JP7196501B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の部材を用いて形成され、内容物を包んで収容するための包装体に関する。
従来、段ボール等の厚紙で形成された包装箱が用いられている。このような包装箱としては、様々な形態のものが存在する。例えば、四角筒状の周壁の下端に底壁を連設した外箱と、その外箱に嵌め込まれる内面に耐水加工を施した内箱とから成り、切花用に特に適した形態の包装箱(特許文献1参照)や、斬新な形態で持ち易く、広告機能を大にし、内容物の取り出しを安定、容易にするため、台形状壁面を交互に上下を逆とした4面を連結して周壁面を形成し、隣接する台形状壁面の2面の各底辺に各台形状壁面の上辺と底辺とから形成される開口部に係合する開閉可能な紙容器(特許文献2参照)も提案されている。
実開平4-86715号公報 実開平6-72829号公報
しかしながら、上記従来の技術では、複数の内容物を収容し、包装体の見映えを保ちつつ、各内容物を容易に取り出すことが、十分に行われていない。
そこで、本発明は、複数の内容物を収容し、包装体の見映えを保ちつつ、各内容物を容易に取り出すことが可能な包装体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、
4つの収容部と、各前記収容部を連結するための底部と、を備えた包装体であって、
各前記収容部は、三角形状の収容部第1側部、収容部第2側部、収容部第3側部、収容部底部を有し、
前記収容部底部、前記収容部第1側部、前記収容部第2側部、前記収容部第3側部は折線により連接されて三角錐の各面を構成し、
前記収容部第1側部と前記収容部底部を連接する連接辺に沿った切り込みを有し、
前記4つの収容部のうち少なくとも1つの収容部には、前記収容部第1側部と前記収容部第2側部を連接する連接辺に沿った切り込みを有し、
前記底部の4つの辺には、各前記収容部と連結するための凸部である連結部を有し、
前記底部の前記連結部が前記収容部の前記切り込みで形成された開口に挿入されることにより、前記底部と4つの前記収容部が連結されてなることを特徴とする包装体を提供する。
また、本発明の包装体は、
前記4つの収容部は、全て同一の形状であることを特徴とする。
また、本発明の包装体は、
互いに同一の所定の形状である4つの蓋側部を有し、4つの蓋側部は折線により連接されて四角錐の各側面を構成する蓋部をさらに有し、
前記蓋部には、前記4つの蓋側部のうち少なくとも1つの蓋側部に連接された差込片が形成されており、
前記4つの蓋側部が共有する頂点である蓋部頂部が、前記収容部第1側部、収容部第2側部、収容部第3側部が共有する収容部頂部と重なるように、前記収容部頂部が、前記蓋部により覆われてなることを特徴とする。
また、本発明の包装体は、
前記所定の形状は、他の蓋側部と連接する2つの連接辺のうち、一方の連接辺の端部から他方の連接辺に向けて前記蓋部頂部からの距離が小さくなるような円弧状の曲線を有する形状であることを特徴とする。
また、本発明の包装体は、
前記蓋部において隣接する蓋側部を連接する連接辺における当該隣接する蓋側部を連接する部分の長さの、前記収容部において収容部第1側部と収容部第2側部を連接する連接辺の長さに対する比率は、1/4以上9/10以下であることを特徴とする。
また、本発明の包装体は、
前記収容部第2側部および前記収容部第3側部には、三角錐形状の頂部と底面の一部である底辺を結ぶ方向と交差する方向に、前記収容部第2側部および前記収容部第3側部を分離するための切り取り部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、複数の内容物を収容し、包装体の見映えを保ちつつ、各内容物を容易に取り出すことが可能となる。
本発明の一実施形態に係る包装体における底部の平面図である。 本発明の一実施形態に係る包装体における収容部の展開図である。 底部10と収容部20の連結の様子を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装体の本体部の製造時における斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装体における本体部において、各収容部頂部を互いに近付けた状態の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装体における蓋部の展開図である。 本発明の一実施形態に係る包装体における蓋部の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る包装体における本体部に蓋部を被せた状態を示す斜視図である。 全ての収容部20a~20dが開封された状態を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
<1.包装体の構成>
<1.1.本体部の構成>
図1は本発明の一実施形態に係る包装体の底部の平面図である。図2は本発明の一実施形態に係る包装体の収容部の展開図である。図3は本発明の一実施形態に係る本体部の製造時における斜視図である。本実施形態に係る包装体は、本体部と蓋部により構成されている。まず、本体部について説明する。本体部は、底部と収容部により構成されている。
図1に示すように、底部10には、4つの連結部12a~12dが連接された状態となっている。底部部材は、1枚のシートから必要部分が打ち抜かれて、図1に示すような構成、すなわち底部10と連結部12a~12dが連接された構成で取得される。
本実施形態では、図1に示すように、底部10は略正方形状であり、4隅が円弧状に丸みを帯びている。ここで、「略正方形状」としているのは、4隅が丸みを帯びており、正確には角を有していないためである。4隅が丸みを帯びておらず、直角な正方形状であってもよい。また、美感が最も高いのは、略正方形状の場合であるが、正方形に限定されず、長方形その他の四角形であってもよい。本実施形態では、4隅の円弧状の部分の曲率半径を4mm(4R)としている。また、4つの連結部12a~12dはそれぞれ4つの連接辺11a~11dにより底部10に連接されている。連接辺11a~11dは、略四角形状の底部10の4辺である。
連結部12a~12dの4つの連結部は、底部10に対して対称に配置されている。4つの連結部12a~12dは、互いに同一の形状である。そのため、その詳細については、代表して連結部12aについて説明する。各連結部12を構成する要素も末尾のアルファベットa~dが異なるだけであり、同一の形状である。
図1に示すように、連結部12aは、連接辺11aの連接部分から両側に広がり、2つの突出部14a、14a間において最も広幅となり、そこから外方に向かって徐々に幅を狭くして外端部15aに達する形状となっている。外端部15aは、連接辺11aと平行な直線状の線分である。外端部15aの両端の端部13a、13aと、突出部14a、14aはいずれも円弧状に丸みを帯びている。端部13a、13aと、突出部14a、14aは、丸みを帯びずに直線状の線分同士により形成される角を形成していてもよい。本実施形態では、端部13aの円弧状の部分の曲率半径を5mm(5R)、突出部14aの円弧状の部分の曲率半径を0.7mm(0.7R)としている。連結部12aは、後述の収容部20の切り込みSで形成される開口に差し込むことにより、底部10と収容部20を連結するためのものである。したがって、切り込みSで形成される開口から簡単には抜けないが、脱着可能な構造とする必要がある。そのため、突出部14a、14a間の距離は、切り込みSの長さと略同一とすることが好ましい。図1に示すように、本実施形態では、連結部12aは、略六角形状の凸部であるが、切り込みSで形成される開口に差し込み、簡単には抜けず、脱着可能な構造であれば、この形状に限定されない。
収容部20は、1つの底部10に対して4つ連結される。具体的には、底部10に形成された4つの連結部12それぞれを用いて連結される。4つの連結部12が底部10に対して対称に形成されているため、収容部20a~20dの4つの収容部は、底部10に対して対称に連結されることになる。4つの収容部20a~20dは、互いに同一の形状であるため、その詳細については、代表して収容部20aを用いて説明する。各収容部20を構成する要素も末尾のアルファベットa~dが異なるだけであり、同一の形状である。
図2に示すように、収容部20aは、収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23a、収容部底部24aを備えている。収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23a、収容部底部24aは、それぞれ連接辺31a、32a、33aにより連接されている。収容部第1側部21aは、連接辺33aを底辺とし、他の2辺を二等辺とする二等辺三角形状をしている。収容部第2側部22aと収容部第3側部23aは互いに合同な三角形状をしている。収容部第2側部22aは、収容部第1側部21aと連接辺31aを共有しており、収容部第3側部23aと連接辺32aを共有している。なお、収容部第2側部22aには、捨て罫35aが形成されている。この捨て罫35aは、通常の収容部の製造工程では、必要とされないが、通常の製造工程と異なる製造工程においては、有益となるものである。この捨て罫35aについては別途後述する。
収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23a、収容部底部24aの4つの面により収容部20aは三角錐形状となるように構成される。収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23aは、1つの頂点である収容部頂部29aを共有している。三角錐形状となる収容部20aにおいて、収容部底部24aと収容部頂部29aが対向している。製造後の収容部20aにおいては、収容部底部24aが三角錐形状の底面となり、収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23aが3つの側面となって収容部頂部29aを共有する。
収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部第3側部23a、収容部底部24aのうち、最大の面積となるのは、収容部第1側部21aであり、最小の面積となるのは、収容部底部24aである。収容部第2側部22aと収容部第3側部23aは、互いに合同であるので、面積は等しい。最大の面積である収容部第1側部21aは、後に三角錐形状の4つの収容部を合わせて全体の外形を四角錐形状としたときに、四角錐形状の側面となる面である。
収容部20aを製造するためには、接着を行う必要があり、そのための糊しろとなる接着部が形成されている。収容部第3側部23aを収容部第1側部21aに接着するための接着部25aは、収容部第3側部23aに連接されている。収容部底部24aを収容部第2側部22aに接するように差し込むための差込片26aと、収容部底部24aを収容部第3側部23aに接するように差し込むための差込片27aは、それぞれ収容部底部24aに連接されている。
また、収容部第2側部22a、収容部第3側部23a、接着部25aには、切り取り部Kが形成されている。切り取り部Kは、収容部20aの一部を切り取り、収容部20aから内容物を取り出すために収容部20aに開口を形成するための部分である。切り取り部Kとしては、収容部底部24aの一部を切り取り可能にする構造であれば、どのような構造であってもよいが、本実施形態では、カット部とアンカット部が交互に形成されたミシン目の形態となっている。切り取り部Kは、収容部第2側部22a、収容部第3側部23aに形成された曲線状の部分である曲線部分K1と接着部25aに形成された直線状の部分である直線部分K2により構成されている。図2においては、K1とK2により切り取り部Kを示している。本実施形態では、曲線部分K1は収容部頂部29aを中心とする円弧状となっている。切り取り部Kの一部である曲線部分K1は、収容部第2側部22a、収容部第3側部23aに三角錐形状の頂部となる収容部頂部29aと底面の一部である底辺を結ぶ方向(連接辺32a、捨て罫35aが延びる方向)と交差する方向に、形成されている。なお、切り取り部Kは、切り取りを容易とする加工がなされた易切り取り線であれば、特にミシン目の形態に限定されず、例えば、ハーフカット線等の公知の様々な易切り取り線の形態とすることができる。また、本実施形態では、切り取り部Kを曲線部分K1と直線部分K2で構成しているが、これに限定されず、切り取り部K全体が曲線状であってもよいし、直線状であってもよい。
収容部第1側部21aと収容部底部24aを連接する連接辺33aに重なるようにして、切り込みSが形成されている。切り込みSは、収容部第1側部21aと収容部底部24aを連接する連接辺33aに沿って形成されている。ここで、連接辺33aに「沿って」とは、連接辺33aに平行または平行に近い角度をなすように、形成されていることを意味する。この場合、図2に示すように、切り込みSの一部が連接辺33aに沿って形成されていればよい。すなわち、連結部12aを差し込むことが可能な程度の角度で、切り込みSの一部が連接辺33aに沿っていればよい。切り込みSは、大部分が連接辺33aに平行となっており、連接辺33aに平行な平行部分の両端から平行部分と所定の角度をなす直線状の部分が形成されている。この切り込みSは、収容部第1側部21aと収容部底部24aの間に、底部10に連接された連結部12aを差し込むための差込口を形成している。収容部第1側部21aには、切り取り部Kの曲線部分K1の延長線上となる位置に、折り罫36aが形成されている。折り罫36aは、切り取り部Kを切断して収容部20aを開封する際、開口を大きくするために、収容部第1側部21aを外側に折るために形成されている。本実施形態では、連接辺33aと平行になるように形成されている。
また、収容部第1側部21aと収容部第2側部22aを連接する連接辺31aに一部が接するようにして、切り込みS2が形成されている。切り込みS2は、収容部第1側部21aと収容部第2側部22aを連接する連接辺31aに沿って形成されている。ここで、連接辺31aに「沿って」とは、連接辺31aに平行または平行に近い角度をなすように、形成されていることを意味する。この場合、図2に示すように、切り込みS2の一部が連接辺31aに沿って形成されていればよい。すなわち、後述の蓋部50の差込片55を差し込むことが可能な程度の角度で、切り込みS2の一部が連接辺31aに沿っていればよい。切り込みS2は、大部分が連接辺31aに平行となっており、連接辺31aに平行な平行部分の両端から平行部分と所定の角度をなす直線状の部分が形成されている。この平行部分と所定の角度をなす直線状の部分の端部が連接辺31aに接している。切り込みS2は、収容部第1側部21aと収容部第2側部22aの間に、蓋部50が備える差込片55を差し込むための差込口を形成している。上述のように、4つの収容部20a~20dは、基本的には互いに同一の形状であるが、本実施形態では、切り込みS2だけは収容部20aのみに形成されており、他の3つの収容部20b~20dには形成されていない。切り込みS2が収容部20aのみに形成されていることにより、蓋部50の差込片55が差し込まれる位置が特定される。このため、蓋部50の表面に掲載された絵柄等と、収容部20の表面に掲載された絵柄等の関係が定まり、全体として整合性のとれた外観が得られる。
図2に示した展開図において各部を連接する連接辺は全て紙面に対して同一の方向に折られる折線となる。図2に示した展開図において、全ての折線を山折りとしてもよいし、谷折りとしてもよい。ここでは、図2の展開図において山折りとする場合を想定して説明していく。まず、図2に示した状態において、接着部25aの一方の面に接着剤を塗布する。使用する接着剤としては、特に限定されないが、本実施形態では、速乾性のホットメルト型のものを用いている。全ての折線を山折りして形成する場合、接着剤は、紙面に向かって各接着部の手前側(こちら側)に塗布する。
接着部25aの一方の面に接着剤を塗布したら、次に、連接辺である各折線から、収容部底部24aに連接された差込片26a、差込片27aを折り曲げる。続いて、収容部第1側部21aと収容部底部24aを連接する連接辺33aを折線として山折りする。次に、連接辺34aを折線として山折りして、収容部第3側部23aに連接された接着部25aを折り曲げる。さらに、収容部第1側部21aと収容部第2側部22aを連接する連接辺31aを折線として山折りする。この際、差込片26aが収容部第2側部22aの底部側と重なる。
この時点で、収容部第1側部21a、収容部第2側部22a、収容部底部24aにより囲まれる空間が形成される。このため、内容物をこの空間に挿入する。内容物を空間に挿入したら、次に、収容部第2側部22aと収容部第3側部23aを連接する連接辺32aを折線として山折りする。この際、接着部25aの接着剤塗布面が収容部第1側部21aの側辺付近と重なるため、接着部25aと収容部第1側部21aが接着され、収容部第1側部21aと収容部第3側部23aは接着部25aを介して連結される。以上のようにして、三角錐形状の収容部20aが形成される。上記のような収容部20aの作成手順と同様の作成手順により、収容部20b~20dも、ぞれぞれ形成される。
収容部20a~20dの切り込みSに、それぞれ底部10の連結部12a~12dを差し込むことにより、底部10と収容部20a~20dが連結される。図3は、底部10と収容部20の連結の様子を示す図である。図3の例は、収容部20b~20dが連結部12b~12dにより底部10に連結された後、連結部12b~12dの連接辺11b~連接辺11dの部分を折り曲げて(図1における谷折り方向)、収容部底部24b~24dを底部10に接触された状態である。そして、図3の例では、連結部12aを用いて、収容部20aと連結させることになる。
図3に示した状態から、連結部12aを用いて、収容部20aと連結し、連接辺11aの連接部分を折り曲げて(図1における谷折り方向)、収容部底部24aを底部10に接触させる。この時点における本体部100の斜視図を図4に示す。この状態から、さらに各収容部頂部29a~29dを近付けるように力を加えると、図5に示すように、本体部100は、その外形が全体として、底部10を底面とする四角錐形状となるように形成される。
<1.2.蓋部の構成>
次に、蓋部について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る包装体における蓋部の展開図である。図6に示すように、蓋部50は、展開状態においては、4つの蓋側部51a~51dと接着部52が連接された状態となっている。蓋側部51a、蓋側部51b、蓋側部51c、蓋側部51d、接着部52は、それぞれ連接辺53a、53b、53c、53dにより連接されている。蓋部50は、1枚のシートから必要部分が打ち抜かれて、図6に示すような展開状態として取得される。そして、この展開状態から折り加工および接着加工を行うことにより、蓋部50が形成される。
本実施形態では、図6に示すように、4つの蓋側部51a~51dは、互いに合同な形状となっている。具体的には、蓋側部51a~51dは、二等辺三角形の二等辺のうち一方の辺(連接辺)の端部から他方の辺(連接辺)の途中まで円弧で結んでできる形状となっている。例えば、互いに合同な4つの蓋側部51a~51dのうちの1つである蓋側部51dを見てみる。蓋側部51dは、連接辺53c、53dを二等辺とする二等辺三角形の二等辺のうち一方の連接辺53dの端部から他方の連接辺53cの途中まで円弧状の底辺部54dで結んでできる形状となっている。円弧状の底辺部54dの円の中心は、連接辺53cと連接辺53dが交わる蓋部頂部59とは、ずれた位置となる。このため、蓋側部51dの面積は、連接辺53c、53dを二等辺とする二等辺三角形の面積よりも小さくなる。
蓋側部51a、蓋側部51b、蓋側部51c、蓋側部51dの4つの面により蓋部50は、その外形が略四角錐形状となるように構成される。ただし、底面は存在せず、開口となっている。蓋側部51a、蓋側部51b、蓋側部51c、蓋側部51dは1つの頂点である蓋部頂部59を共有している。
蓋部50を製造するためには、接着を行う必要があり、そのための糊しろとなる接着部52が形成されている。蓋側部51dを蓋側部51aに接着するための接着部52は、連接辺53dを介して蓋側部51dに連接されている。接着部52の形状は、蓋側部51dと連接する連接辺53dの所定の部分を下底とする台形状となっている。
蓋部50には、蓋部50を収容部20に固定するための差込片55が形成されている。図6の例では、差込片55は、連接辺53bを介して蓋側部51bと連接している。差込片55と蓋側部51cは、底辺部54cにおいて接しているが、分離されている。差込片55において、蓋側部51bと連接する部分、蓋側部51cと接する部分以外の、蓋部50の外形ともなる部分は主に円弧状となっている。蓋側部51bと差込片55の間には、連接辺53b上の点を最深部とする切り欠きが形成されており、この切り欠きにより差込片55には突出部56が形成される。図6の例では、差込片55の外形の円弧状の部分の曲率半径を8.15mm(8.15R)、切り欠きの角度は45°としている。
図6に示すように、差込片55は、連接辺53bから広がり、突出部56に対応する部分において最も広幅となり、そこから外方に向かって徐々に幅を狭くする形状となっている。これは、図1に示した連結部12aと同様であり、突出部において幅が最も広くなった形状であるため、後述の収容部20の切り込みS2で形成される開口に差し込むのに適している。差込片55は、収容部20の切り込みS2で形成される開口に差し込むことにより、蓋部50と収容部20を連結するためのものである。したがって、切り込みS2で形成される開口から簡単には抜けないが、脱着可能な構造とする必要がある。そのため、突出部56部分の差込片55の幅は、切り込みS2の長さと略同一とすることが好ましい。図6に示すように、本実施形態では、差込片55は、先端が円弧状の凸部であるが、切り込みS2で形成される開口に差し込み、簡単には抜けず、脱着可能な構造であれば、この形態に限定されない。
本実施形態では、蓋部50に差込片55を1つだけ形成しているが、2つ~4つの範囲で形成することができる。例えば、蓋側部51a~51dの全てについて、それぞれ連接して差込片を形成してもよい。2つ、または3つの範囲で差込片を形成する場合、できるだけ、バランスがとれるような配置で、差込片を形成することが好ましい。
図6に示した展開図において各部を連接する連接辺は、図2に示した収容部の展開図と同様、全て紙面に対して同一の方向に折られる折線となる。各折線は、本実施形態では、後述するように、折り溝として形成されるが、折り溝以外の形態であってもよいし、何も加工していなくてもよい。図6に示した展開図において、全ての折線を山折りとしてもよいし、谷折りとしてもよい。ここでは、図6の展開図において山折りとする場合を想定して説明していく。まず、図6に示した状態において、接着部52の一方の面に接着剤を塗布する。使用する接着剤としては、特に限定されないが、本実施形態では、収容部20と同様、速乾性のホットメルト型のものを用いている。全ての折線を山折りして形成する場合、接着剤は、紙面に向かって接着部52の手前側(こちら側)に塗布する。
接着剤を塗布したら、次に、折線となる連接辺53a、53b、53c、53dにおいて山折りする。これにより、接着部52の接着剤塗布面が蓋側部51aの側部と重なるため、接着部52と蓋側部51aが接着され、蓋側部51aと蓋側部51dは接着部52を介して連結される。接着部52と蓋側部51aの接着は、連接辺53dが、蓋側部51aの一方の側辺と重なる位置になるように行う。
これにより蓋部50が完成する。図7は完成した蓋部50の斜視図である。図7に示すように、蓋部頂部59を上側に向けた際に、蓋側部51a、蓋側部51b、蓋側部51c、蓋側部51dにより囲まれる空洞が蓋部頂部59の下方に形成される。この空洞が、本体部の収容部頂部29a~29d側を覆うための部分となる。
図8は、本体部100に蓋部50を被せた状態を示す斜視図である。図8に示すように、本体部100の収容部頂部29(29a~29d)を上側にした場合に、蓋部50の蓋部頂部59も上側に向くように方向を合わせて、蓋部50の底辺部54側から蓋部50の空洞に、本体部100の収容部頂部29を挿入する。言い換えると、本体部100の収容部頂部29を覆うように、蓋部50を本体部100に被せる。そして、図8に示すように差込片55を、切り込みS2により形成される開口に差し込むことにより、蓋部50と本体部100を固定する。この結果、本実施形態に係る包装体が完成する。
図8に示すように、蓋部50を本体部100に嵌めた際、蓋部50の4つの側面である各蓋側部51は、それぞれ本体部100の4つの側面である各収容部第1側部21に重ねられた状態となる。このため、各蓋側部51の蓋部頂部59における角度と、各収容部第1側部21の収容部頂部29における角度は、同等の大きさであることが好ましく、同一の大きさであることが最も好ましい。ここで、同等とは、5度以内の差であることを意味する。本実施形態では、各蓋側部51の蓋部頂部59における角度M2(図6参照)と各収容部第1側部21の収容部頂部29における角度M1(図2参照)は同一となっており、ともに39.31度である。なお、図8においては、蓋側部51aと収容部第1側部21aを重ねた状態を示しているが、蓋側部51aは、収容部第1側部21aと重ねられる必要はなく、収容部第1側部21b~21dのいずれかと重ねられるように、蓋部50を本体部100に嵌めるようにしてもよい。
<2.包装体の利用>
以上のようにして製造された包装体は、収容部20a~20dに内容物が収容された状態で商品として流通し、店頭に陳列される等して販売される。商品の購入後、開封の際には、まず、蓋部50を本体部100から分離する。蓋部50が本体部100に被さっているだけの場合には、蓋部50を手で持って外すだけで分離することができる。図8に示したように、蓋部50と本体部100が、差込片55を切り込みS2により形成される開口に差し込むことにより固定されている場合には、差込片55を切り込みS2から引き抜いた後で、蓋部50を手で持って分離する。蓋部50を、本体部100から分離すると、蓋部50により抑えられていた力がなくなるため、本体部100の各収容部頂部29a~29dは、互いに離れるようにして外側に動く。この結果、本体部100は、図4に示したように、各収容部頂部29a~29dが離れた状態となる。
収容された内容物を取り出すために、収容部20を開封する場合は、まず、開封する収容部20を分離する。具体的には、開封する収容部20に対して、他の収容部20と異なる方向に力を加える。例えば、収容部20aに対しては、他の収容部20b~20dと離れる方向に力を加える。より具体的には、開封する収容部20aを、底部10との間で谷折りされている連接辺11aを元に戻す方向に力を加える。極端に言えば、谷折りされていた連接辺11を山折りとなる状態まで折り曲げる。さらに、収容部20aを、底部10から離れる方向に引っ張ることにより、切り込みSで形成された開口から連結部12aを引き抜く。これにより、収容部20aは、底部10から分離される。このときの状態は、上述の図3のような状態となる。
図3に示したように、底部10から分離された収容部20aに対して、一方の手で切り取り部Kより収容部頂部29a側を持ち、他方の手で切り取り部Kより収容部底部24a側を持つ。そして、切り取り部Kの曲線部分K1に連続する折り罫36aを支点として、それぞれの手に対して力を加える。これにより、切り取り部Kには力が加わり、切り取り部Kのアンカット部が切断されて、収容部第2側部22a、収容部第3側部23aが、収容部頂部29a側と収容部底部24a側に分離され、収容部20aに開口が形成される。このとき、切り取り部Kが形成されていない収容部第1側部21aは分離せず、繋がったままである。このようにして、収容部20aが開封され、収容部20aの内部から内容物を取り出すことが可能となる。収容部20aと同様に、収容部20b~20dも底部10から分離した後、切り取り部Kを切り取って、開口を形成することにより開封する。
図9は、全ての収容部20a~20dが底部10から分離され、開封された状態を示す図である。図9に示すように、収容部20a~20dは、底部10の連結部12a~12dから外れるとともに、切り取り部Kにより開封されて、内容物の取り出し口となる開口Dが形成されている。
図9に示した状態とすることにより、各収容部20a~20dからは、内容物を取り出すことが可能になる。なお、図3、図9の例では、各収容部20a~20dを底部10から分離した後、切り取り部Kを用いて開封するようにしたが、各収容部20a~20dを底部10から分離せず、底部10と各収容部20a~20dを連結したままの状態で、各収容部20a~20dを開封するようにしてもよい。ただし、収容部20を分離することにより、各収容部20を個別に保管することができ、利便性が高まる。以上のように、本実施形態に係る包装体は、斬新な形態を有し、複数の内容物を収容することができ、利用者に利便性を提供することができる。
上述のように、本実施形態に係る包装体は、紙基材およびバリア層が積層された複数層の構成を有するシートを用いている。紙基材としては、可撓性と剛性を備えた紙を用いることができる。紙基材の厚さは、200μm以上600μm以下であることが好ましい。また、紙基材の坪量は、270g/m2以上400g/m2以下、特に300g/m2以上350g/m2以下であることが好ましい。これらの厚さや坪量が下限に満たない場合は、包装体全体としての強度が弱くなり、これらの厚さや坪量が上限を超える場合は、折り加工の効率が低下するためである。
バリア層は、水蒸気その他のガスバリア性を備えたものであり、必要とされる機能に応じて、適切なものが選択される。ガスバリア性が必要な場合、アルミニウムなどの金属や酸化アルミニウムなどの金属酸化物や酸化珪素などの無機酸化物の蒸着層が設けられる。蒸着層は、紙基材に積層してもよい。あるいは、アルミニウムなどの金属箔であってもよい。その他にも、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6などの芳香族ポリアミドなどの、ガスバリア性を有する樹脂層であってもよい。なお、本実施形態では、内容物自体が合成樹脂製の袋で包装されているため、シートにおけるバリア層は、必須の構成ではない。また、金属や無機酸化物の蒸着層、金属箔等は、バリア層としてではなく、単に高級感を演出するためのものとして用いることができる。
<3.実施例>
底部10を構成するシートとして、トライフ社製のアルミニウム貼合紙「ミラックスAS(厚さ0.36mm、坪量310g/m2)」を用いた。底部10を構成するシートであるアルミニウム貼合紙の折り加工後、外面となるアルミニウム貼合面にオフセット印刷にて印刷を行った。この印刷は、商品を表示するための内容を主とする印刷である。さらに、印刷層に重ねてハジキニスをパターン状に塗布した後、ロールコーター等の公知の塗布方法によりUVコートを行うことにより擬似エンボス加工を行った。この結果、アルミニウムの光沢と擬似エンボスにより高級感のある外面となった。続いて、トムソン刃を用いて外形に従って打ち抜き加工を行い、図1に示したような外形を有する底部10が展開状態で得られた。
収容部20を構成するシートとしても、トライフ社製のアルミニウム貼合紙「ミラックスAS(厚さ0.36mm、坪量310g/m2)」を用いた。収容部20を構成するシートであるアルミニウム貼合紙の折り加工後、外面となるアルミニウム貼合面にオフセット印刷にて印刷を行った。この印刷は、商品を表示するための内容を主とする印刷である。したがって、収容部ごとに、その内容物を示す印刷が施される。さらに、印刷層に重ねてハジキニスをパターン状に塗布した後、ロールコーター等の公知の塗布方法によりUVコートを行うことにより擬似エンボス加工を行った。この結果、アルミニウムの光沢と擬似エンボスにより高級感のある外面となった。
次に内面となる側において、折線となる部分に、押し罫により加工を行うことにより折り溝を形成した。また、ミシン刃を用いて、ミシン目加工を行うことにより、ミシン目状の曲線部分K1と直線部分K2からなる切り取り部Kを形成した。続いて、刃型を用いて収容部第1側部21aと収容部底部24aを連接する連接辺33aに重なるようにして、切り込みSを形成した。この切り込みSにより底部10に連接された連結部12aを差し込むための差込口が形成された。さらに、刃型を用いて収容部第1側部21aと収容部第2側部22aを連接する連接辺31aに一部が接するようにして、切り込みS2を形成した。この切り込みS2により蓋部50の差込片55を差し込むための差込口が形成された。続いて、トムソン刃を用いて外形に従って打ち抜き加工を行い、図2に示したような外形を有する収容部20が展開状態で得られた。
続いて、接着部25aに接着剤を塗布した。接着剤としては速乾性に優れたホットメルト型接着剤「新田ゼラチン株式会社製HC-310」を使用した。一方、直径1cm程度の飴を1次包材であるポリエチレン製の袋に収容したものを別途内容物として用意した。内容物が用意された後、上述のように、収容部20aの折り加工を行いながら、接着部25aを用いて接着し、飴入りの袋を内容物として収容して三角錐形状の各収容部20を形成した。同様にして、収容部20b~20dについても作成した後、切り込みSにより形成された各収容部20の差込口に、底部10の連結部12a~12dを差し込むことにより、本体部100が完成した。
蓋部50を構成するシートとしても、底部10、収容部20を構成するシートと同様、トライフ社製のアルミニウム貼合紙「ミラックス(厚さ0.36mm、坪量310g/m2)」を用いた。蓋部50を構成するシートであるアルミニウム貼合紙の折り加工後、外面となる面にオフセット印刷にて印刷を行った。続いて、トムソン刃を用いて外形に従って打ち抜き加工を行い、図6に示したような外形を有する蓋部50が展開状態で得られた。続いて、接着部52に接着剤を塗布した。接着剤としては速乾性に優れたホットメルト型接着剤「新田ゼラチン株式会社製HC-310」を使用した。そして、上述のように、折り加工を行いながら、接着部52を用いて接着し、蓋部50が完成した。
最後に、蓋部頂部59と収容部頂部29a~29dが重なるようにして、蓋部50を本体部100に被せた。そして、差込片55を切り込みS2により形成される開口に差し込むことにより、本体部100と蓋部50を固定した。このようにして、包装体が完成した。差込片55は、収容部20aの切り込みS2により形成される開口に差し込んだ。
<4.蓋部の変形例>
本実施形態では、蓋部を本体部の収容部に固定するために、蓋部50に差込片55を形成し、各収容部20にそれぞれ切り込みS2を形成した。本実施形態では、蓋部の連接辺における連接部分の長さと、収容部第1側部の辺の長さの比が、1:3程度である。すなわち、蓋部の連接辺の連接部分の長さの、収容部第1側部の辺の長さに対する比率は、1/3である。この程度の比率であると、本体部の各収容部が外側に開こうとする力が、蓋部が本体部を抑え込もうとする力より大きくなる惧れが多少存在する。そのため、蓋部が収容部から外れてしまう惧れも生じる。そこで、蓋部を収容部に固定するために差込片55と切り込みS2を用いているのである。
上述のように、蓋部の連接辺の長さの、収容部第1側部の辺の長さに対する比率がある程度大きくなると、差込片55と切り込みS2を用いなくても蓋部を本体部から外れにくくすることが可能となる。具体的には、図6の例において、差込片55と切り込みS2を不要とするためには、蓋部50において隣接する蓋側部51a、51bを連接する連接辺53aにおける当該隣接する蓋側部51a、51bを連接する部分(連接辺53aと底辺部54bが接する点から蓋部頂部59までの部分)の長さの、収容部20において収容部第1側部21と収容部第2側部22を連接する連接辺31の長さに対する比率は、1/4(=0.25)以上であることが好ましい。また、蓋部が大き過ぎて、本体部より大きくなってしまうと、見映えが悪く、底面を下にしたときの安定性もよくない。このため、蓋部50において隣接する蓋側部を連接する連接辺における当該隣接する蓋側部を連接する部分の長さの、収容部20において収容部第1側部21と収容部第2側部22を連接する連接辺31の長さに対する比率は、9/10(=0.9)以下であることが好ましい。
好ましい一例として、図6に示した蓋部50の連接辺53a~53dの長さは55.85mm、図2に示した収容部20の連接辺31a、34aの長さ(収容部第1側部の辺の長さ)は、147.69mmである。この場合、蓋部の連接辺の長さの、収容部第1側部の辺の長さに対する比率は0.378となる。すなわち、比率は1/3よりやや大きくなる。この場合、蓋部の連接辺の長さの、収容部第1側部の辺の長さに対する比率が1/4以上9/10以下となっている。このような関係の蓋部50と本体部100を用いた場合、差込片55を切り込みS2に入れなくても、蓋部が本体部から外れにくくすることができた。したがって、この場合、差込片55や、切り込みS2を形成しなくても、蓋部を本体部に嵌めることが可能となる。
<5.開封態様の変形例>
上記実施形態では、収容部20に切り取り部Kを形成しておき、この切り取り部Kを用いて、収容部頂部29a側と収容部底部24a側を分離することにより、収容部20の開封を行うようにしたが、切り取り部Kを用いない態様とすることも可能である。切り取り部Kを用いない場合、収容部20の収容部底部24a側から指を入れて、収容部底部24aに連接された差込片26a、27aを引き出す。そして、差込片26a、27aを引き出すことにより、連接された収容部底部24aも引き出され、三角錐形状の収容部20の底面側が開封される。このように、差込片26a、27aを用いて底面側から開封する場合、切り取り部Kは形成しない態様とすることもできる。切り取り部Kが形成されている場合は、2通りの開封態様が存在することになり、利用者はどちらで開封してもよい。
<6.製造工程の変形例>
図2に示した捨て罫35aを用いた製造工程の変形例について説明する。通常は、上述の実施例に示したような製造工程により包装体を製造することができる。しかしながら、上記包装体の途中までは包装体の製造業者が行い、内容物を収容する工程は、内容物の製造業者が行う場合がある。このような場合、内容物収容前の収容部20を包装体製造業者が途中まで製造して、内容物製造業者に納入し、内容物製造業者が内容物を収容しながら収容部20を組み立てることが有益である。
この場合、図2に示した展開図の状態から接着部25aの一方の面に接着剤を塗布した後、連接辺31a、32a、33aを折線とする折り加工は行わず、連接辺34aを折線として山折りして、収容部第3側部23aに連接された接着部25aを折り曲げる。さらに、捨て罫35aを折線として山折りする。
この際、接着部25aの接着剤塗布面が収容部第1側部21aの側辺付近と重なるため、接着部25aと収容部第1側部21aが接着され、収容部第1側部21aと収容部第3側部23aは接着部25aを介して連結される。この状態では、収容部20aは2つ折りされた状態であり、平板状である。そのため、収容部20aを重ねた状態で搬送することが可能となる。搬送先の内容物製造業者は、上述の製造工程のようにして、改めて連接辺31a、32aで折り加工を行った後、内容物を収容する。そして、差込片26a、27aを折り曲げた後、連接辺33aを山折りし、収容部20aを完成させることになる。
<7.用途例>
内容物が食品の場合は、2次包材用途が好ましい。例えば、食品を直接包む1次包材が別途あり、その1次包材ごと、収容部に収容するようにし、包装体と食品が直接触れないようにすることが好ましい。食品を内容物とする例としては、個包装された飴、ガム、チョコレート等の菓子類を内容物として各収容部に収容し、パーティー用やギフト用として使用する。例えば、異なる味や異なる形状の菓子類を、各収容部に分けて入れることができる。
また、異なる種類の花の種を内容物として各収容部に収容し、各収容部の外面に花の種類を印刷しておくようにしてもよい。4つの各収容部に春、夏、秋、冬の代表的な花の種を収容しておくことができる。また、異なる種類の入浴剤を内容物として各収容部に収容し、各収容部の入浴剤の種類を印刷しておくようにしてもよい。例えば、温泉の素を各収容部に収容し、外面に温泉地の地名を印刷しておくことにより、複数の温泉地に対応した豪華なギフトとなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、蓋部を備える構成としたが、蓋部を備えず、本体部だけの包装体とすることも可能である。蓋部があった方が、全体形状がより整うが、蓋部がなく底部と収容部だけの組合せでも、斬新さと利便性を備えた包装体が得られる。この場合、切り込みS2を有していることにより、差込片を有する他の物品を差し込んで固定することも可能となる。
また、上記実施形態では、底部を四角形とし、収容部を4つとし、四角形の底部の各辺が各収容部に連接されるようにしたが、四角形と4つの収容部に限らず、様々な多角形とその辺の数に対応する数の収容部を有するようにしてもよい。例えば、底部を五角形、六角形などとし、これらに対応する5つの収容部、6つの収容部を有するものであってもよい。
また、上記実施形態では、差込片55と切り込みS2により蓋部を本体部に固定するようにしたが、蓋部を本体部に被せるだけで、ある程度外れにくくできるのであれば、蓋部50に差込片55を形成せず、各収容部20にそれぞれ切り込みS2を形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、蓋部を本体部に固定するための切り込みS2を1つの収容部のみに形成するようにしたが、2つ以上の収容部に形成するようにしてもよい。また、切り込みS2を全ての収容部に形成するようにしてもよい。切り込みS2を複数の収容部に形成した場合、蓋部を任意の異なる位置に固定することが可能となる。
また、上記実施形態では、収容部に形成された開封用の切り取り部をミシン目の形態で形成するようにしたが、切り取りを容易にする所定の形態であれば、特に限定されず、例えば、ハーフカット加工等、公知の様々な形態のものを用いることができる。
10・・・底部
11a~11d・・・連接辺
12a~12d・・・連結部
14a~14d・・・突出部
20a~20d・・・収容部
21a~21d・・・収容部第1側部
22a~22d・・・収容部第2側部
23a~23d・・・収容部第3側部
24a~24d・・・収容部底部
25a~25d・・・接着部
26a~26d、27a~27d・・・差込片
29a~29d・・・収容部頂部
31a~31d、32a~32d、33a~33d、34a~34d・・・連接辺
50・・・蓋部
51a~51d・・・蓋側部
52・・・接着部
53a~53d・・・連接辺
54a~54d・・・底辺部
55・・・差込片
59・・・蓋部頂部
100・・・本体部
K・・・切り取り部
S、S2・・・切り込み

Claims (4)

  1. 4つの収容部と、各前記収容部を連結するための底部と、を備えた包装体であって、
    各前記収容部は、三角形状の収容部第1側部、収容部第2側部、収容部第3側部、収容部底部を有し、
    前記収容部底部、前記収容部第1側部、前記収容部第2側部、前記収容部第3側部は折線により連接されて三角錐の各面を構成し、
    前記収容部第1側部と前記収容部底部を連接する連接辺に沿った切り込みを有し、
    前記4つの収容部のうち少なくとも1つの収容部には、前記収容部第1側部と前記収容部第2側部を連接する連接辺に沿った切り込みを有し、
    前記底部の4つの辺には、各前記収容部と連結するための凸部である連結部を有し、
    前記底部の前記連結部が前記収容部の前記切り込みで形成された開口に挿入されることにより、前記底部と4つの前記収容部が連結されてなり、
    互いに同一の所定の形状である4つの蓋側部を有し、4つの蓋側部は折線により連接されて四角錐の各側面を構成する蓋部をさらに有し、
    前記蓋部には、前記4つの蓋側部のうち少なくとも1つの蓋側部に連接された差込片が形成されており、
    前記4つの蓋側部が共有する頂点である蓋部頂部が、前記収容部第1側部、収容部第2側部、収容部第3側部が共有する収容部頂部と重なるように、前記収容部頂部が、前記蓋部により覆われてなり、
    前記収容部第2側部および前記収容部第3側部には、三角錐形状の頂部と底面の一部である底辺を結ぶ方向と交差する方向に、前記収容部第2側部および前記収容部第3側部を分離するための切り取り部が形成されていることを特徴とする包装体。
  2. 前記4つの収容部は、全て同一の形状であることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. 前記所定の形状は、他の蓋側部と連接する2つの連接辺のうち、一方の連接辺の端部から他方の連接辺に向けて前記蓋部頂部からの距離が小さくなるような円弧状の曲線を有する形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記蓋部において隣接する蓋側部を連接する連接辺における当該隣接する蓋側部を連接する部分の長さの、前記収容部において収容部第1側部と収容部第2側部を連接する連接辺の長さに対する比率は、1/4以上9/10以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の包装体。
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