従来のプラズマリアクタでは、ワークピースはリアクタチャンバ内で静止したままである。静止ワークピースの上にプラズマ領域が生成され、それがワークピース表面を処理する。しかしながら、一部のプラズマ処理アプリケーションは、ワークピースをプラズマ領域内で移動させること、すなわち、プラズマ領域とワークピースとの間の相対運動の恩恵を受けることができる。加えて、一部のツールでは、基板は、一連の処理ステップのために異なるチャンバ間で移動される。
ワークピースとプラズマ領域との間の相対運動を達成する1つの方法は、直線経路に沿って移動するワークピース支持体、例えばコンベアベルトの上にワークピースを置くことである。このような構成では、ワークピースは、プラズマ領域を一方向に一回通過し、チャンバの他の側から出てもよい。これは、ワークピースが製造プロセスの一部として異なるタイプの複数のチャンバを通過する、幾つかの連続プロセスにとって有利でありうる。
ワークピースとプラズマ領域との間の相対運動を実現する別の方法は、ワークピースを回転するワークピース支持体上に置くことである。ワークピース支持体を回転させることにより、進行方向を変えずにプラズマ領域を複数回通過できるようになり、これにより、ワークピース支持体が連続的に進行方向を変える必要がないため、スループットが向上する。しかしながら、支持体が回転している場合、ワークピースの異なる領域が、領域プラズマに対して異なる速度で移動している可能性がある。
従来のCCP源のプラズマ均一性は、通常、電極のサイズと電極間距離、並びにガス圧、ガス組成、及び印加RF電力によって決まる。より高い無線周波数では、定在波又は表皮効果の存在に起因して、追加の効果が顕著になるか、又は不均一性が支配される可能性がある。このような追加の効果は、より高い周波数及びプラズマ密度で、より顕著になる。
従来のICP源のプラズマ均一性は、通常、サイズ、幾何学形状、ワークピースまでの距離、及び関連するRFウィンドウ位置を含めたICPコイルの構成、並びに、ガス圧、ガス組成、及び電力によって決まる。複数のコイル又はコイルセグメントの場合、同じ周波数で駆動される場合、電流又は電力の分布とそれらの相対位相もまた、重要な要因になる可能性がある。電力堆積は、表皮効果に起因して、ICPコイルの下に又はそれに隣接して数センチメートル以内に発生する傾向があり、このような局所的な電力堆積は通常、コイルの幾何学形状を反映するプロセスの不均一性をもたらす。このようなプラズマの不均一性は、ワークピース全体に電位差を引き起こし、プラズマ帯電損傷(例えば、トランジスタゲート誘電体の破壊)につながる可能性がある。
ICP源の均一性を改善するには、通常、大きい拡散距離が必要である。しかしながら、厚いRFウィンドウを備えた従来のICP源は、通常、高駆動電流につながり、高抵抗電力損失をもたらす低電力結合に起因して、高いガス圧では非効率的である。対照的に、チャンバ内電極アセンブリは、RFウィンドウを有している必要はなく、円筒形シェルのみを必要とする。これにより、より良好な電力結合及びより良好な効率を提供することができる。
可動ワークピース支持体を備えたプラズマチャンバでは、該可動ワークピース支持体は、例えば、回転水銀カプラー、ブラシ、又はスリップリングを介してDC接地することができる。しかしながら、可動ワークピース支持体は、無線周波数で適切に接地されていない可能性がある。RF接地パスは、適切なRF接地とするために、プラズマよりも大幅に低いインピーダンスを有している必要がある。適切なRF接地パスの欠如は、ワークピースでのイオンエネルギーの制御を困難にし、プロセスの再現性を低下させる可能性がある。
したがって、以下の特性を備えたプラズマ源が所望される:ワークピースのサイズ全体にわたって、所望の特性(プラズマ密度、電子温度、イオンエネルギー、解離など)を有する均一なプラズマを効率的に生成できる;操作ウィンドウ全体の均一性(例えば、圧力、電力、ガス組成)を調整できる;可動ワークピースでも安定した再現性のある電気性能を備えている;及び、過剰な金属汚染物質又は粒子を生成しない。チャンバ内電極アセンブリは、これらの特性の1つ以上をより良好に提供できる可能性がある。
図1は、処理ツールの一例の概略的な側面図である。処理ツール100は、内部空間104を囲むチャンバ本体102を有する。内部空間104は、例えば円形のワークピース支持体を収容するために、円筒形でありうる。内部空間の少なくとも一部は、プラズマチャンバ又はプラズマリアクタとして使用される。チャンバ本体102は、内部空間104内のさまざまな構成要素に機械的支持を提供するための支持体106を有する。例えば、支持体106は、上部電極108の支持体を提供することができる。上部電極は、内部空間104内に懸架されて天井から離間されるか、天井に隣接するか、あるいは天井の一部を形成することができる。チャンバ本体102の側壁の幾つかの部分は、上部電極108とは無関係に接地することができる。
ガス分配器110は、処理ツール100のプラズマリアクタ部分の天井近くに配置されている。幾つかの実装形態では、ガス分配器110は、単一の構成要素として上部電極108と一体化している。ガス分配器110は、ガス供給部112に接続されている。ガス供給部112は、1つ以上のプロセスガスをガス分配器110に送給し、その組成は、実行されるプロセス、例えば堆積又はエッチングに依存しうる。
処理ツールを排気するために、減圧ポンプ113が内部空間104に結合されている。幾つかのプロセスでは、チャンバはTorr範囲で動作し、ガス分配器110はアルゴン、窒素、酸素、及び/又は他のガスを供給する。
ワークピース115を支持するためのワークピース支持体114が、処理ツール100内に位置づけられる。ワークピース支持体114は、処理ツール100の天井に面するワークピース支持表面114aを有する。例えば、ワークピース支持表面114aは上部電極108に面しうる。ワークピース支持体114は、軸150を中心に回転するように動作可能である。例えば、アクチュエータ152は、駆動シャフト154を回転させて、ワークピース支持体114を回転させることができる。幾つかの実装形態では、軸150はワークピース支持体114の中心と一致する。
幾つかの実装形態では、ワークピース支持体114は、ワークピース支持体114の内側にワークピース支持電極116を含む。幾つかの実装形態では、ワークピース支持電極116は、接地されるか、若しくは、接地されたインピーダンス又は回路に接続されてもよい。幾つかの実装形態では、RFバイアス電力発生器142は、インピーダンス整合144を介してワークピース支持電極116に結合される。ワークピース支持電極116は、静電チャックを追加的に含むことができ、ワークピースバイアス電圧供給源118をワークピース支持電極116に接続することができる。RFバイアス電力発生器142を使用して、プラズマを生成し、電極電圧又は電極シース電圧を制御し、若しくはプラズマのイオンエネルギーを制御することができる。
さらに、ワークピース支持体114は、ワークピース115を加熱又は冷却するための内部通路119を有することができる。幾つかの実装形態では、内蔵抵抗加熱器を内部通路119内に設けることができる。
幾つかの実装形態では、ワークピース支持体114は、底部内部空間133内に位置する加熱素子からの放射、対流、又は伝導によって加熱される。
チャンバ内電極アセンブリ120は、上部電極108とワークピース支持体114との間の内部空間104に位置づけられる。この電極アセンブリ120は、チャンバ内でワークピース支持体114の支持表面114a上を横方向に延びる1つ以上の同一平面上のフィラメント300を含む。ワークピース支持体114上の電極アセンブリ120の同一平面上のフィラメントの少なくとも一部は、支持表面114aへと平行に延びる。図1の左側は、フィラメント300をワークピース115の運動方向(ページの内外)に平行に示しているが、フィラメント300は、運動方向に対して0以外の角度、例えば運動方向に対して実質的に垂直にすることができる。
上部電極108とチャンバ内電極アセンブリ120との間に上部間隙130が形成される。ワークピース支持体114とチャンバ内電極アセンブリ120との間には底部間隙132が形成される。
内部空間104は、バリアによって1つ以上のゾーン101a、101bにセグメント化することができ、その少なくとも1つはプラズマチャンバとして機能する。バリアは、ワークピース支持体の上に1つ以上の開口部123を画成する。幾つかの実装形態では、電極アセンブリ120は開口部123の内側に位置づけられる。幾つかの実装形態では、電極アセンブリは開口部123の上に配置される。幾つかの実装形態では、バリアは支持体106によって一体的に形成され、開口部123は支持体106上に形成される。幾つかの実装形態では、支持体106上に形成された開口部123は、電極アセンブリ120を支持するように構成される。
電極アセンブリ120は、RF電源122によって駆動される。RF電源122は、1MHzから300MHzを超える周波数で、電極アセンブリ120の同一平面上の1つ以上のフィラメントに電力を印加することができる。幾つかのプロセスでは、RF電源120は、60MHzの周波数で100Wから2kW以上の総RF電力を供給する。
幾つかの実装形態では、プラズマによって生成されたラジカル、イオン、又は電子がワークピース表面と相互作用するように、底部間隙132を選択することが望ましい場合がある。間隙の選択は、アプリケーション依存性であり、かつ、動作形態(operating regime)依存性である。ラジカルフラックス(だが、非常に低いイオン/電子フラックス)をワークピースの表面に送給することが望ましい幾つかの用途では、より大きい間隙及び/又はより高い圧力での動作を選択することができる。ラジカルフラックス及び実質的なプラズマイオン/電子フラックスをワークピースの表面に送給することが望ましい他の用途では、より小さい間隙及び/又はより低い圧力での動作を選択することができる。例えば、一部の低温プラズマ強化ALDプロセスでは、プロセスガスのフリーラジカルが、ALD膜の堆積又は処理に必要である。フリーラジカルは、不対の価電子を有する原子又は分子である。フリーラジカルは通常、他の物質に対して高度に化学的に反応する。フリーラジカルと他の化学種との反応は、膜堆積において、しばしば重要な役割を果たす。しかしながら、フリーラジカルは通常、それらの高い化学反応性に起因して短命であり、したがって、それらの寿命内に遠くまで輸送することはできない。フリーラジカル源、すなわちプラズマ源として作用するチャンバ内電極アセンブリ120をワークピース115の表面近くに配置することにより、表面へのフリーラジカルの供給が増加し、堆積プロセスを改善することができる。
フリーラジカルの寿命は通常、周囲の環境の圧力に依存する。したがって、満足なフリーラジカル濃度を提供する底部間隙132の高さは、動作中に予想されるチャンバ圧力に応じて変化しうる。幾つかの実装形態では、チャンバが1~10Torrの範囲の圧力で動作する場合、底部間隙132は1cm未満である。他の(より)低温のプラズマ強化ALDプロセスでは、プラズマイオンフラックス(及びそれに伴う電子フラックス)並びにラジカルフラックスへの曝露が、ALD膜の堆積と処理に必要な場合がある。幾つかの実装形態では、チャンバが1~10Torrの範囲の圧力で動作する場合、底部間隙132は0.5cm未満である。距離に対する体積再結合比が低いため、低い動作圧力が、より大きい間隙で動作しうる。エッチングなどの他の用途では、通常、より低い動作圧力が使用され(100mTorr未満)、間隙が増加しうる。
底部間隙132が小さいこのような用途では、電極アセンブリ120によって生成されるプラズマは、フィラメント間に著しい不均一性を有する可能性があり、これは、ワークピースの処理均一性に有害でありうる。空間的な不均一性を有するプラズマを通してワークピースを移動することにより、プロセスに対するプラズマの空間的不均一性の影響は時間平均効果によって緩和することができる、すなわち、プラズマを1回通過した後にワークピースの任意の所与の領域が受ける累積プラズマ線量は実質的に類似している。
上部間隙は、プラズマがチャンバ内電極アセンブリと上部電極(又はチャンバの上部)の間で発達するのに十分な大きさに選択することができる。幾つかの実装形態では、チャンバが1~10Torrの範囲の圧力で動作する場合、上部間隙130は、例えば1.25cmなど、0.5~2cm未満である。
上部電極108は、さまざまな方法で構成することができる。幾つかの実装形態では、上部電極はRF接地140に接続されている。幾つかの実装形態では、上部電極は電気的に絶縁されている(「浮遊」)。幾つかの実装形態では、上部電極108はバイアス電圧にバイアスされる。バイアス電圧を使用して、イオンエネルギーを含む、生成されたプラズマの特性を制御することができる。幾つかの実装形態では、上部電極108はRF信号で駆動される。例えば、接地されているワークピース支持電極116に対して上部電極108を駆動することにより、ワークピース115でのプラズマ電位を高めることができる。プラズマ電位の増加により、イオンエネルギーを所望の値へと増加させることができる。
上部電極108は、異なるプロセス適合材料で形成することができる。プロセスの計算可能性のさまざまな基準には、プロセスガスによるエッチングに対する材料の耐性と、イオン衝撃によるスパッタリングに対する耐性とが含まれる。さらには、材料がエッチングされる場合、プロセス適合材料は、減圧ポンプ113によって排気することができ、ワークピース115を汚染しうる粒子を形成しない、揮発性又はガス状の化合物を形成することが好ましい。したがって、幾つかの実装形態では、上部電極はケイ素でできている。幾つかの実装形態では、上部電極は炭化ケイ素でできている。
幾つかの実装形態では、上部電極108は省略されてもよい。このような実装形態では、RF接地パスは、ワークピース支持電極、電極アセンブリ120の同一平面上のフィラメントのサブセット、又はプラズマと通信するチャンバ壁又は他の接地基準面によって提供されてもよい。
幾つかの実装形態では、流体供給部146は、チャンバ内電極アセンブリ120のチャネルを通して流体を循環させる。幾つかの実装形態では、熱交換器148が流体供給部146に結合されて、流体に対し熱を除去又は供給する。
チャンバの構成と供給される処理ガスに応じて、処理ツール100のプラズマリアクタは、ALD装置、エッチング装置、プラズマ処理装置、プラズマ強化化学蒸着装置、プラズマドーピング装置、又はプラズマ表面洗浄装置を提供することができる。
図2Aは、処理ツール200の一例の概略的な上面図である。処理ツール200は、上述のことを除き、処理ツール100と同様である。処理ツール200は、円筒形のチャンバ本体202、円筒形状を有する内部空間204、支持体206、電極アセンブリ220、及び前駆体ステーション260を有する。支持体206は、処理ツール200の中心に位置しており、内部空間204を複数の処理ゾーンに分割するために複数の放射状の隔壁270が形成されている。例えば、複数の処理ゾーンは、頂点で切り取られる可能性のある、例えば円形の断面又は正三角形などの楔形を有するように構成することができる。処理ゾーンは、処理ツール200の動作に必要なさまざまな機能を達成するためにさまざまな方法で構成することができる。
前駆体処理ゾーンは、例えばALDプロセスのために、1つ以上の前駆体でワークピース115を処理するように構成される。例えば、前駆体処理ゾーン280a内に配置された第1の前駆体ステーション260aは、ワークピース115が前駆体ステーション260aの下を移動するときに、化学的前駆体Aを流すか又は圧送して、ワークピース115を処理するように構成することができる。次に、前駆体ステーション260aは、化学前駆体Bでワークピース115を処理することができ、例えば表面のALD膜形成プラズマ処理のためにワークピース115の表面を調製する。
幾つかの実装形態では、前駆体処理ゾーン280は、それぞれの化学的前駆体のためのそれぞれの前駆体ステーション260を有する複数のサブゾーンを含む。幾つかの実装形態では、サブゾーンは、ワークピース115の経路に沿って連続的に配置される。幾つかの実装形態では、前駆体表面処理中にワークピース115の移動が停止される。幾つかの実装形態では、ワークピース115は、前駆体処理ゾーン280を通って連続的に移動する。
ガス分離ゾーン281は、複数の処理ゾーン、例えば、第1の処理ゾーン及び第2の処理ゾーンのそれぞれの処理環境の空間的分離を提供するように構成される。ガス分離ゾーン281は、各々がそれぞれの放射状の隔壁270によって分離されている、第1の圧送ゾーン282、パージゾーン283、及び第2の圧送ゾーン284を含むことができる。従来のシステムでは、処理環境の分離は、第1及び第2の処理ゾーン間の気密シールによって提供されうる。しかしながら、ワークピース支持体114は回転するため、このようなシールを提供することは実際的ではないかもしれない。代わりに、第1及び第2の処理ゾーン間にガス分離ゾーン281を挿入することにより、プラズマ処理用途、例えばALDに十分な分離レベルを提供することができる。
図2Bを参照すると、断面線Bに沿った処理ツール200の一部の断面図が示されている。動作中、第1の処理ゾーンに隣接する第1の圧送ゾーン282例えば、前駆体処理ゾーン280a)は、第1の処理ゾーンに対して負圧差を生成する。例えば、負圧差は、減圧ポンプを使用して生成できる。この負圧差により、矢印で示されるように、第1の処理ゾーン漏れるプロセスガスは、第1の圧送ゾーン282を通って送り出される。同様に、第2の処理ゾーンに隣接する第2の圧送ゾーン284は、第2の処理ゾーン(例えば、プラズマ処理ゾーン285a)に対して負圧差を提供する。
第1の圧送ゾーン282と第2の圧送ゾーン284との間に位置づけられたパージゾーン283は、パージガスを供給する。パージガスの例には、アルゴン及び窒素などの非反応性ガスが含まれる。第1及び第2の圧送ゾーンによって生成される負圧差により、パージゾーン283によって供給されるパージガスは、矢印で示されるように、第1及び第2の圧送ゾーンに送り出される。パージガスの存在は、第1及び第2の処理ゾーンのそれぞれのプロセスガスが互いに混合するのを防ぐことができ、望ましくない堆積、エッチング、又は破片の生成をもたらす望ましくない化学反応を引き起こす可能性がある。
第1の間隙高さH1は、放射状の隔壁270とワークピース支持体114との間にクリアランスを提供する。第1の間隙高さは、圧送ゾーン282及び284へのプロセスガスの漏れを低減しつつ、ワークピース115が通過するための十分なクリアランスを提供することに基づいて決定することができる。例えば、第1の間隙高さは、2~4mm、例えば、3mmの範囲でありうる。
図2Aに戻ると、プラズマ処理ゾーン285は、ワークピース115をプラズマで処理するように構成されている。例えば、プラズマ処理ゾーン285a内に位置付けられた電極アセンブリ220aは、ワークピース115の表面を処理するためのプラズマを生成することができる。ガス分離ゾーン281を通って移動したワークピース115の前駆体処理した表面は、電極アセンブリ220aによって生成されたプラズマで処理される。幾つかの実装形態では、プラズマ処理は、第1のALD膜の単一原子層の堆積サイクルを完了する。
幾つかの実装形態では、電極アセンブリ220は、示されるように長方形に形成される。幾つかの実装形態では、電極アセンブリ220は、楔形に形成されている。
再び図2Bを参照すると、幾つかの実装形態では、プラズマ処理ゾーン285用のプロセスガスは、電極アセンブリ220に隣接して形成されたガス入口210を通して提供される。特に、ガス入口210は、プラズマ処理領域285aに隣接するガス分離ゾーン281の縁部に設けることができる。例えば、隔壁270の1つと電極アセンブリ220aの外壁221との間に通路を形成することができる。
第2の間隙高さH2は、電極アセンブリ220とワークピース支持体114との間にクリアランスを提供する。第2の間隙高さは、ワークピース115が圧送ゾーン282及び284へのプロセスガスの流れを低減しつつ、電極アセンブリ220の内部領域を通過するのに十分なクリアランスを提供し、電極アセンブリ220の内部領域にプロセスガスを提供することに基づいて決定することができる。例えば、第2の間隙高さは、1~3mmの範囲、例えば2mmでありうる。幾つかの実装形態では、ガス入口はワークピース115の進入側に形成される。幾つかの実装形態では、ガス入口は、チャンバ壁202の近くの電極アセンブリの半径方向外縁に向かって形成される。幾つかの実装形態では、ガス入口は、ワークピース支持体114の中心に向かって、例えば軸150の近くに形成される。
幾つかの実装形態では、上部電極208は、電極アセンブリ220aの一部として形成されるか、若しくは電極アセンブリ220aによって支持される。例えば、上部電極208は、天井板221aによって支持されうる。
図2Cを参照すると、断面線Cに沿った処理ツール200の一部の断面図が示されている。幾つかの実装形態では、支持体206は、示されるように電極アセンブリ220a及び220bに機械的支持を提供するように構成される。
幾つかの実装形態では、処理ツール200は、第2の前駆体処理ゾーン280b及び第2のプラズマ処理ゾーン285bを含む。ゾーン280b及び285bは第2のALD膜を堆積するように構成されうる。幾つかの実装形態では、第2のALD膜は、ゾーン280a及び285aによって堆積された第1のALD膜と同じである。このような実装形態は、単一のALD膜の改善された堆積速度を提供することができる。幾つかの実装形態では、第2のALD膜は第1のALDとは異なっている。このような実装形態では、2つの異なるALD膜を交互に堆積させることができる。一般に、処理ツール200は、2、3、4、又はそれ以上のタイプのALD膜を堆積するように構成することができる。
一般に、ワークピース115は、処理ゾーンを1回通過してもよく、あるいは複数回通過する場合がある。例えば、特定の処理ゾーンを複数回通過するように、回転方向を交互に変えることができる。
一般に、処理ゾーンは任意の順序で配置することができる。例えば、前駆体処理ゾーンの後に、同じ又は異なるプラズマ特性を有する2つの異なるプラズマ処理ゾーンが続いてもよい。
図1又は図2A~2Cのいずれかに関して、電極アセンブリ120又は220は、チャンバ内でワークピース支持体の支持表面上に横方向に延びる1つ以上の同一平面上のフィラメント300を含む。ワークピース支持体上の電極アセンブリの同一平面上のフィラメントの少なくとも一部は、支持表面に対して平行に延びる。フィラメント300は、運動方向に対して0以外の角度、例えば運動方向に対して実質的に垂直にすることができる。
電極アセンブリは、電極プラズマチャンバ領域を取り囲む側壁221を含みうる。側壁は、プロセス適合材料、例えば石英で形成することができる。幾つかの実装形態では、フィラメントは側壁から横方向に突き出ている。幾つかの実装形態では、フィラメント300の端部は、電極アセンブリの天井から延び、ワークピースの支持表面に対して平行な部分を提供するように回転する(図2Cを参照)。
図3A~Cは、チャンバ内電極アセンブリのフィラメントのさまざまな例の概略図である。図3Aを参照すると、チャンバ内電極アセンブリ120のフィラメント300が示されている。フィラメント300は、導体310と、該導体310を取り囲み、それに沿って延びる円筒形シェル320とを含む。チャネル330は、導体310と円筒形シェル320との間の間隙によって形成される。円筒形シェル320は、プロセスに適合する非金属材料で形成される。幾つかの実装形態では、円筒形シェルは半導電性である。幾つかの実装形態では、円筒形シェルは絶縁性である。
導体310はさまざまな材料で形成することができる。幾つかの実装形態では、導体310は、ソリッドワイヤ、例えば、0.063インチの直径を有する単一のソリッドワイヤである。あるいは、導体310は、複数の撚り線によって提供されうる。幾つかの実装形態では、導体には、3本の0.032インチの平行な撚り線が含まれている。複数の撚り線は、表皮効果によるRF電力損失を低減できる。幾つかの実装形態では、導体310はリッツ線から形成され、これにより表皮効果をさらに低減することができる。
抵抗性電力損失を減らすことができる、例えば107ジーメン/mを超える高導電率の材料が使用される。幾つかの実装形態では、導体310は、銅又は銅合金でできている。幾つかの実装形態では、導体はアルミニウムでできている。
望ましくない材料のスパッタリング又はエッチングは、プロセスの汚染又は粒子の形成につながりうる。チャンバ内電極アセンブリ120がCCP又はICP源として使用されるかどうかにかかわらず、望ましくないスパッタリング又はエッチングが発生する可能性がある。望ましくないスパッタリング又はエッチングは、電極表面の過剰なイオンエネルギーによって引き起こされうる。CCP源として動作する場合、プラズマ放電を駆動するには円筒形シェルの周りに振動電界が必要である。すべての既知の材料がCCP源の対応する最小動作電圧よりも低いスパッタリングエネルギー閾値を有しているため、この振動は、材料のスパッタリング又はエッチングにつながる。ICP源として動作する場合、フィラメント300のプラズマへの容量結合は、近くの表面に振動電界を生成し、これは材料のスパッタリングも引き起こす。望ましくない材料のスパッタリング又はエッチングに起因する問題は、内部空間104に露出したフィラメント300の外面(例えば、円筒形シェル320)にプロセス適合性材料を使用することにより軽減することができる。
幾つかの実装形態では、円筒形シェル320は、ケイ素、例えば高抵抗シリコン、酸化物材料、窒化物材料、炭化物材料、セラミック材料、又はそれらの組合せなどのプロセス適合材料で形成される。酸化物材料の例には、二酸化ケイ素(例えば、シリカ、石英)及び酸化アルミニウム(例えば、サファイア)が含まれる。炭化物材料の例には、炭化ケイ素が含まれる。セラミック材料又はサファイアは、フッ素含有環境又はフルオロカーボン含有環境を含む一部の化学環境にとって望ましい場合がある。アンモニア、ジクロロシラン、窒素、及び酸素を含む化学環境では、ケイ素、炭化ケイ素、又は石英の使用が望ましい場合がある。
幾つかの実装形態では、円筒形シェルは、0.1mmから3mm、例えば2mmの厚さを有する。
幾つかの実装形態では、チャネル330に流体が提供される。幾つかの実装形態では、流体は、導体310の酸化を軽減するために酸素をパージする非酸化性ガスである。非酸化性ガスの例は、窒素及びアルゴンである。幾つかの実装形態では、非酸化性ガスは、例えば流体供給部146により、チャネル330を通じて連続的に流されて、残留酸素又は水蒸気を除去する。
導体310を加熱すると、導体は、より酸化を受けやすくなりうる。流体は、供給されるRF電力から加熱されうる導体310に冷却を提供することができる。幾つかの実装形態では、流体は、例えば冷却又は加熱などの強制対流温度制御を提供するために、例えば流体供給部146により、チャネル330を通じて循環される。
幾つかの実装形態では、流体の破壊を防ぐために、流体は大気圧に近いか、又はそれ以上であってもよい。例えば、100Torrを超える流体圧力を提供することにより、チューブ内でのガスの破壊又は望ましくないプラズマの形成を防ぐことができる。
図3Bを参照すると、フィラメント300の幾つかの実装形態では、導体310はコーティング320を有する。幾つかの実装形態では、コーティング320は、導体を形成する材料の酸化物である(例えば、アルミニウム導体上の酸化アルミニウム)。幾つかの実装形態では、コーティング320は二酸化ケイ素である。幾つかの実装形態では、コーティング320は、例えば、二酸化ケイ素コーティングを形成するためのシラン、水素、及び酸素の反応により、処理ツール100のプラズマリアクタ内でその場形成される。その場コーティングは、エッチング又はスパッタリングされたときに補充できるため、有益でありうる。その場コーティングは、100nmから10μmの範囲の厚さを有することができる。
図3Cを参照すると、フィラメント300の幾つかの実装形態では、導体310は中空であり、中空チャネル340が導体310の内側に形成される。幾つかの実装形態では、中空チャネル340は、図3Aで説明したように流体を運ぶことができる。プロセス適合材料のコーティングは、導体310を覆い、円筒形シェル320を提供することができる。幾つかの実装形態では、コーティング320は、導体を形成する材料の酸化物である(例えば、アルミニウム導体上の酸化アルミニウム)。幾つかの実装形態では、中空の導体310は、2mmの外径を有し、0.5mmの壁厚を有する。
図4Aは、チャンバ内電極アセンブリの一部の概略図である。チャンバ内電極アセンブリ400は、支持体402に取り付けられた複数の同一平面上のフィラメント300を含む。電極アレイは、複数の同一平面上のフィラメント300によって形成される。電極アセンブリ400は、電極アセンブリ120を提供することができる。幾つかの実装形態では、少なくともワークピースが処理される場所に対応する領域にわたって、フィラメント300は互いに平行に延びている。
フィラメント300は、フィラメント間隔410によって互いに分離されている。間隔410は、プラズマの均一性に影響を及ぼしうる。間隔が大きすぎると、フィラメントがシャドウイング及び不均一性を生じる可能性がある。他方では、間隔が小さすぎると、プラズマは上部間隙130と底部間隙132との間を移動できず、不均一性が増加するか、又はフリーラジカル密度が減少する。
一般に、フィラメント間隔410の望ましい値は、幾つかの要因に依存する。このような要因の例には、チャンバ圧力、RF電力、フィラメント300とワークピース115との間の距離、及びプロセスガス組成が含まれる。例えば、より低い圧力、例えば2Torr未満で、フィラメントとワークピースとの間の距離が大きく、例えば3mmを超えて作動する場合、フィラメント間隔410を増加させることができる。
幾つかの実装形態では、フィラメント間隔410はアセンブリ400全体にわたり均一である。フィラメント間隔410は、3mmから20mm、例えば8mmの範囲でありうる。
図4B~Cは、異なるプラズマ領域状態を有するチャンバ内電極アセンブリの断面の概略図である。図4Bを参照すると、幾つかの動作条件では、プラズマ領域412がフィラメント300を取り囲んでいる。このような動作条件の例には、接地された上部電極で、同じRF信号(すなわち、「単極」)で駆動されるすべてのフィラメントが含まれる。プラズマ領域412は、上部プラズマ領域414と下部プラズマ領域416を有する。上部プラズマ領域414は上部間隙130に配置することができ、下部プラズマ領域416は底部間隙132に配置することができる。図4Bに示されるように、上部プラズマ領域414及び下部プラズマ領域416は、フィラメント300間の間隙を通して接続され、連続プラズマ領域412を形成する。領域414及び416がプラズマの交換を通じて互いに「通信」するため、プラズマ領域412のこの連続性は、望ましい。プラズマの交換は、2つの領域の電気的なバランスを保ち、プラズマの安定性と再現性を支援するのに役立つ。
図4Cを参照すると、この状態では、上部プラズマ領域414と下部プラズマ領域416は互いに接続されていない。プラズマ領域412のこの「挟み込み」は、プラズマの安定性にとって望ましくない。プラズマ領域412の形状は、プラズマ領域の不連続性を除去するか、又はプラズマ均一性を改善するために、さまざまな要因によって修正することができる。
一般に、領域412、414、及び416は、広範囲のプラズマ密度を有することができ、それらは必ずしも均一ではない。さらには、図4Cに示される上部プラズマ領域414と下部プラズマ領域416との間の不連続性は、2つの領域に比べて実質的に低いプラズマ密度を表しており、必ずしも間隙内のプラズマの完全な欠如を表してはいない。
幾つかの動作条件では、例えば、上部電極が存在しないか又は浮遊しており、ワークピース支持電極が接地されているか、プラズマ領域414が形成されない場合があるか、あるいは低いプラズマ密度を有する。
幾つかの実装形態では、チャンバ内電極アセンブリ400は、フィラメント300の第1の群及び第2の群を含みうる。第1の群及び第2の群は、フィラメントが第1の群と第2の群との間で交互になるように空間的に配置することができる。例えば、第1の群はフィラメント302を含んでよく、第2の群はフィラメント300及び304を含んでよい。第1の群は、RF電源422の第1の端子422aによって駆動することができ、第2の群は、RF電源422の第2の端子422bによって駆動することができる。RF電源422は、端子422aに第1のRF信号を提供し、かつ、端子422bに第2のRF信号を提供するように構成することができる。第1及び第2のRF信号は、同じ周波数と互いに安定した位相関係とを有しうる。例えば、第1及び第2のRF信号間の位相差は0又は180度でありうる。幾つかの実装形態では、RF電源422によって提供される第1及び第2のRF信号間の位相関係は、0から360の間で調整可能でありうる。幾つかの実装形態では、RF供給422は、互いに位相ロックされる2つの個別のRF電源を含みうる。
幾つかの動作条件では、例えば、第1及び第2のRF信号間の位相差が180である場合、結果として生じるプラズマ領域はフィラメント間に集中する可能性がある。
上部間隙130は、プラズマ領域の形状に影響を及ぼす要因である。上部電極108が接地されている場合、上部間隙130の縮小は、通常、上部プラズマ領域414のプラズマ密度の低下につながる。上部間隙130の特定の値は、プラズマチャンバのコンピューターモデリングに基づいて決定することができる。例えば、上部間隙130は、3mmから8mm、例えば4.5mmでありうる。
底部間隙132は、プラズマ領域の形状に影響を及ぼす要因である。ワークピース支持電極116が接地されると、底部間隙132の縮小は、通常、下部プラズマ領域416のプラズマ密度の低下につながる。底部間隙132の特定の値は、プラズマチャンバのコンピューターモデリングに基づいて決定することができる。例えば、底部間隙132は、3mmから9mm、例えば4.5mmでありうる。
一般に、チャンバ圧力は、プラズマ領域の形状に影響を及ぼす要因である。
図5A及び5Bは、チャンバ内電極アセンブリ構成のさまざまな例の概略図である。図5A及び5Bを参照すると、幾つかの実装形態では、電極アセンブリ106は、導体120aの第1の群と導体120bの第2の群とを含みうる。少なくともラズマチャンバ104内では、第1の群及び第2の群の導体120a、120bを交互のパターンで配置することができる。第1の群はRF電源122の第1の端子122aによって駆動することができ、第2の群はRF電源122の第2の端子122bによって駆動することができる。RF電源122は、端子122aに第1のRF信号を提供し、かつ、端子122bに第2のRF信号を提供するように構成することができる。第1及び第2のRF信号は、同じ周波数と互いに安定した位相関係とを有しうる。例えば、第1及び第2のRF信号間の位相差は180度でありうる。導体120a、120bを180度の位相差を有するRF信号で駆動することにより、結果として生じるプラズマ分布は、電極116の不完全なRF接地の影響を受けにくくなりうる。特定の理論に限定されることなく、これは、駆動信号の差動特性により、RF電流が隣接する電極を通って戻るためでありうる。幾つかの実装形態では、RF電源122によって提供される第1及び第2のRF信号間の位相関係は、0から360の間で調整可能でありうる。
信号を生成するために、RF電源の発振器からの不平衡出力信号は、端子122a、122bに平衡信号を出力するバラン(平衡-不平衡変圧器)124に結合されうる。あるいは、RF供給122は、互いに位相ロックされる2つの個別のRF電源を含みうる。
図5Aを参照すると、電極アセンブリ120は、導体120aの第1の群を含む第1の電極サブアセンブリ510と、導体120bの第2の群を含む第2の電極サブアセンブリ520とを含む。第1の電極サブアセンブリ510の導体120aは、第2の電極サブアセンブリ520の導体120bと互いに噛み合っている。
サブアセンブリ510、520はそれぞれ、チャンバ104にわたって延びる複数の平行な導体120a、120bを有する。他のすべての電極120、例えば電極120aは、チャンバ104の一方の側で第1のバス530に接続されている。残りの(交互の)電極120、すなわち電極120bはそれぞれ、チャンバ104の他方の側の第2のバス540に接続されている。RF電力供給バスに接続されていない各導体120の端部は、接続されないまま、例えば浮遊状態のままでありうる。
第1のバス530は第1の端子122aに接続することができ、第2のバスは第2の端子122bに接続することができる。第1の電極サブアセンブリ510及び第2の電極サブアセンブリ520は、サブアセンブリ510及び520の導体が互いに平行になるように、互いに平行に配向されている。
幾つかの実装形態では、導体120a、120bを接続するバス530、540は、内部空間104の外側に位置している。これは、チャンバ104内の均一性の改善にとって好ましい。しかしながら、幾つかの実装形態では、導体120a、120bを接続するバス530、540は、内部空間104内に位置している。
図5Bは、図5Aに示された実装形態と同様の電極アセンブリ106を示しているが、RF電源バスに接続されていない各導体120の端部は、例えば接地されたバスに接続することができる。例えば、電極120aは第2のバス550としてチャンバ104の側で第3のバス550に接続することができ、電極120bは、チャンバ104の第1のバス530と同じ側の第4のバス560に接続することができる。各バス550、560は、調整可能なインピーダンス580、例えばインピーダンス整合ネットワークを介して接地することができる。
図5A又は図5Bのいずれについても、任意選択的に、電極サブアセンブリ510、520間に低周波コモンモードバイアスを印加することができる。これにより、プラズマ電位を制御可能に高めることができる。
図5Cは、サブアセンブリ522及び532のフィラメントが互いに0以外の角度、例えば垂直に延びるように構成された第1の電極サブアセンブリ522及び第2の電極サブアセンブリ532を含むチャンバ内電極アセンブリ106を示している。
チャンバ内電極アセンブリ106は、さまざまな方法によってRF信号で駆動させることができる。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ522及びサブアセンブリ532は、RF接地に対して同じRF信号で駆動される。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ522及びサブアセンブリ532は、差動RF信号で駆動される。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ522はRF信号で駆動され、サブアセンブリ532はRF接地に接続される。
図5Dは、重なり合った第1の電極サブアセンブリ524及び第2の電極サブアセンブリ534を含むチャンバ内電極アセンブリ106を示している。第1の電極サブアセンブリ524及び第2の電極サブアセンブリ534はそれぞれ、それぞれのバスのそれぞれの端部でバス530、540、550及び560によって接続される複数の平行なフィラメント300を有する。第1の電極サブアセンブリ524及び第2の電極サブアセンブリ534は、サブアセンブリ524及び534のフィラメントが互いに平行であり、サブアセンブリ524、534のフィラメントが交互のパターンで配置されるように構成される。
チャンバ内電極アセンブリ106は、さまざまな方法でRF信号で駆動させることができる。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ524及びサブアセンブリ534は、RF接地に対して同じRF信号で駆動される。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ524及びサブアセンブリ534は、差動RF信号で駆動される。幾つかの実装形態では、サブアセンブリ524はRF信号で駆動され、サブアセンブリ534はRF接地に接続される。
幾つかの実装形態では、チャンバ内電極アセンブリ106は、中央給電590を使用してRF信号でシングルエンド方式で駆動される。中央給電590は、中央のX字形電流スプリッタ592に接続されている。サブアセンブリ524及び534の4つの隅部は、垂直給電構造を使用してX字形電流スプリッタ59に接続されている。
一般に、サブアセンブリ510、522、524及びそれぞれのサブアセンブリ520、532、534の差動駆動は、適切なRF接地を提供できない場合(例えば、回転水銀カプラー、ブラシ、又はスリップリングを介したRF接地)に、プラズマの均一性又はプロセスの再現性を改善することができる。
図6Aは、処理ツール650の一例の内部領域の概略的な上面図である。処理ツール650では、ワークピース支持体114は軸150を中心に回転しており、ワークピース支持体114の回転により、ワークピース115は、電極アセンブリ600によって生成されたプラズマ領域を通して、電極アセンブリ600の下を移動する。記載されていることを除き、処理ツール650は処理ツール200と同様であり、電極アセンブリ600は電極アセンブリ400と同様である。
ワークピース115が軸150の周りのプラズマ領域を介して回転する場合、ワークピースの異なる表面領域が受ける速度は、軸150からの半径方向距離の関数として変化する。例えば、軸150からさらに離れたワークピースの領域は、軸150に近い領域よりも速く移動する。長方形又は線形のプラズマ領域では、軸150からさらに離れているワークピースの領域は、プラズマ領域での対応する短い滞留時間を経験する。滞留時間のこの半径方向の不均一性は、ワークピース全体にわたる受信プラズマ線量の不均一性につながり、望ましくないプロセスの不均一性をもたらす。
前述の滞留時間の不均一性を補償する1つの方法は、ウエハの局所速度に比例してプラズマ領域の局所密度を変化させることである。例えば、局所プラズマ密度は、軸150からの半径方向距離に比例して増加させることができる。より高い局所速度の領域でプラズマ密度を増加させることにより、それらの領域は、それぞれのより短い滞留時間にわたって統合された等しい線量のプラズマを受ける。しかしながら、プラズマ密度の空間的な不均一性は、ワークピース表面の不均一な帯電につながり、ワークピース表面に電位差を生じさせる可能性がある。ダイのサイズ及びデバイスの感度に応じて、表面全体の電位差が十分に大きい場合(例えば、2ボルト、5ボルト、10ボルト、15ボルト、25ボルトを超える場合)、ワークピース上に製造されているデバイスの損傷、例えば、薄いトランジスタゲート誘電体層の絶縁破壊が発生する可能性がある。
滞留時間の不均一性を補償する別の方法は、プラズマ領域の幾何学形状を変更することである。プラズマ領域の幾何学形状は、局所速度の高い領域がプラズマ領域の対応する長いセクションを移動して、ワークピース表面の異なる領域の滞留時間を等しくするように修正することができる。図6Aに示されている構成では、滞留時間の均等化は、楔形のプラズマ領域で実現することができる。このような構成では、軸150から離れることによる局所速度の半径方向の増加は、それぞれの領域にわたる楔形のプラズマ領域のアーク長の比例した増加によって相殺することができる。
前述の楔形のプラズマ領域は、電極アセンブリ600の同一平面上のフィラメントと開口部627をさまざまな方法で構成することによって形成することができる。1つの方法は、楔形の電極アセンブリ600のフィラメントによって形成された電極アレイを構成することである。例えば、電極アレイの個々の同一平面上のフィラメントのそれぞれの長さは、電極アレイの全体的な輪郭が楔を画成するように修正することができる。幾つかの実装形態では、支持体206は、電極アレイの同一平面上のフィラメントのそれぞれの2つの端部で支持をもたらすことができる。
楔形のプラズマ領域を形成する別の方法は、楔形を有するように開口部627を形成し、開口部627より大きい電極アセンブリ600の電極アレイ(例えば、電極アセンブリ400)を使用して、開口部627のサイズよりも大きいプラズマ領域を形成することによる。次に、生成されたプラズマ領域の一部を楔形の開口部によってブロックして、楔形のプラズマ領域を生成することができる。例えば、支持体206は楔形の開口部627を提供することができる。
一般に、さまざまな要因が楔形のプラズマ領域のサイジングに影響を与える可能性がある。幾つかの用途では、ワークピースの表面の部分的又は不完全なプラズマカバレッジが有害な結果につながる可能性がある。例えば、ワークピース115は、帯電損傷に敏感なデバイス、例えば薄いゲート誘電体層を備えたトランジスタを含むことができる。このような場合、プラズマにさらされるワークピース115の領域とプラズマにさらされない領域との間に発生する電位は、ゲート誘電体層の絶縁破壊をもたらし、敏感なデバイスの永久的な損傷をもたらしうる。このような問題は、プラズマ領域をワークピースよりも大きくなるようにサイジングして、ワークピースの表面全体に完全なプラズマカバレッジを達成することによって軽減することができる。幾つかの実装形態では、プラズマ領域は、完全なプラズマカバレッジを維持しつつ、プラズマ領域を通るワークピースの移動を可能にするようにサイジングされる。
幾つかの実装形態では、例えば、プラズマ領域がワークピースよりも大きい場合、RF電力を電極アセンブリ600に印加するタイミングをワークピース115の動きと調整して、ワークピースの表面全体がプラズマに均一に曝露されるようにすることができる。例えば、プラズマは、ワークピース全体が開口部627又は電極アセンブリ600の下を移動した後に生成(点火)され、ワークピースがプラズマ領域を離れる前に終了(消火)することができる。この場合、プラズマ領域は楔形をしている必要はない。
しかしながら、場合によっては、電極アセンブリ600を使用して大きいプラズマ領域(例えば、300mm×300mmより大きい)を生成することは困難でありうる。処理されるワークピースがその表面上の不完全なプラズマカバレッジに耐えることができる場合、プラズマ領域は、ワークピースの一方向においてワークピースの表面よりも小さくなるようにサイズ設定することができる。例えば、図6Aに示されるように、楔形の電極アセンブリ600(及び、したがってプラズマ領域)は、ワークピース115の進行方向においてワークピースの直径よりも小さいが、半径方向の完全なカバレッジを達成するために、軸150に関して半径方向に沿ったワークピースの直径よりも大きい。
プラズマ領域のサイジングに関するその他の考慮事項には、ワークピースの移動速度、目標処理速度、及び所望の処理時間又はスループットを達成するための目標プラズマ曝露時間が含まれる。
幾つかの実装形態では、プラズマをワークピースの動きと調和させて、ワークピースがプラズマ領域に入る前に安定したプラズマが確立されることを確実にすることができる。例えば、比較的短いプラズマ曝露時間を必要とするプロセスでは、プラズマを打つ(striking on of the plasma)のに費やされる時間は、全プラズマ曝露時間のかなりの部分になりうる。プラズマは、点弧位相(striking phase)中は比較的不安定であることから、結果として生じるプロセスの再現性が損なわれる可能性がある。ワークピースを導入する前に安定したプラズマを確立することにより、プラズマ領域を通って移動するワークピースの速度を制御することにより、プラズマ曝露時間と線量を正確に制御することができる。このような実装形態では、プラズマ領域がワークピースよりも大きいか小さいかに関係なく、プラズマ領域が楔形であることが曝露時間の差を補償するためには有利である。幾つかの実装形態では、生成されたプラズマは、複数のワークピースの処理中にわたって維持される。
固定されたプラズマ領域サイズを有する処理ツール650を所与とすれば、さまざまなプロセスパラメータを制御して、所望のプラズマ処理特性を達成することができる。制御できるプロセスパラメータの例には、処理速度、曝露時間、ワークピースの移動速度プロファイル、プラズマ照射パスの数、及び総プラズマ照射線量が含まれる。例えば、ワークピースは、プラズマ領域を複数回通過するか、あるいは、プラズマ領域内の位置で振動しうる。
図6Bは、楔形のプラズマ領域を生成するための楔形の電極アセンブリの一例の概略的な上面図である。楔形の電極アセンブリ600は、複数の同一平面上のフィラメント610とフレーム620とを有する。電極アセンブリ600は、記載されていることを除き、電極アセンブリ120、220及び400と同様である。フレーム620は、第1の端部602、第2の端部604、中心角θca、内径R1、外径R2、及び二等分線605を有する。第1の端部602は、しばしば頂点と呼ばれる、電極アセンブリ600の短端部である。第2の端部604は、しばしば基部と呼ばれる、電極アセンブリ600のより長い方の端部である。複数の同一平面上のフィラメント610は、記載されていることを除き、フィラメント300と同様である。各同一平面上のフィラメント610は、二等分線605に対して、それぞれの長さL、それぞれの角度θ(シータ)を有する。長さLは、ワークピース支持表面、例えば114aに平行かつ隣接する領域内の同一平面上のフィラメント610の直線部分であると定義される。同一平面上のフィラメント610の各隣接対は、隣接するフィラメント間の中心間距離として定義されるそれぞれの間隔Sで分離されている。非平行なフィラメントの場合、間隔Sは、隣接するフィラメント対の長さに沿った最小の中心間間隔として定義される。
フィラメント610の角度シータを決定するためのさまざまな考慮事項が存在する。角度θを決定するための1つの考慮事項は、ワークピース115が電極アセンブリ600の下を移動するときのワークピース115の軌道である。幾つかの状況では、電極アセンブリ600によって生成されたプラズマは、フィラメント610の方向に沿って延びるプラズマに不均一性を有する可能性がある。例えば、ある特定の動作条件では、プラズマ密度が低下した細長い領域が一対のフィラメント610の間に存在する可能性がある。ワークピースの表面上の点がプラズマ密度の低下したこのような領域に沿って移動する場合、その点は減少したプラズマ曝露線量を受け、プロセスの不均一性をもたらすであろう。フィラメントを適切なシータ値(たとえば90°を除いて、90°より小さい又は大きい値)を有するように配置することにより、プラズマ密度の低下した領域に沿ったこのような接線方向の移動を減らし、プロセスの均一性を向上させることができる。例えば、シータを60°に設定することにより、ワークピースの表面上の点は、複数のフィラメントの下を通過し、途中で密度が低下し公称密度が低下した局所プラズマ領域に曝され、その結果、プラズマ曝露線量の時間平均化をもたらす。幾つかの実装形態では、複数の同一平面上のフィラメント610のそれぞれのシータは等しい、すなわち、フィラメントは平行である。
幾つかの実装形態では、フィラメント610のそれぞれのシータは、電極アセンブリ600内のそれぞれの位置に基づいて異なる。例えば、頂点602の近くのフィラメントからアセンブリ600の基部604の近くのフィラメントまで、それぞれのシータは単調に増加して、電極アセンブリ600にわたってフィラメント610の長さを等しく維持する。等しい長さのフィラメントを有することにより、アセンブリ600がICP源として動作するときに均一性を改善することができる。
一般に、同一平面上のフィラメント610の数は、プラズマ領域のサイズ、シータ、及び間隔Sによって決定され、所望のプラズマ領域特性、例えばプラズマ密度、均一性を達成する。
一般に、間隔Sは、フィラメント間隔410に関して図4で説明した考慮事項に基づいて決定することができる。
フレーム620は、電極アセンブリ600の形状、及び電極アセンブリ600によって形成されるプラズマ領域の形状を画成する。内径、外径、及び中心角は楔形の電極のサイズを決定し、それがプラズマ領域のサイズを画成する。フレームのサイズは、図6Bに関連したプラズマ領域のサイジングに関する前述の論述に基づいて決定することができる。
フレーム620は、異なるプロセス適合材料で形成することができる。適切なプロセス適合材料には、例えば石英など、円筒形シェル320に関して説明されたものが含まれる。プロセス適合材料の他の例には、セラミック(例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム)、及びケイ素のさまざまな窒化物(例えば、SiN、Si3N4)が含まれる。
フレーム620は、楔形の電極アセンブリ600に関連して説明されているが、フィラメント610は、フレーム620なしで、記載された楔形を有するように形成及び配置されても同様の結果を達成することができる。
楔形の電極アセンブリの一例は、次の設計特性を有する:R1=91mm、R2=427mm、中心角=31°、シータ=60°、フィラメント中心間分離=15mm、フィラメントの数=20、フレーム材料=石英。
図6Cを参照すると、幾つかの実装形態では、フレーム620は切り欠き622を有する。切り欠き622は、楔形の上部電極624に適合する形状にすることができる。楔形の上部電極624は、接地させるか、又はバイアス電圧にバイアスさせることができる。楔形の上部電極624は、さまざまなプロセス適合材料、例えばケイ素で形成することができる。幾つかの実装形態では、楔形の電極は、切り欠き622に挿入されて切り欠き622を満たすように形作られる。
図6Dを参照すると、断面線Aに沿ったフレーム620の一部の断面図が示されている。幾つかの実装形態では、フレームは、上部625、内側側壁626、及び開口部627を有する。
一般に、複数の同一平面上のフィラメント610のそれぞれの長さLは、所望の形状のプラズマ領域を生成するように設定される。フレーム620は、同一平面上のフィラメント610に支持を提供するように形作ることができる。幾つかの実装形態では、同一平面上のフィラメント610の端部は、図6Bに示される構成と同様に、フレーム620の内側側壁626によって支持される。幾つかの実装形態では、同一平面上のフィラメント610の端部は、図2Bの電極アセンブリ220aに示されるように、フレーム620の上部625によって支持されるように曲げられる(例えば、90°)。幾つかの実装形態では、フレーム620の開口部627は、プラズマ領域の形状を決定することができる。
幾つかの実装形態では、シータは0に近く、例えば<20°である。図6Eを参照すると、アセンブリ601は2つのフィラメントを有し、該フィラメントはシータ=0°で配置されている、すなわち、フィラメントは二等分線605に平行である。アセンブリ601のフレーム620は、切り欠き622と楔形の電極624とを有する。楔形の電極624は接地することができる。このような構成では、電極アセンブリ601によって生成されるプラズマ領域の形状は、フィラメント610と楔形の電極624との間の相互作用の影響を受け、楔形のプラズマ領域をもたらす。シータが0°に近い構成では、ワークピース115の進行方向がフィラメント610の配向に対して実質的に90°に近いため、フィラメント610に平行なプラズマの不均一性の影響を低減することができる。
図7A~7Dは、楔形の電極アセンブリのさまざまな電気的構成の概念的概略図である。電極アセンブリのフィラメントは、さまざまな異なる構成で電気的に接続できる。図7Aを参照すると、電極アセンブリ600と同様の電極アセンブリ700は、第1のバス730及び第2のバス740を有する。第1のバス730及び第2のバス740は、チャンバ本体102の反対側、例えばチャンバの外側に配置することができる。
第1のバス730は、第1の端部750と、該第1の端部750の反対側の第2の端部751とを有する。第1のバス730及び第2のバス740は、電極アセンブリ700の各フィラメント710のそれぞれの両端に電気的に接続されている。フィラメント710は、記載されていることを除き、フィラメント300と同様である。電極アセンブリ700は、1つ以上のRF電源を使用してさまざまな方法で駆動させることができる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源が第1のバス730を駆動し、第2のバス740がRF接地に接続される。このような構成では、RF電流はフィラメント710を横切って流れ、電極アセンブリは主にICPプラズマ源として機能しうる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のバス730を駆動し、第2のバス740は電気的に浮遊している。このような構成では、電極アセンブリは主にCCPプラズマ源として機能しうる。RF電流リターンパスは、チャンバ本体102、上部電極108、楔形の上部電極624、又はワークピース支持電極116によって提供されうる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1の端部750で第1のバス730を駆動し、第2のRF電源は第2の端部751で第1のバス730を駆動し、第2のバス740はRF接地に接続される。このような構成では、電極アセンブリは、主にICPプラズマ源として機能しうる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のバス730を駆動し、第2のRF電源は第2のバス740を駆動する。
概して、RF電源がバスに接続するRF駆動点は、生成されるプラズマの均一性を最適化するために選択される。例えば、駆動点の位置は、個々のフィラメント710が受けるRF信号振幅の不均一性を最小限に抑えることに基づいて選択することができる。
幾つかの実装形態では、チャンバ内電極アセンブリは、同一平面上のフィラメントの第1の群及び第2の群を含みうる。第1の群及び第2の群のフィラメントは、それらの縦軸に垂直な方向に沿って交互のパターンで配置することができる。したがって、同一平面上のフィラメントは、第1の群と第2の群との間で交互になる。
図7Bを参照すると、電極アセンブリ600と同様の電極アセンブリ702は、同一平面上のフィラメント710及び714を含みうる第1の群と、同一平面上のフィラメント712を含む第2の群とを有する。第1の群は第1のバス732に電気的に接続され、第2の群は第2のバス742に電気的に接続されている。接続されているバスから遠い各フィラメントの端部は、「浮遊」しているか、あるいは接地することができる。フィラメントの端部が浮遊している場合、フィラメントの2つの群は、互いに噛み合ったアレイを形成していると見なすことができる。
第1のバス732は、第1の端部752と、該第1の端部752の反対側の第2の端部753とを有しうる。幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のRF信号で第1のバス732を駆動し、第2のRF電源は第2のRF信号で第2のバス742を駆動する。第1及び第2のRF信号は、同じ周波数と互いに安定した位相関係とを有しうる。例えば、第1のRF信号と第2のRF信号との間の位相差は、0度又は180度でありうる。幾つかの実装形態では、RF電源422によって提供される第1及び第2のRF信号間の位相関係は、0から360の間で調整可能でありうる。幾つかの実装形態では、RF供給422は、互いに位相ロックされる2つの個別のRF電源422a及び422bを含みうる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のバス732を駆動し、第2のバス742はRF接地に接続される。このような場合、第2のバス742及び該第2のバス742に接続されたフィラメントの偶数群は、RF電流リターンパスとして機能することができる。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1の端部752で第1のバス732を駆動し、第2のRF電源は第2の端部753で第1のバス732を駆動し、第2のバス742はRF接地に接続される。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のバス732を駆動し、第2のRF電源は第2のバス742を駆動する。このような場合、電極アセンブリ702は主にCCPプラズマ源として機能しうる。RF電流リターンパスは、チャンバ本体102、上部電極108、楔形の上部電極624、又はワークピース支持電極116によって提供されうる。
図7Cを参照すると、電極アセンブリ600と同様の電極アセンブリ704は、単一のバス734を有する。バス734は、フィラメント710の両端に電気的に接続されている。
幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1のバス734を駆動する。第1のバス734は第1の端部754及び第2の端部755を有することができ、幾つかの実装形態では、第1のRF電源は第1の端部754で第1のバス734を駆動し、第2のRF電源は第2の端部755で第1のバス734を駆動する。このような構成では、電極アセンブリは主にCCPプラズマ源として機能しうる。RF電流リターンパスは、チャンバ本体102、上部電極108、楔形の上部電極624、又はワークピース支持電極116によって提供されうる。
図7Dを参照すると、電極アセンブリ600と同様の電極アセンブリ706は、第1のバス736及び第2のバス746を有する。第1のバス736及び第2のバス746は、電極アセンブリ706のフィラメント710のそれぞれの両端に電気的に接続されている。第1のRF電源は、駆動点756において第1のバス736を駆動する。第2のバス746はRF接地に接続されうる。
第1のRF電源によって生成される第1のRF信号は、RF損失のさまざまな源によって減衰されうる。例えば、バス736を形成するRF伝送線は、導体の有限の電気伝導率に起因して損失があり、あるいは伝送線を形成する誘電材料に起因して誘電正接がある。別の例として、RF伝送線のプラズマ負荷はRF損失に影響を及ぼす。したがって、RF信号の伝播方向に沿った異なる位置で接続されたフィラメント710は、異なるRF信号振幅を経験しうる。例えば、図7Aを参照すると、第1の端部750で放たれたRF信号は、第1のバス730の長さを伝播するにつれて減衰する。その結果、第2の端部751の近くのフィラメント710でのRF信号振幅は、RF信号が放たれている第1の端部750の近くのフィラメント710でのRF信号振幅よりも小さくなる。
不完全なRFインピーダンス整合/終端に起因するRF信号の反射から生じる定在波は、第1のバス730の長さに沿ってRF信号振幅に不均一性を生じさせる可能性もある。例えば、第1の端部750で放たれたRF信号は、第2の端部751に到達すると、インピーダンス整合した終端が欠如しているために、第1の端部750に向かって反射し、第1のバス730の長さに沿って定在波を作り出す可能性がある。
第1のバス730の長さにわたるRF信号振幅のこのような不均一性は、プラズマの不均一性をもたらしうる。
第1のバス730にわたるRF信号振幅の不均一性は、再帰的RF給電構造を使用することによって低減することができる。図7Dに戻ると、信号経路長、したがって駆動点756から各フィラメント710までのRF信号が受ける損失がすべてのフィラメント710についてほぼ等しくなるように、第1のバス736は、再帰的RF給電構造を形成して、第1のRF電源によって生成された第1のRF信号をフィラメント710に送給するように構成される。このようなほぼ等しい経路長は、フィラメント710の駆動端部(すなわち、第1のバス736に接続された端部)においてほぼ等しいRF信号振幅を可能にすることができる。幾つかの実装形態では、構造の各分岐がフィラメントのほぼ等しい全長に接続されるように、再帰的RF給電構造を構成することにより、RF信号振幅の不均一性がさらに緩和される。例えば、左から右に、7本、6本、5本、4本のフィラメントがそれぞれ、再帰的RF給電構造の各分岐に接続されている。分岐ごとのこのようなほぼ等しい全長は、電極アセンブリ706がICP源として動作するときの均一性を改善するのに役立ちうる。幾つかの実装形態では、給電構造の再帰の各レベルは、それぞれの接地面によってシールドされ、接地面を貫通する垂直ビアが構造のそれぞれのレベルに接続されている。
電極アセンブリが2つのRF信号源によって駆動される場合、さまざまな要因が、生成されるプラズマ領域の形状に影響を及ぼす。要因の例には、2つのRF信号の周波数及び位相関係が含まれる。図7Bを参照すると、例えば、第1のバス732及び第2のバス742を駆動する第1及び第2のRF信号の周波数が同じであり、位相差が0度に設定されている場合(「単極」又は「単一端」)、プラズマ領域は、共同一平面上のフィラメント710間の間隙から押し出され、例えば、円筒形シェル間の間隔が小さい場合に、不連続性又は不均一性をもたらす。隣接する同一平面上のフィラメント710を駆動するRF信号の位相差が180度(「差動」)に設定されている場合、プラズマ領域は同一平面上のフィラメント710間にさらに強く閉じ込めらる。0から360度の位相差を使用して、プラズマ領域の形状に影響を与えることができる。
一般に、ワークピース支持電極116の接地は、プラズマ領域の形状に影響を及ぼす要因である。隣接する同一平面上のフィラメントを駆動するRF信号間の位相差が0度での電極116の不完全なRF接地により、プラズマ領域が上部間隙に向かって押し出される。しかしながら、隣接する同一平面上のフィラメント、例えば同一平面上のフィラメントが180度の位相差を有するRF信号で駆動される場合、結果として生じるプラズマ分布は電極116の不完全なRF接地の影響をはるかに受けにくくなる。特定の理論に限定されることなく、これは、駆動信号の差動特性により、RF電流が隣接する電極を通って戻るためでありうる。
前述の電極アセンブリ(例えば、400、500、502、504、600、601、700、702、及び704)の電気的構成及び特性は、さまざまな構成で電極アセンブリのさまざまな位置に結合されたRFスイッチを使用して動的に変更することができる。
フィラメント810は、記載されていることを除き、フィラメント610及び300と同様である。各フィラメント810は、それぞれの第1の端部811と、それぞれの第2の端部812とを有する。第1のバス820及び第2のバス824は、チャンバ本体102の内側、チャンバ天井内、又はチャンバの外側に配置することができ、フィラメント810のそれぞれの端部と、バス820及び824に沿った(例えば、その長さに沿った)さまざまな位置との間に電気接続を行うことができる。
フィラメント810は、第1の複数のフィラメント816と第2の複数のフィラメント817に分けることができる。幾つかの実装形態では、第1の複数のフィラメント816と第2の複数のフィラメント817とのフィラメント810は、同一平面上のフィラメントが図示されるように第1の群と第2の群との間で交互になるように、それらの縦軸に垂直な方向に沿って交互のパターンで配置することができる。
第1の複数のフィラメント816の第1の端部811は、第1のバス820に結合することができる。第2の複数のフィラメント817の第1の端部811は、第2のバス822に結合することができる。フィラメント810とバスとの間の結合は、シンプルなワイヤ又は金属ストラップ(RF周波数の波長のごく一部に対して長さが短い場合)を使用して、若しくはRF伝送線、例えば同軸ケーブルを使用して、実現することができる。
幾つかの実装形態では、電極アセンブリ800は、第3のバス826及び第4のバス828をさらに含む。このような実装形態では、第1の複数のフィラメント816の第2の端部812は、第3のバス824に結合することができる。第2の複数のフィラメント817の第2の端部812は、第4のバス826に結合することができる。
バス820、824,826、及び828は、それに結合されるそれぞれのフィラメント810を電気的に結合するように構成される。バスを形成するRF伝送線は、RF周波数の波長のかなりの部分に匹敵するか、又はそれより長い長さを有してよく(例えば、>1/10波長)、フィラメントアレイへの意図的なプラズマ負荷、すなわちRF電力の吸収に起因して、損失が大きくなる。したがって、RF信号の伝播方向に沿った異なる位置で接続されたフィラメント810は、異なるRF信号振幅を有しうる。例えば、第1のバス820の第3の端部821で放たれたRF信号は、第1のバス820の長さを伝播するにつれて減衰する。その結果、第2の端部822の近くのフィラメント810でのRF信号振幅は、RF信号が放たれている第1の端部821の近くのフィラメント810でのRF信号振幅よりも小さくなる。第1のバス820又は824の長さにわたるRF信号振幅のこのような不均一性は、プラズマの不均一性をもたらしうる。
一般に、実質的に広い領域にわたって電極アセンブリ800によって生成されるプラズマ領域は、プラズマ密度の実質的な不均一性を含みうる。例えば、長さ40cm、幅40cmのプラズマ領域では、13.56MHzと60MHzのRF信号周波数間でプラズマの均一性に実質的な差異が見られることがある。例えば13.56MHzのより低い周波数で駆動されると、プラズマ密度は、端部811及び812から離れたフィラメント810の中央部分に向かって減少しうる。しかしながら、フィラメントの縦軸に垂直な方向に沿って、プラズマ密度の時間平均は実質的に空間的に均一のままである。例えば60MHzのより高い周波数で駆動されると、プラズマ密度は、フィラメントに沿って、及びフィラメントの縦軸に垂直の両方で均一性が低下する。例えば、2つの方向に沿って、局所的な最大値と最小値の周期的な分布が形成されうる。理論に拘束されることは望まないが、このような不均一性のパターンは、少なくとも部分的には定在波の存在によって引き起こされる可能性がある。
RFスイッチを使用して電極アセンブリ800の電気特性を動的に変更することにより、このような不均一性を緩和することが可能でありうる。電圧信号に不均一性を意図的に導入して、ワークピースの他の不均一性の原因、例えば不均一な層の厚さ、又はプラズマ密度、例えば不均一なガス分布を補償することも可能でありうる。
図8Bを参照すると、切替電極システム802は、第1のRFスイッチ830、第2のRFスイッチ834、第3のRFスイッチ836、第4のRFスイッチ838、第1のタップ840、及び第2のタップ842を含む。一般に、第1及び第2のタップ840及び842は、例えば、第1及び第2のRF信号、RF接地など、プラズマを生成するためにさまざまな信号及び電位に接続することができる。
各RFスイッチは、第1の端子831及び第2の端子832を含む。一般に、RFスイッチ830は双方向に動作し、第1及び第2の端部831及び832は、RFスイッチの特定の物理的端子に結び付けられるのではなく、むしろRFスイッチの2つの異なる端子を指すために使用される。RFスイッチ830、834、836、及び838は、さまざまなRF切り替え構成要素を使用して設けることができる。RF切り替え構成要素の例には、機械式リレー又はスイッチ、PINダイオード、可飽和インダクタ/リアクタ、MOSFET、このような構成要素を含む電子回路、及び調整可能なRF信号周波数を有するRF発電機と組み合わせた場合の周波数依存インピーダンス回路が含まれる。
一般に、第1及び第2のタップ840及び842は、バス820、824、826、及び828のそれぞれの長さに沿って、例えばバスの中央に配置することができる。幾つかの実装形態では、第1のタップ840は第1のバス820の中央に位置し、第2のタップ842は第4のバス828の中央に位置する。
幾つかの実装形態では、第1及び第2のタップ840及び842は、同じ周波数(例えば、60MHz)及び180度の相対位相差を有する2つのRF信号によって差動的に駆動される。
一般に、RFスイッチの第1及び第2の端子831及び832は、さまざまな効果を達成するために、さまざまな方法でバスに結合することができる。例えば、RFスイッチ830、834、836、及び838のそれぞれの第1の端子は、示されるように、バス820、824、826、及び828の端部に接続される。このような構成では、RFスイッチ830、834、836及び838のいずれか1つを閉じると、バスのそれぞれの端部(「隅部」)が電気的に接続又は「短絡」する。隅部の短絡は、その位置でのRF反射係数の変化を生じさせ、短絡隅部近くのフィラメント810の局所領域でのRF信号振幅と電力結合を減少させ、したがって局所プラズマ生成を減少させることができる。隅部の短絡は、プラズマ密度の最大値と最小値の空間分布を移動及び/又は変更する可能性もある。
一般に、電気接続と結合は、導線、同軸ケーブル、導波管、又は物理的接触(例えば、溶接、はんだ付け、一体型製造など)によってもたらされうる。
一般に、ワークピースのプロセス均一性は、プラズマ曝露の時間平均化によって改善することができる。プラズマ曝露の時間平均化を達成する1つの方法は、プラズマ領域の不均一性の空間分布を移動させることによるものである。例えば、電極アセンブリの四隅に結合された(「変調」)RFスイッチを開閉することにより、プラズマ密度分布(不均一性)を動移動させることができる。
RFスイッチ830、834、836、及び838は、所望の時間平均化プラズマ密度を達成するために、さまざまな方法で変調することができる。RFスイッチを変調するシーケンスの一例は、異なるバス上の点の対を周期的に接続することである。例えば、システムは次のように動作させることができる:(1)RFスイッチ830を第1の持続時間の間、閉じてから開く、(2)RFスイッチ834を第2の持続時間の間、閉じてから開く、(3)RFスイッチ836を第3の持続時間の間、閉じてから開く、(4)RFスイッチ838を第4の持続時間の間、閉じる。第1から第4の持続時間は、シーケンスの所望の繰り返し率に基づいて決定することができる。繰り返し率は、例として、例えばデバイスの充電など、ある特定の効果のタイムスケールよりも実質的に速くなるように設定することができる。例えば、4つの状態を有するシーケンスでは、デッドタイムを含む個々の状態の持続時間を50μ秒に設定して、5kHzの繰り返し率を達成することができる。
幾つかの実装形態では、シーケンスのステップ間にデッドタイムが挿入される。デッドタイムは、ある特定の構成で2つ以上の発電機が短絡するのを防ぐための「ブレークビフォーメーク」接触をもたらしうる。幾つかの実装形態では、スイッチの閉じが時間的に重なってもよい。例えば、2つのスイッチは、例えば、対角線上で対向するスイッチの対(830-838、834-836)、隣接するスイッチの対(830-834及び836-838、832-836、及び834-838)を同期して、変調することができる。別の例として、4つのスイッチのすべてを同期して開閉してもよい。
図8Cを参照すると、切替電極システム804の一例が示されている。切替電極システム804は、記載されていることを除き、システム802と同様である。切替電極システム804は、RFスイッチの第1の群850、RFスイッチの第2の群854、RFスイッチの第3の群856、及びRFスイッチの第4の群858を含む。RFスイッチの第1の群850は副スイッチ860a及び860bを含み、RFスイッチの第2の群854は副スイッチ860c及び860dを含み、RFスイッチの第3の群836は副スイッチ860e及び860fを含み、RFスイッチの第4の群838は副スイッチ860g及び860hを含む。副スイッチはRFスイッチ830と同様である。
副スイッチの第1の端子831は、バス820、824、826、及び828の端部に接続される。幾つかの実装形態では、副スイッチの第2の端子832は、RF接地に接続される。このような構成では、副スイッチのいずれか1つを閉じると、バスのそれぞれの端部がRF接地に電気的に接続されるか、あるいはバスの端部が接地される。バスの端部の接地は、バスのRF接地された端部の近くのフィラメント810の局所領域でのRF信号振幅の減少につながり、その領域の電界の二乗振幅の減少、又はより低い電力結合をもたらしうる。電界の二乗振幅が減少すると、その領域でのプラズマ生成の減少につながりうる。
RFスイッチと個々の副スイッチの群は、プラズマ密度分布の変調を提供するために、さまざまな方法で変調させることができる。例えば、RFスイッチの各群は、RFスイッチの群の副スイッチが単一のユニットとして開閉される単一のユニットとして動作させることができる。別の例として、RFスイッチの各群の副スイッチは、独立して開閉させることができる。
スイッチは、図8Bに関連して記載されたさまざまなシーケンスと同様の方法で、さまざまな異なるシーケンスで変調させることができる。例えば、切替電極システムは、一度に1つの群のスイッチを(任意選択的に時間遅延を伴って)周期的に閉じたり、異なるグループが閉じられている時間に重複してスイッチの群を周期的に閉じたり、スイッチの群を交互に切り替えたり、あるいは、すべてのスイッチを同期して開閉したりすることによって、動作させることができる。
別の例として、システムは次のように動作させることができる:(1)RFスイッチの第1及び第3の群850及び856を第1の持続時間の間閉じてから開く、(2)すべてのスイッチを開く、(3)RFスイッチの第2及び第4の群854及び858を第2の持続時間の間閉じてから開く。
さらに別の例として、システムは次のように動作させることができる:(1)スイッチの第1の群850を第1の持続時間の間閉じてから開く、(2)スイッチ854の第2の群を第2の持続時間の間閉じてから開く、(3)スイッチの第3の群856を第3の持続時間の間閉じてから開く、(4)スイッチの第4の群858を第4の持続時間の間閉じてから開く、(5)スイッチのすべての群を開く、(6)スイッチのすべての群を閉じる。
幾つかの実装形態では、RFスイッチを使用して、バス上のさまざまな位置へのRF信号の供給を動的に再構成させることができる。図8Dを参照すると、切替電極システム806の一例が示されている。切替電極システム806は、記載されていることを除き、システム804と同様であり、同様の方法で動作させることができる。
第1の複数のフィラメント816は、タップ844及び846においてRF信号で駆動させることができる。タップ844及び846を駆動するRF信号は、同じ周波数であっても異なる周波数であってもよい。周波数が同じ場合、2つの信号の位相関係は、0、180、又は0から360の間の任意の値になりうる。幾つかの実装形態では、位相関係は、経時にともなって変調させることができる。副スイッチ860a、860c、860f、及び860hの第2の端子832は、示されるように、それぞれのタップ844及び846に接続される。
このような構成では、第2の複数のフィラメント817の接地特性は、それぞれの副スイッチを使用して変調させることができ、RF信号は、端部821及び822など、異なる位置からバス820及び826に放つことができる。接地特性の変調とRF信号分布との組合せを使用して、プラズマ密度を変調し、時間平均化することによって処理の均一性を向上させることができる。
このような構成では、副スイッチ860の少なくとも1つを閉状態に維持して、アセンブリ800へのRF信号の連続的な供給を提供することが有利でありうる。
図8Eを参照すると、切替電極システム808の一例が示されている。切替電極システム808は、記載されていることを除き、システム804と同様であり、同様の方法で動作させることができる。副スイッチの第2の端子832は単一のタップ848に接続される。示されているような対称分配ネットワークを使用して、システム808の四隅に配信されるRF信号の均一性を改善することができる。副スイッチは、前述のさまざまな方法で変調して、プラズマ分布を変更し、プロセスの均一性を向上させることができる。
幾つかの実装形態では、スイッチをバス全体にわたって分散させて、瞬間的なプラズマ均一性をより細かく制御できるようにし、それによって時間平均プラズマ均一性を改善することができる。図8Fを参照すると、切替電極システム801の一例が示されている。切替電極システム801は、記載されていることを除き、システム808と同様であり、同様の方法で動作させることができる。第1のバス820は、例えば3つ以上の副スイッチなど、RFスイッチの第1の群870に結合される。RFスイッチの各群は、複数の副スイッチ860を含む。RFスイッチの第1の群870の副スイッチ860の第1の端子は、第1のバス820の長さにわたるさまざまな位置で第1のバスに電気的に結合される。幾つかの実装形態では、結合点は、示されるように、ほぼ等間隔になっている。RFスイッチの第1の群870の副スイッチ860の第2の端子は、タップ848に電気的に結合され、RF信号を受信する。
第2、第3、及び第4のバス824、826及び828は、各々、第1のバス820とRFスイッチの第1の群870と同様の方法で、それぞれ、第2、第3、及びRFスイッチの第4の群874、876、及び878に接続される。
このような構成では、バスの長さに沿ったRF信号の発信位置に対する追加の制御レベルにより、時間平均化されたプラズマの均一性を向上させることができる。
一般に、RFスイッチの1つの群に含まれる副スイッチの数は、例えば、バスの長さ、プラズマ領域のサイズ、RF信号の周波数及び電力、並びにチャンバ圧力に基づいて決定することができる。
幾つかの実装形態では、RFスイッチを使用してRF信号の供給と接地位置を動的に再構成し、主にCCPモードと主にICPモードとの間で切り替えることができるモード選択可能なプラズマ源を提供することができる。図9Aを参照すると、切替電極システム900の一例が示されている。切替電極システム900は、記載されていることを除き、システム802と同様であり、同様の方法で動作させることができる。示されるように、RFスイッチ830及び834の第1の端子831は、第2のバス824のそれぞれの第3の端部821及び第4の端部822に接続され、RFスイッチ836及び838の第1の端子831は、第3のバス826のそれぞれの第3の端部821及び第4の端部822に接続される。第2の端子832はRF接地に接続される。
RFスイッチ830、834、836、及び838をさまざまな方法で制御して、切替電極アセンブリ900によるプラズマ生成の支配的なモードを変更することができる。例えば、4つのRFスイッチすべてを閉じることにより、RF電流がフィラメント810の長さに沿って流れ、磁場を生成し、主に誘導結合プラズマを生成する。4つのスイッチすべてを開くことにより、RF電流が減少し、アセンブリ900は主に容量結合プラズマを生成する。
幾つかの実装形態では、それぞれのタップ840及び842を駆動する第1及び第2のRF信号は、180度の位相差を有する、すなわち、差動的に駆動される。このような場合、第1及び第2の複数のフィラメント816及び817に属する交互のフィラメント810には、約180度の位相差を有するRF信号が両端から供給され、その結果、支援RF磁場が生成される。幾つかの実装形態では、それぞれのタップ840及び842を駆動する第1及び第2のRF信号は、約0度の位相差を有する。このような場合、第1及び第2の複数のフィラメント816及び817に属する交互のフィラメント810には、約0度の位相差を有するRF信号が両端から供給され、その結果、反対のRF磁場が生成される。
幾つかの実装形態では、スイッチをバス全体にわたって分散させて、瞬間的なプラズマ均一性をより細かく制御できるようにし、それによって時間平均プラズマ均一性を改善することができる。図9Bを参照すると、切替電極アセンブリ902の一例が示されている。切替電極アセンブリ902、記載されていることを除き、システム801と同様である。第1のバス820は、複数の副スイッチ860を含むRFスイッチの第1の群870に結合されている。
RFスイッチの第1の群870の副スイッチ860の第1の端子は、第1のバス820の長さにわたるさまざまな位置で第1のバスに電気的に結合される。幾つかの実装形態では、結合点は、示されるように、ほぼ等間隔になっている。RFスイッチの第1の群870の副スイッチ860の第2の端子は、タップ940に電気的に結合されて、第1のRF信号を受信する。
第2のバスは、副スイッチの第1の端子でRFスイッチの第2の群874に接続され、副スイッチの第2の端子はRF接地に接続される。
第3のバスは、副スイッチ860の第1の端子でRFスイッチの第3の群876に接続され、RFスイッチの第3の群876の副スイッチ860の第2の端子832はRF接地に接続される。
第4のバスは、副スイッチの第1の端子でRFスイッチの第4の群878に接続され、副スイッチの第2の端子は、タップ942に電気的に結合されて、第2のRF信号を受信する。
タップ940及び942を駆動する第1及び第2のRF信号は、同じ周波数であっても異なる周波数であってもよい。周波数が同じ場合、2つの信号の位相関係は、0、180、又は0から360の間の任意の値になりうる。幾つかの実装形態では、位相関係は、経時にともなって変調させることができる。
RFスイッチ870、874、876、及び878の群をさまざまな方法で制御して、切替電極アセンブリ902によるプラズマ生成の支配的なモードを変更することができる。例えば、第1の群870及び第4の群878の各々からの副スイッチの少なくとも1つを閉じ、RFスイッチ874及び876の第2及び第3の群を開くことにより、アセンブリ902は、主に容量結合プラズマを生成する。
別の例として、第1の群870及び第4の群878の各々からの副スイッチの少なくとも1つを閉じ、及びRFスイッチ874及び876の第2及び第3の群の副スイッチのすべてを閉じることにより、アセンブリ902は、主に誘導結合プラズマを生成する。幾つかの実装形態では、それぞれのタップ940及び942を駆動する第1及び第2のRF信号は、180度の位相差を有する、すなわち、差動的に駆動される。このような場合、第1及び第2の複数のフィラメント816及び817に属する交互のフィラメント810には、約180度の位相差を有するRF信号が両端から供給され、その結果、支援RF磁場が生成される。幾つかの実装形態では、それぞれのタップ940及び942を駆動する第1及び第2のRF信号は、約0度の位相差を有する。このような場合、第1及び第2の複数のフィラメント816及び817に属する交互のフィラメント810には、約0度の位相差を有するRF信号が両端から供給され、その結果、反対のRF磁場が生成される。
一部の処理用途では、フィラメントにほぼ平行なストリップのプラズマにRF電力を投入できる対向RF磁場を使用したICP生成は、プラズマ、特にワークピースがプラズマ源(例えば、電極アセンブリ)に近い場合、すなわち小さな底部間隙132の場合、より均一なプラズマを提供しうる。したがって、第1及び第2のRF信号の位相関係を変更する能力を有することは有益でありうる。
一般に、第1及び第4の群870及び878の個々の副スイッチは、プラズマ密度分布を変えるために調整することができる。加えて、切替電極アセンブリ902が主に誘導結合プラズマを生成するように構成されている場合、第2及び第3の群874及び876の副スイッチを個別に変調して、プラズマ密度分布をさらに修正することができる。
一般に、図は、アプリケーション、RF構成、周波数、及び動作領域(プラズマ負荷)に応じて、中心及び端部の浮遊近くで駆動される、又はグランド終端で駆動されるバスを示しているが、他の位置、例えば駆動端部、終端部、又は中心などで駆動又は終端させることは、有利でありうる。
一般に、RFスイッチの第2の端子がRF接地に接続されている場合、可変インピーダンスをRF接地に直列に配置して、可変RF終端インピーダンスを提供し、プラズマ密度の変更をさらに制御することができる。
一般に、図は、それぞれのバスの中心に接続されたタップを示しているが、電極アセンブリにRF電力を印加するためのタップは、バスの1つ以上の端部、中心、又は他の位置に配置することができる。
スイッチを使用して、楔形の電極アセンブリの時間平均化したプラズマ均一性を改善することができる。図10を参照すると、切替電極アセンブリ1000の一例が示されている。切替電極アセンブリ1000は、楔形の電極アセンブリ1010を含む。楔形の電極アセンブリ1010は、記載されていることを除き、楔形の電極アセンブリ704と同様である。アセンブリ1010は、接地可能な楔形の上部電極624を含む。切替電極アセンブリ1000は、第1のRFスイッチ1030、第2のRFスイッチ1034、第3のRFスイッチ1036、第4のRFスイッチ1038、及びタップ1040を含む。RFスイッチはRFスイッチ830と同様である。RFスイッチ1030及び1034の第1の端子は、アセンブリ1010の第1の端部754に接続され、RFスイッチ1036及び1038の第1の端子は、アセンブリ1010の第2の端部755に接続される。第1及び第4のRFスイッチ1030及び1038の第2の端子は、互いにかつタップ1040に接続され、第2及び第3のRFスイッチ1034及び1036の第2の端子は、RF接地に接続される。
第1及び第4のRFスイッチ1030及び1038を開閉して、RF信号をアセンブリ1010の第1の端部754、第2の端部755、又は両端に選択的に供給することができる。第2及び第3のRFスイッチ1034及び1036を開閉して、アセンブリ1010の第1の端部754又は第2の端部755を選択的に接地させることができる。
RFスイッチをさまざまな方法で変調して、時間平均化したプラズマの均一性を改善することができる。シーケンスの例を次に示す:(1)RFスイッチ1030を第1の持続時間の間閉じ、かつスイッチ1034、1036、及び1038を開く(例えば、30マイクロ秒間)、(2)1030、1036、1034、1038を開き(例えば、40マイクロ秒間)、次に(3)1036を閉じ、1030、1034、及び1036を開く(例えば、30マイクロ秒間)。任意選択的に、電源が入っていない端部は、RF信号をもう一方の端部に印加してから少し遅れて、接地することができ、また、接地端部は、その端部にRF信号を印加する前に、接地されていなくてもよいのどちらかである。
シーケンスの別の例を次に示す:(1)1030=オン、1038、1034、1036=30マイクロ秒間オフ、(2)1030、1038=オン、1034、1036=40マイクロ秒間オフ、(3)1038=オン、1034、1030、1036=30マイクロ秒間オフ、その後、サイクルは、プロセスステップが完了するか、又は周期的に交互に反転するまで、複数回繰り返される。任意選択的に、電力が供給されていない端部は、他方の端部に電力を供給した後、少し遅れて接地することができ、また、接地された端部は、その端部に電力を供給する前に、接地されていなくてもよいのどちらかである。
一般に、楔形の電極アセンブリ1010は電極に類似しうる。一般に、スイッチは、他の電極アセンブリ、例えば、600、601、700、702、704に印加されうる。
さまざまな回路実装形態を使用して、プラズマ生成のためにRF信号を切り替えるのに適したRFスイッチを提供することができる。切替電極システムで使用されるRFスイッチRFスイッチ(例えば、RFスイッチ830、副スイッチ860)を実装するためのさまざまな考慮事項が存在する。このような考慮事項の例には、RF電力処理能力、切替速度、オン状態インピーダンス、オフ状態インピーダンス、及び双方向性が含まれる。
一般に、スイッチは、該スイッチの2つの端子間に存在するインピーダンスが低いときに「オン」又は閉じた状態にあり、インピーダンスが高いときに「オフ」又は開いた状態にあると考えられる。
PINダイオードスイッチを使用して、適切なRFスイッチを提供することができる。図11Aを参照すると、PINダイオードスイッチ1100は、PINダイオード1110、キャパシタンスC1を有する第1のコンデンサ1120、キャパシタンスC2を有する第2のコンデンサ1122、及びインダクタンスL1を有するインダクタ1140を含む。スイッチ1100は、第1の端子1131、第2の端子1132、及び制御端子1134を含む。第1の端子1131は第1の端子831を提供することができ、第2の端子1132はRFスイッチ830の第2の端子832を提供することができる。
第1のコンデンサ1120及びインダクタ1150は、第1の端子1131と第2のコンデンサ1122との間に並列に接続することができる。次に、PINダイオード1110は、第1のコンデンサ1120、インダクタ1150、並びに第1の端子1131と第2の端子1132との間の第2のコンデンサ1122と並列に接続することができる。制御端子1134は、第2のコンデンサ1122と第1のコンデンサ1120との間に接続することができる。
PINダイオード1110は、p型半導体領域とn型半導体領域との間に幅広のドープされていない真性半導体領域を有するダイオードであり、高電力RF信号の高速切替によく適している。PINダイオードはアノード(+)及びカソード(-)を有し、アノードとカソードの間に順方向バイアスが確立される場合(例えば、>0.7V及び/又はダイオード電流>100mA)に、RF信号に例えば<1オームの低インピーダンスの伝導経路を提供することができる。
PINダイオードスイッチ1100は、次の動作原理に基づいて動作する。PINダイオード1110のインピーダンスは、制御端子1134に制御信号を提供することにより制御することができる。制御信号は、第1レベル(例えば、0.7V)と第2レベル(例えば、-2kV)との間の準静的な電圧切り替えである。制御信号の準静的な性質により、制御電圧及び結果として生じるダイオード電流は、インダクタ1140を通じて伝導しうる。加えて、第2のコンデンサ1122は、制御電圧がカソードに到達するのを阻止する。カソードに対してアノードに十分に大きい負の制御電圧(例えば、-2kV)を提供することにより、PINダイオード1110を「オフ」状態に設定し、カソードとアノードとの間に高インピーダンスを提示することができる。十分に大きい正の制御電圧(例えば、0.7V)が印加されると、PINダイオード1110を「オン」状態に設定して、端子1131及び1132間のRF信号に対して低インピーダンス経路(例えば、<1オーム)を提示することができる。
示されるように、並列に接続された第1のコンデンサ1120とインダクタ1140は、LC共振器1150を形成する。共振器1150の共振周波数は、次式によって決定される:
共振周波数f
0において、共振器1150は、該共振器の品質係数に応じて、開回路に近い高インピーダンス(例えば、>1000オーム)を示す。共振周波数が端子1131又は1132に存在するRF信号の周波数と一致するようにC1及びL1の値を選択することにより、RF信号が共振器1150を通過するのを防ぐことができる。
一般に、第2のコンデンサ1122のキャパシタンスC2は、RF信号の周波数で低インピーダンス経路を提供するように設定することができる。
幾つかの実装形態では、第1のコンデンサ1120は、第1のコンデンサ1120とインダクタ1140によって形成される並列LC回路の共振を最適化して、RF信号の周波数と整合させることができる調整可能なキャパシタンスC1を有する、可変コンデンサ(「バラクタ(varacitor)」)である。
幾つかの実装形態では、制御端子1134でPINダイオード1110のアノードに印加される制御信号をバッファリング及び/又は増幅するために、制御信号バッファ増幅器1136を提供することができる。
一般に、複数のPINダイオードスイッチを組み合わせて使用して、第1の端子1131と第2の端子1132との間のインピーダンス値の範囲を達成することができる。制御信号は、可変インピーダンスを提供するために、第1レベルと第2レベルとの間に設定することもできる。
幾つかの実装形態では、第1の端子1131はバス(例えば、バス820)に接続され、第2の端子1132はRF接地に接続されて、RF接地への経路を形成する。幾つかの実装形態では、第1の端子は第1のバス(例えば、バス820)に接続され、第2の端子1132は第2のバス(例えば、バス824)に接続され、この場合、スイッチは「浮遊」と見なすことができ、第2の端子1132の電位は外部要因によって規定される。
別の例として、可飽和インダクタスイッチを使用して、適切なRFスイッチを提供することができる。図11Bを参照すると、可飽和インダクタスイッチ1102は、可飽和インダクタ1160、キャパシタンスC1を有する第1のコンデンサ1124、及びキャパシタンスC2を有する第2のコンデンサ1126を含む。スイッチ1102は、第1の端子1131、第2の端子1132、及び制御端子1135を有する。第1の端子1131は第1の端子831を提供することができ、第2の端子1132は第2の端子832を提供することができる。
可飽和インダクタ1160は、インダクタンスL1を有する一次巻線1162と、インダクタンスL2を有する制御巻線1164とを有する。可飽和インダクタは、一部の文献では可飽和リアクタ又は磁気増幅器とも呼ばれうる。可飽和インダクタは、制御巻線1164を流れる電流によって意図的に飽和させることができる磁気コアを有するタイプのインダクタである。飽和すると、一次巻線1162は、インダクタンスL1の大幅な低下を被る。一次巻線のインダクタンスが減少すると、RF信号に与えられるインピーダンスが低下し、これを使用して切替を実現することができる。
インダクタ1160の一次巻線1162は、第2のコンデンサ1126と直列に接続でき、第1のコンデンサ1124は、第1の端子1131と第2の端子1131との間の一次巻線1162及び第2のコンデンサ1126と並列に接続できる。制御端子1135は制御巻線1164に接続され、これは、次に、接地に接続することができる。
可飽和インダクタスイッチ1102は、次の動作原理に基づいて動作する。一次巻線1162と第2のコンデンサ1126との直列の組合せと並列の第1のコンデンサ1124は、LC共振器1150と同様に動作する並列LC共振器を形成する。例えば、C1、C2、及びL1の値は、制御信号が「オフ」、又は制御巻線1164に電流が流れない低い状態に設定されたときに、スイッチ1102の共振が例えば60MHzのRF信号周波数で発生するように、設定することができる。このような状態では、スイッチ1102は「開」状態にあり、第1の端子1131と第2の端子1132との間に高インピーダンスを提示する。制御端子1135に印加される制御信号が「オン」、又は高状態に設定されると、二次巻線1164を流れる電流によって生成される磁場は、可飽和インダクタ1160の磁気コアを飽和させ、一次巻線1162のインダクタンスL1を減少させる。インダクタンスL1の減少は、スイッチ1102の共振周波数を修正し、同じRF信号周波数で第1の端子1131と第2の端子1132との間に低いインピーダンスを提示する。この低インピーダンス状態は、スイッチ1102の閉状態として使用することができる。
幾つかの実装形態では、可飽和インダクタ1160を飽和させるのに十分な電流を制御巻線1164に印加できるように、制御端子1135に印加される制御信号を増幅及び/又はバッファリングする制御信号バッファ増幅器1137を提供することができる。
幾つかの実装形態では、制御信号及び/又は該制御信号端子に向かって伝播するRF信号からのノイズ結合を軽減するために、制御信号端子1135と制御巻線1164との間にローパスフィルタ1138を設けることができる。
一般に、第1の端子1131と第2の端子1132との間に提示されるスイッチのインピーダンスは、制御巻線1164に電流の範囲を提供するために制御信号を調整することによって「オン」状態と「オフ」状態との間で制御することができる。
幾つかの実装形態では、第1の端子1131はバス(例えば、バス820)に接続され、第2の端子1132はRF接地に接続される。幾つかの実装形態では、第1の端子は第1のバス(例えば、バス820)に接続され、第2の端子1132は第2のバス(例えば、バス824)に接続される。
前述のスイッチ1100及び1102によって提示されるインピーダンス、したがって切替状態は、制御信号の印加によって制御される。しかしながら、幾つかの実装形態では、スイッチの特性は静的なままであってよく、代わりにRF信号の周波数を変調して、異なる周波数のRF信号に対してスイッチが「開」又は「閉」状態を示すことができる。例えば、回路の周波数依存インピーダンスを使用して、このような周波数ベースのスイッチを提供することができる。
図12Aを参照すると、周波数ベースのスイッチ1200は、キャパシタンスC1を有する第1のコンデンサ1220、キャパシタンスC2を有する第2のコンデンサ1222、インダクタンスL1を有する第1のインダクタ1240、及びインダクタンスL2を有する第2のインダクタ1242を含む。スイッチ1200は、第1の端子1231と第2の端子1232とを有する。
第1のコンデンサ1220と第1のインダクタ1240とを直列に接続することができ、また、第2のコンデンサ1222と第2のインダクタ1242とを直列に接続することができる。この一対の回路は、第1の端子1231と第2の端子1232との間に並列に接続することができる。
L1、C1、L2、及びC2の組合せは、第1の周波数、例えば58MHzにおいて、第1の端子1231と第2の端子1232との間に低インピーダンス(例えば、<0.1オーム)が現れ、かつ、第2の周波数、例えば62MHzにおいて、高インピーダンス(例えば、>100オーム)が現れるように設定できる。例えば、次のL1=L2=0.1μH、C1=75.3pF、C2 =58.6pFの値は、58MHzで低インピーダンス共振、62MHzで高インピーダンス共振を提供することができる。
理論に拘束されることを望まないが、低インピーダンス共振は直列LC共振によって提供することができ、高インピーダンス共振は並列LC共振によって提供することができる。
キャパシタンス及びインダクタンスを設定して、上記の例にほぼ相補的な応答をする周波数ベースのスイッチを形成することができる。例えば、次のL1=L2=0.1μH、C1=65.9pF、C2=87.8pFの値は、62MHzで低インピーダンス共振、及び58MHzで高インピーダンス共振を提供することができ、これは最初の例に対してほぼ相補的であるか、又は反対の応答を示す。このような相補的な挙動を使用して、さまざまな周波数切替電極システムを形成することができる。
幾つかの実装形態では、ディスクリートコンデンサ及びインダクタには、例えば伝送線セグメント、スタブなどの分散回路要素が実装されうる。
図12Bを参照すると、周波数切替電極システム1202は、電極アセンブリ800、第1の周波数ベースのスイッチ1200a、第2の周波数ベースのスイッチ1200b、及びタップ1260を含む。例えば、整合ネットワークと直列のアイソレータ又はサーキュレータとを備えた可変周波数RF発生器を使用して、タップ1260に異なる周波数のRF信号を提供することができる。
この構成では、タップ1260を介して供給されるRF信号の周波数は、第1の周波数から第2の周波数へと交互に変化して、より多くのRF信号を、スイッチ1200aを介して電極アセンブリ800の左側に、又はスイッチ1200bを介して電極アセンブリ800の右側に結合させることができる。あるいは、タップ1260を介して供給されるRF信号の周波数は、例えばランプ機能によって駆動されて、第1の周波数と第2の周波数との間で変化することができる。
例えば、構成要素の値をL1a=L2a=0.1μH、C1a=75.3pF、C2a=58.6pFに設定することにより、第1のスイッチ1200は58MHzで低インピーダンス共振、62MHzで高インピーダンス共振を提供することができる。第2のスイッチ1200bの構成要素の値をL1=L2=0.1μH、C1=65.9pF、C2=87.8pFに設定して、62MHzで低インピーダンス共振、58MHzで高インピーダンス共振を提供することができる。このような構成では、RF信号の周波数を第1の周波数、例えば58MHzに切り替えることにより、RF信号の大部分は、第1のスイッチ1200aを介して電極アセンブリ800の左側に結合され、RF信号の周波数を第2の周波数、例えば62MHzに切り替えることにより、RF信号の大部分は、第2のスイッチ1200bを介してアセンブリ800の右側に結合することができる。周波数が2つの周波数の中間、おおよそ60MHz付近である場合、電力は両端とほぼ同様に結合され、高い中心の不均一性が生じる可能性がある。
幾つかの実装形態では、スイッチ1200の周波数依存インピーダンスは、伝送線セグメントを使用して修正することができる。例えば、伝送線の速度係数を考慮して長さが4分の1波長である伝送線セグメントを使用して、電極アセンブリ800の隅部をスイッチ1200a及び1200bの端子に接続することができる。4分の1波長の伝送線を使用することにより、第1の周波数及び第2の周波数で提示されるインピーダンスを交換することができる。例えば、直列共振での低インピーダンスは約1000オームの高インピーダンスに変換され、並列共振での高インピーダンスは約1オームの低インピーダンスに変換されうる。
幾つかの実装形態では、周波数ベースのスイッチ1200は、電極アセンブリへのRF信号の結合を制御するために、異なる周波数でインピーダンス整合終端を提供する周波数選択終端として使用することができる。図12Cを参照すると、周波数切替電極システム1204は、電極アセンブリ800、第1の周波数選択終端1250a、第2の周波数選択終端1250b、及びタップ1260を含む。周波数選択終端1250a及び1250bは、周波数ベースのスイッチ1200によって提供され、記載されていることを除き、同様の方法で動作させることができる。
幾つかの実装形態では、周波数選択終端1250a及び1250bの構成要素の値は、第1の周波数で、終端1250aがRF発生器及び伝送線の特性インピーダンスを示し、終端1250bが高インピーダンスを示すように設定することができる。このような構成では、終端1250aは、インピーダンス整合された終端をRF接地に提供し、電極アセンブリ800の左側へのRF信号反射及びRF信号結合を最小限に抑える。同時に、終端1200bによって提示される高インピーダンスにより、RF信号を電極アセンブリ800の右側に結合することが可能になる。
幾つかの実装形態では、周波数選択終端1250a及び1250bの構成要素の値は、第1の周波数で、終端1250aがRF接地への低インピーダンス経路を示し、終端1250bが高インピーダンスを示すように設定することができる。このような構成では、終端1250aによってもたらされるRF接地への低インピーダンス経路は、電極アセンブリ800の左側へのRF信号結合を最小限に抑える。同時に、終端1200bによって提示される高インピーダンスにより、RF信号を電極アセンブリ800の右側に結合することが可能になる。
一般に、周波数ベースのスイッチ及び周波数選択終端は、バスに沿ってさまざまな位置に結合されうる。例えば、タップへの結合点の追加の対をバスのほぼ中心に提供することができ、追加のスイッチ又は終端をそれらの結合点に提供することができる。
一般に、周波数の切替は、高インピーダンス状態と低インピーダンス状態に対応する2つの状態に限定されず、有利には、第1及び第2の切替周波数の間、又はそれを超えて連続的に動作させることができる。
一般に、さまざまな共振周波数を有する周波数ベースのスイッチのさまざまな組合せを使用して、周波数ベースの切替を3つ、4つ、又はそれ以上の周波数に拡張することができる。
幾つかのプラズマチャンバでは、ワークピースは、例えば、直線状又は回転するワークピース支持体上のプラズマ処理領域を通じて移動させる。このようなチャンバでは、可動ワークピース支持体は、例えば、回転水銀カプラー、ブラシ、又はスリップリングを介してDC接地することができる。しかしながら、可動ワークピース支持体は、無線周波数で適切に接地されていない可能性がある。RF接地パスは、適切なRF接地とするために、プラズマよりも大幅に低いインピーダンスを有している必要がある。適切なRF接地パスの欠如は、ワークピースでのイオンエネルギーの制御を困難にし、プロセスの再現性を低下させる可能性がある。
したがって、以下の特性を備えたプラズマ源が所望される:ワークピースのサイズ全体にわたって、所望の特性(プラズマ密度、電子温度、イオンエネルギー、解離など)を有する均一なプラズマを効率的に生成できる;操作ウィンドウ全体の均一性(例えば、圧力、電力、ガス組成)を調整できる;可動ワークピースでも安定した再現性のある電気性能を備えている;及び、過剰な金属汚染物質又は粒子を生成しない。
図13は、プラズマリアクタの別の例の概略的な側面図である。プラズマリアクタ2100は、プラズマチャンバとして使用するための内部空間を囲むチャンバ本体2102を有する。チャンバ本体2102は、1つ以上の側壁2102a、天井2102b、及び床2102cを有しうる。内部空間2104は、例えば、円形の半導体ウエハの処理のために、円筒形でありうる。プラズマリアクタは、プラズマリアクタ2100の天井に位置する上部電極アレイアセンブリ2106を含む。上部電極アレイアセンブリ2106は、(図13に示されるように)天井に接するか、又は内部空間2104内に懸架されて天井から離間されるか、又は天井の一部を形成することができる。チャンバ本体2102の側壁及び床の幾つかの部分は、別個に接地させてもよい。
ガス分配器は、プラズマリアクタ2100の天井近くに位置する。ガス分配器は、プロセスガス供給部2112に接続された側壁2102に1つ以上のポート2110を含みうる。代替的又は追加的に、ガス分配器は、単一の構成要素として上部電極アセンブリ2106と一体化していてもよい。例えば、プロセスガス供給部2112に接続された通路は、プラズマチャンバの天井に開口部を設けるために、アセンブリ2112内の誘電体板を通して形成することができる。ガス供給部2112は、1つ以上のプロセスガスをガス分配器2110に送給し、その組成は、実行されるプロセス、例えば堆積又はエッチングに依存しうる。
プラズマリアクタを排気するために、減圧ポンプ2113が内部空間2104に結合されている。幾つかのプロセスでは、チャンバはTorr範囲で動作し、ガス分配器はアルゴン、窒素、酸素、及び/又は他のガスを供給する。
チャンバの構成と供給される処理ガスに応じて、プラズマリアクタ100は、ALD装置、エッチング装置、プラズマ処理装置、プラズマ強化化学蒸着装置、プラズマドーピング装置、又はプラズマ表面洗浄装置を提供することができる。
プラズマリアクタ2100は、チャンバ2104内に形成されたプラズマに曝露される上面を有するワークピースを支持するための、台座などのワークピース支持体2114を含む。ワークピース支持体2114は、上部電極2108に面するワークピース支持表面2114aを有する。幾つかの実装形態では、ワークピース支持体2114は、支持体2114の内側にワークピース支持電極2116を含み、ワークピースバイアス電圧供給源2118がワークピース支持電極2116に接続される。電圧供給源2118は、ワークピース2115を支持体2114にチャックするための電圧を印加し、及び/又はイオンエネルギーを含む生成されたプラズマの特性を制御するためのバイアス電圧を供給することができる。幾つかの実装形態では、RFバイアス電力発生器2142は、インピーダンス整合2144を介してワークピース支持体2114のワークピース支持電極2116にAC結合される。
さらに、支持体2114は、ワークピース2115を加熱又は冷却するための内部通路2119及び/又は内蔵抵抗加熱器(2119)を有することができる。
電極アセンブリ2106はチャンバ2104の天井に位置付けられる。この電極アセンブリ2106は、ワークピース支持体2114上に横方向に延びる複数の導体2120を含む。少なくとも、支持体2114上のワークピースの予想位置上の領域では、導体2120は同一平面上にある。例えば、この領域では、導体は支持面2114aに平行に延びうる。複数の導体2120は、平行線のアレイとして配置されてもよい。幾つかの実装形態では、導体は、チャンバ2104の同じ側のそれぞれのバスに両端が接続された「U字型」を有しうる。あるいは、導体は、交互配置されたスパイラル型(交互配置された円形のスパイラル型又は交互配置された長方形のスパイラル型のいずれか)として配置されてもよい。導体2120の縦軸は、電極アセンブリ2106の下のワークピース10の運動方向に対して0以外の角度、例えば、20度より大きい角度で配置することができる。例えば、導体2120の縦軸は、ワークピース10の運動方向に対して実質的に垂直であってもよい。
ワークピース支持体2114と電極アセンブリ2106との間に間隙2132が形成される。高圧、例えば1~10torrでは、間隙2132は2~25mmであってもよい。静止ワークピースは、ソース上の電極間の間隔、及び誘電体カバーの厚さに応じて、例えば約5mmなど、より大きい最小間隙を必要とする場合がある。例えば100mTorr未満などのより低い圧力では、間隙2132は1cmから50cmでありうる。
幾つかの実装形態では、流体供給部2146は、電極アセンブリ2106を通して流体を循環させる。幾つかの実装形態では、熱交換器2148が流体供給部2146に結合されて、流体に対し熱を除去又は供給する。
電極アセンブリ2106は、RF電源2122によって駆動される。RF電源2122は、例えば1から300MHzの周波数で電極アセンブリ2106の導体2120に電力を印加することができる。幾つかのプロセスでは、RF電源2122は、60MHzの周波数で2kWを超える総RF電力を供給する。
幾つかの実装形態では、ヒートシンク2150、例えばアルミニウム板が、チャンバ本体2102の天井2102bに取り付けられる。通路2152は、ヒートシンク2150を貫通して形成することができ、冷却剤は通路2152を循環することができる。熱交換器2154を通路152に結合して、冷却剤から熱を除去又はそれに熱を供給することができる。
図14A~14Cは、プラズマリアクタの別の例の概略図である。記載されていることを除き、図13と同じように動作するこの例では、マルチチャンバ処理ツール200はプラズマリアクタ100を含む。
処理ツール2200は、内部空間2204を囲む本体2202を有する。本体2102は、1つ以上の側壁2202a、天井2202b、及び床2202cを有しうる。内部空間2204は円筒形でありうる。
処理ツール2200は、1つ以上のワークピース10、例えば、複数のワークピースを支持するために、例えば台座などのワークピース支持体2214を含む。ワークピース支持体2214は、ワークピース支持表面2214aを有する。ワークピース支持体2214はワークピース支持電極2116を含むことができ、ワークピースバイアス電圧供給源2118がワークピース支持電極2116に接続されうる。
ワークピース支持体2214の上部と天井2202bとの間の空間は、バリア2270によって数のチャンバ2204a~2204dに分割することができる。バリア2270は、ワークピース支持体2214の中心から半径方向に延びうる。4つのチャンバが示されているが、2つ、3つ、又は4つより多くのチャンバが存在していてもよい。
ワークピースは、モータ2262によって軸2260の周りを回転可能であってもよい。結果として、ワークピース支持体2214上の任意のワークピース10は、チャンバ2204a~2204dを通して連続的に運ばれる。
チャンバ2204a~2204dは、ポンプパージシステム2280によって互いに少なくとも部分的に隔離することができる。ポンプパージシステム2280は、バリア2210を通して形成された複数の通路を含むことができ、これらの通路は、パージガス、例えばアルゴンなどの不活性ガスを隣接するチャンバ間の空間に流し、及び/又はポンプガスを隣接するチャンバ間の空間から出す。例えば、ポンプパージシステム2280は、バリア2272とワークピース支持体2214との間の空間2202に、例えばポンプによってパージガスが押し込まれる第1の通路2282を含むことができる。第1の通路2282は、例えばチャンバ2204aなどの隣接するチャンバから、パージガスと任意のガスの両方を含むガスを引き込むポンプに接続された第2の通路2284及び第3の通路2286によって、(ワークピース支持体2214の運動方向に対して)両側を挟まれうる。各通路は、ほぼ半径方向に沿って延びる細長いスロットでありうる。
チャンバ2204a~2204の少なくとも1つは、プラズマリアクタ2100のプラズマチャンバを提供する。プラズマリアクタは、上部電極アレイアセンブリ2106及びRF電源2122を含み、また、流体供給部2146及び/又は熱交換器も含みうる。プロセスガスは、バリア2270の一方又は両方に沿って位置したポート2210を介してチャンバ2104に供給されうる。幾つかの実装形態では、ポート2210は、(ワークピース支持体2214の運動方向に対して)チャンバ2104のリーディング側にのみ位置付けられる。代替的に又は追加的に、ツール本体2202の側壁2202aのポートを介して、プロセスガスを供給することができる。
図15Aは、電極アセンブリ2106の一例を示している。電極アセンブリ2106は、誘電体天板2130、複数の導体2120、及び誘電体底板2132を含む。上述のように、導体2120は、ワークピース支持体2114上で横方向に延びる平行な直線ストライプとして配置することができる。誘電体天板2130はセラミック材料でありうる。
誘電体底板2132は、RF電力用のウィンドウを提供する、すなわち、プラズマを生成するために用いられる周波数のRF放射に対して実質的に透明である。例えば、底板2132は石英又は窒化ケイ素でありうる。底板は、導体又はセラミックがプラズマに曝露された場合にそうでなければ発生する可能性のある金属汚染又は粒子形成からプラズマプロセス及びワークピースの環境を保護することができる。底板2132は、定期的に交換される消耗部品でありうる。底板は比較的薄く、例えば0.25mm~2mm、例えば0.5mmでありうる。
導体は1~5mmの幅を有することができ、導体120間の間隔Wは0.5から3mmとすることができる。導体は、間隔よりも広く、例えば約2倍の幅にすることができる。
下部誘電体板2132の厚さTは、導体2120間の間隔Wの2倍未満、例えば、導体間の間隔W未満とすべきである。下部誘電体板2132と上部誘電体板2130との間の間隙は、プレートの背後でプラズマが発生するのを避けるために、高圧において、例えば0.5mm未満、例えば0.25mm未満など、「小さく」すべきである。
導体2120は、誘電体天板表面2130の下面に直接形成することができる。例えば、導体2120は、底表面全体にわたる薄い層の堆積(例えば、めっき、スパッタリング、又はCV)と、それに続くエッチングによるパターニングによって形成され、ストリップライン構造を形成することができる。導体は、誘電体底部誘電体板2132によって覆われうる。
導体2120は、誘電体天板に埋設される、すなわち、誘電体天板の表面下に埋め込むこともできる。例えば、天板2130は、静電ウエハーチャックと構造が類似したセラミック構造体とすることができる。埋設導体の場合、誘電体底板は任意選択的ではあるが、天板の底表面を保護するために、例えば石英などの誘電体カバーとして使用することができる。
例示的な実装形態では、45対(合計90)の平行な導体2120が、正方形の構造セラミック天板2130上に堆積される。導体2120の線幅はそれぞれ3mmであり、間隔は1.5mmである(したがって、導体は4.5mmのピッチで配置される)。導体は400mmの長さであってよく、セラミック天板2130を通る垂直フィードスルーを有し、大気圧において裏面に電気接続を行うことができる。電極は1つおきに片側のバスに接続され、残りの(交互の)電極はそれぞれ他方の側のバスに接続されて、2つのアレイを形成する。60MHzと180度の位相差のRF電力が2つのアレイに接続される。
図15Bを参照すると、複数の溝2136を誘電体天板2130の底表面2130aに形成することができ、導体2120を溝に収めることができる。溝2136、平行な直線ストライプとして配置することができる。
幾つかの実装形態では、各導体2120はフィラメント2150の一部である。フィラメント2150は、そのそれぞれの溝2136内に収まりうる。フィラメント2150は、導体2120を取り囲んで保護するシェルを含みうる。フィラメント2150は、図3A~Cを参照して説明されたさまざまなフィラメント300によって提供されうる。
図15Cを参照すると、幾つかの実装形態では、導体2120は、天板2130上の導電性コーティングによって提供されうる。例えば、導体2120は、セラミック天板2130にめっきされたストリップライン電極とすることができる。各導体2120は、それぞれの溝2136の1つ以上の内面上のコーティングでありうる。導体2120と底板2132との間の空間は、導管2450を提供することができる。導管2450は、図3Aについて説明したように流体を運ぶことができる。
2次元モデルを使用したプラズマシミュレーションを行い、ガス圧に対するプラズマパラメータの依存性を調査した。計算領域は電極の2つの半対を超えていた。プロセス条件は、ソースあたり1450sccmのアルゴン+50sccmのN2、6torr、半電極対あたり200Wと想定された。シミュレーションでは、概して、電極の下の領域でプラズマ密度が高くなるであろうことが示唆された。Ar+密度及び電子密度は類似していた(主にアルゴンとN2ガスの供給比率が高いことから、N2+密度がはるかに低くなった)。
本発明の特定の実施形態について説明してきた。本明細書には多くの特定の実装形態の詳細が含まれているが、他の多くの変形が可能である。例えば:
・回転するプラットフォームではなく、ワークピースを一連のチャンバを通して、例えばベルト又は直線作動プラットフォーム上で直線的に移動させることができる。加えて、ワークピースは静止していてもよく、例えば、ワークピース支持体はフィラメントに対して相対的に移動しない。
・バスの中心、端部、又は他の位置若しくは位置の組合せでの導体バスへのRF電力の接続。
・電極バスの接地は、バスの中心、端部、又は他の位置若しくは位置の組合せで実行できる。
・RF電源は、RF、VHF、UHF、又はマイクロ波範囲の信号を印加できる。
他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。