JP6849778B1 - 無線送電器、および無線受電器 - Google Patents

無線送電器、および無線受電器 Download PDF

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Abstract

【課題】低消費電力で、受電電力を向上させる無線送電器を提供する。【解決手段】無線送電器が、電波を送信するアンテナと、前記アンテナにより送信される電波の位相を変える移相回路と、少なくとも前記移相回路を制御する制御装置と、バックスキャッタ信号を受信するバックスキャッタ信号受信機と、を備え、前記制御装置は、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大になるように前記移相回路を制御する位相最適化処理を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、無線送電器、および無線受電器に関する。
特許文献1には、受電部と、蓄電部と、信号送信部と、を備え、受電部は、送電装置から無線で電力を受電し、蓄電部は、受電部が受電した電力を蓄電し、信号送信部は、検出信号を送信し、信号送信部は、蓄電部からの電力系統とは独立している受電装置が記載されている。かかる受電装置において、信号送信部は、前記送電装置からの電波を反射した反射波を、前記検出信号として送信することが記載されている。
特開2017−093223号公報
複数の無線送電器から発振される電波同士の位相を最適化することにより、無線受電器における受電電力を向上することが可能であることが知られている。しかしながら、この位相の最適化を行うには、無線送電器と無線受電器との間の位相遅延の値を知る必要がある。位相遅延を知るためには、無線送電器と無線受電器との間で同期を取る必要があり、この同期を無線で行うことは、消費電力およびノイズ等の観点から困難である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、低消費電力で、受電電力を向上させる無線送電器を提供することを目的とする。
本開示は、マイクロ波を用い、複数設けられる無線送電器の一つであって、前記複数の無線送電器それぞれが、電波を送信するアンテナと、前記アンテナにより送信される電波の移相量を変える移相回路と、少なくとも前記移相回路を制御する制御装置と、前記アンテナから同時に送信された電波を受信した無線受電器によって、前記受信した電波に応じて生成されたバックスキャッタ信号を受信するバックスキャッタ信号受信機と、を備え、前記複数の無線送電器のうち1つずつ順番に、前記制御装置は、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大になるように前記移相回路を制御する位相最適化処理を実行する、無線送電器を提供する。これにより、低消費電力で、受電電力を向上させる無線送電器を提供することができる。
また、本開示は、無線送電器から送信された電波を受信するアンテナと、前記アンテナが受信した信号を整流する整流回路と、逆流防止回路と、バックスキャッタ変調回路と、蓄電回路と、負荷とを備え、前記バックスキャッタ変調回路が発振回路及びインピーダンス変調素子を備え、前記アンテナが前記整流回路の入力に接続され、前記整流回路の出力が前記インピーダンス変調素子に接続され、前記逆流防止回路の一端が前記インピーダンス変調素子に接続され、他端が前記蓄電回路および前記負荷に接続され、前記インピーダンス変調素子が前記発振回路により駆動されている、無線受電器を提供する。これにより、上述の無線送電器に対してバックスキャッタ信号を反射する無線受電器を提供することができる。
本開示によれば、低消費電力で、受電電力を向上させる無線送電器を提供することができる。
分散型WPTの概要図 バックスキャッタの仕組みを示す概念図 本開示の無線電力伝送システム500を示すシステムブロック図 バックスキャッタ変調回路23を備えた無線受電器2の構成例を示す回路図 バックスキャッタ変調回路23を備えた無線受電器2の変形例を示す回路図 各無線送電器1の位相最適化についてのフローチャート 第1の位相最適化処理を示すフローチャート ランプ回転法の一例を示す概念図 往復回転法の一例を示す概念図 複数の無線送電器1を1つずつ順番に位相最適化していった場の、無線受電器2が受け取る合成電力(受電電力)を示す概念図 複数の無線送電器1の間での周波数同期処理の実験例を示すブロック図 複数の無線送電器の間での周波数同期処理の実験例を示すブロック図 バックスキャッタ信号に変調をかける位置についての実験例を示す概念図
以下、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
(本開示に至る経緯)
ワイヤレスセンサネットワークやウェアラブル端末においては、電源としてボタン電池などの一次電池、リチウムイオン電池等の二次電池のほか、太陽電池等のエナジーハーベスト素子等が使用されている。ここで、電池を用いる場合は、電池の交換や充電が必要である。一方、太陽電池等のエナジーハーベストデバイスは、電池交換は不要であるが、高コストであり、供給電力が環境に左右される。これらの電源に関する問題は、IoTデバイスの普及への障壁となっている。
IoTデバイス等の端末への電源供給手段として、長距離で電力を無線給電可能な、マイクロ波無線給電技術が研究開発されている。しかしながら、マイクロ波は距離の二乗に反比例して減衰することから高効率での給電が困難である。加えて、マイクロ波は、その大部分が通信に利用されているので、無線給電手段としてマイクロ波を用いると、既存の通信機器に影響を与える可能性がある。さらに、大電力の供給のために大出力のマイクロ波を用いると、大出力のマイクロ波が、人体や生体等に悪影響を及ぼす可能性が否定できない。これらのことから、既存の無線給電技術は適用が難しい。よって、より小さな出力で、大きな電力供給が可能な技術が望まれる。
(分散型WPT)
現在、電力供給を行う送電局を複数に分散化させた、分散型ワイヤレス電力伝送(WPT:Wireless Power Transfer/Transmission)が検討されている。図1に、分散型WPTの概要図が示される。
分散型WPTは、低利得・低出力の送電局(無線送電器1)を複数設けて、これらを協調動作させることにより、高効率・高自由度な電力伝送を実現する。例えば、図1に示した送電局が、1つのシステムあたり数十台から数千台設けられる。これらの送電局からの電力が合成され、受電端末(無線受電器2)へと給電される。受電端末は、例えばIoT端末やビーコン等であってよい。
分散型WPTの利点は、以下の通りである。まず、送電局側の利点として、低利得なアンテナや、低出力な電力増幅器(PA:Power Amplifier)を使用可能である。そのため、送電局を小型化および低コスト化することができ、人体防護も比較的容易となる。送信出力が小さいため、送電局を小型化した場合であっても放熱対策が容易である。小型かつ低コストのため、既存の照明器具や家電製品に組み込みが可能となる。
受電端末側の利点は、以下の通りである。複数方向から電力が到来するため、低指向性な受電アンテナを使用可能となる。低指向性なアンテナは小型であることから、様々な小型機器に搭載可能である。また、送信ダイバーシティ効果の恩恵を受けることができることにより、給電時間率の高い受電が可能となる。
送電局と受電端末とを備えたシステムとしての利点は、以下の通りである。送電局側の電力密度が低い為、本質的に人体影響が小さい。送電局が複数あるため、人体遮蔽等によって少数の送電局がOFFとなった場合であっても、電力伝送の効率劣化が少ない。複数の送電局の位置情報と受電電力情報から、受電端末の位置を推定可能である。複数の受電端末に同時に給電が可能である。
(電力の合成)
送電局が複数存在する場合、各送電局が発振する電波を受信する受電端末は、受信した電波を合成して受け取ることになる。ここで、各送電局が送信する電波の周波数がそれぞれ等しく、また、各送電局から送信された電波の位相が受電アンテナにおいて等しい位相で受信される(位相差が0である)場合に、受電端末による受電電力は最大となることが知られている。すなわち、無線給電の効率を高めるためには、各送電局が送信する電波の周波数および位相を最適化する必要がある。
各送電局が送信する電波の位相を最適化する為の方法として、受電端末による受電電力を用いる方法が考えられる。この方法においては、送電局側の位相をスイープし、受電端末による受電電力が最大となる時の、送電局が送信する電波の位相を、最適位相と決定する。この方法は、簡易なシステムで実現可能である利点があるものの、受電端末による受電電力を送電局にフィードバックする必要がある。
しかしながら、IoTデバイス等の受電端末への無線給電を前提とすると、送電局と受電端末とは離隔した位置にあることが多いため、受電端末による受電電力をどのようにして送電局にフィードバックするかという課題が生じる。
そこで、本開示の実施形態においては、受電端末から反射されるバックスキャッタ信号を活用して、上記の課題を解決する。
(バックスキャッタ)
図2は、バックスキャッタの仕組みを示す概念図である。複数の送電局1Aおよび1Bは、同じ周波数(例えば920MHz)で、電波(連続波)を送信する。受電端末2はアンテナ21でこの電波(連続波)を受信するが、アンテナ21からの反射が発生する。このアンテナ21からの反射を、受電端末2が備えるバックスキャッタ変調回路23が変調することにより、バックスキャッタ(変調波)が生成される。図示した例においては、受電端末2に入射した920MHzの電波に対して、ミキサ(乗算器)として動作するバックスキャッタ変調回路23が、32khzの変調をかける。その結果、受電端末2のアンテナ21から送電局1Aおよび1Bへと戻る反射には、920MHz−32kHzの変調波と、920MHz+32kHzの変調波が含まれる。
バックスキャッタ変調回路23はミキサ(乗算器)として働くので、受電端末2が受電した電力(受電電力)と、バックスキャッタ信号の強度との間には、おおむね比例関係が成り立つ。そのため、送電局1Aおよび1Bは、バックスキャッタ信号を受信して、バックスキャッタ信号の強度から、受電電力の強度を推定することができる。より詳しくは、受電電力を最大にするために、送電局1Aおよび1Bは、送電局が送信する電波(例えば920MHzのマイクロ波)の位相を、バックスキャッタ信号の強度が最大となるような位相へと調整する。バックスキャッタ信号の強度が最大になっている時、受電端末2の受電電力も最大となっているから、上記のように調整した後の位相が、最適位相になる。本開示の無線送電器は、このようにバックスキャッタ信号の性質を活用して、消費電力を抑えたまま、受電電力を増大させる。
(システムブロック図)
図3は、本開示の無線電力伝送システム500を示すシステムブロック図である。無線電力伝送システム500は、2以上の無線送電器1Aおよび1Bと、1以上の無線受電器2とを備えている。2以上の無線送電器1Aおよび1Bは、有線または無線で相互に接続されていてよい。
無線送電器1は、例えば、30m×30mの空間に256個配置される、等のように、同一空間に多数配置されていてよい。1つの無線送電器1は、アンテナ15と、基準周波数発振器11と、逓倍器12と、移相回路13と、アンプ14と、バックスキャッタ信号受信機16と、制御装置17とを備えている。アンテナ15は、円偏波アンテナであってよいが、他のタイプのアンテナであってもよい。アンテナ15として円偏波アンテナを用いる場合、アンテナ21が回転した場合においても偏波整合損失を低減することが可能となる。
無線送電器1は、アンテナ15から電波を送信する。この電波は例えば送信周波数920MHzのマイクロ波(連続波)であってよく、後述の無線受電器2により受信される。以下、説明の便宜のため、アンテナ15から送信される電波は、送信周波数920MHzのマイクロ波であるとして説明を行う。ただし、前記はあくまで一例であり、送信周波数は920MHz以外の値であってもよい。
上述の920MHzの電波を生成するために、基準周波数発振器11が、基準周波数の信号を発振する。この基準周波数は、例えば10MHzであってよく、アンテナ15が送信する電波よりも周波数の低いものである。ただし、基準周波数は、10MHz以外の値であってもよい。
基準周波数発振器11が発振した10MHzの信号を、逓倍器12が逓倍する。逓倍器12の具体例は、PLL回路である。この逓倍の結果、周波数が920MHzの信号が生成され、後述の移相回路13へと入力される。
移相回路13は、制御装置17による制御の下、逓倍器12から入力された信号の位相を変える。特に移相回路13は、制御装置17による制御の下、逓倍器12から入力された信号の位相を変えて、アンテナ15から送信される電波の位相が最適位相になるように調整する(位相最適化)。この位相最適化処理については、図6〜図10に基づき後述する。
移相回路13から入力された920MHzの信号は、アンプ14により増幅され、アンテナ15から無線受電器2へと送信される。
ここで、電波がアンテナ15から無線受電器2へと送信されると、後述の無線受電器2のアンテナ21で反射が発生する(図2参照)。この反射が後述のバックスキャッタ変調回路23により変調されたものが、バックスキャッタ信号である。無線送電器1が備えるバックスキャッタ信号受信機16は、このバックスキャッタ信号を受信する。
制御装置17は、例えばCPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を備えていてよい。ただし、制御装置17が備える制御手段はこれらには限定されない。制御装置17は、少なくとも移相回路13を制御する。制御装置17は、無線送電器1に含まれる各種機器を統括制御してよい。制御装置17は、バックスキャッタ信号受信機16からバックスキャッタ信号を取得し、この信号に基づいて移相回路13を制御し、アンテナ15から送信される電波の位相が最適位相になるように調整(位相最適化)する。この位相最適化処理の具体的な詳細については後述する。
無線送電器1の基本的構成は以上である。ここで、基準周波数の信号が逓倍器12によって逓倍される事の技術的意義について説明する。複数の周波数からの送電周波数を同期したい場合、無線周波数(RF)を分配して増幅し、送信することが、フェーズドアレーアンテナ等においては一般的であった。しかし、無線周波数(RF)伝送は伝搬損失が大きく、配線も同軸ケーブルであることが必要となり、高コストである。一方、本開示の無線電力伝送システム500においては、上述のように、基準周波数として、配線が容易な低周波(例えば10MHz)を用いる。このことにより、配線を低コストで実現でき、かつ、最終的な送信周波数(例えば920MHz)は精密に同期させることが可能となる。
ここで、図3における無線送電器1Bは、基準周波数発振器11を備えていない。これは、必ずしも全ての無線送電器が、基準周波数発振器11を備えていなくとも良いことを示している。図示したように、複数の無線送電器1Aおよび1Bは、互いに有線または無線で接続されていてよく、ある1つの無線送電器(図の例においては1A)の基準周波数発振器11が生成した基準周波数の信号を、他の無線送電器(図の例においては1B)との間で共有することができる。すなわち、図3に示した基準周波数発振器11から外部へと延びる配線は、基準周波数発振器11が発振した信号を外部に出力する出力部と解釈することができる。また、共有された基準周波数の信号は、各無線送電器が備える逓倍器12によって逓倍される。すなわち、各無線送電器が備える逓倍器12は、他の無線送電器が生成した基準周波数の入力部と解釈することができる。
一方、各無線送電器が基準周波数発振器11を備え、基準周波数の信号を別個に発振してもよい。各無線送電器1において十分等しい周波数(例えば10MHz)の基本周波数の信号を発振することで、周波数同期を行うことができる。
上述の例において、無線送電器1は、バックスキャッタ信号をアンテナ15経由で受信している。しかし、このバックスキャッタ信号は、前記アンテナ経由で取得されなくともよい。例えば、無線電力伝送システム500内に複数存在する無線送電器1のうちの1つ(例えば無線送電器1A)がアンテナ15経由でバックスキャッタ信号を受信し、このバックスキャッタ信号を他の無線送電器1(例えば無線送電器1B)と有線または無線経由で共有してもよい。いずれの場合においても、制御装置17は、バックスキャッタ信号を取得することができる。そのため、少なくとも1つの無線送電器1がバックスキャッタ信号受信機16を備えていればよく、他の無線送電器1はバックスキャッタ信号受信機16を備えていなくともよい。
(無線受電器2の構成例)
次に、無線受電器2の構成例を説明する。無線受電器2は、電波を受信するアンテナ21と、アンテナ21が受信した信号を整流する整流回路22と、バックスキャッタ変調回路23と、逆流防止回路の一例であるダイオード24と、蓄電回路25と、負荷26とを備える。アンテナ21は整流回路22の入力に接続される。ダイオード24の一端がバックスキャッタ変調回路23に接続される。ダイオード24の他端が蓄電回路25および負荷26に接続される。整流回路22とダイオード24の間にバックスキャッタ変調回路23が接続される。
無線送電器1が送信した電波は、アンテナ21によって受信され、整流回路22によって直流化される。その電力が蓄電回路25に一時的に貯められ、そこから負荷26へと供給される。以上が、無線受電器2の基本的な無線給電に係る構成である。バックスキャッタ変調回路23は、電波を受信したアンテナ21からの反射を変調する(図2参照)。ダイオード24は、逆流防止回路の一例であり、整流回路22と蓄電回路25とを分離する。バックスキャッタ変調回路23およびダイオード24につき、詳しくは図4を参照して後述する。
(無線受電器2の構成例)
図4は、バックスキャッタ変調回路23を備えた無線受電器2の構成例を示す回路図である。回路図における各構成要素の配置は図3に示したものとほぼ同様であるため、図3に示したものと同じ構成要素については同じ参照番号を付して説明を簡略化あるいは省略し、相違点について説明する。
バックスキャッタ変調回路23は、典型的には半導体スイッチ、可変容量ダイオードが用いられるインピーダンス変調素子231と、発振回路233と、波形整形回路232とから構成される。このうち、インピーダンス変調素子231が、整流回路22と、ダイオード24との間に接続される。
波形整形回路232は、発振回路233から入力されたクロックの波形を、デューティ比のより低い波形へと整形し、インピーダンス変調素子に入力する。
ここで、インピーダンス変調素子231が整流回路22の後段に設けられている事の技術的意義について説明する。バックスキャッタ信号を生成するには、アンテナ(アンテナ21)に接続される素子のインピーダンスを、RFスイッチ(高周波スイッチ)等により変調する手法が一般的である。しかしながら、RFスイッチは損失が大きく高コストであるため、受電端末(無線受電器2)の高コスト化につながる。一方、本開示の無線受電器2においては、整流回路22の後段に、すなわち直流化が行われた後の位置に低周波スイッチ(インピーダンス変調素子231)を接続し、これをスイッチングすることにより変調を行う。これにより、無線受電器2についてのコストを低減することができる。なお、無線受電器2はIoTデバイスであってよく、IoTデバイスを安価に大量に製造できる利点は大きい。
次に、ダイオード24が図示した位置に、すなわち低周波スイッチ素子(インピーダンス変調素子231)の後段に設けられている事の技術的意義について説明する。図示したように、整流回路22の後段には蓄電回路25が存在する。低周波スイッチ素子(インピーダンス変調素子231)によりスイッチングを行うと、蓄電回路25に貯まった電力が時に漏れ出し、電力損失が発生する。そこで、整流回路22と蓄電回路25とをダイオード24で分離し、ダイオード24から見た整流回路22側に低周波スイッチ(インピーダンス変調素子231)を設けることにより、電力損失を減らす。その結果、消費電力が減じられた無線受電器2は、より大きなバックスキャッタ信号を、より長時間発出することができるようになる。
次に、発振回路233とインピーダンス変調素子231との間に、波形整形回路232が設けられている事の技術的意義について説明する。上述のように、電力損失を防止するダイオード24を設けたとしても、発振回路233に基づいたインピーダンス変調素子231のスイッチングにおいて、ON状態が長時間続くと、電力喪失が大きい。そのため、発振回路233からインピーダンス変調素子231へと印加する波の波形は、デューティ比がより低い方が望ましい。そこで、発振回路233とインピーダンス変調素子231との間に、スイッチングのデューティ比を制御する波形整形回路232を設けて、電力損失を減らしている。
本開示の無線受電器2は、上述のような構成を備えることにより、電力損失を最低限としながら大きなバックスキャッタ信号を生成し、システムのS/N比を向上している。
(無線受電器2の変形例)
図5は、バックスキャッタ変調回路23を備えた無線受電器2の変形例を示す回路図である。図4に示した回路構成と、図5に示した回路構成とは、ほぼ共通している。そこで、これら両者に共通する部分については説明を簡略化あるいは省略し、相違点について説明する。
図4に示した回路構成においては、インピーダンス変調素子231の後段に、ダイオード24が配置されていた。一方、図5に示した回路構成においては、インピーダンス変調素子231の後段に、例えば図示されているような構成の逆流防止回路27が配置されている。
逆流防止回路27は、Pch MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成され、インピーダンス変調素子231が低インピーダンスとなるときに、逆流防止回路27のスイッチがOFFになるように配置される。これにより、電力の逆流を防止することができる。
また、図5に示されている2つのMOSFETが同時にON状態になった場合には、貫通電流が発生する。この貫通電流の発生を回避するために、逆流防止回路27におけるMOSFETと、インピーダンス変調素子231との間に、ノンオーバラップ制御回路272が挿入されてもよい。ノンオーバラップ制御回路272は、図示した2つのMOSFETのONタイミング・OFFタイミングをずらす事により、2つのMOSFETが同時にON状態になることを阻止する。
(無線送電器1の位相最適化)
次に、無線電力伝送システム500が備える複数の無線送電器1(図3参照)において、アンテナ15から送信される電波の位相を最適化(以下、単に「位相最適化」)するための処理例を説明する。図6は、各無線送電器1の位相最適化についてのフローチャートである。
ここで、各無線送電器1の位相最適化処理の処理主体は、各無線送電器1であってよい。また、各無線送電器1に接続されたPC(Personal Computer)等の上位装置が存在し、上位装置が各無線送電器1の位相最適化処理を制御してもよい。
まず、位相最適化の対象となる無線送電器1を1つ設定する(ステップSt1)。この設定は、上位装置(図示省略)が行ってよい。一方、位相最適化を行う優先順位等が事前に決定されており、優先順位が最も高い無線送電器1が自律的に設定され、位相最適化処理を開始してもよい。
次に、設定された1つの無線送電器1についての、位相最適化処理が実行される(ステップSt2)。この位相最適化処理において、制御装置17は、無線送電器1が受信するバックスキャッタ信号の強度が最大になるように、移相回路13を制御する。この移相回路13の制御の結果として、アンテナ15から送信される電波の位相が最適位相になるように調整される。ここで、図2に基づき上述したように、受電端末2が受電した電力(受電電力)と、バックスキャッタ信号の強度との間には、おおむね比例関係が成り立つ。そのため、ステップSt2の位相最適化処理を無線送電器1に対して実行すると、受電端末2の受電電力が増大することになる。
位相最適化処理のより詳細な具体例は、図7から図10を参照しつつ後述する。ここで、位相最適化処理(ステップSt2)で用いられる位相最適化処理は、毎回同じ処理であってよく、また、毎回違う位相最適化処理を用いてもよい。例えば、ある無線送電器1に対しては、後述の山登り法を用いて位相最適化処理を行い、別の無線送電器1に対しては、後述の往復回転法を用いて位相最適化処理を行ってもよい。
1つの無線送電器1についての位相最適化処理が終わったら、全ての無線送電器1について位相最適化処理が終わったか否かを判定する。全ての無線送電器1について位相最適化処理が終わっている場合(ステップSt3:Yes)は処理終了となる。まだ位相最適化処理が行われていない無線送電器1が残っている場合(ステップSt3:No)は、ステップSt4へと処理が遷移する。なお、ステップSt3の判断主体は、上位装置であってよい。ステップSt3の判断主体は、上述の優先順位が決定されている場合は、優先順位の低い、最後に残った無線送電器1であってもよい。
ステップSt4において、位相最適化の対象となる次の無線送電器1を1つ設定する。この設定を、上位装置(図示省略)が行ってよい。一方、この設定を、この時点で最後に位相最適化処理を終えた無線送電器1が行ってもよい。ステップSt4の次は、ステップSt2へと処理が戻る。このように、無線電力伝送システム500に含まれる無線送電器1が、1つずつ順番に位相最適化処理を実行する。
なお、図6のフローチャートに示したように、無線電力伝送システム500に含まれるすべての無線送電器1について最適化が終わったら、位相最適化処理を終了してよく、再度1台目の無線送電器1から、位相最適化処理を繰り返してもよい。位相最適化処理を繰り返す場合、繰り返しの前に用いられた最適化処理(例えば後述の山登り法)とは異なる最適化処理(例えば後述のランプ回転法)を用いて最適化を行ってもよい。
(第1の位相最適化処理)
無線送電器1の制御装置17が、バックスキャッタ信号の強度が最大になるように移相回路13を制御する位相最適化処理は、複数の態様が存在する。図7は、第1の位相最適化処理を示すフローチャートである。
第1の位相最適化処理は、山登り法と呼ばれるアルゴリズムを用いる。例えば横軸を移相回路13における設定位相(0〜2π)とし、縦軸をバックスキャッタ信号の強度とした2次元グラフにおいて、この位相(0〜2π)のうちどこかに、バックスキャッタ信号の強度が最大となる頂上(ピーク)があるはずである。そこで、山を登るようにして、頂上(ピーク)のある地点を探るアルゴリズムが、山登り法である。
図7に示したフローチャートは、1つの無線送電器1についての処理を示しており、図6のステップSt2に相当する。まず、制御装置17は、移相回路13を制御して移相回路13における設定位相を少し進める(ステップStL01)。一度にどの程度位相を進めるか(1回あたりの位相シフト量)は、適宜決定されてよい。なお、移相回路13における設定位相が変動したので、アンテナ15から送信される電波にも位相の変動が生じ、無線受電器2から反射してくるバックスキャッタ信号にも変動が生じる。この変動後のバックスキャッタ信号の強度を計測するのが、次のステップStL02である。
制御装置17は、バックスキャッタ信号の強度を計測する(ステップStL02)。
制御装置17は、バックスキャッタ信号の強度の増分値d=P1−P0を計算する(ステップStL03)。なお、変数P0には、1つ前の計測時におけるバックスキャッタ信号の強度の値が格納されている。
次に、制御装置17は、増分値dの絶対値|d|が、所定の閾値dthを超えているか否かを判定する(ステップStL04)。|d|>dthである場合(ステップStL04:Yes)は、次のステップStL05へ移行する。|d|≦dthである場合(ステップStL04:No)は、P1とP0との間の値の変化量が少なく、山の頂上(ピーク)付近に到達したと判断して、当該無線送電器1についての位相最適化処理を終了する。なお、この処理終了時点における、アンテナ15から送信される電波の位相が、位相最適化処理によって得られた最適位相となる。
ステップStL05において、制御装置17は、増分値dが0より大きいか否かを判定する。d>0である場合は、まだ山を登っている状況にあるので、次のループであるステップStL00へと移行する。d≦0である場合は、むしろ山を下っている状況にあるので、ピークへ向けて位相のシフト方向を反転すべく、ステップStR00へと処理が移行する。
ステップStL00において制御装置17は、P1の値をP0へと代入し、そしてステップStL01へと処理が遷移する。
以上、移相回路13における設定位相を少しずつ進めながら山のピークを探る、ステップStL00〜StL05について説明した。フローチャート右側の、ステップStR00〜StR05もまた、これと同様である。一か所異なるのは、ステップStR01において、制御装置17が、移相回路13における設定位相を遅らせている点である。すなわち、ステップStL00〜StL05においては、移相回路13における設定位相の値を増やしながら(0から2πへの方向)ピークを探ってきたところ、ステップStR00〜StR05においては、移相回路13における設定位相の値を減らしながら(2πから0への方向)ピークを探る。
以上のように、制御装置17は、山登り法を用いて移相回路13を制御し、位相最適化を行うことができる。
(第2の位相最適化処理)
次に、図8に基づいて、第2の位相最適化処理について説明する。第2の位相最適化処理も、1つの無線送電器1についての処理であり、図6のステップSt2に相当する。
第2の位相最適化処理で用いられるアルゴリズムを、本明細書においては、「ランプ回転法」と表現する。ランプ回転法の概略は以下の通りである。例えば横軸を移相回路13における設定位相(0〜2π)とし、縦軸をバックスキャッタ信号の強度とした2次元グラフにおいて、この位相(0〜2π)のうちどこかに、バックスキャッタ信号の強度が最大となる頂上(ピーク)があるはずである。そこで、所定のスタート時刻を基準にして、移相回路13における設定位相を1回転させ、バックスキャッタ信号の強度が最大になる時刻(ピーク時刻)を取得し、ピーク時刻とスタート時刻との間の差から、制御装置17が移相回路13についての最適位相(および、これに付随して、アンテナ15から送信される電波の最適位相)を特定する。なお、移相回路13における設定位相の回転方向は、位相が増加する方向であっても、位相が減少する方向であってもよい。
図8は、ランプ回転法の一例を示す概念図である。図8における上側に描かれた太い折れ線は、移相回路13における設定位相を示している。横軸が時刻t(単位:秒)であり、縦軸が位相(単位:ラジアン)である。この例においては、移相回路13における設定位相の回転方向が、位相が増加する方向である場合を説明する。
図8における下側に描かれた波線は、制御装置17が取得したバックスキャッタ信号の強度を示している。横軸が時刻t(単位:秒)であり、縦軸がバックスキャッタ信号の強度P(単位:dBm)である。
ここで、移相回路13における設定位相の初期値(移相回路13のある時点での設定位相)はθラジアンである。制御装置17は、スタート時刻t=0から、移相回路13を制御して、移相回路13における設定位相をθラジアンからθ+2πラジアンまで1回転させる。すなわち制御装置17は、移相回路13の設定位相を、移相回路13のある時点での設定位相θを基準として、線形に2πだけ単調増加させる。なお、設定位相の1回転における回転方向を逆にする(θラジアンからθ−2πラジアンまでの1回転)場合、制御装置17は、移相回路13の設定位相を、移相回路13のある時点での設定位相θを基準として、線形に2πだけ単調減少させる。
移相回路13における設定位相の1回転(2πの線形単調増加あるいは線形単調減少)が終了した時刻が、時刻t=tである。移相回路13における設定位相の1回転は、制御装置17による制御の下で行われているので、時刻t=tは、制御装置17にとって既知の値である。
時刻t=0からt=tの間に、バックスキャッタ信号の強度Pが最大値(ピーク)になっている時刻がある。この時の時刻をt=tとする。時刻t=tは、移相回路13における設定位相の1回転を行うスタート時刻t=0から、無線送電器1が受信するバックスキャッタ信号の強度が最大となるまでの時刻に相当する。制御装置17は、バックスキャッタ信号受信機16からバックスキャッタ信号を連続的に取得して、この時刻t=tの値を取得することができる。そして制御装置17は、無線送電器1が受信するバックスキャッタ信号の強度が最大となるまでの時刻t=tを用いて、位相最適化処理を実行する。例えば、以下の通りである。
上述の位相回転は、時刻t=0からt=tの間に、2πラジアンだけ等速で回転させているものとする。すると、時刻t=tの時の移相回路13における最適位相θoptの値を、次の式で求めることができる。
Figure 0006849778
すなわち、ランプ回転法を用いる第2の位相最適化処理において、制御装置17は、以下の処理を行う。まず、回転開始時刻(時刻t=0とする)を決定し、移相回路13を制御して移相回路13における設定位相をθラジアンからθ+2πラジアンまで1回転させる(位相が減少する方向に回転させる場合はθラジアンからθ−2πラジアンまで1回転)。制御装置17は、この回転終了時の時刻t=tを取得(既知の値)する。そして制御装置17は、バックスキャッタ信号受信機16からバックスキャッタ信号を連続的に取得して、その信号強度が最大になる時刻t=tを取得する。制御装置17は、取得済みのパラメータであるt、t、θを用いて、上記の数式に基づき、移相回路13における最適位相θoptの値を算出する。そして最後に、制御装置17は、移相回路13を制御して、移相回路13における設定位相をθoptになるように調整する。以上のようにして、制御装置17は、第2の位相最適化処理を行うことができる。
ランプ回転法に基づく第2の位相最適化処理は、山登り法に基づく第1の位相最適化処理と比べて、移相回路13に対する位相制御が少なくて済むという利点がある。山登り法は設定位相を少しずつ何度もずらしながら、最適位相を探索し続けるという情報処理を行うのに対し、ランプ回転法は、設定位相を1回転させれば、あとは最適位相を計算で求めることができるからである。ただし、最終的にどちらの最適化処理を用いるのが好適かは、無線送電器1を実装する際の条件による。
(第3の位相最適化処理)
次に、図9に基づいて、第3の位相最適化処理について説明する。第3の位相最適化処理も、1つの無線送電器1についての処理であり、図6のステップSt2に相当する。
第3の位相最適化処理で用いられるアルゴリズムを、本明細書においては、「往復回転法」と表現する。往復回転法の概略は以下の通りである。例えば横軸を移相回路13における設定位相(0〜2π)とし、縦軸をバックスキャッタ信号の強度とした2次元グラフにおいて、この位相(0〜2π)のうちどこかに、バックスキャッタ信号の強度が最大となる頂上(ピーク)があるはずである。ここで、上述のランプ回転法の場合は、移相回路13の制御を実施するまでの間の遅延や、離れた位置にある無線受電器2からバックスキャッタ信号を取得するまでの間の時間遅延が、移相回路13における最適位相θoptを計算する際の誤差要因となる。そこで、往復回転法においては、この誤差を低減することができるように、移相回路13における設定位相を2度、往復するように回転させる。すると、1回の位相回転につき1つのピークを検出することができる(上記ランプ回転法を参照)ので、2回の位相回転で2つのピークを検出することができる。この2つのピークの間の時間差に基づいて、制御装置17が移相回路13における最適位相θoptを算出する。
図9は、往復回転法の一例を示す概念図である。図9における上側に描かれた台形状の折れ線は、移相回路13における設定位相を示している。横軸が時刻t(単位:秒)であり、縦軸が位相(単位:ラジアン)である。
図9における下側に描かれた波線は、制御装置17が取得したバックスキャッタ信号の強度を示している。横軸が時刻t(単位:秒)であり、縦軸がバックスキャッタ信号の強度P(単位:dBm)である。
まず、制御装置17は、上述のランプ回転法と同様に、移相回路13を制御して、移相回路13における設定位相をθラジアンからθ+2πラジアンまで1回転させる。すなわち制御装置17は、移相回路13の設定位相を、移相回路13のある時点での設定位相θを基準として、線形に2πだけ単調増加させる。なお、設定位相の1回転における回転方向を逆にする実装(θラジアンからθ−2πラジアンまでの1回転)の場合、制御装置17は、移相回路13の設定位相を、移相回路13のある時点での設定位相θを基準として、線形に2πだけ単調減少させる。
その後、所定の時間(t秒とする)の間、設定位相の変更を行わない。
そして制御装置17は、前記の単調増加または単調減少とは逆の方向に、線形に2πだけ移相回路13の設定位相を変動(単調減少または単調増加)させる。すなわち制御装置17は、移相回路13を制御して、移相回路13における設定位相をθ+2πラジアン(設定位相の回転方向を逆にする実装の場合はθ−2πラジアン)からθラジアンまで逆回転させる。この2回の回転の結果、位相の変化を示す図9の上側のグラフには、台形の形状が示されている。
上述のように2回の位相回転を行うと、バックスキャッタ信号の強度Pが最大値(ピーク)あるいは最小値(ネガティブピーク)になる瞬間が2度現れ、図9の下側のグラフに示したように、大きな山が2つできることになる。なお、上向きの2つの大きな山がピークであり、下向きの2つの大きな山がネガティブピークである。
ピークとネガティブピークのうちどちらを用いるべきかは、強度Pの最大値Pmaxと、強度Pの最小値Pminと、強度Pの平均値Pavgを用いて場合分けがなされる。ここで平均値Pavgとは2つのピークの中間の時刻における強度Pの値に等しい。(Pmax+Pmin)/2≧Pavgの場合はピークを用いる。(Pmax+Pmin)/2<Pavgの場合はネガティブピークを用いる。
そこで制御装置17は、1度目のピーク(あるいは1度目のネガティブピーク)が検出された時刻と、2度目のピーク(あるいは2度目のネガティブピーク)が検出された時刻の差tを計算する。なお、制御装置17は、バックスキャッタ信号受信機16からバックスキャッタ信号を連続的に取得して、ピーク(あるいはネガティブピーク)が検出された時刻を取得することができる。時刻の差tは、無線送電器1が受信するバックスキャッタ信号の強度が最大(ピーク)または最小(ネガティブピーク)となる時刻の相対値である。そして制御装置17は、この相対値を用いて、位相最適化処理を実行する。例えば、以下の通りである。
移相回路13における最適位相θoptを、以下の数式により算出することができる。
Figure 0006849778
制御装置17は、上記の2つの数式における4つのパラメータθ、t、t、およびtに基づいて、移相回路13における最適位相θoptを算出する。そして制御装置17は、移相回路13を制御して、移相回路13における設定位相をθoptになるように調整する。以上のようにして、制御装置17は、第3の位相最適化処理を行うことができる。
なお、図9の上側のグラフに示した台形状の位相変動は、制御装置17が移相回路13を制御して発生させているものであるから、θ、t、tは制御装置17にとって既知である。tについては、上述のように、制御装置17が計算で求めればよい。移相回路13における設定位相の回転方向は、図9の例では、位相が増加する方向に1回転させた後に、位相が減少する方向に1回転させている。しかしながら、位相が減少する方向に1回転させた後に、位相が増加する方向に1回転させてもよい。
上記のような往復回転法に基づく第3の位相最適化処理は、取得すべき値が、2つのピークの間の時刻の差tだけであるから、移相回路13の制御を実施するまでの間の遅延や、離れた位置にある無線受電器2からバックスキャッタ信号を取得するまでの間の時間遅延が、移相回路13における最適位相θoptを計算する際の誤差要因とならない。よって、移相回路13における最適位相θoptを高い精度で算出することができる。ただし、最終的にいずれの最適化処理を用いるのが好適かは、無線送電器1を実装する際の条件による。
(1つずつの位相最適化)
図10は、複数の無線送電器1を1つずつ順番に位相最適化していった場合の、無線受電器2が受け取る合成電力(受電電力)を示す概念図である。図の例では、4つの無線送電器EN0、EN1、EN2、EN3について、1つずつ順番に位相最適化を行っている(図6のフローチャート参照)。無線送電器EN0、EN1、EN2、EN3がそれぞれ位相最適化処理を終えるごとに、時間(図10下部のグラフの横軸)につれて、受電電力(図10下部のグラフの縦軸)が段階的に増大している。
なお、図10の例においては、4つの無線送電器がすべて、第3の位相最適化処理を用いて位相最適化を実行している。しかし、4つの無線送電器が第1または第2の位相最適化処理を用いる場合や、これらの複数種類の位相最適化処理を混在させて用いる場合においても同様に、複数の無線送電器1を1つずつ順番に位相最適化していく。なぜなら、複数の無線送電器1(例えばEN0とEN1)について同時に位相最適化処理を行うと、合成電力(およびバックスキャッタ信号の強度)の変動に、複数の位相最適化処理のそれぞれから生じる影響が混入するので、移相回路13における最適位相θoptを正しく特定することができなくなるからである。
(周波数同期の実験例)
図11は、複数の無線送電器1の間での周波数同期処理の実験例を示すブロック図である。図示したように、無線送電器1に相当する機器SDRが複数設けられ、機器SDRが備える複数のトランスミッタ(TX1、TX2)から送信された電力を合成し、これを測定する実験が行われた。
図11における水晶発振器(OCXO)から、基準周波数10MHzのクロックが出力された。このクロックが分周器(1/10)を用いて1MHzの低周波にされた状態で、有線伝送、光伝送、または無線伝送を介して、位相比較器(Phase Comparator)へと入力された。位相比較器(Phase Comparator)と、ループフィルタ(LPF)と、10MHzの水晶発振器(VC−OCXO)と、分周器(1/N)の部分は、位相同期回路(PLL)を形成している。この位相同期回路を用いて、上記の1MHzの低周波が10MHzまで逓倍されて、無線送電器1に相当する機器SDRへと入力された。このようにして、有線接続、光接続あるいは無線接続された複数の機器SDRの間で、周波数同期を行うことができることを確認した。
(赤外線通信を用いた場合の周波数同期の実験例)
図12は、複数の無線送電器の間での周波数同期処理の実験例を示すブロック図である。図12に示した実験例におけるブロック構成は、図11に示した実験例におけるブロック構成とほぼ同様であるので、異なる部分のみを説明し、同様の部分については説明を簡略化または省略する。
図12に示した実験例においては、各機器SDRの間でのクロックの共有を、IRトランスミッタ(IRTX)とIRレシーバ(IRRX)との間の赤外線(IR)通信を介して行っている。IRトランスミッタが備えるLEDと、IRレシーバが備えるフォトダイオードの応答速度が1MHz程度であるため、発振器VC−OCXOが生成した基準周波数10MHzのクロックは、そのままでは伝送できない。そこで本実験例では、分周器(1/10を2つ)を用いて周波数を1/100にしたクロック(100kHz)を、IRトランスミッタから伝送して共有している。なお、100kHzのクロックはPLLで10MHzまで逓倍され、機器SDRに入力されている。
また、各機器SDRの前段には、上位装置としてPC(Personal Computer)が接続されている。PCが通常備える一般的な制御部が、各機器SDRにおける位相最適化処理を1機器ずつ順番に実行し、合成電力を測定している。この実験の結果、赤外線通信を介した100kHz程度の低周波クロックを用いた場合であっても、複数の無線送電器間での周波数同期に問題が無いことが確認された。なお、この方式では各機器SDR間の位相の同期を赤外線通信で行うことはできない。しかしながら、各機器SDRに接続された上位装置であるPCが、既に説明した山登り法、ランプ回転法、往復回転法などを用いた位相最適化処理を実行するので、赤外線通信の時点での位相のズレは問題とはならない。
(バックスキャッタ信号に変調をかける位置についての実験例)
図13は、バックスキャッタ信号に変調をかける位置についての実験例を示す概念図である。既に説明したように、無線受電器2のアンテナ21は周波数fc(例えば920MHz)の電波を受信(グラフの「入力電力」)して、周波数fc±fmに変調されたバックスキャッタを反射(グラフの「RF電圧」)する。この変調に係る周波数fmを、整流回路22の後段である点Aと、整流回路22の内部にある点Bとにそれぞれ入力し、前記入力電力と前記RF電圧との間の関係をグラフ化した。
図13に示したグラフの横軸は、入力電力であり、縦軸は、バックスキャッタ信号の強度である。横軸と縦軸の単位はいずれもdBmである。例えば、無線受電器2のアンテナ21に−20dBmの入力電力(受電電力)があった場合に、点Aの場合は−35dBmの強度のバックスキャッタ信号が放出(反射)されている。このグラフからわかるように、点Aに変調に係る周波数fmを入力した場合、グラフ上の広い帯域において線形変化(単調増加)していることが見て取れる。すなわち、バックスキャッタ信号の強度と受電強度とがほぼ比例している。従って無線送電器1は、受電強度の代わりにバックスキャッタ信号の強度を用いて、上述の位相最適化処理を行うことができる。
以上のように、無線送電器が備える制御装置が、山登り法を用いて、位相最適化処理を実行してよい。これにより、バックスキャッタ信号の強度が最大になるように移相回路を制御して、無線受電器の受電電力を向上させることができる。
無線送電器が備える制御装置が、前記無線送電器が備える前記移相回路の設定位相を、前記移相回路のある時点での設定位相を基準として線形に2πだけ単調増加または単調減少させ、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大となるまでの時刻を用いて前記位相最適化処理を実行してよい。これにより、無線受電器の受電電力を向上させることができ、かつ、上述の山登り法よりも、移相回路に対する位相制御が少なくて済む。
無線送電器が備える制御装置が、前記無線送電器が備える前記移相回路の設定位相を、前記移相回路のある時点での設定位相を基準として線形に2πだけ単調増加または単調減少させたのち、前記単調増加または単調減少とは逆の方向に、線形に2πだけ前記移相回路の設定位相を変動させ、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大または最小となる時刻の相対値を用いて前記位相最適化処理を実行してよい。これにより、無線受電器の受電電力を向上させることができ、かつ、移相回路13における最適位相θoptを高い精度で算出することができる。
無線送電器が、基準周波数の信号を逓倍する逓倍器を備え、無線送電器のアンテナは、逓倍器によって逓倍された電波を送信してよい。これにより、無線送電器間の配線を低コスト化することができる。
無線送電器が、基準周波数の信号を発振する基準周波数発振器を備えていてよい。そして、基準周波数発振器が発振した信号が逓倍器に入力されてよい。これにより、発振された基準周波数の信号を逓倍器によって逓倍することができる。
無線送電器が、基準周波数発振器が発振した信号を外部に出力する出力部や、基準周波数の信号が入力される入力部を備えてよい。そして、基準周波数発振器が発振した信号が、複数の無線送電器の間で共有されてよい。これにより、全ての無線送電器が基準周波数の信号を発振する必要が無くなり、無線送電器および無線電力伝送システムの構成をスリム化することができる。
無線受電器において、バックスキャッタ変調回路が、発振回路と波形整形回路とを備え、波形整形回路は、発振回路から入力されたクロックの波形を、デューティ比のより低い波形へと整形して、インピーダンス変調素子に入力してよい。これにより、無線受電器の電力損失を減らすことができる。
無線電力伝送システムに含まれる無線送電器が、1つずつ順番に位相最適化処理を実行してよい。これにより、複数の無線送電器が同時に位相最適化処理を実行することによる不具合を回避することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
1、1A 無線送電器
2 無線受電器
11 基準周波数発振器
12 逓倍器
13 移相回路
14 アンプ
15 アンテナ
16 バックスキャッタ信号受信機
17 制御装置
21 アンテナ
22 整流回路
23 バックスキャッタ変調回路
231 インピーダンス変調素子
232 波形整形回路
233 発振回路
24 ダイオード
25 蓄電回路
26 負荷
27 逆流防止回路
272 ノンオーバラップ制御回路
500 無線電力伝送システム

Claims (11)

  1. マイクロ波を用い、複数設けられる無線送電器の一つであって、
    前記複数の無線送電器それぞれが、
    電波を送信するアンテナと、
    前記アンテナにより送信される電波の移相量を変える移相回路と、
    少なくとも前記移相回路を制御する制御装置と、
    前記複数の無線送電器から同時に送信された電波を受信した無線受電器によって、前記受信した電波に応じて生成されたバックスキャッタ信号を受信するバックスキャッタ信号受信機と、
    を備え、
    前記複数の無線送電器のうち1つずつ順番に、前記制御装置は、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大になるように前記移相回路を制御する位相最適化処理を実行する、
    無線送電器。
  2. 前記制御装置は、山登り法を用いて、前記位相最適化処理を実行する、
    請求項1に記載の無線送電器。
  3. 前記制御装置は、前記移相回路の設定位相を、前記移相回路のある時点での設定位相θを基準として線形に2πだけ単調増加または単調減少させ、前記2πの移相変化が終了するまでの時間をtとし、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大となるまでの時間をtとし、2π(t/t)+θとするように前記位相最適化処理を実行する、
    請求項1または請求項2に記載の無線送電器。
  4. 前記制御装置は、前記移相回路の設定位相を、前記移相回路のある時点での設定位相θを基準として時間tの間に線形に2πだけ単調増加または単調減少させたのち、一定のtの時間位相の変化を行わず、その後前記単調増加または単調減少とは逆の方向に、時間tの間に線形に2πだけ前記移相回路の設定位相を変動させ、前記無線送電器が受信する前記バックスキャッタ信号の強度が最大となる1度目の時刻と2度目の時刻の差分をtとし、前記バックスキャッタ信号の強度が最小となる1度目の時刻と2度目の時刻の差分をtとしたとき、2π(1−(t−t)/(2t))+θまたは2π(0.5−(t−t)/(2t))+θとするように前記位相最適化処理を実行する、
    請求項1または請求項2に記載の無線送電器。
  5. 基準周波数の信号を逓倍する逓倍器を備え、
    前記アンテナは、前記逓倍器によって逓倍された電波を送信する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線送電器。
  6. 基準周波数の信号を発振する基準周波数発振器を備え、
    前記基準周波数発振器が発振した信号が前記逓倍器に入力される、
    請求項5に記載の無線送電器。
  7. 前記基準周波数発振器が発振した信号を外部に出力する出力部を備える、
    請求項6に記載の無線送電器。
  8. 基準周波数の信号が入力される入力部を備える、
    請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の無線送電器。
  9. 前記アンテナが円偏波アンテナである、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の無線送電器。
  10. マイクロ波を用い、請求項1記載の無線送電器から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナが受信した信号を整流する整流回路と、逆流防止回路と、バックスキャッタ変調回路と、蓄電回路と、負荷とを備え、
    前記バックスキャッタ変調回路が発振回路及びインピーダンス変調素子を備え、
    前記アンテナが前記整流回路の入力に接続され、
    前記整流回路の出力が前記インピーダンス変調素子に接続され、
    前記逆流防止回路の一端が前記インピーダンス変調素子に接続され、他端が前記蓄電回路および前記負荷に接続され、前記インピーダンス変調素子が前記発振回路により駆動されている、
    無線受電器。
  11. 前記バックスキャッタ変調回路が、発振回路と波形整形回路とを更に備え、
    前記波形整形回路は、前記発振回路から入力されたクロックの波形を、デューティ比のより低い波形へと整形して、前記インピーダンス変調素子に入力する、
    請求項10に記載の無線受電器。
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