本出願は、以下の米国仮特許出願、「COMPACT INTEGRATION OF ELECTRONIC CONTROL HARDWARE WITH ELECTROMAGNETIC TRANSMITTING ELEMENT(電磁伝達素子を備えた電子制御ハードウェアの小型集積化)」と題する、2015年10月21日に出願された米国仮特許出願第62/244,495号、「DISCREET EXTERNAL DEVICE COUPLING TO IMPLANTED DEVICE(埋め込まれた装置に結合するディスクリート外部装置)」と題する、2015年12月7日に出願された米国仮特許出願第62/264,239号、「IMPLANTABLE STIMULATION DEVICES AND STEERING AND AFFIXING MECHANISMS THEREFORE(埋込み可能刺激装置ならびにそのための操舵機構および貼付機構)」と題する、2016年2月4日に出願された米国仮特許出願第62/291,379号、「WIRELESS NEURAL THERAPY DELIVERY SYSTEMS AND METHODS USING A SERIES OF ELECTROSTIMULATION SIGNALS(一連の電気刺激信号を使用する無線神経治療送達システムおよび方法)」と題する、2016年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/350,674号、「IMPLANTABLE STIMULATION DEVICES AND STEERING MECHANISMS THEREFORE(埋込み可能刺激装置およびそのための操舵機構)」と題する、2016年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/350,676号、「IMPLANTABLE STIMULATION DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS(埋込み可能刺激装置、システム、および方法)」と題する、2016年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/350,681号、「DUAL-FREQUENCY ELECTROSTIMULATION FOR NEURAL THERAPY(神経治療のための2周波電気刺激)」と題する、2016年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/350,684号、「IMPLANTABLE STIMULATION DEVICES INCLUDING HOLLOW LUMEN(中空管を備えた埋込み可能刺激装置)」と題する、2016年7月28日に出願された米国仮特許出願第62/367,995号、「SURFACE ACOUSTIC WAVE BASED COMMUNICATION DEVICE(弾性表面波ベースの通信装置)」と題する、2016年7月28日に出願された米国仮特許出願第62/368,005号、「ACTIVE POWER MANAGEMENT TECHNIQUES FOR WIRELESS IMPLANTABLE DEVICES(無線埋込み可能装置のための能動的電力管理技術)」と題する、2016年8月11日に出願された米国仮特許出願第62/373,569号、「SYSTEMS AND METHODS FOR EMBEDDING COMMUNICATION SIGNALS WITH ELECTROSTIMULATION THERAPY(電気刺激治療に通信信号を組み込むためのシステムおよび方法)」と題する、2016年9月19日に出願された米国仮特許出願第62/396,478号、および「BACKSCATTER COMMUNICATION TECHNIQUES(後方散乱通信技術)」と題する、2016年9月21日に出願された米国仮特許出願第62/397,620号の優先権を主張するものである。上記で特定された米国仮特許出願のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
中距離場電力供給技術では、組織表面上またはその近傍、例えば使用者の皮膚の外面に配置された外部電力ソースから、深く埋め込まれた電気刺激装置に電力を供給することができる。使用者は、臨床患者または他の使用者であってもよい。中距離場電力供給技術は、埋込み可能なパルス発生装置に関して1つまたは複数の利点を有し得る。例えばパルス発生装置は、1つもしくは複数の比較的大きな埋込み型電池および/または1つもしくは複数のリードシステムを有することができる。対照的に中距離場装置は、比較的少量の電力を受け取り、格納するように構成可能な、比較的小型の電池セルを備えることができる。中距離場装置は、単一の埋込み可能パッケージに一体化された1つまたは複数の電極を備えることができる。したがって、いくつかの例では、中距離場駆動装置は、他の従来の装置よりも埋込み手順を簡単にでき、それによってコストを低下させ、感染または埋込みによる他の問題のリスクを低下させることができる。1つまたは複数の利点は、埋め込まれた装置に伝達される電力の量によるものであり得る。中距離場装置からエネルギーを集束させる能力によって、埋め込まれた装置に伝達される電力の量を増加させることができる。
中距離場電力供給技術を使用する利点としては、患者の外部に設けられる主バッテリまたは電源が挙げられ、したがって、従来の電池式埋込み可能装置の低電力消費要件および高効率回路要件を緩和することができる。中距離場電力供給技術を使用することによる別の利点として、バッテリ駆動装置よりも物理的に小型の埋め込まれた装置を挙げることができる。したがって、中距離場電力供給技術は、製造および/または患者の組織内への埋込みのコストを潜在的に低下させるとともに、患者の許容度および快適性を高めることを可能にするのに役立つ。
中距離場送信機および受信機を使用して電力および/またはデータを通信して、例えば外部の中距離場カプラまたはソース装置からの電力および/またはデータを、例えば1つもしくは複数の埋め込まれた神経性刺激装置および/または1つもしくは複数の埋め込まれたセンサ装置に通信することなどを含む現在のニーズには、満たされていないものがある。満たされていないニーズとしてさらに、1つまたは複数の埋め込まれた神経性刺激装置および埋め込まれたセンサ装置からのデータを外部の中距離場カプラまたはソース装置に通信することを挙げることができる。
1つまたは複数の実施形態では、複数の装置を患者の組織に埋め込むことができ、治療を提供するように、ならびに/または患者および/もしくは治療に関する生理学的情報を検知するように構成することができる。複数の埋め込まれた装置は、1つまたは複数の外部装置と通信するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、1つまたは複数の外部装置が、複数の埋め込まれた装置に電力信号および/またはデータ信号を、例えば同時にまたは時間多重化(例えば、「ラウンドロビン」)して供給するように構成される。供給された電力信号および/またはデータ信号は、信号を効率的に埋込み物に伝達するために、外部装置によって操舵または誘導することができる。本開示では、電力信号またはデータ信号について具体的に言及することがあるが、そのような言及は、電力信号およびデータ信号の一方または両方を任意に含むものとして一般的に理解されるべきである。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、以下の利点の1つ、いくつか、または全てを含むため有利であり得る。(i)システムであって、(a)中距離場高周波(RF)信号を介して中距離場カプラ装置から埋込み可能装置に電力信号および/またはデータ信号を通信することと、(b)埋込み可能装置に結合され、治療信号の供給に付随する信号を生成する1つまたは複数の電極を介して、情報成分を有する治療信号を生成し供給することと、(c)治療信号に基づいて、中距離場カプラ装置に結合された電極を使用して信号を受信することと、(d)中距離場カプラ装置または他の装置で、受信信号から情報成分を復号して反応することとを行うように構成されたシステム、(ii)RF信号を供給して組織表面のエバネッセント場を変調することで、組織内に伝搬場を生成し、例えば埋め込まれた標的装置に電力信号および/またはデータ信号の送信などを行うように構成された、動的に構成可能なアクティブな中距離場トランシーバ、(iii)中距離場トランシーバから中距離場電力信号を受信するように構成されたアンテナを有し、受信した中距離場電力信号の一部を使用して電気刺激電極に信号パルスを供給するように構成された治療送達回路を有する埋込み可能装置であって、信号パルスは、治療パルスおよびデータパルスを含み、データパルスは、治療パルスにインターリーブされるか、または組み込むことができる、埋込み可能装置、(iv)装置自体に関する情報を治療信号に符号化するように構成された埋込み可能装置であって、この情報には例えば、装置の動作状態に関する情報、または装置によって提供される、以前に提供された治療、現在の治療、もしくは計画された将来の治療に関する情報が含まれる、埋込み可能装置、(v)組織表面の電気信号を検知するように構成された電極を備える中距離場トランシーバ、ならびに/あるいは(vi)通信ループまたはフィードバックループを可能にするように一緒に構成された調整可能な無線信号ソースおよび受信機。
1つまたは複数の実施形態では、これらの利点およびその他のうちの1つまたは複数は、外部組織表面またはその近傍のエバネッセント場を操作するシステムを使用して、組織に埋め込まれた1つまたは複数の標的装置に電力および/またはデータを無線で送信することによって実現することができる。1つまたは複数の実施形態では、これらの利点の1つまたは複数は、身体に埋め込まれた、または身体に埋め込まれ得る、本明細書に記載されるような1つまたは複数の装置を使用して実現することができる。1つまたは複数の実施形態では、これらの利点のうちの1つまたは複数は、中距離場電力供給装置ならびに/あるいは通信装置(例えば、送信機装置および/もしくは受信機装置、またはトランシーバ装置)を使用して実現することができる。
システムは、信号(例えば、RF信号)の複数の異なる組を供給するように適合された信号生成システムを含むことができる。いくつかの実施形態では、各組が2つ以上の別個の信号を含むことができる。システムはまた、複数の励振口を有する中距離場送信機を備えることができ、中距離場送信機はRF信号生成システムに結合され、さらに中距離場送信機は励振口を介してそれぞれ異なる時間にRF信号の複数の異なる組を送信するように適合される。励振口は、RF信号の各組から別個の各信号を受信するように適合することができる。送信されたRF信号の各組は、外部組織表面に実質的に平行である無視できない磁場(Hフィールド)成分を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、送信されたRF信号の各組は、組織表面またはその近傍のエバネッセント場を別々に操作して、誘導近接場結合または放射遠距離場伝達を介する代わりに中距離場信号を介して、組織に埋め込まれた1つまたは複数の標的装置に電力信号および/またはデータ信号を送信するように適合または選択することができる。
1つまたは複数の実施形態では、例えば受信回路が組織内に埋め込まれている場合などに外部ソース装置から中距離場電力信号を受信するように構成されたアンテナ(例えば、電場ベースまたは磁場ベースのアンテナ)を備えた受信回路を有する、埋込み可能な治療送達装置(例えば、神経性刺激を提供するように適合されたもの)を使用して、とりわけ、1つまたは複数の上記の利点を少なくとも部分的に実現することができる。この埋込み可能治療送達装置は、治療送達回路を備えることができる。この治療送達回路は、受信回路に結合することができる。治療送達回路は、1つまたは複数のエネルギー送達部材(例えば、電気刺激電極)に信号パルスを供給するように構成することができる。このエネルギー送達部材は治療送達装置の本体に一体的に結合されてもよく、または例えば外部ソース装置(例えば本明細書では、装置の構成および/または使用状況に応じて外部装置、外部ソース、外部中距離場装置、中距離場送信装置、中距離場カプラ、中距離場電力供給装置、電力供給装置などと呼ぶことがある)から受信した中距離場電力信号の一部を使用して、治療送達装置の本体とは別個に(例えば、本体に位置しないで)配置されてもよい。信号パルスは、1つまたは複数の電気刺激治療パルスおよび/またはデータパルスを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、外部組織表面に配置されるように構成された電極対を含む外部送信機および/または受信機(例えば、トランシーバ)装置を使用して、とりわけ、1つまたは複数の上記の利点を少なくとも部分的に実現することができ、電極対は、組織を介して電気信号を受信するように構成される。電気信号は、治療送達装置によって組織に送達される電気刺激治療に対応することができる。復調回路は電極対に結合することができ、受信した電気信号の一部を復調して、例えば治療送達装置によって生成されたデータ信号を回復するように構成することができる。
中距離場無線カプラの使用を含む1つまたは複数の実施形態では、組織は、エネルギーを通す誘電体として作用することができる。伝搬モードのコヒーレンス干渉によって、例えば高屈折率材料における回折限界の影響を受けるスポットサイズで、焦点面における場を、対応する真空波長よりも狭くすることができる。1つまたは複数の実施形態では、このような高エネルギー密度領域に配置された(例えば、組織に埋め込まれた)受信機は、従来の近接場埋込み可能受信機よりも1桁以上小さくすることができ、または組織内により深く(例えば、1cmより深く)埋め込むことができる。1つまたは複数の実施形態では、本明細書に記載の送信機ソースは、例えば1つまたは複数の深く埋め込まれた装置を含む様々な標的位置に電磁エネルギーを供給するように構成することができる。一例では、約数ミリメートルよりも大きな位置決め精度を有する位置にエネルギーを供給することができる。すなわち、送信された電力信号またはエネルギー信号は、組織内の信号の約1波長内にある標的位置に誘導するか、または集束することができる。そのようなエネルギー集束は、従来の誘導手段を介して利用可能な集束よりも実質的により正確であり、ミリメートルの規模で受信機に適切な電力を供給するのに十分である。近接場結合(誘導結合およびその共鳴強化派生物)を使用する他の無線電力供給の手法では、組織外(例えば、ソースの近く)のエバネッセント成分は、組織内部においてエバネッセント状態のままであるため、効果的に深く浸透することができない。近接場結合とは異なり、中距離場ソースからのエネルギーは主に伝播モードで輸送されるため、エネルギー輸送の深さは、近接場固有の減衰によってではなく、環境損失によって制限される。これらの特性を用いて実施されるエネルギーの伝達は、近接場システムより少なくとも2~3桁以上効率的であり得る。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、限定するものではないが、例えば後脛骨神経、仙骨神経叢に由来する1つまたは複数の神経または神経枝(S1-S4、脛骨神経、および/または陰部神経が挙げられるが、これらに限定されない)などの、脛骨神経または脛骨神経の任意の分枝を刺激することによって、便失禁または尿失禁(例えば、過活動膀胱)の治療に役立てるために使用することができる。尿失禁は、骨盤底筋、骨盤底筋を支配する神経、内尿道括約筋、外尿道括約筋、および陰部神経または陰部神経枝のうちの1つまたは複数を刺激することによって治療することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、舌下神経、舌根(筋肉)、横隔神経、肋間神経、副神経、および頸神経C3~C6の神経または神経枝のうち1つまたは複数を刺激することによって、睡眠時無呼吸および/またはいびきの治療に役立てるために使用することができる。睡眠時無呼吸および/またはいびきを治療することは、埋込み物にエネルギーを供給して、呼吸の減少、障害、または停止を(酸素飽和度を測定することなどによって)検知することを含むことができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えばバルトリン腺、スキーン腺、および膣の内壁のうちの1つまたは複数を刺激することによって、膣乾燥の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば後頭神経、眼窩上神経、C2頸神経またはその分枝、および前頭神経またはその分枝のうちの1つまたは複数を刺激することによって、偏頭痛または他の頭痛の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば星状神経節および交感神経鎖のC4~C7のうちの1つまたは複数を刺激することによって、外傷後ストレス障害、ほてり、および/または複合性局所疼痛症候群の治療に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば翼口蓋神経節ブロック、三叉神経、または三叉神経枝のうちの1つまたは複数を刺激することによって、神経痛(例えば、三叉神経痛)の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば耳下腺、顎下腺、舌下腺、頬粘膜、口唇粘膜、および/または舌粘膜の組織の、口腔内の口腔粘膜の粘膜下層、軟口蓋、硬口蓋の外側部、および/または口腔底および/もしくは舌の筋繊維の間、フォンエブネル腺、耳神経節などのCN IXの分枝を含む舌咽神経(CN IX)、顎下神経節などのCN VIIの分枝を含む顔面神経(CN VII)、ならびに上頸神経節などのT1~T3の分枝のうち1つまたは複数を刺激することによって、口渇症(例えば、薬物治療による副作用、化学治療もしくは放射線療法によるがん治療、シェーグレン病、または口渇症の他の原因によって引き起こされるもの)の治療に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、切断された神経の近位部分からの電気的出力を検知し、切断された神経の遠位部分に電気的入力を送達することによって、および/または切除された神経の遠位部分からの電気的出力を検知し、切除された神経の近位部分に電気的入力を送達することによって、切断された神経の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、脳性麻痺患者の1つもしくは複数の筋肉、または1つもしくは複数の罹患筋を支配する1つもしくは複数の神経を刺激することによって、脳性麻痺の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、骨盤内臓神経(S2~S4)もしくはその任意の分枝、陰部神経、海綿体神経、および下下腹神経叢の1つまたは複数を刺激することによって、勃起不全の治療に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば子宮および膣のうちの1つまたは複数を刺激することによって、月経痛の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば1つまたは複数のPHおよび血流を検知することによって、または避妊、妊娠、出血、または痛みの助けとなる電流もしくは薬物を送達することによって、子宮内装置として使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば女性のクリトリスまたは他の感覚が活発な部分など、外部および内部を含む女性生殖器を刺激することによって、または男性生殖器を刺激することによって、人間の性的興奮を扇動するために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば頚動脈洞、左頸部もしくは右頸部の迷走神経、または迷走神経枝の1つまたは複数を刺激することによって、高血圧の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば三叉神経またはその分枝、前篩骨神経、および迷走神経のうちの1つまたは複数を刺激することによって、発作性上室性頻拍の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば声帯および反対側の声帯の活動を検知することによって、または声帯、左および/もしくは右の反回神経、ならびに迷走神経を支配する神経を刺激して単に声帯の1つまたは複数を刺激することによって、声帯機能障害の治療に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば組織を刺激して、傷を治癒するための微小循環およびタンパク質合成の強化、ならびに結合組織および/または皮膚組織の完全性の回復のうち1つまたは複数のことを行うことによって、組織の修復に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、迷走神経またはその分枝を刺激すること、ノルエピネフリンおよび/もしくはアセチルコリンの放出を遮断すること、ならびに/またはノルエピネフリンおよび/もしくはアセチルコリンの受容体と干渉することのうち1つまたは複数のことを行うことによって、喘息または慢性閉塞性肺疾患に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、エピネフリン/NE放出などの交感神経の神経支配、および/またはAchなどの副交感神経支配を減少させるなど、腫瘍の近くまたは腫瘍内の1つまたは複数の神経を調節するために刺激を与えることなどによって、がん治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、血糖値またはケトン濃度などの糖尿病のパラメータを検出する人体内部のセンサに電力を供給し、このようなセンサデータを使用してインスリンポンプからの外因性インスリンの送達を調整することによって、糖尿病の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、血糖値またはケトン濃度などの糖尿病のパラメータを検出する人体内部のセンサに電力を供給し、中距離場カプラを使用して膵臓β細胞からのインスリンの放出を刺激することによって、糖尿病の治療に役立てるために使用することができる。
本明細書で述べる1つまたは複数のシステム、装置、および方法は、例えば、神経学的状態、障害、もしくは疾患(例えば、パーキンソン病(例えば、脳の内部もしくは核を刺激することによって)、アルツハイマー病、ハンチントン病、認知症、クロイツフェルトヤコブ病、てんかん(例えば、左頸部迷走神経もしくは三叉神経を刺激することによって)、外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder:PTSD)(例えば、左頸部迷走神経を刺激することによって)、もしくは本態性振戦(例えば、視床を刺激することによって))、神経痛、うつ病、ジストニア(例えば、脳の内部もしくは核を刺激することによって)、幻肢(例えば、切断された神経、例えば切断された神経の末端を刺激することによって)、ドライアイ(例えば、涙腺を刺激することによって)、不整脈(例えば、心臓を刺激することによって)、肥満、胃食道逆流、および/もしくは胃不全麻痺などの胃腸障害(例えばC1~C2後頭神経の刺激もしくは視床下部の脳深部刺激(Deep Brain Stimulation:DBS)、食道、胃につながる括約筋近傍の筋肉、および/もしくは胃の下部を刺激することによって)、ならびに/または脳卒中(例えば、運動皮質の硬膜下刺激によって)の治療に役立てるために使用することができる。本明細書で述べる1つまたは複数の実施形態を使用して、連続的に、必要に応じて(例えば、医師、患者、もしくは他の使用者の要求によって)、または定期的に刺激を提供することができる。
刺激を提供する際に、埋込み可能装置は、皮膚の表面から5センチメートル以上深く位置することができる。中距離場電力供給装置は、組織内のそのような深さに電力を供給することができる。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置は、皮膚の表面から下方に、約2センチメートル~4センチメートルの間、約3センチメートル、約1センチメートル~5センチメートルの間、1センチメートル未満、約2センチメートル、または他の間隔を隔てて位置することができる。埋込みの深さは、埋め込まれた装置の使用に依存し得る。例えば、うつ病、高血圧、てんかん、および/またはPTSDの治療のためには、皮膚の表面から約2センチメートル~約4センチメートル下の間の位置に埋込み可能装置を位置させることができる。別の例では、睡眠時無呼吸、不整脈(例えば徐脈)、肥満、胃食道逆流、および/または胃不全麻痺の治療のためには、皮膚の表面から約3センチメートルよりも大きく離れた位置に埋込み可能装置を位置させることができる。さらに別の例では、パーキンソン病、本態性振戦、および/またはジストニアの治療のためには、皮膚の表面から約1センチメートル~約5センチメートル下の間の位置に埋込み可能装置を位置させることができる。さらに他の例には、埋込み可能装置を、例えば線維筋痛症、脳卒中、および/または偏頭痛の治療のために皮膚の表面から約1センチメートル~約2センチメートル下の間の位置に配置すること、喘息の治療のために約2センチメートルの位置に配置すること、ならびにドライアイの治療のために約1センチメートル以下の位置に配置することが含まれる。
本明細書に含まれる多くの実施形態では、刺激(例えば、電気刺激)を提供するための装置または方法を説明しているが、これらの実施形態は、刺激に加えてまたは刺激の代わりに他の形態の変調(例えば、除神経)を提供するために適合してもよい。さらに、本明細書に含まれる多くの実施形態は、電極を使用した治療の送達について言及しているが、他のエネルギー送達部材(例えば、超音波トランスデューサまたは他の超音波エネルギー送達部材)、あるいは他の治療用部材または治療用物質(例えば、化学物質、薬物、低温流体、高温流体もしくは蒸気、または他の流体を送達する流体送達装置もしくは流体送達部材)を他の実施形態において使用あるいは送達してもよい。
図1は、例として、無線通信経路を使用するシステム100の一実施形態の概略を示す。システム100は、空気104と身体組織などの屈折率がより高い物質106との間のインタフェース105またはその上に配置される、中距離場カプラと呼ばれることがある中距離場送信ソースなどの外部ソース102の一例を含む。外部ソース102は、ソース電流(例えば、面内ソース電流)を生成することができる。ソース電流(例えば、面内ソース電流)は、電場および磁場を生成することができる。磁場は、ソース102の表面、および/または屈折率がより高い物質106の表面(例えば、屈折率がより高い物質106の、外部ソース102に面する表面)に平行な無視できない成分を有することができる。いくつかの実施形態によれば、外部ソース102は、「MIDFIELD COUPLER(中距離場カプラ)」と題する、2015年11月26日に出願された国際公開第2015/179225号パンフレットに含まれる、中距離場カプラおよび外部ソースに関連して記載される構造的特徴および機能を備えてもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
外部ソース102は、少なくとも一対の外側に面する電極121および122を含むことができる。電極121および122は、例えばインタフェース105において、組織表面に接触するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態において、外部ソース102を屈折率がより高い物質106に隣接させて保持し(例えば、本明細書のサブセクション、「DISCREET EXTERNAL DEVICE COUPLING TO IMPLANTED DEVICE(埋め込まれた装置に結合するディスクリート外部装置)」を参照)、電極121および122を任意で組織表面と物理的に接触させて保持する、スリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品と共に使用するように、外部ソース102を構成する。1つまたは複数の実施形態では、スリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品は、導電性の繊維または布地を含むか、または使用することができ、電極121および122は、この導電性の繊維または布地を介して組織表面と物理的に接触することができる。外部ソース102と共に使用するのに適したスリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品は、例えば、少なくとも本明細書のサブセクション「DISCREET EXTERNAL DEVICE COUPLING TO IMPLANTED DEVICE(埋め込まれた装置に結合するディスクリート外部装置)」にさらに詳しく記載されている。
1つまたは複数の実施形態では、3つ以上の外向きの電極を使用することができ、ソース102に搭載された、またはソース102に対して補助的なプロセッサ回路を、遠距離場信号情報(例えば、送達された治療信号に対応する、または近接場信号に対応する信号情報)を検知するために使用する最適な電極対または電極群を選択するように構成することができる。このような実施形態では、電極はアンテナとして動作することができる。1つまたは複数の実施形態では、ソース102は、三角形に配列された3つの外向きの電極、または長方形に配置された4つの外向きの電極を備え、任意の2つ以上の電極を検知のために選択することができ、かつ/または検知または診断のために、まとめて電気的にグループ化もしくは結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、プロセッサ回路は、複数の異なる電極の組合わせの選択をテストして、遠距離場信号を検出するために最適な構成を識別するように構成することができる(プロセッサ回路の一例が図2Aなどに示されている)。
図1は、例えば、屈折率がより高い物質106に埋め込まれるように構成された多極治療送達装置を備えることができる、埋込み可能装置110の一実施形態を示す。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110は、図5の回路500の全部または一部を含み、以下でさらに詳細に説明する。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110は、組織/空気インタフェース105の下の組織に埋め込まれる。図1において、埋込み可能装置110は、長尺の本体と、長尺の本体の一部に沿って軸方向に離間した複数の電極E0、E1、E2、およびE3とを備える。埋込み可能装置110は、埋込み可能装置110と外部ソース102との間の通信を可能にできる受信および/または送信回路(図1には示さず、例えば、図2A、図2B、および図4などを参照)を備える。
様々な電極E0~E3は、神経標的もしくは筋肉標的、またはその近傍などの、患者の組織に電気刺激治療を送達するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、少なくとも1つの電極をアノードとして使用するように選択することができ、少なくとも1つの他の電極を選択してカソードとして使用して、電気刺激ベクトルを画定することができる。1つまたは複数の実施形態では、電極E1をアノードとして使用するように選択し、電極E2をカソードとして使用するように選択する。合わせて、E1-E2の組合わせによって電気刺激ベクトルV12を定める。様々なベクトルを独立して構成して、同じまたは異なる組織標的に、例えば同時または異なる時間に、神経性電気刺激治療を提供することができる。
1つまたは複数の実施形態では、ソース102はアンテナ(例えば図3参照)を備え、埋込み可能装置110はアンテナ108(例えば電場ベースまたは磁場ベースのアンテナ)を備える。これらのアンテナは、実質的に同じ周波数で信号を送信および受信するような構成(例えば、長さ、幅、形状、材料など)とすることができる。埋込み可能装置110は、アンテナ108を介して外部ソース102に電力信号および/またはデータ信号を送信するように構成することができ、外部ソース102によって送信された電力信号および/またはデータ信号を受信することができる。外部ソース102および埋込み可能装置110は、RF信号の送信および/または受信に使用することができる。送信/受信(Transmit/Receive:T/R)スイッチを使用して、外部ソース102の各RFポートを送信(データまたは電力の送信)モードから受信(データの受信)モードに切り替えることができる。T/Rスイッチを同様に使用して、埋込み可能装置110を送信モードと受信モードとの間で切り替えることができる。T/Rスイッチの例については、とりわけ図4を参照されたい。
1つまたは複数の実施形態では、外部ソース102上の受信端子は、埋込み可能装置110からの受信信号の位相および/または振幅を検出する1つまたは複数の構成要素に接続することができる。位相および振幅の情報は、例えば埋込み可能装置110から受信した信号と実質的に同じ相対位相となるように、送信信号の位相をプログラムするために使用することができる。この達成を助けるために、外部ソース102は、図4の実施形態に示すような、位相整合および/または振幅整合ネットワークを備えるかまたは使用することができる。位相整合および/または振幅整合ネットワークは、図3の実施形態に示すような、複数のポートを含む中距離場アンテナと共に使用するように構成することができる。
再び図1を参照すると、1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110は、外部ソース102から中距離場信号131を受信するように構成することができる。中距離場信号131は、電力信号成分および/またはデータ信号成分を有することができる。いくつかの実施形態では、電力信号成分は、その中に組み込まれた1つまたは複数のデータ成分を有することができる。1つまたは複数の実施形態では、中距離場信号131は、埋込み可能装置110によって使用される構成データを含む。構成データは、とりわけ、治療信号周波数、パルス幅、振幅、または他の信号波形パラメータなどの治療信号パラメータを定義することができる。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110は、例えば神経標的(例えば、神経)、筋肉標的、または他の組織標的を含むことができる治療標的190に、電気刺激治療を送達するように構成することができる。治療標的190に送達される電気刺激治療は、外部ソース102から受信した電力信号の一部を使用して提供することができる。治療標的190の例としては、例えば脊椎の頸部、胸部、腰部、もしくは仙骨領域、脳組織、筋肉組織、異常組織(例えば、腫瘍またはがん性組織)もしくはその近傍の神経組織または神経標的などの神経組織または神経標的、交感神経または副交感神経系に対応する標的、末梢神経束もしくは繊維またはその近傍の標的、失禁、尿意切迫、過活動膀胱、便失禁、便秘、痛み、神経痛、骨盤痛、運動障害、または他の疾患もしくは障害の治療のために選択された標的またはその近傍の標的、脳深部刺激(DBS)治療標的、あるいは任意の他の状態、疾患、または障害(本明細書において特定された他の状態、疾患、または障害など)を挙げることができる。
電気刺激治療を送達することには、中距離場信号131を介して受信した電力信号の一部を使用することと、埋込み可能装置110に結合された電極または電極対(例えば、E0~E3のうちの2つ以上)に電流信号を供給して治療標的190を刺激することとを含むことができる。電極に電流信号が供給されることによって、近接場信号132を生成することができる。近接場信号132に起因する電位差は、治療送達位置から遠隔に検出することができる。とりわけ、治療信号の特性、治療送達電極の種類または配置、および任意の周囲の生物学的組織の特性を含む様々な要因が、どこで電位差を検出できるか、および電位差を検出することができるかどうかに影響する可能性がある。このように遠隔検出された電位差は、遠距離場信号133と見なすことができる。この遠距離場信号133によって、近接場信号132の減衰部分を表すことができる。すなわち、近接場信号132および遠距離場信号133は同じ信号または同じ場から発生することができ、例えば近接場信号132が埋込み可能装置110および治療標的190の領域、またはその近傍の領域と関連していると見なされ、遠距離場信号133が埋込み可能装置110および治療標的190からより遠位にある他の領域と関連すると見なされる。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110に関する情報、または埋込み可能装置110によって以前に提供された治療、もしくは将来提供される計画された治療に関する情報を治療信号に符号化し、遠距離場信号133を介して外部ソース102によって検出および復号することができる。
1つまたは複数の実施形態では、装置110は、一連の電気刺激パルスを組織標的(例えば、神経標的)に供給するように構成することができる。例えば装置110は、例えば同じまたは異なる電気刺激ベクトルを使用して、時間的に分離された複数の電気刺激パルスを供給することによって治療を提供することができる。1つまたは複数の実施形態では、複数の信号を含む治療を、複数の異なるベクトルに並行して提供することができ、または順番に提供して、例えば一連のまたは連続した電気刺激パルスを同じ神経標的に供給することができる。したがって、患者の応答を引き出す上で1つのベクトルが他のベクトルよりも最適であったとしても、全体としての治療を、既知の最適なベクトルのみを刺激するよりも効果的なものとすることができる。なぜなら、(1)標的に対して、無刺激の期間中に休息期間が発生することがあり、および/または(2)最適な標的の近くおよび/または隣接する領域を刺激することによって、患者の利益を引き出すことができるためである。
システム100は、空気104と屈折率がより高い物質106との間のインタフェース105またはその近傍にセンサ107を備えることができる。センサ107は、とりわけ、1つまたは複数の電極、光学センサ、加速度計、温度センサ、力センサ、圧力センサ、または表面筋電図(EMG)装置を備えることができる。センサ107は、複数のセンサ(例えば、2つ、3つ、4つ、または5つ以上のセンサ)を備えてもよい。使用されるセンサの種類に応じて、センサ107は、装置110近傍および/またはソース102近傍の電気、筋肉、または他の活動を監視するように構成することができる。例えば、センサ107は、組織表面における筋活動を監視するように構成することができる。特定の閾値活動レベルよりも大きな筋活動が検出された場合には、ソース102および/または装置110の電力レベルを調整することができる。1つまたは複数の実施形態では、センサ107はソース102に結合または統合されてもよく、他の例では、センサ107は、ソース102および/または装置110と離間し、ソース102および/または装置110と(例えば、有線または無線の電気的結合または接続を使用して)データ通信することができる。
システム100は、ソース102およびセンサ107のうちの1つまたは複数から分離され得るか、またはそれらと通信可能に結合され得る遠距離場センサ装置130を備えることができる。遠距離場センサ装置130は、2つ以上の電極を備えることができ、装置110によって送達される治療に対応する遠距離場信号133などの遠距離場信号を検知するように構成することができる。遠距離場センサ装置130は、組織表面、例えばインタフェース105に接触するように構成された、少なくとも一対の外向きの電極123および124を備えることができる。1つまたは複数の実施形態では、3つ以上の電極を使用することができ、遠距離場センサ装置130に搭載された、または遠距離場センサ装置130に対して補助的なプロセッサ回路によって、遠距離場信号133を検出する際に使用する2つ以上の電極の様々な組合わせを選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、遠距離場センサ装置130を屈折率がより高い物質106に隣接させて保持し、電極123および124を任意で組織表面と物理的に接触させて保持する、スリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品と共に使用するように、遠距離場センサ装置130を構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、スリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品は、導電性の繊維または布地を含むか、または使用することができ、電極123および124は、この導電性の繊維または布地を介して組織表面と物理的に接触することができる。遠距離場センサ装置130と共に使用するのに適したスリーブ、ポケット、または他の衣服もしくは付属品は、「DISCREET EXTERNAL DEVICE COUPLING TO IMPLANTED DEVICE(埋め込まれた装置に結合するディスクリート外部装置)」と題する本明細書のサブセクションに記載されている。遠距離場センサ装置130の少なくとも一部の一例は、図2Bに関連して本明細書でさらに説明される。
1つまたは複数の実施形態では、外部ソース102は、埋込み可能装置110に、電力信号および/またはデータ信号を含む中距離場信号131を供給する。中距離場信号131は、様々なまたは調整可能な振幅、周波数、位相、および/または他の信号特性を有する信号(例えば、RF信号)を含む。埋込み可能装置110は、以下で説明するように、中距離場信号131を受信可能なアンテナを備えることができ、埋込み可能装置110内の受信回路の特性に基づいて、アンテナで受信信号を変調することで後方散乱信号を生成することができる。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置110は、情報を後方散乱信号112に符号化することができ、この情報としては、埋込み可能装置110自体の特性に関する情報、中距離場信号131の受信した部分に関する情報、埋込み可能装置110によって提供される治療に関する情報、および/または他の情報などがある。後方散乱信号112は、外部ソース102のアンテナおよび/もしくは遠距離場センサ装置130によって受信することができ、または別の装置によって受信することができる。1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110のセンサによって生体信号を検知でき、このセンサとしては、グルコースセンサ、電極電位(例えば、筋電図センサ、心電計(Electrocardiograph:ECG)センサ、抵抗、または他の電気センサ)、光センサ、温度、圧力センサ、酸素センサ、運動センサなどがある。検出された生体信号を表す信号は、後方散乱112に変調することができる。他のセンサは、図136などに関連して本明細書の他の場所で述べられる。このような実施形態では、センサ107は、例えば後方散乱信号に変調されたデータを受信し、復調し、解釈し、および/または格納するための、グルコース、温度、ECG、EMG、酸素、または他の監視など、対応する監視装置を備えることができる。
1つまたは複数の実施形態では、外部ソース102および/または埋込み可能装置110は、外部ソース102と埋込み可能装置110との間の通信を容易にするように構成された光トランシーバを備えることができる。外部ソース102は、光レーザーダイオードもしくはLEDなどの光源を備えることができ、または光検出器を備えることができ、あるいは光源と光検出器との両方を備えることができる。埋込み可能装置110は、光レーザーダイオードもしくはLEDなどの光源を備えることができ、または光検出器を備えることができ、あるいは光源と光検出器との両方を備えることができる。一実施形態では、外部ソース102および/または埋込み可能装置110は、その光源または光検出器に隣接して、例えば石英、ガラス、または他の透光性材料から構成された窓を備えることができる。
一実施形態では、光通信は、外部ソース102と埋込み可能装置110との間の電磁結合に対して別個であるか、または補助的であり得る。光通信は、例えばパルス位置変調(Pulse Position Modulation:PPM)を使用するなど、様々なプロトコルに従って変調された光パルスを使用して提供することができる。一実施形態では、埋込み可能装置110に搭載された光源および/または光検出器は、外部ソース102との中距離場結合を介して受信される電力信号によって少なくとも部分的に電力供給することができる。
一実施形態では、外部ソース102の光源は、皮膚を通して皮下組織内へ、さらに埋込み可能装置110の光学窓(例えば、石英窓)を介して通信信号を送信することができる。通信信号は、埋込み可能装置110に搭載された光検出器で受信することができる。埋込み可能装置からの、または埋込み可能装置に関する様々な測定情報、治療情報、または他の情報は、埋込み可能装置110に設けられた光源を使用して、埋込み可能装置110から符号化し、送信することができる。埋込み可能装置110から放出された光信号は、同じ光学窓、皮下組織、および皮膚組織を通過して移動することができ、外部ソース102に搭載された光検出器で受信することができる。一例では、光源および/または光検出器は、可視領域または赤外領域の電磁波をそれぞれ放出および/または受信するように構成することができ、その波長範囲は例えば約670~910nm(例えば、670nm~800nm、700nm~760nm、670nm~870nm、740nm~850nm、800nm~910nm、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)である。
図2Aは、例として、外部ソース102などの中距離場ソース装置のブロック図および実施形態を示す。外部ソース102は、互いにデータ通信する様々な構成要素、回路、または機能素子を備えることができる。図2Aの例では、外部ソース102は、プロセッサ回路210、1つまたは複数の検知電極220(例えば、電極121および122を含む)、復調回路230、位相整合または振幅整合ネットワーク400、中距離場アンテナ300、および/または1つまたは複数のフィードバック装置などの構成要素を備え、例えばオーディオスピーカ251、表示インタフェース252、および/または触覚フィードバック装置253を含むことができるか、または使用することができる。中距離場アンテナ300については、図3の実施形態において以下でさらに説明され、ネットワーク400については、図4の実施形態において以下でさらに説明される。プロセッサ回路210は、外部ソース102の構成要素、回路、および/または機能素子の様々な機能および活動を連携させるように構成することができる。
中距離場アンテナ300は、例えば外部組織表面に実質的に平行である無視できないHフィールド成分を有するRF信号を含み得る、中距離場励起信号を供給するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、RF信号は、組織表面またはその近傍のエバネッセント場を操作するように適合または選択することができ、それによって例えば電力信号および/またはデータ信号を、組織に埋め込まれた異なる各標的装置(例えば、埋込み可能装置110)に送信することができる。中距離場アンテナ300は、さらに、復調回路230によって復調可能な後方散乱信号または他の無線信号の情報を受信するように構成することができる。復調された信号は、プロセッサ回路210によって解釈することができる。中距離場アンテナ300は、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、コイルアンテナ、スロットアンテナもしくはストリップアンテナ、または他のアンテナを備えることができる。アンテナ300は、約400MHz~約4GHzの間の範囲(例えば、400MHz~1GHzの間、400MHz~3GHzの間、500MHz~2GHzの間、1GHz~3GHzの間、500MHz~1.5GHzの間、1GHz~2GHzの間、2GHz~3GHzの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の信号を受信するような形状およびサイズとすることができる。ダイポールアンテナを組み込んだ実施形態では、中距離場アンテナ300は、2つの実質的に真っ直ぐな導体、折返しダイポール、短いダイポール、ケージダイポール、ボウタイ型ダイポール、またはコウモリ型ダイポールを有する直線ダイポールを備えてもよい。
復調回路230は、検知電極220に結合することができる。1つまたは複数の実施形態では、検知電極220は、例えば治療標的190に送達可能な、例えば埋込み可能装置110によって提供される治療に基づいて、遠距離場信号133を受信するように構成することができる。この治療には、復調回路230によって遠距離場信号133から抽出可能な、組み込まれたデータ信号成分または断続的なデータ信号成分を有することができる。例えばこのデータ信号成分には、背景雑音または他の信号から識別され、復調回路230によって処理されて、プロセッサ回路210によって解釈され得る情報信号を生成する、振幅変調または位相変調された信号成分を有することができる。この情報信号の内容に基づいて、プロセッサ回路210は、フィードバック装置の1つに、患者、介護者、または他のシステムもしくは個人に警告するよう指示することができる。例えば、特定の治療の送達の成功を示す情報信号に応答して、プロセッサ回路210は、可聴フィードバックを患者に提供するようにオーディオスピーカ251に指示することができ、視覚情報またはグラフィカル情報を患者に提供するように表示インタフェース252に指示することができ、および/または触覚刺激を患者に提供するように触覚フィードバック装置253に指示することができる。1つまたは複数の実施形態では、触覚フィードバック装置253は、振動または別の機械的信号を供給するように構成されたトランスデューサを備える。
図2Bは、全般に、遠距離場信号を受信するように構成されたシステムの一部のブロック図を示す。このシステムは、例えばソース102の電極121および122、または遠距離場センサ装置130の電極123および124を含み得る、検知電極220を備えることができる。図2Bの例では、少なくとも4つの検知電極が集合的に検知電極220として表され、個々にSE0、SE1、SE2、およびSE3として示されているが、他の数の検知電極220を使用することもできる。検知電極は、多重回路261に通信可能に接続することができる。この多重回路261は、遠距離場信号情報の検知に使用する電極対または電極群を選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、多重回路261によって、受信信号の検出された最高信号対雑音比に基づいて、または振幅、周波数内容、および/または他の信号特性など、信号品質の他の相対的指標に基づいて電極対または電極群を選択する。
多重回路261からの検知された電気信号は、様々な処理を受けて信号から情報を抽出することができる。例えば多重回路261からのアナログ信号は、帯域通過フィルタ262によってフィルタリングすることができる。この帯域通過フィルタ262は、関心対象の検知信号の既知または予想される変調周波数を中心とすることができる。帯域通過フィルタリングされた信号は、低雑音増幅器263によって増幅することができる。増幅された信号は、アナログ/デジタル変換器回路(Analog-To-Digital Converter Circuitry:ADC)264によってデジタル信号に変換することができる。このデジタル信号は、本明細書でさらに説明するように、様々なデジタル信号処理装置265によってさらに処理することができ、それによって、例えば埋込み可能装置110によって通信される情報信号を検索または抽出することができる。
図3は、例として、複数のサブ波長構造体301、302、303、および304を有する中距離場アンテナ300の一実施形態の概略図を示す。中距離場アンテナ300は、平面を有する中距離場プレート構造を備えることができる。1つまたは複数のサブ波長構造体301~304は、プレート構造内に形成することができる。図3の例では、アンテナ300は、第1のサブ波長構造体301と、第2のサブ波長構造体302と、第3のサブ波長構造体303と、第4のサブ波長構造体304とを備える。より少ない数または追加のサブ波長構造体を使用することもできる。サブ波長構造体は、それぞれに結合された1つまたは複数のRFポート(例えば、第1~第4のRFポート311、312、313、および314)によって個々または選択的に励起することができる。「サブ波長構造体」には、外部ソース102によってレンダリングする、および/または受け取るフィールドの波長に対して定義された寸法を有するハードウェア構造が含まれ得る。例えば、空気中の信号波長に対応する所与のλ0に対してλ0未満の1つまたは複数の寸法を含むソース構造は、サブ波長構造体であると見なすことができる。サブ波長構造体には、様々な設計または構成を使用することができる。サブ波長構造体のいくつかの例として、平面構造のスロット、または実質的に平面である材料の導電性シートのストリップもしくはパッチを挙げることができる。サブ波長構造体の例は、少なくとも本明細書の「COMPACT INTEGRATION OF ELECTRONIC CONTROL HARDWARE WITH ELECTROMAGNETIC TRANSMITTING ELEMENT(電磁伝達素子を備えた電子制御ハードウェアの小型集積化)」と題するサブセクションにおいて提供される。
図4は、全般に、位相整合または振幅整合ネットワーク400を示す。一実施形態では、ネットワーク400はアンテナ300を備えることができ、アンテナ300は、例えば図3に示す第1~第4のRFポート311、312、313、および314を介して、複数のスイッチ404A、404B、404C、および404Dに電気的に結合することができる。スイッチ404A~404Dはそれぞれ、各位相および/または振幅検出器406A、406B、406C、および406D、ならびに各可変利得増幅器408A、408B、408C、および408Dに電気的に結合される。各増幅器408A~408Dは、各移相器410A、410B、410C、および410Dに電気的に結合され、各移相器410A~410Dは、外部ソース102を使用して送信されるRF入力信号414を受信する共通の電力分配器412に電気的に結合される。
1つまたは複数の実施形態では、スイッチ404A~404Dは、受信線(「R」)または送信線(「T」)のいずれかを選択するように構成することができる。ネットワーク400のスイッチ404A~404Dの数は、中距離場ソース402のポートの数と等しくすることができる。ネットワーク400の例では、中距離場ソース402は4つのポート(例えば、図3の例のアンテナ300内の4つのサブ波長構造体に対応するもの)を備えることができるが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれ以上など、任意の数のポート(およびスイッチ)を使用することができる。
位相および/または振幅検出器406A~406Dは、中距離場ソース402の各ポートで受信した信号の位相(Φ1、Φ2、Φ3、Φ4)および/または電力(P1、P2、P3、P4)を検出するように構成されている。1つまたは複数の実施形態では、位相および/または振幅検出器406A~406Dは、1つまたは複数のモジュール(信号の位相または振幅を決定するなどの動作を実行するように配置された電気部品または電子部品を備えることができるハードウェアモジュール)に実装することができ、例えば、位相検出器モジュールおよび/または振幅検出器モジュールを含む。検出器406A~406Dは、外部ソース102で受信した信号の位相および/または振幅を表す1つまたは複数の信号を生成するように配置されたアナログ部品および/またはデジタル部品を備えることができる。
増幅器408A~408Dは、移相器410A~410D(例えば、Φk、Φ1+Φk、Φ2+Φk、Φ3+Φk、またはΦ4+Φkによって位相シフトされたPk)からの各入力を受信することができる。増幅器の出力Oは、一般に、RF信号414が4*Mの振幅(図4の実施形態)を有し、増幅器の利得Pi*Pkを乗算したときの電力分配器Mの出力である。P1、P2、P3、および/またはP4の値の変化に伴い、Pkを動的に設定することができる。Φkは定数とすることができる。1つまたは複数の実施形態では、移相器410A~410Dは、検出器406A~406Dから受信した位相情報に基づいて、ポートの相対位相を動的または応答可能に構成することができる。
1つまたは複数の実施形態では、中距離場ソース402からの送信電力要件はPttである。電力分配器412に供給されるRF信号は、4*Mの電力を有する。増幅器408Aの出力は約M*P1*Pkである。したがって、中距離場カプラから送信される電力はM*(P1*Pk+P2*Pk+P3*Pk+P4*Pk)=Pttである。Pkを解くと、Pk=Ptt/(M*(P1+P2+P3+P4))が得られる。
各RFポートにおける信号の振幅は、各RFポートに結合された中距離場カプラの各ポートで受信した信号と同じ相対(スケーリングされた)振幅で送信することができる。増幅器408A~408Dの利得は、中距離場カプラからの信号の送信と受信との間の損失を考慮して、さらに改良することができる。埋め込まれた受信機で受け取る電力をPirとして、受信効率η=Pir/Pttを考慮する。特定の位相および振幅の同調が与えられた場合の効率(例えば、最大効率)は、埋込み可能ソースからの外部中距離場ソースで受信した振幅から推定することができる。この推定は、η≒(P1+P2+P3+P4)/Pitとすることができ、ここでPitは、埋め込まれたソースからの信号の本来の電力である。埋込み可能装置110から送信された電力の大きさに関する情報は、データ信号として外部ソース102に通信することができる。1つまたは複数の実施形態では、増幅器408A~408Dで受信される信号の振幅は、埋込み可能装置が1つまたは複数のプログラムされた動作を実行するための電力を確実に受け取るように、決定された効率に従ってスケーリングすることができる。推定されたリンク効率ηと、埋込み物電力(例えば、振幅)要件Pir’が与えられると、Pk=Pir’/[η(P1+P2+P3+P4)]としてPkをスケーリングすることができ、例えば、埋込み物がプログラムされた機能を実行するのに十分な電力を確実に受け取るのに役立つ。
位相入力および利得入力など、移相器410A~410Dおよび増幅器408A~408Dに対する制御信号は、図4には示されていない処理回路によってそれぞれ供給することができる。図4に示された図が複雑になりすぎないように、または曖昧にしないために、回路を省略している。同じまたは異なる処理回路を使用して、受信構成と送信構成との間で1つまたは複数のスイッチ404A~404Dの状態を更新することができる。処理回路の一例については、図2Aのプロセッサ回路210および関連する説明を参照されたい。
図5は、例として、埋込み可能装置110、すなわち標的装置の回路500の一実施形態の図を示す。回路500は、例えばアンテナ108に電気的に接続可能な、1つまたは複数のパッド536を備える。回路500は、回路網500の入力インピーダンスに基づいてアンテナ108のインピーダンスを設定する、同調整合ネットワーク538を備えることができる。アンテナ108のインピーダンスは、例えば、環境の変化により変化する可能性がある。同調整合ネットワーク538は、アンテナ108の変化するインピーダンスに基づいて回路500の入力インピーダンスを調整することができる。1つまたは複数の実施形態では、同調整合ネットワーク538のインピーダンスは、アンテナ108のインピーダンスに整合させることができる。1つまたは複数の実施形態では、同調整合ネットワーク538のインピーダンスは、アンテナ108に入射する信号の一部をアンテナ108から反射して戻すように設定することができ、それによって後方散乱信号を生成する。
送信/受信(T/R)スイッチ541を使用して、回路500を受信モード(例えば、電力信号および/またはデータ信号を受信可能)から、送信モード(例えば、埋め込まれた、または外部の別の装置に信号を送信可能)に切り替えることができる。アクティブ送信機は、埋込み物からデータを転送するために、2.45GHzまたは915MHzの工業、科学、医療の(Industrial,Scientific,and Medical:ISM)帯域、または402MHzの医療インプラント通信サービス(Medical Implant Communication Service:MICS)帯域で動作することができる。あるいは、入射する高周波(RF)エネルギーを外部装置に後方散乱させる弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)デバイスを使用してデータを送信することができる。SAWベースの後方散乱手法に関するさらなる議論については、少なくとも「SURFACE ACOUSTIC WAVE BASED COMMUNICATION DEVICE(弾性表面波ベースの通信装置)」と題する本明細書のサブセクションを参照されたい。
回路500は、埋め込まれた装置における受信電力の量を検出する電力計542を備えることができる。デジタルコントローラ548によって電力計542からの電力を示す信号を使用して、受け取った電力が、回路が何らかの特定の機能を実行するために適切である(例えば、特定の閾値を超える)かどうかを判定することができる。電力計542によって生成された信号の相対値を使用して、使用者または機械装置に、回路500に電力を供給するために使用される外部装置(例えば、ソース102)が、電力および/またはデータを標的装置に伝達するための適切な位置にあるかどうかを示すことができる。
1つまたは複数の実施形態では、回路500は、受信したデータ信号を復調するための復調器544を備えることができる。復調には、変調されたキャリア信号から元の情報を含む信号を抽出することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、回路500は、受信したAC電力信号を整流するための整流器546を備えることができる。
回路(例えば、状態論理、ブール論理など)は、デジタルコントローラ548に統合することができる。デジタルコントローラ548は、例えば電力計542、復調器544、および/またはクロック550の1つまたは複数からの入力に基づいて、受信機装置の様々な機能を制御するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態において、デジタルコントローラ548は、どの電極(例えば、E0~E3)を電流シンク(アノード)として構成し、どの電極を電流源(カソード)として構成するかを制御することができる。1つまたは複数の実施形態において、デジタルコントローラ548は、電極を介して生成される刺激パルスの大きさを制御することができる。
チャージポンプ552を使用して、整流された電圧を、例えば神経系の刺激に適し得るような、より高い電圧レベルに上昇させることができる。チャージポンプ552は、1つまたは複数の個別部品を使用して、整流された電圧を増加させるための電荷を蓄えることができる。1つまたは複数の実施形態では、個別部品は、例えばパッド554に結合可能な、1つまたは複数のコンデンサを含む。1つまたは複数の実施形態において、これらのコンデンサを使用して、例えば組織の損傷を回避するのに役立つように、刺激の間の電荷バランスをとることができる。
刺激駆動回路556は、様々な出力534を介して、プログラム可能な刺激を電極アレイなどに提供することができる。刺激駆動回路556は、例えばアレイの電極の正確な位置決めをテストするために使用可能な、インピーダンス測定回路を備えることができる。刺激駆動回路556は、電極が電流源、電流シンク、または短絡した信号経路となるようにデジタルコントローラによってプログラムすることができる。刺激駆動回路556は、電圧ドライバまたは電流ドライバとすることができる。刺激駆動回路556は、例えば、外部ソース102から受信した中距離場電力信号の少なくとも一部を使用して、1つまたは複数の電極に電気刺激信号パルスを供給するように構成された治療送達回路を備えるか、または使用することができる。1つまたは複数の実施形態では、刺激駆動回路556は、約100kHzまでの周波数のパルスを供給することができる。約100kHzの周波数のパルスは、神経遮断に有用であり得る。
回路500は、例えば不揮発性メモリ回路を含み得る、メモリ回路558をさらに備えることができる。このメモリ回路558は、他の埋込み関連データの中でも、装置識別、神経記録、および/またはプログラミングパラメータの記憶を含むことができる。
回路500は、増幅器555およびアナログ・デジタル変換器(ADC)557を備えることができ、電極から信号を受信することができる。電極は身体内の神経信号から電気を検知することができる。神経信号は、増幅器555によって増幅することができる。これらの増幅された信号は、ADC557によってデジタル信号に変換することができる。これらのデジタル信号は、外部装置に通信することができる。増幅器555は、1つまたは複数の実施形態では、トランスインピーダンス増幅器とすることができる。
デジタルコントローラ548は、変調器/電力増幅器562にデータを提供することができる。変調器/電力増幅器562は、データを搬送波に変調する。電力増幅器562は、送信される変調された波形の大きさを増加させる。
変調器/電力増幅器562は、発振器/位相ロックループ(Phase Locked Loop:PLL)560によって駆動することができる。PLLは、より正確な状態であるように発振器を統制する。発振器は、任意で、クロック550からの異なるクロックを使用することができる。発振器は、外部装置にデータを送信するために使用されるRF信号を生成するように構成することができる。発振器の典型的な周波数範囲は、約10kHz~約2600MHz(例えば、10kHz~1000MHz、500kHz~1500kHz、10kHz~100kHz、50kHz~200kHz、100kHz~500kHz、100kHz~1000kHz、500kHz~2MHz、1MHz~2MHz、1MHz~10MHz、100MHz~1000MHz、500MHz~2500MHz、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)である。例えばアプリケーションに依存し得る、他の周波数を使用することができる。クロック550は、デジタルコントローラ548のタイミングに使用される。クロック550の典型的な周波数は、約1キロヘルツ~約1メガヘルツの間(例えば、1kHz~100kHzの間、10kHz~150kHzの間、100kHz~500kHzの間、400kHz~800kHzの間、500kHz~1MHzの間、750kHz~1MHzの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)である。用途に応じて他の周波数を使用することができる。より速いクロックは一般に、より遅いクロックより多くの電力を使用する。
神経から検知された信号のリターン経路は任意である。そのような経路は、増幅器555、ADC557、発振器/PLL560、および変調器/電力増幅器562を備えることができる。これらの各アイテムおよびそれらへの各接続は、任意で削除することができる。
1つまたは複数の実施形態では、回路500の他の構成要素の中でも、デジタルコントローラ548、増幅器555、および/または刺激駆動回路556は、ステートマシン装置の部分を構成することができる。ステートマシン装置は、パッド536を介して電力信号およびデータ信号を無線で受信し、それに応答して、1つまたは複数の出力534を介して電気刺激信号を放出または供給するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、そのようなステートマシン装置は、利用可能な電気刺激設定またはベクトルに関する情報を保持する必要はなく、代わりに、ステートマシン装置は電気刺激事象を、ソース102からの命令の受信の後、および/またはそれに応答して実行または提供することができる。
例えば、ステートマシン装置は、例えば特定の時間に、または特定の信号特性(例えば、振幅、継続時間など)を有する神経性電気刺激治療信号を送達するための命令を受信するように構成することができ、ステートマシン装置は、特定の時間に、および/または特定の信号特性で治療信号を開始または送達することによって応答することができる。その後の時間に装置は、治療を終了させる、信号特性を変更する、または他の何らかのタスクを実行するための後続の命令を受信することができる。このように装置は、任意で、実質的に受動的であるように構成することができ、または受信した命令(例えば、同時期に受け取った命令)に応答するように構成することができる。
I.埋込み可能装置の構成
上記のようなセクション見出し(「埋込み可能装置の構成」)は、一般に、見出しに示される主題に対応する題材に読者を導くために提供される。しかしながら、特定の見出しの下での論述は、単一の種類の構成にのみ適用されると解釈されるべきではなく、代わりに、本明細書の様々なセクションまたはサブセクションで述べられている様々な特徴は、様々な方法および順列で組み合わせることができる。例えば、外部装置の特徴および利点に関するいくつかの論述は、本セクション「埋込み可能装置の構成」の本文および対応する図に見出すことができる。
A.埋込み可能刺激装置ならびにそのための操舵機構および貼付機構
このセクションでは、治療装置、埋込み可能装置(例えば、治療装置)を組織内に位置させるためのガイド機構、および/または埋込み可能装置が組織内に位置させたときに明らかに移動しないように補助するための貼付機構の実施形態および/または特徴について説明する。1つまたは複数の実施形態は、失禁(例えば、尿失禁、便失禁)、過活動膀胱、痛み、または例えば本明細書の他の場所に記載されている他の状態もしくは症状の治療のための治療装置に関する。
このセクション(および他のセクション)で述べられる埋込み可能装置の利点は、以下の1つまたは複数を含み得る。(i)身体内の部位を電気刺激の標的とするのを助けるために、形状および/または電極構成を変更できるように構成可能な埋込み可能装置、(ii)標的位置(例えば、S3孔)に埋め込むことができ、次いで貼り付けることができる埋込み可能装置、(iii)信号受信効率が改善された埋込み可能装置(例えば、(1)アンテナを囲む誘電材料であって、人体組織の誘電率と空気の誘電率との間の誘電率を有する誘電材料、または(2)例えば二次アンテナに誘導結合された一次アンテナを含む、埋込み可能装置内の複数のアンテナを使用するもの)、(iv)例えば皮膚と骨との間など、より薄い組織の領域に埋め込むことができる、より薄いディスクリート埋込み可能装置、(v)長尺管状の埋込み可能装置では(電極の位置および埋込み可能装置の形状のために)提供できない電気刺激パターンを提供可能な埋込み可能装置、ならびに(vi)局所的なまたは広域の刺激を個々にまたは組み合わせて提供することができる埋込み可能装置のネットワークなど。
いくつかの実施形態によれば、システムは、遠位部分および近位部分を有する長尺部材を備える埋込み可能装置を備える。この装置は、複数の電極と、回路ハウジングと、複数の電極に電気エネルギーを供給するように適合された、回路ハウジング内の回路と、アンテナハウジングと、アンテナハウジング内のアンテナ(例えば、ヘリカルアンテナ)とを備える。複数の電極は、長尺部材の遠位部分に沿って位置するか、また置かれる。回路ハウジングは、長尺部材の近位部分に取り付けられる。回路は、回路ハウジング内に気密に封止または収容されている。アンテナハウジングは、長尺部材に取り付けられた回路ハウジングの端部に対向する回路ハウジングの近位端において、回路ハウジングに取り付けられる。
システムは、任意で、埋込み可能装置に電力信号もしくは電気信号またはエネルギーを供給するように適合された外部の中距離場電力ソースを備えてもよい。埋込み可能装置は、アンテナを介して外部ソースのアンテナに情報(例えば、データ信号)を通信するように適合されてもよい。電極のうちの1つ、2つ以上、または全ては、任意で、遠位部分の代わりに長尺部材の近位部分または中央部分に配置してもよい。回路ハウジングは、任意で、長尺部材の遠位部分または中央部分に取り付けることができる。アンテナハウジングは、回路ハウジングに取り付けられていなくてもよいし、または回路ハウジングの近位端に取り付けられていなくてもよい。アンテナハウジングは、任意で、例えばセラミック材料など、人体組織の誘電率と空気の誘電率との間の誘電率を有する誘電材料を含んでもよい。セラミック材料は、任意でアンテナを覆ってもよい。長尺部材は、任意で、可撓性および/または円筒形であってもよい。電極は、任意で、円筒形であってよく、長尺部材の周囲に配置してもよい。
長尺部材は、任意で、長尺部材を通って部材の近位端から長尺部材の遠位部分まで延在するチャネルと、チャネルに位置する記憶金属ワイヤとを備えてよく、記憶金属ワイヤは長尺部材を湾曲させる向きであらかじめ成形されている。記憶金属は、任意で、S3孔の形状に適合し、仙骨神経の曲線と概ね一致するように成形されてもよい。アンテナは一次アンテナであってよく、装置はさらに、アンテナハウジングに取り付けられたハウジング内の二次アンテナであって、一次アンテナとの近接場結合を提供するように成形され配置される二次アンテナを備えてもよい。装置は、任意で、(1)アンテナハウジングの近位部分、(2)回路ハウジングの近位部分、および(3)アンテナハウジングの近位端に取り付けられた取付構造、のうちの1つまたは複数に取り付けられた1つまたは複数の縫合糸を備えてもよい。アンテナは、任意で、回路ハウジングの近位部分に位置する回路の導電性ループに結合されてもよい。アンテナと導電性ループとの間には、セラミック材料が存在してもよい。
図6、例として、埋込み可能装置600の一実施形態の斜視図を示す。埋込み可能装置110は、このセクションで説明する埋込み可能装置の1つまたは複数の特徴を含むことができる。埋込み可能装置600は、図示のように、長尺の遠位本体部分602を有する。本体部分602は、少なくとも部分的にその中に組み込まれ、かつ/またはそこに貼り付けられた複数の電極604を備える。本体部分602は、遠位端606および近位端608を有する。近位端608は、回路ハウジング610に貼り付けられている。回路ハウジング610は、アンテナハウジング612に貼り付けられている。図示のように、アンテナハウジング612は、そこに貼り付けられた複数のタイン614を備える。
本体部分602、電極604、回路ハウジング610、およびアンテナハウジング612は、概ね円筒形であるものとして示されている。埋込み可能装置600は、(例えば、埋込み可能装置600に入射し、埋込み可能装置600が埋め込まれた身体の外部にある電磁波を介して)無線で電力供給されるように構成される。埋込み可能装置600は、刺激(例えば、神経性刺激、筋肉刺激、他の電気刺激)、または患者内(例えば、人間もしくは他の動物の患者)の治療部位へのその他の形態の変調(例えば、除神経)を提供するように構成される。埋込み可能装置600は、カテーテル(図26A~図35Bに関連して、および本明細書の他の箇所で説明するもの)を使用して患者内に位置することができる。
本体部分602は、可撓性材料を含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、可撓性材料は、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ、および/または他の任意の可撓性材料を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、本体部分602は形状記憶ポリマーを含むことができる。可撓性材料によって、例えば本体部分602が患者の内部にある間など、本体部分602を成形する能力を提供することができる。
図示の電極604は、本体部分602に沿った4つの刺激電極604の電極アレイを有する。電極604は、1つまたは複数の実施形態において、白金、イリジウム、ステンレス鋼、チタン、窒化チタン、または他の導電性材料を含む1つまたは複数の実施形態では、電極は、白金とイリジウムの合金、例えば90%の白金と10%のイリジウムとの組合わせを含む。他の組合わせも可能である(例えば、85%の白金と15%のイリジウム、95%の白金と5%のイリジウム、80%の白金と20%のイリジウム)。1つまたは複数の実施形態において、電極は、例えば身体などの特定の媒体における電気的性能を向上させることができる材料などによるコーティングを含むことができる。1つまたは複数の実施形態では、電極604は、例えば1つまたは複数の電気スイッチなどによって互いに電気的に分離される。1つまたは複数の実施形態では、電極604の幅(本体部分602の長尺寸法に沿ったもの)は、約1~10ミリメートル(例えば、1~3、2~5、2~8、3~6、4~9、5~7、6~10、2~4、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば3ミリメートル)である。1つまたは複数の実施形態では、電極604は、約1~10ミリメートル(例えば、1~3、2~5、2~8、3~6、4~9、5~7、6~10、2~4、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば3mm)の間隔で離間している。1つまたは複数の実施形態において、電極の直径は、約1~5ミリメートル(例えば、1~2、1~3、2~4、3~5、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm)である。電極604は、それぞれ回路716(図7参照)に電気的に接続され、回路ハウジング610内に気密に封止されている。
回路ハウジング610は、回路716のための密閉筐体を提供することができる。回路ハウジング610は、チタン(例えば、市販の純6Al/4Vもしくは他の合金)、白金、ステンレス鋼、またはセラミック材料(例えば、ジルコニアもしくはアルミナなど)、あるいは他の気密の生体適合性材料を含むことができる。回路ハウジング610は、回路716のために気密性の空間を提供する。回路ハウジング610に金属材料が使用される場合、回路ハウジング610は、例えば刺激または他の変調のために選択できる電極604の数を効果的に増加可能な、電極アレイの一部として使用することができる。
アンテナハウジング612は、回路ハウジング610の近位端611に配置することができる。アンテナハウジング612内のアンテナ718(例えば、図12A~図12Cを参照)は、例えば患者または対象の外部の装置からの、電力供給および埋込み可能装置600への通信および/または埋込み可能装置600からの通信に使用することができる。
回路ハウジング610は、密閉する代わりに、内部への湿気の侵入を防止するために埋め戻すことができる。埋戻し材料は、エポキシ、パリレン、Tecothane(登録商標)材料、そのコピー、または別の材料など、非導電性の防水材料を含むことができる。
1つまたは複数の実施形態では、アンテナハウジング612の近位部分には、タイン614を取り付けることができる(アンテナハウジング612の近位部分の図については、図14A、図14B、図14C、図15A、図15B、図15C、図16A、および図16Bなどを参照)。このタイン614は、埋込み可能装置600を患者内の特定の位置に貼り付ける(例えば、取り付けるまたは結合する)能力を提供することができる。タイン614は、埋込み可能装置600を特定の解剖学的構造に貼り付けるように構成することができる。タイン614は、例えばシリコーン、ポリウレタン、エポキシなどの材料が含まれ得る、ポリマーまたは他の可撓性もしくは半可撓性材料から作製することができる。タイン614は、他の図の中でも図6に示されるように、所与のタイン614の遠位部分が、所与のタイン614のより近位の部分よりも中心軸に近くなるように、アンテナハウジング612の中心軸から開くことができる。
図7は、例として、内部回路716およびアンテナ718を示す、埋込み可能装置700の別の実施形態の透視図を示す。回路ハウジング610およびアンテナハウジング612は、内部の部品の図を不明瞭にしないよう、透明であるように示されている。
回路716は、電極アレイ内の各電極604に対してプログラム可能な制御を提供するように構成される。アレイに沿った任意の電極は電流源または電流シンクとして、回路716で受信したソース102からの信号を使用して、またはそれに基づいてプログラムすることができる。各電極604は、電流または電圧の振幅に関して、概ね同じ方法で独立して対応することができる。例えば、患者内でのさらに深い到達のために、「0」とラベル付けされた電極を電流源としてプログラムすることができる。この例では、他の電極のうちのいずれか1つまたは複数は、電流シンクとしてプログラムすることができる。
回路716は、回路ハウジング610内に収容されて示されている。回路716は、例えば回路ハウジング610の遠位部分の電極アレイに、各電気的接続720によって電気的に接続される。回路716は、例えば誘導結合または有線接続を介してアンテナ718に電気的に結合される。アンテナ718および/または電極604は、例えば図8Aおよび図8Bに関連して説明されるような1つまたは複数の貫通接続を使用して非気密材料内に封入し、回路716に接続することができる。
図8Aは、例として、回路ハウジング610Aの一実施形態の透視図を示す。図示の回路ハウジング610Aは、壁820(例えば、ケーシング)と、近位貫通部822と、遠位貫通部824とを有する。一実施形態では、壁厚821は、約25マイクロメートル~約400マイクロメートルの間(例えば、400マイクロメートル未満、350マイクロメートル未満、300マイクロメートル未満、250マイクロメートル未満、200マイクロメートル未満、150マイクロメートル未満、130マイクロメートル未満、125マイクロメートル未満、120マイクロメートル未満、115マイクロメートル未満、110マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、25マイクロメートル~100マイクロメートルの間、40マイクロメートル~60マイクロメートルの間、50マイクロメートル~100マイクロメートルの間、100マイクロメートル~200マイクロメートルの間、150マイクロメートル~400マイクロメートルの間、200マイクロメートル~350マイクロメートルの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば50マイクロメートル)であってよく、回路ハウジング610Aの作成に使用される材料に依存し得る。一実施形態では、回路ハウジング610Aの外径823は、約1mm~3mm(例えば、1mm~2mm、1.5mm~2.5mm、1.50mm~1.75mm、2mm~3mm、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば、1.66mm、1.70mm、1.60mm、1.55mm、1.72mm)とすることができる。回路ハウジング610Aは、機械加工プロセスを使用して作成することができ、または引出し、鋳造、成形、または他の方法で提供することができる。回路ハウジング610Aは、例えば白金とイリジウムとの組合わせを含み得る、金属、金属合金、セラミック、または類似の材料で作製することができる。回路ハウジング610Aは、その内面を覆う、例えばポリイミドなどの誘電膜を有することができ、例えば回路ハウジング610A内に収容された回路の電気的絶縁性を高めることができる。
近位貫通部822および遠位貫通部824によって、ワイヤ(導電性ワイヤまたは非導電性ワイヤ)を回路ハウジング610Aの内部から回路ハウジング610Aの外部に通すことが可能な空間が生じる。貫通部822は、回路ハウジング610Aの近位部分825を貫通し、例えばアンテナハウジング612内のアンテナ718、または患者の身体外などの他の近位の目的地にワイヤの供給などを行う。貫通部824は、回路ハウジング610Aの遠位部分827を貫通し、例えば、各電極604または遠位端606などの本体部分602の遠位部分にワイヤの供給などを行う。
図8Aは、両極性の近位貫通部822(例えば、近位部分825を通る2つの貫通部)および四極性の遠位貫通部824(例えば、遠位部分827を通る4つの貫通部)を含むものとして回路ハウジング610Aを示す。回路ハウジング610Aは、アンテナ718と回路716との間の有線接続を含む実施形態で使用することができる。
図8Bは、例として、回路ハウジング610Bの別の実施形態の透視図を示す。回路ハウジング610Bは、遠位貫通部824を有するが、近位貫通部822を有さない。なお、遠位貫通部824の数は4つと示されているが、遠位貫通部824の数は、種々の実施形態において任意の2つ以上とすることができる。遠位貫通部824および近位貫通部822の数は、回路ハウジング610Bの外径823および貫通部824/822の直径によって制限することができる。
回路ハウジング610Bは、回路716とアンテナ718との間が誘導(例えば、近接場)結合される一実施形態で使用することができる。貫通部824は、電極604との電気的接続、または遠位端606などの本体部分602の遠位部分との機械的接続に使用することができる。
図9は、例として、内部に回路716を示す回路ハウジング610Aの実施形態の透視図を示す。図示されるように、回路716は、特定用途向け集積回路機構(Application Specific Integrated Circuitry:ASIC)928、基板930、および個別部品(例えば、1つまたは複数のインダクタ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、トランジスタ、スイッチ、発振器など)を備える。ASIC928は、システム・オン・チップ(System-on-Chip:SoC)パッケージとして設計することができる。1つまたは複数の実施形態では、SoC用の基材を625マイクロメートル以下(例えば、約50マイクロメートル~250マイクロメートルの間、約100マイクロメートル、約75マイクロメートル~約125マイクロメートルの間、約100マイクロメートル~300マイクロメートルの間、約50マイクロメートル~625マイクロメートルの間、または提供された範囲内の他の厚さ)に薄くすることができる。ASIC928は、例えばフリップ・チップ・アタッチメントを使用して、基板930(例えば、プリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB))に取り付けることができる。基板930の材料は、ガラス強化エポキシ積層体とすることができ、耐燃性のエポキシ樹脂バインダ(例えば、FR4材料)、窒化アルミニウム、ポリイミドを使用したガラス繊維織布から構成される複合材料を含む。1つまたは複数の実施形態では、基板930の厚さは、125ミクロン未満(例えば、50~100ミクロンの間、75ミクロンを超え125ミクロン未満、100ミクロンを超え125ミクロン未満、75~100ミクロンの間、100~120ミクロンの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)とすることができる。個別部品932は、表面実装部品または他の部品とすることができる。
パッド934は、貫通部824を介して供給されるワイヤとの電気的接続に使用することができる。パッド936は、貫通部822を介して供給されるワイヤとの電気的接続に使用することができる。パッド934/936への接続は、ワイヤボンディング、マグネットワイヤ、貫通ワイヤの延長、平角リボンワイヤを含んでよく、および/またはフレキシブル基板基材へのはんだ接続などを含んでもよい。
図5は、例として、回路ハウジング610に収容され得る回路500の一実施形態の図を示し、例えばASIC928、基板930、または図9の他の構成要素を備えることができる。ASIC928は、無線RF電力回収、RF通信、デジタル制御、および治療送達のためのSoC統合機能とすることができる。ASIC928は、例えば0.18ミクロンを使用できる相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:CMOS)技術または他のプロセスを使用して製造することができる。
図10は、例として、例えば回路1000によって作成され、例えば回路716の1つまたは複数の構成要素を含み得る、埋込み可能装置600からの刺激パルスに対する信号電力対時間の例1100を示すグラフを示す。刺激波形は、刺激駆動回路556を使用して制御することができる。刺激は、離散レベルで振幅を変動させるように(例えば、電圧制御の場合は0~10V、または電流制御の場合は0~10mA)、外部電力供給ユニットから無線でプログラムすることができる。刺激波形の制御には、刺激駆動回路556のデジタル/アナログ変換器(DAC)の使用を含むことができる。
刺激は、パルス周波数を変動させるように(例えば、約0.1Hz~100,000Hzの間、1Hz~1kHzの間、0.1Hz~100Hzの間、100Hz~1kHzの間、500Hz~2kHzの間、1Hz~10kHzの間、5kHz~15kHzの間、10kHz~20kHzの間、1kHz~10kHzの間、1kHz~15kHzの間、50kHz~100kHzの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)、およびパルス幅(例えば、約10~1000マイクロ秒の間、10~500マイクロ秒の間、10~100マイクロ秒の間、50~200マイクロ秒の間、100~500マイクロ秒の間、250~750マイクロ秒の間、400~1000マイクロ秒の間、500~1000マイクロ秒の間、750~1000マイクロ秒の間、400~800マイクロ秒の間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)、デジタルでプログラムすることができる。刺激は、単相性または二相性とすることができる。単相性とは、刺激電流が一方向のみに流れることを意味する。二相性信号は、両方向(例えば、重なり合わないように、部分的に重なり合って、または実質的に同時に提供され得る正および負のパルス)で流れる。一実施形態では、二相性信号は実質的に正味の電荷移動がゼロになるように(すなわち、正の信号の量が負の信号の量とほぼ同じとなるように)「電荷平衡化」することができる。刺激形状は概ね、矩形、指数関数形状、または他の形状とすることができる。刺激波形は、パルスのバーストを放出するようにプログラムすることができる(例えば、1~1000パルスの間、1~100パルスの間、50~200パルスの間、10~500パルスの間、100~400パルスの間、250~750パルスの間、500~1000パルスの間、300~800パルスの間、750~1000パルスの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)。パルスのバースト後には、図10に示すように、パルスのない期間、別の一連のパルスなどを続けることができる。いくつかの実施形態では、パルス間の時間間隔は、1ms~1000msの間(例えば、1ms~100msの間、10ms~150msの間、50ms~500msの間、100ms~800msの間、150ms~450msの間、200ms~600msの間、250ms~1000msの間、400ms~800msの間、500ms~1000msの間、750ms~1000msの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の範囲である。当然、これらの範囲外の値も使用可能である。いくつかの実施形態では、パルスの各バーストは、0.1ms~100msの間(例えば、0.1ms~1msの間、0.2~20msの間、0.1ms~10msの間、1ms~10msの間、5ms~50msの間、10ms~100msの間、10ms~50msの間、20ms~80msの間、30ms~60msの間、60ms~100msの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の継続時間を有してよい。当然、これらの範囲外の値も使用可能である。いくつかの実施形態では、各パルスは、20マイクロ秒~2000マイクロ秒の間(例えば、20マイクロ秒~50マイクロ秒の間、20マイクロ秒~200マイクロ秒の間、50マイクロ秒~500マイクロ秒の間、100マイクロ秒~1000マイクロ秒の間、500マイクロ秒~2000マイクロ秒の間、1000マイクロ秒~2000マイクロ秒の間、100マイクロ秒~500マイクロ秒の間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の継続時間を有する。当然、これらの範囲外の値も使用可能である。刺激駆動回路556は、例えばプログラムされた振幅への活性化に応答して、刺激パルスを上方に傾斜させる(例えば、振幅が増加するパルス)ようにプログラムすることができる。刺激が非活性化すると、刺激駆動回路556の振幅は、刺激パルスを下方に(例えば、振幅が減少するパルスを使用して)0に傾斜させるようにプログラムすることができる。刺激パルスは、他の解剖学的位置にある他の無線埋込み物からの様々な刺激波形の特徴など、様々なパラメータと時間的に同期させることができる。
刺激駆動回路556は、例えばプログラムされた振幅への活性化に応答して、刺激パルスを上方に傾斜させる(例えば、振幅が増加するパルス)ようにプログラムすることができる。刺激が非活性化すると、刺激駆動回路556の振幅は、刺激パルスを下方に(例えば、振幅が減少するパルスを使用して)0に傾斜させるようにプログラムすることができる。刺激パルスは、他の解剖学的位置にある他の無線埋込み物からの様々な刺激波形の特徴など、様々なパラメータと時間的に同期させることができる。
図11Aは、例として、埋込み可能装置1200Aの一実施形態の近位部分の透視図を示す。装置1200Aは、アンテナハウジング612内に収容されたアンテナ718Aで受信した信号を介して電力供給することができる。アンテナハウジング612は、装置1200Aの近位部分にあってよい。アンテナ718Aは、1つまたは複数の貫通部822を介して回路716に接続することができる。1つまたは複数の実施形態では、アンテナ718Aは、誘電体ロッドアンテナ、螺旋形状、コイル状、または他の形状とすることができる。装置1200Aは回路ハウジング610Aを備える。1つまたは複数の実施形態では、アンテナ718Aは、例えばダイポールの一部として機能する回路ハウジング610Aなどを備えた、非対称ダイポールアンテナであってよい。1つまたは複数の実施形態では、アンテナを誘電体ロッドアンテナとすることができる。
図11Bは、例として、埋込み可能装置1200Bの別の実施形態の近位部分の透視図を示す。装置1200Bは螺旋形状のアンテナ718Bおよび回路ハウジング610Bを備え、装置1200Bは、装置1200Aと類似している。アンテナ718Bの法線ベクトルは、アンテナ718Bによって誘導される磁場に概ね平行とすることができる。アンテナ718Bは、法線ベクトルが入射波のポインティングベクトルと概ね平行な螺旋進行波アンテナを含むことができる。アンテナは、ダイポールの一部として機能する気密パッケージを備えた非対称ダイポールアンテナとすることもできる。前述したように、アンテナは誘電体ロッドアンテナとすることができる。
1つまたは複数の実施形態では、アンテナハウジング612は、回路ハウジング610Aおよび610Bに金ろう付けすることができる。1つまたは複数の実施形態では、アンテナハウジング612は、エポキシ、Tecothane(登録商標)、または他のRF透過性および保護性の材料を含むことができる。アンテナ718Bは、近接場で回路ハウジング610Bに結合することができ、例えばアンテナ718Cによって捕捉される電磁エネルギーの量を増加させるのに役立つ。
1つまたは複数の実施形態では、アンテナハウジング612は、ジルコニアまたはアルミナなどのセラミック材料を含むことができる。ジルコニアの誘電率は筋肉の誘電率に近いため、ジルコニアまたは他のセラミック材料を含む実施形態によって、アンテナ718が異なる組織の種類に囲まれている場合にアンテナ718のインピーダンスを安定化させ、インピーダンスの変化を減少させるのを助けることができる。セラミックハウジングを使用する場合、アンテナ718が低誘電率組織によって囲まれている間の電力伝達効率が増加する。この場合、アンテナ718は貫通部を有する単一のセラミック構造として構成することができる。
貫通部を使用してアンテナ718を接続する代わりに、回路ハウジング610の外部のアンテナから回路ハウジング610内の構造(例えば、別のアンテナ)に電力を伝達することができる。このエネルギーの伝達は、セラミック製キャップ1264を介して誘導的に起こり得るか、または行われ得る。セラミック製キャップ1264を使用して、回路ハウジング610Bの一端を封止することができる。1つまたは複数の実施形態では、回路ハウジング610Bの外部のアンテナハウジング612にループ構造または螺旋構造を封入することができる。身体外からの電磁エネルギーは、アンテナ718Bに伝達され、続いてアンテナ718Bは、回路ハウジング610B内のアンテナ718Cにそのエネルギーを伝達する。事実上、アンテナ718Bは、回路ハウジング610B内のアンテナ718Cへのリレーとして働く。パッケージ内のアンテナ718Cは、(例えば、パッド936を介して)回路716に接続することができる。
図11Cは、例として、埋込み可能装置1200Cのさらに別の実施形態の近位部分の透視図を示す。代替のアンテナ構造は、導体とは物理的に接続されていない複数のアンテナの使用を含む。例えば、ループ718Eは、一次アンテナとして機能することができる。ループ718Eは、(貫通部832を介して)回路716に接続することができる。1つまたは複数の周囲ループ718Dは、エネルギーを捕捉し、そのエネルギーを、近接場結合を通して一次アンテナ(ループ718E)に伝達することができる。より小さな複数のループと同じ付加的な断面積を有する、より大きな単一のループとは対照的に、より小さなループはそれぞれ、組織内にある間にそれらの自己共振周波数未満で動作させることができる。
図12Aは、例として、外部ハウジングを不可視として埋込み可能装置の内部回路を示す、埋込み可能装置1300Aの一実施形態の透視図を示す。図12Bは、例として、図12Aにおいて「12B」と表示された破線のボックス内の埋込み可能装置1300Aの一部分の分解図を示す。1つまたは複数の実施形態では、アンテナ718Fを回路ハウジング610C内に配置することができる。そのような実施形態では、回路ハウジング610Cの材料は、金属ではなく、ジルコニア、アルミナ、もしくはガラス、または他のセラミック材料などのRF透過性材料で作製される。アンテナ718Fは、回路716の周りに巻かれたヘリカルアンテナとすることができる。このような構成によって、他の実施形態と比較してパッケージを小型化することができる。
図12Aおよび図12Bに示す実施形態では、四極性の貫通部が回路ハウジング610Cの両側に位置している。このような構成によって、既に説明された他の実施形態と比較して、電極の数を(この場合8であるが、他の数の電極(例えば、1、2、3、4、5、6、7、9、10、11、12、13以上に)増やすことを可能にできる。
図13Aは、例として、埋込み可能装置の近位部分および取付け可能なタインのシステム1400Aの一実施形態の透視図を示す。図13Bは、例として、図13Aの埋込み可能装置の近位部分および着脱可能なタインのシステム1400Bの一実施形態の透視図を示す。図13Cは、例として、タインが取り付けられた埋込み可能装置1400Cの一実施形態の透視図を示す。タイン614は、例えば組織を捕捉することによる、埋込み可能装置の固定に使用することができる。線維組織への補助を増加させることで、さらに長期間固定することが可能となり、例えば埋込み物の移動防止に役立てることができる。しかしながら、例えば試行期間に使用される一時的な埋込みなど、タイン614による固定は有用ではない場合もある。試行期間とは、患者が適切な治療応答を有するかどうかを判定することであり得る。1つまたは複数の実施形態では、例えば患者から装置をより容易に取り外すことができるように、タイン614を試行期間中における埋込み物の貼付けをできないようにする。治療に対する適切な治療応答を示す試行期間が完了した後、図13A~図13Cに示すように、タイン614を装置に追加することができる。
システム1400Aおよび1400Bは、アンテナハウジング612に貼り付けられた、またはアンテナハウジング612と一体的に形成された取付構造1468を備えることができる。取付構造1468は、アンテナハウジング612の近位端に位置することができる。タイン614は、取付構造1468および/またはアンテナハウジング612を覆って嵌合するキャップ1470を備える構造の一部とすることができる。キャップ1470は、構造1468を覆って嵌合することができ、図13Bおよび図13Cに示すように、タイン構造は、埋込み可能装置上でスライドすることができる。
タイン構造の近位端の非円形構造1466によって、埋込み可能装置の適所にタイン614をロックするのを補助することができる。構造1468によって、例えば対象となる生体構造に装置が配置されている間に、埋込み可能装置にタインを取り付けることが可能となる。構造1468とキャップ1470とを嵌合することによって、タイン614の回転(例えば、埋込み可能装置600の長手軸の周り)をより困難にすることを補助することができる。いくつかの実施形態によれば、このように動きを限定することで、タイン614を定位置に保持することを有利に補助する。
図14Aは、例として、埋込み可能装置にタイン614を取り付けるためのシステム1500Aの一実施形態の透視図を示す。図14Bは、例として、図14Aのシステムの透視図を示し、タイン614が回路ハウジング610に接近して押し込まれている。図14Cは、例として、図14Bのシステムの透視図を示し、タイン614が回路ハウジング610に取り付けられている。
タイン614は、例えば少なくとも解剖学的構造の表面まで延在する縫合糸1476(例えば、患者の身体の外部に延在することができるようなものなど)を使用して、埋込み可能装置600の近位部分に誘導することができる。キャップ1470は、タイン614を縫合糸1476の周りに嵌めることができる開口部を、内部に有することができる。縫合糸1476を内部に通す中空プッシュロッド1472を使用して、図14A~図14Cに示すように、組織を通してタイン614を適所に押し込み、埋込み物に取り付けることができる。縫合糸1476は緊張状態に保持することができる。タイン614およびプッシュロッド1472は、縫合糸1476が緊張状態に保持されている間に挿入することができる。縫合糸1476は、埋込み可能装置600への誘導を行うと同時に、張力も提供し、その張力に逆らってタイン614を取り付けることができる。
図15Aは、例として、埋込み可能装置にタイン614を固定するシステム1600Bの一実施形態の斜視図を示す。図15Bは、例として、図15Aの「15B」と表示された破線のボックスに対応する領域の一実施形態の分解図を示す。取付構造1466は、非円形の対称形状(立方体もしくは六角形、または他の多角形)あるいは非対称形状を含むことができる。取付構造1466は、埋込み可能装置600の近位端において成型することができる。プッシュロッド1478(例えば、嵌合ソケット装置を備えることができるもの)を使用して、タイン614を含む構造体を回転させることができる。構造体1466に取り付けられている間にプッシュロッド1478を回転させることにより、タイン614を適所にロックすることができ、例えば埋込み可能装置600の埋込み後の移動防止に役立てることができる。プッシュロッド1478は、内部を貫通する孔1484を有することができる。縫合糸1476(例えば、埋め込まれた装置に取り付けられた縫合糸)を孔1484に通すことで、プッシュロッド1478を取付構造1466に誘導することができる。そのような実施形態では、配置中の埋込み物の電極アレイの深さ、角度、回転、および/または湾曲方向の制御を補助することができる。
図15Cは、例として、埋込み可能装置600を操舵するシステム1600Cの一実施形態の斜視図を示す。埋込み可能装置600は、それに取り付けられた縫合糸1476を備える。縫合糸1476は、孔1484に通すことができる。縫合糸1476は、埋込み可能装置600にプッシュロッド1478を誘導することができ、それによって例えば多角形の取付機構を取付構造1466によってプッシュロッドの端部に配置することができる。
図15Dは、例として、システム1600Cの一部であるシステム1600Dの一部の一実施形態の分解図を示す。取付構造1485は、取付構造1466と嵌合するように構成される。図15Eは、例として、縫合糸1476上のプッシュロッド1478を備えるシステム1600Eの分解図を示す。
プッシュロッド1478によって所望の方向にモーメントを加えることで、埋込み物(例えば、埋込み可能装置600)を操舵する能力を得ることができる。これによって、例えば埋込み物またはカテーテルが正しい位置にない場合に、作業者が埋込み物をカテーテルから体外に(例えば、カテーテルまたは患者の外に)引き出すことができる。埋込み物が正しい位置にあるとき、例えば、ソケットドライバのような、ベアリングに結合されたボタンであって、押圧されるとベアリングを解放し、プッシュロッド1478を埋込み物から解放することを可能にするボタンを有し得る機構を使用して、埋込み物を解放することができる。1つまたは複数の実施形態では、例えば埋込み物を活性化することによって埋込み物の位置決めを試験するために使用可能な、埋込み物にエネルギーを伝達するためのマイクロ波導波管として、プッシュロッド1478を使用することができる。
埋込み可能装置は、カテーテル内に位置することができる。プッシュロッド1478は、取付構造1466に取り付けることができる。このプッシュロッド1478は、その遠位部分を横方向に貫通する穿孔1482を備えることができる。次に、プッシュロッド1478をカテーテル内に(患者の身体内に)押し込むことができ、埋込み可能装置が所望の深さまで移動したとき、横方向に延在する穿孔1482を通して挿入ハンドル1480を配置でき、埋込み可能装置を所望の方向に向けるようにプッシュロッド1478を回転させることができる。
図15Fは、例として、埋込み可能装置600からプッシュロッド1478を取り外すためのシステム1600Fの一実施形態の斜視図を示す。第2のプッシュロッド1467は、孔1484に(例えば、縫合糸1476に沿って)挿入することができる。第2のプッシュロッド1467は、例えば取付構造1466において、埋込み可能装置600と接触することができる。1つまたは複数の実施形態では、第2のプッシュロッド1467は適所に保持され、一方で第1のプッシュロッド1478は、埋込み可能装置600からプッシュロッド1478を分離するように引き込まれる。1つまたは複数の実施形態では、第2のプッシュロッド1467は、記憶金属材料(例えば、ニチノール)または他の金属もしくは金属合金などの金属で作製することができる。
図16Aは、例として、縫合糸固定システム1000Aの一実施形態の図を示す。図示のシステム1000Aは、中空ロッド部1479、ハンドル1481、戻り止め1483、および雌型嵌合構造1485を備えるプッシュロッドと、雄型嵌合構造1487と、縫合糸1476とを備える。プッシュロッドは、プッシュロッド1478に関して説明したように使用することができる。1つまたは複数の実施形態では、雄型嵌合構造1487は雄ルアーキャップとすることができる。1つまたは複数の実施形態において、雌型嵌合構造1485は雌ルアーねじ山を有することができる。構造1487が構造1485と結合される(例えば、構造1485にねじ込まれる)と、構造1487のテーパ開口部1493が、嵌合するテーパ構造1495に圧力をかけ、例えばテーパ構造1495を圧迫し、機械的圧力を縫合糸に加えることで、縫合糸1476をプッシュロッドに機械的に固定して、例えばプッシュロッドを特定の位置に固定する。
図16Bは、例として、雌型嵌合構造1485(雌型嵌合構造1485は図16Bにおいてほとんど閉鎖されている)に取り付けられた雄型嵌合構造1487を備えるシステム1000Bの一実施形態の図を示す。縫合糸1476は、図16Bのプッシュロッドに固定されている。
図17A、図17B、および図17Cは、例として、埋込み可能装置のタイン614を展開するシステム1700A、1700B、および1700Cの一実施形態の斜視図を示す。試行期間中、キャップ1486は、タイン614を非展開位置に保つためにタイン614を囲むことができる。キャップ1486は、埋込み物への電力供給または埋込み可能装置のアンテナへの他の信号による妨害の防止を助けるために、RF透過性材料を含むことができる。キャップ1486は、縫合糸1476に接続することで、例えば縫合糸1476を引っ張ることによるタイン614の容易な展開を可能にできる。キャップ1486は、例えば縫合糸1476をガイドとして使用して、組織を通して回収することができる。あるいは、キャップ1486は、キャップ1486を身体内に残すことができ、さらにキャップ1486が時間と共に劣化し、最終的にタイン614を露出させるように、生体吸収性材料から構成することができる。
図18は、例として、埋込み可能装置の近位部分に取り付けられたタイン展開システム1800の一実施形態の斜視図を示す。埋込み可能装置は、複数の縫合糸1488および1490に接続することができる。1つの縫合糸1490を使用して埋込み可能装置を抜去することができ、1つの縫合糸1488を使用してタイン614を展開することができる。縫合糸1488および1490は、同心円であってよく、または並んでいてもよい。1つまたは複数の実施形態では、1つの縫合糸1488または1490のみが使用される。一実施形態では、患者が装置の取り外しを必要としないことが分かっている場合、縫合糸1488のみを備えることができる。一実施形態では、タインを展開する必要がない場合、または既に展開している場合に、縫合糸1490のみを備えることができる。縫合糸1490は、埋込み可能装置600を身体から除去するために引っ張ることができる。
図19は、例として、縫合糸1488上に放射線不透過性マーカ1492を有する、図18の縫合糸およびタイン展開システム1800の一実施形態の斜視図を示す。縫合糸1488はまた、放射線不透過性マーカ1492を有することもできる。これによって、縫合糸1488がX線透視下で見えるようになり、その結果、縫合糸1488は、埋込み後に皮膚表面下での位置を特定することができる。例えば画像ガイダンスを用いて行えるように、皮下の縫合糸1488上に引っかけるためのツールを使用することができる。縫合糸1488が破損した場合、放射線不透過性マーカ1492は、医師が抜去器具を誘導し、埋込み物の近位端を把持するのに役立ち、および/または破損した縫合糸の位置、ならびに縫合糸1488が破損していることを医師に示すのに役立つ。
図20は、例として、埋込み可能装置の近位部分に取り付けられた縫合糸を備えるシステム2000の一実施形態の斜視図を示す。縫合糸1490は、埋込み可能装置600の近位端、回路ハウジング610、アンテナハウジング612、または埋込み可能装置600の別の位置を含み得る1つまたは複数の位置で、埋込み物に取り付けることができる。複数の接続ポイントによって、接続を強化するのを助けることができる。複数の接続ポイントによって、抜去中に埋込み物の近位部分を操舵することを助けることができる。
図21は、例として、埋込み可能装置の近位部分に取り付けられた複数の縫合糸1490の一実施形態の斜視図を示す。複数の縫合糸1490を、例えば、埋込み可能装置の近位端の周囲に取り付けることができる。そのような複数の縫合糸を用いて、埋込み可能装置の抜去中の操舵を補助することができる。
図22Aは、例として、縫合糸2292と埋込み可能装置の近位部分とを有するシステム2200Aの一実施形態の斜視図を示す。図22Bは、例として、図22Aの埋込み可能装置に取り付けられた縫合糸2292の一実施形態の斜視図を示す。図22Cは、例として、縫合糸2292と埋込み可能装置の近位部分とを有するシステム2200Cの一実施形態の斜視図を示し、縫合糸が埋込み可能装置に取り付けられている。図22Dは、例として、タイン614が展開された状態の、縫合糸2292およびタイン展開機構の一実施形態の斜視図を示す。縫合糸2292は、複数の位置で埋込み可能装置に取り付けることができ、例えば連結を強化し、抜去中の埋込み可能装置における近位端の操舵を補助することができる。抜去のために、縫合糸2292は、皮膚表面またはその近傍などにおいてロッドに接続することができ、ロッドはダイレータの遠位端を通って引き出すことができる。ダイレータを押しながらロッドを引っ張ることによって、埋込み可能装置にチャネルを形成することができる。このチャネルは、埋込み可能装置の抜去に使用することができる。
図23Aは、例として、把持機構に取り付けられたロッド2396を備えるシステム2300Aの一実施形態の透視図を示す。図23Bは、例として、開位置にある把持機構2394の一実施形態の斜視図を示す。図23Cは、例として、閉位置にある把持機構2394の一実施形態の斜視図を示す。
縫合糸1488の近位端が皮下である場合、把持機構2394を使用して縫合糸1488の近位端を把持し、縫合糸1488を効果的に延長させて皮膚を通過させることができる。次いで、この延長部分を、ダイレータを介して供給することで、例えば埋込み可能装置に対してダイレータを位置決めすることができる。縫合糸を引っ張って埋込み可能装置を取り外すことが不適切な場合には、または縫合糸がもはや存在し得ない長期的な埋込みの場合には、埋込み可能装置の回収のために機械的器具を使用することができる。機械式ロッド2396型の把持器具(図23A参照)をカテーテル内に挿入することができる。器具の遠位先端部では、把持機構2394がロッド2396から延出し、埋込み可能装置の近位端または縫合糸1488を固定することができる。把持機構2394は、例えばてこの力が強い、ばね荷重式のものとすることができ、それによって、医師が埋込み可能装置を取り外すのに十分な引っ張り力を加えることができるように把持機構2394の爪部2398と埋込み可能装置または縫合糸との間に適切な摩擦をもたらすことができる。あるいは、把持機構2394は、シャープペンシルと同様のラチェットベースの保持機構を備えることができる。
図24Aは、例として、埋込み可能装置2402を成形するための成形システム2400Aの一実施形態の透視図を示す。図24Bは、例として、動作中のシステム2400Aを備えるシステム2400Bの一実施形態の透視図を示す。埋込み可能装置600について考察する。電極604は、互いに対して湾曲し、標的神経または他の解剖学的構造に沿って延在することができる。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置600のこの湾曲は、埋込み可能装置600の本体内のリードを通って貫通する湾曲スタイレットを使用して行うことができる。この湾曲スタイレットによって、医師が電極アレイの先端を正しい位置および/または方向に向けることを可能にできる。
無線のリードレス埋込み可能装置2402の場合の、別の技術をここに示す。図24Bに示すように、あらかじめ形成された湾曲記憶ワイヤ2404(例えば、ニチノールまたは他の記憶金属)と埋込み可能装置2402とを一体化させることができる。ワイヤ2404の湾曲は、特定の解剖学的標的に理想的となるようにあらかじめ決定することができる。埋込み可能装置2402は湾曲しているが、容易にまっすぐにして埋込み用の直線状のカテーテルに適合させることができる。埋込み可能装置が標的解剖学的部位においてカテーテルまたは他の送達デバイスから出るとき、記憶ワイヤ2404によって提供される埋込み可能装置2402の固有のバイアスによって、埋込み可能装置を湾曲させる。埋込み可能装置に一時的に接続されたプッシュロッド(例えば、プッシュロッド1478)は、医師が正しい湾曲の向きで埋込み可能装置2402を正しい位置に導くことを可能にするのに役立つ。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置の屈曲または湾曲は、埋込み可能装置を特定の形状に成形(例えば、リフロー)することによって形成することができる。
図25Aは、例として、埋込み可能装置、すなわち埋込み物2500Aの内部導管内のスタイレット2506の一実施形態の透視図を示す。例えば図24Aおよび図24Bに関連して説明したように、埋込み可能装置内部のチャネル内の記憶ワイヤ2404を使用して対象となる生体構造を適切に湾曲させる代わりに、スタイレット2506を、埋込み可能装置を通って遠位端606まで進む連続的なチャネルに挿入することができる。あるいは、図25Bに示すように、スタイレット2506は、回路ハウジング610の周りで湾曲させることができ、または埋込み可能装置600がチャネルを有することができ、それによってスタイレット2506が回路ハウジング610内の回路716の周りで湾曲することができる。あるいは、回路716内を通過する、または回路716の周りのチャネルをスタイレット2506が通過することができるように、チャネルを気密パッケージに含めることができる。次いで、医師は、リード型電極アレイと同様に電極アレイを制御することができる。スタイレット2506は、プッシュロッドおよびカテーテルを使用するか、または埋込み前に埋込み可能装置にスタイレット2506を位置させることによって、適切な位置に位置させることができる。記憶ワイヤ2404を使用する代わりに、例えば型を使用して埋込み可能装置600を成形(例えば、リフロー)することによって、埋込み可能装置600を成形することができる。
図26Aは、例として、埋込み可能装置を誘導するシステム2600Aの一実施形態の透視図を示す。図26Bは、例として、図26Aのシステム2600Aを備えるシステム2600Bの一実施形態の透視図を示し、埋込み可能装置内にスタイレットを示すために透過部分を有する。図26Cは、例として、図26Aおよび図26Bのシステムの操舵機構2600Cの一実施形態の分解図を示す。図26Aは、電極604の対向する側に2つのスタイレット2508および2510を備える無線の埋込み可能装置上の、操舵可能な電極604を示す。スタイレット2508および2510は、少なくとも部分的に、各チャネル2514に挿入することができる。チャネル2514は、スタイレット2510および2508を部分的または完全に囲むことができ、それによって電極604の構造内にスタイレット2510および2508を少なくとも部分的に囲むことができる。チャネル2514は、埋込み可能装置の先端(遠位端606)周辺まで延在することができる。スタイレット2508および2510のうちの1つに力を加え、他のスタイレット2508および2510にかかる力を少なくすることによって、埋込み可能装置の遠位端606が操舵される。例えば、遠位端の方向で左スタイレット2508に力を加えると、関連するチャネル2514内のスタイレット2508の長さが増加するため、電極アレイ先端が右に曲がる。
スタイレット2508および2510は、遠位先端部2512に一時的に取り付けることができる。スタイレット2508/2510に十分な力を加えることによって、スタイレット2508/2510を一時的な取付けから取り外し、身体から取り出すことができる。別の場合には、操舵機構2600Cは、試験電極または試験電極のアレイとして使用することができる。電極アレイが患者に残される場合、トリマーを使用して、電極604に接触しない二重スタイレットの長さを切断することができる。1つまたは複数の実施形態では、操舵機構2600Cが患者の中にある間に患者の身体が操舵機構を分解するように、操舵機構2600Cを生分解性材料で作製することができる。1つまたは複数の実施形態において、電極604ならびに二重スタイレット2508および2510は、カテーテルを介して患者に挿入される。この場合のカテーテルは、2つの同心円状の材料で作製することができる。内側の同心円状の材料は、別の工具を挿入する必要なく二重スタイレットの延長部分を切断するような方法でねじられるか、または操作することができる。
図27Aは、例として、システム2700Aの遠位部分の一実施形態の分解図を示し、埋込み可能装置600と、埋込み可能装置600を湾曲させるためのガイド機構2716とを備える。図27Bは、例として、システム2700Bの遠位部分の一実施形態の分解図を示し、図27Aのガイド機構2716がカテーテル2718内に位置した状態のカテーテル2718を含む。方向変換ウェッジを備えるガイド機構2716を使用して、埋込み可能装置600の方向を誘導することができる。ガイド機構2716は、埋込み可能装置600の輪郭に一致する湾曲を有することができる。プッシュロッドを使用して、ガイド機構2716に沿って埋込み可能装置を前進させることができる。埋込み可能装置600がガイド機構の端部に押し込まれると、ガイド機構2716の曲線(例えば、ウェッジ)によって、湾曲した向きに埋込み可能装置600を向け直す。埋込み可能装置600が曲線を横切って押し込まれるときに、結果として得られる埋込み可能装置の曲線が、対象となる生体構造の曲線と一致するように、ガイド機構2716の曲線を構成することができる。
埋込み可能装置600が湾曲した先端に沿って前進すると、ガイド機構2716の先端の曲線は、埋込み可能装置600をガイド機構2716の湾曲と同じ湾曲で曲げさせる。ガイド機構2716は、対象となる生体構造の近くのカテーテル2718を使用して配置することができ、これによって例えば、対象となる生体構造へのより良好な刺激または改善された電極インピーダンスを提供する際の湾曲から利益を得ることができる。ガイド機構2716は、埋込み可能装置600と共にカテーテル2718内に嵌合するように構成することができる。ガイド機構2716は、ガイド機構2716の湾曲した先端の位置を示すマーキング(例えば、放射線不透過性のマーキングまたは他のマーキング)を有することができる。このマーキングを使用して、湾曲した先端がカテーテル2718の先端を越えて展開されているかどうか、および/またはガイド機構2716がカテーテル2718もしくは対象となる生体構造内に適切に配置されているかどうかを判定することができる。
図28は、例として、対象となる生体構造内に埋込み可能装置110を配置するシステム2800の一実施形態の斜視図を示す。図28に示される対象となる生体構造は、S3孔2820である。埋込み可能装置600は、カテーテル2718を使用して対象となる生体構造2820に注入することができる。埋込み可能装置600は、カテーテル2718を通って送達されるような大きさとすることができる。1つまたは複数の実施形態において、カテーテル2718は、4Fから10Fの範囲(例えば、4F~7F、5F~9F、6F~10F、4F~6F、8F~10F、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)とすることができる。図28の例では、埋込み可能装置600は、仙骨神経に近い位置に第3仙骨孔(すなわち、S3孔)を介して注入することができ、例えばそれによって失禁、尿意切迫、便失禁、便秘、および/または骨盤痛の治療に役立てることができる。あるいは、埋込み可能装置600は、例えば、脊髄を取り囲む軟組織を介して後根神経節もしくは末梢神経に注入して痛みを治療することができ、または脳深部刺激のために頭蓋骨の穴を介して注入することができる。
図29は、例として、埋込み可能装置600を身体内に配置するためのカテーテル2718およびダイレータ2922を備えるシステム2900の一実施形態の透視図を示す。1つまたは複数の実施形態では、標的神経へのアクセスは、最初に中空針(図示せず)を使用して、例えば画像ガイダンス(例えば、X線透視、超音波など)の下で実行することができる。針は、位置決めを補助するために、その上に放射線不透過性マーカを有することができる。医師は、針を通して電流を送って適切な生理学的応答をテストし、針が確実に適切な位置にあることを補助してもよい。針の十分な配置が確立された後、針を通して、ガイドワイヤを針の遠位先端まで挿入することができる。次いで、ガイドワイヤを適所に保持した状態で針を引き込むことができる。次に、中空ダイレータ2922をカテーテル2718の内部に配置する。次いで、カテーテル2718とダイレータ2922との組合わせをガイドワイヤ上に配置し、対象となる生体構造への拡張チャネルを生成するために使用することができる。その後、ダイレータ2922およびガイドワイヤを除去することができる。残りのカテーテル2718は、対象となる生体構造にアクセスするためのトンネルを形成し、このトンネルを通って、埋込み可能装置600を適切な位置に位置付け、配向、またはその他配置することができる。
図30は、埋込み可能装置600を体内に配置するための別のシステム3000の一実施形態の斜視図を一例として示す。プッシュロッド3024は、カテーテル2718を介して埋込み可能装置600を対象となる生体構造に押し込むために使用され得る。プッシュロッド3024は、埋込み可能装置に接続された縫合糸がプッシュロッド3024を通過できるように、中空であり得る。縫合糸の近位端は、患者の皮膚表面の上に留まり得る。埋込み可能装置600は、カテーテル2718内に配置され、プッシュロッド3024に接続された近位端を有し得る。プッシュロッド3024は、1つまたは複数の実施形態では、前述したようなソケット駆動機構を含む。プッシュロッド3024の近位端に力が加えられ、埋込み可能装置600を解剖学的位置に案内する。プッシュロッド3024は、医師がカテーテル2718をたぐり寄せて除去している間に、埋込み可能装置600を設定された位置で保持するために使用され得る。この動作は、1つまたは複数の実施形態では、露出されたときに膨張するタイン614を展開する。プッシュロッド3024は、埋込み可能装置600を適所に残した状態で、取り外され得る。タイン614によって得られる移動に対する抵抗が、埋込み可能装置をプッシュロッドから分離するのに適切であり得るか、または、ボタンおよびベアリングもしくはボタンおよびコネクタ装置のような解放機構が、プッシュロッド3024を埋込み可能装置600から解除するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、例えば、プッシュロッド3024から埋込み可能装置600を分離するために、第2のプッシュロッドがプッシュロッド3024に挿入され得る。(例えば、図15Fを参照)。
この処理の部分を図31A、図31B、図31C、および図31Dに示す。図31Aのシステム3100Aは、埋込み可能装置600の近位端に取り付けられたプッシュロッド1478および縫合糸1488を示す。図31Bのシステム3100Bは、縫合糸1488上のプッシュロッド1478を示し、埋込み可能装置600の近位端の取付構造1466およびカテーテル2718に取り付けられる。図31Cのシステム3100Cは、カテーテル2718内の埋込み可能装置を示す。図31Dのシステム3100Dは、埋込み可能装置600がカテーテル2718の遠位端から出ていることを示している。カテーテル2718の遠位端は、タインを埋込み可能装置600の中心に向かって押圧し、カテーテル2718から出た後に完全に伸長する位置まで解放され得る。縫合糸1488は、その上に放射線不透過性マーカ1492を含み得る。埋込み可能装置600は、例えば、記憶ワイヤを使用することを含み得る、予め湾曲した位置にあるものとして示されている。
図32Aは、例として、対象となる生体構造(例えば、この例では、S3孔2820)に位置決めされたシステム3100Aを含むシステム3200Aの一実施形態の斜視図を示す。システム3200Aは、一部がカテーテル2718の外側にあり、一部がS3孔2820を通る埋込み可能装置600を含む。プッシュロッド1478は、少なくとも一部がカテーテル2718内にあり、縫合糸1488は患者の体外に延びる。システム3200Aは、一部がカテーテル2718の外側にあり、一部がS3孔2820を通る埋込み可能装置600を含む。プッシュロッド1478は、少なくとも一部がカテーテル2718内にあり、縫合糸1488は患者の体外に延びる。図32Bは、例として、対象となる生体構造に位置決めされたシステム3200Aを含むシステム3200Bの一実施形態の斜視図を示しており、カテーテル2718およびプッシュロッド1478が除去された状態を示している。縫合糸1488は、患者の皮膚3226の表面を越えて延びた状態で示されている。
図32Cは、例として、図32Bの「32C」と付された破線のボックス内のアイテムの近位部分の分解図を示す。近位部分3200Cは、縫合糸1488上のループを通る保持装置3228を含む。保持装置3228は、確実に縫合糸1488の少なくとも一部が患者の体外に留まるようにすることができる。このような構成は、埋込み可能装置600が患者から取り外される場合に、確実に縫合糸1488に容易にアクセスできるようにするのを助ける。
本明細書で述べる埋込み可能装置は、ソース102に関して、および本明細書の他の場所で述べるような中距離場電力供給技術を使用して電力供給され得る。本明細書で述べる中距離場電力供給技術は、内臓深部にあり得るような埋込み可能装置への効率的な電力伝送を提供し得る。中距離場電力供給技術は、電力信号を操舵または集束させる能力を提供し得る。
図33Aは、例として、埋込み可能装置抜去システム3300Aの一実施形態の斜視図を示す。図示されているシステム3300Aは、延長縫合糸3330が通った針3332を含む。針3332の遠位端において、延長縫合糸3330は突き出ることができ、埋込み可能装置600に取り付けられた縫合糸1488に接続され得る。
延長縫合糸3330は、埋込み可能装置600に取り付けられた縫合糸1488に結ばれるか、それ以外の方法で接続され得る。このようなシステムは、保持装置3228がない場合、または縫合糸1488が完全に患者の体内にある場合に、患者の身体から埋込み可能装置600を抜去することができるようにする。図33Bは、例として、埋込み可能装置抜去を支援するための交絡縫合糸の一実施形態の分解図を示す。この図は、結び合わされるか、または他の方法で接続された縫合糸3330、1488を示している。図33Cは、例として、図33Bのシステムの一実施形態の分解図を示しており、針3332が交絡縫合糸上に位置する状態を示している。針3332は、縫合糸1488によって埋込み可能装置600へと案内され得る。
図34A、図34B、図34C、および図34Dはそれぞれ、例として、埋込み可能装置抜去システム3400A、3400B、3400C、3400Dの一実施形態の斜視図を示す。システム3400Aは、埋込み可能装置600に皮膚を通して挿入された針3332を有するシステム3300Cと同様である。縫合糸1488の近位端は、延長縫合糸3330に取り付けられる。図33A~図33Cの実施形態では、延長縫合糸3330は、針3332に予め通される。しかしながら、針3332は、延長縫合糸3330が縫合糸1488に連結された後に、延長縫合糸3330まで延ばされ得る。
縫合糸3330および縫合糸1488がしっかりと接続された後、医師(または他の手術要員)は、接続された縫合糸が緊張状態なるまで、これらの縫合糸を引っ張ることができる。針3332は、その後、縫合糸1488を緊張状態で維持しながら挿入され得る。縫合糸1488は、埋込み可能装置600へのガイドとして使用される。図34Aは、この手順が完了した後の一実施形態を示す。
針3332は、図34Bに示されるように、取り外されて、ダイレータ3334と置き換えられ得る。ダイレータ3334は、針3332上に配置され得、次に、針3332が取り外されて、ダイレータ3334は、例えば、縫合糸1488を緊張させたまま(例えば、図16A~図16Bに関して述べた1つまたは複数の構造、手動圧力等を使用して)皮膚を通して配置され得る。針3332は、ダイレータ3334の内径よりも小さい外径を含む。
埋込み可能装置600の最大直径より大きな内径を有するカテーテル2718が患者に挿入され得るまで、より大きなダイレータを使用して組織が拡張され得る。タイン614を含むいくつかの実施形態では、タイン614は、埋込み可能装置600の最大直径を有する部分である。このような実施形態では、カテーテル2718および/またはダイレータ3334の内径は、タイン614の有効径よりも大きくしなければならない。図34Cは、埋込み可能装置600および縫合糸1488の一部におけるカテーテル2718および/またはダイレータ3334を示す。
カテーテル2718は、例えば、カテーテル2718が後退しないようにするのを助けるために、所定位置で保持され得る。埋込み装置600をカテーテル2718を通して身体から抜去することができるように、縫合糸3330および/または縫合糸1488に引張力が加えられ得る。図34Dは、身体から抜去されているときのカテーテル2718内の埋込み可能装置600を示す。その後、カテーテル2718は身体から取り外され得る。
図35Aおよび図35Bは、例として、別の埋込み装置抜去システム3500A,3500Bの一実施形態の分解図をそれぞれ示す。再び、保持装置3228が取り外され、および/または紐が体内に引き込まれた場合、縫合糸1488を見つけるために、(縫合糸1488上の放射線不透過性マーカを使用して)透視が使用され得る。これらの放射線不透過性マーキングは、手術要員が縫合糸1488を体内に配置する手助けとなり得る。図35Aに示されているように、針3332は、縫合糸1488への開口部を開けるために(例えば、透視下で)使用され得る。開口部は、図35Bの破線3538によって示されている。機械的把持具3536は、針3332によって形成された孔に投入され得る。把持具3536は、縫合糸1488を機械的に把持することができ、縫合糸1488を身体から引き抜くために使用され得る。図33A~図33Cおよび図34A~図34Dに関連して述べたのと同様のプロセスを用いて、(延長縫合糸3330の有無に関係なく)埋込み可能装置600を抜去することができる。
B.中空管を含む埋込み可能刺激装置
いくつかの実施形態によれば、埋込み可能刺激装置は、スタイレットまたは他の案内装置が挿入され得る管(例えば、そこを通るチャネルを含むような中空の管状要素)を含む。1つまたは複数の実施形態では、管は、特定のまたは所望の位置に装置を配置するのに役立てるために、および/または装置の一部を組み立てるのを支援するために使用され得る。
1つまたは複数の実施形態は、埋込み可能装置の近位端から埋込み可能装置の遠位端または遠位端の近傍まで延びるように、埋込み可能装置の実質的に全長を横切る中空管を含み得る。中空管は、埋込み可能装置の製造を支援し得る。追加的に、または代替的に、中空管は、埋込み可能装置を組織近くの特定の位置に、または患者の体内に位置決めする手助けとなり得る。中空管は、内部にスタイレットを配置するのに十分な大きさの開口部を含み得る。
埋込み可能装置は、適切に配置することが困難であり得る。体内の所望の位置に埋込み可能装置を操舵することは困難であり得る。
装置のほぼ全体または全体を通って、例えば、遠位端の外側ケーシングの内側面まで延びる中心管の追加は、装置を適所に押し込むことに対する懸念を軽減するのに役立ち、また、リードを含まない装置を配置することも可能である。
このような埋込み可能装置の構成により、スタイレットを装置の遠位先端に挿入することが可能になり、リードを含まない埋込み可能装置を正確に配置することが可能になる。このような中空管を使用すると、装置および/またはプッシュロッドを案内するのに役立てるために使用されるシースは不要であり得る。
また、中空管は、装置の製造を支援するのに役立ち得る。遠位貫通導体は、中空管を使用して、中空管が既に所定位置でろう付けされた状態で回路アセンブリに取り付けられ得る。回路ハウジングおよび/またはアンテナハウジングは、中空管を使用して、中空管の遠位貫通フランジおよび/または近位フランジの上の所定位置に配置され得る。近位貫通導体は、過剰な導体長さによって装置の回路に取り付けられ得る。過剰な導体長さは、装置アセンブリにおけるサービスループとしての機能を果たし得る。中空管は、回路ハウジングおよび/またはアンテナハウジングをろう付けおよび/または溶接のための最終位置に位置決めする手助けとなり得る固定具としての機能を果たし得る。
図36は、例として、少なくとも部分的に埋込み可能な生体適合性装置3600の一実施形態を示す。図示されている装置3600は、外側ケーシング3602と、電極3604A、3604B、3604C、3604Dと、管部分3606A、3606B(いくつかの実施形態では管孔3832A(図38参照)を備える中空管と、回路3608と、回路ハウジング3616と、遠位貫通部3612A、3612Bと、近位貫通部3614A、3614Bと、アンテナハウジング3618と、アンテナ3610と、貫通板3620、3624と、端板3622とを含む。
遠位貫通部3612A、3612Bは、貫通部824と同様であり得る。近位貫通部3614A、3614Bは、貫通部822と同様であり得る。回路3608は、例えば、図5に示されているもののうちの1つまたは複数の構成要素を含み得る。回路3608は、図9に示されているように、回路ハウジング610A内の構成要素と同様であり得る。アンテナ3610は、アンテナ718A~718E、またはアンテナ108のような埋込み可能装置110に関して述べた他のアンテナと同様であり得る。外側ケーシング3602は、本体部分602と同様であり得る。電極3604A~3604Dは、電極E0~E3と同様であり得る。回路ハウジング3616は、回路ハウジング610A、610Bと同様であり得る。アンテナハウジング3630は、アンテナハウジング612と同様であり得る。
複数の電極3604A、3604B、3604C、および3604D(例えば、リング電極)は、外側ケーシング3602上に露出される。電極3604A~3604Dを回路3608に接続する導体およびいくつかの遠位貫通部は、図36には、図を不明瞭にしないように図示されていない。外側ケーシング3602は、シリコンまたは熱可塑性エラストマーを含み得るような誘電材料を含み得る。
中空管部分3606Bは、装置3600の近位端3626から貫通板3624の近位側に延びている。中空管部分3606Aは、貫通板3624の遠位側から装置3600の遠位端3628まで延びている。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606A、3606Bは、結合して、装置3600の近位端から装置3600の遠位端3628まで延びる中空管を形成する。
1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Aは、装置の電極アセンブリ(例えば、外側ケーシング3602、その上の電極3604A~3604D、および電極に取り付けられた導体)に貼り付けられ得る。1つまたは複数の他の実施形態では、中空管部分3606Aは、外側ケーシング3602内に配置されてよく、外側ケーシング3602に貼り付けられなくてもよい。このような実施形態では、中空管部分3606Aは、貫通板3624に貼り付けられ得る。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Aは、MP35N、ニチノール、または他の記憶金属のような可撓性材料で作られ得る。1つまたは複数の他の実施形態では、中空管部分3606Aは、Tecothane(登録商標)材料のような熱可塑性材料で作られ得る。中空管部分3606Aに可撓性材料を使用することにより、外側ケーシング3602が可撓性材料で作られている実施形態では、外側ケーシング3602は可撓性を維持することができる。このような可撓性は、埋込み可能装置3600の位置決めおよび成形において可動性を付与することができるようにする。
中空管部分3606Bは、貫通板3620および/または貫通板3624および/または端板3622のうちの1つまたは複数に貼り付けられ得る。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Bは、金属化セラミック、ガラス、石英、サファイア、白金、白金-イリジウム、記憶金属、またはこれらの組合わせなどの密封材料で作られ得る。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Bは、剛性(非可撓性)材料で作られる。
図示されている回路3608は、フレックス回路を含むが、回路3608は、図9に示されているものと同様であり得るような硬質回路を含み得る。回路3608は、例えば、電極3604A~3604Dを介して組織に刺激を与えるために、電力回収機能、電力管理機能、および/または刺激信号機能を提供する。回路3608は、例えば、近位貫通部3614A、3614Bの導体を介して、アンテナ3610に電気的に接続される。アンテナ3610は、ダイポールアンテナ、ループアンテナ、コイルアンテナ、スロットもしくはストリップアンテナ、または他のアンテナを含み得る。アンテナ3610は、約400MHz~約3GHzの間(例えば、400MHz~1GHzの間、500MHz~2GHzの間、1GHz~3GHzの間、500MHz~1.5GHzの間、1GHz~2GHzの間、2GHz~3GHzの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の範囲内の信号を受信するような形状およびサイズであり得る。
回路3608は、遠位貫通部3612A、2612Bの導体を介して電極3604A~3604Dに電気的に接続される。回路3608は、回路ハウジング3616内に収容されている。回路ハウジング3616は、1つまたは複数の実施形態では、外側ケーシング3602から分離されている。このような実施形態では、回路ハウジング3616および外側ケーシング3602はそれぞれ、貫通板3624に貼り付けられ得る。1つまたは複数の実施形態では、回路ハウジング3616は、例えば、貫通板3624に固定されずに、外部ケーシング3602に直接固定され得る。このような実施形態では、遠位貫通部3612A、3612Bは、例えば、外側ケーシング3602または回路ハウジング3616が貫通板3624を一体部品として含む実施形態においては、外側ケーシング3602および/または回路ハウジング3616の一部であり得る。回路ハウジング3616は、チタン、セラミック、または他の生体適合性材料および/または密封材料で作られ得る。
アンテナ3610は、アンテナハウジング3618内に収容されている。アンテナハウジング3618は、1つまたは複数の実施形態では、回路ハウジング3616および外側ケーシング3602から分離されている。このような実施形態では、アンテナハウジング3618は、例えば、アンテナハウジング3618および/または回路ハウジング3616を貫通板3620に溶接および/またはろう付けにより、アンテナハウジング3618および回路ハウジング3616を貫通板3620に固定することによって、回路ハウジング3616に貼り付けられ得る。図示されているアンテナハウジング3618は、例えば、アンテナ3610を回路3608よりも近位に配置するために、回路ハウジング3616よりも近位に配置される。端板3622は、アンテナハウジング3618を外部環境から密封することができる。
図37は、例として、埋込み可能装置3700の別の実施形態の斜視図を示す。埋込み可能装置3700は、装置3600と同様の装置であるが、装置3700は、アンテナ3610を封入する封入材3730を含み、アンテナハウジング3618を含まず、さらに端板3622も含まない。図37に示されている中空管部分3606Bは、装置3700の近位端3626を超えて延びる。図36に示されているように、中空管部分3606Bは、装置3600の近位端3626まで延びる。1つまたは複数の他の実施形態では、中空管部分3606Bは、(外側ケーシング3602の内部の)遠位端3628またはその近傍から近位端3626の近傍まで延びるが、近位端3626には到達しない。このような実施形態では、端板3622または封止材3730は、中空管にアクセスできるようにする開口部を含み得る。
図38は、例として、貫通板3620の一実施形態の斜視図を示す。図示されている貫通板3620は、複数の遠位貫通部3612A~3612Dを含む。貫通部3612A~3612Dは、例えば、密封状態を維持しながら、または他の方法で内部の導体を保護しながら、導体が貫通板3620を通過する経路を提供する。遠位貫通部3612A~3612D内の導体はそれぞれ、電極3604A~3604Dおよび回路3608に、例えば、パッド934のパッドに結合される。貫通板3620には4つの遠位貫通部3612A~3612Dが示されているが、埋込み可能装置の電極各々に対して1つの遠位貫通部を含み得るように、任意の数の遠位貫通部が存在し得る。図示されている貫通板3620は、中空管部分3606Aが配置され得る、または貼り付けられ得る管孔3832Aを含む。したがって、管孔3832Aの周囲は、中空管部分3606Aの周囲とほぼ同じである。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Aは、貫通板3620に溶接またはろう付けされ得る。貫通板3620の裏側(例えば、近位側)は、図示されている側(例えば、遠位側)と同じように見える。中空管部分3606Bは、貫通板3620の裏側の管孔3832Aに接続され得る。
図39は、例として、貫通板3624の一実施形態の斜視図を示す。図示されている貫通板3624は、複数の近位貫通部3614A、3614Bを含む。貫通部3614A、3614Bは、密封状態を維持しながら、導体が貫通板3624を通過する経路を提供する。近位貫通部3614A、3614Bの導体はそれぞれ、アンテナ3610および回路3608に、例えば、パッド936のパッドに結合される。図示されている貫通板3624は、内部に中空管部分3606Bが配置され得る管孔3832Bを含む。したがって、管孔3832Bの外周は、中空管部分3606Bの外周よりも大きい。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Bは、例えば、中空管部分3606Bに貫通板3624を固定するために、管孔3832Aの周囲の貫通板3624に溶接またはろう付けされ得る。
図40は、例として、端板3622の一実施形態の斜視図を示す。図示されている端板3622は、内部に中空管3606が配置され得る管孔3832Cを含む。したがって、管孔3832Cの外周は、中空管部分3606Bの外周よりも大きくなり得る。1つまたは複数の実施形態では、中空管部分3606Bは、例えば、中空管3606に貫通板3624を固定するために、管孔3832Aの周囲の貫通板3624に溶接またはろう付けされ得る。
図41Aおよび図41Bは、例として、装置3600または装置3700のような中空管を含む埋込み可能装置を組み立てるための技術4100(例えば、方法)の図を示す。図示されているように、技術4100は、作業4102において、貫通板3620を中空管部分3606A上に(および1つまたは複数の実施形態では、外側ケーシング3602の近位端に)配置するステップと、作業4108において、(貫通板3620の近位側の)導体を回路3608に電気的に接続するステップと、作業4110において、回路ハウジング3616内に回路3608を位置決めするステップと、作業4112において、(外側ケーシング3602または貫通板3620上に)回路ハウジング3616を位置決めするステップと、作業4114において、回路ハウジング3616の遠位側を貫通板3620または外側ケーシング3602に固定するステップと、作業4116において、近位貫通部3614A、3614Bから回路3608に導体を電気的に接続するステップと、作業4118において、(回路ハウジング3616上および/または中空管部分3606Bの上に)貫通板3624を位置決めするステップと、作業4120において、貫通板3624を回路ハウジング3616に固定するステップと、作業4122において、(中空管部分3606Bの上および/または貫通板3624上に)アンテナハウジング3618を位置決めするステップと、作業4124において、アンテナハウジング3618を貫通板3624および/または回路ハウジング3616に固定するステップと、作業4126において、(中空管部分3606Aの上および/またはアンテナハウジング3618上に)端板3622を位置決めするステップと、作業4128において、端板3622をアンテナハウジング3618に固定するステップと、作業4130において、例えば、溶接(金属の場合)、ろう付け(セラミックの場合)、またはガラス溶融(ガラスの場合)によって、中空管部分3606Bの周囲の領域(例えば、管孔3832Cとの間の領域)を密封するステップと、作業4132において、電極(導体を介する)をそれぞれ貫通板3620内の遠位貫通部3612A~3612Dに接続するステップと、作業4134において、中空管部分3606A、3606Bおよび/または外側ケーシング3602を貫通板3620に固定するステップとを含む。
いくつかの実施形態では、アンテナハウジング3618および端板3622が使用されないので、作業4122、4124、4126、4128は随意選択である。このような実施形態では、技術4100は、代替的に、例えば、封止材3730を配置する(いくつかの実施形態では、その後、封止剤を硬化させる)ことによって、封止材3730(例えば、誘電材料)内にアンテナ3610を封入するステップを含み得る。封止材3730は、例えば、貫通板3620の近位側の貫通部3614A、3614Bを覆うように、貫通板3620上に配置され得る。封止材3730は、例えば、アンテナ3610を完全に封入するように、中空管部分3606Bおよびアンテナ3610の周囲に配置され得る。作業4118が実行されると、貫通板3620の遠位側の導体は、一般的に、それぞれのサービスループを形成する。
C.剛性の埋込み可能装置
図42は、例として、神経刺激に使用され得るような埋込み可能装置5600の一実施形態の斜視図を示す。いくつかの実施形態では、埋込み可能装置は、剛性構成を備える。このような埋込み可能装置は、1つまたは複数の実施形態では、長楕円形を含み得る。図示されている埋込み可能装置5600は、円盤状本体部分5602と、複数の電極5604と、回路ハウジング5606とを含む。
本体部分5602は、特に、白金、イリジウム、チタン、セラミック、ジルコニア、アルミナ、ガラス、および/またはこれらの組合わせを含み得るような剛性の生体適合性材料で作られ得る。本体部分5602は、幅(矢印5610によって示される幅)より長い(矢印5608によって示される長さ)長さを有し得る。厚さ(矢印5614によって示される)は、幅よりも小さくすることができる。本体部分5602の長さの範囲例として、約6mm~約4cm(例えば、6mm~1cm、8mm~2cm、1cm~4cm、2cm~4cm、1cm~3cm、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)が挙げられる。本体部分5602の範囲例として、約6mm~約4cm(例えば、6mm~1cm、8mm~2cm、1cm~4cm、2cm~4cm、1cm~3cm、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)が挙げられる。本体部分5602の厚さの範囲例として、約0.5mm~約5mm(例えば、0.5mm~1mm、1mm~2mm、1mm~4mm、2mm~4mm、3mm~5mm、0.5mm~2.5mm、1cm~3cm、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)が挙げられる。
本体部分5602は、その周囲に沿って配置された電極5604を含む。電極5604は、図示されているように、周囲に配置される。電極5604は、周囲にほぼ均等に分布するように示されており、直接隣接する(周囲を時計回りまたは反時計回りにしたときに直接隣接する)電極間の距離は、概して均一である(例えば、10%の範囲内で均一である)。電極5604は、図示されているように、長さまたは幅の二等分線と周囲とのそれぞれの交点に配置される。長さの二等分線は、点線5618で示されており、幅の二等分線は、点線5616で示されている。本体部分が楕円形の実装面積を有する一実施形態では、長さの二等分線(点線5618)が短軸であり、幅の二等分線(点線5616)が実装面積の長軸である。装置5600は4つの電極5604を含むものとして示されているが、装置5600は1つまたは複数の電極を含み得る。例えば、装置は、装置5600の周囲に配置される2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上の電極を含み得る。
本体部分5602は、その少なくとも一部に回路ハウジング5606を含む。1つまた複数の実施形態では、回路ハウジング5606は、本体部分5602の表面5620と面一であり得る。回路ハウジング5606は、内部に収容された電気部品または電子部品および相互接続部のために密封することができ、あるいは密閉されずに、そこに収容された回路を保護することができる。電気部品または電子部品は、1つまたは複数のトランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、ダイオード、中央処理装置(CPU)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ブール論理ゲート、マルチプレクサ、スイッチ、調整器、増幅器、電源、チャージポンプ、発振器、位相ロックループ(PLL)、変調器、復調器、無線(受信および/または送信無線)、バッファ、サーキュレータ、増幅器、および/またはアンテナ(例えば、特に、螺旋形状のアンテナまたはパッチアンテナ)、または本明細書の他の場所で述べる埋込み可能装置の他の回路のような他の構成要素を含み得る。回路ハウジング5606内の構成要素は、刺激治療信号を電極5604に供給するための刺激治療生成回路、受信機(中距離場装置から電力および/またはデータ信号を受信するため)、送信機(データ信号を中距離場装置に供給するため)、および/または電極選択回路(どの電極がアノードでありかつどの電極がカソードであるかを選択するため)を形成するように配置され得る。電極5604は、例えば、単極の貫通部および絶縁導体5622を使用することによって、回路ハウジング5606内の回路にそれぞれ電気的に接続され得る。
1つまたは複数の実施形態では、装置5600の側面5624は、縁部を形成するように平坦であり得る。1つまたは複数の実施形態では、側面5624は曲線的であり得る。装置5600の表面5620および対向表面(図42では、対向表面は閉塞された状態で見えている)は、実質的に平坦であり得る(例えば、約0.9以上の扁平率を有する)か、または少なくともその一部が曲線的であり得る。電極5604および回路ハウジング5606のそれぞれは、表面5620と面一であり得る(および対向表面上は同じであるか、または異なる、図42の図と概ね同じであり得る)。
図43は、例として、別の埋込み可能刺激装置5700の一実施形態の斜視図を示す。埋込み可能刺激装置5700は、刺激装置5600と同様の装置であり、埋込み可能刺激装置5700は、埋込み/外植構造5730を含む。埋込み/外植構造5730は、装置5700の近位部分5726上に配置される。装置5700は、近位部分5726に対向する遠位部分5728を含む。遠位部分および近位部分は、装置5700が埋込まれる方向に対して定義され、必ずしも埋込み後の向きを意味するものではない。装置5700は、遠位部分5728が最初に埋込まれ、その後に近位部分5726が埋込まれるように配置されても、埋込み後に、遠位部分5728が近位部分5726よりも皮膚の表面に近くなり得る。
図示されている埋込み/外植構造5730は、3本のバー5732A、5732B、および5734を含む。図示されているバー5732Aおよび5732Bは、長軸(点線5616)にほぼ平行である。バー5734は、バー5732Aおよび5732Bに対してほぼ垂直である。縫合糸(図43には図示せず)は、埋込み/外植構造5730に取り付けられ得る。1つまたは複数の実施形態では、縫合糸は、バー5734に取り付けられ得る。バー5734は、例えば、装置5700の埋込みのために、プッシュロッドが取り付けられ得る雄型もしくは雌型コネクタ(例えば、クリップ、ねじ孔、孔、または他の接続またはインタフェース機構)を含み得る。埋込み/外植構造5730のバーは直線状のバーとして示されているが、湾曲形状、または他の形状であり得ることに留意されたい。
図44は、例として、図43の矢印「44」から見た装置5700の斜視図を示す。図示されている装置5700は、プッシュロッドおよび/または縫合糸が取り付けられ得るコネクタ5836を含む。コネクタ5836は、プッシュロッドおよび/または縫合糸を装置5700に取り付けるためのネジ孔、孔、クリップ、戻り止め、または他の雄型もしくは雌型のインタフェースもしくは結合手段であり得る。
図45は、例として、埋込み/外植システムシステム5900の一実施形態の斜視図を示す。図示されているように、埋込み/外植システム5900は、縫合糸5938およびプッシュロッド5940を含む。図示されているプッシュロッド5940は、ねじ山5942を含む。コネクタがねじ孔を含む実施形態では、ねじ山5942はコネクタ5836にねじ込まれ得る。コネクタ5836およびプッシュロッド5940上の相手コネクタ(例えば、図45の実施例のねじ山5942)は、着脱可能であり得る。したがって、プッシュロッド5940は、装置5700を埋め込むために使用され得、プッシュロッド5940は、装置5700を埋め込んだまま取り外され得る。
図46は、例として、埋込み/外植システム6000の一実施形態の斜視図を示す。図示されているシステム6000は、埋込み/外植構造5730に取り付けられるプッシュロッド5940を含む。装置5700は、使用者の皮膚6044を穿刺するカテーテル6046内にある。カテーテル6046は、例えば、装置5700を適切な向きに案内するのを助け、および/またはカテーテルが皮膚6044を穿刺するのを助けるために、傾斜した側壁を有し得る。プッシュロッド5940は、装置5700を皮膚6044の下に押し込み、身体の適切な位置に押し込むために使用され得る。
1つまたは複数の実施形態では、装置5600/5700は、カテーテルを使用せずに体内に埋込まれ得る。このような実施形態では、所望の位置へのトンネルを形成するために皮膚および皮膚の下の組織を通して切開が行われ得る。次に、装置5600/5700は、例えば、プッシュロッドまたはより平坦でより柔軟な閉塞棒もしくは閉塞具(プッシュロッドよりも平坦で柔軟である)を使用して、トンネルを通って組織内に挿入され得る。
図47は、例として、埋込みシステム6100の一実施形態の斜視図を示す。図示されているように、埋込みシステム6100は、複数の埋込み可能装置5700A、5700B、および5700Cと、中距離場電力供給装置6148とを含む。刺激装置5700A~5700Cは、装置5700の特定の実施形態である。中距離場装置6148は、方向付けされ、集束される電磁場を生成する。中距離場装置6148は、中距離場装置5028またはソース102と同様または同一であり得る。中距離場電力供給装置6148は、例えば、刺激装置5700A~5700Cに電力を供給して刺激治療を施すために、回路ハウジング5606内の回路によって、使用され得る刺激装置5700A~5700Cのそれぞれに電磁信号を供給する。
中距離場電力供給装置6148によって生成される電磁場の集束および方向は、中距離場電力供給装置6148の1つまたは複数のアンテナによって生成される信号の位相を調整することによって変更され得る。
外部送信機と埋め込まれた受信機との間で時間領域多重化通信システムを使用する場合、位相および振幅は、例えば、フィードバックのために刺激装置において電力検出器を使用することによって、埋め込まれた受信機にエネルギーを集束させる(例えば、より効率的にエネルギーを集束させる)のを助けるために、動的に調整され得る。中距離場装置6148は、例えば、ある時点で埋込み可能装置5700A~5700Cのうちの1つに信号を提供し、別の時点で埋込み可能装置5700A~5700Cのうちの別の装置に信号を提供するために、時間領域多重化方式で埋込み可能装置5700A~5700Cに電力および/またはデータ信号を供給し得る。
本明細書で述べる埋込み可能装置の1つまたは複数の特徴は、以下を含み得る。(1)略平坦な(例えば、平面状の)剛性(非可撓性かつ非伸縮性)の本体、(2)例えば、空間刺激パターンを可能にするために、半径方向に離間して配置された電極(例えば、4つの電極の例では、隣接する電極間は約90度の間隔で離間される)、(3)本体は、両方の軸が同じ長さである場合よりも小さな切開および拡張入口経路を刺激装置が通過できるように、1つの軸(本明細書で述べる幅)に沿って短くされ得る、(4)例えば、埋込み/外植構造を使用して、ねじ式の埋込み・外植用具を収容することができる、(5)刺激装置は、多くの内蔵型刺激装置に必要とされるような内蔵型埋込み可能パルス発生装置のためのリードトンネリングまたはポケットを必要としない、および/または(6)刺激装置は、外部刺激装置が存在しなくても、美容的に目立たないようなサイズにされ、埋込まれ得る。
本明細書で述べる刺激装置の1つまたは複数の実施形態は、略平坦であり、剛性の構成を含む。これらの装置は、後頭神経構造または眼窩上神経構造のような1つまたは複数の末梢神経を刺激するために使用され得る。このような埋込み装置は、運動皮質に刺激を与えることができる。本明細書で述べる装置は、例えば、埋込み装置を所定位置に固定するのを助けるために、筋組織内に埋込まれ得る。このような埋込み装置により、例えば、ツィドラー症候群に関する懸念を軽減することができる。
刺激装置は、例えば、後頭神経または三叉神経を刺激することにより、偏頭痛、他の頭痛、または線維筋痛に関連する症状を緩和するのに役立てるために使用され得る。刺激装置は、後頭部刺激埋込み装置の機能性を提供し得る。標的神経の近傍に複数の刺激装置を埋め込むことにより、より多くのまたは多様な空間刺激パターンが可能になる。
刺激装置は、脊椎内で硬膜外刺激を与えるために使用され得る。刺激装置は、例えば、脳卒中に伴う動きおよび/または他の神経障害を緩和するのを助けるために、例えば、脳卒中患者に対して皮質刺激を与えるために使用され得る。
D.弾性表面波に基づく通信装置および通信方法
いくつかの実施形態によれば、埋込み可能刺激装置は、例えば、1つまたは複数の後方散乱信号を供給するために、弾性表面波(SAW)デバイスを備える。1つまたは複数の実施形態では、SAWデバイスは、電力供給および/または通信装置(例えば、ソース102のように、本明細書に記載されている外部装置またはソースのいずれか)に返送される信号の一部の時間遅延(例えば、バッファ)を提供する。
中距離場電力供給技術は、患者の皮膚の表面上またはその近傍に配置される外部ソースから、深く埋め込まれた刺激装置に電力を供給することができるようにする。装置を作動させるために電力送達が重要である一方で、双方向通信により、外部世界は、埋込み装置が実際に電力供給されていることを認識することができ、および/または、例えば、埋め込まれた装置上に電力信号をより良好に集束させるために、場(例えば、1つまたは複数のエバネッセント場)を操作するためのフィードバック信号を供給することができるようになる。さらに、双方向通信により、埋め込まれた装置と(その上またはその近傍で)一体化された埋込みセンサからデータを送信することができるようになる。
いくつかの通信方式は、マイクロワット範囲の厳しい電力制限を有する装置のような埋込み装置(例えば、深く埋め込まれた装置)と通信するために使用される場合、1つまたは複数の不利点を有し得る。埋め込まれた装置にオンチップ発振器を統合した能動的伝送方式は、統合位相ロックループ、微小電気機械システム(MEMS)、および/または水晶発振器を使用せずに、発振器の精度を制限する。位相ロックループを使用することで、起動時間と消費電力が増加し、デューティサイクルで駆動されても小さなオフチップコンデンサの電力バッファ機能を超える場合がある。発振器の精度が制限されているため、ノイズ帯域幅と中心周波数のトラッキングが増加することにより、信号の検出が困難になり得る。
負荷変調のような受動的通信方式は、電力供給信号(しばしば、通信信号よりも信号強度が50dB以上大きい)である強い干渉源に対処する。中距離場電力供給による電力伝送の誘導結合アプローチとは異なり、信号は、埋め込まれた装置の受信アンテナよりも組織自体によってより多く負荷を受ける。いくつかの実施形態によれば、後方散乱のような方式を用いるのは、埋め込まれた装置と外部装置との間の限られた時間遅延のために困難であり得る。
このサブセクションでは、SAWデバイスを含み得る埋込み可能装置、およびその埋込み可能装置を使用するためのシステムおよび方法について説明する。外部装置と埋込み可能装置との間の1つまたは複数の通信方式について説明する。埋込み可能装置は、時間遅延(例えば、信号バッファ)要素としてSAWデバイスを含み得る。SAWデバイスは、例えば、圧電基板内で、伝搬する機械波として電磁波を蓄える(例えば、一時的に蓄える)ために使用され得る。埋込み可能装置は、波エネルギーをSAWデバイスに一時的に蓄えることができる。埋込み可能装置が送信モードにあるとき、SAWデバイスからの時間遅延された無線周波数(RF)エネルギーは、外部装置へのデータ返送のために(例えば、搬送波として、またはそれ自体で)使用され得る。この間、外部装置は、例えば、外部装置が受信モードにあるときに、通電信号を送信しないようにすることができる。このような実施形態では、埋込み可能装置から送信された信号に干渉を引き起こす可能性がある外部装置からの強い干渉信号は存在しない可能性がある。このような実施形態は、より少ない使用電力での埋込み可能装置から外部装置への通信を提供することができるようにする。このような実施形態は、少なくとも埋込み可能装置から外部装置への信号の一部が送信機からの干渉信号を含む可能性がないので、送信機でより容易に検出される外部装置への通信を提供することができるようにする。
埋込み可能装置が(例えば、外部装置4202(例えば、ソース102)からの刺激エネルギーおよび/または外部装置への信号を)送信している間、埋込み可能装置に電力を供給するために、直流電流(DC)エネルギーが埋込み可能装置に蓄えられ得る。このエネルギーは、埋込み装置から送信されたキャリア信号を変調するために、少なくとも部分的に使用され得る。1つまたは複数の実施形態では、SAWデバイスは、例えば、ノイズまたは他の信号干渉に対する耐性を高めるために、帯域外ソースを拒絶することができるように、埋込み装置送信ダウンリンクのための帯域通過フィルタとして、同時に使用され得る。
図48は、例として、システム4200の一実施形態の論理ブロック図を示す。図示されているシステム4200は、外部装置4202および埋込み可能装置4201を含む。外部装置4202は、埋込み可能装置4201に電力および/または通信信号を供給し得る。1つまたは複数の実施形態では、外部装置4202は、埋込み可能装置4201に中距離場信号を供給する中距離場ソースを含み得る。中距離場信号とソースについては、本明細書内の他の場所で説明する。回路500は、埋込み可能装置4201、回路4400(図50参照)、回路4500(図51参照)、回路4600(図52参照)、および/または回路4700(図53参照)のうちの1つまたは複数の構成要素を含み得る。
埋込み可能装置4201は、外部装置4202から信号を受信し、外部装置4202に信号を供給する。これらの信号は、線4203で表されている。埋込み可能装置4201は、例えば、神経、筋肉、または他の組織を調節する(例えば、刺激する)ために、体内の所定位置に調節(例えば、刺激治療、除神経、または他の治療)を施し得る。埋込み可能装置4201は、外部装置4202にデータ信号を供給し得る。
図示されている埋込み可能装置4201は、第1のスイッチ4204、SAWデバイス4206、第2のスイッチ4208、回路4210、同期回路4218、および電極4224を含む。スイッチ4204および/またはスイッチ4208は、外部装置4202(受信経路)からの電気信号および外部装置4202(送信経路)への電気信号のための交互の電路を提供するように配置された1つまたは複数のトランジスタまたは機械的スイッチを含み得る。送信経路は、それぞれのスイッチ4204およびスイッチ4208の「T」を含み、受信経路は、それぞれのスイッチ4204およびスイッチ4208の「R」を含む。
SAWデバイス4206は、そこに入射する電気信号をSAWデバイス4206内の機械波に変換するための媒体を提供する、弾性を有する材料を含む。SAWデバイス4206は、その後、機械波を元の電気信号に変換する。機械波の伝搬は、通常の導体における電気信号の伝搬よりも遅く発生するので、SAWデバイス4206は、いくつかの実施形態によれば、電気信号の時間遅延要素として有利に働く。圧電材料は、SAWデバイスの機械波と電波との間で変換するトランスデューサとして使用され得る。
図示されている回路4210は、電力回収回路4212、電力管理回路4214、刺激回路4216、復調器受信回路4220、システム制御回路4222、およびコンデンサ4226を含む。
電力回収回路4212は、整流器と、整流された信号を格納するのを助けるための1つまたは複数のコンデンサとを含み得る。電力回収回路4212は、例えば、刺激信号が外部装置4202から受信されているときに、および、いくつかの実施形態では、刺激が外部装置4202から受信された後に、埋込み可能装置4201に電力を供給し得る。
刺激回路4216は、電気信号を電極4224に供給する。刺激回路4216は、どの電極がアノードであり、どの電極がカソードであるかを選択するための1つまたは複数のスイッチを含み得る。
同期回路4218は、埋込み可能装置4201が送信モードにあるとき、および埋込み可能装置4201が受信モードにあるときを決定する回路を含み得る。同期回路4218は、外部装置4202からの信号の包絡線の振幅を決定し得る。同期回路4218は、包絡線の振幅に基づいて、適切なモードを決定し得る。包絡線が十分に大きい場合(例えば、閾値を超える場合)、埋込み可能装置4201は、受信モードに入る、または受信モードに切り替えられ得、外部装置4202は、送信モードに入り得る。包絡線が十分に小さい場合(例えば、第2の(異なる場合がある)閾値未満である場合)、埋込み可能装置4201は、送信モードに切り替えられる、または送信モード入り得、外部装置4202は、受信モードに入る、または受信モードに切り替えられ得る。包絡線の振幅は、信号の連続する最大電圧と最小電圧との間の差である。
図49は、例として、SAWデバイスを含むシステムにおける電気信号4300の一実施形態の波形図を示す。図示されている信号4300は、外部装置からの信号4302、埋込み可能装置4201における受信電力を表す信号4304、SAWデバイス4206によって遅延された信号4306、(1)外部装置4202への信号伝送を変調する際の搬送波として、または(2)変調せずに外部装置4202に返送する信号として使用される信号4308、通電サイクル4310、伝送サイクル4312を含む。
信号4302は、外部装置4202からの信号であり、埋込み可能装置4201から外部装置4202にデータを提供するために電力およびベース信号を供給する。信号4304は、埋込み可能装置4201のアンテナで受信された信号を表す。信号4302の開始と信号4304の開始との間の遅延は、信号4302から埋込み可能装置4201のアンテナに向かう伝搬遅延である。信号4306は、SAWデバイス4206を介して処理された後の信号4304の少なくとも一部である。SAWデバイス4206は、信号4302(例えば、SAWデバイス4206に入射する信号4302の一部)の伝搬に対して時間遅延4314を提供する。
信号4308は、外部装置4202にデータを送信するために使用され得る信号を表す。信号4308は、通電サイクル4310が完了した後および通信サイクル4312の間に残る信号である。通電サイクル4310は、外部装置4202が送信している間の時間フレームを示す。通電サイクル4310は、信号4304が、例えば、電力回収回路4212によって、電力回収するために使用され得る一般的な時間フレームを示す。通電サイクル4310は、信号4302の送信が完了した時点で終了しているように示されているが、通電サイクル4310は、信号4302の送信が完了した時点を過ぎても継続され得る。
外部装置4202が送信モードにあり、埋込み可能装置4201が受信モードにある間、通電サイクル4310で示されているように、埋込み可能装置4201は、信号4304から電力を回収し、および/または信号からデータを復号するように動作し得る。電力回収期間が終了した後、外部装置4202は受信モードに切り替えられ得、埋込み可能装置4201は送信モードに切り替えられ得る。埋込み可能装置の切り替えが完了した後、SAWデバイス4206からの残りの信号は、(1)外部装置4202に送信される1つまたは複数の信号を変調するために使用され得る搬送波として、または(2)外部装置4202にデータを提供するためにアンテナに供給される刺激信号として、使用され得る。第1のケースでは、外部装置4202は、搬送波上で符号化されたデータを復号し得る。第2のケースでは、外部装置4202は、バイナリ「1」として受信された信号と、バイナリ「0」として受信された信号(またはその逆)とを解読し得る。第2のケースは、埋込み可能装置4201上の回路に関しては、より単純であるが、送信ごとに単一ビットのみを提供し、第1のケースは、埋込み可能装置上に(例えば、信号を変調するために)より多くの回路を含むが、一度に2ビット以上を送信し得る。
図49は、最小値4303と、その後に続く最大値4301とを示す。この点における包絡線の振幅は、(それぞれの電圧の符号を考慮して)最大値4301と最小値4303との間の電圧差である。同期回路4218は、決定された包絡線振幅を規定閾値と比較し得る。包絡線振幅が規定閾値未満である場合、同期回路4218は、例えば、データを外部装置4202に提供するために、埋込み可能装置4201を送信モードに切り替えることを示す信号を供給し得る。
復調器受信回路4220は、変調信号上に存在する情報を搬送波から分離する復調器を含み得る。システム制御回路4222は、本明細書の他の場所で述べるようなデジタルコントローラまたは処理回路を含み得る。コンデンサ4226は、1つまたは複数のバッファおよび/またはバイパスコンデンサを含み得る。
一般に、外部エネルギー供給装置(例えば、埋込み可能装置が配置され、動作する組織の外部で動作する電力供給および/または通信装置)は、埋込み可能装置4201にエネルギーを集束させるために使用され得る。スイッチ4204およびスイッチ4208の両方が受信モードにある状態では、外部装置4202からの信号は、埋込み可能装置4201に電力を供給する/埋込み可能装置4201と通信するために使用され得る。電力供給信号包絡線の下方縁部は、パワーサイクルが終了したことを示すために、例えば、同期回路4218によって、検出され得る。パワーサイクルが終了したことの検出または判定に応答して、T/Rスイッチ4204、4208は、送信モードに変更され得る。送信モードでは、埋込み可能装置4201は、バッファリングされたRF信号を送信し得る。SAWデバイス4206内にバッファリングされるRF信号の量は、SAWデバイス4206のバッファ時間とサイズとのトレードオフを用いて、SAWデバイス4206の信号伝搬長さ1mm当たり、20~500ナノ秒の間(例えば、20~200ナノ秒の間、50~250ナノ秒の間、100~400ナノ秒の間、200~500ナノ秒の間、300~450ナノ秒の間、200~400ナノ秒の間、これらの重複範囲、もしくは列挙された範囲内の任意の値)、または約100~300ナノ秒(例えば、100~200ナノ秒、150~250ナノ秒、200~300ナノ秒、150~300ナノ秒、100~250ナノ秒、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)であり得る。RF信号は、送信アンテナへのインピーダンスを整合させることを試みる、もしくは整合させる、またはグランドに短絡させるかのいずれかによって、負荷変調され得る。1つまたは複数の実施形態では、「エコー」RF信号の有無により、ビット「0」または「1」が決定される。このような方式では、パワーサイクルごとに1つまたは複数のビットが送信され得る。
図50は、例として、埋込み可能装置4201に含まれ得る回路4400の一実施形態の配線図を示す。図示されている回路4400は、アンテナ4402、SAWデバイス4206、回路4210、およびバッファコンデンサ4414とを含む。
アンテナ4402は、電磁波を受信して、電磁波を電気信号に変換する。アンテナ4402は、ダイポールアンテナ、コイルアンテナ、螺旋状アンテナ、パッチアンテナ、または他のアンテナを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、アンテナ4402は、約420メガヘルツ~約4ギガヘルツの間の周波数のサブセット(例えば、400MHz~1GHzの間、400MHz~3GHzの間、500MHz~2GHzの間、1GHz~3GHzの間、500MHz~1.5GHzの間、1GHz~2GHzの間、2GHz~3GHzの間、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値)の信号を受信するようなサイズおよび形状であり得る。アンテナ4402は、本明細書で述べる他のアンテナと同様であり得る。アンテナ4402からの信号は、サーキュレータ4404に供給され得る。
サーキュレータは、受動部品である。サーキュレータ4404は、任意のポートに入る信号を(サーキュレータ4404上の矢印によって示されるように)回転して次のポートに伝送する多重ポート装置である。サーキュレータ4404は、信号が入射するサーキュレータ4404のポートに応じて、入射する電気信号のための複数の経路を提供する。アンテナ4402からの信号は、電力分配器4406Aに供給される。
電力分配器は、受動部品である。電力分配器4406Aは、入射する信号を2つの信号に分割し、これらの信号を2つのそれぞれの信号経路(例えば、電力分配器4406Aの例では、経路4407および経路4409)に供給する。電力分配器4406Aは、受信した信号の一部を整流器4410に供給し、受信した信号の別の部分をSAWデバイス4206に供給する。
整流器は、一方向のみに電流を流すことにより、交流(AC)信号を直流(DC)信号に変換する。整流器4410は、電力分配器4406Aから受け取ったAC信号を、電力調整器4412に供給されるDC信号に変換する。
電力調整器は、第1の電力で電気信号を受け取り、ほぼ一定の第2の電力で信号を生成する。電力調整器4412は、一般に、その出力部において供給される電力量の上限を有する。電力調整器4412は、調整された電力を刺激装置インタフェース4430に供給する。バッファコンデンサ4414は、後の使用のためにエネルギーを蓄えることができる。刺激装置インタフェース4430は、刺激回路4216、コンデンサ4226、および/または電極4224を含み得る。
SAWデバイス4206は、電力分配器4406Aから信号の別の部分を受信する。SAWデバイス4206は、そこに入射する信号に時間遅延を付与する。SAWデバイス4206からの信号は、別の電力分配器4406Bに供給される。電力分配器4406Bは、SAWデバイス4206からの信号の一部を変調器4426に供給し、信号の別の部分を復調器4418に供給する。
復調器は、搬送信号に変調された情報をキャリア信号自体から分離する。復調器4418は、変調器4426のアナログ部分である。復調器4418からの出力(例えば、情報)は、デジタルコントローラ4420に供給される。
デジタルコントローラ4420は、発振器4422からの信号と、復調器4418およびセンサインタフェース4428からの情報とを受信する。デジタルコントローラ4420は、発振器4422をクロックとして使用し得る。デジタルコントローラ4420は、復調器4418および/またはセンサインタフェース4428からの情報に基づいて埋込み可能装置の動作を変更し得る。動作は、どの電極(単数または複数)4224がカソード(単数または複数)および/またはアノード(単数または複数)として動作しているか、刺激波のデューティサイクル、刺激波の振幅もしくは周波数、またはセンサインタフェース4428もしくは刺激装置インタフェース4430の他の動作を含み得る。
デジタルコントローラ4420は、データ信号をバッファ4424に供給し得る。バッファは、入力部から出力部を電気的に絶縁する。バッファ4424は、一般に、出力のインピーダンスが入力のインピーダンスによって影響を受けないようにする。バッファ4424は、デジタルコントローラ4420からの情報信号を変調器4426に供給する。
変調器は、(電気信号の形態の)情報をベースバンド信号に変調する。変調器4426は、デジタルコントローラ4420からの情報を、電力分配器4406Bによって供給されるベースバンド信号に変調する。変調器4426からの変調信号は、サーキュレータ4404に供給される。サーキュレータ4404からの変調信号は、アンテナ4402に供給される。アンテナ4402は、変調信号を外部装置4202に送信する。
図51は、例として、埋込み可能装置4201に含まれ得る回路4500の別の実施形態の配線図を示す。回路4500は、回路4400と同じ動作を実行することができ、回路4500は、単一のサーキュレータ4404のみを含み、電力分配器はなく、スイッチ4204、スイッチ4208と同様のT/Rスイッチ4532を含む。
回路4500において、信号はアンテナ4402で受信される。アンテナ4402からの信号は、スイッチ4532に供給される。受信モードでは、スイッチ4532は電路4513に信号を供給し、送信モードでは、スイッチ4532は電路4511に沿って信号を受信し、信号をSAWデバイス4206に供給する。スイッチ4532からの信号は、受信経路に沿って、復調器4418および整流器4410に供給される。
整流器4410からの信号は、電力調整器4412に供給される。電力調整器4412からの信号は、電力を受け取るための回路4500内の多くの構成要素(例えば、刺激装置インタフェース4430、センサインタフェース4428、デジタルコントローラ4420、または動作するために電力を必要とする他の構成要素)に供給される。
復調器4418からの信号は、デジタルコントローラ4420に供給される。デジタルコントローラ4420からの信号は、バッファ4424によってバッファリングされ、変調器4426への入力として供給される。
スイッチ4532からサーキュレータ4404に入射した信号は、SAWデバイス4206に供給される。SAWデバイス4206は、信号をバッファリングして、信号を変調器4426への入力として供給する。変調器4426は、(例えば、SAWデバイス4206からの信号を搬送波として使用することによって)バッファ4424からの信号をSAWデバイス4206から受信される信号に変調する。変調信号は、サーキュレータ4404に供給され、サーキュレータ4404は、変調信号をスイッチ4532に供給する。スイッチ4532は、変調信号をアンテナ4402に供給する。アンテナ4402は、変調信号を外部装置4202に送信する。
図52は、例として、埋込み可能装置4201に含まれ得る回路4600の別の実施形態の配線図を示す。回路4600は、回路4400および回路4500と実質的に同じ動作を実行することができ、回路4600は、単一サーキュレータ4404、単一電力分配器4406Aのみを含み、スイッチは含まない。
回路4600において、信号はアンテナ4402で受信される。アンテナ4402からの信号は、サーキュレータ4404に供給される。サーキュレータ4404は、アンテナ4402からの信号を電力分配器4406Aに供給する。電力分配器4406Aは、入射する信号を電路4615のための1つの信号と、電路4617のための別の信号との2つの信号に分割する。
整流器4410からの信号は、電力調整器4412に供給される。電力調整器4412からの信号は、電力を受け取るための回路の構成要素(例えば、刺激装置インタフェース4430、センサインタフェース4428、デジタルコントローラ4420、または動作するために電力を必要とする他の構成要素(例えば、))に供給される。
復調器4418からの信号は、デジタルコントローラ4420に供給される。デジタルコントローラ4420からの信号は、バッファ4424によってバッファリングされ、変調器4426への入力として供給される。
電力分配器4406Aからの信号で電路4617上の信号は、SAWデバイス4206に供給される。SAWデバイス4206は、信号をバッファリングして、信号を変調器4426への入力として供給する。変調器4426は、(例えば、SAWデバイス4206からの信号を搬送波として使用することによって)バッファ4424からの信号をSAWデバイス4206から受信される信号に変調または調整する。変調信号は、サーキュレータ4404に供給される。サーキュレータ4404は、変調器4426からの信号をアンテナ4402に供給する。アンテナ4402は、変調信号を外部装置4202に送信する。
図50、図51および図52はそれぞれ、変調器4426を含むことに留意されたい。変調器4426は、随意選択である。1つまたは複数の実施形態では、バイナリ情報の第1のビットが外部装置4202に供給される場合に、SAWデバイス4206からの信号はアンテナ4402に供給され得、バイナリ情報の第2のビットが外部装置4202に供給される場合に、SAWデバイス4206からの信号は接地され得る。図53は、このような回路の配線図を示す。
図53は、例として、埋込み可能装置4201に含まれ得る回路4700の別の実施形態の配線図を示す。回路4700は、回路4600と同様であり、回路4700は、変調器4426の代わりにスイッチ4208を含む。スイッチ4208の第1の入力部は、DC基準電圧のような基準電圧(例えば、グランド)に結合され得る。スイッチ4208の第2の入力部は、SAWデバイス4206の出力部に結合され得る。デジタルコントローラ4420は、スイッチ4208がゼロの線または1の線を出力するかどうかを決定する信号をスイッチ4208(接続部4719上で)に供給する。
同様の回路は、回路4400および回路4500の変調器4426をスイッチ4208と置換することによって実現され得る。このような実施形態では、バッファ4424は除去され得ることに留意されたい。
E.局所治療刺激と広域治療刺激の併用
いくつかの実施形態によれば、治療装置は、局所治療刺激および広域治療刺激のうちの1つまたは複数を施すように適合される。1つまたは複数の実施形態では、局所治療と広域刺激の両方が同時に施され得る。いくつかの実施形態では、局所治療および広域刺激は、別々に、または非同時に行われる。
このサブセクションで述べる1つまたは複数の実施形態の利点は、(i)例えば、近位電極と遠位電極との間に電場を生成することによって、刺激領域が増大し、埋込み可能装置の位置決めの制約を低減し得ること、(ii)例えば、広域の刺激(領域が広いほど刺激が弱くなる)および/または局所の刺激(領域が狭いほど刺激が強くなる)、またはその両方を可能にすることによって、施される刺激の種類の柔軟性が向上すること、(iii)特に、例えば、(例えば、一方の埋込み可能装置から発生し、別の埋込み可能装置に移動することで、それらの間の組織を刺激する信号を供給するために)個々にまたは2つの間で治療を施すことができる2つの埋込み可能装置を含むことによって、施される刺激の種類の柔軟性が向上すること、のうちの1つまたは複数を含み得る。
図54は、例として、埋込み可能刺激装置4800の一実施形態の斜視図を示す。図示されている刺激装置4800は、誘電材料4804によって分離された複数の第1の電極4802A、4802Bを含む。図示されている刺激装置4800は、回路ハウジング4806をさらに含む。回路ハウジング4806、第1の電極4802A、4802B、および誘電材料4804は、刺激装置4800の遠位部分4812にあるものとして示されている。図示されている刺激装置4800は、第2の電極4802C、および取付装置4808をさらに含む。第2の電極4802Cおよび取付装置4808は、刺激装置4800の近位部分4814にあるものとして示されている。回路ハウジング4806は、刺激装置の近位部分4814の中に存在し得る。1つまたは複数の実施形態では、第1の電極の数は3個以上(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上)であり得る。1つまたは複数の実施形態では、第2の電極の数は、2個以上(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上)であり得る。
第1の電極の最近位の電極(図54の例では、電極4802B)と少なくとも1つの第2の電極の最遠位の電極(図48の例では、電極4802C)との間の距離(矢印4813で示す)は、1.5cmより長く、10cm未満であり得る。第1の電極の2つの直接隣接する電極(図54の例では、電極4802A、4802B)間の距離(矢印4811で示す)は、1つまたは複数の実施形態では、1.5センチメートル未満であり得る。1つまたは複数の実施形態では、第1の電極の2つの直接隣接する電極間の距離は、10mm未満であり得る。
回路ハウジング4806は、回路ハウジング610A~610C、3616、または他の回路ハウジングのような本明細書で述べる他の回路ハウジングと同様または同一の材料からなり得、および/または同様に構成され得る。電極4802A~4802Cは、電極604、E0~E4、又は他の電極のような本明細書で述べる他の電極と同様または同一の材料からなり得、および/または同様に構成され得る。
図55Aは、例として、図54の埋込み可能刺激装置の「55A/55B」の矢印の方向の断面図を示す。図示されている刺激装置4900Aは、2つの絶縁電気導体4920、4922の周囲のケーシング4916を含む。電気導体4920は、アンテナとして機能することができ、回路ハウジング4806内の回路に電気的に結合され得る。電気導体4922は、電極4802Cを回路ハウジング4806内の回路に電気的に接続し得る。誘電材料4924は、電気導体4920、4922を取り囲むことができる。誘電材料4924は、例えば、電気導体4920、4922上の信号を互いに電気的に絶縁することができるように、電気導体4920、4922間のクロストークを低減する手助けとなり得る。
図55Bは、例として、図54の埋込み可能刺激装置「55A/55B」の矢印の方向の別の断面図を示す。埋込み可能刺激装置4900Bは、刺激装置4900Aと同様であるが、(装置4900Aにあるような)2本の導体4920、4922の代わりに単一の導体4926のみを含む。単一の導体4926は、電気導体4922と同様に、電極4802Cを回路ハウジング4806内の回路に電気的に接続し得る。さらに、電気導体4926は、刺激装置4900B用のアンテナとして機能することができる。電気導体4926は、ある時点で、電気信号を電極4802Cに供給し、別の時点で、電極4802Cに入射した電気信号を回路ハウジング内の回路に中継することができる。電気導体4926は、(異なる時点で)電線およびアンテナとして機能するように時間領域多重化され得る。回路ハウジング4806内の回路は、電気導体4926の電路内の1つまたは複数のスイッチを作動および/または停止することによって、電気導体4926の機能を切り替えることができる(例えば、スイッチおよび回路構成の回路500、4400、4500、4600、4700のように、本明細書内の他の場所で述べる回路を参照)。
図56は、例として、体外の外部中距離場装置5028と共に、身体に埋め込まれた図54の刺激装置の一実施形態の斜視図を示す。中距離場装置5028は、信号を埋込み可能刺激装置4800に伝達し、および/または埋込み可能刺激装置4800から信号を受信し得る。中距離場装置5028は、本明細書で述べるソース102もしくは他の外部送信装置、電源供給装置、またはカプラと同様であり得る。中距離場装置5028は、例えば、皮膚上に直接、または、特に、使用者の皮膚5030と中距離場装置5028との間に何らかの布地、接着剤、誘電材料(例えば、シリコン)を介して、使用者の皮膚5030の表面に近接して配置され得る。
中距離場装置5028は、体外から刺激装置4800に電力を供給する。中距離場装置5028からの電力の少なくとも一部は、身体の神経5032および/または神経5034に刺激治療を施すために、回路ハウジング4806内の治療生成回路によって使用され得る。刺激治療は、異なる時点で、または同時に、神経5032および神経5034に施され得る。例えば、電極4802A、4802Bは、アノードおよびカソード(またはその逆)として(回路ハウジング内の回路のスイッチを入れるおよび/または切ることによって)構成され得、電極4802Cは、開放され得る(非導通状態になるように不完全な回路の一部になり得る)。このような構成は、例えば、神経5032に刺激治療を施すために、例えば、2つの電極4802A、4802B間に生成される電場によって、局所刺激治療を施すことができる。別の例では、電極4802Aおよび電極4802Bのいずれか一方がアノードまたはカソードとして構成され得、電極4802Cは対応するカソードまたはアノードとして構成され得る。このような構成は、例えば、電極4802Aもしくは電極4802Bと電極4802Cとの間に生成される電場によって、広域刺激治療を施すことができる。この構成では、治療は、神経5034、場合によっては、神経5032に施され得る。さらに別の例では、電極4802A、4802Bは、それぞれアノードおよびカソード(またはその逆)として構成され得、電極4802Cは、アノードまたはカソーのいずれかとして構成され得る。このような構成は、広域刺激治療と局所刺激治療の両方を同時に施すことができる。
臨床的見地から言えば、利点は、それほど正確でなくても標的神経(単数または複数)に対する電極位置の配置が可能である広域の刺激場を含み得る。臨床医の見地から言えば、この刺激システムは、電極配置誤差の余地を与える。埋め込み後、刺激システムは、外科的に修正されるのではなく、再プログラムされ得る。
図57は、例として、別の埋込み可能刺激装置5100の一実施形態の斜視図を示す。図示されている刺激装置5100は、2つの電極4802A、4802Bのみを含む。図示されている刺激装置5100は、2つの電極4802A、4802B間に誘電材料4804を含む。図示されている刺激装置5100はさらに、回路ハウジング4806およびアンテナハウジング5136を含む。アンテナハウジング5136は、同一または同様の材料を含み得、および/または本明細書で述べるアンテナハウジング612,3618,3630、または他のアンテナハウジングのような本明細書で述べる他のアンテナハウジングと同様または同じように構成され得る。
図58Aは、例として、身体の外部の外部中距離場装置5028と共に、身体に埋め込まれた複数の刺激装置5100A、5100B(図57の刺激装置5100のそれぞれの特定の実施形態)を含むシステム5200Aの一実施形態の斜視図を示す。複数の埋込み刺激装置5100は、局所刺激治療を施すことができ、または局所刺激治療および広域刺激治療の両方を同時に施すことができる。局所刺激治療は、電極4802Aおよび電極4802Cをアノードまたはカソードの両方に構成し、電極4802Bおよび電極4802Dをカソードまたはアノードの両方に構成することによって施され得る。広域刺激治療および局所刺激治療は、それぞれ電極4802A、4802Bをアノードおよびカソード(またはその逆)として構成し、電極4802C、4802Dをカソードおよびアノード(またはその逆)として構成することによって施され得る。
中距離場装置5028は、例えば、中距離場装置5028上の1つまたは複数のアンテナ(例えば、サブ波長構造と呼ばれる場合があるカプラ素子)によって供給される信号の位相を調整することにより、供給する信号の方向を変更するように構成され得る。1つまたは複数のアンテナによって提供される位相を調整するように構成された位相変更ネットワークの説明については、図5,図62,図63および/または図105を参照)。信号の方向は、例えば、刺激装置5100Aに電力を供給するために、中距離場電力供給装置5028からの電磁場が第1の時点で刺激装置5100A上に集束されるように構成され得る。次に、中距離場装置5028の1つまたは複数のアンテナによって供給される信号(単数または複数)の位相(単数または複数)は、例えば、刺激装置5100Bに電力を供給するために、中距離場装置5028からの電場が刺激装置5100B上に集束されるように変更され得る。
1つまたは複数の実施形態では、回路ハウジング4806内の回路は、中距離場電力供給装置5028からの電場を使用して充電され得る1つまたは複数のコンデンサを含み得る(特に、例えば、回路ハウジング4806内の回路に含まれ得るコンデンサ(単数または複数)の図5および図48を参照)。例えば、中距離場電力供給装置5028が刺激装置5100A、5100Bに電力を供給していないとき、または治療生成回路が治療を施そうとするときに、コンデンサは、刺激装置に電力を供給するために放電され得る。刺激装置5100A、5100Bの両方は、コンデンサを使用して、例えば、2つの刺激装置5100A、5100Bの電極間の広域刺激治療を、例えば神経5238に施すために、同時に治療を施すことができる。1つまたは複数の実施形態では、一方の刺激装置5100Aは、中距離場電力供給装置5028によって直接電力供給され得、他方の刺激装置5100Bは、(中距離場電力供給装置5028によって生成される電場を用いて充電された後に)コンデンサによって電力供給され得る。
1つまたは複数の実施形態では、例えば、広域刺激を施すために、各装置からの刺激治療が同期され得る。同期化は、中距離場装置からの通信信号によって、または治療生成および/または治療初期化のタイミングを同期させる同期回路(図48参照)から制御され得る。
図58Bは、例として、身体の外部の外部中距離場電力供給装置5028と共に、身体に埋め込まれた複数の刺激装置5100A、5100Bを含むシステム5200Bの一実施形態の斜視図を示す。システム5200Bは、システム5200Aと同様であり、システム5200Bは、刺激装置5100A、5100Bの両方に電気的に接続された絶縁導体5240を含む。このような絶縁導体5240は、システム5200Aが広域刺激治療のみを施す、局所刺激治療のみを施す、または局所刺激治療および広域刺激治療の両方を(同時にまたは非同時に)施すのを助ける。システム5200Bは、電極4802A、4802Bの1つまたは両方をアノードとして構成し、電極4802C、4802Dの1つまたは両方をカソードとして構成することによって(あるいはその逆)、広域刺激治療のみを施すことができる。システム5200Bは、電極4802A、4802Cをアノードとして構成し、電極4802B、4802Dをカソードとして構成することによって(またはその逆)、局所刺激治療のみを施すことができる。システム5200Bは、電極4802A、4802Dをアノードとして構成し、電極4802Bおよび4802Cをカソードとして構成することによって(またはその逆)、局所刺激治療および広域刺激治療の両方を同時に施すことができる。これは、局所刺激治療のみを施すことができる、または局所刺激治療および広域刺激治療を同時に施すことができるシステム5200Aとは対照的である。装置5100Aと装置5100Bとの間の距離は、本明細書の別の場所で述べた矢印4813によって示される距離と同じ、または同様であり得る。
図59は、例として、別の埋込み可能刺激装置5300の一実施形態の斜視図を示す。刺激装置5300は、刺激装置5100と同様であり、刺激装置5300は、例えば、広域刺激治療を施すために、さらに離間された電極4802A、4802Bを含む。電極4802A、4802B間の距離(矢印5342で示される)は、回路ハウジング4806およびアンテナハウジング4808を電極4802A、4802B間に配置する(図59に示されるように)ことによって、または誘電材料4804の長さを(矢印の方向に)伸ばすことによって、(図57に示されている距離よりも)長くされ得る。電極4802A、4802Bの間の距離は、(広域刺激治療を施すために)1.5cmよりも長くなり得、または(局所刺激治療を施すために)1.5cmよりも短くなり得る。異なるタイプの刺激を達成するのに望ましい、および/または必要とされる他の距離が使用されてもよい。
図60は、例として、体外の外部中距離場装置5028と共に、身体に埋め込まれた複数の刺激装置5300A、5300B(図59の刺激装置5300のそれぞれの特定の実施形態)を含むシステム5400の一実施形態の斜視図を示す。システム5400は、システム5200Aと同様であり、システム5400は、同一の刺激装置の電極を使用して広域刺激治療を施すように構成される。刺激装置5300A、5300Bと間の距離(矢印5444で示される)は、例えば、刺激装置5300A、5300Bの電極間で広域刺激治療を施すために、1.5cmより長くなり得、または例えば、刺激装置5300A、5300Bの電極間で局所刺激治療を施すために、1.5cmより短くなり得る。装置5300A、5300Bによって提供される刺激治療は、神経5446または神経5446の神経枝5448および/または神経枝5450上で行われ得る。
図61は、例として、図59の複数の刺激装置の一実施形態の論理回路図を、刺激装置間で生成されるそれぞれの電場の範囲内で示している。抵抗器5452A、5452B、5452C、5452D、5452E、および5452Fは、抵抗器5452A~5452Fの両端部の電極間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Aは、電極4802Aと電極4802Dとの間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Bは、電極4802Bと電極4802Cとの間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Cは、電極4802Bと電極4802Dとの間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Dは、電極4802Aと電極4802Cとの間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Eは、電極4802Aと電極4802Bとの間のインピーダンスを表す。抵抗器5452Fは、電極4802Dと電極4802Cとの間のインピーダンスを表す。一般に、抵抗器5452Eおよび抵抗器5452Fのインピーダンスは、抵抗器5452Aおよび抵抗器5452Bのインピーダンスよりも小さく、これらのインピーダンスは、抵抗器5452Cおよび抵抗器5452Dのインピーダンスより小さい。2つの電極間に生成される電場の強度は、一般に、電極間の抵抗器のインピーダンスの値に反比例する。広域刺激治療は、一般に、局所治療刺激よりも弱い電場を有するが、局所治療刺激よりも広い容積の治療を施す。
II.外部装置の構成
A.電子制御ハードウェアと電磁伝達素子のコンパクトな統合
このサブセクションは、全般に、電磁伝達素子(例えば、外部伝達素子のうち特に、ソース102、中距離場装置6148もしくは中距離場装置5028)と電子制御ハードウェアのパッケージングに関する。より具体的には、このサブセクションの1つまたは複数の実施形態は、制御ハードウェアと同じ基板に取り付けられた電磁伝達素子を含む装置、システム、および方法に関する。
制御ハードウェアは、電子部品(受動部品(例えば、ダイオード、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、ディスクリート集積回路、論理コンポーネント(例えば、論理ゲート、マルチプレクサなど)、特定用途向け集積回路(ASIC))と、各々の部品用の信号パッドとパワーパッドを接続する金属トレースとを含み得る。設計プロセスの際に、電子制御ハードウェアと電磁伝達素子(例えば、アンテナ)との間の結合は、注意深く管理され、ほとんど必然的に、電磁伝達素子の効率の損失および/または電子部品のシグナルインテグリティの損失を生じる。この効率および/またはシグナルインテグリティの損失は、コンパクトな設計のパッケージでは、より影響力が強くなる。このサブセクションで述べる実施形態は、伝達素子の効率の損失および/または電子部品のシグナルインテグリティの損失を克服する手助けとなる。
このサブセクションの実施形態は、制御ハードウェアを電子装置パッケージ内(例えば、プリント回路基板(PCB)、フレキシブル基板、または電子装置が搭載される他の媒体上)の平面電磁伝達素子に統合するための装置、システム、および方法を含む。
マイクロストリップもしくはパッチアンテナ、スロットアンテナ、またはこれらの組合わせを含む多くのタイプの平面電磁伝達素子がある。これらのアンテナは、様々な形状およびサイズで製造され、多種多様な電磁信号周波数と(効率的に)相互作用するように構成され得る。別のタイプの平面電磁伝達素子は、2015年11月26日に公開された「MIDFIELD COUPLER」と題されたWIPO国際公開第2015/179225号パンフレットに記載されている中距離場アンテナのような中距離場アンテナを含む。この特許の内容全体を参照によって本願明細書に引用したものとする。
このような平面電磁伝達素子を含むパッケージのフォームファクタを低減することは、少なくとも一部は、電磁伝達素子の近傍の構成要素間で通信する電磁放射による効率損失および信号損失が原因で、困難である。したがって、制御ハードウェアをプリント基板(PCB)上で平面アンテナまたは電磁素子に統合することは、電磁制御素子のシグナルインテグリティおよび性能の望ましくない損失を引き起こす可能性がある。これらの影響は、パッケージサイズを縮小しなければならず、電磁伝達素子がパッケージの実装面積の大部分を覆う場合、さらに一層懸念材料になり得る。
中距離場電力供給カプラ(電磁伝達素子)の場合、埋め込まれた装置(例えば、埋込み医療機器)への効率的なエネルギー伝達を提供する平面金属パターンは、両方の寸法(長さと幅)が数cmであり得る。制御ハードウェア(例えば、電子ハードウェア部品)は、中距離場カプラのポートに無線周波数(RF)電力を供給し、埋め込まれた装置との通信のためにRF信号を変調し、埋め込まれた装置から通信を受信し、および/または患者/臨床医が回路の1つまたは複数のパラメータを設定する、または埋め込まれた装置からデータを受信するための使用者インタフェースを提供するために、使用され得る。制御ハードウェアは、中距離場電力供給カプラとは別のPCB上に設計され得るが、サイズ(フォームファクタ)は犠牲にされる。
回路(電磁伝達装置および制御ハードウェア)を身体に取り付けるためには、集積回路のフォームファクタを低減するように、統合された装置(電磁伝達素子と制御ハードウェア)の寸法を、伝達素子の最大の部分であり得る電磁伝達素子と同じサイズに近づけることが有益であり得る。フォームファクタをさらに低減するために、電子部品は、中距離場電力供給カプラと同じ基材上に統合され得る。例えば、RF信号が中距離場カプラとは別の基板から供給される(例えば、制御ハードウェアが電磁伝達素子とは別の基板上にある)2つの基板集積回路では、回路は、15mm以上の全厚を有し得る。一方、単一基板ソリューション(例えば、電磁伝達素子と同じ基板上に制御ハードウェアを含む装置)は、約3mm(例えば、1mm~5mm、2mm~4mm)の全厚を有し得る統合することによって節約された容積は、追加のバッテリ容量に使用され得、または、例えば、装置が着用されたときに、あまり目立たない、もしくは見えにくい薄いパッケージに装置を収容できるように使用され得る。
しかし、回路基板(例えば、PCBまたはフレキシブル基板)の外層の面積が限られているため、構成要素およびトレースを電磁伝達素子と統合することは困難であり得る。1つまたは複数の実施形態では、ハードウェア制御部品は、パターン形成された電磁伝達素子および電磁伝達素子の励起のためのマイクロストリップ供給線と同じ層に配置され得る。これらの層に沿ったこれらの部品およびトレースの配置は、制御ハードウェアと電磁伝達素子との間の通信を引き起こす可能性のある望ましくない結合を引き起こし、結果として、シグナルインテグリティおよび/または電力伝送効率の損失をもたらす可能性がある。
このサブセクションで述べる1つまたは複数の実施形態の利点は、特に、(i)環境からのノイズが低減された状態で動作する回路、(ii)別個の基板上に制御回路および伝達素子を有する場合に比べて、フォームファクタが低減された中距離場電力供給装置、のうちの1つまたは複数を含み得る。
図62は、例として、制御ハードウェアおよび電磁伝達素子(例えば、アンテナ6406)を含むシステム6400の一実施形態の図を示す。システム6400は、第1の基板6402上に制御ハードウェアを含み、第2の基板6404上にアンテナ6406を含む。このようなシステムは、例えば、図64および図65に示すように、単一の基板上に制御ハードウェアおよび伝達素子を含むシステムと比較して大きいフォームファクタを含む。
図62に示されている実施形態では、制御ハードウェアは、電力管理回路6408、トランシーバ6410、コントローラ6412、電力分配器6413、複数のゲイン増幅器6414、複数の移相器6416、および複数の電力増幅器6418を含む。電力管理回路6408は、1つまたは複数の電圧調整器、電流調整器、整流器、コンデンサ、または他の電力回路を含み得る。電力管理回路6408は、例えば、制御ハードウェアに電力を供給するために、制御ハードウェアの他の部品に電力信号を供給し得る。
1つまたは複数の実施形態では、トランシーバ6410は、単なる送信機と置換され得る。トランシーバ6410は、例えば、RF信号に変調されるデータの有無に関係なく、RF信号を電力分配器6413に供給し得る。コントローラ6412は、本明細書で述べるプロセッサ回路210または他の同様の回路と同様または同一の機能性を提供し得、および/または同様または同一の構成要素を含み得る。電力分配器6413は、本明細書で述べる電力分配器412または他の電力分配器と同様または同一の機能性を提供し得、および/または同様または同一の構成要素を含み得る。ゲイン増幅器6414は、その入力ポートにおける信号の振幅を増加させる。移相器6416は、本明細書で述べる移相器410または他の移相器と同様または同一の機能性を提供し得、および/または同様または同一の構成要素を含み得る。電力増幅器6418は、本明細書で述べる電力増幅器408または他の電力増幅器と同様または同一の機能性を提供し得、および/または同様または同一の同様の構成要素を含み得る。アンテナ6406は、例えば、ソース102のアンテナに関して述べられ、かつ図3に示されているような複数のサブ波長構造を有するマルチポートアンテナであり得る。
図63は、例として、制御ハードウェアおよび電磁伝達素子を別個の基板上に含むシステム6500の一実施形態の斜視図を示す。図示されているシステムは、第1の基板6502上の中距離場カプラ、第2の基板6504上の制御ハードウェア、および第1の基板と第2の基板とを電気的かつ機械的に結合するRFコネクタ6506A、6506Bを含む。システム6500は、システム6400の一実施態様である。
図64は、例として、単一の基板(例えば、基材)上に制御ハードウェアおよび電磁伝達素子を含むシステム6600の一実施形態の図を示す。このようなシステムは、システム6400と比較してより小さいフォームファクタを含み得る。
図65は、例として、単一の基板6722上に制御ハードウェアおよび電磁伝達素子を含むシステム6700の一実施形態の斜視図を示す。図示されているシステム6700は、基材の上層に、制御ハードウェアおよび伝達素子を含む(図65には図示されていない。伝達素子および/または制御ハードウェアの図については、図66~図71を参照)。伝達素子は、例えば、制御ハードウェアを伝達素子の電磁放射から遮蔽する(その逆も同様)のために、ファラデーケージ6720または静電気もしくは電磁気の影響を排除する他の要素によって、制御ハードウェアから分離される。
ファラデーケージ6720は、放射する電磁伝達素子の一部であり得る。制御部品は、ファラデーケージ6720を使用して伝達素子の導電性表面内に完全に統合される。このような実施形態では、ファラデーケージ6720は、(制御部品のための)シールドとして、かつ伝達素子の放射素子としての機能を果たしている。ファラデーケージ6720に使用される材料の表皮厚さにより、放射を誘発するファラデーケージの外表面における電磁電流は、ギガヘルツ周波数で数ミクロンを超えて侵入しない。したがって、内部部品は、1つまたは複数の実施形態によれば、伝達素子の一部として放射するファラデーケージ6720によって誘導される電磁場から有利に遮蔽され得る。
1つまたは複数の実施形態では、基板6722は、第1の層6724、第2の層6726、および第3の層6728のような複数の層を含み得る。第3の層6728は、第1の層6724および第2の層6726よりも厚い層であり得る。1つまたは複数の実施形態では、基板6722は、FR4基材(例えば、繊維ガラス織布と耐燃性のエポキシ樹脂バインダとから成る複合材料を含むガラス強化エポキシ積層体)、シリコン基材、味の素ビルドアップフィルム(ABF)、誘電材料、または他の材料で製造され得る。制御ハードウェアは、制御ハードウェアの部品間のルーティング(例えば、トレース)と共に、第1の層6724の上面に配置され得る。制御ハードウェアの部品(例えば、高出力部品)は、ファラデーケージ6720に熱を伝導するために熱伝導性材料が適用され得る。
グランドプレーンは、第2の層6726上に配置され得る。ファラデーケージ6720は、1つまたは複数のバイア6730によってグランドプレーンに短絡され得る。1つまたは複数のバイア6732は、第3の層6728上のスロット6734(例えば、共振素子)のポートに信号を供給し得る。ポートへの信号は、電力増幅器6418のうちの1つからの信号であり得る。ファラデーケージ6720およびグランドプレーンは、スロット6734と嵌合する対応スロット(スロットパターン)で構成され得る(嵌合スロットの図については、図66~図71を参照)。
第1の層6724および第2の層6726は、同じ厚さまたは異なる厚さを有し得る。第1の層6724および第2の層6726それぞれの厚さは、1ミル~20ミル(例えば、1ミル~10ミル、2ミル~8ミル、3ミル~6ミル、5ミル~15ミル、10ミル~20ミル、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば5ミル)であり得る。第3の層6728は、50ミル~150ミル(例えば、50ミル~100ミル、60ミル~120ミル、70ミル~100ミル、80ミル~90ミル、60ミル~80ミル、80ミル~110ミル、90ミル~150ミル、70ミル~120ミル、100ミル~150ミル、これらの重複範囲、または列挙された範囲内の任意の値、例えば85ミルの厚さを有し得る。記載されている寸法および記載されている基板の層の数は、非限定的な例に過ぎず、多くのバリエーションが可能である。
1つまたは複数の実施形態では、制御ハードウェア部品は、基板6722の表面層に配置され、ルーティングの大部分は、同じ表面層に設けられる。図65の実施形態では、制御ハードウェアおよびルーティングの大部分は、第1の層6724の上面(例えば、ファラデーケージ6720が取り付けられている表面)上にある。
1つまたは複数の実施形態では、第2の層6726(例えば、第1の層6724の真下の層)上に、または第2の層6726の少なくとも一部に、スロット中距離場パターン(例えば、グランドプレーン)が印刷され得る。1つまたは複数の実施形態では、第2の層6726は、グランドプレーンとしても機能し得る。例えば、上層のファラデーケージ6720をグランドに短絡するために、第1の層6724を第2の層6726と接続する1つまたは複数のバイア6730が含まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、バイア6730は、中距離場パターンの縁部またはその近傍に、および/または中距離場要素を形成するスロットの縁部に存在し得る。グランドプレーンと第3の層6728の底面に沿った励振口との間の層は、限定されたトレースに使用され得る。いくつかの実施形態では、マイクロストリップ励起スロットまたは給電線は、第3の層6728の底面に沿ってまたは隣接して位置決めされる。
図66は、例として、図65のシステム6700の一実施形態の斜視図を示す。図66の斜視図は、ファラデーケージ6720のカバー6740およびベース6742を示す。図67Aは、例として、ファラデーケージ6720の一実施形態の斜視図を示す。図67Bは、例として、ファラデー・ケージ・カバー6740の一実施形態の斜視図を示す。図67Cは、例として、ファラデー・ケージ・ベース6742の一実施形態の斜視図を示す。
1つまたは複数の実施形態では、ファラデー・ケージ・カバー6740の幾何学的形状は、電磁伝達素子のスロットパターンを収容することができ、電磁伝達素子のスロットパターンを妨げる可能性がない(例えば、電磁伝達素子のスロットパターンに対して構成されるように、相補的であり得る)(図69および70を参照)。ファラデー・ケージ・カバー6740は、打ち抜かれたまたは機械加工された金属プレートで実現され得る。可能な材料は、銅、スチール、またはアルミニウムを含む。ファラデー・ケージ・カバー6740は、固体材料、金網、またはこれらの組合わせで実現され得る。
ファラデーケージ6720は、構成要素の上の導電シールドを形成するファラデー・ケージ・カバー6740によって形成され得、グランドプレーン6750(図69参照)は、構成要素の下のファラデーケージ6720のベースを形成する。ファラデーケージ6720のスロットの縁部およびケージベース6742の縁部のバイア6730により、ファラデーケージ6720の側面を形成することができる。十分に密閉されたケージは、構成要素の上のカバーと構成要素の下の層との間に、例えば、中距離場送信機パターンの形状で、効果的に形成され得る。
グランドプレーン6750を含むファラデー・ケージ・カバー6740は、ファラデーケージ6720および伝達素子のような厚いパターン化された導体として効果的に機能する。構成要素/トレースの上下の金属シートの厚さがいくつかの表皮厚さよりも厚い場合、電磁伝達素子の観点から効果的に、グランドプレーンを含むファラデーケージは金属プレートである。
図65および図66の実施形態では、ファラデーケージ6720は制御回路の構成要素の上にある。図示されている実施形態では、ファラデーケージ6720は、はんだ、導電性ペースト、導電性テープ、または他の導電性接着機構のような導電性接着剤を使用して、基板6722に貼り付けられる。基板6722は、4層プロセスを使用して製造された4層基板として示されているが、それより少ないまたはそれより多い数の層を含み得るような他の基板設計が使用されてもよい。ファラデー・ケージ・カバー6740は、固体材料として示されているが、他の実施形態では、メッシュであり得、または1つまたは複数の孔、穿孔、スロット、もしくはスリットを含み得る。
図68は、例として、図66に示されているのとは反対側から見たシステム6700の斜視図を示す。1つまたは複数のマイクロストリップRFスロット6734は、パターンがより厚い金属層で形成された場合に使用され得るような伝達素子(例えば、グランドプレーン6750のスロット6752とファラデーケージ6720との組合わせ)を励起し得る。RF回路の観点から、有効な厚いスロット素子は、電磁伝達素子の広帯域の増強を可能にする。電磁エネルギーは、ファラデーケージ6720内部の構成要素(例えば、発振器、電力増幅器、位相補償回路など)から、ファラデーケージ6720を一部として含む伝達素子に伝送される。1つまたは複数のバイア6732は、電力増幅器の出力をファラデーケージ6720内からケージ外の電磁要素のスロット6734に接続して、ファラデーケージ6720内部の電磁エネルギーをバイア6732を介して外部環境に伝送する。スロット6734は、図68に示されるような、開口した円形または開口した楕円形であり得る。
さらに、熱管理の観点から、パターン化された金属プレート(ファラデー・ケージ・カバー、パターン化されたグランドプレーン、および/またはバイア)は熱放散に使用され得る。ファラデーケージ6720およびファラデー・ケージ・ベース6742および/またはファラデー・ケージ・カバー6740の内部の構成要素間の熱導体として、熱グリース、熱伝導性テープ、または熱伝導性エポキシ樹脂のような熱伝導性材料が使用され得る。熱導体により、ケージ6720内部の構成要素から外部環境に熱を放射することができる。
図69は、例として、第2の層6726の一実施形態の斜視図を示す。図示されている第2の層6726は、グランドプレーン6750と、グランドプレーン6750内のスロット6752とを含む。ファラデー・ケージ・ベース6742は、スロット6752を妨げないようにスロット6751を内部に含み得る。図70は、例として、スロット6752とスロット6751との位置合わせを示すために、基板6722の上層6724が除去された状態のシステム6700の一実施形態の斜視図を示す。図示されているように、ファラデー・ケージ・ベース6742内のスロット6751は、スロット6752が第2の層6726内に存在する位置(例えば、電磁伝達素子のスロットパターン)に対応する。したがって、ファラデー・ケージ・ベース6742の実装面積は、図示されている実施形態では、スロット6752のいずれの部分とも重ならない、または一致しない。パターン化された中距離場プレートパターンは、第2の層6726(第1の内部層)にあり、電磁伝達素子(例えば、中距離場カプラ)のパターンとファラデーケージ6720との間の1つまたは複数のバイアによって、ファラデーケージ6720に短絡される。
図71は、例として、ファラデー・ケージ・カバーの下、ファラデーケージ6720内、および第1層6724上の個別部品7360を示すために、ファラデーケージ6720が除去された状態のシステム6700の一実施形態の斜視図を示す。構成要素はチップとして示されているが、構成要素は、1つまたは複数の抵抗器、コンデンサ、インダクタ、集積回路、トランジスタ、論理ゲート、発振器、状態論理コンポーネント、マルチプレクサ、スイッチ、コネクタ、または他の電気部品もしくは電子部品、例えば、外部装置の回路(例えば、システム6400,400の回路、または本明細書で述べる他の外部装置回路)内の1つまたは複数の構成要素を含み得る。個別部品7360は、第1の層6724上の1つまたは複数のトレース7362によって電気的に接続され得る。熱ペースト、グリース、または他の物質、材料、またはコーティングは、例えば、個別部品7360からファラデー・ケージ・カバー6740またはファラデー・ケージ・ベース6742に熱を伝導するために、個別部品7360の1つまたは複数の部品の上および/または周囲に、および/または個別部品7360とファラデーケージ6720との間に配置され得る。熱ペーストもしくはグリースは、電気部品もしくは電子部品および熱ペーストもしくはグリースと接触または十分近接する他の要素からの熱をファラデーケージ6720、ひいては周囲環境に伝達することができる。
B.埋込み装置への個別外部装置の結合
このサブセクションは、全般に、治療部位近傍での外部装置の位置決めおよび/または保持に関する。より具体的には、このサブセクションでは、治療部位の外側の外部装置の個別の位置決めおよび/または位置決めの検証のための装置、システム、および方法について述べる。このサブセクションは、治療部位近傍での外部装置の位置決めおよび/または保持に関する。より具体的には、このセクションでは、治療部位の外側の装置の個別の位置決めおよび/または位置決めの検証のための装置、システム、および方法について述べる。
医療機器治療の分野ではかなりの進歩が見られるが、埋込み内科的治療機器と相互作用する、快適で着用可能な医療機器が依然として必要とされている。該装置は、ユーザ体験を改善するために、快適で、比較的目立たないものにすべきである。このような装置の現在のフォームファクタは非常に大きく、そのため、該治療装置を着用している人は、装置が目立つために不快感かつ/または恥ずかしさを感じる。
このサブセクションでは、埋め込まれた治療装置にエネルギーを供給し得る外部装置を快適におよび/または効率的に運ぶ方法を可能にする着用可能部品について述べる。1つまたは複数の実施形態では、システムは、患者に埋め込まれ得るような埋込み可能な仙骨神経刺激治療装置を含み、外部装置(着用可能な装置)に無線信号を送信および/または外部装置(着用可能な装置)から無線信号を受信するように構成された埋込み可能な通信要素装置を含み得る。外部装置は、例えば、アンテナ、バッテリ、および/または電子機器(例えば、ソース102の回路のような制御回路、アンテナ300、または本明細書で述べる他の外部装置)を含み得る。システムは、使用者(例えば、患者)によって着用されるように構成された着用可能部品(例えば、衣類、バンド、または他の着用可能な服)と、着用可能部品に、または着用可能部品内に結合される外部装置とをさらに含み得る。外部装置は、埋込み可能装置と通信するために無線信号を送信および/または受信するように構成され得る。1つまたは複数の実施形態では、外部装置は、着用可能部品に対して複数の位置に配置され得る。
外部装置は、様々な構成を有し得る。1つまたは複数の実施形態では、外部装置は、S3孔の上に位置決めされ、埋込み可能装置(例えば、埋込み可能神経刺激装置)に電力を供給するように構成されたアンテナ(例えば、中距離場送信機のような電力および/またはデータ送信機)を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、埋込み可能装置は内部誘導コイルを含み得、外部装置は外部誘導コイルを含み得る。コイルは、例えば、電力結合を最大にするために、実質的に同じ周波数で共振するように構成され得る。着用可能部品(例えば、外部装置)は、外部装置と埋込み可能装置との間の正確な位置合わせを示すように構成された位置決定機構を含み得る。位置決定機構は、外部装置の回路内に含まれ得る。
1つまたは複数の実施形態では、システムは、互いに結合され、S3孔の上に位置決め可能な第1の外部装置および第2の外部装置を含み得る。第2の外部装置は、第1の外部装置に電気的に結合され得る。1つまたは複数の実施形態では、第1の外部装置は、埋込み可能装置からデータを受信するように構成され得、第2の外部装置は、第1の外部装置に電力を供給するように構成され得る。
外部装置は、様々な構成を有し得る。1つまたは複数の実施形態では、外部装置は、可撓性バッテリを着用している使用者の動きに応じて曲がるように設計された可撓性バッテリを含み得る。1つまたは複数の実施形態では、着用可能部品は、複数の弾性ストラップから形成され得る。着用可能部品は、様々な患者のサイズおよび形状に対して調整可能である。さらに他の実施形態では、着用可能部品は、ベルト、ズボン、ショーツ、ベスト、サッシュ、下着、または接着パッチであり得る。いくつかの実施形態では、着用可能部品は、その中に形成された少なくとも1つのポケットを含み得る。ポケットは、着用可能部品に対して移動可能なものであり得る。1つまたは複数の実施形態では、ポケットは、その内部に配置される少なくとも1つのバッテリを含み、バッテリは、外部装置に電力を供給するように構成される。
埋込み可能/埋め込まれた装置と通信して電力を供給するための方法が提供される。外部装置は、組織を通って埋込み可能装置に信号を無線で伝送するように作動され得る。例えば、外部装置は、埋込み可能装置にエネルギーを供給し得、および/または埋込み可能装置からデータを受信し得る。外部装置は、外部誘導コイルまたは中距離場装置を含み得る。埋込み可能装置は、内部誘導コイルまたは他の電磁信号受信素子を含み得る。これらの素子のうちの1つまたは複数は、通信信号を伝送する、または埋込み可能装置において電力を生成するために使用され得る。
例えば、埋め込まれた装置上の通信素子と外部装置を位置合わせするために、無線通信を使用して、複数の位置のうちの1つの位置で患者が着用する着用可能部品上/着用可能部品内に外部装置を位置決めすることができる。外部装置は様々な位置に配置され得るが、1つまたは複数の実施形態では、外部装置は、埋め込まれた装置に近接する皮膚表面上または皮膚表面より上に理想的に位置決めされ得る。埋め込まれた装置は、外部装置に、伝送されるエネルギーの量、外部装置に対するプログラミング信号の肯定応答、および/または誤動作もしくはエラーの警告に関する情報を示す信号を含み得るような無線信号を送信し得る。外部装置は、音声トーン、画像表示、または振動を介して患者と通信するように構成され得る。この構成は、無線電力伝送にとって十分なまたは理想的な位置に外部装置を配置および/または固定するように患者を案内するのに役立てるために使用され得る。外部装置は、他の状態に加えて、外部装置のバッテリレベルを使用者に伝達することができる。このことにより、患者が外部装置のバッテリを交換または充電する時期を理解することができる。
外部装置は、着用可能部品上/着用可能部品内に、または着用可能部品から離間して位置決めされ得る。例えば、着用可能部品は、複数の可撓性ストラップを含み得、外部装置は、例えば、埋込み可能装置の近くで、可撓性ストラップに取り外し可能に嵌合され得る。追加的に、または代替的に、外部装置は、着用可能部品に貼り付けられたポケット内に配置され得る。1つまたは複数の実施形態では、着用可能部品は、可撓性バッテリであり得る。外部装置は、可撓性バッテリに結合され得、可撓性バッテリで発生したエネルギーのようなエネルギーを埋込み可能装置に送達し得る。
図72は、例として、埋め込まれた装置8804と外部装置8802との間の1つまたは複数の信号の通信のためのシステム8800の一実施形態を示す。埋め込まれた装置8804は、埋込み可能装置110,600,700、または他の埋込み可能装置のような本明細書で述べる埋込み可能装置のいずれかと同様または同一であり得る。外部装置8802は、ソース102、アンテナ300などの本明細書で述べる外部装置のいずれかと同様または同一であり得る。外部装置8802は、ポケット8806内の所定位置に配置され、および/または貼り付けられ得る。ポケット8806は、下着、ズボン、シャツ、パンティーストッキング、ショーツ、ボディスーツなどの着用可能部品8808の内部にあり得る。埋め込まれた装置8804は、例えば、使用者の身体8810の内部に位置するように、使用者の皮膚の表面の下に埋め込まれ得る。外部装置8802は、埋め込まれた装置8804に電力および/またはデータを伝送し得る。1つまたは複数の実施形態では、埋め込まれた装置8804は、身体8810内に40mmより深く埋め込まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、外部装置8802は、スリーブ内に位置決めされる(図83,図84A、図84Bおよび図85を参照)。図72に描かれているアイテムそれぞれに関するさらなる詳細は、残りの図面および本明細書における他の説明に関して提供される。
図73は、例として、人体8900の一部の背面図と、外部装置8802およびポケット8806が覆うことができる領域の候補配置位置を示す。図示されているように、外部装置8802は、尾骨または坐骨切痕の先端から約9~10cm、および/または人体の正中線(破線8902で示されている)の左または右に約2センチメートルに位置し得るようなS3孔の位置またはその近傍に配置され得る。
図74は、例として、人体9000の斜視図を示す。図示されている人体9000は、外部装置8802を収容するためのポケット8806を有する着用可能部品8808を含む。図示されているポケット8806は、図73に示されているように、不変装置8802を配置するための少なくとも2つの候補位置に広がる。ポケット8806は、1つまたは複数の実施形態では、例えば、外部装置8802の単一の候補位置のみを覆うために、(人体の幅に対する幅に関して)より狭くなり得る。しかしながら、ポケット8806が2つ以上の候補位置にまたがることにより、1つのポケットが多種多様な外部装置の位置に対応できるようになる。
図75は、例として、ポケット8806および外部装置8802を含む図72の一部の分解図を示す。ポケット8806は、上ポケット層9150および下ポケット層9152を含むものとして示されている。上ポケット層9150は、「上層」と呼ばれることがある。下ポケット層9152は、「下層」と呼ばれることがある。図75の図はスリーブの層にも対応し得ることに留意されたい。上ポケット層9150および下ポケット9152の各々は、3つの布地層を含むものとして示されているが、上ポケット層9150および下ポケット層9152のそれぞれは、それより少ないまたはそれより多い布地層を含み得る。ポケット8806は、6つの層を含むものとして示され、装置8802は、ポケットの層3と層4との間に位置するものとして示される。ポケット8806は、収容される用途に応じて、それより少ないまたはそれより多い層を含み得る。図示されているように、下ポケット層9152は、7581(「層1」)、7583(「層2」)、および7585(「層3」)の3つの層を含む。図示されているように、上ポケット層9150は、7591(「層4」)、7593(「層5」)、および7595(「層6」)の3つの層を含む。
ポケットの層1は、柔らかく、柔軟であり、および/または仕様に適合した材料を含み得る。この層は、使用者の肌に最も近く、快適さを提供し得る。層2および/または層3は、絶縁材料(単数または複数)(例えば、通過する熱に耐える材料)、および/または防水または耐水性であり得る。この材料の断熱特性により、外部装置8802によって生成された熱から使用者の皮膚を保護し、上ポケット層9150に向かって熱を偏向させることができる。防水/耐水性により、水分が使用者の皮膚に移動するのを防ぎ、そのような水分を上層(単数または複数)に向かって移動させることができる。1つまたは複数の実施形態では、下ポケット層9152の1つまたは複数は、水を使用者の皮膚から上層(単数または複数)に向かって移動させるために、水ウィッキング性であり得る。
上層の層4、層5、および/または層6のうちの1つまたは複数は、熱を使用者の身体から移動させるような熱伝導性材料であり得る。上層の層4、層5、および/または層6のうちの1つまたは複数は、例えば、着用可能部品が使用者の身体上で滑らないまたは別の形で動かないようにするため、および埋込み可能/埋め込まれた装置と通信し得る位置で位置決めされた外部装置を保つのを助けるために、圧縮性であり得る。
着用可能部品は、1つまたは複数の上層および1つまたは複数の下層を含み得る下着のポケット(単数または複数)を含み得る。前述したように、層1は、ポリエステルのような柔らかい通気性材料であり得る。この層は、皮膚と直接接触し得る。層2および/または層3は、断熱材料から作られ得る。層3は、ネオプレン、GORE-TEX、Outlast、またはネオプレンと同様の材料のような低熱伝導率を含む他の材料であり得る。層2および/または層3は、液体水の浸透および/または吸収を完全に防止し得る(防水性)。層2および層3は、同じ材料であり得る。層2および/または層3(身体に最も近いポケットの内側層)は、GORE-TEX(登録商標)、GORE WINDSTOPPER(登録商標)膜、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、麻、羊毛、綿、ストロー、エーロゲル、ポリウレタンなどのような一方向性透過性材料を含み得る。
ポケットは、熱を放散させることができるように空気を通す(通気性と呼ばれることもある)ものであり得る。層4および/または層6は、上(人体から離れる側)から熱を放出することができる通気性材料を含み得る。ポケットの上部は、通気性材料を含み得る。ポケットの側面は、通気性および/または防水性材料を含み得る。
断熱材料は、例えば、ポリウレタンフォーム、PYROGEL(登録商標)XT、GORE-TEX(登録商標)、GORE WINDSTOPPER(登録商標)膜、ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、麻、羊毛、綿、藁、エーロゲル、ポリウレタン、R値の高い材料、Outlastなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
図76は、例として、ポケット8806の下層9200の一実施形態の斜視図を示す。図77は、例として、ポケット8806の下層9300の別の実施形態の斜視図を示す。下層9300は、下層9200と同様であるが、下層9300は、複数の候補埋め込み位置(例えば、棘突起の各側に1つ)を覆い、下層9200は、そのような候補位置の1つのみを覆う。図示されている下層9200は、第1の下層9202および第2の下層9204を含む。第1の下層9202は、層9200が摩耗状態であるときには、第2の下層9204よりも使用者の身体により近くなり得る。層9202および層9204は、例えば、糸、接着剤、または他の固着手段によって、互いに貼り付けられ得る。層9302および層9304は、層9202および層9204とそれぞれ同様であり、層9302および層9304は、前述したように層9202および層9204よりも幅広である。
図78は、例として、図77の層9300と同様のような下層9400の実施形態の斜視図を示し、外部装置8802は最も内側の層(図94の下層9400の層9304)に取り付けられる。図79は、例として、図77の下層9300を含む層9500の一実施形態の斜視図を示し、外部装置8802は、下層と上層9506との間に位置する。上層9506は、最も内側の上層であり、外部装置8802と接触し得る。層9506は、層9302および/または層9304のような下層(単数または複数)のいずれかに、例えば、糸、接着剤、または他の固定手段によって、取り付けられ得る。
図80は、例として、上層9506の上の弾性バンド9608を有する、層9500と同様の層9600の一実施形態の斜視図を示す。図示されている弾性バンド9608は、例えば、ポケット8806の通気性に保つように、熱が逃げることができ、および/または空気を引き込むことができる通気エリアを提供するのを助けるために、随意選択の孔9610を含む。孔9610はそれぞれ、図80に示されているように、幅寸法よりも大きな高さ寸法を含み得る。高さは、着用可能部品を着用している人の身長とほぼ同じ方向であり得る。幅は、高さに対してほぼ垂直である。このような構成により、弾性バンド9608は、例えば、バンド9608の完全性または寿命を損なわずに、伸長することができる。孔9610は、層9506の上の部分またはその一部のようなバンド9608の一部の上にだけ位置決めされ得る。代替的に、孔9610は、バンド9608の幅および高さ全体にわたって位置決めされ得る。図示されているバンド9608は、層9506,9304,9302および外部装置8802を覆い隠さないように、バンドの一部のみが示されている。バンド9608は、一般に、外部装置8802と人体との間に圧縮力を加えるのを助け、外部装置を定位置で保持するのを助けるために、人体の周囲に完全に巻き付けられる。
図81は、例として、外部装置8802とポケット8806の上層9506の両方の嵌合取付機構9710A、9710Bを有する層9600を含むシステム9700の一実施形態の斜視図を示す。層9506は、上層の最も内側の層に取付機構9710Bを含む。取り付け機構9710Bは、外部装置8802(図97も参照)上の嵌合取付機構9710A、または外部装置8802が配置され得るスリーブ(図83,図84A、および図84Bを参照)上の嵌合取付機構と嵌合され得る。取り付け機構9710A、9710Bは、随意選択であり、ポケット8806は、十分に伸長可能であり得、このような取付機構を必要とせずに装置を正確な位置で保持するような寸法を含むことに留意されたい。取り付け機構9710A、9710Bは、機械ベースの締結機構、面ファスナ(例えば、VELCRO(登録商標)ファスナ)、磁石、SCOTCH(登録商標)ファスナ、または他の取付機構を含み得る。取付機構9710A、9710Bは、接着剤を使用して、層または外部装置8802に貼り付けられ得る。図82は、例として、図81のシステムと同様のシステム9800の一実施形態の断面図を示し、外部装置8802をポケット8806内に固定するようにポケット8806の取付機構9710A、9710Bと外部装置8802とが嵌合された状態を示す。
図83は、例として、スリーブ内に配置される外部装置8802を含むシステム9900の一実施形態の断面図を示す。図示されているスリーブは、上層9506、9912と、下層9302、9304と、上層9912上の取付機構9914とを含む。上層9912は、図75に関して説明した上層のいずれかと同様であり得る。取付機構9914は、取付機構9710A、9710Bと同様である。
図84Aは、例として、システム9900と同様のシステム10000Aの一実施形態の斜視図を示しており、システム10000Aは、底面9302にクッション材10016を含む。クッション材10016は、支持するのを助け、外部装置8802への衝撃による力から使用者を保護するのを助ける。図84Bは、例として、システム9900と同様のシステム10000Bの一実施形態の斜視図を示しており、システム10000Bは、スリーブ内に、例えば、下層9302に対向する下層9304上に、クッション材10016を含む。
図85は、例として、内部に外部装置8802が配置されるスリーブを含むシステム10100の一実施形態の断面図を示す。図示されているスリーブは、例えば、ポケット8806内の着用可能部品8808の層の間に配置される。図85の実施形態では、スリーブは、上層9912上の締結機構9710Aと嵌合する着用可能部品8808上の取付機構9710Aによって、着用可能部品8808に貼り付けられる。図示されている取付機構9710A、9710Bは、着用可能部品8808内にある。さらに、別の一対の締結機構が、スリーブを外部装置8802に固定するのを助ける場合がある。1つの締結機構は、上層9506上に配置され得、嵌合固定機構は、外部装置8802上に配置され得る。
図86は、一例として、嵌合締結機構10220Aおよび10220Bを含む下着10200の一実施形態の斜視図を示す。締結機構10220A、10220Bは、使用者が下着10200を着用しているときに下着10200の下部分を開くのを可能とする。そのような下着10200は、埋め込まれた装置8804に対して外部装置8802を動かすことなく、使用者がバスルームに行く方法を提供するのに役立つことができる。外部装置8802が貼り付けられることができるポケット8806または他の位置を下着10200が含むことができると考える。そのような下着を使用して、使用者は、締結機構10220A、10220Bを連結解除し、そのビジネスを行い、締結機構10220A、10220Bを再結合することができ、その間ずっと埋め込まれた装置8804に対して外部装置8802の位置を保持することができる。別の実施形態において、使用者は、下着10200を移動させなければならない場合があり、したがって、埋め込まれた装置8804に対して装置8802を移動させなければならない場合がある。次いで、使用者は、位置決め回路に関して述べた作業を実行するなどして、外部装置8802を通信可能な位置(外部装置が埋め込まれた装置8804と確実に通信する位置)に再配置することができる(図98、図99、および図100を参照)。
図87は、一例として、閉位置にある外部装置8802の一実施形態の斜視図を示す。図示されているような外部装置8802は、トップカバー10322(ポケットまたはスリーブの上層に接触するかまたはより接近するためのカバー)およびボトムカバー10324(下層に接触するかまたはより接近するためのカバー)を含む。図示されているようなトップカバー10322の縁端10326Aおよび10326Bは、ボトムカバー10324の縁端10328Aおよび10328Bよりも大きな曲率半径を含む。より大きな曲率半径を有する縁端10324A、10324Bを含むことにより、外部装置8802は、使用時により控えめに保たれる。外部装置8802によって形成された膨らみは、より小さな曲率半径を含む縁端よりも控えめであってひどくはない。縁端10328A、10328Bの曲率半径は、使用者の快適さのために重要であり得る。これらの縁端は、あまりにも鋭いと、使用者に不快感を与えることがある。しかしながら、曲率半径を大きくすると、外部装置8802の全体的な実装面積が増加する可能性がある。
トップカバー10322およびボトムカバー10324の各々は、熱可塑性の他の材料または材料層から形成されてもよい。「熱可塑性」とは、温度の上昇によって繰り返し(すなわち、2回以上)軟化し、温度の低下によって硬化することができるポリマー材料を指す。熱可塑性材料は、固体または発泡体の形態であってもよい。熱可塑性ポリマー発泡体は、発泡ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、およびポリカーボネートを含むことができるが、これらに限定されるものではない。架橋熱可塑性発泡体の非限定的な例には、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、およびポリ塩化ビニルが含まれる。固体熱可塑性材料の非限定的な例には、ポリカーボネート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリエチレン(高密度および低密度)、ポリイミド、ポリプロピレンなどが含まれる。1つの適切な熱可塑性材料は、高密度ポリエチレンである。
外部装置8802のトップカバー10322は、身体から離れて面している。トップカバー10322は、CoolPoly(登録商標)熱伝導性プラスチックなどの高熱伝導率を含むことができる。トップカバー10322は、高い比熱を有することができ、良好なヒートシンクとすることができ、「バンプ」とすることができ、および/またはフィン10938を含むことができる。
ボトムカバー10324は、適切な使用時に皮膚の方に向いている。ボトムカバー10324は、層2および/または層3に直接隣接している。ボトムカバー10324は、PYROGEL(登録商標)XTまたはOUTLAST(登録商標)FR-LHS熱可塑性ポリオレフィンエラストマーなどの絶縁材料を含むことができる。ボトムカバー10324は、低い熱伝導率および/または高い比熱を有することができる。
図88は、一例として、トップカバー10322とボトムカバー10324との間の内部回路10430を示すように開位置にある外部装置8802の一実施形態の斜視図を示す。回路10430は、制御回路(例えば、本明細書の他の場所で述べる外部装置の構成要素)、アンテナ(例えば、中距離場カプラ)、誘導コイル、ファラデーケージ、スピーカ、送信および/または受信無線(図98、図99、および図100を参照)などを含むことができる。制御回路は、電磁エネルギーを放射するアンテナに電力を供給することができる。外部装置8802が埋め込まれた装置8804に関連して適切に配置されている場合、電磁エネルギーは、埋め込まれた装置8804に供給されることができる。
図89は、一例として、閉位置にある外部装置8802の一実施形態の斜視図を示す。図90は、一例として、トップカバー10322とボトムカバー10324との間の内部回路10530およびボトムカバー10324の内部を示すように開位置にある外部装置8802の一実施形態の斜視図を示す。ボトムカバー10324の内部は、ボトムカバー10324を熱から絶縁するのに役立つために、複数の凹部10632を含むものとして示されている。
図91は、一例として、外部装置8802のトップカバー10332またはボトムカバー10334として機能することができるカバー10700の一実施形態の斜視図を示す。図示のカバー10700は、2つの通気孔10734Aおよび10734Bを含む。2つの通気孔10734A、10734Bは、使用者の身体から放散する空気を保持することができる。図示の2つの通気孔10734A、10734Bは、カバー10700の反対側面にある。図92は、一例として、外部装置8802のトップカバー10332またはボトムカバー10324として機能することができるカバー10800の一実施形態の斜視図を示す。図示のカバー10800は、4つの通気孔10734A、10734B、10734C、および10734Dを含む。1つの通気孔10734A~10734Dは、カバー10800の各側面に沿って且つ対応する側面にほぼ平行に延びているものとして示されている。本明細書で述べる実施形態は、互いに排他的ではなく、可能な場合には組み合わせることができることに留意されたい。例えば、カバーは、凹部10632と1つまたは複数の通気孔10734A~10734Dの双方を含むことができる。そのような実施形態は、使用者の身体から熱を放散するのに役立つために、空気を凹部10632から通気孔9734A~9734Dへと移送するのに役立つことができる。通気孔は、任意であることに留意されたい。1つまたは複数の実施形態において、通気孔を形成するのに役立つ凹部は、通気孔がトップカバーにあるかまたはボトムカバーにあるかに応じて熱伝導性または断熱材料によって充填される。1つまたは複数の実施形態において、通気孔は存在しない。
図93および図94は、一例として、フィン10938を含む外部装置8802のトップカバー10322の一実施形態の斜視図を示す。フィン10938は、使用者の身体から熱を伝導するのに役立つことができる。フィン10938は、(ポケット8806またはスリーブの)熱伝導上層に接触するかまたはその近傍にすることができる。フィン10938は、任意であることに留意されたい。フィン10938は、トップカバー10322の外面を超えて延在することができる。熱を放散させるなどのために、1つまたは複数の平坦または平面ヒートシンクが追加的にまたは代替的に含められることができる。
図95は、一例として、内部回路10430、トップカバー10322、ボトムカバー10324、および接続要素11138を示すように開位置にある外部装置8802の別の実施形態の斜視図を示す。1つまたは複数の実施形態において、接続要素11138は、磁気的とすることができ、ボトムカバー10324(図111の斜視図には示されていない)上の嵌合接続要素と嵌合することができる。図95に示す接続要素11138は、外部装置8802の2つの両側面に沿って配置されている。別の実施形態において、接続要素11138は、外部装置8802の全側面に沿って配置されることができ、(図96に示すように)外部装置8802のちょうどコーナーに配置されることができ、または他の構成も可能である。図96は、一例として、内部回路10430、トップカバー10322、ボトムカバー10324、および接続要素11138を示すように開位置にある外部装置8802の別の実施形態の斜視図を示す。トップカバー10322は、トップカバー10322およびボトムカバー10324のそれぞれに嵌合要素を含め、嵌合接続要素を整列させ、次に接続要素を互いに接触させることにより、ボトムカバー10324に可逆的に固定されることができる。
図97は、一例として、外部装置8802のカバーに取付機構9710Aが取り付けられた閉位置にある外部装置8802の一実施形態の斜視図を示す。取付機構9710Aは、本明細書の他の場所で説明する。
図98は、一例として、複数の個別の外部構成要素(例えば、外部装置8802およびバッテリ11442)を含むシステム11400の一実施形態のブロック図を示す。バッテリ11442は、外部装置8802の外部にあり、ポケット8806内(またはスリーブ内)の外部装置8802の近傍に配置されている。1つまたは複数の実施形態において、バッテリ11442は、ポケット8806またはスリーブの外側に配置されてもよい。1つまたは複数の実施形態において、バッテリ11442は、リチウムポリマーバッテリ、ほぼ平坦な可撓性バッテリ、充電式バッテリ(例えば、有線バッテリ充電能力または誘導電力リンクなどの無線バッテリ充電能力)を含む。バッテリ11442は、電気および電子構成要素(例えば、トランシーバ11444および外部装置の回路、ソース102などの他の構成要素を含むことができる内部回路10430など)に電力を供給することができる。
位置決め回路11446は、外部装置8802を適切な位置に配置する際に使用者を支援する電気または電子構成要素(例えば、抵抗器、トランジスタ、インダクタ、コンデンサ、ダイオード、センサ、論理ゲート、発振器、マルチプレクサ、アンテナ、ラジオ、ADC、DAC、スピーカなど)を含む。位置決め回路11446は、埋め込まれた装置8804からの信号の受信信号強度(RSS)を決定するための構成要素を含むことができる。RSSは、内部回路10430または位置決め回路11446のスピーカなどを介して、トーンを生成するために使用することができる。生成されたトーンは、使用者にRSSの相対値を示すためにRSSの値に基づいて変調されることができる。そして、使用者は、比較的高いRSS(比較的高いRSSを示すトーン)に対応する位置に外部装置8802を配置することができる。1つまたは複数の実施形態において、位置決め回路11446は、使用者が配置作業および検出プロセスを開始するために押すことができるボタンを含む。位置決め回路11446は、使用者に指標(例えば、振動またはパルスなどのトーンまたは機械的フィードバック)を提供することができる。位置決め回路11446は、外部装置が適切に配置されていないことを使用者に示すなどのために、RSSが閾値を下回ることに応答してビープ音を鳴らすことができる。位置決め回路11446は、RSSが閾値よりも大きい(または等しい)と判定したことに応答してビープ音を控えることができる。
図99は、一例として、ポケット8806内に単一の外部装置(装置8802)を含むシステム11500の一実施形態のブロック図を示す。図99に示すように、バッテリ11442は、トップカバー10322とボトムカバー10324との間に配置されるように外部装置8802の内部に含めることができる。
図100は、一例として、ポケット8806内に複数の個別の外部装置(装置8802および他の回路11650)を含むシステム11600の一実施形態のブロック図を示す。システム11600は、システム11400に類似しており、システム11600は、外部装置8802内にアンテナ11654のみを含み、残りの回路は、全て外部装置8802の外部にある。アンテナ11654は、他の回路とともにトランシーバ11444の構成要素である。制御回路11652は、トランシーバまたはアンテナに信号を供給して、アンテナに埋め込まれた装置8804などに対して電磁エネルギーを放射させる。1つまたは複数の実施形態において、バッテリ11442および/または回路11650は、身体から熱を放射するのに役立つために、トップカバー10322および/またはボトムカバー10324と同様のトップカバーとボトムカバーとの間に収容されることができる。
アンテナ11654および/または回路11650は、埋め込まれた装置8804に対する外部装置8802の位置の指標を提供することができる。回路11650は、外部装置8802が埋め込まれた装置8804に対して近付く/離れるときに振動を変調させることができるモータを含むことができる。回路11650は、RSSを監視することによって検出されることができるように、患者の身体内の埋め込まれた装置8804が外部装置8802に対して移動する場合、患者に警告を提供することができる。アンテナ11654が電磁エネルギーを放射する周波数は、プログラミング可能である。回路11650は、バッテリ11442から利用可能なエネルギの量を監視することができ、バッテリ11442から利用可能なエネルギの量が指定された閾値を下回った場合、バッテリの警告(例えば、音または振動)を提供することができる。回路11650は、処置のために埋め込まれた装置8804をオンにするための指標を提供することができる。回路11650は、携帯電話からのまたは電子メールによる警告を提供するために、ネットワークに接続されることができる。
外部装置8802などの電力送信機を含む装置は、特に装置が適切に動作するように人体の近傍にある必要がある場合には、慎重に設計されていない限り、人間の皮膚を「過熱」して焼く可能性がある。少なくとも1つの研究からのデータは、約40mW/cm2の「安全な」熱吸収レベルを示す。過熱ポイントの近傍では、追加の10mW/cm2の吸収電力ごとに皮膚温度が約0.80℃上昇する。通常作業中、外部装置8802は、意図された機能を実行する副作用として加熱する。加熱された装置を人間の皮膚に接触させることにより、熱過渡的伝達が開始され、続いて定常状態が開始される。本明細書で述べるように、身体から熱を逃がすように構成された装置とともに使用することができるものなど、装置の周りのポケットもしくはスリーブ、または外部ハウジングを含む装置を使用することにより、痛みおよび/または皮膚の火傷を回避することができる。
定常状態を考慮し、熱的安全性を検証するために、設計者は、完成した装置を周囲空気中に置き、装置を定常状態に加熱し、装置の表面温度を測定し、表面温度を41℃などの「既知安全」温度と比較することができる。測定された温度が「既知安全」または閾値温度未満の場合、設計者は、装置が痛みまたは皮膚の火傷を引き起こさないと結論付けることができる。表面温度を「既知安全」温度と比較することによって装置の熱的安全性を確認することは都合がよいことがあるものの、以下の要因がその適用性を制限することがある:1)人間の皮膚と比較した場合、周囲空気は、試験された装置から熱移動するためのより高い熱抵抗をおそらく提供する;また、2)熱抵抗は、材料または皮膚に直接接触した場合に到達するよりも高い温度に到達するように装置に強いる。周囲空気を使用すると、熱的負荷は、保守的な試験結果を生み出す可能性が高い。しかしながら、装置の性能は、一般に、消費電力の増加にともなって向上するため、試験は不当に保守的である場合がある。皮膚温度応答および外部装置8802の面積あたりの熱出力を知ることにより、結果として生じる皮膚温度は、実際の装置温度を計算または測定することなく計算されることができる。
このサブセクションで述べる1つまたは複数の実施形態によって解決される問題は、所望の解剖学的構造(所望の位置)上に外部電力送信機を都合よく且つ慎重に配置するフォームファクタを有する外部装置を含むことができる。このサブセクションで述べる1つまたは複数の実施形態によって解決される別の問題は、焼けない、加熱しない、および/または患者によって一般に感じない電力送信機の外部ハウジングを含むことができる(例えば、電力送信機が回路10430の一部であり得る)。
フォームファクタは、装置(例えば、埋め込まれた装置)が所望の解剖学的構造の近傍に配置されることができるポケットまたは他の機構を有し且つ外部送信装置および/またはポケット/スリーブが身体から離れて電力伝達装置によって生成される熱を放散することができる下着を含むことができる。外部フォームファクタは、着用可能部品、外部装置8802に電力を供給するバッテリ、内部回路10430の一部であるアンテナ、内部回路10430の一部である電子装置、回路のハウジング(トップカバー10322、ボトムカバー10324、ならびに接続要素11138および11140)、および/またはハウジングを配置するスリーブまたはポケットを含むことができる。
前述したように、人間の皮膚は、装置の表面を介して放散される熱に対して敏感であり得る。したがって、外部装置または人体に近い他の構成要素の皮膚または表面温度は、重要な制約となり得る。外部装置の1つまたは複数の表面の温度は、接触するには高温すぎることがあり、したがって使用者の不快感を招くことがある。例えば、ハウジング表面または裏カバー表面のいずれかに高温があると、使用者が装置の使用を完全に停止する可能性がある。さらに、高温表面は、局所的な皮膚の火傷のために安全上の問題になる可能性がある。したがって、外部装置の最大温度を下げることは、重要な考慮事項となり得る。しかしながら、その際、ハンドヘルド装置の内部温度は、内部構成要素の作業および寿命に有害な影響を及ぼさない温度レベルに保たれる必要があり得る。
1つまたは複数の実施形態の利点は、着用時に患者にとって外部装置の向上した快適性を含むことができる。本明細書で述べるシステムは、空気および水蒸気透過性、迅速な吸湿および搬送能力、湿気のないこと、急速乾燥、および/または皮膚に位置決めされる衣類の層の低い吸水性を含むことができるなど、熱および湿度調整によって能動的に換気することができる。本明細書で述べるシステムは、濡れている場合であっても寸法安定性、耐久性、清掃およびケアの容易性、軽量性、および/または接触に対する柔らかな快適性を有することができる。本システムは、人体から逃げる高い伝熱特性、通気性、軽量性、および耐久性を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、外部装置8802は、左または右のS3孔の上方に位置決めされることができる。S3孔は、通常、肛門の辺縁から約11cm、または尾骨の先端の9cm頭側に配置される。S3孔は、通常、仙骨切痕のレベルで正中線に対して1.5~2cm横方に、または尾骨斜面の約9cm上方に配置される。外部装置8802は、外部装置8802が適切な位置に配置されるときを患者が判断するのに役立つ位置決め回路11446を含むことができる。S3孔は、一般に、S4およびS2孔の上方および下方の1本の指幅にそれぞれ配置される。
バッテリ11442および/または他の回路11650を含むことができるなどの外部装置8802は、ポケット内またはポケットに関して述べた層と同様の層を含むスリーブ内に配置されることができる。防水性にするなどのために、スリーブまたはポケットの内部に線をひくためにポリマーコーティングが使用可能である。1つまたは複数の実施形態において、層5は、外部装置8802を所望の位置に圧縮するために、ある種類の圧縮/弾性バンドを含むことができる。圧縮バンドは、着用可能部品に一体化されることができる。圧縮バンドは、熱放散を可能とするのに十分な大きさの導管(孔)を含むことができる。圧縮バンドは、異なるサイズの複数のチャネルまたはチャネルを有することができる。圧縮バンドは、多様な弾性特性を有することができる。圧縮バンドは、約0.5mm~2mmの厚さ(例えば、0.5~1mm、1mm~1.5mm、1.5mm~2mm、1mm~2mm、0.5mm~1.5mm、これらの重複範囲、または記載された範囲内の任意の値)とすることができる。圧縮バンドは、x方向(使用者の身長に対して垂直)に比べてy方向(使用者の身長に対して平行)においてより大きい導管(例えば、孔)を含むことができる。そのような構成は、バンド内の換気をさらに可能としつつ、バンドの弾性を保つのに役立つことができる。1つまたは複数の実施形態において、バンドの下部分は、装置からの熱が上昇するのを可能とするのに役立つように、(図80に示すような)導管の空隙であってもよい。
1つまたは複数の実施形態において、1つの衣類内の複数の異なる埋め込まれた装置の位置などのために、外部装置を配置する手段を提供などするために、複数のポケット8806があってもよい。1つまたは複数の実施形態において、装置8802のための単一のポケットがある。ポケットは、坐骨切痕の上方に位置決めされるように構成されることができる。ポケットは、左のS3孔の中心から約30mmの横方からS3孔の中心から始まって約30mm右までの幅に広がることができる。1つまたは複数の実施形態において、ポケットは、合計140mm(正中線の右に対して約70mm、および正中線の左に対して約70mm)とすることができる。所望のおよび/または必要とされるように他の寸法(例えば、60mmから200mmの間、60mmから100mmの間、70mmから150mmの間、90mmから180mmの間、100mmから160mmの間、120mmから180mmの間、130mmから150mmの間、140mmから200mmの間、これらの重複範囲、または記載された範囲内の任意の値)が使用されてもよい。1つまたは複数の実施形態において、左のS3孔の上方の後左側に後ポケットおよびS3孔の真上に位置する別の後ポケットを含むことができるように、坐骨切痕の上方および反対側にそれぞれ左ポケットおよび右ポケットを設けることができる。各ポケットは、およそ幅60mm×高さ60mmとすることができる。所望のおよび/または必要とされるように他の寸法または形状(例えば、50mm×50mm、70mm×70mm、60mm×50mm、50mm×60mm)が使用されてもよい。
前述したように、外部装置8802をポケット8806内の適切な位置に保持するために機構が使用されることができる。そのような機構は、外部装置8802または埋込み可能装置8804の機能性を損なうことなく、間欠的な使用者が、外部装置8802を取り除き、外部装置8802を取り替えるのに役立つことができる。取付機構9710A~9710Bは、(例えば、VELCRO(登録商標)ファスナー)、SCOTCHファスナー、または対応するファスナー(例えば、ポケット内の別のVELCRO(登録商標)ファスナー)に固定するためのユニット上の磁石など、布地フックアンドループファスナーなどの機械ベースのファスナーを含むことができる。VELCRO(登録商標)または他のファスナーは、ユニットがその位置に固定されるのを可能とすることができる。外部環境からポケット8806を遮断するために、ジッパー、ガセット、ベローズ、オフセットスリットを有する層、またはポケット8806を折り重ねる余分な材料が使用されることができる。ポケットまたはスリーブの下層は、装置を適所に保持するのに役立つように、粘着性材料によって覆われることができる。層2および/または層3は、外部装置8802を適所に保持するのに役立つように、ゴム/シリコン/粘着性タイプのゲルまたは同様のもので少なくとも部分的に覆われることができる。着用可能部品は、外部装置8802を適所に保持するようにポケット全体をゴム/ゲルで覆うことによって外部装置8802の上方に配置されることができる。
外部装置8802用のスリーブは、外部装置8802を覆うことができるスパンデックスまたはある種のSPANX(登録商標)材料を含むことができる。外部装置8802用のスリーブは、外部装置8802をカプセル化するのに役立つように、フラップを含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、システムは、患者によって着用されるように構成され、それに結合された外部装置を有し、埋め込まれた装置と通信するために無線信号を送信および/または受信するように構成された着用可能部品を含むことができる。着用可能部品は、外部装置が埋込み可能要素に近接するように、S3孔の近傍に(例えば、真上に、下方に、または側面に)外部装置を配置するように取付機構を含むことができる。外部装置8802は、着用可能部品上の複数の位置に配置されることができる。外部装置8802は、埋め込まれた装置に近接して配置可能であり且つ埋め込まれた装置からデータを受信するかまたは埋め込まれた装置8804に電力を送信するように構成されたアンテナを含むことができる。外部装置8802は、着用可能部品上の外部装置8802の適切な位置の可聴または触覚的指標を提供する位置決め回路を含むことができる。外部装置8802は、第1の外部装置とすることができ、システムは、第2の外部装置を含むことができ、第1および第2の外部装置は、互いに連結され、互いに距離をおいて着用可能部品上の複数の位置に位置決め可能である。第2の外部装置は、第1の外部装置に電力を供給するように構成されることができる。第2の外部装置は、可撓性バッテリを装着している使用者の動きに応じて曲がるように構成された可撓性バッテリを含むことができる。着用可能部品は、1つまたは複数の弾性ストラップを含むことができる。着用可能部品は、多様な患者の大きさおよび形状に対応することができる。着用可能部品は、下着、パウチ、ベルト、および接着パッチのうちの1つまたは複数を含むことができる。着用可能部品は、その中に形成された少なくとも1つのポケットを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、少なくとも1つのポケットは、着用可能部品に対して移動可能とすることができる。外部装置8802は、本明細書でに記載されるように、トップカバー10322およびボトムカバー10324を含むことができる。
埋め込まれた神経刺激装置と通信する方法は、外部装置を埋め込まれた神経刺激装置と整列させるように、複数の位置のいずれかにおいて患者によって着用された着用可能部品上にまたは少なくとも部分的に外部装置を位置決めすることと、組織を介して埋め込まれた神経刺激装置に無線信号を伝達するために外部装置を作動させることとを含むことができる。外部装置は、埋め込まれた神経刺激装置に近接して位置決めされ且つ着用可能部品によって取り囲まれた皮膚表面上に位置決めされることができる。着用可能部品は、複数の可撓性ストラップを含むことができ、外部装置は、着用可能部品に取り外し可能に嵌合されて埋め込まれた神経刺激装置の近傍に(例えば、近接して)位置決めされることができる。外部装置は、着用可能部品のポケット内に配置されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、着用可能部品は、SPANX(登録商標)衣類、スパンデックス、ヨガの衣類などのフォームファクタ低減衣服を含むことができる。外部装置8802は、着用可能部品に着用されることができる。着用可能部品の弾性は、外部装置を所望の位置に圧縮するのに十分低いが、患者の快適さのために十分な弾性を有することができる。着用可能部品は、外部装置のためのポケットを含むことができる。ポケット8806は、GORE-TEX(登録商標)材料などの一方向透過性材料を含むことができる。ポケットは、配置の変動性のための取付機構を有する1つの大きなポケットとすることができる。ポケットは、ポケット内にポケットを含むことができるため、患者は、左右の仙骨領域のいずれにとっても着用可能部品をユニバーサルにするために、外部装置をx-y平面内でオフセットすることができる。着用可能部品は、患者のスタイルに合うように多様な形態で提供されることができる。スタイルは、ショーツ、ブリーフ、ヒップスター、トング、ボディスーツ、パンティストッキング、タイツ、または下着とみなされるあらゆる種類の衣服を含む。スタイルのサブカテゴリは、ウエストバンドの高さと脚および臀部のカバレッジの量を含むことができる。
着用可能部品の弾性および材料は、異なる痩せて見えるレベルを可能にすることができる。曲線を滑らかにするために、着用可能部品の材料は、より薄くすることができる。身体を整形するために、弾性レベルは低下させることができ、および/または材料の厚さは増加させることができ、またはこれら2つの任意の組合わせが可能である。さらに多くの圧縮および造形のために、材料は、様々なレベルの快適性を提供するために、より厚くすることができ、および/またはより弾性を少なくすることができ、またはこれら2つの異なる組合わせが可能である。これらの材料の弾性および厚さの組合わせは、患者が多様な快適性レベルから選択し、「トゥーミー-タミング」、「マフィントップ-ダウン」、「ウエスト-ウィッティング」などの審美的に満足できる解決策とすることができる。
布地は、材料を介して身体の発汗からの水蒸気を搬送する(一方向性透過性とする)ことができるとともに、外部装置のためのポケットは、外部液体に対して不透過性のままとすることができる。着用可能部品は、能動的に換気されてもよく、熱および湿度調整を提供してもよく、および/または良好な空気および水蒸気透過性を提供してもよい。1つまたは複数の実施形態において、材料は、機械洗浄可能であり、臭気を保持しなくすることができる。
外部装置を所望の位置に保持するのに役立つことができるポケットの外層は、濡れた場合であっても寸法的に安定であり得る。着用可能部品は、寝巻または活動着として使用することができる。寝巻の場合、スパンデックス材料から作られた所望の位置の上方において腰周りを周回する周方向材料のみの場合のように、ズボンまたはショーツは緩くなり得る。活動着または寝巻のいずれかの周方向弾性部分(例えば、バンド9608)は、腰周りに均一または不均一な高さとすることができる。
着用可能部品の異なる形状、サイズ、およびスタイルの例は、中太腿ショーツ、高太腿ショーツ、高腰ショーツ、および/または中太腿ショーツなどのタイトまたは非タイトショーツ、高腰ブリーフおよび/またはレトロブリーフなどのブリーフ、高ヒップスターパンティ、パンティボーイショーツ、および/またはガールズショーツなどのヒップスター、高腰トングなどのトング、オープンバストボディスーツ、クローズドバスト、および/または中太腿ボディスーツなどのボディスーツ、高腰および/または見せないパンティストッキングなどのパンティストッキングを含む。
一部の患者は、埋め込まれた装置からの持続的な刺激を必要としないかまたは使用しないことがあるが、外部装置8802から埋め込まれた装置8804への間欠的な刺激を使用することができる。これは、少なくとも部分的に、電気刺激の持ち越し効果によるものとすることができる。例えば、患者は、治療の継続的な有効性のために、24時間毎に1時間のみ刺激を必要とすることがある。以下は、間欠的な刺激に特有の設計特徴を有する外部装置を取り巻くいくつかの態様である。
寝巻は、間欠的または持続的な治療などのため、本明細書で述べるようなポケットを含むことができる。制御回路11652は、タイマを含むことができる。制御回路11652は、タイマの開始または終了に応答して、使用者がどのくらい長く外部装置8802を着用するかを知ることができるように、使用者に指標(ノイズ、振動、パルスまたは他の指標)を提供することができる。制御回路11652は、患者が受け取った投与量を追跡することができる。制御回路11652は、次の刺激投与が施されるべきときを患者に知らせるために投与量の減衰を計算することができる。
外部装置8802は、制御回路11652などを介して、装置がどれくらい長く刺激されたかまたはオンにされたかを使用者に知らせることができる。制御回路11652は、適切な刺激「投与量」が達成されたとの判定に応答して、アンテナへの電力の供給を自動的に停止することができる。
スリーブは、取り付けのためのファスナーを有することができ、間欠的な使用のために、使用者は、外部装置8802が位置決め回路11446を含む実施形態のように、ファスナーを棚から外して衣類に留めることができる。制御回路11652は、タイマを使用して、特定時間量電気刺激が埋込み可能装置8804に供給されないのを確実にするのに役立つことができる。
制御回路11652は、ノイズおよび/または振動などを介して、刺激が開始および終了するときを使用者に知らせることができる。制御回路11652は、使用者が外部装置8802を取り外すべきときおよび/または使用者が埋め込まれた装置8804の近傍に外部装置8802を配置するときを指示するように使用者に警告することができる。制御回路11652は、外部装置8802が埋め込まれた装置8804に十分に近接していないと判定したことに応答して、埋め込まれた装置8804の近傍に外部装置8802を置くように使用者を困らせるまたは使用者に警告し続けることができる。1つまたは複数の実施形態において、制御回路11652は、外部装置8802が刺激のために正しく配置されるまで、使用者に常にリマインドすることができる。リマインダは、特定時間量が経過した後に使用者にリマインドするような「スヌーズ」機能を有することができる。制御回路11652は、使用者が警報設定をカスタマイズするなどのために制御回路11652をプログラミングすることができる電話機とインタフェースすることができるBlueTooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、または他の短距離接続回路を含むことができる。
刺激がオンであるかオフであるかにかかわらず、装置を一日中着用する間欠的な使用者のために特定の設定があり得る。外部装置8802は、制御回路11652などを介して、刺激が開始、終了するとき、および/または刺激の継続時間を患者に知らせることができる。外部装置8802は、使用者がモバイル装置(例えば、ソフトウェアアプリケーションプログラムまたはウェブブラウザを介したスマートフォン、タブレット、コンピュータ)を介してアクセスすることができる警告(例えば、電子メール、テキスト、または他の可聴的、視覚的または文書的リマインダ)を送信することができる。警告は、無線ネットワークを介してデータを送信することによって送信されてもよい。制御回路11652などを介して、使用者のカレンダにリマインダを挿入するための設定があり得る。
外部装置8802は、異なる警報を示すために様々な音を有することができる。これらの警報は、モバイル装置(例えば、スマートフォンまたはコンピューティング装置)上のソフトウェアアプリケーション(アプリケーション)を介してプログラミングされることができる。外部装置は、上書きされる前にデータを更新するように、モバイル装置(例えば、電話機)、モバイル装置上のソフトウェアアプリケーション、またはネットワークに接続する前に、特定のデータ量をそのメモリに記憶するのが可能とされる。使用者は、ソフトウェアアプリケーションを使用することなどにより、使用者がどれくらい長く、どれくらいの日数、時間など、埋め込まれた装置を刺激したかを追跡することができる。外部ソース102は、使用者がソフトウェアアプリケーションを使用して選択することができるように、治療計画の選択によって事前にプログラミングされることができる。使用者定義計画もまた、独自のタイミング設定、リマインダ、音、振動、電源オン、電源オフ、設定、刺激スケジュールなどを使用者が定義するのを可能とするように、使用者によってカスタマイズされることができる。ソフトウェアアプリケーションは、機能がソフトウェアアプリケーション上で選択されたときかまたはコマンドがソフトウェアアプリケーションに提供されたときに制御回路11652がピングすることができるなどにより、外部ソース102がどこかなど、(使用者が外部装置8802を誤って配置した場合に)装置をみつける能力を使用者に提供することができる。
制御回路11652は、閾値温度が満たされるかまたは超過した場合に温度センサ読み取り値および外部装置8802への電力切断を監視することを含むことができるなど、外部装置8802の過熱を防止する安全機能を含むことができる。
刺激の電力、持続時間などの刺激設定を調整するために、制御回路11652またはアプリケーションによってパスワードまたは他のセキュリティ機構が必要とされることができる。制御回路11652は、例えば、赤色または緑色とすることができるか、または装置がオン、オフ、もしくは埋め込まれた装置を探索することを示すいずれかの色を含むことができる発光ダイオード(LED)または他の光源を含むことができる。
III.治療および/またはデータ信号構成
A.後方散乱通信技術
図101Aは、一例として、中距離場アンテナ300の様々なクロス構造漏洩経路の実施形態を示す。図101Aの実施形態において、第1、第2、第3および第4のサブ波長構造体301~304のいずれか1つまたは複数は、(例えば、各RFポートを介して別個のまたは離散信号を使用して)励起されることができ、中距離場信号131は、アンテナ300から送信されることができる。第1のサブ波長構造体301が励起される結果として、例えば、アンテナ300の様々なサブ波長構造体が共通基材を共有することができるかまたは電気的に結合されることができることから、1つまたは複数の漏洩信号が他の構造において受信される。例えば、第1のサブ波長構造体301からの漏洩信号は、第1のサブ波長構造体301から第2のサブ波長構造体302に送信され、第3のサブ波長構造体303に送信され、第4のサブ波長構造体304に送信されることができる。同様に、第2のサブ波長構造体302からの漏洩信号は、第2のサブ波長構造体302から第1のサブ波長構造体301に送信され、第3のサブ波長構造体303に送信されることができ、以下同様である。
図101の実施形態において、第1のサブ波長構造体301からの漏洩信号は、第2、第3、および第4のサブ波長構造体302~304に送信されるように示され、第2、第3、および第4のサブ波長構造体302~304のそれぞれからの漏洩信号は、第1のサブ波長構造体301に送信されるように示されている。例示を明確にするために、多くの可能性のある漏洩信号または干渉信号経路のうちのいくつかのみが図101Aに示されている。例えば、第2のサブ波長構造体302から生じるものとして示されている漏洩信号のみが、第2のサブ波長構造体302から第1のサブ波長構造体301に送信される漏洩信号であるが、第2のサブ波長構造体302から生じる別の漏洩信号は、同様に他の構造にも送信される。
クロス構造漏洩は、場合によっては、アンテナ300によって生成されて送信された中距離場信号131に影響を及ぼすために建設的または意図的に使用されることができる。他の例において、クロス構造漏洩は、アンテナ300からRF信号を送信または受信する際に望ましくないかまたは複雑になる可能性がある。様々な要因が、他のサブ波長構造体に対するまたはアンテナ300から送信された中距離場信号131に対する1つまたは複数の漏洩信号の相対的な強度または影響に寄与することができる。例えば、サブ波長構造体の物理的レイアウトまたは幾何学的形状は、構造間の漏洩において強調または非強調されることができる大きさまたは周波数特性に影響を及ぼすことができる。一例において、非対称に配置されたサブ波長構造体を有するアンテナは、対称に配置されたサブ波長構造体を有するアンテナとは異なるクロス構造漏洩効果を呈する。
図101Bは、一例として、アンテナにおける様々なサブ波長構造体間の周波数依存性漏洩経路の実施形態を示すチャートを示す。x軸は、励振周波数を示し、y軸は、相対信号応答振幅をデシベル(dB)で示している。図101Bにおいて、第1のトレース331は、例えば、試験刺激がアンテナ300の他のサブ波長構造体に印加されていない場合、試験刺激に対する第1のサブ波長構造体301の応答に対応する。第1のトレース331は、第1のサブ波長構造体301からどれだけの電力が反射されるかを表す。0dBにおいて、励起電力の全ては、第1のサブ波長構造体301から反射され、アンテナ300からは信号が放射されない。約1.62GHzにおいて、第1のトレース311は約-13dBであり、これは、3dBmの電力または試験刺激が第1のサブ波長構造体301に供給される場合、-10dBmが反射されることを暗示する。残りの電力は、アンテナによって「受け入れられる」かまたはアンテナに供給され、アンテナ300によって信号損失として放射または吸収される。
第2のトレース332は、第1のサブ波長構造体301と第2のサブ波長構造体302との間の漏洩経路に対応する。すなわち、第2のトレース332は、第1のサブ波長構造体301に入力される信号の電力レベルに対する、第2のサブ波長構造体302において受信される信号の電力レベルを示す。例えば、第2のトレース332が0dBである場合、第1のサブ波長構造体301に供給される試験刺激の電力の全てが、第2のサブ波長構造体302に存在する。-10dB(例えば、約1.55GHz)の第2のトレース332の場合、第1のサブ波長構造体301に印加される1ワット(30dBm)の刺激は、第2のサブ波長構造体302において受信される電力の20dBm(または0.1ワット)に対応する。同様に、第3のトレース333は、第1のサブ波長構造体301と第3のサブ波長構造体303との間の漏洩経路に対応し、第4のトレース334は、第1および第4のサブ波長構造体301および304の間の漏洩経路に対応する。
一例において、埋込み可能装置110からの後方散乱信号134は、以下にさらに記載されるように、第1、第2、第3または第4のサブ波長構造体301~304のうちの1つを用いて受信されることができる。後方散乱信号134を受信して処理するとき、サブ波長構造体間の異なる漏洩経路の1つまたは複数に関する情報が考慮されることができる。
図102は、一例として、埋込み可能装置110のアンテナ108がどのようにして信号を受信し、変調し、送信するために使用されることができるかを示すシステムの一実施形態の図を示す。一般に、(例えば、アンテナ300に対応する)送信アンテナ12206上を流れる電流は、第1の送信信号12211と、アンテナ108上などの受信アンテナ上に誘導される電圧とをもたらす。アンテナ108が負荷12250に接続されている場合、アンテナ108に到達する第1の送信信号12211に応答して、アンテナ108と負荷12250との間の信号経路上に、電流12221がアンテナ108において誘導されることができる。アンテナ108における誘導電流12221は、受信アンテナ108からの放射または信号送信をもたらす。アンテナ108からの放射または後方散乱信号12234は、元の送信アンテナ12206に返送され、送信アンテナ12206に電圧を誘導することができる。したがって、送信アンテナ12206上の誘導電圧は、送信アンテナ12206に結合された回路または負荷によって検出されることができる信号を供給することができる。
誘導電流12221は、アンテナ108に結合された負荷12250に基づくことができる。負荷12250の変化は、誘導電流12221の特性に影響を与える可能性があり、ひいては後方散乱信号12234の特性に影響を与える可能性がある。図102において、変調装置12230がアンテナ108に結合され、変調装置12230は、誘導電流12221を変調するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、変調装置12230は、アンテナ108の負荷の一部として機能するように構成されたスイッチまたはトランジスタを含む。トランジスタのゲートが特定の閾値信号、すなわちトランジスタをオンにするのに十分な信号を受信すると、電流信号は、変調装置12230を容易に通過することができる。トランジスタのゲートがオフのとき、電流信号は、変調装置12230を通過しない。誘導電流12221、したがって後方散乱信号12234は、アンテナに与えられる負荷に依存することから、図102の実施形態は、変調装置12230に供給される変調信号12231にしたがって変調後方散乱信号12234を供給することができる。1つまたは複数の実施形態において、変調信号12231は、PWM信号である。1つまたは複数の実施形態において、後方散乱信号12234は、別個の時間に生じる(専用の)高周波数パルスの比較的短いバーストとして供給されることができ、または、後方散乱信号12234は、パルス位置変調またはパルス幅変調信号として供給されることができる。他のデータまたは信号変調方式も同様に使用されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、変調信号12231は、第1の送信信号12211に対して比較的低い周波数の信号とすることができる。したがって、埋込み可能装置などの変調スイッチング制御回路は、第1の送信信号12211のRF搬送波周波数未満とすることができる様々なデータ通信周波数で動作することができる。変調スイッチング制御回路は、比較的低い周波数で動作することができ、これは、RF生成回路を使用する他の装置に対して、埋込み可能装置の省電力化に対応する。
図103は、一例として、埋め込まれた装置に関する情報に基づいて放送信号を更新することを含む方法12300の図を示す。動作12310において、方法12300は、埋め込まれた装置に電力信号および/またはデータ信号を送信することを含む。例えば、動作12310は、外部ソース102のアンテナ300から中距離場信号131を送信することを含むことができる。動作12320において、外部ソース102によって送信された信号は、埋込み可能装置110によって受信されることができる。動作12330において、受信信号の1つまたは複数の特性は、埋込み可能装置110を使用して測定されることができる。例えば、埋込み可能装置110に搭載されたプロセッサ回路(例えば、図5のデジタルコントローラ)を使用するなど、受信した電力信号の大きさまたは電力伝送の効率が測定または計算されることができる。
動作12332において、埋込み可能装置110の動作特性、埋込み可能装置110によって提供される治療、または埋込み可能装置110によって検知される生理学的パラメータのうちの1つまたは複数に関する情報が埋込み可能装置110によって監視されることができる。例えば、電気刺激パラメータに関する情報、電極インピーダンス特性、または他の情報が監視されることができる。動作12340において、動作12330において測定された情報および/または動作12332において監視された情報がデータ信号に符号化され、変調信号12231を生成するために使用されることができる。
動作12350において、符号化された情報は、例えば、後方散乱信号12234を介して埋め込まれた装置110から送信されることができる。動作12360において、符号化された情報は、外部ソース102において受信されることができる。外部ソース102のプロセッサ回路210は、埋込み可能装置110から測定または監視された情報を抽出するように、受信信号を復号するために使用されることができる。1つまたは複数の実施形態において、動作12310において、方法12300は、電力信号および/またはデータ信号伝送特性を更新するために復号された情報を使用することを含むことができる。方法12300は、更新された伝送特性を使用などして後続の電力信号および/またはデータ信号を送信するために動作12310に戻ることができる。
図104は、一例として、無線信号のためのアンテナ信号受信経路を変調することを含む方法12400の一実施形態の図を示す。方法12400は、埋込み可能装置110を使用して外部ソース102によって送信された信号を受信することを含む、動作12320から開始することができる。動作12440において、方法12400は、通信信号における埋め込まれた装置の情報12430を符号化するために、埋め込まれた装置の受信経路を変調することを含む。受信経路の変調は、例えば、変調装置12230を使用してアンテナ108と負荷12250との間の信号経路を変調する図102の例にしたがって実行されることができる。動作12450において、方法12400は、変調にしたがって、受信信号の一部(例えば、外部ソース102のアンテナ300からの第1の送信信号12211)を反射することによって、埋込み可能装置110から信号を送信することを含むことができる。
図105は、中距離場アンテナを励起して後方散乱信号を受信するように構成されたシステムの一実施形態の概略図を例示する。図105の例は、RF入力信号414を供給するように構成されたソースと、アンテナ300などに対してRF駆動信号の複数のインスタンスまたは部分を供給するように構成された電力分配器412またはスプリッタとを含む。この例は、RF駆動信号を変調する変調回路12501と、第1の前置増幅器12502とを含む。この例は、アンテナ300上のRFポートの異なるものそれぞれについての複数の信号を供給するように、RF駆動信号を複数の異なるRF信号に分割する信号スプリッタ12503を含む。
複数の信号チャネルは、信号スプリッタ12503からアンテナ300まで延在することができる。第1の信号チャネルは、第1の移相器回路12505Aおよび第1の増幅回路12506Aを含むことができ、第2の信号チャネルは、異なる第2の移相器回路12505Bおよび異なる第2の増幅回路12506Bなどを含むことができる。したがって、信号スプリッタ12503から延びる信号チャネルのそれぞれは、各RFポートを介してアンテナ300を異なるように励起するために、異なる位相および/または振幅特性を有するように個別に調整または調節されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、第4のチャネルは、信号スプリッタ12503からアンテナ300まで延在し、第4の増幅回路12507およびサーキュレータ12510を含む。サーキュレータ12510は、RF入力信号414を介した励起と後方散乱信号12234の受信との双方のために、第4のRFポート314などの対応するRFポートの使用を可能とするように構成されることができる。サーキュレータ12510による処理の後、アンテナ300から受信した信号は、図106Aの例に示されている。
図105の例は、電力分配器412から加算回路12520へのキャンセル信号経路をさらに含む。キャンセル信号経路は、調節可能増幅回路12512および調節可能移相回路12515を含む。加算回路12520を使用して、キャンセル信号経路からの信号は、加算信号(図106Bを参照)を提供するように(例えば、第4のRFポート314から受信した電気信号を介して)アンテナ300を介して受信した後方散乱信号134と加算されることができる。一例において、キャンセル信号経路は、加算回路12520において、第4のRFポート314を介して受信される予想干渉信号部分と実質的に等しい振幅および逆位相を有する信号を提供する。
1つまたは複数の実施形態において、(例えば、移相回路12515の後に)提供されるキャンセル信号は、-(Lc*[S41P1+S42P2+S43P3])として少なくとも部分的に定義されることができ、ここで、Lcは、サーキュレータからの漏洩であり、Pxは、指定されたポートの送信電力に対応する。したがって、1つまたは複数の実施形態において、アンテナ300の様々なポートの挙動または自己干渉の事前知識に基づいて、適切なキャンセル信号が決定されることができる。図107は、適切なキャンセル信号を選択または決定する一実施形態を示す。
図105の例は、補助信号を電力分配器412から混合回路12530に搬送するように構成された補助信号経路をさらに含む。混合回路12530において、加算回路12520からの加算信号は、補助信号と混合されてデータ信号を提供することができる(図106Cを参照)。
図105の例は、ローパスフィルタ12540、ハイパスフィルタ12550、およびデコーダ回路12560をさらに含む。デコーダ回路12560は、データ信号がフィルタ12540および12550によって処理された後に、データ信号から符号化された情報を抽出するために使用されることができる。フィルタ12540および12550は、ノイズを除去することによってデータ抜去を容易にするためにデータ信号を「クリーンアップ」するのに役立つ(図106Dを参照)。例えば、フィルタは、受信信号をRF搬送波と混合した結果として生成される様々な高調波をフィルタリングして実質的に除去するために使用されることができる。
図106A~図106Dは、一例として、図105のシステムの異なる部分に対応する実施形態の信号図を示す。例えば、図106Aに示す信号図は、図105の「106A」の部分に対応し、図126Bに示す信号図は、図105の「106B」の部分に対応し、以下同様である。図106A~図106Dにおいて、f0は、上述したアンテナ300の相互結合および漏洩効果に起因するような自己干渉または漏洩信号の中心周波数に対応する。漏洩信号の側波帯は、後方散乱信号12234の成分を含む。これらの側波帯は、一般に、f0-fBSおよびf0+fBSを中心としている。1つまたは複数の実施形態において、f0は、約915MHzであるが、他の中心周波数(例えば、860~960MHzもしくはその付近、2.45GHzもしくはその付近、または402MHzから約405MHzもしくはその付近、または他の周波数)が使用されることもできる。後方散乱信号12234は、例えば40~320kHzに応じて変調されることができるが、他の変調周波数(例えば、40から100kHzの間、60から200kHzの間、100から300kHzの間、150から250kHzの間、200kHzから300kHzの間、150kHzから320kHzの間、これらの重複範囲、または記載された範囲内の任意の値)が使用されることもできる。1つまたは複数の実施形態において、fBSにおける後方散乱信号は、f0における自己干渉信号よりも約80~100dB低くすることができる。したがって、解決すべき課題は、自己干渉信号を抑制し、後方散乱信号からデータを抜去することを含む。解決策は、図105の回路を使用して、キャンセル信号および補助信号を導入して、アンテナ300自体の自己干渉に関連する後方散乱信号の一部をキャンセルすることを含む。すなわち、アンテナ300のポート間の結合による自己干渉が顕著になることができ、自己干渉は、RFソースからの逆信号(例えば、自己干渉信号と180度位相がずれている)を使用して予測およびキャンセルされることができる。
一実施形態において、図106Aは、側波帯および搬送波周波数を含む(例えば、情報を符号化するための)特定の変調方式にしたがって変調された通信信号を表す。図106Bは、変調された通信信号と、通信信号と180度位相がずれたキャンセル信号との組合わせを表すことができる。キャンセル信号は、キャンセル信号経路内の調節可能増幅回路12512および調節可能移相回路12515の特性に基づいて選択または調整されることができる。したがって、f0における漏洩信号は、ハイパスフィルタによって抽出できる側波帯を有するDC信号に低減することができる。1つまたは複数の実施形態において、変調された通信信号とキャンセル信号との組合わせは、後方散乱信号の信号対雑音比を約30dB以上(例えば、20から40dB、25から35dB、30から40dB、20から30dB、これらの重複範囲、または記載された範囲内の任意の値)に向上させることができる。
1つまたは複数の実施形態において、図106Cは、補助信号経路からの補助信号(例えば、キャリア信号)と混合された後の通信信号を表す。混合信号は、フィルタリングすることができる様々な高調波信号成分を含む。図106Dは、埋込み可能装置110によって符号化された情報を検索するために、プロセッサ回路210を使用などして、さらに分析または処理されることができるフィルタリングされた後方散乱信号を表すことができる。データ信号成分を復元するために、さらなるアナログおよび/またはデジタルフィルタリングが実行されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、アンテナ300の結合特性または自己干渉を記述するために初期モデルが生成されることができる。その初期モデルから、位相における僅かな摂動が信号内に注入され、アルゴリズムにおいてキャンセルの層を生成することができる。例えば、図107は、一例として、キャンセル信号の振幅および/または位相特性を調整することを含む方法12700の一実施形態の図を示す。
12710において、図107の方法は、キャンセル信号を提供するために、調節可能増幅回路12512の利得特性を初期利得レベルに設定すること、および/または調節可能移相回路12515の移相特性を初期移相レベルに設定することを含む。動作12720において、キャンセル信号の有効性を判定するために、外部ソース102が後方散乱信号12234を受信したときに、受信信号のDC成分が測定されることができる。動作12725において、測定されたDC信号の振幅特性が閾値と比較されることができる。DC信号が閾値マージン内にある場合、初期利得レベルおよび/または初期移相レベルが基準として設定され、さらなる信号処理に使用されることができる。DC信号が閾値マージン外にある場合、動作12730において、初期利得レベルおよび/または初期移相レベルは、同時にまたは順番になど、変更または摂動されることができる。
利得および/または移相特性が摂動された後、本方法は、DC成分を再び測定することによって動作12740において継続することができる。動作12745において、DC信号レベルが減少しない場合、動作12750において、本方法は、以前の利得および/または移相レベルに戻り、利得および/または移相をさらに調整するために動作12730に戻る。動作12745において、DC信号レベルが減少した場合、本方法は、動作12747に進み、DC信号レベルが指定された閾値マージン内にあるかどうかを検査する。信号が特定のマージン内にない場合、本方法は、利得および/または移相をさらに調整するために動作12730に戻る。動作12747において信号が指定されたマージン内にある場合、本方法は、動作12760に続く。動作12760において、調整された利得および/または移相レベルは、後方散乱信号12234からデータを復元する際の基準として設定されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、アンテナ300の結合または自己漏洩特性に基づく自己妨害伽セルアルゴリズムは、(1)アンテナ300の異なるポート間の初期結合または漏洩特性を仮定することと(例えば、図3の例を参照)、(2)漏洩特性を適合またはモデル化するためのn次多項式を決定することと、(3)外部ソース102を使用して、埋込み可能装置110にコマンドを送信して、予想される位相摂動を外部ソース102によって受信されるべき後方散乱信号に導入すること(位相ジッタ変調としても知られているそのような低レベル位相変調は、規則的パターンまたは疑似ランダムパターンの形態とすることができ、または後方散乱回路は、0~1MHzの範囲における変調を含むような、受信アンテナをデチューンするためのスイッチによって後方散乱信号を変調することにより、(例えば、完全変調深度を有する)後方散乱信号のOOK変調を使用することができる)と、(4)関心のある信号を取得するために外部ソース102において受信した後方散乱信号から位相ジッタを減算すること(例えば、OOK法において、受信信号は、送信器搬送波RF信号と混合され、変調信号を抽出するためにフィルタリングされることができる)と、(5)例えば、埋込み可能装置110に対して異なる位相ジッタ命令を送信するように外部ソースに命令することにより、劣化した受信信号に適合させるように、外部ソース102を更新することとを含む。単一の外部ソース102によって給電される複数の埋込み可能装置を含む1つまたは複数の実施形態において、各埋込み可能装置110は、固有の識別コードを有することができ、外部ソース102は、固有の位相ジッタコマンドを各埋込み可能装置110に送信することができる。
B.無線埋込み可能装置のための能動的電力管理技術
このサブセクションにおいて、埋込み可能装置を使用して治療を提供または供給するためのシステム、装置、および方法が一般に記載される。1つまたは複数の実施形態において、治療は、身体内の1つまたは複数の神経標的に提供される電気刺激治療を含む。1つまたは複数の実施形態において、電気刺激治療は、中距離場送信機(例えば、ソース102などの外部ソース)から電力信号およびデータ信号を無線で受信する埋込み装置を使用して提供される。
外部中距離場カプラから1つまたは複数の埋め込まれた神経性刺激装置および/または1つまたは複数の埋め込まれたセンサ装置に対して電力および/またはデータを通信などするために、中距離場送信機および受信機を使用して電力および/またはデータを通信することを含む現在の満たされていないニーズが存在する。
1つまたは複数の実施形態において、複数の装置は、患者の組織に埋め込まれ、治療を供給するおよび/または患者に関する生理学的情報を検知するように構成されることができる。複数の埋め込まれた装置は、1つまたは複数の外部装置と通信するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の外部装置は、同時にまたは時間多重化(例えば、「ラウンドロビン」)様式などで、複数の埋め込まれた装置に対して電力信号および/またはデータ信号を提供するように構成される。提供された電力信号および/またはデータ信号は、信号を埋込み可能装置に効率的に伝達するために、外部装置によって操舵されるかまたは導かれることができる。本開示は、電力信号またはデータ信号に具体的に言及することもあるが、そのような言及は、電力信号およびデータ信号の一方または双方を任意に含むものとして一般的に理解されるべきである。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、それらが以下の利益のうちの1つ、複数、または全てを含むことから、特に有利である:(i)組織表面においてエバネッセント場を変調するためにRF信号を提供し、それによって埋め込まれた標的装置に電力信号および/またはデータ信号を送信するように組織内の伝搬場を生成するように構成された能動的な中距離場トランシーバを動的に構成可能であること;(ii)リモートRF信号を受信し、それに応答して、埋め込まれた標的装置に対して電力信号および/またはデータ信号を送信するなどのために、組織表面においてエバネッセント場を変調するためにRF信号を提供し、それによって組織内に伝播場を生成するように構成された実質的に受動的な中距離場トランシーバまたはレンズを動的に構成可能であること;(iii)1つまたは複数のRF信号の受信特性または送信特性を変更するための同調デバイス;(iv)以前または現在の信号送信アクティビティに基づいて1つまたは複数の信号受信または送信特性を更新または調整するためのフィードバック回路;(v)1つまたは複数の他の中距離場装置または埋め込まれた装置からの情報に基づいて電力送信レベルを変更することができる調節可能な中距離場および遠距離場RF信号ソース;(vi)同時にまたは異なる時間区間などで、共通ソース装置を使用して複数の標的装置に電力信号および/またはデータ信号を提供すること;(vii)組織に埋め込まれた標的装置への信号送信の質を判定するために後方散乱信号情報を検知すること;および/または(viii)複数の異なるソース装置を使用して1つの標的装置に電力信号および/またはデータ信号を提供すること。
1つまたは複数の実施形態において、回路500の他の構成要素のうち、デジタルコントローラ548、増幅器555、および/または刺激駆動回路556は、ステートマシン装置の一部を備えることができる。デジタルコントローラ548、増幅器555、および/または刺激駆動回路556については、図5を参照されたい。ステートマシン装置は、パッド536を介して電力信号およびデータ信号を無線で受信し、それに応答して、出力534の1つまたは複数を介して電気刺激信号を放出または提供するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、そのようなステートマシン装置は、利用可能な電気刺激設定またはベクトルに関する情報を保持する必要はなく、その代わりに、無線送信機からの命令の受信の実質的に直後に応答して電気刺激事象を実行するかまたは提供する。
例えば、ステートマシン装置は、特定の時間にまたは何らかの特定の信号特性(例えば、振幅、継続時間など)を有する神経性電気刺激治療信号を送達するための命令を受信する構成されることができ、ステートマシン装置は、治療信号を開始または送達することによって応答することができる。その後の時間において、装置は、治療を終了させる、信号特性を変更する、または他の何らかのタスクを実行するための後続の命令を受信することができる。したがって、装置は、実質的に受動的であるか、または同時に受信した命令に応答するように任意に構成されることができる。
本明細書に記載された中距離場ソース装置のいくつかの実施形態において、入力ポート信号の振幅および位相によって提供される自由度を使用して、ソースの機械的再構成なしでなど、標的または集束領域が調整されることができる。そのような場の指向または集束は、ソースが(例えば、呼吸または心拍に起因する)律動的な動きで臓器と相互作用するように構成された埋込み可能装置に電力を供給するために、1つまたは複数の埋込み可能装置に電力を供給するために、または身体内で移動可能な埋込み可能装置に電力を供給するために使用されることができる用途において有益であり得る。
集束領域をシフトさせるために、異なるサブ波長構造体(例えば、同じまたは異なるソース装置の一部であるサブ波長構造体)の励起信号特性は、様々な場パターンが提供されるのを可能とするように、リアルタイムなどで、構成および再構成されることができる。
図108は、一例として、電力信号および/またはデータ通信信号を(それぞれ)複数の標的装置に選択的に提供するためのシステム7600の一実施形態の図を示す。システム7600は、ソース102(図1を参照)に含まれるかまたは使用されることができるようなアンテナ300(図3を参照)を含む。アンテナ300は、電力信号および/またはデータ信号を、第1の標的装置7611および第2の標的装置7612の一方または双方に通信するように構成されることができる。すなわち、外部中距離場装置(例えば、他の図のうちの図4に示すように、アンテナ300またはそれに電気的に結合されることができる回路)は、外部組織表面またはその近傍のエバネッセント場を操作して、第1および/または第2の標的装置7611および7612などに対して組織内の無線電力信号および/またはデータ信号を直接送信するように構成されることができる。図108において、第1および第2の標的装置7611および7612は、治療送達装置またはセンサ装置であり、それぞれが複数の電極E0、E1、E2およびE3を含む。他の標的装置も同様に使用されることができ、電極の異なる数のおよび/または構成を有することができる。第1の標的装置7611および第2の標的装置7612は、埋込み可能装置110、600、700、または本明細書で述べる他の埋込み可能装置と類似または同一とすることができる。
1つまたは複数の実施形態において、外部中距離場装置は、異なる重複しない時間区間で、第1および第2の標的装置7611および7612に信号を通信する。例えば、外部中距離場装置は、第1の区間Δt1および第3の区間Δt3の間に第1の標的装置7611との間で信号を送信および/または受信することができ、外部中距離場装置は、第2の区間Δt2および第4の区間Δt4の間に第2の標的装置7612との間で信号を送信および/または受信することができる。外部中距離場装置は、異なる時間に異なる標的に異なる信号を提供するアンテナ300により、ラウンドロビン方式で電力および/またはデータを通信することができる。必要に応じて、外部中距離場装置は、異なる通信間隔中にブランキング期間または遅延を提供する。通信間隔を示す一例が図109に図式的に示されている。
図109は、一例として、異なる時間に異なる標的装置に電力信号および/またはデータ信号を通信するために異なる信号特性を使用することを含む方法の一実施形態の図を示す。図109の方法において、外部中距離場装置は、図1のソース102に対応する。すなわち、外部中距離場装置は、各RF駆動信号によって別個に励起されることができる4つのサブ波長構造体を含む。1つまたは複数の実施形態において、図4の例からの増幅器408A~408Dおよび/または移相器410A~410Dは、サブ波長構造体のそれぞれに個別のRF駆動信号を提供などするように外部中距離場装置のサブ波長構造体にそれぞれ結合されることができる。外部中距離場装置のサブ波長構造体は、電力および/またはデータ通信信号を組織内の様々な標的に導くなどのために、エバネッセントおよび伝搬波にともに影響を及ぼすことができるRF信号の組を送信するために、同時に励起されることができる。
図109は、外部中距離場装置から第1および第2標的装置7611および7612の一方または他方に順次送信される第1、第2、第3および第4の信号S1、S2、S3およびS4をそれぞれ含む一連の信号を示す。信号S1-S4のそれぞれは、トランシーバが組織表面においてエバネッセント場に影響を及ぼし、その結果、指定された標的に向かって導かれたまたは集束された伝播信号を生成するように特定の態様で構成されているとき、外部中距離場装置によって送信されることができる。例えば、第1の送信区間Δt1の間および第3の送信区間Δt3の間に、外部中距離場装置は、それぞれ、第1および第3の信号S1およびS3を第1の標的装置7611に送信するように構成される。
図109において、外部装置送信信号は、一般に、RF信号またはRF信号の組が指定された区間で送信されることを示している。外部装置送信信号は、矩形波として示されているが、様々な指定された区間に送信される他の時間変化信号または静的信号を表すことができる。例えば、第1の信号S1は、第1の送信区間Δt1の間に提供される第1のデューティサイクルを有する第1のPWM信号に対応することができ、第2の信号S2は、第2の送信区間Δt2の間に提供される第2のデューティサイクルを有する異なるPWM信号に対応することができる。他の信号種類も同様に使用することができる。
第1の送信区間Δt1および第3の送信区間Δt3の間、外部中距離場装置は、第1の信号S1または第3の信号S3を第1の標的装置7611に送信するために、基準位相角ΦRefを有することができ且つ増幅器電力飽和レベルPsatで提供されることができるような基準RF駆動信号を使用してそのサブ波長構造体の第1のもの(「構造体1」)を励起するように構成される。第1の送信区間Δt1および第3の送信区間Δt3の間、外部中距離場装置は、基準RF駆動信号の移相されたバージョンを使用して、第2、第3および第4のサブ波長構造体(「構造体2」、「構造体3」、「構造体4」)を励起するように構成される。例えば、第2のサブ波長構造体は、基準からΦ1-Dev1だけ移相された励起信号を受信することができ、第3のサブ波長構造体は、基準からΦ2-Dev1だけ移相された励起信号を受信することができ、第4のサブ波長構造体は、基準からΦ3-Dev1だけ移相された励起信号を受信することができる。1つまたは複数の実施形態において、Φ1-Dev1、Φ2-Dev1、およびΦ3-Dev1のうちの任意の2つまたはそれ以上は、同じまたは異なる移相の大きさを指すことができる。
1つまたは複数の実施形態において、サブ波長構造体のそれぞれは、異なる電力特性を有するRF駆動信号を受信することができる。第1から第4のサブ波長構造体に供給される任意の1つまたは複数の信号は、各増幅器電力飽和レベルで、または他の何らかの電力レベルで提供されることができる。1つまたは複数の実施形態において、サブ波長構造体に結合される各増幅器は、増幅器の飽和電力を変更するように調整される電流源を有することができる。その結果、1つまたは複数の構造は、異なる電力レベルで駆動されることができるが、各駆動信号は、飽和状態で供給されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、第1の送信区間Δt1の間に送信される第1の信号S1は、第3の送信区間Δt3の間に第3の信号S3として送信されるのと同じ電力信号および/またはデータ信号である。1つまたは複数の実施形態において、第1の信号S1は、第3の信号S3とは異なる。すなわち、第1の信号S1および第3の信号S3は、異なるレベルの電力を含むことができ、および/または外部中距離場装置から第1の標的装置7611に送信される異なるデータまたは情報を含むことができる。
第2の送信区間Δt2および第4の送信区間Δt4の間、外部中距離場装置は、第2の信号S2および第4の信号S4を第2の標的装置7612に送信するために、増幅器飽和レベルPsatで提供されることができる基準RF駆動信号を使用してそのサブ波長構造体の第1のものを励起するように構成される。第2の標的装置7612は、第1の標的装置7611の位置以外の位置にあることができる。第2の送信区間Δt2および第4の送信区間Δt4の間、外部中距離場装置は、基準RF駆動信号の移相バージョンを使用して、第2、第3および第4のサブ波長構造体を励起するように構成される。例えば、第2のサブ波長構造体は、基準からΦ1-Dev2だけ移相された励起信号を受信することができ、第3のサブ波長構造体は、基準からΦ2-Dev2だけ移相された励起信号を受信することができ、第4のサブ波長構造体は、基準からΦ3-Dev2だけ移相された励起信号を受信することができる。1つまたは複数の実施形態において、Φ1-Dev2、Φ2-Dev2、およびΦ3-Dev2のうちの任意の2つまたはそれ以上は、同じまたは異なる移相量を指すことができる。1つまたは複数の実施形態において、外部中距離場装置から送信された場が第1および第2の信号S1およびS2の送信中にエバネッセント場に異なる影響を与え、第1および第2の標的装置7611および7612に向かってそれぞれ異なって伝搬波を導くように、Φ1-Dev2、Φ2-Dev2、またはΦ3-Dev2のうちの少なくとも1つは、対応するΦ1-Dev1、Φ2-Dev1、およびΦ3-Dev1とは異なる。
図110は、一例として、複数の標的装置から電力伝達効率情報を受信することを含む方法7800の一実施形態の図を示す。動作7810において、本方法は、第1の組のRF信号を生成することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、図4を参照すると、第1の組のRF信号を生成することは、RF入力信号414を分割し、外部中距離場装置などの送信機またはトランシーバ内の1つまたは複数の出力ポートまたはサブ波長構造体に対して、基準信号の位相変調されたおよび/または振幅変調されたバージョンを含むなどの複数の別個の信号を提供することを含むことができる。動作7820において、本方法は、それぞれ別個のRF信号を使用して外部中距離場装置内の複数の異なるサブ波長構造体を励起することによって、第1の組のRF信号を送信することを含むことができる。
動作7830において、及び動作7820において第1の組のRF信号を送信することに応答して、本方法7800は、第1の標的装置7611などの標的装置において第1の信号を受信することを含むことができる。受信した第1の信号は、外部中距離場装置からのRF信号の送信された組の少なくとも一部を含むことができる。すなわち、外部中距離場装置によって送信されたRF信号の組は、伝播波信号を生成することができ、その伝播波信号の少なくとも一部は、標的装置(例えば、埋込み可能装置)において受信回路(例えば、(図5の例の復調器544の一部または整流器546の一部を備える)によって受信されることができる。
動作7835において、本方法は、第1の標的装置7611において受信した第1の信号などに基づいて、外部中距離場装置において信号伝達品質指標を受信することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、信号伝達品質指標は、第1の標的装置7611から外部中距離場装置に送信される(例えば、RF、近接場、光、または他の通信チャネルを使用して送信される)データ信号を含む。データ信号は、受信した電力量に関する情報、および/または動作7830において受信したデータの品質またはコヒーレンスに関する情報を含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、信号伝達品質指標は、動作7820において第1の組のRF信号を送信することと実質的に同時に、外部中距離場装置において後方散乱信号を受信することを含む。動作7835において、受信した後方散乱信号は、第1の標的装置7611によって受信された、送信されたRF信号の第1の組の一部に関する情報を含むことができる。すなわち、受信した後方散乱信号の特性に基づいて、外部中距離場装置は、どれくらい多くの送信された電力信号が第1の標的装置7611において受信されたかを判定するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、後方散乱信号の振幅は、標的装置において受信した電力量に比例することができる。1つまたは複数の実施形態において、後方散乱信号の振幅に基づいて、または受信信号伝達品質指標に基づいて、電力伝達効率特性が判定されることができる。
動作7840において、第2の標的装置7612との電力および/またはデータ通信のために外部中距離場装置を再構成するように、外部中距離場装置の1つまたは複数のパラメータが更新または調整されることができる。例えば、動作7840において信号発生器パラメータを更新することは、外部中距離場装置のサブ波長構造体に結合された1つまたは複数のRF信号チャネルに関連する位相変調または振幅変調特性を更新することを含むことができる。動作7850において、方法7800は、更新された信号発生器パラメータを使用して第2の組のRF信号を生成することを含む。図110において、動作7850において生成された第2の組のRF信号は、動作7810において生成された第1の組のRF信号とは異なる。すなわち、第1の組のRF信号のうちの少なくとも1つの信号は、第2の組のRF信号のうちの少なくとも1つの信号とは異なる特性(例えば、振幅、周波数、位相、形態など)を含む。動作7860において、方法7800は、同じ外部中距離場装置を使用などして、第2の組のRF信号を送信することを含む。1つまたは複数の実施形態において、同じトランシーバが使用されるが、動作7810および7860において第1および第2の組のRF信号を送信するために異なる励起ポートおよび/またはサブ波長構造体が使用される。
動作7870において、動作7860において第2の組のRF信号を送信することに応答して、方法7800は、第2の標的装置7612などの標的装置において第2の信号を受信することを含むことができる。受信した第2の信号は、外部中距離場装置から送信された第2の組のRF信号の少なくとも一部を含むことができる。すなわち、外部中距離場装置によって送信された第2の組のRF信号は、伝播波信号を生成することができ、その伝播波信号の少なくとも一部は、第2の標的装置7612において受信回路(例えば、図5の例の復調器544または整流器546の一部を備える)によって受信されることができる。
動作7875において、方法7800は、第2の標的装置7612において受信した第2の信号に基づいて、外部中距離場装置において信号伝達品質指標を受信することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、信号伝達品質指標は、第2の標的装置7612から外部中距離場装置に送信される(例えば、RF、近接場、光、または他の通信チャネルを使用して送信される)データ信号を含む。データ信号は、受信した電力量に関する情報、および/または動作7870において受信したデータの品質またはコヒーレンスに関する情報を含むことができる。
図111は、一例として、標的装置から受信したデータ信号に基づいて、RF信号の組内の少なくとも1つの信号の特性を更新することを含む方法7900の一実施形態の図を示す。動作7910において、方法7900は、中距離場送信機を使用して第1の組のRF信号を送信することを含む。例えば、送信は、それぞれ別個のRF信号を使用して外部中距離場装置内の複数の異なるサブ波長構造体を励起することを含むことができる。
動作7920において、動作7910において第1の組のRF信号を送信することに応答して、方法7900は、第1の標的装置7611などの標的装置において第1の信号を受信することを含むことができる。受信した第1の信号は、外部中距離場装置からのRF信号の送信された組の少なくとも一部を含むことができる。すなわち、動作7910において外部中距離場装置によって送信されたRF信号の組は、伝播波信号を生成することができ、その伝播波信号の少なくとも一部は、第1の標的装置7611において受信回路(例えば、図5の例の復調器544または整流器546の一部を備える)によって受信されることができる。
動作7930において、方法7900は、第1の標的装置7611を使用して神経性電気刺激治療信号を送達することと、動作7920において受信した第1の信号の少なくとも一部を使用することとを含むことができる。例えば、動作7920において受信した第1の信号は、1つまたは複数のコンデンサを使用することなどにより、第1の標的装置7611によって少なくとも一時的に記憶されることができる電力信号を含むことができる。電力信号は、例えば、第1の標的装置7611の1つまたは複数の電極(例えば、E0-E3)に結合されることができる刺激駆動回路556に供給されることができる。刺激駆動回路556は、電気刺激信号を供給して治療を提供するために電力信号を使用することができる。
動作7940において、方法7900は、第1の標的装置7611から外部中距離場装置に対してデータ信号を供給することを含むことができる。データ信号は、動作7930において送達された治療信号に関する情報を含むことができ、またはデータ信号は、とりわけ、第1の標的装置7611の状態に関する情報を含むことができる。例えば、データ信号は、外部中距離場装置から第1の標的装置7611への追加の電力信号伝達を要求または供給するかどうかまたはそのときを判定するために、第1の標的装置7611および/または外部中距離場装置によって使用されることができるようになど、残りのまたは利用可能な電力に関する情報を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、データ信号は、動作7920において受信した第1の信号の品質に関する情報を含む。品質情報に基づいて、外部中距離場装置は、後続の送信の品質を向上させるために装置パラメータを更新または調整することができる。
例えば、動作7950において、外部中距離場装置は、動作7940において第1の標的装置7611によって提供されるデータ信号に基づいて、第1の組のRF信号におけるRF信号の少なくとも1つの特性を更新することができる。特性を更新することは、信号振幅、周波数、位相、形態、または第1の組のRF信号における少なくとも1つの信号の他の特性のうちの1つまたは複数を変更することを含むことができる。RF信号の組における信号の少なくとも1つが変更されると、組織表面のエバネッセント場は、組織内の伝播波を異なる方向に導くなど、異なるように操作されることができる。
図112は、一例として、後方散乱信号に基づいてRF信号の組における少なくとも1つの信号の特性を更新することを含むことができる方法8000の一実施形態の図を示す。動作8010において、方法8000は、中距離場送信機を使用して第1の組のRF信号を送信することを含む。例えば、送信は、組織内に伝搬場を生成するために、それぞれ別個のRF信号を使用して、外部中距離場装置内の複数の異なるサブ波長構造体を励起することを含むことができる。
動作8020において、方法8000は、動作7920において上述したように、第1の標的装置7611において第1の信号を受信することを含むことができる。動作8020と実質的に同時に、および動作8025において、外部中距離場装置は、送信された第1の組のRF信号に応答して、動作8010において、後方散乱信号を受信することができる。後方散乱信号は、送信された第1の組のRF信号の拡散部分を含むことができる。第1の標的装置7611の状態(例えば、第1の標的装置7611が送信モードまたは受信モードにある)に基づいて、第1の標的装置7611は、送信機または外部中距離場装置に向かって反射または後方散乱された第1の組のRF信号の一部に影響を与えるかまたは変調することができる。1つまたは複数の実施形態において、後方散乱信号は、第1の標的装置7611における受信電力に比例する。
動作8050において、動作8025において受信した後方散乱信号に基づいて、方法8000は、送信された第1の組のRF信号におけるRF信号の少なくとも1つの特性を更新することを含むことができる。例えば、後方散乱信号が予想された振幅以外の振幅を有する場合、外部中距離場トランシーバは、第1の標的装置7611に向かって伝搬波を導くように、第1の組のRF信号におけるRF信号の1つまたは複数の特性を変更することができる。
図113は、一例として、標的装置から受信したデータ信号に基づいてRF信号の組における少なくとも1つの信号の特性を更新することを含む方法8100の実施形態の図を示す。動作8110において、方法8100は、中距離場送信機(例えば、アンテナ300、ソース102、または本明細書で述べる他の中距離場装置)を使用して、第1の組のRF信号を送信することを含む。例えば、送信は、組織内に伝搬場を生成するために、それぞれ別個のRF信号を使用して、外部中距離場装置内の複数の異なるサブ波長構造体を励起することを含むことができる。
動作8120において、及び動作8110において第1の組のRF信号を送信することに応答して、本方法8100は、第1の標的装置7611および第2の標的装置7612などの第1および第2の標的装置において第1の信号を受信することを含むことができる。第1の信号は、第1および第2の標的装置7611および7612によって実質的に同時に受信することができる。受信した第1の信号は、外部中距離場装置からのRF信号の送信された組の少なくとも一部を含むことができる。すなわち、外部中距離場装置によって送信されたRF信号の組は、伝搬波信号を生成することができ、その伝播波信号の少なくとも一部は、標的装置において各受信回路(例えば、図5の例の復調器544または整流器546の一部を備える)によって受信されることができる。
動作8140において、方法8100は、第1の標的装置7611および第2の標的装置7612の一方または双方から外部中距離場装置に対してデータ信号を供給することを含む。1つまたは複数の実施形態において、データ信号は、標的装置の状態、または標的装置の一方または双方から供給される治療に関する情報を含む。例えば、データ信号は、外部中距離場装置から第1の標的装置7611への追加の電力信号を要求または供給するかどうかまたはそのときを判定するために、第1の標的装置7611および/または外部中距離場装置によって使用されることができるようになど、残りのまたは利用可能な電力に関する情報を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、データ信号は、動作8120において標的装置の一方または双方によって受信した第1の信号の品質に関する情報を含む。品質情報に基づいて、外部中距離場装置は、後続の伝播波信号を第1および第2の標的装置7611および7612のうちの一方または他方に向かって導くかまたは操舵することなどによって後続の送信の品質を向上させるために装置パラメータを更新または調整することができる。
1つまたは複数の実施形態において、動作8150において、外部中距離場装置は、動作8140において第1または第2の標的装置7611および7612によって供給されるデータ信号の一方または双方に基づいて、第1の組のRF信号におけるRF信号の少なくとも1つの特性を更新することができる。特性を更新することは、信号振幅、周波数、位相、形態、または第1の組のRF信号における少なくとも1つの信号の他の特性のうちの1つまたは複数を変更することを含むことができる。RF信号の組における信号の少なくとも1つが変更されると、組織表面のエバネッセント場は、組織内の伝播波を異なる方向に導くなど、異なるように操作されることができる。例えば、動作8150において信号特性を更新した結果として、第1および第2の標的装置7611および7612の一方のみに対するまたは他方の装置に対する電力信号またはデータ信号の送信を導くように、異なる第2の組のRF信号が外部中距離場装置によって供給されることができる。
図114は、一例として、リモートRFソースおよび中距離場装置を使用して複数の標的装置に対する電力および/またはデータ通信を選択的に提供するためのシステム8200の一実施形態の図を示す。システム8200は、リモート・フィールド・ソース8220、外部装置8205、および複数の標的装置を含む。外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220から場または電磁のリモート信号を受信し、受信信号を変調し、それに応答して、電力信号および/またはデータ信号を第1の標的装置7611および第2標的装置7612に通信するように構成されることができる。すなわち、外部装置8205は、第1および/または第2の標的装置7611および7612などに対して、組織内の無線電力信号および/またはデータ信号の送信を導くために、外部組織表面またはその近傍のエバネッセント場を操作するように構成されることができる。外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220からリモート信号を受信することと同時にまたは非同期に、標的装置に電力信号および/またはデータ信号を通信するように構成されることができる。
リモート・フィールド・ソース8220は、外部装置8205によって受信および/または変調されることができる電磁場またはリモートRF信号(ここでは、「リモート信号」)を提供するように構成されることができる。リモート・フィールド・ソース8220は、制御回路8221からの命令に基づいて1つまたは複数のRF信号を生成するように構成されたRF生成回路8222を含むことができる。制御回路8221は、振幅、周波数、位相、波形形態、または他の信号パラメータ情報を含むことができるような信号パラメータ情報をRF生成回路8222に提供することができる。リモート・フィールド・ソース8220は、信号パラメータ情報を記憶するようにおよび/または信号生成をトリガするように、制御回路8221およびRF生成回路8222のうちの1つまたは複数とデータ通信するメモリ回路8224またはクロック回路8225をさらに含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、リモート・フィールド・ソース8220は、制御回路8221を使用して1つまたは複数の信号パラメータを変更し、それによって提供されるリモート信号の特性を変更することができるフィードバック制御回路8223を含む。1つまたは複数の実施形態において、リモート・フィールド・ソース8220は、複数のRF出力を含み、複数の出力は、独立して励起されることができる。複数の出力は、同時にまたは別個に励起されることができる。1つまたは複数の実施形態において、各出力は、出力されたリモート信号の特性を変更するために使用されることができる異なる移相器8226A~8226Dに結合される。増幅器または減衰器回路などのように、出力においてまたは出力前に他の信号変更要素が含まれることができる。
外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220からリモート信号の一部を受信し、それに応答して1つまたは複数の異なる信号を標的装置に送信するように構成された様々なハードウェア構造を含むことができる。外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220などから遠距離場エネルギーを受信することができ、エバネッセント場を操作して電力信号および/またはデータ信号を標的装置に導くために受信エネルギーの少なくとも一部を使用することができる。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220から受信したエネルギーの少なくとも一部を収集し、1つまたは複数の同調デバイス8206を制御する制御回路を含む。同調デバイス8206は、リモート・フィールド・ソース8220からのリモート信号の受信を容易にするなどのために、入力または受信回路の特性を変更するために使用されることができる。同調デバイス8206は、外部装置8205から第1および第2の標的装置7611および7612のうちの一方に送信される電力信号および/またはデータ信号の特性を変更するなどのために、出力または送信回路の特性を変更するために使用することができる。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、リモート・フィールド・ソース8220と1つまたは複数の標的装置との間のデータ通信を中継するように構成されたトランシーバ回路8207を含む。
リモート・フィールド・ソース8220は、フィールド区間Δt0にわたってリモート信号を提供または放送することができる。それに応答して、外部装置8205は、第1から第4の区間Δt1-Δt4にわたって第1および/または第2の標的装置7611および7612に電力および/またはデータを通信することができる。フィールド区間Δt0は、必要に応じて、第1から第4の区間Δt1-Δt4のうちの1つまたは複数と時間的に少なくとも部分的に重複することができる。他の送信区間スキームも同様に使用することができる。図84の議論は、リモート・フィールド・ソース8220および外部装置8205を使用して複数の信号を異なる標的装置に通信する一例を含む。
1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205および/またはリモート・フィールド・ソース8220は、図1の例のセンサ107などのセンサを含むかまたは使用することができる。センサからの情報は、信号特性または治療パラメータを更新するために、外部装置8205および/またはリモート・フィールド・ソース8220によって使用されることができる。
図115は、一例として、複数の同調デバイス8206を有する外部装置8205(中距離場カプラ、外部ソース、または外部装置と呼ばれることもある)の一実施形態の概略図を示す。外部装置8205は、空気8304と身体組織などの屈折率がより高い物質8306との間の界面上に設けられる。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、電磁信号を受信し、指定されて制御された方法で受信信号を集束または指向するレンズとして概念化されることができる。
外部装置8205は、入力RF信号(例えば、遠距離場RF信号)を受信するように構成された1つまたは複数のサブ波長構造体を含むことができ、1つまたは複数の出力RF信号を送信して、組織表面においてエバネッセント波に影響を与えることによって1つまたは複数の標的装置に電力および/またはデータを通信するように構成された同じまたは他のサブ波長構造体を含むことができる。
同調デバイス8206は、電気信号特性を変更するために使用されることができる様々な受動装置または能動装置を含むことができる。同調要素のいくつかの例は、コンデンサ、抵抗器、インダクタ、増幅回路、位相変調回路、または、電気信号を受信し、それに応答して、異なるまたは更新された電気信号を提供するように構成されることができる他の要素、装置、もしくは回路を含む。
1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、同調デバイス8206のパラメータを制御する制御回路を含む。例えば、制御回路は、RF出力信号特性を変更するために、外部装置8205におけるコンデンサ素子の容量を変更するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、制御回路には、リモート・フィールド・ソース8220から外部装置8205において受信したRF信号の一部を使用して電力が供給される。制御回路は、プロセッサ回路210、デジタルコントローラ548、または本明細書で述べる他の制御回路と同様の、または同じ構成要素を含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、同調デバイス8206のパラメータ情報を記憶するために使用されることができるメモリ回路(図114には示されておらず、メモリ回路の1つまたは複数の実施形態については、図136を参照)を含む。1つまたは複数の実施形態において、メモリ回路(例えば、不揮発性、読み出し専用、および/またはフラッシュメモリ)は、外部装置8205の構成情報を記憶し、構成情報は、同調デバイス8206の基準パラメータ情報、同調デバイス8206の履歴パラメータ値情報、または外部装置8205、リモート・フィールド・ソース8220、または1つもしくは複数のリモート標的装置の構成または動作状態に関する他の情報を含むことができる。
図116は、一例として、様々な時間に異なる標的装置に対して電力信号および/またはデータ信号を通信するために異なる信号特性を使用することを含む方法の一実施形態の図を示す。外部装置8205は、フィールド区間Δt0にわたってリモートフィールド信号を受信することができる。リモートフィールド信号は、外部装置8205から第1および第2の標的装置7611および7612への通信を容易にするために、外部装置8205によって使用される電力および/またはデータを含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、図1のソース102について上述したものと同じまたは同様の特徴を含む。すなわち、外部装置8205は、各RF駆動信号によって別個に励起されることができる複数(例えば4つ)のサブ波長構造体を含むことができる。外部装置8205のサブ波長構造体は、電力および/またはデータ通信信号を組織内の様々な標的に導くなどのために、エバネッセントおよび伝搬波にともに影響を及ぼすことができるRF信号の組を送信するように別個にまたは同時に励起されることができる。
図116は、外部装置8205から第1および第2の標的装置7611および7612の一方または他方に順次送信される第1、第2、第3および第4の信号S1、S2、S3およびS4をそれぞれ含む一連の信号を示す。信号S1-S4のそれぞれは、組織表面においてエバネッセント場に影響を及ぼし、その結果、指定された標的に向かって導かれたまたは集束された伝播信号を生成するように特定の様式で構成されるとき、外部装置8205によって送信される。例えば、第1の送信区間Δt1および第3の送信区間Δt3の間、外部装置8205は、第1および第3の信号S1およびS3をそれぞれ第1の標的装置7611に送信するように構成される。
図116において、外部装置信号は、RF信号またはRF信号の組が特定の区間で送信されることを一般に示している。外部装置信号は、矩形波として示されているが、様々な指定された区間中に送信される他の時間変化信号または静的信号を表すことができる。例えば、第1の信号S1は、第1の送信区間Δt1の間に提供される第1のデューティサイクルを有する第1のPWM信号に対応することができ、第2の信号S2は、第2の送信区間Δt2の間に提供される第2のデューティサイクルを有する異なるPWM信号に対応することができる。他の信号種類も同様に使用することができる。
図116に示すように、リモートフィールド信号は、時刻tf0で始まり且つ時刻tf1で終わるフィールド区間Δt0にわたって、リモート・フィールド・ソース8220から外部装置8205などに対して送信される。外部装置8205におけるリモートフィールド信号の受信に応答して、外部装置8205は、第1の信号S1を第1の標的装置7611に提供するために、受信信号を変調し、および/または新ったな信号を生成することができる。図116に示すように、第1の信号S1は、時刻tf0に続く時刻t1から開始して送信される。t1とtf0との間の継続時間は、外部装置8205の電力アップまたは充電時間を表すことができ、または外部装置8205は、指定された時刻t1まで第1の信号S1の送信を阻害するように命令されることができる。リモートフィールドは、少なくとも第1、第2、および第3の信号S1、S2、およびS3にわたって実質的に連続的に供給されることができる。他の送信構成も同様に使用することができ、例えば、リモートフィールドは、間欠的に供給されることができるかまたは外部装置8205において受信されることができ、外部装置は、標的装置に電力および/またはデータを送信するために後に使用されることができる電力信号を記憶するために使用されることができる1つまたは複数の信号記憶回路を含むことができる。例えば、リモートフィールドは、第4の信号S4の送信が完了する前などに、時刻tf1で終了することができる。すなわち、例えば、外部装置8205に記憶された電力信号を使用するように外部装置8205を構成することにより、第4の信号S4の少なくとも一部は、リモートフィールドが存在しないときに外部装置8205から送信されることができる。
図116は、異なる信号送信区間中に同調デバイス8206の様々なものが構成されることができる方法を示す。例えば、抵抗器などの要素1は、外部装置8205におけるリモートフィールド受信特性に影響を及ぼすように構成されることができる。少なくともフィールド区間Δt0の間、要素1は、外部装置8205におけるリモートフィールド信号の受信を最適化するように選択されることができるように、パラメータ値R1を有するように構成されることができる。リモートフィールドの特性が変化する場合、要素1はまた、信号受信品質を向上または維持するために変更することもできる。
要素2、3、および4は、外部装置8205からの信号伝送特性に対応することができる。すなわち、要素2。3、または4の値を調整または変更することにより、異なる信号が外部装置8205によって送信または変調されることができる。第1の送信区間Δt1および第3の送信区間Δt3の間、外部装置8205は、要素2(例えば、コンデンサ)がパラメータ値C1を有し、要素3(例えば、インダクタ)がパラメータ値L1を有し、且つ要素4(例えば、移相器)がパラメータ値Φ1を有するように構成されることができる。この構成の下では、外部装置8205は、リモートフィールド信号の受信に応答して、第1の標的装置7611に第1の信号S1または第3の信号S3を送信するように構成されることができる。
時刻t3において、外部装置8205が異なる第2の信号S2または第4の信号S4を送信するように構成されることができるように、要素2、3、および4のうちの1つまたは複数の値が変更されることができる。例えば、第2の送信区間Δt2および第4の送信区間Δt4の間、外部装置8205は、要素2がパラメータ値C2を有し、要素3がパラメータ値L2を有し、且つ要素4がパラメータ値Φ2を有するように構成されることができる。この構成の下では、外部装置8205は、リモートフィールド信号の受信に応答して、第2の標的装置7612に第2の信号S2または第4の信号S4を送信するように構成されることができる。
要素1-4について異なるパラメータ値を選択することにより、外部装置8205は、異なるリモートフィールド信号を受信しおよび/またはエバネッセント場を異なって変調することによって異なる信号を1つまたは複数の標的装置に送信するように構成されることができる。例えば、第1および第2の信号S1およびS2の送信中に、組織表面においてエバネッセント場が異なるように変調されることができ、それによって伝搬波を第1および第2の標的装置7611および7612にそれぞれ異なる方向に導くことができる。
図117は、一例として、外部装置8205を使用して変調特性を更新することを含む方法8500の一実施形態の図を示す。動作8510において、方法8500は、リモート・フィールド・ソース8220などの外部装置1205においてRFエネルギーを受信することを含むことができる。RFエネルギーを受信することは、フィールド区間Δt0の間など、図116の例からリモートフィールドを受信することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205は、指定されたソースからRFエネルギーを受信するために、同調デバイス8206のうちの1つまたは複数によって構成される。
動作8520において、方法8500は、外部装置8205を使用して、動作8510において受信したRFエネルギーを変調することを含む。外部装置8205および1つまたは複数の同調デバイス8206を使用してRFエネルギーを変調することに応答して、方法8500は、第1の出力信号を提供することを含むことができる。第1の出力信号は、伝搬波を標的装置に送信するために、特定の方法でエバネッセント場を変調するように選択されることができる。例えば、動作8530において、外部装置8205は、第1の出力信号を第1の標的装置7611に送信するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、動作8530は、外部装置8205を使用して、図116の例からの第1の信号S1を第1の標的装置7611に送信することに対応することができる。
動作8540において、方法8500は、外部装置8205を使用して、動作8510において受信したRFエネルギーを異なって変調することを含むことができる。RFエネルギーを異なって変調することは、外部装置8205の同調デバイス8206のうちの1つまたは複数を、動作8520の間と異なる値にするように構成することを含むことができる。異なる構成の同調デバイス8206に基づいて、外部装置8205は、第2の出力信号を提供することができる。動作8550において、外部装置8205は、第2の出力信号を第2の標的装置7612に送信するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、動作8550は、図116の例から第2の標的装置7612に第2の信号S2を送信するために外部装置8205を使用することに対応することができる。
動作8560において、1つまたは複数のデータ信号は、第1および/または第2の標的装置7611および7612から外部装置8205へ提供されることができる。1つまたは複数のデータ信号は、とりわけ、同調デバイス8206のうちの1つまたは複数を更新するかまたは調整するかどうかまたはそのときを決定するために、外部装置8205内の制御回路によって使用される情報を含むことができる。例えば、1つまたは複数のデータ信号は、外部装置8205から第1の標的装置7611において受信した電力信号の品質に関する情報を含むことができる。情報が受信した電力信号の品質が悪いことを示す場合、動作8570において、外部装置8205は、エバネッセント場変調特性を更新し、それにより、後続の電力信号を第1の標的装置7611にまたは別の特定の位置もしくは装置に異なって導くように、同調デバイス8206のうちの1つまたは複数についての1つまたは複数の新たなまたは異なるパラメータ値を選択することができる。
1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数のデータ信号は、第1および/または第2の標的装置7611および7612からリモート・フィールド・ソース8220に提供されることができる。データ信号は、リモート・フィールド・ソース8220に直接提供されることができるか、または外部装置8205のトランシーバ回路8207などの中間装置を使用してリモート・フィールド・ソース8220に送信されることができる。データ信号に応答して、リモート・フィールド・ソース8220は、例えば、送信電力を増加させるためにまたはリモートフィールドの周波数を変更するために、リモートフィールドのフィールド特性を更新することができる。例えば、治療事象を実行するために第1の標的装置7611において不十分な電力が受信された場合、外部装置8205および/またはリモート・フィールド・ソース8220は、第1の標的装置7611にとって利用可能な電力の大きさを増加しようとするように1つまたは複数のパラメータを変更することができる。
図118は、一例として、外部装置を使用して変調特性を条件付きで更新することを含む方法8600の一実施形態の図を示す。方法8600は、図117の方法8500からの動作8510、8520、および8530を含むことができる。動作8640において、方法8600は、外部装置8205において伝送品質指標を受信することを含む。伝送品質指標を受信することは、外部装置8205から第1の標的装置7611への以前または現在の信号伝送の品質に関する情報を含むデータ信号を第1の標的装置7611から受信することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205において伝送品質指標を受信することは、動作8530において出力信号を送信することに応答して後方散乱信号を受信することを含む。1つまたは複数の実施形態において、外部装置8205において伝送品質指標を受信することは、第1の標的装置7611によってタスクが実行されたかどうかまたはその方法に関する情報を受信し、次いで、タスク情報に基づいて外部装置8205と第1の標的装置7611との間の送信品質を推測することを含む。
動作8650において、方法8600は、受信した伝送品質指標が許容可能であるかどうか、すなわち、指定された閾値品質レベルを満たすかまたはそれを超えるかどうかを判定することを含むことができる。閾値品質レベルは、外部装置8205にプログラミングされることができ、または様々な要因に基づいて外部装置8205によって動的に設定または調整されることができる。例えば、閾値品質レベルは、8530において送信される出力信号における情報の臨界に応じて異なるように設定されることができる。
送信品質レベルが動作8650において許容可能であると判定された場合、本方法は、パラメータ更新を実行することなく外部装置8205からの出力信号を送信し続けながら、動作8651に進むことができる。伝送品質レベルが許容可能であると判定されない場合、方法8600は、外部装置8205を使用して変調特性を更新することによって動作8652に進むことができる。動作8652における変調特性の更新は、同調デバイス8206のうちの1つまたは複数のパラメータを変更することを含むことができ、したがって、異なるまたは更新された出力信号を提供または送信するように外部装置8205を構成することができる。例えば、動作8652において変調特性を更新した後、本方法は、動作8530に戻って出力信号を第1の装置7611に送信することによって継続することができる。
1つまたは複数の実施形態において、フィードバックループは、動作8640および8650において受信した伝送品質指標の改善を探す「貪欲型」検索アルゴリズムを含むことができる。外部装置8205における信号送信パラメータ値の所定の組についての伝送品質の漸進的な改善が観察される場合、動作8652における更新は、漸進的な改善が観察されたパラメータと同様に評価されるパラメータのその後の更新を含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、動作8530、8640、8650、および8652を含むフィードバックループは、指定された反復回数だけ、または許容可能な送信品質レベルが達成されるまで継続することができる。例えば、外部装置8205および/または標的装置の起動時に、システムは、図118の動作を実行して、電力信号および/またはデータ信号を送信または受信するための最適構成を反復的に識別することができる。1つまたは複数の実施形態において、動作8652は、外部装置に搭載されたメモリ回路からなど、1つまたは複数の同調デバイス8206の以前の既知の良好なパラメータ値を取得することを含む。
図117および図118の様々な例は、外部装置8205に関して説明される。これらの例に記載された手順のうちの1つまたは複数は、信号伝送品質情報を受信するように外部中距離場装置によって同様に実行されることができ、それに応答して、外部中距離場装置から標的装置へのその後の信号送信を拡張または調整するように外部中距離場装置の特性を更新することができる。
図119は、一例として、複数の外部中距離場トランシーバを含むシステム8700の一実施形態の図を示す。システム8700は、第1のアンテナ300Aおよび第2のアンテナ300Bを含む。第1のアンテナ300Aおよび第2のアンテナ300Bは、図108に関連して上述した外部中距離場装置と同じまたは同様の特徴とすることができる。
第1および第2の外部中距離場アンテナ300Aおよび300Bの双方は、電力信号および/またはデータ信号を第1の標的装置7611に送信するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2のアンテナ300Aおよび300Bの双方は、別個の電力信号を第1の標的装置7611に同時に、すなわち共通区間Δtの間に送信するように構成される。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2のアンテナ300Aおよび300Bから送信された電力信号は、建設的に干渉するように選択され、結果として得られたまたは結合されたフィールドは、第1の標的装置7611によって受信される。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2のアンテナ300Aおよび300Bは、メッシュネットワークとして配置された複数の外部トランシーバのうちの2つを備え、複数の外部トランシーバのそれぞれは、第1の標的装置7611または他の装置への電力伝送またはデータ伝送を連携するのに役立つようにデータを交換するように構成される。
C.一連の電気刺激信号を使用する無線神経治療送達システムおよび方法
本明細書に記載されたシステム、方法および装置は、いくつかの利用可能なアノード/カソード刺激の組合わせが回転シーケンスの期間中の短い継続時間だけ活性化されるように、電極対またはベクトルの迅速な選択を提供することによって埋込み可能治療送達装置(例えば、神経性刺激装置)の配置およびプログラミングを有利に容易にする。回転シーケンスを完了するための総時間は、1秒以下に短くすることができる。アノード/カソードの組合わせがスイッチングされるときなどのオフ時間は非常に短くすることができる。
そのような電極またはベクトル選択手順は、いくつかの望ましい結果を有することができる。例えば、臨床医は、神経標的の近傍のおおよその位置に電極アレイを配置することができる。臨床医は、最適構成がプログラミングされていることを確実にするために術中試験刺激を行う必要はない。代わりに、最適構成は、治療事象の少なくとも一部に使用される。その結果、埋込みにおいて消費される時間が短くなり、プログラミングのコストが最小限に抑えられることができる。
一例において、臨床医は、使用するために多数の異なる電極の組合わせまたはベクトルをプログラミングすることができ(例えば、以下の図131を参照)、臨床医は、プログラミングされたベクトルのいくつかが標的とされた神経構造において次善の刺激をもたらす。少なくとも本明細書で述べる埋込み可能装置は、中距離場結合を介して無線で電力信号を受信することができることから、臨床医は、従来のバッテリを内蔵した埋め込まれた装置では早すぎる枯渇をもたらす、埋め込まれた装置の電極スイッチング時間、電極に刺激を送達するその放電回路、またはバッテリからのより大きな電力消費率によっては制約されない。選択され且つ電力がベクトルの電極に供給されるとき、刺激信号が標的に操舵されるように、1つまたは複数のベクトルが構成されることができる。異なるベクトルは、刺激を異なる位置に操舵することができる。外部装置に関して説明したのと同様の位相および/または振幅シフトネットワークは、刺激を操舵するのに役立つように埋込み可能装置110に実装されることができる。
外部送信機と埋め込まれた受信機との間の時間領域多重通信システムを使用する場合、位相および振幅は、電力検出器を使用してまたは使用することなく、埋め込まれた受信機装置においてエネルギーを集束する(例えば、より効率的にエネルギーを集束する)のに役立つように動的に調整されることができる。埋込み可能装置の作業および/または位置に関するフィードバックを提供するなどのために、1つまたは複数の電力検出器および位相検出器が埋込み可能装置または刺激装置において使用されることができる。
図120は、一例として、時間領域多重化されることができるような、通信システム31100の一実施形態の図を示す。システム31100は、ソース102と同様であるかまたは同一とすることができるような外部中距離場トランシーバ31102と、埋込み可能装置110と同様または同一とすることができるような埋込み可能トランシーバ31104とを含むことができる。トランシーバ31102は、通信可能に結合された中距離場アンテナ31106を含み、トランシーバ31104は、通信可能に結合された電場または磁場ベースのアンテナ31108を含む。アンテナ31106および31108は、実質的に同じ周波数で信号を送信および受信するように(例えば、長さ、幅、形状、材料などで)構成されることができる。トランシーバ31104は、アンテナ31108を介してトランシーバ31102にデータ信号を送信することができ、アンテナ31106を介してトランシーバ31102によって送信された電力およびデータ信号を受信することができる。
外部中距離場カプラ(外部送信機)および(埋込み可能装置アンテナを含む)埋込み可能装置トランシーバは、RF信号の送信および受信の双方に使用されることができる。外部送信機の各RFポートを(データまたは電力を送信する)送信モードから(データを受信する)受信モードにスイッチングするためにT/Rスイッチが使用されることができる。埋込み可能装置を送信(データ送信モード)と(電力またはデータを受信する)受信モードとの間でスイッチングするためにT/Rスイッチが使用されることができる。
T/Rスイッチの(外部送信機上の)受信端子の出力は、埋込み可能装置からの受信信号の位相および/または振幅を検出する1つまたは複数の構成要素に接続されることができる。この位相および振幅情報は、受信信号と実質的に同じ相対位相になるように送信信号の位相をプログラミングするために使用されることができる。これを達成するために、トランシーバ31102は、位相整合または振幅整合ネットワークを含むことができる。ネットワークは、アンテナ300などの複数のポートを含む中距離場カプラとともに使用されることができる。
図121は、一例として、組織に埋め込まれた多極治療送達装置110を含むシステムの一実施形態を示す。一例において、装置110は、組織/空気インタフェース1204の下方の組織に埋め込まれる。図121の例において、装置110は、細長本体と、細長本体の一部に沿って軸方向に離間された複数の電極E0、E1、E2、E3、およびE4とを含む。装置110は、装置110とソース102との間の通信を可能にする受信機および/または送信回路を含む。一例において、ソース102は、それぞれ、図1および図2の実施形態において上述したソース102などの中距離場ソースである。
様々な電極E0-E3は、神経標的またはその近傍などにおいて患者の組織に神経性電気刺激治療を送達するように構成されることができる。一例において、少なくとも1つの電極は、アノードとして使用するために選択されることができ、少なくとも1つの他の電極は、電気刺激ベクトルを画定するようにカソードとして使用するために選択されることができる。図1の例において、電極E1は、アノードとして使用するために選択され、電極E2は、カソードとして使用するために選択される。全体で、E1-E2の組合わせは、電気刺激ベクトル「V10」を定義する。同様に、電極E0は、アノードとして使用するために選択され、電極E3は、別の電気刺激ベクトル「V11」を画定するようにカソードとして使用するために選択される。これらのベクトルは、同時にまたは異なる時間で、同じまたは異なる神経標的に神経性電気刺激治療を提供するように独立して構成されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、装置110は、一連の電気刺激パルスを神経標的に供給するように構成されることができる。例えば、装置110は、治療を提供するために、同じまたは異なる電気刺激ベクトルを使用などして、時間的に分離された複数の電気刺激パルスを供給することができる。すなわち、単一の治療事象は、同じ装置110の異なる部分を使用して供給される複数の異なる電気刺激信号成分を含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、単一の治療事象は、異なる電気刺激ベクトルを使用して、必要に応じて異なる電気刺激信号特性を使用して、同じまたは異なる神経標的に順次供給される少なくとも2つの電気刺激信号またはパルスを含む。1つまたは複数の実施形態において、各電気刺激信号間に遅延または無刺激区間が設けられることができる。遅延は、治療事象のために使用される少なくとも第1および第2のベクトルの間で出力回路をスイッチングするように、装置110におけるスイッチング時間に部分的に起因することができる。遅延は、固定または調整可能とすることができ、必要に応じて治療事象の一部を含む各信号成分間で異なることができる。
1つまたは複数の実施形態において、複数の各ベクトルに供給され且つ治療事象の一部を含む複数の信号のうちの特定のベクトルに供給される少なくとも1つの電気刺激信号は、患者を治療するために他のものよりも最適とすることができる。しかしながら、同じ電気刺激ベクトルを介して同じ神経標的を繰り返し刺激することは、望ましくない結果を有する可能性がある。例えば、刺激の治療上の利益は、標的が刺激を学習または適応するのにともない、経時的に減少する可能性がある。この問題に対処するために、本発明者らは、最適なベクトルを与えるか、または「休止」を標的とする、すなわち無刺激の期間を提供することが望ましい可能性があることを認識した。
1つまたは複数の実施形態において、一連の電気刺激パルスまたは電気刺激パルスのシーケンスを同じ神経標的に供給するように、複数の信号を含む治療が複数の異なるベクトルに順次供給されることができる。この例において、患者の反応を誘発するために1つのベクトルが他のベクトルよりも最適であっても、(1)標的が無刺激の期間中に休止を受信することから、および(2)最適な標的の近傍または隣接する領域を刺激することが一部の患者の利益を引き出すことができることから、治療は、全体として、既知の最適なベクトルのみを刺激するよりも効果的とすることができる。
1つまたは複数の実施形態において、シーケンス内の複数の異なるベクトルを使用して一連の電気刺激パルスを送達するように構成されたシステムは、複数の利用可能なベクトルの中から電気刺激ベクトルの手動評価および選択を必要とすることがある装置よりもプログラミングするのが容易とすることができる。例えば、システムが全ての利用可能な電気刺激電極の組合わせおよびベクトルを循環することによって治療を提供するように構成されている場合、少なくとも1つのベクトルは、他のものよりも患者にとって最適であるかまたはより有益である可能性が高く、ベクトルのうちの1つは、治療事象の少なくとも一部のための電気刺激信号を提供する。それにもかかわらず、装置110は、外部ソースからその電気刺激電力を無線で受信することから、過剰なまたはより少ない最適な治療または信号は、他の位置に、または、例えば、電力消費に関する問題が少ない非最適なベクトルを使用して送達されることができる。
図122は、一例として、図1の装置110などの多極治療送達装置の一実施形態の図を示す。1つまたは複数の実施形態において、装置110は、ソース13002から電力またはデータ通信信号を受信するように構成されることができる、ダイポール、螺旋形状、コイル、または他のアンテナなどのアンテナ13021を含む。装置110は、アンテナ13021に結合された受信回路13022を含むことができる。受信回路13022は、アンテナ13021を介して受信した1つまたは複数の信号を受信または解釈することができる。1つまたは複数の実施形態において、装置110は、プロセッサ回路13024およびメモリ回路13023(例えば、揮発性、不揮発性、ランダムアクセス、読み取り専用、または他のデータ記憶装置)を含む。プロセッサ回路13024は、ソース13002から電力信号またはデータ信号を受信し、メモリ回路13023、信号生成回路13025、またはコンデンサアレイ13026のうちの1つまたは複数に信号を導くように、受信回路13022と協調して動作するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、プロセッサ回路13024は、デジタルコントローラ548の動作を実行することができる。装置110のアイテムは、回路500の1つまたは複数のアイテムとともに使用されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、信号生成回路13025は、神経性電気刺激または変調信号などの治療信号を生成するためにアンテナ13021を介して受信した電力信号を使用するように構成される。治療信号は、1つまたは複数の調節可能な特性を有するAC信号を含むことができる。1つまたは複数の調節可能な特性は、波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の特性を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、信号生成回路13025は、コンデンサアレイ13026に結合される。コンデンサアレイ13026は、信号生成回路13025からの電気刺激エネルギーを蓄積する。信号生成回路13025およびプロセッサ回路13024のうちの1つまたは複数は、例えば、装置110の1つまたは複数の出力を介して治療を提供するために、蓄積された電気刺激エネルギーを選択的に放電することができる。
装置110は、複数の可能な出力を含み、各出力は、標的に電気刺激信号を提供するように構成された出力回路または他のハードウェアを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、装置110は、とりわけ、治療信号増幅器の出力段または第1の出力13031を治療送達電極(例えば、本明細書で述べる埋込み可能装置の電極E0-E3または他の電極のうちの1つまたは複数)に結合するためのハードウェアカプラを含む第1の出力13031を含む。図122の実施形態における装置110は、第1の出力13031と同様に構成されることができるような、第2、第3、および第4の出力13032、13033、および13034を含む。
1つまたは複数の実施形態において、信号生成回路13025は、第1、第2、第3、および第4の出力13031~13034のうちの1つまたは複数を介して電気刺激信号の送達を計時することができる。例えば、信号生成回路13025は、異なる電気刺激信号を1つまたは複数の出力13031~13034にシリアルまたはパラレル方式で供給することができる。すなわち、1つまたは複数の実施形態において、信号生成回路13025は、時間の経過に応じて第1から第4の出力13031~13034のうちの少なくとも2つのそれぞれから順次異なる離散的な電気刺激信号を提供するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、信号生成回路13025は、時間的に少なくとも部分的に重複するなど、同時に第1から第4の出力13031~13034のうちの少なくとも2つのそれぞれから異なる離散的な電気刺激信号を提供するように構成されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、プロセッサ回路13024および/または信号生成回路13025は、(例えば、本明細書で述べる他のステートマシン装置と同様の)ステートマシン装置の部分を含む。ステートマシン装置は、アンテナ13021を介して電力およびデータ信号を無線で受信し、それに応答して、第1~第4の出力13031~13034のうちの1つまたは複数を介して電気刺激信号を放出または提供するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、そのようなステートマシン装置は、利用可能な電気刺激設定またはベクトルに関する情報を保持する必要はなく、その代わりに、無線送信機からの命令の受信の実質的に直後に応答して電気刺激事象を実行するかまたは提供する。
例えば、ステートマシン装置は、特定の時間にまたは何らかの指定された信号特性(例えば、振幅、継続時間、周波数、指定されたパルス数など)を有する神経性電気刺激治療信号を送達するための命令を受信するように構成されることができ、ステートマシン装置は、治療信号を開始または送達することによって応答することができる。その後の時間において、装置は、治療を終了させる、信号特性を変更する、または他の何らかのタスクを実行するための後続の命令を受信することができる。したがって、装置110は、実質的に受動的であるか、または同時に受信した命令に応答するように任意に構成されることができる。
図123は、一例として、4極電気刺激システムにおける利用可能な電気刺激ベクトルの一実施形態を示す表13100を示す。表13100は、4つの個別電極の候補組合わせの部分的なリストである。図示された実施形態において、表13100は、所与の電極の組合わせの名称または指定を提供する「ベクトル」と名付けられた第1の列を含む。表13100は、図1の例における装置110の電極に対応するような、それぞれE0、E1、E2、およびE3と名付けられた第2、第3、第4、および第5の列を含む。表13100のエントリは、セルがベクトルのアノードに対応することを示す「A」と、セルがベクトルのカソードに対応することを示す「C」とを含む。表13100は、単に例を示しているに過ぎず、多くの例が可能であり、そのいくつかは、表13100において、「C」を「A」におよび「A」を「C」に単にスイッチングすることによって実現可能である。
2つ以上の利用可能な電極は、電気的に結合されてアノードまたはカソードを形成することができる。例えば、表13100において、第1のベクトルV0は、アノードとしてE0を含み、カソードとして共通に結合されたE1、E2、およびE3を含む。第2のベクトルV1は、アノードとしてE1を含み、カソードとして共通に結合されたE0、E2、およびE3を含む。1つまたは複数の実施形態において、利用可能な電極のうちの任意の2つまたはそれ以上が結合されてアノードまたはカソードを形成することができる。1つまたは複数の実施形態において、電極のいずれか1つまたは複数は、陰影を付したセルによって表13100内に設計されることができるように不使用とされることができる。
図124Aは、一例として、第1の神経性電気刺激治療事象13200の一実施形態の図を示す。図124Aの例において、第1の治療事象13200は、4つの離散的な電気刺激信号を含み、そのそれぞれは、異なる電気刺激ベクトルを介して、必要に応じて、異なる信号特性を使用して提供される。例えば、電気刺激信号は、図1の装置110に利用可能な異なる電気刺激ベクトルを介して供給されることができる。
図124Aの実施形態において、4つの異なる構成を有する装置110が示されている。第1の構成110Aにおいて、装置110は、電極E0をアノードとして使用し、カソードとして共通に結合された電極E1、E2、およびE3(例えば、表13100の第1のベクトルV0に対応する)を使用するように構成される。第2の構成110Bにおいて、装置110は、電極E1をアノードとして使用し、カソードとして共通に結合された電極E0、E2、およびE3(例えば、表13100の第2のベクトルV1に対応する)を使用するように構成される。第3の構成110Cにおいて、装置110は、電極E2をアノードとして使用し、カソードとして共通に結合された電極E0、E1、およびE3(例えば、表13100の第3のベクトルV2に対応する)を使用するように構成される。第4の構成110Dにおいて、装置110は、電極E3をアノードとして使用し、カソードとして共通に結合された電極E0、E1、およびE2(例えば、表13100の第4のベクトルV3に対応する)を使用するように構成される。
図124Aの実施形態において、第1の治療事象13200は、最初の時刻t0から最後の時刻tfに及ぶ。第1の遅延間隔D1は、時刻t0で開始し、時刻t1で終了する。D1の間、装置110は、アノードとしての電極E0およびカソードとしての共通に結合された他の電極によって装置110を第1の構成110Aに配置するなどのために構成ルーチンを実行することができる。時刻t1において、離散的な電気刺激信号の第1のものは、第1のベクトルV0を介して供給されることができる。離散的な電気刺激信号の第1の信号は、第1の波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の特性を含む第1の信号特性を有することができる。一般に、周波数特性は、時刻t1とt2との間のように、少なくとも1つの完全な信号サイクルが送達されることができるように選択される。1つまたは複数の実施形態において、時刻t1とt2との間のように、複数の信号サイクルが送達されるように周波数特性が選択される。信号の第1のものは、時刻t2で終了することができ、その時点で第2の遅延間隔D2が開始されることができる。第2の遅延間隔D2は、例えば、継続時間またはアクティビティの観点で、第1の遅延間隔と同じとすることができるかまたは異なることができる。1つまたは複数の実施形態において、第2の遅延間隔D2の間に、装置110が第1の構成110Aから第2の構成110Bに変化すると、装置110からの治療送達が阻害される。
時刻t3において、離散的な電気刺激信号の第2のものは、第2のベクトルV1を介して供給されることができる。離散的な電気刺激信号の第2のものは、第2の波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の特性を含む第2の信号特性を有することができる。1つまたは複数の実施形態において、少なくとも1つまたは複数の第2の信号特性は、第1の信号特性と同じであるか、または少なくとも1つまたは複数の第2の信号特性は、第1の信号特性と異なる。例えば、離散的な電気刺激信号の第1のものは、第1の振幅特性および第1の周波数特性を有することができ、離散的な電気刺激信号の第2のものは、同じ第1の振幅特性および同じ第1の周波数特性を有することができる。別の例において、離散的な電気刺激信号の第1のものは、第1の振幅特性および第1の周波数特性を有することができ、離散的な電気刺激信号の第2のものは、異なる第2の振幅特性および異なる第2の周波数特性を有することができる。
離散的な電気刺激信号の第2のものは、時刻t3で終了することができ、その時点で第3の遅延間隔D3を開始することができ、以下同様である。電気刺激信号特性のうちの任意の1つまたは複数は、装置構成110A、110B、110C、または110Dを使用して送達される様々な信号について同じとすることができるかまたは異なることができる。
1つまたは複数の実施形態において、遅延特性D1、D2、D3、およびD4は、同じ継続時間を有することができるか、または異なることができる。同様に、(例えば、図124Aの例において、ベクトルV0、V1、V2、およびV3を介して供給される)離散的な電気刺激信号のそれぞれに対応する継続時間は、同じとすることができるかまたは異なることができる。
1つまたは複数の実施形態において、治療事象は、第1の神経性電気刺激治療事象13200の複数の反復を含むことができる。例えば、時刻tfにおいて、治療は、時刻t0に戻り、示されているように複数のベクトルを使用して供給された離散的な電気刺激信号のシーケンスを繰り返すことができる。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の信号特性、ベクトル、または他のシステム属性は、信号の各反復シーケンス毎に同じとすることができるかまたは異なることができる。
図124Aの実施形態において、離散的な電気刺激信号のそれぞれは、実質的に同じ継続時間だけ供給されることができ、遅延間隔のそれぞれは、実質的に同じ継続時間を有することができる。例えば、各電気刺激信号は、約200msだけ供給されることができ、図124Aに示す4つの離散的な成分を含む治療が約1秒の継続時間であるように、各遅延間隔は、約50msとすることができる。所望に応じておよび/または必要に応じて、他の区間および継続時間が使用されてもよい。治療は、指定された継続時間または指定された反復回数だけ繰り返されることができる。
図124Bは、一例として、刺激装置において治療送達命令を受信することを含む、第1の神経性電気刺激治療事象13200の一実施形態の図を示す。1つまたは複数の実施形態において、刺激装置は、少なくとも部分的にステートマシンとして構成された装置110を含む。ステートマシンは、命令の受信と実質的に同時になど、治療信号送達を開始または阻害することによって、受信した電力信号および/または命令に応答するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、命令は、とりわけ、使用するベクトル、治療継続時間、または、振幅、波形形態、周波数、もしくは他の特性などの信号特性に関する情報を含むことができる。
図124Bの例において、第1の命令Stim(V0)が時刻t1において受信されることができる。それに応答して、装置110は、第1のベクトルV0を使用などして、第1の電気刺激信号を提供するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、第1の命令は、第1の振幅特性および第1の周波数特性などの第1の電気刺激信号についての1つまたは複数の信号特性に関する情報をさらに含む。
装置110は、次の命令が送信装置から受信されるまで、実質的に連続的に第1の電気刺激信号を提供することができる。例えば、装置110は、装置110が時刻t2などにおいて第2の命令Stop(V0)を受信するまで、ベクトルV0を使用して第1の電気刺激信号を提供することができる。Stop(V0)命令は、第1の電気刺激信号が終了されるべきであるかまたは送達が阻害されるべきかの指標として、装置110によって解釈されることができる。
時刻t3において、第3の命令Stim(V1)が受信されることができる。それに応答して、装置110は、第2のベクトルV1を使用などして、第2の電気刺激信号を提供するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、第2の命令は、第2の振幅特性および第2の周波数特性など、第2の電気刺激信号についての1つまたは複数の信号特性に関する情報をさらに含む。第2の振幅特性および/または第2の周波数特性は、Stim(V0)命令に応答して使用される第1の振幅および周波数特性と同じとすることができるかまたは異なることができる。
1つまたは複数の実施形態において、装置110は、次の命令が送信装置から受信されるまで、実質的に連続的に第2の電気刺激信号を提供することができる。例えば、装置110は、装置110が時刻t4などにおいて第4の命令Stop(V1)を受信するまで、ベクトルV1を使用して第2の電気刺激信号を提供することができる。図124Bの実施形態は、その後の時刻t5およびt7においてそれぞれ電気刺激信号を提供するための追加の命令Stim(V2)およびStim(V3)、ならびに時刻t6およびtfにおいて治療送達を阻害するための命令Stop(V2)およびStop(V3)によって継続することができる。
図125は、一例として、神経性刺激治療を提供することを含む方法13300の一実施形態を示す。動作13310において、本方法は、受信回路においてまたは受信回路を使用して電力信号を受信することを含むことができる。例えば、13310において、方法13300は、中距離場送信機などから、装置110の受信回路13022において電力信号を無線で受信することを含むことができる。動作13320において、方法13300は、信号生成回路13025を使用などして、1つまたは複数の神経性刺激治療信号を生成することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13320は、13310において受信した電力信号の一部を使用して、治療信号の全てまたは一部を生成することを含む。
動作13330において、方法13300は、神経性電気刺激治療送達のための第1の電気刺激ベクトルを選択することを含むことができる。例えば、第1の電気刺激ベクトルを選択することは、図123の実施形態における表13100内のエントリに対応するような、複数の利用可能なベクトルからベクトルを選択することを含むことができる。動作13330において第1の電気刺激ベクトルを選択することは、第1の電気刺激ベクトルとともに使用するための1つまたは複数の電気刺激信号特性を選択することを含むことができる。例えば、信号波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の特性のうちの1つまたは複数が選択されることができる。
動作13340において、方法13300は、第1の神経性電気刺激治療信号を(例えば、図124Aの実施形態におけるt1とt2との間の継続時間に対応する)第1の電気刺激ベクトルに提供することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13340において第1の神経性電気刺激治療信号を提供することは、動作13330において選択されたベクトルを使用して、指定された第1の継続時間の間、電気刺激治療を提供することを含む。動作13350において、方法13300は、(例えば、図124Aの例のD1に対応する)指定された第2の継続時間の間など、神経性電気刺激治療のその後の送達を阻害することを含むことができる。第2の継続時間の後に、1つまたは複数の追加の神経性電気刺激治療信号が提供されることができる。
動作13360において、方法13300は、神経性電気刺激治療送達のための第2の電気刺激ベクトルを選択することを含むことができる。例えば、第2の電気刺激ベクトルの選択は、動作13330において選択された第1のベクトル以外のベクトルを含む、図123の実施形態における表13100内のエントリに対応するような複数の利用可能なベクトルの中からベクトルを選択することを含むことができる。動作13360において第2の電気刺激ベクトルを選択することは、第2の電気刺激ベクトルとともに使用するための1つまたは複数の電気刺激信号特性を選択することを含むことができる。例えば、信号波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の特性のうちの1つまたは複数が選択されることができる。
動作13370において、方法13300は、第2の神経性電気刺激治療信号を(例えば、図124Aの実施形態におけるt3とt4との間の継続時間に対応する)第2の電気刺激ベクトルに提供することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13370において第2の神経性電気刺激治療信号を提供することは、動作13360において選択されたベクトルを使用して、指定された第3の継続時間の間、電気刺激治療を提供することを含む。第3の継続時間は、第1または第2の継続時間と同じとすることができるかまたは異なることができる。
動作13375において、方法13300は、少なくとも第1および第2の信号を含む電気刺激治療を繰り返すか否かの判定を含むことができる。治療が繰り返されない場合、治療は、動作13376において終了することができる。治療が繰り返される場合、治療は、必要に応じて治療特性を更新しながら、動作13380において継続することができる。例えば、信号波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または治療信号の他の特性のうちの1つまたは複数は、動作13380において更新または変更されることができる。
動作13390において、方法13300は、指定された第4の継続時間の間など、神経性電気刺激治療のその後の送達を阻害することを含むことができる。第4の継続時間の後に、1つまたは複数の追加の神経性電気刺激治療信号が提供されることができる。例えば、第4の継続時間に続いて、方法13300は、同じまたは異なる治療信号特性を使用などして、第1の電気刺激ベクトルを使用して第1の神経性電気刺激治療信号を提供するために動作13340に戻ることができる。
図126は、一例として、神経性刺激治療を提供する際に使用するための電気刺激ベクトルを特定または選択することを含む方法13400の図を示す。動作13410において、方法13400は、電気刺激治療を送達するために利用可能な2つ以上の電極を検知することを含むことができる。例えば、図122の装置110を参照すると、プロセッサ回路13024は、1つまたは複数の出力回路などを介して信号生成回路13025に結合され、電気刺激治療を提供するための使用に利用可能である2つ以上の電極を特定または検知するように構成されることができる。
動作13420において、方法13400は、動作13410において検知された電極を使用して利用可能な神経性刺激ベクトルを特定することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13410は、埋込み可能/埋め込まれた装置(例えば、本明細書で述べる装置110または他の埋込み可能装置もしくは埋め込まれた装置)の4つの電極E0、E1、E2、およびE3を検知することを含むことができる。動作13420において、利用可能なベクトルを特定することは、4つの電極の異なる組合わせを使用して利用可能なベクトルの表13100に追加することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13420において利用可能な神経性刺激ベクトルを特定することは、電気的に結合された2つ以上の電極を含むベクトルを特定または定義することを含む。
動作13430において、方法13400は、治療送達のために動作13420において特定されたベクトルのうちの少なくとも2つを選択することを含むことができる。例えば、プロセッサ回路13024は、表13100から2つ以上のベクトルを選択するように構成されることができる。1つまたは複数の実施形態において、プロセッサ回路13024は、利用可能なベクトルに関する事前に学習された情報またはプログラミングされた情報に基づいて、2つ以上のベクトルを選択する。例えば、プロセッサ回路13024は、特定のベクトルを使用して送達された治療の測定されたまたは仮定された有効性に関する情報を使用して、1つまたは複数のベクトルを選択することができる。
動作13440において、方法13400は、動作13430において選択されたベクトルのうちの第1のものを使用して神経性電気刺激治療の第1の部分を提供することを含むことができる。治療の第1の部分を提供することは、第1の波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の信号特性を有する第1の電気刺激信号を提供することを含むことができる。図124Aの実施形態において、動作13440において神経性電気刺激治療の第1の部分を提供することは、装置110を使用することなどによってベクトルV0を介して電気刺激信号を提供することに対応することができる。動作13450において、方法13400は、動作13430において選択されたベクトルのうちの第2のものを使用して神経性電気刺激治療の第2の部分を提供することを含むことができる。治療の第2の部分を提供することは、動作13440において提供される第1の電気刺激信号の対応する特性と同じとすることができるかまたは異なることができる、第2の波形形態学的形状、振幅、位相、周波数、パルス幅、タイミング、または他の信号特性を有する第2の電気刺激信号を提供することを含むことができる。
動作13460において、方法13400は、神経性電気刺激治療の第1および第2の部分を繰り返し提供することを含むことができる。すなわち、動作13460において、方法13400は、指定された回数の反復または指定された治療期間の間など、治療の第1の部分を提供し、続いて治療の第2の部分を提供し、続いて治療の第1の部分を提供することを含むことができる。
1つまたは複数の実施形態において、使用のために選択された電気刺激ベクトルは、神経性電気刺激治療を提供するように構成された2つ以上の電極を含む2つ以上の異なる埋込み可能装置に関連付けられることができる。図1の例におけるソース102などのソースは、電力および/またはデータを複数の異なる埋込み可能装置に操舵するように構成されることができ、複数の異なる埋込み可能装置および1つまたは複数のプロセッサ回路(例えば、第1の装置におけるプロセッサ回路210、および第2の装置における別個のプロセッサ回路)は、異なる埋込み可能装置間の治療送達を連携するように構成されることができる。例えば、ソース1202は、第1の時間において第1の治療を提供するように構成された第1の埋込み可能装置に電気刺激電力信号を無線で提供するように構成されることができ、別のソース(例えば、アンテナ300A~300B)は、後続の第2の時間において異なる第2の治療を提供するように構成された異なる第2の埋込み可能装置に後続の電気刺激電力信号を無線で提供するように構成されることができる。
図127は、一例として、複数のベクトルを介して神経性刺激治療を送達するための順序をランダムに選択することを含む方法13500の一実施形態の図を示す。動作13510において、方法13500は、神経性電気刺激治療の異なる部分の送達のために3つ以上の異なる神経性刺激ベクトルを選択することを含むことができる。ベクトルを選択することは、とりわけ、図123の実施形態の表13130を使用などして、利用可能なベクトルの表から選択することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、動作13510において3つ以上の神経性刺激ベクトルを選択することは、1つまたは複数の利用可能なベクトルに関する情報を使用者に提示するためにプログラマまたは使用者インタフェースを使用することと、治療送達に使用するための1つまたは複数のベクトルの指標を使用者から受信することとを含む。
動作13520において、方法13500は、選択されたベクトルのそれぞれを順次使用して神経性電気刺激治療を送達するための順序をランダムに選択することを含むことができる。例えば、プロセッサ回路1222は、選択された3つ以上のベクトルに関する情報を受信し、次いで選択された3つ以上のベクトルに電気刺激治療の異なる部分を提供するためにランダムに順序を選択するように構成されることができる。動作13530において、方法13500は、動作13520において選択された順序などにしたがって、選択されたベクトルのそれぞれを順次使用して神経性電気刺激治療を提供することを含むことができる。
1つまたは複数の実施形態では、動作13510は、プロセッサ回路210を使用して、神経性電気刺激治療のそれぞれの部分を送達するために少なくともベクトルV0、V1、およびV2を選択することを含むことができる。この例において、動作13520において、プロセッサ回路210は、治療のそれぞれの部分を送達するための順序を選択することができる。順序は、プロセッサ回路210を使用してランダムに選択されるように、例えば、V0-V1-V2、またはV1-V0-V2、またはV2-V0-V1などのベクトルシーケンスを含むことができる。次いで、信号生成回路13025は、ランダムに選択されたベクトルシーケンスを使用して治療送達を連携することができる。
1つまたは複数の実施形態において、本明細書で述べるシステムおよび方法の他の利点は、治療送達のために他のものよりも最適な少なくとも1つのベクトルが使用のために選択されることができるのを確実にすることなどによって、埋め込まれた多極電気刺激装置のプログラミングを単純化することを含むことができる。さらに、既知の最適構成のみを使用することと同等または有効性が優れることがある、最適なおよび/または次善の刺激シーケンスなどにより、自動的に生成されたプログラミングアルゴリズムが使用されることができる。一例において、最適なシーケンスは、生理学的応答または治療的応答を誘発するものとすることができる。さらに、そのような従来の装置の様々な電力またはバッテリ消費特性は、外部電力装置が中距離場結合を介して埋込み可能装置に電力を供給するために使用されるときに無視されることができることから、従来の埋込み可能装置では実現できない可能性があるプログラミング設定(例えば、刺激信号の振幅、波形、パルス継続時間など)が実装されることができる。
D.神経治療のための二重周波数電気刺激
図128は、一例として、位相・振幅結合信号の一実施形態を示す。1つまたは複数の実施形態において、電極対またはベクトルは、リモートプログラマまたはリモート制御を使用して臨床医によって選択またはプログラミングされる。臨床医は、選択されたベクトルを介して電気刺激信号を提供するときに使用されることになる様々な信号特性を指定することができる。そのような信号特性は、周波数または位相角特性を含むことができるが、これに限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態において、二重周波刺激構成は、プログラマからの命令にしたがって、選択的にイネーブルまたはディセーブルとされる、すなわち「オン」および「オフ」にスイッチングされることができる。
様々な患者の行動は、固有の神経性信号における位相・振幅結合を変調するかまたは影響を及ぼすことができる。位相・振幅結合はまた、感覚統合、メモリプロセス、および注意選択に関与することができる。そのような結合は、海馬、基底核および新皮質を含むいくつかの脳領域において観察されることができる。
図128の実施形態において、第1の位相・振幅結合信号13701は、高周波数信号および低周波数信号の組合わせを含み、高周波数信号のエンベロープの電力または振幅は、低周波数信号の発振周期の位相とともに変化する。第2の信号13702は、第1の位相・振幅結合信号13701からのより高い周波数信号成分を含む。
1つまたは複数の実施形態において、交差周波数または位相・振幅結合は、例えば、より高い周波数振動の振幅に相関させることができるような、低周波数振動(例えば、感覚またはモータ入力)を変調する活動と局所的な皮質活動(例えば、局所的計算)との関係を特定することにより、定量化または測定されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、治療位相・振幅結合神経性電気刺激信号(PAC信号)は、複数の同時に送達される信号成分を使用して提供されることができる。1つまたは複数の実施形態において、身体運動障害、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、うつ病、神経痛、ジストニア、てんかん、偏頭痛または頭痛のうちの1つまたは複数に関連するような患者の症状、または本明細書で述べる任意の他の状態、病気もしくは障害は、とりわけ、PAC信号ベースの神経性変調治療を使用して軽減または低減することができる。いくつかの患者の障害または生理学は、固有の位相・振幅結合神経性信号に関連付けされることができる。異常なまたは病的な患者の状態に関連付けされることができるような固有の位相・振幅結合神経性信号をキャンセル、緩和、正規化、克服、またはその他の方法で影響を及ぼすために、治療PAC信号が提供されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、PAC信号ベースの神経性変調治療の生理学的効果は、経時的に低下せず、従来の非PAC信号ベースの治療よりも長期間有効である。同じ電気刺激ベクトルを介して同じ神経標的を繰り返し刺激することは、望ましくない結果を有する可能性がある。例えば、刺激の治療上の利益は、標的神経領域が刺激を学習または適応するにつれて、経時的に低下する可能性がある。PAC信号によってベクトルまたは標的を刺激することは、述べられた1つまたは複数の問題を少なくとも部分的に克服するのに役立つことができる。
図129は、一例として、神経性電気刺激治療を同時に提供する方法13800の一実施形態の図を示す。動作13810において、方法13800は、第1のベクトルを使用して第1の周波数で第1の電気刺激信号を提供することを含む。例えば、動作13810は、図1の実施形態における装置110の第1のベクトルV10を使用して、第1の振幅、位相、および周波数特性を有するような第1の電気刺激信号を提供することを含むことができる。
動作13820において、1つまたは複数の信号特性が第2の電気刺激信号について選択されることができる。特性は、動作13810において提供される第1の信号の振幅特性を変調するように選択されることができる。例えば、信号が類似の標的神経領域に同時に送達されるとき、第1および第2の信号の組合わせが位相・振幅結合信号であるように、第2の信号が第1の信号の位相または周波数特性と異なるように位相または周波数特性が選択されることができる。動作13830において、方法13800は、第2のベクトルを使用して第2の周波数で第2の電気刺激信号を提供することを含むことができる。。例えば、動作13830は、図1の例における装置110の第2のベクトルV11を使用して、第2の振幅、位相、および周波数特性を有するような第2の電気刺激信号を提供することを含むことができる。
図130は、一例として、複数の位相・振幅結合治療信号を提供することを含む方法13900を示す。動作13910において、方法13900は、第1および異なる第2の信号成分を含む第1のPAC信号を提供することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、第1の信号成分は、第1および第2の信号成分が同じ標的に実質的に同時に供給されるとき、第2の信号成分の位相特性によって変調される振幅特性を有することができる。
動作13920において、方法13900は、異なる第3の信号成分と組合わせて第1の信号成分を含む第2のPAC信号を提供することを含むことができる。すなわち、動作13920において、第1の信号成分は、第1および第3の信号成分が同じ標的に実質的に同時に供給されるとき、第3の信号成分の位相特性によって変調される振幅特性を有することができる。あるいは、動作13920において、第3の信号成分は、第1および第3の信号成分が同様の標的に実質的に同時に供給されるとき、第1の信号成分の位相特性によって変調される振幅特性を有することができる。
図131は、一例として、PAC信号において使用するための1つまたは複数の信号成分特性を選択することを含む方法14000の一実施形態の図を示す。動作14010において、方法14000は、被験者からの固有の神経性信号を検知することを含むことができる。患者の身体上、身体内または身体近傍に配置された1つまたは複数のセンサは、固有の神経性信号を受信するように構成されることができる。動作14020において、固有の神経性信号の1つまたは複数の特性が判定されることができる。例えば、動作14020において、検知された固有の神経性信号の振幅またはタイミング特性が判定されることができる。1つまたは複数の実施形態において、患者の病状は、検知された固有の信号の1つまたは複数の特性に基づいて識別されることができる。
動作14030において、1つまたは複数の信号成分特性が、神経性電気刺激治療における使用のために選択されることができる。神経性電気刺激治療は、異なる電気刺激ベクトルに対応する異なる電極を介して送達される少なくとも2つの異なる電気刺激信号を含むPAC信号を含むことができる。動作14020において、固有の神経性信号の判定された特性に基づいて、PAC信号における少なくとも2つの異なる電気刺激信号の特性が選択されることができる。例えば、固有の神経性信号は、弱くてもよく、または望ましくない波形形態を有してもよい。これに応答して、装置110のプロセッサ回路13024は、異なる周波数特性を有するような、高振幅の第1の信号およびより低い振幅の第2の信号を選択するように構成されることができる。選択された信号が空間的に重複する電気刺激ベクトルを介して同時に送達されるとき、固有の信号の望ましくない波形形態は、より高い振幅の位相・振幅変調されて送達された信号の組合わせによってマスクされるかまたは克服されることができる。
E.電気刺激治療による通信信号の組み込みのためのシステムおよび方法
このサブセクションでは、埋込み可能装置を使用して患者治療を提供または送達するためのシステム、装置、および方法が一般に記載される。1つまたは複数の実施形態において、患者治療は、患者の身体内の1つまたは複数の神経標的に提供される変調(例えば、電気刺激)治療を含む。1つまたは複数の実施形態において、中距離場送信機から電力信号およびデータ信号を無線で受信する埋込み装置を使用して、変調(例えば、電気刺激)治療が提供される。本明細書で述べるシステム、装置、および方法は、内部装置と外部装置との間でデータを通信するために使用されることができる。1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能または内部装置によって提供される治療は、外部装置によって受信および解釈されることができる情報信号を含む。
図132は、一例として、データ信号成分を有する様々な治療信号の実施形態の図を示す。第1の電気刺激治療信号14101(例えば、近接場信号)は、1つまたは複数のデータ信号パルスによってインターリーブされるか、または1つまたは複数のデータ信号パルスから時間的に離間された複数の治療信号パルスを含む。第2の電気刺激治療信号14102は、組み込まれたデータ信号パルスを有する治療信号パルスを含む。データ信号パルスは、治療標的190においてまたはその近傍に提供されるデータ信号パルスに応答して生理的応答が実質的に誘発されないように、十分に高い周波数または十分に短い継続時間にわたって提供される。
1つまたは複数の実施形態において、最大データ信号周波数は、ニューロンまたは神経組織などの標的組織の絶対不応期によって制限されることができる。絶対不応期は、後続の刺激がどれほど強いかにかかわらず、以前に励起された神経標的に送達された後続の刺激が後続の活動電位に至らない時間を含む。1つまたは複数の実施形態における絶対不応期は、約1から2ミリ秒とすることができる。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2の治療信号14101および14102は、パルス信号に対する神経性応答が回避されるように、十分に高い周波数および/または十分に低い振幅および/または特定のタイミング区間で提供されるデータ信号パルスを含む。
1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110は、電極E0およびE2を含む電極ベクトルを使用するなど、第1の信号14101を提供する。第1の信号14101は、時刻t0で開始し、時刻tfで後に終了する。t0において、第1の信号14101は、第1のパルス継続時間Δt1を有する第1の治療パルスT1を含む。第1の信号14101は、時間t2で始まり、第2のパルス継続時間Δt2を有する次の第2の治療パルスT2を含む。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2のパルス継続時間Δt1およびΔt2は、実質的に同じであるが、他の継続時間も同様に使用されることができる。
治療パルスの振幅および周波数特性は、治療的または他の生理学的応答を誘発するように選択されることができる。例えば、治療パルスは、約5ボルト以下のピーク振幅を有することができ(1つまたは複数の実施形態において、約1、2、3、4、または5ボルトのピーク振幅が使用されることができる)、10kHz以下のパルス周波数を有することができる(例えば、4kHzから10kHz、6kHzから10kHz、8kHzから10kHz、2kHzから6kHz、500Hzから2kHz、200Hzから1kHz、10Hzから100Hz、これらの重複範囲、2kHz以下、または記載された範囲内の任意の値)。1つまたは複数の実施形態において、パルス周波数は、1秒あたり数十サイクル程度とすることができる。1つまたは複数の実施形態において、パルス周波数は、約50Hzであり、第1の信号14101は、脊髄電気刺激治療を提供するように構成される。1つまたは複数の実施形態において、パルス周波数は、約120Hzであり、第1の信号14101は、脳深部刺激治療を提供するように構成される。1つまたは複数の実施形態において、パルス周波数は、500Hzから2000Hzであり、バースト信号ベースの治療を提供するように構成される。一般に、第1の信号14101の治療パルス周波数は、十分に低く、第1の信号14101の治療パルス振幅は、治療効果を誘発するために十分に高い。
治療パルスT1、T2、およびT3に加えて、第1の信号14101は、データ信号パルスを含むデータ通信間隔をさらに含む。通信間隔は、治療パルスとインターリーブされることができる。すなわち、通信パルスは、治療パルスまたは治療関連信号成分が埋込み可能装置110によって提供されない場合、治療パルス間のブランキング区間または期間中に生じる。1つまたは複数の実施形態において、第1の信号14101は、第1の治療パルスT1と第2の治療パルスT2との間の第1の通信間隔C1と、第2の治療パルスT2と第3の治療パルスT3との間の第2の通信間隔C2とを含む。
通信間隔中に、第1および第2の治療パルスT1およびT2を提供するために使用されるような埋込み可能装置110の同じまたは異なる電極が励起されてデータ信号パルスを生成することができる。データ信号パルスは、埋込み可能装置110によって送達可能な信号に情報を符号化するパルス幅変調パルス、周波数変調パルス、または振幅変調パルスを含むことができる。送達された変調パルス信号の結果として生成された遠距離場信号は、外部ソース102によって、または別の受信機によって受信されて復号されることができる。例えば、第1の通信間隔C1は、第1のパルス幅変調(PWM)データ信号を含むことができる。第1のPWMデータ信号は、信号に対する生理学的応答が回避されることができるように、十分に高い周波数および/または十分に低い信号振幅で提供されることができる。1つまたは複数の実施形態において、第1のPWMデータ信号は、第1の信号14101の治療パルス成分の周波数よりも少なくとも1桁、好ましくは2または3桁高い大きさの周波数で提供される。1つまたは複数の実施形態において、第1のPWMデータ信号は、既知の生理的捕捉または応答を引き起こす振幅閾値に対応する特定の閾値振幅よりも小さい振幅で提供される。第2の通信間隔C2は、第2のPWM信号を含むことができる。第2のPWM信号は、第1のPWM信号で符号化されたものとは異なる情報を符号化するなどのために、第1のPWM信号とは異なる特性を必要に応じて有することができる。1つまたは複数の実施形態において、治療パルスおよびデータ信号は、同じまたは異なる電極を使用して埋込み可能装置110によって提供されることができる。
1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110は、電極E0およびE2を含む電極ベクトルを使用するなどして、第2の信号14102を提供する。第2の信号14102は、時刻t0で始まり、時刻tfで後に終了する。t0において、第2の信号14102は、第1のパルス継続時間Δt1を有する第1の複合治療パルスCT1を含む。第2の信号14102は、時間t2から始まり、第2のパルス継続時間Δt2を有する次の第2の複合治療パルスCT2を含む。1つまたは複数の実施形態において、第1および第2のパルス継続時間Δt1およびΔt2は、実質的に同じであるが、他の継続時間も同様に使用されることができる。第1および第2の複合治療パルスCT1およびCT2の振幅および周波数特性は、治療応答を誘発するように選択される。
第1および第2の複合治療パルスCT1およびCT2のそれぞれは、データ信号成分を含む。すなわち、各複合治療パルスは、組み込まれたデータ信号を含むパルス信号部分を含む。組み込まれたデータ信号成分は、外部ソース102によってまたは遠距離場センサ装置130などの別の受信機によって受信されて復号されることができる信号に情報を符号化するパルス幅変調パルス、周波数変調パルス、または振幅変調パルスを含むことができる。例えば、第1の複合治療パルスCT1は、第1のパルス幅変調(PWM)パルス部分を含むことができる。第1のPWMパルス部分は、治療応答が誘発されるかまたは引き起こされるように、十分に高い周波数および/または十分に高い信号振幅で提供されることができる。すなわち、第1のPWMパルス部分は、信号の周波数が神経標的の不応期を超えるように十分に高い周波数とすることができ、したがって、第1のPWMパルス部分の効果は、本質的に、同じ継続時間にわたって提供される一定の電気刺激信号またはパルスである。
図132の実施形態に示すように、複合治療パルスCT1、CT2、およびCT3は、全体のパルス継続時間に関して異なる時間区間または位置において治療パルスによって組み込まれたデータ信号成分を含むことができる。例えば、第1の複合治療パルスCT1は、時刻t0の後に短い継続時間で開始するデータ信号成分を含み、データ信号成分は、t1の前に短い継続時間で終了する。1つまたは複数の実施形態において、CT1のデータ信号成分および他の複合治療パルスは、パルスの立ち上がり縁部の後に指定されたまたは固定された継続時間を開始することができる。第2の複合治療パルスCT2は、t2において第2の複合治療パルスCT2の開始と一致するデータ信号成分を含み、第3の複合治療パルスCT3は、t4の後に開始し且つt5において第3の複合治療パルスCT3の終了部分と一致するデータ信号成分を含む。したがって、データ信号成分は、生理学的応答を誘発するように構成された他のパルス部分を含むパルスの本質的に任意の部分によって組み込まれることができる。1つまたは複数の実施形態において、データ信号成分は、特定の区間で、ランダムに、または実質的に連続的に治療信号によって組み込まれることができる。
図132は、第1および第2の治療信号14101および14102のいずれか一方の効果を表す第3の電気刺激治療信号14103を含む。例えば、第2の治療信号14102における組み込まれたデータ信号成分は、十分に高い周波数および/または振幅で提供されることから、第2の治療信号14102の生理学的効果は、本質的にまたは実際的に第3の治療信号14103の生理学的効果と同じである。同様に、第1の治療信号14101におけるインターリーブされたデータ信号は、十分に高い周波数および/または低い振幅(例えば、サブ捕捉閾値)で提供されることから、第1の治療信号14101の生理学的効果は、本質的にまたは実際的に、第3の治療信号14103の生理学的効果と同じである。
図133は、一例として、治療ベースの信号から情報信号を取得することを含む方法14200の一実施形態の図を示す。方法14200は、外部ソース102および埋込み可能装置110を含む閉ループシステムを使用することを含む。埋込み可能装置110は、外部ソース102から変換された電力レベル、埋込み可能装置110によって使用される実際の治療または電気刺激パラメータ、埋込み可能装置110のリードまたは電極インピーダンス特性、または他の情報のうちの1つまたは複数に関する情報を測定または検知するように構成される。測定または検知された情報は、埋込み可能装置110において治療信号に符号化され、その後、治療信号は、埋込み可能装置110によって提供され、外部ソース102によって検知される。したがって、外部ソース102と埋込み可能装置110との間にフィードバックまたは通信ループが確立されることができる。
動作14210において、方法14200は、外部ソース102から中距離場電力信号を送信することを含む。中距離場電力信号を送信することは、アンテナ300に無視できないHフィールド成分を有するRF信号を放射させるために、アンテナ300上の1つまたは複数のサブ波長構造体を励起することに応答して含むことができる。動作14220において、方法14200は、埋込み可能装置110において中距離場電力信号を受信することを含む。
動作14230において、方法14200は、埋込み可能装置110を使用して近接場電気刺激治療を提供することを含む。動作14230は、図132の実施形態からの第1または第2の治療信号14101または14102を提供すること、またはデータ信号成分を含むことができるような他の信号を提供することを含むことができる。データ信号成分は、埋込み可能装置110に関するまたは埋込み可能装置110によって提供されるもしくは提供されることになる治療に関する符号化された情報を含むことができる。動作14230において近接場電気刺激治療を提供することは、埋込み可能装置110からリモートで検出されることができる遠距離場信号を提供することを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、近接場電気刺激治療を提供することは、埋込み可能装置110の同じ電極から治療およびデータ信号パルスを提供することを含む。
動作14240において、方法14200は、外部ソース102において、近接場電気刺激治療に対応する遠距離場信号を受信することを含む。遠距離場信号を受信することは、外部ソース102に結合された電極121および122を使用することを含むことができる。電極121および122は、埋込み可能装置110の近傍の組織表面に結合されることができ、動作14230において提供される近接場電気刺激治療から生じる電気的活動を検知することができる。
動作14250において、方法14200は、外部ソース102を使用などして、受信した遠距離場信号から情報信号を取得することを含む。1つまたは複数の実施形態において、情報信号を取得することは、図2Aの実施形態からのプロセッサ回路210および/または復調回路230を使用して、電極121および122から電気信号を受信し、電気信号を処理して電気信号から情報またはデータ成分を抜去することを含む。
動作14260において、方法14200は、外部ソース102を使用して、情報信号を使用者および/またはリモート装置に報告することを含む。情報信号は、(例えば、オーディオスピーカ251を使用して)聴覚的に、(例えば、表示インタフェース252を使用して)視覚的にもしくはグラフィック的に含む、または振動もしくは他の機械的信号を使用する(例えば、触覚フィードバック装置253を使用する)様々な方法で報告されることができる。1つまたは複数の実施形態において、動作14260における報告は、とりわけ、埋込み可能装置110が適切にもしくは不適切に動作していること、埋込み可能装置110が許容可能なもしくは許容不可能な効率レベルで動作14220において中距離場電力信号を受信したこと、外部ソース102および/または埋込み可能装置110の位置決めまたは外部ソース102および埋込み可能装置110のうちの1つもしくは複数におけるエラー状態に対する調整が必要とされることを示すことができる。
動作14270において、方法14200は、動作14250からの取得された情報に基づいて、中距離場電力信号特性を更新することを含む。例えば、動作14220において埋込み可能装置110において不十分または予期しない量の電力が受信されたことを情報信号が示す場合、任意のその後の送信の効率性または有効性を向上させようとするために1つまたは複数の中距離場送信信号特性が更新または調整されることができる。
図134は、一例として、治療信号内の情報を符号化することを含む方法14300の一実施形態の図を示す。方法14300は、上述したように、図133の方法14200からの動作14220および14230を含む。動作14220の後および動作14230の前に、方法14300は、動作14222および動作14224の少なくとも1つを含む。
動作14222において、方法14300は、外部ソース102から埋込み可能装置110によって受信した信号の1つまたは複数の定量的または定性的特性を判定することを含む。1つまたは複数の実施形態において、動作14222は、埋込み可能装置110自体に電力を供給するかまたは埋込み可能装置110によって送達される電気刺激治療のためのエネルギーを提供するなどのために、受信電力の量を判定することまたは受信電力信号から埋込み可能装置110によって使用可能もしくは消費可能な電力信号への変換の効率を判定することを含む。1つまたは複数の実施形態において、動作14222は、受信信号を分析して信号が埋込み可能装置110による使用のためのデータまたは命令を含むかどうかを判定することを含む。
動作14224において、方法14300は、動作14222において判定された定量的または定性的特性に関する、埋込み可能装置110自体に関する、または埋込み可能装置110によって検知された生理学的情報に関する治療信号における情報を符号化することを含む。例えば、埋込み可能装置110自体に関する情報は、電力もしくはバッテリ状態に関する情報、治療スケジュール、埋め込み日、治療を提供するためにどの複数の電極が使用されたかに関する情報を含むような治療履歴、装置診断、装置状態、もしくは装置動作情報、または利用可能な電極、利用可能な電気刺激ベクトル、もしくは埋込み可能装置110と一体にまたは通信可能に結合されたセンサに関する情報を含むような装置構成情報を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110は、その電極または他のセンサ(例えば、センサインタフェース4428の一部)を使用して生理学的情報を検知するように構成され、動作14224は、治療信号における送信のためにそのような生理学的情報を符号化することを含む。
動作14230において、方法14300は、埋込み可能装置110を使用して、符号化された情報を提供することを含むような近接場電気刺激治療を提供することを含む。1つまたは複数の実施形態において、動作14230は、インターリーブされたデータ信号(例えば、治療パルスT1、T2、およびT3を含む第1の治療信号14101、および通信間隔C1およびC2のインターリーブされたデータ信号を参照)を有する治療信号を提供することを含む。インターリーブされたデータ信号は、埋込み可能装置110の近傍の組織からの生理学的応答が引き起こされないように、十分に高い周波数で、十分に低い振幅で、および/または十分に短い継続時間にわたって提供されることができる。1つまたは複数の実施形態において、動作14230は、治療パルスによって組み込まれたデータ信号を有する治療信号を提供することを含む(例えば、複合治療パルスCT1、CT2、およびCT3を含む第2の治療信号14102を参照)。組み込まれたデータ信号は、信号の生理学的効果が同じ全継続時間にわたって提供される従来の治療パルスの振幅または周波数特性とほぼ同じであるように、十分な振幅および周波数で提供されることができる。
図135は、一例として、治療が適切に提供されたかどうかを判定することを含む方法14400の一実施形態の図を示す。動作14410において、方法14400は、外部ソース102を使用して、外部ソース102から埋込み可能装置110に通信されることになる電力信号に命令を符号化することを含む。符号化された命令は、埋込み可能装置110によって使用され、命令によって指定された1つまたは複数の治療信号特性を有する治療信号を生成して提供する。治療信号特性は、とりわけ、特定のパルスパターン、周波数、バースト特性、振幅、位相、波形形態、または他の特性を含むことができる。動作14420において、方法14400は、動作14410において符号化された命令を含む中距離場電力信号を送信するために外部ソース102を使用することを含む。中距離場電力信号を送信することは、アンテナ300に無視できないHフィールド成分を有するRF信号を放射させるために、アンテナ300上の1つまたは複数のサブ波長構造体を励起することに応答して含むことができる。
動作14430において、方法14400は、埋込み可能装置110において中距離場電力信号を受信することと、埋込み可能装置110を使用して命令を復号することとを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110のアンテナ108は、中距離場電力信号を受信し、復調器544、デジタルコントローラ548、または復号および処理のための別のプロセッサ回路のうちの1つまたは複数に対応する電気信号を供給する。例えば、1つまたは複数の指定された治療信号特性を含む命令は、電気信号から復号されることができる。
動作14440において、方法14400は、動作14430において復号された命令にしたがって近接場電気刺激治療を提供することを含む。例えば、刺激駆動回路556は、1つまたは複数の指定された治療信号特性を含む命令を実施して、埋込み可能装置110の電極アレイに対する1つまたは複数の出力534に電気刺激信号を供給するように構成されることができる。近接場電気刺激治療が動作14440において提供されるとき、対応する電位差(例えば、電気双極子モーメントの結果として)は、外部ソース102または遠距離場センサ装置130を使用などして、リモートで検出されることができる。外部ソース102および/または遠距離場センサ装置130は、送達された治療信号から生じる電位差情報を受信するために埋込み可能装置110の近傍の皮膚表面に電気的に結合されることができる。電気刺激電極から遠位のおよび必要に応じて治療標的190から遠位の組織または他の空間において、電場は、電気刺激治療から生じる近接場信号に対応する遠距離場信号と考えることができる。動作14440において提供される近接場電気刺激治療は、必要に応じて、データ信号成分(例えば、図132の実施形態における第1および第2の治療信号14101および14102を参照)を含むことができる。
動作14450において、方法14400は、外部ソース102の検知電極220を介して、動作14440において提供された近接場電気刺激治療に対応する遠距離場信号を受信することを含む。遠距離場信号を受信することは、外部ソース102に結合された電極121および122を使用することを含むことができる。電極121および122は、埋込み可能装置110の近傍の組織表面に結合されることができ、動作14440において提供される近接場電気刺激治療から生じる電気的活動を検知することができる。1つまたは複数の実施形態において、外部ソース102は、プロセッサ回路210を使用などして、遠距離場信号に対応する第2の電気信号を提供することができる。
動作14460において、方法14400は、受信した遠距離場信号に基づいて、動作14440において電気刺激治療が適切に提供されたかどうかを判定することを含む。動作14460における判定は、外部ソース102を使用して、または外部ソース102とデータ通信する外部装置を使用して実行されることができる。動作14460における判定は、遠距離場信号に対応する第2の電気信号を分析して、近接場信号および/または遠距離場信号の特性が動作14410において指定された1つまたは複数の治療信号特性に対応するかまたは一致するかどうかを判定することを含む。すなわち、近接場電気刺激治療が動作14410において外部ソース102によって発行された命令にしたがって動作14440において適切に提供されたかどうかを判定するために、遠距離場電気信号から得られる第2の電気信号が使用されることができる。外部ソース102または埋込み可能装置110は、治療が不適切に提供されたと判定された場合、是正措置を講じることができる。例えば、外部ソース102は、治療信号特性の1つまたは複数を更新または変更するなどのために、埋込み可能装置110に新たなまたは追加の命令を送信することができ、または、埋込み可能装置110は、治療を提供するために異なる電気刺激ベクトルを選択または使用することができる。
IV.コンピュータハードウェアおよび/またはアーキテクチャの実施形態
図136は、一例として、本明細書で述べる1つまたは複数の方法が実行されることができる、または本明細書で述べる1つまたは複数のシステムまたは装置が使用されることができる機械装置15000の一実施形態のブロック図を示す。図150は、上記実施形態および図のいくつかに関連して述べられて記載される構造的構成要素への言及を含む。1つまたは複数の実施形態において、埋込み可能装置110、ソース102、センサ107、プロセッサ回路210、デジタルコントローラ548、回路ハウジング610、4806、5606、および/または3616内の回路、システム制御回路4222、電力管理回路4214および/または6408、コントローラ6412、刺激回路4216、エネルギー収集回路4212、同期回路4218、外部装置4202、5028、AND/OR8802、制御回路8221、フィードバック制御回路8223、埋め込まれた装置8804、位置決め回路11446、制御回路11652、埋込み可能装置の他の回路、および/または回路10430などの外部ソースの一部であるかもしくは接続された回路は、機械装置15000の1つまたは複数のアイテムを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態にかかる機械装置15000は、機械装置可読媒体(例えば、機械装置可読記憶媒体)から命令を読み取り、図41A~図41B、図103、図104、図107、図110、図111、図112、図113、図117、図118、図125、図126、図127、図129~図131、図133、図134、および/または図135に関して記載された方法など、本明細書で述べる任意の1つもしくは複数の方法論、方法論の1つもしくは複数の動作、または1つもしくは複数の回路機能を実行することができる。例えば、図136は、コンピュータシステムの例示的な形態の機械装置15000の概略図を示しており、その中で、本明細書で述べる方法論のうちの任意の1つまたは複数を機械装置15000に実行させる命令15016(例えば、ソフトウェア、プログラム、アプリケーション、アプレット、アプリケーション、または他の実行可能コード)が実行されることができる。これらの命令は、一般的なプログラミングされていない機械装置を、記載されたように記載されて図示された機能を実行するようにプログラミングされた特定の機械装置に変換する。代替の実施形態において、機械装置15000は、スタンドアロン装置として動作するか、または他の機械装置に結合(例えば、ネットワーク接続)されることができる。ネットワーク化された配備において、機械装置15000は、サーバ・クライアントネットワーク環境におけるサーバ機械装置またはクライアント機械装置の能力において、またはピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境におけるピア機械装置として動作することができる。機械装置15000の様々な部分は、外部ソース102および埋込み可能装置110のうちの1つまたは複数に含まれることができるか、またはそれらとともに使用されることができる。1つまたは複数の実施形態において、機械装置15000の異なるインスタンス化または異なる物理的ハードウェア部分は、外部ソース102および埋込み可能装置110に別個に埋め込まれる。
1つまたは複数の実施形態において、機械装置15000は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、モバイル装置、着用可能装置(例えば、スマートウォッチ)、スマートホーム装置(例えば、スマートアプライアンス)、他のスマート装置、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、または機械装置15000によってとられることになる動作を指定する命令15016を順次または他の方法で実行することができる任意の機械装置を備えるが、これらに限定されるものではない。さらに、単一の機械装置15000のみが図示されているが、用語「機械装置」はまた、本明細書で述べる方法論のうちの任意の1つまたは複数を実行するために命令15016を個々にまたは共同して実行する機械装置15000の集合を含むと解釈される。
機械装置15000は、バス15002などを介して互いに通信するように構成されることができるプロセッサ15010、メモリ15030、またはI/Oコンポーネント15050を含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、プロセッサ15010(例えば、中央処理装置(CPU)、縮小命令セット演算(RISC)プロセッサ、複合命令セット演算(CISC)プロセッサ、グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路機構(ASIC)、無線周波数集積回路機構(RFIC)、別のプロセッサ、またはそれらの任意の適切な組合わせ)は、例えば、命令15016を実行することができるプロセッサ15012およびプロセッサ15014を含むことができる。用語「プロセッサ」は、同時に命令を実行することができる2つ以上の独立したプロセッサ(「コア」と呼ばれることもある)を含むことができるマルチコアプロセッサを含むことを意図している。図136は、複数のプロセッサを示しているが、機械装置15000は、単一のコアを有する単一のプロセッサ、複数のコアを有する単一のプロセッサ(例えばマルチコアプロセス)、単一のコアを有する複数のプロセッサ、複数のコアを有する複数のプロセッサ、またはそれらの任意の組合わせを含むことができる。
メモリ/記憶装置15030は、双方ともバス15002などを介してプロセッサ15010にアクセス可能なメインメモリまたは他のメモリ記憶装置などのメモリ15032と、記憶部15036とを含むことができる。記憶部15036およびメモリ15032は、本明細書に記載される方法論または機能のうちの任意の1つまたは複数を具体化する命令15016を記憶する。命令15016はまた、機械装置15000によるその実行中に、メモリ15032の内部、記憶部15036の内部、プロセッサ15010の少なくとも1つの内部(例えば、プロセッサのキャッシュメモリの内部)、またはそれらの任意の適切な組合わせの内部に完全にまたは部分的に存在することができる。したがって、メモリ15032、記憶部15036、およびプロセッサ15010のメモリは、機械装置可読媒体の例である。
本明細書で使用される場合、「機械装置可読媒体」は、命令およびデータを一時的または永続的に記憶することができる装置を意味し、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリ、光媒体、磁気媒体、キャッシュメモリ、他の種類の記憶装置(例えば、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM))、および/またはそれらの任意の適切な組合わせを含むことができるが、これらに限定されるものではない。用語「機械装置可読媒体」は、命令15016を記憶することができる単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈すべきである。用語「機械装置可読媒体」はまた、命令が機械装置15000の1つまたは複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ15010)によって実行されると、機械装置15000に本明細書に記載された方法論のうちの1つまたは複数を実行させるように、機械装置(例えば、機械装置15000)による実行のための命令(例えば、命令15016)を記憶することができる任意の媒体または複数の媒体の組合わせを含むと解釈される。したがって、「機械装置可読媒体」は、単一の記憶装置または装置、ならびに複数の記憶装置または装置を含む「クラウドベース」の記憶システムまたは記憶ネットワークを指す。用語「機械装置可読媒体」は、信号そのものを除外する。
I/Oコンポーネント15050は、入力を受信し、出力を提供し、出力を生成し、情報を送信し、情報を交換し、測定を捕捉するための多種多様な構成要素を含むことができる。特定の機械装置に含まれる特定のI/Oコンポーネント15050は、機械装置の種類に依存する。例えば、携帯電話などのポータブル機械装置は、タッチ入力装置または他のそのような入力機構を含む可能性が高いが、ヘッドレスサーバ機械装置は、そのようなタッチ入力装置を含まない可能性が高い。I/Oコンポーネント15050は、図150には示されていない多くの他の構成要素を含むことができることが理解される。I/Oコンポーネント15050は、単に以下の説明を簡単にするために機能性にしたがってグループ分けされ、グループ分けは、限定的なものではない。様々な例示的な実施形態において、I/Oコンポーネント15050は、出力コンポーネント15052および入力コンポーネント15054を含むことができる。出力コンポーネント15052は、視覚コンポーネント(例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プロジェクタ、または陰極線管(CRT))、音響コンポーネント(例えば、スピーカ)、触覚コンポーネント(例えば、振動モータ、抵抗機構)、他の信号生成器などを含むことができる。入力コンポーネント15054は、英数字入力コンポーネント(例えば、キーボード、英数字入力を受信するように構成されたタッチスクリーン、写真・光学キーボード、または他の英数字入力コンポーネント)、ポイントベースの入力コンポーネント(例えば、マウス、タッチパッド、トラックボール、ジョイスティック、モーションセンサ、または他のポインティング機器)、触覚入力コンポーネント(例えば、物理的ボタン、タッチまたはタッチジェスチャの位置および/または力を提供するタッチスクリーン、または他の触覚入力コンポーネント)、オーディオ入力コンポーネント(例えば、マイクロホン)などを含むことができる。
さらなる例示的な実施形態において、I/Oコンポーネント15050は、他のコンポーネントの幅広いアレイのうち、生体コンポーネント15056、運動コンポーネント15058、環境コンポーネント15060、または位置コンポーネント15062を含むことができる。例えば、生体コンポーネント15056は、表現(例えば、手の表情、顔の表情、声の表情、身体のジェスチャ、または目の追跡)を検出するためのコンポーネントを含むことができ、生理学的信号(例えば、血圧、心拍数、体温、発汗、または脳波、神経性活動、または筋肉活動)を測定することができ、人(例えば、音声識別、網膜識別、顔識別、指紋識別、または脳波記録ベースの識別)などを識別することができる。
運動コンポーネント15058は、加速度センサコンポーネント(例えば、加速度計)、重力センサコンポーネント、回転センサコンポーネント(例えば、ジャイロスコープ)などを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、1つまたは複数の運動コンポーネント15058は、外部ソース102または埋込み可能装置110に組み込まれることができ、患者の運動または身体活動レベルを検出するように構成されることができる。患者の運動に関する情報は、例えば、外部ソース102と埋込み可能装置110との間の物理的関係が変化またはシフトするとき、信号伝達特性(例えば、振幅、周波数など)を調整するために、様々な方法で使用されることができる。
環境コンポーネント15060は、例えば、照明センサコンポーネント(例えば、光度計)、温度センサコンポーネント(例えば、周囲温度を検出する1つまたは複数の温度計)、湿度センサコンポーネント、圧力センサコンポーネント(例えば、気圧計)、音響センサコンポーネント(例えば、背景雑音を検出する1つまたは複数のマイクロホン)、近接センサコンポーネント(例えば、近くの物体を検出する赤外線センサ)、ガスセンサ(例えば、安全のために有害ガスの濃度を検出するまたは雰囲気における汚染物質を測定するためのガス検出センサ)、または周囲の物理的環境に対応する指標、測定値、もしくは信号を提供することができる他のコンポーネントを含むことができる。位置コンポーネント15062は、位置センサコンポーネント(例えば、全地球測位システム(GPS)受信機コンポーネント)、高度センサコンポーネント(例えば、高度が導出されることができる空気圧を検出する高度計または気圧計)、方向センサコンポーネント(例えば、磁力計)などを含むことができる。1つまたは複数の実施形態において、I/Oコンポーネント15050は、埋込み可能装置110および/または外部ソース102の一部とすることができる。
通信は、多種多様な技術を使用して実施されることができる。I/Oコンポーネント15050は、機械装置15000をネットワーク15080にまたは結合15082および結合15072をそれぞれ介して装置15070に接続するように動作可能な通信コンポーネント15064を含むことができる。例えば、通信コンポーネント15064は、ネットワークインタフェースコンポーネントまたはネットワーク15080とインタフェースするための他の適切な装置を含むことができる。さらなる例において、通信コンポーネント15064は、有線通信コンポーネント、無線通信コンポーネント、セルラ通信コンポーネント、近距離(近接場)通信(NFC)コンポーネント、中距離場通信コンポーネント、遠距離場通信コンポーネント、および他のモダリティを介した通信を提供するための他の通信コンポーネントを含むことができる。装置15070は、別の機械装置または多種多様な周辺装置のいずれかとすることができる。
さらに、通信コンポーネント15064は、識別子を検出することができ、または識別子を検出するように動作可能なコンポーネントを含むことができる。例えば、通信コンポーネント15064は、無線周波数識別(RFID)タグリーダコンポーネント、NFCスマートタグ検出コンポーネント、光学リーダコンポーネント(例えば、ユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)バーコードなどの1次元バーコードを検出するための光学センサ、クイックレスポンス(QR)コード、アズテックコード、データマトリクス、データグリフ、MaxiCode、PDF417、ウルトラコード、UCC RSS-2Dバーコード、および他の光学コードなどの多次元バーコード)、または音響検出コンポーネント(例えば、タグ付きオーディオ信号を識別するためのマイクロホン)を含むことができる。さらに、インターネットプロトコル(IP)ジオロケーションを介した位置、Wi-Fi(登録商標)信号三角測量を介した位置、特定の位置を示すことができるNFCビーコン信号の検出を介した位置など、通信コンポーネント15064を介して多様な情報が導出されることができる。
いくつかの実施形態において、システムは、(複数の特徴とは対照的に)単一の特徴として存在する様々な特徴を備える。例えば、一実施形態では、システムは、単一の外部ソースと、単一のアンテナを有する単一の埋込み可能装置または刺激装置とを含む。別の実施形態では、複数の特徴または構成要素が提供される。
いくつかの実施形態において、以下の1つまたは複数をシステムが備える:組織刺激手段(例えば、埋込み可能刺激装置)、電力供給手段(例えば、中距離場電力供給装置または中距離場カプラ)、受信手段(例えば、受信機)、送信手段(例えば、送信機)、制御手段(例えば、プロセッサまたは制御装置)など。
様々な一般的なおよび特定の実施形態が本明細書に記載されているが、本開示のより広い精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更および変形を行うことができることは明らかである。したがって、明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。本出願の一部をなす添付の図面は、主題を実施することができる特定の実施形態を一例として図示するものであり、限定するものではない。図示された実施形態は、当業者が本明細書に開示された教示を実施できるように十分に詳細に記載されている。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、別の実施形態が使用または導出されることができる。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、そのような特許請求の範囲に含まれる均等物の全範囲とともに添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。特定の実施形態または例が本明細書に図示されて記載されたが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成は、示された特定の実施形態に置き換えられることができることが理解されるべきである。本開示は、様々な実施形態の任意のおよび全ての適合または変形を網羅することを意図している。上記実施形態の組合わせ、および本明細書に具体的に記載されていない別の実施形態は、上記説明を検討することにより当業者にとって明らかであろう。
これらの非限定的な例または実施形態のそれぞれは、それ自体で主張することができ、または1つまたは複数の別の例もしくは実施形態との様々な配列または組合わせで組合わせることができる。
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面の参照を含む。図面は、本明細書で述べる方法、装置、およびシステムを実施することができる特定の実施形態を一例として示す。これらの実施形態はまた、本明細書では「例」とも呼ばれる。そのような例は、図示または記載されたものに加えて要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、図示または記載されたそれらの要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者らはまた、特定の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、または本明細書に示されたまたは記載された別の例(またはその1つまたは複数の態様)に関して、示されたまたは記載されたそれらの要素(またはその1つまたは複数の態様)の任意の組合わせまたは配列を使用する例を企図する。
本明細書では、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の任意の他のインスタンスまたは用途とは無関係に、1つまたは複数のものを含むように、特許文書において一般的であるように、用語「a」または「an」が使用される。本明細書において、用語「または」は、特に明記しない限り、非排他性を指すように、または、「AまたはB」が「AはBを含まない」、「BはAを含まない」、ならびに「AおよびB」を含むように使用される。本明細書では、用語「含む(including)」および「その中にある(in which)」は、各用語「備える(comprising)」および「ここで(wherein)」の平易な英語の等価物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」および「備える(comprising)」は、限定がない、すなわち、特許請求の範囲においてそのような用語の後に記載された要素に加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成、処方、または処理は、依然としてその特許請求の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、用語「第1の」、「第2の」、および「第3の」などは、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
本明細書に開示される範囲はまた、任意のおよび全ての重複、小範囲、およびそれらの組合わせを包含する。「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「よりも大きい(greater than)」、「よりも小さい(less than)」、「の間(between)」などのような文言は、記載された数字を含む。「約(about)」または「およそ(approximately)」などの用語の前に付された数字は、記載された数字を含む。例えば、「約10kHz」は、「10kHz」を含む。「実質的に(substantially)」または「一般的に(generally)」などの用語が先行する用語または語句は、記載された用語または語句を含む。例えば、「実質的に平行」は、「平行」を含み、「一般的に円筒形」は、円筒形を含む。
上記の説明は、例示的なものであり、限定的なものではない。例えば、上述した例(またはその1つまたは複数の態様)は、互いに組合わせて使用されてもよい。上記の説明を検討することにより、当業者によって、別の実施形態が使用されることができる。読者が技術的開示の性質を迅速に確認できるように要約が提供されている。それは、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、本開示を合理化するために様々な特徴がグループ化されてもよい。これは、特許請求されていない開示された特徴が任意の請求項にとって必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、開示された特定の実施形態の全ての特徴よりも少なくてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態としてそれ自体主張し、そのような実施形態は、様々な組合せまたは配列で互いに組合わせることができる。本発明および実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに決定されるべきである。