本発明の実施形態は、トランザクションを実行するシステム、方法、処理、コンピュータプログラムコード及び手段に関する。より詳しくは、いくつかの実施形態は、携帯装置を、業者、サービスプロバイダ、及び他の装置(自動預金支払機あるいは、「ATM」など)とトランザクションを実行するために操作するシステム、方法、処理、コンピュータプログラムコード及び手段に関する。いくつかの実施形態に関して、携帯装置をトランザクションを実行するために操作するシステム、方法、処理、コンピュータプログラムコード及び手段は、携帯装置が、トランザクションを実行するために、適切な主体と通信することが出来るように、業者あるいはトランザクションの場所(point of transaction)に関連したトランザクショントークン発行権限者を決定することを含む。一般に、実施形態は、携帯装置を、トランザクションに関連したコードをスキャンし、捕捉し、あるいは、入力することによってトランザクションを実行するために用いることができる、上記に参照した、共に審査中及び、共通な出願人を有する出願において、本発明者によって説明されるような、システムと共に展開されることが出来る。いくつかの実施形態の特徴は、携帯装置が、業者の場所あるいは、相互作用する場所(あるいは、いくつかの実施形態では、ATM、キオスクなど)においてトランザクションを実行するために用いられる、支払いシステムと共に説明されるだろう。
いくつかの実施形態に関連して、複数のトランザクション管理システム(あるいは、遠隔のトランザクション管理装置)は、本発明の支払いシステムに関連付けられる、あるいは、それにおいて使用されることが出来る。例えば、第1の業者は、トランザクションを処理するために、第1のトランザクション管理システムのサービスを利用し、一方、第2の業者は、トランザクションを処理するために、第2のトランザクション管理システムのサービスを利用することが出来る。本発明による携帯支払いアプリケーションを有する携帯支払い装置を保持する消費者は、各業者がどのトランザクション管理システムを用いるかを必ずしも知る必要はない。しかし、いくつかの実施形態に関連して、携帯装置上の携帯支払いアプリケーションは、本発明に関連したトランザクションの間、どのトランザクション管理システムと通信すべきかを知らなくてはならない。ここに説明する実施形態は、携帯装置上の携帯支払いアプリケーションに、支払いトランザクションを実行するために、どのトランザクション管理システムと通信するか決定させることを可能とする技術を提供する。更に、実施形態は、また、業者システムが、携帯装置から受信した情報に基づいて、通信すべき適切なトランザクション管理システムを決定する必要がある状況においても使用されることが出来る。結果は、複数のトランザクション管理システムが支払いシステムに参加することを可能とするシステムとなる。更に、ここに更に説明するように、それぞれが他のシステムあるいは主体を参照するトランザクション管理システムの側面を実行するシステムあるいは主体の複数の層あるいは集合を設けることが出来る。
いくつかの実施形態に関連して、トランザクション管理システムの機能は、複数の主体あるいはシステムによって実行されることが出来る。例えば、1以上のウォレット発行人(wallet issuers)は、ユーザ認証及び基本トランザクション管理機能などの機能を実行することが出来る。1以上のトークン発行権限者は、業者認証及び基本トランザクション管理機能などの機能を実行することが出来る。そのような実施形態においては、消費者が、業者とのトランザクションを実行するために、携帯装置を操作するとき、携帯装置(及び/あるいは、ウォレット発行人と共に動作する携帯装置)は、(携帯装置を操作する)消費者と業者との間で、トランザクションを実行可能とするように、どのトークン発行権限者が、業者の代わりにトークンを発行したかを決定しなくてはならない。実施形態により、そのようなトランザクションが実行できるようになる。他の特徴及び利点は、トランザクションの最初の説明が(複数のトランザクション管理システムがトランザクションに参加することが出来る)図1を参照して提供される、以下の開示から明らかとなるだろう。更なるトランザクションの詳細は、(複数のトランザクション管理システムが参加する)図2に提供されるだろう。図3において、トランザクション管理システムの機能のいくつかが1以上のトークン発行権限者及び1以上のウォレット発行者によって実行される、トランザクションの詳細が説明される。図4において、(携帯装置上の携帯支払いアプリケーションを構成したいユーザと、トランザクション管理システムあるいはウォレット発行者との間で実行されることができる)ウォレット登録処理が説明される。図5において、トランザクション処理の更なる詳細が、1以上のウォレット発行者及び1以上のトークン発行権限者がトランザクションに参加する状況について説明される。
いくつかの語句が利便性と解説の簡便のために、ここに用いられる。例えば、語句「トランザクションの場所(point of transaction)」は、一般に、携帯装置を操作するユーザがトランザクションを行いたい主体、装置あるいは他の物体を参照するために用いられる。例えば、「トランザクションの場所(point of transaction)」は、業者のPOS端末、業者のウェブサイト、ATM、キオスク、他の個人、印刷されたQRコードなどの識別子を有するアイテム、ブルートゥース(登録商標)などの無線装置あるいはビーコン、NFCチップ、オーディオ装置あるいは、他の装置などと共に動作するとき、トランザクションを開始するために用いられることが出来る他の装置を含む、アイテムあるいはオブジェクトなどとすることが出来る。前述の限定なしに、ここに用いられるように、利便のため、「トランザクションの場所(point of transaction)」はまた、単に、「業者」として参照されることが出来る。
語句「トークン」は、トランザクションに参加する装置間で交換される識別子あるいは情報を参照するために用いられるだろう。例えば、トークンは、業者と携帯装置を含むトランザクションの間に、あるいは、これに関連して、業者のトランザクションの場所によって携帯装置に提供されることが出来る。他の例として、トークンは、ATM及び携帯装置を含むトランザクションの間に、あるいは、これに関連して、ATMによって携帯装置に提供されることが出来る。更に他の例として、トークンは、トランザクションを開始するために、顧客によって、相互作用の場所に提供されることが出来る。トークンは、ここに更に説明するように、多くの異なった形態で提供されることが出来る。トークンは、多くの異なる方法で、トランザクションにおいて用いられるように発行されることが出来る。例えば、ここに更に説明するように、トークンは、トランザクション管理システムあるいは「トークン発行権限者」によって発行され、生成され、あるいは、提供されることが出来る。
語句「捕捉する」は、「トークン」(いくつかの実施形態に関してトランザクションを促進するために用いられる識別子)をスキャンし、読み取り、あるいは、その他取得する、という動作を参照するために用いられることが出来るだろう。語句「捕捉する」(あるいは、「捕捉された」)は、限定的な意図はなく、携帯装置が、キー入力によって、画像捕捉によって、RFID、BLE/ブルートゥース、NFC読み取りによって、及び、その他スキャン、読み取り、あるいは、ここに説明される他の有線あるいは無線技術を用いて、トークン(あるいは、トークンに関連したデータ)を受信するために操作される実施形態を含むことを意図している。いくつかの実施形態に関し、語句「捕捉する」は、更に、トークンから、情報を検索し、あるいは、取得するために要求されるトークンの任意の復号あるいは画像処理を含む。
他の例として、語句「無線」は、例えば、無線周波数あるいは、他の電磁放射に基づいた通信技術(RFID、wifi、ブルートゥース/BLE、ジグビーあるいは他の技術を含む)を用いるなど、結線されていない遠隔通信技術を参照するために用いられる。この開示を読むことにより、当業者は、これらの語句の使用が限定することを意図せず、解説の目的のため、であることが理解されるだろう。
他の例として、語句「トランザクション管理システム」は、携帯装置及び業者、ATMあるいは他の装置を含む、トランザクションを促進するために、主体によって操作されるシステムを参照する。一般に、トランザクション管理システムは、米国特許8,632,000号及び8,380,177号に説明されるようなトランザクション管理システムとすることが出来る。一般に、トランザクション管理システムは、第1の者に関連したある装置(トランザクションの場所、携帯装置あるいはアイテムなど)から受信された処理中のトランザクション情報を、第2の者に関連した他の装置(携帯装置、トランザクションの場所、など)から受信した情報と一致させるシステムとすることが出来る。いくつかの実施形態に関連して、トランザクション管理システムは、トークン(チェックアウトトークンあるいはATMトークンなど)を少なくとも部分的に用いて一致処理を実行する。処理中のトランザクション情報がユーザ情報と一致されると、更なる処理が、トランザクションを完了するために用いられるべき、適切な、あるいは、望ましい支払い口座の選択あるいは特定を可能とするために実行されることが出来る。いくつかの実施形態では、トランザクション管理システムは、他の機能を実行することが出来る。例えば、トランザクション管理システムは、ユーザ及び携帯装置認証処理を実行することが出来る。トランザクション管理システムは、また、トランザクションを実行する際に使用されるトークンを発行するために用いられることが出来る。
ここに用いられるように、「トランザクション管理システム」は、また、特定の場所におけるユーザあるいは装置の存在を検出し、これに代わって動作を行うために用いられることが出来る。例えば、ユーザの装置が、ブルートゥースビーコン機能を使ってトークンを広報することを決定し、特定の小売業者(トークンは、それ自身で、あるいは、ユーザの装置の測位機能と共に、ユーザの位置を決定するために用いられることができる)、ATMあるいは他の相互作用の場所の近くに配置している場合、トランザクション管理システムは、その場所の1以上の相互作用の場所で、特定の装置に関連したユーザをチェックインすることが出来る。チェックインすることは、相互作用の場所システムが、名前、ニックネーム、写真、ロイヤルティプログラム番号、良く購入する商品とサービスの嗜好などのユーザについての、あるプロファイル情報を受信したことを意味する。更に、チェックイン処理は、ガソリンスタンドのポンプ(相互作用の場所)が、ガソリンの注入を開始する準備ができている、あるいは、バーテンダーに、特定の飲み物を自動的に準備させることを促進し、あるいは、調理場のスタッフに、ユーザの好みの食事を用意させるために、支払い装置に、所定金額の支払いの権限を予め与えておくことを自動的に実行するなど、相互作用の場所、あるいは、相互作用の場所の店員がユーザに代わってトランザクションを実行することとなる。
いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システムによって実行される機能は、異なる主体によって実行されることが出来る。例えば、ここに用いられるように、「ウォレット発行者」は、あるトランザクション処理機能と共に、ユーザ及び携帯装置の認証などの機能を実行することが出来る。ここに用いられるように、「トークン発行権限者」あるいは「トークン発行者」は、あるトランザクション処理機能と共に、業者、ATMあるいは他の相互作用の場所との通信や認証などの機能を実行することが出来る。ここに用いられるように、語句「ディレクトリサービス」は、任意の、トランザクション管理システム、トークン発行権限者、及びウォレット発行者(あるいは、他の主体)によって、あるいは、これらの代わりに実行されるサービスを参照するために用いられることが出来る。「ディレクトリサービス」は、ここに説明するトランザクション処理を実行するために、どの主体と装置(携帯装置あるいは業者など)が通信すべきかを決定するために、(例えば、トークンに基づいて)実行されるべき機能の調査あるいはマッピングを可能とするサービスを提供することが出来る。そのような機能の詳細は、以下で更に提供されるだろう。
本発明の特徴は、上記で参照した、われわれの共に継続中の出願に説明された支払いシステムの使用を仮定して説明され、それらのシステムの詳細は、ここでは、完全には繰り返さない。しかし、本発明の実施形態は、われわれの共に継続中の出願に説明される支払いシステムに関連して使用されることに限定されない。
本発明のいくつかの実施形態の特徴が、いくつかの実施形態に関するシステム100のブロック図である図1を参照して説明されるだろう。より詳細には、図1は、複数のトランザクション管理システム130a-nが用いられるシステムのブロック図である。各トランザクション管理システム130は、ここに説明された機能、あるいは、携帯支払いアプリケーショントランザクションが、異なるトランザクションシステムが参加する状況において処理されることが出来る他の機能を実行することが出来る。そのようなシステムにおいては、第1の業者におけるトランザクションは、第1のトランザクション管理システムとの相互作用を要求することができ、第2の業者におけるトランザクションが、第2のトランザクション管理システムとの相互作用を要求することが出来る環境が存在することが出来る。図1に図示される実施形態により、そのような複数のトランザクション管理システムの使用を可能とすることが出来る。どのように複数のトランザクション管理システム、ウォレット発行者及び/あるいは、トークン発行権限者が用いられるかの説明の前に、どのようにトランザクションが処理されることが出来るかの概観が提供されるだろう。トランザクションとトランザクション処理の異なる種類の更なる詳細は、参照文献としてここに組み込まれる、同じ出願人に付与された特許及び出願を参照して取得されることが出来る。
利便のため、様々なトランザクションが、図1の支払いシステム100を参照して説明され、簡便のため、最初に、単一のトランザクション管理システム130が用いられる状況が説明されるだろう。示されるように、支払い口座保持者、購買人、あるいは、他のユーザあるいはオペレータ(ここでは、「顧客」)は、携帯装置102(携帯電話など)を保持し、あるいは、使用することが出来る。携帯装置102は、ディスプレイスクリーン136とデータ入力装置138(キーパッドあるいはタッチスクリーンなど)を有している。本発明の実施形態に関して、顧客は、業者108とのトランザクション(支払い、ロイヤルティ、返品あるいは他のトランザクション)を実行するために、携帯装置102を使用することが出来る。業者108は、物理的店頭、電子取引業者、あるいは、メールオーダ及び電話(「MOTO」)業者(あるいは、他の人、あるいは主体、あるいは、トランザクションを開始することができる、顧客及び/あるいは、顧客の装置と共に動作することが出来る任意の他のオブジェクト)とすることが出来る。更に、業者108は、「商人」である必要はなく、他の個人(個人対個人トランザクションの場合)あるいは、キオスク、あるいは、他の無人の装置(自動預金支払機「ATM」など)などとすることも出来る。
典型的な例示的トランザクションにおいては、顧客は、最初に、商品あるいはサービスを販売場所(point of sale)(例えば、物理的チェックアウトカウンタ、電子ショッピングカートなど、一般に、ここでは、「販売場所」あるいは、「POS」と呼ぶ)へ持っていくことによって、業者108から商品あるいはサービスを購入することが出来る。業者108は、購入するアイテムの合計を出す(例えば、バーコードスキャナ、商品コードのキー入力などによって)ことによって、通常のように、チェックアウトトランザクションを開始する。業者(店員、ディスプレイスクリーン、顧客に面しているPOS端末などを介して動作する)は、顧客に支払いオプションを選択するように促す。以前のシステムでは、業者は、顧客に、「クレジット」、「デビット」あるいは他の支払いオプションを選択するように促したかもしれない。本発明に関連して、業者(店員、ディスプレイスクリーン、顧客に面しているPOS端末などを介して動作する)は、顧客に、携帯支払いオプションと共に、それらのオプションを促すことが出来る。顧客が、携帯支払いオプションを選択した場合、本発明の特徴は、トランザクションを処理するために利用される。
いくつかの実施形態においては、動作によって(POS端末のボタンを押す、あるいは、店員に選択を教えることによるなど)、顧客が携帯支払いオプションを選択することを要求するのではなくて、選択は、チェックアウト識別子あるいは「トークン」(以下に説明するように)をスキャンする、捕捉する、あるいは、入力する顧客の動作によってなされることが出来る。例えば、そのような実施形態においては、本発明で用いられるトークンを捕捉する動作は、本発明に関連して、トランザクションが進むようにするだろう。
携帯支払いオプションが選択され、購入合計が生成されると、業者108は、(経路116を介して)トランザクション管理システム130に、業者支払い認可リクエストメッセージを送信する。業者支払い認可リクエストメッセージは、トランザクションに関する1以上のデータあるいは情報を含むことが出来る。例えば、このメッセージは、業者識別子、支払い金額、ここに更に説明されるように、更なる処理のために、業者とトランザクションを特定するために用いられるトークンの1以上を含むことが出来る。
トークンを生成し、あるいは、提示するために、いくつかの技術が使用できる。例えば、いくつかの実施形態では、1以上のトークンが、所定の業者108と共に用いられるために、予め定義され、あるいは、確立されることが出来る(例えば、業者108は、販売場所に表示する、あるいは、提示するために使用できる、いくつかのチェックアウトトークンを有することが出来る)。そのような実施形態においては、業者108は、所定のトランザクションで使用するトークンを選択するだろう。いくつかの実施形態においては、そのようなトークンは、標準のフォーマットを用いて、生成され、あるいは、提示されることが出来る。図示的な例においては、業者108は、トークン、あるいは、予め定義された数列、あるいは、番号列の範囲で、発行され、あるいは、提供されることが出来る。特定の例としては、業者は、数列あるいは使用パターンと共に、番号の範囲(例えば、「00000」から「99999」)を使用するよう指示されることが出来る(例えば、特定のチェックアウトトークンは、単一の有効なトランザクションについてのみ用いられることが出来るのみである)。そのような実施形態においては、POSシステムは、選択されたトークンをトランザクション管理システム130に与えるだろう。他の実施形態においては、しかし、トークンは、(以下に更に説明するように、)トランザクション管理システム130によって発行され、あるいは、選択され、業者認可リクエストメッセージに応答して、業者108に提供される。当業者は、トークンを発行し、使用し、及び、選択する他の技術を使えることを理解するだろう。いくつかの実施形態においては、以下に更に説明されるように、トークンは、「トークン発行権限者」によって発行される。
いくつかの実施形態に関連して、トークンは、各トランザクションについて、動的に生成される。いくつかの実施形態においては、トークンは、個々のチェックアウト場所(例えば、特定のPOS端末、あるいは、場所、特定のATMマシンあるいは他の装置、あるいは、特定のチェックアウト場所を有しない配管工あるいは電気技師などの小ビジネスパーソン、あるいは、個人)と関連した静的な識別子である。業者108は、トークンを、顧客に表示し、あるいは、提示するようにする。例えば、トークンは、業者に関連したディスプレイ装置上に表示され、あるいは、プラカードあるいは、販売場所の近くの他の表示に予め印刷されることが出来る。
顧客の観点からは、本発明の支払い処理は、本発明を使ってトランザクションを実行するために、顧客が、その身元と権限を確認するための認証処理を実行することから始めることが出来る。認証処理は、顧客が、販売場所において、携帯支払いオプションを選択した後、あるいは、ある状況においては、その前に実行されることが出来る。いくつかの実施形態に関連して、認証処理は、顧客をトランザクション管理システム130に認証するために寄与する。認証処理は、顧客が、携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションあるいはウェブブラウザを起動し、通信経路114を介して、トランザクション管理システム130に、1以上の証明あるいは情報の項目を提供することを含むことが出来る。例えば、認証処理は、ユーザ識別子、パスワードあるいは他の証明をログインスクリーン、あるいは、携帯装置102のディスプレイ装置136上に表示される他のユーザインタフェースに入力することを含むことが出来る。トランザクション管理システム130は、顧客を認証するために、受信した情報と、格納された情報とを比較する。更にここに説明するように、異なるトランザクション管理システム130a-nが含まれることができ、異なる携帯装置は、この認証処理を実行するために、異なるトランザクション管理システム130a-nと相互作用することが出来る。更に、いくつかの実施形態においては、認証を実行する機能は、消費者によって使用される携帯支払いアプリケーションを発行した主体によって実行されることが出来る。そのような主体は、ここに「ウォレット発行者」として参照されることが出来る。
認証処理は、いくつかの実施形態においては、また、携帯装置102の1以上の属性と、(図3の処理のような)登録処理の間に携帯装置102から収集された属性の格納された集合との比較を含む。例えば、属性は、装置を一意に特定する、携帯装置102に関連する識別子を含むことが出来る。このように、顧客は、知っている何か(ログイン証明)と、有している何か(携帯装置)によって、2方向で認証される。顧客の認証が成功すると、システムは、登録処理の一部として、トランザクション管理システム130に顧客が以前に特定した、支払い口座のリストを含む、顧客に関する様々な属性にアクセスを有する。いくつかの実施形態では、ここに更に説明するように、認証処理は、携帯装置102とウォレット発行者の間で実行される。
認証処理の成功の後、顧客は、業者108に関連した装置からトークンをスキャンし、捕捉する(あるいは、入力する)ことを促される(携帯装置102と業者108との間の相互作用112として示されている)。ここに更に説明するように、トークンは、本発明に関するトランザクションが達成されるように、携帯装置102と業者108及びトランザクション管理システム130からのメッセージを関連付けるために用いられる。トークンの捕捉後、携帯装置102は、トークンを、(通信経路114に渡って)、顧客トランザクション検索リクエストメッセージ内で、トランザクション管理システム130に送信する。顧客トランザクション検索リクエストメッセージは、携帯装置102によって捕捉されたトークンを含む。
いくつかの実施形態に関連して、「静的」トークンあるいは「動的」トークンの何れかが用いられる。「静的」トークンが用いられる実施形態(例えば、特定のトランザクションの場所によって使用するように割り当てられ、各トランザクションに対し、任意の可変な情報を含まないようなもの)においては、トランザクション管理システム130は、(携帯装置102から受信された)顧客トランザクション検索リクエスト内の情報と、(業者108から受信された)業者支払い認可リクエスト内の情報との一致処理を、各メッセージで受信したトークン情報を一致させることで、行う。一致したとき、トランザクション管理システム130は、トランザクション詳細メッセージを(経路114を介して)顧客の携帯装置102に送信する。トランザクション詳細メッセージからの情報は、支払い金額、名前、及び、業者の場所(業者支払い認可リクエストに含まれ、あるいは、これから導出された情報)を含むが、これらには限定されない、トランザクションに関する詳細と、あるいは、1以上のマーケティングメッセージを顧客に提供する。更に、トランザクション管理システム130は、また、クレジット、デビット、小切手、プリペイド及び他の種類の口座を含む、顧客がシステムに登録した支払い口座のリストを、電話に送信する。口座のリストは、顧客がシステムに登録した口座のすべてを含み、あるいは、携帯支払いネットワークオペレータ、業者、各支払い口座の発行者、顧客あるいは他の主体によって確立されたルールに基づいて、口座の部分集合を含むことが出来る(例えば、携帯装置に送信される口座のリストは、現在のトランザクションに用いられることができる口座を含むのみである)。いくつかの実施形態に関連して、口座のリストは、単一の口座のみ、あるいは、複数の口座を含むことが出来る。更に、口座のリストは、実際の支払い証明は含まず、むしろ、実際の支払い証明は、トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態においては、以下に説明するように、ウォレット発行者)に格納(あるいは、にアクセス可能)である。このように、携帯装置102は、重要な支払い口座情報は格納しない。例えば、口座のリストは、単に識別子(プロキシなどの)を含み、トランザクション管理システム130あるいは、ウォレット発行者が、顧客の各口座に関連した実際の支払い証明を特定することが出来るようにすることが出来る。ここで、顧客は、携帯装置102のディスプレイ136上で、支払いしようとする業者の名前、支払い金額、業者108に支払うために使うことが出来る支払い口座のリストを見ることが出来る。
いくつかの実施形態においては、業者のトークンは、業者支払い認可リクエストにおける一意の識別子から導出されることが出来る。例えば、業者が、静的トークンをトランザクション管理システム130に送るためにシステムを容易に変更できないような場合には、そのような導出は、業者が新しい支払い方法を採用することによって要求されるかもしれない、装置のアップグレード及びソフトウェアの変更の必要性を減少し、あるいは、消去しさえする。トークンは、業者の識別子、端末の識別子あるいは他の情報(業者のシステムによってトランザクション管理システム130に送られる)をトークンにマッピングするマッピングテーブルを用いて、導出されることが出来る。受信された識別子に基づいて、マッピング処理は、その支払いトランザクションにおいて使用される適切なトークンを特定するために発生する。選択されたトークンは、トランザクション管理システム130(あるいは、以下に説明するように、ウォレット発行者)における顧客メッセージキューからのトランザクションと一致処理をするために使用可能とされる、トランザクション管理システム130における(あるいは、以下に更に説明するように、トークン発行権限者における)業者トランザクションキュー内のトランザクションに関連付けられる。当業者は、他の一致処理及びマッピング技術も使うことが出来ることを理解するだろう。いずれにしても、トークンは、業者支払い認可リクエストを、本発明に関連した携帯装置を操作する顧客から受信した支払い認可リクエストに関連付けるために用いられる識別子(文字、番号、及び/あるいは記号の組み合わせからなる)である。
(例えば、トークンが、チェックアウトトランザクションの間に、業者に関連したディスプレイ装置上に表示される前に、業者108、トランザクション管理システム130、あるいは、トークン発行権限者のいずれかによって生成され、及び、トークンが、トランザクションに関する追加的な情報を含む)「動的」トークンを用いる実施形態においては、チェックアウト処理は、顧客トランザクション検索リクエストメッセージをトランザクション管理システム130に送信する必要なしに処理を進めることが出来る。例えば、いくつかの実施形態において、トランザクションの詳細のいくらか、あるいは、全ては、携帯装置102によって捕捉され、処理されたとき、トランザクションの詳細を携帯装置102に提供する動的トークン内に符号化されることが出来る。「静的」及び「動的」の両方のトークンの実施形態の更なる詳細は、以下に更に説明され、あるいは、ここに参照により組み込まれる、同じ出願人に譲渡された出願に含まれている。しかし、いずれの場合も、トークンは、携帯装置102からのメッセージと業者108からのメッセージとを、トランザクション管理システム130(あるいは、ここに説明されるように、ウォレット発行者及びトークン発行権限者の組み合わせ)において一致処理するために用いられる。
支払いトランザクションを完了するために、顧客は、現在のトランザクションにおいて使用する、望ましい支払い口座を選択するために、携帯装置102と相互作用し、顧客支払い認可リクエストメッセージが、(経路114を介して)トランザクション管理システム130に提出されるようにする。いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム130は、支払い認可リクエストメッセージを顧客の携帯装置に送信し、顧客が支払いトランザクションを確認あるいはキャンセルする最後の機会を与えられることを可能にするが、このステップは任意である。顧客の確認あるいはキャンセルは、顧客支払い認可メッセージとして、携帯装置102から、経路114を介して、トランザクション管理システム130に送信される。
顧客の携帯装置から支払い認可メッセージが受信されると、トランザクション管理システム130(あるいは、以下に更に説明されるように、いくつかの実施形態では、ウォレット発行者あるいは、他の主体)は、トランザクションの資金の認可、清算、決算を行うために、1以上の支払い処理ネットワーク(図1には不図示)を介して送信するための認可許可リクエストメッセージを生成する。このリクエストメッセージは、トランザクションの金額、あるいは、少なくとも(業者108から受信した)関連する業者支払い認可リクエストへのポインタあるいは参照及び、顧客により選択され、トランザクション管理システム130に予め格納され、(及び、携帯装置から受信されたプロキシあるいは他の識別子によって特定される)支払い口座を特定する支払い口座識別子などの、業者支払い認可リクエストからの情報を含む。認可許可処理は、1以上の認証ネットワーク上の標準的な認証処理(例えば、図2、3、5、及び6において、以下に単に「支払い処理」として参照される、Visa社によって操作されるVISANET(登録商標)ネットワーク、全米自動決済協会(NACHA)などの自動清算ハウスシステムなど)を用いて実行される。利用可能な資金が確認されると、トランザクション管理システムは、業者に、(経路116を介して)業者支払い認可応答メッセージを送信し、トランザクションは、販売場所において完了されることが出来る。顧客支払い認可応答メッセージは、また、販売場所において顧客に表示され、及び/あるいは、顧客の携帯装置に送信されることが出来る。
いくつかの実施形態に関しては、以下に更に説明するように、業者108には、チェックアウト処理の間、顧客の任意の実際の支払い証明は提供されない。更に、携帯装置102は、決して、実際の支払い証明は格納、送信あるいは受信しない。むしろ、携帯装置102は、実際の支払い証明に関連したプロキシを格納、あるいは、プロキシへのアクセスを有し、プロキシは、特定のトランザクションにおける使用のために、望ましい支払い口座を特定するために用いられる。プロキシは、顧客支払い認可リクエストメッセージで、トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態において、ウォレット発行者)へ送信され、トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態では、ウォレット発行者)は、選択された口座に関連した実際の支払い証明を検索し、あるいは、特定するためにプロキシを使用する。実際の支払い証明は、トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者)から、口座発行者あるいは認可エージェントへと送信される。実際の支払い証明が、業者108あるいは携帯装置102に明らかにされ、あるいは、格納されないことを確保することによって、実施形態は、より強い口座のセキュリティと、詐欺あるいは不正使用の可能性を低くすることを提供する。
いくつかの実施形態に関連して、携帯装置102は、例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)電話、あるいは、ウェブコンテンツにアクセスし、表示し、あるいは、インターネットにアクセスすることの出来る任意の電話などのスマートフォンあるいはウェブ閲覧可能な携帯装置とすることが出来る。いくつかの実施形態においては、携帯装置102は、携帯あるいは無線ネットワークを用いて、トランザクション管理システム130と通信する。いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム130は、セキュアサーバ(あるいは、サーバのネットワーク)である。いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者及び/あるいは、トークン発行権限者)は、Visa社によって操作されるVISANET(登録商標)ネットワーク、MasterCard International社によって操作されるBANKNET(登録商標)ネットワークなどの1以上の支払い処理ネットワーク(図1には不図示、しかし、図2、3、5及び6には、「支払い処理」として示されている)と通信をする。トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者及び/あるいは、トークン発行権限者)は、携帯装置102を操作する顧客が、広い範囲の異なる形態の支払い装置及び口座を使ってトランザクションを実行することが出来るように、他の金融トランザクションネットワーク(ACH及びEFTネットワーク、プライベートレーベルネットワーク、PayPal(登録商標)などの別の支払いシステムなど)とも通信を行うことが出来る。トランザクション管理システム130(あるいは、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者及び/あるいは、トークン発行権限者)は、更に、Google(登録商標)、Apple(登録商標)、Yahoo(登録商標)、Microsoft(登録商標)などによって提供されるもののような、1以上の広告あるいは提供管理ネットワークと通信することが出来る。以下に更に説明されるように、広告及び提供を含むデータは、それらのネットワークから受信され、携帯装置102を介して顧客に提供されることが出来る。
いくつかの実施形態においては、他の装置は、トークンを取得し、及び/あるいは、トランザクションを開始することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、携帯装置102を操作する顧客は、トランザクションで使用するために、トークンを取得し、トランザクションの他の参加者(業者、他の携帯装置を操作する他の顧客など)に、そのトークンを提供することが出来る。そのようなトランザクションの流れは、一般に、以下のように進むことが出来る。
いくつかの実施形態に関しては、トランザクション(支払い、ロイヤルティあるいは他のトランザクションなど)は、トランザクション管理システム130からトークンを取得し、相互作用の場所(業者108、他の携帯装置など)にトークンを提示するために、携帯装置102を操作する消費者によって実行されることが出来る。例えば、トークンが携帯装置102によって取得されると、携帯支払いアプリケーションは、トークン(あるいは、QRコードなどのトークンの符号化バージョン)が、相互作用の場所において、読取られ、あるいは、捕捉されるために、携帯装置102のディスプレイスクリーン上に表示され、無線通信リンクなどを介して、相互作用の場所に送信されるようにすることが出来る。例えば、業者108における処理は、以下のとおり進むことが出来る(他の処理の流れも、好ましい結果と共に用いることが出来るが)。
最初、業者108に関連した店員は、POS端末において、アイテムをスキャンし、携帯装置102を操作する顧客によって購入されるアイテムの初期バスケットあるいは集合を生成する(アイテムをスキャンすることは、トークンが生成され、捕捉された後に起こることが出来るが、この図示的実施形態においては、利便のため、アイテムをスキャンすることが、最初に起こるとして説明する)。本発明に関連した支払いアプリケーションを有して構成される携帯装置102を操作する、(例えば、図4を参照して、以下に説明するような処理を介して、トランザクション管理システム130に1以上の支払い口座を登録した)消費者は、業者108と支払いトランザクションを実行するために、携帯装置102を使用することを決定し、トランザクションでの使用のためにトークンをリクエストするために、携帯装置102と相互作用する。このリクエストは、メッセージをトランザクション管理システム130に送信させる。メッセージは、また、消費者の携帯装置と共に、消費者を認証する情報を含み(上記したように)、トランザクション管理システム130は、トランザクションでの使用のために、トークンを生成すると共に、トランザクションキュー内の、処理中のトランザクションレコードを生成するために、メッセージからのデータを使用する。
トランザクション管理システム130は、トランザクションでの使用のためのトークンに関連したデータを含むメッセージを、携帯装置102へ送信させる。(本発明の支払いアプリケーションの制御下の)携帯装置102は、トークンを、携帯装置102のディスプレイスクリーン上に表示させる。トークンは、QRコード、バーコード、ブルートゥースあるいはRFID信号などの形態で表示され、あるいは、提示されることが出来、消費者は、捕捉するために、トークンを業者の店員あるいは業者のPOSシステムに提示することを促される。業者システム108は、携帯装置102からトークンを捕捉するとき、トークンを処理中のトランザクションの詳細(トランザクションの全額と、スキャンされたアイテムの他の詳細とを含むことが出来る)と関連付け、トランザクションに関する情報(他の情報の中でも、トランザクションの金額を含むことが出来る)と共に、トークン情報を含む、処理トランザクションリクエストメッセージをトランザクション管理システム130へ送信する。例えば、メッセージは、(携帯装置102から受信された)トークンを特定する情報、及び、レジ、POS端末、業者108、場所、トランザクションの金額、購入したアイテムの品目の詳細を特定する情報、を含むデータエレメントを含むことが出来る。トランザクション管理システム130は、トランザクションキューにある処理中のトランザクションを特定し、トランザクションキューを更新するために、処理トランザクションリクエストメッセージからの情報を用いる。
トランザクションの金額を含む、業者108から受信したトランザクションに関する情報を含むリクエストメッセージは、トランザクション管理システム130から携帯装置102に送信される。更に、メッセージは、(例えば、1以上の業者固有ルール、1以上のシステム固有ルール及び1以上の顧客口座ルールを適用することによって)特定のトランザクションにおいて、顧客によって使用されることが出来るとして、トランザクション管理システム130によって特定された、1以上の顧客の利用可能な支払い口座を特定する情報を含むことが出来る。携帯装置102と相互作用する顧客は、トランザクション管理システム130から受信した情報から、利用可能な支払い口座を選択し、選択された口座情報とトランザクション確認メッセージを、トランザクション管理システム130に送信させる。
いくつかの実施形態に関して、携帯装置102とトランザクション管理システム130との間のこれらのメッセージのいくつか、あるいは、全部は、1以上のトランザクションセッションにおいて送信されることが出来る。つまり、セッション制御は、同じ携帯装置102が、トークンをリクエストすること、利用できる支払い口座についての情報を受信することの両方を行い、単一のトランザクションセッションで、利用できる支払い口座を選択することを保証するために開始される。このように、実施形態は、異なる顧客あるいはユーザが、異なるユーザの支払い情報を再利用し、あるいは、コピーすることが出来ないことを保証する。更に、この方法は、トークンのリクエストを開始した携帯装置102は、業者108からトランザクション管理システム130に送られたメッセージ内で特定されたトランザクション用の支払いをするために用いることが出来る唯一の装置であることを保証する。
トランザクション管理システム130は、支払い口座の選択とトランザクションの確認を受信すると、支払い認可リクエストメッセージを支払い処理システム(図1には不図示だが、図2、3、5及び6には示されている)へ送信させる。支払い認可リクエストメッセージは、(携帯装置102から受信された情報に基づいて特定される)実際の支払い証明、トランザクションの金額、及び、業者情報を含む。トランザクション管理システム130は、支払い処理システムから認可応答を受信すると、確認応答メッセージを、業者108へ送信させる(確認応答は、また、携帯装置102にも送信される)。処理中のトランザクションは、また、トランザクションキューから取除かれる。このように、支払いトランザクションは、携帯装置102が、トランザクションで使用するトークンを取得し、トランザクションでの使用のために、業者108に、そのトークンを提供することが出来るようにすることにより実行されることが出来る。このトランザクション処理は、また、ロイヤルティ、ディスカウント、及び、他の種類のトランザクションと共に使用されることが出来る。更に、処理は、他の種類の業者の場所(MOTO、インターネットなどを含む)、ATMマシンあるいは、キオスクなどにおいて、及び、個人対個人のトランザクションにおいて、トランザクションを実行するために用いられることが出来る。
図1(及び、この開示に渡る他のところ)で示されるシステムは、単一の携帯装置102と業者108のみを示しているが、当業者は、使用中の多くの装置があり、システムを使う多くの業者がいることを理解するだろう。更に、いくつかの実施形態に関連して、トランザクション管理システム130の複数の装置(いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者及びトークン発行権限者)が稼働中である。
以下に更に説明するように、本発明の実施形態を用いて実行されるトランザクションは、既存の支払い方法に対して、いくつかの望ましい利点を有している。例えば、顧客は、携帯装置を用いて、広く様々な業者の場所において、支払いトランザクションを実行することが出来る。更に、携帯装置は、顧客によって保持される、様々な異なる支払い口座にアクセスするために使用されることが出来、顧客が、各トランザクションについて、最も適切な、あるいは、望ましい支払い口座を選択することを可能とする。本発明の特徴を用いると、実施形態は、既存の販売場所システムとハードウェアを利用することが出来るので、業者は、高価なハードウェアの追加導入あるいは取替えを行う必要が無い。更に、本発明の実施形態によって支払うことは、既存の支払い方法よりも安全である。というのも、各トランザクションが、トランザクションを開始するために顧客が用いる携帯装置に関連した一意な属性と共に、顧客に知られているユーザ情報(ユーザ識別子及び/あるいは、パスワードあるいはPIN)という、2つの項目を用いて認証することを要求することが出来るからである。他の利益及び利点は、この開示を読むことによって、当業者に明確となるだろう。
いくつかの実施形態に関して、システム100は、複数のトランザクション管理システム130a-130nを含む。各(あるいは、ある)業者108は、1以上のトランザクション管理システム130a-130nとの関連、あるいは、関係を有しており、携帯装置102を操作する顧客は、どのトランザクション管理システム130a-130nが、任意の所定のトランザクションに参加しているかを知る必要はない。同様に、各携帯装置102は、幾つかの異なるトランザクション管理システム130a-130nと通信することができ、業者あるいはトランザクションの場所は、どのトランザクション管理システム130a-nが、以前の任意の所定のトランザクションに参加しているか(ここに説明するように、トランザクションの間、そのような情報が確認されるまで)を必ずしも知る必要はない。
共に継続中の出願に述べたように、いくつかの実施形態に関係した、購入あるいは他のトランザクション処理は、トランザクションの場所に関連したトークンを生成し、スキャンし、あるいは、捕捉することを含む。いくつかの実施形態においては、このトークンは、特定の業者あるいは場所において、個々のトランザクションでの使用のために、動的に生成されることが出来る。携帯装置102によるトークンのスキャンあるいは捕捉は、トランザクションを完了するのに使用するために、情報を、トランザクション管理システム130に送信させる。いくつかの実施形態に関して、トークンに関連したデータは、トランザクションのために、適切な支払い口座を特定し、あるいは、選択することに関連して、用いられることが出来る。ここに説明するように、トークンに関連したデータは、また、業者におけるトランザクションについての情報(例えば、支払い金額、小売業社名などを特定する情報など)を検索するために、どのトランザクション管理システム130a-nと、携帯装置が通信すべきかを決定するために使用されることが出来る。
いくつかの実施形態に関して、携帯装置102(あるいは、携帯装置102から、トランザクション中の業者システムへトークンが提供される状況において、業者108)は、所定のトランザクション中に、どのトランザクション管理システム130a-nが接触すべきかを決定するために、任意の、幾つかの異なる方法を使用することが出来る。例えば、いくつかの実施形態において、携帯装置102が、販売場所において、トークンをスキャンし、あるいは、捕捉するとき、トークンは、携帯支払いアプリケーションによって、適切なトランザクション管理システム130a-nに接触するために用いられることができる、識別子、あるいは、他の情報を含むことが出来る。識別子、あるいは、他の情報は、例えば、トークンに直接符号化され、適切なトランザクション管理システム130a-nにアクセスする経路を決定するために、携帯装置102上の携帯アプリケーションによって用いられる、URIあるいはURLとすることが出来る。図示的例として、URL https://paydiant.com/tms/productionは、トークン値自身と共に、トークン内に直接含まれることが出来る。そのような実施形態においては、URLあるいはURIは、携帯支払いアプリケーションが、トークンの値と共に、トークンからURLあるいはURIを効率的に、及び、正確に復号出来るように、URL符号化方法を用いて符号化されることが出来る。
トークンに含むことが出来る情報の他の図示的例として、フォーマットされたURLストリングは、携帯支払いアプリケーションによる捕捉と処理のために、トークン内に符号化されることができる(例えば、URLストリングは、QRコードなどに符号化されることが出来る)。フォーマットされたURL列は、以下のような構造を有することが出来る:https://<hostname/ipaddress>:<port>/<tokenIssuingAuthorityIdentifiter>/<issuedToken>/<transactionMetaData>。このフォーマットに従う例示的ストリングは、https://176.64.73.134:8663/pydt/y7uyjhd7/USD/3400とすることができる。このストリングで運ばれることが出来るトランザクションメタデータは、例えば、(限定なしに)このような情報とすることが出来る:トランザクションの通貨、トランザクションの金額、及び、業者の識別子である。
トークンに含まれることが出来る情報の他の図示的例として、URIに基づいた識別子は、携帯支払いアプリケーションによる捕捉と処理のために、トークン内に符号化されることが出来る(例えば、URIに基づいた識別子は、QRコードなどとして符号化されることが出来る)。トークンは、“3ab0f564-82b5-4846-83a0-604c44989c59”などのような英数トークンとすることが出来る。このストリングは、相互作用のために、適切なトランザクション管理システム(あるいは、ウォレット発行者/トークン発行権限者)を検索するために用いられることが出来る。トークン化されたストリングの識別子も用いることが出来る。例えば、トークン化されたストリングは、図示的な(限定的でない)例として:<tokenIssuingAuthorityIdentifier>:<issuedToken>:<transactionMetaData>を含む、様々な方法で、フォーマット化されることが出来る。
更なる実施形態においては、トークンは、適切なトランザクション管理システム130a-nに到達あるいは、通信するための適切な経路を検索するために用いられる識別子を含むことが出来る。例えば、携帯装置102にインストールされた携帯支払いアプリケーションは、1以上の識別子/経路ペアによって、ルックアップテーブル(時々、更新あるいは変更されることができる)により、提供されることが出来る。例えば、携帯支払いアプリケーションは、以下の例示的表1などのような表に格納されることが出来る:
表1の図示的例においては、携帯装置102が、Paydiant社のトランザクション管理システム130を用いる業者108と相互作用する場合には、業者108から携帯装置102によって捕捉されるトークンは、トークンの値と共に、識別子「ABC123」を含むことが出来る。携帯装置102は、トークンを受信すると、トランザクション管理システムと通信するために使用する経路は、識別子ABC123に関連付けられた経路(例えば、適切な経路は、https://paydiant.com/tms/productionであろう)であることを判断するために検索を行なう。携帯装置が、Visa社のトランザクション管理システム130を用いる業者108と相互作用する場合には、業者108から携帯装置102によって捕捉されたトークンは、トークンの値と共に、識別子「XYZ567」を含むことが出来る。携帯装置102は、トークンを受信すると、トランザクション管理システムと通信するために使用する経路は、識別子XYZ567に関連付けられた経路(例えば、経路は、https://visa.com/tms/productionであろう)であることを判断するために、検索を実行する。
いくつかの実施形態においては、携帯装置102に格納されるルックアップテーブルを用いるのではなく(あるいは、これに加え)、外部サービスが、適切な経路を検索するために用いられることが出来る。例えば、携帯装置102は、業者装置108と相互作用することができ、業者によって提示されたトークンをスキャンあるいは捕捉することが出来る。トークンは、識別子とトークン値の両方を含むように符号化されることができ、識別子は、適切なトランザクション管理システム130a-nへの経路を検索するために、携帯装置102によってなされるウェブサービスコールにおけるパラメータとして、用いられることが出来る。このように、携帯装置102は、ルックアップテーブルを格納あるいは維持する必要はないが、トランザクション管理システム識別子に関連した経路情報を返すだろう所定のウェブサービスエンドポイントに呼び出しをかけることが必要となるのみである。いくつかの実施形態においては、ルックアップテーブル及びウェブサービスコールの組み合わせが、用いられることが出来る(例えば、識別子が、携帯装置102に格納されるルックアップテーブルから得られない、あるいは、に含まれていない場合、携帯装置102は、トランザクション管理システム130への適切な経路情報を検索するために、ウェブサービスエンドポイントへ呼び出しを掛けることができる)。
いくつかの実施形態において、1つの主体あるいは装置(トランザクション管理サーバ、トークン発行権限者など)は、ディレクトリサービスとして動作することが出来る。例えば、トークンは、ディレクトリサービスへのURIあるいはURL(あるいは、他のアドレス)を含む情報を符号化し、あるいは、含むことが出来る。ディレクトリサービスが、トランザクションに関連したトークン値に接触するとき、ディレクトリサービスは、トランザクションに関連した、あるいは、に使用可能な更なる情報を取得するために、装置(携帯装置102、業者108、他のトランザクション管理システム130など)によって使用されることが出来る、1以上の他のURI、URL(あるいは、他のアドレス)を特定し、あるいは、提供するために動作することが出来る。図示的な、しかし、限定的でない例として、(トークン値によって特定される)特定のトランザクションについて接触するディレクトリサービスは、トランザクションに関連した業者データを取得可能な第1のアドレス、トランザクションレシートデータが(例えば、トランザクションの完了後に)取得可能な第2のアドレス、及び、トランザクションに関連した認可データを取得可能な第3のアドレスを提供することが出来る。これらの追加的なアドレスのそれぞれは、有効なトークン値と共に、ディレクトリサーバのアドレスを有する装置あるいは主体によって取得されることが出来る。いくつかの実施形態においては、ディレクトリサーバとの相互作用は、(例えば、認可された主体あるいは装置のみが、ディレクトリサービスから情報を取得することが出来るというように)制御されることが出来る。関係の追加的レベルも使用することが出来る。例えば、トークン発行権限者は、トランザクションの詳細に関連したアドレスを提供することができ、このアドレスは、追加的なトランザクションの詳細のための他の装置あるいは主体を参照することが出来、このアドレスは、トランザクションに関する追加的な情報を参照することが出来る。
いくつかの実施形態においては、トークン自身からの値は、使用する適切なトランザクション管理システム130を決定するためには必要が無いとすることが出来る。例えば、携帯装置102あるいは業者108は、時刻、曜日、相互作用の場所における現在のトランザクション量、購入金額、あるいは、どのトランザクション管理システム130を使うかを決定する任意の他の要因などの任意の数の要因に基づいて、1以上のルールを遵守することが出来る。携帯装置102あるいは業者108は、また、(特定のトランザクション管理システム130が、トークンと関連して特定されていない場合に使用する、デフォルトのトランザクション管理システム130を規定する)デフォルトのトランザクション管理システム130設定を有することが出来、トランザクション管理システム130は、トークンからの1以上のデータ項目あるいは、任意の他のソースからのデータ項目を含むことができるデータを評価する1以上のルールに基づいて、変更することが出来るかもしれない。
更なる実施形態について、携帯装置102によって捕捉されるトークンは、関連するトランザクション管理システム130a-nへの経路を導出するための、携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションによって復号されることが出来る識別子を含むことが出来る。例えば、アルゴリズムが、適切なトランザクション管理システム130への経路へと、トークン内で受信される識別子を変換するために用いられることが出来るだろう。図示的な例として、“V1P”という単純な識別子は、以下の方法に基づいて、https://visa.com/1/productionの経路を構成するために用いられることが出来る:識別子の第1の位置における“V”は、ドメイン“visa.com”にマッピングし、識別子の第2の位置の“1”は、同じ名前を有するディレクトリにマッピングし、識別子の第3の位置の“P”は、“production”サブディレクトリにマッピングする。同様な方法及びマッピングが、広くさまざまなURL/URIスキームを生成するために用いられることができ、携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションが、適切なトランザクション管理システム130と通信する正しい経路を効率的に特定することを可能とする。当業者は、この開示を読むとき、トランザクション管理システムへの適切な経路を決定するために、他の技術も使用することが出来ることを理解するだろう。
いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム130によって実行される機能は、1以上の主体によって実行されることが出来る。例えば、いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム130によって実行される機能は、ウォレット発行者及びトークン発行権限者によって実行されることが出来る。いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者によって実行される機能は、例えば、ユーザ管理、ユーザ認証、及び、幾つかの基本的なトランザクション管理に関連した機能を含むことが出来る。トークン発行権限者によって実行される機能は、例えば、業者管理、業者認証、及び、幾つかの基本的なトランザクション管理に関連した機能を含むことが出来る。幾つかの異なるトークン発行権限者(例えば、本発明に関するトランザクションを促進する異なる業者と相互作用する)と共に、幾つかの異なるウォレット発行者(例えば、複数の消費者に携帯ウォレットを発行し、それらの消費者のために、ユーザに関連した機能を管理する)が存在することが出来る。そのような実施形態の特徴は、図2を参照して説明されるだろう。
本発明のいくつかの実施形態に従った、システムのある側面の更なる詳細が、図2を参照して説明される。図2は、携帯装置202、業者208、1以上のトランザクション管理システム230及び支払い処理システム232の間の通信経路を示す、例示的支払いシステムネットワーク環境のブロック図である。携帯装置202は、例えば、携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータなどとすることが出来る。例えば、携帯装置202は、Apple社のiPhone(登録商標)、RIM社のBlackBerry(登録商標)、Google Android(登録商標)オペレーティングシステムを用いた携帯電話などとすることが出来る。いくつかの実施形態に関して、携帯装置202は、支払いアプリケーションを駆動することが出来、携帯装置202を、ここに説明するように、支払い装置として動作させることが出来る。いくつかの実施形態においては、携帯装置202は、携帯装置202を操作する顧客が、ウェブインタフェースを介してトランザクションを開始するために、1以上のトランザクション管理システム230と相互作用することができるように、ウェブコンテンツにアクセスし、及び、表示し、あるいは、インターネットにアクセスすることが出来る。
図2の携帯装置202は、例えば、1以上の有線及び/あるいは、無線ネットワーク201上で通信することが出来る。例として、無線ネットワークは、(セル送信機215によって表される)携帯ネットワークとすることが出来る。携帯装置202は、携帯あるいは他の無線ネットワーク上で、ゲートウェイ216を介して通信することができ、ネットワーク214(例えば、インターネットあるいは他の公共あるいはプライベートネットワークなど)と通信することが出来る。アクセスポイント218などのアクセスポイントは、ネットワーク214への、データ及び他の通信アクセスを促進するために提供されることが出来る。アクセスポイント218は、例えば、802.11g(あるいは、他の)通信標準に従うことが出来る。例えば、携帯装置202が本発明に関した支払い装置として機能することを可能とする支払いアプリケーションを携帯装置202が駆動する実施形態において、支払いアプリケーションは、1以上のトランザクション管理システム230への、ネットワーク201を介した、データの通信を発生させる、あるいは、制御することが出来る。
いくつかの実施形態においては、携帯装置202は、アクセスポイント218を介して、無線ネットワーク214上で、音声及びデータ双方の通信を行うことが出来る。例えば、携帯装置202は、アクセスポイント218を介して、無線ネットワーク上で、電話呼び出しを行い、あるいは、受信し、電子メールを送信し、及び、受信し、ショートメッセージサービス("SMS")メッセージを送信し、及び、受信し、電子メールメッセージを送信し、及び、受信し、電子文書にアクセスし、ストリーミング媒体を送信し、及び受信するなど、をすることが出来る。同様な通信が、ネットワーク215を介して、行われることが出来る。
いくつかの実施形態では、携帯装置202は、例えば、ネットワークとの有線接続、他の装置とのピアーツーピアー通信(例えば、ブルートゥースネットワークなどを使って)などの他の手段によって通信を確立することも出来る。携帯装置202は、例えば、1以上のトランザクション管理システム230(支払いトランザクションをするために、支払い口座設定及び選択を生成し、編集し、見て、あるいは、変更するなどをするために)、ウェブ240及び他のサービス242などの、ネットワーク201上の1以上のサービスと通信することが出来る。携帯装置202は、また、1以上の有線及び/あるいは無線ネットワーク201上の他のデータにもアクセスすることが出来る。例えば、ニュースサイト、RSSフィード、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルネットワーキングサイト、開発者ネットワークなどのコンテンツプロバイダは、携帯装置202によってアクセスされることが出来る。そのようなアクセスは、携帯装置202上にインストールされたウェブブラウザアプリケーションを顧客が立ち上げることに応答して、ウェブブラウジング機能あるいはアプリケーション(例えば、ブラウザ)の呼び出しによって提供されることが出来る。いくつかの実施形態においては、ユーザは、支払い口座を登録し、口座選択を確立し、支払いトランザクションを実行するなどをするための、1以上のトランザクション管理システム230と相互作用するために、ウェブブラウザを利用することが出来る。
携帯装置202は、ディスプレイスクリーン236と(キーパッドあるいはタッチスクリーンあるいは、音声インタフェースのような)データ入力装置238を有する。本発明の実施形態に関して、顧客は、業者208との購入トランザクション(あるいは、ATMとのATMトランザクションあるいは本発明のシステムによってサポートされる任意の他のトランザクション)を実行するために、携帯装置202を使用することが出来る。業者208は、物理的店頭、電子取引業者、あるいは、MOTO業者(あるいは、他の人あるいは主体)とすることが出来る。携帯装置202は、いくつかの実施形態においては、また、携帯装置202が、トークン210の画像あるいは表現を捕捉することができるようなカメラ(不図示)あるいは、他の画像捕捉装置を有する。携帯装置202は、いくつかの実施形態においては、また、携帯装置202が、トークン210の無線信号表現を捕捉することが出来るように、無線受信機(不図示)あるいは、他の無線信号受信装置を有する。例えば、顧客は、本発明を使って、支払いトランザクションを開始するために、業者の販売場所装置上に、あるいは、そこに表示されるトークンのデジタル写真を撮る、あるいは、画像を捕捉するために、携帯装置202を操作することが出来る。捕捉された画像が、ディスプレイスクリーン236上に、アイテム237として示されている。以下に更に説明されるように、トークン210は、業者とトランザクションを開始し、実行するために用いられることが出来る。
業者208は、説明されるように、本発明に関した支払いトランザクション(キャッシュ、標準の支払いカードなどを含む、「従来の」あるいは標準的な支払いトランザクションと共に)を含む、支払い及びトランザクションを処理するために、1以上の業者システム209を操作することが出来る。業者システム209は、ネットワークに繋がれた販売場所システム(物理的小売業者の場所用の)とすることができ、(電子取引あるいはインターネット小売業者の場所用などの)ショッピングカートシステムとすることが出来る。「業者」がATM装置である場合には、業者システム209は、更に、ATMネットワークなどとすることが出来る。業者システム209は、更に、業者が、業者やサービスへの支払いを受けることが出来るように設計されたシステムの組み合わせとすることが出来る。いくつかの実施形態においては、業者システム209は、顧客からの情報を提示し、受信するためのディスプレイ装置213を有する1以上の販売場所装置212と通信することが出来る。例えば、業者208が物理的小売業者の場所である場合、業者システム209は、それぞれが、店舗内部の異なるチェックアウトレーンあるいは場所に配置されている(あるいは、異なる地理的場所の異なる店舗内にある)、幾つかの異なる販売場所装置212と通信することが出来る。販売場所装置212のそれぞれは、顧客が購入を許可し、あるいは、認可し、購入の支払いを提示することができるように、販売場所(あるいは「POS」)において、顧客にトランザクション情報を提示し、表示し、あるいは、通信することが出来る。
業者208がインターネットあるいは他の電子取引業者である他の例として、業者システム209は、業者208に関連した購入トランザクションを処理するように構成されたウェブサーバ(あるいは、いくつかがインターネットにアクセス可能なサーバのネットワーク)とすることが出来る。販売場所装置212は、そのような例においては、インターネットのようなネットワークを介して、業者システム209と相互作用することが出来、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯装置などの、業者システム209と相互作用する、幾つかの遠隔の端末とすることが出来る。本発明の実施形態は、物理的及び遠隔の種類の両方の業者とトランザクションを開始し、実行することが出来るので、販売場所、購入の場所、あるいは、購入者と業者との間の相互作用は、ここでは、「販売場所」あるいは「相互作用の場所」として参照されることが出来る。
本発明の実施形態に関して、トークン210は、販売場所に、あるいは、その近くに表示される。トークンは、「静的」トークンあるいは「動的」トークンの何れかとすることが出来る。静的トークンが用いられる状況では、トークンは、販売場所の位置の近くに(顧客が容易にトークンを見て、読んで、あるいは、捕捉することが出来るように、ステッカーあるいは、プラカード上に)印刷され、表示され、あるいは、提供される。静的トークン210は、バーコード画像として、英数識別子として、あるいは、他の形態で印刷されることが出来る。いくつかの実施形態においては、トークンは、携帯装置202を用いて、キー入力あるいは捕捉の両方ができるように、人間によって容易に判別出来る形態で提示されることが出来る。静的トークンが用いられる実施形態においては、追加的処理ステップが、携帯装置202にトランザクションに関する詳細な情報を提供するために、(以下に更に説明するように)実行されることが出来る。
動的トークンが用いられる実施形態においては、トークンは、販売場所装置212に関連したディスプレイ装置213上に表示されることが出来る。動的トークンは、(例えば、購入金額のような)トランザクション情報を含むために生成されることができ、いくつかの実施形態においては、支払いトランザクションの間、携帯装置202とトランザクション管理システム230との間に、より少ないメッセージを含むことが出来る。トークン210は、トークン210が、バーコード画像として、英数識別子として、無線信号として、あるいは、画像として捕捉可能な(例えば、携帯装置202に関連したカメラあるいはスキャナを用いて)他の形態で、符号化され、あるいは、表示されることが出来る。トークン210は、また、携帯装置202の顧客によってキー入力され、あるいは、携帯装置202と関連した無線受信機によって捕捉されることが出来る。いくつかの実施形態においては、携帯装置は、複数の種類のトークン210と共に操作されることができる(例えば、携帯アプリケーションは、トークン210がどのように販売場所に提示されるかによって、画像捕捉、無線受信あるいはキー入力を用いて、トークン210を捕捉することが出来る)。
ディスプレイ装置213は、LCD(あるいは、他のディスプレイ技術)ディスプレイとすることが出来る(例えば、Hypercom 4150端末あるいはVerifone MX870端末などのように、システム上多くの業者から現在購入することができるようなもの)。本発明に関したトランザクションにおけるトークン210の使用は、以下に更に説明されるだろう。しかし、一般に、トークン210は、トランザクション管理システム230に格納され、あるいは、アクセス可能な情報を用いて、支払いトランザクションを完了するために、携帯装置からの支払いリクエストを、業者208からの支払い認可リクエストと一致処理するために、トランザクション管理システム230によって使用される。トークン210が動的トークンである実施形態において、トークンは、更に、業者208から携帯装置202へ、トランザクションの詳細を通信するために用いられることが出来る。
典型的な例示的トランザクションにおいては、顧客は、最初に、支払いオプションとして携帯支払いを選択し、携帯装置202上で支払いアプリケーションによって(あるいは、トランザクション管理システム230と相互作用するウェブブラウザを介して)認証処理を行い、(販売場所装置212のディスプレイ213からなど)業者208に関連した装置からトークン210を捕捉し、トランザクションの詳細と、支払い口座リストあるいは、トランザクション管理システム230からの好適な、あるいは、利用できる口座のリストとを受信し、携帯装置202上の支払いオプションを選択し、ネットワーク201に渡って、顧客支払い認可リクエストをトランザクション管理システム230に提出する、ことによって、業者208から商品あるいはサービスを購入することが出来る。
支払いオプションの選択は、顧客が利用できる1以上の支払い口座を特定する情報を受信することを含む。利用できる支払い口座は、図4に関連して更に以下に説明される処理などの登録処理中、顧客によって指定されるものとすることが出来る。いくつかの実施形態に関連して、異なる支払い口座オプションの提示は、顧客が、現在のトランザクションに最も適している、あるいは、利用できる口座を提示されるように、利用可能な支払い口座のリストに、1以上のルールあるいは選択を適用することを含むことが出来る。顧客は、使用する支払い口座(あるいは、複合取引登録トランザクションの場合、口座)を選択し、情報は、トランザクション管理システム230に送信される。いくつかの実施形態においては、顧客の利用可能な支払い口座の全ては、顧客が認証された後、顧客に表示されることが出来る。
いくつかの実施形態においては、(顧客トランザクション検索リクエストを処理した後)トランザクション管理システム230から後に受信された口座のリストは、追加的なメタデータあるいは、各支払い口座に関連した情報(例えば、現在利用可能な口座のバランス、口座が現在のトランザクションにおいて使用された場合の、利用可能な任意の特別優待など)を含むことが出来る。いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム230から後に受信された口座のリストは、トランザクション管理システム230におけるルールの適用(例えば、1以上の顧客、業者、あるいはシステムルールの適用など)に基づいて、より少ない口座を含むことが出来る。例えば、ルールは、特定の支払い口座は、少金額トランザクションには用いられてはならないことを指定することが出来る。そのような場合、その特定の支払い口座は、顧客トランザクション検索リクエストに応答した、トランザクション管理システムから送信された口座のリストに含まれないだろう。言い換えると、顧客トランザクション検索リクエストを処理した後、トランザクション管理システム230から受信した支払い口座のリストは、顧客が登録した全ての口座の部分集合とすることが出来る。
実質的に同時に、業者208は、ネットワークに渡って、業者支払い認可リクエストメッセージをトランザクション管理システム230に送信する。トランザクション管理システム230は、トークン210を使って、(ネットワーク201を介して携帯装置202から受信した)顧客支払い認可リクエストを、(ネットワーク220を介して業者208から受信した)業者支払い認可リクエストと一致処理する。
動的トークン210が用いられる、いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム230から、携帯装置202によって、トランザクションの詳細を受信する必要はなく、むしろ、トランザクションの詳細の幾つか、あるいは、全部は、動的トークン210に符号化されている、あるいは、含まれているデータを介して、携帯装置202に提供されることが出来る。いくつかの実施形態においては、携帯装置202は、動的トークンが用いられる場合であっても、トランザクション管理システムからのトランザクションの詳細の幾つか、あるいは、全部をリクエストし、あるいは、受信する。
いくつかの実施形態においては、トランザクション管理システム230は、顧客支払い確認リクエストメッセージを、顧客の携帯装置202に送信し、顧客が、支払いトランザクションを確認、あるいは、キャンセルする最後の機会を与えられることが出来るようにする。例えば、顧客は、支払いトランザクションを「確認」あるいは「キャンセル」することを促されることが出来る。促進は、トランザクションについての追加的な情報と選択された支払い口座を提供することができ、顧客は、「確認」あるいは「キャンセル」を選択する前に、トランザクションについての詳細な情報を有することが出来る。いくつかの実施形態においては、顧客は、選択を設定する、あるいは、携帯支払いアプリケーションを、あるメッセージあるいはトランザクションステップを有効あるいは無効とするように構成する機会を与えられることが出来る。特定の例として、顧客は、顧客支払い確認リクエストメッセージを受信する(あるいは、受信しない)機会を与えられることが出来る。
支払いに進む最終的な確認が、顧客の携帯装置202から受信されると、トランザクション管理システム230は、トランザクションのための資金の認可、清算、決算を行うための、1以上の支払い処理ネットワーク232を介しての送信のために、認可許可リクエストメッセージを生成する。このリクエストメッセージは、業者支払い認可リクエスト(業者208から受信された)と、顧客によって選択された支払口座に関連した実際の支払い証明とからのトランザクションの金額あるいは他の情報などのトランザクションの詳細を含む。実際の支払い証明は、支払い口座選択情報を用い、トランザクション管理システム230にアクセス可能なデータベースあるいは場所に予め格納された実際の支払い口座証明の検索を実行することにより、取得することが出来る。認可許可処理は、1以上の支払い処理ネットワーク232(例えば、Visa, Inc.によって操作されるVISANET(登録商標)ネットワーク、NACHAなどの自動清算ハウスシステムなど)を介して、標準的な金融認可処理を用いて実行することが出来る。資金の利用可能性が確認されると、トランザクション管理システムは、業者支払い認可応答メッセージを業者208に送信し、トランザクションは、販売場所212において完了し、顧客支払い認可応答メッセージが顧客の携帯装置202に送信される。
携帯装置202が、トランザクション管理システム230からトークンを取得するために用いられ、業者208(あるいは、他の携帯装置、あるいは、他の相互作用の場所装置)が、携帯装置108からトークンを捕捉する状況において、上記したように、同様な処理が発生することが出来る。
いくつかの実施形態においては、本発明に関連した支払いシステムは、上記した1以上のトランザクション管理システムによって通常提供される異なる処理機能を実行する複数の主体を含むことが出来る。例えば、ある状況においては、複数の主体(ここでは、「ウォレット発行者」と呼ぶ)が、本発明に関する携帯支払いアプリケーションを発行し、及び、管理することが望ましい。例えば、金融機関あるいは、他の主体は、顧客に携帯支払いアプリケーションを提供するタスクと機能を発行し、及び、管理することを選択することが出来る。これは、本発明の支払いシステムに参加する複数のウォレット発行者となる。同様に、金融機関あるいは他の主体は、1以上の業者の代わりに、トークン発行機能を提供することを選択することが出来る。すなわち、主体は、業者と既存の関係を有することができ、既に、業者の販売場所及び他の業者システムと一体化され、あるいは、アクセスすることが出来る。主体は、業者に、トークン発行機能を提供したいと思うことが出来る。これは、複数のトークン発行権限者が、本発明の支払いシステムに参加することとなることが出来る。
一例示的システムが、トランザクション管理システム230の代わりに、1以上のトークン発行権限者250と1以上のウォレット発行者260が示されているのを除いて、図2に示されたシステムと同様のものが図3に示されている(しかし、いくつかの実施形態においては、1以上のトランザクション管理システム230は、1以上のウォレット発行者260と1以上のトークン発行権限者250と共に動作するシステムにおいて、依然利用可能である)。図3に示されているように、ウォレット発行者260は、1以上のネットワーク経路を介して、携帯装置202と通信することが出来る。一般に、ウォレット発行者260と、ウォレット発行者260によって発行される携帯支払いアプリケーションを操作する各携帯装置202は、通信することが出来る(例えば、携帯支払いアプリケーションは、携帯装置202と関連したウォレット発行者260との間の信頼性のある相互作用と通信を保証するために符号化されることが出来る)。更に、トークン発行権限者250は、1以上のネットワーク経路を介して、1以上の業者208と通信する。あるトランザクション実施形態とシナリオにおいては、更に、ウォレット発行者260とトークン発行権限者250との間の通信が存在する(例えば、両主体を含むトランザクションを完了するために)。更に、ウォレット発行者260は、1以上の支払い処理ネットワーク232と通信するように示されているが、いくつかの実施形態においては、トークン発行権限者は、また、1以上の支払い処理ネットワーク232と通信することが出来る。これらの主体を含むトランザクションの更なる詳細が、図5の説明と共に、以下に提供されるだろう。
いくつかの実施形態に関連して、本発明を用いた購入トランザクションを実行するために、携帯装置(図3の携帯装置202など)を顧客が用いることが出来る前に、顧客は、図4に関連して説明される処理などの登録処理を実行しなくてはならない。処理400と関連して収集あるいは提供されるデータは、システム230などのトランザクション管理システムに関連した1以上のデータベースに格納、あるいは、これにアクセス可能とされることができる。更に、いくつかの実施形態に関しては、別個のウォレット発行者260は、処理400に関連して収集、あるいは、提供されるデータを格納することが出来る。
図4の登録処理400は、顧客が最初登録サーバ(これは、図2のトランザクション管理システム230あるいは、図3のウォレット発行者のコンポーネントである、あるいは、これと関連することが出来る)と、登録処理を開始するために相互作用するときに開始する。例えば、顧客は、登録サーバに関連した登録ウェブページにアクセスする、あるいは、登録処理を完了するために携帯アプリケーションの機能を使用するために、(携帯装置あるいは他の計算機装置のいずれかの上の)インターネットブラウザを操作することが出来る。登録ウェブページは、顧客に、アカウント生成処理を開始するために、ある特定方法を提供するようにリクエストすることが出来る。例えば、顧客は、1以上の電子メールアドレス及び電話番号を含む連絡問い合わせ先のみならず、名前、住所、他の連絡先情報を提供することが出来る。顧客識別子あるいは他の一意のレコード(あるいは、複数のレコード)は、トランザクション管理システム230あるいはウォレット発行者260に関連した、あるいは、アクセスできるデータベースにおいて確立されることが出来る。顧客識別子は、顧客を一意に特定するために用いられることが出来る。顧客識別子は、トランザクション管理システム230(実施形態に応じて、あるいは、ウォレット発行者260など、)によって割り当てられる英数識別子、あるいは、顧客に基づき、あるいは、よって提供される情報(例えば、携帯電話番号あるいは、携帯装置202に関連した識別子)とすることが出来る。
処理は、顧客がトランザクション管理システム230(あるいは、実施形態に応じて、ウォレット発行者260)とアカウント関係を確立する404において、継続する。いくつかの実施形態においては、アカウント生成は、連絡先を提供し、顧客がトランザクションをしたい1以上の携帯装置を特定する情報と共に、顧客に関連する情報を特定することを含む。各携帯装置202は、例えば、電話番号及び/あるいは、他の一意の識別子(ハードウェアシリアル番号、ASIN(Amazon Standard Identification Number)、iPhoneの場合には広告識別子、CPUシリアル番号などのコンポーネントシリアル番号など)によって特定される。携帯装置上のブラウザから、あるいは、最初に、携帯装置上に、登録モジュールを有する支払いアプリケーションをダウンロードする事によって、顧客が登録する、いくつかの実施形態においては、システムは、携帯装置に関連した、一意の特定情報(例えば、ハードウェアシリアル番号、ASIN、広告識別子、あるいは、他の装置識別子など)を捕捉することが出来る。
処理は、顧客が、本発明の支払いシステムと関連を持ちたい1以上の支払い装置あるいは支払い口座についての情報を提供する406において継続する。言い換えると、顧客は、顧客がトランザクション管理システム230(あるいは、実施形態に応じて、ウォレット発行者260)と顧客のアカウント関係を関連付けたい1以上の支払い口座についての情報を提供する。例えば、顧客は、1以上の、クレジットカード、デビットカード、ギフトカード、銀行口座、小切手口座などについての情報を入力することが出来る。各口座についての情報は、実際の支払い証明あるいは、その口座を使って、トランザクションを処理するための十分な情報を含む。例えば、クレジットあるいはデビットカードに関して、情報は、主要口座番号(あるいはPAN(Permanent Account Number))、失効日、及び、確認コードを含むことが出来る。銀行口座について、情報は、ルーティング番号及び、口座番号を含むことが出来る。銀行あるいは発行者情報などの他の情報は、また、406において入力されることが出来る。
図示的例として、「ジェーン」と呼ばれる顧客は、本発明に関連して利用したい彼女の支払い口座の4つについて詳細を入力した。これらは、#######の主要口座番号(あるいはPAN)と、05/12のカード失効日を有するChase Credit Card、#######のABA番号と########の口座番号を有するWebster Bankの小切手口座、########のPANと06/11のカード失効日を有するWebster Bank Visaデビットカード、######のPANと8/10の失効日を有するStarbucksギフトカードを含む。追加的な口座特定情報は、必要に応じて提供されることが出来る(例えば、いくつかの実施形態においては、支払いカードについて、カード確認番号も提供されることが出来る)。処理400中に取得されるデータは、例えば、PCI準拠データベースにおいて安全に格納されることが出来る。いくつかの実施形態においては、支払いカードデータ(失効日、確認コードを含む)を安全に格納することで、本発明を用いてなされる支払いは、「カードプレゼント」トランザクションとして、割引交換の対象とすることが出来る。いくつかの実施形態に関し、顧客は、必要に応じて、口座情報を追加し、除去し、あるいは、更新することが出来る。
処理は、顧客が、オプションとして、406で入力された1以上の口座の使用に関連して、1以上の選択あるいはルールを確立することが出来る408において継続する。例えば、顧客は、「主要」あるいは、デフォルト口座として、1つの口座を指定することが出来る。他のルール及び選択は、また、口座が効率的かつ論理的に選択され、使用されるように設定することも出来る。例えば、顧客は、特定の支払い口座が、どのように、他の支払い口座について扱われるべきかを示す、優先度、あるいは、他の口座に基づいたルールを指定することが出来る。顧客は、また、オプションとして、支払い口座が、いつどのようにして、提示されるべきかを統べる使用制限あるいはバランス条件を指定することも出来る。顧客は、また、どの業者から購入するのか、あるいは、各口座において利用できる資金、あるいは、各口座を使うことによって受け取る報償に基づいて、携帯電話上に表示される口座の順序を指定することも出来る。
いくつかの実施形態においては、ルール(顧客指定ルールなど)は、支払い処理が、より早く、あるいは、より少ない顧客のステップで進むようにすることが出来る。例えば、顧客は、特定の業者において購入するとき(ある金額より少ない購入など、ある種類の購入)、デフォルトの支払い口座を使用すべきことを指定することが出来る。そのような状況では、本発明を用いた購入トランザクションは、顧客が、支払い口座の選択肢を選択し、あるいは、確認する必要なしに、進めることができ、これは、顧客指定ルールの適用によって自動的に行なわれる。
当業者は、この開示を読めば、広い様々な種類の口座レベルのルールが、支払いオプションとして、顧客に、支払い口座がどのように(及びいつ)提示されるかを管理可能とするために指定され得るかを理解するだろう。
上記で導入された図示的実施形態においては、「ジェーン」と呼ばれる顧客は、以下の口座選択を指定した。(i)彼女は、クレジットの使用を少なくしたい、及び(ii)彼女は、トランザクション料金を少なくしたい。ジェーンはまた、特定の支払い口座が、所定のトランザクションの使用のために解析されたとき、適用されるべきルールも指定した。(i)彼女のStarbucksギフトカードバランスは、可能な場合に使用されるべき(最高の優先度を割り当てられた)、(ii)彼女の小切手口座あるいは、小切手口座に関連したデビットカードは、2番目に高い優先度で使用されるべき(彼女は、トランザクションが、彼女のバランス(残高)を$1,000未満まで減少させるなら、小切手口座を使わないことを望むが)及び、(iii)彼女のクレジットカードは、最低の優先度を有する、最終支払いオプションとすべき。
ジェーンは、本発明を用いたトランザクションを実行するために、彼女の携帯装置を使用するとき、トランザクション管理システム230(あるいは、ウォレット発行者260)は、トランザクションのために、どの支払い口座が使用可能かを推薦するために、トランザクションの詳細をジェーンが指定した、ルール及び選択を比較するだろう。例えば、ジェーンが、Starbucksで、一杯のコーヒーを購入するために、彼女の携帯装置を使用する場合、トランザクション管理システムは、購入のために、彼女は、彼女のStarbucksギフトカードを使用可能であることを彼女に知らせるだろう。このように、様々な支払い口座を有する顧客は、全体の選択及び使用目的に基づいた、支払いオプションの選択肢を提示されることが出来る。更に、特定のトランザクションで使用できない、あるいは、向いていない支払い口座は、顧客が、オプションとして、そのような支払い口座を提示される必要が無いように、トランザクション管理システム230(あるいは、ウォレット発行者260)によって、そのように識別されるだろう(例えば、ジェーンが、ガソリンスタンドでガソリンを購入する場合、彼女は、そのトランザクションの支払い口座として、Starbucksギフトカードを提示されないだろう)。
いくつかの実施形態においては、処理は、顧客が、本発明に関連したアプリケーションを操作できる携帯装置(iPhoneあるいはAndroid phone)を操作し、あるいは、使用するならば、410において継続することが出来る。410において、顧客は、彼らの携帯装置に、アプリケーションをダウンロードし、インストールすることを促される。アプリケーションは、顧客に、本発明に関連した支払いトランザクションを、高速に、及び、簡単に実行するために、彼らの携帯装置を操作可能とする。そのようなアプリケーションを実行する能力のない電話あるいは装置の場合、リンクあるいはウェブページが、顧客が本発明に関連した支払いトランザクションを実行できるように、携帯電話ブラウザを介して、アクセスできる顧客に対して、生成され、あるいは、提供されることが出来る。
一旦顧客が、トランザクション管理システム230(あるいは、実施形態に応じて、ウォレット発行者260)とアカウント関係を確立し、トランザクション管理システム230(あるいは、ウォレット発行者260)に、1以上の支払い口座を登録したら、顧客は、本発明のトランザクションをサポートする業者における購入トランザクションを実行するために、本発明のシステムを利用することができる。
図3に図示された実施形態のような、いくつかの実施形態においては、異なる主体、システム、あるいは、装置は、異なるトランザクション管理機能を実行する。例えば、いくつかの実施形態においては、複数の携帯装置202及び複数の業者208(あるいは、ATM、他の携帯装置などの他の相互作用の場所)を含む複数のトランザクションと相互作用する、複数のウォレット発行者260及び複数のトークン発行権限者250が存在することが出来る。例えば、ある消費者は、彼らの金融機関あるいは他の主体から、彼らの携帯装置202上の携帯支払いアプリケーションを取得し、金融機関あるいは他の主体は、これらの消費者に対し、ウォレット発行者260として活動(あるいは、ウォレット発行者の機能を実行するエージェントを用いる)ことが出来る。ある業者208は、あるトークン発行権限者250と相互作用するが、他者とは相互作用しないことを選択することが出来る。あるいは、業者208は、単一のトークン発行権限者を用いることが出来る。これらの選択のそれぞれは、消費者と業者208との間の所定のトランザクションに参加する主体の組み合わせとなり、すべての参加者が、問題なくトランザクションに関わることが出来るようにするという技術的な課題を提供する。実施形態は、トランザクションが、潜在的に大きく、多様な数の参加者にもかかわらず、発生することが出来るようなシステムと方法を提供する。
携帯装置102を操作する消費者が、業者108とトランザクションを実行するシステム500の一部を図示する更なるシステム図が示される図5を参照する。図示されたシステム500において、携帯装置102は、ウォレット発行者260によって提供される、(図4に示されるような処理を介してインストールされ、構成される)支払いアプリケーションを操作する。図示されたシステムにおいては、業者108は、1以上の発行権限者250a-250nと関係を持つ、あるいは、相互作用する。例えば、業者108は、本発明に関して実行されるトランザクションのトークンを提供することを信頼する1以上の主体(金融機関、業者取得者(acquirer)、販売場所システムベンダなど)と関係を有することが出来る。そのようなシステムにおいては、本発明の特徴なしに、トランザクションを遂行可能とすることは、技術的に難しいだろう。トランザクションを遂行可能とするいくつかの実施形態の詳細は、図5に示され、「1」~「6」として示される処理ステップを追いながら説明されるだろう。いくつかの実施形態においては、6つの主要な相互作用のみが示されるが、各相互作用は、装置間の複数のメッセージあるいは通信を含むことが出来る。利便と、解説の簡便のため、上位レベルの相互作用のみが図5に示される。しかし、様々な実装オプションが以下に説明されるだろう。
示されるように、携帯装置102を操作する消費者は、業者108とトランザクションを実行したいと望む。例えば、顧客は、購入したいアイテムが店員によってレジに記録される、業者のチェックアウトレーンにおり、顧客は、彼の携帯アプリケーションで支払いをしたい旨示すことが出来る。携帯支払いオプションの選択は、業者システムに、トランザクションのトークンをリクエストさせる。例において、業者108は、幾つかの異なるトークン発行権限者250a-nを用いる(例えば、業者108は、ある種類のトランザクションには、トークン発行権限者250aを用い、他には、トークン発行権限者250b及び250nを用いることが出来る)。これは、図示目的のためのみに示されている。当業者は、この開示を読むことにより、多くの業者が、単一のトークン発行権限者250にのみ相互作用することが出来ることを理解するだろう。
図5に図示された、図示的な実施形態においては、業者108は、幾つかの関係を有しており、示されたトランザクションにおいては(「1」としてラベル付けされている相互作用においては)、トークン発行権限者250bからのトークンの発行をリクエストする。リクエストは、処理中のトランザクションに関連した情報をトークン発行権限者250bへ送信する業者支払い認可リクエストメッセージとして、メッセージ内においてリクエストされることが出来る。業者支払い認可リクエストメッセージを受信すると、トークン発行権限者250bは、トランザクションで使用するためのトークンを生成し、あるいは、特定する。トークン発行権限者250bは、また、トークンに関連した、処理中のトランザクションレコードを生成することが出来る。いくつかの実施形態においては、処理中のトランザクションレコードは、業者識別子、端末識別子、トランザクション金額、及び、処理中のトランザクションに関連した他のデータを含む情報を含むことが出来る。いくつかの実施形態に関しては、トークン発行権限者250bによって生成、あるいは、取得されるトークンは、トークン発行権限者250bを特定するのに用いられることができる情報を含む。上記したように、そのような情報は、フォーマット化されたURLストリング(いくつかの実施形態においては、トークン発行権限者250bに、他のトランザクションに関係した情報と共に、URLを提供する)、URIに基づいた識別子、トークン化されたストリング識別子などを含むことが出来る。トークン(トークン識別子、及び、トークン発行権限者を特定する情報を含む)は、携帯装置102に提示あるいは通信するために、業者108に返送される。
当業者は、この開示を読めば、いくつかの実施形態においては、トークン及びトークン発行権限者を特定する情報は、また、業者108のところに、予め格納される、あるいは、ローカルに利用可能とされることが出来ることを理解するだろう。
業者108は、トークンをQRコードとして、あるいは、他の手段を介して、表示し、あるいは、提示することができ、顧客は、彼らの携帯装置102を用いて、トークンを捕捉することを促されることが出来る(「2」の相互作用として示されている)。捕捉されると、携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションは、この中に含まれる情報を取得するために、トークンを復号するように操作されることが出来る(「3」の相互作用として示されている)。いくつかの実施形態においては、トークンの復号は、携帯装置102、携帯支払いアプリケーション、及び、携帯支払いアプリケーションを発行したウォレット発行者260、あるいは、他の装置の間の協働処理を含むことが出来る。トークンの復号は、以下の任意、あるいは、全部とすることが出来る:トークンを発行した、特定のトークン発行権限者250bの特定、実際のトークン値、トークン値と共に提供される任意のメタデータ。
トランザクションにおけるこの点においては、トークン発行権限者250bは、業者108から受信される、トランザクションの詳細を含む、処理中のトランザクションレコードを有する。処理中のトランザクションレコードは、トークン発行権限者250bによって発行された、あるいは、提供されたトークンを用いて特定されることが出来る。しかし、トークン発行権限者250bは、この時点では、顧客、あるいは、顧客によって使用される支払い機構に関する情報を知らないことがある。顧客は(携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションを介した)、「3」で復号されるメタデータにおいて提供される限りの、処理中のトランザクションについての情報を有することができ、また、トークン発行権限者250bを特定するのに用いられることができる情報と共に、トークン値を有することが出来る。ウォレット発行者260は、顧客と携帯装置102を認証し、また、携帯装置102によって受信され、あるいは、捕捉されるトークンに関連した情報を有する。一般に、この点では、ウォレット発行者260は、また、トークン発行権限者250bの身元を知っている。ウォレット発行者260は、また、トランザクションに関連したメタデータのある項目を知っている(それらの項目がトークンと共に提供された場合は)。例えば、トークンが、以下のフォーマットを有するフォーマット化されたURLストリングで符号化された図示的例を考慮していただきたい:https://<hostname/ipaddress>:<port>/<tokenIssuingAuthorityIdentifiter>/<issuedToken>/<transationMetaData>。「2」において携帯装置102によって受信され、「3」において復号されたストリングは、以下にフォーマット化されたURLストリングを明らかにすることができる:https://176.64.73.134:8663/pydt/y7uyjhd7/USD/34000/MID01001、
これは、携帯装置102、携帯支払いアプリケーション及びウォレット発行者260に、相互作用すべき、適切なトークン発行権限者250bが、https://176.64.73.134:8663でアクセスでき、“pydt”として特定される、トークン発行権限者である、ことを判別させることを可能とする。処理中のトランザクションレコードを特定するために用いられるトークンは、“y7uyjhd7”であり、トランザクションは、“MID01001”として特定される業者における、米国ドルで、金額$3,400である。更に、ウォレット発行者260は、携帯装置102から受信される、場所と他のデータを有することが出来る。
いくつかの実施形態においては、「3」における処理は、携帯装置102がトランザクション情報を有することにならないことがある。例えば、いくつかの実施形態においては、業者108からの「2」において取得されるトークンは、(トランザクション金額を特定するデータなどの)メタデータを含まないことが出来る。そのような状況では、1以上の更なる相互作用が必要である。例えば、あるそのような更なる相互作用は、携帯装置102が、トランザクションの詳細のリクエストにおいて、ウォレット発行者260と相互作用する、相互作用「4」として示されている。「4」における処理は、携帯装置102が、ウォレット発行者260に、トークン発行権限者250bを特定させるのに用いられる情報と共に、トークン値を提供することを含むことが出来る。ウォレット発行者260は、「2」において携帯装置102が取得したトークン値に関連した、処理中のトランザクションレコードに関連した、トランザクションの詳細をリクエストする、トークン発行権限者250bへのリクエストを発行することが出来る。(「2」において取得されたトークンが、トランザクションに関するメタデータを持っていない、あるいは、十分持っていない場合、)「4」において処理、あるいは、(「2」で取得したトークンが、トランザクションに関する十分なメタデータを持っている場合、)「3」において処理すると、処理は、以下に説明するように継続することが出来る。
携帯装置102上において、携帯支払いアプリケーションと相互作用する、ウォレット発行者260は、どの顧客の支払い口座を、トランザクションに使用することが出来るかを決定する処理を実行することに進むことが出来る。例えば、顧客の選択及びルールを格納するウォレット発行者260は、幾つかの顧客の支払い口座のみが、“MID01001”で(あるいは、業者の種類及び位置に基づいて)特定される業者における使用に利用できることを判定することが出来る。ウォレット発行者260は、また、ある支払い口座のみが、金額が米国ドルで$3,400のトランザクションを完了するために、使用するのに利用可能であることを判断することが出来る。ウォレット発行者260は、どの支払い口座が、処理中のトランザクションでの使用のために利用できるかを顧客に通知し、トランザクションを完了するために使用する1以上の支払い口座の顧客の選択を取得するために、携帯支払いアプリケーションと相互作用することが出来る。
顧客が望ましい口座を選択し、携帯装置102でのトランザクションを確認、あるいは、受諾したならば、処理は、携帯装置102、ウォレット発行者260あるいは、携帯装置102とウォレット発行者260との組み合わせのいずれかが、トランザクションのために1以上の支払い処理ネットワーク280からのトランザクションの認可を得、適切なトークン発行権限者250bにトランザクションの認可を提供する相互作用「5」に進むことが出来る。そのような「5」における相互作用は、幾つかのメッセージを含むことが出来る。例えば、顧客がトランザクションを完了するために使用する望ましい支払い口座を選択すると、メッセージが送信され、ウォレット発行者260に、望ましい支払い口座を特定する(いくつかの実施形態によると、メッセージは、実際の支払い口座証明を含まず、むしろ、実際の支払い口座証明を検索し、あるいは、特定するために、ウォレット発行者260が使用可能なプロキシあるいは識別子を含む)。ウォレット発行者260は、実際の支払い口座証明(PAN、口座番号、確認あるいは確認データ、失効日など)、トランザクションの金額、及び、業者の識別子を含む情報で、支払い認可リクエストメッセージを構成する。支払い認可リクエストメッセージは、認可処理のために、1以上の支払いネットワークへ送信される。トランザクションが認可されると、ウォレット発行者260は、トークンと共に、適切なトークン発行権限者250bに送信される、認可コードと認可応答メッセージを受信することが出来る。
トークン発行権限者250bは、認可コードと認可応答を受信すると、受信したトークンを使って、処理中のトランザクションレコードを特定し、トランザクションを完了するために、業者108と相互作用する処理(「6」における)を実行する。例えば、支払が認可された状況では、トークン発行権限者250bは、トランザクションが正しく完了したことを確認する情報を送信し、業者108は、トランザクションレシートを、相互作用の場所において印刷させることが出来る。ウォレット発行者260は、また、トランザクションレシートあるいは他の情報を携帯装置106に送信させることが出来る。
いくつかの状況においては、ウォレット発行者260が、ウォレット発行者260に利用可能な情報に基づいて、支払い処理ネットワーク280から支払い認可を取得することが不可能かもしれない。例えば、いくつかの実施形態においては、トークン発行権限者250は、トランザクションに関連した追加的なメタデータ(業者の識別子、及び/あるいは、トランザクションの金額など)を提供しないかもしれない。そのような場合には、ウォレット発行者260とトークン発行権限者250との間の更なる通信が必要となる実施形態を提供することが出来る。例えば、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者260が、携帯装置102からトークンを取得すると、ウォレット発行者260は、トークン発行権限者250と通信を確立して、欠けているメタデータ(例えば、業者の識別子、及び、トランザクションの金額を含む)を取得することが出来る。ウォレット発行者260は、上記のように進行し、支払い処理ネットワーク280から支払い認可を取得することが出来る。
ウォレット発行者260が、ウォレット発行者260に利用可能な情報に基づいて、支払い処理ネットワーク280から支払い認可を取得できない状況の更に別の実施形態においては、トークン発行権限者250は、支払い認可を得ることが出来る。例えば、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者260は、トランザクションに使用するための適切な支払い口座証明を特定するときに、それらの支払い口座証明を、トークン発行権限者250(トークンと共に)に渡すことができ、トークン発行権限者に、ウォレット発行者260から受信される支払い口座証明と共に、処理中のトランザクションレコードからの情報で、支払い認可メッセージを構成可能とする。いずれの状況においても、トランザクションを完了する能力は、携帯装置102とウォレット発行者260に、トークン発行権限者250を特定するのに用いられる情報(トークンと共に提供される、URL、URIあるいは他のデータなどの情報)と共に、トランザクション(トークン)を特定するのに用いられる情報を提供することに基づいている。
上記したように、いくつかの実施形態においては、携帯装置102は、トークンを取得するために操作されることができ、トークンは、業者108に(あるいは、他の装置あるいは、トランザクションの参加人に)提供されることが出来る。そのような実施形態においては、異なる主体、システムあるいは装置は、異なるトランザクション管理機能を実行することが出来る。1つの図示的システムが説明される図6を参照する。図5と共に、上記の実施形態のように、複数の携帯装置202と複数の業者208(あるいは、ATM、他の携帯装置などの他の相互作用の場所)を含む、複数のトランザクションと相互作用する、複数のウォレット発行者260と複数のトークン発行権限者250が存在することが出来る。
図6において、更なるシステム図が示され、携帯装置を操作する消費者が業者108とトランザクションを構成するシステム600の一部が図示されている。図示されたシステム600において、携帯装置102は、ウォレット発行者260によって提供される支払いアプリケーション(図4に示されるような処理を介してインストールされ、構成される)を操作する。図示したシステムにおいては、携帯装置102は、(アイテム「1」としてラベル付けされたトランザクションにおいて、)トークン発行権限者250bからトークンを取得する。いくつかの実施形態においては、ユーザ及び装置認証処理が、相互作用「1」と共に、あるいは、その前に行われる(例えば、ユーザと装置は、ウォレット発行者260によって認証される)。いくつかの実施形態においては、携帯装置102がトークン発行権限者250bからのトークンのリクエストをすると、携帯装置102と通信するために、トークン発行権限者250bによって使用可能な情報も提供することが出来る(これは、トークン発行権限者250bに、以下に説明され、アイテム「4」としてラベル付けされたメッセージ内で、携帯装置102へ、トランザクションの詳細を送信可能とするだろう)。トークンのリクエストを受信すると、トークン発行権限者250bは、トークンと関連した、処理中のトランザクションレコードを生成することが出来る。いくつかの実施形態においては、処理中のトランザクションレコードは、(携帯装置102の携帯支払いアプリケーションに関連したウォレット発行者260を特定するのに使用される)ウォレット発行者識別子、顧客識別子、及び、処理中のトランザクションと関連付けられた他のデータを含む情報を含むことが出来る。いくつかの実施形態に関連して、トークン発行権限者250bによって生成され、あるいは、取得されるトークンは、トークン発行権限者250bを特定するために用いられる情報を含む。上記したように、そのような情報は、(いくつかの実施形態においては、他のトランザクションに関連した情報と共に、トークン発行権限者250bにURLを提供する、)フォーマット化されたURLストリング、URIに基づいた識別子、トークン化されたストリング識別子などを含むことが出来る。(トークン値、及び、トークン発行権限者を特定する情報、及び、いくつかの実施形態においては、ある追加的なメタデータを含む)トークンは、業者108に提示し、あるいは、通信するために、携帯装置102に返送される。
携帯装置102は、トークンをQRコードとして表示し、あるいは提示する(あるいは、ブルートゥース、NFCなどのような無線信号を介して提示する)ことが出来、業者108は、(例えば、スキャナあるいは他のリーダを用いて)(「2」の相互作用として示される)トークンを捕捉するよう促されることができる。捕捉されると、業者108は、そこに含まれる情報を取得するために、トークンを復号することができる(「3」の相互作用として示される)。いくつかの実施形態においては、トークンの復号は、業者108と他の主体との間の協働的処理を含むことが出来る。トークンの復号の結果は、以下の任意のもの、あるいは、全部となることができる。トークンを発行した特定のトークン発行権限者250bの識別、実際のトークン値、トークン値と共に提供される任意のメタデータ。
業者108は、業者支払い認可リクエストメッセージを生成し、それをトークンにおいて特定されるトークン発行権限者250bに、送信するための処理を実行することができる(例えば、相互作用「4」を介して)。業者支払い認可リクエストメッセージは、「2」及び「3」の相互作用から取得できるトークン値と共に、トークン発行権限者250bへ、処理中のトランザクションに関連した情報を送信することが出来る。情報は、業者識別子、端末識別子、トランザクションの金額、及び、処理中のトランザクションに関連した他のデータを含むことが出来る。
トランザクションにおけるこの点において、トークン発行権限者250bは、携帯装置102から受信された情報を含む処理中のトランザクションレコードと、業者108から受信された情報を含む処理中のトランザクションデータを有する。処理中のトランザクションレコードは、トークン発行権限者250bによって携帯装置102に発行され、提供された(そして、業者108に通信された)、トークン値を用いて特定されることが出来る。トークン発行権限者250bは、また、携帯装置102に情報を通信するのに用いられることができる情報を有することが出来る(例えば、携帯装置102と直接通信できるような情報及び/あるいは、携帯装置102に関連したウォレット発行者260を介して、携帯装置102と通信可能とする情報を含み、これらの情報の任意のもの、あるいは、全部はアイテム「1」としてラベル付けされている相互作用によって取得されることが出来る)。しかし、トークン発行権限者250bは、顧客によって使用されるべき支払い機構に関する情報を、この時点では全く知らないかも知れない。更に、この点において、携帯装置102は、全くトランザクションの詳細を知らないかもしれない(業者、トランザクションの金額などに関連した情報を含む)。いくつかの実施形態において、トークン発行権限者250bは、相互作用「4」に関連した更なるメッセージを発生させる。更なるメッセージは、トークン発行権限者250bと携帯装置102との間のメッセージである。いくつかの実施形態においては、このメッセージは、図6に示されるように、携帯装置102に関連付けられたウォレット発行者260を介してルーティングされることができ、一方、他の実施形態は、トークン発行権限者250bと携帯装置102との間の直接通信を可能とすることが出来る。
携帯装置102(及び、いくつかの実施形態においては、ウォレット発行者260)が、処理中のトランザクションに関連した情報(例えば、業者108を特定する情報、トランザクションの金額などを含む)を有すると、処理は、「5」としてラベル付けされた相互作用において継続することが出来る。
アイテム「5」として示される相互作用の間の処理において、携帯装置102上の携帯支払いアプリケーションと相互作用するウォレット発行者260は、どの顧客の支払い口座が、トランザクションにおいて使用することができるかを決定する処理の実行に進むことが出来る。例えば、顧客の選択及びルールを格納するウォレット発行者260は、幾つかの顧客の支払い口座のみが、業者の使用で(あるいは、業者の種類あるいは場所に基づいて)利用可能であることを判定することが出来る。ウォレット発行者260は、いずれの支払い口座が、処理中のトランザクションでの使用のために利用できるかを顧客に通知するために、携帯支払いアプリケーションと相互作用することができ、トランザクションを完了するために使用する1以上の支払い口座の顧客選択を取得することが出来る。
顧客が望ましい口座を選択し、携帯装置102でのトランザクションを確認し、あるいは、受諾したら、相互作用「5」の処理が進んで、携帯装置102、ウォレット発行者260あるいは、携帯装置102とウォレット発行者260の組み合わせの何れかが、トランザクションのために、1以上の支払い処理ネットワーク280からトランザクション認可を取得し、適切なトークン発行権限者250bへ、トランザクション認可を提供するために通信することが出来る。「5」におけるそのような相互作用は、幾つかのメッセージを含むことが出来る。例えば、顧客が、トランザクションを完了するために使用する、望ましい支払い口座を選択すると、メッセージが送信され、ウォレット発行者260に、望ましい支払い口座を特定する(いくつかの実施形態によると、メッセージは、実際の支払い口座証明を含まず、むしろ、実際の支払い口座証明を検索し、あるいは、特定するために、ウォレット発行者260によって使用されることができるプロキシあるいは識別子を含む)。ウォレット発行者260は、(PAN、口座番号、確認あるいは確認データ、失効日など)実際の支払い口座証明、トランザクションの金額、及び、業者の識別子を含む情報で、支払い認可リクエストメッセージを構成する。支払い認可リクエストメッセージは、認可処理に対し、1以上の支払いネットワークに送信される。トランザクションが認可されると、ウォレット発行者260は、認可コード及び認可応答メッセージを受信し、トークンと共に、適切なトークン発行権限者250bへ送信される。
トークン発行権限者250bは、認可コード及び認可応答を受信すると、受信されたトークンを用いて、処理中のトランザクションレコードを特定し、トランザクションを完了するために、業者108と相互作用するための(「6」における)処理を実行する。例えば、支払いが認可された状況においては、トークン発行権限者250bは、情報を送信し、トランザクションが正しく完了したことを確認することが出来、業者108は、トランザクションレシートを、相互作用の場所において印刷させることが出来る。ウォレット発行者260は、また、トランザクションレシートあるいは他の情報を、携帯装置106に送信させる。
ある状況において、ウォレット発行者260は、ウォレット発行者260が利用できる情報に基づいて、支払い処理ネットワーク280から、支払い認可を取得することが不可能かもしれない。例えば、いくつかの実施形態においては、トークン発行権限者250は、トランザクションに関連した追加的なメタデータ(業者の識別子及び/あるいは、トランザクションの金額)を提供せず、「4」の相互作用に関して、携帯装置102とウォレット発行者260に、追加的なトランザクション情報を提供しなかったかもしれない。その場合には、ウォレット発行者260とトークン発行権限者250の間の更なる通信が要求される実施形態が提供されることが出来る。例えば、いくつかの実施形態において、ウォレット発行者260は、トークンを携帯装置102から取得すると、ウォレット発行者260は、欠けているメタデータ(例えば、業者の識別子及びトランザクションの金額を含む)を取得するために、トークン発行権限者250との通信を確立することが出来る。ウォレット発行者260は、上記のように進行し、支払い処理ネットワーク280から支払い認可を取得することが出来る。
ウォレット発行者260は、ウォレット発行者260が利用できる情報に基づいて、支払い処理ネットワーク280から支払い認可を取得することが不可能な状況についての、更に別の実施形態において、トークン発行権限者250は、支払い認可を取得することが出来る。例えば、いくつかの実施形態において、ウォレット発行者260は、トランザクションで使用する適切な支払い口座証明を特定すると、それらの支払い口座証明を(トークンと共に)トークン発行権限者250に渡し、トークン発行権限者に、ウォレット発行者260から受信される支払い口座証明と共に、処理中のトランザクションレコードからの情報で、支払い認可メッセージを構成可能とする。いずれかの状況において、トランザクションを完了する能力は、携帯装置102とウォレット発行者260に、トークン発行権限者250を特定するのに用いることが出来る情報(URL、URIあるいは、トークンと共に提供される他のデータなどの情報)と共に、トランザクション(トークン)を特定するために用いられる情報を提供することに基づく。
実施形態は、複数のトランザクション管理システムを有するシステムに処理を発生させ、更に、トランザクション管理の異なる側面(ウォレット発行者及びトークン発行など)を実行する複数の主体を有するシステムに処理を発生させ、携帯装置が、どのトランザクション管理システム(あるいは、他の装置あるいは主体)が、各特定のトランザクションについて、関連するトランザクション管理システムと相互作用するために用いるための経路あるいは通信チャネルとして、と共に、と通信するかを容易に、かつ、効率的に特定することを可能とする。
このように、実施形態は、広い様々な異なるトランザクション管理システムと他の主体と装置が、本発明の支払いシステムにおいて使用されることを可能とし、支払いシステムに参加する携帯装置に、どのトランザクションシステム(あるいは、他の装置あるいは主体)と、トランザクションの場所において、取得されたチェックアウトトークンにおいて捕捉された情報に基づいて、本発明に関するトランザクションを完了するために、通信するかを、正しく特定し、判定することを可能とする。
ここの処理の上記説明は、処理ステップを実行する固定順序を示すと考えら得るべきではない。むしろ、処理ステップは、少なくとも幾つかのステップの同時実行を含む、現実的な任意の順序で実行されることが出来る。本発明は、特定の例示的実施形態に関連して説明されるが、当業者に自明な、様々な変更、差し替え、改変が、添付の請求項に記載される本発明の精神と範囲を離れることなく、開示の実施形態になされ得ることは、理解されるべきである。