JP6856438B2 - 遠心分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遠心力を利用して処理液を固液分離する遠心分離装置に関するものであり、特に、固液分離の結果得られる固形相の含水率の安定化技術に関する。
汚泥等の処理液を固液分離する装置として、デカンタと称される遠心分離装置が知られている。上記デカンタでは、処理液を固液分離する際のトルクや遠心力を制御することで、固液分離の結果得られる固形相の含水率を調整している(例えば、特許文献1)。
固液分離の結果得られる固形相は、デカンタの後段に設けられる所定の移送設備によって、焼却炉等の所定の場所へと移送される。所定の移送設備としては、例えば、圧送ポンプやコンベアなどを採用可能である。
このように、デカンタにおける固形相の含水率の制御は、デカンタや後段の設備の適正な運転状態を維持するためにも非常に重要であり、固形相の含水率は重要な制御目標値のひとつである。したがって、固形相の含水率の状態を高精度に把握することができれば、デカンタや後段設備の運転の適正化を実現するのに大きく寄与することができる。
このような背景の下、デカンタの適正運転のために、固液分離により得られる分離液の濃度や分離液の泡の色を計測し、デカンタに供給する処理液への薬品添加量が適切であるかどうかを判定する技術(例えば、特許文献2を参照)や、固液分離の結果得られる固形相の液状化を検出して固形相の状態を推測する技術などが提供されている(例えば、特許文献3を参照)。
しかしながら、上記特許文献2および3に記載の技術は、いずれも固形相の含水率を推測するためのものではなく、固形相の含水率を制御パラメータとして推測することのできる実用化たり得る技術はいまだ提供されていないのが実情であった。
また、特許文献4には、脱水汚泥を圧送する移送設備の吐出圧を圧力計で測定し、吐出圧と含水率の関係に基づき、無機凝集剤注入ポンプの運転を制御する技術が記載されている。しかしながら、例えばデカンタから排出される脱水汚泥の含水率が、移送設備の吐出圧に現れるまでには、必ずタイムラグが生じる。このタイムラグは、例えば脱水汚泥をホッパーに一次貯留してから圧送する構成の場合、脱水汚泥の発生量やホッパー容量などによって様々に変化し、かなり大きくなる場合もある。脱水汚泥の発生量は、デカンタの処理状況,供給汚泥の性状や供給量などによっても変化する。従って、様々に変化するタイムラグを、安定して正確に予見するのは難しい。
ゆえに、特許文献4のように凝集剤の調整に利用する場合は定かでないが、吐出圧から導き出した「含水率」又は「駆動機電流」の定量値を、デカンタの主制御のであるトルク制御にフィードバックさせてしまうと、たとえ吐出圧と含水率との間に相関関係があったとしても、様々に変化するタイムラグによって現実には主制御動作が安定しない場合がある。また、複数のデカンタから排出される脱水汚泥を集めて共通の移送設備で圧送する場合も同様の問題が生じ得る。さらに特許文献1のように含水率計を用いた場合も同様である。
特許第3731292号 特開平05−177153号公報 特開2003−181498号公報 特許第5774392号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、固形相を移送する移送設備の移送負荷情報を、所望の含水率の固形相を得るために行われる主制御動作が安定的に実行されるように用いることにある。
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)本発明の遠心分離装置は、遠心力により処理液を固液分離するボウルと、前記ボウルを回転させるモーターと、前記ボウル内で分離された固形相を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、前記ボウル内の固形相を搬送するスクリューコンベアのトルクと固形相含水率との相関関係を有する主制御指標に基づき、前記トルクが目標値となるように前記差速発生装置を制御する主制御を実行する制御部と、を備えた遠心分離装置において、前記排出口から排出された固形相を移送する移送設備の移送負荷を示す情報を取得する移送負荷情報取得部を備え、前記制御部は、前記移送負荷情報取得部にて取得される情報が示す移送負荷を、前記主制御の動作として定めているトルク目標値補正動作を実行するか否か判定する副制御指標として利用することを特徴とする。
(2)前記移送設備は、固形相を貯留するホッパーと、該ホッパー内の固形相をポンプケーシングに向けて圧送するフィーダーと、該ポンプケーシング内の固形相を移送配管に向けて押出移送するシリンダー機構と、を含む圧送ポンプであり、前記移送設備における移送負荷を示す情報は、前記フィーダーの駆動機構の負荷、前記シリンダー機構の駆動負荷、前記シリンダー機構の押出圧のいずれか一つ以上とすることができる。
(3)前記主制御の動作として定めているトルク目標値補正動作は、例えば、前記副制御指標によりトルク目標値補正動作を実行すると判定した場合に、予め決めたトルク補正値をトルク目標値に段階的に加減していく動作である。
(4)前記移送設備における移送負荷を示す情報は、例えば、連続的にサンプリングされる該情報の中から、予め決めた時間間隔内における最大値を用いる。
汚泥は年間を通して性状変動が大きく、含水率とスクリューコンベアのトルクとの相関関係が変わる場合がある。一例として、トルク値が100N・mでの含水率が77%程度のときもあれば70%程度のときもある。トルク値は、汚泥の性状の他に凝集剤の薬注率や遠心力等の影響を受けることがある。この場合、スクリューコンベアのトルクと固形相含水率との相関関係に基づく主制御にトルク値の補正を行うことになるが、自動運転においては補正を実行する判断基準も様々である。すなわち、補正を行う最適な判断基準があったとは必ずしも言うことはできない。
そこで、本発明によれば、先ず、遠心分離装置における固液分離の結果得られる固形相の含水率と、遠心分離装置の後段で固形相を移送する移送設備における移送負荷との高い相関関係に着目したことにより、移送設備が移送している固形相の含水率を、高い精度で把握することを可能にした。
但し、上記理由によりここで得た「含水率」を直接的かつ定量的に主制御にフィードバックさせると主制御がかえって安定しない場合がある。そこで、本発明は、移送設備の移送負荷情報を、前記主制御の動作として定めているトルク目標値補正動作を実行するか否か判定する副制御指標として用いる。すなわち、所望の含水率にするための制御はあくまで主制御を主体とし、副制御動作は実質的には切り分けている。このようにすることで、固形相を移送する移送設備の移送負荷情報を、所望の含水率の固形相を得るための遠心分離装置の「主制御動作」を安定的に実行するために用いることを可能にしたのである。
本発明の好ましい実施形態に従う遠心分離システムの構成図である。 圧送ポンプ6の概略構成を示す図である。 トルク一定制御について説明するためのフローチャートである。 トルク一定制御におけるトルクと含水率の関係と、圧送ポンプの吐出圧力と含水率の関係を示すグラフである。 圧送ポンプ6における移送負荷が、許容される上下限範囲を超える場合を示すグラフである。 CPU81aによる、設定トルクの設定値の変更(S4)について説明するためのグラフである。 トルク目標値補正動作の一例を説明するためのグラフである。 遠心力制御について説明ためのフローチャートである。 CPU81aにより取得される差速が、許容範囲を超える場合を示すグラフである。 CPU81aによる、設定遠心力の設定値の変更(S24)について説明するためのグラフである。 圧送ポンプの吐出圧を移送負荷を示す情報としてサンプリングする方法を説明するためのグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態に従う遠心分離装置について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による遠心分離システムについて説明する。
<システム構成>
本実施形態による遠心分離システムの概略構成について説明する。ここでは、一例として、下水由来の汚泥(処理液)に対して遠心分離処理を行う場合について説明する。
例えば、本実施形態による遠心分離システムを下水処理場における下水処理工程の一部において使用する場合、下水処理の一連の工程における脱水(濃縮)工程を担う。したがって、この場合は、本実施形態による遠心分離システムにおける固液分離の対象である処理液は、脱水工程の前段までの処理を経た下水由来の汚泥である。
図1は、本発明の好ましい第1実施形態に従う遠心分離システムの構成図である。第1実施形態による遠心分離システムは、例えば、遠心分離装置であるデカンタ1と、移送設備としての圧送ポンプ6と、デカンタ制御盤8と、移送設備制御盤9と、を備えている。
<デカンタ構成>
本実施形態のデカンタ1は、図1に示すように、固形相出口20と液相出口21が下面側にそれぞれ独立に形成されているケーシング2と、ケーシング内に配置されたボウル3と、ボウル3内で遠心分離された固形相を搬送するスクリューコンベア4と、遠心分離する処理液をボウル3内に供給するための供給ノズル5を備えている。ボウル3は、例えばケーシング2の外部に配置されるベアリング等の軸受機構22によって、その両軸が回転可能に支持されている。さらにスクリューコンベア4は、コンベアベアリング等の軸受機構23によって、その両軸が回転可能に支持されている。なお、符号24は、ケーシング2内の空間を区画する仕切壁である。
そして、駆動機構である主モーター25の動力が回転ベルト25aを介してボウル3側のプーリー25bに伝達されると、ボウル3が回転し、さらに差速発生装置であるギアボックス26及びスプラインシャフト26aを通じてスクリューコンベア4に回転動力が伝達され、これによりボウル3とスクリューコンベア4とが相対的な差速をもって回転する。主モーター25の回転駆動制御は、デカンタ制御盤8における制御部81により行なわれる。処理液の種類や濃度等によって適宜調整され得るが、通常運転の一例として、500〜8000min−1の範囲内で選択される所定の回転数でボウル3を回転させ、ボウル3に対して0.5〜50min−1の差速をもってスクリューコンベア4を回転させて遠心分離を行う。
ギアボックス26には、バックドライブモーター27と称されるモーターが回転ベルト27a及びプーリー27bを介して連結されている。バックドライブモーター27は、スクリューコンベア4がボウル3よりも遅く回転するようにブレーキをかけるためのものであり、差速の大きさを可変に調節することができる。バックドライブモーター27の制御は、デカンタ制御盤8における制御部81がインバータ82を介して制御することにより実現される。デカンタ制御盤8は、トルク検出部83を備えており、スクリューコンベア4が固形相を搬送する際にかかるトルクを、インバータ82からの出力に基づいて検出する。なお、符号28は、デカンタ2の支持架台であり、符号29は、供給ノズル5を支持する支持部材である。
スクリューコンベア4の回転にブレーキをかけることによってバックドライブモーター27に発生する回生電力は、主モーター25に供給するようにすることができる。
ボウル3は、円筒状の胴部の一端側に円錐形状部31が形成されており、他端側にはフロントハブ32と称する円盤状部材が設けられている。ボウル3の胴部は、ボウル3内に供給される処理液のプール(液溜り)部を形成する。一方、円錐形状部31は、スクリューコンベア4によって搬送される固形相が液相から離脱するビーチ部を形成しており、その端部に固形相排出口33が設けられている。フロントハブ32には、液相が溢流して排出される液相排出口34が設けられている。液相排出口34は、フロントハブ32を貫通する円形状の開口穴である。
スクリューコンベア4の外周面には、固形相を搬送するためのスクリュー羽根41が螺旋状に設けられている。さらに、スクリューコンベア4の外周面には、供給孔42が設けられている。供給孔42は、スクリューコンベア4の先端側内部に形成されている液供給室43と連通している。
このように、デカンタ制御盤8は、主モーター25、インバータ82を介したバックドライブモーター27の制御や、トルク検出部83において検出される情報の取得、デカンタ制御盤8と接続されている圧送ポンプ6からの情報取得(詳細については後述)など、デカンタ1の統括的な制御を行なっている。なお、デカンタ制御盤8に備わる制御部81は、例えばCPU81a、メモリ81bおよび記憶装置81cを含むコンピュータシステムによって構成することができる。このような構成により、制御部81は、記憶装置81cに記憶されているプログラムをメモリ81bにロードし、メモリ81bにロードされたプログラムをCPU81aによって実行することにより、所望の処理機能を実現する。
<圧送ポンプ構成>
続いて、圧送ポンプ6について説明する。圧送ポンプ6は、デカンタ1における遠心分離処理によって固液分離されて固形相出口20から排出される固形相を受け取り、所定の移送先(例えば、焼却炉など)へ向けて移送する移送設備としての役割を有している。図2は、圧送ポンプ6の概略構成を示す図である。
圧送ポンプ6は、デカンタ1の固形相出口20から排出される固形相をホッパー63にて受け取る。ホッパー63の下方には、第1シリンダー61Aと第2シリンダー61Bとを備えるシリンダー機構である油圧シリンダー61が設けられている。シリンダー61A内にはピストン67Aが図2における矢印方向に進退可能に配置されており、シリンダー61B内にはピストン67Bが図2における矢印方向に進退可能に配置されている。
上記第1シリンダー61Aには、詳しくは図2に示すように、油貯留槽62Bの油をポンプ62Aによって送出し、給排バルブシステム62Cの各バルブの開閉状態を制御することにより、ピストン67Aを進退させる油圧回路が備わっている。油貯留槽62B、ポンプ62A、及び給排バルブシステム62Cは、油圧ユニットの一例である。また、図2では紙面スペースの都合上図示していないが、第2シリンダー61Bについても、第1シリンダー61Aと同様に油圧回路が設けられている。圧送ポンプ6は、移送設備制御盤9(図1)を備えており、上記給排バルブシステム62Cの各バルブの開閉制御やポンプ62Aの駆動制御は、移送設備制御盤9が行なう。
ホッパー63は、デカンタ1の固形相出口20から排出される固形相が供給されると、モーター64によって回転駆動されるスクリューフィーダ65によって固形相を圧送ポンプ6のケーシングに向けて圧送する。モーター64は、例えば、移送設備制御盤9により制御される。
続いて、移送設備制御盤9は、スクリューフィーダ65によって固形相を圧送ポンプ6のケーシングへ向けて圧送すると共に、第1シリンダー61Aおよび第2シリンダー61Bを所定のタイミングで交互に進退させることによって移送管路66へ向けて固形相を押し出しする。かかる動作を継続することによって、固形相が所定の移送先へと送られる。
また、圧送ポンプ6に備わる移送管路66には、ピストン67A,67Bによって押し出される固形相の圧力(すなわち、押出圧或いは吐出圧)を測定するための圧力計67が備わっており、圧力計67における圧力測定結果は移送設備制御盤9にて取得可能となっている。移送設備制御盤9にて取得される圧力計67における圧力測定結果は、上述したデカンタ制御盤8における制御部81へと送信される。
<駆動制御>
続いて、上述のような構成を有する遠心分離システムにおける、デカンタ制御盤8による駆動制御について説明する。デカンタ1のような遠心分離装置において採用される駆動制御方法としては、例えば、所望の含水率とするためのトルク一定制御を基本とし、さらに好ましくは必要最小限の遠心力を処理液に付与するための遠心力制御が追加的に行われる。
まず、デカンタ1の主制御動作であるトルク一定制御について説明する。主制御動作は、主制御指標としてのスクリューコンベア4の搬送トルクと固形相含水率との相関関係に基づき、トルクが目標値となるように差速発生装置を制御する。図3は、トルク一定制御について説明するためのフローチャートである。制御部81におけるCPU81aは、トルク検出部83により検出される負荷トルクの値をモニタリングしつつ、制御目標値として予め記憶部81cに保持されている設定トルクを維持するように、差速を可変に制御する。
下水処理施設等における処理工程にて運用される場合には、処理液の性状が種々の要因によって変わる場合がある。したがって、予め定められた時間間隔(たとえば数時間)毎に図3に示すようなルーチンの処理を行ない、主制御動作の一環として定めているトルク目標値補正動作を実行するか否か判定する(S1)。この判定は、後述する副制御指標による副制御の位置づけで行われる。
具体的には、前回のルーチンの完了後、所定の時間(以下、副制御実行時間)が経過している場合には(S1,YES)、CPU81aは、移送設備制御盤9から送信される圧力計67の圧力検出値を取得する(S2)。もちろん、ここでのCPU81aによる圧力検出値の取得は、副制御実行時間が経過したタイミングに厳密に限定する必要はなく、任意のタイミングで取得して記憶部81c等に格納しておき必要に応じて読み出すようにしてもよい。さらに、取得される圧力検出値にはある程度のバラつきが生ずるため、制御パラメータとしての信頼性向上のために、圧力検出値の取得の際には移動平均処理等を施すことが望ましい。
図4は、トルク一定制御における主制御指標となるトルクと含水率の関係を実際の運転データを基に示したグラフの一例と、そのときの副制御指標となる圧送ポンプ6の吐出圧と含水率の関係を実際の運転データを基に示したグラフの一例である。図4のグラフを見れば、トルクと含水率の相関関係に比して、圧送ポンプ6の吐出圧と含水率の相関関係の方が精度が高い場合があることが理解できる。さらに図4から、圧送ポンプの吐出圧[MPa]が増大するにつれて、脱水汚泥の含水率[%]が低下する関係にあることが分かる。
図5は、圧送ポンプ6の移送負荷が、許容される上下限範囲を超える場合を示すグラフである。同図に示すように、一点鎖線の曲線は、検出される圧送ポンプ6の移送負荷が許容上限を上回っており、固形相の含水率が所望レベルよりも低いことが推測され、設定トルクを下げる必要があることが分かる。すなわち、トルク目標値補正動作を実行する判断基準を満たしていると判断する。一方、二点鎖線の曲線は、検出される圧送ポンプ6の移送負荷が許容下限を下回っており、固形相の含水率が所望レベルよりも高いことが推測され、設定トルクを上げる必要があることが分かる。すなわち、トルク目標値補正動作を実行する判断基準を満たしていると判断する。(S3,YES)。
図6は、CPU81aによる、設定トルクの設定値の変更(S4)について説明するためのグラフである。同図に示すように、CPU81aは、検出される圧送ポンプ6の移送負荷が許容上限を上回っている場合(図5における一点鎖線の曲線)、設定トルクを下げる。一方、CPU81aは、検出される圧送ポンプ6の移送負荷が許容下限を下回っている場合(図5における二点鎖線の曲線)、設定トルクを上げる。また、図6に示すように、設定トルクには、上限と下限が設けられており、CPU81aによる、設定トルクの設定値の変更を行なう場合においても、上限値を超える設定トルクへの変更、および下限値を下回る設定トルクへの変更は行なわれないように規定されている。このようにして変更された設定トルクに基づき、CPU81aによるトルク一定制御が行なわれる(S5)。
続いて、主制御動作の一環として定めているトルク目標値補正動作の一例を説明する。トルク目標値補正動作は、トルク目標値補正動作を実行する判断基準を満たしているときに、予め決めたトルク補正値をトルク目標値に段階的に加減していく補正動作である。理解し易いように、図7の模式図を用いてさらに詳しく説明する。
仮に圧送ポンプ6の移送負荷から導き出される「含水率」に対応するトルク適正値が把握されたとしても、その適正値をトルク目標値にすることはしない。本実施形態においては、図3に示すようなルーチン処理を繰り返し行ない、図7に模式的に示すように、現在のトルクよりも高いところにあるであろう適正範囲に向けて、段階的に、定量の補正を行うことでトルクを適正範囲内に収めていく補正を行う。定量の補正は、適正範囲との差の絶対量にはとらわれず、予め主制御の動作として定めた補正量とする。例えば、補正量を2N・mとした場合、適正範囲との差が100N・m離れていても20N・m離れていても、差が100→98→96N・m,20→18→16N・mとなるように定量かつ段階的に補正する。
すなわち、副制御を通じて得ようとするものは、含水率がどの位であり目標含水率との差がどの位あるかという定量値の情報ではない。特許文献4や特許文献1の手法で推定又は測定した含水率を、デカンタの本制御に直接的に取り入れると、主制御がかえって安定しない場合があるのは既述した通りである。ゆえに本実施形態では、あくまでデカンタ1の制御は主制御によるものとし、副制御は、主制御動作の一環として定めているトルク目標値補正動作を実行するか否か判断する判断基準に止めている。このようにすることで、デカンタ1の「主制御動作」を安定的に実行することができるのである。
続いて、上述したトルク一定制御と組み合わせて実行される遠心力制御について説明する。図8は、遠心力制御について説明のためのフローチャートである。制御部81におけるCPU81aは、主モーター25の回転数およびボウル3とスクリューコンベア4の差速[min−1]をモニタリングしつつ、制御目標値として予め記憶部81cに保持されている設定遠心力を維持するように、ボウル3の回転数(すなわち、遠心力)を維持する。
上述したように、特に下水処理施設等における処理工程にて運用される場合には、処理液の性状が種々の要因によって変動する。したがって、予め定められた時間間隔(たとえば数時間)毎に図8に示すようなルーチンの処理を行なう(S21)。
具体的には、前回の設定遠心力調整処理の完了後、所定の時間(以下、設定遠心力変更時間)が経過している場合には(S21,YES)、CPU81aは、ボウル3とスクリューコンベア4の差速[min−1]の値を取得する(S22)。もちろん、ここでのCPU81aによる差速の取得は、設定遠心力変更時間が経過したタイミングに厳密に限定する必要はなく、任意のタイミングで取得して記憶部81c等に格納しておき必要に応じて読み出すようにしてもよい。
図9は、CPU81aにより取得される差速が、許容範囲を超える場合を示すグラフである。同図に示すように、二点鎖線の曲線は、取得される差速の値が許容限度よりも小さく、固形相の含水率が所望レベルよりも高いことが推測され、設定遠心力を上げる必要があることが分かる。一方、一点鎖線の曲線は、取得される差速の値が許容限度よりも大きく、固形相の含水率が所望レベルよりも低いことが推測され、設定遠心力を下げる必要があることが分かる(S23,YES)。
図10は、CPU81aによる、設定遠心力の設定値の変更(S24)について説明するためのグラフである。同図に示すように、CPU81aは、取得される差速の値が所定の許容限度値よりも小さい場合(図9における二点鎖線の曲線)、設定遠心力を上げる。一方、CPU81aは、取得される差速の値が所定の許容限度値よりも大きい場合(図9における一点鎖線の曲線)、設定遠心力を下げる。また、図9に示すように、差速には、設定される遠心力毎に上限と下限が設けられる。このようにして変更された設定遠心力に基づき、CPU81aによる遠心力制御が行なわれる(S25)。
なお、本実施形態では、固液分離後の固形相(脱水ケーキ)の移送に圧送ポンプを採用している構成を例示したが、これに限られるものではない。例えば、移送設備として、中空のスパイラル部材をケーシング内部で回転させる、いわゆるシャフトレス・コンベア等を採用することもできる。
また、本実施形態では、説明の便宜上、設定トルクの変更の判断基準として、圧送ポンプ6において検出される圧力値を採用した場合を例示したが、これに限られるものではなく、圧送ポンプ6の吐出圧(押出圧)、スクリューフィーダ65における駆動機構の負荷(例えば電流値)および油圧ユニットの駆動機構の負荷(例えば電流値)のうちの少なくともいずれか、もしくはこれらを任意に組み合わせたパラメータに基づいて、設定トルクの変更の判断を行なうようにしてもよい。
例えば図2に示したような圧送ポンプ6において、移送負荷を示す情報としてピストン67A,67Bによって押し出される固形相の圧力(押出圧又は吐出圧)を用いる場合、図11に模式的に示すように、圧力はピストンの作動直後に最大値を示して直ぐに減衰し、この最大値は短時間においてもばらつくことから、連続的に取得した圧力を一時的にメモリ等に格納して、予め決めた時間間隔内における最大値を代表値として用いることが好ましい。圧力のサンプリングはその他にも、変更可能なタイマを設けて、ピストン作動から僅かに遅れた圧力を最大値として読み取る方法がある。
なお、上述の各実施形態において、ボウルおよびスクリューが水平な回転軸を中心として回転する、いわゆる横型のデカンタを例示したが、これに限られるものではない。例えば、鉛直な回転軸を中心として回転する、いわゆる竪型のデカンタに対しても、本発明は適用可能である。また、本発明は、固形相の含水率と固形相の移送負荷との相関関係に着目したものであるが、移送設備とは別に、この相関関係を利用した設備を含水率計として配置するようにしてもよい。このような含水率計は、移送を目的とするものではないから図2の圧送ポンプに比べて装置構成の簡素化とスケールダウンをすることが好ましい。一例として、デカンタ1から排出される脱水汚泥の一部を抜き出し、圧送ポンプのような移送作用を付与したときの圧力(吐出圧/押出圧)に対応する含水率を出力する構成が挙げられる。なお、この場合も、出力される含水率を主制御にフィードバックしないのは既述の理由の通りである。
上述の各実施形態では、遠心分離の対象となる被処理液が、下水由来の汚泥である場合を例示したが、もちろん、これに限られるものではなく、他の処理液に対する遠心分離処理を行う場合にも、本発明は適用可能である。さらに、本発明の場合、トルク設定と遠心力設定の自動化、遠心分離装置の過負荷・過トルク・異常振動の抑制、移送設備の過負荷・圧力異常・詰りの抑制、遠心分離装置の省電力化といった効果も得ることができる。
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。
1 デカンタ
2 ケーシング
3 ボウル
4 スクリューコンベア
6 圧送ポンプ
8 デカンタ制御盤
9 移送設備制御盤
27 バックドライブモーター
67 圧力計

Claims (4)

  1. 遠心力により処理液を固液分離するボウルと、前記ボウルを回転させるモーターと、前記ボウル内で分離された固形相を排出口に向けて搬送するスクリューコンベアと、前記スクリューコンベアが前記ボウルと相対的な差速をもって回転するようにする差速発生装置と、前記ボウル内の固形相を搬送するスクリューコンベアのトルクと固形相含水率との相関関係を示す主制御指標に基づき、前記トルクが目標値となるように前記差速発生装置を制御する主制御を実行する制御部と、を備えた遠心分離装置において、
    前記排出口から排出された固形相を移送する移送設備の移送負荷を示す情報を取得する移送負荷情報取得部を備え、
    前記制御部は、前記移送負荷情報取得部にて取得される情報が示す移送負荷を、前記主制御の動作として定めているトルク目標値補正動作を実行するか否か判定する副制御指標として利用することを特徴とする遠心分離装置。
  2. 前記移送設備は、固形相を貯留するホッパーと、該ホッパー内の固形相をポンプケーシングに向けて圧送するフィーダーと、該ポンプケーシング内の固形相を移送配管に向けて押出移送するシリンダー機構と、を含む圧送ポンプであり、
    前記移送設備における移送負荷を示す情報は、前記フィーダーの駆動機構の負荷、前記シリンダー機構の駆動負荷、前記シリンダー機構の押出圧のいずれか一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の遠心分離装置。
  3. 前記主制御の動作として定めているトルク目標値補正動作は、前記副制御指標によりトルク目標値補正動作を実行すると判定した場合に、予め決めたトルク補正値をトルク目標値に段階的に加減していく動作であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心分離装置。
  4. 前記移送設備における移送負荷を示す情報は、連続的にサンプリングされる該情報の中から、予め決めた時間間隔内における最大値を用いることを特徴とする請求項2に記載の遠心分離装置。

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