JP7201427B2 - 古紙パルプ原料の製造方法及び処理方法 - Google Patents
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Description
特に好適に用いられる「重袋」は、「重包装袋」又は「多重紙袋」ともいう。例えば、全国クラフト紙袋工業組合のホームページに各種の製品が示されている。
さらに、包装袋の内層がプラスチックフィルムからなるものがあり、この樹脂フィルムは樹脂資源に利用可能である。
しかし、この種の選別は異物除去には有効であるが、プラスチックフィルムがクラフト紙袋に内層され包装袋として一体化したものの分離除去には有効ではない。特に、クラフト紙とプラスチックフィルムが部分的に接着された包装袋には不向きな場合がある。
しかし、特許文献1はサイズの小さいミルクカートンなどを対象とし、包装袋の処理に際しては、サイズが大きいほか、プラスチックフィルムがクラフト紙と積層されているものではないために、離解装置で処理することはできない。
他の課題は、人手に頼ることなく、可能な限り処理を自動化することにある。
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕し、
破砕された少なくとも紙分を多軸破砕装置により破砕処理し、
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする。
この場合、次の工程を有する構成とすることができる。
包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕する1軸破砕工程。
前記1軸破砕工程で破砕され、破砕された少なくとも紙分を集合してベールとするベール工程。
前記ベール工程でのベールを多軸破砕装置により破砕処理する多軸破砕工程。
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする原料化工程。
この場合、次の工程を有する構成とすることができる。
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕する1軸破砕工程。
前記1軸破砕工程からの破砕された少なくとも紙分を多軸破砕装置により破砕処理する多軸破砕工程。
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする原料化工程。
すなわち、次の実施の形態である。
さらに、
前記破砕した破砕物を大きさ基準で分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された大サイズ分について、ハイパースペクトルカメラにより測光した吸光度スペクトルに基づき、セルロース成分又は樹脂成分が支配的であるか否かを弁別する弁別工程と、
を有し、
前記弁別工程で弁別したセルロース成分を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする。
そこで、1軸破砕工程の後に多軸破砕工程で破砕することにより、細かくし、もって弁別機上で重なる機会が少なくなり、弁別精度の低下を防止できる。
1軸破砕装置での破砕の挙動は言葉で表現しづらいが、概要、1軸破砕装置では、包装袋における、外側紙袋内にプラスチック袋に対して、紙袋分を掻き剥がすように破砕するものである。包装袋では上端部又は下端部が紙バンドや接着剤で固定されている、あるいは糸縫いがなされており、かかる固定部から紙袋分を掻き剥がすように分離しながら破砕するものである。
1軸破砕装置で破砕に伴う細分又は金属片などは分離できる。
さらに、単純に破砕室内に被破砕物を投入しただけでは原料を噛み込みにくいため、プッシャーと呼ばれる押込み装置で効率よく破砕を継続させる構造のものがさらに好適に用いられる。
前記破砕サイズは、ローター下側に設置されたスクリーン(分散した円形孔スリット状の孔が並列している態様などのスクリーン)の目開きにより規定することができる。ローター回転数などの制限はないが、それぞれ、20~1000rpm程度が好ましい。
内部には、米、砂糖、セメント、肥料、化学品、硝安油剤爆薬等が封入される。
ここでは、圧縮梱包品について解砕処理する図1に従って処理の概要を予め概説する。
圧縮梱包品1は、例えばフォークリスト2によって、投入コンベア3に搬送され、投入コンベア3から1軸解砕装置10に投入される。
圧縮梱包品1は、例えば番線で結束されているので、1軸解砕装置10に至る前の適宜の時点で、あるいは1軸解砕装置10内で番線などの結束具を除去できる。
しかしながら、前述のように、本実施形態に搬入される包装袋は、圧縮梱包品1の状態で投入コンベア3に搬送されなくてもよい。例えば、フレコンパックに詰められた状態やバラ積みされた状態で搬送されてもよい。この状態であっても、包装袋は、投入コンベア3に搬送され、投入コンベア3から1軸解砕装置10に投入される。
圧縮梱包品1 は、所定量の包装袋をベーラー(圧縮梱包機)により120~150kg/cm3程度の圧力で加圧、固形化されて番線等の結束具により梱包して形成される。重量は約1000~1500Kgであり、体積は高さ1~2m×幅1~2 m×縦1~2 m程度である。
1軸破砕装置10としては、1軸で破砕するものであればその破砕装置の構成は特に制限されるものではなく、公知の破砕装置を利用できる。
例えば、図3に基本構造を示すように、ケーシング内に、破砕を目的とした回転するドラム状のローター10A表面に取り付けられた回転刃10aと本体の固定刃10Bとの噛み合いでせん断破砕される1軸せん断破砕装置が好適に用いられる。
さらに、単純に破砕室内に被破砕物を投入しただけでは原料を噛み込みにくいため、プッシャーと呼ばれる押込み装置10Cで効率よく破砕を継続させる構造のものがさらに好適に用いられる。
前記破砕サイズは、例えばローター10Aの下側又は背側に設置されたスクリーン10Dの目開きにより規定することができる。ローター回転数などの制限はないが、それぞれ、20~1000rpm程度が好ましい。
一方で、両支持軸20A間又は解砕刃20B間に被解砕物が長く留まるのは解砕効率の点 で避けるべきである。しかし、本発明の形態においては、軸芯方向に沿う解砕刃群の鉤状部20Cの位置が軸芯回り方向に相違している結果、支持軸20Aの回転に伴う解砕部位が軸芯方向に経時的に異なる(変化する)ので、被解砕物の破断又は切り裂きが軸芯方向に経時的に異なる(変化する)ようになり、かつ、被解砕物の滞留がなくなる。
他方で、解砕刃20Bを有する前記支持軸20Aがケーシング本体201内に配置されている、したがって、被解砕物及び解砕物の飛び散りが防止される。
被解砕物(包装袋からなる梱包品)は、ケーシング本体201の上方から投入され、解砕刃により解砕されて、解砕物となり、ケーシング本体201の下方に設置された搬送コンベア9に落下する。
上記の作用機序を伴う2軸解砕装置20によれば、梱包品の解砕に最適であることが判明している。
包装袋の解砕が適確になされれば、投入フィーダー30における残分をそのまま、あるいは同残分を選別手段により選別し、その選別物を、古紙パルプ製造工程に供給する。
しかしながら、投入フィーダー30による解砕物の分離を行わず、解砕物をそのまま、あるいは、選別手段により選別し、その選別物を、古紙パルプ製造工程に供給することもできる。古紙パルプ製造工程としては、一例にクラフト紙製造工程や段ボール用紙製造工程等がある。解砕物又は選別物のうちクラフト紙はクラフト紙製造工程に供給され、製品としてのクラフト紙が製造される。また、解砕物又は選別物のうちクラフト紙が段ボール用紙製造工程に供給されることで段ボールが製造される。また、解砕物又は選別物のうちプラスチックフィルムは樹脂フィルムに製造・加工され、又は工場内の発電用の原料として、再利用化される。
ここで、第1支持軸20A及び第2支持軸20Aの回転方向が同じ場合と、反対方向の場合とがあるが、いずれの場合においても、第1支持軸20Aの鉤状部20Cの内側が向いている方向と、第2支持軸20Aの鉤状部20Cの内側が向いている方向とが、反対方向で相違していると滞留が少なく破砕効率が高いことを知見している。
実施の形態では、支持軸は2本備わり、第1支持軸20A及び第2支持軸20A相互は、例えば、水平方向に離間している。しかしながら、支持軸の本数は3本以上の複数であってもよい。
なお、支持軸の本数を2本とすると、2軸解砕装置20は必要以上に大型化せず、設置に場所を採らない。また、2軸解砕装置20の大きさがコンパクトとなる。
また、支持軸20Aそれぞれの回転方向については、独立して、選択できる。そして、支持軸20Aの下部には、支持軸20Aに直交して水平方向に支持部材204が、支持軸20Aに離間して複数配されている。
支持軸20Aの回転方向を独立して選択できるようにすると、すなわち第1支持軸20A及び第2支持軸20Aを同方向に回転させる、逆方向に回転する操作を加えることによって、圧縮梱包品1又は解砕物を詰まらせないようにできる。また支持部材204が備わるので、解砕途中の包装袋が適度なサイズに解砕されるまで同支持部材204に留まる傾向を示す。そのため適度な大きさに解砕されない包装袋が塊のまま搬送コンベア9に落下するのを防止できる。
図6に示すように支持軸20Aに対して直角に解砕刃20Bが複数備わり、解砕刃20Bは支持軸20A方向に離間して配設されている。解砕刃20Bには鉤状部(フック部)20Cが解砕刃20Bの外方に突出して形成されている。
解砕刃20Bの鉤状部(フック部)20Cの数は適宜でよく、図15の例では6つ、図16の例では2つである。図16の例で示すように、鉤状部(フック部)20Cは解砕刃20Bの円周上の離れた位置に1つずつ合計2つ設けてもよく(図16(a))、また、いわゆる、錨型のように、2つの鉤状部(フック部)20C相互の向きを円周方向の反対側に向かうように設けてもよい(図16(b))。さらに解砕刃20Bの鉤状部(フック部)20Cの向きは全てが同方向のほか、あえて図15に変形例として示すように、鉤状部(フック部)20Cの向きが対向する形態を有していてもよい。
図示例では、解砕刃(20B1、20B2、20B3、20B4)はFR方向であり、解砕刃(20B5、20B6、20B7)はBA方向である。また、解砕刃(20B2´、20B3´、20B4´)はBA方向であり、解砕刃(20B5´、20B6´)はFR方向である。このように配置しておくと、支持軸20Aをどちら側に回転させても、圧縮梱包品1に鉤状部20Cが接触するので、解砕がスムーズに行われる。ここで、FR方向とは同図で支持軸20Aを左側から右側に見た場合に時計回りとなる方向であり、BA方向とは反時計回りとなる方向である。
適度なサイズに解砕された解砕物は、2軸解砕装置20の開放された下部から搬送コンベア9に落下する。
2軸解砕装置20により解砕され細分化された解砕物は搬送コンベア9により、直接に弁別手段に供給する、あるいは古紙パルプ製造工程に供給するのではなく、好ましくは前記解砕物を大きさ基準で分離し、分離した残分を得て、この残分を弁別手段に供給する、あるいは古紙パルプ製造工程に供給する。
また、搬送軸は、回転軸にその長手方向に沿って搬送ディスクが多数、等間隔で設けられている形態とすることもできる。
図7及び図8の膨らみをもつ略三角形の形態を例にとると、その一つの外周面においては、その外周面がなす軌跡の各点と回転軸30Aの軸芯との離間距離が段階的に、角部から中央にかけて大から小に変化し、その後小から大に変化して他方の角部に至る。
図8及び図9に示すように各回転軸30Aには多数の搬送ディスクが所定の間隔を空けて設けられ、搬送軸を構成している。搬送ディスクは一方のディスク面から突出部が形成されている。
図示の形態では、突出部は、搬送大ディスク30Cのディスク面に搬送小ディスク30Bが突出した形状をなし、一体化した形態、搬送ディスク(30B、30C)となっている。搬送大ディスク30Cと搬送小ディスク30B相互は、それぞれの中心(中点)を回転軸30Aの軸芯と一致させた形態となっている。しかしながら、これに限定されるものではない。例えば、搬送大ディスク30Cの中心(中点)と回転軸30Aの軸芯がずれており、かつ、搬送小ディスク30Bの中心(中点)と回転軸30Aの軸芯がずれている形態とすることもできる。
第1の回転軸30A1と第2の回転軸30A2は、x方向に並列させることができる。第1の回転軸30A1に設けられる搬送ディスク(30B、30C)は、左側に搬送小ディスク30Bが、右側に搬送大ディスク30Cが向くように形成され、これに対し、次の第2の回転軸30A2に設けられる搬送ディスク(30B、30C)は、右側に搬送小ディスク30Bが、左側に搬送大ディスク30Cが向くように形成され、x方向に隣接する搬送ディスク間で、図9に示すように、搬送小ディスク30Bと搬送大ディスク30Cとが対向するように配置されている。
搬送軸は、回転軸30Aにその長手方向に沿って搬送ディスク(30B、30C)が多数、等間隔で設けられている形態とすることもできる。しかしながら、これに限るものではない。
この態様では、第1の回転軸30Aと第2の回転軸30A、及び相互に近接する4体の搬送ディスク(30B、30C)間で挟まれた領域が間隙30D(図9参照)となる。
また、別の実施の形態として、搬送ディスク各々は、最大径が異なるディスクを複数重ねて一体化して形成されたものであり、最大径が異なるディスク各々の外周がなす形状が三角形、四角形、五角形及び六角形から選ばれる多角形である形態とすることもできる。
また、同図(b)に示すように第1の回転軸30A1に多数設けられた搬送ディスク30E1各々と、第2の回転軸30A2に多数設けられた搬送ディスク30E2各々とは相互に対向して配されていない形態であってもよい。例えば、第1の回転軸30A1に間隔を空けて設けられた搬送ディスク30E1各々に対して、その間隔に搬送ディスク30E2各々が配置されるようにしてもよい。
なお、これら多数の搬送ディスク30Eの配列は第3の回転軸30A、第4の回転軸30A、・・・、第nの回転軸30Aについても同様に配されてもよい。
投入フィーダー30を稼働させると、多数の回転軸30Aは、図8に示す曲線矢印の向きに回転を継続する。回転速度については可変に調節することができる。搬送コンベア9により搬送された解砕物が、投入フィーダー30の上流側に導かれると、解砕物(搬送材料300)は搬送ディスク(30B、30C)の形状及び回転力により下流側上方へ跳ね上がり、バウンドしながら下流側に順次移動する。また、バウンドを繰り返すことで、搬送材料300は分散化され、投入フィーダー30の一部にのみ搬送材料300による負荷がかかるのを防止できる。すなわち、例えば図7~図9に示す例では、ほぼ三角形の搬送ディスクが回転すると、外周面と回転軸芯との離間距離が変化するので、クラフト紙やプラスチックフィルムなどを跳ね上げながら投入フィーダー30の下流側に送り込む。
本実施形態では搬送面37を、下流側を上に向けた傾斜状態に設置している。重量物PWは跳ね上がらない又は跳ね上がりが弱いので、搬送面37の上流端から下方に転がり落ち、下流端から下方に集められる。この重量物PWは、例えばフォークリフト2を用いて、再び1軸解砕装置10に投入される。
重量物PWが除かれた搬送材料300のうち比較的、細切れのクラフト紙やプラスチックフィルム等(アンダーサイズPU)は、搬送過程で間隙30Dから重力により透過する。当該アンダーサイズPUのうちプラスチックフィルムは、例えば、集められ樹脂再生物の原料として再利用されたり、燃料として利用されたりする。また、細切れのクラフト紙は、集められ燃料として利用される。
さらにアンダーサイズPUが除かれた搬送材料300は、搬送面37の下流端に順次移動される。下流端から落下したこの搬送材料(オーバーサイズPO)は主に比較的面積の大きいクラフト紙からなり、その他多くはないがプラスチックフィルムも含まれる。これらオーバーサイズPOは次に続く弁別工程に導かれる。
オーバーサイズPOの分画は、適宜選択することができるが、例えば、25cm2分画基準とすることができる。
重量物PWは跳ね上がらない又は跳ね上がりが弱いので、搬送面37を傾斜させることで上流側から下方に転がり落ち、他の搬送材料300と分離される。結果として、搬送材料300は重量物PW、アンダーサイズPU、及びオーバーサイズPOに確実に分離される。なお、重量物PW、特に未解砕の重包装袋は再度1軸解砕装置10に投入される。
また、図18(a)において、回転軸30A相互の離間間隔38x、回転軸30Aに設けられた搬送ディスク相互の離間間隔38yは、分離対象物と所望の大きさ基準で分離できるよう適宜調節することができる。一例として、回転軸30A相互の離間間隔38xを45cm~65cm、回転軸30Aに設けられた搬送ディスク相互の離間間隔38yを40cm~60cmとすることができる。しかしながら、この範囲に限るものではない。
搬送ディスク(30B、30C)の回転速度は、100min-1~200min-1であることが好ましい。また、120min-1~180min-1であることがより好ましい。100min-1を下回ると搬送材料300が搬送ディスク(30B、30C)間に多量に挟まれる原因となり、搬送材料300の確実な分離が行われなくなる。200min-1を上回ると搬送ディスク(30B、30C)の回転力が大き過ぎ、搬送材料300の跳ね上がり及びバウンドが乱雑になったり、直ちに搬送面27の下流端に達してしまったりして確実な分離が行われなくなる。
搬送ディスクの回転速度については、投入フィーダー30の上流部、下流部で異なる回転速度にすることができる。例えば、投入フィーダー30の搬送方向の、中点より上流部に位置する搬送ディスクの回転速度を、中点より下流部に位置する搬送ディスクの回転速度よりも小さいものとするとよい。このようにすると、上流部においては回転速度が比較的小さいので、重量物PWとそれ以外(アンダーサイズPUとオーバーサイズPO(請求項における「残分」をいう。))を確実に分離できる。下流部においては回転速度が比較的大きいので投入フィーダー30に搬送材料300が留まる時間を短縮でき、効率的な処理速度を達成できる。
また、別の実施形態として投入フィーダー30の幅方向の両端縁と上方を覆うケーシングを設けてもよい。搬送材料300が幅方向の端縁から脱落することを防止でき、搬送材料300から発生する粉塵等の投入フィーダー30外部への飛散を防止できる。
第1の投入フィーダー30では搬送材料300の下流端までの到達時間が相対的に短い。第1の投入フィーダー30の搬送面37は傾斜しているので、重量物PWは跳ね上がらない又は跳ね上がりが弱く下流側に進まず、第1の投入フィーダーの上流から下方に転がり落ち、下流端から下方に集められる。一方、第1の投入フィーダーの回転速度は相対的に大きく搬送材料300は前方上方へ跳ね上げられ、下流端までの到達時間が短いため、アンダーサイズPUの一部は、間隙30Dから重力により透過される。しかしながら、残りのアンダーサイズPUは透過されずに第1の投入フィーダー30の下流端に達してしまう。結果としてアンダーサイズPUの一部とオーバーサイズPOが下流端に達する。この下流端に達したものを、「第1の残分」という。その後、これらオーバーサイズPOと一部のアンダーサイズPU(第1の残分)は第2の投入フィーダー30に投入される。
第2の投入フィーダー30では搬送材料300の滞留時間が相対的に長い。搬送材料300(主にオーバーサイズPOと一部のアンダーサイズPU)は第1の投入フィーダー30よりも時間をかけて分離されるので、この一部のアンダーサイズPUを確実に間隙30Dから力により透過させることになる。第2の投入フィーダーの搬送面37の下流端に達したオーバーサイズPOは、次の工程に投入される。
図29に示すように揺動機構として次の形態を一例として示すことができる。投入フィーダー30を揺動させるための揺動軸25が投入フィーダー30の下流部の幅方向の両側端から、それぞれ幅方向の外方に突出して備わる。同じく、揺動軸25が投入フィーダー30の上流部の幅方向の両側端から、それぞれ幅方向の外方に突出して備わる。これら4本の揺動軸を前後方向26(すなわち、図29に示す矢印26(x方向及び-x方向)に所定の振幅で動作させることにより投入フィーダー30を揺動させることができる。同様に、幅方向(y方向及び-y方向)に所定の振幅で動作させてもよい。さらに、投入フィーダー30を上下方向(z方向及び-z方向)に所定の振幅で揺動や上下動をさせてもよい。また、これら4本の揺動軸をxz平面上で円弧を描くように回転動作させることにより投入フィーダー30を揺動させることができる。別の揺動機構の形態として、投入フィーダー30全体を支持する支持部材を設け、この支持部材が揺動機構を有する形態とすることもできる。
投入フィーダー30の一例は、下流側が下り傾斜の振動フィーダーである。この投入フィーダー30では下流側に落下する過程で、幅方向に分散されるとともに、オーバーサイズPOの重なりを解除して分散化(個別化)が図られる。
なお、搬送コンベア9及び投入フィーダー30を設けない態様とすることもできる。この場合、投入フィーダー30により分離されたオーバーサイズPOは、直接、弁別(分別)装置40に投入される。
投入フィーダー30により分散されたオーバーサイズPOは、弁別(分別)装置40に投入される。
弁別(分別)装置40は、例えば、搬送コンベア41と、ハイパースペクトルカメラ43により材料を測定する材料測定手段とを有するのが望ましい。
また、個々の搬送物について、材料測定手段により測光した吸光度スペクトルに基づきセルロース成分が支配的であるか否かを判断する弁別手段45を有するのが望ましい。
ハイパースペクトルカメラ43は、搬送コンベア41の幅方向に設けても、搬送コンベア41の流れ方向に並べて設けても良いが、好ましくは、後工程におけるエアーによる吹き飛ばし仕分けとの連携動作精度を高め得る効果から、搬送コンベア41の幅方向に並列して設けることが好ましい。
この禁忌品の例示のように、「クラフト紙以外」のものは禁忌品であり、古紙パルプ原料とすることができないので古紙処理系から除外する必要がある。
ハイパースペクトルカメラ43は、可視光から短波赤外領域(SWIR)までの広い波長領域を細かい波長域で区分けし、それぞれの波長域での光強度(波長スペクトル)を取得することができる。例えば、近赤外線(750~1700nm近傍)領域も撮影可能である。符号46は可視光から近赤外領域までの波長をもつ光源である。
物質を構成している分子は、様々な運動をしており、運動している分子に光をあてると、運動状態に合わせて特定の波長の光のみが吸収される。吸収される赤外線領域の波長は、分子を構成する原子間距離と振動方向によって決まった値になり、分子の種類を的確に表す特徴的な波長分布になる。反射・吸収された波長分布(吸収スペクトル)を調べることによって、測定対象物がどのような分子を含んでいるかを知ることが可能である。かかる原理によって、材料(材質)を測定することができる。
ちなみに、セルロース成分が支配的である、すなわちクラフト紙である蓋然性が高い場合、近遠赤外線の反射波の強度波形が1440~1490nmの範囲に深い谷を有する波形として明確に現れる。
これに対し、樹脂成分が支配的である場合には、波形谷が1670nm近辺、1730nm近辺に現れ、しかも、谷部の波形も材質特有なものを示す。したがって、樹脂間でも材料(材質)の弁別が可能である。
仕分けには人手により行うこともできるが、自動化手段を使用するのが望ましい。
実施の形態では、エアコンプレッサー(図示せず)からのエアーによる吹き飛ばし仕分けを行うようにしてある。
また、回収の方向を図示例のように搬送方向に区分するほか、搬送コンベア41の下流部で幅方向外側に向けてエアーによる吹き飛ばしを行い仕分け及び回収を行うこともできる。また、エアーによる吹き飛ばしを搬送コンベア41上で行うようにしてもよい。
さらに、プラスチックフィルムを仕分け及び回収するために、搬送コンベア41の横方向外方に向けてエアーによる吹き飛ばしを行うこともできる。
プラスチックフィルムの比重はクラフト紙の比重よりも小さいことを利用し、搬送コンベア41でプラスチックフィルムのみをエアーにより吹き飛ばすと好ましい。エアーの風圧を適宜調節することで、クラフト紙を吹き飛ばさず、プラスチックフィルムを吹き飛ばすことが可能である。
さらに、搬送コンベア41で搬送されるクラフト紙とプラスチックフィルムのなりを判別するため、図32に示すように搬送コンベア41の幅方向端縁にハイパースペクトルカメラ43を別途設けても良い。
回収されたプラスチックフィルム12は、再び樹脂原料として、又は熱エネルギー用の燃料として利用できる。段ボール古紙パルプを製造する場合、既存の又は公知のパルプ製造設備で製造できるが、以下の実施の形態で製造するのが最適である。
この実施の形態を要すれば次のとおりである。
(1)回収されたクラフト紙からなる古紙の乾式の解砕工程
(2)高濃度パルパーによる離解工程
(3)リフラー型スクリーンによるスラッシング工程を含む粗選工程
(4)前段クリーナー、ホールスクリーン、スリットスクリーン、後段クリーナーの順の第2粗選工程
(5)脱水工程
(6)精選工程でのホールスクリーンリジェクトは、ローターと丸穴円筒バスケットからなる離解分散と、スリットスクリーン及び又はドラムスクリーンの精選リジェクト回収工程
を有するものである。
例えば35mm幅に裁断された解砕物は、高濃度パルパー62により好ましくは連続高濃度パルパー、より好ましくは蒸気を得ながら、又は、離解促進剤、アルカリ性薬品、ピッチ封鎖剤、脱墨剤等を添加して離解される。
上記の高濃度パルパーを用いた場合、強度の強いクラフト紙の離解が容易になる。さらに、クラフト紙とプラスチックフィルムが接着剤により接着されている原料が混入した場合、前記接着剤の異物を微細化できるため、クラフト紙とプラスチックフィルムが分離し易く、クラフト紙のみ原料として利用できる。
クラフト紙由来の古紙に含まれる重量異物は、分離機78により分離される一方で、タンク63に一旦貯蔵される。続いて、第1粗選工程を実施ためのフラッシュソーター(リフラー型スクリーン)からなる分別機64により異物分離を行い、タンク65に貯蔵される。その後、タンク67に送る。
続いて、前段クリーナー68により重量異物を除去し、ホールスクリーン69に送り、残存するプラスチックフィルムやラミネートなどを分離し、タンク72に貯蔵する。
その後、スリットスクリーン73により細かな異物除去を行い、タンク74に貯蔵する。
続いて、後段クリーナー75により、細かな異物除去を行い、フィルター76、例えばドラム式パルプレスフィルターにより脱水を図り、古紙パルプとしてタンク77に仮貯蔵する。
他方で、第1粗選工程でのホールスクリーン69のリジェクト分は、ローターと丸穴円筒バスケットからなる、離解と分別の両方の機能を有する離解分散機(コンビソーター)71に供給される。同離解分散機(コンビソーター)71ではリジェクト中の繊維分が回収される。
白色古紙80aは、パルパー80により離解され、ターボセパレーター81、高濃度クリーナー82及び粗選スクリーン83により粗選される、続いて、プレフローテーター84により脱墨された後、クリーナー85、スクリーン86により精選され、脱水機87により脱水される。その後、ホットディスパーザー88により異物除去を行い、過酸化水素タワー89にて漂白処理され、ポストフローテーター90により脱墨された後、脱水機91により脱水され、高濃度ポンプ92により高濃度タワー93から抄紙機(図示せず)へ送給される。
[態様1]
分散化手段により分散された搬送物群を搬送コンベア上に乗せて搬送し、搬送コンベア上に対向して、ハイパースペクトルカメラを設置する古紙パルプ原料の製造方法。
分散化手段により分散された搬送物群を搬送コンベア上に乗せて搬送し、搬送コンベア上に対向して、ハイパースペクトルカメラを設置するとともに、
搬送物群が搬送コンベア上から排出される時点で、排出搬送物をエアーで吹き付けて飛ばす分別ノズルを設け、前記判断基準に基づいて飛ばす位置を区別することにより仕分けを行う、
古紙パルプ原料の製造方法を提供できる。
近遠赤外線の反射波の強度波形が1440~1490nmの範囲に深い谷を有する波形の場合を、セルロース成分が支配的であると弁別する、
古紙パルプ原料の製造方法を提供できる。
2軸解砕装置は、
軸芯回りに回転する実質的に平行な少なくとも2本の第1支持軸及び第2支持軸を有し、
前記各支持軸に、径方向外側に突出する解砕刃が前記軸芯方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記解砕刃は、少なくとも外周部に鉤状部を有し、かつ、前記軸芯方向に沿う解砕刃群の鉤状部の位置が軸芯回り方向に相違しており、
前記解砕刃を有する前記支持軸がケーシング内に配置されており、
前記梱包品を解砕する過程で、前記解砕刃が前記包装袋を切り裂く、
構成である。
前記解砕物を分離する投入フィーダーは、
前記解砕物を大きさ基準で分離するものであり、
回転軸にその長手方向に沿って搬送ディスクが離間して多数設けられて搬送軸を形成し、
前記搬送軸が平行に搬送方向に離間して多数設けられて搬送面が形成され、かつ、この搬送面に間隙が形成され、
前記搬送ディスクは、その外周面がなす軌跡の各点と前記回転軸芯との離間距離が段階的に、大から小に変化し、その後小から大に変化する外周面を有し、
前記搬送面が水平面に対して上方に傾斜しており、
分離対象物を前記搬送面に沿って搬送する過程で、分離対象物の一部を、前記搬送面の間隙を重力で透過させ、透過しないものを前記残分とする、
構成である。
前記投入フィーダーにより分離された前記残分はクラフト紙とポリチューブを有し、この残分について、下記の弁別工程を含む弁別工程と、
この弁別工程は、
(1)前記残分を搬送方向に分散させる分散化手段と、
(2)分散化手段により分散された搬送物群について、ハイパースペクトルカメラにより前記搬送物群の材料を測定する材料測定手段とを有し、
(3)個々の搬送物について、前記材料測定手段により測光した吸光度スペクトルに基づき、セルロース成分又は樹脂成分が支配的であるか否かを判断する弁別工程と、を有し、
前記弁別工程による判断基準に基づき仕分けを行う仕分け工程と、
を順に有し、
前記仕分け工程においては、(4)セルロース成分が支配的である場合には、前記クラフト紙である、(5)樹脂成分が支配的である場合には、前記プラスチックフィルムである、として仕分けを行う、
古紙パルプ原料の製造方法。
この場合、次の工程を有する構成とすることができる。
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕する1軸破砕工程。前記1軸破砕工程からの破砕された少なくとも紙分を多軸破砕装置により破砕処理する多軸破砕工程。
1軸解砕装置10の破砕物は、搬送コンベア15、16によって投入コンベア8に送られ、2軸解砕装置20によって解砕されるものである。
2軸解砕装置20以降のフローは、図1の場合と同様とすることができる。
10 1軸解砕装置
20 2軸解砕装置
30 投入フィーダー
40 弁別(分別)装置
50 仕分け装置
Claims (5)
- 外側紙袋内にプラスチック袋が設けられた包装袋から古紙パルプを製造する方法であって、
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕し、
破砕された少なくとも紙分を多軸破砕装置により破砕処理し、
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする、
ことを特徴とする古紙パルプ原料の製造方法。 - 外側紙袋内にプラスチック袋が設けられた包装袋から古紙パルプを製造する方法であって、
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕する1軸破砕工程と、
前記1軸破砕工程で破砕された少なくとも紙分を集合してベールとするベール工程と、
前記ベール工程でのベールを多軸破砕装置により破砕処理する多軸破砕工程と、
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする原料化工程と、
を有することを特徴とする古紙パルプ原料の製造方法。 - 外側紙袋内にプラスチック袋が設けられた包装袋から古紙パルプを製造する方法であって、
前記包装袋を1軸破砕装置により破砕処理して、紙袋及びプラスチック袋を破砕する1軸破砕工程と、
前記1軸破砕工程からの破砕された少なくとも紙分を多軸破砕装置により破砕処理する多軸破砕工程と、
破砕した破砕物を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする原料化工程と、
を有することを特徴とする古紙パルプ原料の製造方法。 - さらに、
前記破砕した破砕物について、ハイパースペクトルカメラにより測光した吸光度スペクトルに基づき、セルロース成分又は樹脂成分が支配的であるか否かを弁別する弁別工程と、
を有し、
前記弁別工程で弁別したセルロース成分を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の古紙パルプ原料の製造方法。 - さらに、
前記破砕した破砕物を大きさ基準で分離する分離工程と、
前記分離工程で分離された大サイズ分について、ハイパースペクトルカメラにより測光した吸光度スペクトルに基づき、セルロース成分又は樹脂成分が支配的であるか否かを弁別する弁別工程と、
を有し、
前記弁別工程で弁別したセルロース成分を古紙パルプ製造工程に供給する原料とする、
請求項1~3のいずれか1項に記載の古紙パルプ原料の製造方法。
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