JP7202963B2 - 太陽光発電設備の監視制御装置および制御方法 - Google Patents

太陽光発電設備の監視制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、需要家内に設置される太陽光発電設備の監視制御装置および制御方法に係り、特に交流系統に連係されて需要家内の電気負荷に給電する太陽光発電設備の監視制御装置および制御方法に関する。
近年、電力固定金額買取り制度(以降、FITと記す)や税制上の優遇措置により、太陽光発電システムが世界中に普及した。大量普及と、市場競争原理により太陽光発電システムのkWあたりのコストが低下し、日射条件の良い地域においては火力発電などの従来の発電システムによる発電コストに比べて太陽光発電システムによる発電コストが安くなる、いわゆるグリッドパリティが成立し始めた。
一方で、太陽光発電システムが十分普及したことにより、地域によりFITでの電力買取り金額が低下、もしくは廃止されるようになった。これを受け、売電目的ではなく、太陽光発電システムで発電する電力を、需要家内の設備で自家消費する自家消費型太陽光発電システムの導入ケースが増えてきている。
売電型の太陽光発電設備は、系統運営者により連系許可枠を設けることにより系統運営者によって導入量をある程度コントロールすることができた。しかし、系統へ電力を供給しない、すなわち逆潮流をしない自家消費型太陽光発電の場合は、系統から見ると消費電力が変動するだけである。そのため、連系枠による導入量のコントロールができない。
自家消費型の太陽光発電システムを成立させる技術としては、最低負荷以下の定格を有する太陽光発電システムを用いる、もしくは特許文献1に開示されるように逆潮流を防止するよう、太陽光発電システムを制御する方法がある。
特開2018-182847号公報
自家消費型太陽光発電システムを導入する場合に、系統の安定化を図れるものであることが要望される。
まず安定化阻害要因のうち逆潮流の防止に関しては、特許文献1などの採用により、潮流は上位系統から下位系統に保たれる。潮流の方向が保たれることにより、系統運営者の設置した電圧安定化装置の安定運用が保たれるようになる。
一方で自家消費型太陽光発電システム内に着目してみると、太陽光発電システムが力率100%で運用される場合、太陽光発電システムからは有効電力のみが供給される。この場合に、需要家内の負荷は、太陽光発電システムの出力に寄らず有効電力と無効電力を系統から受電するため、自家消費型太陽光発電システムを導入した需要家の受電力率は負荷のみ接続された状況に比べて低くなる。特に、負荷消費電力に対する太陽光発電システムの定格値の割合が大きくなると、上記の力率低下の影響が大きくなる。
この点に関して、太陽光発電システムにおける力率低下は、系統の安定化阻害要因である。系統の電圧安定化機器の多くは、フィーダを流れる有効電力の変化からフィーダ末端の電圧を推定し、フィーダ全体の電圧を所定範囲内に制御する。そのため、受電電力の力率が大きく変動すると系統の電圧を安定に制御することが困難となる。
以上のことから本発明においては、逆潮流を抑制しながら、設備受電点における力率を所定の値以上に保つことで系統電圧の安定化を図ることができる太陽光発電設備の監視制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、交流系統と太陽光発電設備を接続する母線から負荷に給電する需要家における太陽光発電設備の監視制御装置であって、監視制御装置は、交流系統と需要家の連系点の力率を算出するための状態量を検出し、交流系統と需要家の連系点の力率を所定力率以上とするために必要なインバータの出力する無効電力を状態量に基づいて算出する演算部と、無効電力を無効電力指令としてインバータを制御するインバータ制御部を備えることを特徴とする。
また本発明においては、交流系統と太陽光発電設備を接続する母線から負荷に給電する需要家における太陽光発電設備の監視制御方法であって、交流系統と需要家の連系点の力率を算出するための状態量を検出し、交流系統と需要家の連系点の力率を所定力率以上とするために必要なインバータの出力する無効電力を状態量に基づいて算出し、インバータを制御することを特徴とする。
本発明によれば、逆潮流を抑制しながら、設備受電点における力率を所定の値以上に保つことができるため、系統電圧の安定化が容易となる。
実施例1に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図。 インバータ制御部10とインバータINVを含む太陽光インバータシステムの構成例を示す図。 制御装置1の概略の制御ロジックを示す図。 無効電力指令値算出器100の制御ロジックを示す図。 有効電力上限算出器200の制御ロジックを示す図。 インバータ動作マップテーブル201の動作マップ例を示す図。 無効電力制御をしない負荷運用例を示す図。 無効電力制御をしない負荷運用時の力率変動を示す図。 本発明の実施例1に係る制御を実行した時の負荷運用例を示す図。 本発明の実施例1に係る負荷運用時の力率変動を示す図。 無効電力制御をしない負荷運用例を示す図。 無効電力制御をしない負荷運用時の力率変動を示す図。 逆潮流を阻止する本発明の実施例1に係る負荷運用例を示す図。 逆潮流を阻止する本発明の実施例1に係る負荷運用時の力率変動を示す図。 実施例2に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図。 制御装置1Aの概略の制御ロジックを示す図。 無効電力指令値算出器100Aの制御ロジックを示す図。 有効電力上限算出器200Aの制御ロジックを示す図。 実施例3に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図。 制御装置3の概略の制御ロジックを示す図。 実施例4に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図。 蓄電池システム70の構成および制御ロジックを説明するための図。
以下本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施例1に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を図1に示す。
図1において、本発明の制御が適用される需要家90は、少なくとも負荷50と太陽光パネル20を備え、負荷50は太陽光パネル20と交流系統から給電される。需要家90は、受電点80を介して図示しない交流系統より有効電力Ps、無効電力Qsを受電する。受電点80に接続される母線Busには負荷50およびインバータINVを介して太陽光パネル20が接続される。負荷50は、母線Busより消費電力である有効電力PL、無効電力QLを受電する。
インバータINVの直流回路には太陽光パネル20が接続され、太陽光パネル20により発電された電力を交流に周波数変換し、交流電力Pgen、無効電力Qgenを母線Busに出力する。
上記した需要家90内設備の制御のために、本発明に係る太陽光発電システムの監視制御装置は、制御装置1とインバータ制御部10を含んで構成されている。このうち制御装置1は、実施例1では受電点80の電流を検出する電流検出器30、および母線Busの電圧を検出する電圧検出器31に接続されて無効電力指令値Qrefを定める。無効電力指令値Qrefは、通信線40を介してインバータ制御部10に入力され、インバータ制御部10は、インバータINVを制御して無効電力指令値Qrefに従い無効電力Qge、交流電力Pgenを出力する。
太陽光発電システムの監視制御装置のうち、インバータ制御部10の詳細が図2に例示され、制御装置1の具体的な構成例が図3,図4,図5に例示されている。図1に示す実施例1の監視制御装置は、制御装置1側に特徴をする。このため、説明の都合上、まず図2を用いてインバータ制御部10の制御ロジックを説明する。なお、インバータ制御部10とインバータINVは、近接して設置されることが多く、これを総括的に表現するならば太陽光インバータシステムというのが相応しい。
図2は、インバータ制御部10とインバータINVを含む太陽光インバータシステムの構成例を示す図である。図2の太陽光インバータシステムでは、インバータ制御部10により算出される交流出力電圧指令値Vrefに従ってインバータINVが制御される。インバータINVは、半導体スイッチング素子で構成されるアセンブリおよび高調波フィルタ回路で構成される自励式インバータである。
インバータ制御部10は通信インターフェース11を備え、通信線40を介して制御装置1から送信される有効電力上限値Plimおよび無効電力指令値Qrefを入力する。また、図示しないインバータINV内センサで検出される直流入力電圧Vdc、直流入力電流Idc、交流電圧Vac、交流出力電流Iacを入力する。
インバータ制御部10は、これら入力値を用いてリミッタ付きMPPT(Maximum Power Point Tracking)と無効電力制御を実行し、交流出力電圧指令値Vrefを決定して、インバータINVに与え、これを制御する。なお、インバータINVにより定められた無効電力Qgen及び有効電力Pgenを、通信インターフェース17を介して制御装置1に伝送する。
具体的な制御演算についてさらに説明する。直流入力電圧Vdcと直流入力電流Idcは、リミッタ付きMPPT演算器12に入力される。リミッタ付きMPPT演算器12は、直流入力電圧Vdcを調整することにより発電電力が最大となる点を自動探索する演算器であり、直流入力電圧Vdcを変化させるための有効電流指令値を算出し、電流制御器16に出力する。MPPT演算器12は当該分野では多用される演算器であるため、詳細の説明を省く。
リミッタ付きMPPT演算器12は上限値として通信インターフェース11で入力する有効電力上限値Plimを上限値として入力する。MPPT演算器12は直流入力電力が有効電力上限値Plimを超えた場合は有効電流指令値を下げ補正することで入力電力が有効電力上限値Plim以下となるよう入力電力を制限する。
無効電力制御は以下の演算器により無効電流指令値を算出する。まず交流電圧Vac、交流出力電流Iacは、有効電力・無効電力算出器13に入力される。有効電力・無効電力算出器13は、インバータINVが交流出力端子から出力する有効電力Pgen、無効電力Qgenを、交流電圧Vac、交流出力電流Iacから算出する。算出された有効電力Pgen、無効電力Qgenは通信インターフェース17に出力され、制御装置1側での処理に適宜利用される。また、無効電力Qgenは減算器14に入力され、減算器14は無効電力指令値Qregと計測した無効電力Qgenの差を算出し、その差を無効電力制御器15に出力する。
無効電力制御器15は、比例積分制御器で構成され、入力された差を低減するようインバータINVの出力する無効電流指令値を算出する。
MPPT演算器12により算出された有効電流指令値と、無効電力制御器15により算出された無効電流指令値と、そして交流出力電流Iacは、電流制御器16に入力され、電流制御器16は交流電流Iacの有効成分および無効成分が入力された指令値に追従するよう自励式のインバータINVの交流出力電圧指令値Vrefを算出し、インバータINVに出力する。
次に、制御装置1による受電点力率改善動作について説明する。まず図1の全体構成図を用い、制御装置1の入出力を説明する。図1において需要家90の受電点80には受電点の電流を検出する電流検出器30、および母線電圧を検出する電圧検出器31が備えられ、それら検出器の出力は制御装置1に入力される。制御装置1の出力は通信インターフェースを介して通信線40に接続され、インバータ制御部10に有効電力上限値Plimと無効電力指令値Qrefを出力する。
制御装置1の概略の制御ロジックを図3に示す。制御装置1は、その内部機能を簡便に述べると、無効電力指令値算出器100と有効電力上限値算出器200により構成されている。
制御装置1は電圧検出値入力インターフェース500、電流検出値入力インターフェース501を備え、受電点において受電する交流電圧Vs、交流電流Isを入力する。交流電圧Vs、交流電流Isは無効電力指令値算出器100に入力される。無効電力指令値算出器100は、受電点80における力率を所定の値より大きくするためにインバータINVから出力されるべき無効電力の目標値を無効電力指令値Qrefとして算出し、通信インターフェース502と有効電力上限値算出器200に出力する。
無効電力指令値算出器100は、無効電力指令値Qrefに加え、系統から受電点80で受電する有効電力算出値Pscalを算出し、有効電力上限値算出器200に出力する。有効電力上限値200は受電点80からの逆潮流防止と太陽光インバータ10の過負荷停止を両立するための有効電力上限値Plimを算出し、通信インターフェース502に出力する。
無効電力指令値算出器100の制御ロジックを、図4を用いて説明する。交流電圧Vsと交流電流Isは、有効電力・無効電力算出器101に入力される。有効電力・無効電力算出器101は、受電点80において受電する有効電力算出値Pscalと無効電力算出値Qscalを演算する。有効電力算出値Pscalは力率遵守用無効電力算出器102、103、および有効電力上限算出器200に出力される。無効電力算出値Qscalは減算器106に出力される。
減算器106は、無効電力指令値Qref(ローパスフィルタ104の出力)とインバータINVの出力する無効電力出力推定値(無効電力算出値Qscal)との差を算出し、負荷50の消費する無効電力推定値QLcalを算出する。
なお上記無効電力推定値QLcalを算出するにあたり、無効電力指令値QrefはインバータINVに出力する無効電力指令値Qrefを遅延器105で遅延させ、さらにその出力をインバータINVの無効電力制御応答と等しい時定数を有するローパスフィルタ演算をローパスフィルタ104で施すことにより算出するのがよい。
力率遵守用無効電力算出器102は、有効電力算出値Pscalに加え、所定の値である受電点80における遅れ力率制限値PFlagを入力し、受電力率が遅れ力率制限値PFlagとなるときの受電点における無効電力Qlimlagを(1)式に従い算出する。
Figure 0007202963000001
同様に、力率遵守用無効電力算出器103は、有効電力算出値Pscalおよび所定の値である受電点80における進み力率制限値PFleadを入力し、受電力率が進み力率制限値PFleadとなるときの受電点における無効電力Qlimleadを(2)式に従い算出する。
Figure 0007202963000002
ここで、本実施例では遅れ力率制限値PFlagおよび進み力率制限値PFleadは所定の値としたが、これらの値は外部通信により可変の値としても良い。
受電力率が遅れ力率制限値PFlagとなるときの受電点における無効電力Qlimlagは、減算器107に、受電力率が進み力率制限値PFleadとなるときの受電点における無効電力Qlimleadは減算器109に入力され、負荷50の消費する無効電力推定値QLcalとの差を算出する。
減算器107の出力はリミッタ108に出力され、リミッタ108は減算器107の出力をゼロ以上Qmax以下に制限し、該制限値を加算器1010に出力する。
同様に、減算器109の出力はリミッタ111に出力され、リミッタ111は減算器109の出力を-Qmax以上ゼロ以下に制限し、該制限値を加算器110に出力する。
加算器110はリミッタ108と111の出力の和を算出し、その出力をインバータINVの出力すべき無効電力指令値Qrefとして通信インターフェース502に出力する。
上記構成により、無効電力推定値QLcalが、受電力率が遅れ力率制限値PFlagとなるときの受電点における無効電力Qlimlagより大きい場合は、超過分の無効電力をインバータINVより供給することにより受電点の力率を遅れ力率制限値PFlag以上に維持することができる。
また、無効電力推定値QLcalが、受電力率が進み力率制限値PFleadとなるときの受電点における無効電力Qlimleadより小さい場合は、不足分の無効電力をインバータINVで吸収することにより受電点の力率を進み力率制限値PFlead以上に維持することができる。
次に、有効電力上限算出器200の制御ロジックを、図5を用いて説明する。有効電力上限算出器200は、無効電力指令値算出器100より入力する無効電力指令値Qref、受電点80で受電する有効電力算出値Pscalを入力し、インバータINVが無効電力を出力しつつ過負荷運転状態を回避するための有効電力上限値Plimを算出し、通信インターフェース502に出力する。
具体的には、インバータ動作マップテーブル201に無効電力指令値Qrefを入力し、インバータの過負荷を防ぐことのできる有効電力上限値Pmaxを算出する。
図6には、インバータ動作マップテーブル201の動作マップ例を示す。図6の横軸は出力可能な無効電力Q、縦軸は発電可能な有効電力Pを示し、太字の実線がインバータINVの運転可能な領域を示す有効電力・無効電力の動作マップを示す。有効電力出力が小さい領域では、無効電力は±Qmaxの範囲で出力が可能である。一方、有効電力がP1を超えた領域では出力皮相電力が1puを超えない範囲に供給可能な無効電力が制限される。逆に言えば無効電力を出力するためには有効電力をP1まで抑制することにより出力可能な無効電力を増やすことができる。
図5のインバータ動作マップテーブル201は、入力した無効電力指令値Qrefを出力可能な最大有効電力P1を、図6に示される動作マップから算出し、その算出値Pmaxを上限値として比例積分制御器203に出力する。なおインバータ動作マップテーブル201はあらかじめ記憶しておいてもよいし、外部からデータとして入力するインターフェースを備えてもよい。
図5に戻り、有効電力上限算出器200の制御ロジック説明を続ける。比例積分制御器203は有効電力算出値Pscalを入力し、上限値がPmax、下限がゼロである比例積分演算を施し、その出力をインバータINVの有効電力上限値Plimとして通信インターフェース502に出力する。
受電点における有効電力算出値Pscalが十分大きい場合は、インバータINVの有効電力上限値Plimは大きな値となりインバータINVは大きな電力を出力することができる。一方、有効電力算出値Pscalがゼロを下回ると比例積分制御器203の出力であるインバータINVの有効電力上限値Plimは小さくなり、インバータINVの出力が抑制される。
以上の動作により、実施例1の制御装置は、需要家90の受電点80における力率を所定の範囲に抑制することができる。また、このときにインバータ動作マップテーブルで発電上限値を制限することによりインバータINVの過負荷と受電点80での逆潮流の回避が可能となる。
次に本発明による効果を具体的な図示により説明する。まず図7(a)、図7(b)は、インバータINVが有効電力Pgenのみを与える場合を想定する。従ってこの事例は、無効電力指令がゼロである、従来技術での自家消費太陽光発電による需要家での運用例を示している。
図7(a)は、無効電力制御をしない負荷運用例を示す図であり、横軸に1日の0:00から24:00までの時間、縦軸に負荷50の最大消費有効電力を100%とした電力の大きさを示している。まず、自家消費太陽光発電による発電量は、有効電力Pgenが日中の時間帯(たとえば8:00から16:00)にのみ発生する。ただし、従来方式では、インバータINVは力率100%で運転しているため、無効電力Qgenは常にゼロである。これに対し、負荷50の消費有効電力PLと消費無効電力QLは、操業開始時間に合わせて増加し、操業終了時間に減少する。ただし、負荷の電力PL、QLは、太陽光による電力Pgen,Qgenに比べて十分に大きく、太陽光による電力Pgen,Qgenが負荷の電力PL、QLを超過することを想定していない。
このときの受電点80における力率PFが図7(b)に示されている。横軸は図7(a)と同じ時間帯の時間、縦軸は受電力率PFを示す。これによれば、インバータINVからの発電開始に伴い、受電点力率PFが低下する。負荷の電力PL、QLの増加により一時的に力率PFは回復するも、昼に向い再度力率PFが低下し、午後のインバータINVからの発電電力低下に伴い力率PFが回復する。
このように、力率一定の考え方により無効電力を発生させない従来の太陽光発電方式によれば、重負荷となる日中に受電点力率PFが極端に低下し、系統電圧の管理に支障をきたすおそれがある。
これに対し、本発明の実施例1の制御装置1を適用することにより、受電点での力率PFは大きく改善される。図8(a)に本発明の実施例1に係る制御を実行した時の各部電力の関係を示している。
図8(a)によれば、負荷50の消費有効電力PLと消費無効電力QLは、図7(a)と同様に操業開始時間に合わせて増加し、操業終了時間に減少するものとする。これに対し、図7(a)で一定であった太陽光による無効電力Qgenは、太陽光による有効電力Pgenに対して、例えば比例的に増減するものとされる。ただし、本発明の実施例1に係る制御では、太陽光による無効電力Qgenは最大値がQmaxに制限される。
図示の例では、インバータINVの発電電力Pgenの増加にやや遅れて無効電力Qgenが増加する。無効電力Qgenが制限電力Qmaxに到達すると、発電される有効電力Pgenは受電力率を遅れ力率制限値PFlag以上に保つために制限される。ここでは、無効電力Qgenの最大値Qmaxを最大負荷消費電力の30%としている。
このときの受電点80における力率PFの変化が図8(b)に示されている。ここで、遅れ力率制限値PFlagは0.9としている。図8(b)によれば、インバータINVが発電を開始する前は、負荷50の力率である0.92が受電点力率となる。インバータINVが発電を開始すると、受電する有効電力PLが低下し、他方無効電力QLが変わらないため受電点における力率PFが低下する。
受電点力率PFが遅れ力率制限値PFlagまで低下すると、制御装置1によりゼロ以上の無効電力指令QrefがインバータINVに出力され、受電点80で系統から受電する無効電力Qsが低下する。これにより力率が0.9で維持される。
以下の図9(a)、図9(b)では、さらに無効電力制御をしない逆潮流阻止のための負荷運用例と力率変動について説明する。なお、これらの図において示される所量は、今までに述べたものと同じである。ここでは、期間Tにおいて、逆潮流が発生し得る状態となったことを表している。つまり、この状態では、負荷50が太陽光発電量を下回る可能性がある。
図9(a)は、無効電力制御をしない逆潮流阻止のための負荷運用例を示す図である。この図を図7(a)と比較すると、例えば負荷50が消費する有効電力PL、無効電力QLが、図7(a)に比べて比較的に少なく、例えば太陽光発電量である有効電力Pgenが急増するタイミングで、負荷が消費する有効電力PLを超過する結果として、逆潮流を発生することを表している。なお従来における負荷運用例では太陽光発電の力率一定制御が実施されており、太陽光による無効電力Qgenはゼロのままである。
係る無効電力制御をしない逆潮流阻止のための負荷運用例では、負荷50が消費する有効電力PLが太陽光の定格発電電力Pgenを下回る場合における逆潮流を防止するため、太陽光発電量である有効電力Pgenは負荷が消費する有効電力PL以下に抑制される。これにより逆潮流となることを阻止している。なお図示においては、正午近辺の期間Tにおいて、有効電力PLが太陽光の発電電力Pgenを下回ったものとする。
図9(b)は、無効電力制御をしない逆潮流阻止のための負荷運用時の力率変動を示す図である。ここで受電点力率PFは、(3)式で表すことができる。
Figure 0007202963000003
(3)式と図9(a)に示す有効電力PLと無効電力QL、並びに太陽光発電量である有効電力Pgenと無効電力Qgen(=0)の変化傾向から明らかなように、有効電力PLと無効電力QL、並びに有効電力Pgenと無効電力Qgenの差分に応じて定まる受電点力率PFは、太陽光発電の発生により低下し、太陽光発電システムから無効電力の補償をする機構を備えない従来例では、有効電力PLが太陽光の発電電力Pgenを下回る正午近辺の期間Tにおいて受電点力率PFがゼロまで落ちることになる。
これに対し、太陽光発電システムから無効電力の補償をする機構を備えた本発明の場合における、逆潮流阻止のための負荷運用例と力率変動について、図10(a)、図10(b)を用いて説明する。
まず図10(a)は、本発明の実施例1における逆潮流阻止のための負荷運用例を示す図である。本発明の実施例1では、まずは受電電力Ps[kW]から許容される無効電力を算出し、負荷の無効電力QLが許容範囲の無効電力を逸脱した分を太陽光発電システムから補償する。また、太陽光発電システム内のインバータが上記補償分の無効電力を出力できるよう、有効電力の制限値を算出する。
このため、太陽光発電システムからは有効電力Pgenとともに、これに相当する無効電力Qgenが供給されており、逆潮流の発生が抑止されている。本ケースでは、上記制限値が有効電力PLより小さいため、12時近傍でPL≠Pgenとなっている。
さらに図10(b)は、本発明の実施例1における逆潮流阻止のための負荷運用時の力率変動を示す図である。実施例1によれば、例えば受電点力率PFを0.9以上に保つための無効電力Qgenを太陽光発電システムから出力するため、受電点力率PFは略0.9以上に維持される。またフィードバック系で無効電力Qgenは制御される。なお、有効電力の変動が大きいタイミングでは、過渡的に受電点力率PFが0.9未満になるタイミングが生じる。
以上述べたように本発明の実施例1によれば、自家消費用太陽光を導入しても受電点力率を所定の値より大きく保ちながら逆潮流および過負荷を避けた太陽光インバータの運用が可能となる。受電力率を所定の値より高く維持することにより、系統電圧の管理が容易となる。
本発明の実施例2について、図11から図14を用いて説明する。なお、本発明の実施例1と同一要素には同じ符号をつけ、重複説明を避ける。
まず図11は、実施例2に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図である。図11において実施例2と実施例1との差は、電流検出器30が負荷電流ILを検出する母線Busに設けられた点である。受電点80での電流ではなく、負荷電流ILを直接検出することにより、負荷の消費する有効電力PL、無効電力QLを直接検出することができるため、本発明の制御装置の備える制御ロジックを簡略化できる。
また実施例2と実施例1との差は、上記変更点に関連して制御装置1の処理内容が一部変更されていることである。このため実施例2における制御装置1を制御装置1Aとして表記、説明する。実施例2の太陽光発電システムの監視制御装置では、インバータ制御部10の詳細は図2に例示されているように変更はなく、制御装置1Aの具体的な構成例が図12,図13,図14に例示されている。
図11において、制御装置1Aは電流検出器30、電圧検出器31の検出値を受取り、実施例1と同様にインバータINVの有効電力上限値Plimおよび無効電力指令値Qrefを、通信線40を介してインバータ制御部10に送信する。
制御装置1Aの概略の制御ロジックを図12に示す。制御装置1Aは、その内部機能を簡便に述べると、無効電力指令値算出器100Aと有効電力上限値算出器200Aにより構成されている。
制御装置1Aの無効電力指令値算出器100Aは、受電電圧検出値Vs、負荷電流ILを電圧検出値インターフェース500、電流検出値インターフェース501から入力し、またインバータINVの発電電力Pgenを通信インターフェース502より入力し、インバータINVの無効電力指令値Qrefおよび負荷50の消費する有効電力算出値PLcalを算出する。制御装置1Aの有効電力上限値算出器200Aは、無効電力指令値Qrefおよび有効電力算出値PLcalから、逆潮流の防止と太陽光インバータ10INVの過負荷を回避するための有効電力上限値Plimを算出する。
無効電力指令値Qref、有効電力上限値Plimは、通信インターフェース502、および通信線40を介してインバータ制御部10に送信される。インバータ制御部10は、本発明の実施例1と同様に、例えば図2の処理を実行して無効電力指令値Qref、有効電力上限値Plimに従い系統に出力する有効電力、無効電力を制御する。
図13を用いて無効電力指令値算出器100Aの制御ロジックを説明する。図4に示した実施例1の無効電力指令値算出器100との差は、負荷50の消費する有効電力算出値PLcalを算出する点と、負荷50の消費する無効電力を直接算出する点と、受電点80で受電する有効電力をPLcalとPgenから算出する点が異なる。なお図11から図14において、実施例1と実施例2で機能的に相違する処理を行う部分には記号に「A」を付与することで、相違点を明示している。
受電点電圧検出値Vsと負荷電流検出値ILは、有効電力・無効電力算出器101Aに入力され、負荷50の消費する有効電力算出値PLcal、無効電力算出値QLcalを算出する。負荷電流ILを直接検出することにより、負荷の消費する無効電力QLcalをインバータINVの応答を算出するためのロジックを不要とできる。また、制御応答は系統切換などによりインバータINVから見込んだ系統インピーダンスが変化すると応答速度が変わる。本実施例ではインバータINVの無効電力制御応答の模擬を不要とするため、本発明の実施例1に比べて系統切換を含む系統操作に対してロバスト性を改善できる。
負荷50の消費する有効電力算出値PLcalは減算器112と有効電力上限算出器250に出力され、無効電力QLcalは減算器107、109に出力される。
負荷50の消費する有効電力算出値PLcalとインバータINVの有効電力Pgenは減算器112に入力され、受電点80で受電する有効電力の算出値Pscalを算出する。受電点80で受電する有効電力の算出値Pscalを用いた無効電力指令値Qrefの算出ロジックは、実施例1と同様であるため、重複説明を省略する。
有効電力上限値算出器200Aの制御ロジックを、図14を用いて説明する。有効電力上限値算出器200Aは、無効電力指令値算出器100Aにより算出された、負荷50の消費有効電力算出値PLcalと無効電力指令値Qrefを入力し、それら入力からインバータINVの出力する有効電力上限値Plimを算出し、図12の通信インターフェース502に出力する。
図14において、インバータ動作マップテーブル201は実施例1と同様に、無効電力指令値Qrefを入力とし、インバータINVの過負荷を回避しながら無効電力指令値Qrefに追従した無効電力を出力できる有効電力の上限値Pmaxをテーブル参照で算出し、最小値算出器202に該上限値を出力する。
最小値算出器202には有効電力の上限値Pmaxと消費有効電力算出値PLcalが入力され、値の小さいほうがインバータINVの有効電力上限値Plimとして図12の通信インターフェース502に出力される。
以上より、本実施例の制御装置1Aを用いることで、受電点80での力率改善と逆潮流を防止しつつインバータINVの過負荷運用を回避できる。
また、本実施例の無効電力指令値算出器100Aを用いることにより、系統操作に対するロバスト性を維持しながら受電点での力率を所望の値以上に維持することができる。
さらに、本実施例の有効電力上限算出器200Aは比例積分制御器を必要としないため、実施例1に記載の有効電力上限算出器200に比べて演算を簡素化できる。
本発明の実施例3を、図15、図16を用いて説明する。
まず図15は、実施例3に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示す図である。実施例3と実施例1、2との差は、受電点80における力率を制御する制御装置1の機能とインバータ制御部10の機能を併せ持つ制御装置3を構成し、これを太陽光インバータシステムの一部として組み込んだものである。別な言い方をすると、系統の電圧、電流情報をアナログ値のまま取り込み、通信を排除したものということができる。ここでは、受電点電圧検出値Vs、負荷電流検出値Isをアナログ信号で受け取り、受電点力率制御とインバータINVの有効電力上限演算、そしてインバータINVの波形制御を制御装置3内部の制御器で一括演算することにより、通信による遅れを回避できる。
本実施例の制御装置3は受電点電圧を検出するための電圧検出器30、および負荷電流を計測する電流検出器31の出力信号を受取る。
制御装置3の概略の制御ブロックを図16に示す。制御装置3は、電圧検出値インターフェース500と、電流検出値インターフェース501を備え、電圧検出器30から受電点電圧検出値Vsを、電流検出器31から電流検出値ILを、それぞれ入力する。図12の制御装置1Aと同様の演算を無効電力指令値算出器100A、有効電力上限値算出器200Aで実施する。無効電力指令値算出器100Aで求めた負荷の消費有効電力算出値PLcalは有効電力上限値算出器200Aに出力され、受電点80における力率を維持するための無効電力指令値Qrefは減算器14に出力される。
図16の各機能(リミッタ付きMPPT12、有効電力・無効電力算出器13、減算器14、無効電力制御器15)は本発明の実施例1と同様の演算を施すため、重複説明を省略する。
以上より、本実施例に拠れば、実施例2で示した制御機能を、通信を介さずに実装できるため、通信による遅延を回避でき、より精度の高い力率制御および有効電力制御が可能となる。
本発明の実施例4を、図17、図18を用いて説明する。
実施例4と実施例1から3の違いは、自家消費用太陽光インバータシステムが、太陽光インバータに加えて蓄電池システムを備えられる点にある。
制御装置1とインバータINVが位置的に離れており、通信で有効電力上限値Plim、無効電力指令値Qrefを送信せざるを得ない場合がある。一般に、通信には数十ms~数百msの時間を要する。一方、最低負荷に対して大容量の自家消費用太陽光発電設備を導入した場合は受電点に系統運営者より逆潮流防止リレーを設けるよう要求される可能性がある。逆潮流防止リレーは、逆潮流を100ms程度で検出し遮断器に開放指令を出す物もある。そのため、通信による逆潮流防止制御が過渡的に間に合わず、該逆潮流防止リレーが作動して遮断器を開放する虞がある。
本実施例では、通信によるインバータINVの出力抑制に加え、受電点の電力をアナログ情報で検出する蓄電池システムを備える。本蓄電池システムにより、通信遅延による逆潮流期間を上記逆潮流防止リレーの作動時間より短くすることで遮断器開放を回避し、高比率の自家消費太陽光発電システムを実現する。
図17には、本発明の実施例4に係る太陽光発電システムの監視制御装置を含む需要家内設備の全体構成例を示している。実施例2との差は、受電点の電力を検出して逆潮流が発生した場合には遮断器CBを開放する逆潮流リレー35が備えられた点と、受電点の潮流を、アナログ信号を元に算出し、短時間の逆潮流を防止する蓄電池システム70および該蓄電池システムに接続される蓄電池25を備える点である。蓄電池システム70の交流端子は、負荷50およびインバータINVと同じ交流母線Busに接続される。なお図17において、32は電流検出器、33は電圧検出器である。
図18を用いて蓄電池システム70の構成および制御ロジックを説明する。蓄電池システム70は、蓄電池インバータ波形制御器70Cおよび蓄電池インバータ70INVにより構成される。蓄電池インバータ波形制御器70Cは受電点の交流電圧検出値Vs、交流電流検出値Isを電圧検出値インターフェース700、電流検出値インターフェース701を介して取得し、図示しない蓄電池システム70の連系点電圧検出値Vac2、連系点出力電流検出値Iac2をもとに、短期間の逆潮流を防止する有効電力を出力するよう蓄電池インバータ70INVの電圧指令値Vref2を算出する。
電圧検出値Vsおよび電流検出値Isは有効電力・無効電力算出器702に入力され、受電点における有効電力Pscalを算出する。
Pscalはハイパスフィルタ703に入力される。ハイパスフィルタ703は、通信遅延により太陽光インバータシステム10の出力抑制が間に合わない高周波成分の逆潮流をPscalから抽出する。
ハイパスフィルタ703の出力はリミッタ704に入力され、リミッタ704は入力値をゼロ以下に制限し、受電電力の負成分である逆潮流成分を抽出する。リミッタ704の出力は乗算器705に入力され、符号反転された後に蓄電池システムの出力する有効電力指令値を算出する。
上記有効電力指令値と電圧検出値Vac2、出力電流検出値Iac2は有効電力制御器706に入力され、蓄電池インバータ70INVの出力する有効電力が、有効電力指令値に追従するよう蓄電池インバータ70INVの出力電圧指令値Vref2を補正し、インバータ70INVに出力する。
本実施例では、受電点の電力を検出する手段としてアナログ信号を用いるが、太陽光インバータシステム10と制御装置1の間の通信に比べて高頻度な通信レートを備える制御装置により蓄電池システム70を制御しても良い。
以上より、本発明の実施例4によれば、受電点での力率を所望の値に保ちつつ、逆潮流を高精度に防止しながら太陽光インバータの過負荷を回避することができる。
1、1A、3:制御装置
20:太陽光パネル
25:蓄電池
30、32:電流検出器
31、33:電圧検出器
35:逆潮流防止リレー
40:通信線
50:負荷
70:蓄電池インバータシステム
80:受電点
90:需要家設備
100、100A:無効電力指令値算出器
200、200A:有効電力上限値算出器
500、700:電圧検出値入力インターフェース
501、701:電流検出値入力インターフェース
502、11、17:通信インターフェース
101、101A、702、13:有効電力無効電力算出器
102、103:力率遵守用無効電力算出器
104:ローパスフィルタ
105:遅延器
106、107、109、14:減算器
110:加算器
108、111、704:リミッタ
201:インバータ動作マップテーブル
202:最小値算出器
203:比例積分制御器
12:リミッタ付きMPPT演算器
15:無効電力制御器
16、706:電流制御器
INV:太陽光インバータ
70:蓄電池システム
70C:蓄電池インバータ波形制御器
703:ハイパスフィルタ
705:乗算器
70INV:蓄電池インバータ

Claims (8)

  1. 交流系統と太陽光発電設備を接続する母線から負荷に給電する需要家における太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    監視制御装置は、交流系統と需要家の連系点の力率を算出するための状態量を検出し、交流系統と需要家の連系点の力率を所定力率以上とするために必要なインバータの出力する無効電力を前記状態量に基づいて算出する制御装置と、前記無効電力を無効電力指令として前記インバータを制御するインバータ制御部を備え
    前記制御装置は、前記インバータの出力する無効電力指令値を算出して前記インバータ制御部に与え前記インバータを制御するとともに、前記インバータの出力する有効電力を前記需要家内に備えられる負荷の消費する有効電力以下である上限値と前記無効電力指令値から設定した上限値とのうちいずれか小さい上限値以下に制限することを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  2. 請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    前記連系点の力率を算出するための状態量が、前記需要家内に備えられる負荷の消費する有効電力と無効電力を算出することのできる電気量であることを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  3. 請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    前記連系点の力率を算出するための状態量が、前記連系点の有効電力と無効電力を算出することのできる電気量と、前記太陽光発電設備の出力する有効電力を算出することのできる電気量と、を含むことを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  4. 前記交流系統と需要家の連系点に遮断器を設置して連系点の逆潮流により前記遮断器を開放するようにされた請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    第2のインバータを介して蓄電池を母線に接続し、前記連系点の逆潮流に先立ち、前記蓄電池の充放電を制御し、前記連系点の逆潮流を防止することを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  5. 請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    前記制御装置と前記インバータ制御部が通信手段により接続されたことを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  6. 請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    前記制御装置は、前記インバータの出力する無効電力指令値を算出して前記インバータ制御部に与え前記インバータを制御するとともに、前記有効電力を前記需要家内に備えられる負荷の消費する有効電力以下である第1の上限値に制限する第1の手段と、前記無効電力指令値から設定した第2の上限値に前記有効電力を制限する第2の手段とを備え、有効電力の上限値が小さいほうで有効電力を制御することを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  7. 請求項1に記載の太陽光発電設備の監視制御装置であって、
    インバータの動作可能範囲を定めたインバータ動作マップテーブルを、インターフェースを介して得、前記制御装置は前記インバータ動作マップテーブルを参照して連系点の力率を所定力率以上とするために必要な前記インバータの出力する無効電力を算出することを特徴とする太陽光発電設備の監視制御装置。
  8. 交流系統と太陽光発電設備を接続する母線から負荷に給電する需要家における太陽光発電設備の監視制御方法であって、
    交流系統と需要家の連系点の力率を算出するための状態量を検出し、交流系統と需要家の連系点の力率を所定力率以上とするために必要なインバータの出力する無効電力の指令値を前記状態量に基づいて算出し、前記インバータを制御するとともに、
    前記インバータの出力する無効電力を算出して前記インバータを制御するとともに、前記需要家内に備えられる負荷の消費する有効電力以下である上限値と前記無効電力指令値から設定した上限値とのうちいずれか小さい上限値に前記有効電力を制限することを特徴とする太陽光発電設備の監視制御方法。
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