JP7189029B2 - 立面図作成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、立面図作成方法に関する。
特許文献1には、地図作成方法が記載されている。この方法においては、モービルマッピングにより取得された画像に基づいて、水平撮影方向のモザイク画像と、垂直撮影方向のモザイク画像と、を生成し、垂直方向のモザイク画像の道路領域の両側方に、道路両脇の水平方向のモザイク画像を同一平面上につなぎ合わせるようにして貼り付けることにより、仮想的に道路外側に倒しこむようにして展開図近似の写真地図を生成する。
特開2017-10082号公報
特許文献1に記載の方法は、上記のような手法によって写真地図を作成することにより、地理を直感的に把握しやすくさせることを図っている。しかしながら、上記の方法においては、カメラにより撮影された画像から写真地図を作成している。このため、例えば道路脇に設けられた構造物の正確な位置及び形状を把握することは困難である。
構造物の正確な位置及び形状を把握するためには、例えば、レーザデータを用いることが考えられる。モービルマッピングシステム(以下、「MMS」という場合がある)で取得したレーザデータは、道路沿線にある構造物を正面から計測しているため、レーザ点群のデータ上で詳細な構造物の形状及び位置の把握が可能である。しかしながら、得られたレーザ点群のデータを、例えば3次元対応のCAD、Viewer等を介して確認する場合、個々の構造物の正面が見やすくなるように、都度、オペレータの操作によって視点を移動させる必要があり、道路及び構造物の形状等の把握に時間を要する。
本発明はそのような事情に鑑みてなされたものであり、道路及び構造物の正確な形状等を短時間に把握可能な立面図作成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る立面図作成方法は、レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、道路及び道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、レーザ光の反射点群を示す点群データを取得する第1工程と、点群データから、道路及び構造物に対応する反射点群である対象点群を得る第2工程と、道路の道路縁に対応する直線を対象点群に対して設定する第3工程と、対象点群のうち構造物に対応する点群である構造物点群を、直線を回転軸として回転させると共に、対象点群のうちの道路に対応する点群である道路点群と回転後の構造物点群とによって立面図を作成する第4工程と、を備える。
この方法においては、まず、移動体を道路に沿って移動させてレーザ光をスキャンすることにより、道路及び道路沿線の構造物を含むエリアのレーザ光の反射点群を示す点群データが取得される。その点群データから、立面図の対象となる道路及び構造物に対応する反射点群である対象点群を得る。そして、道路縁に対応する直線を対象点群に対して設定すると共に、当該直線を回転軸として、構造物に対応する構造物点群を回転し、回転後の構造物点群と道路点群とによって立面図を作成する。このように、この方法においては、レーザデータを用いて立面図が作成されるので、道路及び構造物の正確な形状等を把握可能である。特に、この立面図においては、道路沿線の構造物が道路縁に沿って回転された(倒された)状態とされている。したがって、道路を俯瞰する視点によって、容易且つ短時間に道路及び構造物の形状等を把握できる。
本発明に係る立面図作成方法においては、第4工程においては、道路の路面に沿うように構造物点群を回転させてもよい。このとき、第4工程においては、路面に沿うように、構造物のうち、移動体の進行方向に対して右側に位置する構造物に対応する構造物点群を90°回転させると共に、移動体の進行方向に対して左側に位置する構造物に対応する構造物点群を270°回転させてもよい。これらの場合、より容易い且つ短時間に、道路を俯瞰する視点によって、道路及び構造物の形状等を把握可能である。
本発明に係る立面図作成方法においては、第3工程においては、回転後の構造物点群を、回転前の直線の座標に整合するように移動させてもよい。この場合、構造物と道路とのより正確な位置関係を把握可能となる。
本発明に係る立面図作成方法は、道路及び構造物を含むエリアを撮影することにより得られた第1画像に基づいて、対象点群の各点に対して色情報を付加する第5工程をさらに備えてもよい。この場合、道路及び構造物の形状等をカラーで把握可能となる。
本発明に係る立面図作成方法は、道路を撮影することにより得られた第2画像に基づいて、道路の路面を示すオルソ画像を作成する第6工程と、オルソ画像に基づいて、対象点群のうちの道路の路面に対応する点群の色情報を補正する第7工程と、を備えてもよい。この場合、道路の形状・状態等をより正確に把握可能となる。
本発明に係る立面図作成方法においては、第6工程において、対象点群に対して、道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹に対応する点群をノイズデータとしてレイヤー区分すると共に、ノイズデータを除去してもよい。この場合、道路の形状及び状態をより明瞭に示すことが可能となる。
本発明によれば、道路及び構造物の正確な形状等を短時間に把握可能な立面図作成方法を提供できる。
本実施形態に係る立面図作成方法の主な工程を示すフローチャートである。 本実施形態に係る立面図作成方法の主な工程を示すフローチャートである。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 図1,2に示された立面図作成方法を説明するための図である。 作成された立面図の利用方法を説明するための図である。 作成された立面図の利用方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、立面図作成方法の一実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素同士には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1及び図2は、本実施形態に係る立面図作成方法の主な工程を示すフローチャートである。図1に示されるように、この方法においては、まず、MMS計測を行う(工程S101:第1工程)。MMS計測においては、レーザ計測装置等が設けられた車両(移動体)を道路に沿って移動させる。この車両には、レーザ計測装置に加えて、一例として、IMU(Inertial Measurement Unit)、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、全方位カメラ、HDカメラ、及び、後述するように点群に色情報を付加するために用いられる複数のデジタルカメラ等が搭載されている。
この工程S101においては、このような車両を道路に沿って移動させながら、道路及び道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、レーザ光の反射点群を示す点群データ(以下、「レーザデータ」という場合がある)を取得する。反射点群を構成する各点には、例えば、上記のGNSSやIMU等の情報に基づいて、3次元座標(X座標、Y座標、Z座標)が設定される。なお、構造物とは、例えば、道路沿いの家屋や商・工業施設等である。点群データには、道路及びこれらの構造物以外の物体(例えば街路樹や電柱や道路標識等)に対応する点群も含まれる。
続いて、解析処理を行う(工程S102:第2工程)。より具体的には、この工程S102においては、図3,4に示されるように、点群データの解析により、点群データから、道路及び構造物に対応する反射点群である対象点群Gを得る。対象点群Gには、道路に対応する点群である道路点群GR、及び、構造物に対応する構造物点群GCが含まれる。図3,4は、これらの対象点群Gを出力して可視化したものである。図4は、図3の一部を拡大したものである。なお、以降の図面では、説明のために点群を可視化しているが必須ではない。
続いて、図3,4に示されるように、色付け処理を行う(工程S103:第5工程)。より具体的には、工程S101でのレーザ光の走査と同期して、上記のデジタルカメラにより道路及び構造物を撮影することにより得られた第1画像に基づいて、少なくとも対象点群の各点に対して色情報を付加する。図3,4(及び以下の各図)においては、各点に付与された色情報に対応するように、グレースケールの濃淡が示されている。
続いて、対象点群Gに含まれる各点の位置補正を行う(工程S104)。より具体的には、例えば、上記のGNSSやIMU等の情報、或いはオペレータから入力される情報等に基づいて、対象点群Gに含まれる各点の3次元座標の補正を行う。
続いて、道路の路面を示すオルソ画像(路面オルソ画像)を作成する(工程S105:第6工程)。より具体的には、工程S101の実施の際に、HDカメラにより道路を撮影することにより得られた第2画像に基づいて、道路の路面を示すオルソ画像を作成する。一例として、この工程S105においては、HDカメラにより撮影された動画画像から、道路の中央部を含む短冊状の静止画像を抽出すると共に、当該静止画像をレーザデータによる標高を用いて補正し、道路の路面を示す高精度のオルソ画像データを作成することができる。
作成されたオルソ画像の一例を図5に示す。ここでは、オルソ画像の作成に際して、自車両にごく近い前方の短冊状の静止画像を抽出するため、当該静止画像及びオルソ画像に対して他車両等が入り込むことが避けられる(路面のみが写される)。なお、この工程S105を実施するタイミングは工程S104の後に限定されず、続く工程S106の前であればいつでもよい。例えば、工程S105は、工程S103及び工程S104と並行して実施されてもよい。
続いて、工程S105において作成された路面オルソ画像に基づいて、対象点群Gのうちの道路の路面に対応する点群の色情報を補正する(工程S106:第7工程)。ここでは、まず、ノイズデータの除去を行う。より具体的には、図6に示されるように、道路点群GRに対して、道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹等の障害物に対応する点群GOをノイズデータとしてそれぞれレイヤー区分を行う。その後、図7に示されるように、道路上のノイズデータを除去する。これにより、路面状況が見やすくなる。一方で、路面上には、車両や電柱等の色情報が残存してしまうため、部分的に不明瞭となる場合がある。
そこで、図5に示された路面オルソ画像に基づいて、道路の路面に対応する点群の色情報を補正することにより、レーザデータの不明瞭な点を改善され、図8に示されるような明瞭なレーザデータが得られる。
続く工程においては、構造物点群GCを回転させる処理を行う。図3及び図4を参照する。図4は、図3の拡大図である。まず、図3,4に示されるように、道路の道路縁に対応する直線Lを対象点群Gに対して設定する(工程S107:第3工程)。ここでは、道路縁に沿って構造物が設けられている。したがって、道路縁に対応する直線Lを設定することは、構造物に沿って直線Lを設定することと同等である。ここでは、任意の区間(例えば道路が直線と見做せる区間)に対して始点P(a11,a12,a13)及び終点P(a31,a32,a33)を設定する。そして、始点Pと終点Pとによって規定される直線Lの中間地点として中点P(a21,a22,a23)が決められる。直線Lは、これらの3点により特徴付けられる。a11、a21、a31は各点のX座標を示し、a12、a22、a32は各点のY座標を示し、a13、a23、a33は各点のZ座標を示している。
続いて、対象点群Gを道路点群GRと構造物点群GCとに分割する(工程S108)。
続いて、対象点群Gのうち構造物点群GCを、直線Lを回転軸として回転させる(工程S109:第4工程)。この処理について詳細に説明する。まず、工程S107において設定した直線Lの直線方程式の係数(n,n,n)を算出する。そのために、下記式(1)の行列Aの逆両列A-1を求める。逆両列A-1は、例えば、行列Aの拡大係数行列を用いた掃き出し法等によって下記式(2)のように求められる。
Figure 0007189029000001

Figure 0007189029000002
係数(n,n,n)は、逆両列A-1の要素を用いて(±b13,b23or 0,±1 or 0)となる。ただし、b11の値に応じて少なくとの6つ以上に場合分けを行い、それぞれの場合に応じて符号と数値を設定する。そして、構造物点群GCの各点を、下記式(3)で示されるロドリゲスの回転公式によって回転させる。回転後の構造物点群GCを図10に示す。
Figure 0007189029000003
θは、回転後の構造物点群GCが道路の路面に沿うように設定される。一例として、θは、車両の進行方向(道路)に対して右側の構造物に対応する点では90°であり、車両の進行方向に対して左側の構造物に対応する点では270°である。
すなわち、この工程S109においては、道路の路面に沿うように構造物点群GCを回転させ、特に、構造物のうち、車両の進行方向に対して右側に位置する構造物に対応する構造物点群GCRを90°回転させると共に、車両の進行方向に対して左側に位置する構造物に対応する構造物点群GCLを270°回転させる(図9参照)。このとき、逆両列A-1の要素b11の値と符号とによって、道路に対して左側及び右側のそれぞれについて少なくとも6つ以上に場合分けする。さらに、各場合分けにおいて、必要に応じて要素b12、b13、b21、b22、b23の符号及び数値により場合分けする。
回転後の座標は上記のとおり(Y,Z,X)となり、回転前の座標との関係は、(Y,Z,X)と(Z,X,Y)、及び、(Y,Z,X)と(X,Y,Z)の2通りあり得る。上記の各場合分けに応じて、以降の計算では、上記のどちらかの座標関係に基づいた計算を行う。
θを90°とした場合、図11の(a)に示されるように、回転後の構造物は、90°方向に展開されるが、回転後の軸(直線LA)の位置は、回転前の軸(直線L)の位置とは異なり、かつ原点から概ね真下方向(-Y方向)に移動する。そのため、回転前後の軸の始点位置の差、及び角度を算出し、軸位置の平行移動、及び各座標軸周りの回転行列を用いて、回転前の方向に修正する。各座標軸周りの回転行列は、下記式(4)~(6)に示されるとおりである。RはX軸周りの回転を示し、RはY軸周りの回転を示し、RはZ軸周りの回転を示す。
Figure 0007189029000004

Figure 0007189029000005

Figure 0007189029000006
これにより、図11の(b)に示されるように、回転後の構造物点群GCが、回転前の直線Lに沿うように移動される。すなわち、ここでは、回転後の構造物点群GCを、回転前の直線Lの座標に整合するように移動させる(工程S110:第3工程)。
以上により、路面に沿って展開されるように回転された構造物点群GCと、道路点群GRとによって、図12に示されるような道路に沿った連続的な立面図が作成される(工程S111:第4工程)。
なお、回転後の構造物点群GCは、3次元データであるため、図13の(a)に示されるように、構造物の奥行も保持したまま展開される。これに対して、必要に応じてYの値を例えば1/100倍し、ほぼ0に近づけることにより、図13の(b)に示されるように、ほぼ奥行のない平坦なデータ(構造物点群)とすることも可能である。
引き続いて、立面図作成方法の一実施例について説明する。この例においては、上記の方法と同様にして、工程S101~工程S106までを実施した。続いて、この例においては、工程S107において、始点P(-20557.141,-110635.875,38.388)、中点P(-20561.839,-110660.264,38.477)、終点P(-20566.536,-110684.653,38.566)として、直線Lを設定した。このとき、行列Aは、下記式(7)となる。また、逆行列A-1は、下記式(8)と算出された。
Figure 0007189029000007

Figure 0007189029000008
これにより、直線Lの係数(n,n,n)は、(3.849854,-0.154638,0)となった。なお、逆両列A-1の要素b11によって場合分けされており、この例では、nは0とした。
続いて、工程S109において、上記の係数を用いて、上記式(3)に示されたロドリゲスの回転公式を用いて、構造物点群GCのみを直線Lを回転軸として90°回転させた。この際、上述したように、回転後の構造物点群GCは元の位置とは異なる場所に展開されるため、工程S110において、回転前の直線Lの原点位置に平行移動した。この状態を図14に示す。
さらに、回転後の軸(直線LA)の方向は、回転前の軸(直線L)の方向とは一致しないため、回転後の構造物点群GCを、上記式(4)~(6)に示される各軸周りの回転行列を用いて、回転前の軸の位置に移動させた。図15には、回転前後の軸(直線L,LA)の他に、角度の算出に必要な補助線を可視化している。図15に示されるように、回転後の位置から真上まで回転する場合の鉛直角Vを下記式(9)に示されるように算出した。
Figure 0007189029000009
ここで、上述したように、直線Lと直線LAとは、始点にて交わるようにされている。図15に示された直線LVは、直線LAの終点を通ると共にZ軸に沿った垂直線である。また、直線LHは、直線Lの終点を通ると共にX軸に沿った水平線である。また、直線LBは、直線Lと直線LAとの交点と、直線LVと直線LHとの交点と、を結ぶ直線である。さらに、Vは直線LAと直線LBとのなす角であり、k1は直線LBの長さであり、k2は直線LVの長さである。本実施例においては、Vは、tan-1(7.612/49.173)≒8.800°であった。
続いて、算出したVに基づいて、直線LAを直線LBの位置まで回転(X軸周りの回転)させたときの直線の終点座標(Y´,Z´´,X´´)を、下記式(10),(11)に基づいて算出した。本実施例においては、(-20558.468,-110684.653,38. 566)であった。
Figure 0007189029000010

Figure 0007189029000011
続いて、上記で求めた座標に基づいて、直線LAを直線LBの位置まで回転(X軸周りの回転)させたときの直線の本来の長さをk1として算出し、より正確な角度を算出するため、下記式(12),(13)に示されるように、余弦定理を用いて再度V(V´とする)及びH(H´とする)を計算した。本実施例においては、H´≒9.344°であり、V´≒8.806°であった。
Figure 0007189029000012

Figure 0007189029000013
続いて、上記で求めた鉛直角V´を用いた下記式(14),(15)によって、直線LAの位置から直線LBの位置まで構造物点群GCを回転した時の座標を計算し、続いて、水平角H´を用いた下記式(16),(17)によって、直線LBの位置から直線Lの位置(当初の軸位置)まで回転させた時の構造物点群GCの座標(最終的に求める座標)を計算した。図16に最終的に算出した構造物点群GCを示す(回転後の構造物点群GCは元の位置とは異なる場所に展開されるため、回転軸の原点位置に平行移動する)。
Figure 0007189029000014

Figure 0007189029000015

Figure 0007189029000016

Figure 0007189029000017
以上説明したように、本実施形態に係る立面図作成方法においては、まず、車両を道路に沿って移動させてレーザ光をスキャンすることにより、道路及び道路沿線の構造物を含むエリアのレーザ光の反射点群を示す点群データが取得される。その点群データから、立面図の対象となる道路及び構造物に対応する反射点群である対象点群Gを得る。そして、道路縁に対応する直線Lを対象点群Gに対して設定すると共に、当該直線Lを回転軸として、構造物に対応する構造物点群GCを回転し、回転後の構造物点群GCと道路点群GRとによって立面図を作成する。このように、この方法においては、レーザデータを用いて立面図が作成されるので、道路及び構造物の正確な形状等を把握可能である。特に、この立面図においては、道路沿線の構造物が道路縁に沿って回転された(倒された)状態とされている。したがって、道路を俯瞰する視点によって、容易且つ短時間に道路及び構造物の形状等を把握できる。
また、本実施形態に係る立面図作成方法においては、工程S109において、道路の路面に沿うように構造物点群GCを回転させる。特に、工程S109においては、路面に沿うように、構造物のうち、車両の進行方向に対して右側に位置する構造物に対応する構造物点群GCRを90°回転させると共に、車両の進行方向に対して左側に位置する構造物に対応する構造物点群GCLを270°回転させる。このため、より容易い且つ短時間に、道路を俯瞰する視点によって、道路及び構造物の形状等を把握可能である。
また、本実施形態に係る立面図作成方法においては、工程S110においては、回転後の構造物点群GCを、回転前の直線Lの座標に整合するように移動させる。このため、構造物と道路とのより正確な位置関係を把握可能となる。
また、本実施形態に係る立面図作成方法においては、道路及び構造物を含むエリアを撮影することにより得られた第1画像に基づいて、工程S103において対象点群Gの各点に対して色情報を付加する。このため、道路及び構造物の形状等をカラーで把握可能となる。
また、本実施形態に係る立面図作成方法においては、道路を撮影することにより得られた第2画像に基づいて、工程S105において道路の路面を示すオルソ画像を作成する。また、工程S106において、当該オルソ画像に基づいて、対象点群Gのうちの道路の路面に対応する点群の色情報を補正する。このため、道路の形状・状態等をより正確に把握可能となる。
さらに、本実施形態に係る立面図作成方法においては、工程S106において、対象点群Gに対して、道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹に対応する点群GOをノイズデータとしてレイヤー区分すると共に、ノイズデータを除去する。このため、道路の形状及び状態をより明瞭に示すことが可能となる。
以上の実施形態は、本発明に係る立面図作成方法の一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る立面図作成方法は、上述した例に限定されることなく、任意に変更され得る。
例えば、上記実施形態においては、路面オルソ画像に基づいた色情報の補正の際に(工程S106において)、道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹等のノイズデータを除去する処理を行う例を挙げた。しかしながら、ノイズデータの除去は路面以外の任意の点群に対して行うことが可能である。
図17の(a)では、構造物点群GCに対して、電柱及び電線といった障害物に対応する点群GOがノイズデータとして重畳されている。これに対して、図17の(b)に示されるように、構造物点群GCに対して、障害物に対応する点群GOをノイズデータとしてレイヤー区分すると共に除去すれば、構造物の視認性が向上する。このように、本実施形態に係る立面図作成方法は、レーザデータを取り扱うことに起因して、障害物となる任意の物体をフィルタリングして除去することが可能であるため、写真と比較して非常に利便性の高い立面図が作成できる。
また、本実施形態に係る立面図作成方法は、図18に示されるように、道路がカーブしている区間にある構造物(ここでは家屋)に対しても有効である。すなわち、写真を利用する場合には、カーブ付近では画像が歪んでしまうが、レーザデータであれば、道路縁に沿って設定される直線Lを短く複数設定することにより、構造物の形状を歪ませることなく構造物を回転させて展開表示できる。
さらに、本実施形態に係る立面図作成方法においては、上述したように、構造物点群GCを回転させるに際して、道路点群GRと構造物点群GCとを互に区分している。立面図の一例を図19に示す。このように、データが区分されていることから、構造物点群GCのみを表示したり、道路点群GRのみを表示したりといったように、表示の切り替えが自由に行い得る。
このため、図20に示されるように、構造物点群GCのみを表示(道路点群GRを非表示)すると共に、道路部分に、3次元で作成した地下埋設管データDを表示することにより、上面から、地下埋設管やマンホール等と家屋の間口との関係、及び、家屋から配管までの離隔距離等を正確かつ容易に把握できる。したがって、従来では不可能であった新たな地下埋設管のデータ管理が可能となる。
G…対象点群、GC…構造物点群、GR…道路点群、L…直線。

Claims (7)

  1. レーザ計測装置が設けられた移動体を道路に沿って移動させながら、前記レーザ計測装置が、前記道路及び前記道路に沿って設けられた構造物を含むエリアに対するレーザ光の走査を行うことにより、前記レーザ光の反射点群を示す3次元座標が設定された点群データを取得する第1工程と、
    前記点群データから、前記道路及び前記構造物に対応する前記反射点群である対象点群を得る第2工程と、
    前記道路の道路縁に対応する直線を前記対象点群に対して設定する第3工程と、
    コンピュータが、前記対象点群のうち前記構造物に対応する点群である構造物点群を、前記直線を回転軸として回転させると共に、前記対象点群のうちの前記道路に対応する点群である道路点群と回転後の前記構造物点群とによって立面図を作成する第4工程と、
    を備える、
    立面図作成方法。
  2. 前記第4工程においては、前記道路の路面に沿うように前記構造物点群を回転させる、
    請求項1に記載の立面図作成方法。
  3. 前記第4工程においては、前記路面に沿うように、前記構造物のうち、前記移動体の進行方向に対して右側に位置する前記構造物に対応する前記構造物点群を90°回転させると共に、前記移動体の進行方向に対して左側に位置する前記構造物に対応する前記構造物点群を270°回転させる、
    請求項2に記載の立面図作成方法。
  4. 前記第3工程においては、回転後の前記構造物点群を、回転前の前記直線の座標に整合するように移動させる、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の立面図作成方法。
  5. 前記道路及び前記構造物を含む前記エリアを撮影することにより得られた第1画像に基づいて、前記対象点群の各点に対して色情報を付加する第5工程をさらに備える、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の立面図作成方法。
  6. 前記道路を撮影することにより得られた第2画像に基づいて、前記道路の路面を示すオルソ画像を作成する第6工程と、
    前記オルソ画像に基づいて、前記対象点群のうちの前記道路の路面に対応する点群の色情報を補正する第7工程と、
    を備える、
    請求項5に記載の立面図作成方法。
  7. 前記第6工程においては、前記対象点群に対して、路面以外の点群であって、前記道路上の他車両、歩道上の歩行者、電線、電柱、及び、街路樹に対応する点群をノイズデータとしてレイヤー区分すると共に、前記ノイズデータを除去する、
    請求項6に記載の立面図作成方法。
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