JP7189059B2 - 発泡シート及び発泡シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡シート及びその製造方法に関し、特に、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートであり穴が複数設けられた穴あき発泡シート及びその製造方法に関する。
従来、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートが各種用途に用いられており、その用途に応じた機能が付与されて提供されている。
例えば、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートは、気泡構造を有しているため、各種製品の緩衝材として好適に使用されている。緩衝材として使用される発泡シートの場合、製品の形状に応じて容易にその形状を変形可能な柔軟性を有していることが好ましい。
このような柔軟性を有する発泡シートとして、特許文献1には、厚み方向において貫通した複数の貫通孔が形成された発泡シートが開示されている。このような発泡シートは、貫通孔が形成された気泡が収縮し易いため、シート全体として優れた柔軟性を有している。
特許第4446417号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発泡シートは、上記のように、複数の孔が厚み方向において貫通しているために圧縮され易くなっており、例えば、衝撃が加わることによって、直ちに緩衝性が実質的に発揮されない程度に圧縮された状態に変形してしまい、十分に衝撃を緩和することができないという問題点を有している。
上記問題点に鑑み、本発明は、比較的柔軟であり且つ優れた緩衝性を発揮し得る発泡シート、及び、そのような発泡シートの製造方法を提供することを課題とする。
本発明に係る発泡シートは、
ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートであり、
一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴が複数設けられている、穴あき発泡シートである。
斯かる構成によれば、複数の穴が設けられているため、穴が設けられていないシートと比較して高い柔軟性を発揮し得る。また、斯かる構成によれば、厚み方向において、複数の穴が及んでいる層と、複数の穴が及んでいない層とが積層するように配される。よって、例えば衝撃によって、複数の穴が及んでいる層が圧縮されて実質的に緩衝性が発揮されない状態に変形した場合であっても、比較的圧縮されにくい複数の穴が及んでいない層が補強的に配されているため、シート全体としては、緩衝性が発揮されない状態になりにくくなっている。言い換えれば、衝撃が加わった場合、複数の穴が及んでいる層が圧縮された後、続いて、複数の穴が及んでいない層が圧縮されて、衝撃が段階的に緩和され得る。以上から、シート全体として、比較的柔軟であり且つ優れた緩衝性を発揮し得る。
また、上記穴あき発泡シートは、
無荷重下における厚みをTnとし、100gf/0.785cmの荷重下における厚みをTaとしたときに、下記式(1)に示される圧縮率が15~30%であってもよい。
圧縮率(%)=(Tn-Ta)/Tn×100・・・(1)
斯かる構成によれば、圧縮率が15~30%であるため、より柔軟な発泡シートが提供され得る。
また、本発明に係る発泡シートの製造方法は、
ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートの片面に複数の穴を設ける穴あけ工程を実施して、一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴が複数設けられた穴あき発泡シートを取得することを備える。
斯かる構成によれば、穴あけ工程を実施することにより、比較的柔軟であり且つ優れた緩衝性を発揮し得る発泡シートを製造することができる。
また、上記穴あき発泡シートの製造方法は、
前記穴あけ工程よりも前の前記発泡シートの引裂強さをS1とし、前記穴あき発泡シートの引裂強さをS2としたときに、下記式(2)に示される引裂強さ低下率が12%未満であってもよい。
引裂強さ低下率(%)=(S1-S2)/S1×100・・・(2)
斯かる構成によれば、引裂強さ低下率が12%未満であるため、比較的柔軟であり、且つ、従来技術のシートと比較して優れた強度を有し得る発泡シートを製造することができる。
以上の通り、本発明によれば、比較的柔軟であり且つ優れた緩衝性を発揮し得る発泡シート、及び、そのような発泡シートの製造方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る発泡シートの模式的な断面図である。 図2は、圧縮率を測定するための装置の模式図である。 図3は、発泡シートの片面に複数の穴を設けるための加工装置の模式図である。 図4は、図3の装置における針ロール及び受ロールの部分拡大図である。 図5は、別の実施形態に係る発泡シートの模式的な断面図である。 図6は、実施例1の発泡シートにおける断面のSEM画像である。 図7は、実施例1の発泡シートにおける一表面のSEM画像である。 図8は、比較例4の発泡シートにおける一表面のSEM画像である。 図9は、比較例5の発泡シートにおける一表面のSEM画像である。
以下、図面を参照しつつ、一実施形態に係る発泡シートについて説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る発泡シート1は、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シート1であり、一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴Pが複数設けられている穴あき発泡シート1である。すなわち、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートは気泡構造を有しているため、複数の穴Pは、発泡シート1の深さ方向に並んでいる複数の気泡10それぞれが連通するように形成されている。また、複数の穴Pは、連通させる気泡10が一表面の開口を介して外部と連通するように形成されている。
上記のような複数の穴Pが形成されていることによって、発泡シート1は、複数の穴Pが及んでいることによって圧縮され易い易圧縮層L1と、複数の穴Pが及んでいないために比較的圧縮され難い難圧縮層L2とを、厚み方向において積層するように配している。これによって、易圧縮層L1が圧縮された後、続いて、難圧縮層L2が圧縮されて、衝撃が段階的に緩和され得る。従って、発泡シート1は、優れた緩衝性を発揮し得る。
穴Pは、易圧縮層L1の平均厚みが発泡シート1の平均厚みに対して50%以上となるように形成されていることが好ましい。また、少なくとも、一表面に対向する他表面側の最も外側に形成された気泡10は、穴Pが形成された気泡10とは独立しており(穴Pが形成された気泡10に連通しておらず)且つ外部と連通していないことが好ましい。
易圧縮層L1の平均厚みは、発泡シート1を、例えば10×10mmの大きさに切り出し、日本電子株式会社製オートファインコータ(JFC-1300)を用いて25mA、180秒金蒸着した試料を、株式会社日立ハイテクノロジーズ製走査電子顕微鏡(SU1510)の二次電子検出器を用い、拡大倍率30倍又は50倍にて、断面を撮影したSEM画像を取得し、該SEM画像を観察することにより測定される。易圧縮層L1の平均厚みは、SEM画像において任意に選択される5箇所の、穴Pにより連通した気泡10からなる厚み(図1のaにより示される厚み)の算術平均値とする。また、穴Pにより連通した気泡10からなる厚みは、連通した気泡10の両端を結ぶ直線のうち、深さ方向に平行であり且つ最も長い直線の長さとする。
穴Pの数、すなわち穴数は、発泡シート1が適度に柔軟であり、且つ、易圧縮層L1が適度な緩衝性を有するという観点から、0.5~100個/cmであることが好ましく、20~50個/cmであることがより好ましく、40~50個/cmであることがさらに好ましい。また、穴Pの穴径は、0.1~1.0mmであることが好ましく、0.3~0.8mmであることがより好ましい。
本実施形態では、穴数及び穴径は、発泡シート1における穴Pが開口した一表面側を撮影したSEM画像を取得し、該SEM画像を観察することにより測定される。撮影のための試料の調製及び条件は、上記易圧縮層L1の平均厚みの場合と同様とする。
穴数は、SEM画像において任意に選択される1cmからなる区画10箇所における各区画内に形成された穴の数の算術平均値とする。1cmからなる区画を形成する境界線に、外縁が交差する穴が存在する場合、該穴の数は、該穴の区画内における開口面積を該穴の全体の開口面積により割った値に換算して、穴数に加算される。
穴径は、SEM画像において任意に選択される穴P10個の穴径の算術平均値とする。各穴Pの穴径は、次のようにして求められる。すなわち、穴径は、穴Pの外縁における任意の2点を結ぶ直線のうちの最長の直線X1、及び、直線X1に直交する直線であって穴Pの外縁における任意の2点を結ぶ直線のうちの最長の直線Y1を定め、式[(直線X1の長さ)+(直線Y1の長さ)]/2により求められる値とする。
発泡シート1は、図1に示すような気泡構造を有しているため、穴Pの穴数は、この気泡構造における気泡数に対応した数に設定されていることが好ましい。本明細書においては、気泡数に対応した穴数は、下記式(3)により算出される有穴率(%)として定義される。下記式(3)において、穴数(個/cm)は、上記SEM画像により測定された穴数とする。尚、式(3)により算出された値が100%を超える場合、有穴率は100%とする。
有穴率(%)=[穴数(個/cm)]/[気泡数(個/cm)]×100・・・(3)
ここで、気泡数(個/cm)は、式[気泡数(個/cm)]=1/[平均気泡径(cm)]により算出される値とする。また、平均気泡径(cm)は、上記一表面側のSEM画像において任意に選択される気泡5個の気泡径の算術平均値とする。各気泡径は、気泡の外縁における任意の2点を結ぶ直線のうちの最長の直線X2、及び、直線X2に直交する直線であって気泡の外縁における任意の2点を結ぶ直線のうちの最長の直線Y2を定め、式[(直線X2の長さ)+(直線Y2の長さ)]/2により求められる値とする。
有穴率は、15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。有効率が、上記範囲内であることによって、従来技術の発泡シートのように貫通孔が形成されていなくとも、上記圧縮率が適度な値となり得るため、発泡シート1が優れた柔軟性を有し得る。
本実施形態では、発泡シート1は、無荷重下における厚みをTnとし、100gf/0.785cmの荷重下における厚みをTaとしたときに、下記式(1)に示される圧縮率が15~30%である。圧縮率が上記範囲内であることによって、発泡シート1が優れた柔軟性を有し得る。
圧縮率(%)=(Tn-Ta)/Tn×100・・・(1)
本実施形態では、荷重下における厚みTaは、次のようにして測定される。すなわち、発泡シート1の任意の箇所から5cm×5cmの試験片を切り出し、図2に模式的に示されるようなTECLOCK社製厚み計(PC-465J)を用い、100gf/0.785cmの荷重下における試験片の厚みを測定する。5個の試験片について厚みを測定し、その算術平均値を荷重下における厚みTaとする。
また、無荷重下における厚みTnは、図2に示す厚み計を用いて錘を取り外した状態で測定される発泡シート1の厚みであって、Taを測定する前に(錘を作用させる前に)測定される厚みとする。
発泡シート1は、見掛け密度が、通常0.01~0.035g/cmであり、0.01~0.03g/cmであることが好ましく、0.01~0.02g/cmであることがより好ましい。また、厚みは、通常0.5~15mmであり、1~5mmであることが好ましい。
本実施形態で用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、超低密度ポリエチレン樹脂(VLDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン樹脂(ホモPP)、ランダムポリプロピレン樹脂(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン樹脂(ブロックPP)などのポリプロピレン系樹脂が挙げられ、これらのうち、ポリエチレン系樹脂が好適である。
次に、図3及び図4を参照しつつ、本実施形態に係る発泡シート1の製造方法について説明する。
発泡シート1の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂組成物で構成された発泡シートの片面に複数の穴Pを設けて発泡シート1を取得する穴あけ工程を備える。
穴あけ工程は、図3に示すような加工装置2を用いて行うことができる。加工装置2は、複数の穴Pが形成される前のロール状の加工前発泡シートRを巻き出すための巻き出し部20と、複数の穴Pが形成されたシート(本実施形態では発泡シート1)をロール状に巻き取るための巻き取り部22と、シートの流れ方向において巻き出し部20と巻き取り部22との間に配された複数の針を有する針ロール24と、針ロール24との間にシートが通過する隙間を介して配された受ロール26とを備えている。
針ロール24及び受ロール26は、シートが当接する外周部がシートの移動方向に共回りすることによって、これらの隙間にシートを通過させつつシートに複数の穴Pを形成するように構成されている。本実施形態では、針ロール24が有する複数の針は、ロールを軸方向から見たときに、中心から外周に向かって放射状に、且つ、互いに等間隔離れるように配されている。また、各針の長さは、実質的に同じ長さを有している。
図4に示されるように、針ロール24と受ロール26との隙間は、針ロール24における針の先端から受ロール26の表面までの最短距離cが下記式(4)を満たすように形成されている。これによって、針ロール24と受ロール26との隙間を通過するシートのうち最短距離cを通過する部分には針が到達せず、形成される穴Pがシートの厚み方向途中までとなる。
0<c≦0.5G(G:加工前発泡シートRの厚み)・・・(4)
受ロール26は、加工時に針ロール24の針によって傷がつかないように、例えば、表面が金属ブラシなどによって形成されていることが好ましい。
本実施形態では、加工前発泡シートRの引裂き強さをS1とし、発泡シート1の引裂き強さをS2としたときに、下記式(2)に示される引裂き強さ低下率が12%未満であることが好ましい。
引裂強さ低下率(%)=(S1-S2)/S1×100・・・(2)
本実施形態では、引裂強さS1及びS2は、JIS K6767:1999の方法に準じ、株式会社オリエンテック製テンシロン万能試験機(UCT-10T)及びソフトブレーン株式会社製万能試験機データ処理ソフト(UTPS-458X)を用いて測定する。具体的な測定方法としては、各発泡シートから流れ方向及び幅方向について5つずつ試験片を切り出し、各試験片を温度23±2℃、相対湿度50±5%で24時間以上状態調節した後、温度23±2℃、相対湿度50±5%で測定する。また、試験速度500mm/分、チャック間隔50mmとする。
以上のように、例示として一実施形態を示したが、本発明に係る発泡シートは、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本発明に係る発泡シートは、上記した作用効果により限定されるものでもない。本発明に係る発泡シートは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、発泡シート1の一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴Pが複数設けられている態様を示したが、難圧縮層L2が易圧縮層L1よりも圧縮され難くなっていれば、発泡シート1には、他表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、易圧縮層L1及び難圧縮層L2の二層のみからなる形態を示したが、発泡シート1がさらに段階的に圧縮されるように構成されていてもよい。すなわち、図5に示すように、発泡シート1には、複数の穴Pとして、厚み方向における深さが異なる穴P1及び穴P2が形成されていてもよい。この場合、発泡シート1の厚み方向において、穴P2が連通させる気泡10からなる厚みa2が、穴P1が連通させる気泡10からなる厚みa1よりも大きくなるように、穴P1及び穴P2が形成されている。これによって、易圧縮層L1は、一表面から穴P1及び穴P2の両方が及んでいる第1易圧縮層L11と、穴P2のみが及んでいる第2易圧縮層L12とによって形成される。第1易圧縮層L11には、第2易圧縮層L12よりも多くの穴Pが形成されているため、第1易圧縮層L11は、第2易圧縮層L12よりも圧縮され易くなり、これによって、易圧縮層L1が二段階に圧縮される。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
製造例
ポリオレフィン系樹脂として低密度ポリエチレン樹脂(LDPE、株式会社NUC製、密度:922kg/m、MFR:0.2g/10分)100質量部に対して、非イオン性の界面活性剤(花王ケミカル社製)1.4質量部、及び気泡調整剤マスターバッチ(三協化成株式会社製、アゾジカルボンアミド含有マスターバッチ)0.04質量部を配合し、タンデム押出機の第一押出機(シリンダー径:φ90mm)に供給し、押出機内の最高到達温度が215℃となるように溶融混錬した。また、第一押出機の途中から発泡剤としてノルマルブタン15質量部を圧入して押出混練を行った。この第一押出機での溶融混錬後は、第一押出機に連結された第二押出機(シリンダー径:φ180mm)で発泡適正温度域である110℃付近まで冷却し、出口直径100mm(スリット幅:0.4mm)のサーキュラーダイを介して大気中に押出発泡した。このときの押出温度は116℃であった。押出発泡された筒状発泡体を、エアーを吹き付けて冷却した後、直径380mm、長さ500mmの冷却マンドレル上を添わせて冷却し、冷却マンドレルの後部側に設けたカッターで押出方向に沿って筒状発泡体を切断し、長尺帯状の加工前発泡シートとした。加工前発泡シートを巻取り速度30.1m/分で巻き取った。得られた加工前発泡シートの厚みは3mmであった。また、同様の原料組成、設備、温度条件にて、加工前発泡シートの巻取り速度15.3m/分として厚み5mmの加工前発泡シート、及び、加工前発泡シートの巻取り速度90.0m/分として厚み1mm加工前発泡シートを得た。
実施例1
上記で得られた厚み3mmの加工前発泡シートに、図3に示すような加工装置を用いて加工を実施した。針ロール及び受ロールを回転させながら、各ロールの隙間に加工前発泡シートを通過させ、複数の穴を形成した。このとき、針がシートから受ける抵抗を低減させ且つ穴径を所定の大きさに調節するために、針の温度を80℃に加温した。また、加工時に、針を傷つけないように、受ロールは表面が金属ブラシ状のものを使用した。得られた穴あき発泡シートを巻取りロール状とした。得られた穴あき発泡シートの穴数を上記の方法により算出すると、44個/cmであった。図6及び図7は、得られた穴あき発泡シートの断面及び複数の穴が開口した表面を撮影したSEM画像を示す。図6から、図1の模式図に示すような穴が発泡シートに形成されていることが認められる。図7から、発泡シートの表面に6つの穴の開口が形成されていることが認められる。
実施例2
針の温度を95℃に加温した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。
実施例3
厚み5mmの加工前発泡シートを用い、針の温度を110℃に加温した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。
実施例4
厚み1mmの加工前発泡シートを用いた以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。
比較例1~3
厚み3mm、1mm及び5mmの加工前発泡シートを、それぞれ比較例1~3として評価した。
比較例4
穴数を1.5個/cmに設定した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。図8は、得られた発泡シートの複数の穴が開口した表面を撮影したSEM画像を示す。図8及び図7を比較すると、比較例4の発泡シートの方が、実施例1の発泡シートと比較して、気泡数に対する穴数が少ないことが認められ、有穴率が小さいことが認められる。
比較例5
穴数を9個/cmに設定した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。図9は、得られた発泡シートの穴が開口した表面を撮影したSEM画像を示す。図9及び図6より、比較例5及び実施例1の発泡シートを比較すると、比較例5の発泡シートの方が、気泡数に対する穴数の割合が少ないことが認められ、すなわち有穴率が小さいことが認められる。
比較例6
針の温度を110℃に加温した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。
比較例7
厚み1mmの加工前発泡シートを用い、針の温度を110℃に加温した以外は、実施例1と同様にして、発泡シートを取得した。
実施例1~4及び比較例1~7の発泡シートについて、上記の方法により圧縮率、有穴率及び引裂き強さについて評価した。また、連続気泡率(連気率)について評価した。結果を表1に示す。
尚、連続気泡率は、次のようにして測定した。すなわち、発泡シートから25×25mmの切片を複数切り出し、この切片を厚みが約5cmとなるように重ね合わせて試料を作製し、該試料の実体積Vをマイクトメリティックス乾式自動密度計(株式会社島津製作所製、型式:アキュピックII 1340(V1.0))を用いて測定した。また、試料の外形からその見掛け体積V0を算出した。V及びV0の測定値から次式により連続気泡率(%)を算出した。
連続気泡率(%)=(V0-V)/V0×100
Figure 0007189059000001
表1の結果から、実施例の発泡シートは、圧縮率が高いため柔軟であることが示された。また、引裂強さの評価から、実施例の発泡シートは、有穴率が高いにも関わらず、穴が非貫通であることによって、加工前発泡シートに対する引裂き強さの低下率が小さいことが示された。すなわち、実施例の発泡シートは、形成される穴を非貫通とすることによって、引裂強さの低下が抑えられており、且つ、有穴率を規定することによって、穴が非貫通であるにも関わらず比較的柔軟であることが示された。さらに、実施例の発泡シートは、上記のように、穴が非貫通であることによって、優れた緩衝性を発揮し得る。
また、有穴率及び連気率それぞれと圧縮率との関係を比較すると、有穴率と圧縮率とは、少なくとも有穴率が15.8~100%の範囲(実施例の範囲)において比較的良好な直線性を示すことが認められ、圧縮率を調節するための指標として有穴率が有効であることが示された。
1:発泡シート、10:気泡、
P:穴、L1:易圧縮層、L2:難圧縮層、a:穴により連通した気泡の厚み、
2:加工装置、20:巻き出し部、22:巻き取り部、24:針ロール、26:受ロール、
R:加工前発泡シート、c:針ロールと受ロールとの隙間の最短距離

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂組成物で構成され且つ厚みが1~5mmの発泡シートであり、
    一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴が複数設けられ、連続気泡率が50%以上である、穴あき発泡シート。
  2. 無荷重下における厚みをTnとし、100gf/0.785cmの荷重下における厚みをTaとしたときに、下記式(1)に示される圧縮率が15~30%である、請求項1に記載の穴あき発泡シート。
    圧縮率(%)=(Tn-Ta)/Tn×100・・・(1)
  3. ポリオレフィン系樹脂組成物で構成され且つ厚みが1~5mmの発泡シートの片面に複数の穴を設ける穴あけ工程を実施して、一表面に開口し厚み方向途中までの深さの穴が複数設けられた穴あき発泡シートを取得することを備え
    前記穴あけ工程では、表面に複数の針を備えた針ロールと、表面が金属ブラシで形成された受けロールとの間に前記発泡シートを通過させて該発泡シートの片面に前記針ロールで前記複数の穴を形成する、穴あき発泡シートの製造方法。
  4. 前記穴あけ工程よりも前の前記発泡シートの引裂き強さをS1とし、前記穴あき発泡シートの引裂き強さをS2としたときに、下記式(2)に示される引裂強さ低下率が12%未満である、請求項3に記載の穴あき発泡シートの製造方法。
    引裂強さ低下率(%)=(S1-S2)/S1×100・・・(2)
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