図9Bは第2量子準位E(E=0.055eV)の波動関数、図9Cは第3量子準位E(E=0.071eV)の波動関数をそれぞれ表す。図10において、図10Aは第4量子準位E(E=0.087eV)の波動関数、図10Bは第5量子準位E(E=0.215eV)の波動関数、図10Cは第6量子準位E(E=0.248eV)の波動関数をそれぞれ表す。図11において、図11Aは第7量子準位E(E=0.296eV)の波動関数、図11Bは第8量子準位E(E=0.349eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第5量子準位E(E=0.215eV)と第4量子準位E(E=0.087eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第5量子準位Eと第4量子準位Eのエネルギー差は0.128eVなので、遷移波長は9.7μmとなる。
正の実数からなる係数a、a、a、aは、任意の値をとり得る。次に、a=1.0、a=0.9、a=0.9、a=0.9の場合、つまり、GaInAs第1ウエル層32の層厚d及びAlInAs第1バリア層33の層厚dが基準ウエル層及び基準バリア層とそれぞれ同一の層厚である以外の、各ウエル層、及びAlInAs始端バリア層31及びAlInAs終端バリア層39を除く各バリア層は、基準ウエル層及び基準バリア層の層厚に0.9をそれぞれ乗じた層厚となる場合について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
上述の設定によると、活性領域110の各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層32の層厚dは8.0nm、AlInAs第1バリア層33の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層34の層厚dは7.2nm、AlInAs第2バリア層35の層厚dは0.9nm、GaInAs第3ウエル層36の層厚dは7.2nm、AlInAs第3バリア層37の層厚dは0.9nm、GaInAs第4ウエル層38の層厚dは7.2nmとなる。
活性領域110の各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図12、図13及び図14にそれぞれ示す。
図12において、図12Aは第1量子準位E(E=0.049eV)の波動関数、図12Bは第2量子準位E(E=0.061eV)の波動関数、図12Cは第3量子準位E(E=0.083eV)の波動関数をそれぞれ表す。図13において、図13Aは第4量子準位E(E=0.108eV)の波動関数、図13Bは第5量子準位E(E=0.240eV)の波動関数、図13Cは第6量子準位E(E=0.286eV)の波動関数をそれぞれ表す。図14において、図14Aは第7量子準位E(E=0.356eV)の波動関数、図14Bは第8量子準位E(E=0.430eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第5量子準位E(E=0.240eV)と第4量子準位E(E=0.108eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第5量子準位Eと第4量子準位Eのエネルギー差は0.132eVなので、遷移波長は9.4μmとなる。
実施の形態2の変形例1.
実施の形態2の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置は、活性領域120が3層のウエル層で構成される。図15は、実施の形態2の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域120が3層のウエル層で構成される場合の無バイアス時の伝導帯バンド構造を表す模式図である。
活性領域120は、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層41、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層42、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層43、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層44、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層45、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層46、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層47の各層からなる。
Ga0.47In0.53As第1ウエル層42とAl0.48In0.52As第1バリア層43が第1被覆層対42a、Ga0.47In0.53As第2ウエル層44とAl0.48In0.52As第2バリア層45が第2被覆層対44aをそれぞれ構成する。
活性領域120では発振波長を6μm程度に想定しているので、基準ウエル層厚dw0及び基準バリア層厚db0を、それぞれ、6.0nm及び1.0nmに設定する。なお、AlInAs始端バリア層41及びAlInAs終端バリア層47の層厚をともに2.0nmとしているが、この層厚に限定されるものではなく、電子がトンネルできる程度の層厚であれば良い。
活性領域120の各層の層厚の一例である、a=1.0、a=1.0、a=1.0、の場合、つまり、各ウエル層の層厚は基準ウエル層の層厚と同一であり、AlInAs始端バリア層41及びAlInAs終端バリア層47を除く各バリア層の層厚が基準バリア層の層厚と同一である場合について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
なお、上述の設定によると、活性領域120を構成する各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層42の層厚dは6.0nm、AlInAs第1バリア層43の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層44の層厚dは6.0nm、AlInAs第2バリア層45の層厚dは1.0nm、GaInAs第3ウエル層46の層厚dは6.0nmとなる。
活性領域120の各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図16及び図17に示す。
図16において、図16Aは第1量子準位E(E=0.066eV)の波動関数、図16Bは第2量子準位E(E=0.093eV)の波動関数、図16Cは第3量子準位E(E=0.129eV)の波動関数をそれぞれ表す。図17において、図17Aは第4量子準位E(E=0.329eV)の波動関数、図17Bは第5量子準位E(E=0.403eV)の波動関数、図17Cは第6量子準位E(E=0.510eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.329eV)と第3量子準位E(E=0.129eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.200eVなので、遷移波長は6.2μmとなる。
実施の形態2の変形例2.
正の実数からなる係数a、a、aは、任意の値をとり得る。実施の形態2の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域120aは、a=1.0、a=0.8、a=0.8、つまり、GaInAs第1ウエル層42の層厚d及びAlInAs第1バリア層43の層厚dが基準ウエル層及び基準バリア層とそれぞれ同一の層厚である以外の、各ウエル層、及びAlInAs始端バリア層41及びAlInAs終端バリア層47を除く各バリア層は、基準ウエル層及び基準バリア層の層厚にそれぞれ0.8を乗じた層厚となる各層で構成される。
上述の設定によると、活性領域120aを構成する各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層42の層厚dは6.0nm、AlInAs第1バリア層43の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層44の層厚dは4.8nm、AlInAs第2バリア層45の層厚dは0.8nm、GaInAs第3ウエル層46の層厚dは4.8nmとなる。
実施の形態2の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域120aについて、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
活性領域120aの各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図18及び図19にそれぞれ示す。
図18において、図18Aは第1量子準位E(E=0.075eV)の波動関数、図18Bは第2量子準位E(E=0.105eV)の波動関数、図18Cは第3量子準位E(E=0.172eV)の波動関数をそれぞれ表す。図19において、図19Aは第4量子準位E(E=0.377eV)の波動関数、図19Bは第5量子準位E(E=0.485eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.377eV)と第3量子準位E(E=0.172eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.205eVなので、遷移波長は6.1μmとなる。
ウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、ウエル層及びバリア層厚の設定が容易になる。また、基準ウエル層厚を変えることで、遷移波長を容易に変えることも可能である。要するに、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計が、従来の設計方法に比べて、より簡易となる。
さらに、上述の活性領域120aのウエル層及びバリア層の各層厚の構成に関して、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用することにより、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計が一層容易となる。
なお、実施の形態2では、活性領域を構成するウエル層の層数が3層及び4層の場合を示したが、ウエル層の層数はこれらに限るものではなく、その他のウエル層の層数の場合であっても、活性領域の構造を容易に設計できる。
<実施の形態2の効果>
以上、実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置によると、ウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、ウエル層及びバリア層厚の設定が容易になるので、レーザ発振波長の設計が容易な量子カスケードレーザ装置が得られるという効果を奏する。
また、実施の形態2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の各層の層厚を、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して決定するので、活性領域の構造に対する遷移波長を容易に推定することが可能になるため、量子カスケードレーザ装置を簡易に設計することが可能となる効果を奏する。
実施の形態3.
図20は、実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域130の無バイアス時の伝導帯バンド構造である。活性領域130は、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層51、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層52、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層53、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層54、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層55、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層56、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層57の各層で構成される。
Ga0.47In0.53As第1ウエル層52とAl0.48In0.52As第1バリア層53が第1被覆層対52a、Ga0.47In0.53As第2ウエル層54とAl0.48In0.52As第2バリア層55が第2被覆層対54aをそれぞれ構成する。
量子カスケードレーザ装置の設計方法における計算上の都合により、Ga組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asダミーウエル層101c及びGa0.47In0.53Asダミーウエル層101dが、活性領域130の両端側にそれぞれ仮想的に設けられている。
活性領域130ではレーザ発振波長を9μm程度に想定しているので、基準ウエル層厚dw0及び基準バリア層厚db0を、それぞれ、8.0nm及び1.0nmに設定する。なお、AlInAs始端バリア層51及びAlInAs終端バリア層57の層厚をともに2.0nmとしているが、この層厚に限定されるものではなく、電子がトンネルできる程度の層厚であれば良い。
活性領域130の各層の層厚の一例である、a=1.0、a=1.0、a=1.0の場合、つまり、各ウエル層の層厚は基準ウエル層厚dw0と同一であり、AlInAs始端バリア層51及びAlInAs終端バリア層57を除く各バリア層の層厚が基準バリア層厚db0と同一である場合について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
上述の設定によると、活性領域130を構成する各層の層厚は、GaInAs第1ウエル層52の層厚dは8.0nm、AlInAs第1バリア層53の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層54の層厚dは8.0nm、AlInAs第2バリア層55の層厚dは1.0nm、GaInAs第3ウエル層56の層厚dは8.0nmとなる。
図21は、図20に示す活性領域130の構造における、電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示すグラフである。図21に示すとおり、電子の透過率Tには6つの局所極大値E、E、E、E、E及びEが存在することが分かる。
活性領域130について、図21から得られたエネルギーの各局所極大値を初期値として、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解いて得られた各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図22及び図23にそれぞれ示す。
図22において、図22Aは第1量子準位E(E=0.047eV)の波動関数、図22Bは第2量子準位E(E=0.063eV)の波動関数、図22Cは第3量子準位E(E=0.083eV)の波動関数をそれぞれ表す。図23において、図23Aは第4量子準位E(E=0.220eV)の波動関数、図23Bは第5量子準位E(E=0.269eV)の波動関数、図23Cは第6量子準位E(E=0.335eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.220eV)と第3量子準位E(E=0.083eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.137eVなので、遷移波長は9.1μmとなる。
上述のように、予め固有値の数及び固有値の近似値を算出して、当該近似値を初期値として用いるとシュレディンガー方程式を容易に解くことが可能となり、また、対応する波動関数も容易に得ることができる。
さらに、活性領域130のウエル層とこのウエル層に隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計に際して、ウエル層及びバリア層の層厚の設定が容易になる。
実施の形態3の変形例1.
正の実数からなる係数a、a、aは、任意の値をとり得る。実施の形態3の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域130aは、a=1.0、a=0.8、a=0.8、つまり、GaInAs第1ウエル層52の層厚d及びAlInAs第1バリア層53の層厚dが基準ウエル層及び基準バリア層とそれぞれ同一の層厚である以外の、各ウエル層、及びAlInAs始端バリア層51及びAlInAs終端バリア層57を除く各バリア層は、基準ウエル層及び基準バリア層の層厚にそれぞれ0.8を乗じた層厚となる各層で構成される。
上述の設定によると、活性領域130aを構成する各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層52の層厚dは8.0nm、AlInAs第1バリア層53の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層54の層厚dは6.4nm、AlInAs第2バリア層55の層厚dは0.8nm、GaInAs第3ウエル層56の層厚dは6.4nmとなる。
実施の形態3の変形例1に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域130aについて、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
図24は活性領域130aの構造における、電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示すグラフである。図24に示すとおり、電子の透過率Tには6つの局所極大値E、E、E、E、E及びEが存在することが分かる。
活性領域130aについて、図24から得られたエネルギーの各局所極大値を初期値として、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解いて得られた各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図25及び図26にそれぞれ示す。
図25において、図25Aは第1量子準位E(E=0.053eV)の波動関数、図25Bは第2量子準位E(E=0.072eV)の波動関数、図25Cは第3量子準位E(E=0.114eV)の波動関数をそれぞれ表す。図26において、図26Aは第4量子準位E(E=0.254eV)の波動関数、図26Bは第5量子準位E(E=0.332eV)の波動関数、図26Cは第6量子準位E(E=0.451eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.254eV)と第3量子準位E(E=0.114eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.140eVなので、遷移波長は8.8μmとなる。
実施の形態3の変形例2.
図27は、実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域140の無バイアス時の伝導帯バンド構造である。実施の形態3の変形例2に係る量子カスケードレーザ装置では、最終バリア層も一対として取り扱っている点に特徴がある。
活性領域140は、層厚が2.0nmでありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As始端バリア層61、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層62、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層63、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層64、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層65、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層66、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第3バリア層67の各層で構成される。
Ga0.47In0.53As第1ウエル層62とAl0.48In0.52As第1バリア層63が第1被覆層対62a、Ga0.47In0.53As第2ウエル層64とAl0.48In0.52As第2バリア層65が第2被覆層対64a、Ga0.47In0.53As第3ウエル層66とAl0.48In0.52As第3バリア層67が第3被覆層対66aをそれぞれ構成する。
量子カスケードレーザ装置の設計方法における計算上の都合により、Ga組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asダミーウエル層101e及びGa0.47In0.53Asダミーウエル層101fが、活性領域140の両端側にそれぞれ仮想的に設けられている。
活性領域140では発振波長を9μm程度に想定しているので、基準ウエル層厚dw0及び基準バリア層厚db0を、それぞれ、8.0nm及び1.0nmに設定する。なお、AlInAs始端バリア層61の層厚を2.0nmとしているが、この層厚に限定されるものではなく、電子がトンネルできる程度の層厚であれば良い。
活性領域140の各層の層厚の一例である、a=1.0、a=0.9、a=0.8の構成について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
上述の設定によると、活性領域140を構成する各層の層厚は、それぞれ、GaInAs第1ウエル層62の層厚dは8.0nm、AlInAs第1バリア層63の層厚dは1.0nm、GaInAs第2ウエル層64の層厚dは7.2nm、AlInAs第2バリア層65の層厚dは0.9nm、GaInAs第3ウエル層66の層厚dは6.4nm、AlInAs第3バリア層67の層厚dは0.8nmとなる。
図28は、図27に示す活性領域140の構造における、電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示すグラフである。図28に示すとおり、電子の透過率Tには6つの局所極大値E、E、E、E、E及びEが存在することが分かる。
活性領域140について、図28から得られたエネルギーの各局所極大値を初期値として、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解いて得られた各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図29及び図30にそれぞれ示す。
図29において、図29Aは第1量子準位E(E=0.046eV)の波動関数、図29Bは第2量子準位E(E=0.068eV)の波動関数、図29Cは第3量子準位E(E=0.097eV)の波動関数をそれぞれ表す。図30において、図30Aは第4量子準位E(E=0.242eV)の波動関数、図30Bは第5量子準位E(E=0.307eV)の波動関数、図30Cは第6量子準位E(E=0.404eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.242eV)と第3量子準位E(E=0.097eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.145eVなので、遷移波長は8.6μmとなる。
上述のように、予め固有値の数及び固有値の近似値を算出して、当該近似値を初期値として用いるとシュレディンガー方程式を容易に解くことが可能となり、また、対応する波動関数も容易に得ることができる。
さらに、最終バリア層を含めて活性領域140のウエル層及びこのウエル層に隣接するバリア層を一対となる被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計に際して、層厚の設定が容易になる。
実施の形態3の変形例3.
図31は、実施の形態の変形例3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域150の無バイアス時の伝導帯バンド構造である。
活性領域150は、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第1バリア層71、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第1ウエル層72、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第2バリア層73、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第2ウエル層74、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As第3バリア層75、層厚がd(d=a×dw0)でありGa組成比が0.47であるGa0.47In0.53As第3ウエル層76、層厚がd(d=a×db0)でありAl組成比が0.48であるAl0.48In0.52As終端バリア層77の各層で構成される。
Al0.48In0.52As第1バリア層71とGa0.47In0.53As第1ウエル層72が第1被覆層対72a、Al0.48In0.52As第2バリア層73とGa0.47In0.53As第2ウエル層74が第2被覆層対74a、Al0.48In0.52As第3バリア層75とGa0.47In0.53As第3ウエル層76が第3被覆層対76aをそれぞれ構成する。
量子カスケードレーザ装置の設計方法における計算上の都合により、Ga組成比が0.47であるGa0.47In0.53Asダミーウエル層101g及びGa0.47In0.53Asダミーウエル層101hが、活性領域150の両端側にそれぞれ仮想的に設けられている。
活性領域150ではレーザ発振波長を9μm程度に想定しているので、基準ウエル層厚dw0及び基準バリア層厚db0を、それぞれ、8.0nm及び1.0nmに設定する。
活性領域150の各層の層厚の一例である、a=0.8、a=1.1、a=0.7a=1.2の構成について、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解くことにより、各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を算出する。
上述の設定によると、活性領域150を構成する各層の層厚は、それぞれ、AlInAs第1バリア層71の層厚dは0.8nm、GaInAs第1ウエル層72の層厚dは6.4nm、AlInAs第2バリア層73の層厚dは1.1nm、GaInAs第2ウエル層74の層厚dは8.8nm、AlInAs第3バリア層75の層厚dは0.7nm、GaInAs第3ウエル層76の層厚dは5.6nm、AlInAs終端バリア層77の層厚dは1.2nmとなる。
図32は、図31に示す活性領域150の構造における、電子の透過率Tの電子エネルギー依存性を示すグラフである。図32に示すとおり、電子の透過率Tには6つの局所極大値E、E、E、E、E及びEが存在することが分かる。
活性領域150について、図32から得られたエネルギーの各局所極大値を初期値として、式(6)で表されるシュレディンガー方程式を解いて得られた各量子準位(各固有値)と各波動関数(各固有関数)を、図33及び図34にそれぞれ示す。
図33において、図33Aは第1量子準位E(E=0.045eV)の波動関数、図33Bは第2量子準位E(E=0.077eV)の波動関数、図33Cは第3量子準位E(E=0.106eV)の波動関数をそれぞれ表す。図34において、図34Aは第4量子準位E(E=0.231eV)の波動関数、図34Bは第5量子準位E(E=0.343eV)の波動関数、図34Cは第6量子準位E(E=0.430eV)の波動関数をそれぞれ表す。
第4量子準位E(E=0.231eV)と第3量子準位E(E=0.106eV)の間でレーザ発振の遷移が生じるとすると、第4量子準位Eと第3量子準位Eのエネルギー差は0.125eVなので、遷移波長は9.9μmとなる。
上述のように、予め固有値の数及び固有値の近似値を算出して、当該近似値を初期値として用いるとシュレディンガー方程式を容易に解くことが可能となり、また、対応する波動関数も容易に得ることができる。
さらに、活性領域150の全てのウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、量子カスケードレーザ装置の活性領域の設計に際して、層厚の設定がさらに容易となる。
以上の説明では、バリア層とウエル層のそれぞれの層数は、3層または4層であった。しかしながら、以下に説明するように、バリア層とウエル層のそれぞれの層数が5層以上の場合も、同様に活性領域の構成の設計が可能である。
活性領域にバリア層とウエル層が交互に少なくともそれぞれn層ずつ積層されているとする。この場合、ウエル層及びウエル層に隣接するバリア層の一対を被覆層対として、活性領域に第1被覆層対から第n被覆層対までのn個の被覆層対が含まれる。電子がトンネル可能な基準バリア層の層厚db0及び予め設定され基準バリア層よりも厚い層厚を有する基準ウエル層の層厚dw0をそれぞれ設定し、予め設定された正の実数である係数aから係数aまでのn個の係数を用いて、n個の被覆層対についてk番目(1≦k≦n)の被覆層対のウエル層の層厚をa×dw0及びバリア層の層厚をa×db0とそれぞれ設定すれば良い。
<実施の形態3の効果>
以上、実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置によると、ウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として、同一被覆層対のウエル層厚及びバリア層厚は基準ウエル層厚及び基準バリア層厚に正の実数である同一の係数をそれぞれ乗じて設定するので、ウエル層及びバリア層の層厚を決めるパラメータを減らすことができるため、ウエル層及びバリア層厚の設定が容易になる結果、レーザ発振波長の設計が容易な量子カスケードレーザ装置が得られるという効果を奏する。
また、実施の形態3に係る量子カスケードレーザ装置の活性領域の各層の層厚を、実施の形態1に係る量子カスケードレーザ装置の設計方法を適用して決定するので、活性領域の構造に対する遷移波長を容易に推定することが可能になるため、量子カスケードレーザ装置を簡易に設計することが可能となる効果を奏する。
実施の形態1及び3では、無バイアス時を一例として示したが、バイアス時は無バイアス時の量子準位を初期値としてシュレディンガー方程式を解けば良い。
また、実施の形態2及び3では無バイアス時を一例として示したが、バイアス時の場合は、同様に、ウエル層及びこのウエル層と隣接するバリア層とを一対の被覆層対として取り扱うことができる。
実施の形態1から3では、InP基板上に成長する量子カスケードレーザ装置を一例として、ウエル層をGaInAs層、バリア層をAlInAs層でそれぞれ構成しているが、これらの半導体材料に限るものではない。例えば、GaAs基板上にウエル層をGaAs、バリア層をAlGaAsでそれぞれ構成した量子カスケードレーザ装置でも良い。さらに、GaN基板上にウエル層をInGaN、バリア層をAlGaNでそれぞれ構成した量子カスケードレーザ装置でも良い。また、例えば、ウエル層をAl0.1Ga0.9As、バリア層をAl0.5Ga0.5Asで構成するように、半導体層として同一の元素構成であるが、組成比のみを変えても良い。
実施の形態2及び3では、一対の効果を表すべく正の実数の係数a(n=1、2、・・・、n)の例を示しているが、これらに限るものではなく、係数aは任意の値をとり得る。
実施の形態2及び3では、基準ウエル層厚及び基準バリア層厚の具体例をしているが、上述の層厚値に限られるものではない。要するに、基準バリア層厚は電子がトンネル可能な層厚であれば良く、基準ウエル層厚は基準バリア層厚よりも厚ければ良い。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 裏面側n電極、2 n型InP基板、3 n型InPバッファ層、4 n型GaInAs第1光閉じ込め層、5 コア領域、6 n型GaInAs第2光閉じ込め層、7 n型InPクラッド層、8 n型GaInAsコンタクト層、9 表面側n電極、10、26、31、41、51、61 Al0.48In0.52As始端バリア層、11、32、42、52、62、72 Ga0.47In0.53As第1ウエル層、12、33、43、53、63、71 Al0.48In0.52As第1バリア層、13、34、44、54、64、74 Ga0.47In0.53As第2ウエル層、14、35、45、55、65、73 Al0.48In0.52As第2バリア層、15、36、46、56、66、76 Ga0.47In0.53As第3ウエル層、16、39、47、57、77 Al0.48In0.52As終端バリア層、17 Ga0.47In0.53Asインジェクタ領域第1ウエル層、18 Al0.48In0.52Asインジェクタ領域第1バリア層、19 Ga0.47In0.53Asインジェクタ領域第2ウエル層、20 Al0.48In0.52Asインジェクタ領域第2バリア層、21 Ga0.47In0.53Asインジェクタ領域第3ウエル層、22 Al0.48In0.52Asインジェクタ領域第3バリア層、23 Ga0.47In0.53Asインジェクタ領域第4ウエル層、24 Al0.48In0.52Asインジェクタ領域第4バリア層、25 Ga0.47In0.53Asインジェクタ領域第5ウエル層、32a、42a、52a、62a 第1被覆層対、34a、44a、54a、64a 第2被覆層対、36a、66a、76a 第3被覆層対、37、67、75 Al0.48In0.52As第3バリア層、38 Ga0.47In0.53As第4ウエル層、100、110、120、120a、130、130a、140、150 活性領域、101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101h Ga0.47In0.53Asダミーウエル層、200 インジェクタ領域、300 ステージ、300a 第1ステージ、500 量子カスケードレーザ装置

Claims (9)

  1. バリア層とウエル層が交互に複数層形成された活性領域を有する量子カスケードレーザ装置の製造方法であって、
    前記バリア層及び前記ウエル層の積層数をそれぞれ少なくともn層と設定するステップと、
    前記ウエル層及び前記ウエル層に隣接するバリア層の一対を被覆層対として、前記活性領域に第1被覆層対から第n被覆層対までのn個の被覆層対を設定するステップと、
    電子がトンネル可能な基準バリア層の層厚をdb0及び前記基準バリア層よりも厚い層厚を有する基準ウエル層の層厚をdw0とそれぞれ設定するステップと、
    正の実数である係数aから係数aまでのn個の係数をそれぞれ設定するステップと、
    前記n個の被覆層対について、k番目(1≦k≦n)の被覆層対の前記ウエル層の層厚をa×dw0及び前記バリア層の層厚をa×db0とそれぞれ設定するステップと、
    一端側に設けられた前記バリア層を始端バリア層、他端側に設けられた前記バリア層を終端バリア層として、ゼロから前記ウエル層の伝導帯端までのエネルギー値を有する電子を前記始端バリア層へ仮想的に入射させるステップと、
    前記終端バリア層から透過する前記電子の透過率のエネルギー依存性を算出するステップと、
    前記電子の透過率が局所的に極大となる局所極大値のエネルギー値及び前記局所極大値の個数を算出するステップと、
    前記局所極大値ごとに、前記局所極大値のエネルギー値を初期値としてシュレディンガー方程式を解くことにより、前記シュレディンガー方程式の固有値及び固有関数を算出するステップと、
    前記局所極大値ごとに算出された前記固有値に基づき、レーザ発振波長を設定するステップと、を備え、
    以上の各ステップを用いて量子カスケードレーザ装置を製造する量子カスケードレーザ装置の製造方法
  2. 基板と、
    前記基板上に形成された第1光閉じ込め層と、
    前記第1光閉じ込め層上に形成され、複数のステージからなるコア領域と、
    前記コア領域上に形成された第2光閉じ込め層と、
    前記第2光閉じ込め層上に形成されたクラッド層と、を備え、
    前記ステージは、
    バリア層とウエル層が交互に少なくともそれぞれn層ずつ積層され、一端側に設けられた前記バリア層を始端バリア層、他端側に設けられた前記バリア層を終端バリア層とする活性領域と、
    前記活性領域に電子を注入するインジェクタ領域を備え、
    ゼロから前記ウエル層の伝導帯端までのエネルギー値を有する電子を前記始端バリア層へ仮想的に入射させることにより前記終端バリア層から透過する前記電子の透過率のエネルギー依存性を算出し、前記電子の透過率が局所的に極大となる局所極大値のエネルギー値及び前記局所極大値の個数を算出し、前記局所極大値ごとに、前記局所極大値のエネルギー値を初期値としてシュレディンガー方程式を解くことにより前記シュレディンガー方程式の固有値及び固有関数を算出し、前記局所極大値ごとに算出された前記固有値に基づき決定されたレーザ波長を有することを特徴とする量子カスケードレーザ装置。
  3. 前記ウエル層及び前記ウエル層に隣接するバリア層の一対を被覆層対として、前記活性領域に第1被覆層対から第n被覆層対までのn個の被覆層対が含まれ、
    前記n個の被覆層対は、予め設定され電子がトンネル可能な基準バリア層の層厚db0及び予め設定され前記基準バリア層よりも厚い層厚を有する基準ウエル層の層厚dw0と、予め設定された正の実数である係数aから係数aまでのn個の係数を用いて、前記n個の被覆層対についてk番目(1≦k≦n)の被覆層対の前記ウエル層の層厚をa×dw0及び前記バリア層の層厚をa×db0とそれぞれ設定されることを特徴とする請求項2に記載の量子カスケードレーザ装置。
  4. 前記n層が3層または4層であることを特徴とする請求項2または3に記載の量子カスケードレーザ装置。
  5. 基板と、
    前記基板上に形成された第1光閉じ込め層と、
    前記第1光閉じ込め層上に形成され、複数のステージからなるコア領域と、
    前記コア領域上に形成された第2光閉じ込め層と、
    前記第2光閉じ込め層上に形成されたクラッド層と、を備え、
    前記ステージは、
    バリア層とウエル層が交互に少なくともそれぞれn層ずつ積層され、一端側に設けられた前記バリア層を始端バリア層、他端側に設けられた前記バリア層を終端バリア層とする活性領域と、
    前記活性領域に電子を注入するインジェクタ領域を備え、
    前記ウエル層及び前記ウエル層に隣接するバリア層の一対を被覆層対として、前記活性領域に第1被覆層対から第n被覆層対までのn個の被覆層対が含まれ、
    前記n個の被覆層対は、予め設定され電子がトンネル可能な基準バリア層の層厚db0及び予め設定され前記基準バリア層よりも厚い層厚を有する基準ウエル層の層厚dw0と、予め設定された正の実数である係数aから係数aまでのn個の係数を用いて、前記n個の被覆層対についてk番目(1≦k≦n)の被覆層対の前記ウエル層の層厚をa×dw0及び前記バリア層の層厚をa×db0とそれぞれ設定され、
    前記n個の係数aの中で、少なくとも1つの係数は他の係数とは異なる数値であることを特徴とする量子カスケードレーザ装置。
  6. 前記nが3の場合は、係数aは、a=1.0、a=0.8、a=0.8、または、a=1.0、a=0.9、a=0.8、であることを特徴とする請求項5に記載の量子カスケードレーザ装置。
  7. 前記nが4の場合は、係数aは、a=1.0、a=0.9、a=0.9、a=0.9、または、a=0.8、a=1.1、a=0.7、a=1.2、であることを特徴とする請求項5に記載の量子カスケードレーザ装置。
  8. 前記ウエル層がGaInAs層で構成され、前記バリア層がAlInAs層で構成されることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の量子カスケードレーザ装置。
  9. 前記コア領域は、30以上40以下の個数の前記ステージで構成されることを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の量子カスケードレーザ装置。
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