以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態では、欠陥情報読取システムを、光学表示デバイスの生産システムの一部を構成するフィルム製造装置に適用した例を挙げて説明する。
フィルム製造装置は、フィルム状の光学部材(光学フィルム)を製造するものである。例えば、光学フィルムとしては、偏光フィルム、位相差フィルム及び輝度向上フィルム等が挙げられる。例えば、光学フィルムは、液晶表示パネル及び有機EL表示パネル等のパネル状の光学表示部品(光学表示パネル)に貼合される。フィルム製造装置は、このような光学表示部品や光学部材を含む光学表示デバイスを生産する生産システムの一部を構成している。
本実施形態では、光学表示デバイスとして透過型の液晶表示装置を例示している。透過型の液晶表示装置は、液晶表示パネルと、バックライトとを備えている。この液晶表示装置では、バックライトから出射された照明光を液晶表示パネルの裏面側から入射し、液晶表示パネルにより変調された光を液晶表示パネルの表面側から出射することによって、画像を表示することが可能である。
(光学表示デバイス)
先ず、光学表示デバイスとして、図1及び図2に示す液晶表示パネルPの構成について説明する。図1は、液晶表示パネルPの構成を示す平面図である。図2は、図1のII-II断面図である。尚、図2では、断面を示すハッチングの図示を省略している。
液晶表示パネルPは、図1及び図2に示すように、第1の基板P1と、第1の基板P1に対向して配置された第2の基板P2と、第1の基板P1と第2の基板P2との間に配置された液晶層P3とを備えている。
第1の基板P1は、平面視で長方形状をなす透明基板からなる。第2の基板P2は、第1の基板P1よりも比較的小形の長方形状をなす透明基板からなる。液晶層P3は、第1の基板P1と第2の基板P2との間の周囲をシール材(不図示)で封止し、シール材によって囲まれた平面視で長方形状をなす領域の内側に配置されている。液晶表示パネルPでは、平面視で液晶層P3の外周の内側に収まる領域を表示領域P4とし、この表示領域P4の周囲を囲む外側の領域を額縁部Gとする。
液晶表示パネルPの裏面(バックライト側)には、偏光フィルムとしての第1の光学フィルムF11が貼合されている。液晶表示パネルPの表面(表示面側)には、偏光フィルムとしての第2の光学フィルムF12が貼合されている。液晶表示パネルPの裏面(バックライト側)には、前記第1の光学フィルムF11に重ねて輝度向上フィルムとしての第3の光学フィルムF13が貼合されている。以下、第1、第2及び第3の光学フィルムF11,F12,F13のいずれか一つを含むフィルムを光学フィルムF1Xと総称することがある。
(光学フィルム)
次に、図3に示す光学フィルムF1Xの一例について説明する。図3は、光学シートF1Xの構成を示す断面図である。尚、図3では、断面を示すハッチングの図示を省略している。
光学フィルムF1Xは、図3に示す長尺帯状の光学シートFXから所定の長さのシート片を切り出すことによって得られる。具体的に、この光学フィルムF1Xは、基材シートF4と、基材シートF4の一方の面(図3中の上面)に設けられた粘着層F5と、粘着層F5を介して基材シートF4の一方の面に設けられたセパレータシートF6と、基材シートF4の他方の面(図3中の下面)に設けられた表面保護シートF7とを有する。
基材シートF4は、例えば偏光フィルムの場合、偏光子F4aを一対の保護フィルムF4b,F4cが挟み込む構造を有している。粘着層F5は、基材シートF4を液晶表示パネルPに貼着させるものである。セパレータシートF6は、粘着層F5を保護するものである。セパレータシートF6は、基材シートF4を、接着層F5を介して液晶表示パネルPへ貼合する前に、光学フィルムF1Xの粘着層F5から剥離される。尚、光学フィルムF1XからセパレータシートF6を除いた部分は、貼合シートF8とされる。
表面保護シートF7は、基材シートF4の表面を保護するものである。表面保護シートF7は、貼合シートF8の基材シートF4が液晶表示パネルPに貼着された後に、基材シートF4の表面から剥離される。
尚、基材シートF4については、一対の保護フィルムF4b,F4cのうち何れか一方を省略してもよい。例えば、粘着層F5側の保護フィルムF4bを省略して、偏光子F4aに粘着層F5が直接設けられていてもよい。又、表面保護シートF7側の保護フィルムF4cには、例えば、液晶表示パネルPの最外面を保護するハードコート処理や、防眩効果が得られるアンチグレア処理などの表面処理が施されていてもよい。又、基材シートF4については、上述した積層構造のものに限らず、単層構造のものであってもよい。又、表面保護シートF7を省略してもよい。
(フィルム製造装置)
次に、図4に示すフィルム製造装置100について説明する。図4は、フィルム製造装置100の構成を示す側面図である。
フィルム製造装置100は、図4に示すように、例えば、偏光フィルムとなる長尺帯状の第1のフィルムF101の一面に、表面保護フィルムとなる長尺帯状の第2のフィルムF102を貼合した後、第1のフィルムF101の他面に表面保護フィルムとなる長尺帯状の第3のフィルムF103を貼合することによって、第1のフィルムF101の両面に第2のフィルムF102及び第3のフィルムF103が貼合された光学フィルムF10Xを製造するものである。
具体的に、このフィルム製造装置100は、第1の搬送ライン101と、第2の搬送ライン102と、第3の搬送ライン103と、第4の搬送ライン104と、第5の搬送ライン105と、巻取部106とを備えている。
このうち、第1の搬送ライン101は、第1のフィルムF101を搬送する搬送経路を形成する。
第2の搬送ライン102は、第1の原反ロールR1から巻き出された第2のフィルムF102を搬送する搬送経路を形成する。
第3の搬送ライン103は、第1のフィルムF101の一面に第2のフィルムF102が貼合された片面貼合フィルムF104を搬送する搬送経路を形成する。
第4の搬送ライン104は、第2の原反ロールR2から巻き出された第3のフィルムF103を搬送する搬送経路を形成する。
第5の搬送ライン105は、片面貼合フィルムF104の第1のフィルムF101側の面(第1のフィルムF101の他面)に第3のフィルムF103が貼合された両面貼合フィルムF105(光学フィルムF10X)を搬送する搬送経路を形成する。
そして、製造された光学フィルムF10Xは、巻取部106において、第3の原反ロールR3として芯材に巻き取られる。
第1の搬送ライン101は、長尺帯状の第1のフィルムF101を第3の搬送ライン103に向けて搬送させるものである。
例えば、第1のフィルムF101は、PVA(Polyvinyl Alcohol)などの偏光子の基材となるフィルムに対して、染色処理、架橋処理及び延伸処理などを施した後、前記処理を施したフィルムの両面にTAC(Triacetylcellulose)などの保護フィルムを貼合することにより得られる。
具体的に、この第1の搬送ライン101には、第3の搬送ライン103の上流側を挟んだ一方側から第3の搬送ライン103に向けて、一対の第1のニップロール111a,111bと、複数の第1のダンサーロール112a,112bを含む第1のアキュームレーター112と、第1のガイドロール113とが、水平方向に順次並んで配置されている。
一対の第1のニップロール111a,111bは、その間に第1のフィルムF101を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、図4中に示す矢印の方向V1(右方向)に第1のフィルムF101を引き出すものである。
第1のアキュームレーター112は、第1のフィルムF101の送り量の変動による差を吸収すると共に、第1のフィルムF101に加わる張力の変動を低減するためのものである。具体的に、この第1のアキュームレーター112は、第1のニップロール111a,111bと第1のガイドロール113との間で、上部側に位置する複数のダンサーロール112aと、下部側に位置する複数のダンサーロール112bとが交互に並んで配置された構成を有している。
第1のアキュームレーター112では、上部側のダンサーロール112aと下部側のダンサーロール112bとに第1のフィルムF101が互い違いに掛け合わされた状態で、第1のフィルムF101を搬送させながら、上部側のダンサーロール112aと下部側のダンサーロール112bとを相対的に上下方向に昇降動作させる。これにより、第1の搬送ライン101を停止することなく、第1のフィルムF101を蓄積することが可能となっている。例えば、第1のアキュームレーター112では、上部側のダンサーロール112aと下部側のダンサーロール112bとの間の距離を広げることよって、第1のフィルムF101の蓄積を増やす一方、上部側のダンサーロール112aと下部側のダンサーロール112bとの間の距離を狭めることよって、第1のフィルムF101の蓄積を減らすことができる。第1のアキュームレーター112は、例えば、原反ロールR1~R3の芯材を交換した後の紙継ぎなどの作業時に稼働される。
第1のガイドロール113は、回転しながら第1のニップロール111a,111bにより引き出された第1のフィルムF101を第3の搬送ライン103の上流側に向けて案内するものである。尚、第1のガイドロール113は、1つに限らず複数配置されていてもよい。
第2の搬送ライン102は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)などの表面保護フィルムとなる長尺帯状の第2のフィルムF102を第1の原反ロールR1から巻き出しつつ、第3の搬送ライン103に向けて搬送させるものである。
具体的に、この第2の搬送ライン102には、第3の搬送ライン103の上流側を挟んだ他方側から第3の搬送ライン103に向けて、一対の第2のニップロール121a,121bと、複数の第2のダンサーロール122a,122bを含む第2のアキュームレーター122と、複数の第2のガイドロール123a,123bとが、水平方向に順次並んで配置されている。
一対の第2のニップロール121a,121bは、その間に第2のフィルムF102を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、図4中に示す矢印の方向V2(左方向)に第2のフィルムF102を引き出すものである。
第2のアキュームレーター122は、第2のフィルムF102の送り量の変動による差を吸収すると共に、第2のフィルムF102に加わる張力の変動を低減するためのものである。具体的に、この第2のアキュームレーター122は、第2のニップロール121a,121bと第2のガイドロール123aとの間で、上部側に位置する複数のダンサーロール122aと、下部側に位置する複数のダンサーロール122bとが交互に並んで配置された構成を有している。
第2のアキュームレーター122では、上部側のダンサーロール122aと下部側のダンサーロール122bとに第2のフィルムF102が互い違いに掛け合わされた状態で、第2のフィルムF102を搬送させながら、上部側のダンサーロール122aと下部側のダンサーロール122bとを相対的に上下方向に昇降動作させる。これにより、第2の搬送ライン102を停止することなく、第2のフィルムF102を蓄積することが可能となっている。例えば、第2のアキュームレーター122では、上部側のダンサーロール122aと下部側のダンサーロール122bとの間の距離を広げることよって、第2のフィルムF102の蓄積を増やす一方、上部側のダンサーロール122aと下部側のダンサーロール122bとの間の距離を狭めることよって、第2のフィルムF102の蓄積を減らすことができる。第2のアキュームレーター122は、例えば、原反ロールR1~R3の芯材を交換した後の紙継ぎなどの作業時に稼働される。
複数の第2のガイドロール123a,123bは、それぞれ回転しながら第2のニップロール121a,121bにより引き出された第2のフィルムF102を第3の搬送ライン103の上流側に向けて案内するものである。尚、第2のガイドロール123a,123bは、複数に限らず1つだけ配置されていてもよい。
第3の搬送ライン103は、第1のフィルムF101の一面に第2のフィルムF102を貼合した長尺帯状の片面貼合フィルムF104を第5の搬送ライン105に向けて搬送させるものである。
具体的に、この第3の搬送ライン103には、一対の第3のニップロール131a,131bが配置されている。一対の第3のニップロール131a,131bは、第1の搬送ライン101の下流側と第2の搬送ライン102の下流側との合流点に位置して、その間に第1のフィルムF101及び第2のフィルムF102を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、第1のフィルムF101と第2のフィルムF102とを貼合した片面貼合フィルムF104を図4中に示す矢印の方向V3(下方向)に引き出すものである。
第4の搬送ライン104は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)などの表面保護フィルムとなる長尺帯状の第3のフィルムF103を第2の原反ロールR2から巻き出しつつ、第5の搬送ライン105に向けて搬送させるものである。
具体的に、この第4の搬送ライン104には、第3の搬送ライン103の下流側を挟んだ一方側から第3の搬送ライン103に向けて、一対の第4のニップロール141a,141bと、複数の第3のダンサーロール142a,142bを含む第3のアキュームレーター142と、複数の第4のガイドロール143a,143bとが、水平方向に順次並んで配置されている。
一対の第4のニップロール141a,141bは、その間に第3のフィルムF103を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、図4中に示す矢印の方向V4(右方向)に第3のフィルムF103を引き出すものである。
第3のアキュームレーター142は、第3のフィルムF103の送り量の変動による差を吸収すると共に、第3のフィルムF103に加わる張力の変動を低減するためのものである。具体的に、この第3のアキュームレーター142は、第4のニップロール141a,141bと第4のガイドロール143aとの間で、上部側に位置する複数のダンサーロール142aと、下部側に位置する複数のダンサーロール142bとが交互に並んで配置された構成を有している。
第3のアキュームレーター142では、上部側のダンサーロール142aと下部側のダンサーロール142bとに第3のフィルムF103が互い違いに掛け合わされた状態で、第3のフィルムF103を搬送させながら、上部側のダンサーロール142aと下部側のダンサーロール142bとを相対的に上下方向に昇降動作させる。これにより、第4の搬送ライン104を停止することなく、第3のフィルムF103を蓄積することが可能となっている。例えば、第3のアキュームレーター142では、上部側のダンサーロール142aと下部側のダンサーロール142bとの間の距離を広げることよって、第3のフィルムF103の蓄積を増やす一方、上部側のダンサーロール142aと下部側のダンサーロール142bとの間の距離を狭めることよって、第3のフィルムF103の蓄積を減らすことができる。第3のアキュームレーター142は、例えば、原反ロールR1~R3の芯材を交換した後の紙継ぎなどの作業時に稼働される。
複数の第4のガイドロール143a,143bは、それぞれ回転しながら第4のニップロール141a,141bにより引き出された第3のフィルムF103を第3の搬送ライン103の下流側(第5の搬送ライン105の上流側)に向けて案内するものである。尚、第4のガイドロール143a,143bは、複数に限らず1つだけ配置されていてもよい。
第5の搬送ライン105は、片面貼合フィルムF104の第1のフィルムF101側の面(第1のフィルムF101の他面)に第3のフィルムF103を貼合した長尺帯状の両面貼合フィルムF105(光学フィルムF10X)を第3の原反ロールR3に向けて搬送させるものである。
具体的に、この第5の搬送ライン105には、第3の搬送ライン103の下流側を挟んだ他方側から第3の原反ロールR3に向けて、一対の第5のニップロール151a,151bと、第5のガイドロール153aと、一対の第6のニップロール151c,151dと、複数の第4のダンサーロール152a,152bを含む第4のアキュームレーター152と、第6のガイドロール153bとが、水平方向に順次並んで配置されている。
一対の第5のニップロール151a,151bは、第3の搬送ライン103の下流側と第5の搬送ライン105の上流側との合流点に位置して、その間に片面貼合フィルムF104及び第3のフィルムF103を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、片面貼合フィルムF104と第3のフィルムF103とを貼合した両面貼合フィルムF105を図4中に示す矢印の方向V3(下方向)に引き出すものである。
第5のガイドロール153aは、回転しながら第5のニップロール151a,151bにより引き出された両面貼合フィルムF105を第4のアキュームレーター152に向けて案内するものである。尚、第5のガイドロール153aは、1つに限らず複数配置されていてもよい。
一対の第6のニップロール151c,151dは、その間に両面貼合フィルムF105を挟み込みながら、互いに逆向きに回転することによって、図4中に示す矢印の方向V5(右方向)に両面貼合フィルムF105を引き出すものである。
第4のアキュームレーター152では、上部側のダンサーロール152aと下部側のダンサーロール152bとに両面貼合フィルムF105が互い違いに掛け合わされた状態で、両面貼合フィルムF105を搬送させながら、上部側のダンサーロール152aと下部側のダンサーロール152bとを相対的に上下方向に昇降動作させる。これにより、第5の搬送ライン105を停止することなく、両面貼合フィルムF105を蓄積することが可能となっている。例えば、第4のアキュームレーター152では、上部側のダンサーロール152aと下部側のダンサーロール152bとの間の距離を広げることよって、両面貼合フィルムF105の蓄積を増やす一方、上部側のダンサーロール152aと下部側のダンサーロール152bとの間の距離を狭めることよって、両面貼合フィルムF105の蓄積を減らすことができる。第4のアキュームレーター152は、例えば、原反ロールR1~R3の芯材を交換した後の紙継ぎなどの作業時に稼働される。
第6のガイドロール153bは、両面貼合フィルムF105を第3の原反ロールR3に向けて案内するものである。尚、第6のガイドロール153bは、1つに限らず複数配置されていてもよい。
両面貼合フィルムF105は、巻取部106において、光学フィルムF10Xの第3の原反ロールR3として芯材に巻き取られた後、次工程へと送られる。
(欠陥検査システム)
次に、上記フィルム製造装置100が備える欠陥検査システム10について説明する。
欠陥検査システム10は、図4に示すように、搬送ラインLと、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12と、記録装置13と、第1の測長器14及び第2の測長器15と、制御装置16とを備えている。
搬送ラインLは、検査対象となるフィルムを搬送する搬送経路を形成するものである。本実施形態では、搬送ラインLは、上記第1の搬送ライン101、第3の搬送ライン103及び第5の搬送ライン105によって搬送ラインLが構成されている。
第1の欠陥検査装置11は、第2のフィルムF102及び第3のフィルムF103が貼合される前の第1のフィルムF101の欠陥検査を行うものである。具体的に、この第1の欠陥検査装置11は、第1のフィルムF101を製造する際や、第1のフィルムF101を搬送する際に生じた異物欠陥、凹凸欠陥、輝点欠陥などの各種欠陥を検出する。第1の欠陥検査装置11は、第1の搬送ライン101で搬送される第1のフィルムF101に対して、例えば、反射検査、透過検査、斜め透過検査、クロスニコル透過検査などの検査処理を実行することにより、第1のフィルムF101の欠陥を検出する。
第1の欠陥検査装置11は、第1の搬送ライン101において、第1のニップロール111a,111bよりも上流側に、第1のフィルムF101に照明光を照射する複数の照明部21a,22a,23aと、第1のフィルムF101を透過した光(透過光)又は第1のフィルムF101で反射された光(反射光)を検出する複数の光検出部21b,22b,23bとを有している。
本実施形態では、透過光を検出する構成のため、第1のフィルムF101の搬送方向に並ぶ複数の照明部21a,22a,23aと光検出部21b,22b,23bとが、それぞれ第1のフィルムF101を挟んで対向して配置されている。又、第1の欠陥検査装置11では、このような透過光を検出する構成に限らず、反射光を検出する構成、若しくは透過光及び反射光を検出する構成であってもよい。反射光を検出する場合は、光検出部は照明部側に配置すればよい。
照明部21a,22a,23aは、欠陥検査の種類に応じて光強度や波長、偏光状態等が調整された照明光を第1のフィルムF101に照射する。光検出部21b,22b,23bは、CCD等の撮像素子を用いて、第1のフィルムF101の照明光が照射された位置の画像を撮像する。光検出部21b,22b,23bで撮像された画像(欠陥検査の結果)は、制御装置16に出力される。
第2の欠陥検査装置12は、第2のフィルムF102及び第3のフィルムF103が貼合された後の第1のフィルムF101、すなわち両面貼合フィルムF105の欠陥検査を行うものである。具体的に、この第2の欠陥検査装置12は、第1のフィルムF101に第2のフィルムF102及び第3のフィルムF103を貼合する際や、片面貼合フィルムF104及び両面貼合フィルムF105を搬送する際に生じた異物欠陥、凹凸欠陥、輝点欠陥などの各種欠陥を検出する。第2の欠陥検査装置12は、第5の搬送ライン105で搬送される両面貼合フィルムF105に対して、例えば、反射検査、透過検査、斜め透過検査、クロスニコル透過検査などの検査処理を実行することにより、両面貼合フィルムF105の欠陥を検出する。
第2の欠陥検査装置12は、第5の搬送ライン105において、第5のガイドロール153aよりも下流側に、両面貼合フィルムF105に照明光を照射する複数の照明部24a,25aと、両面貼合フィルムF105を透過した光(透過光)又は両面貼合フィルムF105で反射された光(反射光)を検出する複数の光検出部24b,25bとを有している。
本実施形態では、透過光を検出する構成のため、両面貼合フィルムF105の搬送方向に並ぶ複数の照明部24a,25aと光検出部24b,25bとが、それぞれ両面貼合フィルムF105を挟んで対向して配置されている。又、第2の欠陥検査装置12では、このような透過光を検出する構成に限らず、反射光を検出する構成、若しくは透過光及び反射光を検出する構成であってもよい。反射光を検出する場合は、光検出部は照明部側に配置すればよい。
照明部24a,25aは、欠陥検査の種類に応じて光強度や波長、偏光状態等が調整された照明光を両面貼合フィルムF105に照射する。光検出部24b,25bは、CCD等の撮像素子を用いて、両面貼合フィルムF105の照明光が照射された位置の画像を撮像する。光検出部24b,25bで撮像された画像(欠陥検査の結果)は、制御装置16に出力される。
記録装置13は、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12の欠陥検査の結果に基づく欠陥情報を両面貼合フィルムF105に記録するものである。具体的に、欠陥情報は、欠陥の位置や種類等に関する情報を含み、例えば、文字、バーコード、二次元コード(DataMatrixコード、QRコード(登録商標)等)などの識別コードとして記録される。識別コードには、例えば、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12で検出された欠陥が、識別コードが印字された位置からフィルム幅方向に沿ってどれだけの距離だけ離れた位置に存在するかを示す情報(欠陥の位置に関する情報)が含まれる。又、識別コードには、検出された欠陥の種類に関する情報が含まれていてもよい。
記録装置13は、第5の搬送ライン105において、第2の欠陥検査装置12よりも下流側に設けられている。記録装置13は、例えばインクジェット方式を採用した印字ヘッド13aを有している。この印字ヘッド13aは、両面貼合フィルムF105の幅方向の端縁部(端部)に沿った位置にインクを吐出し、上記欠陥情報の印字を行う。以下、両面貼合フィルムF105の幅方向の端部に沿う領域を「記録領域」という(図5に示す記録領域E)。
又、記録装置13は、両面貼合フィルムF105の欠陥箇所に、欠陥を包含するような大きさのドット状、ライン状若しくは枠状のマークを印字(マーキング)することによって、欠陥箇所に直接記録を行ってもよい。このとき、マークの他にも欠陥の種類を示す記号や模様を欠陥箇所に印字することによって、欠陥の種類に関する情報を記録してもよい。
第1の測長器14及び第2の測長器15は、第1のフィルムF101の搬送量を測定するものである。具体的に、本実施形態では、第1の搬送ライン101において、第1のアキュームレーター112よりも上流側にある第1のニップロール111aに第1の測長器14を構成するロータリーエンコーダーと、第1のアキュームレーター112よりも下流側にある第3のニップロール131aに第2の測長器15を構成するロータリーエンコーダーとが配置されている。
第1の測長器14及び第2の測長器15は、第1のフィルムF101に接して回転する第1のニップロール111a及び第3のニップロール131aの回転変位量に応じて、ロータリーエンコーダーが第1のフィルムF101の搬送量を測定する。第1の測長器14及び第2の測長器15の測定結果は、制御装置16に出力される。
尚、本実施形態では、第1の欠陥検査装置11と記録装置13との間に、アキュームレーターが1つしか存在しないため、このアキュームレーターの上流側と下流側に測長器が1つずつ配置された構成となっている。一方、第1の欠陥検査装置11と記録装置13との間にアキュームレーターが複数存在する場合には、その最も上流側にあるアキュームレーターの上流側と、最も下流側にあるアキュームレーターの下流側に測長器が1つずつ配置された構成とすればよい。
制御装置16は、フィルム製造装置100の各部を統括制御するものである。具体的に、この制御装置16は、電子制御装置としてのコンピュータシステムを備えている。コンピュータシステムは、CPU等の演算処理部と、メモリーやハードディスク等の情報記憶部とを備えている。
制御装置16の情報記憶部には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)や、演算処理部にフィルム製造装置100の各部に各種の処理を実行させるプログラムなどが記録されている。又、制御装置16は、フィルム製造装置100の各部の制御に要する各種処理を実行するASIC等の論理回路を含んでいてもよい。又、制御装置16は、コンピュータシステムの外部装置との入出力を行うためのインターフェースを含む。このインターフェースには、例えはキーボードやマウス等の入力装置や、液晶表示ディスプレイ等の表示装置、通信装置などが接続可能となっている。
制御装置16は、光検出部21b,22b,23b及び光検出部24b,25bで撮像された画像を解析して、欠陥の有無(位置)や種類などを判別する。制御装置16は、第1のフィルムF101や両面貼合フィルムF105に欠陥が存在すると判定した場合には、記録装置13を制御して両面貼合フィルムF105に欠陥情報を記録する。
欠陥検査システム10では、両面貼合フィルムF105の欠陥検査位置と、欠陥情報の情報記録位置との間にずれが生じないように、欠陥検査後に所定のタイミングで欠陥情報の記録を行う。例えば、本実施形態では、第1の欠陥検査装置11又は第2の欠陥検査装置12による欠陥検査が行われた時刻以降に、搬送ラインL上で搬送されるフィルムの搬送量を算出し、算出された搬送量がオフセット距離と一致したときに、記録装置13により記録が行われる。
ここで、オフセット距離は、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12と、記録装置13との間のフィルムの搬送距離を言う。厳密には、オフセット距離は、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12により欠陥検査が行われる位置(欠陥検査位置)と、記録装置13により欠陥情報の記録が行われる位置(情報記録位置)との間のフィルムの搬送距離として定義される。又、オフセット距離は、第1のアキュームレーター112を稼働させると変動する。
第1のアキュームレーター112の非稼働時おけるオフセット距離(以下「第1のオフセット距離」という。)は、予め制御装置16の情報記憶部に記憶されている。具体的に、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12には、複数の光検出部21b,22b,23b及び光検出部24b,25bが存在し、光検出部21b,22b,23b,24b,25b毎に欠陥検査が行われる。このため、制御装置16の情報記憶部には、光検出部21b,22b,23b,24b,25b毎に第1のオフセット距離が記憶されている。
第1のアキュームレーター112の稼働によってオフセット距離が変動する場合には、第1のアキュームレーター112の上流側と下流側との第1のフィルムF101の搬送量の差に基づいて、オフセット距離の補正値を算出する。すなわち、制御装置16では、第1の測長器14及び第2の測長器15の測定結果から、第1のアキュームレーター112による第1のフィルムF101の蓄積量を算出し、この第1のフィルムF101の蓄積量に基づいてオフセット距離の補正値を算出する。
欠陥検査システム10では、第1のアキュームレーター112の稼働時に、オフセット距離の補正値に基づいて、記録装置13が欠陥情報を記録するタイミングを補正する。例えば、本実施形態では、第1の測長器14及び第2の測長器15の測定結果に基づいて、オフセット距離の補正値を算出する。制御装置16は、この補正値及び第1のオフセット距離に基づいて、第1のアキュームレーター112の稼働時におけるオフセット距離(以下「第2のオフセット距離」という。)を算出する。
本実施形態では、第1の測長器14又は第2の測長器15の測定結果に基づいて、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12による欠陥検査が行われた時刻以降に、搬送ラインL上で搬送されるフィルムの搬送量を算出し、算出された搬送量が第2のオフセット距離と一致したときに、記録装置13により記録が行われる。
又、本実施形態では、第1のアキュームレーター112の稼働時に、欠陥情報とは別に、第1のアキュームレーター112が稼働したことを示す情報(以下「アキュームレーター稼働情報」という。)を両面貼合フィルムF105に記録してもよい。アキュームレーター稼働情報を記録した場合には、アキュームレーター稼働情報が付された部分の欠陥箇所をオペレーターが入念に検査することにより、記録位置のずれなどを検出することができる。これにより、良品部分を誤って欠陥箇所と判定する可能性が少なくなり、歩留りの向上が図られる。
(欠陥情報読取システム)
次に、上記フィルム製造装置100が備える欠陥情報読取システム40について説明する。
欠陥情報読取システム40は、図4に示すように、欠陥情報読取装置30と、警報装置41(警報部)と、制御装置16(判定部)とを備えている。
欠陥情報読取装置30は、両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報を読み取るものである。具体的に、欠陥情報読取装置30は、欠陥の位置や種類等に関する情報を含み、例えば、文字、バーコード、二次元コード(DataMatrixコード、QRコード(登録商標)等)などの識別コードとして記録された欠陥情報を読み取る。例えば、欠陥情報を読み取ることにより、第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12で検出された欠陥が、識別コードが印字された位置からフィルム幅方向に沿ってどれだけの距離だけ離れた位置に存在するかを示す情報(欠陥の位置に関する情報)が得られる。又、識別コードに検出された欠陥の種類に関する情報が含まれる場合には、欠陥情報を読み取ることにより、検出された欠陥の種類に関する情報が得られる。欠陥情報読取装置30により得られた欠陥情報(読取結果)は、制御装置16に出力される。
欠陥情報読取装置30は、第5の搬送ライン105において、記録装置13よりも下流側に設けられている。欠陥情報読取装置30は、両面貼合フィルムF105の搬送方向に並ぶ複数(例えば本実施形態では二つ)の撮像装置31,32(撮像部)を有している。尚、撮像装置の配置数は二つに限らず、三つ以上の複数であってもよい。
撮像装置31,32は、CCD等の撮像素子を用いて、搬送される両面貼合フィルムF105の欠陥情報を撮像する。撮像装置31,32は、搬送される両面貼合フィルムF105の欠陥情報を相互に独立して撮像するように構成されている。具体的に、撮像装置31,32は、相互に連動して作動する構成とはされておらず、撮像装置31の撮像動作とは別個独立に撮像装置32が作動し、且つ、撮像装置32の撮像動作とは別個独立に撮像装置31が作動する構成とされている。
本実施形態では、二つの撮像装置31,32の一方(上流側)の撮像装置31が両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報を読み取り可能な読取部とされ、残りの他方(下流側)が両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報の有無を検知可能な検知部とされている。
検知部としての撮像装置32は、両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報を読み取り可能でなくてもよく、少なくとも両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報の有無を検知可能であればよい。本実施形態では、検知部としての撮像装置32は、読取部としての撮像装置31よりも低コストのものを用いる。例えば、検知部としての撮像装置32が備えるCCDの性能(例えば解像度、感度、分解能など)を、読取部としての撮像装置31における性能よりも低くすることにより、検知部としての撮像装置32のコストを、読取部としての撮像装置31のコストよりも低くすることができる。
尚、二つの撮像装置31,32のそれぞれが両面貼合フィルムF105に記録された欠陥情報を読み取り可能な読取部とされていてもよい。すなわち、複数の撮像装置の少なくとも一つが読取部とされていてもよい。更に、複数の撮像装置の少なくとも一つが検知部とされていてもよい。又、二つの撮像装置31,32の一方を読取部とし、残りの他方を検知部とした場合には、読取部としての撮像装置31は、第5の搬送ライン105において、検知部としての撮像装置32よりも下流側に設けられてもよい。
警報装置41は、制御装置16に電気的に接続されている。警報装置41は、判定部としての制御装置16の判定結果に基づいて警報を発するものである。警報装置41は、オペレーターに所定の警報を通知するためのものであればよく、警報装置41が警報を通知する方法については特に限定されない。例えば、警報装置41は、音を発することでオペレーターに警報を認識させる方式であってもよいし、ランプの点灯によりオペレーターに警報を認識させる方式であってもよいし、これらを組み合わせた方式で警報を認識させる方式であってもよい。
尚、第5の搬送ライン105において、欠陥情報読取装置30の下流側には、読み取られた欠陥情報に基づいて、フィルムを切断可能な切断装置(不図示)が設けられていてもよい。不図示の切断装置により、フィルムを切り出すことで、枚葉物(製品)を取り出してもよい。
次に、上記欠陥情報読取装置30の配置の一例について説明する。
図5は、欠陥情報読取装置30を両面貼合フィルムF105の上方側から見た平面図である。
図5に示すように、欠陥情報読取装置30は、両面貼合フィルムF105の記録領域Eにおいて、両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿うように並んで配置される複数(例えば本実施形態では二つ)の撮像装置31,32を有している。
尚、記録領域Sは、両面貼合フィルムF105を上記液晶表示パネルPに貼合したときに、この液晶表示パネルPの表示領域P4と重なる領域よりも外側に位置している。又、記録領域Sは、上記液晶表示パネルPに貼合する前に切断されて除去される領域である。
欠陥情報C1~C4は、記録領域Sにおいて、両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って不規則な間隔で印字されている。尚、欠陥情報C1~C4は、記録領域Sにおいて、両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って規則的な間隔(一定間隔)で印字されていてもよい。例えば、両面貼合フィルムF105の検査領域を両面貼合フィルムF105の搬送方向に一定間隔に区切り、両面貼合フィルムF105の検査結果を前記一定間隔ごとの欠陥分布として記録する場合には、欠陥情報は記録領域Sにおいて両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って前記一定間隔ごとに印字されていてもよい。
本実施形態では、欠陥情報C1~C4は、記録領域Sにおいて、両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って不規則な間隔で印字され、撮像装置31,32により、搬送される両面貼合フィルムF105の欠陥情報C1~C4を相互に独立して撮像する構成とされている。
尚、図5においては便宜上、欠陥情報C1~C4の4箇所を図示するが、欠陥情報は上記第1の欠陥検査装置11及び第2の欠陥検査装置12の欠陥検査の結果に基づくものであるため、全く印字されない場合もあれば、1~3箇所の複数印字される場合もあり、任意の数が印字され得る。
撮像装置31,32の撮像視野A1,A2は、平面視で、搬送される両面貼合フィルムF105の記録領域S全体と重なるように配置されている。具体的に、撮像装置31の撮像視野A1は、平面視矩形状をなし、両面貼合フィルムF105の搬送方向における撮像視野A1の一辺の長さW11は所定長さとされ、フィルム幅方向における撮像視野A1の一辺の長さW12はフィルム幅方向における記録領域Sの長さWeよりも大きく設定されている(W12>We)。同様に、撮像装置32の撮像視野A2は、平面視矩形状をなし、両面貼合フィルムF105の搬送方向における撮像視野A2の一辺の長さW21は所定長さとされ、フィルム幅方向における撮像視野A2の一辺の長さW22は、フィルム幅方向における記録領域Sの長さWeよりも大きく設定されている(W22>We)。
本実施形態では、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2は、概ね等しく設定されている。例えば、撮像視野A1の一辺の長さW11及び撮像視野A2の一辺の長さW21は、それぞれ60mm程度に設定されている(W11≒W21)。又、撮像視野A1の一辺の長さW12及び撮像視野A2の一辺の長さW22も、それぞれ60mm程度に設定されている(W12≒W22)。
撮像装置31,32は、両面貼合フィルムF105が所定距離だけ搬送されるごとに、記録領域Sを相互に独立して撮像する。前記所定距離は、撮像視野A1,A2の一辺の長さW11,W21のそれぞれよりも小さく設定されている。
例えば、撮像視野A1の一辺の長さW11が60mm程度に設定されている場合には、撮像装置31は、両面貼合フィルムF105が50mmだけ搬送されるごとに記録領域Sを撮像する。これにより、撮像装置31が記録領域Sを撮像するごとに、撮像視野A1の両面貼合フィルムF105の搬送方向における端部が平面視で10mm程度重なることとなる。
同様に、撮像視野A2の一辺の長さW21が60mm程度に設定されている場合には、撮像装置32は、両面貼合フィルムF105が50mmだけ搬送されるごとに記録領域Sを撮像する。これにより、撮像装置32が記録領域Sを撮像するごとに、撮像視野A2の両面貼合フィルムF105の搬送方向における端部が平面視で10mm程度重なることとなる。
このように、前記所定距離が撮像視野A1,A2の一辺の長さW11,W21のそれぞれよりも小さく設定することで、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2を、平面視で、搬送される両面貼合フィルムF105の記録領域S全体と重なるように配置することができる。すなわち、前記所定距離が撮像視野A1,A2の一辺の長さW11,W21のそれぞれよりも小さく設定することで、前記所定距離が撮像視野A1,A2の一辺の長さW11,W21のそれぞれよりも大きく設定する場合と比較して、記録領域Sに印字された欠陥情報が撮像視野A1,A2の外に配置されることを抑制でき、撮像装置31,32により前記欠陥情報を漏れなく撮像することができる。
尚、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2は概ね等しく設定されることに限らず、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2は互いに異なる大きさに設定されていてもよい。例えば、読取部としての撮像装置31におけるCCDの分解能を高めたい場合には、CCDの配置数を増やすとともに、CCDに使用するレンズを変えることで撮像視野A1を小さくしてもよい。一方、検知部としての撮像装置32におけるCCDの分解能を低くしたい場合には、CCDの配置数を減らすとともに、CCDに使用するレンズを変えることで撮像視野A2を大きくしてもよい。
又、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2は、平面視で、互いに重ならない位置に配置されている。撮像装置31,32の撮像視野A1,A2を平面視で互いに重ならない位置に配置することで、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2を平面視で互いに重なる位置に配置する場合と比較して、撮像装置31と撮像装置32とで共通した原因に基づく欠陥情報の読み飛ばしが生じることを回避することができる。例えば、搬送される両面貼合フィルムF105の記録領域Sのうち撮像装置31の撮像視野A1においてフィルムの振動及び蛇行などが生じた場合であっても、撮像装置31,32の撮像視野A1,A2を平面視で互いに重ならない位置に配置することで、撮像装置32の撮像視野A2では撮像装置31の撮像視野A1におけるフィルムの振動及び蛇行などの影響を受け難くすることができるため、撮像装置31と撮像装置32とで共通した原因に基づく欠陥情報の読み飛ばしが生じることを回避することができる。
次に、図6を参照して、上記欠陥情報読取システム40の動作(欠陥情報読取方法)の一例について説明する。
図6は、欠陥情報読取方法の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS1において、欠陥情報読取装置30は、二つの撮像装置31,32により、搬送される両面貼合フィルムF105の記録領域Eにおける欠陥情報を相互に独立して撮像する。本実施形態では、二つの撮像装置31,32のうち一方の撮像装置31を前記欠陥情報を読み取り可能な読取部とし、残りの他方の撮像装置32を前記欠陥情報の有無を検知可能な検知部とする。欠陥情報読取装置30により得られた欠陥情報(読取結果)は、制御装置16に出力される。
ステップS2において、判定部としての制御装置16は、欠陥情報読取装置30により得られた欠陥情報(読取結果)に基づいて、二つの撮像装置31,32における欠陥情報の読み飛ばしの有無を判定する。ここで、「欠陥情報の読み飛ばし」は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされることを意味する。本実施形態では、「欠陥情報の読み飛ばし」には、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できないことが含まれる。
ステップS3において、判定部としての制御装置16は、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたか否かを判定する。本実施形態では、判定部としての制御装置16は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされたか否か、及び、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できなかったか否かの双方を判定する。
判定部としての制御装置16は、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたと判定した場合(ステップS3;Yes)には、処理をステップS5に進める。判定部としての制御装置16は、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしていないと判定した場合(ステップS3;No)には、処理をステップS4に進める。
ステップS4において、フィルム製造装置100は、フィルムの搬送を継続する。例えば、フィルム製造装置100は、第5の搬送ライン105において、片面貼合フィルムF104の第1のフィルムF101側の面(第1のフィルムF101の他面)に第3のフィルムF103を貼合した長尺帯状の両面貼合フィルムF105(光学フィルムF10X)を第3の原反ロールR3に向けて搬送している場合には、前記両面貼合フィルムF105の搬送を継続する。
ステップS5において、制御装置16の情報記憶部は、欠陥情報の読み飛ばしの情報を記憶する。例えば、制御装置16の情報記憶部は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされた場合には、読取部としての撮像装置31による欠陥情報の読み飛ばしの情報を記憶する。又、制御装置16の情報記憶部は、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できなかった場合には、検知部としての撮像装置32による欠陥情報の読み飛ばしの情報を記憶する。
ステップS6において、警報装置41は、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたと判定部としての制御装置16が判定したときに、警報を発する。例えば、警報装置41は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされた場合に、警報を発する。又、警報装置41は、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できなかった場合に、警報を発する。
警報装置41が警報を発することにより、前記欠陥情報が読み飛ばされた場合には、オペレーターに注意を喚起することができる。
ステップS4において、フィルム製造装置100は、警報装置41が警報を発した後も、フィルムの搬送を継続する。
尚、不図示の切断装置により、前記読取結果に基づいてフィルムを切り出すことで、枚葉物(製品)を取り出してもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る欠陥情報読取方法は、長尺帯状の両面貼合フィルムF105の幅方向の端部に印字された欠陥情報を読み取る欠陥情報読取方法であって、二つの撮像装置31,32により、搬送される前記両面貼合フィルムF105の前記欠陥情報を相互に独立して撮像し、前記二つの撮像装置31,32の少なくとも一つを、前記欠陥情報を読み取り可能な読取部とするものである。又、本実施形態に係る欠陥情報読取装置30は、長尺帯状の両面貼合フィルムF105の幅方向の端部に印字された欠陥情報を読み取る欠陥情報読取装置30であって、搬送される前記両面貼合フィルムF105の前記欠陥情報を相互に独立して撮像する二つの撮像装置31,32を含み、前記二つの撮像装置31,32の少なくとも一つは、前記欠陥情報を読み取り可能な読取部とされるものである。
本実施形態によれば、二つの撮像装置31,32により、搬送される前記両面貼合フィルムF105の前記欠陥情報を相互に独立して撮像し、前記二つの撮像装置31,32の少なくとも一つを、前記欠陥情報を読み取り可能な読取部とすることで、一つの撮像装置のみで欠陥情報を撮像する場合と比較して、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じることを抑制することができる。例えば、二つの撮像装置31,32のうち何れか一方で欠陥情報の読み飛ばしが生じた場合であっても、残りの他方で欠陥情報を読み取ることができる。従って、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じることを抑制することで、欠陥を含むフィルム(不良品)の流出を回避すると共に、フィルムの歩留りを改善し、生産性の向上を図ることができる。
又、二つの撮像装置31,32のうちの撮像装置32を欠陥情報の有無を検知可能な検知部とすることで、二つの撮像装置31,32の双方を前記読取部とする場合と比較して、CCDの性能などを低く設定することができるため、低コスト化を図ることができる。
仮に、欠陥情報C1~C4が記録領域Sにおいて両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って規則的な間隔(一定間隔)で印字されている場合には、前記一定間隔であることを利用して欠陥情報の撮像や読み飛ばしを判定することができる。しかし、欠陥情報C1~C4が記録領域Sにおいて両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って不規則な間隔で印字されている場合には、前記一定間隔であることを利用した欠陥情報の撮像や読み飛ばしの判定ができないため、欠陥情報の読み飛ばしが生じ易く、前記読み飛ばしの発生を把握しにくい。
本実施形態によれば、欠陥情報C1~C4が記録領域Sにおいて両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿って不規則な間隔で印字され、撮像装置31,32により搬送される両面貼合フィルムF105の欠陥情報C1~C4を相互に独立して撮像することで、欠陥情報の読み飛ばしが生じ易い状態であっても、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じることを効果的に抑制することができ、仮に前記読み飛ばしが生じてしまっても前記読み飛ばしを容易に把握することができる。
本実施形態に係る欠陥情報読取システム40は、前記欠陥情報読取装置30と、前記欠陥情報読取装置30により得られた前記欠陥情報に基づいて、前記二つの撮像装置31,32における前記欠陥情報の読み飛ばしの有無を判定する判定部としての制御装置16と、前記二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたと前記判定部としての制御装置16が判定したときに警報を発する警報装置41と、を含むものである。
本実施形態によれば、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたと前記判定部としての制御装置16が判定したときに警報を発する警報装置41を含むことで、警報装置41が警報を発することにより、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じた場合に前記読み飛ばしの発生を把握することができる。例えば、警報装置41が警報を発することにより、前記欠陥情報が読み飛ばされた場合には、オペレーターに注意を喚起することができる。これにより、オペレーターは、バーコードリーダー等のハンディ機器で欠陥位置や欠陥情報を読み取り、フィルム上に存在する欠陥の種類や位置を確認することができる。更に、オペレーターは、読み取った欠陥情報を基に、欠陥原因を解析することもできる。尚、前記欠陥情報を基に、システム的に欠陥原因を解析してもよいし、前記読み飛ばしが生じた原因を特定してもよい。
ところで、欠陥情報の読み取りに影響を及ぼす因子としては、(1)フィルムの搬送速度(以下「ライン速度」という。)、(2)バックライトの適切な明るさの範囲、(3)欠陥情報のサイズ、(4)フィルムの振動、(5)フィルムの蛇行、(6)フィルムの吸光度、(7)フィルムの汚さ、(8)フィルムの端部の反り、(9)フィルムの皺、(10)カメラのエラー補正時間、(11)欠陥情報の印字状態(欠陥情報が綺麗に印字されているか否か)などが考えられる。
以下、上記因子について説明する。近年の生産効率向上の要求により、ライン速度は増加する傾向にあり、最大で30m/min~50m/minの速度とされている。ライン速度が大きい場合、撮像装置のシャッタースピードを短くしないと撮像対象としての欠陥情報がぶれて欠陥情報を読み取り難くなる。一方、ライン速度が大きい場合であっても、撮像装置のシャッタースピードを短くし過ぎると撮像視野が暗くなるので欠陥情報を読み取り難くなる可能性がある。又、撮像対象としての欠陥情報をバックライトで照らした状態で、撮像装置により前記欠陥情報を撮像する場合には、バックライトを明るくし過ぎても前記欠陥情報を読み取り難くなるため、バックライトとしては適切な明るさが要求される。
又、生産歩留まりを向上する観点からは欠陥情報のサイズは小さくすることが好ましいが、欠陥情報のサイズを小さくし過ぎると、前記欠陥情報を読み取り難くなる。例えば、欠陥情報の読み取り易さを確保する観点からは、欠陥情報として二次元コードを用いる場合には、二次元コードの幅は10mm~20mm程度に設定することが望ましい。
又、欠陥情報(コード)を読み取る際に、読み取り易さを向上するための画像処理や、コードに含まれているエラー訂正情報を用いてエラー訂正処理を実施するが、フィルムの搬送速度やコード間隔によって、前記エラー訂正処理の処理時間が制限される。エラー補正時間とは、この制限された処理時間を示す。エラー補正時間中に前記エラー訂正処理が完了しない場合は、読み飛ばしとなる。
上記因子により欠陥情報の読み飛ばしが生じ易い状態であっても、本実施形態によれば、二つの撮像装置31,32を前記両面貼合フィルムF105の搬送方向に沿うように配置し、前記二つの撮像装置31,32により、搬送される前記両面貼合フィルムF105の前記欠陥情報を相互に独立して撮像し、前記二つの撮像装置31,32の少なくとも一つを、前記欠陥情報を読み取り可能な読取部とすることで、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じることを効果的に抑制することができる。
尚、読取部及び検知部の位置関係は限定されない。例えば、レイアウト上の制約を受け難くする観点からは、前記読取部としての撮像装置31を、第5の搬送ライン105において、前記検知部としての撮像装置32よりも上流側に設けてもよいし、前記検知部としての撮像装置32よりも下流側に設けてもよい。
尚、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
上記実施形態では、上記欠陥情報読取システム40は、フィルム製造装置100の一部に設けられた構成を一例として挙げて説明したが、これに限らない。上記欠陥情報読取システム40は、フィルム製造装置100とは別個独立に設けられていてもよい。例えば、フィルム製造装置100は上記欠陥情報読取システム40を備えず、フィルム製造装置100において製造される両面貼合フィルムF105を、巻取部106で光学フィルムF10Xの第3の原反ロールR3として芯材に巻き取った後、次工程へと送り、次工程における設備の一部に上記欠陥情報読取システム40が設けられていてもよい。
又、上記実施形態では、二つの撮像装置31,32のうちの撮像装置32を欠陥情報の有無を検知可能な検知部としているが、二つの撮像装置31,32の双方を欠陥情報を読み取り可能な読取部としてもよい。二つの撮像装置31,32の双方を前記読取部とすることで、二つの撮像装置31,32の一方を前記検知部とする場合と比較して、CCDの性能を高く設定して欠陥情報の読み取り精度を向上することができるため、フィルムの欠陥情報の読み飛ばしが生じることを効果的に抑制することができる。
又、撮像装置の配置数は二つに限らず、三つ以上の複数であってもよい。撮像装置の配置数を三つ以上の複数とした場合には、複数の撮像装置のうち読取部としての撮像装置を増やす程、前記欠陥情報の読み飛ばしが生じることを抑制しやすくなる。従って、複数の撮像装置のうち読取部としての撮像装置を増やすことで、欠陥を含むフィルム(不良品)が流出する確率を低減すると共に、フィルムの歩留りを改善し、生産性の向上を図ることができる。
更に、前記読み飛ばしを効果的に抑制する手段として、フィルム搬送の上流側に配置した読取部において前記読み飛ばしが発生した場合、警報を発するとともに、フィルムの搬送速度を自動的に落として、フィルム搬送の下流側に配置した読取部又は検知部にて、欠陥情報を読み取り易くすることも可能である。
又、上記実施形態では、「欠陥情報の読み飛ばし」には、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できないことが含まれるとしたが、これに限らない。例えば、「欠陥情報の読み飛ばし」に、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できないことが含まれなくてもよい。すなわち、「欠陥情報の読み飛ばし」は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされることのみを意味してもよい。
「欠陥情報の読み飛ばし」は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされることのみを意味するとすれば、図6に示すステップS3において、判定部としての制御装置16は、二つの撮像装置31,32の少なくとも一つが前記欠陥情報を読み飛ばしたか否かを判定する際に、判定部としての制御装置16は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされたか否かのみを判定すればよく、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できなかったか否かについては判定しなくて済む。又、警報装置41は、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされた場合にのみ警報を発すればよく、検知部としての撮像装置32が欠陥情報の有無を検知することができないために欠陥情報の有無が認識できなかった場合には警報を発しなくて済む。従って、読取部としての撮像装置31が欠陥情報を読み取ることができないために欠陥情報が読み飛ばされた場合にのみ、警報を発するなどの特段の対処をすればよく、全ての撮像装置で欠陥情報の読み飛ばしが生じない限り、特段の対処をすることなく、生産を継続することができる。
又、上記記録装置13は、第2の欠陥検査装置12の下流側に配置された構成となっているが、第1の欠陥検査装置11の下流側に配置することも可能である。この場合、第1の欠陥検査装置11による欠陥検査を行った後に、記録装置13による欠陥情報の記録を行うことが可能である。
又、上記記録装置13については、上述した欠陥検査後に欠陥情報を記録するものに限定されるものではない。例えば、長距離の搬送ラインでは、記録装置を複数配置し、一定距離毎に距離情報の記録を行い、この記録された距離情報に基づいて距離の補正を行うことがある。このような距離情報の記録を行う記録装置については、例えば、第1の欠陥検査装置11の上流側などに配置されることがある。
尚、本発明が適用されるフィルムについては、上述した偏光フィルムや位相差フィルム、輝度向上フィルムといった光学フィルムに必ずしも限定されるものではなく、記録装置13による記録が行われるフィルムに対して本発明を幅広く適用することが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。