JP7200710B2 - 薬剤鑑査装置 - Google Patents

薬剤鑑査装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7200710B2
JP7200710B2 JP2019016396A JP2019016396A JP7200710B2 JP 7200710 B2 JP7200710 B2 JP 7200710B2 JP 2019016396 A JP2019016396 A JP 2019016396A JP 2019016396 A JP2019016396 A JP 2019016396A JP 7200710 B2 JP7200710 B2 JP 7200710B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inspection
drug
sachets
medicine
sachet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019016396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020121057A5 (ja
JP2020121057A (ja
Inventor
光一 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuyama Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Yuyama Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuyama Manufacturing Co Ltd filed Critical Yuyama Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2019016396A priority Critical patent/JP7200710B2/ja
Publication of JP2020121057A publication Critical patent/JP2020121057A/ja
Publication of JP2020121057A5 publication Critical patent/JP2020121057A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7200710B2 publication Critical patent/JP7200710B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、薬剤の数量を鑑査するための薬剤鑑査装置に関する。
従来、下記特許文献1に開示されているような錠剤検査システムが提供されている。下記特許文献1に開示されている錠剤検査システムでは、粒状やカプセル状などの形状の固形薬剤を一包分ずつ分包紙に分包し、供給することが可能とされている。また、下記特許文献1に係る錠剤検査システムでは、分包紙に分包された状態において固形薬剤を撮像し、これにより得られた画像に基づいて固形薬剤の数量を鑑査することができる構成とされている。
特開平7-200770号公報
ここで本発明者らが、鑑査精度の更なる向上を図ることを検討したところ、多くの薬剤には刻印や識別コード等の印が表面及び裏面に付されおり、これを活用すれば鑑査精度の向上に貢献できるとの知見を得た。具体的には、例えば上述した特許文献1に係る錠剤検査システム等においては、固形薬剤が分包紙により形成された分包袋を撮影して得られた画像に基づいて分包されている薬剤の色や形、数量を導出して鑑査できるものとされている。しかしながら、特許文献1の錠剤検査システム等においては、例えば刻印や識別コード等の印が表面及び裏面に付されたことによる外観の違い等、薬剤の表面及び裏面の外観の異同に着目した鑑査がなされていない。そのため、従来技術においては、人手による鑑査を行わねばならないケースが多くなる傾向にあった。
ここで、本発明者らが全ての分包袋に収容されている薬剤について、薬剤の表面及び裏面の外観に着目した鑑査を行おうとしたところ、鑑査に要する時間が長くなってしまうという懸念が生じた。かかる知見に基づき、薬剤の表面及び裏面の外観に着目した鑑査を行いつつ、鑑査に要する時間をより一層短縮したいという、新たな課題が生じた。
そこで、本発明は、分包袋に収容された薬剤について表面及び裏面の外観の異同に着目した鑑査を行いつつ、鑑査に要する時間を最小限に抑制可能な薬剤鑑査装置の提供を目的とした。
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤鑑査装置は、薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された前記分包袋を撮影可能な撮影部と、鑑査の対象となる薬剤についての情報を蓄積した薬剤情報データベースと、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている前記薬剤の外観に関する外観情報を導出し、分包されている前記薬剤の種類及び数量が処方通りであるかを前記外観情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている情報に基づいて鑑査する外観鑑査を実行可能とされた鑑査処理部とを備えており、複数の前記分包袋からなり、前記分包袋のそれぞれに共通して分包されるべき共通薬剤が含まれている分包袋群について鑑査する場合に、前記鑑査処理部が、前記共通薬剤を前記外観鑑査の対象とし、前記分包袋群をなす前記分包袋をそれぞれ、前記撮影部によって前記鑑査部に対して一の方向から撮影した画像を用いて導出された外観情報、及び前記薬剤情報データベースに登録されている情報のうち、分包される可能性がある薬剤についての情報に基づいて前記外観鑑査を行うものであり、鑑査対象とされた前記分包袋群をなす前記分包袋のうち少なくとも一つについての前記画像から前記外観鑑査の対象とされた前記共通薬剤の第一の向きについての前記外観情報が導出され、残りの前記分包袋についての前記画像に前記共通薬剤の第一の向きを除く前記共通薬剤の第二の向きについての外観情報が導出されることを条件として、前記共通薬剤が、前記分包袋群をなす前記分包袋のそれぞれに分包されているとの判断を行うことを特徴とするものである。
本発明の薬剤鑑査装置では、分包袋にそれぞれ分包されている種類が共通している薬剤を外観鑑査の対象として鑑査する場合に、鑑査対象とされた分包袋群をなす分包袋のうち少なくとも一つについての画像から、外観鑑査の対象とされた共通薬剤の第一の向き(例えば表面)についての外観情報が導出され、残りの分包袋についての画像から、前述の第一の向きを除く第二の向き(例えば裏面)についての外観情報が導出されることを、外観鑑査の対象とされた薬剤が、分包袋群をなす分包袋のそれぞれに分包されているとの判断を行うための判定条件としている。また、本発明の薬剤鑑査装置では、薬剤情報データベースに登録されている情報のうち、分包される可能性がある薬剤についての情報を参照して外観鑑査を行うこととしており、外観鑑査を高速化しつつ、高い鑑査精度を確保できる。従って、本発明によれば、分包袋に収容された薬剤について第一の向き及び第二の向きの外観の異同に着目し、信憑性の高い鑑査を行いつつ、鑑査に要する時間を最小限に抑制可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
また、本発明の薬剤鑑査装置では、鑑査部に対して一の方向から撮影部によって撮影された画像が、外観情報を導出するために用いられる。そのため、本発明の薬剤鑑査装置では、一方の面が透明であり、他方の面が不透明な分包袋に分包された薬剤であったとしても、分包袋の透明な面の側から撮影を行うことにより、外観鑑査の対象とされた薬剤が、分包袋群をなす分包袋のそれぞれに分包されているか否かの鑑査を行える。
なお、本発明及び以下の説明において、「外観」とは、色彩や、形状、大きさ、模様(印刷情報、刻印、割線等の薬剤に付された情報を含む)等を指す。
(2)本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋群が、分包されている前記薬剤の数量及び種類が同一である複数の前記分包袋からなるものの鑑査において、好適に利用できる。
(3)本発明の薬剤鑑査装置は、前記外観情報が、鑑査対象とされた前記薬剤の形状に関する情報、模様に関する情報、色彩に関する情報、又はこれらの組み合わせに関する情報であると良い。
かかる構成によれば、分包袋に収容された薬剤について表面及び裏面の形状や、模様、色彩、又はこれらの組み合わせの異同に着目した外観鑑査を行うことができる。従って、本発明の薬剤鑑査装置によれば、より一層高精度な外観鑑査を行える。なお、薬剤に付された「模様」とは、例えば薬剤に付された刻印や割線、印刷により付された文字、図形、記号、コード等を指し、平面的(二次元的)なもの、立体的なもの(三次元的なもの)を含むものである。また、「形状」とは、薬剤の剤形や大きさ等、薬剤の外観をなす形全般を指す。
本発明の薬剤鑑査装置は、前記外観情報が、鑑査対象とされた前記薬剤に付された印であると良い。
かかる構成によれば、鑑査対象とされた薬剤に付された刻印や識別コード等の印の異同に着目した外観鑑査を行える。従って、本発明の薬剤鑑査装置によれば、一層高精度な外観鑑査を行える。
(4)本発明の薬剤鑑査装置は、前記分包袋として、一方の面が透明であり、他方の面が不透明なものが供給されることを条件として、前記鑑査部に配置された前記分包袋を前記透明な面側から撮影した画像が前記外観鑑査に用いられるものであると良い。
かかる構成によれば、一方の面が透明であり、他方の面が不透明な分包袋に分包された薬剤であったとしても、外観鑑査の対象とされた薬剤が、分包袋群をなす分包袋のそれぞれに分包されているか否かを精度良く鑑査できる。
(5)本発明の薬剤鑑査装置は、前記鑑査処理部が、前記撮影部によって得られた画像に基づいて、前記分包袋に収容されている前記薬剤の数量が処方通りであるかを鑑査する数量鑑査を実行可能なものであると良い。
かかる構成によれば、分包袋に分包されている数量の観点からも鑑査を行えるため、より一層鑑査精度を向上させることができる。
本発明によれば、分包袋に収容された薬剤について表面及び裏面の外観の異同に着目した鑑査を行いつつ、鑑査に要する時間を最小限に抑制可能な薬剤鑑査装置を提供できる。
(a)は本発明の一実施形態に係る薬剤鑑査装置の斜視図であり、(b)は制御装置を示すブロック図である。 図1(a)に示した薬剤鑑査装置の内部構造を示した斜視図である。 図2のA-A断面図である。 薬品情報検出制御の各段階において得られる画像の一例を示した画像図である。 薬品情報検出制御に係るフローチャートである。 共通薬剤が含まれている分包袋群についての鑑査方法の一例を示したフローチャートである。 種類鑑査の実施方法の一例を示したフローチャートである。 模様鑑査の実施方法の一例を示したフローチャートである。 総合判定処理の実施方法の一例を示したフローチャートである。 (a)は薬剤情報データベースに登録されてるマスターデータの一例を模式的に示したもの、(b)は薬剤情報データベースにおける採用薬と非採用薬との関係を示した模式図である。 共通薬剤が含まれている分包袋群についての鑑査方法について説明するための説明図である。 共通薬剤が含まれている分包袋群についての鑑査方法について説明するための説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤鑑査装置10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、薬剤鑑査装置10の構成、及び薬剤鑑査処理について大略を説明した後、薬剤鑑査装置10において詳細の説明が必要な部分について別途説明する。
≪薬剤鑑査装置10の構成の大略について≫
薬剤鑑査装置10は、分包紙に一服用分ずつ分包された状態で供給された鑑査対象の薬剤の数量及び種類を、一包ずつ鑑査する装置である。図1に示すように、薬剤鑑査装置10は、筐体10aの側面に鑑査対象の薬剤を導入するための導入部10bを有し、正面に操作パネル10cを有する。薬剤は、透光性を有する分包紙によって包装され、外部から視認可能な状態で薬剤鑑査装置10に供給される。また、薬剤鑑査装置10は、一服用分の薬剤を包装した分包袋が複数、連続するように形成された分包袋連続体の状態で分包袋を供給し、各分包袋について順次鑑査を行うことができる。
図1~図3に示すように、薬剤鑑査装置10は、搬送手段20、鑑査部30、撮影部40、照明装置50、及び制御装置60等を備えている。搬送手段20は、薬剤を分包してなる分包袋連続体を取り込み、搬送するためのものである。搬送手段20は、従来公知のベルトコンベア、ローラコンベア等によって形成することが可能である。本実施形態では、搬送手段20としてベルトコンベアが採用されている。搬送手段20は、鑑査部30に対して搬送方向上流側に設けられた供給検知装置(図示せず)により分包紙によって形成された分包袋連続体が検知された場合に、後に詳述する制御装置60の制御の下で動作し、分包袋連続体を順次下流側に向けて搬送する。また、搬送手段20は、下流端に設けられた排出検知装置(図示せず)により、分包紙の分包袋連続体の末端が鑑査部30よりも下流側に排出されたことが確認された場合に、動作を停止する。
鑑査部30は、鑑査対象の薬剤が分包袋に収容された状態で配置される部分である。図3に示すように、鑑査部30は、分包袋が配置される撮影用ステージ32を有する。撮影用ステージ32は、透光性を有する板体によって形成されており、一包分の分包袋を搭載可能な大きさを有する。撮影部40は、鑑査部30に配置された分包袋及びこれに収容されている薬剤を撮影するためのものである。図2に示すように、撮影部40は、鑑査部30の真上に配置されている。
照明装置50は、鑑査部30に配置された分包袋を照明するためのものである。照明装置50は、正面側照明装置52(図2参照)と背面側照明装置54(図3参照)とを有する。正面側照明装置52は、鑑査部30に配置された分包袋を撮影部40側、すなわち鑑査部30の上方側から照射するためのものである。正面側照明装置52は、いかなる照明装置によって構成されていても良いが、本実施形態では拡散光を発生させることが可能な照明装置が用いられている。背面側照明装置54は、鑑査部30に配置された分包袋を背面側、すなわち鑑査部30を介して撮影部40とは反対側(下方)から照射するためのものである。背面側照明装置54は、撮影用ステージ32の略全体を照明領域とするものであり、撮影用ステージ32上に搭載された分包袋全体を背面側から照明することができる。
制御装置60は、コンピュータに対してソフトウェアをインストールすることにより、コンピュータ上に実現されている。制御装置60は、各分包袋に収容されている薬剤が処方通りであるかを鑑査する薬剤鑑査処理の処理を実行する鑑査処理部としての機能等を発揮できる。すなわち、制御装置60は、例えば、撮影部40によって得られた画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤数量を導出できる。また、制御装置60は、分包袋に収容されている薬剤の外観に関する外観情報を導出し、分包されている薬剤の種類が処方通りであるかを外観情報に基づいて鑑査する外観鑑査を行い、処方通りの種類の薬剤が分包されているかを鑑査できる。
具体的には、制御装置60は、薬剤の画像をマスター画像として蓄積した薬剤情報データベース62を備えている。制御装置60は、薬剤情報データベース62に登録されているマスター画像と、撮影部40によって取得された薬剤の画像とをマッチングする処理(画像マッチング処理)を実行し、分包袋に処方通りに薬剤が包装されているか否かを鑑査する薬剤鑑査処理を実行できる。薬剤鑑査処理は、分包袋に分包されている薬剤の種類についての鑑査(薬種照合鑑査)や、分包袋に包装されている薬剤の数量についての鑑査(数量照合鑑査)等、様々な観点の鑑査をいずれか一つ単独で行うものであっても、複数組み合わせて行うものであっても良い。
薬剤鑑査処理において、画像マッチング処理のために必要とされる分包袋内に収容されている薬剤の画像や、薬剤に関する情報(大きさや形状、刻印等の情報)は、種々の方法により取得することができるが、例えば、例えば以下に例示する薬品情報検出制御のような方法により行うと良い。
≪薬品情報検出制御≫
薬品情報検出制御は、正面側照明装置52をオン状態として撮影部40により撮影された正面側照明画像と、背面側照明装置54をオン状態として撮影部40により撮影された背面側照明画像とを用いて実施される。正面側照明画像は、図4(a)に示すように分包袋を正面視した状態の画像であり、薬剤及び分包袋に付されている印字が写った画像となる。また、背面側照明画像は、図4(b)に示すように薬剤の影と分包袋に付されている印字とが写った画像となる。制御装置60は、正面側照明画像及び背面側照明画像に基づき、分包袋内に収容されている薬剤の画像を抽出し、この薬剤の画像に基づいて薬剤情報を検出する。
図5に示すように、薬品情報検出制御は、大別して薬剤候補領域抽出工程(ステップ1-1)、印字候補領域抽出工程(ステップ1-2)、印字領域特定工程(ステップ1-3)、薬剤領域導出工程(ステップ1-4)、及び鑑査領域規定工程(ステップ1-5)の各工程を経て実施される。
ステップ1-1において実施される薬剤候補領域抽出工程は、撮影部40により取得した画像から、薬剤が含まれている領域を薬剤候補領域A(図4(c)参照)として抽出する工程である。薬剤候補領域抽出工程は、例えば、背面側照明画像をグレイ画像化した画像を用いる等、様々な画像処理技術を用いて実現すると良い。また、ステップ1-2において実施される印字候補領域抽出工程は、分包袋に付された印字が含まれている領域を印字候補領域Bとして抽出する工程である。印字候補領域抽出工程は、例えば、正面側照明画像を活用する等して、様々な画像処理により実現すると良い。
ステップ1-3において実施される印字領域特定工程は、印字候補領域B(図4(e)参照)に含まれている印字に相当する領域を印字領域Cとして特定する工程である。印字領域特定工程は、例えば背面側照明画像における輝度分布に基づき画像処理すること等により行うと良い。また、ステップ1-4において実施される薬剤領域導出工程は、薬剤領域Xを導出する工程である。薬剤領域Xの導出は、例えば、ステップ1-1において導出された薬剤候補領域Aから、ステップ1-3において導出された印字領域Cを差し引く処理により行うと良い。また、ステップ1-5において実施される鑑査領域規定工程は、薬剤領域導出工程において導出された薬剤領域Xに基づき、鑑査対象となる領域を規定する工程である。
上述したようにして、撮影部40により撮影された画像から、鑑査対象となる分包袋に収容されている薬剤の画像領域を画定することにより、薬剤の画像や、薬剤に関する情報(大きさや形状、刻印等の情報)を取得することができる。これにより得られた画像や情報に基づいて画像マッチング処理等を行うことにより、薬剤鑑査処理を行うことができる。
以下、薬剤鑑査装置10において詳細の説明が必要な部分について、順を追って説明する。
薬剤鑑査装置10は、複数の分包袋からなり、分包袋のそれぞれに共通して分包されるべき共通薬剤が含まれている分包袋群についての鑑査を、例えば、上述した薬品情報検出制御による結果を活用しつつ、図6~図9に示すようなフローに則って行うことができる。このような鑑査方法は、例えば、分包されている薬剤の数量及び種類が同一である複数の分包袋からなる分包袋群の鑑査等において好適である。以下、図6~図9を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
(ステップ2-1)
上述した図6に示すフローに則って鑑査を行う場合には、先ずステップ2-1において、鑑査対象である分包袋群を構成するN包分(Nは2以上の自然数)の分包袋のうち、1包目であることを認識すべく、制御装置60は、包数を示す変数n(nは1以上N以下の自然数)を1に設定する。分包袋群を構成する分包袋の包数Nは、薬剤分包装置から取得される情報や処方情報に基づいて設定される。その後、制御装置60は、フローをステップ2-2に進める。
(ステップ2-2)
ステップ2-2において、制御装置60は、n包目の分包袋に収容されている薬剤について、数量鑑査を行う。数量鑑査は、n包目の分包袋に収容されている薬剤の数量を導出し、処方データと照合することにより鑑査を行う。ステップ2-2の数量鑑査において薬剤の数量を導出する方法はいかなる方法によって行われても良いが、例えば、上述した薬品情報検出制御により薬剤の画像領域として画定された領域の数を算出することにより導出すると良い。ステップ2-2において数量鑑査が完了すると、制御装置60は、フローをステップ2-3に進める。
(ステップ2-3)
ステップ2-3において、制御装置60は、n包目の分包袋に収容されている薬剤の種類についての鑑査を行う。薬剤の種類についての鑑査は、様々な方法により行うことができるが、例えば、正面側照明装置52をオン状態として撮影部40により撮影された正面側照明画像を用い、後述する図7に示したフローに則って行うことで、薬剤の外観に基づいて薬剤の種類についての鑑査(外観鑑査)を活用して、種類の鑑査(種類鑑査)を行うと良い。また、種類鑑査を行う場合には、薬剤情報データベース62に登録されている情報のうち、分包される可能性がある薬剤(採用薬)についての情報に参照範囲を限定して外観鑑査を行い、分包される可能性のない薬剤(非採用薬)についての情報を参照範囲から外して外観鑑査を行うと良い(図10(b)の概念図参照)。具体的な鑑査フローとしては、例えば、後に詳述する図7の制御フロー等に則って薬剤の種類についての鑑査を行うと良い。薬剤の種類についての鑑査が完了すると、制御装置60は、フローをステップ2-4に進める。
(ステップ2-4)
ステップ2-4において、制御装置60は、包数を示す変数nが、分包袋群を構成する包数に相当するNに到達しているかを確認する。制御装置60は、変数nがN未満である場合にフローをステップ2-5に進め、変数nがNに達している場合にフローをステップ2-6に進める。
(ステップ2-5)
ステップ2-5において、制御装置60は、変数nを1加算する処理を行う。その後、制御装置60は、フローをステップ2-2に戻す。これにより、次の包についての鑑査に移行する。
(ステップ2-6)
上述したステップ2-4において、変数nがNである場合には、鑑査対象である分包袋群をなす全ての分包袋について、数量鑑査及び種類鑑査が完了した状態である。そこで、ステップ2-6において、制御装置60は、N包分の分包袋の鑑査結果に基づき、分包袋群全体についての鑑査結果の判定(以下、「総合判定処理」とも称す)を行う。総合判定処理は、様々な方法によって行えるが、例えば、後に詳述する図9のフローに則って行うと良い。ステップ2-6において総合判定処理が完了すると、図6に示した一連の制御フローが完了する。
続いて、上述したステップ2-2において、薬剤の外観鑑査を行うことにより分包されている薬剤の種類が処方通りであるか否かを鑑査する種類鑑査の制御フローについて、その一例を図7に則って説明する。
なお、図7に示した鑑査フローにおいては、薬剤情報データベース62に登録されている情報のうち、分包される可能性がある薬剤(採用薬)についての情報に参照範囲を限定し、分包される可能性のない薬剤(非採用薬)についての情報については参照範囲から外して鑑査を行う(図10(b)の概念図参照)。また、「分包される可能性がある薬剤」とは、例えば、別途設けられた薬剤分包装置(図示せず)において分包用として準備されている薬剤等とすることができる。
(ステップ3-1)
図7のフローに則って種類鑑査を行う場合には、先ずステップ3-1において、制御装置60は、分包袋に収容されている薬剤の形や大きさ等の形状についての鑑査(形状鑑査)を行う。形状鑑査は、いかなる方法によって行われても良いが、例えば、上述した薬品情報検出制御により薬剤の画像領域として画定された領域の形状と、処方されている薬剤の形状に関するデータとして薬剤情報データベース62に登録されている情報とを照合することにより鑑査すると良い。ステップ3-1において形状鑑査が完了すると、制御装置60は、フローをステップ3-2に進める。
(ステップ3-2)
ステップ3-2において、制御装置60は、分包袋に収容されている薬剤の色彩についての鑑査(色彩鑑査)を行う。色彩鑑査は、いかなる方法によって行われても良いが、例えば、正面側照明画像を用い、上述した薬品情報検出制御により薬剤の画像領域として画定された領域内の色彩情報を導出することによって分包袋に収容されている薬剤の色彩を特定し、特定された色彩と、薬剤情報データベース62に登録されている情報と照合することにより鑑査すると良い。ステップ3-2において色彩鑑査が完了すると、制御装置60は、フローをステップ3-3に進める。
ステップ3-3において、制御装置60は、分包袋に収容されている薬剤に付されている模様についての鑑査(模様鑑査)を行う。ここで、「模様」とは、例えば、例えば薬剤に付された刻印や割線、印刷により付された文字、図形、記号、コード等を指し、平面的(二次元的)なもの、立体的なもの(三次元的なもの)を含むものである。模様鑑査は、いかなる方法によって行われても良いが、例えば、上述した薬品情報検出制御により薬剤の画像領域として画定された領域内において模様を構成している要素を抽出すること等により、薬剤に付されている模様を特定し、特定された模様と、薬剤情報データベース62に登録されている模様に関する情報とを照合することにより鑑査すると良い。ステップ3-3の模様鑑査は、正面側照明装置52をオン状態として撮影部40により撮影された正面側照明画像を用いて行われる。また、ステップ3-3の模様鑑査は、後に詳述する図8に示したフローに則って行われる。ステップ3-3において模様鑑査が完了すると、図7に示した一連の制御フローが完了する。
続いて、上述したステップ3-3において行われる模様鑑査の流れについて、図8を参照しつつ説明する。
(ステップ4-1)
上述したステップ3-3の模様鑑査を行う場合には、先ずステップ4-1において、鑑査対象として鑑査部30に実際に配置されている分包袋内に収容されている各薬剤について、正面側照明画像に写っている模様を導出する画像処理を行う。ステップ4-1が完了すると、制御装置60は、フローをステップ4-2に進める。
(ステップ4-2)
ステップ4-2において、制御装置60は、ステップ4-1において導出された各薬剤の模様が、処方されている薬剤が第一の方向(第一方向)に向いた状態で見える模様であるのか否かを照合する処理(第一方向照合処理)を行う。例えば、鑑査対象とされる薬剤が表側、及び裏側の面を有する薬剤である場合には、表側の面に付された模様であるのか否かを照合を行う。また、例えばカプセル剤のように表裏のない薬剤である場合には、この薬剤を所定の姿勢で正面視した状態で見える模様であるか否かの照合を行う。かかる処理はいかなる方法によって行われても良いが、例えば、処方データ、及び様々な薬剤の外観に係るマスター画像を登録した薬剤情報データベース62を参照し、正面側照明画像から割り出された模様と照合する処理を行う等すると良い。ステップ4-2の第一方向照合処理が完了すると、制御装置60は、フローをステップ4-3に進める。
(ステップ4-3)
ステップ4-3において、制御装置60は、ステップ4-1において導出された各薬剤の模様が、処方されている薬剤について、ステップ4-2において照合したのとは異なる第二の方向(第二方向)に向いた状態で見える模様であるのか否かを照合する処理(第二方向照合処理)を行う。例えば、鑑査対象とされる薬剤が表側、及び裏側の面を有する薬剤である場合には、裏側の面に付された模様であるのか否かの照合を行う。また、例えばカプセル剤のように表裏のない薬剤である場合には、ステップ4-2において照合された面とは異なる見え方をする面に付された模様であるか否かの照合を行う。かかる処理はいかなる方法によって行われても良いが、例えば、処方データ、及び様々な薬剤の外観に係るマスター画像を登録した薬剤情報データベース62を参照し、正面側照明画像から割り出された模様と照合する処理を行う等すると良い。ステップ4-2の第二方向照合処理が完了すると、制御装置60は、フローをステップ4-4に進める。
(ステップ4-4~ステップ4-6)
ステップ4-4において、制御装置60は、ステップ4-2において行った第一方向照合処理、あるいはステップ4-3において行った第二方向照合処理のいずれかにおいて適正であるとの照合結果が得られたか、鑑査対象とされている各薬剤について確認する処理を行う。第一方向照合処理及び第二方向照合処理のいずれか一方について適正と判断された薬剤について、制御装置60は、模様鑑査の鑑査結果が適正であると判断する(ステップ4-5)。一方、第一方向照合処理及び第二方向照合処理の双方とも不適正と判断された薬剤について、制御装置60は、模様鑑査の鑑査結果が不適正であると判定する(ステップ4-6)。ステップ4-5あるいはステップ4-6において模様鑑査の鑑査結果が出ると、図9に示した一連の制御フローが完了する。
続いて、上述したステップ2-6において行われる、分包袋群全体についての鑑査結果の判定(総合判定処理)について説明する。総合判定処理は、分包袋群をなす各分包袋について、上述した図7及び図8に則って行った鑑査結果に基づき、図9に示したフローに則って行われる。以下、図9を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
(ステップ5-1)
上述したステップ2-6において分包袋群全体についての鑑査結果の判定を行う場合には、先ずステップ5-1において、制御装置60は、分包袋群をなす各分包袋について、ステップ2-2における数量鑑査の結果、不良と判定された分包袋の有無について確認する。その後、制御装置60は、ステップ5-2にフローを進める。
(ステップ5-2)
ステップ5-2において、制御装置60は、ステップ2-3における種類鑑査の結果、不良と判定された分包袋の有無について確認する。その後、制御装置60は、ステップ5-3にフローを進める。
(ステップ5-3)
ステップ5-3において、鑑査対象とされた分包袋群をなす分包袋のそれぞれに共通して分包されるべき共通薬剤について、図7のステップ3-3において、制御装置60は、図8のフローに則って行った模様鑑査の実施結果について検証する。具体的には、分包袋群全体として模様鑑査の実施結果を検証した場合に想定される結果として、以下の4つのパターンが想定される。
(1)第一方向照合処理が適正であった分包袋しか含まれていないケース。
(2)第二方向照合処理が適正であった分包袋しか含まれていないケース。
(3)第一方向照合処理が適正であった分包袋と、第二方向照合処理が適正であった分包袋が混在しているケース。
(4)第一方向照合処理、あるいは第二方向照合処理において不適正であった分包袋が存在しているケース。
ステップ5-3においては、鑑査対象とされた分包袋群について行った模様鑑査の実施結果が、上述した(1)~(4)のうち、(4)のケースは模様鑑査が不適正である薬剤が含まれているとして、鑑査結果を出力すべきケースである。上記(3)のケースは、分包袋群全体として見ると、共通薬剤の第一方向、及び第二方向の双方について確認されており、共通薬剤以外の薬剤が分包されている可能性が極めて低いと考えられる。これに対し、上記(1)及び(2)のケースは、分包袋群全体として見ると、共通薬剤の第一方向、及び第二方向のいずれか一方についてしか確認されておらず、薬剤師による目視鑑査等を行うことが好ましいケースと考えられる。そのため、上記(1)及び(2)のケースでは、例えば目視鑑査等を促す報知をする等して、薬剤師等に警告を出すことが好ましい。また、上記(4)のケースでは、分包されている薬剤が不適切であることを示す鑑査結果を示す必要がある。このようにして、制御装置60は、模様鑑査の実施結果についての検証を行う。その後、制御装置60は、フローをステップ5-4に進める。
(ステップ5-4)
制御装置60は、ステップ5-4において鑑査結果を出力する。鑑査結果の出力は、例えば、各分包袋への印刷や、薬剤鑑査装置10に付属あるいは別途接続されたモニタやプリンタ等の出力装置等による出力等の方法で行われる。また、ステップ5-4における鑑査結果の出力は、例えば、ステップ5-1における数量鑑査の結果確認において、いずれの分包袋についても処方通りの数量の薬剤が分包されていると確認された場合に、その旨の出力を行うことにより行われる。また、数量が処方すべき数量と相違している薬剤が存在している場合には、例えば、どの分包袋においてどの薬剤の数量が相違しているかを出力することにより鑑査結果の出力が行われる。また、ステップ5-2における種類鑑査の結果確認において、いずれの分包袋についても処方通りの種類の薬剤が分包されていると確認された場合には、その旨の出力を行うことにより鑑査結果の出力が行われる。また、処方すべき薬剤の種類と相違している薬剤が分包されている場合には、例えば、どの分包袋においてどの種類の薬剤が誤って分包されているかを出力することにより鑑査結果の出力が行われる。
また、ステップ5-3において行った共通薬剤についての模様鑑査の実施結果において、第一方向照合処理が適正であった分包袋しか含まれていないケース(上記(1))、あるいは第二方向照合処理が適正であった分包袋しか含まれていないケース(上記(2))においては、例えば目視鑑査等をさらに行うことが好ましい旨の出力を行う。また、第一方向照合処理、あるいは第二方向照合処理において不適正であった分包袋が存在しているケース(上記(4))においては、分包されている薬剤が不適切である旨の出力を行う。また、第一方向照合処理が適正であった分包袋と、第二方向照合処理が適正であった分包袋が混在しているケース(上記(3))においては、共通薬剤についての模様鑑査が適正な実施結果で行われたとの出力を行う。上述したようにして鑑査結果の出力が完了すると、図9に示した一連の制御フローが完了する。
具体例には、例えば、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤をそれぞれ1つずつ、1包に分包した分包袋を一服用分として、朝食後に服用するものとして3日分分包した分包袋群X(図11参照)と、昼食後に服用するものとして3日分分包した分包袋群Y(図12参照)とが処方された場合を例に挙げ、説明する。この例においては、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤のいずれも、分包袋群Xをなす各分包袋X1~X3に共通して分包されるべき薬剤(共通薬剤)である。同様に、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤のいずれも、分包袋群Yをなす各分包袋Y1~Y3において共通薬剤である。薬剤鑑査装置10は、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤をはじめ様々な薬剤の情報が登録されている薬剤情報データベース62から、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤についての情報を参照する。薬剤情報データベース62は、例えば、薬剤の名称や、薬剤の大きさ、形状、色、模様(刻印や印刷等)等をはじめとし、様々な情報が登録されているものとすることができる。A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤についての外観情報は、図@10(a)に図示したようなものであり、薬剤情報データベース62にマスターデータとして登録されている。
薬剤鑑査装置10は、薬剤情報データベース62を参照しつつ、上述したようにして、分包袋群X,Yを構成する各分包袋X1~X3及び各分包袋Y1~Y3について、実際に分包されている薬剤の数量及び種類が、それぞれ処方通りであるか否かの鑑査を行う。図11に示すように、分包袋群Xをなす分包袋X1~X3については、薬剤の数量及び種類がそれぞれ処方通りである。また、分包袋群Xにおいて共通薬剤であるA薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤のいずれについても、各分包袋X1~X3において第一方向照合処理が適正であったものと、第二方向照合処理が適正であったものとが混在している。そのため、分包袋群Xについては、A薬剤、B薬剤、C薬剤、D薬剤のいずれの薬剤についても、模様鑑査の実施結果について適正である。従って、制御装置60は、分包袋群Xについては、各分包袋X1~X3に処方通りに各薬剤が分包されていると共に、模様鑑査の実施結果についても適正であるとの判定を行う。
一方、分包袋群Yをなす分包袋Y1~Y3について検討すると、図12に示すように、A薬剤については、分包袋Y1~Y3のいずれにおいても、形状、色彩についての鑑査結果は良好である。分包袋Y2について、制御装置60は、A薬剤の数量が処方通りでないとの判定を行う。また、分包袋Y1において第一方向(表面)についての模様鑑査が行われ、分包袋Y3において第二方向(裏面)についての模様鑑査が行われており、いずれも良好な鑑査結果が得られている。しかしながら、2包目の分包袋Y2においてA薬剤の数量が足りていない(A薬剤が分包されていない)。そのため、制御装置60は、分包袋Y1~Y3のうち、分包袋Y1及びY3においては、処方通り数量及び種類を間違えることなくA薬剤が分包されているものの、分包袋Y2においてA薬剤が不足している旨の鑑査結果を出力する。
また、分包袋群YにおいてB薬剤に着目すると、分包袋Y1~Y3のいずれにおいても、数量、及び形状、色彩についての鑑査結果は良好である。しかしながら、分包袋Y1~Y3のいずれの模様鑑査においても、B薬剤の第二方向(裏面)についてしか模様鑑査が行えておらず、B薬剤の第一方向(表面)についての模様鑑査が行えていない。そのため、分包袋群YにおけるB薬剤についての模様鑑査は、上記(2)のケースのように、第二方向照合処理が適正であった分包袋しか含まれていないケースに該当し、例えば薬剤師による目視鑑査等により、確認を行うことが好ましい状態にある。そのため、制御装置60は、分包袋群Yにおいて、処方通り数量を間違えることなくB薬剤を分包できている可能性が高いが、第一方向及び第二方向のうち一方(この例においては第二方向のみ)しか模様鑑査を行えていない旨の出力を行う。
また、分包袋群YにおいてC薬剤について着目すると、分包袋Y1~Y3のいずれにおいても、数量、及び形状、色彩についての鑑査結果は良好である。また、分包袋Y1~Y3のうち、分包袋Y2においてC薬剤の第一方向(表面)についての模様鑑査が行われ、分包袋Y1,Y3においてC薬剤の第二方向(裏面)についての模様鑑査が行われている。そのため、分包袋群Y全体として、上記(3)のように第一方向照合処理が適正であった分包袋と、第二方向照合処理が適正であった分包袋が混在しているケースに該当する。従って、制御装置60は、分包袋群YにおいてC薬剤が各分包袋Y1~Y3にそれぞれ処方通り分包されているとの出力を行う。
また、分包袋群YにおいてD薬剤について着目すると、分包袋Y1~Y3のいずれにおいても、数量、及び形状、色彩についての鑑査結果は良好である。また、分包袋Y1~Y3のうち、分包袋Y2,Y3においては、D薬剤の第二方向についての模様鑑査が行われ、適正であるとの判断が行われている。しかしながら、分包袋Y1については、D薬剤の第一方向についての模様鑑査、及び第二方向についての模様鑑査の双方とも不良との判定が行われている。具体的には、D薬剤を第一の方向から見たときには、「RR」との印字や刻印からなる模様が見えるはずであるが、実際には「PP」との印字や刻印からなる模様が見えていることから、第一の方向についての模様鑑査が「不良」とされる。また、D薬剤を第二の方向から見たときには、印字や刻印等の模様が存在しないはずであるが、実際には「PP」との印字や刻印からなる模様が見えていることから、第二の方向についての模様鑑査についても「不良」とされる。この結果に基づき、制御装置60は、分包袋Y1において形状及び色彩が同一であるものの、模様が異なるD薬剤に類似した薬剤が誤って分包されているとの判定を行う。そのため、制御装置60は、D薬剤については、分包袋Y2,Y3において処方通り分包されているものの、分包袋Y1においては異なる種類の薬剤が分包されているとの出力を行う。
上述したように、本実施形態の薬剤鑑査装置10においては、撮影部40によって得られた正面側照明画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の外観に関する外観情報を導出し、外観情報と、薬剤情報データベース62に登録されている外観に関するマスターデータとを照合することにより、処方通りに薬剤が分包されているか否かを鑑査(外観鑑査)することができる。また、薬剤鑑査装置10は、共通薬剤が含まれている分包袋群について鑑査する場合に、それぞれの分包袋を鑑査部30に対して一の方向から撮影した正面側照明画像を用いて模様を導出して鑑査できる。また、分包袋群をなす各分包袋について行った模様鑑査の実施結果を検証し、第一方向照合処理が適正であった分包袋と、第二方向照合処理が適正であった分包袋が混在しているケース(上記(3)に相当)については、処方された共通薬剤が適正に各分包袋に分包されていると判断することとしている。従って、本実施形態の薬剤鑑査装置10によれば、分包袋に収容された薬剤について表面及び裏面の外観の異同に着目した鑑査を行いつつ、鑑査に要する時間を最小限に抑制できる。
また、薬剤鑑査装置10では、鑑査部30に対して一の方向から撮影部40によって撮影された正面側照明画像が、外観情報を導出するために用いられる。そのため、本実施形態の薬剤鑑査装置10では、一方の面が透明であり、他方の面が不透明な分包袋に分包された薬剤であったとしても、分包袋の透明な面の側から撮影を行うことにより、外観鑑査の対象とされた薬剤が、分包袋群をなす分包袋のそれぞれに分包されているか否かの鑑査を行える。
上述した薬剤鑑査装置10は、上述した例のように、分包されている薬剤の数量及び種類が同一である複数の分包袋からなる分包袋群の鑑査に好適に用いることができる。
また、薬剤鑑査装置10は、上述したように撮影部40によって得られた画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の数量が処方通りであるかを鑑査する数量鑑査を実行可能なものであると良い。このようにすることで、数量の観点からも鑑査を行うことができ、鑑査精度のより一層の向上が図れる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、薬剤鑑査装置10は、数量鑑査を行わないものであっても良い。
本実施形態の薬剤鑑査装置10においては、種類鑑査(外観鑑査)を、鑑査対象とされた薬剤の形状に関する情報、模様に関する情報、色彩に関する情報の3つの観点に基づいて行うこととしている。従って、薬剤鑑査装置10によれば、種類鑑査(外観鑑査)を精度良く行える。なお、本実施形態では、薬剤の形状、模様、色彩の各要素について、それぞれ別個に鑑査を行う例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部又は全部の要素を複合的に鑑査するようにしても良い。
本実施形態の薬剤鑑査装置10は、模様鑑査において薬剤に付された刻印や識別コード等の印を指標として鑑査を行うこととしている。これにより、例えば形状や色彩の観点では外観が同一あるいは類似と判断されるような薬剤であっても、印を指標として相違するものとして鑑査できる。そのため、上述したように鑑査対象とされた薬剤に付された刻印や識別コード等の印の異同に着目した種類鑑査(外観鑑査)を行うこととにより、鑑査精度の向上が図れる。なお、例えば、いわゆるQRコード(登録商標)や二次元コード等の識別標識が薬剤に印刷等により付されている場合は、専用のコードリーダー等を備えておくことにより、画像を使わず、薬剤の種類(薬種)をコード情報から直接特定するようにしても良い。
また、上記実施形態では、撮影部40によって得られた画像に基づいて、分包袋に収容されている薬剤の外観に関する外観情報を導出し、分包されている薬剤の種類及び数量の双方が処方通りであるかを外観情報、及び薬剤情報データベース62に登録されている情報に基づいて鑑査する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、薬剤鑑査装置10は、薬剤の種類及び数量のいずれか一方が処方通りであるかを、外観情報、及び薬剤情報データベース62に登録されている情報に基づいて鑑査するようにしても良い。
本発明は、上述した実施形態、及び各実施形態について変形例として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明は、薬剤が処方通りに分包されているか否かを鑑査するための薬剤鑑査装置全般において好適に利用できる
10 :薬剤鑑査装置
10b :導入部
30 :鑑査部
40 :撮影部
60 :制御装置(鑑査処理部)
62 :薬剤情報データベース

Claims (5)

  1. 薬剤を収容した分包袋を撮影することにより得られた画像に基づいて、前記薬剤の種類及び数量のいずれか一方又は双方が処方通りであるかを鑑査するものであり、
    複数の前記分包袋からなり、前記分包袋のそれぞれに共通して分包されるべき共通薬剤が含まれている分包袋群について鑑査する場合に、
    鑑査対象とされた前記分包袋群をなす前記分包袋のうち少なくとも一つについての前記画像から前記共通薬剤の第一の向きについての外観情報、残りの前記分包袋の前記画像に前記共通薬剤の第一の向きを除く前記共通薬剤の第二の向きについての外観情報が導出されることを条件として、前記共通薬剤が、前記分包袋群をなす前記分包袋のそれぞれに分包されているとの判断を行うことを特徴とする薬剤鑑査装置。
  2. 前記分包袋群が、分包されている前記薬剤の数量及び種類が同一である複数の前記分包袋からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の薬剤鑑査装置。
  3. 前記外観情報が、鑑査対象とされた前記薬剤の形状に関する情報、模様に関する情報、色彩に関する情報、又はこれらの組み合わせに関する情報であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤鑑査装置。
  4. 前記分包袋として、一方の面が透明であり、他方の面が不透明なものが供給されることを条件として、
    前記分包袋を前記透明な面側から撮影した画像が前記鑑査に用いられることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
  5. 薬剤を収容した分包袋を撮影することにより得られた前記画像に基づいて、前記分包袋に収容されている前記薬剤の数量が処方通りであるかを鑑査する数量鑑査を実行可能であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の薬剤鑑査装置。
JP2019016396A 2019-01-31 2019-01-31 薬剤鑑査装置 Active JP7200710B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019016396A JP7200710B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 薬剤鑑査装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019016396A JP7200710B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 薬剤鑑査装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2020121057A JP2020121057A (ja) 2020-08-13
JP2020121057A5 JP2020121057A5 (ja) 2022-02-07
JP7200710B2 true JP7200710B2 (ja) 2023-01-10

Family

ID=71991701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019016396A Active JP7200710B2 (ja) 2019-01-31 2019-01-31 薬剤鑑査装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7200710B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012165876A (ja) 2011-02-14 2012-09-06 Karon:Kk 一包化薬剤の監査装置
WO2014129526A1 (ja) 2013-02-20 2014-08-28 株式会社湯山製作所 薬剤鑑査装置、及び薬剤分包システム
WO2018221065A1 (ja) 2017-05-30 2018-12-06 富士フイルム株式会社 薬剤検査支援装置及び薬剤検査支援方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3438925B2 (ja) * 1993-12-28 2003-08-18 三洋電機株式会社 錠剤検査システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012165876A (ja) 2011-02-14 2012-09-06 Karon:Kk 一包化薬剤の監査装置
WO2014129526A1 (ja) 2013-02-20 2014-08-28 株式会社湯山製作所 薬剤鑑査装置、及び薬剤分包システム
WO2018221065A1 (ja) 2017-05-30 2018-12-06 富士フイルム株式会社 薬剤検査支援装置及び薬剤検査支援方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020121057A (ja) 2020-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6521114B2 (ja) 薬剤鑑査装置
US20210082584A1 (en) Drug inspection apparatus and method
JP5888611B2 (ja) 薬剤鑑査装置、及び薬剤分包装置
JP5916032B2 (ja) 薬剤検査支援装置及び方法
CN110418627B (zh) 药剂识别装置、药剂识别方法及药剂识别程序
CN109073564B (zh) 药剂监查装置及方法以及记录介质
JP4256434B2 (ja) 分包薬剤の検薬方法と検薬装置
JP5163985B2 (ja) 粒状物品種検査装置
US8720790B2 (en) Method and apparatus for fractal identification
CN107920956B (zh) 药剂检查装置及方法以及记录介质
CN111031995A (zh) 药剂检查辅助装置、图像处理装置、图像处理方法以及程序
EP3678089A1 (en) Medicine inspection device, image processing device, image processing method, and program
JP7200710B2 (ja) 薬剤鑑査装置
CN111902843A (zh) 药剂判定装置以及边界凹部的检测方法
JP2014221134A (ja) 一包化薬剤鑑査装置
CN220243800U (zh) 用于将医疗产品装盒的装盒机系统

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220128

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221205

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7200710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150