JP7197091B2 - 破裂火花認識装置、鋼材識別装置、破裂火花認識方法及び破裂火花認識プログラム - Google Patents

破裂火花認識装置、鋼材識別装置、破裂火花認識方法及び破裂火花認識プログラム Download PDF

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Description

本発明は、破裂火花認識装置、鋼材識別装置、破裂火花認識方法及び破裂火花認識プログラムに関する。
鋼の製造工程では、異材を鑑別して排除するために火花試験が広く用いられている。火花試験とは、グラインダを使用して鋼材を研削し、発生する火花の特徴を観察することによって、鋼種の推定又は異材の鑑別を行う試験のことをいい、JIS G 0566に規定されている(例えば、非特許文献1参照)。
従来、火花試験は、鉄鋼材の検査工程等で熟練した経験をもった検査員が目視観察にて官能検査として行われてきた。しかし、個人差や環境の変動によって判定結果がばらついて適正検査結果を得ることが困難であった。また、官能検査の必然性として検査結果が記録できないため、検査技術はもっぱら経験もしくは伝承によるところが大きく、技術改善を評価することが困難であった。
この点、判定結果が個人差や環境の変動に影響される度合いを抑制する技術として、火花試験を装置により自動的に行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1は、鋼材を研削して発生する火花の画像をグレースケールの火花画像に変換する輝度変換処理部と、グレースケールの火花画像の画素毎に所定の閾値で二値化を行う二値化処理部と、二値化された火花画像の所定幅の芯線に対し、複数の角度に相当する複数のテンプレートを、複数のテンプレートの短直線を延長して各々マッチングし、延長した短直線が芯線に収まるテンプレートの種類と位置を記憶する短直線マッチング処理部と、マッチングされたテンプレートが任意の火花画像の範囲において所定の数以上である場合に火花の破裂部とみなして破裂部を抽出し、火花の破裂数及び火花画像内のマッチングされたテンプレートの総数をカウントする破裂部抽出処理部と、火花の破裂数及びマッチングされたテンプレートの総数に基づいて鋼材を識別する鋼材識別処理部とを有し、とりわけ鋼材に含まれる炭素を識別することが可能な鋼材成分識別装置を開示している。
特開2016-099126号公報
日本工業規格、JIS G 0566 鋼の火花試験方法、日本規格協会
上述した特許文献1で開示される技術は、テンプレートが任意の火花画像の範囲において所定の数以上である場合に、火花の破裂部とみなすものである。この技術は、鋼材中の炭素量の確認に有効なものではあるものの、実際の破裂と比較すると、若干の誤差が生じるものであった。
そこで、本発明は、より正確に火花の破裂を認識することが可能な破裂火花認識装置、鋼材識別装置、破裂火花認識方法及び破裂火花認識プログラムを提供することを目的とする。
(1)本開示の一態様は、破裂火花認識装置が、鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類部と、前記流線分類部により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識部と、を備える。
(2) (1)に記載の破裂火花認識装置において、前記破裂認識部は、既に破裂として認識された前記枝流線を除き、前記流線分類部により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識するものであってもよい。
(3) (1)又は(2)に記載の破裂火花認識装置において、前記破裂認識部は、前記規定領域を、前記火花の根本から前記火花の先端に向かうほど大きな領域にするものであってもよい。
(4) (1)から(3)までのいずれかに記載の破裂火花認識装置において、前記破裂認識部は、前記主幹流線に平行する前記枝流線を、前記枝流線の数から除外するものであってもよい。
(5) (1)から(4)までのいずれかに記載の破裂火花認識装置において、前記流線について、複数の角度に相当する短直線を表す複数のテンプレートを用いて前記火花の先端から前記火花の根本に向かって順番にマッチングしながら短直線を連結し、各マッチングした前記短直線が前記流線に収まるテンプレートの種類、位置及び連結関係を記憶するマッチング処理部を備え、前記流線分類部は、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数に基づいて前記分類を行うものであってもよい。
(6) (5)に記載の破裂火花認識装置において、前記流線分類部は、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数が第1の値以上の場合に、前記主幹流線に分類し、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数が前記第1の値未満であって、前記第1の値より小さい第2の値以上の場合に、前記枝流線に分類するものであってもよい。
(7) (1)から(6)までのいずれかに記載の破裂火花認識装置を含む鋼材識別装置が、前記破裂認識部により認識された前記破裂の数と、前記流線分類部により分類された前記主幹流線に係る数とに基づいて前記火花画像全体の破裂密度を算出する破裂密度算出部と、前記破裂密度算出部により算出した前記破裂密度に基づいて前記鋼材内の成分含有量を推定し、前記鋼材を識別する鋼材識別処理部と、を備える。
(8) 本開示の一態様は、鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像から破裂を認識する破裂火花認識方法であって、コンピュータが、前記火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類ステップと、前記流線分類ステップにより前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識ステップと、を含む。
(9) 本開示の一態様は、コンピュータである破裂火花認識装置で実行する破裂火花認識プログラムであって、前記破裂火花認識装置を、鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類手段、及び前記流線分類手段により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識手段として機能させる。
本発明によれば、より正確に火花の破裂を認識することが可能な破裂火花認識装置、鋼材識別装置、破裂火花認識方法及び破裂火花認識プログラムを提供することができる。
本実施形態に係る鋼材識別システムの全体構成図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の機能ブロックを示す図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の画像分析処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る鋼材識別装置で生成される火花画像をグレースケール化した画像の例を示す図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置で用いる十字二値化法を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置で用いる十字二値化法を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置で生成される火花画像を二値化処理した画像の例を示す図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の短直線マッチング処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る鋼材識別装置での基準短直線探索処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置での基準短直線探索処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置での基準短直線探索処理の例を示す図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置での流線分類処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置での流線分類処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置での流線分類処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の破裂認識処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る鋼材識別装置での破裂認識処理を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の探索領域を説明するための図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置の実施例における撮影環境を示す図である。 本実施形態に係る鋼材識別装置を用いて各方法にて算出した破裂密度の相関係数を比較した図である。 鋼材の炭素含有量と新旧の手法によって実測した破裂密度とを比較したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
〔鋼材識別システム100〕
図1は、本実施形態に係る鋼材識別システム100の全体構成図である。
図2は、本実施形態に係る鋼材識別装置1の機能ブロックを示す図である。
図1に示す鋼材識別システム100は、検査対象の鋼材BとグラインダCとが接触して発生した火花を撮像するカメラ5と、カメラ5で撮像された火花画像に対する画像処理を行う鋼材識別装置1とを備える。
まず、鋼材識別システム100の前提事項について説明する。
鋼材識別システム100において、定量的な鋼材分類を行うためには、同種の鋼材の火花に差異が発生しないよう、常に同条件で火花を発生させることが好ましい。そこで、鋼材識別システム100では、モータ(不図示)によって発生したトルク回転力を直線運動に変換し、グラインダCに鋼材Bを押し当てる機構を採用している。モータは、出力トルクを制御できるトルクモータを採用し、一定の力で、一定の位置で、かつ、一定の角度での鋼材Bの押し当てを可能とした。
鋼材識別システム100での撮影環境は、周囲が薄暗い環境の中、明るい火花を撮影するという特殊な環境である。そのため、カメラ5は、シャッタースピードや絞り等をマニュアルで設定できるものが好ましい。また、鋼材BがグラインダCに削られることにより、鋼材BとグラインダCの接触面積が増加して、押し当て圧が下がり火花の発生が時間変化するという問題がある。そこで、鋼材識別システム100では、火花の発生の時間変化の影響を低減するために、短時間で高速の連続撮影が可能なカメラ5を用いる。
同様に、時間経過による火花の変化を避けるため、カメラ5は、撮影時間を短くすることが好ましい(例えば1.0秒以下)。また、画像で確認できる火花の線(以降の説明において、「流線」ともいう。)の長さや破裂の数は、カメラ5のシャッタースピードに依存し変化する。このため、鋼材識別システム100のカメラ5では、解析に適するシャッタースピードの選定(例えば、1/160s等)をした上で、撮影を行うことが好ましい。
なお、鋼材識別システム100の詳細については、後述の実施例で記載する。
以下の説明においては、例として、DITECT社製のカメラHAS-L2を用いて30fpsで撮像し、解像度が2592×2048pixelの画像を50枚用いて解析したケースにおける数値を用いることがある。しかし、本発明は、これに限定されるものではない。
〔鋼材識別装置1〕
鋼材識別装置1は、カメラ5が撮影した火花画像から破裂を認識し、認識した破裂の数を用いて鋼材Bの成分含有量を推定する。
鋼材識別装置1は、例えば、サーバである。鋼材識別装置1は、1台のサーバに限定されるものではなく、複数台のサーバによって構成されるものであってもよい。また、鋼材識別装置1は、その他、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
鋼材識別装置1は、以下に説明する処理を行うことにより、火花画像に対する画像処理を行って、鋼材の火花の定量化を行う。
図2に示すように、鋼材識別装置1は、演算処理を行うCPU10と、データのワークエリアであるRAM21と、CPU10の制御プログラム等を記憶するROM22とを備える。
CPU10は、ROM22に格納された制御プログラムを読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、制御プログラムにしたがって各種機能を実行する。
CPU10は、画像取込処理部11と、輝度変換処理部12と、二値化処理部13と、短直線マッチング処理部14と、流線分類部15と、破裂認識部16と、破裂密度算出部17と、鋼材識別処理部18とを備える。
画像取込処理部11は、カメラ5により撮像された火花画像を、カラー画像としてRAM21に取り込む。
輝度変換処理部12は、画像取込処理部11が取り込んだ火花画像の各画素の輝度を変換処理して、画像を輝度値のみのグレースケール画像に変換し、変換後の火花画像をRAM21に格納する。
二値化処理部13は、輝度変換処理部12による変換後の火花画像に対して二値化処理を実行し、二値化処理後の火花画像をRAM21に格納する。
短直線マッチング処理部14は、二値化処理部13による二値化処理後の火花画像に対して、短直線マッチング処理を行う。
流線分類部15は、短直線マッチング処理部14による短直線マッチング処理を行った後の短直線の数により表される流線の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とに分類する。
破裂認識部16は、流線分類部15により主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する。
なお、破裂火花認識装置として、短直線マッチング処理部14と、流線分類部15と、破裂認識部16との機能を実現することも可能である。そして、破裂火花認識装置は、本実施形態のように、鋼材識別装置1に含まれてもよいし、鋼材識別装置1とは別のコンピュータによって実現されてもよい。
破裂密度算出部17は、破裂認識部16により認識された破裂の数と、流線分類部15により分類された主幹流線に係る数とに基づいて、火花画像全体の破裂密度を算出する。
鋼材識別処理部18は、破裂密度算出部17により算出した破裂密度に基づいて鋼材B内の成分含有量を推定し、鋼材Bを識別する。
ROM22は、画像取込処理部11と、輝度変換処理部12と、二値化処理部13と、短直線マッチング処理部14と、流線分類部15と、破裂認識部16と、破裂密度算出部17と、鋼材識別処理部18とを実現する制御プログラムとして、鋼材識別プログラムを含む。なお、CPU10が実行する機能部ごとのプログラムを有してもよいし、例えば、短直線マッチング処理部14と、流線分類部15と、破裂認識部16とを実現する制御プログラムとして、破裂火花認識プログラムを有してもよい。
〔処理の説明〕
次に、鋼材識別装置1における処理について、フローチャートに基づき説明する。
図3は、本実施形態に係る鋼材識別装置1の画像分析処理を示すフローチャートである。
図3のステップS(以下、「ステップS」を単に「S」という。)1において、鋼材識別装置1の画像取込処理部11は、カメラ5が撮影した火花画像を、カラー画像としてRAM21に取り込む。ここで、鋼材識別装置1は、無線LAN等の通信ネットワークを介してカメラ5から火花画像を受信してもよい。また、鋼材識別装置1は、記憶媒体を介してカメラ5が撮影した火花画像を受け付けてもよい。
S2において、輝度変換処理部12は、RAM21に取り込んだ火花画像の各画素の輝度を変換処理して、画像を輝度値のみのグレースケール画像に変換し、変換後の火花画像をRAM21に格納する。
図4は、火花画像をグレースケール化した画像31の例である。画像31により、火花画像は、複数の火花の線(流線)を含むことがわかる。本実施形態では、火花画像中の各画素のRGB値を、所定の変換式によってYIQ表示系の輝度値Yへ変換している。所定の変換式として、例えば、以下の式を用いることが可能である。
Figure 0007197091000001
なお、後述するが、カラー画像からグレースケール画像に変換するための方法は、これに限定されるものではない。
図3のS3において、二値化処理部13は、RAM21に格納したグレースケール化した火花画像に対して二値化処理を実行し、変換後の火花画像をRAM21に格納する。
本実施形態では、二値化処理の対象となる画素毎に、所定の閾値で二値化処理を行う。二値化を行うことにより流線がより明瞭になる。本実施形態では、抽出対象が火花のような線状の場合に適している十字二値化を用いる。
図5A及び図5Bは、二値化処理部13が実行する十字二値化法を説明する図である。十字二値化法は、十字内の中心画素以外の画素の平均輝度値Xから十字の中心画素の輝度値Yを引き、その値が設定した閾値よりも大きい場合に、十字の中心画素を黒とし(図5A)、そうでなければ白とする(図5B)手法である。さらに、今回は火花を黒画素とするため、十字二値化画像の白黒の出力を反転させている。図6に、画像31に対して十字二値化して白黒反転させた画像32の例を示す。
図3のS4において、短直線マッチング処理部14は、火花画像の短直線マッチング処理を行う。
ここで、短直線マッチング処理部14による処理について、図7に示すフローチャートに基づき説明する。
〔短直線マッチング処理〕
図7は、本実施形態に係る鋼材識別装置1の短直線マッチング処理を示すフローチャートである。
以下に説明する短直線マッチング処理は、火花画像に含まれる流線を認識して記録するための処理である。
図7のS11において、短直線マッチング処理部14は、基準短直線探索処理を行う。
図8に示すように、短直線マッチング処理部14は、二値化処理された画像に含まれる1つの流線Rについて、流線R内で、座標を(x,y)とする任意の黒画素を、基準短直線Ls(短直線)の開始点(始点)とする。この座標(x,y)の黒画素は、既に求めた基準短直線Lsから与えられた黒画素でもよく、流線R内の画素を順番に探すことにより検知された黒画素でもよい。図8に示す例では、火花の線の先端に座標(x,y)が設定されている。
ここで、短直線マッチング処理部14は、座標を(x’,y’)=(x+L×sinθ,y+L×cosθ)(ただし、1≦L≦15、Lは整数)とする領域を、θを5度刻みとしながら探索する。そして、短直線マッチング処理部14は、(x,y)から(x’,y’)までの間に、10pix/15pix(66%)以上、黒画素が存在すれば、(x,y)から(x’,y’)までを基準短直線Lsとして設定する。
そして、図9に示すように、短直線マッチング処理部14は、上記の処理で求めた基準短直線Lsの先端を新たな開始点として、流線Rの終点(火花の根本方向)に向かって基準短直線探索処理を繰り返す。
この短直線マッチング処理部14による処理は、具体的には、予め角度の異なる短直線を表す複数のテンプレートを用意して行うことができる。
特許文献1に開示されているものは、28方向の角度(6.5度毎)に相当し、長さが10pixelの短直線を表すテンプレートを用いている。今回、本実施形態では、精度を向上させるべく、上述した条件に合致する、5度毎に相当し、長さを15pixelとする37方向のテンプレートを用いた。
なお、短直線マッチング処理部14は、短直線が複数存在する場合には、最も多く黒画素がマッチングした短直線を基準短直線Lsとする。
また、黒画素の数が同数の短直線が複数存在する場合には、短直線マッチング処理部14は、各テンプレートの短直線を延長し、各テンプレートに含まれる画素のうち一致する流線Rの画素数が最多のテンプレートに対応する短直線を基準短直線Lsとする。
さらに、各テンプレートの短直線を延長し、各テンプレートに含まれる画素のうち一致する流線Rの画素数が最多のテンプレートが複数ある場合には、短直線マッチング処理部14は、角度θが最も大きな直線を、基準短直線Lsとする。
そして、短直線マッチング処理部14は、マッチングしたテンプレートの種類(パターン番号)と位置とを、RAM21に格納する。また、短直線マッチング処理部14は、流線Rについての連結関係を示すものとして、1つの流線Rを構成する連結された1以上の基準短直線Lsに一意となる同一のIDを付与して、RAM21に格納する。なお、テンプレートの種類には、角度情報が含まれる。
このように、テンプレートを用いた短直線マッチング処理では、角度の異なる複数のテンプレートが合致した場合、その短直線を仮想的に延長し、より合致するものを基準短直線Lsとして選択することができる。こうすることで、CPU10は、より正確な流線Rの角度を得ることができる。
図10は、流線Rについて、短直線マッチング処理部14によって基準短直線Lsをマッチングさせていく態様を示す。
図10(A)は、短直線マッチング処理部14による処理を行う前の流線Rである。
図10(B)は、短直線マッチング処理部14による処理を繰り返し行っている途中の状態を示し、3つの基準短直線Lsを設定した流線Rである。ここで、短直線マッチング処理部14は、マッチングした基準短直線Lsを順番に連結させることで、基準短直線Lsをつなげていく。
図10(C)は、短直線マッチング処理部14による処理後の流線Rである。この図10に示す流線Rは、5つの基準短直線Lsによって構成されていることが分かる。
この図7のS11の処理によって、各流線Rの長さを、基準短直線Lsの数によって算出できる。
〔流線分類処理〕
次に、流線Rについて、短直線マッチング処理部14によるマッチング後の処理について説明する。
図7のS12からS15までの処理は、流線Rを分類するための流線分類処理である。
流線分類部15は、流線Rを、マッチングした基準短直線Lsの数(以降、マッチングした基準短直線Lsの数を、単に「マッチング数」ともいう。)に応じて、主幹流線と、枝流線と、それ以外との3つに分類する。本実施形態では、例えば、マッチング数が7以上の場合に、主幹流線とする。図11Aに示す流線R1は、マッチング数の数が8であるため、主幹流線に分類される。また、マッチング数が2以上7未満の場合に、枝流線とする。図11Bに示す流線R2は、マッチング数が5であるため、枝流線に分類される。さらに、マッチング数が2未満の場合には、主幹流線でも枝流線でもないとする。図11Cに示す流線R3は、マッチング数が1であるため、主幹流線にも枝流線にも分類されない。
図7のS12において、流線分類部15は、基準短直線探索処理によって探索をした流線Rに含まれるマッチング数がN(第1の値;例えば、7)以上であるか否かを判断する。マッチング数がN以上である場合(S12:YES)には、流線分類部15は、処理をS13に移す。他方、マッチング数がN以上ではない場合(S12:NO)には、流線分類部15は、処理をS14に移す。
S13において、流線分類部15は、当該流線Rを主幹流線に分類して、RAM21に格納する。その後、流線分類部15は、処理をS16に移す。
S14において、流線分類部15は、マッチング数がM(第2の値;例えば、2)以上であるか否かを判断する。マッチング数がM以上である場合(S13:YES)には、流線分類部15は、処理をS15に移す。他方、マッチング数がM以上ではない場合(S13:NO)には、流線分類部15は、処理をS16に移す。
S15において、流線分類部15は、当該流線Rを枝流線に分類して、RAM21に格納する。
なお、上述した例では、Nを7とし、Mを2としているが、NとMとには、NがMよりも大きい適宜の整数を設定してよい。
S16において、短直線マッチング処理部14は、画像中の全ての黒画素に対して処理をしたか否かを判断する。全ての黒画素に対して処理をした場合(S16:YES)には、短直線マッチング処理部14は、処理を図3のS5に移す。他方、全ての黒画素に対して処理をしていない場合(S16:NO)には、短直線マッチング処理部14は、処理をS11に移す。
図3のS5において、破裂認識部16は、破裂認識処理を行う。
ここで、破裂認識部16による処理について、図12に示すフローチャートに基づき説明する。
〔破裂認識処理〕
図12は、本実施形態に係る鋼材識別装置1の破裂認識処理を示すフローチャートである。
以下に説明する破裂認識処理は、主幹流線に基づいて破裂を認識して記録するための破裂認識処理である。
図12のS21において、破裂認識部16は、画像の左上の座標を、例えば、(0,0)として横方向Xに順番に画像を走査し、右側に到達したら高さ方向Y(下方向)に走査して、主幹流線を探索する。
図13(A)は、画像を左上から順番に走査して、主幹流線Rmを探索している態様を示す。
図12のS22において、破裂認識部16は、主幹流線Rmを見つけたか否かを判断する。主幹流線Rmを見つけた場合(S22:YES)には、破裂認識部16は、処理をS23に移す。主幹流線Rmを見つけていない場合(S22:NO)には、破裂認識部16は、処理をS26に移す。
S23において、破裂認識部16は、主幹流線Rmを見つけた位置を基準点とし、基準点を中心とした探索領域E(規定領域)を探索範囲として、探索範囲に少なくとも部分的に含む枝流線RbがK(Kは、所定数であり、任意の整数)本以上あるか否かを判断する。
図13(B)は、主幹流線Rmを見つけた際に、探索領域Eを設定した態様を示す。
ここで、探索領域Eは、図14に示すように、基準点(x,y)を中心とした矩形であり、火花の先端部分である方が、火花の根本部分よりも大きさが大きいものとする。
探索領域Eの一辺の長さLeは、以下の式により設定する。
Figure 0007197091000002
但し、widthは、画像横幅(x方向)であり、maxは、探索範囲最大値であり、minは、探索範囲最小値である。そして、例えば、max=40pix、min=20pixである。
上記の式に当てはめれば、x=0の場合には、長さLeがmaxになり、x=widthの場合には、長さLeがminになる。
このように、火花の先端部分と、火花の根本部分とで探索範囲を異なるものにするのは、火花の先端部ほど、火花の広がりが大きくなるため、探索範囲を広げる必要があるためである。
ここで、破裂認識部16は、探索範囲に含まれる枝流線Rbのうち、座標(x,y)における主幹流線Rmと平行な枝流線Rbは、カウントから除外する。これは、破裂として認識される枝流線Rbは、主幹流線Rmと平行にはならないという原則による。主幹流線Rmと平行な枝流線Rbがある場合には、これは、他の主幹流線Rmの枝流線Rbである可能性が高い。
主幹流線Rmと平行な枝流線Rbであるとは、例えば、枝流線Rbを構成する短直線のテンプレートが、主幹流線Rmを構成する短直線のテンプレートと同じテンプレートである場合をいう。また、主幹流線Rmを構成する短直線のテンプレートに対して前後1つのテンプレートのいずれかを、枝流線Rbを構成する短直線のテンプレートが有している場合にも、主幹流線Rmと平行な枝流線Rbであるとする。
また、破裂認識部16は、既に破裂として認識された枝流線Rbは、カウントから除外する。これは、既に破裂として認識された枝流線Rbをカウントすると、1つの枝流線Rbが複数の主幹流線Rmでカウントされることになり、破裂を正確に認識できないためである。
探索範囲に枝流線RbがK本以上ある場合(S23:YES)には、破裂認識部16は、処理をS24に移す。他方、探索範囲に枝流線RbがK本以上ない場合(S23:NO)には、破裂認識部16は、処理をS26に移す。
例えば、Kを3とすると、図13に示す例では、図13(B)において、探索領域Eには、枝流線Rbが1本もない。よって、破裂認識部16は、探索範囲に枝流線Rbが3本以上ないとして、処理をS26に移す。他方、図13(C)において、探索領域Eには、枝流線Rbが3本ある。よって、破裂認識部16は、探索範囲に枝流線Rbが3本以上あるとして、処理をS24に移し、破裂を認識することになる。
S24において、破裂認識部16は、破裂と認識し、RAM21に破裂番号を含む破裂情報を格納する。
S25において、破裂認識部16は、画像から探索範囲に少なくとも一部が含まれる枝流線Rbを消去する。この処理は、上述したように、枝流線Rbを1つの破裂の要素としてのみ用い、複数回カウントされないようにするためである。
S26において、破裂認識部16は、画像内を全て探索したか否かを判断する。画像内を全て探索した場合(S26:YES)には、CPU10は、処理を図3のS6に移す。他方、画像内を全て探索していない場合(S26:NO)には、CPU10は、処理をS21に移す。
図3のS6において、破裂密度算出部17は、火花の破裂密度の算出を行い、算出した破裂密度の数値により、鋼材中の炭素量を確認する。
ここで、破裂密度は、以下の式により算出される。
Figure 0007197091000003
なお、本発明者らは、分母とした主幹流線Rmを構成する基準短直線Lsの総数(以下、主幹短直線数ともいう。)を、他の主幹流線Rmに係る数に代えて破裂密度を算出した。しかし、上記の式で表される主幹短直線数を用いるのが、最も適切であり、つまり、破裂密度をより正確に表すものであった。
図3のS7において、鋼材識別処理部18は、火花の破裂密度から鋼材中の炭素量を推定し、鋼材種類の認識を行う。
本実施形態では、テンプレートでマッチングされた主幹短直線数と、破裂の総数とに基づいて、鋼材の種類を定量的に分類することが可能となる。これが、破裂の総数/主幹短直線数で定義した破裂密度の技術的意味となる。
また、火花の形態は、立体的かつ「発生」、「成長」、「破裂」及び「消滅」の動的かつ不安定な形態変化を伴うものであるため、火花の根本部、中央部、及び、先端部の各部において火花の明度や密度等の特性には相違が生じる。そこで、本実施形態では、複数の火花画像から各々破裂密度を算出し、それらを平均した平均破裂密度を鋼材中の炭素量の確認に使用する。これにより、1枚の火花画像から求めた破裂密度のみで炭素量を確認した場合と比較して、予測の誤差を小さくすることが可能となる。
また、RAM21には、予め実測した、破裂密度、炭素量、及び、鋼種の関係がデータベースとして格納されている。鋼材識別処理部18は、このデータベースを参照して、上記算出された破裂密度から測定対象の鋼材の鋼種を識別する。
〔実施例:撮影環境〕
図15は、実施例における撮影環境を示す図である。カメラ5としては、DITECT社製のHAS-L2を用い、鋼材BとグラインダCとの接触点から600mmの距離に設置した。
また、カメラ5によって、鋼材Bの軸線から側方に110mm~480(=110+370)mmの範囲における、鋼材Bを研削して発生する火花の画像を、30fpsで撮像する。撮像した火花画像の解析度は、上下方向が2048pixelで左右方向が2592pixelである。解析時には、画像を50枚用いると共に、各火花画像の上側及び下側を各1/4と、左右方向の火花の根本側を1/10と、火花の先端側を1/4とをそれぞれカットして、火花以外の不要な部分を取り除いた。
画像の取得方法としては、複数枚の火花画像を取得する場合には所定の時間間隔で取得したり、火花発生後から所定の時間を経過した後に連続して複数枚の火花画像を取得したりする等の手法を用いればよい。
〔実施例:グレースケール化及び破裂密度の算出〕
この実施例では、RGBからグレースケールへの変換方法として、以下の3つの方法を行った。
1つ目は、火花画像中の各画素のRGB値を用いて、所定の変換式によってYIQ表色系の輝度値Yへ変換したものである(図16(A))。この方法は、上述したとおり、一般的なグレースケールの手法である。
2つ目は、火花画像中の各画素のRGB値を、所定の変換式によってXYZ表色系の輝度値Yへ変換したものである(図16(B))。ここで、所定の変換式としては、下記の式を用いた。
Figure 0007197091000004
3つ目は、火花画像中の各画素のRGB値を、RGB値の最大値にしてHSV表色系のV(明度)値に変換したものである(図16(C))。
また、各方法でグレースケール化した画像から二値化処理を行った画像を用いて、火花の破裂を認識し、破裂密度を算出した。その際、破裂の総数に対して除算する分母を、図16(1)に示す全ての短直線数と、(2)に示す主幹短直線数と、(3)に示す主幹流線Rmの総本数にして、破裂密度を算出した。
図16に示す表は、火花画像を上述の3つの方法でグレースケール化したものについて、各々上述の3つのパターンによる破裂密度を算出した場合の破裂密度の相関係数を比較したものである。
この結果によれば、グレースケール化については、(B)に示すXYZのYに関するものが若干良い値が算出されたが、(A)に示す輝度値(YIQのY)を用いるものとの差は殆どない。また、破裂密度の算出式の分母としては、(2)の主幹短直線数が良い値が算出された。
図17は、鋼材の炭素含有量と新旧の手法によって実測した破裂密度とを比較したグラフである。ここで、特許文献1に記載の手法によって算出した破裂密度を、旧プログラムといい、上述した手法のうち、YIQの輝度値によりグレースケール化し、破裂密度を算出するための分母を主幹短直線数にしたもの(図16の(A)(2)の場合)を新プログラムという。
グラフには旧プログラムと新プログラムそれぞれについて、鋼材別の平均破裂密度を算出した。図17からは、炭素量と破裂密度には相関があり、どれも炭素量にほぼ比例して破裂密度が増加していることから、鋼材の種類を定量的に分類することが可能であることがわかる。
また、旧プログラムの相関係数は、0.9184であった。この結果より、今回の手法の方が、相関係数が大きいものになり、より精度が高くなったことが分かった。
以上説明したように、本実施形態の鋼材識別装置1及びその方法によれば、以下のような効果がある。
(1)二値化後の火花画像に含む各流線Rを、流線Rの長さに応じて主幹流線Rmと、枝流線Rbとに分類し、主幹流線Rmに分類された線上の任意の点を中心にした探索領域Eに少なくとも一部を含む枝流線Rbの数がK以上の場合に、破裂として認識するようにした。よって、主幹流線Rmと、枝流線Rbとに基づいて、破裂をより正確に認識できる。
(2)探索領域Eに少なくとも一部を含む枝流線Rbから、既に破裂として認識された枝流線Rbを除いて破裂を認識するので、枝流線Rbを重複して用いることがない。よって、実際の破裂に合った方法で破裂を認識できる。
(3)探索領域Eを、火花の根本から火花の先端に向かうほど大きな領域にする。よって、先端に行くほど、火花の広がりが大きくなる火花の特性に合った探索領域Eにすることができ、効率良く破裂を認識できる。
(4)探索領域Eに少なくとも一部を含む枝流線Rbが、主幹流線Rmに平行する場合に、その枝流線Rbを除いて破裂を認識するので、主幹流線Rmから生じないと思われる枝流線Rbを除外できる。よって、実際の破裂に合った方法で破裂を認識できる。
(5)複数の角度に相当する短直線を表す複数のテンプレートを用いて、流線Rをマッチングするので、テンプレートを用いたマッチングによって、処理の効率化を図ることができる。また、マッチング数に基づいて、主幹流線Rmと枝流線Rbとを分類するので、主幹流線Rmと枝流線Rbとの分類を、簡単に行うことができる。
(6)認識した破裂の数と、主幹短直線数とによって、破裂密度を算出し、算出した破裂密度に基づいて鋼材B内の成分含有量を推定することで、鋼材Bを識別する。この方法を用いて認識した破裂数を処理した「破裂密度」が、鋼材の成分、特に炭素量との相関が高いことから、鋼材Bの成分評価を、定量的かつ容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)本実施形態では、火花画像についてカット処理を行ったものを用いたが、これに限定されない。処理能力の高いコンピュータを用いれば、カット処理を行う必要がない。
(2)本実施形態においては、火花先端から根本に向かってマッチングをしたが、これに限定されるものではなく、火花根本から先端に向かってマッチングしてもよい。
1 鋼材識別装置
5 カメラ
10 CPU
14 短直線マッチング処理部
15 流線分類部
16 破裂認識部
17 破裂密度算出部
18 鋼材識別処理部
21 RAM
22 ROM
100 鋼材識別システム
B 鋼材
C グラインダ
E 探索領域
R,R1,R2 流線
Rm 主幹流線
Rb 枝流線

Claims (9)

  1. 鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類部と、
    前記流線分類部により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識部と、
    を備える破裂火花認識装置。
  2. 請求項1に記載の破裂火花認識装置において、
    前記破裂認識部は、既に破裂として認識された前記枝流線を除き、前記流線分類部により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂火花認識装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の破裂火花認識装置において、
    前記破裂認識部は、前記規定領域を、前記火花の根本から前記火花の先端に向かうほど大きな領域にする破裂火花認識装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の破裂火花認識装置において、
    前記破裂認識部は、前記主幹流線に平行する前記枝流線を、前記枝流線の数から除外する破裂火花認識装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の破裂火花認識装置において、
    前記流線について、複数の角度に相当する短直線を表す複数のテンプレートを用いて前記火花の先端から前記火花の根本に向かって順番にマッチングしながら短直線を連結し、各マッチングした前記短直線が前記流線に収まるテンプレートの種類、位置及び連結関係を記憶するマッチング処理部を備え、
    前記流線分類部は、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数に基づいて前記分類を行う破裂火花認識装置。
  6. 請求項5に記載の破裂火花認識装置において、
    前記流線分類部は、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数が第1の値以上の場合に、前記主幹流線に分類し、前記マッチング処理部によりマッチングした前記短直線の数が前記第1の値未満であって、前記第1の値より小さい第2の値以上の場合に、前記枝流線に分類する破裂火花認識装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の破裂火花認識装置を含む鋼材識別装置であって、
    前記破裂認識部により認識された前記破裂の数と、前記流線分類部により分類された前記主幹流線に係る数とに基づいて前記火花画像全体の破裂密度を算出する破裂密度算出部と、
    前記破裂密度算出部により算出した前記破裂密度に基づいて前記鋼材内の成分含有量を推定し、前記鋼材を識別する鋼材識別処理部と、
    を備える鋼材識別装置。
  8. 鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像から破裂を認識する破裂火花認識方法であって、
    コンピュータが、
    前記火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類ステップと、
    前記流線分類ステップにより前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識ステップと、
    を含む破裂火花認識方法。
  9. コンピュータである破裂火花認識装置で実行する破裂火花認識プログラムであって、
    前記破裂火花認識装置を、
    鋼材を研削して発生する火花の画像である火花画像に含まれる複数の流線の各々の長さに基づいて、主幹流線と、枝流線とを分類する流線分類手段、及び
    前記流線分類手段により前記主幹流線に分類された線上の任意の点を中心にした規定領域に少なくとも一部を含む前記枝流線の数が所定数以上の場合に、破裂として認識する破裂認識手段
    として機能させるための破裂火花認識プログラム。
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