JP7199233B2 - 脱水ケーキの含水率推定方法および汚泥処理システム - Google Patents

脱水ケーキの含水率推定方法および汚泥処理システム Download PDF

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Description

本発明は、汚泥を処理する過程において、汚泥を脱水して得られる脱水ケーキの含水率を推定する方法、およびこれを適用した汚泥処理システムに関する。
一般に、下水処理場等の設備において発生する汚泥は、濃縮、脱水を経た後、焼却するという手順で処理される。このような汚泥処理の過程においては、脱水後に得られる脱水ケーキの含水率を予測することが、脱水工程、およびその後の焼却工程において重要である。処理対象である汚泥は、下水等を濃縮して得られる液体と固体の混合物であり、含まれる固体の種類や、直近の雨量等の条件によって、その水分量が時々刻々変化する。一方、その後の焼却工程を省エネルギーで安定的に行うためには、汚泥を脱水して得られる脱水ケーキの含水率をなるべく一定に保つことが望ましい。
汚泥の脱水には、例えば下記特許文献1に記載の如き遠心脱水機が用いられ、脱水ケーキの含水率は、脱水機の運転条件を調整することにより操作することができる。尚、以下では単に「含水率」という場合、脱水ケーキの含水率を指すものとする。
特開2005-279573号公報
ここで、適度な含水率の脱水ケーキを得られるように脱水機の運転条件を最適化するためには、現在の運転状況において得られる脱水ケーキの含水率を把握する必要があるが、この含水率は従来、含水率計を用いた方法や、重量乾燥法によって測定されていた。実際に脱水機から排出される脱水ケーキの一部をサンプリングし、含水率を含水率計で測定したり、乾燥させて前後の重量差から含水率を算出するのである。しかしながら、含水率計による方法では満足な測定精度を得ることが難しく、また、重量乾燥法では乾燥に長い時間がかかってしまい、含水率をリアルタイムで把握できないという難点があった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、脱水ケーキの含水率を長い時間をかけることなく、高精度で推定し得る脱水ケーキの含水率推定方法および汚泥処理システムを提供しようとするものである。
本発明は、スクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤの外周を取り囲み且つ前記スクリューコンベヤと同軸に回転するボウルを備え、内部に汚泥を供給すると共に前記ボウルおよび前記スクリューコンベヤを互いに異なる速度で回転させて汚泥を脱水し、脱水ケーキと分離水をそれぞれ排出する遠心式の脱水機から排出される脱水ケーキの含水率推定方法であって、少なくとも以下に列挙するパラメータから選択される複数のパラメータを用いて含水率推定モデルを生成し、含水率を推定することを特徴とする脱水ケーキの含水率推定方法にかかるものである。
・前記脱水機から分離水を排出する分離水出口の大きさに関する値。
・前記ボウルを回転させる駆動機の電流に関する値。
・前記ボウルに対して前記スクリューコンベヤを回転させる差動機に供給される電流に関する値。
本発明の脱水ケーキの含水率推定方法において、前記含水率推定モデルは、決定木を用いた機械学習により生成されることが好ましい。
本発明の脱水ケーキの含水率推定方法においては、前記各パラメータのうち、少なくとも前記差動機の電流に関する値を用いて前記含水率推定モデルを生成することが好ましい。
また、本発明は、上述の脱水ケーキの含水率推定方法を適用したことを特徴とする汚泥処理システムにかかるものである。
本発明の脱水ケーキの含水率推定方法および汚泥処理システムによれば、脱水ケーキの含水率を長い時間をかけることなく、高精度で推定し得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の適用対象である汚泥処理システムの構成の一例を示す概略図である。 脱水機の形態の一例を示す正断面図である。 本実施例の汚泥処理システムの一部を構成する含水率推定部のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施による脱水ケーキの含水率推定方法の手順の一例を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施による汚泥処理システムの構成の一例を示している。処理対象の下水や排水等である原水W1は、まず沈殿槽1に導入されて固形物を沈殿処理される。沈殿槽1の上澄みは、処理水W2として生物処理槽2に導入され、微生物により浄化処理される。生物処理槽2にて処理された処理水W2は、さらに最終沈殿槽3に導入され、再び沈殿処理される。最終沈殿槽3の上澄みは、放流水W3として河川等の外部環境へ放出される。
沈殿槽1および最終沈殿槽3の沈殿物は、汚泥Mとして回収され、濃縮槽4にて濃縮される。濃縮槽4では、汚泥Mを重力濃縮により濃縮し、汚泥Mから水分を分離する。濃縮槽4で濃縮された汚泥Mは、脱水機5に送られ、さらに水分を分離され、脱水ケーキCとなる。脱水ケーキCは、焼却設備6に送られて焼却処理される。あるいは、ここでは図示を省略するが、埋め立て処理されたり、セメント資源等として利用される。濃縮槽4および脱水機5にて汚泥Mから分離された水は、分離水W4として原水W1に合流され、再び沈殿槽1に導入される。
図2は、上述の汚泥処理システムに備えられる脱水機5の構成の一例を示している。脱水機5は、スクリューコンベヤ7と、ボウル8を備えて構成されている。スクリューコンベヤ7は、円筒形の中心軸7aと、該中心軸7aの外周面に螺旋状に設けられた羽根7bを備えている。ボウル8は、中心軸7aの周囲に羽根7bを備えたスクリューコンベヤ7の外周を取り囲む略円筒形状の部材であり、スクリューコンベヤ7と同軸状に配置され、スクリューコンベヤ7の中心軸7aとの間に空間Sを形成している。
ボウル8の一端側は、軸方向外側に向かって径の小さくなる円錐状の縮径部8aとして形成されている。縮径部8aの先端部の外周面には、ボウル8の内外を連通するように脱水ケーキ出口8bが設けられている。ボウル8の他端側には、円筒状のボウル8の底面をなす円盤状の堰8cが設けられている。堰8cの中心には孔が設けられており、その孔は汚泥Mから分離された分離水W4が排出される分離水出口8dとして機能するようになっている。堰8cは高さ(ボウル8の内周面から、分離水出口8dの縁までの距離)が変更できるように構成されており、これにより分離水出口8dの大きさを変更し、分離水出口8dから排出される分離水W4の量を調整できるようになっている。
スクリューコンベヤ7とボウル8の一端側は駆動機9に接続されており、駆動機9は、ボウル8を中心軸7aの軸と一致する軸を中心として回転駆動するようになっている。さらに、スクリューコンベヤ7の他端側は、ギヤボックス10を介して差動機11と接続されている。差動機11は、駆動機9によってボウル8が回転駆動される際、ボウル8の回転に対して差速を付与しつつスクリューコンベヤ7を回転させるようになっており、これにより、スクリューコンベヤ7とボウル8は互いに同軸に、且つ異なる速度で回転する。差速の大きさは、ギヤボックス10によって調整される。尚、ギヤボックス10の代わりに、例えば図示しないブレーキ機構等によって差速を調整するようにしても良い。
スクリューコンベヤ7の中心軸7aの内部には、空間Sに汚泥Mを供給するための投入路7cが設置されている。投入路7cは、中心軸7aの一端側に投入口7dを、中心軸7aの軸方向に関して中間部の外周面に投入出口7eを、それぞれ備えている。
駆動機9によりボウル8をスクリューコンベヤ7と共に回転させつつ、投入口7dから汚泥Mを連続的に供給すると、汚泥Mは投入路7cを通って投入出口7eから空間Sへ供給される。スクリューコンベヤ7とボウル8は回転しているので、空間S内の汚泥Mは遠心力によってボウル8の内壁に押し付けられ、さらに密度差によって固体分は径方向外側に、水分は径方向内側に分離する。スクリューコンベヤ7の回転には、差動機11によりボウル8の回転に対して差速が与えられているので、径方向外側に分離した固体分はボウル8に対する羽根7bの回転動作によりボウル8の一端側へ搬送され、脱水ケーキ出口8bから脱水ケーキCとして排出される。一方、径方向内側に分離した水分は、固体分とは反対側に押し出され、ボウル8の他端側の分離水出口8dから分離水W4として排出される。
また脱水時、汚泥Mには、脱水を効率的に行うために、凝集剤が添加される。凝集剤には、主に固形粒子の電荷を中和して電気的な反発力を除くために加えられる無機凝集剤と、固形粒子同士を集合させて沈降しやすくする高分子凝集剤があり、汚泥Mの量や性質に合わせ、これらの凝集剤が量を適宜調整されて汚泥Mと共に投入口7dから投入される。
汚泥Mを脱水する度合いは、運転条件を種々に変更することで調整できる。遠心分離を行うための遠心力は駆動機9による回転速度に依存するので、回転速度を上げれば脱水の度合いは上がり、回転速度を落とせば脱水の度合いは下がる。また、スクリューコンベヤ7とボウル8の差速を大きめにすると、遠心分離の速度に対して脱水ケーキCが排出される速度が速くなるので脱水の度合いは下がり、差速を小さくすると脱水の度合いは上がる。堰8cによっても脱水の度合いを調整することができ、堰8cを高くすれば分離水出口8dは大きくなり、分離水W4の排出量が下がるので脱水の度合いは下がり、堰8cを低くすると分離水W4の排出量が増えて脱水の度合いは上がる。凝集剤の量も、脱水ケーキCの含水率に影響する。こうした各種の運転条件を調整することにより、天候等によって様々に性質の異なる汚泥Mから生成される脱水ケーキCの含水率を、なるべく一定の値に近づけることができる。
このような脱水機5の運転は、制御装置12により制御される(図1参照)。制御装置12は、脱水機5を含む汚泥処理システムの全体の運転を監視し、制御する装置であり、脱水機5の他にも各所の運転の制御を担っているが、ここでは脱水機5の運転に関わる部分のみを図示している。
制御装置12からは、脱水機5の駆動機9、ギヤボックス10、差動機11、といった各部(図2参照)に対し、運転条件を指定する制御信号12aが入力される。一方、脱水機5の各部からは、現在の運転状況に関する各種のパラメータが状態信号12bとして制御装置12に入力される。制御装置12に設けられた表示部13には、脱水機5をはじめとする汚泥処理システムの各部の運転状況等が表示されるようになっている。
さらに、制御装置12は、含水率推定部14と連携して脱水機5の運転条件を決定するようになっている。含水率推定部14は、例えば制御装置12に接続されたパーソナルコンピュータ、あるいはクラウド上のシステムであるが、このほかに、ネットワークを介して接続されたコンピュータやシステムであっても良いし、あるいは制御装置12の一部として構成されていても良い。制御装置12からは、この含水率推定部14に対し現在の運転状況に関する各種のパラメータが情報信号12cとして入力され、含水率推定部14では、情報信号12cとして入力されたパラメータに基づき脱水ケーキCの含水率を推定し、結果を情報信号14aとして制御装置12に返すようになっている。制御装置12では、情報信号14aとして入力された含水率に基づき、脱水機5の運転条件を決定する(尚、具体的な運転条件は、制御装置12が自動で決定することもできるし、一部または全部を人力で決定してもよい)。
含水率推定部14のシステム構成を図3に示す。含水率推定部14は、含水率推定ソフト15と、該含水率推定ソフト15により生成される含水率推定モデル16と、含水率推定モデル16を生成するための含水率推定用原データ17と、制御装置12から情報信号12cとして入力されたパラメータを記録するパラメータログデータ18とが格納されており、含水率推定ソフト15を実行できるようになっている。また、含水率推定部14にはこれらに加え、含水率推定ソフト15により推定された含水率を書き込む推定含水率更新用データ19と、パラメータログデータ18のバックアップデータ20が格納されている。
含水率推定用原データ17、パラメータログデータ18、推定含水率更新用データ19、バックアップデータ20は、例えば脱水機5の運転状況に関する各種のパラメータが表の形で整理されたデータシートであるが、この他にも、パラメータを適宜に扱える限りにおいて、各種データは種々の形式とすることができる。
含水率推定ソフト15は、含水率推定用原データ17に基づく機械学習により、含水率推定モデル16を生成する機能を備えている。含水率推定モデル16としては、線形回帰、リッジ回帰、勾配ブースティング、ランダムフォレスト等、各種の形式のモデルを採用することができるが、図2に示す如き脱水機5における脱水ケーキCの含水率を推定する目的には、勾配ブースティングやランダムフォレストといった決定木を用いるモデルが適しており、特にランダムフォレスト型のモデルを採用すると高い精度で含水率を推定できることが、本願発明者らの取り組みにより明らかになっている。
線形回帰は、独立変数から目的変数(従属変数ともいう)を予測する予測器を関数として表す手法である。前記関数は、与えられた学習データにおいて、予測される目的変数の誤差が最小となるように設定される。ただし、線形回帰では、既知の学習データに関してはある程度精度の良い予測が可能であるが、予測器が学習データに適合しすぎてしまう結果、未知のデータに関しては正しい予測値を返すことが難しくなることがある(過学習)。リッジ回帰は、関数に正則化項を追加し、過学習による精度の低下を抑えるようにした手法である。
勾配ブースティングでは、あるデータセット(ここでは、含水率推定用原データ17に記録された、脱水機5の運転状況に関する各種のパラメータ)から決定木を作成してある結果(ここでは、脱水ケーキCの含水率)を予測し、予測した結果に正解値(ここでは、重量乾燥法等により別途測定された含水率の実測値)から外れた値があった場合に、その誤差を小さくするよう、前記決定木の一部を重点的に補正する。この操作を繰り返し、決定木の精度を高めていく。
ランダムフォレストでは、あるデータセットから複数の異なる決定木を作成し、各決定木の予測値から多数決により予測値を決定する。複数の決定木は、それぞれ互いに異なる学習データに基づいて作成され、各決定木における分岐点には、各種のパラメータ(ここでは、後に説明するような遠心効果や差速、トルクといった、脱水機5の運転状況に関する各種のパラメータ)からランダムに選択された複数のパラメータのうち、分岐にとって最も適当と思われるパラメータが設定される。各分岐点にいずれのパラメータを設定するかについては、例えば統計学上の「ジニ不純度」と称される基準で判断することができる。作成された各決定木は、それぞれが一個の分類器であり、各々が与えられたパラメータから予測値を導出する。これらの複数の決定木により導かれた結論を、多数決により一つの結論に統合する。このような決定木を使った手法では、十分な学習データを与えて機械学習を繰り返すことで、線形回帰やリッジ回帰と比べて誤差を少なくし、予測精度を高くすることができる。
含水率推定部14による脱水ケーキCの含水率推定方法の手順について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、含水率推定モデル16を生成するための含水率推定用原データ17を作成し、含水率推定部14に入力する(ステップS1)。含水率推定用原データ17は、特定の脱水機5を実際に運転した際、様々な時点における運転条件に関する種々のパラメータと、その時に取得された含水率とを記録したデータセットである。含水率は、重量乾燥法等により正確に測定することができる。また、運転条件に関する各種のパラメータは、制御装置12から脱水機5へ入力される制御信号12aや、脱水機5から制御装置12へ入力される状態信号12bから取得することができる。
含水率の推定には、例えば以下のパラメータを用いることができる。
・遠心効果に関する値。例えば、ボウル8の回転により、内部の汚泥Mに対して加わる加速度[G]。あるいは、ボウル8の回転数[rpm]や外周面の回転速度[m/s]、角速度[rad/s]など、同等のパラメータを用いても良い。
・差速に関する値。ボウル8に対するスクリューコンベヤ7の差速、またはそれと同等の値。回転数[rpm]で表しても良いし、角速度[rad/s]の差等を用いても良い。
・分離水出口の大きさに関する値。例えば、堰8cの高さ[mm]。代わりに、例えば分離水出口8dの径や、ボウル8の直径に対する堰8cの高さあるいは分離水出口8dの径の比、その他、同等のパラメータを用いても良い。
・駆動機の電流に関する値。例えば、駆動機9に供給される電気の電流値[A]。電力値[W]等を用いても良い。
・差動機の電流に関する値。例えば、差動機11に供給される電気の電流値[A]。電力値[W]等を用いても良い。
・スクリューコンベヤ7を回転させるために差動機11から加えられるトルク[kNm]。
・汚泥の固形物濃度に関する値。すなわち、投入口7dから投入される汚泥Mに含まれる固形物の濃度[%]。図示しない濃度計や、重量乾燥法等により測定される。
・分離水の固形物濃度に関する値。すなわち、分離水出口8dから排出される分離水W4に含まれる固形物の濃度[mg/L]。
・汚泥の供給量に関する値。すなわち、投入口7dから投入される汚泥Mの時間あたりの量[m/h]。体積のほか、重量[kg/h]で表しても良い。
・凝集剤の量に関する値。例えば、汚泥Mと共に投入される高分子凝集剤の時間あたりの投入量[L/h]、あるいは、汚泥Mの供給量に対する高分子凝集剤の投入量の割合[%]。また、無機凝集剤の時間あたりの投入量[L/h]、あるいは、汚泥Mの供給量に対する無機凝集剤の量の割合[%]。
尚、各パラメータとしては、ここに例示したものに代えて、単位あるいは定義の異なる同等のパラメータや、関連するパラメータを用いることができる。また、上に例示したパラメータの他に、脱水機5の運転に関連する何らかの別のパラメータを用いても良い。
ここで、「関する」「関連する」とは、例えば加速度に対する回転速度や回転数や角速度、また、電流に対する電力のように相互に直接的に関係し、パラメータとして同等に扱うことができる関係をいう。また、例えば「駆動機の電流に関する値」と言った場合に、「駆動機の電流に関する値」は「駆動機に供給される電流値」それ自体であってもよいものとする。
含水率推定用原データ17には、複数の時点における上記各パラメータと共に、その時の脱水ケーキCの含水率[%]が記録されている。含水率推定ソフト15は、含水率推定用原データ17に記録された各時点のパラメータに基づき、その時の含水率を推定する含水率推定モデル16を生成する(ステップS2)。含水率推定モデル16の生成には、種々の手法を用いることが可能であるが、上に説明したように決定木を用いた手法(勾配ブースト、ランダムフォレスト)が特に有効である。
決定木を生成する際には、含水率推定ソフト15が上述の各種パラメータから複数のパラメータを適宜取捨選択し、また必要に応じてそれぞれに重み付けをし、選択肢のパターンを形成していく。形成したパターンから推定される含水率と、実際の含水率とを比較しながら、決定木を修正し、あるいは新しく作成する作業を繰り返し、機械学習によって精度の高い含水率推定モデル16を最終的に生成する。
生成された含水率推定モデル16は、含水率推定用原データ17を収集した脱水機5において、ある時点の運転状況を示すパラメータから、その時の脱水ケーキCの含水率を推定するものとなっている。ここで、含水率の推定には、上述のパラメータのうち、差動機の電流に関する値が重要であることが本願発明者らの取り組みによって明らかになっている。すなわち、含水率推定モデル16を生成するにあたり、上述のパラメータのうち差動機の電流に関する値を採用し、また、その重み付けを大きくすれば、特に精度の高い含水率の推定が可能となる。
従来、図2に示す脱水機5の如き遠心式の脱水機においては、含水率とトルクに相関関係があることが知られているが、トルクのみをパラメータとして含水率を推定する方法では、あまり高い推定精度を得ることができなかった。本実施例では、トルクに限らず脱水機5の運転状況に関する種々のパラメータから複数のパラメータを用いて含水率推定モデル16を生成し、その際、特に差動機11の電流に関する値を用いることにより、含水率推定の精度をいっそう向上させることができるのである。
含水率推定モデル16の生成が完了したら、実際に含水率を推定する運用を開始することができる。
含水率推定部14は、脱水機5の運転に関する上記各種パラメータを、制御装置12から情報信号12cとして取得し、パラメータログデータ18に記録する(ステップS3)。含水率推定ソフト15は、パラメータログデータ18から含水率を推定したい任意の時点(例えば、リアルタイム)におけるパラメータ(リアルタイムの推定を行う場合、最新のログ)を読み出し、含水率推定モデル16を用いて含水率を推定する(ステップS4)。推定結果の値は、推定含水率更新用データ19に書き込まれる(ステップS5)。含水率推定部14は、推定含水率更新用データ19に書き込まれた推定結果を、パラメータログデータ18に記録する(ステップS6)。また、パラメータログデータ18と同じデータを、バックアップデータ20として保存する(ステップS7)。バックアップデータ20の保存は、パラメータログデータ18の全体を複製することで行っても良いし、新規のパラメータおよび推定された含水率を既存のデータに書き込むことで行っても良い。
パラメータログデータ18の記録やバックアップデータ20の保存が完了したら、ステップS3に戻り、新しいパラメータを取得して含水率の推定を行う。
含水率推定部14は、パラメータログデータ18に記録された推定含水率を情報信号14aとして制御装置12に送信する。制御装置12では、推定含水率に応じて脱水機5の運転条件を調整する。また、表示部13では、上述の各パラメータに加え、推定含水率を表示することができ、これにより、外部から脱水機5の運転状況や、脱水ケーキCの含水率を監視することができる。
このような本実施例の方法およびシステムによれば、遠心式の脱水機5から排出される脱水ケーキCの含水率を短時間で且つ高い精度で推定し、脱水機5の運転にほぼリアルタイムで反映させることが可能である。
尚、ここに説明した含水率推定部14のシステム構成や含水率推定の手順はあくまで一例であって、脱水機5の運転状況に関する上述の如き各種パラメータから含水率推定モデル16を生成し、これを用いて任意の時点における運転状況から含水率を推定し得る限りにおいて、種々変更することができる。例えば、含水率推定ソフトの仕様によってはパラメータログデータ18と推定含水率更新用データ19を同一のファイルとしても良い。また、含水率の記録(ステップS6)とバックアップデータ20の保存(ステップS7)を並行して実行することもできる。
以上のように、上記本実施例においては、スクリューコンベヤ7と、該スクリューコンベヤ7の外周を取り囲み且つスクリューコンベヤ7と同軸に回転するボウル8を備え、内部に汚泥Mを供給すると共にボウル8およびスクリューコンベヤ7を互いに異なる速度で回転させて汚泥Mを脱水し、脱水ケーキCと分離水W4をそれぞれ排出する遠心式の脱水機5から排出される脱水ケーキCの含水率推定方法に関し、少なくとも以下に列挙するパラメータから選択される複数のパラメータを用いて含水率推定モデル16を生成し、含水率を推定するようにしている。
・遠心効果に関する値。
・ボウル8とスクリューコンベヤ7の差速に関する値。
・脱水機5から分離水W4を排出する分離水出口8dの大きさに関する値。
・ボウル8を回転させる駆動機9の電流に関する値。
・ボウル8に対してスクリューコンベヤ7を回転させる差動機11の電流に関する値。
・スクリューコンベヤ7の回転にかかるトルクに関する値。
・脱水機5に供給される汚泥Mの固形物濃度に関する値。
・脱水機5より排出される分離水W4の固形物濃度に関する値。
・脱水機5に供給される汚泥Mの量に関する値。
・汚泥Mと共に供給される凝集剤の量に関する値。
このようにすると、脱水ケーキCの含水率を短時間で且つ高い精度で推定することができる。
また、本実施例において、含水率推定モデル16は、決定木を用いた機械学習により生成されるので、脱水ケーキCの含水率をより高い精度で推定することができる。
また、本実施例においては、前記各パラメータのうち、少なくとも差動機11の電流に関する値を用いて含水率推定モデル16を生成するので、脱水ケーキCの含水率をいっそう高い精度で推定することができる。
また、本実施例の汚泥処理システムにおいては、上述の脱水ケーキの含水率推定方法を適用しており、このようにすれば、推定された脱水ケーキCの含水率を脱水機5の運転にほぼリアルタイムで反映させることができる。
したがって、上記本実施例によれば、脱水ケーキの含水率を長い時間をかけることなく、高精度で推定し得る。
尚、本発明の脱水ケーキの含水率推定方法および汚泥処理システムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
5 脱水機
7 スクリューコンベヤ
8 ボウル
8d 分離水出口
9 駆動機
11 差動機
16 含水率推定モデル
C 脱水ケーキ
M 汚泥
W4 分離水

Claims (4)

  1. スクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤの外周を取り囲み且つ前記スクリューコンベヤと同軸に回転するボウルを備え、内部に汚泥を供給すると共に前記ボウルおよび前記スクリューコンベヤを互いに異なる速度で回転させて汚泥を脱水し、脱水ケーキと分離水をそれぞれ排出する遠心式の脱水機から排出される脱水ケーキの含水率推定方法であって、
    少なくとも以下に列挙するパラメータから選択される複数のパラメータを用いて含水率推定モデルを生成し、含水率を推定することを特徴とする脱水ケーキの含水率推定方法。
    ・前記脱水機から分離水を排出する分離水出口の大きさに関する値。
    ・前記ボウルを回転させる駆動機の電流に関する値。
    ・前記ボウルに対して前記スクリューコンベヤを回転させる差動機に供給される電流に関する値。
  2. 前記含水率推定モデルは、決定木を用いた機械学習により生成されること
    を特徴とする請求項1に記載の脱水ケーキの含水率推定方法。
  3. 前記各パラメータのうち、少なくとも前記差動機の電流に関する値を用いて前記含水率推定モデルを生成すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の脱水ケーキの含水率推定方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の脱水ケーキの含水率推定方法を適用したことを特徴とする汚泥処理システム。
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