JP7198590B2 - 樹脂含有材料構造体及び樹脂含有材料構造体の製造方法 - Google Patents

樹脂含有材料構造体及び樹脂含有材料構造体の製造方法 Download PDF

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本発明は、樹脂含有材料構造体及び樹脂含有材料構造体の製造方法に関する。
航空機、自動車、車両、船舶等の構造物を構成する構造体に、強化繊維に樹脂を含浸させた複合材料に例示される樹脂含有材料が用いられる。この構造体は、第1樹脂含有材料と第2樹脂含有材料とを接合して一体化したものがある。第1樹脂含有材料と第2樹脂含有材料との接合は、低コスト化及び軽量化のため、接着材等による接着を採用することが増加してきている。
ところで、亀裂の進展方向にスリットを配置することで、スリットにより亀裂の進展を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2011-070183号公報
特許文献1の方法では、樹脂含有材料を接着剤等で接着することで得られる樹脂含有材料構造体において、接着剤の部分にスリットを配置することができないため、接着剤の部分に進展する亀裂の進展を抑制することができない。すなわち、特許文献1の方法では、樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、樹脂含有材料を接着剤等で接着することで得られる樹脂含有材料構造体において、樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することを可能にした樹脂含有材料構造体及び樹脂含有材料構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、樹脂含有材料構造体は、樹脂を含有する第1樹脂含有材料と、樹脂を含有し、前記第1樹脂含有材料に接着して設けられる第2樹脂含有材料と、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着する接着剤層と、を含み、前記接着剤層は、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に高剛性を有する構造用接着剤が設けられて形成された構造用接着剤領域と、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に前記構造用接着剤よりも高い損失正接を有する高損失正接接着剤を含んで形成された高損失正接接着剤含有領域と、を有し、前記構造用接着剤領域は、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料との接着面の中央領域に設けられ、前記高損失正接接着剤含有領域は前記構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1樹脂含有材料と第2樹脂含有材料とを接着する接着剤層が、構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に設けられ、損失正接が構造用接着剤よりも高い高損失正接接着剤を含んで形成された高損失正接接着剤含有領域を有するので、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
この構成において、前記構造用接着剤は、損失正接が0.1未満であり、前記高損失正接接着剤は、損失正接が0.1以上であることが好ましい。この構成によれば、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展をさらに抑制することができる。
この構成において、前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面において衝撃が伝播する衝撃伝播領域に設けられていることが好ましい。この構成によれば、剥離の損傷の進展の先端となる衝撃伝播領域において、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができるので、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
これらの構成において、前記接着面は長方形状であり、前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面の短辺の両端側において前記接着面の長辺に沿って延びて設けられることが好ましい。この構成によれば、接着面が長方形状である場合の衝撃伝播領域である接着面の長辺に沿う領域において、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができるので、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
あるいは、前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面の外周の少なくとも一部に沿って設けられることが好ましい。この構成によれば、接着面の形状に依らず衝撃伝播領域である接着面の外周の少なくとも一部に沿う領域において、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができるので、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
これらの構成において、前記高損失正接接着剤含有領域は、少なくとも一部が、前記構造用接着剤と前記高損失正接接着剤とが積層されて形成されていることが好ましい。この構成によれば、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる領域について、さらに接着強度を向上させることができる。
前記第1樹脂含有材料は、強化繊維をさらに含有する複合材料であり、前記第2樹脂含有材料は、強化繊維をさらに含有する複合材料であることが好ましい。この構成によれば、樹脂含有材料の中でもさらにしなりやすいために弾性変形しやすい強化繊維含有の複合材料の場合でも、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、樹脂含有材料構造体の製造方法は、樹脂を含有する第1樹脂含有材料を準備する第1樹脂含有材料準備ステップと、樹脂を含有し、前記第1樹脂含有材料に接着して設けられる第2樹脂含有材料を準備する第2樹脂含有材料準備ステップと、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料との接着面の中央領域に、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に高剛性を有する構造用接着剤を設け、前記中央領域の外周の少なくとも一部に、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に前記構造用接着剤よりも高い損失正接を有する高損失正接接着剤を含む接着剤を設け、前記構造用接着剤及び前記高損失正接接着剤を含む接着剤を反応させて接着剤層を形成する接着剤層形成ステップと、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、第1樹脂含有材料と第2樹脂含有材料とを接着する接着剤層が、構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に設けられ、損失正接が構造用接着剤よりも高い高損失正接接着剤を含んで形成された高損失正接接着剤含有領域を有する樹脂含有材料構造体を製造することができるので、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制した樹脂含有材料構造体を製造することができる。
図1は、実施形態に係る樹脂含有材料構造体の概略を示す斜視図である。 図2は、図1の樹脂含有材料構造体の底面図及び側面図である。 図3は、図1の樹脂含有材料構造体に使用する構造用接着剤及び高損失正接接着剤と、それらの性質を示す3次元グラフである。 図4は、実施形態に係る樹脂含有材料構造体の製造方法を示すフローチャートである。 図5は、実施例1における構造用接着剤領域と高損失正接接着剤含有領域とを説明する説明図である。 図6は、実施例1における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。 図7は、実施例2における構造用接着剤領域と高損失正接接着剤含有領域とを説明する説明図である。 図8は、実施例2における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。 図9は、実施例3における構造用接着剤領域と高損失正接接着剤含有領域とを説明する説明図である。 図10は、実施例3における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。 図11は、比較例における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る樹脂含有材料構造体10の概略を示す斜視図である。図2は、図1の樹脂含有材料構造体10の上面図である。樹脂含有材料構造体10は、航空機、自動車、車両、船舶等の構造物に用いられるものが例示される。樹脂含有材料構造体10は、図1及び図2に示すように、第1樹脂含有材料12と、第2樹脂含有材料14と、接着剤層16と、を含む。また、樹脂含有材料構造体10は、図2に示すように、第1樹脂含有材料12の両側部で支持する支持部材17をさらに含んでいてもよい。
第1樹脂含有材料12は、樹脂を含有する樹脂含有材料である。第1樹脂含有材料12は、航空機、自動車、車両、船舶等の構造物の胴体に用いられる部材が例示され、樹脂含有材料構造体10が航空機の構造物に用いられるものである場合、航空機の胴体におけるスキンが例示される。第1樹脂含有材料12は、本実施形態では平板状であるが、本発明はこれに限定されることなく、第2樹脂含有材料14のいずれか1つの面と接着可能な面を有する形状であれば、いかなる形状であってもよい。
第2樹脂含有材料14は、樹脂を含有する樹脂含有材料であり、第1樹脂含有材料12に接着して設けられる。第2樹脂含有材料14は、第1樹脂含有材料12の構造上の強度を補う部材が例示され、樹脂含有材料構造体10が航空機の構造物に用いられるものである場合、航空機の胴体におけるストリンガ、フレームまたはロンジロン等に用いられる材料が例示される。第2樹脂含有材料14は、本実施形態では平板状であるが、本発明はこれに限定されることなく、第1樹脂含有材料12のいずれか1つの面と接着可能な面を有する形状であれば、いかなる形状であってもよい。
第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14に用いられる樹脂は、いずれも、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が、好ましいものとして例示される。熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂が例示される。熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、及びポリフェニレンサルファイド(PPS)等が例示される。ただし、強化繊維に含浸される樹脂は、これに限定されず、その他の樹脂でもよい。
第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14は、いずれも、強化繊維をさらに含有し、強化繊維に樹脂を含浸させて形成した複合材料であることが好ましく、この場合、強化繊維により第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14の強度が向上することに伴い、樹脂含有材料構造体10の強度が向上する。第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14に用いられる強化繊維は、いずれも、5μm以上7μm以下の基本繊維を数100本から数1000本程度束ねたものが例示される。第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14に用いられる強化繊維を構成する基本繊維は、カーボン繊維、ガラス繊維、プラスチック繊維、アラミド繊維及び金属繊維が好適なものとして例示される。
接着剤層16は、第1樹脂含有材料12の第2樹脂含有材料14と対向する面と第2樹脂含有材料14の第1樹脂含有材料12と対向する面とを接着する層である。接着剤層16は、構造用接着剤領域と、高損失正接接着剤含有領域と、を有する。構造用接着剤領域は、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14とを接着後に高剛性を有する構造用接着剤が設けられて形成された領域である。高損失正接接着剤含有領域は、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14とを接着後に構造用接着剤よりも高い損失正接を有する高損失正接接着剤を含んで形成された領域である。構造用接着剤は、後述する接着剤の性質を考慮すれば、損失正接が0.1未満であり、高損失正接接着剤は、損失正接が0.1以上であるとすることが好ましい。また、構造用接着剤領域は、第1樹脂含有材料12の第2樹脂含有材料14との接着面の中央領域に構造用接着剤が設けられている。高損失正接接着剤含有領域は、構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に設けられている。
樹脂含有材料構造体10は、図2に示すように、衝撃物19によって位置18に衝撃が加えられると、位置18を起点として、衝撃物19による衝撃を外側へ伝播させる。ここで、樹脂含有材料構造体10を構成する第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14は、展伸性が少ないため、受けた衝撃に呼応して弾性変形が起きることにより、しなりやすいという性質を有する。樹脂含有材料構造体10を構成する第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14は、複合材料である場合、受けた衝撃に呼応して弾性変形が起きることにより、しなりやすいという性質がさらに強まる。このため、樹脂含有材料構造体10は、この伝播した衝撃により、第1樹脂含有材料12及び第2樹脂含有材料14がしなることに伴い、接着剤層16の外周部から、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷を生じさせる方向に力が加えられる。以下において、この衝撃が伝播し、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷を生じさせる方向に力が加えられる起点となり、剥離の損傷の進展の先端となる領域を、衝撃伝播領域と称する。
図3は、図1の樹脂含有材料構造体10に使用する構造用接着剤及び高損失正接接着剤と、それらの性質を示す3次元グラフである。図3を用いて、衝撃物19によって位置18に加えられる衝撃に対する接着剤層16の損傷の程度について、以下に説明する。図3に示す3次元グラフは、横軸が接着剤層16の損失正接、すなわちtanδを表しており、奥行き方向の軸が接着剤層16の厚さ(単位;mm)を表しており、高さ方向の軸が第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の接着面の全体に各損失正接及び各厚さの接着剤層16を形成して衝撃物19によって位置18に所定の衝撃を加えた際の損傷率(単位;%)を表している。
図3に示すように、損失正接が0.020で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、40.7%であった。損失正接が0.020で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、64.0%であった。損失正接が0.023で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、34.6%であった。損失正接が0.023で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、45.1%であった。損失正接が0.039で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、29.3%であった。損失正接が0.039で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、52.6%であった。
ここで、損失正接が0.020の接着剤としては、エポキシ系の接着剤であり、航空機に用いられる構造物に使用される常温硬化型のペーストタイプの構造用接着剤を用いた。また、損失正接が0.023の接着剤としては、エポキシ系の接着剤であり、航空機に用いられる構造物に使用される加熱硬化型のフィルムタイプの構造用接着剤を用いた。また、損失正接が0.039の接着剤としては、エポキシ系の接着剤であり、汎用の構造物に使用される常温硬化型のペーストタイプの構造用接着剤を用いた。
また、図3に示すように、損失正接が0.109で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。損失正接が0.109で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。損失正接が0.126で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。損失正接が0.126で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。損失正接が0.344で厚さが0.25mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。損失正接が0.344で厚さが2.00mmの接着剤層16を形成した場合の損傷率は、0.0%であった。
ここで、損失正接が0.109の接着剤としては、エチレン・プロピレン・ジエン(Ethylene Propylene Diene M-class、EPDM)ゴムを含むエポキシ系の接着剤であり、シートタイプの高損失正接接着剤を用いた。また、損失正接が0.126の接着剤としては、弾性接着剤であるポリウレタン系高損失正接接着剤を用いた。また、損失正接が0.344の接着剤としては、エチレン酢酸ビニル(Ethylene Vinyl Acetate) ゴムを含むポリウレタン系の接着剤であり、シートタイプの高損失正接接着剤を用いた。
図3の3次元グラフに示した接着剤層16の各損失正接及び各厚さにおける損傷率の結果から、損失正接が0.1以上の接着剤層16は、衝撃物19によって位置18に所定の衝撃を加えた際に、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間が剥離する方向に加わる損傷が生じることを抑制し、この損傷が進展することを抑制していることがわかる。このことは、損失正接が0.1以上の接着剤層16は、この種の衝撃を吸収することにより、この種の損傷が生じることを抑制し、この種の損傷が進展することを抑制しているものと考えられる。このため、樹脂含有材料構造体10は、高損失正接接着剤含有領域が、接着剤層16における衝撃伝播領域に設けられることが好ましく、さらに、高損失正接接着剤含有領域に用いられる高損失正接接着剤の損失正接が0.1以上であることがより好ましく、これらの場合、高損失正接接着剤含有領域により、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
樹脂含有材料構造体10は、接着剤層16において構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に高損失正接接着剤含有領域を有する。このため、樹脂含有材料構造体10は、高損失正接接着剤含有領域に含まれる高損失正接接着剤により、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷が、この高損失正接接着剤含有領域の内側にある構造用接着剤領域に向けて生じることを抑制する。そして、樹脂含有材料構造体10は、高損失正接接着剤含有領域に含まれる高損失正接接着剤により、この損傷がこの高損失正接接着剤含有領域の内側にある構造用接着剤領域に向けて進展することを抑制することができる。
樹脂含有材料構造体10は、また、接着剤層16において構造用接着剤領域を有する。このため、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の接着強度を向上させて、衝撃物19によって位置18に加えられる衝撃とは異なる種類の様々な外力に対して、耐性を有するものとなっている。したがって、樹脂含有材料構造体10は、接着剤層16において構造用接着剤領域と高損失正接接着剤含有領域とを共に有するので、衝撃物19によって位置18に加えられる衝撃を含むこれと同様の衝撃に対しても耐性を有し、かつ、この種の衝撃とは異なる種類の様々な外力に対しても耐性を有するものとなっている。
接着剤層16における構造用接着剤領域に使用される構造用接着剤は、上記したものに加えて、アクリル系接着剤が好ましいものとして例示される。
衝撃伝播領域は、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との接着面の外周の少なくとも一部である。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着剤層16において高損失正接接着剤含有領域がこの接着面の外周の少なくとも一部に沿って設けられることが好ましく、この場合、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
また、衝撃伝播領域は、詳細には、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との接着面の形状によって決まる。例えば、接着面が円形状である場合、この衝撃伝播領域は、接着面の外周全周に万遍なく広がっている。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着面が円形状である場合、高損失正接接着剤含有領域が、接着面の外周全周に沿って設けられることが好ましく、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
また、例えば、接着面が楕円形状である場合、衝撃伝播領域は、衝撃の伝播距離が短くなる領域、すなわち、接着面の外周のうち短軸方向にある領域である。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着面が楕円形状である場合、高損失正接接着剤含有領域が、接着面のうち短軸方向にある領域に沿って設けられることが好ましく、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
また、例えば、接着面が長方形状である場合、衝撃伝播領域は、衝撃の伝播距離が短くなる領域、すなわち、接着面の短辺の両端側において、長辺に沿って中央付近に広がっている。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着面が長方形状である場合、高損失正接接着剤含有領域が、接着面の短辺の両端側において接着面の長辺に沿って延びて設けられることが好ましく、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
また、例えば、接着面が多角形状である場合、衝撃伝播領域は、衝撃の伝播距離が短くなる領域、すなわち、距離が最短となる両側の端部を構成する辺に沿って、その中央付近に広がっている。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着面が多角形状である場合、高損失正接接着剤含有領域が、接着面において距離が最短となる両側の端部を構成する辺に沿って設けられることが好ましく、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
なお、接着面の形状が複雑な場合には、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14とを共に塑性変形をしない弾性体とみなして、弾性応力のシミュレーション解析を行うことにより、衝撃伝播領域を所望の精度で推測することができる。このため、樹脂含有材料構造体10は、接着面の形状が複雑な場合には、接着剤層16における高損失正接接着剤含有領域が、接着面の外周において、弾性応力のシミュレーション解析によって推測される衝撃伝播領域に沿って設けられることが好ましい。
樹脂含有材料構造体10は、さらに、高損失正接接着剤含有領域の少なくとも一部が、構造用接着剤と高損失正接接着剤とが、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との接着方向に積層されて形成されていることが好ましい。なお、樹脂含有材料構造体10は、構造用接着剤と高損失正接接着剤とを積層して設ける場合、第1樹脂含有材料12または第2樹脂含有材料14と接する側に構造用接着剤が設けられることが好ましい。樹脂含有材料構造体10は、この場合、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる領域について、さらに接着強度を向上させることができる。このため、樹脂含有材料構造体10は、この場合、高損失正接接着剤含有領域において、高損失正接接着剤によって、衝撃物19によって位置18に加えられる衝撃を含むこれと同様の衝撃に対しても耐性を有し、かつ、構造用接着剤によって、この種の衝撃とは異なる種類の様々な外力に対しても耐性を有するものとすることができる。
樹脂含有材料構造体10は、以上のような構成を有するので、上記したように樹脂含有材料である第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14とを接着剤等で接着することで得られる場合において、接着剤層16が高損失正接接着剤含有領域を有するため、高損失正接接着剤含有領域に含まれる高損失正接接着剤により、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。また、樹脂含有材料構造体10は、樹脂含有材料の中でもさらにしなりやすいために弾性変形しやすい強化繊維含有の複合材料の場合でも、同様に、高損失正接接着剤により樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができる。
図4は、実施形態に係る樹脂含有材料構造体10の製造方法を示すフローチャートである。実施形態に係る樹脂含有材料構造体10の製造方法は、図4に示すように、第1樹脂含有材料準備ステップS11と、第2樹脂含有材料準備ステップS12と、接着剤層形成ステップS13と、を含む。
第1樹脂含有材料準備ステップS11は、樹脂を含有する第1樹脂含有材料12を準備するステップである。第1樹脂含有材料準備ステップS11は、具体的には、樹脂を第1樹脂含有材料12の形状に成形して硬化させることにより、第1樹脂含有材料12を得る。第1樹脂含有材料準備ステップS11は、第1樹脂含有材料12として複合材料を準備する場合には、強化繊維に樹脂を含浸させて第1樹脂含有材料12の形状に成形して硬化させることにより、複合材料である第1樹脂含有材料12を得る。
第2樹脂含有材料準備ステップS12は、樹脂を含有する第2樹脂含有材料14を準備するステップである。第2樹脂含有材料準備ステップS12は、具体的には、樹脂を第2樹脂含有材料14の形状に成形して硬化させることにより、第2樹脂含有材料14を得る。第2樹脂含有材料準備ステップS12は、第2樹脂含有材料14として複合材料を準備する場合には、強化繊維に樹脂を含浸させて第2樹脂含有材料14の形状に成形して硬化させることにより、複合材料である第2樹脂含有材料14を得る。
接着剤層形成ステップS13は、第1樹脂含有材料12の第2樹脂含有材料14と対向する面と第2樹脂含有材料14の第1樹脂含有材料12と対向する面との間に接着剤層16を設け、これらの面の間を接着するステップである。接着剤層形成ステップS13では、具体的には、第1樹脂含有材料12側の接着面と第2樹脂含有材料14側の接着面とのいずれか一方において、その接着面の中央領域に構造用接着剤を設けて構造用接着剤領域とし、この構造用接着剤を設けた中央領域の外周の少なくとも一部に高損失正接接着剤を含む接着剤を設けて高損失正接接着剤含有領域とし、構造用接着剤及び高損失正接接着剤を含む接着剤を反応させる。この接着剤層形成ステップS13を経ることにより、実施形態に係る樹脂含有材料構造体10が得られる。
接着剤層形成ステップS13では、構造用接着剤及び高損失正接接着剤として、いずれもペーストタイプのものを用いる場合、比較的粘度が高い構造用接着剤を先に構造用接着剤領域に塗布し、比較的粘度が低い高損失正接接着剤を含む接着剤を後から高損失正接接着剤含有領域に塗布することが好ましい。接着剤層形成ステップS13では、構造用接着剤及び高損失正接接着剤として、いずれもシートタイプのものを用いる場合、特に順序に関係なく、構造用接着剤を構造用接着剤領域に配置し、高損失正接接着剤を含む接着剤を高損失正接接着剤含有領域に配置することが好ましい。接着剤層形成ステップS13では、構造用接着剤及び高損失正接接着剤として、いずれか一方がシートタイプのものを用い、他方をペーストタイプのものを用いる場合、先にシートタイプを用いた方の接着剤を配置し、後からペーストタイプを用いた方の接着剤を塗布することが好ましい。
また、接着剤層形成ステップS13では、構造用接着剤及び高損失正接接着剤として、いずれもシートタイプのものを用いる場合、高損失正接接着剤含有領域に構造用接着剤と高損失正接接着剤とを積層して設けることが好ましい。接着剤層形成ステップS13では、この場合、第1樹脂含有材料12または第2樹脂含有材料14と接する側に構造用接着剤を積層することが好ましい。
樹脂含有材料構造体10の製造方法は、以上のような構成を有するので、上記したように樹脂含有材料である第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14とを接着剤等で接着することで製造する場合において、高損失正接接着剤含有領域を有する接着剤層16を設けるため、高損失正接接着剤含有領域に含まれる高損失正接接着剤により、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷の進展を抑制することが可能な樹脂含有材料構造体10を得ることができる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
図5は、実施例1における構造用接着剤領域21と高損失正接接着剤含有領域22とを説明する説明図である。図6は、実施例1における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。図7は、実施例2における構造用接着剤領域31,33と高損失正接接着剤含有領域32とを説明する説明図である。図8は、実施例2における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。図9は、実施例3における構造用接着剤領域41と高損失正接接着剤含有領域42とを説明する説明図である。図10は、実施例3における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。図11は、比較例における樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を示す説明図である。
(実施例1)
実施例1として、上記した実施形態に係る樹脂含有材料構造体10において、図5に示すように、接着面が長方形状であり、構造用接着剤領域21を接着面の短辺の中央部分において長辺方向に沿って延びて設け、高損失正接接着剤含有領域22を接着面の短辺の両端側、すなわち構造用接着剤領域21の外側において長辺に沿って延びて設けた。
実施例1に係る樹脂含有材料構造体10に対して、衝撃物19によって位置18に衝撃を加えた後に、接着剤層16に焦点を合わせて撮影した超音波探傷画像を、図6に示す。図6において、黒色部分または灰色部分が、接着剤層16が損傷せずに接着状態を維持している部分を表し、白色部分が、接着剤層16が損傷して剥離が生じた部分を表している。以下に追って説明する図8、図10及び図11についても、黒色部分、灰色部分及び白色部分が表わすものは同様である。実施例1では、図6に示すように、位置18に衝撃物19による衝撃を受けても、構造用接着剤領域21に相当する領域にも、高損失正接接着剤含有領域22に相当する領域にも、剥離を表す白色部分はほとんど見られず、損傷率は0%とみなすことができることがわかった。
(実施例2)
実施例2として、上記した実施形態に係る樹脂含有材料構造体10において、図7に示すように、接着面が長方形状であり、構造用接着剤領域31を接着面の短辺の中央部分において長辺方向に沿って延びて設け、高損失正接接着剤含有領域32を接着面の短辺の両端側より少し中央寄りの位置、すなわち構造用接着剤領域31の外側において長辺に沿って延びて設け、構造用接着剤領域33を接着面の短編の両端側、すなわち高損失正接接着剤含有領域32のさらに外側において長辺に沿って延びて設けた。
実施例2に係る樹脂含有材料構造体10に対して、実施例1と同様の方法で衝撃を加えた後に、接着剤層16に焦点を合わせて撮影した超音波探傷画像を、図8に示す。実施例2では、図8に示すように、位置18に衝撃物19による衝撃を受けた結果、構造用接着剤領域31及び高損失正接接着剤含有領域32に相当する領域には、剥離を表す白色部分はほとんど見られず、構造用接着剤領域33に相当する領域には、剥離を表す白色部分が広範囲に表れ、損傷率は26.5%であることがわかった。
(実施例3)
実施例3として、上記した実施形態に係る樹脂含有材料構造体10において、図9に示すように、接着面が長方形状であり、構造用接着剤領域41を接着面の長辺の中央部分において短辺方向に沿って延びて設け、高損失正接接着剤含有領域42を接着面の長辺の両端側、すなわち構造用接着剤領域41の外側において短辺に沿って延びて設けた。
実施例3に係る樹脂含有材料構造体10に対して、実施例1及び実施例2と同様の方法で衝撃を加えた後に、接着剤層16に焦点を合わせて撮影した超音波探傷画像を、図10に示す。実施例3では、図10に示すように、位置18に衝撃物19による衝撃を受けた結果、高損失正接接着剤含有領域42に相当する領域には、剥離を表す白色部分はほとんど見られず、構造用接着剤領域41に相当する領域には、剥離を表す白色部分が広範囲に表れた。実施例3では、構造用接着剤領域41に相当する領域のうち、接着面の短編の両端側において長辺に沿って延びた領域41aには、剥離を表す白色部分が広範囲に表れ、その他の領域41bには、剥離を表す白色部分はほとんど見られなかった。実施例3では、損傷率は30.6%であることがわかった。
(比較例)
比較例として、上記した実施形態と同様の形状の樹脂含有材料構造体において、接着面が長方形状であり、構造用接着剤領域51を接着面の全面に設け、高損失正接接着剤含有領域を設けなかった。
比較例に係る樹脂含有材料構造体に対して、実施例1、実施例2及び実施例3と同様の方法で衝撃を加えた後に、接着剤層に焦点を合わせて撮影した超音波探傷画像を、図11に示す。比較例では、図11に示すように、上記した衝撃を受けた結果、構造用接着剤領域51に相当する領域のうち、接着面の短編の両端側において長辺に沿って延びた領域51aには、剥離を表す白色部分が広範囲に表れ、その他の領域51bには、剥離を表す白色部分はほとんど見られなかった。比較例では、損傷率は45.1%であることがわかった。
上記した実施例1、実施例2、実施例3及び比較例においてそれぞれ示した超音波探傷画像を比較することにより、実施例1における高損失正接接着剤含有領域22、実施例2における高損失正接接着剤含有領域32及び実施例3における高損失正接接着剤含有領域42において、第1樹脂含有材料12と第2樹脂含有材料14との間の剥離による損傷の発生及び進展を抑制することができることが確認できた。
また、上記した実施例1、実施例2、実施例3及び比較例においてそれぞれ示した超音波探傷画像から、接着面が長方形状である場合、上記したように、衝撃伝播領域は、衝撃の伝播距離が短くなる領域、すなわち、接着面の短辺の両端側において、長辺に沿って中央付近に広がっていることが確認できた。なお、この衝撃伝播領域は、支持部材17の位置に依らず、同じ傾向となることも併せて確認できた。これにより、接着面が長方形状である場合、上記したように、高損失正接接着剤含有領域が、接着面の短辺の両端側において接着面の長辺に沿って延びて設けられることが好ましく、より効率よく樹脂含有材料間の剥離による損傷の進展を抑制することができることが確認できた。
10 樹脂含有材料構造体
12 第1樹脂含有材料
14 第2樹脂含有材料
16 接着剤層
17 支持部材
18 位置
19 衝撃物
21,31,33,41,51 構造用接着剤領域
22,32,42 高損失正接接着剤含有領域
41a,41b,51a,51b 領域

Claims (7)

  1. 強化繊維に樹脂を含浸させて形成した複合材料である第1樹脂含有材料と、
    強化繊維に樹脂を含浸させて形成した複合材料であり、前記第1樹脂含有材料に接着して設けられる第2樹脂含有材料と、
    前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着する接着剤層と、
    を含み、
    前記強化繊維は、5μm以上7μm以下のカーボン繊維、ガラス繊維、プラスチック繊維、アラミド繊維及び金属繊維のいずれかの基本繊維を束ねて構成されたものであり、
    前記樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、及びポリフェニレンサルファイドのいずれかであり、
    前記接着剤層は、
    前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に高剛性を有する構造用接着剤が設けられて形成された構造用接着剤領域と、
    前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に前記構造用接着剤よりも高い損失正接を有する高損失正接接着剤を含んで形成された高損失正接接着剤含有領域と、
    を有し、
    前記構造用接着剤領域は、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料との接着面の中央領域に設けられ、前記高損失正接接着剤含有領域は前記構造用接着剤領域の外周の少なくとも一部に設けられており、
    前記構造用接着剤は、常温硬化型のペーストタイプまたは加熱硬化型のフィルムタイプのエポキシ系の接着剤、もしくはアクリル系接着剤であり、
    前記高損失正接接着剤は、エチレン・プロピレン・ジエンゴムを含むエポキシ系の接着剤、弾性接着剤であるポリウレタン系接着剤、またはエチレン酢酸ビニルゴムを含むポリウレタン系の接着剤であることを特徴とする樹脂含有材料構造体。
  2. 前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面において衝撃が伝播する衝撃伝播領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂含有材料構造体。
  3. 前記接着面は長方形状であり、
    前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面の短辺の両端側において前記接着面の長辺に沿って延びて設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂含有材料構造体。
  4. 前記高損失正接接着剤含有領域は、前記接着面の外周の少なくとも一部に沿って設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂含有材料構造体。
  5. 前記高損失正接接着剤含有領域は、少なくとも一部が、前記構造用接着剤と前記高損失正接接着剤とが積層されて形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の樹脂含有材料構造体。
  6. 前記第1樹脂含有材料は、強化繊維をさらに含有する複合材料であり、
    前記第2樹脂含有材料は、強化繊維をさらに含有する複合材料であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の樹脂含有材料構造体。
  7. 強化繊維に樹脂を含浸させて形成した複合材料である第1樹脂含有材料を準備する第1樹脂含有材料準備ステップと、
    強化繊維に樹脂を含浸させて形成した複合材料であり、前記第1樹脂含有材料に接着して設けられる第2樹脂含有材料を準備する第2樹脂含有材料準備ステップと、
    前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料との接着面の中央領域に、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に高剛性を有する構造用接着剤を設け、前記中央領域の外周の少なくとも一部に、前記第1樹脂含有材料と前記第2樹脂含有材料とを接着後に前記構造用接着剤よりも高い損失正接を有する高損失正接接着剤を含む接着剤を設け、前記構造用接着剤及び前記高損失正接接着剤を含む接着剤を反応させて接着剤層を形成する接着剤層形成ステップと、
    を含み、
    前記強化繊維は、5μm以上7μm以下のカーボン繊維、ガラス繊維、プラスチック繊維、アラミド繊維及び金属繊維のいずれかの基本繊維を束ねて構成されたものであり、
    前記樹脂は、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、及びポリフェニレンサルファイドのいずれかであり、
    前記構造用接着剤は、常温硬化型のペーストタイプまたは加熱硬化型のフィルムタイプのエポキシ系の接着剤、もしくはアクリル系接着剤であり、
    前記高損失正接接着剤は、エチレン・プロピレン・ジエンゴムを含むエポキシ系の接着剤、弾性接着剤であるポリウレタン系接着剤、またはエチレン酢酸ビニルゴムを含むポリウレタン系の接着剤であることを特徴とする樹脂含有材料構造体の製造方法。
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