JP7199521B2 - 導光素子および画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光を伝搬する導光素子、および、この導光素子を用いる画像表示装置に関する。
近年、非特許文献1に記載されるような、実際に見ている光景に、仮想の映像および各種の情報等を重ねて表示する、AR(Augmented Reality(拡張現実))グラスが実用化されている。ARグラスは、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD(Head Mounted Display))、および、ARメガネ等とも呼ばれている。
非特許文献1に示されるように、ARグラスは、一例として、ディスプレイ(光学エンジン)が表示した映像を、導光板の一端に入射して伝播し、他端から出射することにより、使用者が実際に見ている光景に、仮想の映像を重ねて表示する。
ARグラスでは、回折素子を用いて、ディスプレイからの光(投影光)を回折(屈折)させて導光板の一方の端部に入射する。これにより、角度を付けて導光板に光を導入して、導光板内で光を全反射して伝播させる。導光板を伝播した光は、導光板の他方の端部において同じく回折素子によって回折されて、導光板から、使用者による観察位置に出射される。
ARグラスにおいて、例えば、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三色の光の波長の光からなる映像をディスプレイから照射して、それぞれの光を回折させて導光板内に導光して回折素子によって導光板から、使用者による観察位置に出射させて、三色の光の画像を重畳して表示することで、カラー画像を表示することができる(特許文献1参照)。
国際公開第2017/180403号
Bernard C. Kress et al., Towards the Ultimate Mixed Reality Experience: HoloLens Display Architecture Choices, SID 2017 DIGEST, pp.127-131
本発明者らの検討によれば、カラー画像を表示するために、各色に対応する出射側の回折素子を重ねた配置した場合に、多重像が発生するという問題が生じることがわかった。
具体的には、ARグラスにおいて、例えば、RGBそれぞれの光からなる映像を重畳してカラー表示する場合に、例えば、G光は、G光を回折するためのG回折素子により回折されるとともに、R光を回折するR回折素子、および/または、B光を回折するためのB回折素子でも一部が回折されてしまう。その際、G回折素子と、R回折素子およびB回折素子とは、回折構造の周期が異なっている。ここで、周知のとおり、回折素子による回折角度は、回折素子の回折構造の周期、および、光の波長に依る。
そのため、G回折素子によって回折されたG光と、R回折素子によって回折されたG光と、B回折素子によって回折されたG光とはそれぞれ異なる角度に回折される。同様に、R光およびB光についても、対応する回折素子以外ではない回折素子によって一部が異なる角度に回折される。これによって多重像が視認されてしまう。
本発明の課題は、このような従来技術の問題点を解決することにあり、多重像の発生を抑制できる導光素子、および、この導光素子を用いる画像表示装置を提供することにある。
この課題を解決するために、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 導光板と、導光板に設けられる第1入射回折素子、第2入射回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子とを有し、
第1入射回折素子および第2入射回折素子は、入射した光を互いに異なる方向に回折して、導光板に入射させるものであり、
第1出射回折素子は、第1入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を導光板から出射させるものであり、
第2出射回折素子は、第2入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を導光板から出射させるものであり、
第1入射回折素子の回折構造の周期と第2入射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
第1出射回折素子の回折構造の周期と、第2出射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
第1出射回折素子と第2出射回折素子とは、導光板の主面の面方向において重複する位置に配置されており、
第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している導光素子。
[2] さらに、導光板に設けられる第1中間回折素子および第2中間回折素子を有し、
第1中間回折素子は、第1入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を、第1出射回折素子に向けて回折し、
第2中間回折素子は、第2入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を、第2出射回折素子に向けて回折し、
第1中間回折素子の回折構造の周期と、第2中間回折素子の回折構造の周期とが異なる[1]に記載の導光素子。
[3] 第1中間回折素子および第2中間回折素子はそれぞれ、表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかである[2]に記載の導光素子。
[4] 第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2とし、第1中間回折素子の回折構造の周期をΛe1とし、第2中間回折素子の回折構造の周期をΛe2とし、第1出射回折素子の回折構造の周期をΛo1とし、第2出射回折素子の回折構造の周期をΛo2とすると、
Λe1≦Λi1
Λe1≦Λo1
Λe2≦Λi2
Λe2≦Λo2
を満たす[2]または[3]に記載の導光素子。
[5] 第1入射回折素子、第2入射回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子はそれぞれ、表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかである[1]~[4]のいずれかに記載の導光素子。
[6] 偏光回折素子が、液晶化合物を含む組成物を用いて形成され、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する、液晶回折素子である[3]または[5]に記載の導光素子。
[7] 液晶回折素子が、液晶化合物の光学軸の向きが厚さ方向で捩じれ回転している領域を有する[6]に記載の導光素子。
[8] 液晶回折素子が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有する[6]または[7]に記載の導光素子。
[9] 液晶回折素子は、液晶化合物の光学軸が、液晶回折素子の主面に対して傾斜している構成を有する[6]~[8]のいずれかに記載の導光素子。
[10] 液晶回折素子は、液晶回折素子の主面の法線方向および法線に対して傾斜した方向から面内レタデーションを測定した際に、遅相軸面内および進相軸面内のいずれかにおいて、面内レタデーションが最小となる方向が法線方向から傾斜している[6]~[9]のいずれかに記載の導光素子。
[11] 第1入射回折素子と第2入射回折素子とが、積層されている[1]~[10]のいずれかに記載の導光素子。
[12] 第1入射回折素子と第2入射回折素子とが、導光板の面方向の異なる位置に配列されている[1]~[10]のいずれかに記載の導光素子。
[13] 第1出射回折素子と第2出射回折素子とが、積層されている[1]~[12]のいずれかに記載の導光素子。
[14] 第1入射回折素子、第2入射回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子の回折構造の周期が1μm以下である[1]~[13]のいずれかに記載の導光素子。
[15] 導光板に設けられる第3入射回折素子および第3出射回折素子を有し、
第3入射回折素子は第1入射回折素子とは、入射した光を互いに異なる方向に回折して、導光板に入射させるものであり、
第3出射回折素子は、第3入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を導光板から出射させるものであり、
第3入射回折素子の回折構造の周期は、第1入射回折素子および第2入射回折素子の回折構造の周期と異なり、
第3出射回折素子の回折構造の周期は、第1出射回折素子および第2出射回折素子の回折構造の周期と異なり、
第3出射回折素子は、第1出射回折素子および第2出射回折素子と、導光板の主面の面方向において重複する位置に配置されており、
第3出射回折素子の回折構造の周期方向と、第1出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している[1]~[14]のいずれかに記載の導光素子。
[16] 第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2、第3入射回折素子の回折構造の周期をΛi3とすると、
Λi3≦Λi1≦Λi2
を満たす[15]に記載の導光素子。
[17] [1]~[16]のいずれかに記載の導光素子と、
導光素子の第1入射回折素子および第2入射回折素子に画像を照射する表示素子と、を有する画像表示装置。
[18] 表示素子が、円偏光を照射する[17]に記載の画像表示装置。
[19] 導光素子の第1入射回折素子に画像を照射する第1表示素子と、
導光素子の第2入射回折素子に画像を照射する第2表示素子と、を有し、
第1表示素子が照射する光の中心波長と、第2表示素子が照射する光の中心波長とが互いに異なる[17]または[18]に記載の画像表示装置。
本発明によれば、多重像の発生を抑制できる導光素子、および、この導光素子を用いる画像表示装置を提供することができる。
本発明の導光素子を用いる画像表示装置の一例を概念的に示す正面図である。 図1に示す画像表示装置を概念的に示す下面図である。 図1に示す画像表示装置を概念的に示す側面図である。 回折素子の配置の一例を説明するための図である。 回折素子の配置の他の例を説明するための図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 本発明の導光素子の他の一例を説明するための図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 本発明の導光素子の他の一例を概念的に示す正面図である。 表面レリーフ型回折素子を概念的に示す断面図である。 体積ホログラム型回折素子を概念的に示す正面図である。 液晶回折素子を説明するための概念図である。 図15に示す液晶回折素子の平面図である。 図15に示す液晶回折素子の作用を説明するための概念図である。 液晶回折素子の別の例を概念的に示す図である。 図18に示す液晶回折素子の平面図である。 図18に示す液晶回折素子の作用を説明するための概念図である。 図18に示す液晶回折素子の作用を説明するための概念図である。 図15に示す液晶回折素子の配向膜を露光する露光装置の一例の概念図である。 多重像の発生を説明するための図である。 液晶回折素子の他の例を説明するための概念図である。 液晶回折素子の他の例を説明するための概念図である。
以下、本発明の導光素子および画像表示装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートおよびメタクリレートのいずれか一方または双方」の意味で使用される。
本明細書において、可視光は、電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380~780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域および780nmを超える波長域の光である。
またこれに限定されるものではないが、可視光のうち、420~490nmの波長域の光は青色光であり、495~570nmの波長域の光は緑色光であり、620~750nmの波長域の光は赤色光である。
[導光素子および画像表示装置]
本発明の導光素子は、
導光板と、導光板に設けられる第1入射回折素子、第2入射回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子とを有し、
第1入射回折素子および第2入射回折素子は、入射した光を互いに異なる方向に回折して、導光板に入射させるものであり、
第1出射回折素子は、第1入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を導光板から出射させるものであり、
第2出射回折素子は、第2入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を導光板から出射させるものであり、
第1入射回折素子の回折構造の周期と第2入射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
第1出射回折素子の回折構造の周期と、第2出射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
第1出射回折素子と第2出射回折素子とは、導光板の主面の面方向において重複する位置に配置されており、
第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している導光素子である。
さらに、本発明の導光素子は、
導光板に設けられる第1中間回折素子および第2中間回折素子を有し、
第1中間回折素子は、第1入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を、第1出射回折素子に向けて回折し、
第2中間回折素子は、第2入射回折素子によって回折され、導光板内を伝搬された光を、第2出射回折素子に向けて回折し、
第1中間回折素子の回折構造の周期と、第2中間回折素子の回折構造の周期とが異なる導光素子であることが好ましい。
本発明の画像表示装置は、
上述の導光素子と、
導光素子の第1入射回折素子および第2入射回折素子に画像を照射する表示素子と、を有する画像表示装置である。
本発明の画像表示装置は、二色以上の画像を表示するものである。
図1~図3に、本発明の導光素子を用いる本発明の画像表示装置の一例を概念的に示す。なお、図1は正面図であり、画像表示装置10を使用者Uによる観察側とは逆側の面から見た図である。図2は下面図であり、画像表示装置10を図1の紙面の下方向から見た図である。図3は側面図であり、画像表示装置10を図1の紙面右手側から見た図である。
図1に示す画像表示装置10は、好適な一例として、ARグラスとして利用されるものである。なお、本発明の導光素子は、ARグラス以外にも、透明スクリーン、照明装置(液晶ディスプレイのバックライトなどを含む)、および、センサー等の光学素子にも利用可能である。また、本発明の画像表示装置は、これらの光学素子を用いる画像表示装置にも利用可能である。
図1~図3に示す画像表示装置10は、表示素子12と、導光板16、導光板16に設けられる、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24a、および、第2出射回折素子24bを有する導光素子14とを有する。なお、図1において表示素子12の図示を省略している。
画像表示装置10は、表示素子12が表示した画像(画像に対応する光)を、所定の波長領域ごとに第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bによって互いに異なる方向にそれぞれ回折して、導光板16に入射する。第1入射回折素子18aによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第1中間回折素子20aに入射する。第1中間回折素子20aに入射した光は、第1出射回折素子24aに向けて回折され、導光板16内を全反射して伝搬し、第1出射回折素子24aに入射して、第1出射回折素子24aによって回折されて、導光板16から出射される。また、第2入射回折素子18bによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第2中間回折素子20bに入射する。第2中間回折素子20bに入射した光は、第2出射回折素子24bに向けて回折され、導光板16内を全反射して伝搬し、第2出射回折素子24bに入射して、第2出射回折素子24bによって回折されて、導光板16から出射される。
第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bは、導光板16の主面の面方向(以下、単に「面方向」ともいう)に重複して配置されているため、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bによって回折されて出射される光は、同じ位置で導光板16から出射して、使用者Uによる観察に供される。これにより、2色のカラー表示を行うことができる。
本発明の導光素子は、第1中間回折素子20aおよび第2中間回折素子20b、ならびに、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bによって光を回折する際に、回折素子の複数個所で光の一部を回折する構成とすることで視域を拡大(射出瞳拡大)することができる。
[表示素子]
表示素子12は、使用者Uが観察する画像(映像)を表示して、画像を第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bに照射するものである。従って、表示素子12は照射する画像が第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bに入射するように配置される。図1~図3に示す例では、表示素子12は、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bに対面して配置されている。
本発明の画像表示装置10において、表示素子12には制限はなく、ARグラス等に用いられる公知の表示素子(表示装置、プロジェクター)が、各種、利用可能である。表示素子12としては、一例として、ディスプレイと投映レンズとを有する表示素子が例示される。
本発明の画像表示装置10において、ディスプレイには、制限はなく、例えば、ARグラス等に用いられる公知のディスプレイが、各種、利用可能である。
ディスプレイとしては、一例として、液晶ディスプレイ(LCOS:Liquid Crystal On Siliconなどを含む)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、および、DLP(Digital Light Processing)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いたスキャニング方式ディスプレイ等が例示される。
なお、ディスプレイは、図1~図3に示すように、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bが導光板の面方向の重複する位置に配置されている場合には、第1入射回折素子18aが回折する波長の光と第2入射回折素子18bが回折する波長の光とを用いて二色画像を表示するディスプレイが用いられる。
また、後述する図6に示すように、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bが面方向の重複しない位置に配置されている場合には、第1入射回折素子18aに単色画像を照射するディスプレイ(第1表示素子)と、第2入射回折素子18bに単色画像を照射するディスプレイ(第2表示素子)との2種のディスプレイが用いられる。2つのディスプレイが照射する画像の色(光の中心波長)は互いに異なるものとする。
この点に関しては、他の構成の場合も同様で、入射回折素子が面方向に複数重複して配置される場合には、各入射回折素子に応じた複数の波長の光を用いた多色の画像を表示するディスプレイが用いられる。また、入射回折素子が面方向に重複しない位置に複数配置される場合には、それぞれの入射回折素子に対応した波長の光の画像を表示する複数のディスプレイが用いられる。
また、入射回折素子が面方向に重複しない位置に複数配置される場合には、多色画像を表示するディスプレイから照射された光を各波長ごとに分光してそれぞれの入射回折素子に入射させる構成としてもよい。
本発明の画像表示装置10に用いられる表示素子12おいて、投映レンズも、ARグラス等に用いられる公知の投映レンズ(コリメートレンズ)である。
ここで、本発明の画像表示装置10においては、表示素子12による表示画像すなわち表示素子12が照射する光には、制限はないが、無偏光(自然光)または円偏光が好ましい。
表示素子12が円偏光を照射する際に、ディスプレイが無偏光の画像を照射する場合には、表示素子12は、例えば直線偏光子とλ/4板とからなる円偏光板を有するのが好ましい。また、ディスプレイが直線偏光の画像を照射する場合には、表示素子12は、例えばλ/4板を有するのが好ましい。
なお、表示素子12が照射する光は、他の偏光(例えば直線偏光等)であってもよい。
[導光板]
導光素子14において、導光板16は、内部に入射した光を反射して導光(伝搬)する、公知の導光板である。
導光板16には、制限はなく、ARグラスおよび液晶ディスプレイのバックライトユイット等で用いられている公知の導光板が、各種、利用可能である。
[回折素子]
導光素子14は、導光板16の主面に、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20aおよび第2中間回折素子20b、ならびに、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bを有する。主面とは、シート状物(板状物、フィルム等)の最大面である。なお、図示例においては、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bは、導光板16の同一の主面に設けられているが、各回折素子は、導光板16の主面であれば、異なる主面に設けられてもよい。
第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bとしては、各種の回折素子を用いることができる。なお、以下の説明において、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bを区別する必要がない場合には、まとめて回折素子ともいう。
これらの回折素子としては、表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかであることが好ましい。
偏光回折素子としては、液晶化合物を含む組成物を用いて形成された液晶回折素子であることが好ましい。また、液晶回折素子としては、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有することも好ましい。
各回折素子については後に詳述する。
回折素子は、例えば、表面レリーフ型回折素子の場合には、直線状の凹凸が交互に配列された繰り返しパターンを有する回折構造によって光を回折する。その際の回折角度は、光の波長、および、回折構造のパターンの周期等によって決まる。そのため、光の波長ごとに回折構造の周期が異なる回折素子を用いる必要がある。
例えば、表示素子が、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三色の光を照射する場合に、同一の回折構造周期を有する回折素子を用いて回折を行うと、R、G、Bそれぞれの波長の光の回折角度が異なるものとなるため、導光板16へ入射し、導光板16内を導光(全反射)する光の入射角度範囲がR、G、Bでそれぞれ異なるものとなり、R、G、Bが導光板16内で全反射する共通の入射角度範囲が狭くなるため、出射回折素子で回折されて出射させた際に、RGBの三色の画像が重畳して見える範囲が狭くなる等の問題が生じる。
そのため、RGBの三色の画像が適正に重畳してカラー画像として観察されるようにするために、画像表示装置において、表示素子12から、波長の異なる光を照射して多色画像(カラー画像)を表示する際に、RGBの各光に対応して、回折素子の回折構造の周期を変えて、RGBの各光が略同じ角度で回折させるようにする必要がある。
(入射回折素子)
第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bは、表示素子12が照射した光を回折して導光板16内に入射させるものである。なお、以下の説明において、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとを区別する必要がない場合には、まとめて入射回折素子ともいう。
図1に示す例では、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bは、導光板16の主面の、図1中の上方、左右方向の略中央位置に配置されている。第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは面方向に重複して配置されている。なお、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとを面方向に重複して配置する場合には、図4に示すように、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとを積層して配置してもよいし、図5に示すように、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとをそれぞれ導光板16の異なる主面に配置してもよい。
第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは、それぞれ異なる波長の光を回折するものである。従って、第1入射回折素子18aの回折構造の周期と第2入射回折素子18bの回折構造の周期とは互いに異なる。
第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは、表示素子12が照射する光の互いに異なる波長を、異なる方向に回折する。図1に示す例では、第1入射回折素子18aは入射した光を第1中間回折素子20aが配置された左方向に回折する。従って、第1入射回折素子18aの回折構造は図1にS1Aで示すように、パターンが左右方向に配列された構成を有する。
一方、第2入射回折素子18bは入射した光を第2中間回折素子20bが配置された右方向に回折する。従って、第2入射回折素子18bの回折構造は図1にS1Bで示すように、パターンが左右方向に配列された構成を有する。
なお、図1に示す例では、第1入射回折素子18aが有する回折構造のパターン(S1A)、および、第2入射回折素子18bが有する回折構造のパターン(S1B)は、それぞれ一部を示したものであり、実際には、入射回折素子の全面にわたって、回折構造のパターンが形成されている。この点については中間回折素子および出射回折素子についても同様である。
なお、図1に示す例のように、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとを面方向に重複する位置に配置する場合には、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bは、特定の波長のみを回折する波長選択性を有することが好ましい。第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bは、波長選択性を有さなくてもよい。
(中間回折素子)
第1中間回折素子20aは、第1入射回折素子18aによって回折され、導光板16内を伝搬された光を、第1出射回折素子24aに向けて回折するものである。
第2中間回折素子20bは、第2入射回折素子18bによって回折され、導光板16内を伝搬された光を、第2出射回折素子24bに向けて回折するものである。
なお、以下の説明において、第1中間回折素子20aと第2中間回折素子20bとを区別する必要がない場合には、まとめて中間回折素子ともいう。
図1に示す例では、第1中間回折素子20aは、導光板16の主面の、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの図1中の左側の位置に配置されている。また、第2中間回折素子20bは、導光板16の主面の、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの図1中の右側の位置に配置されている。
第1中間回折素子20aと第2中間回折素子20bとは、それぞれ異なる波長の光を回折するものである。従って、第1中間回折素子20aの回折構造の周期と第2中間回折素子20bの回折構造の周期とは互いに異なる。
図1に示す例では、第1中間回折素子20aは第1入射回折素子18aで回折され導光板16内を導光した光を第1出射回折素子24aが配置された右下方向に回折する。従って、第1中間回折素子20aの回折構造は図1にS2Aで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が右下向き)に配列された構成を有する。
第2中間回折素子20bは第2入射回折素子18bで回折され導光板16内を導光した光を第2出射回折素子24bが配置された左下方向に回折する。従って、第2中間回折素子20bの回折構造は図1にS2Bで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
(出射回折素子)
第1出射回折素子24aは、第1入射回折素子18aおよび第1中間回折素子20aによって回折され、導光板16内を伝搬された光を導光板16から出射させるものである。
第2出射回折素子24bは、第2入射回折素子18bおよび第2中間回折素子20bによって回折され、導光板16内を伝搬された光を導光板16から出射させるものである。
なお、以下の説明において、第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとを区別する必要がない場合には、まとめて出射回折素子ともいう。
図1に示す例では、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bは、導光板16の主面の、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの図1中の下側の位置に配置されている。第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとは面方向に重複して配置されている。なお、第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとを面方向に重複して配置する場合には、前述の入射回折素子の場合と同様に、第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとを積層して配置してもよいし、第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとをそれぞれ導光板16の異なる主面に配置してもよい。
第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとは、それぞれ異なる波長の光を回折するものである。従って、第1出射回折素子24aの回折構造の周期と第2出射回折素子24bの回折構造の周期とは互いに異なる。
図1に示す例では、第1出射回折素子24aは第1中間回折素子20aが回折し導光板16内を導光した光を図1の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第1出射回折素子24aの回折構造は図1にS3Aで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が右下向き)に配列された構成を有する。
第2出射回折素子24bは第2中間回折素子20bが回折し導光板16内を導光した光を図1の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第2出射回折素子24bの回折構造は図1にS3Bで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
ここで、図1に示すとおり、本発明の導光素子14において、第1出射回折素子24aの回折構造におけるパターンの配列方向(以下、周期方向ともいう)と、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向とは交差している。これにより、多重像の発生を抑制することができる。
この点について以下説明する。
ARグラス等に用いられる導光素子において、例えば、RGB三色の映像をディスプレイから照射して、それぞれの光を回折させて導光板内に導光して回折素子によって導光板から、使用者による観察位置に出射させて、三色の画像を重畳して表示することで、カラー画像を表示する際に、RGB各色に対応する出射側の回折素子を重ねた配置した場合には、図23に示すように、例えば、G光は、G光を回折するためのG回折素子204により回折されるとともに、R光を回折するR回折素子206、および/または、B光を回折するためのB回折素子208でも一部が回折されてしまう。その際、G回折素子204、R回折素子206およびB回折素子208は、それぞれ回折構造の周期が異なっている。そのため、G回折素子204によって回折されたG光と、R回折素子206によって回折されたG光と、B回折素子208によって回折されたG光とはそれぞれ異なる角度に回折されてしまう。これによって多重像が視認されてしまう。
これに対して、本発明の導光素子では、第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向と、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向とを交差して配置するため、例えば、第1出射回折素子24aによって回折される波長の光は、第2出射回折素子24bの回折構造に対して回折されにくい方向から入射する。そのため、第1出射回折素子24aによって回折される波長の光が、第2出射回折素子24bによって回折されることを抑制でき、多重像が発生することを抑制できる。同様に、第2出射回折素子24bによって回折される波長の光は、第1出射回折素子24aの回折構造に対して回折されにくい方向から入射する。そのため、第2出射回折素子24bによって回折される波長の光が、第1出射回折素子24aによって回折されることを抑制でき、多重像が発生することを抑制できる。
なお、多重像の発生をより好適に抑制できる観点から、第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向と、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向とのなす角度(交差角)は、30°~180°が好ましく、60°~180°がより好ましく、80°~180°がさらに好ましい。
ここで、出射回折素子の回折構造の周期方向は、出射回折素子を導光板上に配置し、出射回折素子の法線方向から光を入射したときに、導光板内に回折した光の回折光強度が大きい方の回折構造の周期方向を0°周期方向、回折強度が小さい方の回折構造の周期方向を180°周期方向とする。回折構造の周期方向同士のなす角は、第1出射回折素子24aの回折構造の0°周期方向と、第2出射回折素子24bの回折構造の0°周期方向とのなす角とする。
なお、図示は省略するが、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bは、貼合層によって導光板に貼り合わされている。
本発明において、貼合層は、貼り合わせの対象となる物同士を貼り合わせられる層であれば、公知の各種の材料からなる層が利用可能である。貼合層としては、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でも、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でも、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、貼合層は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、および、紫外線硬化型樹脂等の、光学装置および光学素子等でシート状物の貼り合わせに用いられる公知の層を用いればよい。
あるいは、貼合層で貼り合わせるのではなく、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bと導光板16とを積層して、枠体または治具等で保持して、本発明の導光素子を構成してもよい。
さらに、導光板16上に直接、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bを形成してもよい。
また、第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、前記第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2とし、前記第1中間回折素子の回折構造の周期をΛe1とし、前記第2中間回折素子の回折構造の周期をΛe2とし、前記第1出射回折素子の回折構造の周期をΛo1とし、前記第2出射回折素子の回折構造の周期をΛo2とすると、Λe1≦Λi1、Λe1≦Λo1、Λe2≦Λi2、Λe2≦Λo2を満たすことが好ましい。すなわち、中間回折素子の回折構造の周期は、入射回折素子および出射回折素子よりも小さいことが好ましい。
中間回折素子の回折構造の周期は、入射回折素子および出射回折素子よりも小さくすることで、好適に入射回折素子から中間回折素子を経て出射回折素子まで光を伝搬でき、導光板から使用者へ適切に光を出射することができる。
なお、入射回折素子の回折構造の周期、中間回折素子の回折構造の周期、および、出射回折素子の回折構造の周期には、制限はなく、各回折素子の位置関係等に応じて、適宜、設定すればよい。
第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bの回折構造の周期は1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましく、導光板16を全反射で伝播させる観点から、入射する光の波長λ以下がさらに好ましい。
ここで、図1に示す例では、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは、面方向に重複して配置される構成としたがこれに限定はされない。例えば、図6に示す例のように、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとが面方向に重複しない位置に配置される構成としてもよい。
図6に示す例において、第1入射回折素子18aは、導光板16の主面の、図1中の上方、左右方向の略中央の左側の位置に配置されている。第2入射回折素子18bは、導光板16の主面の、図1中の上方、左右方向の略中央の右側の位置に配置されている。
第1中間回折素子20aと第2中間回折素子20b、および、第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bの配置は基本的に図1と同様である。
図6に示す構成の場合には、画像表示装置は、前述のとおり、第1入射回折素子18aに、第1入射回折素子18aで回折される波長の光からなる単色画像を照射する表示素子と、第2入射回折素子18bに、第2入射回折素子18bで回折される波長の光からなる単色画像を照射する表示素子との2種の表示素子を有する構成とするのが好ましい。
また、図6に示すように第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとが面方向に重複しない位置に配置される構成の場合には、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bとして、波長選択性を有さない回折素子も好適に用いることができる。
また、図1に示す例では、入射回折素子、中間回折素子および出射回折素子をそれぞれ2種有する構成としたが、これに限定はされず、それぞれ3種以上の回折素子を有する構成としてもよい。
例えば、図7に示す例では、導光素子14bは、導光板16の主面に、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18c、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20bおよび第3中間回折素子20c、ならびに、第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cを有する。
図7において、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1中間回折素子20a、第2中間回折素子20b、第1出射回折素子24a、および、第2出射回折素子24bについては図1の構成および配置と同様の構成である。
図7において、第3入射回折素子18cは、第2入射回折素子18bと面方向の同じ位置に配置されている。また、第3中間回折素子20cは、第2中間回折素子20bと面方向の同じ位置に配置されている。また、第3出射回折素子24cは、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bと面方向の同じ位置に配置されている。
第3入射回折素子18cは、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bとは異なる波長の光を回折するものである。従って、第3入射回折素子18cの回折構造の周期は、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの回折構造の周期と異なる。
また、第3入射回折素子18cは、面方向の配置位置が第2入射回折素子18bと重複しており、第2入射回折素子18bと同じ方向(第3中間回折素子20cの方向)に光を回折する。すなわち、第3入射回折素子1cは、第1入射回折素子18aとは異なる方向に光を回折する。
図7に示す例では、第3入射回折素子18cは入射した光を第3中間回折素子20cが配置された右方向に回折する。従って、第3入射回折素子18cの回折構造は図7にS1Cで示すように、パターンが左右方向に配列された構成を有する。
第3中間回折素子20cは、第1中間回折素子20aおよび第2中間回折素子20bとは異なる波長の光を回折するものである。従って、第3中間回折素子20cの回折構造の周期は、第1中間回折素子20aおよび第2中間回折素子20bの回折構造の周期と異なる。
また、第3中間回折素子20cは、面方向の配置位置が第2中間回折素子20bと重複しており、第2中間回折素子20bと同じ方向(第3出射回折素子24cの方向)に光を回折する。
図7に示す例では、第3中間回折素子20cは第3入射回折素子18cで回折され導光板16内を導光した光を第3出射回折素子24cが配置された左下方向に回折する。従って、第3中間回折素子20cの回折構造は図7にS2Cで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
第3出射回折素子24cは、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bとは異なる波長の光を回折するものである。従って、第3出射回折素子24cの回折構造の周期は、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bの回折構造の周期と異なる。
また、第3出射回折素子24cは、面方向の配置位置が第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bと重複している。
図7に示す例では、第3出射回折素子24cは第3中間回折素子20cが回折し導光板16内を導光した光を図7の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第3出射回折素子24cの回折構造は図7にS3Cで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
図7に示す導光素子14bを有する画像表示装置は、表示素子が表示した画像(画像に対応する光)を、所定の波長領域ごとに第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18cによってそれぞれ回折して、導光板16に入射する。第1入射回折素子18aによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第1中間回折素子20aに入射する。第1中間回折素子20aに入射した光は、第1出射回折素子24aに向けて回折され、導光板16内を全反射して伝搬し、第1出射回折素子24aに入射して、第1出射回折素子24aによって回折されて、導光板16から出射される。また、第2入射回折素子18bによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第2中間回折素子20bに入射する。第2中間回折素子20bに入射した光は、第2出射回折素子24bに向けて回折され、導光板16内を全反射して伝搬し、第2出射回折素子24bに入射して、第2出射回折素子24bによって回折されて、導光板16から出射される。また、第3入射回折素子18cによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第3中間回折素子20cに入射する。第3中間回折素子20cに入射した光は、第3出射回折素子24cに向けて回折され、導光板16内を全反射して伝搬し、第3出射回折素子24cに入射して、第3出射回折素子24cによって回折されて、導光板16から出射される。
第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cは、面方向に重複して配置されているため、第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cによって回折されて出射される光は、同じ位置で導光板16から出射して、使用者Uによる観察に供される。これにより、3色のカラー表示を行うことができる。
このような構成の場合にも、第3出射回折素子24cの回折構造の周期方向は、第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向とは交差しているため、第1出射回折素子24aによって回折される波長の光が、第3出射回折素子24cによって回折されることを抑制でき、また、第3出射回折素子24cによって回折される波長の光が、第1出射回折素子24aによって回折されることを抑制でき、多重像が発生することを抑制できる。
ここで、図7に示す例では、第2入射回折素子18bと第3入射回折素子18c、ならびに、第2中間回折素子20bと第3中間回折素子20cとは、面方向の配置位置が重複しているため、第3出射回折素子24cの回折構造の周期方向は、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向と略一致している。そのため、第2出射回折素子24bによって回折される波長の光が第3出射回折素子24cによって回折され多重像が発生するおそれがある。また、第3出射回折素子24cによって回折される波長の光が第2出射回折素子24bによって回折され多重像が発生するおそれがある。
図7に示す構成において多重像の発生を抑制する観点から、第2出射回折素子24bによって回折される光の波長と、第3出射回折素子24cによって回折される光の波長との差が大きいことが好ましい。従って、三色の画像を表示する場合には、中間の波長の光を第1出射回折素子24aで回折し、短波長側および長波長側の光をそれぞれ第2出射回折素子24bまたは第3出射回折素子24cによって回折する構成とするのが好ましい。
以上の観点から、第1出射回折素子の回折構造の周期をΛo1とし、第2出射回折素子の回折構造の周期をΛo2、第3出射回折素子の回折構造の周期をΛo3とすると、Λo3≦Λo1≦Λo2を満たすことが好ましい。従って、第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2、第3入射回折素子の回折構造の周期をΛi3とすると、Λi3≦Λi1≦Λi2を満たすことが好ましい。
また、図7に示す構成において多重像の発生を抑制する観点から、第2入射回折素子18b、第3入射回折素子18c、第2中間回折素子20b、第3中間回折素子20c、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cはそれぞれ、波長選択性を有する構成とすることも好ましい。
また、図7に示す例においては、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18cは、面方向に重複して配置される構成としたがこれに限定はされない。例えば、図8に示す例のように、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18cとが面方向に重複しない位置に配置される構成としてもよい。すなわち、第2入射回折素子18bと第3入射回折素子18cのみが面方向に重複する構成としてもよい。
図8に示す例において、第1入射回折素子18aは、導光板16の主面の、図8中の上方、左右方向の略中央の左側の位置に配置されている。第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18cは、導光板16の主面の、図8中の上方、左右方向の略中央の右側の位置に配置されている。図8の構成は入射回折素子の配置が異なる以外は、図7と同様の構成である。
また、図8に示す例では、第2入射回折素子18bと第3入射回折素子18c、ならびに、第2中間回折素子20bと第3中間回折素子20cが面方向に重複して配置される構成としたが、これに限定はされない。例えば、図9に示すように、第2入射回折素子18bと第3入射回折素子18c、ならびに、第2中間回折素子20bと第3中間回折素子20cが重複しないように、図9中上下方向の異なる位置に配置される構成としてもよい。
この構成の場合も、第2中間回折素子20bから出射回折素子に向かう方向と、第3中間回折素子20cから出射回折素子に向かう方向とは略一致しているため、第3出射回折素子24cの回折構造の周期方向は、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向と略一致している。そのため、上記と同様に、短波長側および長波長側の光をそれぞれ第2出射回折素子24bまたは第3出射回折素子24cによって回折する構成とするのが好ましい。あるいは、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cはそれぞれ、波長選択性を有する構成とすることも好ましい。
あるいは、図10に示す例のように、第3入射回折素子18cおよび第3中間回折素子20cを、出射回折素子の図10中の下方に配置する構成としてもよい。図10において、第3入射回折素子18cは、導光板16の主面の、図10中下方、左右方向の略中央位置に配置されている。第3中間回折素子20cは、導光板16の主面の、第3入射回折素子18cの図10中の左側の位置に配置されている。
この構成の場合、第2中間回折素子20bから出射回折素子に向かう方向と、第3中間回折素子20cから出射回折素子に向かう方向とは逆方向であるが、回折像の周期方向は略一致している。そのため、上記と同様に、短波長側および長波長側の光をそれぞれ第2出射回折素子24bまたは第3出射回折素子24cによって回折する構成とするのが好ましい。あるいは、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cはそれぞれ、波長選択性を有する構成とすることも好ましい。
また、図1等に示す例では、中間回折素子を有する構成としたが、本発明の導光素子は、これに限定はされない。導光素子が、中間回折素子を有さず、入射回折素子が回折し導光板内を導光された光を出射回折素子が回折して導光板から光を出射する構成としてもよい。
図11に示す導光素子は、導光板16、導光板16に設けられる、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1出射回折素子24a、および、第2出射回折素子24bを有する。
第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bは、表示素子が照射した光を回折して導光板16内に入射させるものである。
第1入射回折素子18aは、導光板16の主面の、図11中の上方、左側に配置されている。第2入射回折素子18bは、導光板16の主面の、図11中の上方、右側に配置されている。すなわち、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは、面方向の異なる位置に配置されている。
第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとは、表示素子が照射する光の互いに異なる波長を、異なる方向に回折する。図11に示す例では、第1入射回折素子18aは入射した光を出射回折素子が配置された右下方向に回折する。従って、第1入射回折素子18aの回折構造は図11にS1Aで示すように、パターンが右下方向に配列された構成を有する。第2入射回折素子18bは入射した光を出射回折素子が配置された左下方向に回折する。従って、第2入射回折素子18bの回折構造は図11にS1Bで示すように、パターンが左下方向に配列された構成を有する。
第1出射回折素子24aは、第1入射回折素子18aによって回折され、導光板16内を伝搬された光を導光板16から出射させるものである。
第2出射回折素子24bは、第2入射回折素子18bによって回折され、導光板16内を伝搬された光を導光板16から出射させるものである。
第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bは、導光板16の主面の、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの図11中の下側の位置に配置されている。第1出射回折素子24aと第2出射回折素子24bとは面方向に重複して配置されている。
図11に示す例では、第1出射回折素子24aは第1入射回折素子18aが回折し導光板16内を導光した光を図11の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第1出射回折素子24aの回折構造は図11にS3Aで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が右下向き)に配列された構成を有する。
第2出射回折素子24bは第2入射回折素子18bが回折し導光板16内を導光した光を図11の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第2出射回折素子24bの回折構造は図11にS3Bで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
すなわち、第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向と、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向とは交差している。これにより、図1等に示す中間回折素子を有する場合と同様に、多重像の発生を抑制することができる。
第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向と、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向とを交差させて配置する際には、面方向の同じ位置に配置されている第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bに異なる方向から光を入射させる必要がある。従って、中間回折素子を有さず、入射回折素子の位置から直接、出射回折素子に向けて光を導光する構成の場合には、第1入射回折素子18aと第2入射回折素子18bとを面方向の異なる位置に配置する。
ここで、図11に示す例では、入射回折素子および出射回折素子をそれぞれ2種有する構成としたが、これに限定はされず、それぞれ3種以上の回折素子を有する構成としてもよい。
例えば、図12に示す例では、導光素子は、導光板16の主面に、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18c、ならびに、第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cを有する。
図12において、第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18b、第1出射回折素子24a、および、第2出射回折素子24bについては図11の構成および配置と同様の構成である。
図12において、第3入射回折素子18cは、第2入射回折素子18bと面方向の同じ位置に配置されている。また、第3出射回折素子24cは、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bと面方向の同じ位置に配置されている。
第3入射回折素子18cは、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bとは異なる波長の光を回折するものである。従って、第3入射回折素子18cの回折構造の周期は、第1入射回折素子18aおよび第2入射回折素子18bの回折構造の周期と異なる。
また、第3入射回折素子18cは、面方向の配置位置が第2入射回折素子18bと重複しており、第2入射回折素子18bと同じ方向に光を回折する。すなわち、第3入射回折素子1cは、第1入射回折素子18aとは異なる方向に光を回折する。
第3出射回折素子24cは、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bとは異なる波長の光を回折するものである。従って、第3出射回折素子24cの回折構造の周期は、第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bの回折構造の周期と異なる。
また、第3出射回折素子24cは、面方向の配置位置が第1出射回折素子24aおよび第2出射回折素子24bと重複している。
図12に示す例では、第3出射回折素子24cは第3入射回折素子18cが回折し導光板16内を導光した光を図12の紙面に垂直な方向に回折する。従って、第3出射回折素子24cの回折構造は図12にS3Cで示すように、パターンが斜め方向(パターンの配列方向が左下向き)に配列された構成を有する。
図12に示す導光素子を有する画像表示装置は、表示素子が表示した画像(画像に対応する光)を、所定の波長領域ごとに第1入射回折素子18a、第2入射回折素子18bおよび第3入射回折素子18cによってそれぞれ回折して、導光板16に入射する。第1入射回折素子18aによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第1出射回折素子24aに入射する。第1出射回折素子24aに入射した光は、第1出射回折素子24aによって回折されて、導光板16から出射される。また、第2入射回折素子18bによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第2出射回折素子24bに入射する。第2出射回折素子24bに入射した光は、第2出射回折素子24bによって回折されて、導光板16から出射される。また、第3入射回折素子18cによる回折光は、導光板16内を全反射して伝搬し、回折光は第3出射回折素子24cに入射する。第3出射回折素子24cに入射した光は、第3出射回折素子24cによって回折されて、導光板16から出射される。
第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cは、面方向に重複して配置されているため、第1出射回折素子24a、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cによって回折されて出射される光は、同じ位置で導光板16から出射して、使用者Uによる観察に供される。これにより、3色のカラー表示を行うことができる。
このような構成の場合にも、第3出射回折素子24cの回折構造の周期方向は、第1出射回折素子24aの回折構造の周期方向とは交差しているため、第1出射回折素子24aによって回折される波長の光が、第3出射回折素子24cによって回折されることを抑制でき、また、第3出射回折素子24cによって回折される波長の光が、第1出射回折素子24aによって回折されることを抑制でき、多重像が発生することを抑制できる。
なお、この構成の場合、第2入射回折素子18bから出射回折素子に向かう方向と、第3入射回折素子18cから出射回折素子に向かう方向とは略一致しているため、第3出射回折素子24cの回折構造の周期方向は、第2出射回折素子24bの回折構造の周期方向と略一致している。そのため、上記と同様に、短波長側および長波長側の光をそれぞれ第2出射回折素子24bまたは第3出射回折素子24cによって回折する構成とするのが好ましい。あるいは、第2出射回折素子24bおよび第3出射回折素子24cはそれぞれ、波長選択性を有する構成とすることも好ましい。
[回折素子]
前述のとおり、回折素子としては表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかであることが好ましい。また、回折素子としては透過型の回折素子であってもよいし、反射型の回折素子であってもよい。
以下、各回折素子の構成について説明する。
〔表面レリーフ型回折素子〕
表面レリーフ型回折素子としては公知の表面レリーフ型回折素子を用いることができる。図13に例示するD1のように、表面レリーフ型回折素子は、表面に直線状の微細な凹凸が交互に所定の周期で平行に並んで構成されたものである。回折構造の周期、材質および凸部の高さなどは回折する波長域によって適宜設定すればよい。
また、表面レリーフ型回折素子は、樹脂等からなるフィルム状物の表面に回折構造(凹凸構造)を形成したものであってもよいし、導光板の表面に直接、回折構造(凹凸構造)を形成したものであってもよい。
表面レリーフ型回折素子において、表面に形成される凹凸構造が回折構造であり、凹凸構造の周期が回折構造の周期であり、図13中、矢印Xで示す、凹凸構造の配列方向が回折構造の周期方向である。
〔体積ホログラム型回折素子〕
体積ホログラム型回折素子としては公知の体積ホログラム型回折素子を用いることができる。図14に例示するD2のように、体積ホログラム型回折素子は、屈折率が高い直線状の領域110と屈折率が低い直線状の領域112が交互に所定の周期で平行に並んで構成されたものである。回折構造の周期、材質および各領域の屈折率などは回折する波長域によって適宜設定すればよい。
体積ホログラム型回折素子において、屈折率が高い直線状の領域110と屈折率が低い直線状の領域112が交互に形成された構造が回折構造であり、領域110と領域112との配列の周期が回折構造の周期であり、図14に矢印Xで示す、領域110と領域112との配列方向が回折構造の周期方向である。
〔偏光回折素子〕
偏光回折素子としては公知の偏光回折素子を用いることができる。偏光回折素子は微細領域で偏光状態を制御することによって、入射する光の偏光状態に応じて出射光の回折方向や偏光状態、回折光強度を制御する回折素子である。偏光回折素子として、例えば、「Erez Hasman et al., Polarization dependent focusing lens by useof quantized Pancharatnm-Berry phase diffractive optics, Applied Physics Letters, Volume 82, Number 3 pp.328-330」に記載の構造複屈折を用いて回折構造を形成した偏光回折素子、特許第5276847号に記載の複屈折材料を用いて回折構造を形成した偏光回折素子等が例示される。
偏光回折素子としては、液晶化合物を含む組成物を用いて形成され、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する、液晶回折素子が例示される。
(液晶回折素子A)
液晶回折素子の一例を図15および図16を用いて説明する。
図15および図16に示す液晶回折素子29は、コレステリック液晶相を固定してなり、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するパターンコレステリック液晶層である。
図15に示す例では、液晶回折素子29は、支持体30と、配向膜32と、パターンコレステリック液晶層34と、を有する。
なお、図15に示す例の液晶回折素子29は、支持体30と、配向膜32と、パターンコレステリック液晶層34とを有するが、本発明は、これに制限はされない。液晶回折素子は、例えば、導光板16に貼り合わせた後に、支持体30を剥離した、配向膜32およびパターンコレステリック液晶層34のみを有するものでもよい。または、液晶回折素子は、例えば、導光板16に貼り合わせた後に、支持体30および配向膜32を剥離した、パターンコレステリック液晶層34のみを有するものでもよい。
<支持体>
支持体30は、配向膜32、および、パターンコレステリック液晶層34を支持するものである。
支持体30は、配向膜32、パターンコレステリック液晶層34を支持できるものであれば、各種のシート状物(フィルム、板状物)が利用可能である。
なお、支持体30は、対応する光に対する透過率が50%以上であるのが好ましく、70%以上であるのがより好ましく、85%以上であるのがさらに好ましい。
支持体30の厚さには、制限はなく、液晶回折素子の用途および支持体30の形成材料等に応じて、配向膜32、パターンコレステリック液晶層34を保持できる厚さを、適宜、設定すればよい。
支持体30の厚さは、1~2000μmが好ましく、3~500μmがより好ましく、5~250μmがさらに好ましい。
支持体30は単層であっても、多層であってもよい。
単層である場合の支持体30としては、ガラス、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリル、および、ポリオレフィン等からなる支持体30が例示される。多層である場合の支持体30の例としては、前述の単層の支持体のいずれかなどを基板として含み、この基板の表面に他の層を設けたもの等が例示される。
<配向膜>
液晶回折素子29において、支持体30の表面には配向膜32が形成される。
配向膜32は、パターンコレステリック液晶層34を形成する際に、液晶化合物40を所定の液晶配向パターンに配向するための配向膜である。
後述するが、本発明において、パターンコレステリック液晶層34は、液晶化合物40に由来する光学軸40A(図16参照)の向きが、面内の一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する。従って、配向膜32は、パターンコレステリック液晶層34が、この液晶配向パターンを形成できるように、形成される。
以下の説明では、『光学軸40Aの向きが回転』を単に『光学軸40Aが回転』とも言う。
配向膜32は、公知の各種のものが利用可能である。
例えば、ポリマーなどの有機化合物からなるラビング処理膜、無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、ならびに、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチルなどの有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(Langmuir-Blodgett:ラングミュア・ブロジェット)膜を累積させた膜、等が例示される。
ラビング処理による配向膜32は、ポリマー層の表面を紙または布で一定方向に数回こすることにより形成できる。
配向膜32に使用する材料としては、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特開平9-152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー、特開2005-97377号公報、特開2005-99228号公報、および、特開2005-128503号公報記載の配向膜32等の形成に用いられる材料が好ましい。
液晶回折素子29においては、配向膜32は、光配向性の素材に偏光または非偏光を照射して配向膜32とした、いわゆる光配向膜が好適に利用される。すなわち、液晶回折素子29においては、配向膜32として、支持体30上に、光配向材料を塗布して形成した光配向膜が、好適に利用される。
偏光の照射は、光配向膜に対して、垂直方向または斜め方向から行うことができ、非偏光の照射は、光配向膜に対して、斜め方向から行うことができる。
本発明に利用可能な配向膜に用いられる光配向材料としては、例えば、特開2006-285197号公報、特開2007-76839号公報、特開2007-138138号公報、特開2007-94071号公報、特開2007-121721号公報、特開2007-140465号公報、特開2007-156439号公報、特開2007-133184号公報、特開2009-109831号公報、特許第3883848号公報および特許第4151746号公報に記載のアゾ化合物、特開2002-229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002-265541号公報および特開2002-317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号および特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003-520878号公報、特表2004-529220号公報および特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、光架橋性ポリアミドおよび光架橋性ポリエステル、ならびに、特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報、国際公開第2010/150748号、特開2013-177561号公報および特開2014-12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物およびクマリン化合物等が、好ましい例として例示される。
中でも、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、光架橋性ポリアミド、光架橋性ポリエステル、シンナメート化合物、および、カルコン化合物は、好適に利用される。
配向膜32の厚さには、制限はなく、配向膜32の形成材料に応じて、必要な配向機能を得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
配向膜32の厚さは、0.01~5μmが好ましく、0.05~2μmがより好ましい。
配向膜32の形成方法には、制限はなく、配向膜32の形成材料に応じた公知の方法が、各種、利用可能である。一例として、配向膜32を支持体30の表面に塗布して乾燥させた後、配向膜32をレーザ光によって露光して、配向パターンを形成する方法が例示される。
図22に、配向膜32を露光して、配向パターンを形成する露光装置の一例を概念的に示す。
図22に示す露光装置60は、レーザ62を備えた光源64と、レーザ62が出射したレーザ光Mの偏光方向を変えるλ/2板65と、レーザ62が出射したレーザ光Mを光線MAおよびMBの2つに分離する偏光ビームスプリッター68と、分離された2つの光線MAおよびMBの光路上にそれぞれ配置されたミラー70Aおよび70Bと、λ/4板72Aおよび72Bと、を備える。
なお、光源64は直線偏光P0を出射する。λ/4板72Aは、直線偏光P0(光線MA)を右円偏光PRに、λ/4板72Bは直線偏光P0(光線MB)を左円偏光PLに、それぞれ変換する。
配向パターンを形成される前の配向膜32を有する支持体30が露光部に配置され、2つの光線MAと光線MBとを配向膜32上において交差させて干渉させ、その干渉光を配向膜32に照射して露光する。
この際の干渉により、配向膜32に照射される光の偏光状態が干渉縞状に周期的に変化するものとなる。これにより、配向状態が周期的に変化する配向パターンを有する配向膜(以下、パターン配向膜ともいう)が得られる。
露光装置60においては、2つの光線MAおよびMBの交差角αを変化させることにより、配向パターンの周期を調節できる。すなわち、露光装置60においては、交差角αを調節することにより、液晶化合物40に由来する光学軸40Aが一方向に沿って連続的に回転する配向パターンにおいて、光学軸40Aが回転する1方向における、光学軸40Aが180°回転する1周期の長さを調節できる。
このような配向状態が周期的に変化した配向パターンを有する配向膜32上に、コレステリック液晶層を形成することにより、後述するように、液晶化合物40に由来する光学軸40Aが一方向に沿って連続的に回転する液晶配向パターンを有する、パターンコレステリック液晶層34を形成できる。
また、λ/4板72Aおよび72Bの光学軸を、それぞれ、90°回転することにより、光学軸40Aの回転方向を逆にすることができる。
上述のとおり、パターン配向膜は、パターン配向膜の上に形成されるパターンコレステリック液晶層中の液晶化合物の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンとなるように、液晶化合物を配向させる配向パターンを有する。パターン配向膜が、液晶化合物を配向させる向きに沿った軸を配向軸とすると、パターン配向膜は、配向軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している配向パターンを有するといえる。パターン配向膜の配向軸は、吸収異方性を測定することで検出することができる。例えば、パターン配向膜に直線偏光を回転させながら照射して、パターン配向膜を透過する光の光量を測定した際に、光量が最大または最小となる向きが、面内の一方向に沿って漸次変化して観測される。
なお、本発明において、配向膜32は、好ましい態様として設けられるものであり、必須の構成要件ではない。
例えば、支持体30をラビング処理する方法、支持体30をレーザ光などで加工する方法等によって、支持体30に配向パターンを形成することにより、パターンコレステリック液晶層が、液晶化合物40に由来する光学軸40Aの向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する構成とすることも、可能である。すなわち、本発明においては、支持体30を配向膜として作用させてもよい。
<パターンコレステリック液晶層>
液晶回折素子29において、配向膜32の表面には、パターンコレステリック液晶層34が形成される。
上述したように、パターンコレステリック液晶層は、共に、コレステリック液晶相を固定してなる、コレステリック液晶層であり、液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有するコレステリック液晶層である。
パターンコレステリック液晶層34は、図15に概念的に示すように、通常のコレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層と同様に、液晶化合物40が螺旋状に旋回して積み重ねられた螺旋構造を有し、液晶化合物40が螺旋状に1回転(360°回転)して積み重ねられた構成を螺旋1ピッチとして、螺旋状に旋回する液晶化合物40が、複数ピッチ、積層された構造を有する。
周知のように、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層は、波長選択反射性を有する。
後に詳述するが、コレステリック液晶層の選択的な反射波長域は、上述した螺旋1ピッチの厚さ方向の長さ(図15に示すピッチP)に依存する。
従って、液晶回折素子に波長選択性を持たせ、回折素子ごとに異なる波長の光を回折する構成とする場合には、各液晶回折素子ごとに、パターンコレステリック液晶層の螺旋ピッチPを調整して、コレステリック液晶層の選択的な反射波長域を適宜設定すればよい。
<<コレステリック液晶相>>
コレステリック液晶相は、特定の波長において選択反射性を示すことが知られている。
一般的なコレステリック液晶相において、選択反射の中心波長(選択反射中心波長)λは、コレステリック液晶相における螺旋のピッチPに依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋ピッチを調節することによって、選択反射中心波長を調節することができる。
コレステリック液晶相の選択反射中心波長は、ピッチPが長いほど、長波長になる。
なお、螺旋のピッチPとは、上述したように、コレステリック液晶相の螺旋構造1ピッチ分(螺旋の周期)であり、言い換えれば、螺旋の巻き数1回分であり、すなわち、コレステリック液晶相を構成する液晶化合物のダイレクター(棒状液晶であれば長軸方向)が360°回転する螺旋軸方向の長さである。
コレステリック液晶相の螺旋ピッチは、コレステリック液晶層を形成する際に、液晶化合物と共に用いるキラル剤の種類、および、キラル剤の添加濃度に依存する。従って、これらを調節することによって、所望の螺旋ピッチを得ることができる。
なお、ピッチの調節については富士フイルム研究報告No.50(2005年)p.60-63に詳細な記載がある。螺旋のセンスおよびピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、および、「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載される方法を用いることができる。
コレステリック液晶相は、特定の波長において左右いずれかの円偏光に対して選択反射性を示す。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向(センス)による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶層の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類および/または添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
また、選択反射を示す選択反射波長域(円偏光反射波長域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相のΔnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、選択反射波長域(選択的な反射波長域)の幅の制御は、Δnを調節して行うことができる。Δnは、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類およびその混合比率、ならびに、配向固定時の温度により調節できる。
反射波長域の半値幅は、回折素子の用途に応じて調節され、例えば10~500nmであればよく、好ましくは20~300nmであり、より好ましくは30~100nmである。
<<パターンコレステリック液晶層の形成方法>>
パターンコレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を層状に固定して形成できる。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場または外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造が好ましい。
なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、パターンコレステリック液晶層において、液晶化合物40は液晶性を示さなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶相を固定してなるパターンコレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、一例として、液晶化合物を含む液晶組成物が挙げられる。液晶化合物は重合性液晶化合物であるのが好ましい。
また、パターンコレステリック液晶層の形成に用いる液晶組成物は、さらに界面活性剤およびキラル剤を含んでいてもよい。
--重合性液晶化合物--
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよい。
コレステリック液晶相を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、および、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類等が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、およびアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基がより好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1~6個、より好ましくは1~3個である。
重合性液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1-272551号公報、特開平6-16616号公報、特開平7-110469号公報、特開平11-80081号公報、および、特開2001-328973号公報等に記載の化合物が含まれる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57-165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、あるいは主鎖および側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9-133810号公報に開示されているような液晶性高分子、および、特開平11-293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
--円盤状液晶化合物--
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報や特開2010-244038号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75~99.9質量%であるのが好ましく、80~99質量%であるのがより好ましく、85~90質量%であるのがさらに好ましい。
--界面活性剤--
パターンコレステリック液晶層を形成する際に用いる液晶組成物は、界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤は、安定的に、または迅速に、コレステリック液晶相の配向に寄与する配向制御剤として機能できる化合物が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコ-ン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、フッ素系界面活性剤が好ましく例示される。
界面活性剤の具体例としては、特開2014-119605号公報の段落[0082]~[0090]に記載の化合物、特開2012-203237号公報の段落[0031]~[0034]に記載の化合物、特開2005-99248号公報の段落[0092]および[0093]中に例示されている化合物、特開2002-129162号公報の段落[0076]~[0078]および段落[0082]~[0085]中に例示されている化合物、ならびに、特開2007-272185号公報の段落[0018]~[0043]等に記載のフッ素(メタ)アクリレート系ポリマー、などが挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素系界面活性剤として、特開2014-119605号公報の段落[0082]~[0090]に記載の化合物が好ましい。
液晶組成物中における、界面活性剤の添加量は、液晶化合物の全質量に対して0.01~10質量%が好ましく、0.01~5質量%がより好ましく、0.02~1質量%がさらに好ましい。
--キラル剤(光学活性化合物)--
キラル剤(キラル剤)はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル剤は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向または螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に制限はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4-3項、TN(twisted nematic)、STN(Super Twisted Nematic)用キラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、および、イソマンニド誘導体等を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン、および、これらの誘導体が含まれる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であるのが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基またはアジリジニル基であるのが好ましく、不飽和重合性基であるのがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であるのがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
キラル剤が光異性化基を有する場合には、塗布、配向後に活性光線などのフォトマスク照射によって、発光波長に対応した所望の反射波長のパターンを形成することができるので好ましい。光異性化基としては、フォトクロッミック性を示す化合物の異性化部位、アゾ基、アゾキシ基、または、シンナモイル基が好ましい。具体的な化合物として、特開2002-80478号公報、特開2002-80851号公報、特開2002-179668号公報、特開2002-179669号公報、特開2002-179670号公報、特開2002-179681号公報、特開2002-179682号公報、特開2002-338575号公報、特開2002-338668号公報、特開2003-313189号公報、および、特開2003-313292号公報等に記載の化合物を用いることができる。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、液晶化合物の含有モル量に対して0.01~200モル%が好ましく、1~30モル%がより好ましい。
--重合開始剤--
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含有しているのが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤の例には、α-カルボニル化合物(米国特許第2367661号、米国特許第2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α-炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、米国特許第2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp-アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60-105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)、ならびに、オキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、液晶化合物の含有量に対して0.1~20質量%であるのが好ましく、0.5~12質量%であるのがさらに好ましい。
--架橋剤--
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含有していてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、および、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレートおよびエチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]および4,4-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネートおよびビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ならびに、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物などが挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度および耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、液晶組成物の固形分質量に対して、3~20質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲内であれば、架橋密度向上の効果が得られやすく、コレステリック液晶相の安定性がより向上する。
--その他の添加剤--
液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、および、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は、パターンコレステリック液晶層を形成する際には、液体として用いられるのが好ましい。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましい。
有機溶媒には、制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、および、エーテル類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への負荷を考慮した場合にはケトン類が好ましい。
パターンコレステリック液晶層を形成する際には、パターンコレステリック液晶層の形成面に液晶組成物を塗布して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態に配向した後、液晶化合物を硬化して、パターンコレステリック液晶層とするのが好ましい。
すなわち、配向膜32上にパターンコレステリック液晶層を形成する場合には、配向膜32に液晶組成物を塗布して、液晶化合物をコレステリック液晶相の状態に配向した後、液晶化合物を硬化して、コレステリック液晶相を固定してなるパターンコレステリック液晶層を形成するのが好ましい。
液晶組成物の塗布は、インクジェットおよびスクロール印刷等の印刷法、ならびに、スピンコート、バーコートおよびスプレー塗布等のシート状物に液体を一様に塗布できる公知の方法が全て利用可能である。
塗布された液晶組成物は、必要に応じて乾燥および/または加熱され、その後、硬化され、パターンコレステリック液晶層を形成する。この乾燥および/または加熱の工程で、液晶組成物中の液晶化合物がコレステリック液晶相に配向すればよい。加熱を行う場合、加熱温度は、200℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
配向させた液晶化合物は、必要に応じて、さらに重合される。重合は、熱重合、および、光照射による光重合のいずれでもよいが、光重合が好ましい。光照射は、紫外線を用いるのが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2~50J/cm2が好ましく、50~1500mJ/cm2がより好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下または窒素雰囲気下で光照射を実施してもよい。照射する紫外線の波長は250~430nmが好ましい。
パターンコレステリック液晶層の厚さには、制限はなく、液晶回折素子29の用途、パターンコレステリック液晶層に要求される光の反射率、および、パターンコレステリック液晶層の形成材料等に応じて、必要な光の反射率が得られる厚さを、適宜、設定すればよい。
<<パターンコレステリック液晶層の液晶配向パターン>>
前述のように、液晶回折素子29において、パターンコレステリック液晶層は、コレステリック液晶相を形成する液晶化合物40に由来する光学軸40Aの向きが、パターンコレステリック液晶層の面内において、一方向に連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。
なお、液晶化合物40に由来する光学軸40Aとは、液晶化合物40において屈折率が最も高くなる軸、いわゆる遅相軸である。例えば、液晶化合物40が棒状液晶化合物である場合には、光学軸40Aは、棒形状の長軸方向に沿っている。以下の説明では、液晶化合物40に由来する光学軸40Aを、『液晶化合物40の光学軸40A』または『光学軸40A』ともいう。
図16に、パターンコレステリック液晶層34の平面図を概念的に示す。
なお、平面図とは、図16において液晶回折素子29を上方から見た図であり、すなわち、液晶回折素子29を厚さ方向(=各層(膜)の積層方向)から見た図である。
また、図16では、液晶回折素子29(パターンコレステリック液晶層34)の構成を明確に示すために、液晶化合物40は配向膜32の表面の液晶化合物40のみを示している。
図16に示すように、配向膜32の表面において、パターンコレステリック液晶層34を構成する液晶化合物40は、下層の配向膜32に形成された配向パターンに応じて、液晶回折素子29の面内において、矢印X1で示す所定の一方向に沿って、光学軸40Aの向きが連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。図示例においては、液晶化合物40の光学軸40Aが、矢印X1方向に沿って、時計方向に連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有する。
パターンコレステリック液晶層34を構成する液晶化合物40は、矢印X1、および、この一方向(矢印X1方向)と直交する方向に、二次元的に配列された状態になっている。
以下の説明では、矢印X1方向と直交する方向を、便宜的にY方向とする。すなわち、矢印Y方向とは、液晶化合物40の光学軸40Aの向きが、パターンコレステリック液晶層の面内において、連続的に回転しながら変化する一方向と直交する方向である。従って、図15および後述する図17では、Y方向は、紙面に直交する方向となる。
液晶化合物40の光学軸40Aの向きが矢印X1方向(所定の一方向)に連続的に回転しながら変化しているとは、具体的には、矢印X1方向に沿って配列されている液晶化合物40の光学軸40Aと、矢印X1方向とが成す角度が、矢印X1方向の位置によって異なっており、矢印X1方向に沿って、光学軸40Aと矢印X1方向とが成す角度がθからθ+180°あるいはθ-180°まで、順次、変化していることを意味する。
なお、矢印X1方向に互いに隣接する液晶化合物40の光学軸40Aの角度の差は、45°以下であるのが好ましく、15°以下であるのがより好ましく、より小さい角度であるのがさらに好ましい。
一方、パターンコレステリック液晶層34を形成する液晶化合物40は、矢印X1方向と直交するY方向、すなわち、光学軸40Aが連続的に回転する一方向と直交するY方向では、光学軸40Aの向きが等しい。
言い換えれば、パターンコレステリック液晶層34を形成する液晶化合物40は、Y方向では、液晶化合物40の光学軸40Aと矢印X1方向とが成す角度が等しい。
パターンコレステリック液晶層34においては、このような液晶化合物40の液晶配向パターンにおいて、面内で光学軸40Aが連続的に回転して変化する矢印X1方向において、液晶化合物40の光学軸40Aが180°回転する長さ(距離)を、液晶配向パターンにおける1周期の長さΛとする。
すなわち、矢印X1方向に対する角度が等しい2つの液晶化合物40の、矢印X1方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。具体的には、図16に示すように、矢印X1方向と光学軸40Aの方向とが一致する2つの液晶化合物40の、矢印X1方向の中心間の距離を、1周期の長さΛとする。以下の説明では、この1周期の長さΛを『1周期Λ』とも言う。
パターンコレステリック液晶層34の液晶配向パターンは、この1周期Λを、矢印X1方向すなわち光学軸40Aの向きが連続的に回転して変化する一方向に繰り返す。
コレステリック液晶相を固定してなるパターンコレステリック液晶層は、通常、入射した光(円偏光)を鏡面反射する。
これに対して、パターンコレステリック液晶層34は、入射した光を、鏡面反射に対して矢印X1方向に傾けて反射する。パターンコレステリック液晶層34は、面内において、矢印X1方向(所定の一方向)に沿って光学軸40Aが連続的に回転しながら変化する、液晶配向パターンを有するものである。以下、図17を参照して説明する。
一例として、パターンコレステリック液晶層34は、赤色光の右円偏光RRを選択的に反射するパターンコレステリック液晶層であるとする。従って、パターンコレステリック液晶層34に光が入射すると、パターンコレステリック液晶層34は、赤色光の右円偏光RRのみを反射し、それ以外の光を透過する。
パターンコレステリック液晶層34に入射した赤色光の右円偏光RRは、パターンコレステリック液晶層によって反射される際に、各液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。
ここで、パターンコレステリック液晶層34では、液晶化合物40の光学軸40Aが矢印X1方向(一方向)に沿って回転しながら変化している。そのため、光学軸40Aの向きによって、入射した赤色光の右円偏光RRの絶対位相の変化量が異なる。
さらに、パターンコレステリック液晶層34に形成された液晶配向パターンは、矢印X1方向に周期的なパターンである。そのため、パターンコレステリック液晶層34に入射した赤色光の右円偏光RRには、図17に概念的に示すように、それぞれの光学軸40Aの向きに対応した矢印X1方向に周期的な絶対位相Qが与えられる。
また、液晶化合物40の光学軸40Aの矢印X1方向に対する向きは、矢印X1方向と直交するY方向の液晶化合物40の配列では、均一である。
これによりパターンコレステリック液晶層34では、赤色光の右円偏光RRに対して、XY面に対して矢印X1方向に傾いた等位相面Eが形成される。
そのため、赤色光の右円偏光RRは、等位相面Eの法線方向に反射され、反射された赤色光の右円偏光RRは、XY面(コレステリック液晶層の主面)に対して矢印X1方向に傾いた方向に反射される。
従って、光学軸40Aが回転する一方向である矢印X1方向を、適宜、設定することで、赤色光の右円偏光Rの反射方向を調節できる。
すなわち、矢印X1方向を逆方向にすれば、赤色光の右円偏光Rの反射方向も図16および図17とは逆方向になる。
また、矢印X1方向に向かう液晶化合物40の光学軸40Aの回転方向を逆にすることで、赤色光の右円偏光RRの反射方向を逆にできる。
すなわち、図16および図17においては、矢印X1方向に向かう光学軸40Aの回転方向は時計回りで、赤色光の右円偏光RRは矢印X1方向に傾けて反射されるが、これを反時計回りとすることで、赤色光の右円偏光RRは矢印X1方向と逆方向に傾けて反射される。
さらに、同じ液晶配向パターンを有するパターンコレステリック液晶層では、液晶化合物40の螺旋の旋回方向すなわち反射する円偏光の旋回方向によって、反射方向が逆になる。
図17に示すパターンコレステリック液晶層34は、螺旋の旋回方向が右捩じれで、右円偏光を選択的に反射するものであり、矢印X1方向に沿って光学軸40Aが時計回りに回転する液晶配向パターンを有することにより、右円偏光を矢印X1方向に傾けて反射する。
従って、螺旋の旋回方向が左捩じれで、左円偏光を選択的に反射するものであり、矢印X1方向に沿って光学軸40Aが時計回りに回転する液晶配向パターンを有するパターンコレステリック液晶層は、左円偏光を矢印X1方向と逆方向に傾けて反射する。
液晶回折素子において、液晶化合物の光学軸が面内の一方向に沿って回転しながら変化している液晶化合物の液晶配向パターンが回折構造であり、液晶化合物の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する長さが回折構造の周期であり、液晶化合物の光学軸が回転しながら変化している一方向が回折構造の周期方向である。
液晶配向パターンを有するパターンコレステリック液晶層では、1周期Λが短いほど、上述した入射光に対する反射光の角度が大きくなる。すなわち、1周期Λが短いほど、入射光に対して、反射光を大きく傾けて反射できる。
(液晶回折素子B)
以上の例は、液晶回折素子としてパターンコレステリック液晶層を用いているが、本発明に用いる液晶回折素子は、液晶化合物40に由来する光学軸40Aが、面内の少ないとも1方向に沿って連続的に回転している液晶配向パターンを有するものであれば、各種の液晶回折素子が利用可能である。
本発明においては、面内の少なくとも1方向に沿って連続的に回転している液晶配向パターンを有し、かつ、厚さ方向には液晶化合物がコレステリック液晶相を形成していない液晶回折素子も、利用可能である。なお、液晶回折素子において、液晶化合物がコレステリック液晶相とはならない程度に厚さ方向に捩じれ回転した構成を有していてもよい。
図18および図19に、他の液晶回折素子を例示して、その一例を説明する。
図18および図19に示す液晶回折素子35は、支持体30と、配向膜32と、パターン液晶層36とを有する。
図19に示すように、液晶回折素子35のパターン液晶層36も、パターンコレステリック液晶層34と同様、液晶化合物40の光学軸40Aが、矢印X1方向に沿って連続的に回転する液晶配向パターンを有する。なお、図19も、上述した図16と同様、配向膜32の表面の液晶化合物のみを示している。
液晶回折素子35では、パターン液晶層36を形成する液晶化合物40が厚さ方向に螺旋状に捩じれ回転しておらず、光学軸40Aは、面方向の同じ場所に位置する。このような液晶層は、上述したパターンコレステリック液晶層の形成において、液晶組成物にキラル剤を添加しないことで形成できる。
上述したように、パターン液晶層36は、面内において、液晶化合物40に由来する光学軸40Aの向きが、矢印X方向すなわち矢印Xで示す一方向に沿って連続的に回転しながら変化する液晶配向パターンを有する。
一方、パターン液晶層36を形成する液晶化合物40は、矢印X1方向と直交するY方向、すなわち光学軸40Aが連続的に回転する一方向と直交するY方向では、光学軸40Aの向きが等しい液晶化合物40が等間隔で配列されている。
言い換えれば、パターン液晶層36を形成する液晶化合物40において、Y方向に配列される液晶化合物40同士では、光学軸40Aの向きと矢印X1方向とが成す角度が等しい。
パターン液晶層36において、Y方向に配列される液晶化合物は、光学軸40Aと矢印X方向(液晶化合物40の光学軸の向きが回転する1方向)とが成す角度が等しい。この光学軸40Aと矢印X方向とが成す角度が等しい液晶化合物40が、Y方向に配置された領域を、領域Rとする。
この場合に、それぞれの領域Rにおける面内レタデーション(Re)の値は、半波長すなわちλ/2であるのが好ましい。これらの面内レタデーションは、領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差Δnと光学異方性層の厚さとの積により算出される。ここで、光学異方性層における領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差とは、領域Rの面内における遅相軸の方向の屈折率と、遅相軸の方向に直交する方向の屈折率との差により定義される屈折率差である。すなわち、領域Rの屈折率異方性に伴う屈折率差Δnは、光学軸40Aの方向の液晶化合物40の屈折率と、領域Rの面内において光学軸40Aに垂直な方向の液晶化合物40の屈折率との差に等しい。つまり、屈折率差Δnは、液晶化合物40の屈折率差に等しい。
このようなパターン液晶層36に円偏光が入射すると、光は、屈折され、かつ、円偏光の方向が変換される。
この作用を、図20および図21に概念的に示す。なお、パターン液晶層36は、液晶化合物の屈折率差と光学異方性層の厚さとの積の値がλ/2であるとする。
図20に示すように、パターン液晶層36の液晶化合物の屈折率差と光学異方性層の厚さとの積の値がλ/2の場合に、パターン液晶層36に左円偏光である入射光L1が入射すると、入射光L1は、パターン液晶層36を通過することにより180°の位相差が与えられて、透過光L2は、右円偏光に変換される。
また、入射光L1は、パターン液晶層36を通過する際に、それぞれの液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。このとき、光学軸40Aの向きは、矢印X方向に沿って回転しながら変化しているため、光学軸40Aの向きに応じて、入射光L1の絶対位相の変化量が異なる。さらに、パターン液晶層36に形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンであるため、パターン液晶層36を通過した入射光L1には、図20に示すように、それぞれの光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q1が与えられる。これにより、矢印X方向に対して逆の方向に傾いた等位相面E1が形成される。
そのため、透過光L2は、等位相面E1に対して垂直な方向に向かって傾くように屈折され、入射光L1の進行方向とは異なる方向に進行する。このように、左円偏光の入射光L1は、入射方向に対して矢印X方向に一定の角度だけ傾いた、右円偏光の透過光L2に変換される。
一方、図21に示すように、パターン液晶層36の液晶化合物の屈折率差と光学異方性層の厚さとの積の値がλ/2のとき、パターン液晶層36に右円偏光の入射光L4が入射すると、入射光L4は、パターン液晶層36を通過することにより、180°の位相差が与えられて、左円偏光の透過光L5に変換される。
また、入射光L4は、パターン液晶層36を通過する際に、それぞれの液晶化合物40の光学軸40Aの向きに応じて絶対位相が変化する。このとき、光学軸40Aの向きは、矢印X方向に沿って回転しながら変化しているため、光学軸40Aの向きに応じて、入射光L4の絶対位相の変化量が異なる。さらに、パターン液晶層36に形成された液晶配向パターンは、矢印X方向に周期的なパターンであるため、パターン液晶層36を通過した入射光L4は、図21に示すように、それぞれの光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q2が与えられる。
ここで、入射光L4は、右円偏光であるので、光学軸40Aの向きに対応した矢印X方向に周期的な絶対位相Q2は、左円偏光である入射光L1とは逆になる。その結果、入射光L4では、入射光L1とは逆に矢印X方向に傾斜した等位相面E2が形成される。
そのため、入射光L4は、等位相面E2に対して垂直な方向に向かって傾くように屈折され、入射光L4の進行方向とは異なる方向に進行する。このように、入射光L4は、入射方向に対して矢印X方向とは逆の方向に一定の角度だけ傾いた左円偏光の透過光L5に変換される。
パターンコレステリック液晶層34と同様、パターン液晶層36も、形成された液晶配向パターンの1周期Λを変化させることにより、透過光L2およびL5の屈折の角度を調節できる。具体的には、パターン液晶層36も、液晶配向パターンの1周期Λが短いほど、互いに隣接した液晶化合物40を通過した光同士が強く干渉するため、透過光L2およびL5を大きく屈折させることができる。
また、矢印X1方向に沿って回転する、液晶化合物40の光学軸40Aの回転方向を逆方向にすることにより、透過光の屈折の方向を、逆方向にできる。すなわち、図18~図21に示す例では、矢印X方向に向かう光学軸40Aの回転方向は時計回りであるが、この回転方向を反時計回りにすることで、透過光の屈折の方向を、逆方向にできる。
なお、回折効率の観点から、このような、入射光を透過回折する液晶回折素子を用いる場合も、液晶化合物が捩れて回転(捩れ角が360°未満)している領域を有する液晶回折素子を用いるのが好ましい。
ここで、図15に示すパターンコレステリック液晶層34および図18に示すパターン液晶層36はそれぞれ、液晶化合物の光学軸が液晶層(液晶回折素子)の主面に平行な構成を示したがこれに限定はされない。
例えば、図24に示すパターンコレステリック液晶層34bのように、前述のパターンコレステリック液晶層において、液晶化合物の光学軸が液晶層(液晶回折素子)の主面に傾斜していてもよい。また、図25に示すパターン液晶層36bのように、前述のパターン液晶層において、液晶化合物の光学軸が液晶層(液晶回折素子)の主面に傾斜していてもよい。なお、これらの液晶層は、液晶化合物に由来する光学軸の向きが、面内の一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する点は前述のパターンコレステリック液晶層34およびパターン液晶層36と同様である。すなわち、パターンコレステリック液晶層34bの平面図およびパターン液晶層36bの平面図は、図16と同様である。
以下の説明において、液晶化合物の光学軸が液晶層(液晶回折素子)の主面に傾斜している構成を、プレチルト角を有するともいう。
液晶層においては、上下界面の一方の界面において、液晶化合物の光学軸がプレチルト角を有している構成であってもよく、両方の界面でプレチルト角を有する構成であってもよい。また、両界面でプレチルト角が異なっていてもよい。
液晶層が表面でプレチルト角を有すると、さらに表面から離れたバルクの部分でも表面の影響を受けてチルト角を有する。このように液晶化合物がプレチルト(傾斜)することにより、光が回折する際に実効的な液晶化合物の複屈折率が高くなり、回折効率を高めることができる。
プレチルト角は、液晶層をミクロトームで割断し、断面の偏光顕微鏡観察によって測定することができる。
本発明において、液晶回折素子(液晶層)に垂直に入射した光は、液晶層内において斜め方向に、屈曲力が加わり斜めに進む。液晶層内において光が進むと、本来垂直入射に対して所望の回折角が得られるように設定されている回折周期等の条件とのずれが生じるために、回折ロスが生じる。
液晶化合物をチルトさせた場合、チルトさせない場合と比較して、光が回折する方位に対してより高い複屈折率が生じる方位が存在する。この方向では実効的な異常光屈折率が大きくなるため、異常光屈折率と常光屈折率の差である複屈折率が高くなる。
狙った回折する方位に合わせて、プレチルト角の方位を設定することによって、その方位での本来の回折条件とのずれを抑制することができ、結果としてプレチルト角を持たせた液晶化合物を用いた場合の方が、より高い回折効率を得ることができると考えられる。
また、プレチルト角は液晶層の界面の処理によって制御されることが望ましい。支持体側の界面においては、配向膜にプレチルト処理をおこなうことにより液晶化合物のプレチルト角を制御することが出来る。例えば、配向膜の形成の際に配向膜に紫外線を正面から露光した後に斜めから露光することにより、配向膜上に形成する液晶層中の液晶化合物にプレチルト角を生じさせることが出来る。この場合には、2回目の照射方向に対して液晶化合物の単軸側が見える方向にプレチルトする。但し2回目の照射方向に対して垂直方向の方位の液晶化合物はプレチルトしないため、面内でプレチルトする領域とプレチルトしない領域が存在する。このことは、狙った方位に光を回折させるときにその方向に最も複屈折を高めることに寄与するので回折効率を高めるのに適している。
さらに、液晶層中または配向膜中にプレチルト角を助長する添加剤を加えることも出来る。この場合、回折効率を更に高める因子として添加剤を利用できる。
この添加剤は空気側の界面のプレチルト角の制御にも利用できる。
ここで、パターンコレステリック液晶層の場合には、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察した断面において、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部が、主面に対して傾斜している。パターンコレステリック液晶層は、法線方向および法線に対して傾斜した方向から面内レタデーションReを測定した際に、遅相軸面内および進相軸面内のいずれかにおいて、面内レタデーションReが最小となる方向が法線と成す測定角の絶対値が5°以上であることが好ましい。言い換えると、パターンコレステリック液晶層の液晶化合物が主面に対して傾斜し、かつ、傾斜方向がコレステリック液晶相の明線および暗線に略一致していることが好ましい。なお、法線方向とは、主面に対して直交する方向である。
パターンコレステリック液晶層がこのような構成を有することにより、図15に示すように液晶化合物が主面に平行であるパターンコレステリック液晶層に比して、高い回折効率で円偏光を回折できる。
パターンコレステリック液晶層の液晶化合物が主面に対して傾斜し、かつ、傾斜方向がコレステリック液晶相の明線および暗線に略一致している構成では、反射面に相当する明部および暗部と、液晶化合物の光学軸とが一致している。そのため、光の反射(回折)に対する液晶化合物の作用が大きくなり、回折効率を向上できる。その結果、入射光に対する反射光の光量をより向上できる。
パターンコレステリック液晶層の進相軸面または遅相軸面において、パターンコレステリック液晶層の光学軸傾斜角の絶対値は5°以上であるが、15°以上が好ましく、20°以上がより好ましい。
光学軸傾斜角の絶対値を15°以上とすることにより、より好適に、液晶化合物の方向を明部および暗部に一致させ、回折効率を向上できる点で好ましい。
本発明の導光素子において、各回折素子として表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれを用いてもよい。また、異なる種類の回折素子を組み合わせて用いてもよい。例えば、入射回折素子として表面レリーフ型回折素子を用い、中間回折素子および出射回折素子として偏光回折素子(液晶回折素子)を用いてもよい。第1入射回折素子と第2入射回折素子とで異なる種類の回折素子を用いてもよい。同様に、第1中間回折素子と第2中間回折素子、および、第1出射回折素子と第2出射回折素子とで異なる種類の回折素子を用いてもよい。
本発明の導光素子および画像表示装置は、視認の改善のため、射出瞳を拡大する回折光学方法を用いてもよい。
具体的には複数個の回折要素(回折素子)を使用する光学的方法、すなわち内結合、中間および外結合回折要素を備えた回折光学方法を用いることができる。本方法は特表2008-546020号公報に詳しく記載がある。
以上、本発明の導光素子および画像表示装置について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、使用量、物質量、割合、処理内容、および、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
<入射回折素子Gの作製>
(配向膜の形成)
支持体としてガラス基板を用意した。支持体上に、下記の配向膜形成用塗布液をスピンコートで塗布した。この配向膜形成用塗布液の塗膜が形成された支持体を60℃のホットプレート上で60秒間乾燥し、配向膜を形成した。
配向膜形成用塗布液
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記光配向用素材 1.00質量部
水 16.00質量部
ブトキシエタノール 42.00質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 42.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
-光配向用素材-
Figure 0007199521000001
(配向膜の露光)
図22に示す露光装置を用いて配向膜を露光して、配向パターンを有する配向膜P-1を形成した。
露光装置において、レーザとして波長(325nm)のレーザ光を出射するものを用いた。干渉光による露光量を1000mJ/cm2とした。なお、2つのレーザ光およびの干渉により形成される配向パターンの1周期(光学軸が180°回転する長さ)は、2つの光の交差角(交差角α)を変化させることによって制御した。
(パターンコレステリック液晶層の形成)
第1入射回折素子を形成する液晶組成物として、下記の組成物A-1を調製した。この組成物A-1は、右円偏光を反射するコレステリック液晶層(コレステリック液晶相)を形成する、液晶組成物である。
組成物A-1
――――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物L-1 100.00質量部
重合開始剤(BASF製、Irgacure(登録商標)907)
3.00質量部
光増感剤(日本化薬製、KAYACURE DETX-S)
1.00質量部
キラル剤Ch-1 4.87質量部
メチルエチルケトン 204.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物L-1
Figure 0007199521000002
キラル剤Ch-1
Figure 0007199521000003
配向膜P-1上に上記の組成物A-1を塗布して、塗膜をホットプレート上で80℃に加熱し、その後、80℃にて、窒素雰囲気下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を300mJ/cm2の照射量で塗膜に照射することにより、液晶化合物の配向を固定化し、第1入射回折素子のパターンコレステリック液晶層(1層目)を形成した。
塗布層の断面を走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))で確認したところ、主面に対する法線方向(厚さ方向)の厚み面ピッチは8ピッチであった。厚み面ピッチは、明部から明部、または暗部から暗部の主面に対する法線方向の間隔を1/2面ピッチとした。また、主面に対する明部および暗部の傾いている面の傾斜面ピッチは0.39μmであった。傾斜面ピッチは、明部から明部、または、暗部から暗部の傾斜面に対する法線方向の間隔を1/2面ピッチとした。ここで言う明部および暗部とは、コレステリック液晶層の断面をSEMで観察した際に見られる、コレステリック液晶相に由来する明部および暗部である。
入射回折素子Gのパターンコレステリック液晶層は、図16に示すような周期的な配向表面になっていることを偏光顕微鏡で確認した。なお、塗布層の断面をSEMで確認したところ、入射回折素子Gのパターンコレステリック液晶層(1層目)の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.43μmであった。
組成物A-1において、キラル剤Ch-1を4.31質量部に変更し、膜厚を調整した以外は同様にして、パターンコレステリック液晶層(1層目)上にパターンコレステリック液晶層(2層目)を形成した。
パターンコレステリック液晶層(2層目)を光学軸の回転方向に沿う方向切削し、断面をSEMで確認したところ、厚み面ピッチは8ピッチ、傾斜面ピッチは0.44μmであった。なお、入射回折素子Gのパターンコレステリック液晶層(2層目)の液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.43μmであった。
(入射回折素子Rの作製)
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.12質量部に変更し、パターンコレステリック液晶層(2層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を3.52質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Gと同様にして入射回折素子Rを作製した。
入射回折素子Rのパターンコレステリック液晶層(1層目)およびパターンコレステリック液晶層(2層目)の厚み面ピッチは8ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.51μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.46μm、パターンコレステリック液晶層(2層目)の傾斜面ピッチは0.53μmであった。
(中間回折素子Gの作製)
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.75質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Gと同様にして中間回折素子Gを作製した。なお、2層目のパターンコレステリック液晶層は形成しなかった。
中間回折素子Gのパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.23μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.40μmであった。
(中間回折素子Rの作製)
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.42質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Rと同様にして中間回折素子Rを作製した。なお、2層目のパターンコレステリック液晶層は形成しなかった。
中間回折素子Rのパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.28μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.43μmであった。
(出射回折素子の作製)
出射回折素子Gおよび出射回折素子Rは、膜厚を調整した以外は、それぞれ入射回折素子Gおよび入射回折素子Rと同様にして作製した。
各パターンコレステリック液晶層(1層目)およびパターンコレステリック液晶層(2層目)の厚み面ピッチは2ピッチであった。
(導光素子の作製)
導光板として、大きさ60mm×70mm、厚み1mm、材質:ガラスの導光板を用いた。第1入射回折素子として入射回折素子Gを用い、第2入射回折素子として入射回折素子Rを用い、第1中間回折素子として中間回折素子Gを用い、第2中間回折素子として中間回折素子Rを用い、第1出射回折素子として出射回折素子Gを用い、第2出射回折素子として出射回折素子Rを用いた。
入射回折素子は、直径6mmの大きさに切り出して用いた。中間回折素子は、15mm(最大)×25mmの大きさに切り出して用いた。出射回折素子は、20mm×25mmの大きさに切り出して用いた。
なお、各回折素子を切り出す際には、各回折素子を導光板上に配置した際に回折構造の周期方向が所定の方向となるように、切り出す方向と回折構造の周期方向とを調整して切り出した。
導光板の一方の主面に、作製した各回折素子を接着剤を用いて貼り合わせた。
各回折素子の配置は、図1に示すような配置とした。すなわち、第1入射回折素子と第2入射回折素子は積層して配置した。また、第1出射回折素子と第2出射回折素子は積層して配置した。
中間回折素子と入射回折素子とは左右方向に1mm離間して配置した。また、出射回折素子と入射回折素子とは上下方向に8mm離間して配置した。
なお、出射回折素子と入射回折素子は導光板の互いに異なる主面に配置した。
以上により、導光素子を作製した。この導光素子において、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とのなす角度は90°である。
また、以降の実施例、比較例では適宜回折素子の配置を調整した。
[実施例2]
図6に示すように、第1入射回折素子と第2入射回折素子とを面方向に離間して配置する構成とした以外は、実施例1と同様にして導光素子を作製した。
[比較例1]
第2中間回折素子を第1中間回折素子に積層して配置し、第1入射回折素子の回折方向が左右逆方向となるように配置し、第2出射回折素子の回折構造の周期方向が90°回転するように配置した以外は、実施例1と同様にして導光素子を作製した。すなわち、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とのなす角度は0°である。
[実施例3、4および比較例2]
(入射回折素子Bの作製)
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を5.73質量部に変更し、パターンコレステリック液晶層(2層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を5.00質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Gと同様にして入射回折素子Bを作製した。
入射回折素子Bのパターンコレステリック液晶層(1層目)およびパターンコレステリック液晶層(2層目)の厚み面ピッチは8ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.36μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.33μm、パターンコレステリック液晶層(2層目)の傾斜面ピッチは0.38μmであった。
(中間回折素子Bの作製)
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を5.57質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Gと同様にして中間回折素子Bを作製した。なお、2層目のパターンコレステリック液晶層は形成しなかった。
パターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.19μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.34μmであった。
(出射回折素子Bの作製)
出射回折素子Bは、膜厚を調整した以外は、入射回折素子Bと同様にして作製した。
出射回折素子Bのパターンコレステリック液晶層(1層目)およびパターンコレステリック液晶層(2層目)の厚み面ピッチは2ピッチであった。
(導光素子の作製)
第2入射回折素子として、入射回折素子Rに代えて入射回折素子Bを用い、第2中間回折素子として、中間回折素子Rに代えて中間回折素子Bを用い、第2出射回折素子として、出射回折素子Rに代えて出射回折素子Bを用いた以外はそれぞれ実施例1、2および比較例1と同様にして導光素子を作製した。
[実施例5、6および比較例3]
第2入射回折素子の上に第3入射回折素子を積層し、第2中間回折素子の上に第3中間回折素子を積層し、第1および第2出射回折素子の上に第3出射回折素子を積層した以外は、実施例1、2および比較例1と同様にして導光素子を作製した。
すなわち、実施例5は図7に示すような構成とし、実施例6は図8に示すような構成とした。
第3入射回折素子として入射回折素子Bを用い、第3中間回折素子として中間回折素子Bを用い、第3出射回折素子として出射回折素子Bを用いた。
[実施例7]
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.52質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第1中間回折素子(中間回折素子G)を作製した。
中間回折素子Gにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.25μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.42μmであった。
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.21質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第2中間回折素子(中間回折素子R)を作製した。
中間回折素子Rにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.29μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.45μmであった。
第1中間回折素子、第2中間回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子を切り出すときに、回折構造の周期方向に対する切り出す向きを変えて切り出し、導光素子の上に配置した際の、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とのなす角度を60°となるようにした以外は実施例1と同様にして導光素子を作製した。
[実施例8]
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.31質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第1中間回折素子(中間回折素子G)を作製した。
中間回折素子Gにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.27μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.44μmであった。
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.03質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第2中間回折素子(中間回折素子R)を作製した。
中間回折素子Rにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.32μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.47μmであった。
第1中間回折素子、第2中間回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子を切り出すときに、回折構造の周期方向に対する切り出す向きを変えて切り出し、導光素子の上に配置した際の、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とのなす角度を30°となるようにした以外は実施例1と同様にして導光素子を作製した。
[実施例9]
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.87質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第1中間回折素子(中間回折素子G)を作製した。
中間回折素子Gにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.22μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.39μmであった。
配向膜の露光において、2つの光の交差角(交差角α)を変えて配向膜に形成される配向パターンの1周期を異なるものとし、パターンコレステリック液晶層(1層目)を形成する組成物におけるキラル剤の量を4.52質量部に変更し、膜厚を調整した以外は、実施例1と同様にして第2中間回折素子(中間回折素子R)を作製した。
中間回折素子Rにおけるパターンコレステリック液晶層(1層目)の厚み面ピッチは2ピッチ、液晶配向パターンにおいて、液晶化合物の光学軸が180°回転する1周期は、0.26μmであった。パターンコレステリック液晶層(1層目)の傾斜面ピッチは0.42μmであった。
第1中間回折素子、第2中間回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子を切り出すときに、回折構造の周期方向に対する切り出す向きを変えて切り出し、導光素子の上に配置した際の、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とのなす角度を120°となるようにした以外は実施例1と同様にして導光素子を作製した。
[評価]
作製した各導光素子について、以下の方法で多重像の発生の有無を評価した。
Vuzix社のBladeに用いられているプロジェクションディスプレイを、入射回折素子に向けて画像を照射するように配置して画像表示装置を作製した。なお、プロジェクションディスプレイと入射回折素子間に円偏光板を配置し、入射回折素子に対して右円偏光の画像を投影した。また、第1入射回折素子と第2入射回折素子を積層した構成の導光板に対してはプロジェクションディスプレイを1機用い、第1入射回折素子と第2入射回折素子とを面方向に離間して配置した構成の導光板に対してはプロジェクションディスプレイを2機用いた。
作製した画像表示装置を用いて画像を表示して、多重像を評価した。
・多重像の発生がほとんど視認されなかった場合をA、
・多重像の発生がわずかに視認されるが、軽微な場合をB、
・多重像の発生が弱く視認されるが、許容内の場合をC、
・多重像の発生が視認され、目立つ場合をD、
と評価した。
結果を下記の表に示す。
Figure 0007199521000004
表1から、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している本発明の導光素子の実施例1~9は、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差していない比較例に比べて、多重像の発生が抑制されていることがわかる。
また、実施例1、7~9の対比から、第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、第2出射回折素子の回折構造の周期方向との交差角は、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましいことがわかる。
以上の結果より、本発明の効果は明らかである。
ARグラスなど、導光を利用する各種の光学装置に好適に利用可能である。
10 画像表示装置
12 表示素子
14、14b 導光素子
16 導光板
18a 第1入射回折素子
18b 第2入射回折素子
18c 第3入射回折素子
20a 第1中間回折素子
20b 第2中間回折素子
20c 第3中間回折素子
24a 第1出射回折素子
24b 第2出射回折素子
24c 第3出射回折素子
29、35 液晶回折素子
30 支持体
32 配向膜
34、34b パターンコレステリック液晶層
36、36b パターン液晶層
40 液晶化合物
40A 光学軸
60 露光装置
62 レーザ
64 光源
65 λ/2板
68 偏光ビームスプリッター
70A,70B ミラー
72A,72B λ/4板
R 赤色の右円偏光
M レーザ光
MA,MB 光線
O 直線偏光
R 右円偏光
L 左円偏光
Q 絶対位相
E,E1,E2 等位相面
,L 入射光
,L 透過光
U 使用者

Claims (19)

  1. 導光板と、前記導光板に設けられる第1入射回折素子、第2入射回折素子、第1出射回折素子および第2出射回折素子とを有し、
    前記第1入射回折素子および前記第2入射回折素子は、入射した光を互いに異なる方向に回折して、前記導光板に入射させるものであり、
    前記第1出射回折素子は、前記第1入射回折素子によって回折され、前記導光板内を伝搬された光を前記導光板から出射させるものであり、
    前記第2出射回折素子は、前記第2入射回折素子によって回折され、前記導光板内を伝搬された光を前記導光板から出射させるものであり、
    前記第1入射回折素子の回折構造の周期と前記第2入射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
    前記第1出射回折素子の回折構造の周期と、前記第2出射回折素子の回折構造の周期とが異なり、
    前記第1出射回折素子と前記第2出射回折素子とは、前記導光板の主面の面方向において重複する位置に配置されており、
    前記第1出射回折素子の回折構造の周期方向と、前記第2出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している導光素子。
  2. さらに、前記導光板に設けられる第1中間回折素子および第2中間回折素子を有し、
    前記第1中間回折素子は、前記第1入射回折素子によって回折され、前記導光板内を伝搬された光を、前記第1出射回折素子に向けて回折し、
    前記第2中間回折素子は、前記第2入射回折素子によって回折され、前記導光板内を伝搬された光を、前記第2出射回折素子に向けて回折し、
    前記第1中間回折素子の回折構造の周期と、前記第2中間回折素子の回折構造の周期とが異なる請求項1に記載の導光素子。
  3. 前記第1中間回折素子および前記第2中間回折素子はそれぞれ、表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかである請求項2に記載の導光素子。
  4. 前記第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、前記第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2とし、前記第1中間回折素子の回折構造の周期をΛe1とし、前記第2中間回折素子の回折構造の周期をΛe2とし、前記第1出射回折素子の回折構造の周期をΛo1とし、前記第2出射回折素子の回折構造の周期をΛo2とすると、
    Λe1≦Λi1
    Λe1≦Λo1
    Λe2≦Λi2
    Λe2≦Λo2
    を満たす請求項2または3に記載の導光素子。
  5. 前記第1入射回折素子、前記第2入射回折素子、前記第1出射回折素子および前記第2出射回折素子はそれぞれ、表面レリーフ型回折素子、体積ホログラム型回折素子、および、偏光回折素子のいずれかである請求項1~4のいずれか一項に記載の導光素子。
  6. 前記偏光回折素子が、液晶化合物を含む組成物を用いて形成され、前記液晶化合物由来の光学軸の向きが面内の少なくとも一方向に沿って連続的に回転しながら変化している液晶配向パターンを有する、液晶回折素子である請求項3または5に記載の導光素子。
  7. 前記液晶回折素子が、前記液晶化合物の光学軸の向きが厚さ方向で捩じれ回転している領域を有する請求項6に記載の導光素子。
  8. 前記液晶回折素子が、コレステリック液晶相を固定してなるコレステリック液晶層を有する請求項6または7に記載の導光素子。
  9. 前記液晶回折素子は、前記液晶化合物の光学軸が、前記液晶回折素子の主面に対して傾斜している構成を有する請求項6~8のいずれか一項に記載の導光素子。
  10. 前記液晶回折素子は、前記液晶回折素子の主面の法線方向および法線に対して傾斜した方向から面内レタデーションを測定した際に、遅相軸面内および進相軸面内のいずれかにおいて、面内レタデーションが最小となる方向が前記法線方向から傾斜している請求項6~9のいずれか一項に記載の導光素子。
  11. 前記第1入射回折素子と前記第2入射回折素子とが、積層されている請求項1~10のいずれか一項に記載の導光素子。
  12. 前記第1入射回折素子と前記第2入射回折素子とが、前記導光板の面方向の異なる位置に配列されている請求項1~10のいずれか一項に記載の導光素子。
  13. 前記第1出射回折素子と前記第2出射回折素子とが、積層されている請求項1~12のいずれか一項に記載の導光素子。
  14. 前記第1入射回折素子、前記第2入射回折素子、前記第1出射回折素子および前記第2出射回折素子の回折構造の周期が1μm以下である請求項1~13のいずれか一項に記載の導光素子。
  15. 前記導光板に設けられる第3入射回折素子および第3出射回折素子を有し、
    前記第3入射回折素子前記第1入射回折素子とは、入射した光を互いに異なる方向に回折して、前記導光板に入射させるものであり、
    前記第3出射回折素子は、前記第3入射回折素子によって回折され、前記導光板内を伝搬された光を前記導光板から出射させるものであり、
    前記第3入射回折素子の回折構造の周期は、前記第1入射回折素子および前記第2入射回折素子の回折構造の周期と異なり、
    前記第3出射回折素子の回折構造の周期は、前記第1出射回折素子および前記第2出射回折素子の回折構造の周期とは異なり、
    前記第3出射回折素子は、前記第1出射回折素子および前記第2出射回折素子と、前記導光板の主面の面方向において重複する位置に配置されており、
    前記第3出射回折素子の回折構造の周期方向と、前記第1出射回折素子の回折構造の周期方向とが交差している請求項1~14のいずれか一項に記載の導光素子。
  16. 前記第1入射回折素子の回折構造の周期をΛi1とし、前記第2入射回折素子の回折構造の周期をΛi2、前記第3入射回折素子の回折構造の周期をΛi3とすると、
    Λi3≦Λi1≦Λi2
    を満たす請求項15に記載の導光素子。
  17. 請求項1~16のいずれか一項に記載の導光素子と、
    前記導光素子の前記第1入射回折素子および前記第2入射回折素子に画像を照射する表示素子と、を有する画像表示装置。
  18. 前記表示素子が、円偏光を照射する請求項17に記載の画像表示装置。
  19. 前記導光素子の前記第1入射回折素子に画像を照射する第1表示素子と、
    前記導光素子の前記第2入射回折素子に画像を照射する第2表示素子と、を有し、
    前記第1表示素子が照射する光の中心波長と、前記第2表示素子が照射する光の中心波長とが互いに異なる請求項17または18に記載の画像表示装置。
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