JP7191351B1 - 流量制御システム、点滴システム、輸液ポンプ、流量制御方法及びプログラム - Google Patents

流量制御システム、点滴システム、輸液ポンプ、流量制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルから滴下する液滴の流量を、演算負荷を抑制しつつ精度良く且つ安定的に制御することができる流量制御システム等を提供する。【解決手段】流量制御システムは、液滴を撮像する撮像装置と、液滴の画像データに基づいて液滴の体積を算出する体積算出部と、設定された目標流量と体積算出部により算出された液滴の体積とに基づいて目標滴下周期を算出する目標周期算出部と、滴下周期の計測値が目標滴下周期に近づくように流量調整を行う滴下周期調整部とを備え、点滴の開始後にノズルから滴下した液滴について第1の液滴の体積を算出し、該体積に基づいて算出された第1の目標滴下周期をもとに滴下周期に対する第1のフィードバック制御を行い、その後、滴下周期が安定した後にノズルから滴下した液滴について第2の液滴の体積を算出し、該体積に基づいて算出された第2の目標滴下周期をもとに滴下周期に対する第2のフィードバック制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、ノズルから滴下する液体の流量制御システム、点滴システム、輸液ポンプ、流量制御方法及びプログラムに関する。
薬液や栄養剤等の液体(点滴液)を点滴する際には、予め決められた流量を維持することが重要である。従来、点滴の流量制御は、同じ径のノズルから滴下する液滴の体積は一定であるという前提で、点滴筒内に滴下する液滴の数をカウントし、単位時間あたりの滴下数から流量を算出し、液滴の滴下周期(滴下する時間間隔)を調節することにより行われている。
しかし、実際には、液滴の表面張力は、液体の種類(粘度)や環境温度等の条件に依存して変化するため、液滴1つあたりの体積は一定ではない。また、医療の現場においては、点滴中に患者が姿勢を変えてしまうことがあり、この場合、点滴液のヘッド差が変化して液滴の体積が変動してしまうことがある。そのため、液滴の滴下周期のみによって流量を制御する従来の方法においては、精度良い流量制御が困難である。
近年では、ノズルから滴下する液滴を撮像し、液滴が写った画像に基づいて当該液滴の体積を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。また、特許文献3には、計測した液滴体積を元に流量を設定する輸液ポンプが開示されている。
国際公開第2017/043437号 特開2018-148962号公報 特開2011-62371号公報
本願発明者らは、様々な条件の下、ノズルから滴下する液滴の体積を画像に基づいて計測する実験を行ったところ、同じ種類の液体を同じ径のノズルから滴下させる場合であっても、滴下周期によって液滴の体積が変化することを発見した。この事実から、液体の種類や環境といった要因だけでなく、流量制御のために滴下周期を調整したときにも、液滴1つあたりの体積は変動してしまうことになる。つまり、滴下周期と液滴の体積とは互いに相関しているため、滴下周期に基づく従来の流量制御方法では、流量を精度良く制御することが困難である。
これに対し、1滴の体積を継続的に計測しながら滴下周期を調整することで、流量を精密に制御することも考えられるが、この場合、流量制御にかかる演算処理の負荷が大きくなってしまう。
本発明は、ノズルから滴下する液滴の流量を、演算処理の負荷を抑制しつつ精度良く制御することができる流量制御システム、点滴システム、輸液ポンプ、流量制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である流量制御システムは、ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、液滴の流量を制御する流量制御システムであって、前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力するように構成された撮像装置と、前記撮像装置から出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出部と、液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出するように構成された滴下検出手段と、前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出するように構成された滴下周期算出部と、予め設定された目標流量と、前記体積算出部により算出された液滴の体積とに基づいて、目標滴下周期を算出するように構成された目標周期算出部と、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部を制御するように構成された滴下周期調整部と、を備え、前記目標周期算出部は、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積に基づいて、第1の目標滴下周期を算出するように構成され、前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成され、前記目標周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御により滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、第2の目標滴下周期を算出するように構成され、前記滴下周期調整部は、さらに、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように第2のフィードバック制御を行うように構成されるものである。
上記流量制御システムにおいて、前記目標周期算出部は、前記第1のフィードバック制御の期間中に算出された滴下周期が、誤差10%の範囲内になった場合に滴下周期が安定したと判定し、該判定をした後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、前記第2の目標滴下周期を算出するように構成されても良い。
上記流量制御システムにおいて、前記体積算出部は、前記第2のフィードバック制御が開始された後、液滴の体積の算出を停止するように構成されていても良い。
上記流量制御システムにおいて、前記滴下周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御の実行中に前記ノズルから滴下した液滴について算出された液滴の体積に基づいて、第1の目標滴下周期を更新するように構成され、前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により更新された前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成されても良い。
上記流量制御システムにおいて、前記滴下周期調整部は、点滴の開始時に、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が、前記目標流量よりも小さい流量と理論上の液滴の体積とに基づいて算出された第3の目標滴下周期に近づくように前記流量調整部を制御しても良い。
上記流量制御システムにおいて、前記滴下検出手段は、前記撮像装置から出力された画像データに基づいて前記タイミング又は前記回数を検出し、複数の発光素子を有し、前記撮像装置の視野を照明するように構成された光源と、前記複数の発光素子のオンオフを制御するように構成された光源制御部と、をさらに備え、前記光源制御部は、点滴の開始後から前記第1のフィードバック制御が終了するまで、前記撮像装置の視野のうち少なくとも前記タイミングの検出及び液滴の体積の算出に必要な領域が照明されるように、前記複数の発光素子のオンオフを制御し、前記第2のフィードバック制御の実行中、前記撮像装置の視野のうち前記タイミングの検出に必要な領域が照明される範囲内で、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子を消灯させても良い。
上記流量制御システムにおいて、前記光源制御部は、さらに、前記第2のフィードバック制御の実行中に発光させる発光素子のトータルの光量が、前記第1のフィードバック制御の実行中に発光させる発光素子のトータルの光量と同程度になるように、前記第2のフィードバック制御の実行中に発光させる各発光素子の光量を増加させても良い。
本発明の別の態様である輸液ポンプは、点滴筒に接続された輸液チューブを保持するように構成されたチューブ保持部と、前記輸液チューブを押圧することにより前記輸液チューブ内の液体を送液するように構成されたポンプ部と、前記点滴筒に取り付けられたノズルから前記点滴筒内に滴下する液滴を撮像する撮像装置から出力された画像データを取得するように構成されたインタフェースと、目標流量の入力を受け付ける操作入力部と、前記撮像装置から出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出部と、液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出するように構成された滴下検出手段と、前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出するように構成された滴下周期算出部と、前記操作入力部により受け付けられた前記目標流量と、前記体積算出部により算出された液滴の体積とに基づいて、目標滴下周期を算出するように構成された目標周期算出部と、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記目標滴下周期に近づくように、前記ポンプ部を制御するように構成された滴下周期調整部と、を備え、前記目標周期算出部は、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積に基づいて、第1の目標滴下周期を算出するように構成され、前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成され、前記目標周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御により滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、第2の目標滴下周期を算出するように構成され、前記滴下周期調整部は、さらに、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように第2のフィードバック制御を行うように構成されるものである。
本発明の別の態様である点滴システムは、上記輸液ポンプと、前記ノズルが取り付けられた前記点滴筒と、前記点滴筒に接続された輸液チューブと、を備えるものである。
本発明の別の態様である流量制御方法は、ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、液滴の流量を制御する流量制御方法であって、前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力する撮像ステップと、前記撮像ステップにおいて出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出ステップと、液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出する滴下検出ステップと、前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出する滴下周期算出ステップと、予め設定された目標流量と、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積とに基づいて、第1の目標滴下周期を算出する第1目標周期算出ステップと、前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第1の滴下周期調整ステップと、予め設定された目標流量と、前記第1の流量調整ステップにより滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積とに基づいて、第2の目標滴下周期を算出する第2目標周期算出ステップと、前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第2の滴下周期調整ステップと、を含むものである。
本発明の別の態様であるプログラムは、ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、コンピュータに実行させるプログラムであって、前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力する撮像装置から該画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記画像データ取得ステップにおいて取得された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出ステップと、液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出する滴下検出ステップと、前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出する滴下周期算出ステップと、予め設定された目標流量と、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積とに基づいて、第1の目標滴下周期を算出する第1目標周期算出ステップと、前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第1の滴下周期調整ステップと、予め設定された目標流量と、前記第1の流量調整ステップにより滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積とに基づいて、第2の目標滴下周期を算出する第2目標周期算出ステップと、前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第2の滴下周期調整ステップと、を実行させるものである。
本発明によれば、ノズルから滴下する液滴の流量を、演算処理の負荷を抑制しつつ精度良く制御することが可能となる。
本発明の実施形態に係る流量制御システムを含む点滴システムの概略構成を示す図である。 図1に示す光源の概略構成を示す模式図である。 図1に示す光源とノズルとの位置関係を説明するための模式図である。 図1に示す情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。 滴下周期による液滴(生理食塩水)の体積の変化を示すグラフである。 滴下周期による液滴(糖液)の体積の変化を示すグラフである。 滴下周期による液滴(超純水)の体積の変化を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る流量制御システムの動作を概略的に示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る流量制御方法における光源の制御を説明するための画像である。 本発明の実施形態に係る流量制御方法における光源の制御を説明するための画像である。 第1の実施例による流量制御におけるスタートアップカーブを示すグラフである。 第1の実施例による流量制御におけるトランペットカーブ(0~120分)を示すグラフである。 第1の実施例による流量制御におけるトランペットカーブ(60~120分)を示すグラフである。 第2の実施例による流量制御におけるスタートアップカーブを示すグラフである。 第2の実施例による流量制御におけるトランペットカーブ(0~120分)を示すグラフである。 第2の実施例による流量制御におけるトランペットカーブ(60~120分)を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態に係る流量制御システム、点滴システム、輸液ポンプ、流量制御方法及びプログラムについて、図面を参照しながら説明する。なお、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
以下の説明において参照する図面は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示しているに過ぎない。即ち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(流量制御システムの構成)
図1は、本発明の実施形態に係る流量制御システムを含む点滴システムの概略構成を示す図である。図1においては、本実施形態に係る流量制御システム10を、輸液バッグ2に充填された液体(点滴液)を点滴する点滴システム1に適用した例を示している。点滴システム1は、輸液バッグ2に接続された中間チューブ3、点滴筒4、及び輸液チューブ5を含み、点滴筒4内にはノズル6が取り付けられている。
輸液バッグ2は、薬液や栄養剤等の点滴液が充填された容器であり、点滴中には支持台等に吊り下げられて保持される。中間チューブ3は、一端において輸液バッグ2の排液ポート2aと接続され、他端において点滴筒4の上蓋4aに取り付けられたノズル6の一端と接続されている。このノズル6の他端は、点滴筒4内に突出するように設けられている。
輸液チューブ5は弾性材料によって形成されており、輸液チューブ5の一部を径方向に押圧する圧力(言い換えると、輸液チューブ5の径)を変化させることにより、輸液チューブ5を流れる液体の流量が変化する。また、輸液チューブ5の一部をしごくことにより、輸液チューブ5内の液体を送液することができる。輸液チューブ5内を流通する液体の流量が変化すると、点滴筒4の内圧が変化し、ノズル6から滴下する液滴7の滴下周期、即ち、単位時間あたりの液体の流量が変化する。
輸液チューブ5は、流量調整部8に保持されている。流量調整部8には、可撓性を有する輸液チューブ5を、形状を保ったままを保持可能な保持部材(チューブ保持部)と、輸液チューブ5を径方向に押圧可能な制御弁9とが設けられている。制御弁9は、情報処理部100による電気的な制御の下で駆動し、輸液チューブ5に対する押圧力を変化させる。
また、流量調整部8に、輸液チューブ5を流れる液体を送液するためのポンプ部が設けられていても良い。ポンプ部の構成は特に限定されない。例えば、ポンプ部として、ローラーを回転させることにより輸液チューブ5の一部をしごくように押圧するローラー方式を採用しても良いし、複数のフィンガー(ペリスタルティックフィンガー)で輸液チューブ5の一部を順次押圧するフィンガー方式を採用しても良い。
流量制御システム10は、ノズル6から間欠的に滴下する液滴7の流量(言い換えると、輸液チューブ5を流れる液体の流量)を制御するシステムであり、カメラ12及び情報処理部100を備える。カメラ12は、ノズル6から滴下する液滴を撮像して画像データを出力するように構成されている。情報処理部100は、カメラ12から出力された画像データを取り込み、該画像データに基づいて液滴の流量を制御するための種々の演算を実行するように構成されている。情報処理部100には、操作入力部110及び表示部120が接続されていても良い。さらに、流量制御システム10は、カメラ12に対してノズル6を挟んで互いに向かい合うように配置され、カメラ12の視野を照明するように構成された光源11を備えても良い。
また、上記情報処理部100、操作入力部110、及び表示部120に加え、ポンプ部が設けられた流量調整部8を1つの筐体に収納することにより、輸液ポンプ20を構成することができる。この場合、輸液ポンプ20に、カメラ12及び光源11をそれぞれ接続するためのポートを設けても良い。また、カメラ12及び光源11を1つの筐体に収納することにより、撮像ユニットを構成しても良く、この場合、輸液ポンプ20に撮像ユニットを接続するためのポートを設けても良い。或いは、光源11、カメラ12、情報処理部100、操作入力部110、及び表示部120を1つの筐体に収容し、この筐体に、ケーブル等を介して、ポンプ部が設けられた流量調整部8を接続しても良い。
図2は、光源11の概略構成を示す模式図である。図3は、光源11とノズル6との位置関係を説明するための模式図である。このうち、図2は光源11の正面(発光面)を示し、図3は光源11の側面を示す。図2及び図3のいずれにおいても、光源11の主要な構成のみを示し、筐体等は省略している。
光源11としては、例えばLED(Light Emitted Diode)等の発光素子を備える面光源を用いることができる。図2に示す光源11は、回路が形成された基板SBに実装された複数の発光素子Lを備える。図2に示す光源11において、発光素子Lは、5列×6行に配列されている。図3に示すように、光源11は、好ましくは、液滴7が落下する鉛直方向を広く照明できるように、長手方向が鉛直方向となる向きに配置される。
基板SBには、複数の発光素子Lの点灯状態を切り替え又は調整する調光部CLが設けられている。調光部CLは、後述する情報処理部100の制御に従い、素子ごと又は1つ以上の素子を含む素子群ごと(例えば行ごと)にオン(点灯)/オフ(消灯)を切り替える。また、調光部CLは、各発光素子Lに印加される電圧を調整して光量(調光値)を変化させる。調光方式としては、例えば8bitPWM調光方式(0~255諧調)が挙げられる。なお、カメラ12により撮像された画像におけるフリッカーを抑制するため、PWM周波数をカメラ12の撮像フレームレートに対して高く設定することが好ましい。
本実施形態においては、図3に示すように、6行の発光素子Lのうち、中央の2つの行11c,11dの発光素子Lがノズル先端部6a近傍を中心に照明するように、ノズル6に対する光源11の配置が決定されている。このようにノズル6と光源11を配置する場合、例えば、行11a~11fの全ての発光素子Lを点灯させた際には、ノズル6及びノズル先端部6aから垂下する液滴7の全体、或いはノズル先端部6aから離れて落下している液滴7を含む広い範囲を照明することができる。また、行11a,11b,11e,11fの発光素子Lを消灯し、行11c,11dの発光素子Lのみを点灯した際には、ノズル先端部6a近傍を中心に、ノズル6から液滴7が離れて落下し始めるタイミング(以下、液切れタイミングともいう)の検出に必要な領域を照明することができる。
もっとも、流量制御システム10に適用可能な光源の構成は図2に示すものに限定されない。例えば、点光源を用い、点光源から出射した光が平行光となるように配光制御するフィルタやレンズ等の光学系を設けても良い。また、光源11の駆動電源はバッテリーであっても良いし、AC電源であっても良い。
カメラ12は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子12aを有し、所定の撮像フレームレートでの動画撮像が可能な撮像装置である。撮像素子12aは、カメラ12に入射し、光学系により結像させられた光(被写体像)を受光面において受光し、光電変換を行うことにより電気信号を生成する。カメラ12は、この電気信号に対し、増幅、A/D変換等の所定の信号処理を施すことにより画像データを生成して出力する。
カメラ12のスペックは、ノズル6から液滴が滴下するタイミングの検出や液滴の体積の計測に足る撮像フレームレート及び解像度を得ることができれば、特に限定されない。一例として、カメラ12として、点滴筒4を近距離から撮像することができ、且つユーザによる点滴操作の邪魔にならないように、カメラモジュールの外径が数mm~十数mm程度、且つ、焦点距離が数mm~数十mm程度の小型カメラを用いることができる。また、カメラ12として、1辺の画素数が(320~600)×(480~800)程度、トータルの画素数が50万画素以下の撮像素子を備える汎用の製品を用いることができる。カメラ12の撮像フレームレートは、30~120fps(フレームレート/秒)程度の範囲であれば良い。
このようなカメラ12は、ノズル先端部6a及び該ノズル先端部6aから下方の所定範囲を視野に収めるように設置される。また、ワークディスタンスWDの変化にも対応できるように、カメラ12に対物側テレセントリックレンズを設けても良い。
情報処理部100は、後述するようにCPU(Central Processing Unit)等の演算部及びメモリを有するデバイスであり、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレット端末等の汎用の情報処理装置、或いは専用に構成されたマイクロコンピュータによって構成することができる。
操作入力部110は、入力ボタン、スイッチ、テンキー、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力デバイスによって構成され、ユーザによりなされた操作に応じた信号の入力を受け付け、演算部150に入力する。操作入力部110に対してなされる操作には、点滴の流量の設定値(目標流量)を入力する操作、点滴の開始操作又は終了操作、カメラ12に対する撮像の開始操作又は終了操作等が挙げられる。
表示部120は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等によって構成され、情報処理部100の制御の下で、点滴の流量の設定値や計測値等の情報を表示する。
図4は、情報処理部100の概略構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理部100は、外部インタフェース130と、記憶部140と、演算部150とを備える。
外部インタフェース130は、流量調整部8に設けられた制御弁又はポンプ部、光源11、カメラ12、操作入力部110、表示部120等の各種機器との間で信号の入出力や画像データの入力等を受け付けるインタフェースである。
記憶部140は、ROM、RAM等の半導体メモリやディスクドライブなどのコンピュータ読取可能な記憶媒体を用いて構成される。記憶部140は、オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、情報処理部100に所定の動作を実行させるためのプログラムや、該プログラムの実行中に使用される各種データ及びパラメータ等を記憶する。
詳細には、記憶部140は、ノズル6から滴下する液滴7の流量を制御するためのプログラムを記憶するプログラム記憶部141と、カメラ12から出力された画像データを記憶する画像データ記憶部142と、液滴7の目標流量などの各種設定値を記憶する設定値記憶部143とを含む。
演算部150は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等のハードウェアを用いて構成され、プログラム記憶部141に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、情報処理部100の各部へのデータ転送や指示を行い、情報処理部100の動作を統括的に制御する。また、演算部150は、カメラ12から取得した画像データに基づいて、ノズル6から滴下する液滴7の液切れタイミングを監視すると共に、液滴7の体積を計測し、該体積を用いて液滴の流量を制御する演算処理を実行する。詳細には、演算部150が液滴測定プログラムを実行することにより実現される機能部には、撮像制御部151と、画像処理部152と、滴下周期算出部153と、目標周期算出部154と、滴下周期調整部155と、光源制御部156とが含まれる。
撮像制御部151は、カメラ12に対する撮像の開始及び終了を制御すると共に、所定の撮像フレームレートで撮像を実行するようにカメラ12の動作を制御する。
画像処理部152は、カメラ12から出力された画像データをもとに各種画像処理を実行する。詳細には、画像処理部152は、画像生成部152aと、滴下検出部152bと、体積算出部152cとを含む。
画像生成部152aは、カメラ12から順次入力される画像データに対してデモザイキング、ホワイトバランス処理、ガンマ補正等の所定の画像処理を施すことにより、ノズル6から液滴7が滴下する様子が写った画像を時系列順に生成する。
滴下検出部152bは、画像生成部152aにより時系列順に生成される画像に基づいて、ノズル6から液滴7が離れて滴下し始める「液切れ」を順次検出する。詳細には、滴下検出部152bは、画像生成部152aにより順次生成される画像に対し、ノズル先端部6aが写った位置から所定の距離だけ下方の位置に、所定の大きさを有する矩形領域を設定し、該矩形領域内を監視する。そして、滴下検出部152bは、ノズル先端部6aに液滴7が垂下している状態が写った画像が検出された後に、この液滴7がノズル6から離れて落下し始めた状態が写った画像が検出された際に、「液切れ」が生じたと判断する。滴下検出部152bは、この液切れ画像が検出されたタイミングを、液切れタイミングとして出力する。また、滴下検出部152bは、所定時間内に液切れ画像が検出された回数をカウントし、この回数を液滴の滴下数として出力しても良い。
体積算出部152cは、画像生成部152aにより時系列順に生成される画像に基づいて、ノズル6から滴下する液滴7の体積を算出する。画像に基づく液滴の体積算出方法は、特に限定されない。一例として、ノズル6から離れて落下中の液滴が写った画像を二値化することにより液滴の領域を抽出し、該領域を回転体の投影像とみなして該回転体をスライスした円の面積を算出し、これらの円の面積を積算することにより回転体(液滴)の体積を算出しても良い。また、別の例として、ノズル6に垂下している落下直前の液滴の体積と、ノズル6から液滴が落下した後にノズル6に残留した液体の体積とを、それぞれ算出し、落下直前の液滴の体積から残留した液体の体積を差し引くことにより、正味の液滴の体積を算出しても良い(参考:特開2018-148962号公報)。なお、いずれの方法においても、画像に基づいて画素数のスケールで算出した液滴の体積は、実空間におけるスケール(ミリリットル又はマイクロリットル)に換算される。
滴下周期算出部153は、滴下検出部152bにより順次検出された液切れタイミング又は滴下数に基づいて、ノズル6から液滴7が滴下する時間間隔(滴下周期)の計測値を算出する。滴下周期の計測値は、個々の液滴の滴下時刻の時間間隔であっても良いし、複数の液滴の滴下時刻の時間間隔の平均値であっても良い。
ここで、液滴が順次滴下する時刻をt0,t1,t2,…,tn,…とし、時刻tnにおける滴下周期の計測値をT(tn)とする。滴下周期算出部153は、液滴が滴下する時間間隔の差分を1滴ごとに算出することにより、滴下周期の計測値を求めても良い。具体的には次のとおりである。
T(t1)=t1-t0
T(t2)=t2-t1
T(t3)=t3-t2
或いは、滴下周期算出部153は、複数の液滴が滴下した時間間隔の平均値を滴下周期の計測値としても良い。具体的には次のとおりである。
T(t1),T(t2),…,T(t10)=(t10-t0)/10
T(t11),T(t12),…,T(t20)=(t20-t10)/10
T(t21),T(t22),…,T(t30)=(t30-t20)/10
また、滴下周期算出部153は、時間間隔の平均値を算出する際に液滴が滴下する時刻を重複して用いても良い。即ち、次のとおりである。
T(t10)=(t10-t0)/10,
T(t15)=(t15-t5)/10,
T(t20)=(t20-t10)/10,…
別の方法として、滴下周期算出部153は、所定期間(例えば1分間、10分間など)内における液滴の滴下数に基づいて、滴下周期の計測値を算出しても良い。具体的には次のとおりである。
(滴下周期)=(所定時間)/(滴下数)
滴下周期の計測において平均値を算出する際の液滴の範囲は特に限定されない。好ましくは、数滴~数十滴の範囲を用いることができ、より好ましくは、10滴~50滴程度の範囲を用いることができる。
目標周期算出部154は、体積算出部152cにより算出された液滴7の体積(V(mL))と、設定値記憶部143に記憶された目標流量(F0(mL/h))とに基づき、次式(1)により目標滴下周期(T(sec))を算出する。
T(sec)=3600/(F0/V) …(1)
滴下周期調整部155は、ノズル6から滴下する液滴の滴下周期の計測値が目標滴下周期に近づくように、流量調整部8に設けられた制御弁又はポンプ部を制御する。
光源制御部156は、光源11が有する調光部CLを制御して、発光素子Lのオンオフの切り替え及び光量の調整を、素子ごと又は素子群ごとに実行させる。
なお、演算部150のハードウェア構成は上述したものに限定されず、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路を用いて、演算部150の各機能構成を実現しても良い。
(流量制御方法の概要)
本実施形態に係る流量制御方法は、ノズル6から滴下する液滴の体積を、該液滴が写った画像に基づいて計測し、計測した液滴の体積と目標流量とに基づいて、適切な滴下周期(目標周期)を算出し、滴下周期が目標周期に近づくように流量調整部8の動作を制御するものである。
ここで、一般的な点滴システムにおいては、ノズルから滴下する液滴の体積は一定であることが前提とされており、滴下周期のみを調整することにより流量制御が行われている。具体的には、点滴のノズルとしては、20滴/mL用及び60滴/mL用の2種類が存在しており、前者においては液滴1つの体積が50.0μL、後者では液滴1つの体積が16.67μLに固定され、これらの固定値を用いて目標滴下周期が算出される。
しかしながら、本願発明者らが、ノズルから滴下する液滴の体積を画像に基づいて計測する実験を行ったところ、同じ種類の液体を同じ径のノズルから滴下させる場合であっても、滴下周期によって液滴の体積が変化することを発見した。図5~図8は、その実験結果を示すグラフであり、滴下周期による液滴の体積の変化を示している。このうち、図5は、生理食塩水の体積の変化を示す。図6は、糖液の体積の変化を示す。図7は、超純水の体積の変化を示す。
生理食塩水の場合、図5の(a)に示すように、20滴/mL用のノズルから滴下する液滴の体積は、想定される体積(50.0μL/滴)よりも大きく、特に、滴下周期が短い場合に誤差が大きい。また、図5の(b)に示すように、60滴/mLのノズルから滴下する液滴の体積は、想定される体積(16.67μL/滴)よりも小さく、滴下周期によりばらつきがある。
一方、糖液の場合、図6の(a)に示すように、20滴/mL用のノズルから滴下する液滴の体積は、想定される体積よりも小さく、特に、滴下周期が長くなるほど誤差が顕著になる。また、図6の(b)に示すように、60滴/mLのノズルから滴下する液滴の体積は、想定される体積よりも小さく、やはり滴下周期が長くなるほど誤差が大きくなる。
超純水の場合、図7の(a)に示すように、20滴/mL用のノズルから滴下する液滴の体積は、滴下周期が1.0秒近傍から離れるほど、想定される体積との誤差が大きくなる。図7の(b)に示すように、60滴/mLのノズルから滴下する液滴の体積についても同様である。
このように、実際には、液滴の体積と滴下周期とが互いに相関しているため、ノズルから滴下する液滴の体積は一定であることを前提とし、滴下周期のみを調整する一般的な流量制御方法では、流量を精度良く制御することが困難である。これに対し、画像処理により液滴の体積を継続的に計測することで、流量を精密に制御することも考えられる。しかしながら、この場合、流量制御にかかる演算処理の負荷が大きくなってしまう。その結果、ハイスペックな情報処理部が必要となり、流量制御システムや輸液ポンプの小型化や省電力化が困難になる。
また、点滴を開始してから時間が経過すると、点滴筒4内において跳ね返った液が内壁に付着したり、点滴筒4の内壁が蒸気により曇ったりする。そのため、時間の経過に伴い、画像に写った液滴の領域を正確に検出することが徐々に困難になり、画像に基づく液滴の体積計測の誤差が増大することもある。つまり、画像処理により計測した液滴の体積に基づいて流量を継続的に制御すると、かえって流量の誤差が大きくなるおそれがある。
そこで、本願発明者らは、滴下周期による液滴の体積の変動を考慮しつつも、演算処理の負荷を抑制し、点滴における流量を精度良く制御することができる本実施形態に係る流量制御方法に想到した。以下、本実施形態に係る流量制御方法を詳しく説明する。
(流量制御方法の詳細)
図8は、流量制御システム10の動作に示すフローチャートである。図9及び図10は、本実施形態に係る流量制御方法における光源の制御を説明するための画像である。このうち、図9は、20滴/mL用のノズルの先端部近傍を照明している状態を示し、図10は、60滴/mL用のノズルの先端部近傍を照明している状態を示す。
点滴開始に先立って、ユーザは、点滴筒4に対する光源11及びカメラ12の位置を調整する(図1参照)。この際、ユーザは、情報処理部100を操作し、カメラ12に撮像させた画像を表示部120に表示させ、画像を見ながら、ノズル先端部6a及びノズル先端部6aの下方の所定範囲がカメラの視野に入るように、光源11、点滴筒4、及びカメラ12の位置関係を調整することができる。
まず、情報処理部100は、初期設定として、操作入力部110から入力された信号に基づいて、ノズル6から滴下させる液滴7の流量(目標流量F0)を設定する(ステップS101)。この目標流量は、記憶部140に記憶される。
続いて、情報処理部100は、カメラ12の撮像を開始させる(ステップS102)。これより、カメラ12において生成された画像データが情報処理部100に順次入力される。
この際、情報処理部100の光源制御部156は、光源11の全ての発光素子Lを点灯させても良い。これにより、カメラ12の視野のうち、少なくとも、ノズル6から滴下する液滴7の液切れの検出及びノズル6から滴下する液滴7の体積の算出に必要な領域が照明されるようにする。液滴7の体積の算出に必要な領域は、液滴の体積算出アルゴリズムによって異なる。例えば、ノズル6から離れて落下している最中の液滴の像を捉えて体積を算出する場合、ノズル6の先端部6a及びノズル6の下方の比較的長い範囲(例えば、液滴7の寸法の4~5倍程度)が照明されるようにする。これに対し、ノズル6に垂下している落下直前の液滴の像を捉えて体積を算出する場合、ノズル6の下方を照明する範囲は、より短くても良い(例えば、液滴7の寸法の1~2倍程度。図9の(a)及び図10の(a)参照)。
その後、情報処理部100は、操作入力部110に対する操作に応じて、流量調整部8に制御信号を送信して点滴を開始させると共に、滴下周期の計測を開始する(ステップS103)。即ち、カメラ12から順次入力される画像データに基づいて、画像処理部152(滴下検出部152b)が、ノズル6から滴下する液滴の液切れタイミングの検出を開始し、この液切れタイミングに基づいて、滴下周期算出部153が滴下周期の算出を開始する。もちろん、所定期間における液切れの回数(滴下数)に基づいて滴下周期を算出しても良い。
ここで、点滴開始時においては、制御弁9が閉じられている状態から徐々に制御弁を開放するが、このときは、目標流量に基づいて暫定的に目標滴下周期を設定し、滴下周期の計測値が暫定的な目標滴下周期に近づくように、流量調整部8を制御して制御弁9を開いていく。例えば、20滴/mL用のノズルを用いる場合、1滴あたりの理論上の体積は0.05mLであるから、目標流量が300mL/hである場合、暫定的な目標滴下周期は0.6秒となる。
しかしながら、点滴開始時においては、オーバーフローを防ぐために、本来の目標流量よりも小さい流量に基づいて暫定的な目標滴下周期(第3の目標滴下周期)を設定しても良い。例えば、オーバーフローしない流量として、本来の目標流量の1/2(或いは1/3、1/4等)を設定しても良い。或いは、オーバーフローしない流量として、本来の目標流量から所定の値をマイナスした値(例えばマイナス100mL/h)を設定しても良い。例えば、本来の目標流量300mL/hに対し、オーバーフローしない流量として、1/2である150mL/hを設定した場合、20滴/mL用のノズルを用いる場合には、暫定的な目標滴下周期は1.2秒となる。
点滴が開始され、滴下周期の計測値が概ね暫定的な目標滴下周期近傍となるように制御弁9が開放された後、体積算出部152cは、カメラ12から入力される画像データに基づいて、ノズル6から滴下する液滴の体積Va(第1の液滴の体積)を算出する(ステップS104)。最初に体積Vaが算出されるタイミングは、暫定的な目標滴下周期による流量制御の期間にもよるが、概ね、点滴開始時から数秒~十数秒或いは数十秒の期間内になることがある。また、体積Vaとして出力される値は、1滴について算出された体積であっても良いし、複数滴について算出された体積の平均値であっても良い。例えば、連続して滴下した数滴~十数滴の体積の平均値を体積Vaとしても良い。
続いて、目標周期算出部154は、液滴の体積Vaと点滴の目標流量F0とに基づいて、目標滴下周期Ta(第1の目標滴下周期:Ta=Va/F0)を算出する(ステップS105)。
滴下周期調整部155は、滴下周期算出部153により算出される滴下周期(計測値)が安定したか否かを判定する(ステップS106)。ここで、滴下周期が安定したとは、滴下周期が一定の誤差の範囲内に数十秒~数分間にわたって収まっている状態のことである。誤差の範囲としては、例えば、数滴~数十滴(10滴~50滴程度)の平均で誤差±10%程度が許容される。
滴下周期が安定していない場合(ステップS106:No)、滴下周期調整部155は、流量調整部8に対する制御により、滴下周期の計測値が目標滴下周期Taに近づくように調整する(ステップS107、第1のフィードバック制御)。
滴下周期が安定した後(ステップS106:Yes)、体積算出部152cは、カメラ12から入力される画像データに基づいて、ノズル6からの滴下する液滴7の体積Vb(第2の液滴の体積)を算出する(ステップS108)。体積Vbとして出力される値についても、1滴について算出された体積であっても良いし、複数滴について算出された体積の平均値であっても良い。
続いて、目標周期算出部154は、液滴の体積Vbと点滴の目標流量F0とに基づいて、目標滴下周期Tb(第2の目標滴下周期:Tb=Vb/F0)を算出する(ステップS109)。
滴下周期調整部155は、滴下周期算出部153により算出される滴下周期(計測値)が目標滴下周期Tbと一致しているか否かを判定する(ステップS110)。滴下周期の計測値が目標滴下周期Tbに一致している場合(ステップS110:Yes)、処理は直接ステップS112に移行する。他方、滴下周期の計測値が目標滴下周期Tbからずれている場合(ステップS110:No)、滴下周期調整部155は、計測値が目標滴下周期Tbに近づくように、滴下周期を微調整する(ステップS111、第2のフィードバック制御)。その後、処理はステップS112に移行する。
ここで、第2のフィードバック制御の実行中、カメラ12から入力される画像データは、もっぱら、滴下周期の計測のための液切れタイミングの検出に用いられる。そのため、光源制御部156は、カメラ12の視野のうち、液切れタイミングの検出に必要な領域が照明される範囲内で、一部の発光素子Lを消灯させても良い。具体的には、ノズル6に垂下する液滴7の上部辺りが照明されていれば良い(図9の(b)、図10の(b)参照)。例えば、図2及び図3に示す光源11においては、第1のフィードバック制御から第2のフィードバック制御に移行した際に、行11a,11b,11e,11fの発光素子Lを消灯し、行11c,11dの発光素子Lのみを発光させることにより、このような照明状態を実現することができる。
また、第1のフィードバック制御から第2のフィードバック制御に移行した際に、光源11の一部の発光素子Lを消灯した上で、発光中の発光素子Lの光量を増加させても良い。具体的には、第2のフィードバック制御の実行中に発光させる発光素子Lのトータルの光量が、第1のフィードバック制御の実行中に発光させていた発光素子Lのトータルの光量と同程度になるように、第2のフィードバック制御の実行中に引き続き発光させる各発光素子Lの調光値を大きくする(図9の(c)、図10の(c)参照)。例えば、図2及び図3に示す光源11において、各発光素子Lの調光値の最小値が0、最大値が200である場合、全ての発光素子Lを発光させるときの各発光素子Lの調光値を27とし、行11c,11dの発光素子Lのみを発光させるときの各発光素子Lの調光値を55とすることで、トータルの調光値を概ね同程度にすることができる。このように調光値を制御することにより、第2のフィードバック制御の実行中においても、第1のフィードバック制御の実行中と同程度の明るさの画像を取得することができる。
情報処理部100は、規定量の点滴が終了するまで、ステップS110~S112の処理を繰り返す(ステップS112:No、ステップS110)。規程量の点滴が終了すると(ステップS112:Yes)、情報処理部100はカメラ12に撮像を終了させる(ステップS113)。その後、流量制御システム10の動作は終了する。
(第1の実施例)
図1に示す点滴システム1において点滴し、流量制御する実験を行った。実験条件は以下のとおりである。
チャンバー:室温:24℃、湿度:0%RHに維持された恒温槽
輸液セット:20滴/1mL用の市販品
輸液:蒸留水
輸液密度:0.997316g/mL
目標流量:300mL/h
点滴期間:120分
図11は、第1の実施例におけるスタートアップカーブを示すグラフである。ここで、スタートアップカーブとは、輸液開始直後から流量が安定するまでの流量特性を示す。図11において、横軸は点滴開始からの経過時間(分)を示し、縦軸は流量(mL/h)の実測値を示す。
実験においては、まず、流量調整部8に設けられた制御弁を徐々に開放することにより点滴を開始した。その後、カメラで撮像することにより得られた画像に基づいて液滴の体積Vaを計測した。そして、この体積Vaを元に第1の目標滴下周期Ta(=Va/F0)を算出した。
その後、滴下周期が目標滴下周期Taに近づくように、制御弁を少しずつ調整した。なお、実際の調整は、1分あたりの滴下数又は10分あたりの滴下数をカウントし、このカウント数が、目標滴下周期Taより算出される時間あたりの目標カウント数に近づくように制御弁を開閉することにより行った。この調整により、図11に示すように、点滴開始から約5分経過する頃から滴下周期が安定し始めた。このような制御を、点滴開始から約10分間継続した(期間t1参照)。
点滴開始から約10分経過後、カメラで撮像することにより得られた画像に基づいて液滴の体積Vbを計測し、この体積Vbを元に第2の目標滴下周期Tb(=Vb/F0)を算出した。そして、滴下周期が目標滴下周期Tbに近づくように、制御弁を制御した。なお、実際の調整は、1分あたりの滴下数又は10分あたりの滴下数が、目標滴下周期Tbから算出される時間あたりの目標カウント数に近づくように制御弁を開閉することにより行った(期間t2参照)。このような制御をトータルで約120分間行った。
流量の実測値は、所定期間に滴下した複数の液滴の重量を電子天秤(株式会社島津製作所製、型式:AUW220D)により測定し、この重量を輸液密度で割ることにより体積値を算出し、この体積値を単位時間あたりの値に換算することにより求めた。
図11においては、時間の経過に伴い、流量の実測値が目標流量(300mL/h)近傍に収束していく様子が見られる。この実験において、流量の実測値の平均値は、滴下開始後0分~60分では294.38mL/h、60分~120分では296.06mL/hであり、時間が経つほど流量制御の精度が向上することがわかる。
図12及び図13は、第1の実施例による流量制御におけるトランペットカーブを示すグラフである。このうち、図12は、全測定期間(0~120分)に関するグラフであり、図13は、後半1時間(60~120分)に関するグラフである。ここで、トランペットカーブとは、測定期間に対して設定した観測ウィンドウごとに流量誤差の最大値と最小値をプロットしたものであり、安定状態における流量誤差の変動特性を示す。具体的には、上側のカーブと下側のカーブとの間隔が狭いほど流量誤差の変動が少ないことを示す。図12及び図13からも、第2のフィードバック制御を実行した後半の方が、誤差変動が少なく、より精度良く流量を制御できていることがわかる。
(第2の実施例)
上記第1の実施例に対し、輸液セット及び目標流量を変更し、流量制御する実験を行った。輸液セットとして60滴/1mL用の市販品を用い、目標流量を75mL/hに設定したこと以外、実験条件及び実験手順は第1の実施例と同様である。
図14は、第2の実施例におけるスタートアップカーブを示すグラフである。図14においても、時間の経過に伴い、流量の実測値が目標流量(75mL/h)近傍に収束していく様子が見られる。この実験において、流量の実測値の平均値は、滴下開始後0分~60分では75.96mL/h、60分~120分では75.16mL/hであり、時間が経つほど流量制御の精度が向上することがわかる。
図15及び図16は、第2の実施例による流量制御におけるトランペットカーブを示すグラフである。このうち、図15は、全測定期間(0~120分)に関するグラフであり、図16は、後半1時間(60~120分)に関するグラフである。図15及び図16においても、第2のフィードバック制御を実行した後半の方が、誤差変動が少なく、より精度良く流量を制御できていることが示されている。
以上説明したように、本実施形態によれば、流量の設定値と、液滴が写った画像に基づいて計測された液滴の体積とに基づいて目標滴下周期を算出し、この目標滴下周期に近づくように滴下周期を調整する。従って、滴下周期に応じた液滴の体積の変動分も加味した精度の良い流量制御を行うことができる。
また、本実施形態においては、第1のフィードバック制御において用いられる第1の目標滴下周期、及び、第2のフィードバック制御において用いられる第2の目標滴下周期を算出する際においてのみ、画像に基づく液滴の体積を計測するので、常に液滴の体積を計測する場合と比較して、演算処理の負荷を大幅に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第2のフィードバック制御が開始された後は、画像に基づく液滴の体積計測を行わず、既に算出された第2の目標滴下周期に基づいて制御を行うので、時間の経過に伴って増大する体積の計測誤差に起因する流量の調整不良を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第2のフィードバック制御に移行した際に、カメラ12の視野のうち液切れタイミングの検出に必要な領域が照明される範囲内で、光源11の一部の発光素子Lを消灯するので、流量制御システム10において比較的消費電力が大きい光源11の電力を抑制することができる。従って、光源11をバッテリーで駆動する場合には、駆動時間を延長することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第2のフィードバック制御に移行した際、光源11において点灯している発光素子Lのトータルの光量が、第1のフィードバック制御の際に点灯していた発光素子Lのトータルの光量と概ね揃うように、各発光素子Lの調光値を調整するので、第2のフィードバック制御の実行中においても、第1のフィードバック制御の実行中と同様の明るさの画像を取得することができる。
ここで、画像の明るさは、カメラ12の露光時間やカメラレンズの開放値等によっても調整することができる。しかしながら、カメラ12側の値を変更するには時間を要するため、点滴開始後にこれらの値を変更することは現実的ではない。この点、光源11の光量は、各発光素子の調光値を調節するだけで容易且つ即時に変化させることができるので、第1のフィードバック制御から第2のフィードバック制御へ、シームレスに移行することが可能となる。
(変形例1)
上記実施形態における第1のフィードバック制御(滴下周期が安定するまでの制御)においては、当該制御を開始する際の1回のみ、画像処理により液滴の体積Vaを算出し、この体積Vaに基づいて第1の目標滴下周期Taを算出した。しかしながら、第1のフィードバック制御の実行中に、さらに、画像処理により液滴の体積Vaを算出し、この体積Vaに基づいて目標滴下周期Taを更新しても良い。即ち、図8に示すステップS107からステップS106に移行するところ、定期的に、或いは、所定の条件が満たされたときに、ステップS107からステップS105に移行しても良い。具体的には、数分(例えば3分~5分)間隔で目標滴下周期Taを更新する、或いは、滴下周期の計測値の誤差が所定範囲(例えば±30%)に収まった段階で目標滴下周期Taを更新する、といった例が挙げられる。
なお、第2のフィードバック制御(滴下周期を第2の目標滴下周期Tbに近づける制御)においては、上記実施形態のとおり、第2のフィードバック制御に移行する際に、画像処理により算出された液滴の体積Vbに基づく第2の目標滴下周期Tbが算出され、その後は基本的に、画像処理による液滴の体積の算出は行われない。
(変形例2)
上記実施形態においては、液滴が写った画像に対する画像処理により、液滴の滴下を検出し、液切れタイミングを検出又は滴下数をカウントし、液切れタイミング又は滴下数に基づいて滴下周期を算出することとした。しかしながら、第1のフィードバック制御又は第2のフィードバック制御の実行中において、液切れタイミングを検出又は滴下数をカウントする手段(滴下検出手段)はこれに限定されず、公知の種々の手段を用いることができる。
滴下検出手段の一例として、赤外線などの光ビームを出射する光源及び該光源から出射した光ビームを検知可能な光検出器(PD)を用いても良い。この場合、光源及び光検出器を、ノズルの鉛直下方のラインを挟んで互いに対向するように設置し、光源から出射する光ビームを光検出器によって検出する。ノズルから液滴が滴下すると、液滴が光を遮る瞬間に光検出器から出力される検出信号が変化するため、検出信号が変化した回数をカウントすることにより、滴下数を求めることができる。
滴下検出手段の別の例として、LED等の光源及びCCD又はCMOS等を備えるラインセンサの組み合わせを用いても良い。この場合、ラインセンサをノズルの下端近傍に配置し、ノズルに垂下して徐々に成長し、遂には落下する液滴の像をラインセンサにより撮像する。そして、ラインセンサに写る液滴の画像の幅を検出し、この幅が徐々に小さくなりゼロになった瞬間を液切れとして判定することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、上記実施形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、上記実施形態及び変形例に示した全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、上記実施形態及び変形例に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
1…点滴システム、2…輸液バッグ、2a…排液ポート、3…中間チューブ、4…点滴筒、4a…上蓋、5…輸液チューブ、6…ノズル、6a…ノズル先端部、7…液滴、8…流量調整部、9…制御弁、10…流量制御システム、11…光源、12…カメラ、12a…撮像素子、20…輸液ポンプ、100…情報処理部、110…操作入力部、120…表示部、130…外部インタフェース、140…記憶部、141…プログラム記憶部、142…画像データ記憶部、143…設定値記憶部、150…演算部、151…撮像制御部、152…画像処理部、152a…画像生成部、152b…滴下検出部、152c…体積算出部、153…滴下周期算出部、154…目標周期算出部、155…滴下周期調整部、156…光源制御部

Claims (10)

  1. ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、液滴の流量を制御する流量制御システムであって、
    前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力するように構成された撮像装置と、
    前記撮像装置から出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出部と、
    液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出するように構成された滴下検出手段と、
    前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出するように構成された滴下周期算出部と、
    予め設定された目標流量と、前記体積算出部により算出された液滴の体積とに基づいて、目標滴下周期を算出するように構成された目標周期算出部と、
    前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部を制御するように構成された滴下周期調整部と、
    を備え、
    前記目標周期算出部は、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積に基づいて、第1の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が安定したか否かを判定すると共に、該滴下周期が安定していない場合には滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成され、
    前記目標周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御により滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、第2の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、さらに、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように第2のフィードバック制御を行うように構成され、
    前記目標周期算出部は、少なくとも前記第1のフィードバック制御が開始される際に前記第1の目標滴下周期を算出し、前記第2のフィードバック制御が開始される際にのみ前記第2の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記体積算出部は、前記第1の目標滴下周期が算出される際、及び、前記第2の目標滴下周期が算出される際においてのみ、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成されている、
    流量制御システム。
  2. 前記目標周期算出部は、前記第1のフィードバック制御の期間中に算出された滴下周期の誤差を算出するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、前記誤差10%の範囲内になった場合に滴下周期が安定したと判定するように構成され
    前記目標周期算出部は、滴下周期が安定したと判定された後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、前記第2の目標滴下周期を算出するように構成されている、請求項1に記載の流量制御システム。
  3. 記滴下周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御の実行中において、定期的なタイミング又は所定の条件が満たされたタイミングで第1の目標滴下周期を算出して更新するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により更新された前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成される、請求項1又は2に記載の流量制御システム。
  4. 前記滴下周期調整部は、点滴の開始時に、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が、前記目標流量よりも小さい流量と理論上の液滴の体積とに基づいて算出された第3の目標滴下周期に近づくように前記流量調整部を制御する、請求項1又は2に記載の流量制御システム。
  5. 前記滴下検出手段は、前記撮像装置から出力された画像データに基づいて前記タイミング又は前記回数を検出し、
    複数の発光素子を有し、前記撮像装置の視野を照明するように構成された光源と、
    前記複数の発光素子のオンオフを制御するように構成された光源制御部と、
    をさらに備え、
    前記光源制御部は、
    点滴の開始後から前記第1のフィードバック制御が終了するまで、前記撮像装置の視野のうち少なくとも前記タイミングの検出及び液滴の体積の算出に必要な領域が照明されるように、前記複数の発光素子のオンオフを制御し、
    前記第2のフィードバック制御の実行中、前記撮像装置の視野のうち前記タイミングの検出に必要な領域が照明される範囲内で、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子を消灯させる、
    請求項1又は2に記載の流量制御システム。
  6. 前記光源制御部は、さらに、前記第2のフィードバック制御の実行中に発光させる発光素子のトータルの光量が、前記第1のフィードバック制御の実行中に発光させる発光素子のトータルの光量と同程度になるように、前記第2のフィードバック制御の実行中に発光させる各発光素子の光量を増加させる、請求項に記載の流量制御システム。
  7. 点滴筒に接続された輸液チューブを保持するように構成されたチューブ保持部と、
    前記輸液チューブを押圧することにより前記輸液チューブ内の液体を送液するように構成されたポンプ部と、
    前記点滴筒に取り付けられたノズルから前記点滴筒内に滴下する液滴を撮像する撮像装置から出力された画像データを取得するように構成されたインタフェースと、
    目標流量の入力を受け付ける操作入力部と、
    前記撮像装置から出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成された体積算出部と、
    液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出するように構成された滴下検出手段と、
    前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出するように構成された滴下周期算出部と、
    前記操作入力部により受け付けられた前記目標流量と、前記体積算出部により算出された液滴の体積とに基づいて、目標滴下周期を算出するように構成された目標周期算出部と、
    前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記目標滴下周期に近づくように、前記ポンプ部を制御するように構成された滴下周期調整部と、
    を備え、
    前記目標周期算出部は、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積に基づいて、第1の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が安定したか否かを判定すると共に、該滴下周期が安定していない場合には滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように第1のフィードバック制御を行うように構成され、
    前記目標周期算出部は、さらに、前記第1のフィードバック制御により滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積に基づいて、第2の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記滴下周期調整部は、さらに、前記滴下周期算出部により算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように第2のフィードバック制御を行うように構成され、
    前記目標周期算出部は、少なくとも前記第1のフィードバック制御が開始される際に前記第1の目標滴下周期を算出し、前記第2のフィードバック制御が開始される際にのみ前記第2の目標滴下周期を算出するように構成され、
    前記体積算出部は、前記第1の目標滴下周期が算出される際、及び、前記第2の目標滴下周期が算出される際においてのみ、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出するように構成されている、
    輸液ポンプ。
  8. 請求項に記載の輸液ポンプと、
    前記ノズルが取り付けられた前記点滴筒と、
    前記点滴筒に接続された輸液チューブと、
    を備える点滴システム。
  9. ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、液滴の流量を制御する流量制御方法であって、
    前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力する撮像ステップと、
    前記撮像ステップにおいて出力された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出する体積算出ステップと、
    液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出する滴下検出ステップと、
    前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出する滴下周期算出ステップと、
    予め設定された目標流量と、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積とに基づいて、第1の目標滴下周期を算出する第1目標周期算出ステップと、
    前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が安定したか否かを判定すると共に、該滴下周期が安定していない場合には滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第1の滴下周期調整ステップと、
    予め設定された目標流量と、前記第1の流量調整ステップにより滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積とに基づいて、第2の目標滴下周期を算出する第2目標周期算出ステップと、
    前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第2の滴下周期調整ステップと、
    を含み、
    前記目標周期算出ステップは、少なくとも前記第1のフィードバック制御が開始される際に前記第1の目標滴下周期を算出し、前記第2のフィードバック制御が開始される際にのみ前記第2の目標滴下周期を算出し、
    前記体積算出ステップは、前記第1の目標滴下周期が算出される際、及び、前記第2の目標滴下周期が算出される際においてのみ、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出する、
    流量制御方法。
  10. ノズルから滴下する液滴の流量を変化させる流量調整部が設けられた点滴システムにおいて、コンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記ノズルから滴下する液滴を撮像して画像データを出力する撮像装置から該画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記画像データ取得ステップにおいて取得された画像データに基づいて、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出する体積算出ステップと、
    液滴が前記ノズルから離れて落下し始めるタイミング又は液滴が前記ノズルから離れて落下した回数を検出する滴下検出ステップと、
    前記タイミング又は前記回数に基づいて、液滴が前記ノズルから滴下する滴下周期を算出する滴下周期算出ステップと、
    予め設定された目標流量と、点滴の開始後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第1の液滴の体積とに基づいて、第1の目標滴下周期を算出する第1目標周期算出ステップと、
    前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が安定したか否かを判定すると共に、該滴下周期が安定していない場合には滴下周期が前記第1の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第1の滴下周期調整ステップと、
    予め設定された目標流量と、前記第1の流量調整ステップにより滴下周期が安定した後に前記ノズルから滴下した液滴について算出された第2の液滴の体積とに基づいて、第2の目標滴下周期を算出する第2目標周期算出ステップと、
    前記滴下周期算出ステップにおいて算出された滴下周期が前記第2の目標滴下周期に近づくように、前記流量調整部をフィードバック制御する第2の滴下周期調整ステップと、
    を実行させ、
    前記目標周期算出ステップは、少なくとも前記第1のフィードバック制御が開始される際に前記第1の目標滴下周期を算出し、前記第2のフィードバック制御が開始される際にのみ前記第2の目標滴下周期を算出し、
    前記体積算出ステップは、前記第1の目標滴下周期が算出される際、及び、前記第2の目標滴下周期が算出される際においてのみ、前記ノズルから落下する液滴の体積を算出する、
    プログラム。
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